JP2004092434A - スロットル弁制御装置の故障判定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関4のスロットル弁8の目標開度DCCMDを算出するとともに、目標開度DCCMDを目標としてスロットル弁8の開度を制御するスロットル弁制御装置6の故障を判定する故障判定装置1は、DBW・ECU3を備える。DBW・ECU3は、予測アルゴリズムに基づき、目標開度DCCMDに応じて予測開度THHATを算出し(ステップ1)、予測開度THHATおよびスロットル弁開度センサ11により検出された実開度THLDBWに基づき、スロットル弁制御装置6の故障を判定する(ステップ2〜12)。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のスロットル弁を制御するスロットル弁制御装置の故障を判定するスロットル弁制御装置の故障判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の故障判定装置として、例えば特開平7−108851号公報に記載されたものが知られている。このスロットル弁制御装置は、スロットル弁の実際の開度(以下「実開度」という)を検出するスロットル弁開度センサと、車速を検出する車速センサとを備えており、車速および実開度の検出値に基づき、スロットル弁の目標開度を算出するとともに、この目標開度に応じてスロットル弁を制御する。その制御中、故障判定装置は、実開度と目標開度との偏差すなわち追従誤差の絶対値が所定の判定値よりも大きいときには、スロットル弁制御装置が故障していると判定し、それ以外のときには正常であると判定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなスロットル弁制御装置では、目標開度が急激に変化すると、実開度が目標開度に対して大きな応答遅れ(追従遅れ)を生じることで、上記追従誤差の絶対値が一時的に増大する。その場合、上記故障判定装置では、スロットル弁制御装置の故障判定が追従誤差の絶対値に基づいて実行されるので、スロットル弁制御装置が正常であるにもかかわらず、故障していると誤判定されるおそれがある。このような誤判定は、判定値をより大きな値に設定することで防止可能であるけれども、そのようにした場合には、目標開度が通常の運転状態で変化しているときに、スロットル弁制御装置が故障しているにもかかわらず、正常であると誤判定されるおそれがあり、判定精度の低下を逆に招いてしてしまう。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、目標開度が急激に変化した場合でも、誤判定を防止しながら高い判定精度を確保することができるスロットル弁制御装置の故障判定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関4のスロットル弁8の目標開度DCCMDを算出するとともに、算出した目標開度DCCMDを目標としてスロットル弁8の開度を制御するスロットル弁制御装置6の故障を判定するスロットル弁制御装置6の故障判定装置1であって、スロットル弁8の実際の開度である実開度THLDBWを検出する実開度検出手段(例えば実施形態における(以下、この項において同じ)スロットル弁開度センサ11)と、予測アルゴリズム(式(1))に基づき、目標開度DCCMDに応じてスロットル弁8の開度の予測値である予測開度THHATを算出する予測開度算出手段(DBW・ECU3、ステップ1)と、算出された予測開度THHATおよび検出された実開度THLDBWに基づき、スロットル弁制御装置6の故障を判定する判定手段(DBW・ECU3、ステップ2〜12)と、を備えることを特徴とする。
【0006】
このスロットル弁制御装置の故障判定装置によれば、予測開度算出手段により、スロットル弁の予測開度が、予測アルゴリズムに基づき、目標開度に応じて算出されるので、この予測開度を、目標開度に対する実開度の応答遅れすなわち追従誤差を反映させた値として算出することができる。また、判定手段により、このような予測開度および検出された実開度に基づき、スロットル弁制御装置の故障が判定されるので、目標開度が急激に変化したときでも、そのような目標開度の変化に伴う実開度の追従誤差を反映させながら、スロットル弁制御装置の故障を判定することができる。その結果、目標開度が急激に変化したときでも、従来のような誤判定を防止しながら、高い判定精度を確保することができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスロットル弁制御装置6の故障判定装置1において、判定手段は、予測開度と実開度との開度偏差DLTHHATを算出するとともに、算出した開度偏差の絶対値|DLTHHAT|が所定の判定値THHATEよりも大きい状態にある時間が所定の判定時間(開弁側および閉弁側の判定時間TMTHOPN,TMTHCLS)以上になったとき(ステップ11の判別結果がYESになったとき)に、スロットル弁制御装置6が故障していると判定する(ステップ12)ことを特徴とする。
