JP4401456B2 - スチレン系樹脂組成物及びそれを用いた成形用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスチレン系樹脂及びそれを用いた成形用シートに関する。さらに詳しくは衝撃強度などの機械的強度を維持しつつ、延伸が容易なスチレン系樹脂及び発泡成形用樹脂組成物、並びに深絞り性や低偏肉性などの成形性に優れた成形用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂は、透明性及び剛性に優れ、成形収縮が小さく、成形品の寸法安定性が良好であるとともに、廉価であるため、種々の用途(例えば、食品容器、家電製品、工業材料及び日用品など)に広く利用されている。近年、市場では省コストを目的として、高品位の樹脂をより安価な樹脂に切り替える傾向にあり、スチレン系樹脂においても、耐衝撃性及び耐熱性を高いレベルで維持しつつ、成形性(延伸し易さ、深絞り性、低偏肉性など)に優れた樹脂に対する要求が高まっている。
【0003】
一般に、スチレン系樹脂における成形性を改善するための手段の1つとして、成形加工時における流動性の改善が挙げられる。例えば、流動性を改善するために、成形温度を上げると、成形体の黄変が生じたり、熱分解反応などによって成形体の物性を損なう虞がある。また、ミネラルオイルなどの流動改良剤を添加すると、樹脂組成物の耐熱性が低下したり、成形時に流動改良剤に含まれる低分子化合物が金型を汚染したりする。
【0004】
成形性が低い場合、シート成形時などに偏肉現象が起こるため、成形品の一部に薄肉部が生じ、成形品の物性が低下することが知られている。このようなシートにおける物性低下は、さらにシートから容器などの成形品へ二次加工を行う際には顕著に影響する。また、二次加工する場合には、成形品の強度を維持しつつ優れた深絞り性が要求される。従って、特に、スチレン系樹脂を成形加工する(特に二次加工など、複数回の加工を行う)場合には、耐衝撃性及び耐熱性などの物性と、延伸し易さ、深絞り性及び低偏肉性などの成形性の両方の性質を高いレベルでバランスよく備えた樹脂が要求される。
【0005】
特開平2−182711号公報には、芳香族モノビニル化合物に、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物を添加し、共重合させることにより成形性や耐衝撃性を改善することが開示されている。しかし、前記ジビニルベンゼンを単独で使用しても流動性と耐衝撃性との双方を高いレベルで両立させることは困難であり、また、前記流動性も反応器内の重合溶液の転化率を厳密に制御しなければ改善できない。
【0006】
特開平8−59721号公報には、スチレン系単量体に対し、特定の4官能有機過酸化物を500〜2000ppm、多官能ビニル化合物を1〜300ppm添加し、重量平均分子量が30万〜70万のスチレン系重合体を製造することが開示されている。しかし、この文献では、重合開始剤を比較的多く添加する必要があり、重合体の強度が低下する虞がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、耐衝撃性及び成形性に優れたスチレン系樹脂を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、発泡成形性又はシート成形性に優れるとともに深絞り性及び低偏肉性などの成形性に優れたスチレン系樹脂、並びにそれを用いた発泡成形用樹脂組成物及び成形用シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討の結果、特定の構造を有するスチレン系樹脂において、耐衝撃性、耐熱性、流動性及び成形性を改善できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明のスチレン系樹脂は、温度130℃、伸長速度0.0025〜0.0035sec−1の範囲での伸長粘度測定において、下記式(1)〜(3)
0.35≦Δlnλn/Δε=(lnλn 2−lnλn 1)/(ε2−ε1)≦1.0 (1)
λn=λ/λl (2)
ε=ln(l/l0) (3)
(式中、λnは非線形パラメータ、λは非線形領域における伸長粘度、λlは線形領域における伸長粘度を示し、εはHenckyの伸長ひずみ量、l0及びlはそれぞれ伸長時間0及びtにおける試料の長さを示す。)
で表わされる関係を充足する。前記スチレン系樹脂は、スチレン系単量体に対して、100〜500ppm(重量基準)の多官能重合開始剤、
スチレン系単量体に対して、100〜800ppm(重量基準)の連鎖移動剤としての多官能メルカプタン、
及びスチレン系単量体に対して、30〜550ppm(重量基準)の多官能ビニル化合物を使用し、
前記多官能重合開始剤は、前記多官能重合開始剤が、下記式(5)で表される化合物であり、
【化1】
(式中、R 2 は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示し、R 3 は、同一又は異なって、アルキル基又はアラルキル基を示す。)
前記多官能メルカプタンが、下記式(7)で表される化合物であり、
【化2】
(式中、RはC 1−17 アルキル基、C 4−17 シクロアルキル基、C 1−17 アルケニル基、C 4−17 シクロアルケニル基、C 6−17 アリール基、又はC 7−17 アラルキル基を示し、Aはエステル基を示し、mは1、nは3又は4の整数を示す。)
前記多官能ビニル化合物が、ビニル基やアリル基を有する芳香族化合物、アルケニル(メタ)アクリレート、多価アルコールのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、及びテトラ(メタ)アクリレートから選択された少なくとも一種であり、
前記開始剤と多官能ビニル化合物との割合が、前者/後者=100/50〜50/100(重量比)、
前記開始剤と連鎖移動剤との割合が、100/50〜50/100(重量比)である条件下、スチレン、アルキルスチレン、α−アルキル置換スチレン、ハロゲン置換スチレン、1,1−ジフェニルエチレン、p−(N,N−ジエチルアミノエチル)スチレン、及びp−(N,N−ジエチルアミノメチル)スチレンから選択された少なくとも一種のスチレン系単量体、又は前記スチレン系単量体と(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、ヒドロキシルC 1−4 アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、及びN−フェニルマレイミドから選択された少なくとも一種の共重合性ビニル単量体とを重合して得られる。
前記スチレン系樹脂の重量平均分子量Mwは、1.5×105〜7×105程度である。また、分岐パラメータg(=[η]branch/[η]linear)
