JPH0953504A - 車両用電子制御装置 - Google Patents

車両用電子制御装置

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JPH0953504A
JPH0953504A JP9536596A JP9536596A JPH0953504A JP H0953504 A JPH0953504 A JP H0953504A JP 9536596 A JP9536596 A JP 9536596A JP 9536596 A JP9536596 A JP 9536596A JP H0953504 A JPH0953504 A JP H0953504A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイコンの標準化を図りつつ、当該マイコンの
通信データを用いて高精度な制御を実施する。 【解決手段】ホストマイコン30は、ROM31,RA
M32,CPU33,DMAコントローラ34を備え、
KCSマイコン40は、ROM41,RAM42,CP
U43,DMAコントローラ44を備える。両マイコン
30,40は通信線21にて双方向に通信可能に接続さ
れている。ホストマイコン30のCPU33は、KCS
マイコン40の制御内容に関するROM31内のデータ
を所定周期でKCSマイコン40のRAM42に送信す
る。なお、KCSマイコン40からホストマイコン30
へは、4ms周期でエンジン情報(A/D値等)が送信
されるが、この送信期間の空き時間に前記ホストマイコ
ン30からKCSマイコン40へのROMデータの送信
が行われる。ROMデータは複数のブロックに細分化さ
れ、そのブロック毎にデータが送信される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のマイクロ
コンピュータ(以下、マイコンと略す)を用いてエンジ
ン制御やその他車両制御を実施する車両用電子制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用電子制御装置においては、
制御の多様化や複雑化に伴い複数のマイコンが必要にな
っており、各マイコン間でデータ通信を行う技術が具体
化されている。また、コストダウン要求に伴い、車種毎
或いは仕様変更に際してもマイコンを標準化して使用す
ることができる技術が望まれている。
【0003】そこで、複数のマイコン間のデータ通信を
行う従来技術として、例えば特開昭61−16250号
公報の「車両用エンジンの制御装置」が開示されてい
る。この制御装置では、第1のマイコンのROMには仕
様変更に対応した仕様毎の固有データが予め記憶され、
第2のマイコンのROMには仕様変更の無い標準データ
が予め記憶されている。そして、初期設定時(イニシャ
ル時)において、第1のマイコンのROMに記憶された
データ(制御マップ)の内容を第2のマイコンに転送す
ると共に、当該第2のマイコンのRAMに記憶設定さ
せ、第2のマイコンはその時のRAM内の制御マップ、
即ち元々第1のマイコンに記憶されていたマップデータ
に基づき制御を実施する。かかる場合、第2のマイコン
の標準化が実現できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
制御装置においては、以下に示す問題を生じる。即ち、
上記装置では、第1のマイコンから第2のマイコンへの
データ送信が初期設定時にのみ行われる。そのため、初
期設定時の通信が正常に行われなかった場合、第2のマ
イコンが間違った制御データで動作したり、第2のマイ
コンの制御が始められなかったりするという問題を招
く。
【0005】また、車両に搭載されるマイコンの場合、
悪条件下(高温、高湿度)での使用や、点火系等の駆動
パルスによるノイズの発生に起因してRAM内の制御デ
ータが破壊され、正常な動作を行うことができなくな
る。
【0006】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、マイコンの標
準化を図りつつ、当該マイコンの通信データを用いて高
精度な制御を実施することができる車両用電子制御装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、それぞれにROM,RA
M,演算部を備えた第1のマイコンと第2のマイコンと
を有し、両マイコンを通信可能に接続した車両用電子制
御装置において、前記第1のマイコンに設けられ、前記
第2のマイコンの制御内容に関する第1のマイコン内の
ROMデータを所定周期毎に送信する送信手段と、前記
第2のマイコンに設けられ、同マイコン内のRAMデー
タを前記送信手段から送信されたROMデータにより更
新するRAMデータ更新手段とを備えることを要旨とし
ている。
【0008】請求項2に記載の発明は、それぞれにRO
M,RAM,演算部を備えた第1のマイコンと第2のマ
イコンとを有し、両マイコンを通信可能に接続した車両
用電子制御装置において、前記第1のマイコンに設けら
れ、前記第2のマイコンの制御内容に関する第1のマイ
コン内のROMデータを少なくとも電源投入当初に送信
する送信手段と、前記第2のマイコンに設けられ、同マ
イコン内のRAMに前記送信手段から送信されたROM
データを書き込むデータ書込手段と、前記データ書込手
段によるROMデータの書き込み後において当該第2の
マイコンのRAMデータと、前記第1のマイコンのRO
Mデータとを比較し、両データが不一致であれば、該不
一致なRAMデータを前記ROMデータにより更新する
よう指令するデータ更新指令手段とを備えることを要旨
としている。なお、データ更新指令手段は、第1,第2
のマイコンのいずれに設けられていてもよい。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
2に記載の発明において、前記第2のマイコン内のRO
Mに当該マイコンの制御内容に関する標準値を予め記憶
させておき、前記第2のマイコンは、前記ROM内の標
準値により前記RAMデータの初期設定を実施する。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項1又は
2に記載の発明において、前記第2のマイコン内のRO
Mに当該マイコンの制御内容に関する標準値を予め記憶
させておき、少なくとも電源投入当初において、前記第
2のマイコンは、前記ROM内の標準値を用いて所定の
制御を実行する。
【0011】請求項5に記載の発明では、請求項1又は
2に記載の発明において、前記第2のマイコン内のRO
Mに当該マイコンの制御内容に関する標準値を予め記憶
