JP4120614B2 - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の始動制御装置に関する。
従来の内燃機関において、膨張行程の途中にある所定のクランク角範囲でクランク軸を停止させ、始動時に膨張行程の筒内空気量に応じた燃料を供給、あるいは筒内残留の未燃混合気を点火燃焼させることにより始動させるようにしたルノアール・サイクル・スタート式内燃機関が知られている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭60−128975号公報 特開2002−317740号公報 特開平11−107823号公報 特開平2−271073号公報 特開2003−3887号公報
ところで、機関停止時に膨張行程にある気筒に未燃混合気を残留させた場合には、この未燃混合気が自着火してしまう、すなわち、点火信号がONしていないのに燃焼してしまう可能性がある。また、始動時に膨張行程にある気筒内の未燃混合気を点火燃焼させた場合には、燃焼の広がりが遅く、良好な始動性を確保するのが困難となる場合がある。
そして、車両の停止期間中に内燃機関の運転を自動的に停止させるシステム(いわゆる、アイドルストップシステム)においては、内燃機関の運転停止と始動とが頻繁に繰り返される場合があるため、始動性のさらなる向上が望まれている。
本発明は、上記したような事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の始動性をより向上することができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明は、内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測することにより内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測し、内燃機関の運転停止条件が成立して燃料噴射弁の作動が停止した後であって機関出力軸の回転が停止する直前に、停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させて、内燃機関の運転停止時に該停止時圧縮行程気筒に燃料を封入し、その後の始動時には該停止時圧縮行程気筒内の燃料を燃焼させることにより、燃料が燃焼する時に発生する圧力を利用して内燃機関を始動させるものである。
ここで、停止時圧縮行程気筒を予測しても、内燃機関の実際の運転停止時において予測通りに該停止時圧縮行程気筒が圧縮行程にあるとは限らない。これは、内燃機関のフリクションの影響や自動変速機の状態の影響によるものと考えられ、本発明においては、特に、これらの影響を考慮することにより、機関出力軸の回転が停止する位置や停止時圧縮行程気筒をより正確に予測することにより始動性の向上を図るものである。
本発明は、具体的には、内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止さ
せる運転停止手段と、
前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
前記機関出力軸の回転が停止した場合の停止位置を検出する停止位置検出手段と、
前記停止位置検出手段により検出された前記機関出力軸の停止位置と、前記予測手段により予測された前記機関出力軸の停止位置とのズレを算出する位置ズレ算出手段と、
前記位置ズレ算出手段により算出されたズレ量が所定値以上の場合に、該ズレ量に基づいて、前記予測手段により予測される停止位置を補正する補正手段と、
をさらに備えることを特徴とする。
例えば、内燃機関のフリクションなどによる損失が減少した場合には、燃料噴射弁、及び、点火栓の作動が停止してから、機関出力軸の回転が停止するまでの時間(機関出力軸の回転角度)は機関損失減少前よりも長くなる。すなわち、内燃機関の損失が減少した場合には、予測された機関出力軸の停止位置よりも後ろ(回転角度が大きい側)で停止することとなる。したがって、停止位置検出手段により検出された機関出力軸の停止位置が、予測された機関出力軸の停止位置よりも後方(回転角度が大きい側)にズレた場合には、前記予測手段により予測される機関出力軸の停止位置を回転角度が大きくなるように補正するとよい。この場合、ズレ量が大きくなる程、回転角度が大きくなるように補正するとよい。
また、内燃機関のフリクションなどによる損失が増加した場合、燃料噴射弁、及び、点火栓の作動が停止してから、機関出力軸の回転が停止するまでの時間(回転角度)は機関損失増加前よりも短くなる。すなわち、内燃機関の損失が増加した場合には、予測された機関出力軸の停止位置よりも前(回転角度が小さい側)で停止することとなる。したがって、停止位置検出手段により検出された機関出力軸の停止位置が、予測された機関出力軸の停止位置よりも前方(回転角度が小さい側)にズレた場合には、前記予測手段により予測される機関出力軸の停止位置を回転角度が小さくなるように補正するとよい。この場合、ズレ量が大きくなる程、回転角度が小さくなるように補正するとよい。なお、停止直前では圧縮行程の反力が作用し機関出力軸の停止位置が戻される場合があるが、この場合には、停止直前の到達角度で補正をかけてもよい。
ここで、予測手段としては、例えば、燃料噴射弁、及び、点火栓の作動が停止してから、機関出力軸の回転が停止するまでの機関停止所要期間において、機関回転数が特定の回転数まで低下したときの回転角度をパラメータとして、機関停止時の回転角度を予測する方法を例示することができる。また、燃料噴射弁、及び、点火栓の作動が停止すると、内燃機関は機関出力軸を回転させるトルクを発生しなくなり、機関出力軸は慣性力のみで回転するようになる。そこで、慣性力(回転エネルギー)が特定の慣性力まで低下したときの回転角度をパラメータとして、機関停止時の回転角度を予測してもよい。また、機関回転数や慣性力のかわりに、機関出力軸が所定間隔回転する時間を用いてもよい。
また、内燃機関を(自動的に)停止させる運転停止条件としては、例えば、車速がゼロであること、ブレーキスイッチがオンである(ブレーキペダルが踏まれている、あるいはパーキングブレーキが操作されている)こと、アクセルペダルが踏まれていないこと、内燃機関の水温が所定温度以上である(内燃機関が暖機状態にある)こと、自動変速機が走
行レンジ(例えば、D(ドライブ)レンジ)または非走行レンジ(N(ニュートラル)レンジ)にあること、バッテリー充電量が所定値を下回っていない(この状況としては、例えばエアコン用のコンプレッサやオルタネータを作動させる必要がない)こと、などが挙げられる。なお、車速がゼロであることに代えて、車速がゼロであるか車両が停止に至る減速状態であるかのいずれかであることを、運転停止条件の一つとしてもよい。
また、本発明は、内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより低下する機関回転数に基づいて内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
前記予測手段は、前記運転停止手段が前記燃料噴射弁、及び、前記点火栓の作動を停止させた後の機関回転数の所定時間当たりの機関回転数低下率を予測するものであり、
前記予測手段により予測された機関回転数低下率が基準低下率からズレた場合、ズレ量に基づいて前記予測手段により予測される機関回転数低下率を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする。
例えば、内燃機関のフリクションなどによる損失が減少した場合、燃料噴射弁、及び、点火栓の作動が停止してからの機関回転数低下率(機関出力軸の停止直前の回転状態)は、損失減少前よりも小さくなる。すなわち、内燃機関の損失が減少した場合には、予測された機関出力軸の停止位置よりも後ろ(回転角度が大きい側)で停止することとなる。したがって、予測手段により予測された機関回転数低下率が基準低下率より小さくなった場合には、予測手段により予測される機関回転数低下率が小さくなるように補正するとよい。この場合、ズレ量が大きくなる程、機関回転数低下率が小さくなるように補正するとよい。
また、内燃機関のフリクションなどによる損失が増加した場合、燃料噴射弁、及び、点火栓の作動が停止してからの機関回転数低下率は、損失増加前よりも大きくなる。すなわち、内燃機関の損失が増加した場合には、予測された機関出力軸の停止位置よりも前(回転角度が小さい側)で停止することとなる。したがって、予測手段により予測された機関回転数低下率が基準低下率より大きくなった場合には、前記予測手段により予測される機関回転数低下率が大きくなるように補正するとよい。この場合、ズレ量が大きくなる程、機関回転数低下率が大きくなるように補正するとよい。
また、本発明は、内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
自動変速機の変速段に基づいて、前記予測手段により予測される停止位置を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする。
