JP2004036574A - 電子スロットル制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子スロットル制御装置に異常が発生した場合に、高いドライバビリティでの退避走行を可能とする電子スロットル装置を提供すること。
【解決手段】ステップ200では、メイン制御装置13に異常が発生したか否かを判定する。ステップ210では、ペダル開度から、スロットル開度要求を算出する。ステップ220では、エンジン水温からISC開度を算出する。ステップ230では、スロットル要求開度にISC開度を加算して、(第2)目標スロットル開度を算出する。ステップ240では、(第2)目標スロットル開度を目標スロットル電圧に変換する。ステップ290では、電子スロットルモータの制御を行い、スロットル開度を(第2)目標スロットル開度に制御するフィードバック制御を行う。
【選択図】 図4
【解決手段】ステップ200では、メイン制御装置13に異常が発生したか否かを判定する。ステップ210では、ペダル開度から、スロットル開度要求を算出する。ステップ220では、エンジン水温からISC開度を算出する。ステップ230では、スロットル要求開度にISC開度を加算して、(第2)目標スロットル開度を算出する。ステップ240では、(第2)目標スロットル開度を目標スロットル電圧に変換する。ステップ290では、電子スロットルモータの制御を行い、スロットル開度を(第2)目標スロットル開度に制御するフィードバック制御を行う。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のエンジンのスロットルバルブを電子的制御する電子スロットル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両のエンジンのスロットルバルブの動作を電子的に制御する装置として、電子スロットル制御システム(電子スロットル制御装置)が知られているが、この種の電子スロットル制御装置には、例えば図9に示す構成のものが挙げられる。
【0003】
この電子スロットル制御装置は、メインCPUP1を有するメイン制御装置P2とサブCPUP3を有するサブ制御装置P4とから構成されており、それらは、DMA(ダイレクトメモリアクセス)によりデータの送受信が可能である。
前記メイン制御装置P2には、機能的に、EFI(電子燃料噴射)を制御するEFI制御部P5、サブCPUP3の異常を監視する電子スロットル監視部P6、緊急時の退避走行制御を行う退避走行制御部P7、電子スロットルの目標開度を設定する電子スロットル制御部P8、目標開度に応じて電子スロットルを駆動する電子スロットル駆動部P9を備えている。
【0004】
一方、サブ制御装置P4は、メインCPUP1の異常を監視する電子スロットル監視部P10、AD変換部P11を備えており、ハード的な構成を主要部としている。
そして、上述した従来の電子スロットル制御装置においては、例えばメインCPUのウオッチドックパルスの異常や目標開度が異常な値に設定されるなどの様に、電子スロットル制御装置に関わる異常が発生した場合には、電子スロットル制御装置をダウンさせて、スロットルバルブをスロットルボディの機械的な機構によって一定開度に保つ制御を行っていた。
【0005】
また、この際には、必要に応じて、減筒噴射や遅角点火などによるトルク制御を実施することにより、車両の安全な場所への移動のための最低限の走行制御(退避制御)が可能なようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子スロットル制御装置に異常が発生した場合に、機械的な機構によりスロットル開度を固定するトルク制御技術では、アクセルペダル操作に対するトルク応答性に限界があり、退避走行の際のドライバビリティのレベルが低いという問題があった。
【0007】
また、例えばメインCPUに異常が発生し、それによってEFI制御における退避走行制御が正常に処理されない場合には、退避走行が不可能になるという問題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、例えば電子スロットル制御装置のメインCPUに異常が発生した場合でも、高いドライバビリティでの退避走行を可能とする電子スロットル装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、車両のエンジンの電子スロットルの動作を制御するために、ハード的に異なる制御装置であるメイン制御装置とサブ制御装置とを備えた電子スロットル制御装置に関するものであり、本発明では、前記メイン制御装置には、前記電子スロットルの第1目標スロットル開度を設定する電子スロットル制御部を備えるとともに、前記サブ制御装置には、前記メイン制御装置の異常時に、前記第1目標スロットル開度に代えて、前記異常時における第2目標スロットル開度を設定し、該第2目標スロットル開度に基づいて、前記車両の退避走行制御を行う退避走行制御部を備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明は、メイン制御装置とサブ制御装置との共働によって、電子スロットルの制御を行うものであり、メイン制御装置(例えばメインCPU)が正常の場合には、メイン制御装置の電子スロットル制御部によって、電子スロットルの第1目標スロットル開度(正常時の目標スロットル開度)を設定し、その第1目標スロットル開度に応じて、(例えばサブ制御装置にて)電子スロットルを駆動制御する。
【0010】
一方、メイン制御装置に異常が発生した場合には、メイン制御装置側で算出された第1目標スロットル開度を使用せずに、正常なサブ制御装置(例えばサブCPU)側の退避走行制御部によって、独自に第2目標スロットル開度を算出し、この第2目標スロットル開度に基づいて、車両の退避走行制御を行う。
【0011】
