JP2008297946A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の制御装置に関し、外部負荷トルクが発生した場合であっても、機関回転数を可及的に一定に保つことを目的とする。
【解決手段】本発明の内燃機関の制御装置は、点火時期を補正することにより外部負荷要求に対処する点火時期補正手段と、筒内に流入する空気量を補正することにより外部負荷要求に対処する空気量補正手段とを備える。外部負荷要求検知時点での点火時期が判定値より遅角側である場合には、空気量補正手段によらず点火時期補正手段によって外部負荷要求に対処し、外部負荷要求検知時点での点火時期が判定値より進角側である場合には、点火時期補正手段によらず、あるいは点火時期補正手段とともに、空気量補正手段によって外部負荷要求に対処する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
車両の停車中にエンジンがアイドル運転をしているときに、振動や騒音、あるいはエンジンストールなどを防止するためには、アイドル回転数をなるべく一定に保つことが重要となる。その要請に応えるため、点火時期によってアイドル回転数をフィードバック制御する技術が、従来より知られている。特開2006−90218号公報には、そのフィードバック制御のフィードバックゲインを、自動変速機が駆動レンジにある場合と非駆動レンジにある場合とで異なる値に設定する技術が開示されている。
特開2006−90218号公報 特開平5−10192号公報 実開平3−6062号公報 特開平9−68083号公報 特開2002−138885号公報 特開昭63−235642号公報
アイドル運転中のエンジンの外部負荷トルクは、オルタネータや空調用エアコンプレッサなどの補機類のオン・オフや、自動変速機のレンジなどによって、変化する。外部負荷トルクが発生した場合、上記アイドル回転数フィードバック制御は、通常は、点火時期を進角してエンジントルクを高めることにより、アイドル回転数を一定に保つように作用する。
しかしながら、外部負荷トルクが発生する前に、点火時期が既にMBT(Minimum advance for the Best Torque)付近にされている場合もある。例えば、外気温の低いときに重質燃料が使用されたような場合には、冷間ファーストアイドル時に燃料が蒸発しにくく、筒内で燃焼に寄与する燃料量が少なくなり易い。その結果、所期のエンジントルクが得られず、アイドル回転数が目標回転数より低くなる。これに対し、アイドル回転数フィードバック制御は、アイドル回転数を上昇させるべく、点火時期を進角してMBTに近づけるように作用する。このような状態のときに、外部負荷トルクが発生すると、点火時期が既にMBT付近にあるため、点火時期を変えても、その外部負荷トルクを賄うだけのエンジントルクの増大が得られず、その結果、アイドル回転数が落ち込んでしまうという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、外部負荷トルクが発生した場合であっても、機関回転数を可及的に一定に保つことのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
機関回転数を目標回転数に保つように制御する回転数制御手段と、
外部負荷要求を検知する検知手段と、
を備え、
前記回転数制御手段は、前記検知手段により外部負荷要求が検知された場合に、その検知時点での点火時期に基づいて、その外部負荷要求に対処する方法を切り替える対処方法切替手段を含むことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記回転数制御手段は、
点火時期を補正することにより外部負荷要求に対処する点火時期補正手段と、
筒内に流入する空気量を補正することにより外部負荷要求に対処する空気量補正手段と、
を含み、
前記対処方法切替手段は、前記検知時点での点火時期が判定値より遅角側である場合には、前記空気量補正手段によらず前記点火時期補正手段によって外部負荷要求に対処し、前記検知時点での点火時期が前記判定値より進角側である場合には、前記点火時期補正手段によらず、あるいは前記点火時期補正手段とともに、前記空気量補正手段によって外部負荷要求に対処することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記検知手段により外部負荷要求が検知された場合に、その外部負荷要求による外部負荷トルクが大きい場合ほど、前記判定値を遅角側に設定する判定値設定手段を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記空気量補正手段によって外部負荷要求に対処する場合に、筒内に流入する空気量の応答遅れに関する指標を算出する応答遅れ算出手段と、
