JP4391275B2 - 多気筒エンジンの運転制御装置 - Google Patents
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Description
たとえば、後述する特許文献1「内燃機関」によれば、気筒別に吸気制御弁が設けられると共に、全気筒に共通して作用するスロットル弁も設けられている。
これは、全閉又は全開動作を行う吸気制御弁による吸気時間の制御だけでは、アイドル運転時等における少量の吸気制御が困難となるためにアクセルペダルを復帰したときにはスロットル弁によって全体の吸気量を抑制しておくためのものとなっている。
また、特許文献2「多気筒内燃機関の吸気制御装置」によれば、各気筒の吸気通路に吸気制御弁を設けると共に、吸気制御弁の弁開度を検出する開度センサを設け、吸気弁開度を制御することによってアイドル回転速度の制御を改善して、全気筒に共通するスロットルバルブを廃止する技術が開示されている。
上記特許文献1と特許文献2によるものは、いずれも吸気制御弁の開弁時間を制御する形式のものであって、この形式の吸気制御弁は各気筒の吸気行程ごとに吸気制御弁を高速度で開閉動作しなければならないので、駆動制御回路の消費電力が大きくなると共に、開閉動作機構の損耗が激しくなり、制御寿命を確保するために装置が大型・高価となる問題点がある。
また、上記特許文献3によるものは、多気筒エンジンの全気筒に対して1個のスロットル弁を設けて吸気量の総量を制御するものであって、スロットル弁と各気筒の吸気弁との間の距離が長くなって、エンジンの加減速応答性が低下する問題点がある。
この発明の第一の目的は、電子スロットル制御手段と燃料噴射制御手段と空燃比制御手段とを備えた多気筒エンジンの運転制御装置において、長寿命・低消費電力であって、加減速追従性に優れた多気筒エンジンの運転制御装置を提供することである。
この発明の第二の目的は、吸気配管の相違に基づく気筒差を是正し、多気筒エンジンの全体の効率を高めることができる運転制御装置を提供することである。
この発明の更なる目的は、気筒別に異なる量の吸気が行われている状態においても、適正な空燃比を維持して、悪性排気ガスを低減することができる運転制御装置を提供することである。
上記電子スロットル制御手段は気筒別吸気管にそれぞれ設けられたスロットル弁開度制御用のモータを備えると共に、上記モータに給電する駆動制御回路はプログラムメモリとデータメモリとを有するマイクロプロセッサによってON/OFF制御される開閉素子を備えていて、
上記データメモリは更に是正特性パラメータを包含すると共に、上記プログラムメモリは更にアクセルペダルの踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサの検出出力を基準として、特性是正値を加算したり特性是正係数を乗算して得られる目標スロットル弁開度設定手段となるプログラムと上記スロットル弁開度制御用のモータのモータ制御手段となるプログラムとを包含し、
上記是正特性パラメータは上記気筒別吸気管の上流位置にある吸気集合管に設けられたエアフローセンサの検出出力とエンジン回転速度に対応して、気筒別吸気量が均一となる気筒別のスロットル弁開度の関係を予め実測して得られる統計データであって、上記エアフローセンサから吸気弁に至る吸気管の吸気抵抗のバラツキを補正する特性パラメータであり、
上記特性是正値と特性是正係数は上記是正特性パラメータに基づいて気筒別のスロットル弁開度を気筒毎に制御するように気筒別に目標スロットル弁開度を是正する加減算定数又は乗算係数であり、
上記モータ制御手段はスロットル弁開度を検出する気筒別のスロットルポジションセンサの検出出力が上記気筒別に是正された目標スロットル弁開度と等しくなるように上記開閉素子を制御して、各気筒の吸気量が均一となる関係に制御し、アクセルペダルの踏込み度合いに応動して気筒別吸気管のスロットル弁開度が電動制御され、各気筒の吸気量に対応して所定の空燃比が得られるように気筒別に燃料噴射が行われることを特徴とするものである。
また、是正特性パラメータによって各気筒の吸気量が均一となるような開弁駆動制御が個別に行われるので、吸気管の配管構成による気筒差が是正されて、全体としての効率を低下させることがなく、吸気管の配管設計が容易となる効果がある。
また、エアフローセンサは吸気脈動が少ない吸気集合管に集約配置されているので、安価・高精度に全体吸気量を測定することができる効果がある。
更に、上記是正特性パラメータは実車試験運転による統計データに基づいてデータメモリに格納されるので設計の自由度が高く、しかも実測データに基づく正確な是正特性パラメータを得ることができる効果がある。
(1) 実施の形態1の構成の詳細な説明
以下、図1に、この発明の実施形態1による運転制御装置の全体機構図を示しており、先ずこれについて説明する。
図1において、多気筒エンジン10は気筒10a・10b・10c・10dを有する4気筒エンジンとして示されていて、各気筒10a〜10dには図示しないクランクシャフトの回転と連動する吸気弁11a〜11dと排気弁12a〜12dが設けられ、多気筒エンジン10がガソリンエンジンの場合には点火プラグ13a〜13dが用いられている。
吸気弁11a〜11dの入口付近には燃料噴射用電磁弁14a〜14dが設けられ、吸気弁11a〜11dと連通する気筒別吸気管15a〜15dは吸気集合管150a、エアフローセンサ150b、エアフィルタ150cを介して外気に至る吸気通路を構成している。
排気弁12a〜12dと連通する気筒別排気管16a〜16dは排気集合管160a、排気ガスセンサ160b、排ガス浄化用触媒160cを介して外気に至る排気通路を構成している。