(式中、[η]branchはクロロホルム中、40℃における分岐ポリマーの固有粘度、及び[η]linearはクロロホルム中、前記分岐ポリマーと重量平均分子量が同一である直鎖ポリマーの40℃における固有粘度を示す。)
は、0.7〜0.97程度であってもよい。前記スチレン系樹脂における分子量分布Mw/Mn
(式中、Mwはスチレン系樹脂の重量平均分子量、Mnはスチレン系樹脂の数平均分子量を示す。)
は10以下程度であってもよい。多官能メルカプタンは式(7)においてnが4である化合物であってもよい。
【0011】
本発明には、前記スチレン系樹脂で構成された発泡成形用樹脂組成物及び成形用シートも含まれる。
【0012】
なお、本明細書中、アクリル系単量体及びメタクリル系単量体を(メタ)アクリル系単量体と総称する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のスチレン系樹脂は、温度130℃、伸長速度0.0025〜0.0035sec -1の範囲での伸長粘度測定において、下記式(1) 〜(3) で表わされる関係を充足する。
Δlnλn /Δε=(lnλn2−lnλn1)/(ε2 −ε1 )≧0.15 (1)
λn =λ/λl (2)
ε=ln(l/l0 ) (3)
(式中、λn は非線形パラメータ、λは一定の温度及び一定のひずみ速度下での任意の伸長時間における伸長粘度、λl は線形領域での伸長粘度を示す。εはHenckyの伸長ひずみ量、l0 及びlはそれぞれ伸長時間0及びtにおける試料の長さを示す。なお、線形領域とは、伸長粘度が種々のひずみ速度に依存せず、同一の時間依存性を示す領域をいう(小山清人,石塚修,日本レオロジー学会誌,13,93(1985)を参照)。)
伸長粘度測定時、樹脂の種類によっては高ひずみ領域における伸長粘度が線形領域から外れ、急激に上昇する性質(すなわちひずみ硬化性)を有する樹脂がある。このような樹脂においては、λn の対数(lnλn )はHenckyの伸長ひずみ量εに対して直線的に増加することが知られている(小山清人,石塚修,繊維学会誌,37,T−258(1981)を参照)。
【0014】
ひずみ硬化性を有さない樹脂の場合、任意の伸長ひずみ量に対して、λn は1となり、λn の対数(lnλn )をHenckyの伸長ひずみ量εに対してプロットした直線の傾きα(=Δlnλn /Δε)は0となり、ひずみ硬化性を有する樹脂の場合、特に高ひずみ領域において、前記直線プロットの傾きαが0にならない。本発明において、非線形パラメータλn の対数(lnλn )を伸長ひずみ量εに対してプロットした直線の傾きαを、ひずみ硬化性の度合いを表わすパラメータとして定義する。
【0015】
前記直線の傾きαは、樹脂の流動性や成形加工性を示す指標となり、本発明のスチレン系樹脂において、温度130℃、伸長速度0.0025〜0.0035sec -1の範囲での伸長粘度測定において、直線の傾きαが0.15以上の場合に高い流動性及び成形性を示す。傾きα(=Δlnλn /Δε)は、好ましくは0.2〜2、さらに好ましくは0.3〜1.5、特に0.35〜1.0程度である。前記直線の傾きαが0.15未満では、成形性(延伸性、低偏肉性、深絞り性)が低下する。
【0016】
スチレン系樹脂の分岐の度合いを表わす指標である分岐パラメータは、収縮因子とも呼ばれ(共立出版,高分子学会編,新高分子実験学1,高分子実験の基礎,分子特性解析,295(1994)を参照)、一定の温度において、良溶媒又はθ溶媒に溶解したポリマーの希薄溶液中で、ポリマー分子の構造により分子の広がりが異なることに基づいて求められる(B.H.Zimm and W.H.Stockmayer, J. Chem. Phys., 17,1301(1949))。例えば、同一分子量の直鎖状ポリマーと分岐ポリマーとを比較すると、分岐構造を有するポリマー分子の広がりが直鎖状ポリマー分子よりも小さくなる。その結果、分岐ポリマーの固有粘度又は分子サイズを表わす平均二乗回転半径が直鎖状ポリマーよりも小さく観測される。
【0017】
上記方法により、本発明のスチレン系樹脂についてその固有粘度を同様の条件下でゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定し、熱重合により合成した直鎖状ポリマーの固有粘度との比を収縮因子gとした。本発明において、収縮因子gは、下記式で表わされる。
【0018】
分岐パラメータg(=[η]branch/[η]linear)
(式中、[η]branchはクロロホルム中、40℃における分岐ポリマーの固有粘度、及び[η]linearは前記分岐ポリマーと重量平均分子量が同一である直鎖ポリマーのクロロホルム中、40℃における固有粘度を示す。)
なお、[η]linearは、Schultz の粘度式[η]=4.9×10-3Mw0.794 (式中、Mwは重量平均分子量を示す。)
を基に、分子量分布がSchultz-Zimmの指数関数に従うものとして算出した。
【0019】
本発明のスチレン系樹脂は、前記gが0.5以上1未満(例えば、0.5以上0.99未満)、好ましくは0.6〜0.98、さらに好ましくは0.7〜0.97程度である。収縮因子gが0.5未満では、樹脂の機械的強度や成形性などが低下し、gが0.99以上では従来のスチレン系樹脂と同様に延伸性、低偏肉性及び深絞り性などに劣る。
【0020】
収縮因子の測定は、光散乱法を用いても、また固有粘度を測定しても行うことができる。本発明のスチレン系樹脂においては、測定方法が異なっても実験誤差の範囲内に入る。
【0021】
前記スチレン系樹脂は、スチレン系単量体の単独又は共重合体、スチレン系単量体と共重合性ビニル単量体との共重合体などで構成できる。
【0022】
前記スチレン系単量体としては、スチレン、アルキルスチレン(例えば、o−,m−,p−メチルスチレン、及び2,4−ジメチルスチレンなどのビニルトルエン類、エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン及びp−t−ブチルスチレンなどのアルキル置換スチレン類)、α−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン及びα−メチル−p−メチルスチレンなど)、ハロゲン置換スチレン(例えば、o−,m−及びp−クロロスチレン、p−ブロモスチレンなど)、1,1−ジフェニルエチレン、p−(N,N−ジエチルアミノエチル)スチレン、p−(N,N−ジエチルアミノメチル)スチレンなどが例示できる。これらのスチレン系単量体は単独で又は二種以上組合せて使用できる。好ましいスチレン系単量体には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどが含まれ、特にスチレンが好ましい。
【0023】
