JP2011202619A - 電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スロットルバルブを駆動させるモータを複数制御する場合でも安価な電子制御装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置1は、CPU10と複数のモータ駆動回路11〜13とがシリアル通信が可能に接続されている。CPU10は、各モータ駆動回路11〜13ごとにモータm1〜m3の駆動信号を作成する。駆動信号は、CPU10のメモリ34に一時的に蓄積され、DMA方式によるデータ転送により、CPU10の1つのポート23から各モータ駆動回路11〜13に読み込まれる。各モータ駆動回路11〜13では、駆動信号を時系列に並べることでPWM信号を形成し、モータm1〜m3の回転制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子制御装置に関する。
車両には、アクセルグリップとスロットルバルブとをケーブル等で物理的に接続する代わりに、アクセルグリップの開度を電気信号としてモータに送り、モータの駆動によりスロットルバルブを駆動させるDBW(Drive By Wire)方式が用いられることがある。
DBW方式に用いられる従来の電子制御装置としては、例えば、特許文献1に開示されているような制御装置があげられる。この制御装置は、運転者が操作したアクセルグリップの開度の情報と、スロットルバルブの開度の情報が入力され、モータに印加する電圧を制御するPWM(Pulse Width Modulation)信号と、モータの回転方向を規定する正逆信号とモータの駆動回路を出力するように構成されている。
ここで、モータの駆動回路には、4つのスイッチング素子を配列したHブリッジ回路が用いられており、バッテリ側の2つのスイッチング素子にはPWM信号が入力され、アース側の2つのスイッチング素子に正逆信号が入力される。このため、制御装置からは、2つのPWM信号と、2つの正逆信号の合計4つの信号が出力される。
また、多気筒エンジンのそれぞれに設けられたスロットルバルブを同時に制御するDBW方式の電子制御装置としては、例えば、特許文献2に開示されているような制御装置があげられる。この制御装置では、気筒の数だけ設けられたモータのそれぞれに駆動信号を出力するように構成されている。
特開2002−54485号公報 特開2006−70721号公報
しかしながら、多気筒エンジンの制御を行う場合には、制御装置の出力ポートがPWM信号と正逆信号がモータの数だけ必要になる。例えば、モータをn個の場合には、PWM信号が2×n個、正逆信号が2×n個の合計4×n個の出力ポートが必要になる。このため、電子制御装置のコストを増大させる原因になっていた。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、スロットルバルブを駆動させるモータを複数制御する場合でも安価な電子制御装置を提供する目的とする。
本願の一観点によれば、エンジンの複数の気筒のそれぞれに供給される空気量を制御するスロットルバルブを回動させるモータごとに設けられ、前記モータの回転制御を行うモータ駆動回路と、前記モータ駆動回路に前記モータを駆動させる駆動信号を、前記モータ駆動回路ごとに生成し、前記モータ駆動回路のそれぞれに通信によって供給するCPUと、を備え、前記CPUと前記モータ駆動回路を接続する通信線は、前記CPUの1つのポートに接続され、前記モータ駆動回路のそれぞれに分岐させられる第1の通信線と、前記モータ駆動回路のそれぞれと前記CPUとの間に1本ずつ設けられ、前記モータ駆動回路が前記駆動回路を読み込むタイミングをセットするセレクト信号を送信する第2の通信線とを有する電子制御装置が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、前記CPUは、前記駆動信号として、前記モータの回転方向を指示する情報を含み、かつ周波数が一定のパルス信号で、前記駆動信号を時系列に並べたときに、PWM信号が形成される信号を生成するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置が提供される。