させておき、前記第2のマイコンは、当該第2のマイコ
ンのRAMデータと、前記第1のマイコンのROMデー
タとが不一致の場合に、前記第2のマイコンのROM内
の標準値を用いて所定の制御を実行する。
【0012】請求項6に記載の発明では、請求項1〜5
のいずれかに記載の発明において、前記第2のマイコン
は車両運転状態を逐次検出すると共に、当該検出データ
を所定周期で前記第1のマイコンへ送信し、前記第1の
マイコンは前記運転状態の検出データに基づいて車両の
各種アクチュエータを電子制御する車両用電子制御装置
であって、前記第1のマイコンの送信手段は、車両運転
状態の検出データが送信される期間以外の空き時間に前
記第2のマイコンの制御内容に関するROMデータを送
信する。
【0013】請求項7に記載の発明では、請求項6に記
載の発明において、前記送信手段は、前記第2のマイコ
ンの制御内容に関するROMデータを複数のブロックに
分けて送信する。
【0014】(作用及び効果)請求項1に記載の発明に
よれば、第1のマイコンに設けられた送信手段は、第2
のマイコンの制御内容に関する第1のマイコン内のRO
Mデータを所定周期毎に送信する。また、第2のマイコ
ンに設けられたRAMデータ更新手段は、同マイコン内
のRAMデータを前記送信手段から送信されたROMデ
ータにより更新する。
【0015】要するに、車両毎に変更される汎用性の少
ない固有データを第1のマイコンのROMに設定してお
き、第2のマイコンは第1のマイコンのROMデータを
用いて演算処理を行う。この場合、第2のマイコンにつ
いて標準化が可能となる。また、ROMデータの送信
は、所定周期で実行されるため、仮に第2のマイコンの
RAMデータが破壊されたとしても、後にRAMデータ
が修復される。その結果、ノイズ発生等によるRAM破
壊が起こったとしても制御不良等の不具合が解消され、
ひいては、マイコンの標準化を図りつつ、当該マイコン
の通信データを用いて高精度な制御を実施するという本
発明の目的を達成することができる。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、第1のマ
イコンに設けられた送信手段は、第2のマイコンの制御
内容に関する第1のマイコン内のROMデータを少なく
とも電源投入当初に送信する。また、第2のマイコンに
設けられたデータ書込手段は、同マイコン内のRAMに
前記送信手段から送信されたROMデータを書き込む。
さらに、データ更新指令手段は、前記データ書込手段に
よるROMデータの書き込み後において当該第2のマイ
コンのRAMデータと、前記第1のマイコンのROMデ
ータとを比較し、両データが不一致であれば、該不一致
なRAMデータを前記ROMデータにより更新するよう
指令する。そして、この指令に基づいてRAMデータが
更新される。
【0017】この場合、第2のマイコンのRAMデータ
が破壊されたとしても、それを直ちに修復することがで
きるという効果が得られる。その結果、ノイズ発生等に
よるRAM破壊が起こったとしても制御不良等の不具合
が解消され、ひいては、マイコンの標準化を図りつつ、
当該マイコンの通信データを用いて高精度な制御を実施
するという本発明の目的を達成することができる。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、第2のマ
イコン内のROMには当該マイコンの制御内容に関する
標準値が予め記憶されている。そして、第2のマイコン
は、前記標準値によりRAMデータの初期設定を実施す
る。
【0019】つまり、第2のマイコンによる制御開始当
初(電源投入時)において、仮に第1のマイコンから第
2のマイコンへのROMデータの送信不良が生じたとす
ると、第2のマイコンでの制御が開始できないというお
それを招く。これに対して本請求項3の構成によれば、
標準値により制御が開始でき、制御開始当初における制
御不能という事態を回避して第2のマイコンの動作を確
実に行わせることができる。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、第2のマ
イコン内のROMに当該マイコンの制御内容に関する標
準値が予め記憶されている。そして、少なくとも電源投
入当初の場合において、第2のマイコンは、前記ROM
内の標準値を用いて所定の制御を実行する。この場合、
電源投入当初の第2のマイコンの処理量(初期化処理な
どを含む処理)が少なくなり、演算負荷を軽減できる。
【0021】請求項5に記載の発明によれば、第2のマ
イコン内のROMに当該マイコンの制御内容に関する標
準値が予め記憶されている。そして、第2のマイコン
は、当該第2のマイコンのRAMデータと、前記第1の
マイコンのROMデータとが不一致の場合に、前記第2
のマイコンのROM内の標準値を用いて所定の制御を実
行する。つまり、第2のマイコンのRAMデータと、第
1のマイコンのROMデータとが不一致となる不具合が
発生しても、前記の標準値を用いることにより、例えば
車両走行に必要な制御を継続させることができる。
【0022】請求項6に記載の発明によれば、第2のマ
イコンは車両運転状態を逐次検出すると共に、当該検出
データを所定周期で第1のマイコンへ送信する。第1の
マイコンは前記運転状態の検出データに基づいて車両の
各種アクチュエータ(イグナイタ,インジェクタ等)を
電子制御する。このとき、第1のマイコンの送信手段
は、車両運転状態の検出データが送信される期間以外の
空き時間に第2のマイコンの制御内容に関するROMデ
ータを送信する。
【0023】つまり、車両の電子制御装置では、逐次変
化する車両運転状態(エンジン運転状態をも含む)に追
従させて点火時期や燃料噴射等を応答性良く制御しなく
てはならない。そのため、第2のマイコンで検出された
運転状態を示す検出データは数ms周期で第1のマイコ
ンに送信され、同データは直ちに第1のマイコンの演算
に用いられる。この場合、上記構成の如く車両運転状態
の検出データが送信される期間以外の空き時間にROM
データの通信を行うことで、第1のマイコンによる制御
に影響を及ぼすことなく、両マイコン間で適正なデータ
通信が行われる。
【0024】請求項7に記載の発明によれば、第1のマ
イコンの送信手段は、第2のマイコンの制御内容に関す
るROMデータを所定のブロックに分けて送信する。即
ち、一般には車両運転状態の検出データは数msで送信
されるため、その空き時間には制限がある。しかし、上
記構成にようにROMデータを複数のブロックに細分化
し、ブロック毎に送信することにより、送信時間の不足
による一部データの送信不良等を招くことはない。
【0025】こうして請求項6,7に記載の発明によれ