機関停止所要期間において自動変速機がDレンジなどの走行レンジの場合には、トルクコンバータによる損失分が加わるため、非走行レンジ(Nレンジ)の場合よりも内燃機関の損失が増加することとなる。したがって、自動変速機がDレンジなどの走行レンジの場合には、燃料噴射弁、及び、点火栓の作動が停止してから機関出力軸の回転が停止するまでの回転角度は、予測された機関出力軸の停止位置よりも前(回転角度が小さい側)で停止することとなる。したがって、自動変速機が走行レンジの場合には、前記予測手段により予測される機関出力軸の停止位置を回転角度が小さくなるように補正するとよい。また、機関停止所要期間において自動変速機が非走行レンジの場合には、前記予測手段により予測される機関出力軸の停止位置を回転角度が大きくなるように補正してもよい。
また、本発明は、内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
前記運転停止手段が、車両走行中において運転停止条件が成立したとして前記燃料噴射弁、及び、前記点火栓の作動を停止させる場合であり、かつ、自動変速機が走行レンジの場合に、前記予測手段により予測される停止位置を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする。
ここで、車両走行中において運転停止条件が成立する場合とは、例えば、車両が停止に至る減速状態であることが、運転停止条件に含まれている場合である。また、運転停止手段が燃料噴射弁、及び、点火栓の作動を停止させてから所定時間経過後に、機関出力軸の回転が停止したかどうかを判定する停止判定手段により機関出力軸の回転が停止していないと判定された場合に、車両走行中において運転停止条件が成立したとしてもよい。
車両走行中において運転停止条件が成立したとして燃料噴射弁、及び、点火栓の作動を停止させた場合であって、自動変速機が走行レンジの場合には、トルクコンバータの回転が機関出力軸に伝達され内燃機関が逆駆動されて回転する状態となり、内燃機関のフリクションなどによる損失が減少する傾向にある。すなわち、このような場合、燃料噴射弁、及び、点火栓の作動が停止してから機関出力軸の回転が停止するまでの回転角度は、予測された機関出力軸の停止位置よりも後方(回転角度が大きい側)となる。したがって、このような場合には、予測手段により予測される機関出力軸の停止位置を回転角度が大きくなるように補正するとよい。
また、本発明においては、停止時圧縮行程気筒に加えて、さらに、内燃機関の運転停止時に吸気行程となる停止時吸気行程気筒に対しても燃料噴射を行うことにより、内燃機関の始動性の向上を図るものである。
この場合、停止時吸気行程気筒に対する燃料噴射の噴射時期については、機関運転停止
時において予測される機関出力軸の停止予測位置や、実際の停止位置に基づいて切り換えて行っている。
本発明は、具体的には、内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
前記予測手段は、さらに、予測される前記機関出力軸の停止位置から吸気行程にある停止時吸気行程気筒を予測し、
前記燃料噴射制御手段は、さらに、前記予測手段により予測される停止時吸気行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させるものであって、該燃料噴射弁の作動期間(作動時期、作動時間、作動量など)を前記予測手段により予測される前記機関出力軸の停止位置に基づいて切り替え、
前記始動制御手段は、さらに、前記予測手段により予測された停止時吸気行程気筒の点火栓を作動させることを特徴とする。
また、前記機関出力軸の回転停止位置を検出する停止位置検出手段をさらに備え、
前記燃料噴射制御手段は、
前記予測手段により前記機関出力軸の停止位置は停止時吸気行程気筒のピストンの停止位置が下死点近傍となる位置であると予測される場合は、前記機関出力軸の回転が停止する直前に前記燃料噴射弁を作動させ、
前記予測手段により前記機関出力軸の停止位置は停止時吸気行程気筒のピストンの停止位置が下死点近傍となる位置にはないと予測される場合は、機関始動時に前記燃料噴射弁を作動させ、
前記予測手段により停止時吸気行程気筒のピストンの停止位置は下死点近傍となる位置にはないと予測された前記機関出力軸の停止位置が、前記停止位置検出手段により該ピストンの停止位置が下死点近傍となる位置であると検出された場合は、前記機関出力軸の回転停止時に前記燃料噴射弁を作動させることも好ましい。
また、前記燃料噴射制御手段は、前記機関出力軸の回転が停止する直前、または、前記機関出力軸の回転停止時に前記燃料噴射弁を作動させた後、該機関出力軸の回転停止時間が所定時間を越えた場合には、さらに前記燃料噴射弁を作動させることも好ましい。
ここで、機関始動時に停止時圧縮行程気筒の点火栓が作動した場合に、ノックや有害な振動や騒音が発生してしまう可能性がある。これは、停止時圧縮行程気筒は、内燃機関の運転停止時に封入可能な容量(容積)が停止時の位置により異なるためで、内燃機関の運転停止時に多くの吸気を封入している場合には、機関始動時の点火栓の作動により着火する際の発生トルクが急激に大きくなってしまうことによるものと考えられる。そこで、本発明においては、機関出力軸の停止位置に基づいて点火時期を切り換えている。
本発明は、具体的には、内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
前記機関出力軸の回転停止位置を検出する停止位置検出手段をさらに備え、
前記始動制御手段は、前記停止位置検出手段により検出された前記機関出力軸の停止位置に基づいて、点火栓を作動させる点火時期を切り替えることを特徴とする。
ここで、機関出力軸の停止位置において、停止時圧縮行程気筒のピストンの停止位置が下死点寄りとなる程、点火時期を遅角させるとよい。これにより、多くの吸気が気筒内に封入されていても、機関始動時の点火栓の作動により着火する際の発生トルクが急激に大きくなることを抑制することができ、ノックや有害な振動や騒音の発生を抑制することが可能となる。
また、内燃機関に吸入される空気の流量に基づいて燃料噴射量が算出される場合において、内燃機関に吸入される空気の流量を検出する吸入空気量検出手段は、通常、吸気通路の途中に設けられるものである。このため、機関始動時においては、吸入空気量検出手段と気筒との間の吸気通路内に存在する空気が気筒に吸入されるため、吸入空気量検出手段の検出値を有効に活用することができない期間が存在する。
そこで、本発明においては、吸入空気量検出手段が有効となるまでは、吸入空気量検出手段と気筒との間の吸気通路内の容量などの影響を考慮して気筒内に吸入される空気量を予測するものである。
本発明は、具体的には、内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
機関始動後の所定期間の間、機関回転数と、前記機関出力軸の停止位置と、吸気通路内の容量と、吸気行程が行われた回数とに基づいて、気筒内に吸入される空気量を予測し、予測された空気量から該気筒に対する燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
を備えることを特徴とする。
ここで、燃料噴射量算出手段は、上記のパラメータに加えてさらに、吸気通路内を流れる吸気の流量を調整する吸気絞り弁(スロットル弁)から上流側に漏れる空気量や、吸気絞り弁をバイパスするバイパス通路を通って流れる空気量を制御することによりアイドル時の機関吸入空気量を調節して機関のアイドル回転数を目標回転数に制御する弁(いわゆるアイドルスピードコントロール弁)から上流側に漏れる空気量をも考慮することにより、気筒内に吸入される空気量を予測してもよい。アイドルスピードコントロール弁が設け
られていない(吸気絞り弁がその機能を果たす場合)には、吸気絞り弁からの漏れ量のみを考慮するとよい。なお、機関始動後の所定期間の間とは、機関始動時に機関に吸入される空気の流量を検出する吸入空気量検出手段が有効となるまでの間であって、吸気通路の内部に存在していた空気の影響がなくなるまでの期間を意味するものである。これにより、吸入空気量検出手段が有効となるまでの間においても、気筒内に吸入される空気量を予測することにより燃料噴射量を算出することができるので、内燃機関の始動性をより向上することができる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
本発明によれば、内燃機関の始動性をより向上することができる技術を提供することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る始動制御装置が適用される内燃機関を示す概略構成図である。
図1において、内燃機関1は、4つの気筒2(1番気筒(#1)2a,2番気筒(#2)2b,3番気筒(#3)2c,4番気筒(#4)2d)が直列に配置された直列4気筒のガソリンエンジンである。そして、この内燃機関1には、トルクコンバータ(又はクラッチ機構)40を介してトランスミッション(T/M)50が連結されている。
トランスミッション(T/M)50は、図示しないプロペラシャフトやディファレンシャルギヤ等を介して駆動輪たる車輪と連結されている。このように構成された動力伝達系では、トルクコンバータ40が係合状態にあるときに、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)13の回転力がトルクコンバータ40を介してトランスミッション(T/M)50へ伝達され、トランスミッション(T/M)50にて減速もしくは増速され、次いでトランスミッション(T/M)50からプロペラシャフトやディファレンシャルギヤ等を介して駆動輪たる車輪へ伝達される。