共重合性ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ビニルエステル系単量体(酢酸ビニルなど)、ヒドロキシル基含有単量体[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC1-4 アルキル(メタ)アクリレートなど]、グリシジル基含有単量体[グリシジル(メタ)アクリレートなど]、カルボキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸など]、イミド系単量体(マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど)などが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルには、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステルが含まれる。これらのビニル単量体は単独で又は二種以上組合せて使用できる。これらの共重合性単量体の使用量は、例えば、0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%程度の範囲で選択できる。
【0024】
スチレン系単量体の重合には、重合開始剤は必ずしも必要ではなく、熱重合させてもよいが、通常、重合開始剤が使用される。重合開始剤としては、単官能又は多官能開始剤が使用でき、過酸化物、アゾ化合物などであってもよい。
【0025】
過酸化物のうち単官能または2官能過酸化物としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレートなどのパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル類、トリアジン類[ビス(t−ブチルパーオキシ)トリアジンなどのビス(t−アルキルパーオキシ)トリアジン;ビス(ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)トリアジンなどのビストリス(ジ−t−アルキルパーオキシシクロアルキル)トリアジン;ビス(ジ2−フェニルプロピルパーオキシシクロヘキシル)トリアジンなどのビス(ジ−t−アラルキルパーオキシシクロアルキル)トリアジンなど]などが挙げられる。
【0026】
3官能以上の多官能過酸化物としては下記式(4) 〜(6) で表わされる化合物が例示できる。
【0027】
【化3】
【0028】
(式中、R1 は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示す。)
式(4) において、R1 は、好ましくは、アルキル基(特に、メチル基、エチル基などのC1-4 アルキル基)であり、通常、3級アルキル基(t−ブチル基、t−アミル基、t−ヘキシル基及びt−オクチル基などのt−C4-10アルキル基など)である。特に、t−ブチル基などのC4-8 アルキル基などが好ましい。式(4) で表わされる3官能過酸化物としては、例えば、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、トリス(t−アミルパーオキシ)トリアジンなどのトリス(t−アルキルパーオキシ)トリアジンなどが挙げられる。また、トリス(ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)トリアジンなどのトリス(ジ−t−アルキルパーオキシシクロアルキル)トリアジン、トリス(ジ2−フェニルプロピルパーオキシシクロヘキシル)トリアジンなどのトリス(ジ−t−アラルキルパーオキシシクロアルキル)トリアジンなども使用できる。
【0029】
【化4】
【0030】
(式中、R2 は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示し、R3 は、同一又は異なって、アルキル基又はアラルキル基を示す。)
前記式(5) において、R2 は、好ましくは、水素原子、アルキル基(特に、メチル基、エチル基などのC1-4 アルキル基)であり、R3 は、通常、3級アルキル基(t−ブチル基、t−アミル基、t−ヘキシル基及びt−オクチル基などのt−C4-10アルキル基など)又は3級アラルキル基(2−フェニルプロピル基などのC9-14アラルキル基など)である。特に、R2 としては、水素原子、メチル基及びエチル基が好ましく、R3 としてはt−ブチル基などのC4-8 アルキル基などが好ましい。
【0031】
式(5) の化合物としては、例えば、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどのビス(4,4−ジ−t−アルキルパーオキシシクロヘキシル)アルカン、2,2−ビス(4,4−ジ2−フェニルプロピルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどのビス(4,4−ジ−t−アラルキルパーオキシシクロヘキシル)アルカンなどが例示できる。
【0032】
【化5】
【0033】
(式中、R4 は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す。)
前記式(6) において、R4 は、好ましくは、水素原子、アルキル基(特に、メチル基、エチル基などのC1-4 アルキル基)、通常、3級アルキル基(t−ブチル基、t−アミル基、t−ヘキシル基及びt−オクチル基などのt−C4-10アルキル基など)又は3級アラルキル基(2−フェニルプロピル基などのC9-14アラルキル基など)である。特に、R4 としては、t−ブチル基、t−アミル基、t−ヘキシル基などのC4-8 アルキル基、2−フェニルプロピル基などのC9-14アラルキル基などが好ましい。
【0034】
式(6) で表される4官能過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカーボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルパーオキシカーボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカーボニル)ベンゾフェノンなどのテトラ(t−アルキルパーオキシカーボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−2−フェニルプロピルパーオキシカーボニル)ベンゾフェノンなどのテトラ(t−アラルキルパーオキシカーボニル)ベンゾフェノンなどが例示できる。
【0035】
これらの有機過酸化物は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。また、過酸化水素、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)などの無機過酸化物を併用してもよい。