なお、燃料噴射用電磁弁14a〜14dはスロットル弁21a〜21dと吸気弁11a〜11dとの間に設置されると共に、エアフローセンサ150bや排気ガスセンサ160bは吸気集合管150aや排気集合管160a内に設置されていて、全気筒10a〜10dに対する吸気総量や排気ガス全体の酸素濃度を検出するようになっている。
図示しないクランクシャフトにはクランク角センサ18が設けられ、このクランク角センサ18によって燃料噴射タイミングや点火タイミングが計られると共に、エンジンの回転速度を算出する信号としても使用される。
水温センサ19はエンジンの冷却水温を測定して、エンジンのアイドル回転速度を安定維持するために使用されるようになっている。
なお、運転制御装置30aにはアクセルペダル42の踏込み度合いを検出するために二重系設置された一対のアクセルポジションセンサ41a・41bや、アクセルペダル42の復帰位置で動作するアイドルスイッチ43などの入力信号が接続され、アクセルペダル42の踏込み度合いに応じてスロットル弁21a〜21dの弁開度が増減するように制御されている。
マイクロプロセッサ31はまた、エアフローセンサ150bによって検出された吸気総量と排気ガスセンサ160bによって検出された排気酸素濃度信号に基づいて燃料噴射用電磁弁14a〜14dの開弁期間を制御して、気筒別の給燃料を調整することによって適正な空燃比(空気重量と燃料重量の比率)を維持するようになっている。
なお、開閉素子34a〜34dは実際にはそれぞれがH型ブリッジ回路を構成する4個のトランジスタによってモータ20a〜20dを正逆転駆動するようになっている。
マイクロプロセッサ31と併用される監視回路38は正常状態において負荷電源リレー38a〜38dを付勢して、開閉素子34a〜34dとモータ20a〜20dとの間の給電回路に設けられた出力接点39a〜39dを閉路するようになっている。
しかし、モータ20a〜20dに対する給電回路の断線・短絡異常が発生したり、前述のスロットルポジションセンサ22a〜22dによる検出回路の断線・短絡異常が発生すると、異常発生した系統の負荷電源リレー38a〜38dが消勢され、消勢された負荷電源リレーの出力接点39a〜39dが接続されているモータ20a〜20dの電源回路が遮断されるようになっている。
また、前述のクランク角センサ18とアイドルスイッチ43や、図示しないサイドブレーキスイッチ、セレクタスイッチ等のON/OFF動作を行う入力センサ群53は入力インタフェース54を介してマイクロプロセッサ31に対してバス接続されている。
同様に、前述のエアフローセンサ150b、アクセルポジションセンサ41a・41b、スロットルポジションセンサ22a〜22d、水温センサ19、排気ガスセンサ160b等のアナログ入力センサ群55は多チャンネルAD変換器56を介してデジタル変換されてから、マイクロプロセッサ31に対してバス接続されるようになっている。
前述の点火プラグ13a〜13dに高電圧を印加する点火コイル130a〜130dや、燃料噴射用電磁弁14a〜14dを駆動する電磁コイル140a〜140dはラッチメモリとパワートランジスタで構成された出力インタフェース57を介してマイクロプロセッサ31にバス接続されるようになっている。
直結揺動部202aは抗張ばね203aによって矢印203b方向(開弁方向)に付勢されているが、抗張ばね205aによって矢印205b方向(閉弁方向)に付勢されている復帰部材204は、抗張ばね203aに打ち勝って直結揺動部202aを閉弁方向に復帰させ、その復帰位置はデフォルトストッパ206によって規制されるようになっている。
復帰部材204がデフォルトストッパ206の位置まで復帰した状態からさらに閉弁方向に対して直結揺動部202aを駆動した時には、直結揺動部202aはアイドルストッパ207に当接する位置まで閉弁動作するようになっている。
従って、モータ20aはデフォルトストッパ206からアイドルストッパ207までの間は抗張ばね203aに抗して弁開度を制御すると共に、デフォルトストッパ206を超えた開弁動作に対しては抗張ばね203aと協動しながら抗張ばね205aに抗して開弁制御を行うようになっている。
なお、スロットルポジションセンサ22aは直結揺動部202aの動作位置、即ちスロットルの弁開度を検出するように配置されていると共に、初期位置復帰機構208は抗張ばね203a、205a、直結揺動部202a、復帰部材204、デフォルトストッパ206等によって構成されていて、モータ20b〜20dについても同様に構成されている。
モ−タ20a〜20dとしては、直流モ−タ、ブラシレスモ−タ、ステピングモ−タなどが用いられるが、ここではON/OFF比率制御される直流モ−タとして扱われており、その制御は運転制御装置30a内の駆動制御回路300aによって行われている。
スロットルポジションセンサ22aは駆動制御回路300a内のDC5V電源から正負のドロッパ抵抗221・222を介して給電されるポテンショメータが使用されていて、プルアップ抵抗223が接続された回動摺動端子によって検出信号Vaを得るようになっている。 スロットルポジションセンサ22b〜22dも同様である。
アクセルペダル42の復帰位置はペダルストッパ47によって規制されていて、アクセル
ペダル42が踏込まれず抗張ばね48によってペダルストッパ47の位置まで復帰していることをアイドルスイッチ43で検出するようになっている。
二重系設置された一対のアクセルポジションセンサ41a・41bはアクセルペダル42の踏込み度合いを検出するように配置されていて、スロットルポジションセンサ22aと同様に図示しない正負のドロッパ抵抗を備えると共に、摺動端子に対しては図示しないプルダウン抵抗が接続されている。