また、内燃機関1の各気筒2には、吸気弁(INバルブ)3と排気弁4とが設けられるとともに、点火栓5が設けられている(図1においては1番気筒2aのみについて示しているが他の気筒についても同様である)。内燃機関1には、吸気通路6と排気通路7とが接続されている。
吸気通路6は、内燃機関1の各気筒2と吸気ポート8を介して連通している。各吸気ポート8には燃料噴射弁9が取り付けられ、燃料噴射弁9が吸気ポート8内へ燃料を噴射することが可能となっている。
また、吸気通路6には、該吸気通路6内を流れる吸気の流量を調整する吸気絞り弁(スロットル弁)10が設けられている。この吸気絞り弁10は、その開度を無段階に調節することのできる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を変更し、同吸入空気の供給量(流量)を調整する機能を有する。
また、吸気通路6には吸気絞り弁10をバイパスするバイパス通路11と、このバイパス通路11を通って流れる空気量を制御することによりアイドル時の機関吸入空気量を調
節して機関のアイドル回転数を目標回転数に制御するアイドルスピードコントロール弁(ISC弁)12とが設けられている。
また、内燃機関1には、クランクシャフト13が所定角度(例えば、10°)回転する度にパルス信号を出力するクランクポジションセンサ14が取り付けられている。クランクポジションセンサ14には、例えば、レゾルバ回転センサや、MRE(磁気抵抗素子)回転センサを用いるとよい。MRE回転センサを2個用いた場合には逆転の検出も可能となる。
このように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)30が併設されている。このECU30は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びバックアップRAM等からなる論理演算回路を備え、各種センサの信号に基づいて、例えば、内燃機関1の運転状態を検出し、内燃機関1の各種構成要素を統括制御する。
ECU30には、上述したクランクポジションセンサ14に加え、各気筒2に吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手段を構成するエアフロメータ15、車速センサ、ブレーキスイッチ、アクセルポジションセンサなどが電気的に接続され、それらの出力信号がECU30へ入力されるようになっている。
また、ECU30は、一定時間毎に実行すべき基本ルーチンにおいて、各種センサの出力信号の入力、機関回転数の演算、機関負荷の演算、燃料噴射量の演算、燃料噴射時期の演算などを実行する。基本ルーチンにおいてECU30が入力した各種信号やECU30が演算して得られた各種制御値は、ECU30のRAMに一時的に記憶される。
更に、ECU30は、各種のセンサやスイッチからの信号の入力、一定時間の経過、或いはクランクポジションセンサ14からのパルス信号の入力などをトリガとした割り込み処理において、RAMから各種制御値を読み出し、それら制御値に従って点火栓5や燃料噴射弁9などを制御し、さらに、本実施の形態に係る内燃機関の始動制御を実行する。
ここで、ECU30は、内燃機関1の運転状態に関する情報を提供するそれぞれのセンサとともに、本発明に係る運転停止手段や予測手段や燃料噴射制御手段や始動制御手段や補正手段や停止位置検出手段や燃料噴射量算出手段を構成している。
内燃機関1が運転状態にあるときに、例えば、ブレーキスイッチの出力信号がオンとなり、且つ、車速センサの出力信号が“0”になると、言い換えれば、内燃機関1が運転状態にあるときに車両が停止状態になると、ECU30は、点火栓5及び燃料噴射弁9の作動を一時的に停止させることにより、内燃機関1の運転を一時的に停止させる。
その後、ブレーキスイッチの出力信号がオンからオフへ切り換わると、ECU30は、スタータモータを作動させるとともに点火栓5及び燃料噴射弁9を作動させることにより、内燃機関1を始動させ、以て内燃機関1の運転を再開させる。
ここで、上述したように、内燃機関1が停止状態から始動へと自動的に切り換えられる場合には、ブレーキスイッチの出力信号がオンからオフへ切り換えられた時点で、内燃機関1を速やかな、そして、滑らかな始動、すなわち、より良好な運転フィーリングが要求される。
そこで、本実施の形態に係る内燃機関1では、ECU30は、内燃機関1を始動させる
際に以下に述べるような始動制御を実行する。
図2は、本実施の形態に係る内燃機関1の始動制御全体のタイムチャートを示す図である。図2において、(A)は内燃機関1の運転状態を示すもので、期間t1〜t4において内燃機関1の運転状態は、それぞれ、通常作動状態A、停止途中状態B、停止状態C、機関始動状態Dにあることを示している。また、(B)は機関回転数を示すもので、内燃機関1が通常作動状態Aにある期間(t1までの期間)においては、アイドル運転状態にあることを示している。(C)は燃料噴射制御においてフュエルカット(燃料噴射弁9の作動を一時的に停止)を作動させる作動信号を示すものである。
ここで、図2(A)において符号Bで示す停止途中状態とは、機関運転停止条件が成立した場合に、t1において機関運転停止要求に伴い燃料噴射弁9、及び、点火栓5の作動が停止して(フュエルカットが実行されて)から、クランクシャフト13の回転が停止するまでの期間(機関停止所要期間)をいうものである。
本実施の形態の始動制御においては、ECU30は、機関運転停止状態でクランクシャフト13の回転が停止した位置、いわゆるクランクシャフト13の回転角度(クランク角度(CA))を予測することによって、機関運転停止時に圧縮行程となる停止時圧縮行程気筒を予測する。
クランクシャフト13の回転が停止した場合のクランク角度は、例えば、図2(A)に示す停止途中状態Bにおいて、機関回転数が特定の回転数まで低下したときのクランク角度をパラメータとして予測することができる。例えば、クランクシャフト13の回転が停止するまでに所定のクランク角度(例えば、約2回転)回転可能な特定機関回転数を予め求めておくことにより、機関回転数がこの特定機関回転数となった時点で、クランクシャフト13の回転が停止するクランク角度を予測することができる。そして、このときのクランク角度から停止時圧縮行程気筒を予測することができる。
図3は、本実施の形態に係る内燃機関1の停止時圧縮行程気筒について、機関運転停止時における機関回転数とクランク角度と燃料噴射タイミングとの関係を表す図である。内燃機関1の運転停止に伴って低下する機関回転数と、クランク角度と燃料噴射タイミングとの関係を予め実験的に求めてマップ化しておくとよい。
図3において曲線aは、クランクシャフト13の回転が圧縮上死点(TDC、以下、単に圧縮TDCという場合もある)で停止する場合の機関回転数とクランク角度との関係を表している。なお、本実施の形態においては、圧縮TDCにあるクランクシャフト13のクランク角度を0°として説明する。図3において曲線bは、クランクシャフト13の回転が、圧縮行程における下死点(BDC、以下、単に圧縮BDCという場合もある)、すなわち、クランク角度−180°で停止する場合の機関回転数とクランク角度との関係を表している。
そして、図3においては、クランク角度が−720°の場合であって、機関回転数がc(特定機関回転数)となった場合に、クランクシャフト13の回転が圧縮TDCで停止すると予測するものである。また、クランク角度が−720°の場合であって、機関回転数がd(特定機関回転数)となった場合には、図3から、クランクシャフト13の回転が−180°で停止すると予測する。
図4は、本実施の形態に係る内燃機関1における各気筒ごとの状態を模式的に示す図である。なお、図4においては、内燃機関1の点火順序が1番気筒2a→3番気筒2c→4番気筒2d→2番気筒2bとなる場合について示している。そして、図4では、1番気筒
2aが圧縮行程にあるときにクランクシャフト13の回転が停止して内燃機関1が運転停止となる場合について示すものであり、以下、1番気筒2aにおいて圧縮TDCにあるクランクシャフト13のクランク角度を0°として説明することとする。
図4において、1番気筒2aの排気行程の部分に付した矢印は、1番気筒2aに対応する燃料噴射弁9による燃料噴射時期を示しており、また、圧縮行程と膨張行程との間に付した記号は、1番気筒2aに対応する点火栓5による点火時期を示すものである。この矢印や記号は、他の気筒についても、それぞれ同様のことを示すものである。
ここで、図4に示すように、1番気筒2aが停止時圧縮行程気筒であるものとして、燃料噴射制御について説明する。
上述したクランクシャフト13の回転が停止する位置の予測と同様に、クランクシャフト13の回転が停止するまでに所定のクランク角度(例えば、約1.5回転)回転可能な特定機関回転数を予め求めておき、機関回転数がこの特定機関回転数となった場合に、予測した停止時圧縮行程気筒となる1番気筒2aの燃料噴射弁9を作動させて、噴射された燃料が吸気ポート8内を流れる空気とともに当該気筒2a内に吸入されて混合気を形成するように燃料噴射制御を行う。