これにより、メイン制御装置に異常が発生した場合でも、正常なサブ制御装置だけで、安全に車両の退避走行制御を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明では、異常時でも、(各種のセンサ値等に基づいて)正常な第2目標スロットル開度を設定できるので、アクセル操作に対応して電子スロットルを制御することが可能である。よって、退避走行モード時に、アクセルペダル操作に対する簡易的なスロットル制御を行うことができるので、退避走行制御の際のドライバビリティが向上するという利点がある。
【0012】
ここで、前記メイン制御装置とは、(メイン制御装置に)異常の発生が見られない通常の運転時に、第1目標スロットル開度を設定して、主として電子スロットルの制御が可能な制御装置であり、一方、サブ制御装置とは、(メイン制御装置の)異常時に、電子スロットルの制御が可能な制御装置である。
【0013】
尚、メイン制御装置の主要部はメインCPUであり、サブ制御装置の主要部はサブCPUである。
(2)請求項2の発明では、前記サブ制御装置には、前記第1目標スロットル開度に応じて、前記電子スロットルの駆動を制御する電子スロットル駆動部を備えたことを特徴としている。
【0014】
本発明では、サブ制御装置の電子スロットル駆動部により、メイン制御装置の正常時に、第1目標スロットル開度に応じて、電子スロットルを駆動することができる。
(3)請求項3の発明では、前記サブ制御装置には、前記メイン制御装置の異常を検出する電子スロットル監視部を備えたことを特徴としている。
【0015】
本発明では、サブ制御装置の電子スロットル監視部により、例えばウオッチドックパルスを利用して、メイン制御装置の異常を検出することができる。
(4)請求項4の発明では、前記第2目標スロットル開度は、アクセルペダルの開度に対応したスロットル開度と、アイドルスピードコントロールのためのISC開度とを加算したものであることを特徴としている。
【0016】
本発明では、スロットル開度とISC開度とを加算して第2目標スロットル開度を求めているので、エンジンを駆動するための最小限の空気を供給するだけでなく、アクセル操作に対応した空気も供給することができる。
これにより、車両の退避走行が可能になるとともに、退避走行の際のドライバビリティも向上するという利点がある。
【0017】
(5)請求項5の発明では、前記ISC開度を、エンジンの冷却水温(エンジン水温)に応じて設定することを特徴としている。
本発明では、ISC開度をエンジン水温に応じて設定しているので、エンジンの始動性や早期暖機などのドライバビリティのレベルを改善することができる。
【0018】
(6)請求項6の発明では、前記ISC開度を調節することにより、エンジン回転数のフィードバック制御を行って、所定のアイドル回転数に設定することを特徴としている。
本発明では、ISC開度によりエンジン回転数のフォート゛バック制御を行っているので、所望のアイドル回転数に設定することができ、エンジンの始動性や早期暖機などのドライバビリティを改善することができる。
【0019】
(7)請求項7の発明では、アクセルペダルの開度と前記スロットル開度との関係が、線形特性を有するように設定することを特徴としている。
本発明では、アクセルペダルの開度とスロットル開度との関係は線形特性を有しているので、演算処理等を簡易化できるという利点がある。
【0020】
(8)請求項8の発明では、アクセルペダルの開度と前記スロットル開度との関係が、非線形特性を有するように設定することを特徴としている。
本発明では、アクセルペダルの開度とスロットル開度との関係は非線形特性を有しているので、所望のスロットル特性を有するように設定することができる。そのため、運転者のアクセル操作に対応した違和感の少ない走行制御を行うことが可能であり、ドライバビリティを高めることができる。
【0021】
(9)請求項9の発明では、前記スロットル開度に上限を設定することを特徴としている。
本発明では、スロットル開度に上限を設定しているので、退避走行時に過度に加速することを防止でき、退避走行時の安全性を確保することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の電子スロットル制御装置の実施の形態の例(実施例)を説明する。
(実施例1)
a)まず、本実施例の電子スロットル制御装置のシステム構造を、図1及び図2に基づいて説明する。
【0023】
図1に示す様に、本実施例における電子スロットル制御装置1は、エンジン3に空気を供給するスロットルバルブ(電子スロットル)5の開度(スロットル開度)を、電子的に制御する装置である。
この電子スロットル制御装置1では、アクセルペダル7の操作に応じてスロットル開度を制御したり、各種のセンサ9からの信号を入力し、例えばオートクルーズ、ECT(電子制御トランスミッション)、VSC(車体安定制御)等の制御を行う際に、必要な開度にスロットバルブ5を制御する。
【0024】
図2に示す様に、前記電子スロットル制御装置1は、メインCPU11を有するメイン制御装置13と、サブCPU15を有するサブ制御装置17とから構成されており、それらは、DMA(ダイレクトメモリアクセス)によりデータの送受信が可能である。
【0025】
前記メイン制御装置13には、機能的に、EFI(電子燃料噴射)を制御するEFI制御部19、サブCPU15の異常を監視する第1電子スロットル監視部21、スロットルバルブ5の目標開度(目標スロットル開度)を設定する電子スロットル制御部23等を備えている。尚、これらの制御を行うためのプログラムは、メイン制御装置13のメモリ(図示せず)に記憶されている。
【0026】
一方、サブ制御装置17は、機能的に、メインCPU11の異常を監視する第2電子スロットル監視部27、目標スロットル開度に応じてスロットルバルブ5を駆動する電子スロットル駆動部29、緊急時の退避走行制御を行う退避走行制御部31を備えている。更に、AD変換部33等をも備えている。尚、これらの制御を行うためのプログラムは、サブ制御装置17のメモリ(図示せず)に記憶されている。
【0027】