また、アクセルポジションセンサ41a・41bが共に断線・短絡異常であったり、共に断線・短絡異常では無いのに検出出力が不一致である場合にはアクセルポジションセンサの異常と判定され、少なくともどちらか一方が断線・短絡異常ではないときにその検出出力を使用するようになっている。
アイドル回転補正出力301aは水温センサ19によって検出されたエンジン温度が低いときにはスロットル弁開度を大きくするように加算補正出力を発生すると共に、クランク角センサ18の動作時間間隔によって測定される気筒別の最低エンジン回転速度が低いときにもエンジン回転速度補正手段301bによってスロットル弁開度を大きくするように加算補正出力を発生するようになっている。
なお、大径長尺の吸気管と小径短小の吸気管が静的に同一の吸気抵抗を持つものであっても、過渡的には異なる応答性を示し、吸気応答性のバラツキが発生するので、これを気筒別に補正して同一の過渡特性を得るのが加減速補正出力の役割となっている。
順次補正手段302cは目標スロットル弁開度が変化するときに作用して、吸気行程が開始される気筒のスロットル弁に対する目標スロットル弁開度から順次変化させることによって、吸気応答性を改善するためのものである。
たとえば、アクセルペダル42が急速に踏み込まれたときに、もしもスロットル弁21a〜21dの弁開度を一斉に大きくすると、スロットル弁21a〜21dと吸気弁11a〜11d間の吸気通路にも大気が補充され、吸気行程にある気筒に対する吸気が遅延することになる。しかし、たとえば吸気弁11aを持つ気筒Aが吸気行程にあるときには、スロットル弁21aの弁開度をまず優先して大きくするようにすれば、上記のような不急の大気補充がされずに目標とする気筒Aに対して速やかに吸気を行うことができるようになる。
是正制御ブロック303は気筒別吸気管15a〜15dの上流位置にある吸気集合管150aに設けられたエアフローセンサ150bの検出出力とエンジン回転速度に対応して、気筒別吸気量が均一となる気筒別のスロットル弁開度の関係を予め実測して得られる是正特性パラメータに基づいて、吸気管の吸気抵抗のバラツキを補正する制御ブロックとなっていて、是正制御ブロック303を経て是正目標スロットル弁開度信号V10が得られるようになっている。
なお、上記開弁特性パラメータはアクセルペダルを完全踏込みした状態においては全気筒のスロットル弁を全開にしたフルスロットル状態とし、アクセルペダルの中間踏込み状態においては標準値よりも若干大きい目のスロットル弁開度となる第一の気筒群と、若干小さい目のスロットル弁開度となる第二の気筒群に分割して運転され、上記第一の気筒群に対する燃料噴射と第二の気筒群に対する燃料噴射は交互に行われるようにグループ分けされていると共に、上記標準値からの増減偏差は車体振動が顕在化しない範囲に抑制されている。
論理和否定ブロック308と断線・短絡検出出力308a・308bと負荷電源リレー38aによって構成された異常処理手段309が作動したときには、前述の退避運転切換手段304が作動するようになっている。
運転意思確認手段311はアクセルペダルが完全復帰したことに応動するアイドルスイッチ43、又は車両を停止保持しておく補助ブレーキが作動していることに応動するサイドブレーキスイッチ、又は変速シフトレバーがニュートラル位置やパーキング位置に切り替えられているときに作用するセレクトスイッチのいずれかの動作を監視して車両を前進・後退させる意思があるかどうかを判定して、第一の代替目標スロットル弁開度312又は第二の代替目標スロットル弁開度313を選択する切換え手段となっている。
第一の代替目標スロットル弁開度312は運転意思確認手段311の判定が運転意思なしの判定であったときに作用して、安定最小エンジン回転速度に相当するアイドル回転速度を得るための最小目標スロットル弁開度であり、第二の代替目標スロットル弁開度313は運転意思確認手段311の判定が運転意思有りの判定であったときに作用して、上記最小目標スロットル弁開度よりも大きな退避運転用目標スロットル弁開度となっている。
モータ20b〜20dに対する制御も同様であるが、基準目標スロットル弁開度信号V0や慣性補償出力302b、第二の代替目標スロットル弁開度313とエンジン回転抑制手段314、代替目標スロットル弁開度選択手段310b、運転意思確認手段311については各モータにおいて共通の制御内容となっている。
全体空燃比調整手段401aはエアフローセンサ150bによって検出された吸気総量に見合って所定の空燃比が得られるような給燃総量を決定し、排気ガスセンサ160bの検出出力によって給燃総量を調整して、所定の空燃比が得られるようにフィードバック補正する手段となっている。
気筒別燃料噴射配分手段402aは気筒別のスロットルポジションセンサ22a〜22dの検出出力に対応して上記給燃総量を気筒別燃料噴射量に配分する手段である。燃料噴射時期制御手段403は各気筒の燃料噴射用電磁弁14a〜14dの駆動開始時期と駆動期間を制御するものであって、該駆動期間は上記気筒別燃料噴射の配分量に基づいて決定するようになっている。
なお、アクセルポジションセンサを3個以上の多重系設置を行った場合には、多重系設置されたアクセルポジションセンサの全てが断線・短絡異常であったり、断線・短絡異常ではないが一致した検出出力が得られないときにセンサ異常と判定することができる。
図1〜図5のとおり構成されたこの発明の実施の形態1による運転制御装置において、各図の作用動作について説明する。
