JP4413597B2 - 乗客コンベアの案内放送システム - Google Patents

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Description

本発明は、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアに関する案内を放送する乗客コンベアの案内放送システムに関する。
従来の乗客コンベアの制御装置においては、乗客コンベアの運転速度が変化するとき、運転速度が変化する旨の案内放送の指示が音声合成装置に行なわれた後、乗客コンベアの停止の指示がインバータ部に行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−89058号公報
しかし、案内放送は、音声合成装置への指示が行われてから所定の時間が経過したのちに行われるので、乗客コンベアの運転速度がすでに変化した後に行われる場合があった。このため、案内放送をより的確に行わなければならないという課題があった。
そこで、本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、案内放送をより的確に行うことが可能な乗客コンベアの案内放送システムを得るものである。
本発明の乗客コンベアの案内放送システムは、乗客コンベアの複数の種類の案内放送情報を格納する記憶部と、乗客コンベアの第1の速度運転時、第1の速度運転を第2の速度運転にするために変速を開始するまでの残り時間を求め、残り時間に応じた種類の案内放送情報を記憶部から選択して放送装置に出力する処理部とを備え、第1の速度運転時は、通常運転時であり、第2の速度運転時は、停止運転時であり、案内放送情報には、通常運転時の案内放送情報と減速時の案内放送情報とが含まれ、処理部は、通常運転時の案内放送情報の出力が終了するたびに、残り時間と、通常運転時の案内放送情報の所要時間とを比較し、残り時間が所要時間よりも短いと判断した場合は、減速時の案内放送情報を上記放送装置に出力するものである。
本発明の案内放送システムは、乗客コンベアの第1の速度運転時、第1の速度運転を第2の速度運転にするために変速を開始するまでの残り時間を求め、残り時間に応じた種類の案内放送情報を選択して放送装置に出力するので、案内放送をより的確に行うことができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るエスカレータの案内放送システムを示すブロック図である。図1において、装置本体1は、駆動用モータ2を制御してエスカレータの運転を制御するようになっている。駆動用モータ2には、速度検出器3が接続されている。速度検出器3は、駆動用モータ2の回転速度によりエスカレータの速度を検出する。装置本体1は、速度検出器3からの信号に基づいてエスカレータの運転速度を制御する。
また、装置本体1には、放送装置4が接続されている。放送装置4は、装置本体1からの指示により、乗客に対する案内放送を行うように構成されている。以下、装置本体1について詳述する。
装置本体1は、通信部11、メモリ(記憶部)12、およびこれらの動作を制御するCPU(処理部)13を有している。通信部11は、例えば入出力インターフェースである。通信部11には、駆動用モータ2、速度検出器3、および放送装置4が接続されている。
メモリ12には、運転時間データd1が予め格納されている。運転時間データd1には、例えば、通常の運転時間,待機時間(停止時間),減速時間,加速時間を示すデータが含まれている。これらの時間は、例えば、エスカレータの設置場所,運転区間等により決定されている。
また、メモリ12には、複数の種類の案内放送情報d2が予め格納されているとともに、各案内放送情報d2に対応した所要時間情報d3が予め格納されている。
案内放送情報d2は、乗客に対する音声メッセージである。案内放送情報d2には、例えば、通常運転時にアナウンスするための通常時メッセージd4,減速時にアナウンスするための減速時メッセージd5,待機時にアナウンスするための待機時メッセージd6,加速時にアナウンスするための加速時メッセージd7が含まれている。減速時メッセージd5は、例えば、「減速します。ご注意下さい。」等である。
所要時間情報d3は、案内放送情報d2による放送の開始から終了までの時間を示すデータである。
CPU13には、制御部13a、算出部13b、判断部13c、および出力部13dが含まれている。これら各部13a〜13dの機能は次のとおりである。制御部13aは、運転時間データd1に示された時間に従ってエスカレータの運転を制御する。算出部13bは、通常運転時に減速を開始するまでの残り時間等を求める。出力部13dは、案内放送情報d2を放送装置4に出力する。
ここで、制御部13aにより制御されるエスカレータの運転、および、出力部13dにより出力される案内放送情報d2の一例について図2に基づいて説明する。