また、前記AD変換部33には、各種のセンサ9により検出された、アクセルペダル7の開度、スロットルバルブ5の開度、エンジン3の冷却水の水温(エンジン水温)が入力される。
b)次に、上述した各制御部のうち要部の機能を説明する。
【0028】
前記電子スロットル制御部21は、各種要求開度、例えばアクセルペダル7の開度や、オートクルーズ、ECT、VSC等の制御の要求開度に応じて、必要な開度にスロットバルブ5を制御する。
前記電子スロットル駆動部29は、電子スロットル制御部23で決定された(第1)目標スロットル開度に応じて、スロットルバルブ5を駆動する電子スロットルモータ(図示せず)を作動させて、スロットルバルブ5を開閉する。
【0029】
前記第1及び第2電子スロットル監視部21、27では、電子スロットル制御装置1の安全を確保するために、メインCPU11及びサブCPU15の相互監視を行う。具体的には、第1電子スロットル監視部21は、サブCPU15から出力されるウオッチドックパルスに基づいて、サブCPU15の異常をチェックする(周知のウオッチドックタイマ機能)。同様に、第2電子スロットル監視部27は、メインCPU11から出力されるウオッチドックパルスに基づいて、メインCPU11の異常をチェックする。
【0030】
また、これとは別に、第2電子スロットル監視部27では、例えば電子スロットル制御部23で決定された(第1)目標スロットル開度が、通常ではあり得ない異常値になった場合などにも、メイン制御装置13側に異常が発生したと判定している。
【0031】
前記退避走行制御部31は、メイン制御装置13側に異常が発生した場合に、車両を安全に退避させるための退避走行モード時のみ作動する。
つまり、第2電子スロットル監視部27により、メイン制御装置13側に異常が発生したことを検出した場合には、メイン制御装置13側をダウンさせて、以後、サブ制御装置17側の制御により、退避走行制御を行うのである。
【0032】
具体的には、メイン制御装置13側に異常が発生した場合には、オートクルーズ、ECT、VSC等の車両制御の要求開度は考慮せずに、アクセルペダル7の開度(ペダル開度)から算出したスロットル要求開度とISC(アイドルスピードコントロール)相当開度(ISC開度:固定値)とを合計した値、即ち、再始動可能で、且つ、最低限エンストしないレベルのスロットル開度を維持するように、(第2)目標スロットル開度を設定して、緊急時の退避走行を可能にするのである。
【0033】
尚、退避走行の際には、この(第2)目標スロットル開度に基づいて、電子スロットル駆動部29により、電子スロットルモータを作動させる。
c)次に、本実施例の電子スロットル制御装置1における制御処理を説明する。
【0034】
▲1▼異常判定処理
本処理は、サブ制御装置17(特にサブCPU15)において、メイン制御装置13(特にメインCPU11)に異常が発生しているか否かを判定するための処理である。
【0035】
図3に示す様に、まず、ステップ100では、第2電子スロットル監視部27のウオッチドックタイマ機能により、メインCPU11から出力されるウオッチドックパルスをチェックし、メインCPU11に異常が発生しているか否かを判定する。ここで、肯定判断されるとステップ120に進み、一方否定判断されるとステップ110に進む。
【0036】
ステップ110では、例えば電子スロットル制御部23にて算出された(第1)目標スロットル開度等の所定の演算値が、正常の範囲を外れた異常な値ではあるか否かを判定する。ここで、肯定判断されるとステップ120に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0037】
そして、前記ステップ100又はステップ110にて、異常があると判定されて進むステップ120では、異常があることを示す異常フラグをセットして、一旦本処理を終了する。
これにより、メイン制御装置13に異常が発生しているか否かを、正確に検出することができる。
【0038】
▲2▼退避走行制御処理
本処理は、メイン制御装置13に異常が発生した場合に、サブ制御装置17により、退避走行を行うためにスロットルバルブ5を制御するための処理である。図4に示す様に、ステップ200では、メイン制御装置13に異常が発生したか否かを、異常フラグがセットされているか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ210に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0039】
ステップ210では、ペダル開度から、スロットル開度要求を算出する。例えば図5に示す様に、ペダル開度の増加に比例してスロットル要求開度が増加する(線形特性を有する)マップから、スロットル要求開度を算出する。
続くステップ220では、エンジン水温からISC開度を算出する。例えば図6に示す様に、エンジン水温が上昇するにつれてISC開度が低下するマップから、スロットル要求開度を算出する。
【0040】
続くステップ230では、スロットル要求開度にISC開度を加算して、(第2)目標スロットル開度を算出する。
続くステップ240では、(第2)目標スロットル開度を(電子スロットルモータを駆動するための)目標スロットル電圧に変換する。
【0041】
続くステップ250では、スロットルセンサ(図示せず)により検出された現在電子スロットルモータに印加されている電圧(スロットルセンサ電圧)を入力する。
続くステップ260では、現在のスロットルセンサ電圧より(第2)目標スロットル電圧が大きいか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ270に進み、一方否定判断されるとステップ280に進む。
【0042】
ステップ270では、電圧差から開き側モータDUTYを算出する。つまり、実際のスロットル開度より(第2)目標スロットル開度の方が大であり、スロットルバルブ5が十分に開いていないので、更にスロットルバルブ5を開き方向に制御するための処理を行う。
【0043】
