JP5393374B2 - 天井クレーン - Google Patents
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Description
従来、天井クレーンの走行制御には巻線形モートルの二次抵抗制御が採用されており、オペレータがフットブレーキにより天井クレーンの速度を微調整することによって、上記目的を達成している。具体的には、走行状態からクレーンを停止させる場合において、クレーンが慣性力のみで移動するフリーラン状態とした後、オペレータがフットブレーキ(油圧ブレーキ)を微妙に操作することによって、目的場所にクレーンを停止させると同時に吊り荷を静止させている。
そして、クレーンを減速する際には、コースチング運転としてからブレーキ指令を与える構成となっているので、ブレーキ指令をON-OFFして速度を調整すれば、二次抵抗制御に近い状態でクレーンを減速させることができる。
かかる衝撃は、特許文献1の技術が対象とするジブクレーン等では問題になることは少ないが、停止時に繊細な作動が求められることが多い天井クレーンでは、減速開始時の衝撃によるオペレータの疲労等の問題を生じさせる恐れがある。
第2発明の天井クレーンは、第1発明において、前記制御部は、前記緩減速割合の大きさを調整可能であることを特徴とする。
第3発明の天井クレーンは、第1または第2発明において、前記制御部は、前記設定時間の長さを設定可能であることを特徴とする。
第4発明の天井クレーンは、第1〜第3発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記操作スイッチがONに切り替えられてから設定時間が経過するまでは、前記緩減速指示部が前記緩減速指令を前記インバータに送信し、前記設定時間が経過した後は前記基準減速指示部が前記基準減速指令を前記インバータに送信する第1モードと、前記操作スイッチがONに切り替えられた直後から前記基準減速指示部が前記基準減速指令を前記インバータに送信する第2モードと、を切り替え可能であることを特徴とする。
第2発明によれば、緩減速指示部の減速割合を各作業者の癖や好みに合わせて設定することができるので、操作間隔を、各作業者が2次抵抗制御の際に天井クレーンを作動させていた場合と同等の感覚となるように調整することも可能となる。
第3発明によれば、設定時間を各作業者の癖や好みに合わせて設定することができるので、操作間隔を、各作業者が2次抵抗制御の際に天井クレーンを作動させていた場合と同等の感覚となるように調整することも可能となる。
第4発明によれば、作業者が操作に適したモードを選択できるので、作業者の操作性を向上させることができる。そして、第2モードで作動させれば減速期間を短くできるので、減速時の微調整が不要な場合には作業効率を向上させることができる。
本発明のクレーン制御装置は、インバータ制御方式によって、クレーンの作動を制御するものであり、インバータ制御でありながら、クレーンの作動速度を減速するときに油圧ブレーキを使用する二次抵抗制御と同等の操作性を維持できるようにしたことに特徴を有している。
以下では、本発明のクレーン制御装置を天井クレーンの走行制御に使用した場合を代表として説明する。
図2に示すように、本実施形態のクレーン制御装置1は、速度制御手段2および減速制御手段3を備えており、これら2つの制御手段2,3からの速度指令に基づいてインバータ2がモータMの作動を制御し、天井クレーンの走行を制御、つまり加速、減速、停止を制御するように構成されている。
速度制御手段2は、天井クレーンの走行速度(特許請求の範囲における作動速度に相当する)を制御するものであり、天井クレーンの走行速度を指示する指令をインバータINVに送信する指示部である、静止指示部M0と、複数の走行指示部M1〜M3とを有している。
基準減速指示部RDは、基準減速割合で減速するように指示する減速指令を送信するものである。基準減速割合は、例えば0.2m/secであり、クレーンの使用頻度及び定格速度によって定める。
緩減速指示部SDは、緩減速割合で減速するように指示する減速指令を送信するものである。緩減速割合は、静止指示部M0が指示する減速割合よりは大きいが、基準減速割合よりは小さい減速割合である。例えば0.15m/secである。
一方、タイマTmは、緩減速指示部SDのタイマTmと基準減速指示部RDのタイマTmのうち、いずれか一方のみがONになるように構成されており、フットスイッチFSがONの状態において、緩減速指示部SDと基準減速指示部RDのうちいずれか一方のみが電源と接続されるように構成されている。
具体的には、フットスイッチFSがONになると同時に緩減速指示部SDのタイマTmはONになり、緩減速指示部SDが電源と接続される。そして、フットスイッチFSがONになってから一定期間経過(例えば、0.5秒経過)すると、緩減速指示部SDのタイマTmがOFFになる一方、基準減速指示部RDのタイマTmがONになり、基準減速指示部RDが電源と接続されるように構成されているのである。