図2は、エスカレータの運転および案内放送情報d2を示す説明図である。図2によると、エスカレータは、通常の速度で運転(第1の速度運転)を行った後、減速を開始して待機運転(第2の速度運転)を行うようになっている。この場合、エスカレータの踏段が減速を開始するまでの残り時間d8が所定の時間になるまで、通常時メッセージd4が連続して放送される。そして、残り時間d8が所定の時間になると、減速時メッセージd5が放送されるようになっている。
つぎに、装置本体1の動作を図3に基づいて説明する。図3は、装置本体1の動作を示すフローチャートである。ここでは、通常運転中のエスカレータが、図2に示したように、減速して待機運転を行う場合について説明する。
エスカレータが制御部13aの制御により通常に運転しているとき、算出部13bは、メモリ12の運転時間データd1に示された通常の運転時間に基づいて、エスカレータが減速を開始するまでの残り時間d8を算出する(S101)。次に、判断部13cは、算出部13bにより算出された残り時間d8と通常時メッセージd4の所要時間情報d3とを比較し、残り時間d8が所要時間情報d3よりも長いかどうかを判断する(S102)。
また、判断部13bの判断において(S102)、残り時間d8が所要時間情報d3よりも長いと判断された場合、出力部13dは、通常時メッセージd4をメモリ12から読み出し、通常時メッセージd4を放送装置4に出力する(S103)。これにより、通常時メッセージd4が、放送装置4により乗客に対して放送されることとなる
通常時メッセージd4の放送の終了後、算出部13bにより算出された次の残り時間d8が通常時メッセージd4の所要時間情報d3よりも長い場合、出力部13dは、通常時メッセージd4を放送装置4に出力する(S101〜S103)。これにより、通常時メッセージd4が繰り返して放送されることとなる。
そして、判断部13bの判断において(S102)、残り時間d8が通常時メッセージd4の所要時間情報d3以下と判断された場合、出力部13dは、メモリ12から読み出した減速時メッセージd5を放送装置4に出力する(S104)。これにより、減速時メッセージd5が乗客に対して放送されることとなる。
このように、実施の形態1によると、装置本体1のCPU13は、エスカレータの通常運転時、運転を待機するために減速を開始するまでの残り時間d8を求め、残り時間d8に応じて、通常時メッセージd4および減速時メッセージd5の少なくとも一方を選択して放送装置4に出力する。このため、通常時メッセージd4と減速時メッセージd5とが適切なタイミングで放送されることとなる。したがって、案内放送をより的確に行うことができる。
また、CPU13は、通常時メッセージd4の出力が終了するたびに、残り時間d8と、通常時メッセージd4の所要時間情報d3とを比較し、残り時間d8が所要時間情報d3以下と判断した場合は、減速時メッセージd5を放送装置4に出力する。このため、エスカレータの減速の開始前に減速時メッセージd5による案内放送を行うことができる。
さらに、CPU13は、通常時メッセージd4の出力が終了するたびに、残り時間d8と、通常時メッセージd4の所要時間情報d3とを比較し、残り時間d8が所要時間情報d3よりも長い場合は、通常時メッセージd4を放送装置4に出力する。このため、エスカレータの通常運転中は、通常時メッセージd4による案内放送を繰り返して行うことができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、待機運転(第1の速度運転)中のエスカレータが加速して通常運転(第2の速度運転)を行う場合のものである。この実施の形態2の全体構成は、実施の形態1の場合と同様である。なお、実施の形態1と同様の部分は、同一符号を付して重複説明を適宜省略する。
図4は、実施の形態2におけるエスカレータの運転および案内放送情報d2を示す説明図である。図4によると、待機中のエスカレータは、加速して通常の速度で運転を行うようになっている。この場合、エスカレータの踏板が加速を開始するまでの残り時間d9が所定の時間になるまで、待機時メッセージd6が連続して放送される。そして、残り時間d9が所定の時間になると、加速時メッセージd5が放送されるようになっている。以下に、装置本体1bの動作を詳述する。
図5は、装置本体1bの動作を示すフローチャートである。
エスカレータの待機時、算出部13bは、メモリ12の運転時間データd1に基づいて、エスカレータが加速を開始するまでの残り時間d9を算出する(S201)。次に、判断部13cは、算出部13bにより算出された残り時間d9と待機時メッセージd5の所要時間情報d3とを比較し、残り時間d9が所要時間情報d3よりも長いかどうかを判断する(S202)。
そして、判断部13bの判断において(S202)、残り時間d9が待機時メッセージd5の所要時間情報d3よりも長いと判断された場合、出力部13dは、メモリ12から読み出した待機時メッセージd6を放送装置4に出力する(S203)。これにより、待機時メッセージd6が乗客に対して放送されることとなる