一方、ステップ280では、電圧差から閉じ側モータDUTYを算出する。つまり、実際のスロットル開度より(第2)目標スロットル開度の方が小であり、スロットルバルブ5が開き過ぎなので、スロットルバルブ5を閉じ方向に制御するための処理を行う。
【0044】
ステップ290では、前記ステップ270又はステップ280にて設定された制御値(DUTY)に基づいて、電子スロットルモータの制御を行い、スロットル開度を(第2)目標スロットル開度に制御するフィードバック制御を行う。
従って、上述した処理により、メイン制御装置13に異常が発生した場合に、スロットルバルブ5を制御して好適な退避走行が可能となる。
【0045】
d)次に、本実施例の電子スロットル制御装置1における効果を説明する。
本実施例では、サブ制御装置17(特にサブCPU15)に、機能的に、電子スロットル駆動部29と退避走行制御部31とを備えているので、メイン制御装置13(特にメインCPU11)に異常が発生した場合には、メイン制御装置13をダウンさせ、サブ制御装置17によって、退避走行制御部31にて算出した(第2)目標スロットル開度に基づき、電子スロットル駆動部29にてスロットルバルブ5の開度を好適に調節することができる。
【0046】
これにより、メインCPU11等に異常が発生し、通常のEFI制御を利用した退避走行ができない場合でも、サブ制御装置17により、退避走行制御が可能になり、安全性が向上するという効果がある。
また、本実施例では、退避走行モード時に、アクセル操作に対する簡易的なスロットル制御を行うことができるので、退避走行時のドライバビリティが向上するという効果がある。
【0047】
更に、本実施例では、エンジン水温からISC開度を求めているので、エンジンの始動性、早期暖機などのドライバビリティが向上するという効果もある。
その上、本実施例では、ペダル開度とスロットル要求開度との関係が線形特性を有しているので、スロットル要求開度を求めるための演算を簡易化できるという利点がある。
(実施例2)
次に、実施例2の電子スロットル制御装置について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0048】
本実施例では、図7に示す様に、ペダル開度に対するスロットル要求開度の関係を、非線形に設定している。
つまり、前記実施例1の様に、ペダル開度に比例してスロットル要求開度が変化するのではなく、ペダル開度の増加につれて、比例の場合より急速にスロットル要求開度が増加する様に設定している。
【0049】
具体的には、図7に例示する様に、非線形特性を有するように、ペダル開度とスロットル要求開度とのマップを設定することにより、エンジン回転数によって変化するトルク特性を補償することができ、それにより、ドライバーのアクセル操作に対して自然な加速感を得ることができる。
【0050】
その結果、退避走行時におけるドライバビリティを、一層高めることができるという効果がある。
(実施例3)
次に、実施例3の電子スロットル制御装置について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0051】
本実施例では、図8に示す様に、ペダル開度に対するスロットル要求開度の関係を、あるペダル開度までは比例し、それ以上のペダル開度ではスロットル要求開度が一定値となる様に設定している。
つまり、本実施例では、スロットル要求開度の上限値を設定しているので、退避走行の際に、過度に車速が上昇することを防止し、安全性が一層向上するという利点がある。
【0052】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、エンジン回転数が所望のエンジン回転数(アイドル回転数)になるように、ISC開度を調節するエンジン回転数のフィードバック制御を行うことにより、エンジンの始動性や早期暖機などのドライバビリティを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電子スロットル制御装置が用いられる車両システムの構成を示す説明図である。
【図2】実施例1の電子スロットル制御装置の構成を示す説明図である。
【図3】実施例1の異常判定処理を示すフローチャートである。
【図4】実施例1の退避走行制御処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例1のペダル開度とスロットル要求開度との関係を示すグラフである。
【図6】実施例1のエンジン水温とISC開度との関係を示すグラフである。
【図7】実施例2のペダル開度とスロットル要求開度との関係を示すグラフである。
【図8】実施例3のペダル開度とスロットル要求開度との関係を示すグラフである。
【図9】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1・・電子スロットル制御装置
3・・エンジン
5・・スロットルバルブ
7・・アクセルペダル
11・・メインCPU
13・・メイン制御装置
15・・サブCPU
17・・サブ制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のエンジンのスロットルバルブを電子的制御する電子スロットル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両のエンジンのスロットルバルブの動作を電子的に制御する装置として、電子スロットル制御システム(電子スロットル制御装置)が知られているが、この種の電子スロットル制御装置には、例えば図9に示す構成のものが挙げられる。
【0003】
この電子スロットル制御装置は、メインCPUP1を有するメイン制御装置P2とサブCPUP3を有するサブ制御装置P4とから構成されており、それらは、DMA(ダイレクトメモリアクセス)によりデータの送受信が可能である。