図3を用いて説明すると、クランクシャフト13の回転が停止する直前の所定のクランク角度eにおいて、機関回転数が曲線a,b間の範囲f(特定機関回転数)にあるときに、燃料噴射弁9を作動させて燃料噴射を行う。
このような制御を実行することにより、クランクシャフト13の回転が停止した時点で圧縮行程となる停止時圧縮行程気筒内に、未燃状態の混合気を封入することができる。
ここで、上記方法により圧縮行程で停止すると予測された気筒が、実際には、圧縮TDCを越えて膨張行程まで進んでしまってから停止する場合がある。これは、内燃機関のフリクション等による損失が減少したためで、停止時圧縮行程気筒の予測において、機関回転数とクランク角度との関係の設定に誤差が生じていることになる。
また、上記方法により圧縮行程で停止すると予測された気筒が、実際には、圧縮BDCを越えずに吸気行程で停止してしまう場合がある。また、圧縮行程で停止すると予測していない気筒(すなわち、燃料噴射が行われていない気筒)が圧縮行程で停止してしまう場合がある。これは、内燃機関のフリクション等による損失が増加したためで、停止時圧縮行程気筒の予測において、機関回転数とクランク角度との関係の設定に誤差が生じていることになる。
そこで、このような場合に本実施の形態においては、この頻度を学習しながら機関回転数とクランク角度との関係を補正している。
具体的には、クランクシャフト13の回転が停止した位置におけるクランク角度をクランクポジションセンサ14によって実際に検出することにより、上記方法により予測された停止時のクランク角度と比較する。このときのズレ量が所定値以上となった場合に、ズレが発生する頻度を学習しながら、機関回転数とクランク角度との関係を補正する。ここで、所定値とは、例えば、センサ固有の特性として生ずる誤差を考慮した値である。
例えば、圧縮行程で停止すると予測された気筒が1番気筒2aである場合に、クランクシャフト13の回転が停止した時のクランク角度が−180°〜0°の範囲内にあるとクランクポジションセンサ14により検出された場合には、予測通り1番気筒2aが圧縮行
程で停止したことになる。しかし、内燃機関1においてフリクションが減少した場合には、クランクシャフト13の回転が停止した時のクランク角度が0°〜180°の範囲内となり、圧縮行程で停止すると予測された1番気筒2aは、実際には圧縮TDCを越えて膨張行程まで進んでしまってから停止する可能性がある。また、内燃機関1においてフリクションが増加した場合には、クランクシャフト13の回転が停止した時のクランク角度が−360°〜−180°の範囲内となり、圧縮行程で停止すると予測された1番気筒2aは、実際には圧縮BDCを越えずに吸気行程で停止する可能性がある。
そこで、内燃機関1においてフリクションが減少している場合には、所定のクランク角度を回転させるために、機関回転数が基準の機関回転数よりも小さい状態となるようにする。すなわち、図5に示すマップにおいては、曲線gで示すように曲線a(基準の機関回転数)よりも低回転側に補正する。ここで、図5は、本実施の形態に係る内燃機関1の停止時圧縮行程気筒について、機関運転停止時における機関回転数とクランク角度との関係を表す図であり、図5に示す曲線aは図3に示す曲線aに対応するものである。
また、内燃機関1においてフリクションが増加している場合には、所定のクランク角度を回転させるために、機関回転数が基準の機関回転数よりも大きい状態となるようにする。すなわち、図5に示すマップにおいては、曲線hで示すように曲線aよりも高回転側に補正する。
以上の説明においては、クランクシャフト13の回転停止時のクランク角度において、予測値と検出値とを比較することによって機関回転数とクランク角度との関係を補正したが、これに限るものではない。例えば、全体のフリクションなどによる損失の経時変化を把握できるように、内燃機関の冷却水温・潤滑油温等の条件が揃った時に機関回転数の低下率(所定時間(例えば、単位時間)当たりの機関回転数の回転減少の度合い、例えば図3に示す曲線aの傾き)をモニタすることにより、機関回転数とクランク角度との関係を示すマップを少しずつ変更する学習制御を行ってもよい。この場合、機関回転数の低下率が基準低下率(例えば図3に示す曲線aの傾き)より大きければ図5に示すマップにおいては曲線hで示すように曲線aよりも高回転側(傾きが大きくなるよう、低下率が大きくなるよう)に補正する。また、機関回転数の低下率が基準低下率より小さければ図5に示すマップにおいては曲線gで示すように曲線aよりも低回転側(傾きが小さくなるよう、低下率が小さくなるよう)に補正する。
また、自動変速機のシフトレンジに基づいて、機関回転数とクランク角度との関係を補正してもよい。
自動変速機がDレンジなどの走行レンジでは、車両が少しずつ前進する、いわゆるクリープが発生することによるトルクコンバータ40の損失分が加わることとなる。このため、自動変速機が走行レンジの場合は、内燃機関のフリクションが増加した場合と同様となり、図5に示すマップにおいて曲線hで示すように曲線aよりも高回転側に補正するとよい。また、自動変速機が非走行レンジ(Nレンジ)の場合には、図5に示すマップにおいて曲線gで示すように曲線aよりも低回転側に補正してもよい。
また、例えば、車両が停止に至る減速状態であるかどうかを機関運転停止条件とした場合には、自動変速機がDレンジなどの走行レンジで車両走行中に内燃機関1が停止する場合がある。このような場合には、内燃機関1と自動変速機との関係が逆駆動関係となりトランスミッション(T/M)50側から内燃機関1が駆動され、内燃機関1の回転が増加する方向にトルクが発生することとなる。これは、内燃機関のフリクションが減少したものとみなすことができる。したがって、上述した内燃機関のフリクションが減少した場合と同様に補正を行うとよい。すなわち、自動変速機が走行レンジで車両走行中に内燃機関
1が停止した場合には、図5に示すマップにおいて曲線gで示すように曲線aよりも低回転側に補正するとよい。
また、機関停止途中状態において内燃機関1に作用するフリクションの大きさは、潤滑油の温度や潤滑油の劣化具合や冷却水の温度などに応じて変化するため、潤滑油の温度や潤滑油の劣化具合や冷却水の温度などに基づいて、機関回転数とクランク角度との関係を補正するものであってもよい。
次に、機関運転停止時において吸気行程となる停止時吸気行程気筒について説明する。
本実施の形態においては、機関運転停止時に圧縮行程となる停止時圧縮行程気筒に燃料を封入し、さらに、燃料封入された当該停止時圧縮行程気筒の次に圧縮行程となる気筒、すなわち、機関運転停止時に吸気行程となる停止時吸気行程気筒に対しても燃料噴射を行っている。そして、当該停止時吸気行程気筒に対する燃料噴射の噴射時期は、機関運転停止時において予測されるクランクシャフト13の停止位置や、実際のクランクシャフト13の停止位置に基づいて切り換えて行うことを特徴としている。
ここで、機関始動時においては、機関運転停止時に圧縮行程となる停止時圧縮行程気筒が燃焼した後に、機関運転停止時に吸気行程となる停止時吸気行程気筒の燃焼が行われるため、本実施の形態では、機関運転停止時に圧縮行程となる停止時圧縮行程気筒を1サイクル目気筒といい、機関運転停止時に吸気行程となる停止時吸気行程気筒を2サイクル目気筒という場合もある。
1サイクル目気筒と2サイクル目気筒とは、4気筒の内燃機関においては180°ずれるので、2サイクル目気筒が圧縮BDCで停止するということは、1サイクル目気筒が圧縮TDCで停止するということになる。例えば、1サイクル目気筒が圧縮TDCで停止することを予測することによって、2サイクル目気筒が圧縮BDCで停止することを予測することができる。なお、本実施の形態では、4気筒の内燃機関について説明しているため気筒間のずれは180°である(180°ごとに燃焼が行われる)が、例えば、8気筒の内燃機関の場合には、気筒間のずれは90°となる(90°ごとに燃焼が行われる)場合もある。
図6は、本実施の形態に係る内燃機関1の停止時吸気行程気筒について、図3と同様に、機関回転数とクランク角度と燃料噴射タイミングとの関係を表す図である。図6において曲線jは、クランクシャフト13の回転が圧縮BDCで停止する場合の機関回転数とクランク角度との関係を表している。
図7は、本実施の形態に係る内燃機関1の停止時吸気行程気筒(2サイクル目気筒)について、停止位置を説明するための図である。
上記した2サイクル目気筒に対する燃料噴射の噴射時期は、機関運転停止時において予測されるクランクシャフト13の停止位置や、実際のクランクシャフト13の停止位置に基づくものである。
すなわち、図7に示すような圧縮BDCより約40〜50°前の位置(クランク角度−220〜−230°、以下、この位置を位置Eという場合もある)を基準(所定の位置)として、2サイクル目気筒が吸気行程において、この位置Eより圧縮BDC側の領域F(位置Eと圧縮BDCとの間)に停止すると予測されるか、または、位置Eより吸気行程の上死点(以下、吸気TDCという場合もある)側の領域G(位置Eと吸気行程のTDCとの間)に停止すると予測されるかに基づくものである。そして、位置Eより吸気TDC側
の領域Gに停止すると予測された場合には、さらに、実際に停止した位置が位置Eより圧縮BDC側か吸気TDC側か(領域Fか領域Gか)に基づくものである。なお、図6に示す曲線kは、クランクシャフト13が図7に示す位置Eで停止した場合に相当するものであり、図6に示すクランク角度の範囲lは、図7に示す領域Fに相当するものである。