さらに、本発明の別の観点によれば、前記駆動信号を含むデータフレームが周期的に書き込まれるメモリと、前記データフレームをDMA方式によるデータ転送により前記モータ駆動回路のそれぞれに読み込ませるDMA制御部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、前記データフレームには、前記モータ駆動回路に故障診断の実施を指令する診断信号が含まれることを特徴とする請求項3に記載の電子制御装置が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、請求項2に記載の電子制御装置において、前記データフレームには、前記モータ駆動回路に故障診断の実施を指令する診断信号が含まれることを特徴とする。
本発明によれば、CPUの1つのポートから複数のモータ駆動回路に駆動信号を送信することが可能になるので、モータ駆動装置の数が多い場合でもCPUのポート数を少なく抑えられ、電子制御装置を小型化できる。
図1は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、電子制御装置における動作を説明するタイミングチャートである。 図3は、モータの出力を決定する処理を説明するフローチャートである。 図4は、デューティ値と、それに対応するPWM信号を示す図である。
本発明を実施するための形態について以下に詳細に説明する。
図1に本実施形態の電子制御装置を含む車両の駆動系の概略構成を示す。
車両の駆動系は、アクセルグリップからの開度信号が入力される電子制御装置1を有する。電子制御装置1には、制御装置であるCPU(Central Processing Unit)10に、3つのモータ駆動回路11、12、13が並列に接続されている。各モータ駆動回路11〜13は、バッテリ14からの電力供給を受けて、モータm1、m2、m3に電流を流すように構成されている。モータm1〜m3は、例えば、ステータの内部にロータが収容された構成を有し、ブラシを介してロータのコイルに電気が流れるように構成されている。
モータm1〜m3mの回転軸には、減速機構15を介してスロットルバルブ16の回転軸が連結されている。スロットルバルブ16は、図示を省略するエンジンの吸気管17に1つずつ回動自在に支持されている。つまり、この実施の形態で、電子制御装置1が搭載される車両は、3気筒のエンジンである。各スロットルバルブ16の開度は、スロットルバルブ16の回転軸に連結されたスロットル開度センサ18によって測定される。スロットル開度センサ18の出力は、CPU10に入力される。
CPU10は、各モータ駆動回路11〜13との間でシリアル通信を行う複数のポート21〜26を有している。
第1のポート21は、通信線21Aで各モータ駆動回路11〜13に接続されており、
クロック信号を各モータ駆動回路11〜13に出力する。クロック信号は、周期的に発生させたパルス信号であり、各モータ駆動回路11〜13は、このクロックデータに同期させて処理を行う。
第2のポート22は、通信線22A(第1の通信線)で各モータ駆動回路11〜13に接続されており、モータm1〜m3を制御するシリアルデータを各モータ駆動回路11〜13に出力する。第2のポート22から出力されるシリアルデータは、モータm1〜m3ごとに作成されるデータフレームからなる。このデータフレームには、駆動信号と診断信号とが含まれる。駆動信号は、モータm1〜m3を駆動させる指令であって、PWM制御を行うためにデータや、モータm1〜m3の回転方向を示すデータが含まれる。診断信号は、モータm1〜m3及び各モータ駆動回路11〜13の故障診断を行った結果をCPU10に送るように支持するコマンドである。
第3のポート23は、通信線23Aで各モータ駆動回路11〜13に接続されており、各モータ駆動回路11〜13から出力されたシリアルデータが入力される。第3のポート23から入力されるシリアルデータとしては、各モータ駆動回路11〜13の故障診断を行った結果の情報があげられる。
第4、第5、第6のポート24,25,26は、それぞれ、通信線24A,25A,26A(第2の通信線)で各モータ駆動回路11〜13に接続されており、チップセレクト用のセレクト信号を各モータ駆動回路11〜13に出力する。なお、セレクト信号とは、モータm1〜m3を選択する信号である。
ここで、CPU10は、モータm1〜m3を回転させるためのデータを作成する出力演算部31と、診断信号の処理及びセレクト信号の作成を行う回路制御部32と、各モータ駆動回路11〜13に出力する信号を作成する出力データ処理部33とに機能分割できる。なお、出力演算部31は、アクセルグリップの開度信号に基づいてモータ出力を演算する出力演算機能と、モータ出力に応じて駆動信号を作成する駆動信号生成機能とを有する。出力データ処理部は、駆動信号や診断信号を含むデータフレームの作成や、データフレームの書き込みのタイミングなどを制御する機能を有する。