ば、第1のマイコンの制御動作を優先的に行いつつ、第
1のマイコンのROMデータを用いた第2のマイコンで
の制御動作を精度良く実施することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明を車両用エンジン
制御装置に具体化した第1の実施の形態を図面に従って
説明する。なお、本実施の形態におけるエンジン制御装
置は、互いに通信可能な複数のマイコンを内蔵したEC
U(電子制御装置)を有し、当該ECUにより燃料噴射
制御、点火時期制御、ノック制御等のエンジン制御を行
う。特に本実施の形態では、燃料噴射制御や点火時期制
御等の主要なエンジン制御を司るホストマイコンと、エ
ンジン運転状態の検出データ演算やノック処理を司るノ
ックコントロールシステム用マイコン(以下、KCSマ
イコンという)とを備えたエンジン制御装置について説
明する。
【0027】図2は、エンジン制御システムの全体構成
を示している。エンジン1は火花点火式直列6気筒ガソ
リンエンジンで構成され、同エンジン1の吸気管2には
図示しないアクセルペダルの踏み込み操作に連動するス
ロットル弁3が配設されている。また、吸気管2の最下
流部には電磁駆動式のインジェクタ4が配設され、各気
筒の燃焼室5には点火プラグ6が配設されている。かか
る場合、スロットル弁3を通過した吸入空気はインジェ
クタ4による噴射燃料と混合され、その混合気が各気筒
の燃焼室5に吸入される。燃焼室5内に吸入された混合
気は点火プラグ6による発火により燃焼に供され、その
後、排気管7を通じて外部に排出される。
【0028】一方、エンジン1の吸気管2の上流部に
は、吸入空気の量を検出するためのエアフローメータ8
が配設され、その付近には吸入空気の温度を検出するた
めの吸気温センサ9が配設されている。また、スロット
ル弁3には同弁3の開度を検出するためのスロットル開
度センサ10が取り付けられている。排気管7には、排
気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素濃度センサ1
1が配設されている。
【0029】また、エンジン1のシリンダブロック1a
には、当該エンジン1に発生するノックを検出するため
の2つのノックセンサ12,13と、同シリンダブロッ
ク1a内を循環する冷却水の温度を検出するための水温
センサ14が配設されている。ここで図3に示すよう
に、一方のノックセンサ12はエンジン1の第1気筒
(#1)〜第3気筒(#3)に発生するノックを検出
し、他方のノックセンサ13はエンジン1の第4気筒
(#4)〜第6気筒(#6)に発生するノックを検出す
る。この場合、点火順序を#1→#5→#3→#6→#
2→#4→#1とすれば、両ノックセンサ12,13の
信号が交互に用いられて各気筒のノック検出が行われ
る。
【0030】イグナイタ15は所定タイミングでバッテ
リ電圧から高電圧を生成し、ディストリビュータ16は
イグナイタ15による高電圧を各気筒の点火プラグ6に
分配する。ディストリビュータ16には、エンジン1の
クランク軸の回転に伴い特定気筒の特定位置(例えば、
第1気筒の圧縮TDC)で気筒判別信号を出力する気筒
判別センサ17と、エンジン1のクランク軸の回転に伴
い所定のクランク角毎(例えば、30°CA毎)にクラ
ンク角信号を出力するクランク角センサ18とが取り付
けられている。
【0031】これら各種センサの検出信号はECU20
に取り込まれ、ECU20は前記検出信号を基にイグナ
イタ15による点火時期や、インジェクタ4による燃料
噴射を制御する。なお、ECU20には、上記センサの
他にスタータスイッチ19からのスタータ信号が入力さ
れる。また、ECU20は、「第1のマイクロコンピュ
ータ」としてのホストマイコン30と、「第2のマイク
ロコンピュータ」としてのKCSマイコン40とを有し
ており、以下、図1を用いてECU20内の電気的構成
を説明する。
【0032】図1において、ホストマイコン30とKC
Sマイコン40とは双方向に通信可能な通信線21にて
接続されている。KCSマイコン40は、ノックセンサ
12,13の出力信号を基にノック検出やノックセンサ
12,13のフェイル検出等を行う他、ホストマイコン
30からのA/D変換要求等に従ってエンジン運転状態
を表す各種デジタル信号を生成する。一方、ホストマイ
コン30は、KCSマイコン40から送信される各種デ
ータ(吸入空気量,吸気温,水温等)に基づいて、点火
時期調節によってノックを低減する等の点火制御を行う
他、インジェクタ4への通電動作を制御して燃料噴射制
御を行う。
【0033】KCSマイコン40の構成について詳しく
説明する。KCSマイコン40において、ノックセンサ
12,13による出力信号(以下、ノック信号という)
は、マルチプレクサ45に取り込まれた後、バンドパス
フィルタ46を通過してピークホールド回路(P/H回
路)47及び積分回路48に取り込まれる。ここで、バ
ンドパスフィルタ46は、ノック信号の特定の周波数帯
域の成分のみを通過させる。P/H回路47は、所定の
ゲート期間(所定クランク角に対応して設定されるノッ
ク検出期間)内におけるノック信号のピーク値を保持す
る。積分回路48は、ゲート区間内におけるノック信号
の積分値を算出する。P/H回路47及び積分回路48
の各出力信号はマルチプレクサ49に取り込まれる。
【0034】マルチプレクサ49には、前記P/H回路
47及び積分回路48の各出力信号の他に、前述のエア
フローメータ8,吸気温センサ9,スロットル開度セン
サ10,水温センサ14等の各種センサ信号が入力さ
れ、マルチプレクサ49は各信号を選択的に切り換えて
A/D変換器50に出力する。A/D変換器50はマル
チプレクサ49の出力信号を順次A/D変換する。
【0035】また、KCSマイコン40の入出力兼用ポ
ート(以下、PBポートという)51は、例えばスター
タスイッチ19にかかる電圧レベルに応じて、ハイ・ロ
ウいずれかのデジタル信号を出力する。
【0036】さらに、KCSマイコン40において、R
OM(リードオンリメモリ)41には固定データ及び各
種プログラムが格納されている。RAM(ランダムアク
セスメモリ)42には各種データが読み出し及び書き込
み可能に一時的に記憶される。CPU(中央演算装置)
43は、ROM41に記憶されているプログラムに基づ
いてノック検出やノックセンサ12,13のフェイル検
出等、各種の演算処理を行う。DMAコントローラ(ダ
イレクトメモリアクセスコントローラ)44は、CPU
43を経由しないで、直接RAM42と外部装置(ホス
トマイコン30)との間でデータの授受をとり行う。
【0037】また、気筒判別センサ17及びクランク角