2サイクル目気筒が機関運転停止時に吸気TDC側(領域G)で停止した場合には、図2に示すように、内燃機関1が機関始動状態Dにあるときに(始動初期が好ましい)燃料噴射D2を行うことにより、噴射された燃料を2サイクル目気筒内に良好に封入することができる。なお、位置Eは、このように、機関始動時に燃料噴射を行った場合に、噴射された燃料が2サイクル目気筒内に良好に封入することができる2サイクル目気筒の停止位置とするものである。
しかしながら、2サイクル目気筒が機関運転停止時に圧縮BDC近くで停止した場合、機関始動後すぐに吸気弁3が閉じてしまうため、機関始動後に燃料を噴射しても、当該気筒内に燃料がほとんど吸入されず、噴射された燃料を2サイクル目気筒内に良好に封入することが困難となる可能性がある。そのため、2サイクル目気筒が機関運転停止時に圧縮BDC近くで停止した場合においては、停止する前に燃料を封入させることが望ましい。
そこで、2サイクル目気筒が機関運転停止時に圧縮BDC近く、すなわち図7に示す領域Fで停止すると予測された場合においては、内燃機関1の停止途中状態で燃料噴射を行うこととしている。この場合には、図2に示すように、内燃機関1が停止途中状態Bにあるときに1サイクル目気筒への燃料噴射B1に続いて2サイクル目気筒への燃料噴射B2が行われることとなる。この場合の図2(C)におけるフュエルカットの作動信号においては、実線で示している。
また、2サイクル目気筒が機関運転停止時に位置Eより吸気TDC側で停止し圧縮BDC近くでは停止しないと予測された場合であっても、実際には、位置Eより吸気TDC側で停止せず、位置Eより圧縮BDC側で停止してしまう場合がある。このような場合、位置Eより吸気TDC側で停止すると予測されているので、停止途中に燃料噴射が行われることはない。そして、この状態で機関始動後に燃料噴射が行われた場合、実際には位置Eより圧縮BDC側で停止しているので、噴射された燃料を2サイクル目気筒内に良好に封入することが困難となる可能性がある。
そこで、2サイクル目気筒が機関運転停止時に位置Eより吸気TDC側(領域G)で停止し圧縮BDC近傍(領域F)では停止しないと予測された場合であって、クランクポジションセンサ14により当該2サイクル目気筒が位置Eより圧縮BDC側(領域F)で停止したと検出された場合には、図2に示すように、内燃機関1が停止状態Cにあるときに燃料噴射C2を行うこととしている。このように、内燃機関1が停止状態Cにあるときに燃料噴射C2を行うことにより、機関始動後に燃料を噴射する場合よりも良好に、噴射された燃料を2サイクル目気筒内に封入することが可能となる。この場合の図2(C)におけるフュエルカットの作動信号においては、燃料噴射B2,燃料噴射C2に相当する部分を点線で示している。
このように、機関運転停止時において予測されるクランクシャフト13の停止位置や実際のクランクシャフト13の停止位置に基づいて、機関運転停止時に吸気行程となる2サイクル目気筒(停止時吸気行程気筒)に対する噴射時期を、図2に示すように内燃機関の停止途中状態B,停止状態C,または機関始動状態Dに切り換えて燃料噴射を行うことにより、始動性のさらなる向上を図っている。
次に、内燃機関1の始動時における点火時期の制御について説明する。
1サイクル目気筒が圧縮行程のうち圧縮BDC側で停止した場合、圧縮TDC側で停止した場合よりも、より多くの空気(混合気)が気筒内に封入されていることとなる。したがって、1サイクル目気筒が圧縮行程のうち圧縮BDC側で停止した場合には、その後の機関始動時において、気筒内に多くの空気が入った状態で1回目(初回)の着火(初爆)が行われることとなるので、1回目の着火における発生トルクが急激に大きくなってしまい、ノックや有害な振動や騒音が発生してしまう可能性がある。また、内燃機関1の始動初期にスタータモータを作動させる場合には、スタータモータによるクランキングトルクと、スタータモータ作動後に実行される1回目の着火における発生トルクとの差が大きくなってしまうと、有害な振動となってしまう。
そこで、1サイクル目気筒が圧縮行程のうち圧縮BDC側で停止した場合には、機関始動後1回目の着火(1サイクル目気筒に対する点火栓5による点火時期)を遅角させることとしている。これにより、1回目の着火における発生トルクが急激に大きくなることはなく、ノックや有害な振動や騒音の発生を抑制することができるので、始動性がより良好となり、運転フィーリングをより向上させドライバビリティの悪化を抑制することが可能となる。
なお、1サイクル目気筒の停止位置としては、圧縮TDCより約90°前付近の位置(クランク角度−90°)が好ましい。1サイクル目気筒の停止位置が、このような位置であれば、1回目の着火が比較的早期に行われることとなるので、1回目の着火における発生トルクが適当な(所望の)大きさとなる。このような場合には、スタータモータによるクランキングトルクも小さいため、スタータモータによるクランキングトルクと、1回目の着火における発生トルクとの差が大きくなることを抑制することができる。これにより、有害な振動の発生を抑制することができるので、始動性がより良好となり、運転フィーリングをより向上させドライバビリティの悪化を抑制することが可能となる。したがって、遅角させる量としては、1サイクル目気筒の停止位置が、圧縮TDCより約90°前付近の位置よりも圧縮BDCに近くなる程、遅角量を大きくすると好ましい。1サイクル目気筒の停止位置は、予測に基づくものであってもよいし、機関停止後クランクポジションセンサ14により検出されるものであってもよい。
また、2サイクル目気筒においても、1サイクル目気筒の場合と同様に気筒内の空気量に基づいて、着火(機関始動後2回目の着火、2サイクル目気筒に対する点火栓5による点火)の時期を調整するとよい。2サイクル目気筒においては、吸気TDC側に停止している状態から機関始動時に吸入される空気量よりも、機関停止時に圧縮BDC側で停止することにより吸入される空気量の方が多くなるため、圧縮BDC側で停止した場合に着火を遅角させるとよい。これにより、2回目の着火における発生トルクが急激に大きくなることはなく、始動性がより良好となり、運転フィーリングをより向上させドライバビリティの悪化を抑制することが可能となる。
ここで、内燃機関1の通常の点火制御においては、圧縮TDC前30°(クランク角度−30°)で点火信号をONし、圧縮TDCで点火信号をOFFするものである。そして、圧縮行程において、圧縮TDC前30°を過ぎた位置(クランク角度−30°〜0°)で停止している気筒が機関始動時に作動する場合においては、通常、点火信号をONすることはない。
しかしながら、本実施の形態においては、1サイクル目気筒が圧縮TDC前30°〜圧縮TDCの間に停止している場合においても、その後の機関始動時に、1サイクル目気筒に対する点火信号をONすることとしている。
これにより、1サイクル目気筒が機関運転停止時に圧縮行程の圧縮TDC近傍に停止した場合であっても、機関始動時の1回目の点火信号ONにより燃焼を行うことができるので、1サイクル目気筒から確実に燃焼を行うことができ、始動性の向上を図ることができる。
次に、機関始動時における燃料噴射制御について説明する。ここで、機関始動時において、機関運転停止時に排気行程となる停止時排気行程気筒の燃焼は、2サイクル目気筒が燃焼した後に行われるため、本実施の形態では、停止時排気行程気筒を3サイクル目気筒という場合もある。
機関始動初期においては、機関停止時にインテークマニホールドなどにより構成される吸気通路6内に存在していた空気が気筒2内に吸入されるため、エアフロメータ15のセンサ値を有効に活用することができない状態となる期間がある。なお、機関始動初期において、停止時に吸気行程にある気筒(2サイクル目気筒)の次の吸気行程は3サイクル目気筒となる。
そこで、本実施の形態においては、機関始動後の所定期間の間、吸気行程となる気筒に入る空気量を予測するものである。
2サイクル目気筒においては、機関停止時におけるクランクシャフト13の停止位置を検出または予測することにより、当該停止位置から圧縮BDCまでの気筒内の容積や、気筒内で発生する負圧や、吸気通路6内の容量(具体的には、吸気絞り弁10が設けられている部分から気筒2までの吸気通路6及び吸気ポート8内に収容可能な空気の量)や、吸気絞り弁10から上流側に漏れる空気量や、ISC弁12から上流側に漏れる空気量から、2サイクル目気筒に吸入される空気量を求めることができる。
そして、機関始動後の所定期間の間、3サイクル目気筒以降に吸気行程となる気筒内に入る空気量は、気筒内で発生する負圧や、吸気通路6内の容量や、吸気行程が行われた回数や、吸気絞り弁10から上流側に漏れる空気量や、ISC弁12から上流側に漏れる空気量などに基づいて推定することができる。
ここで、気筒内で発生する負圧は、機関回転数に基づいて推定してもよく、また、機関回転数の回転上昇度合い(所定時間(例えば、単位時間)当たりの機関回転数の上昇率)に基づいて推定してもよい。また、気筒内で発生する負圧を検出するセンサを設け、該センサにより負圧を検出するものであってもよい。
このようにして、機関始動後に吸気行程となる気筒に入る空気量を予測することにより、予測された空気量から燃料噴射量を算出する。