また、CPU10は、DMA(Direct Memory Access)を用いたデータ転送が可能に構成されている。このため、CPU10は、シリアル通信用のデータが一時的に置かれるバッファとして使用されるRAM(Random Access Memory)などのメモリ34と、データ転送の制御を行うDMA制御部35とが設けられている。なお、メモリ34、DMA制御部35は、CPU10と別に設けることも可能である。
次に、モータ駆動回路11〜13の構成について説明する。
各モータ駆動回路11〜13は、CPU10に接続されるドライバ回路41を有する。ドライバ回路41は、バッテリ14からの電力供給を受けてデータ処理を行い、Hブリッジ回路42の各スイッチング素子42A〜42Dに信号を出力するように構成されており、駆動信号や診断信号などを一時的に保持するモータ駆動回路メモリ41Aを有する。ドライバ回路41からHブリッジ回路42に出力される信号としては、モータm1〜m3に供給する電圧を制御するPWM(Plus Width Modulation)信号と、モータm1〜m3の回転方向を決定する正逆信号があげられる。
各Hブリッジ回路42は、4つのスイッチング素子42A〜42Dがブリッジ接続された構成を有する。スイッチング素子42A〜42Dには、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)や、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が用いられている。第1、第3のスイッチング素子42A,42Cのそれ
ぞれのドレインは、バッテリ14に接続されている。第1、第3のスイッチング素子42A,42Cのそれぞれのゲートは、ドライバ回路41に接続されており、PWM信号が入力される。さらに、第1のスイッチング素子42Aのソースには、第2のスイッチング素子42Bのドレインとモータm1〜m3のコイルの一端が電気的に接続されている。第3のスイッチング素子42Cのソースには、第4のスイッチング素子42Dのドレインとモータm1〜m3のコイルの他端が電気的に接続されている。
また、第2、第4のスイッチング素子42B,42Dのそれぞれのゲートは、ドライバ回路41に接続されており、正逆信号が入力される。第2,第4のスイッチング素子42B,42Dのそれぞれのソースは、アースに接続されている。
次に、この電子制御装置1を用いたスロットルバルブ16の開度制御について説明する。
運転者が図示を省略するアクセルグリップを操作すると、アクセルグリップの開度に応じた開度信号が作成される。この開度信号は、電子制御装置1のCPU10に入力される。CPU10は、出力演算部31におけるソフトウェア処理で、モータm1〜m3の回転を制御するデータフレームを作成する。なお、この処理は、所定周期ごとの割り込み処理として実行される。そして、CPU10と各モータ駆動回路11〜13の間で、DMAを用いたシリアル通信が行われ、モータm1〜m3の回転制御が行われる。
ここで、図2を参照して、CPU10とモータ駆動回路11〜13のドライバ回路41との間のデータのやりとりについて説明する。なお、図2の横軸は時間の経過を示す。縦軸の一番の上の「t_int」はCPU10におけるソフトウェア上の処理を示し、以下、「DMA1」はCPU10がメモリ34にデータを書き込む処理を示し、「SPIA_out」はCPU10から各モータ駆動回路11〜13に出力されるデータを示す。さらに、「SPIA_in」は各モータ駆動回路11〜13からCPU10に入力されるデータを示し、「DMA2」は各モータ駆動回路11〜13がメモリ34からデータを読み込む処理を示す。「SSLA1」、「SSLA2」、「SSLA3」は、CPU10から各モータ駆動回路11〜13に出力されるセレクト信号を示す。なお、CPU10からは、図示を省略するクロックデータも出力される。
最初に、時間t0のタイミングにて、CPU10の出力演算部31により算出されたモータm1〜m3のモータ出力TBWCONTをCPU10のメモリ34にセットすると共に、診断出力DIAGをメモリ34にセットする。
ここで、出力演算部31の処理の一例について、図3を参照して説明する。なお、この処理は、モータm1〜m3ごとに行われる。
まず、ステップS201で、モータ駆動回路11〜13に入力するPWM信号のデューティ値(%)を決定する。今回のデューティ値は、前回のデューティ値に、開度信号から定まる目標デューティを加算することで算出される。今回のデューティ値は、現在のスロットルバルブ16の開度とスロットルバルブ16の目標値の差が小さければ、小さいデューティ値が算出される。これに対し、現在のスロットルバルブ16の開度とスロットルバルブ16の目標値の差が大きいと、今回のデューティ値に大きいデューティ値が算出される。