【0036】
アゾ化合物としては、アゾビスニトリル[例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などの2,2’−アゾビスブチロニトリル類;2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などの2,2’−アゾビスバレロニトリル類;2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などの2,2’−アゾビスプロピオニトリル類;1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリルなどの1,1’−アゾビス−1−アルカンニトリル類、特に1,1’−アゾビス−1−シクロアルカンニトリル類(例えば、1,1’−アゾビス−1−C5-8 シクロアルカンニトリル);4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのアゾビスシアノカルボン酸など]、アゾニトリル[2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリルなどのアゾブチロニトリル類;2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾバレロニトリル類など]、アゾビスアルカン[例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)などの2,2’−アゾビスC3-10アルカンなど]、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートなどが挙げられる。
【0037】
前記多官能有機過酸化物(例えば、式(5) で表わされる4官能有機過酸化物)は、1分子中に複数(例えば、4つ)の官能基を有するため、重合体の分子量を大きくできるとともに、重合体が部分的に分岐構造となるため、得られる重合体の流動性を向上させるようである。
【0038】
前記重合開始剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0039】
前記重合開始剤の割合は、スチレン系単量体に対して、2000ppm以下(0〜2000ppm)、好ましくは50〜1000ppm(例えば、100〜700ppm)(重量基準)程度の範囲から選択でき、通常、100〜500ppm程度である。
【0040】
本発明では、多官能ビニル化合物の存在下で重合し、分岐ポリマーを得てもよい。このような多官能ビニル化合物としては、複数の不飽和結合を有していれば特に制限はなく、種々の化合物が使用できる。多官能ビニル化合物としては、ビニル基やアリル基を有する芳香族化合物(ジビニルベンゼン、1−アリル−3−ビニルベンゼンなど)、アルケニル(メタ)アクリレート(アリル(メタ)アクリレートなど)、多価アルコールのジ(メタ)アクリレート化合物[例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ( メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ( メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ( メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレングリコールジ( メタ)アクリレートなど]などの2官能ビニル化合物;トリ(メタ)アクリレート(トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなど)などの3官能ビニル化合物;テトラ(メタ)アクリレート(テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど)などの4官能ビニル化合物などが例示できる。これらの多官能ビニル化合物は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。特に2〜4官能ビニル化合物(ジビニルベンゼンなど)が好ましい。
【0041】
多官能ビニル化合物の割合は、スチレン系単量体に対して、0〜700ppm、好ましくは30〜550ppm、さらに好ましくは50〜400ppm(重量基準)程度の範囲から選択できる。
【0042】
多官能ビニル化合物を用いる場合、開始剤と多官能ビニル化合物との割合は、前者/後者=100/20〜20/100(重量比)、好ましくは100/30〜30/100(重量比)程度であり、例えば、100/50〜50/100(重量比)程度であってもよい。
【0043】
重合体の分子量を制御するため、必要に応じて、耐衝撃性、耐熱性及び流動性が阻害されない範囲で連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤の種類は特に限定されず、慣用の連鎖移動剤が使用できる。例えば、メルカプタン類、スチレンダイマー(α−メチルスチレンダイマーなど)、テルペン類(テルピノレンなど)などを使用するのが好ましい。テルペン類としては、例えば、「ノフマーTP」(日本油脂(株)製)などを使用できる。
【0044】
連鎖移動剤のうち、特に多官能のメルカプタン類を使用すると、重合体の分子量を有効に制御でき、耐衝撃性や流動性の改善が容易である。このような多官能メルカプタンは、例えば、下記式(7)
【0045】
【化6】
【0046】
(式中、RはC1-17脂肪族又は芳香族炭化水素基あるいはヘテロ原子を含む有機基、Aは有機基を示し、mは0又は1、nは2〜4の整数を示す。)
で表わされるチオール基を1分子中に複数(例えば、2〜4個)有する。
【0047】