前記応答遅れ算出手段の算出結果に基づいて、その外部負荷要求による外部負荷トルクの立ち上がりを制御する外部負荷制御手段と、
を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、機関回転数を目標回転数に保つように制御する場合において、外部負荷要求が検知された場合に、その検知時点での点火時期に基づいて、その外部負荷要求に対処する方法を切り替えることができる。外部負荷要求の検知時点で、点火時期が遅角側にある場合、つまり点火時期進角幅が残されている場合には、迅速なエンジントルクアップが可能な、点火時期の進角によって外部負荷要求に対処することが好ましい。これに対し、外部負荷要求の検知時点で、点火時期が既に進角側にあり、十分な点火時期進角幅が残されていない場合には、他の方法で外部負荷要求に対処することが必要となる。このようなことから、外部負荷要求に対する最適な対処方法は、外部負荷要求が検知されたときの点火時期に応じて異なる。第1の発明によれば、外部負荷要求が検知されたときの点火時期に応じて、その外部負荷要求に対処する方法を切り替えるので、より適切な対処方法を選択することができる。その結果、機関回転数をより高い精度で目標回転数に維持することができる。
第2の発明によれば、外部負荷要求検知時点での点火時期が判定値より遅角側である場合には、空気量補正手段によらず点火時期補正手段によって外部負荷要求に対処し、外部負荷要求検知時点での点火時期が上記判定値より進角側である場合には、点火時期補正手段によらず、あるいは点火時期補正手段とともに、空気量補正手段によって外部負荷要求に対処することができる。すなわち、第2の発明によれば、外部負荷要求の検知時点で、点火時期進角幅が残されている場合には、点火時期の進角によって外部負荷要求に対処するので、迅速なエンジントルクアップが可能である。このため、機関回転数の落ち込みをより確実に抑制することができる。一方、外部負荷要求の検知時点で、十分な点火時期進角幅が残されていない場合には、空気量を補正してエンジントルクをアップすることにより、外部負荷要求に対処することができる。このため、外部負荷要求の検知時点で十分な点火時期進角幅が残されていない場合であっても、機関回転数の落ち込みを十分に抑制しつつ、外部負荷トルクの入力を迅速に許可することができる。
第3の発明によれば、第2の発明において、検知された外部負荷要求による外部負荷トルクが大きい場合ほど、上記判定値を遅角側に設定することができる。点火時期補正手段によって外部負荷要求に対処するためには、外部負荷トルクが大きい場合ほど、それだけ大きな点火時期進角幅が残されていることが必要となる。第3の発明によれば、このようなことに鑑みて、外部負荷トルクの大きさに応じて、上記判定値をより適切な値に設定することができる。
第4の発明によれば、空気量補正手段によって外部負荷要求に対処する場合に、筒内に流入する空気量の応答遅れに関する指標を算出し、その算出結果に基づいて、外部負荷要求による外部負荷トルクの立ち上がりを制御することができる。空気量補正手段によってエンジントルクをアップさせる場合には、筒内流入空気量に応答遅れが生ずるので、エンジントルクにも応答遅れが生ずる。第4の発明によれば、そのエンジントルクの応答遅れに合わせて外部負荷トルクの立ち上がりを制御することができるので、機関回転数の落ち込みをより確実に抑制することができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステムの構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、車両に搭載された内燃機関10を備えている。内燃機関10の気筒数および気筒配置は特に限定されるものではない。内燃機関10の各気筒内には、ピストン12が設けられている。各気筒内には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16には、電子制御式のスロットルバルブ20が設けられている。スロットルバルブ20の近傍には、スロットルバルブ20の開度(以下、「スロットル開度」と称する)を検出するスロットルポジションセンサ22が設けられている。また、排気通路18には、排気ガスを浄化するための触媒26が配置されている。