センサ18からのパルス信号は、フィルタ22,23に
てノイズが除去された後、KCSマイコン40の波形整
形回路52に入力される。波形整形回路52は、上記両
センサ17,18の出力を波形整形してエンジン回転数
信号や基準位置信号を生成する。
【0038】一方、ホストマイコン30は、前記と同様
なROM31,RAM32,CPU33,DMAコント
ローラ34を備えている。この場合、CPU33は、R
OM31内の各種制御プログラムに基づいて点火時期制
御信号及び燃料噴射制御信号を生成し、駆動回路24,
25に出力する。駆動回路24,25は、前記点火時期
制御信号及び燃料噴射制御信号に基づきイグナイタ15
及びインジェクタ4を駆動させる。
【0039】なお、本実施の形態では、ホストマイコン
30のCPU33により送信手段が構成され、KCSマ
イコン40のDMAコントローラ44によりRAMデー
タ更新手段が構成されている。
【0040】ここで、ホストマイコン30のROM31
には、エンジンの機種毎或いは仕様毎に変更されうる制
御データ(固有データ)が予め設定されており、そこに
は、KCSマイコン40で使用される制御データも含ま
れている。そして、マイコン動作時には、ホストマイコ
ン30のROMデータが通信線21を介してKCSマイ
コン40のRAM42に転送され、KCSマイコン40
はその時のRAMデータ(ホストマイコン30のROM
データ)を用いてA/D変換処理やノック処理(ノック
検出,ノックセンサのフェイル判定)等を行う。具体的
には、以下の(1)〜(5)がホストマイコン30のR
OM31に格納されており、これらの情報がホストマイ
コン30のDMAコントローラ34,通信線21を介し
てKCSマイコン40のDMAコントローラ44及びR
AM42に転送される。 (1)ゲート区間のオープン時間(角度)に相当する
「GMASK」 (2)ゲート区間のクローズ時間(角度)に相当する
「GKCS」 (3)ノックセンサ12,13が正常か異常かを判定す
るためのフェイル判定レベル (4)エンジン毎に設定される適合値(ADJ値等) (5)各気筒毎のノック判定レベルを修正するための定
数(U値) 一方、KCSマイコン40のROM41には、固有デー
タではなく多機種のエンジンや車両に適用可能となる標
準的な制御データ(少なくともエンジンが壊れるおそれ
のないデータ)として、前記ホストマイコン30のRO
Mデータに対応する標準値(デフォルト値)が予め設定
されている。具体的には、上記(1)〜(5)に相当す
る個々のデータが格納されており、KCSマイコン40
が単独でノック検出やフェイル判定等の処理を行う場合
には、上記デフォルト値を用いて演算が行われる。
【0041】つまり、マイコン30,40のROM3
1,41には共に、同種のデータ(上記(1)〜(5)
のデータ)が格納されているわけだが、一方のROM3
1のデータは、高出力用エンジン,低燃費用エンジン
等、各種エンジンに対応する固有データであると言え
る。これに対し、ROM41のデータ(デフォルト値)
は、少なくともエンジンが壊れなければよいという程度
に標準化され、最小限の機能を発揮するデータであると
言える。
【0042】図4は、ホストマイコン30のROM31
の記憶領域を概略的に示す。図4において、ROM31
には、ホストマイコン30の演算プログラム及び制御デ
ータ(例えば、点火時期制御や燃料噴射制御に用いられ
る情報)が記憶されたA1領域と、KCSマイコン40
で使用される制御情報が記憶されたB1〜B5領域とが
設けられている。B1〜B5の各記憶領域は32バイト
で構成され、各々の領域にはブロック1〜ブロック5に
区分された情報が設定されている。
【0043】かかる場合、KCSマイコン40のブロッ
ク1〜5の情報とは以下のデータに相当する。即ち、 ・ブロック1の情報とは、前述の「GMASK」及び
「GKCS」に相当する。 ・ブロック2の情報とは、フェイル判定レベル及び適合
値(ADJ値等)に相当する。 ・ブロック3の情報とは、第1,第2気筒のノック判定
レベルを修正するための定数(U値)に相当する。 ・ブロック4の情報とは、第3,第4気筒のノック判定
レベルを修正するための定数(U値)に相当する。 ・ブロック5の情報とは、第5,第6気筒のノック判定
レベルを修正するための定数(U値)に相当する。 補足すれば、直列6気筒エンジン1に2つのノックセン
サ12,13を取り付けた場合、そのセンサ取り付け位
置に応じてセンサの出力レベルが異なるため、上記ブロ
ック3〜ブロック5には#1〜#6気筒の各々に対応す
るU値を設定している。
【0044】図5は、KCSマイコン40のROM41
の記憶領域、及びRAM42の記憶領域を概略的に示
す。図5(a)において、ROM41にはKCSマイコ
ン40の演算プログラム及び制御データが記憶されたC
1領域と、KCSマイコン40の制御情報(デフォルト
値)が記憶されたD1〜D5領域とが設けられている。
D1〜D5の各記憶領域は32バイトで構成され、各領
域には前記ブロック1〜ブロック5に対応するデフォル
ト値が設定されている。
【0045】さらに図5(b)において、RAM42に
は、各々32バイトで構成されたブロック1〜ブロック
8の記憶領域が設けられている。この場合、ブロック1
〜ブロック5には前述の各データ(GMASK,GKC
S,フェイル判定レベル,ADJ値,#1〜#6のU
値)が格納され、ブロック6〜ブロック8にはKCSマ
イコン40で演算された演算データが一時的に格納され
る。
【0046】以下、ホストマイコン30及びKCSマイ
コン40の処理動作を図6〜図9を用いて説明する。な
お、図6は、電源投入に伴いホストマイコン30のCP
U33にて実行される演算プログラムを示すフローチャ
ートであり、図7は、同じく電源投入に伴いKCSマイ
コン40のCPU43にて実行される演算プログラムを
示すフローチャートである。図8,図9は、データ通信
内容を具体的に示すタイムチャートであり、そのうち図
8は電源投入直後の動作を、図9は通常時の動作を示
す。
【0047】さて、ECU20への電源投入に伴い図6
のプログラムがスタートすると、ホストマイコン30内
のCPU33は、先ずステップ110で入出力・割り込
みの設定を行う。また、CPU33は、ステップ120
でRAM32をイニシャライズ(初期化)し、続くステ
ップ130で初期値を設定する。さらに、CPU33
は、ステップ140でROM31のB1〜B5領域(図
4参照)に格納されているKCSマイコン40の制御デ
ータ(ブロック1〜ブロック5の制御情報)と同データ
の転送先(アドレス)とを送信する。
【0048】つまり図8において、電源投入時(時間t