ここで、機関始動後において、吸気行程となる気筒に入る空気量を予測する所定期間とは、吸気通路6内に存在していた空気の影響がなくなりエアフロメータ15のセンサ値が有効に活用することが可能となるまでの期間をいうものであり、この所定期間については、例えば、機関回転数、吸気通路6内の容量(例えば、インテークマニホールドの容量)、吸気行程が行われた回数、吸気絞り弁10からの漏れ流量や、ISC弁12からの漏れ流量から推定するとよい。
以下、本実施の形態にかかる始動制御について、ECU30による具体的な実行手順(ルーチン)を説明する。図8は、図2に示す停止途中状態Bにおいて、ECU30を通じて所定時間毎に実行される始動制御ルーチンを示すフローチャート図である。
本ルーチンに処理が移行すると、ECU30は先ず、ステップS101において、吸入空気量が算出される。続くステップS102においては、ステップS101において算出された吸入空気量から機関始動時の燃料噴射量が算出される。続くステップS103では、内燃機関1の機関運転停止要求中、すなわち、機関運転停止条件が成立しているかどうかが判定される。ステップS103で肯定判定がなされた場合にはステップS104に進み、否定判定がなされた場合には一旦本ルーチンを抜ける。
ステップS104では、1サイクル目気筒に対して燃料噴射が実施されたかどうかを判定する。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS115に進み、否定判定がなされた場合にはステップS105に進む。
ステップS105では、設定された燃料噴射を実施する噴射時期であるかどうかを判定する。ここで、1サイクル目気筒に対する噴射時期は、例えば、排気上死点前90°(クランク角度−450°)に設定することとする。ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106に進み、否定判定がなされた場合には一旦本ルーチンを抜ける。
ステップS106では、自動変速機がNレンジにおけるベース(基準)燃料噴射許可回転数を算出する。続くステップS107では、自動変速機がNレンジにあるかどうかを判定する。ステップS107で肯定判定がなされた場合にはステップS111に進み、否定判定がなされた場合にはステップS108に進む。ステップS108では、自動変速機がDレンジ等の走行レンジにある場合におけるベース燃料噴射許可回転数を算出する。
ここで、ベース燃料噴射許可回転数とは、図3を用いて説明した、クランク角度eにおいて範囲fにある機関回転数のうち最小値となる機関回転数iに相当するもので、この値を判定値として燃料噴射を実行するかどうかを判定している。そして、この機関回転数は、上述したように自動変速機のシフトレンジに基づいて補正している。ここで、自動変速機がNレンジにおける燃料噴射許可回転数を基準として、走行レンジの場合における燃料噴射許可回転数を補正するようにしてもよい。このように燃料噴射許可回転数を設定することにより、機関停止時に圧縮行程となる1サイクル目気筒に対して、より好適な燃料噴射を実施することができる。
続くステップS109では、走行中であるかどうかを判定する。ステップS109で肯定判定がなされた場合にはステップS110に進み、否定判定がなされた場合にはステップS111に進む。
ステップS110は、自動変速機が走行レンジで車両走行中に内燃機関1が停止すると判定された場合にあたり、この場合には、内燃機関1と自動変速機との関係が逆駆動関係となる。したがって、ステップS110では、ステップS108で算出された燃料噴射許可回転数に対して、上述したような、内燃機関1と自動変速機との関係が逆駆動関係となる場合の補正を行う。なお、走行中であるかどうかの判定を行ってから、走行レンジの場合における燃料噴射許可回転数を補正するようにしてもよい。
ステップS111では、ステップS106またはステップS108で算出されたベース燃料噴射許可回転数と機関回転数とを比較して、機関回転数が燃料噴射許可回転数より低いかどうかを判定する。ステップS111で肯定判定がなされた場合にはステップS112に進み、否定判定がなされた場合には一旦本ルーチンを抜ける。
ステップS112では、1サイクル目気筒の停止位置を予測することにより燃料噴射量を補正する。圧縮行程においては、圧縮TDCより圧縮BDC側で停止した場合の方が、
より多くの空気が封入された状態となる。したがって、停止位置の予測が圧縮BDC側である程、燃料噴射量が多くなるような補正を行うとよい。ステップS113では、1サイクル目気筒に対する燃料噴射を実施する。
ステップS115では、2サイクル目気筒に対して、設定された燃料噴射を実施する噴射時期であるかどうかを判定する。2サイクル目気筒に対しては、例えば、排気上死点(クランク角度−360°)を噴射時期に設定することとする。ステップS115で肯定判定がなされた場合にはステップS116に進み、否定判定がなされた場合には一旦本ルーチンを抜ける。
ステップS116では、ベース燃料噴射禁止回転数を算出する。内燃機関1の停止途中状態において2サイクル目気筒に燃料噴射を行うのは、上述したように、2サイクル目気筒が圧縮BDCと圧縮BDCより約40〜50°前(クランク角度−220〜−230°)との間に停止すると予測される場合である。2サイクル目気筒に対して燃料噴射を行うタイミングにおいて、機関回転数が低すぎると、吸気行程のTDC側(図7において、領域Fではなく領域G)で2サイクル目気筒が停止することとなる。したがって、2サイクル目気筒が圧縮BDCの約40〜50°前で停止するときの機関回転数(図6に示す機関回転数n)をベース噴射禁止回転数(判定値)とすることにより、設定された噴射時期における機関回転数がベース噴射禁止回転数より高い場合に燃料噴射を行うことによって、図7に示す領域Fに停止する2サイクル目気筒に対して燃料噴射を実施することができるものである。
ステップS117では、自動変速機がNレンジにあるかどうかを判定する。ステップS117で肯定判定がなされた場合にはステップS119に進み、否定判定がなされた場合にはステップS118に進む。
ステップS118では、自動変速機がNレンジにない、すなわち、走行レンジにあるとして、ステップS116で算出されたベース燃料噴射禁止回転数に対して、上述したような、自動変速機が走行レンジにある場合の補正を行う。
ステップS119では、機関回転数がベース燃料噴射禁止回転数より大きいかどうかを判定する。ステップS119で肯定判定がなされた場合にはステップS120に進み、否定判定がなされた場合には一旦本ルーチンを抜ける。
ステップS120では、2サイクル目気筒に対する燃料噴射量を算出する。続くステップS121では、2サイクル目気筒に向けて燃料噴射を実行する。
ステップS114においては、フリクション学習を行う。ここでは、上述したように、機関停止途中における機関回転数の低下の度合い、すなわち機関回転数の低下率を検出することにより、補正を行うものである。
図9は、図2に示す停止状態Cにおいて、ECU30を通じて所定時間毎に実行される始動制御ルーチンを示すフローチャート図である。
本ルーチンに処理が移行すると、ECU30は先ず、ステップS201において、機関停止判定が初回であるかどうかを判定する。ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS202に進み、否定判定がなされた場合にはステップS207に進む。ステップS202では、クランクシャフト13の停止位置を検出して記憶する。
続くステップS203では、圧縮行程で停止すると予測された1サイクル目気筒が圧縮
TDCを越えてしまったかどうかを判定する。1サイクル目気筒が圧縮TDCを越えてしまったと判定された場合にはステップS204に進み、1サイクル目気筒が圧縮TDCを越えていないと判定された場合にはステップS205に進む。
ステップS205では、圧縮行程で停止している気筒に燃料が封入されていないかどうかを判定する。これは、燃料を封入した気筒が圧縮行程に到達する前に内燃機関1が停止してしまったかどうかを判定するものである。ステップS205で当該気筒に燃料が封入されていると判定された場合にはステップS207に進み、燃料が封入されていないと判定された場合にはステップS206に進む。なお、ステップS203やステップS205での判定においては、クランクポジションセンサ14によって検出されたクランクシャフト13の停止位置に基づいて行われる。
ステップS204では、燃料噴射許可回転数の基準値(例えば、図8に示したフローチャートのステップS106で算出される燃料噴射許可回転数)を小さくする補正を行う。また、ステップS206では、燃料噴射許可回転数の基準値を大きくする補正を行う。なお、ステップS203〜ステップS206は、内燃機関1の停止状態において実行される学習制御である。
ステップS207では、2サイクル目気筒に対する燃料噴射が実施済みかどうかを判定する。ステップS207で肯定判定がなされた場合にはステップS211に進み、否定判定がなされた場合にはステップS208に進む。ステップS208では、2サイクル目気筒の停止位置が圧縮BDC付近かどうか、すなわち、領域Fにあるかどうかを判定する。ステップS208で肯定判定がなされた場合にはステップS209に進み、否定判定がなされた場合にはステップS211に進む。