【0008】
このスロットル弁制御装置の故障判定装置によれば、判定手段により、予測開度と実開度との開度偏差の絶対値が所定の判定値よりも大きい状態にある時間が所定の判定時間以上になったときに、スロットル弁制御装置が故障していると判定されるので、これらの所定の判定値および所定の判定時間を適切に設定することにより、判定精度をさらに向上させることができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のスロットル弁制御装置6の故障判定装置1において、判定手段は、所定の判定時間を、スロットル弁が開弁方向に制御されている場合と閉弁方向に制御されている場合とで、互いに異なる値(開弁側および閉弁側の判定時間TMTHOPN,TMTHCLS)に設定する判定時間設定手段(DBW・ECU3、ステップ7〜9)を備えることを特徴とする。
【0010】
内燃機関のスロットル弁機構では、スロットル弁を開弁方向および閉弁方向に互いに異なる付勢力で付勢する2つのばねが設けられているものが一般的であり、そのため、スロットル弁制御装置によりスロットル弁が制御される場合、目標開度の変化量が開弁方向および閉弁方向に同じ値に設定されたときでも、スロットル弁は、開弁方向および閉弁方向に互いに異なる速度で変化する。これに対して、このスロットル弁制御装置の故障判定装置によれば、故障判定用の判定時間が、スロットル弁が開弁方向に制御されている場合と閉弁方向に制御されている場合とで、互いに異なる値に設定されるので、開弁方向および閉弁方向でのスロットル弁の変化速度の差異を反映させながら、故障判定を実行でき、その結果、判定精度をより一層、向上させることができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項2または3に記載のスロットル弁制御装置6の故障判定装置1において、スロットル弁制御装置6は、スロットル弁制御装置6に電力を供給するための電源(バッテリ16)を備えており、判定手段は、電源の電力(バッテリ電圧VB)に応じて、所定の判定値(補正係数KTHHATE)を設定する判定値設定手段(DBW・ECU3、ステップ3,4)を備えることを特徴とする。
【0012】
一般に、内燃機関のスロットル弁制御装置では、電源の電力変化に伴って、スロットル弁の動作速度などの動作状態が変化するため、実開度の目標開度に対する追従誤差も変化する。これに対して、このスロットル弁制御装置の故障判定装置によれば、故障判定用の所定の判定値が、電源の電力に応じて設定されるので、電源の電力の変化に伴う追従誤差の変化を補償しながら、故障判定を実行することができ、その結果、判定精度をさらに向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るスロットル弁制御装置の故障判定装置について説明する。図1は、本実施形態の故障判定装置およびこれを適用した内燃機関のスロットル弁制御装置を示している。この故障判定装置1は、スロットル弁制御装置6の故障の有無を判定するものであり、同図に示すように、FI・ECU2およびDBW・ECU3などを備えている。これらのFI・ECU2およびDBW・ECU3の詳細については、後述する。
【0014】
また、スロットル弁制御装置6は、上記FI・ECU2およびDBW・ECU3と、スロットル弁機構7などで構成されている。このスロットル弁機構7は、スロットル弁8およびこれを開閉駆動するモータ9などを備えている。
【0015】
スロットル弁8は、内燃機関(以下「エンジン」という)4の吸気管5の途中に回動自在に設けられており、当該回動に伴う開度の変化により吸気管5内を流れる吸入空気量を変化させる。モータ9は、DBW・ECU3に接続されており、DBW・ECU3からの駆動信号によって制御されることにより、スロットル弁8の開度を変化させる。