内燃機関10の各気筒には、吸気ポート内に燃料を噴射する燃料インジェクタ28と、燃焼室内の混合気に点火するための点火プラグ30と、吸気弁32と、排気弁36とが更に設けられている。なお、本発明は、図示のようなポート噴射式機関に限らず、筒内直接噴射式機関や、ポート噴射と筒内直接噴射とを併用する機関にも適用可能である。
内燃機関10のクランク軸24の近傍には、クランク軸24の回転角度(クランク角)を検出するためのクランク角センサ42が設けられている。また、アクセルペダルの近傍には、アクセルペダル位置を検出するアクセルポジションセンサ44が設置されている。
本システムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述したスロットルポジションセンサ22、クランク角センサ42、アクセルポジションセンサ44等の各種センサや、上述したスロットルバルブ20、燃料インジェクタ28、点火プラグ30等の各種アクチュエータがそれぞれ電気的に接続されている。
また、ECU50には、オルタネータ52と、車室内を空調する空調装置54と、自動変速機56とがそれぞれ電気的に接続されている。また、ECU50には、車両で消費される電力(ワイパー、ブロアモータ、オーディオ等)を表す電気負荷信号が入力される。ECU50は、電気負荷信号等に基づいて、オルタネータ54のオン/オフや、オン状態での発電量を制御する。
[実施の形態1の特徴]
オルタネータ52や空調装置54のコンプレッサは、内燃機関10によって駆動される。このため、内燃機関10のアイドル運転時、オルタネータ52や、空調装置54のコンプレッサがオン状態となると、それらに消費されるトルクが外部負荷トルクとして内燃機関10に作用する。また、自動変速機56のレンジ位置がニュートラルレンジあるいはパーキングレンジから、ドライブレンジあるいはリバースレンジへと切り替えられると、自動変速機56内のトルクコンバータが滑り状態となるので、その流体摩擦抵抗が外部負荷トルクとして内燃機関10に作用する。
アイドル運転時、ECU50は、それらの外部負荷トルクに抗して、機関回転数(以下「アイドル回転数」という)を目標回転数に保つように制御する機能を有している。このアイドル回転数制御には、点火時期による回転数フィードバック制御(以下「点火時期フィードバック制御」と称する)と、空気量補正制御とが含まれる。
点火時期フィードバック制御は、実際のアイドル回転数が目標回転数より低い場合には、点火時期を進角させてエンジントルクを増大させる一方、実際のアイドル回転数が目標回転数より高い場合には、点火時期を遅角させてエンジントルクを減少させるように作用する。
空気量補正制御は、外部負荷要求があった場合に、スロットル開度を大きくして筒内へ流入する空気量を増大させてエンジントルクを増大させることにより、外部負荷トルクを賄いつつアイドル回転数を低下させないように作用する。なお、外部負荷要求とは、本実施形態の場合には、オルタネータ52あるいは空調装置54のコンプレッサをオフ状態からオン状態へ切り替えることの要求や、自動変速機56のシフトレバー位置が「N」あるいは「P」から「D」あるいは「R」へ切り替えられたことを示す信号などである。
点火時期を変更すると、エンジントルクを迅速に変化させることができる。これに対し、スロットル開度が増大してからスロットルバルブ20の通過空気量が増加するまでの間や、スロットルバルブ20の通過空気量が増大してから筒内流入空気量が増加するまでの間には、時間遅れが生ずる。このため、スロットル開度を増大させてからエンジントルクが実際に増大するまでには、時間遅れが生ずる。このようなことから、点火時期フィードバック制御は、空気量補正制御に比して、即応性に優れるという利点がある。