図1・図2において、多気筒エンジン10に対する運転制御装置30aはプログラムメモリ32a・データメモリ33と協働するマイクロプロセッサ31を主体として制御出力を発生し、気筒別吸気管15a〜15dに設けられたスロットル弁21a〜21dの弁開度を制御するモータ20a〜20dを駆動すると共に、燃料噴射用電磁弁14a〜14dの電磁コイル140a〜140dに通電して気筒別に燃料噴射時期・期間を制御して気筒別の燃料噴射量を制御するようになっている。 目標スロットル弁開度の基準値はアクセルペダル42の踏込み度合いを検出するために二重系設置されたアクセルポジションセンサ41a・41bの検出出力に比例して決定されると共に、給燃総量は吸気集合管150aに設けられたエアフローセンサ150bの検出出力を基準とし、排気集合管160aに設けられた排気ガスセンサ160bの検出出力によって所定の空燃比を維持するように調整されている。
このようにして調整された給燃総量はスロットルポジションセンサ22a〜22dによって検出された気筒別のスロットル弁開度に按分されて気筒別の燃料噴射量が決定され、決定された燃料噴射量に応じた燃料噴射期間が決定されるようになっている。
モータ20a〜20dの給電が遮断されると図3で示した初期位置復帰機構208によってスロットル弁21a〜21dは所定の初期位置に復帰する。
なお、負荷電源リレー38a〜38dに替わって開閉素子34a〜34dを遮断するインタロック信号を発生するようにしても良い。
是正目標スロットル弁開度信号V10は気筒毎の目標値を異なる値にすることによって、各気筒の吸気抵抗や吸気応答性の相違を是正して各気筒の吸気量を一致させようとするものである。
これに対し、モータ回路の断線・短絡検出出力308aとスロットルポジションセンサ回路の断線・短絡検出出力308bに応動する異常処理手段309が不作動状態である正常運転時に適用される補正制御ブロック305は各気筒の吸気量を変化させて、エンジンの全体出力に対する燃料消費量を抑制するための気筒別の目標スロットル弁開度信号V1を出力するものである。
また、異常処理手段309が作動している異常運転時に適用される退避制御ブロック306は初期位置復帰機構208によって定まる固定のスロットル弁開度で運転される気筒と混在して、正常動作が行える残された気筒の気筒別の目標スロットル弁開度信号V1を出力するものである。
アクセルペダル42が復帰してアイドルスイッチ43が作動するか、車両の停止保持用補助ブレーキの作動状態を検出するサイドブレーキスイッチが作動するか、変速機のセレクタレバーがニュートラルかパーキング状態にあることを検出するセレクタスイッチ等の運転意思確認手段の判定が運転意思なしであったときには、第一の代替目標スロットル弁開度312によってアイドル回転速度となるスロットル弁開度が選択され、運転意思があると判断されたときには第一の代替目標スロットル弁開度312よりも大きな値となる第二の代替目標スロットル弁開度313が選択される。
第二の代替目標スロットル弁開度313によって定まる弁開度で運転しているときの車両速度は車両重量や道路勾配によって変化するので、車両速度の調整はブレーキペダルの踏込み度合いによって調整することになる。
ただし、エンジン回転速度が過大とならないようにエンジン回転抑制手段314によってスロットル弁開度が抑制されるようになっている。
但し、実際には吸気管の吸気抵抗のバラツキを補正するための是正特性パラメータに基づいて、想定される気筒別の吸気量に按分して気筒別の燃料噴射量が決定されるものである。また、図4で示したエンジン回転抑制手段314に加えて、図5で示した燃料カットによるエンジン回転抑制手段404が併用されるようになっている。
更に、モータに対する給電回路を遮断したときのスロットル弁の復帰位置が、所定の復帰位置ではなかったような場合には、異常復帰したスロットル弁のスロットルポジションセンサの検出出力によって退避制御ブロック306による制御特性を補正するような手段を付加することもできるものである。
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施形態1による運転制御装置は電子スロットル制御手段と燃料噴射制御手段と空燃比制御手段とを備えた多気筒エンジン10の運転制御装置30aであって、上記電子スロットル制御手段は気筒別吸気管15a〜15dにそれぞれ設けられたスロットル弁開度制御用のモータ20a〜20dを備えると共に、上記モータに給電する駆動制御回路はプログラムメモリ32aとデータメモリ33とを有するマイクロプロセッサ31によってON/OFF制御される開閉素子34a〜34dを備えている。
上記データメモリ33は更に是正特性パラメータ303を包含すると共に、上記プログラムメモリ32aは更にアクセルペダル42の踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサ41a・41bの検出出力を基準として、特性是正値を加算したり特性是正係数を乗算して得られる目標スロットル弁開度設定手段となるプログラムとモータ制御手段となるプログラムとを包含している。
上記特性是正値と特性是正係数は上記是正特性パラメータに基づいて気筒別のスロットル弁開度を気筒毎に制御するように気筒別に目標スロットル弁開度を是正する加減算定数又は乗算係数である。
上記モータ制御手段はスロットル弁開度を検出する気筒別のスロットルポジションセンサ22a〜22dの検出出力が気筒別に是正された上記目標スロットル弁開度と等しくなるように気筒別に上記開閉素子34a〜34dをON/OFF制御する手段であり、アクセルペダル42の踏込み度合いに応動して気筒別吸気管15a〜15dのスロットル弁開度が電動制御され、所定の空燃比が得られるように気筒別に燃料噴射が行われるようになっている。
また、燃料噴射用電磁弁は気筒別スロットル弁21a〜21dと吸気弁11a〜11dとの間に設置するのではなく、各気筒10a〜10dのシンリンダ内に直接高圧噴射するようにしても良い。
従って、アイドル回転補正出力301aによってアイドル回転の気筒差を是正し、アイドル回転速度の脈動を低減して、より安定した低速アイドル回転速度を得ることができる特徴がある。