前記メイン制御装置P2には、機能的に、EFI(電子燃料噴射)を制御するEFI制御部P5、サブCPUP3の異常を監視する電子スロットル監視部P6、緊急時の退避走行制御を行う退避走行制御部P7、電子スロットルの目標開度を設定する電子スロットル制御部P8、目標開度に応じて電子スロットルを駆動する電子スロットル駆動部P9を備えている。
【0004】
一方、サブ制御装置P4は、メインCPUP1の異常を監視する電子スロットル監視部P10、AD変換部P11を備えており、ハード的な構成を主要部としている。
そして、上述した従来の電子スロットル制御装置においては、例えばメインCPUのウオッチドックパルスの異常や目標開度が異常な値に設定されるなどの様に、電子スロットル制御装置に関わる異常が発生した場合には、電子スロットル制御装置をダウンさせて、スロットルバルブをスロットルボディの機械的な機構によって一定開度に保つ制御を行っていた。
【0005】
また、この際には、必要に応じて、減筒噴射や遅角点火などによるトルク制御を実施することにより、車両の安全な場所への移動のための最低限の走行制御(退避制御)が可能なようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子スロットル制御装置に異常が発生した場合に、機械的な機構によりスロットル開度を固定するトルク制御技術では、アクセルペダル操作に対するトルク応答性に限界があり、退避走行の際のドライバビリティのレベルが低いという問題があった。
【0007】
また、例えばメインCPUに異常が発生し、それによってEFI制御における退避走行制御が正常に処理されない場合には、退避走行が不可能になるという問題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、例えば電子スロットル制御装置のメインCPUに異常が発生した場合でも、高いドライバビリティでの退避走行を可能とする電子スロットル装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、車両のエンジンの電子スロットルの動作を制御するために、ハード的に異なる制御装置であるメイン制御装置とサブ制御装置とを備えた電子スロットル制御装置に関するものであり、本発明では、前記メイン制御装置には、前記電子スロットルの第1目標スロットル開度を設定する電子スロットル制御部を備えるとともに、前記サブ制御装置には、前記メイン制御装置の異常時に、前記第1目標スロットル開度に代えて、前記異常時における第2目標スロットル開度を設定し、該第2目標スロットル開度に基づいて、前記車両の退避走行制御を行う退避走行制御部を備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明は、メイン制御装置とサブ制御装置との共働によって、電子スロットルの制御を行うものであり、メイン制御装置(例えばメインCPU)が正常の場合には、メイン制御装置の電子スロットル制御部によって、電子スロットルの第1目標スロットル開度(正常時の目標スロットル開度)を設定し、その第1目標スロットル開度に応じて、(例えばサブ制御装置にて)電子スロットルを駆動制御する。
【0010】
一方、メイン制御装置に異常が発生した場合には、メイン制御装置側で算出された第1目標スロットル開度を使用せずに、正常なサブ制御装置(例えばサブCPU)側の退避走行制御部によって、独自に第2目標スロットル開度を算出し、この第2目標スロットル開度に基づいて、車両の退避走行制御を行う。
【0011】
これにより、メイン制御装置に異常が発生した場合でも、正常なサブ制御装置だけで、安全に車両の退避走行制御を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明では、異常時でも、(各種のセンサ値等に基づいて)正常な第2目標スロットル開度を設定できるので、アクセル操作に対応して電子スロットルを制御することが可能である。よって、退避走行モード時に、アクセルペダル操作に対する簡易的なスロットル制御を行うことができるので、退避走行制御の際のドライバビリティが向上するという利点がある。
【0012】
ここで、前記メイン制御装置とは、(メイン制御装置に)異常の発生が見られない通常の運転時に、第1目標スロットル開度を設定して、主として電子スロットルの制御が可能な制御装置であり、一方、サブ制御装置とは、(メイン制御装置の)異常時に、電子スロットルの制御が可能な制御装置である。
【0013】
尚、メイン制御装置の主要部はメインCPUであり、サブ制御装置の主要部はサブCPUである。
(2)請求項2の発明では、前記サブ制御装置には、前記第1目標スロットル開度に応じて、前記電子スロットルの駆動を制御する電子スロットル駆動部を備えたことを特徴としている。
【0014】
本発明では、サブ制御装置の電子スロットル駆動部により、メイン制御装置の正常時に、第1目標スロットル開度に応じて、電子スロットルを駆動することができる。
(3)請求項3の発明では、前記サブ制御装置には、前記メイン制御装置の異常を検出する電子スロットル監視部を備えたことを特徴としている。
【0015】
本発明では、サブ制御装置の電子スロットル監視部により、例えばウオッチドックパルスを利用して、メイン制御装置の異常を検出することができる。
(4)請求項4の発明では、前記第2目標スロットル開度は、アクセルペダルの開度に対応したスロットル開度と、アイドルスピードコントロールのためのISC開度とを加算したものであることを特徴としている。
【0016】
本発明では、スロットル開度とISC開度とを加算して第2目標スロットル開度を求めているので、エンジンを駆動するための最小限の空気を供給するだけでなく、アクセル操作に対応した空気も供給することができる。
これにより、車両の退避走行が可能になるとともに、退避走行の際のドライバビリティも向上するという利点がある。
【0017】
(5)請求項5の発明では、前記ISC開度を、エンジンの冷却水温(エンジン水温)に応じて設定することを特徴としている。
本発明では、ISC開度をエンジン水温に応じて設定しているので、エンジンの始動性や早期暖機などのドライバビリティのレベルを改善することができる。