待機時メッセージd6の放送の終了後、算出部13bにより算出された次の残り時間d9が待機時メッセージd6の所要時間情報d3よりも長い場合、出力部13dは、待機時メッセージd6を放送装置4に出力する(S201〜S203)。これにより、待機時メッセージd6が繰り返して放送されることとなる。
また、判断部13bの判断において(S202)、残り時間d9が待機時メッセージd6の所要時間情報d3以下と判断された場合、出力部13dは、メモリ12から読み出した加速時メッセージd7を放送装置4に出力する(S204)。これにより、加速時メッセージd7が乗客に対して放送されることとなる。
このように、実施の形態2によると、装置本体1bのCPU13は、エスカレータの待機時、通常に運転するために加速を開始するまでの残り時間d9を求め、残り時間d9に応じて、待機時メッセージd6および加速時メッセージd7の少なくとも一方を選択して放送装置4に出力する。このため、待機時メッセージd6と加速時メッセージd7とが適切なタイミングで放送されることとなる。したがって、案内放送をより的確に行うことができる。
また、CPU13は、待機時メッセージd6の出力が終了するたびに、残り時間d9と、待機時メッセージd6の所要時間情報d3とを比較し、残り時間d9が所要時間情報d3以下と判断した場合は、加速時メッセージd7を放送装置4に出力する。このため、エスカレータの加速の開始前に加速時メッセージd7による案内放送を乗客に対して行うことができる。
さらに、CPU13は、待機時メッセージd6の出力が終了するたびに、残り時間d9と、待機時メッセージd6の所要時間情報d3とを比較し、残り時間d9が所要時間情報d3よりも長い場合は、待機時メッセージd6を放送装置4に出力する。このため、エスカレータの待機中は、待機時メッセージd6による案内放送を繰り返して行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、所要時間情報d3が互いに異なる複数の減速時メッセージd5による案内放送を行う場合のものである。
実施の形態3に係る装置本体1cのメモリ12には、所要時間情報d3が異なる複数の案内放送情報d2も格納されている。ここでは、所要時間情報d3が例えば10秒の減速時メッセージd51と、所要時間情報d3が例えば15秒の減速時メッセージd52とを有する場合を例にして説明する。つまり、所要時間情報d3が長いものと短いものの2つの減速時メッセージd5を有する場合である。
その他の構成は、上記実施の形態1とほぼ同様である。なお、実施の形態1と同様の部分は、同一符号を付して重複説明を適宜省略する。
図6は、実施の形態3におけるエスカレータの運転および案内放送情報d2を示す説明図である。図6によると、エスカレータは、通常速度で運転(第1の速度運転)を行った後、減速を開始して待機運転(第2の速度運転)を行うようになっている。この場合、エスカレータの踏板が減速を開始して待機するまでの残り時間d10に応じて、通常時メッセージd4、減速時メッセージd51およびd52のうちの一つのメッセージが放送されるようになっている。以下に、装置本体1cの動作を詳述する。
図7は、装置本体1cの動作を示すフローチャートである。
エスカレータの通常運転時、算出部13bは、メモリ12の運転時間データd1に基づいて、エスカレータが減速して待機するまでの残り時間d10を算出する(S301)。次に、判断部13cは、算出部13bにより算出された残り時間d10と、メッセージが長い減速時メッセージd52の所要時間情報d3とを比較し、残り時間d10が所要時間情報d3よりも長いかどうかを判断する(S302)。
そして、判断部13bの判断において(S302)、残り時間d10が減速時メッセージd52の所要時間情報d3よりも長いと判断された場合、出力部13dは、メモリ12から読み出した通常時メッセージd4を放送装置4に出力する(S103)。これにより、通常時メッセージd4が乗客に対して放送されることとなる
通常時メッセージd4の放送の終了後、算出部13bにより算出された次の残り時間d10が減速時メッセージd52の所要時間情報d3よりも長い場合、出力部13dは、通常時メッセージd4を放送装置4に出力する(S301,S302,S103)。これにより、通常時メッセージd4が繰り返して放送されることとなる。
そして、判断部13bの判断において(S302)、残り時間d10が減速時メッセージd52の所要時間情報d3以下と判断された場合、出力部13dは、メモリ12から読み出した減速時メッセージd51およびd52のいずれか一方を選択して放送装置4に出力する(S303)。
具体的には、例えば、残り時間d10が10秒から14秒までの場合、出力部13dは、所要時間情報d3が10秒の減速時メッセージd51を選択して出力する。また、例えば、残り時間d10が15秒以上の場合、出力部13dは、所要時間情報d3が15秒の減速時メッセージd52を選択して出力することとなる。これにより、メッセージ長が異なる減速時メッセージd51およびd52のいずれか一方が乗客に対して放送されることとなる。