上記加減速補正出力302aは上記アクセルポジションセンサ41a・41bの検出出力の微分値によって検出された所望の加減速度と、気筒別吸気管15a〜15dの過渡応答特性の相違に基づいて、応答特性の速い気筒に対しては応答特性の遅い気筒よりは過渡的に小さい目のスロットル弁開度とするか、遅れてアクセルポジションセンサ41a・41bの検出出力に対応した上記基準値に到達する補正出力である。
上記モータ制御手段はスロットル弁開度を検出する気筒別のスロットルポジションセンサ22a〜22dの検出出力が上記補正された目標スロットル弁開度と等しくなるように気筒別に上記開閉素子34a〜34dをON/OFF制御する手段であり、アクセルペダル42の踏込み度合いに応動して気筒別吸気管15a〜15dのスロットル弁開度が電動制御され、所定の空燃比が得られるように気筒別に燃料噴射が行われるようになっている。
また、各気筒の吸気配管特性が相違していても加減速補正出力によって均等な加減速を行うことができるので、吸気管の配管構成による気筒差が是正されて、全体としての効率を低下させることがなく、吸気管の配管設計が容易となる特徴がある。
従って、慣性補償出力302bによって加減速度を更に高めることができるので、車体重量が増加しても運転性能に及ぼす影響を低減することができる特徴がある。
上記開弁特性パラメータ305はアクセルペダル42の踏込み度合いとエンジン回転速度に対応して、全体として効率の良いエンジン出力を得るために予め実測された適切な気筒別のスロットル弁開度の特性を定めた統計データである。 上記特性補正値又は特性補正係数は上記開弁特性パラメータ305に基づいて気筒別のスロットル弁開度を気筒毎に制御するように気筒別の目標スロットル弁開度を補正する加減算定数又は乗算係数である。
上記モータ制御手段はスロットル弁開度を検出する気筒別のスロットルポジションセンサ22a〜22dの検出出力が上記気筒別の目標スロットル弁開度と等しくなるように気筒別に上記開閉素子34a〜34dをON/OFF制御する手段であり、アクセルペダル42の踏込み度合いに応動して気筒別吸気管15a〜15dのスロットル弁開度が電動制御され、所定の空燃比が得られるように気筒別に燃料噴射が行われるようになっている。
なお、あるエンジン回転速度Nにおけるエンジンの出力P(KW)と単位時間当たりの燃料消費量である燃料消費率との比率であるエンジン効率ηは、適正スロットル弁開度θ0において最大となる特性がある。
今、エンジン回転速度N(rpm)で全気筒のスロットル弁開度がθ(<θ0)であるときの全体エンジン出力を基準にして、意図的に第一気筒群のスロットル弁開度をθ1、第二気筒群のスロットル弁開度をθ2のように不揃いにして、θ2(>θ1)を最大効率のスロットル弁開度θ0に近づけて運転したほうが、同じエンジン全体出力の場合に燃料消費率が低減される状態がある。 このような効率改善特性データである上記開弁特性パラメータ305は、実車試験運転による統計データに基づいてデータメモリ33に格納されるので開発行程の自由度が高く、しかも理論値に基づくよりは正確な開弁特性パラメータを得ることができる特徴がある。
従って、不均一な車体振動が発生し難い第一・第二の気筒群に分割して、各気筒群のスロットル弁開度差を抑制したので、休筒による可変気筒運転を行うものに比べて車体振動を軽減することができる特徴がある。
また、上記退避特性パラメータ306は固定スロットル弁開度状態にある気筒数とアクセルペダル42の踏込み度合いとエンジン回転速度に対応して、残された正常気筒の適切なスロットル弁開度の関係を予め実測して得られる統計データであり、上記退避運転切換手段304は上記異常処理手段309が作用して一部気筒のスロットル弁開度が上記初期位置復帰手段208によって初期設定されている非制御状態において、上記退避特性パラメータ306に基づいて正常気筒のスロットル弁開度を制御するように選択切換えする手段となっている。 従って、特定気筒のスロットル弁制御機能が喪失しても、異常気筒のスロットル弁開度を所定の初期値に復帰させて、残りの正常な気筒のスロットル弁開度の制御によって上質な退避運転が可能となる特徴がある。
上記エンジン回転抑制手段は上記第二の代替目標スロットル弁開度313で運転されているエンジンの回転速度が所定の閾値を超過したときに燃料噴射用電磁弁の動作を停止して燃料供給を遮断する燃料カット手段404であるか、又はエンジン回転速度の上昇に伴って上記第二の代替目標スロットル弁開度313を漸減補正する設定速度抑制手段314となっている。 従って、アクセルポジションセンサ41a・41bの異常によって目標スロットル弁開度の設定ができない状態においては、代替目標スロットル弁開度によって退避運転を行うことができ、ブレーキペダルの操作によって車両速度の調整を行うことができる特徴がある。
従って、各気筒のスロットル弁開度が相違していても、排気集合管160aに設けられた1個の排気ガスセンサ160bを用いて気筒全体の給燃総量を制御することによって、各気筒の空燃比をほぼ適正な値に制御することができる特徴がある。
以下図6に、この発明の実施の形態2による運転制御装置の全体機構図を示しており、図1のものとの相違点を中心に説明する。
図6において、多気筒エンジン10を制御する運転制御装置30bはプログラムメモリ32bとデータメモリ33とを有するマイクロプロセッサ31を主体として構成されていて、アクセルペダル42の踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサ41a・41bの検出出力に応動してモータ20a〜20dを駆動し、気筒別吸気管15a〜15dに設けられたスロットル弁21a〜21dの弁開度を制御すると共に、吸気集合管150aに設けられたエアフローセンサ150bで検出された吸気総量に応動して燃料噴射弁14a〜14dの動作時期・期間を制御するようになっている。 なお、空燃比を帰還制御するための排気ガスセンサ17a〜17dは気筒別排気管16a〜16dに設置され、排気集合管160aに設置されていないのが図1のものとの相違点となっている。