【0016】
また、スロットル弁8には、これを開弁方向および閉弁方向にそれぞれ付勢する2つのばね(いずれも図示せず)が取り付けられており、これら2つのばねでは、閉弁方向に付勢するばねの付勢力の方が、開弁方向に付勢するばねの付勢力よりも大きくなるように構成されている。これら2つのばねにより、スロットル弁8は、モータ9によってスロットル弁8が駆動されていない状態では、所定開度(例えば7゜)に保持される。
【0017】
また、吸気管5には、スロットル弁開度センサ11(実開度検出手段)が設けられている。このスロットル弁開度センサ11は、スロットル弁8の開度(以下「実開度」という)THLDBWを検出して、その検出信号をDBW・ECU3に送る。
【0018】
FI・ECU2には、車速センサ12、アクセル開度センサ13およびバッテリ電圧センサ14が接続されている。車速センサ12は、エンジン4が搭載された車両(図示せず)の車速VPを検出して、その検出信号をFI・ECU2に送る。また、アクセル開度センサ13は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度ACCを検出して、その検出信号をFI・ECU2に送る。さらに、バッテリ電圧センサ14は、バッテリ16の電圧(以下「バッテリ電圧」という)VBを検出して、その検出信号をFI・ECU2に送る。
【0019】
一方、FI・ECU2およびDBW・ECU3はいずれも、RAM、ROM、CPUおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されている。また、これらのECU2,3はいずれも、電源としてのバッテリ16に電気的に接続されており、このバッテリ16からの電力供給により作動する。
【0020】
また、FI・ECU2は、CAN通信を行うための通信線10,10を介してDBW・ECU3に接続されており、前述したスロットル弁開度センサ11の検出信号は、DBW・ECU3および通信線10を介して、FI・ECU2に送られる。FI・ECU2は、エンジン4の運転中、以上の各種のセンサ11〜14の検出信号に応じて、目標開度DCCMDを算出する。この目標開度DCCMDは、具体的には、車速VPおよびアクセル開度ACCに応じて、図示しないマップを検索することにより、算出される。また、算出された目標開度DCCMDは、通信線10を介してDBW・ECU3に送られる。
【0021】
DBW・ECU3は、エンジン4の運転中、後述するように、スロットル弁制御装置6の故障判定を実行するとともに、スロットル弁開度センサ11により検出された実開度THLDBW、およびFI・ECU2により算出された目標開度DCCMDに基づき、スロットル弁8の開度をフィードバック制御する。このフィードバック制御では、目標開度DCCMDと実開度THLDBWとの偏差を算出し、この偏差を値0に収束させるような値として制御入力を算出し、この制御入力に応じてモータ9への駆動信号を決定するとともに、そのように決定された駆動信号をモータ9に供給することにより、スロットル弁8の開度が制御される。本実施形態では、DBW・ECU3により、予測開度算出手段、判定手段、判定時間設定手段および判定値設定手段が構成されている。なお、これらの手段をFI・ECU2により構成してもよい。
【0022】
次に、図2を参照しながら、DBW・ECU3により実行されるスロットル弁制御装置6の故障判定処理について説明する。この処理は、後述する予測開度THHATおよび目標開度DCCMDに基づいて、スロットル弁制御装置6の故障を判定するものであり、所定周期で実行される。
【0023】
同図に示すように、まず、ステップ1において、以下に述べる予測アルゴリズムにより、予測開度THHATの今回値THHAT(n)を算出する。すなわち、スロットル弁制御装置6を、離散時間系モデルの1次遅れ系モデルとしてモデリングすると、下式(1)が導出される。
【0024】
THHAT(n)=(1−ath)×DCCMD(n−HATDLY)+ath×THHAT(n−1) ……(1)
ここで、nは離散データのサンプリングサイクルの順番を、athはモデルパラメータを、HATDLYは制御系としてのスロットル弁制御装置6のむだ時間をそれぞれ表している。このモデルパラメータathは、実験により求めたスロットル弁制御装置6の特性に基づき、バッテリ電圧VBが所定値VBREF(例えば10V)以上のときには高電圧用の所定値(例えば0.9)に、所定値VBREF未満のときには高電圧用の所定値よりも小さい低電圧用の所定値(例えば0.8)にそれぞれ設定される。このようにモデルパラメータathが設定されるのは、バッテリ電圧VBが所定値VBREFよりも低いと、目標開度DCCMDに対する実開度THLDBWの応答遅れすなわち追従誤差が大きくなるので、それを反映させるためである。