0)には、リセット信号が発生し、それに伴い24チャ
ンネル分のA/D変換データ(吸気量,吸気温,水温
等)の交信とPBポート出力(スタータ信号等)の交信
とが行われる。また、それに続いてホストマイコン30
からKCSマイコン40へブロック1〜ブロック5の制
御データが送信される。このとき、両マイコン30,4
0では、CPU33,43を介さず直接DMAコントロ
ーラ34,44間でデータ通信され、ホストマイコン3
0のROMデータがKCSマイコン40のRAM42の
所定アドレス(図5(b)のブロック1〜ブロック5)
に転送されることになる。
【0049】その後、CPU33は、ステップ150で
ベース処理を行う。ここで、ベース処理とは、点火時期
制御の点火時期信号を生成するための演算処理や、燃料
噴射制御に関する燃料噴射量の演算処理等を含む。
【0050】さらに、CPU33は、ステップ160で
ホストマイコン30のROMデータをKCSマイコン4
0に送信するタイミングであるか否かを判別し、ステッ
プ160が肯定判別された場合のみ、ステップ170に
進む。具体的には、KCSマイコン40からホストマイ
コン30へは所定周期(4ms毎)でエンジン情報(2
4チャンネル分のA/D変換データ,PBポート出力)
が送信されるため、この空き時間にホストマイコン30
のROMデータを送信すべく、前回の送信時から4ms
経過したか否かを判別する。
【0051】そして、通信タイミングであれば、CPU
33はステップ170に進み、通信ポートをリセットす
る。また、CPU33は、続くステップ180でROM
31のB1〜B5領域(図4参照)に格納されているK
CSマイコン40の制御データと同データの転送先(ア
ドレス)とを送信する。このとき、ROMデータはブロ
ック単位で送信され、その順番は処理機会毎にブロック
1→ブロック2→ブロック3→ブロック4→ブロック5
→ブロック1の順に送信される。
【0052】つまり図9に示すように、時間t1では、
24チャンネル分のA/D変換データの交信とPBポー
ト出力の交信とが行われ、それに続いてブロック1の制
御データが送信される。また、時間t2では、再び24
チャンネル分のA/D変換データの交信とPBポート出
力の交信とが行われ、それに続いてブロック2の制御デ
ータが送信される。以降、同様に、時間t3ではブロッ
ク3の制御データが、時間t4ではブロック4の制御デ
ータが、時間t5ではブロック5の制御データが送信さ
れる。
【0053】かかる場合、ホストマイコン30のROM
31のB1〜B5領域のデータ(ブロック1〜ブロック
5の制御データ)がブロック単位で4ms毎に送信され
るため、20msで全データの送信が完了する。
【0054】以上のように図6の処理では、電源投入直
後の初期設定時にはブロック1〜ブロック5の全データ
が一度に送信され(ステップ140)、その後は、ブロ
ック1〜ブロック5のいずれか1つが処理機会毎に順に
送信される(ステップ180)。
【0055】一方、上記図6と同様に、ECU20への
電源投入に伴い図7のプログラムがスタートすると、K
CSマイコン40内のCPU43は、先ずステップ21
0で入出力・割り込みの設定を行う。また、CPU43
は、ステップ220でRAM42をイニシャライズ(初
期化)し、続くステップ230でRAM42に初期値を
設定する。このとき、CPU43は、ROM42内のデ
フォルト値(図5(a)のD1〜D5領域のデータ)を
RAM42の所定アドレス(ブロック1〜ブロック5)
に転送する。
【0056】さらに、CPU43は、ステップ240で
その他の初期値を設定する。続いて、CPU43は、ス
テップ250でベース処理を実行する。ここで、ベース
処理とは、ノック検出時のゲート設定、A/D値の取り
込みやノックセンサのフェイル判定等を含む。
【0057】かかる図7の場合、電源投入直後にホスト
マイコン30からKCSマイコン40へROMデータが
確実に送信されなければ、KCSマイコン40のCPU
43は、デフォルト値を用いてノック検出やフェイル判
定等の演算処理を実施する。また、ホストマイコン30
からKCSマイコン40へROMデータが確実に送信さ
れれば、KCSマイコン40のRAM42(デフォルト
値)にホストマイコン30からのROMデータが上書き
され、KCSマイコン40のCPU43は、上記ROM
データ(機種固有の制御データ)を用いて演算処理を実
行する。
【0058】以上詳述したように、本実施の形態では、
車両毎に変更される固有データをホストマイコン30
(第1のマイコン)のROM31に設定し、KCSマイ
コン40(第2のマイコン)がホストマイコン30のR
OMデータ(KCSマイコン40で使用する固有デー
タ)を用いて演算処理を行うことで、KCSマイコン4
0の標準化を実現した。このとき、ホストマイコン30
のROMデータをKCSマイコン40に所定周期で送信
するようにしたため、仮にKCSマイコン40のRAM
データが破壊されたとしても、後にRAMデータを修復
することができる。具体的には、上記実施の形態の場合
長くとも20ms以内に修復できる。その結果、RAM
破壊時等における制御不良等の不具合を解消することが
できる。
【0059】また、本実施の形態では、KCSマイコン
40で検出されたエンジン運転状態の検出データを所定
周期(4ms毎)でホストマイコン30へ送信するシス
テムを構成し、上記検出データが送信される期間以外の
空き時間にてROMデータの送信を行うようにした。ま
た、このデータ送信時には、ROMデータを複数のブロ
ックに細分化し、ブロック毎に送信するようにした。こ
の場合、エンジン運転状態の検出データの送信が優先的
に行われることになり、ホストマイコン30による制御
に影響を及ぼすこともなく、両マイコン30,40間で
適正なデータ通信を行うことができる。また、通常時に
は1回のROMデータ送信量が少ないため、送信時間の
不足によるデータの一部送信不良等の問題を招くことは
ない。
【0060】また、本実施の形態では、KCSマイコン
40のROM41には当該マイコン40の制御内容に関
するデフォルト値を予め記憶しておき、KCSマイコン
40は、デフォルト値によりRAMデータの初期設定を
行うようにした。この場合、KCSマイコン40による
制御開始当初(電源投入時)において、仮にホストマイ
コン30からKCSマイコン40へのROMデータの送
信不良が生じたとしても、KCSマイコン40での制御
を開始することができる。
【0061】さらに、本実施の形態では、通信を始める
前に通信回路のリセットを行ってから、通信を始めるよ
うにした。そのため、通信回路を誤動作を少なくするこ
とができる。
【0062】次に、本発明の第2,第3の実施の形態を