給燃総量設定手段401bはエアフローセンサ150bによって検出された吸気総量に見合って所定の空燃比が得られるような給燃総量を決定し、気筒別燃料噴射配分手段402bは気筒別のスロットルポジションセンサ22a〜22dの検出出力に対応して上記給燃総量を気筒別燃料噴射量に配分する手段となっている。
気筒別燃料噴射時期調整手段403a〜403dは各気筒の燃料噴射用電磁弁14a〜14dの駆動開始時期と駆動期間を制御するものであって、該駆動期間は上記気筒別燃料噴射の配分量に基づいて決定するようになっている。更に気筒別燃料噴射補正手段406a〜406dは、上記気筒別燃料噴射配分手段402bによって配分された気筒別燃料噴射量と気筒別燃料噴射時期調整手段403a〜403dによる燃料噴射用電磁弁14a〜14dの駆動期間との間の比例係数を補正する手段であって、多気筒エンジンの運転開始時には各気筒に共通した所定の比例係数が使用され、多気筒エンジンの運転中において気筒別排気管16a〜16dに設けられた排気ガスセンサ17a〜17dの検出出力に応動して調節された燃料噴射用電磁弁14a〜14dの駆動期間と気筒別燃料噴射量との比率を学習記憶してデータメモリに保存すると共に、次回運転時には当該学習記憶値に基づいて気筒別燃料噴射量と燃料噴射用電磁弁14a〜14dの駆動期間との関係が決定されるようになされている。
上記プログラムメモリ32bは更に給燃総量設定手段401bと気筒別燃料噴射配分手段402bと燃料噴射時期調整手段403a〜403dとになるプログラムを包含し、上記給燃総量設定手段401bは上記吸気集合管150aに設けられたエアフローセンサ150bの検出出力に比例して全気筒に対する給燃総量を設定する手段であり、上記気筒別燃料噴射配分手段402bは上記気筒別のスロットルポジションセンサ22a〜22dの検出出力に対応して上記給燃総量を気筒別燃料噴射量に配分する手段となっている。
従って、各気筒のスロットル弁開度が相違していたり、各気筒の燃料噴射制御特性にバラツキ変動があっても、気筒別排気管16a〜16dに設けられた排気ガスセンサ17a〜17dを用いて各気筒の空燃比を正確に制御することができる特徴がある。
10a〜10d 気筒A〜D 42 アクセルペダル
11a〜11d 吸気弁 43 アイドルスイッチ
12a〜12d 排気弁 50 車載バッテリ
13a〜13d 点火プラグ 51 電源スイッチ
130a〜130d 点火コイル 52 電源回路
14a〜14d 燃料噴射電磁弁 53 ON/OFF入力センサ群
140a〜140d 燃料噴射電磁コイル 54 入力インタフェース
15a〜15d 気筒別吸気管 55 アナログ入力センサ群
150a 吸気集合管 56 多チャンネルAD変換器
150b エアフローセンサ 57 出力インタフェース
16a〜16d 気筒別排気管 208 初期位置復帰機構
160a 排気集合管 300a 駆動制御回路
160b 排気ガスセンサ 301a アイドル回転補正出力
17a〜17d 排気ガスセンサ 302a 加減速補正出力
18 クランク角センサ 302b 慣性補償出力
19 水温センサ 302c 順次補正手段
303 是正特性パラメータ(是正制御ブロック)
20a〜20d モータ
21a〜21d スロットル弁 304 退避運転切換手段
22a〜22d スロットルポジションセンサ
305 開弁特性パラメータ(補正制御ブロック)
306 退避特性パラメータ(退避制御ブロック)
30a 運転制御装置
30b 運転制御装置
31 マイクロプロセッサ
32a プログラムメモリ 309 異常処理手段
32b プログラムメモリ
310b 代替目標スロットル弁開度選択手段
33 データメモリ 311 運転意思確認手段
34a〜34d 開閉素子 312 第一の代替目標スロットル弁開度
35a フラッシュメモリ 313 第二の代替目標スロットル弁開度
36 RAMメモリ
314 エンジン回転抑制手段 (設定速度抑制手段)
38a〜38d 負荷電源リレー
V0 基準スロットル弁開度
V1 目標スロットル弁開度
V2 代替目標スロットル弁開度
400a・400b 燃料噴射制御手段
401a 全体空燃比調整手段
401b 給燃総量設定手段
402a 気筒別燃料噴射配分手段
402b 気筒別燃料噴射配分手段
403 燃料噴射時期制御手段
403a〜403d 気筒別燃料噴射時期調整手段
404 エンジン回転抑制手段 (燃料カット手段)
Claims (11)
- 電子スロットル制御手段と燃料噴射制御手段と空燃比制御手段とを備えた多気筒エンジンの運転制御装置であって、
上記電子スロットル制御手段は気筒別吸気管にそれぞれ設けられたスロットル弁開度制御用のモータを備えると共に、上記モータに給電する駆動制御回路はプログラムメモリとデータメモリとを有するマイクロプロセッサによってON/OFF制御される開閉素子を備えていて、
上記データメモリは更に是正特性パラメータを包含すると共に、上記プログラムメモリは更にアクセルペダルの踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサの検出出力を基準として、特性是正値を加算したり特性是正係数を乗算して得られる目標スロットル弁開度設定手段となるプログラムと上記スロットル弁開度制御用のモータのモータ制御手段となるプログラムとを包含し、