Rのうち、脂肪族又は芳香族炭化水素基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのC1−17アルキル基、好ましくはC1−10アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル基などのC4−17シクロアルキル基、好ましくはC4−8シクロアルキル基など)、アルケニル基(ビニル基、アリル基などのC1−17アルケニル基、好ましくはC1−10アルケニル基など)、シクロアルケニル基(シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのC4−17シクロアルケニル基、好ましくはC4−8シクロアルケニル基など)、アリール基(フェニル基、トリル基、ナフチル基などのC6−17アリール基、好ましくはC6−14アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC7−17 アラルキル基、好ましくはC7−14アラルキル基など)などが挙げられる。また、ヘテロ原子を含む有機基としては、例えば、環状有機基が好ましく、ヘテロ原子が環を構成している有機基が特に好ましい。このような有機基としては、例えば、ピロール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、トリアジン環などのヘテロ原子として窒素原子を含む5〜8員複素環、フランなどのヘテロ原子として酸素原子を含む5〜8員複素環、チアピランなどのヘテロ原子としてイオウ原子を含む5〜8員複素環、又はヘテロ原子として窒素原子、酸素原子及びイオウ原子から選択された少なくとも2つの原子を有する5〜8員複素環(例えば、オキサゾリジン、オキサゾロン、オキサジン、オキサジアジン、オキサジアゾール、オキサトリアゾールなどのヘテロ原子として窒素原子と酸素原子とを有する5〜8員複素環、チアザン、チアジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアゾール、チアジアジン、チアジアゾリン、チアジアゾールなどのヘテロ原子として窒素原子とイオウ原子とを有する5〜8員複素環、オキサチアジンなどのヘテロ原子として窒素原子と酸素原子とイオウ原子とを有する5〜8員複素環など)などが挙げられる。好ましいRには、C4−8アルキル基(ネオペンチル基、ネオヘキシル基など)、トリアジン類(1,3,5−トリアジンなど)などが含まれる。
【0048】
有機基Aとしては、例えば、アルキレン基(メチレン基、エチレン基などのC1-4 アルキレン基など)、オキシアルキレン基(オキシメチレン基、オキシエチレン基などのC1-4 オキシアルキレン基など)、エステル基[−OC( O) CH2 −、−CH2 OC( O)(CH2)p −(式中、pは1〜5の整数を示す)]、シクロアルキレン基(シクロヘキシレン基などのC4-8 シクロアルキレン基など)、アリーレン基などが挙げられる。好ましい有機基Aは、前記エステル基[例えば、−OCOCH2 CH2 −、−OCOCH2 CH2 CH2 −などのC2-6 エステル基など]である。
【0049】
前記式(7) において、mは0又は1、nは2〜4の整数、好ましくは3又は4である。
【0050】
式(7) で示される多官能メルカプタンの具体例としては、例えば、2官能メルカプタン類(例えば、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネートなどエチレングリコールチオカルボン酸ジエステル、ジメチロールプロパンビスチオグリコレート、ジメチロールプロパンビスチオプロピオネート、ジメチロールプロパンビスチオブタネートなどのジメチロールプロパンチオカルボン酸ジエステルなどのジオールチオカルボン酸ジエステルなど)、3官能メルカプタン類(トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオブタネートなどのトリメチロールプロパンチオカルボン酸トリエステルなどのトリオールチオカルボン酸トリエステル、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールなど)、4官能メルカプタン類(ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオ(4−ブタネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(6−メルカプトヘキサネート)などのペンタエリスリトールチオカルボン酸テトラエステルなどのテトラオールチオカルボン酸エステルなど)などが挙げられる。
【0051】
前記のような連鎖移動剤は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0052】
連鎖移動剤の割合は、スチレン系単量体に対して、10〜2000ppm(重量基準)、好ましくは50〜1000ppm(重量基準)、さらに好ましくは100〜800ppm(重量基準)程度である。
【0053】
開始剤と連鎖移動剤との割合は、100/20〜20/100(重量比)、好ましくは100/30〜30/100(重量比)、さらに好ましくは100/50〜50/100(重量比)程度である。
【0054】
なお、本発明のスチレン系樹脂を得るためには、少なくとも多官能ビニル化合物及び多官能連鎖移動剤を用いて重合するのが有利であり、さらに多官能重合開始剤(式(5) の多官能有機過酸化物など)と組み合わせて重合するのが好ましい。
【0055】
スチレン系単量体の重合方法は、特に制限されず、慣用の重合法、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状−懸濁重合などが採用できる。
【0056】
工業的な製造に有利な塊状重合法(バルク重合法)においては、溶剤を添加してもよい。前記溶剤としては、特に制限されず、慣用の溶媒、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなど)、脂環族炭化水素(シクロヘキサンなど)、脂肪族炭化水素(ヘキサン、オクタンなど)などが例示できる。
【0057】
溶媒(溶剤)の使用量は、例えば、反応混合物全体に対して、0〜30重量%、好ましくは5〜20重量%程度の範囲から選択できる。溶媒の割合が30重量%を超えると溶媒回収などの経済性が低下する虞がある。
【0058】
重合は、常圧又は加圧下で行うことができる。 重合温度は、重合法の種類、重合開始剤系の構成、重合速度などに応じて、80〜180℃、好ましくは90〜150℃程度の範囲から選択できる。重合温度が80℃未満では、生産性が低下し、180℃を超えると樹脂の分子量が減少して衝撃強度が低下したり、反応速度が向上して重合反応の制御が困難になる虞がある。
【0059】
重合は、通常、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下、例えば、不活性ガスの流通下などで重合を行ってよい。
【0060】
重合体は、例えば、重合反応の後、必要により、溶媒で希釈し、貧溶媒中で析出させたり、単量体や溶媒などの揮発性成分を除去することにより分離精製してもよい。
【0061】
スチレン系樹脂の重量平均分子量Mwは、1.5×105 〜7×105 、好ましくは1.8×105 〜5×105 、さらに好ましくは2×105 〜3×105 程度である。重量平均分子量が1.5×105 未満では耐衝撃性が著しく低下し、7×105 を超えると溶融時の粘度が高くなり、成形が非常に困難となる。
【0062】
スチレン系樹脂において、分子量分布Mw/Mn
(式中、Mwはスチレン系樹脂の重量平均分子量、Mnはスチレン系樹脂の数平均分子量を示す。)