説明する。但し、第2,第3の実施の形態の構成におい
て、上述した第1の実施の形態と同等であるものについ
ては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化す
る。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を中
心に説明する。なお、以下の実施の形態では、説明を簡
略化するために、ホストマイコン30及びKCSマイコ
ン40間において、3つのブロック(ブロック1〜ブロ
ック3)のデータについてその授受がとり行われるよう
にしている。
【0063】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態を図10〜図13を用いて説明する。図10の概
略図は、本実施の形態におけるデータ通信を時間の経過
と共に示し、図11,12のタイムチャートは、RAM
破壊が生じた際、或いは通信データが間違って送信され
た場合の通信動作の詳細を示す。また、図13のフロー
チャートは、ホストマイコン(第1のマイコン)30に
より実行される演算プログラムを示す。なお、本実施の
形態では、KCSマイコン40のDMAコントローラ4
4によりデータ書込手段が構成され、ホストマイコン3
0のCPU33によりデータ更新指令手段が構成されて
いる。
【0064】先ずは、本実施の形態の概要を図10を用
いて説明する。図10に示すように、イニシャル時には
(又は、最初の1回)、ホストマイコン30のROM3
1に設定された固有データ(ブロック1〜3のデータ)
がKCSマイコン40のRAM42に送信される。
【0065】次のタイミングからは、KCSマイコン4
0のRAMデータがホストマイコン30に周期的(本実
施の形態では、4ms毎)に読み出され、該読み出され
たRAMデータと、ホストマイコン30自身がROM3
1内に持っている固有データとが比較される。比較した
結果、1つのブロックデータがすべて一致すれば、後続
の通信タイミングでもKCSマイコン40のRAMデー
タ(次のブロックデータ)がホストマイコン30に読み
出される。もし、一致しないデータが一つでもあれば、
次の通信タイミングにおいて、そのブロックの正しいデ
ータ(ホストマイコン30のROMデータ)がホストマ
イコン30からKCSマイコン40に転送し直される
(図10のA部で再転送される)。
【0066】このように、データが再転送される状況と
しては、以下の2通りの場合が推測される。なお、下記
の図11のタイムチャートでは、4ms毎に各ブロック
のデータが送信されるようになっている。
【0067】(イ)図11に示すように、ノイズ等の影
響によりKCSマイコン40のRAMデータが破壊され
た場合。この場合、同図の時間t10でブロック2のデ
ータがノイズ等の影響により破壊されている。そのた
め、時間t11でRAM破壊の旨が判別されると共に、
ホストマイコン30からKCSマイコン40に正しいデ
ータが再転送され、それにより、時間t12ではKCS
マイコン40の破壊されたRAMデータが修復される。
【0068】(ロ)図12に示すように、KCSマイコ
ン40のRAMデータは破壊されていないが、ホストマ
イコン30がKCSマイコン40のRAM41からデー
タを読み出す際に、その通信経路にノイズがのって、正
しく通信できなかった場合。この場合、KCSマイコン
40からホストマイコン30に送信されたブロック2の
データはホストマイコン30のROMデータと一致しな
い(時間t20)。そのため、時間t21でホストマイ
コン30からKCSマイコン40にデータが再転送さ
れ、続く時間t22ではKCSマイコン40のRAMデ
ータホストマイコン30のROMデータとが一致する。
かかる場合、KCSマイコン40のRAMデータが破壊
されていなくてもデータが再転送されることになるが、
その再転送されたデータと転送前のデータとは等しく、
データが更新されても何ら支障を来たすことはない。
【0069】以上の処理を実現するためにホストマイコ
ン30内のCPU33が実行する図13の演算処理を以
下に説明する。さて、電源が投入されて図13の処理が
スタートすると、CPU33は、先ずステップ310,
320でイニシャル時の処理を実行する。即ち、ステッ
プ310でROM31内に記憶している全ブロックのデ
ータ(本実施の形態では、3ブロック分のデータ)をK
CSマイコン40のRAM42に送信し、続くステップ
320でブロック番号nを「0」とする。
【0070】その後、CPU33は、ステップ330で
前記ブロック番号nを「1」インクリメントする。但
し、ブロック数nが全ブロック数(=3)よりも大きく
なった場合には、n=1とする。また、CPU33は、
ステップ340で通信により、KCSマイコン40のR
AM42内に記憶されているブロックnのデータを読み
出し、続くステップ350で前記RAM42からの読み
出しデータがホストマイコン30内のROM31の記憶
データ(固有データ)に一致するか否かを判別する。
【0071】この場合、上記両データが全て一致してい
れば、CPU33は前記ステップ330に戻る。つま
り、「RAM42の読出データ」=「ROM31の記憶
データ」であれば、CPU33は、ステップ330→3
40→350を繰り返し実行する。
【0072】また、前記ブロックの両データが一つでも
不一致であれば、CPU33はステップ350からステ
ップ360へ進む。CPU33は、ステップ360でR
OM31内に記憶しているブロックnのデータをKCS
マイコン40のRAM42に転送する。なお、このステ
ップ360の処理がKCSマイコン40のRAMデータ
を更新するように指令する処理に相当する。つまり、本
ステップ360の処理によってRAMデータの不一致部
分が更新されることとなる。
【0073】その後、CPU33は、ステップ340に
戻り、ステップ340,350で再びRAM42の読出
データとROM31の記憶データとが一致するか否かを
判別する。このとき、前記ステップ360の処理(RA
Mデータの更新処理)に伴って「RAM42の読出デー
タ」=「ROM31の記憶データ」となり、CPU33
はステップ330に戻る。
【0074】以上、本実施の形態によれば、上記第1の
実施の形態と同様に、KCSマイコン40(第2のマイ
コン)の標準化が可能となるという効果が得られ、本発
明の目的を達成することができる。また、既述の効果に
加えて、KCSマイコン(第2のマイコン)40のRA
Mデータが破壊されたとしても、それを直ちに修復する
ことができるという効果が得られる。
【0075】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態を図14,図15を用いて説明する。なお、図1