ところで、点火時期の進角によって外部負荷要求に対処するためには、その外部負荷要求の発生時に、点火時期の進角幅が十分に残されていること、すなわち点火時期がMBT(Minimum advance for the Best Torque)に比して十分に遅角側にあることが必要である。しかしながら、点火時期フィードバック制御が実行されている場合には、外部負荷要求の発生時に、点火時期が既にMBT付近になっている場合もある。例えば、外気温の低いときに重質燃料が使用されたような場合には、冷間ファーストアイドル時に燃料が蒸発しにくいため、筒内で燃焼に寄与する燃料量が少なくなり易い。その結果、所期のエンジントルクが得られず、アイドル回転数が目標回転数より低くなる。このため、点火時期フィードバック制御が、アイドル回転数を上昇させるべく、点火時期を進角させるので、点火時期がMBT付近となってしまう。このような状態で外部負荷要求が発生した場合には、点火時期を進角させても、要求される外部負荷トルクを賄うだけのエンジントルクアップが得られない場合がある。
そこで、本実施形態のアイドル回転数制御では、外部負荷要求が検知された場合に、その外部負荷要求に対し、点火時期フィードバック制御によって対処するか、あるいは空気量補正制御によって対処するかを、その時点で設定されている点火時期に基づいて選択することとした。図2は、そのような本実施形態のアイドル回転数制御を説明するためのタイミングチャートである。
図2は、時刻t1において外部負荷要求が発生した場合を示している。この時刻t1以前においては、点火時期フィードバック制御が実行されている。図2中、実線は、外部負荷要求発生時の点火時期が遅角側にある場合を示している。この場合を以下「パターンA」という。これに対し、破線は、外部負荷要求発生時の点火時期が進角側にある場合を示している。この場合を以下「パターンB」という。
図2(d)に示すように、パターンAの場合には、時刻t1において、点火時期の進角幅が十分に残されている。このため、外部負荷要求に対し、点火時期の進角によって対処することが可能である。そこで、本実施形態では、パターンAの場合には、外部負荷要求が検知された時刻t1以降も、点火時期フィードバック制御を継続することとした。これにより、図2(c)および(d)に示すように、外部負荷トルクが立ち上がるのに応じて点火時期が進角されることにより、エンジントルクが増大する。その結果、図2(a)に示すように、アイドル回転数を可及的に一定に保つことができる。なお、パターンAの場合には、空気量補正制御は実行されないので、図2(e)および(f)に示すように、スロットル開度および筒内流入空気量は一定に維持される。
これに対し、パターンBの場合には、図2(d)に示すように、時刻t1において、点火時期が既にMBT付近であるので、十分な点火時期進角幅が残されていない。このため、外部負荷要求に対し、点火時期の進角のみで対処することは困難である。そこで、本実施形態では、パターンBの場合には、外部負荷要求が検知された時刻t1以降は、空気量補正制御を実行することとした。つまり、この場合には、図2(e)に示すように、外部負荷要求に応じてスロットル開度が増大され、その結果、図2(f)に示すように、筒内流入空気量が増加してエンジントルクが増大する。これにより、図2(a)に示すように、アイドル回転数を可及的に一定に保つことができる。
パターンBの場合には、図2(e)および(f)に示すように、スロットル開度が増大してから筒内流入空気量が実際に増加するまでの間に時間遅れがあるので、エンジントルクに応答遅れが生ずる。そこで、本実施形態では、パターンBの場合には、スロットル開度が増大した後の筒内流入空気量の挙動を推測し、その推測結果に基づいて、スロットル開度が増大した時刻t1よりやや遅れて外部負荷トルクが立ち上がるように制御することとした(図2(c)参照)。これにより、エンジントルクの応答遅れによってアイドル回転数が一時的に落ち込むことを十分に抑制することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図3および図4は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。これらのルーチンによれば、まず、外部負荷要求があるか否かが判別される(図3のステップ100)。ここでは、電気負荷信号や、空調装置54のスイッチ、自動変速機56のシフトレバー位置などに基づいて、外部負荷要求の有無が判別される。
上記ステップ100で、外部負荷要求があると判別された場合には、次に、現在(または直前)の点火時期[degBTDC]が所定の閾値(判定値)より小さいか否か、つまり点火時期が閾値より遅角側であるか否かが判別される(ステップ102)。この閾値とは、外部負荷トルク分のエンジントルクアップが可能な点火時期進角幅が残されているか否かの境界となるような点火時期に設定されている。