は、10以下(1〜10程度)、好ましくは1.5〜5程度である。分子量分布が10を超えると機械的強度などの物性及び成形性が低下する。
【0063】
本発明のスチレン系樹脂は、発泡体用樹脂組成物を構成できる。発泡体用樹脂組成物としてスチレン系樹脂を用いる場合、特に発泡シートなどに成形する場合において、成形性、耐衝撃性、柔軟性、アンチブロッキング性などを高めるために、前記スチレン系樹脂はゴム成分で変性されていてもよい。
【0064】
ゴム変性スチレン系樹脂において、ゴム成分としては、例えば、共役ジエン系ゴム[ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(2−クロロ−1−1,3−ブタジエン)、ポリ(1−クロロ−1,3−ブタジエン)、ブタジエン−スチレン共重合体など]、エチレン−プロピレンゴム(EPDMゴム)、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレンなどが例示できる。これらのゴム成分は単独で又は二種以上組合わせて使用できる。好ましいゴム成分としては共役ジエン系ゴムを用いる場合が多い。
【0065】
ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム成分と、ゴム変性されていないスチレン系樹脂との混合による混和物で構成された耐衝撃性スチレン系樹脂であってもよいが、通常、前記と同様にして、ゴム成分の存在下で少くとも芳香族ビニル単量体を重合して得られるグラフト共重合体(耐衝撃性スチレン系樹脂)である。 グラフト重合体において、前記芳香族ビニル単量体はシアン化ビニル単量体と組み合わせて使用してもよく、必要に応じて前記共重合性ビニル単量体を併用してもよい。芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との割合は、例えば、前者/後者=10/90〜90/10(重量%)、好ましくは20/80〜80/20(重量%)、さらに好ましくは30/70〜70/30(重量%)程度である。また、芳香族ビニル単量体と共重合性ビニル単量体との割合は、例えば、前者/後者=10/90〜100/0(重量%)、特に30/70〜70/30(重量%)程度である。
【0066】
ゴム変性スチレン系樹脂は単独で又は二種以上混合して使用できる。
【0067】
発泡体用樹脂組成物は、種類の異なる複数のスチレン系樹脂、例えば、▲1▼スチレン系単量体の単独又は共重合体、▲2▼スチレン系単量体と共重合性ビニル単量体との共重合体、および▲3▼ゴム変性スチレン系樹脂から選択された二種以上の樹脂を組み合わせることにより構成してもよい。また、ゴムブロックと芳香族ビニル重合体ブロックとのブロック共重合体(ABA型ブロック共重合体など)を含んでいてもよい。ブロック共重合体は熱可塑性エラストマーを形成する場合が多い。ブロック共重合体の構造はリニアー状でもスター状(星型)であってもよい。特に、発泡体、発泡シートやこれらを成形して得られる成形品に強度と耐衝撃性とを高いレベルでバランスよく付与するためには、少くとも一種のゴム変性スチレン系樹脂(特に耐衝撃性ポリスチレン)で発泡シートを構成するか、少くともゴム変性スチレン系樹脂を含む複数のスチレン系樹脂で発泡シートを構成するのが好ましい。特に、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を主成分として用いると、シートの耐衝撃性、柔軟性、アンチブロッキング性を改善できる。
【0068】
発泡体用樹脂組成物には、必要により、他の熱可塑性樹脂、例えば、オレフィン系樹脂、結晶性ポリスチレン(アイソタクチック,シンジオタクチック),ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂,ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂,ポリアセタール系樹脂(単独又は共重合ポリアセタール),熱可塑性エラストマー(熱可塑性ポリウレタンエラストマー,ポリエステルエラストマーなど)などと組合せて用いてもよい。
【0069】
スチレン系樹脂と他の樹脂との混和性、濡れ性を改善するため、相溶化剤を添加してもよい。
【0070】
発泡用樹脂組成物は、発泡剤を含んでいる。発泡剤は、スチレン系樹脂に、添加、含有又は含浸させてもよく、スチレン系樹脂のペレットに、添加、含有又は含浸させてもよい。発泡剤としては、慣用の化合物、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの揮発性発泡剤、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジアゾアミノベンゼンなど)、スルホニルヒドラジド化合物(ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルオキシ−4,4′−ビススルホニルヒドラジドなど)、ニトロソ化合物(N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなど)などの化学発泡剤(分解型発泡剤)、二酸化炭素、窒素ガス、水などが例示できる。これらの発泡剤は組合わせて使用してもよい。発泡剤の含有量は、例えば、樹脂成分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2.5重量部、さらに好ましくは0.5〜1.5重量部程度である。
【0071】
前記樹脂組成物に核剤を含有させると、気泡数を調整できる。核剤としては、無機微粉末、例えば、タルク、シリカ、ケイソウ土、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。核剤の使用量は、所望する平均気泡膜数などに応じて選択でき、例えば、前記樹脂成分100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部程度の範囲から選択できる。
【0072】
発泡体用樹脂組成物は、慣用の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤,熱安定剤など),難燃剤,滑剤,離型剤,帯電防止剤,充填剤,着色剤(酸化チタン,ベンガラ,アゾ系,ペリレン系,フタロシアニン系,複素環系などの着色剤),可塑剤や展着剤(例えば、ポリエチレングリコール、ミネラルオイルなど)などを含有していてもよい。
【0073】