【0018】
(6)請求項6の発明では、前記ISC開度を調節することにより、エンジン回転数のフィードバック制御を行って、所定のアイドル回転数に設定することを特徴としている。
本発明では、ISC開度によりエンジン回転数のフォート゛バック制御を行っているので、所望のアイドル回転数に設定することができ、エンジンの始動性や早期暖機などのドライバビリティを改善することができる。
【0019】
(7)請求項7の発明では、アクセルペダルの開度と前記スロットル開度との関係が、線形特性を有するように設定することを特徴としている。
本発明では、アクセルペダルの開度とスロットル開度との関係は線形特性を有しているので、演算処理等を簡易化できるという利点がある。
【0020】
(8)請求項8の発明では、アクセルペダルの開度と前記スロットル開度との関係が、非線形特性を有するように設定することを特徴としている。
本発明では、アクセルペダルの開度とスロットル開度との関係は非線形特性を有しているので、所望のスロットル特性を有するように設定することができる。そのため、運転者のアクセル操作に対応した違和感の少ない走行制御を行うことが可能であり、ドライバビリティを高めることができる。
【0021】
(9)請求項9の発明では、前記スロットル開度に上限を設定することを特徴としている。
本発明では、スロットル開度に上限を設定しているので、退避走行時に過度に加速することを防止でき、退避走行時の安全性を確保することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の電子スロットル制御装置の実施の形態の例(実施例)を説明する。
(実施例1)
a)まず、本実施例の電子スロットル制御装置のシステム構造を、図1及び図2に基づいて説明する。
【0023】
図1に示す様に、本実施例における電子スロットル制御装置1は、エンジン3に空気を供給するスロットルバルブ(電子スロットル)5の開度(スロットル開度)を、電子的に制御する装置である。
この電子スロットル制御装置1では、アクセルペダル7の操作に応じてスロットル開度を制御したり、各種のセンサ9からの信号を入力し、例えばオートクルーズ、ECT(電子制御トランスミッション)、VSC(車体安定制御)等の制御を行う際に、必要な開度にスロットバルブ5を制御する。
【0024】
図2に示す様に、前記電子スロットル制御装置1は、メインCPU11を有するメイン制御装置13と、サブCPU15を有するサブ制御装置17とから構成されており、それらは、DMA(ダイレクトメモリアクセス)によりデータの送受信が可能である。
【0025】
前記メイン制御装置13には、機能的に、EFI(電子燃料噴射)を制御するEFI制御部19、サブCPU15の異常を監視する第1電子スロットル監視部21、スロットルバルブ5の目標開度(目標スロットル開度)を設定する電子スロットル制御部23等を備えている。尚、これらの制御を行うためのプログラムは、メイン制御装置13のメモリ(図示せず)に記憶されている。
【0026】
一方、サブ制御装置17は、機能的に、メインCPU11の異常を監視する第2電子スロットル監視部27、目標スロットル開度に応じてスロットルバルブ5を駆動する電子スロットル駆動部29、緊急時の退避走行制御を行う退避走行制御部31を備えている。更に、AD変換部33等をも備えている。尚、これらの制御を行うためのプログラムは、サブ制御装置17のメモリ(図示せず)に記憶されている。
【0027】
また、前記AD変換部33には、各種のセンサ9により検出された、アクセルペダル7の開度、スロットルバルブ5の開度、エンジン3の冷却水の水温(エンジン水温)が入力される。
b)次に、上述した各制御部のうち要部の機能を説明する。
【0028】
前記電子スロットル制御部21は、各種要求開度、例えばアクセルペダル7の開度や、オートクルーズ、ECT、VSC等の制御の要求開度に応じて、必要な開度にスロットバルブ5を制御する。
前記電子スロットル駆動部29は、電子スロットル制御部23で決定された(第1)目標スロットル開度に応じて、スロットルバルブ5を駆動する電子スロットルモータ(図示せず)を作動させて、スロットルバルブ5を開閉する。
【0029】
前記第1及び第2電子スロットル監視部21、27では、電子スロットル制御装置1の安全を確保するために、メインCPU11及びサブCPU15の相互監視を行う。具体的には、第1電子スロットル監視部21は、サブCPU15から出力されるウオッチドックパルスに基づいて、サブCPU15の異常をチェックする(周知のウオッチドックタイマ機能)。同様に、第2電子スロットル監視部27は、メインCPU11から出力されるウオッチドックパルスに基づいて、メインCPU11の異常をチェックする。
【0030】
また、これとは別に、第2電子スロットル監視部27では、例えば電子スロットル制御部23で決定された(第1)目標スロットル開度が、通常ではあり得ない異常値になった場合などにも、メイン制御装置13側に異常が発生したと判定している。
【0031】
前記退避走行制御部31は、メイン制御装置13側に異常が発生した場合に、車両を安全に退避させるための退避走行モード時のみ作動する。
つまり、第2電子スロットル監視部27により、メイン制御装置13側に異常が発生したことを検出した場合には、メイン制御装置13側をダウンさせて、以後、サブ制御装置17側の制御により、退避走行制御を行うのである。
【0032】
具体的には、メイン制御装置13側に異常が発生した場合には、オートクルーズ、ECT、VSC等の車両制御の要求開度は考慮せずに、アクセルペダル7の開度(ペダル開度)から算出したスロットル要求開度とISC(アイドルスピードコントロール)相当開度(ISC開度:固定値)とを合計した値、即ち、再始動可能で、且つ、最低限エンストしないレベルのスロットル開度を維持するように、(第2)目標スロットル開度を設定して、緊急時の退避走行を可能にするのである。
【0033】