続いて、デューティ値を用いてモータm1〜m3の回転方向を決定する。まず、ステップS202において、今回のデューティ値と予め定められている正転判断閾値を比較する。デューティ値が正転判定閾値を上回っていたら(ステップS202でYes)、今回のモータm1〜m3の回転方向を正転に設定し(ステップS203)、デューティ値から100(%)を引く(ステップS204)。
これに対し、ステップS202において、今回のデューティ値が、正転判断閾値以下であれば、ステップS205に進む。そして、今回のデューティ値が、予め定められている逆転判断閾値を下回ったら(ステップS205でYes)、ステップS206に進んで、今回のモータm1〜m3の回転方向を逆転に設定し、続いてステップS207でデューティ値に100(%)を加算する。そして、ステップS205において、今回のデューティ値が、予め定められている逆転判断閾値以上であれば、ステップS208に進んで、今回の出力を停止に設定する。
図2に戻り説明を続けると、時間t0のタイミングでは、各モータ駆動回路11〜13への出力であるモータ出力TBWCONTとして、CPU10の出力データ処理部33は、算出結果を含むデータフレームをモータm1〜m3ごと、つまりモータ駆動回路11〜13ごとにモータ出力データフレームTBW1CONT、TBW2CONT、TBW3CONTを作成し、メモリ34にセットする。さらに、診断結果出力データフレームTBW1DIAG、TBW2DIAG、TBW3DIAGをセットすると共に、DMA制御部35に対して転送命令を指示する。
ここで、モータ出力データフレームTBW1CONT〜TBW3CONTは、各モータ駆動回路11〜13のHブリッジ回路42の駆動信号を有する。診断結果出力データフレームは、各モータ駆動回路11〜13の故障診断の結果を求めるものである。
駆動信号は、例えば、Hブリッジ回路42の一方の側に配置された2つスイッチング素子42A,42Bを制御する第1の信号と、Hブリッジ回路42の他方の側に配置された2つのスイッチング素子42C,42Dを制御する第2の信号とから形成される。
具体的には、Hブリッジ回路42の上側のスイッチング素子42AをONにし、下側のスイッチング素子42BをOFFにするときは、第1の信号がHighレベル(Hレベル)に設定される。これに対し、Hブリッジ回路42の上側のスイッチング素子42AをOFFにし、下側のスイッチング素子42BをONにするときは、第1の信号がLowレベル(Lレベル)に設定される。
また、上側のスイッチング素子42CをONにし、下側のスイッチング素子42DをOFFにするには、第2の信号がHレベルに設定される。これに対し、上側のスイッチング素子42CをOFFにし、下側のスイッチング素子42DをONにするときは、第2の信号がLレベルに設定される。
例えば、図3のステップS203で、モータm1〜m3の回転方向が正転に設定されたら、出力演算部31は、第1の信号をHレベルに設定し、かつ第2の信号をLレベルに設定する。この結果、出力演算部31は、第1の信号に「1」がセットされ、第2の信号に「0」がセットされた、「10」の2ビットのパルス信号を駆動信号として作成する。
同様に、図3のステップS206で、モータm1〜m3の回転方向が逆転に設定されたら、出力演算部31は「01」の2ビットの信号を駆動信号として作成する。
そして、図2のステップS208で、モータm1〜m3が停止に設定されたら、出力演算部31は駆動信号として「00」の2ビットの信号を作成する。
続いて、DMA制御部35は、時間t1のタイミングでモータ出力データフレームTBW1CONTを第1のモータ駆動回路11のモータ駆動回路メモリ41Aに転送し書き込む。同様に時間t2のタイミングではモータ出力データフレームTBW2CONTが、時間t3のタイミングではモータ出力データフレームTBW3CONTが、それぞれ対応するモータ駆動回路12,13のモータ駆動回路メモリ41Aに転送される。つまり、各モータ駆動回路11〜13のモータ駆動回路メモリ41Aには、モータm1の制御のためのモータ出力データフレームTBW1CONT、モータm2の制御のためのモータ出力デー
タフレームTBW2CONT、モータm3の制御のためのモータ出力データフレームTBW3CONTが順番に書き込まれる。さらに、その後は、この順番が繰り返され、それぞれのモータm1〜m3用のモータ出力データフレームTBW1CONT〜TBW3CONTが順次、モータ駆動回路11〜13のモータ駆動回路メモリ41Aに書き込まれる。