本発明のスチレン系樹脂又はその組成物、及び発泡用樹脂組成物は、慣用の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形などの方法により種々の成形品を成形してもよい。また、押出し成形機に供給し、溶融混練してダイ(フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラダイ)など)から押出し成形することによりシート状に成形し、さらに二次加工することにより容器などの成形品に成形してもよい。前記ダイは、前記シートの厚みに対応するリップ開度を有していればよい。なお、発泡成形において、気泡膜数および発泡倍率を増加させる必要があるときは、スクリュー形状を、混練性の高い形状(例えば、複数の突起部が形成されたミキシングピン付きフルフラット型スクリューなどのミキシング機能付きスクリューなど)とする方法((株)プラスチックス・エージー発行,「押出成形」,村上健吉監修,154頁参照)、冷却可能な構造のTダイなどで冷却する方法などを採用すればよい。
【0074】
発泡体又は発泡シートの発泡倍率は、用途に応じて1.5〜50倍程度の範囲から選択でき、容器成形用発泡シートでは、1.1〜3倍(例えば、1.3〜2.5倍)、好ましくは1.5〜2.5倍(例えば、1.7〜2.3倍)程度の範囲から選択できる。発泡倍率が1.1倍未満では断熱性や保温性が低下するとともに、外観不良となりやすく、3倍を越えると嵩高くなり保管スペースが大きくなる。
【0075】
シート状に成形し、さらに二次加工などに供する場合、シートの厚みは、容器成形性を損なわない範囲、例えば、0.3〜2mm(例えば、0.5〜2mm)、好ましくは0.5〜1.5mm、さらに好ましくは0.7〜1.3mm程度である。厚みが薄いと、容器の機械的強度や腰、保温性が低下し、厚すぎると成形性が低下したり、容器の肉厚が不均一化しやすい。なお、シート厚みは押出し機の吐出量、引取り機の引取り速度およびリップ開度などにより調整でき、また、発泡シートにおいては発泡倍率などによっても調整できる。
【0076】
押出し機のダイから押出された発泡シートは、必要に応じて一軸又は二軸延伸し、冷却することによりシートが得られる。なお、サーキュラダイを用いる場合、円筒状シートはピンチロールで折畳まれトリミング(耳切り)により切り開くことによりシートが得られる。
【0077】
なお、前記シートは、単層シートであってもよく、前記シートの少なくとも一方の面に表面層が形成された積層シートであってもよい。この表面層は、スキン層であってもよく、接着剤層を介して又は介することなく積層された被覆層(例えば、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂,ポリエステル,ポリアミドなどの延伸又は非延伸フィルム又はシートのラミネート層など)であってもよい。
【0078】
なお、シートには、外観などを向上させるため、押し出しラミネート、又は接着剤(酢酸ビニル系接着剤,エチレン−酢酸ビニル系共重合体接着剤,ウレタン系接着剤など)を用いるドライラミネートなどによりフィルム(ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレンなど)を積層してもよい。さらに、合成樹脂シートには、離型剤(エマルジョンなどの形態のポリシロキサンなど)を塗布してもよい。
【0079】
このようにして得られたシートは、通常、巻取ロールなどにより巻き取られる。また、成形工程において、シートは、加熱(ベース樹脂の軟化点以上の温度に加熱)して容器成形などの成型加工に供される。このようなシートは、種々の成形品を成形するための成形用シート、特に、容器(トレー類,コップ類,カップ類など)を成形するための容器成形用シートとして有用である。
【0080】
本発明では、耐衝撃性、耐熱性及び流動性の物性をバランスよく備えたスチレン系樹脂を安価に製造することができ、さらに得られた樹脂は、種々の用途、例えば、発泡成形、射出成形、押出し成形などによる種々の成形品(特に食品容器、家庭用品など)の製造に利用できる。
【0081】
【発明の効果】
本発明では、特定の構造を有するスチレン系重合体を用いるので、耐衝撃性、成形性及び流動性に優れたスチレン系樹脂を提供できる。また、前記スチレン系樹脂は、発泡成形性及びシート成形性に優れるとともに低偏肉性及び深絞り性などの成形性にも優れているので、成形用樹脂組成物、発泡用樹脂組成物、成形用シート(特に容器成形用シート)を得るのに適している。
【0082】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0083】
なお、スチレン系樹脂の物性は下記の方法で測定した。
(1)直線の傾きα下記の条件下、平板状の試料の両端をピンチローラ又はキャタピラにより支持した後、一定のひずみ速度で回転させて試料に伸長変形を加え、変形中の試料断面積及びピンチローラ又はキャタピラにかかるトルクを検出することにより伸長粘度を求めた。得られた伸長粘度と、この伸長粘度と同一伸長時間にある非線形領域の伸長粘度とから前記式(2)に従って非線形パラメータを算出した。さらに、前記式(3)に従って、伸長時間0及びtにおける試料の長さからひずみ量を算出し、伸長時間の異なる複数の点について、非線形パラメータの対数とひずみ量とをプロットし、前記式(1)に従って傾きαを算出した。
【0084】
測定温度:130℃
ひずみ速度:0.0005〜0.1sec -1
測定機器:MELTEN RHEOMETER(東洋精機(株)製)
(2)分子量、分子量分布及び分岐パラメータgの測定
40℃の温度にて、クロロホルムを溶出液とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により溶出したポリマー溶液を示差屈折率検出器と差圧粘度検出器で検出し、標準ポリスチレンで校正したユニバーサル検量線と固有粘度とから分子量及び分子量分布を算出した。なお、直鎖及び分岐状ポリマーの固有粘度は、得られた粘度クロマトグラムをポリマー濃度で除することにより求めることができ、分岐ポリマーの固有粘度を直鎖状ポリマーの固有粘度で除することにより分岐パラメータgを算出した。
(3)衝撃強度測定
ノッチなし試験片について、アイゾット衝撃強さを衝撃試験機[安田精機(株)製]を用い、JIS K7110に準じて測定した
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準じて、200℃、5kgの条件でMELT INDEXER(宝工業(株)製)を用いて測定した
(5)成形性の評価
シート外観、シートの平均厚み差及び衝撃強度などの総合評価に基づいて、スチレン系樹脂の成形性を下記の基準で評価した。
【0085】
◎:成形加工性が特に優れている
×:成形加工性に劣る
なお、スチレン系樹脂をシート状に成形し、得られたシートについて約2cm間隔でシートの厚みを測定し、各測定点の厚みと平均厚みとの差の二乗和を測定総点数で除した数値を上記シートの平均厚み差とした。
【0086】
実施例1