【0025】
また、むだ時間HATDLYは、目標開度DCCMDがDBW・ECU3に送られてから実開度THLDBWに反映されるまでのむだ時間を表しており、本実施形態では、むだ時間HATDLYは、実験により求めたスロットル弁制御装置6の特性に基づき、所定値(例えば値1)に設定されている。さらに、予測開度THHATは、目標開度DCCMDがDBW・ECU3に送られてからむだ時間HATDLYが経過したときの実開度THLDBWを予測した値である。
【0026】
以上のステップ1に続くステップ2では、開度偏差DLTHHATの今回値DLTHHAT(n)を算出する。具体的には、この開度偏差の今回値DLTHHAT(n)は、スロットル弁開度センサ11で検出された実開度の今回値THLDBW(n)と、ステップ1で算出した予測開度の今回THHAT(n)との偏差[THLDBW(n)−THHAT(n)]として算出される。
【0027】
次に、ステップ3に進み、後述する判定値THHATEの算出に用いる、テーブル値THHATETBLおよび補正係数KTHHATEをそれぞれ算出する。このテーブル値THHATETBLは、具体的には、予測開度THHATに基づき、図3に示すテーブルを検索することにより算出される。同図に示すように、このテーブルでは、テーブル値THHATETBLは、予測開度THHATが所定値THHAT1よりも大きいときには、所定値THHATETBL1に設定され、所定値THHAT1以下のときには、予測開度THHATが大きいほどより大きい値に設定されている。これは、予測開度THHATが大きいほど、実開度THLDBWが目標開度DCCMDに到達するのに要する時間が長くなるので、判定値THHATEをより大きな値に設定することにより、故障判定での誤判定を回避でき、判定精度を高めることができるためである。
【0028】
また、補正係数KTHHATEは、具体的には、バッテリ電圧VBに基づき、図4に示すテーブルを検索することにより算出される。同図に示すように、このテーブルでは、補正係数KTHHATEは、バッテリ電圧VBが所定値VB1(例えば7V)未満のときには、所定値KTHHATE1に設定され、所定値VB1よりも大きな所定値VB2(例えば10V)よりも大きいときには、所定値KTHHATE1よりも小さい所定値KTHHATE2に設定され、所定値VB1以上で所定値VB2以下のときには、バッテリ電圧VBが小さいほどより大きい値に設定されている。これは、VB≦VB2のときには、バッテリ電圧VBの低下に伴うスロットル弁8の応答遅れが大きくなるため、バッテリ電圧VBが小さいほど判定値THHATEをより大きな値に設定することにより、上記と同様に、故障判定での誤判定を回避でき、判定精度を高めることができるためである。
【0029】
次に、ステップ4に進み、判定値THHATEを、上記ステップ3で算出したテーブル値THHATETBLおよび補正係数KTHHATEの積[THHATETBL×KTHHATE]として算出する。
【0030】
次いで、ステップ5に進み、開度偏差の今回値DLTHHAT(n)の絶対値が判定値THHATEよりも大きいか否かを判別する。この判別結果がNOで、|DLTHHAT(n)|≦THHATEのときには、スロットル弁制御装置6が正常であるとして、ステップ13に進み、故障判定タイマのタイマ値TMTHLを値0に設定する。次に、ステップ14に進み、故障判定中フラグF_TMSTRTを「0」に設定した後、本処理を終了する。
【0031】
一方、ステップ5の判別結果がYESで、|DLTHHAT(n)|>THHATEのときには、ステップ6に進み、故障判定中フラグF_TMSTRTが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ7に進み、ステップ2で算出した開度偏差の今回値DLTHHAT(n)が値0より小さいか否かを判別する。
【0032】
ステップ7の判別結果がYESで、スロットル弁8が開弁方向に制御されているときには、ステップ8に進み、ダウンカウント式の故障判定タイマのタイマ値TMTHLを所定の開弁側の判定時間TMTHOPN(例えば500msec)に設定する。