このように、実施の形態3によると、装置本体1cのCPU13は、エスカレータの通常運転時、減速して停止するまでの残り時間d10を求め、残り時間d10に応じた所要時間情報d3を有する減速時メッセージd51,d52をメモリ12から選択して放送装置4に出力する。このため、互いに異なるメッセージ長を有する減速時メッセージd51,d52を残り時間d10に合わせて放送することができる。
なお、実施の形態3において、出力部13dは、所要時間情報d3が異なる減速時メッセージd51およびd52のいずれか一方を選択して放送装置4に出力する場合について説明したが、所要時間情報d3が異なる3つ以上の減速時メッセージのうちから任意の減速時メッセージを選択して放送装置4に出力するようにしてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4は、所要時間情報d3が互いに異なる複数の加速時メッセージd7による案内放送を行う場合のものである。
この実施の形態4に係る装置本体1dのメモリ12には、所要時間情報d3が異なる2つの加速時メッセージd71,d72が格納されている。ここでは、加速時メッセージd71は、所要時間情報d3が例えば10秒のメッセージであり、加速時メッセージd72は、所要時間情報d3が例えば15秒のメッセージである。
その他の構成は、上記実施の形態2,3とほぼ同様である。なお、実施の形態2,3と同様の部分は、同一符号を付して重複説明を適宜省略する。
図8は、実施の形態4におけるエスカレータの運転および案内放送情報d2を示す説明図である。図8によると、待機運転(第1の速度運転)中のエスカレータは、加速して通常の速度で運転(第2の速度運転)を行うようになっている。この場合、エスカレータの踏板が加速を開始して通常に運転するまでの残り時間d11に応じて、待機時メッセージd6、加速時メッセージd71およびd72のうちの一つのメッセージが放送されることとなる。以下に、装置本体1dの動作を詳述する。
図9は、装置本体1dの動作を示すフローチャートである。
エスカレータの待機運転時、算出部13bは、メモリ12の運転時間データd1に基づいて、エスカレータが加速して通常に運転するまでの残り時間d11を算出する(S401)。次に、判断部13cは、算出部13bにより算出された残り時間d11と、メッセージが長い加速時メッセージd72の所要時間情報d3とを比較し、残り時間d11が所要時間情報d3よりも長いかどうかを判断する(S402)。
そして、判断部13bの判断において(S402)、残り時間d11が加速時メッセージd72の所要時間情報d3よりも長いと判断された場合、出力部13dは、メモリ12から読み出した待機時メッセージd6を放送装置4に出力する(S203)。これにより、待機時メッセージd6が乗客に対して放送されることとなる
待機時メッセージd6の放送の終了後、算出部13bにより算出された次の残り時間d11が加速時メッセージd72の所要時間情報d3よりも長い場合、出力部13dは、待機時メッセージd6を放送装置4に出力する(S401,S402,S203)。これにより、待機時メッセージd6が繰り返して放送されることとなる。
そして、判断部13bの判断において(S402)、残り時間d11が加速時メッセージd72の所要時間情報d3以下と判断された場合、出力部13dは、メモリ12から読み出した加速時メッセージd71およびd72のいずれか一方を選択して放送装置4に出力する(S403)。
具体的には、例えば、残り時間d11が10秒から14秒までの場合、出力部13dは、所要時間情報d3が10秒の加速時メッセージd71を選択して出力する。また、例えば、残り時間d11が15秒以上の場合、出力部13dは、所要時間情報d3が15秒の加速時メッセージd72を選択して出力することとなる。これにより、メッセージ長が異なる加速時メッセージd71およびd72のいずれか一方が乗客に対して放送されることとなる。
このように、実施の形態4によると、装置本体1dのCPU13は、エスカレータの待機時、加速して通常に運転するまでの残り時間d11を求め、残り時間d11に応じた所要時間情報d3を有する加速時メッセージd71,d72をメモリ12から選択して放送装置4に出力する。このため、互いに異なるメッセージ長を有する加速時メッセージd71,d72を残り時間d11に合わせて放送することができる。
なお、実施の形態4において、出力部13dは、所要時間情報d3が異なる加速時メッセージd71およびd72のいずれか一方を選択して放送装置4に出力する場合について説明したが、所要時間情報d3が異なる3つ以上の加速時メッセージのうちから任意の加速時メッセージを選択して放送装置4に出力するようにしてもよい。
実施の形態5.