尚、退避走行の際には、この(第2)目標スロットル開度に基づいて、電子スロットル駆動部29により、電子スロットルモータを作動させる。
c)次に、本実施例の電子スロットル制御装置1における制御処理を説明する。
【0034】
▲1▼異常判定処理
本処理は、サブ制御装置17(特にサブCPU15)において、メイン制御装置13(特にメインCPU11)に異常が発生しているか否かを判定するための処理である。
【0035】
図3に示す様に、まず、ステップ100では、第2電子スロットル監視部27のウオッチドックタイマ機能により、メインCPU11から出力されるウオッチドックパルスをチェックし、メインCPU11に異常が発生しているか否かを判定する。ここで、肯定判断されるとステップ120に進み、一方否定判断されるとステップ110に進む。
【0036】
ステップ110では、例えば電子スロットル制御部23にて算出された(第1)目標スロットル開度等の所定の演算値が、正常の範囲を外れた異常な値ではあるか否かを判定する。ここで、肯定判断されるとステップ120に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0037】
そして、前記ステップ100又はステップ110にて、異常があると判定されて進むステップ120では、異常があることを示す異常フラグをセットして、一旦本処理を終了する。
これにより、メイン制御装置13に異常が発生しているか否かを、正確に検出することができる。
【0038】
▲2▼退避走行制御処理
本処理は、メイン制御装置13に異常が発生した場合に、サブ制御装置17により、退避走行を行うためにスロットルバルブ5を制御するための処理である。図4に示す様に、ステップ200では、メイン制御装置13に異常が発生したか否かを、異常フラグがセットされているか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ210に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0039】
ステップ210では、ペダル開度から、スロットル開度要求を算出する。例えば図5に示す様に、ペダル開度の増加に比例してスロットル要求開度が増加する(線形特性を有する)マップから、スロットル要求開度を算出する。
続くステップ220では、エンジン水温からISC開度を算出する。例えば図6に示す様に、エンジン水温が上昇するにつれてISC開度が低下するマップから、スロットル要求開度を算出する。
【0040】
続くステップ230では、スロットル要求開度にISC開度を加算して、(第2)目標スロットル開度を算出する。
続くステップ240では、(第2)目標スロットル開度を(電子スロットルモータを駆動するための)目標スロットル電圧に変換する。
【0041】
続くステップ250では、スロットルセンサ(図示せず)により検出された現在電子スロットルモータに印加されている電圧(スロットルセンサ電圧)を入力する。
続くステップ260では、現在のスロットルセンサ電圧より(第2)目標スロットル電圧が大きいか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ270に進み、一方否定判断されるとステップ280に進む。
【0042】
ステップ270では、電圧差から開き側モータDUTYを算出する。つまり、実際のスロットル開度より(第2)目標スロットル開度の方が大であり、スロットルバルブ5が十分に開いていないので、更にスロットルバルブ5を開き方向に制御するための処理を行う。
【0043】
一方、ステップ280では、電圧差から閉じ側モータDUTYを算出する。つまり、実際のスロットル開度より(第2)目標スロットル開度の方が小であり、スロットルバルブ5が開き過ぎなので、スロットルバルブ5を閉じ方向に制御するための処理を行う。
【0044】
ステップ290では、前記ステップ270又はステップ280にて設定された制御値(DUTY)に基づいて、電子スロットルモータの制御を行い、スロットル開度を(第2)目標スロットル開度に制御するフィードバック制御を行う。
従って、上述した処理により、メイン制御装置13に異常が発生した場合に、スロットルバルブ5を制御して好適な退避走行が可能となる。
【0045】
d)次に、本実施例の電子スロットル制御装置1における効果を説明する。
本実施例では、サブ制御装置17(特にサブCPU15)に、機能的に、電子スロットル駆動部29と退避走行制御部31とを備えているので、メイン制御装置13(特にメインCPU11)に異常が発生した場合には、メイン制御装置13をダウンさせ、サブ制御装置17によって、退避走行制御部31にて算出した(第2)目標スロットル開度に基づき、電子スロットル駆動部29にてスロットルバルブ5の開度を好適に調節することができる。
【0046】
これにより、メインCPU11等に異常が発生し、通常のEFI制御を利用した退避走行ができない場合でも、サブ制御装置17により、退避走行制御が可能になり、安全性が向上するという効果がある。
また、本実施例では、退避走行モード時に、アクセル操作に対する簡易的なスロットル制御を行うことができるので、退避走行時のドライバビリティが向上するという効果がある。
【0047】
更に、本実施例では、エンジン水温からISC開度を求めているので、エンジンの始動性、早期暖機などのドライバビリティが向上するという効果もある。
その上、本実施例では、ペダル開度とスロットル要求開度との関係が線形特性を有しているので、スロットル要求開度を求めるための演算を簡易化できるという利点がある。
(実施例2)
次に、実施例2の電子スロットル制御装置について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0048】
本実施例では、図7に示す様に、ペダル開度に対するスロットル要求開度の関係を、非線形に設定している。
つまり、前記実施例1の様に、ペダル開度に比例してスロットル要求開度が変化するのではなく、ペダル開度の増加につれて、比例の場合より急速にスロットル要求開度が増加する様に設定している。