さらに、時間t4のタイミングからは、各モータ駆動回路11〜13に対して自己の診断結果を要求する診断結果出力データフレームTBWDIAGの各モータ駆動回路11〜13のメモリ41Aへの転送が開始される。まず、時間t4のタイミングでは、第1のモータ駆動回路11に自己診断結果を求める診断結果出力データフレームTBW1DIAGが第1のモータ駆動回路11内のモータ駆動回路メモリ41Aに転送され、書き込みが行われる。続いて、時間t5のタイミングでは、第2のモータ駆動装置12に自己診断結果を求める診断結果出力データフレームTBW2DIAGが第2のモータ駆動装置12内のモータ駆動回路メモリ41Aに転送され、書き込みが行われる。そして、時間t6のタイミングでは、第3のモータ駆動装置13に自己診断結果を求める診断結果出力データフレームTBW3DIAGが第3のモータ駆動装置13内のモータ駆動回路メモリ41Aに転送され、書き込みが行われる。
なお、ここで上記した各データフレーム(TBW1CONT、TBW2CONT、TBW3CONT、TBW1DIAG、TBW2DIAG、TBW3DIAG)の転送について補足する。これら各データフレームは、図1に示されるようにCPU10の第1のポート21から出力されるクロック信号に同期して、CPU10の第2のポート23からシリアル通信により出力されることになるが、第1のポート22および第2のポートから通信線が分岐されて各モータ駆動回路11〜13に接続されていることが分かる。
そこで、この実施の形態では、各モータ駆動回路11〜13に対して、CPU10にチップセレクト用のポートである第4のポート24、第5のポート25、第6のポート26を備え、各ポート24〜26と各モータ駆動回路11〜13の間に通信線24A〜26Aを1本ずつ設けることで、モータ駆動回路11〜13の数が増えてもCPU10のポート数を少なく抑えている。
CPU10の第4〜第6のポートから送信されるセレクト信号SSL1〜SSL3は、CPU10のDMA制御部35で作成される信号であって、周期的にHレベルとLレベルが繰り返し表されるパルス信号である。第1のセレクト信号SSL1は、CPU10のポート24から、第1のモータ駆動回路11に出力される。同様に、第2、第3のセレクト信号SSL2,SSL3は、それぞれポート25、ポート26から、第2のモータ駆動回路12、第3のモータ駆動回路13に出力される。各モータ駆動回路11〜13には、CPU10から入力されたセレクト信号SSL1〜SSL3のパルスが立ち下がるタイミングで、データフレームがシリアル通信により転送されることになる。
具体的には、モータ出力データフレームTBW1CONTの転送タイミングでは、時間t1に示すように、セレクト信号SSL1を立ち下げている。同様に、他の各データフレーム(TBW2CONT、TBW3CONT、TBW1DIAG、TBW2DIAG、TBW3DIAG)の転送タイミングである時間t2〜t6のそれぞれにおいて、各チップセレクト信号SSL1〜SSL3を、データフレームを転送すべきモータ駆動回路11〜13に合わせて、それぞれ立ち下げている。これにより、データフレームがモータ駆動回路11〜13のモータ駆動回路メモリ41Aに転送され、書き込まれる。
このように各モータ駆動回路11〜13へのデータフレーム転送用のポートである第1のポート21および第2のポート22を共通化し、チップセレクトSSL1〜SSL3を切り換えることで、確実に各モータ駆動回路11〜13のメモリ41Aへの転送が行える
そして、所定の周期Tにて、各モータm1〜m3の出力が算出され、モータ出力データフレームTBW1CONT〜TBW3CONTがCPU10のメモリ34にセットされる。また、各モータ駆動回路11〜13に対する診断結果出力データフレームについても、同様にメモリ34にセットされる。そして、DMA制御部35により各モータ駆動回路11〜13への転送が順次行われる。
このようにして、各モータ駆動回路11〜13に読み込まれたデータフレームに基づいて、各モータ駆動回路11〜13がデータ処理を行って、Hブリッジ回路42の各スイッチング素子42A〜42Dの開閉を制御する。
例えば、第1のモータ駆動回路11がメモリ34から読み込んだ駆動信号が「10」であったときは、ドライバ回路41からHブリッジ回路42の上側の一方のスイッチング素子42AをONにするPWM信号を出力し、その下のスイッチング素子42BをOFFにする正逆信号を出力する。さらに、Hブリッジ回路42の上側の他方のスイッチング素子42CをOFFにするPWM信号を出力し、その下側のスイッチング素子42DをONにする正逆信号を出力する。その結果、電流が、上側の一方のスイッチング素子42Aから、モータm1のコイルを通り、下側の他方のスイッチング素子42Dに流れ、モータm1が正転する。