実施の形態5に係る装置本体1eのメモリ12には、案内放送情報d2の所要時間を示すカウント値(初期値)も予め格納されている。また、装置本体1eの算出部13bは、案内放送情報d2の経過時間をカウントするようになっている。
その他の構成は、実施の形態1の場合と同様である。
図10は、実施の形態5におけるエスカレータの運転を示す説明図である。図10によると、通常運転(第1の速度運転)中のエスカレータは、通常時メッセージd4の放送が
途中の場合、通常運転の時間を延長し、通常時メッセージd4の放送が終了した後、減速を開始して待機運転(第2の速度運転)を行うようになっている。なお、図10において、破線は、予め設定されている時間に従ってエスカレータを運転した場合に踏板が減速を開始するタイミングを示している。以下に、装置本体1eの動作を詳述する。
図11は、装置本体1eの動作を示すフローチャートである。
エスカレータの通常運転時、出力部13dは、メモリ12から読み出した通常時メッセージd4の放送の指示信号を放送装置4に出力する(S103)。これにより、通常時メッセージd4が乗客に対して放送されることとなる。
続いて、算出部13bは、出力部13eにより指示された通常時メッセージd4の放送の経過時間をカウントしてメモリ12のカウント値を減算する(S501)。つまり、メモリ12のカウント値がデクリメントされる。
次に、判断部13cは、メモリ12の運転時間データd1に示された運転時間に基づいて、通常運転の期間が満了するかどうかを判断する(S502)。
そして、判断部13cの判断において(S502)、通常運転の期間が満了していないと判断されると、判断部13cは、メモリ12のカウント値に基づいて、通常時メッセージd4の放送が途中かどうかを判断する(S503)。
そして、判断部13cの判断において、放送が途中であると判断された場合、算出部13bは、通常時メッセージd4の放送の経過時間に応じてメモリ12のカウント値を減算し続ける(S501〜S503)。
他方、判断部13cの判断において(S503)、放送が終了したと判断された場合、出力部13dは、再度、メモリ12から読み出した通常時メッセージd4を放送装置4に出力する(S103)。これにより、通常運転時、通常時メッセージd4が繰り返して放送されることとなる。
そして、判断部13cは、メモリ12の運転時間データd1に示された運転時間に基づいて、通常運転の期間が満了したと判断した場合(S502)、メモリ12のカウンタ値が零を示しているかどうかを判断する(S504)。つまり、判断部13cは、通常時メッセージd4の放送が途中かどうかを判断する。
そして、判断部13cの判断において(S504)、カウント値が零を示していない場合、制御部13aは、カウント値が示す時間分、運転の延長を示す指示信号を駆動用モータ2に出力する(S505)。これにより、通常時メッセージd4の放送が完全に終了した後、エスカレータの踏板が減速し始めることとなる。つまり、エレベータの通常運転の時間が延長されることとなる。
次に、出力部13dは、メモリ12から読み出した待機時メッセージd6の放送の指示信号を放送装置4に出力し(S506)、制御部13aは、エスカレータの待機を示す指示信号を駆動用モータ2に出力する(S507)。これにより、エスカレータが待機することとなる。
このように、実施の形態5によると、装置本体1eのCPU13は、エスカレータの通常運転時、運転を停止するための減速を開始するまでに、通常時メッセージd4の出力が途中で終了すると判断した場合、通常時メッセージd4の放送を継続し、エスカレータの通常運転を延長するよう制御を行う。このため、通常時メッセージd4の放送が完全に終了してから、エスカレータの運転速度を減速させることができる。したがって、速度変化への注意を乗客に喚起させることができる。
実施の形態6.