4は、KCSマイコン(第2のマイコン)40のRAM
テーブル及びROMテーブルの記憶領域を示す概略図で
あり、図15は、KCSマイコン40内のCPU43に
より実行される演算プログラムを示すフローチャートで
ある。
【0076】本実施の形態の特徴として、KCSマイコ
ン40のRAM42には、ホストマイコン30から送信
されるデータが入るRAMテーブルが設けられ(図14
(a))、これに対して、同マイコン40のROM41
には、上記KCSマイコン40のRAMテーブルと同じ
形式(データフォーマット)のROMテーブルが設けら
れている(図14(b))。このROMテーブルの値は
多様な機種に適合可能な標準値(デフォルト値)として
与えられている。また、本実施の形態では、イニシャル
時(電源投入当初)においてKCSマイコン40のRA
Mデータにデフォルト値を転送する作業を実施せず、そ
の作業に代えて、イニシャル時においては前記ROMテ
ーブルのデータを用いて制御を開始する。なお、図14
において、KCSマイコン40のRAMテーブルのブロ
ック3には、SUMチェック用のSUM値が記憶される
ようになっている。
【0077】本実施の形態の動作を図15のフローを用
いて説明する。図15において、電源投入に伴って処理
がスタートすると、CPU43は、ステップ410でR
OMテーブルのデータ(標準値)を用いて各種の制御を
実施する。また、CPU43は、ステップ420,43
0で、KCSマイコン40のRAMテーブルのデータが
全て正常か、即ち、同RAMテーブルのデータがホスト
マイコン30のROMデータに一致するか否かを判別す
る。この判別処理は、例えばSUMチェックにより実施
される。
【0078】そして、RAMテーブルのデータが異常で
あれば、即ち、「KCSマイコン40のRAMテーブル
のデータ」≠「ホストマイコン30のROMデータ」と
なれば、そのままROMテーブルのデータを用いた制御
を継続する(ステップ410)。
【0079】その後、RAMテーブルのデータが正常と
なれば、即ち、「KCSマイコン40のRAMテーブル
のデータ」=「ホストマイコン30のROMデータ」と
なれば、CPU43は、ステップ440でRAMテーブ
ルのデータを用いた制御に切り換える。
【0080】その後も、CPU43は、RAMテーブル
のデータが正常か否かの判別を継続して行い、判別結果
が正常であれば、RAMテーブルのデータを用いた制御
を続ける(ステップ440)。しかし、RAMデータの
破壊等で前記の判別結果が異常となった場合には、RO
Mテーブルのデータを用いた制御に戻り(ステップ41
0)、判別結果が正常となった時点で再びRAMテーブ
ルのデータを用いた制御に切り換える(ステップ44
0)。
【0081】つまり、上記KCSマイコン40の演算処
理(図15の処理)に並行して、ホストマイコン30で
は、前記第2の実施の形態で既述した処理(図13の処
理)を実行しているため、RAMデータが破壊されたと
しても、その旨が検出され、直ちに正常値に更新され
る。そして、ステップ440の処理が実施される。
【0082】本第3の実施の形態によれば、上記第1,
第2の実施の形態と同様に、KCSマイコン40(第2
のマイコン)の標準化が可能となるという効果が得ら
れ、本発明の目的を達成することができる。また、既述
の効果に加えて以下の効果を得ることができる。即ち、
本実施の形態によれば、イニシャル時におけるKCSマ
イコン40(第2のマイコン)の処理量が少なくなり、
特に多忙なイニシャル時の演算負荷を軽減できる。ま
た、制御中にRAMテーブルのデータが破壊された場合
でも、ホストマイコン30(第1のマイコン)から正し
いデータが転送されるまでの間において、ROMテーブ
ルのデータを用いることにより制御を可能とすることが
できる。
【0083】なお、本発明は、上記各実施の形態の他に
次の様態にて具体化することができる。 (1)上記各実施の形態では、KCSマイコン40のD
MAコントローラ44を用いてCPU43を介さずにR
AMデータを更新したが、勿論CPU43により通信を
行ってもよい。この場合、CPU43によりRAMデー
タ更新手段或いはデータ書込手段が構成されることにな
る。
【0084】(2)上記各実施の形態では、ノック制御
を実施するエンジン制御装置に具体化したが、可変バル
ブタイミング(VVT)制御等、他の制御を実施するエ
ンジン制御装置に具体化してもよい。また、例えば自動
変速機の切換制御やブレーキシステムの油圧制御等、他
の車両制御に具体化してもよい。
【0085】(3)上記第2の実施の形態では、ホスト
マイコン30内のCPU33の演算処理により、同マイ
コン30のROMデータ(固有データ)とKCSマイコ
ン40のRAMデータとを比較すると共に、その比較結
果に応じて当該RAMデータの修復を行うようにしてい
た(図13参照)。しかし、上記演算処理をKCSマイ
コン40内のCPU43に実施させるようにしてもよ
く、かかる場合において、CPU43は、ホストマイコ
ン30のROMデータを読み出して当該ROMデータを
KCSマイコン40のRAMデータと比較する。そし
て、上記の両データが不一致であれば、RAMデータが
不適正なデータ(例えば、破壊されたデータ)であると
して正常なデータに更新する。この場合にも、上記実施
の形態と同様の効果が得られる。
【0086】(4)上記各実施の形態では、ホストマイ
コン30(第1のマイコン)のROMデータを所定周期
でKCSマイコン40(第2のマイコン)へ送信するよ
うに構成したが、これを変更してもよい。例えば定期的
なデータ送信処理として、電源投入時にのみホストマイ
コン30のROMデータをKCSマイコン40のRAM
42に送信する。またそれと共に、前記第2の実施の形
態で記載したようにKCSマイコン40のRAMデータ
と、ホストマイコン30のROMデータとを比較し、両
データが不一致であれば、該不一致なRAMデータをホ
ストマイコン30のROMデータにより更新する。この
場合においても上記各実施の形態と同様に、ノイズ発生
等によるRAM破壊が起こったとしても制御不良等の不
具合が解消され、ひいては、マイコンの標準化を図りつ
つ、当該マイコンの通信データを用いて高精度な制御を
実施することができる。
【0087】(5)上記第2の実施の形態では、ホスト
マイコン30のCPU33によりデータ更新指令手段を
構成したが、同データ更新指令手段をKCSマイコン4
0のCPU43により構成するように変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ECUの電気的構成を示す図。