上記是正特性パラメータは上記気筒別吸気管の上流位置にある吸気集合管に設けられたエアフローセンサの検出出力とエンジン回転速度に対応して、気筒別吸気量が均一となる気筒別のスロットル弁開度の関係を予め実測して得られる統計データであって、上記エアフローセンサから吸気弁に至る吸気管の吸気抵抗のバラツキを補正する特性パラメータであり、
上記特性是正値と特性是正係数は上記是正特性パラメータに基づいて気筒別のスロットル弁開度を気筒毎に制御するように気筒別に目標スロットル弁開度を是正する加減算定数又は乗算係数であり、
上記モータ制御手段はスロットル弁開度を検出する気筒別のスロットルポジションセンサの検出出力が上記気筒別に是正された目標スロットル弁開度と等しくなるように上記開閉素子を制御して、各気筒の吸気量が均一となる関係に制御し、アクセルペダルの踏込み度合いに応動して気筒別吸気管のスロットル弁開度が電動制御され、各気筒の吸気量に対応して所定の空燃比が得られるように気筒別に燃料噴射が行われることを特徴とする多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記プログラムメモリは更に上記アクセルポジションセンサの検出出力を基準として、アイドル回転補正出力を加算して得られる目標スロットル弁開度設定手段となるプログラムを包含し、
上記アイドル回転補正出力はアクセルペダルが踏込まれていないアイドル回転状態において作用し、エンジンの冷却水温に関連する安定最小エンジン回転速度と現在のエンジン回転速度との偏差に対応してスロットル弁開度を増減する補正出力であることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記プログラムメモリは更にアクセルペダルの踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサの検出出力を基準として、加減速補正出力を加算して得られる目標スロットル弁開度設定手段となるプログラムを包含し、
上記加減速補正出力は上記アクセルポジションセンサの検出出力の微分値によって検出された所望の加減速度と、気筒別吸気管の過渡応答特性の相違に基づいて、応答特性の速い気筒に対しては応答特性の遅い気筒よりは過渡的に小さい目のスロットル弁開度とするか、遅れてアクセルポジションセンサの検出出力に対応した上記基準値に到達する補正出力であり、
上記モータ制御手段はスロットル弁開度を検出する気筒別のスロットルポジションセンサの検出出力が上記補正された目標スロットル弁開度と等しくなるように気筒別に上記開閉素子を制御して、加減速過程における各気筒の吸気量が均一となる関係に制御したことを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記プログラムメモリは更に上記アクセルポジションセンサの検出出力を基準として、慣性補償出力を加算して得られる目標スロットル弁開度設定手段となるプログラムを包含し、
上記慣性補償出力は上記アクセルポジションセンサの検出出力の微分値によって検出された所望の加減速度に応動して、各気筒の目標スロットル弁開度を共通して増減する補正出力であることを特徴とする請求項3に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記プログラムメモリは更にアクセルペダルの踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサの検出出力を基準として得られる目標スロットル弁開度設定手段となるプログラムと順次補正手段となるプログラムとを包含し、
上記順次補正手段は上記目標スロットル弁開度が変化するときに作用して、吸気行程が開始される気筒のスロットル弁に対する目標スロットル弁開度から順次変化させる手段であり、
上記モータ制御手段はスロットル弁開度を検出する気筒別のスロットルポジションセンサの検出出力が上記補正された目標スロットル弁開度と等しくなるように気筒別に上記開閉素子をON/OFF制御する手段であり、
アクセルペダルの踏込み度合いに応動して気筒別吸気管のスロットル弁開度が電動制御され、所定の空燃比が得られるように気筒別に燃料噴射が行われることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記データメモリは更に開弁特性パラメータを包含すると共に、上記プログラムメモリは更にアクセルペダルの踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサの検出出力を基準として、特性補正値を加算したり特性補正係数を乗算して得られる目標スロットル弁開度設定手段となるプログラムを包含し、
上記開弁特性パラメータはアクセルペダルを完全踏込みした状態においては全気筒のスロットル弁を全開にしたフルスロットル状態とし、アクセルペダルの中間踏込み状態においては標準値よりも若干大きい目のスロットル弁開度となる第一の気筒群と、若干小さい目のスロットル弁開度となる第二の気筒群に分割して運転され、上記第一の気筒群に対する燃料噴射と第二の気筒群に対する燃料噴射は交互に行われるようにグループ分けされていると共に、上記標準値からの増減偏差は車体振動が顕在化しない範囲に抑制されており、
上記特性補正値又は特性補正係数は上記開弁特性パラメータに基づいて気筒別のスロットル弁開度を気筒群毎に制御するように気筒群別の目標スロットル弁開度を補正する加減算定数又は乗算係数であり、
上記モータ制御手段はスロットル弁開度を検出する気筒別のスロットルポジションセンサの検出出力が上記気筒群別の目標スロットル弁開度と等しくなるように気筒別に上記開閉素子をON/OFF制御することを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記電子スロットル制御手段の機構部は初期位置復帰機構を備えると共に、上記データメモリは更に退避特性パラメータを包含し、上記プログラムメモリは更に異常処理手段と退避運転切換手段となるプログラムを包含していて、