実施の形態6の全体構成は、実施の形態2,5の場合と同様である。
図12は、実施の形態6におけるエスカレータの運転を示す説明図である。図12によると、待機運転(第1の速度運転)中のエスカレータは、待機時メッセージd6の放送が
途中の場合、待機運転の時間を延長し、待機時メッセージd6の放送が終了した後、加速を開始して通常運転(第2の速度運転)を行うようになっている。なお、図12において、破線は、予め設定されている時間に従ってエスカレータを運転した場合に踏板が加速を開始するタイミングを示している。以下に、装置本体1fの動作を詳述する。
図13は、装置本体1fの動作を示すフローチャートである。
エスカレータの待機運転時、出力部13dは、メモリ12から読み出した待機時メッセージd6の放送の指示信号を放送装置4に出力する(S203)。これにより、待機時メッセージd6が乗客に対して放送されることとなる。
続いて、算出部13bは、出力部13eにより指示された待機時メッセージd6の放送の経過時間をカウントしてメモリ12のカウント値を減算する(S601)。
次に、判断部13cは、メモリ12の運転時間データd1に示された待機時間に基づいて、待機期間が満了するかどうかを判断する(S602)。
そして、判断部13cの判断において(S602)、待機期間が満了していないと判断されると、判断部13cは、メモリ12のカウント値に基づいて、待機時メッセージd6の放送が途中かどうかを判断する(S603)。
そして、判断部13cの判断において、放送が途中であると判断された場合、算出部13bは、待機時メッセージd6の経過時間に応じてメモリ12のカウント値を減算し続ける(S601〜S603)。
他方、判断部13cの判断において(S603)、放送が終了したと判断された場合、出力部13dは、再度、メモリ12から読み出した待機時メッセージd6の放送の指示信号を放送装置4に出力する(S203)。これにより、エスカレータの待機時、待機時メッセージd6が繰り返して放送されることとなる。
そして、判断部13cは、メモリ12の運転時間データd1に示された待機時間に基づいて、待機期間が満了したと判断した場合(S602)、メモリ12のカウンタ値が零を示しているかどうかを判断する(S604)。つまり、判断部13cは、待機時メッセージd6の放送が途中かどうかを判断する。
そして、判断部13cの判断において(S604)、カウント値が零を示していない場合、制御部13aは、カウント値が示す時間分、待機時間の延長を示す指示信号を駆動用モータ2に出力する(S605)。これにより、待機時メッセージd6の放送が完全に終了した後、エスカレータの踏板が加速し始めることとなる。
次に、出力部13dは、メモリ12から読み出した通常時メッセージd4の放送の指示信号を放送装置4に出力し(S606)、制御部13aは、エスカレータの通常の運転を示す指示信号を駆動用モータ2に出力する(S607)。これにより、エスカレータが通常に運転することとなる。
このように、実施の形態6によると、装置本体1fのCPU13は、エスカレータの待機時、通常に運転するための加速を開始するまでに、待機時メッセージd6の放送が途中で終了すると判断した場合、待機時メッセージd6の放送を継続し、エスカレータの待機時間を延長するよう制御を行う。このため、待機時メッセージd6の放送が完全に終了してから、エスカレータの踏板が加速することとなる。したがって、エスカレータの速度変化への注意を乗客に喚起させることができる。
なお、上記実施の形態1〜6において、第1および第2の速度運転は、通常運転,待機運転の場合について説明したが、例えば、低速運転,高速運転等であってもよい。
また、第1の速度運転から第2の速度運転への運転の切り替えは、運転時間データd1に示された時間に従って行われる場合について説明したが、例えば、キースイッチ操作等の外部要因により運転を切り替えるようにしてもよい。
さらに、乗客コンベアは、エスカレータの場合で説明したが、例えば動く歩道であってもよい。