上記ステップ102で、点火時期が閾値より小さい(遅角側である)と判別された場合は、点火時期フィードバック実行条件フラグがオンのままとされる(ステップ104)。これにより、点火時期フィードバック制御が継続され、点火時期フィードバック制御によって外部負荷要求に対処することとなる。すなわち、この場合は、前述した図2中のパターンAに相当する。
これに対し、上記ステップ102で、点火時期が閾値より大きい(進角側である)と判別された場合は、点火時期フィードバック実行条件フラグがオフとされるとともに(ステップ106)、空気補正フラグがオンとされる(ステップ108)。これにより、点火時期フィードバック制御は中止され、空気量補正制御が開始される。この場合は、前述した図2中のパターンBに相当する。
空気量補正制御は、図4に示すルーチンによって行われる。このルーチンによれば、まず、空気補正フラグがオンであるか否かが判別され(ステップ110)、空気補正フラグがオンであることが認められた場合には、スロットル開度が増加方向に補正される(ステップ112)。このときのスロットル開度補正量は、予想される外部負荷トルクの大きさ(以下「外部負荷トルク要求値」という)に応じて設定されることが好ましい。
次いで、筒内流入空気量のむだ時間および時定数が算出される(ステップ114)。このむだ時間とは、図2(f)中のΔT1で表される時間であり、時定数とは、筒内流入空気量が増加し始めてから最終値に落ち着くまでに要する時間に関する値である。ここでは、むだ時間および時定数が、外部負荷トルク要求値、スロットル開度、吸入空気量等に基づいて、所定のエアモデルを用いて、算出される。
続いて、上記ステップ114で算出されたむだ時間および時定数に基づいて、外部負荷トルクの立ち上がりが制御される(ステップ116)。ここでは、上記むだ時間および時定数から求められる応答遅れを伴ったエンジントルクの立ち上がりに合わせて外部負荷トルクが立ち上がるようにするべく、外部負荷トルクの入力タイミング遅延量(図2(c)中のΔT2)と、外部負荷トルクの立ち上がり勾配との少なくとも一方が制御される。
以上説明したように、本実施形態によれば、アイドル運転時に外部負荷要求があったときに、外部負荷トルク分のエンジントルクアップが可能な点火時期進角幅が残されている場合には、点火時期フィードバック制御によってその外部負荷要求に対処する。点火時期フィードバック制御は、即応性に優れるので、この場合には、アイドル回転数を目標回転数に精度良く維持することができる。
また、本実施形態によれば、アイドル運転時に外部負荷要求があったときに、外部負荷トルク分のエンジントルクアップが可能な点火時期進角幅が残されていない場合であっても、空気量補正制御によってその外部負荷要求に対処することができる。このため、外部負荷要求があったときに点火時期がMBT付近にあったような場合であっても、アイドル回転数の落ち込みを十分に抑制することができる。
また、本実施形態では、空気量補正制御によって外部負荷要求に対処する場合に、点火時期フィードバック制御を中止することとしている(図3のステップ106)。このため、空気量補正制御と点火時期フィードバック制御とが干渉することがなく、安定した制御性が得られる。なお、本発明では、空気量の補正によって外部負荷要求に対処する場合に、点火時期の補正によって外部負荷要求に対処する制御を継続するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、上記ステップ102の閾値を、外部負荷トルク要求値に応じて変化させてもよい。すなわち、外部負荷トルク要求値が大きいほど、それに対処するために必要な点火時期進角幅が大きくなるので、閾値を遅角側に設定することが好ましい。一方、外部負荷トルク要求値が小さい場合には、点火時期進角幅は少なくて済むので、閾値を進角側に設定することが好ましい。
また、本発明では、外部負荷トルク要求値が大きい場合(例えば、複数の電気負荷が重なったような場合)には、点火時期フィードバック制御と空気量補正制御との両方を用いて外部負荷要求に対処するようにしてもよい。すなわち、点火時期の進角によって賄えるエンジントルクアップで足りない分を、空気量補正制御によるエンジントルクアップで賄うようにしてもよい。その場合、点火時期の進角によるエンジントルクアップは迅速な応答性を有するが、空気量補正制御によるエンジントルクアップには応答遅れが生ずる。そこで、複数の電気負荷に優先順位を付し、その順番で電気負荷の入力を順次許可するようにすることにより、エンジントルクアップの立ち上がり方に合わせて外部負荷トルクの立ち上がり方を制御するようにしてもよい。これにより、外部負荷トルク要求値が大きい場合であっても、アイドル回転数の落ち込みをより確実に防止することができる。