【0033】
一方、ステップ7の判別結果がNOで、スロットル弁8が閉弁方向に制御されているときには、ステップ9に進み、故障判定タイマのタイマ値TMTHLを、上記開弁側の判定時間TMTHOPNよりも短い所定の閉弁側の判定時間TMTHCLS(例えば250msec)に設定する。これは、前述したように、スロットル弁8を閉弁方向に付勢するばねの付勢力の方が、開弁方向に付勢するばねの付勢力よりも大きいため、目標開度DCCMDの変化量(すなわち目標開度DCCMDの今回値と前回値との偏差の絶対値)が開弁方向および閉弁方向に同じ値に設定されたときでも、スロットル弁8の閉弁方向への変化速度の方が開弁方向への変化速度よりも速くなるので、そのような変化速度の差異を反映させながら故障判定を精度よく行うためである。なお、スロットル弁8の制御方向(開弁方向または閉弁方向)の判別を、上記開度偏差の今回値DLTHHAT(n)に代えて、実開度THLDBWの今回値と前回値との偏差に基づいて実行してもよい。
【0034】
ステップ8または9に続くステップ10では、故障判定を実行中であることを表すために、故障判定中フラグF_TMSTRTを「1」にセットした後、後述するステップ11に進む。これにより、次回以降のループにおいて、前述したステップ6の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ11に進む。
【0035】
ステップ10または6に続くステップ11では、故障判定タイマのタイマ値TMTHLが値0になったか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、本処理を終了する。一方、この判別結果がYESのときには、スロットル弁制御装置6が故障しているとして、ステップ12に進み、それを表すために故障確定フラグF_TRACEERを「1」にセットした後、本処理を終了する。
【0036】
以上のように、本実施形態の故障判定装置1によれば、スロットル弁8の予測開度THHATが、予測アルゴリズムに基づき、目標開度DCCMDに応じて算出されるので、この予測開度THHATを、目標開度DCCMDに対する実開度THLDBWの応答遅れすなわち追従誤差を反映させた値として算出することができる。また、このような予測開度THHATおよび実開度THLDBWに基づき、スロットル弁制御装置6の故障が判定されるので、目標開度DCCMDが急激に変化したときでも、そのような目標開度DCCMDの変化に伴う実開度THLDBWの追従誤差を反映させながら、スロットル弁制御装置6の故障を判定することができる。その結果、目標開度DCCMDが急激に変化したときでも、従来のような誤判定を防止しながら、高い判定精度を確保することができる。
【0037】
さらに、故障判定の際に用いる判定値THHATEがテーブル値THHATETBLと補正係数KTHHATEの積として算出されるとともに、このテーブル値THHATETBLが予測開度THHATに応じて算出され、補正係数KTHHATEがバッテリ電圧VBに応じて算出される。その結果、予測開度THHATおよびバッテリ電圧VBの変化に伴う、実開度THLDBWの予測開度THHATに対する追従誤差の変化が反映された値として、判定値THHATEを算出することができるので、予測開度THHATおよびバッテリ電圧VBの変化に起因する誤判定を防止でき、判定精度を向上させることができる。
【0038】
また、スロットル弁8が開弁方向に制御されている場合と閉弁方向に制御されている場合とで、故障判定の際に用いる判定時間が異なる値TMTHOPN,TMTHCLSに設定されるので、スロットル弁8を閉弁方向および開弁方向に付勢する2つのばねの付勢力の差異に起因する、開弁方向および閉弁方向でのスロットル弁8の変化速度の差異を反映させながら、故障判定を実行でき、その結果、判定精度をより一層、向上させることができる。
【0039】
なお、実施形態は、本発明の故障判定装置1を車両用の内燃機関4のスロットル弁制御装置6に適用した例であるが、本発明の故障判定装置1は、これに限らず、他の産業機械の内燃機関のスロットル弁制御装置に適用可能であることは言うまでもない。例えば、船舶用および発電用の内燃機関のスロットル弁制御装置にも適用可能である。
【0040】