上記初期位置復帰機構は上記モータに対する通電を遮断したときに作用して、気筒別吸気管のスロットル弁開度を固定位置に復帰設定する機構であり、
上記異常処理手段はモータ給電回路に関する断線・短絡とスロットルポジションセンサの検出回路に関する断線・短絡が検出されたときに作用して、異常発生している気筒に設けられたモータの電源又は開閉素子を遮断する手段であり、
上記退避特性パラメータは固定スロットル弁開度状態にある気筒数とアクセルペダルの踏込み度合いとエンジン回転速度に対応して、残された正常気筒の適切なスロットル弁開度の関係を予め実測して得られる統計データであり、
上記退避運転切換手段は上記異常処理手段が作用して一部気筒のスロットル弁開度が上記初期位置復帰手段によって初期設定されている非制御状態において、上記退避特性パラメータに基づいて正常気筒のスロットル弁開度を制御するように選択切換えする手段であることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記プログラムメモリは更に代替目標スロットル弁開度選択手段と運転意思確認手段とエンジン回転抑制手段となるプログラムを包含し、
上記代替目標スロットル弁開度選択手段は多重系設置されたアクセルポジションセンサが全て断線・短絡異常であるか、又は断線・短絡異常ではないが一致した検出出力が得られないときに作用して、各気筒の目標スロットル弁開度をアクセルペダルの踏込み度合いとは無関係の第一又は第二の代替目標スロットル弁開度に選択する手段であり、
上記運転意思確認手段はアクセルペダルが完全復帰したことに応動するアイドルスイッチ、又は車両を停止保持しておく補助ブレーキが作動していることに応動するサイドブレーキスイッチ、又は変速シフトレバーがニュートラル位置やパーキング位置に切り替えられているときに作用するセレクトスイッチのいずれかの動作を監視して車両を前進・後退させる意思があるかどうかを判定する手段であり、
上記第一の代替目標スロットル弁開度は上記運転意思確認手段の判定が運転意思なしの判定であったときに作用して、安定最小エンジン回転速度に相当するアイドル回転速度を得るための最小目標スロットル弁開度であり、
上記第二の代替目標スロットル弁開度は上記運転意思確認手段の判定が運転意思有りの判定であったときに作用して、上記最小目標スロットル弁開度よりも大きな弁開度である退避運転用目標スロットル弁開度であり、
上記エンジン回転抑制手段は上記第二の代替目標スロットル弁開度で運転されているエンジンの回転速度が所定の閾値を超過したときに燃料噴射用電磁弁の動作を停止して燃料供給を遮断する燃料カット手段であるか、又はエンジン回転速度の上昇に伴って上記第二の代替目標スロットル弁開度を漸減補正する設定速度抑制手段であることを特徴とする請求項7に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記プログラムメモリは更に全体空燃比調整手段と気筒別燃料噴射配分手段と燃料噴射時期制御手段とになるプログラムを包含し
上記全体空燃比調整手段は上記吸気集合管に設けられたエアフローセンサの検出出力と排気集合管に設けられた排気ガスセンサの検出出力に応動して所定の空燃比となるように全気筒に対する給燃総量を調整する手段であり、
上記気筒別燃料噴射配分手段は上記気筒別のスロットルポジションセンサの検出出力とは無関係に上記給燃総量を気筒別燃料噴射量に均等配分する手段であり、
上記燃料噴射時期制御手段は各気筒の燃料噴射用電磁弁の駆動開始時期と駆動期間を制御して、該駆動期間は上記気筒別燃料噴射の配分量に基づいて決定する手段であることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記プログラムメモリは更に給燃総量設定手段と気筒別燃料噴射配分手段と燃料噴射時期調整手段とになるプログラムを包含し、
上記給燃総量設定手段は上記吸気集合管に設けられたエアフローセンサの検出出力に比例して全気筒に対する給燃総量を設定する手段であり、
上記気筒別燃料噴射配分手段は上記気筒別のスロットルポジションセンサの検出出力とは無関係に上記給燃総量を気筒別燃料噴射量に均等配分する手段であり、
上記燃料噴射時期調整手段は各気筒の燃料噴射用電磁弁の駆動開始時期と駆動期間を制御して、該駆動期間は上記気筒別燃料噴射の配分量に基づいて基準値が決定され、気筒別排気管に設けられた排気ガスセンサの検出出力に応動して各気筒の燃料噴射用電磁弁の駆動期間を調節する手段であることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。 - 上記プログラムメモリは更に気筒別燃料噴射補正手段を備え、
該気筒別燃料噴射補正手段は上記気筒別燃料噴射配分手段によって配分された気筒別燃料噴射量と気筒別燃料噴射時期調整手段による燃料噴射用電磁弁の駆動期間との間の比例係数を補正する手段であって、多気筒エンジンの運転開始時には各気筒に共通した所定の比例係数が使用され、多気筒エンジンの運転中において気筒別排気管に設けられた排気ガスセンサの検出出力に応動して調節された燃料噴射用電磁弁の駆動期間と気筒別燃料噴射量との比率を学習記憶してデータメモリに保存すると共に、次回運転時には当該学習記憶値に基づいて気筒別燃料噴射量と燃料噴射用電磁弁の駆動期間との関係が決定されるものであることを特徴とする請求項10に記載の多気筒エンジンの運転制御装置。
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