これにより、モータm1〜m3のロータに減速機構15を介して連結されているスロットルバルブ16がモータm1〜m3の回転量に相当する角度が回転させられる。その結果、スロットルバルブ16の開度が制御され、吸気管17からエンジンに供給される空気量が調整される。
スロットルバルブ16の開度は、スロットル開度センサ18で検出され、CPU10にフィードバックされ、モータm1〜m3のデューティ値や回転方向の決定に使用される。
ここで、この実施の形態におけるPWMのデューティ制御の一例を図4に示す。なお、図4は、横軸が時間の経過を示し、縦軸がデューティ値を示している。CPU10の出力演算部31は、所定の期間でスイッチング素子42A〜42DのONの時間とOFFの時間の比が、算出したデューティ値になるように駆動信号を含むモータ出力データフレームを作成する。なお、図4では、モータm1〜m3の正転時には、「0」又は「1」のPWM信号が形成され、モータm1〜m3の逆転時には、「0」又は「−1」のPWM信号が形成される場合が示されている。
例えば、デューティ値が90%では、1回目(最初の所定周期t)から9回目までの駆動信号は、連続して「1」になる。続いて、10回目で駆動信号が「0」になった後、再び駆動信号の「1」が続く。そして、20回目、30回目、40回目のそれぞれで1回ずつ駆動信号が「0」になる。つまり、駆動信号が40回取り込まれる間に、駆動信号が4回だけ「0」になり、かつ「0」の発生タイミングが略等間隔に設けられる。このように、駆動信号を所定期間、時系列に並べることで、90%がハイレベルになるパルス信号、つまり90%のデューティ値でモータm1〜m3を正転させるPWM信号が形成される。
同様に、デューティ値が50%のときは、40回の信号発生に対して、駆動信号の「1」と「0」が交互に20回ずつ繰り返される。このように、駆動信号が時系列に並べられることで、50%のデューティ値でモータm1〜m3を正転させるPWM信号が形成される。
さらに、モータm1〜m3を停止させるとき、すなわちデューティ値が0%のときは、駆動信号がLレベルのままである。
これに対し、モータm1〜m3を逆転させるときのデューティ値、例えば−10%では、駆動信号が40回取り込まれる間に、駆動信号が「−1」になるタイミングが4回、等間隔で発生し、その間は全て「0」になる。これにより、駆動信号が時系列に並べられることで、10%のデューティ値でモータm1〜m3を逆転させるPWM信号が形成される。
なお、例えば、モータm1〜m3の正転時にPWM信号のONに相当する駆動信号は、「10」になる。PWM信号のOFFに相当する駆動信号は、「00」になる。同様に、モータm1〜m3の逆転時にPWM信号のONに相当する駆動信号は「01」になり、PWM信号のOFFに相当する駆動信号は「00」になる。
また、モータm1〜m3の回転方向を正転から逆転に切り替えるときには、デューティ値をプラスからゼロに変化させた後、マイナスに転じさせる。これにより、モータm1〜m3に流れる電流の向きがプラスからマイナスに変化する。また、このとき、データフレームに含まれる駆動信号は、「10」から「00」を経て「01」に変化する。
同様に、モータm1〜m3の回転方向を逆転から正転に切り替えるときには、デューティ値をマイナスからゼロに変化させた後、プラスに転じさせる。これにより、モータm1〜m3に流れる電流の向きがマイナスからプラスに変化する。また、このとき、データフレームに含まれる駆動信号は、「01」から「00」を経て「10」に変化する。
このように、所定時間ごとに得られる駆動信号が時系列に連ならせることで、PWM信号が形成され、CPU10で演算されたデューティ値が実現される。そして、このように設定された、PWM信号によりHブリッジ回路42のスイッチング素子42A〜42Dの開閉制御が行われ、モータm1〜m3のコイルに電流が流れる。これにより、モータm1〜m3のロータが回転し、スロットルバルブ16の開度が制御され、吸気管17からエンジンに供給される空気量が調整される。
ここで、図2に戻り診断結果出力データフレームについて説明する。
前述したように、時間t4の時点で第1のモータ駆動回路11に対する診断結果出力データフレームTBW1DIAGがCPU10から出力されるが、この診断結果出力データフレームTBW1DIAGをトリガとし、モータ駆動回路11から前回の自己診断結果である診断出力DIAG1がDMA転送によりCPU10の第3のポート23を介して、CPU10内のメモリ34へ転送される。このとき、モータ出力データフレームTBW1CONT〜TBW3CONTのDMA転送と同様に、チップセレクト信号SSL1は立ち下げされることになる。同様に、診断結果出力データフレームTBW2DIAGおよび診断結果出力データフレームTBW3DIAGのCPU10からの出力タイミングに同期して、前回の診断結果であるDIAG2が時間t5の時点で、DIAG3が時間t6の時点で、それぞれCPU10内のメモリ34へ転送され書き込まれる。