【図2】エンジン制御装置の全体を示す構成図。
【図3】ノックセンサの取り付け位置を示す図。
【図4】ホストマイコンのROMの記憶領域を示す概略
図。
【図5】KCSマイコンのROMの記憶領域、及びRA
Mの記憶領域を示す概略図。
【図6】ホストマイコンのCPUにより実行される演算
プログラムを示すフローチャート。
【図7】KCSマイコンのCPUにより実行される演算
プログラムを示すフローチャート。
【図8】電源投入直後における通信内容を具体的に示す
タイムチャート。
【図9】通常動作時における通信内容を具体的に示すタ
イムチャート。
【図10】第2の実施の形態におけるデータ通信を時間
の経過と共に示す概略図。
【図11】RAM破壊が生じた際のデータ通信の詳細を
示すタイムチャート。
【図12】通信データが間違った際のデータ通信の詳細
を示すタイムチャート。
【図13】ホストマイコンのCPUにより実行される演
算プログラムを示すフローチャート。
【図14】第3の実施の形態におけるKCSマイコンの
RAM及びROMの記憶領域を示す概略図。
【図15】KCSマイコンのCPUにより実行される演
算プログラムを示すフローチャート。
【符号の説明】
4…アクチュエータとしてのインジェクタ、15…アク
チュエータとしてのイグナイタ、30…第1のマイクロ
コンピュータとしてのホストマイコン、31…ROM、
32…RAM、33…送信手段,データ更新指令手段と
してのCPU(演算部)、40…第2のマイクロコンピ
ュータとしてのKCSマイコン、41…ROM、42…
RAM、43…CPU(演算部)、44…RAMデータ
更新手段,データ書込手段としてのDMAコントロー
ラ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれにROM,RAM,演算部を備え
    た第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピ
    ュータとを有し、両マイクロコンピュータを通信可能に
    接続した車両用電子制御装置において、 前記第1のマイクロコンピュータに設けられ、前記第2
    のマイクロコンピュータの制御内容に関する第1のマイ
    クロコンピュータ内のROMデータを所定周期毎に送信
    する送信手段と、 前記第2のマイクロコンピュータに設けられ、同コンピ
    ュータ内のRAMデータを前記送信手段から送信された
    ROMデータにより更新するRAMデータ更新手段とを
    備えることを特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 【請求項2】それぞれにROM,RAM,演算部を備え
    た第1のマイクロコンピュータと第2のマイクロコンピ
    ュータとを有し、両マイクロコンピュータを通信可能に
    接続した車両用電子制御装置において、 前記第1のマイクロコンピュータに設けられ、前記第2
    のマイクロコンピュータの制御内容に関する第1のマイ
    クロコンピュータ内のROMデータを少なくとも電源投
    入当初に送信する送信手段と、 前記第2のマイクロコンピュータに設けられ、同コンピ
    ュータ内のRAMに前記送信手段から送信されたROM
    データを書き込むデータ書込手段と、 前記データ書込手段によるROMデータの書き込み後に
    おいて当該第2のマイクロコンピュータのRAMデータ
    と、前記第1のマイクロコンピュータのROMデータと
    を比較し、両データが不一致であれば、該不一致なRA
    Mデータを前記ROMデータにより更新するよう指令す
    るデータ更新指令手段とを備えることを特徴とする車両
    用電子制御装置。
  3. 【請求項3】前記第2のマイクロコンピュータ内のRO
    Mに当該コンピュータの制御内容に関する標準値を予め
    記憶させておき、 前記第2のマイクロコンピュータは、前記ROM内の標
    準値により前記RAMデータの初期設定を実施する請求
    項1又は2に記載の車両用電子制御装置。
  4. 【請求項4】前記第2のマイクロコンピュータ内のRO
    Mに当該コンピュータの制御内容に関する標準値を予め
    記憶させておき、 少なくとも電源投入当初において、前記第2のマイクロ
    コンピュータは、前記ROM内の標準値を用いて所定の
    制御を実行する請求項1又は2に記載の車両用電子制御
    装置。
  5. 【請求項5】前記第2のマイクロコンピュータ内のRO
    Mに当該コンピュータの制御内容に関する標準値を予め
    記憶させておき、 前記第2のマイクロコンピュータは、当該第2のマイク
    ロコンピュータのRAMデータと、前記第1のマイクロ
    コンピュータのROMデータとが不一致の場合に、前記
    第2のマイクロコンピュータのROM内の標準値を用い
    て所定の制御を実行する請求項1又は2に記載の車両用
    電子制御装置。
  6. 【請求項6】前記第2のマイクロコンピュータは車両運
    転状態を逐次検出すると共に、当該検出データを所定周
    期で前記第1のマイクロコンピュータへ送信し、前記第
    1のマイクロコンピュータは前記運転状態の検出データ
    に基づいて車両の各種アクチュエータを電子制御する車
    両用電子制御装置であって、 前記第1のマイクロコンピュータの送信手段は、車両運
    転状態の検出データが送信される期間以外の空き時間に
    前記第2のマイクロコンピュータの制御内容に関するR
    OMデータを送信する請求項1〜5のいずれかに記載の
    車両用電子制御装置。
  7. 【請求項7】前記送信手段は、前記第2のマイクロコン
    ピュータの制御内容に関するROMデータを複数のブロ
    ックに分けて送信する請求項6に記載の車両用電子制御
    装置。
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US7293205B2 (en) 2004-06-11 2007-11-06 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Electronic control unit
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JP2014025405A (ja) * 2012-07-26 2014-02-06 Denso Corp エンジン制御装置

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