ステップS209では、2サイクル目気筒に向けて噴射する燃料の燃料噴射量を算出する。上述したように、クランクシャフト13の停止位置に基づいて吸入空気量を推定することにより燃料噴射量を算出する。続くステップS210では、2サイクル目気筒に向けて燃料噴射を実施する。
ステップS211では、燃料蒸発戻り量を算出する。内燃機関において停止時間が長時間となった場合、機関停止時に吸気行程にある気筒、すなわち、2サイクル目気筒においては、吸気弁3が開弁状態にあるため、気筒内に封入された燃料が蒸発してしまう可能性がある。そこで、ステップS211〜ステップS213では、機関停止時間が長時間となったときなどのように、気筒内に封入された燃料が蒸発してしまった場合に、その蒸発分を補正することとしている。ステップS211においては、例えば、停止時間に対して、2サイクル目気筒から吸気ポート8側へ戻ってしまう量(燃料蒸発戻り量)を予め求めておくとよい。
続くステップS212では、ステップS211で算出した蒸発戻り量から、目標空燃比(A/F)の確保が困難かどうかを判定する。ステップS212で肯定判定がなされた場合にはステップS213に進み、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦抜ける。ステップS213では、2サイクル目気筒に対して補正分(追加分)の燃料噴射を行う。
図10は、図2に示す機関始動状態Dにおいて、ECU30を通じて所定時間毎に実行される始動制御ルーチンを示すフローチャート図である。
本ルーチンに処理が移行すると、ECU30は先ず、ステップS301において、内燃機関が回転中かどうか、すなわち、クランクシャフト13が回転中かどうかを判定する。ステップS301で肯定判定がなされた場合にはステップS302に進み、否定判定がな
された場合には一旦本ルーチンを抜ける。
ステップS302では、2サイクル目気筒に対する燃料噴射が実施済みであるかどうかを判定する。ステップS302で肯定判定がなされた場合にはステップS304に進み、否定判定がなされた場合にはステップS303に進む。そして、ステップS303では、2サイクル目気筒に向けて燃料噴射を実施する。
ステップS304では、1サイクル目気筒に対する点火時期を算出する。1サイクル目気筒に対する点火時期は、上述したようにクランクシャフト13の停止位置に基づいて決定される。
続くステップS305では、点火信号(IGT)をONするタイミングであるかどうかを判定する。ここでは、このタイミングを圧縮TDC前30°(クランク角度−30°)としている。ステップS305で肯定判定がなされた場合にはステップS307に進み、否定判定がなされた場合にはステップS306に進む。
ステップS306では、点火信号をONする所定のタイミング、すなわち、圧縮TDC前30°をすでに過ぎてしまったかどうかを判定する。ステップS306で肯定判定がなされた場合にはステップS307に進み、否定判定がなされた場合には一旦本ルーチンを抜ける。ステップS307では、1サイクル目気筒に対して点火信号をONする。
ステップS308では、点火信号をOFFするタイミングであるかどうかを判定する。ステップS308で肯定判定がなされた場合にはステップS309に進み、否定判定がなされた場合には一旦本ルーチンを抜ける。
ステップS309では、1サイクル目気筒に対する点火信号をOFFする。続くステップS310では、3サイクル目気筒以降の気筒に対する吸入空気量を算出する。続くステップS311では、ステップS310で算出された吸入空気量に基づいて3サイクル目気筒以降の気筒に対する燃料噴射量を算出する。
続くステップS312では、2サイクル目気筒以降の気筒に対する点火遅角量を算出する。そして、続くステップS313において、各タイミングにて、2サイクル目の点火や、3サイクル目気筒以降の気筒に対する燃料噴射と点火とが実行される。
図11は、機関始動時において、機関回転数とクランキング時間との関係を示す図である。図11においては、本実施の形態に係る始動制御を実行した場合の機関回転数を実線で示し、従来の方法により始動制御を実行した場合の機関回転数を点線で示している。
図11に示すように、本実施の形態に係る始動制御を実行することにより、始動性がより良好となり、内燃機関1を速やかに、そして、滑らかに始動させることができる。したがって、機関始動時の運転フィーリングをより向上させドライバビリティの悪化を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る始動制御装置が適用される内燃機関を示す概略構成図。 本実施の形態に係る内燃機関の始動制御全体のタイムチャートを示す図。 本実施の形態に係る内燃機関の停止時圧縮行程気筒について、機関運転停止時における機関回転数とクランク角度と燃料噴射タイミングとの関係を表す図。 本実施の形態に係る内燃機関における各気筒ごとの状態を模式的に示す図。 本実施の形態に係る内燃機関の停止時圧縮行程気筒について、機関運転停止時における機関回転数とクランク角度との関係を表す図。 本実施の形態に係る内燃機関の停止時吸気行程気筒について、機関回転数とクランク角度と燃料噴射タイミングとの関係を表す図。 本実施の形態に係る内燃機関1の停止時吸気行程気筒について、停止位置を説明するための図。 図2に示す停止途中状態Bにおいて実行される始動制御ルーチンを示すフローチャート図。 図2に示す停止状態Cにおいて実行される始動制御ルーチンを示すフローチャート図。 図2に示す機関始動状態Dにおいて実行される始動制御ルーチンを示すフローチャート図。 機関始動時において、機関回転数とクランキング時間との関係を示す図。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気弁
4 排気弁
5 点火栓
6 吸気通路
7 排気通路
8 吸気ポート
9 燃料噴射弁
10 吸気絞り弁
11 バイパス通路
12 ISC弁
13 クランクシャフト
14 クランクポジションセンサ
15 エアフロメータ
30 ECU
40 トルクコンバータ
50 トランスミッション(T/M)

Claims (11)

  1. 内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
    前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
    前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
    内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
    を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
    前記機関出力軸の停止位置、または、前記機関出力軸の停止直前の回転状態に基づいて、前記予測手段により予測される停止位置を補正する補正手段と、
    前記機関出力軸の回転停止位置を検出する停止位置検出手段と、
    機関始動後の所定期間の間、機関回転数と、前記機関出力軸の停止位置と、吸気通路内の容量と、吸気行程が行われた回数とに基づいて、気筒内に吸入される空気量を予測し、予測された空気量から該気筒に対する燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
    を備えるとともに、
    前記燃料噴射制御手段は、前記予測手段により前記機関出力軸の停止位置から吸気行程にあると予測される停止時吸気行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させるものであって、該燃料噴射弁の作動期間を前記予測手段により予測される前記機関出力軸の停止位置に基づいて切り替え、
    前記始動制御手段は、前記停止位置検出手段により検出された前記機関出力軸の停止位置に基づいて、点火栓を作動させる点火時期を切り替えることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
    前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にあ
    る停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
    前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
    内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
    を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
    前記機関出力軸の回転が停止した場合の停止位置を検出する停止位置検出手段と、
    前記停止位置検出手段により検出された前記機関出力軸の停止位置と、前記予測手段により予測された前記機関出力軸の停止位置とのズレを算出する位置ズレ算出手段と、
    前記位置ズレ算出手段により算出されたズレ量が所定値以上の場合に、該ズレ量に基づいて、前記予測手段により予測される停止位置を補正する補正手段と、