また、実施形態では、スロットル弁8が開弁方向に制御されている場合と閉弁方向に制御されている場合とで、故障判定タイマのタイマ値TMTHLを異なる値TMTHOPN,TMTHCLSに設定したが、これに限らず、判定値THHATEを、スロットル弁8が開弁方向に制御されている場合と閉弁方向に制御されている場合とで互いに異なる値に設定してもよい。また、判定時間TMTHOPN,TMTHCLSを、バッテリ電圧VBなどのバッテリ16の電力を表すパラメータに応じて補正するようにしてもよい。
【0041】
さらに、実施形態は、故障判定用の2つの判定時間TMTHOPN,TMTHCLSをいずれも継続時間とした例であるが、判定時間TMTHOPN,TMTHCLSは、これに限らず、積算時間としてもよい。すなわち、|DLTHHAT(n)|>THHATEの状態が成立した時間の積算値が、判定時間TMTHOPN,TMTHCLSに達したときに、スロットル弁制御装置6が故障していると判定してもよい。
【0042】
また、実施形態は、判定値THHATEを算出するための補正係数KTHHATEをバッテリ電圧VBに応じて算出した例であるが、補正係数KTHHATEは、これに限らず、バッテリ16の電力を表すパラメータに応じて算出すればよい。例えば、バッテリ16の充電残量をバッテリ電圧VBおよびバッテリ16の電流値に基づいて算出し、この充電残量に応じて補正係数KTHHATEを算出してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明のスロットル弁制御装置の故障判定装置によれば、目標開度が急激に変化した場合でも、誤判定を防止しながら高い判定精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る故障判定装置およびこれを適用した内燃機関のスロットル弁制御装置を示している。
【図2】スロットル弁制御装置の故障判定処理を示すフローチャートである。
【図3】テーブル値THHATEBL算出用のテーブルの一例を示す図である。
【図4】補正係数KTHHATE算出用のテーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 故障判定装置
3 DBW・ECU(予測開度算出手段、判定手段、判定時間設定手段、判定値設定手段)
4 内燃機関
6 スロットル弁制御装置
8 スロットル弁
11 スロットル弁開度センサ(実開度検出手段)
16 バッテリ(電源)
VB バッテリ電圧(電力を表すパラメータ)
THLDBW 実開度
DCCMD 目標開度
THHAT 予測開度
DLTHHAT 開度偏差
THHATE 判定値
KTHHATE 補正係数
TMTHOPN 開弁側の判定時間
TMTHCLS 閉弁側の判定時間
Claims (4)
- 内燃機関のスロットル弁の目標開度を算出するとともに、当該算出した目標開度を目標として前記スロットル弁の開度を制御するスロットル弁制御装置の故障を判定するスロットル弁制御装置の故障判定装置であって、
前記スロットル弁の実際の開度である実開度を検出する実開度検出手段と、
予測アルゴリズムに基づき、前記目標開度に応じて前記スロットル弁の開度の予測値である予測開度を算出する予測開度算出手段と、
当該算出された予測開度および前記検出された実開度に基づき、前記スロットル弁制御装置の故障を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とするスロットル弁制御装置の故障判定装置。 - 前記判定手段は、前記予測開度と前記実開度との開度偏差を算出するとともに、当該算出した開度偏差の絶対値が所定の判定値よりも大きい状態にある時間が所定の判定時間以上になったときに、前記スロットル弁制御装置が故障していると判定することを特徴とする請求項1に記載のスロットル弁制御装置の故障判定装置。
- 前記判定手段は、
前記所定の判定時間を、前記スロットル弁が開弁方向に制御されている場合と閉弁方向に制御されている場合とで、互いに異なる値に設定する判定時間設定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のスロットル弁制御装置の故障判定装置。 - 前記スロットル弁制御装置は、当該スロットル弁制御装置に電力を供給するための電源を備えており、
前記判定手段は、
当該電源の電力に応じて、前記所定の判定値を設定する判定値設定手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載のスロットル弁制御装置の故障判定装置。
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