この状態から作業者がフットスイッチFSを操作すると、緩減速指示部SDの指令がインバータINVに送信されて天井クレーンは緩減速割合SSで走行するようになる。つまり、天井クレーンの減速割合がフリーラン状態(図1のFR)よりも大きくなる。しかし、緩減速割合SSは、フリーラン状態の減速割合FRとの差がそれほど大きくならないように調整されているので、減速状態が緩減速割合SSに変わっても、天井クレーンに加わる衝撃を抑えることができる。
さらに、緩減速指示部SDを設けていても、フットスイッチFSがONされた直後から基準減速指示部RDの指令がインバータINVに送信されるような回路を設ければ、緩減速指示部SDを使用するモードと、緩減速指示部SDを使用しないモード(急減速モード)を切り換えることができる。この場合には、作業者が操作に適したモードを選択できるので、作業者の操作性を向上させることができる。
また、上記例では、作動指示部M1〜M3から、予め定めた走行速度V1〜V3で天井クレーンが走行するように指示する指令が送信される制御(ノッチ制御)の場合を説明した。
しかし、作動指示部M1〜M3から、目標とする走行速度を指示するのではなく、現状の速度からの速度変動を指示する指令が送信される制御(ノッチレス制御)としてもよい。例えば、図4に示すように、作動指示部M1〜M3が、それぞれ現在の速度に対して、微加速、速度維持、急加速となるように指示する指令を送信するものとしてもよい。
この場合にも、図3に示すように、減速開始の際に主幹制御器を0ノッチに戻してから、フットスイッチFSのON−OFFを繰り返せば、2次抵抗制御による減速に近い速度変動で天井クレーンの速度を減少させることができ、しかも、減速開始時において天井クレーンに衝撃が発生することを防ぐことができる。
そして、本実施形態のクレーン制御装置1に、ノッチ制御を行う回路(図2)とノッチレス制御を行う回路(図4)を両方設け、いずれの回路を使用するか、つまり、いずれの制御を採用するかを切り換えることができるようにしてもよい。この場合、実施する作業に応じて、作業者が操作に適した制御を選択できるので、作業者の操作性を向上させることができ、作業効率を向上させることができる。
2 速度制御手段
3 減速制御手段
M0 静止指示部
M1〜M3 作動指示部
RD 基準減速指示部
SD 緩減速指示部
FS フットスイッチ
Tm タイマ
M 走行用モータ
INV インバータ
Claims (4)
- 走行を制御する制御部を有する天井クレーンであって、
走行用モータと、
複数のノッチを切り替え可能な主幹制御器と、を備え、
前記主幹制御器は、
前記走行用モータの作動を制御するインバータと、
前記主幹制御器が操作されてノッチが切り替えられることで、切り替えられたノッチに対応する走行速度を指示する走行速度指令、又はフリーラン状態に相当する減速割合で減速するように指示するフリーラン減速指令、を前記インバータに送信する速度制御手段と、
前記走行速度を減速させる減速指令を前記インバータに送信する減速制御手段と、を有し、
前記減速制御手段は、
基準減速割合で減速するように指示する基準減速指令を前記インバータに送信する基準減速指示部と、
前記フリーラン減速指令による減速割合よりも大きく、且つ、前記基準減速割合よりも小さな緩減速割合で減速するように指示する緩減速指令を前記インバータに送信する緩減速指示部と、
ON又はOFFの切り替え可能な操作スイッチと、を有し、
前記操作スイッチがONに切り替えられてから設定時間が経過するまでは、前記緩減速指示部が前記緩減速指令を前記インバータに送信し、前記設定時間が経過した後は前記基準減速指示部が前記基準減速指令を前記インバータに送信する
ことを特徴とする天井クレーン。 - 前記制御部は、
前記緩減速割合の大きさを調整可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の天井クレーン。 - 前記制御部は、
前記設定時間の長さを設定可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の天井クレーン。 - 前記制御部は、
前記操作スイッチがONに切り替えられてから設定時間が経過するまでは、前記緩減速指示部が前記緩減速指令を前記インバータに送信し、前記設定時間が経過した後は前記基準減速指示部が前記基準減速指令を前記インバータに送信する第1モードと、
前記操作スイッチがONに切り替えられた直後から前記基準減速指示部が前記基準減速指令を前記インバータに送信する第2モードと、を切り替え可能である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の天井クレーン。
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2009
- 2009-09-24 JP JP2009219085A patent/JP5393374B2/ja active Active
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