    をさらに備えることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  3. 内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
    前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより低下する機関回転数に基づいて内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
    前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行
    程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
    内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
    を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
    前記予測手段は、前記運転停止手段が前記燃料噴射弁、及び、前記点火栓の作動を停止させた後の機関回転数の所定時間当たりの機関回転数低下率を予測するものであり、
    前記予測手段により算出された機関回転数低下率が基準低下率からズレた場合、ズレ量に基づいて前記予測手段により予測される機関回転数低下率を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  4. 内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
    前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
    前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
    内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
    を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
    自動変速機の変速段に基づいて、前記予測手段により予測される停止位置を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  5. 内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
    前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
    前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
    内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気
    筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
    を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
    前記運転停止手段が、車両走行中において運転停止条件が成立したとして前記燃料噴射弁、及び、前記点火栓の作動を停止させる場合であり、かつ、自動変速機が走行レンジの場合に、前記予測手段により予測される停止位置を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  6. 内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
    前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
    前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
    内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
    を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
    前記予測手段は、さらに、予測される前記機関出力軸の停止位置から吸気行程にある停止時吸気行程気筒を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、さらに、前記予測手段により予測される停止時吸気行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させるものであって、該燃料噴射弁の作動期間を前記予測手段により予測される前記機関出力軸の停止位置に基づいて切り替え、
    前記始動制御手段は、さらに、前記予測手段により予測された停止時吸気行程気筒の点火栓を作動させることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  7. 前記機関出力軸の回転停止位置を検出する停止位置検出手段をさらに備え、
    前記燃料噴射制御手段は、
    前記予測手段により前記機関出力軸の停止位置は停止時吸気行程気筒のピストンの停止位置が下死点近傍となる位置であると予測される場合は、前記機関出力軸の回転が停止する直前に前記燃料噴射弁を作動させ、
    前記予測手段により前記機関出力軸の停止位置は停止時吸気行程気筒のピストンの停止位置が下死点近傍となる位置にはないと予測される場合は、機関始動時に前記燃料噴射弁を作動させ、
    前記予測手段により停止時吸気行程気筒のピストンの停止位置は下死点近傍となる位置にはないと予測された前記機関出力軸の停止位置が、前記停止位置検出手段により該ピストンの停止位置が下死点近傍となる位置であると検出された場合は、前記機関出力軸の回転停止時に前記燃料噴射弁を作動させることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の始動制御装置。
  8. 前記燃料噴射制御手段は、前記機関出力軸の回転が停止する直前、または、前記機関出力軸の回転停止時に前記燃料噴射弁を作動させた後、該機関出力軸の回転停止時間が所定時間を越えた場合には、さらに前記燃料噴射弁を作動させることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の始動制御装置。
  9. 内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
    前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
    前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程
    気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
    内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
    を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
    前記機関出力軸の回転停止位置を検出する停止位置検出手段をさらに備え、
    前記始動制御手段は、前記停止位置検出手段により検出された前記機関出力軸の停止位置に基づいて、点火栓を作動させる点火時期を切り替えることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  10. 内燃機関の運転停止条件が成立したときに、内燃機関の吸気通路へ燃料噴射する燃料噴射弁、及び、内燃機関の気筒内に点火する点火栓の作動を停止させる運転停止手段と、
    前記燃料噴射弁及び前記点火栓の作動が停止することにより内燃機関の機関出力軸の回転が停止する位置を予測するとともに、当該位置から内燃機関の運転停止時に圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒を予測する予測手段と、
    前記機関出力軸の回転が停止する直前に、前記予測手段により予測される停止時圧縮行程気筒の燃料噴射弁を再度作動させる燃料噴射制御手段と、
    内燃機関の始動条件が成立したときに、前記予測手段により予測された停止時圧縮行程気筒の点火栓を作動させる始動制御手段と、
    を備えた内燃機関の始動制御装置であって、
    機関始動後の所定期間の間、機関回転数と、前記機関出力軸の停止位置と、吸気通路内の容量と、吸気行程が行われた回数とに基づいて、気筒内に吸入される空気量を予測し、予測された空気量から該気筒に対する燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  11. 前記燃料噴射制御手段は、前記機関出力軸の回転が停止する直前及び回転停止時に、内燃機関の運転停止時に膨張行程にある気筒の燃料噴射弁を再度作動させないことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の内燃機関の始動制御装置。
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