反応容器(20リットル)に、表1の割合で調製した開始剤[2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(A−1),日本油脂(株)製,パーテトラA]、多官能ビニル化合物[ジビニルベンゼン(B−1)]及び連鎖移動剤[ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(HSCH2 CH2 COOCH2 )4 C(C−1)]のスチレンモノマー溶液を仕込み、窒素置換した後、110℃まで加熱して重合し(2時間)、次いで125℃まで加熱して重合し(2時間)、さらに140℃まで加熱して2時間重合し、重合液中のスチレンモノマーが15重量%以下になるまで重合させた。反応液中の未反応モノマーと溶剤などを脱揮してスチレン系樹脂を回収した。種々の物性について前記測定法に従い、評価した。結果を表1に示す。
【0087】
実施例2
(C−1)に代えてトリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(C−2)を用い、開始剤、多官能ビニル化合物及び連鎖移動剤の割合を表1に示すように調製した以外は実施例1と同様に操作を行い、物性を評価した。
【0088】
実施例3
(B−1)に代えてペンタエリスリトールトリアクリレート(B−2)を用い、開始剤、多官能ビニル化合物及び連鎖移動剤の割合を表1に示すように調製した以外は実施例2と同様に操作を行い、物性を評価した。
【0089】
実施例4
攪拌機付き3槽式反応器(各槽の内容積50リットル)に、表1の割合で調製した開始剤[2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン,日本油脂(株)製,パーテトラA]、多官能ビニル化合物[ジビニルベンゼン(B−1)]及び連鎖移動剤[ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(HSCH2 CH2 COOCH2 )4 C(C−1)]のスチレンモノマー溶液を、20リットル/1時間の速度で連続的に送液した。第1槽反応器の出口における転化率が30重量%、第2槽反応器の出口における転化率が60重量%、第3槽反応器の出口における転化率が80〜95重量%となるように重合した。重合終了後、230℃、真空下にて重合溶液を脱揮し、未反応モノマー及び溶剤を除去してスチレン系樹脂ペレットを得た。種々の物性について前記測定法に従い、評価した。結果を表1に示す。
【0090】
比較例1〜7
開始剤及び連鎖移動剤をいずれも添加しない例(比較例1及び2)、開始剤及び多官能ビニル化合物をいずれも添加しない例(比較例3及び4)、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(A−2)を用い、多官能ビニル化合物及び連鎖移動剤をいずれも添加しない例(比較例5)、開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(A−3)を用い、多官能ビニル化合物及び連鎖移動剤をいずれも添加しない例(比較例6)、開始剤として(A−1)を用い、多官能ビニル化合物及び連鎖移動剤をいずれも添加しない例(比較例7)について実施例1と同様に操作を行い、物性を評価した。結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
表から明らかなように、実施例1〜4では、比較例のスチレン系樹脂に比べ、流動性が良好で、成形性に優れている。
Claims (8)
- 温度130℃、伸長速度0.0025〜0.0035sec−1の範囲での伸長粘度測定において、下記式(1)〜(3)
0.35≦Δlnλn/Δε=(lnλn2−lnλn1)/(ε2−ε1)≦1.0 (1)
λn=λ/λl (2)
ε=ln(l/l0) (3)
(式中、λnは非線型パラメータ、λは非線形領域における伸長粘度、λlは線形領域における伸長粘度を示し、εはHenckyの伸長ひずみ量、l0及びlはそれぞれ伸長時間0及びtにおける試料の長さを示す。)で表わされる関係を充足するスチレン系樹脂であって、
スチレン系単量体に対して、100〜500ppm(重量基準)の多官能重合開始剤、
スチレン系単量体に対して、100〜800ppm(重量基準)の連鎖移動剤としての多官能メルカプタン、
及びスチレン系単量体に対して、30〜550ppm(重量基準)の多官能ビニル化合物を使用し、
前記多官能重合開始剤が、下記式(5)で表される化合物であり、
前記多官能メルカプタンが、下記式(7)で表される化合物であり、
前記多官能ビニル化合物が、ビニル基やアリル基を有する芳香族化合物、アルケニル(メタ)アクリレート、多価アルコールのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、及びテトラ(メタ)アクリレートから選択された少なくとも一種の化合物であり、
前記開始剤と多官能ビニル化合物との割合が、前者/後者=100/50〜50/100(重量比)、
前記開始剤と連鎖移動剤との割合が、100/50〜50/100(重量比)である条件下、スチレン、アルキルスチレン、α−アルキル置換スチレン、ハロゲン置換スチレン、1,1−ジフェニルエチレン、p−(N,N−ジエチルアミノエチル)スチレン、及びp−(N,N−ジエチルアミノメチル)スチレンから選択された少なくとも一種のスチレン系単量体、又は前記スチレン系単量体と(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、ヒドロキシルC 1−4 アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、及びN−フェニルマレイミドから選択された少なくとも一種の共重合性ビニル単量体とを重合して得られたスチレン系樹脂。
- 重量平均分子量Mwが1.5×105〜7×105である請求項1記載のスチレン系樹脂。
- 分岐パラメータg(=[η]branch/[η]linear)(式中、[η]branchは、クロロホルム中、40℃における分岐ポリマーの固有粘度、及び[η]linearは、クロロホルム中、前記分岐ポリマーと重量平均分子量が同一である直鎖ポリマーの40℃における固有粘度を示す。)が0.7〜0.97である請求項1記載のスチレン系樹脂。
- 分子量分布Mw/Mn(式中、Mwはスチレン系樹脂の重量平均分子量、Mnはスチレン系樹脂の数平均分子量を示す。)が10以下である請求項1記載のスチレン系樹脂。
- 式(7)において、nが4である請求項1記載のスチレン系樹脂。
- 請求項1記載のスチレン系樹脂で構成されている発泡成形用樹脂組成物。
- 請求項1記載のスチレン系樹脂で構成されている成形用シート。
- 容器成形用シートである請求項7記載の成形用シート。
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