そして、CPU10の回路制御部32は、いずれかのモータ駆動回路11〜13に故障が発生したことを示す信号を受け取ったら、車両の運転を停止させたり、図示を省略する警告ランプを点灯させたりする。
以上、説明したように、この電子制御装置1によれば、モータm1〜m3の制御に用いる駆動信号を1つのポート22からシリアル通信を用いて出力するように構成しているため、従来のように、制御用の信号を出力するポートがモータの数だけ必要な構成に比べて、CPU10のポートを減らすことができる。また、制御対象であるモータm1〜m3の数がさらに増えた場合でも、CPU10CPU10のチップセレクト用のポートのみを追加すればよい。その結果、ポート数の増大を抑えられる。このため、CPU10を小型化できると共に、安価に製造できる。
ここで、CPU10がセレクト信号SSL1〜SSL3を出力して、各モータ駆動回路11〜13にデータの転送のタイミングをセットするように構成したので、モータ駆動回路11〜13の数が増えても、各モータ駆動回路11〜13にデータフレームを確実に転送させることが可能になる。
また、DMAを使用したシリアル通信で、メモリ34と各モータ駆動回路11〜13が直接にデータ転送を行うようにしたので、データ転送の処理にあたりCPU10における処理負荷が軽減される。
さらに、モータ駆動回路11〜13に周期的に読み込まれる駆動信号を時系列に並べることで、所定の周期の間でモータm1〜m3をPWM制御するようにした。つまり、駆動信号は、周期が一定で、ON又はOFFの切り替えのみが行われるパルス信号であるが、この駆動信号を複数読み込んで、所定の期間、時系列に並べたときに、パルス幅が変調するPWM信号が形成されるようにした。従来のように、スロットルバルブ16を駆動するモータm1〜m3のPWM制御が可能となり、結果、スロットルバルブ16の開度制御や速度制御が精度良く行えるようになる。
1 電子制御装置
10 CPU
21 第1のポート
21A 通信線(第1の通信線)
24 第4のポート
24A,25A,26A 通信線(第2の通信線)
25 第5のポート
26 第6のポート
11,12,13 モータ駆動回路
16 スロットルバルブ
31 出力演算部
32 回路制御部
33 出力データ処理部
34 メモリ
35 DMA制御部
22 第2のポート
m1,m2,m3 モータ
TBW1CONT,TBW2CONT,TBW3CONT モータ出力データフレーム(駆動信号)
TBW1DIAG,TBW2DIAG,TBW3DIAG 診断結果出力データフレーム(診断信号)

Claims (4)

  1. エンジンの複数の気筒のそれぞれに供給される空気量を制御するスロットルバルブを回動させるモータごとに設けられ、前記モータの回転制御を行うモータ駆動回路と、
    前記モータ駆動回路に前記モータを駆動させる駆動信号を、前記モータ駆動回路ごとに生成し、前記モータ駆動回路のそれぞれに通信によって供給するCPUと、
    を備え、
    前記CPUと前記モータ駆動回路を接続する通信線は、前記CPUの1つのポートに接続され、前記モータ駆動回路のそれぞれに分岐させられる第1の通信線と、前記モータ駆動回路のそれぞれと前記CPUとの間に1本ずつ設けられ、前記モータ駆動回路が前記駆動回路を読み込むタイミングをセットするセレクト信号を送信する第2の通信線とを有する電子制御装置。
  2. 前記CPUは、前記駆動信号として、前記モータの回転方向を指示する情報を含み、かつ周波数が一定のパルス信号で、前記駆動信号を時系列に並べたときに、PWM信号が形成される信号を生成するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
  3. 前記駆動信号を含むデータフレームが周期的に書き込まれるメモリと、
    前記データフレームをDMA方式によるデータ転送により前記モータ駆動回路のそれぞれに読み込ませるDMA制御部と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
  4. 前記データフレームには、前記モータ駆動回路に故障診断の実施を指令する診断信号が含まれることを特徴とする請求項3に記載の電子制御装置。
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