【0049】
具体的には、図7に例示する様に、非線形特性を有するように、ペダル開度とスロットル要求開度とのマップを設定することにより、エンジン回転数によって変化するトルク特性を補償することができ、それにより、ドライバーのアクセル操作に対して自然な加速感を得ることができる。
【0050】
その結果、退避走行時におけるドライバビリティを、一層高めることができるという効果がある。
(実施例3)
次に、実施例3の電子スロットル制御装置について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0051】
本実施例では、図8に示す様に、ペダル開度に対するスロットル要求開度の関係を、あるペダル開度までは比例し、それ以上のペダル開度ではスロットル要求開度が一定値となる様に設定している。
つまり、本実施例では、スロットル要求開度の上限値を設定しているので、退避走行の際に、過度に車速が上昇することを防止し、安全性が一層向上するという利点がある。
【0052】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、エンジン回転数が所望のエンジン回転数(アイドル回転数)になるように、ISC開度を調節するエンジン回転数のフィードバック制御を行うことにより、エンジンの始動性や早期暖機などのドライバビリティを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電子スロットル制御装置が用いられる車両システムの構成を示す説明図である。
【図2】実施例1の電子スロットル制御装置の構成を示す説明図である。
【図3】実施例1の異常判定処理を示すフローチャートである。
【図4】実施例1の退避走行制御処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例1のペダル開度とスロットル要求開度との関係を示すグラフである。
【図6】実施例1のエンジン水温とISC開度との関係を示すグラフである。
【図7】実施例2のペダル開度とスロットル要求開度との関係を示すグラフである。
【図8】実施例3のペダル開度とスロットル要求開度との関係を示すグラフである。
【図9】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1・・電子スロットル制御装置
3・・エンジン
5・・スロットルバルブ
7・・アクセルペダル
11・・メインCPU
13・・メイン制御装置
15・・サブCPU
17・・サブ制御装置
Claims (9)
- 車両のエンジンの電子スロットルの動作を制御するために、ハード的に異なる制御装置であるメイン制御装置とサブ制御装置とを備えた電子スロットル制御装置において、
前記メイン制御装置には、前記電子スロットルの第1目標スロットル開度を設定する第1電子スロットル制御部を備えるとともに、
前記サブ制御装置には、前記メイン制御装置の異常時に、前記第1目標スロットル開度に代えて、前記異常時における第2目標スロットル開度を設定し、該第2目標スロットル開度に基づいて、前記車両の退避走行制御を行う退避走行制御部を備えたことを特徴とする電子スロットル制御装置。 - 前記サブ制御装置には、前記第1目標スロットル開度に応じて、前記電子スロットルの駆動を制御する電子スロットル駆動部を備えたことを特徴とする前記請求項1に記載の電子スロットル制御装置。
- 前記サブ制御装置には、前記メイン制御装置の異常を検出する電子スロットル監視部を備えたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の電子スロットル制御装置。
- 前記第2目標スロットル開度は、アクセルペダルの開度に対応したスロットル開度と、アイドルスピードコントロールのためのISC開度とを加算したものであることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の電子スロットル制御装置。
- 前記ISC開度を、エンジンの冷却水温に応じて設定することを特徴とする前記請求項4に記載の電子スロットル制御装置。
- 前記ISC開度を調節することにより、エンジン回転数のフィードバック制御を行って、所定のアイドル回転数に設定することを特徴とする前記請求項4又は5に記載の電子スロットル制御装置。
- アクセルペダルの開度と前記スロットル開度との関係が、線形特性を有するように設定することを特徴とする前記請求項4〜6のいずれかに記載の電子スロットル制御装置。
- アクセルペダルの開度と前記スロットル開度との関係が、非線形特性を有するように設定することを特徴とする前記請求項4〜6のいずれかに記載の電子スロットル制御装置。
- 前記スロットル開度に上限を設定することを特徴とする前記請求項4〜8のいずれかに記載の電子スロットル制御装置。
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JP2011202619A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Keihin Corp | 電子制御装置 |
JP2012026301A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-02-09 | Isuzu Motors Ltd | カムレスエンジン弁開閉制御装置 |
JP2012107522A (ja) * | 2010-11-15 | 2012-06-07 | Shindengen Electric Mfg Co Ltd | 電子制御装置、および、電子制御装置の制御方法 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197493A patent/JP2004036574A/ja active Pending
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