本発明の実施の形態1に係るエスカレータの案内放送システムを示すブロック図である。 図1の装置本体により制御されるエスカレータの運転および案内放送情報を示す説明図である。 図1の装置本体の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2におけるエスカレータの運転および案内放送情報を示す説明図である。 実施の形態2における装置本体の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3におけるエスカレータの運転および案内放送情報を示す説明図である。 実施の形態3における装置本体の動作を示すフローチャートである。 実施の形態4におけるエスカレータの運転および案内放送情報を示す説明図である。 実施の形態4における装置本体の動作を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるエスカレータの運転を示す説明図である。 実施の形態5における装置本体の動作を示すフローチャートである。 実施の形態6におけるエスカレータの運転を示す説明図である。 実施の形態6における装置本体の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 装置本体、4 放送装置、11 通信部、12 メモリ、13 CPU、13a 制御部、13b 算出部、13c 判断部、13d 出力部、d1 運転時間データ、d2 案内放送情報、d3 所要時間。

Claims (4)

  1. 乗客コンベアの複数の種類の案内放送情報を格納する記憶部と、
    上記乗客コンベアの第1の速度運転時、第1の速度運転を第2の速度運転にするために変速を開始するまでの残り時間を求め、残り時間に応じた種類の案内放送情報を上記記憶部から選択して放送装置に出力する処理部と
    備え、
    上記第1の速度運転時は、通常運転時であり、上記第2の速度運転時は、停止運転時であり、
    上記案内放送情報には、通常運転時の案内放送情報と減速時の案内放送情報とが含まれ、
    上記処理部は、上記通常運転時の案内放送情報の出力が終了するたびに、上記残り時間と、通常運転時の案内放送情報の所要時間とを比較し、上記残り時間が上記所要時間よりも短いと判断した場合は、減速時の案内放送情報を上記放送装置に出力する
    ことを特徴とする乗客コンベアの案内放送システム。
  2. 乗客コンベアの複数の種類の案内放送情報を格納する記憶部と、
    上記乗客コンベアの第1の速度運転時、第1の速度運転を第2の速度運転にするために変速を開始するまでの残り時間を求め、残り時間に応じた種類の案内放送情報を上記記憶部から選択して放送装置に出力する処理部と
    備え、
    上記第1の速度運転時は、通常運転時であり、上記第2の速度運転時は、停止運転時であり、
    上記案内放送情報には、通常運転時の案内放送情報と減速時の案内放送情報とが含まれ、
    上記処理部は、上記通常運転時の案内放送情報の出力が終了するたびに、上記残り時間と、通常運転時の案内放送情報の所要時間とを比較し、上記残り時間が上記所要時間よりも長いと判断した場合は、通常運転時の案内放送情報を上記放送装置に出力する
    ことを特徴とする乗客コンベアの案内放送システム。
  3. 乗客コンベアの複数の種類の案内放送情報を格納する記憶部と、
    上記乗客コンベアの第1の速度運転時、第1の速度運転を第2の速度運転にするために変速を開始するまでの残り時間を求め、残り時間に応じた種類の案内放送情報を上記記憶部から選択して放送装置に出力する処理部と
    備え、
    上記第1の速度運転時は、停止運転時であり、上記第2の速度運転時は、通常運転時であり、
    上記案内放送情報には、停止時の案内放送情報と加速時の案内放送情報とが含まれ、
    上記処理部は、上記停止時の案内放送情報の出力が終了するたびに、上記残り時間と、停止時の案内放送情報の所要時間とを比較し、上記残り時間が上記所要時間よりも短いと判断した場合は、加速時の案内放送情報を上記放送装置に出力する
    ことを特徴とする乗客コンベアの案内放送システム。
  4. 乗客コンベアの複数の種類の案内放送情報を格納する記憶部と、
    上記乗客コンベアの第1の速度運転時、第1の速度運転を第2の速度運転にするために変速を開始するまでの残り時間を求め、残り時間に応じた種類の案内放送情報を上記記憶部から選択して放送装置に出力する処理部と
    備え、
    上記第1の速度運転時は、停止運転時であり、上記第2の速度運転時は、通常運転時であり、
    上記案内放送情報には、停止時の案内放送情報と加速時の案内放送情報とが含まれ、
    上記処理部は、上記停止時の案内放送情報の出力が終了するたびに、上記残り時間と、停止時の案内放送情報の所要時間とを比較し、上記残り時間が上記所要時間よりも長いと判断した場合は、停止時の案内放送情報を上記放送装置に出力する
    ことを特徴とする乗客コンベアの案内放送システム。
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