また、本実施形態のシステムでは、空気量補正制御の場合、スロットルバルブ20によって空気量を補正しているが、本発明では、空気量補正に用いるアクチュエータはスロットルバルブ20に限定されるものではない。例えば、吸気弁32の作用角やリフト量を連続的に可変とする可変動弁装置を備えた内燃機関の場合には、吸気弁32の作用角やリフト量を変化させることによって空気量を補正してもよい。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上述した点火時期フィードバック制御および空気量補正制御を実行することにより前記第1の発明における「回転数制御手段」が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「検知手段」が、上記ステップ102〜108の処理を実行することにより前記第1の発明における「対処方法切替手段」が、上述した点火時期フィードバック制御を実行することにより前記第2の発明における「点火時期補正手段」が、上述した空気量補正制御を実行することにより前記第2の発明における「空気量補正手段」が、外部負荷トルク要求値が大きいほど上記閾値を遅角側に設定することにより前記第3の発明における「判定値設定手段」が、上記ステップ114の処理を実行することにより前記第4の発明における「応答遅れ算出手段」が、上記ステップ116の処理を実行することにより前記第4の発明における「外部負荷制御手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1のアイドル回転数制御を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 ピストン
16 吸気通路
18 排気通路
20 スロットルバルブ
26 触媒
32 吸気弁
36 排気弁
50 ECU

Claims (4)

  1. 機関回転数を目標回転数に保つように制御する回転数制御手段と、
    外部負荷要求を検知する検知手段と、
    を備え、
    前記回転数制御手段は、前記検知手段により外部負荷要求が検知された場合に、その検知時点での点火時期に基づいて、その外部負荷要求に対処する方法を切り替える対処方法切替手段を含むことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記回転数制御手段は、
    点火時期を補正することにより外部負荷要求に対処する点火時期補正手段と、
    筒内に流入する空気量を補正することにより外部負荷要求に対処する空気量補正手段と、
    を含み、
    前記対処方法切替手段は、前記検知時点での点火時期が判定値より遅角側である場合には、前記空気量補正手段によらず前記点火時期補正手段によって外部負荷要求に対処し、前記検知時点での点火時期が前記判定値より進角側である場合には、前記点火時期補正手段によらず、あるいは前記点火時期補正手段とともに、前記空気量補正手段によって外部負荷要求に対処することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記検知手段により外部負荷要求が検知された場合に、その外部負荷要求による外部負荷トルクが大きい場合ほど、前記判定値を遅角側に設定する判定値設定手段を備えることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記空気量補正手段によって外部負荷要求に対処する場合に、筒内に流入する空気量の応答遅れに関する指標を算出する応答遅れ算出手段と、
    前記応答遅れ算出手段の算出結果に基づいて、その外部負荷要求による外部負荷トルクの立ち上がりを制御する外部負荷制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関の制御装置。
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