JP4376420B2 - 物品支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、起立位置から伏倒位置に向けて回動可能にケースに組み付けられた蓋の内面部に、この伏倒位置において物品を支持する物品支持部材を備えさせて構成される物品支持装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
起立位置から伏倒位置に向けて回動可能に設けられた受承板(蓋)の内面部に、この受承板の側端部に下端部を回動可能に連結させると共に、上端部をこの受承板によって塞がれるコンソールボックスの開口を形成させる奥壁部に回動可能に連結させた一対の支持アーム間に亘るように支持板(物品支持部材)を備えさせて構成された小物用ホルダー(物品支持装置)が開示されている。(公開特許公報所載の特開平11−151968号)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、かかる従来の装置にあっては、前記受承板の伏倒位置への回動操作に伴って前記支持板を前記コンソールボックス内から単純に水平向きに移動させるに留まるものであるため、このように水平向きに移動された支持板の前端はコンソールボックスの縦向きの外壁面からさほど離れることはない。このため、かかる従来の装置を、コンソールボックスの上部開口を塞ぐコンソールリッドが開き出される側に設けさせた場合、このコンソールリッドの回動組み付け側の基部を前記支持板によって支持される物品に干渉させてしまい易いものであった。
【0004】
また、前記支持板は前記一対の支持アーム間に亘って設けられるため、支持板の左右両側にこの支持アームの上部が必然的に位置され、このように位置される支持アームの上部が当該支持板への物品の支持にあたり邪魔となる不都合があった。
【0005】
そこでこの発明は、かかる従来例の不都合を是正することを目的とする。特に、蓋の伏倒位置に向けた回動に伴って、この蓋の内側部に配した物品支持部材を、この蓋により開口を閉塞されるケースの組み込まれた組み込み対象物から離れ出させるように移動させて、当該物品支持部材による物品の支持を容易且つ適切になし得るようにすることを主たる目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、物品支持装置が、(1)組み込み対象物内に開口を縦向きに配するように組み込まれるケースと、(2)このケースの開口を閉塞する起立位置から当該開口を開放する伏倒位置まで回動可能に当該ケースに組み付けられた蓋と、
(3)この蓋の内面部に両端部間において回動可能に組み付けられたリフトアームの一端部が回動可能に組み付けられて当該蓋の内面側に配される物品支持部材と、
(4)前記蓋の伏倒位置に向けた回動に伴って、前記物品支持部材を当該蓋の内面から離れ出させ、かつ、前記ケースの開口前方に移動させるように、前記リフトアームを回動させる連係機構とを備えており、
(5)この連係機構が、リフトアームにおける物品支持部材に組み付けられた端部と反対の端部に当該蓋の先端側にある前端を回動可能に組み付けると共に、当該蓋の先端側から回動組み付け側に向けて移動可能に当該蓋に組み付けられたスライダと、
(6)一端側をケースに、かつ、他端側を前記スライダの後端に回動可能に組み付けられて、前記蓋の伏倒位置に向けた回動に伴って、前記スライダを当該蓋の先端側から離れる向きに移動させるように回動されるリンクアームとから構成されている構成とした。
【0007】
かかる構成によれば、前記ケースの開口を塞ぐ起立位置から前記伏倒位置への蓋の回動に伴って、前記リフトアームにより前記物品支持部材を当該蓋から離れ出させることができると共に、当該物品支持部材を全体として蓋とケースとの回動組み付け位置から離れる向き(つまり、当該蓋の前記伏倒位置への回動に伴って前記ケースの開口前方に移動する向き)に移動させることができる。
【0008】
すなわち、前記蓋の前記起立位置から伏倒位置への回動に伴って前記リフトアームの他端部を当該蓋とケースとの回動組み付け位置に近づける向きに引っ張るようにすれば、当該起立位置において蓋に近接された物品支持部材を当該伏倒位置に近付くに連れて次第に蓋から離れ出させ、かつ、当該ケースの開口前方に移動させることができる。
【0009】
また、前記蓋の前記伏倒位置から起立位置への回動に伴って前記リフトアームの前記他端部を当該蓋とケースとの回動組み付け位置から遠ざける向きに押し込むようにすれば、当該伏倒位置において蓋から離れ出された物品支持部材を当該起立位置に近付くに連れて次第に蓋に近づけさせ、かつ、当該ケースの開口側に向けて、さらには、前記伏倒位置において当該開口前方に移動したかかる物品支持部材の前端を前記ケース内への当該物品支持部材の収納の妨げとならないように当該ケースの上部内側より下方に移動させることができる。
【0010】
この結果、第一に、前記ケースの組み込まれる組み込み対象物から前記物品支持部材を離隔させた状態で当該物品支持部材を前記蓋の上方に位置づけ、支持することができ、この物品支持部材上に支持される物品あるいは当該物品支持部材に側部を支持されて前記蓋上に載せられる物品と組み込み対象物との間の間隔を広げさせた状態での当該物品の支持をなすことができる。
【0011】
また、第二に、前記蓋と物品支持部材との間の間隔を広げさせた状態での前記物品の支持をなすことができる。
【0012】
また、第三に、前記蓋の起立状態においては、前記蓋との間の間隔を狭めて前記ケース内に最小の収納スペース(当該ケースの主として奥行きスペース)をもって前記物品支持部材が納められるようにすることができる。
【0013】
また、第四に、前記物品支持部材を前記リフトアームをもって当該物品支持部材の裏面部において前記蓋の上方に支持するようにすることもでき、当該物品支持部材の上方の支持空間に物品の支持などの妨げとなる部分を配しないようにすることができる。
【0015】
かかる構成によれば、前記蓋を前記起立位置から伏倒位置に向けて回動させることにより、前記ケースとの回動組み付け位置を中心に前記スライダとの回動組み付け位置を下方に移動させる前記リンクアームによって、当該スライダを前記蓋の回動組み付け位置に近づける向きにスライド移動させることができ、このスライダの移動により前記リフトアームの物品支持部材に組み付けられた端部と反対の端部を引っ張って前記蓋から物品支持部材を離れ出させる向きに移動させるように当該リフトアームを回動させることができる。
【0016】
また、前記伏倒位置にある蓋を前記起立位置に向けて回動させることにより、前記ケースとの回動組み付け位置を中心に前記スライダとの回動組み付け位置を上方に移動させる前記リンクアームによって、当該スライダを当該蓋の回動組み付け位置から離れ出させる向きにスライド移動させることができ、このスライダの移動により前記リフトアームの物品支持部材に組み付けられた端部と反対の端部を押し込んで前記蓋に物品支持部材を近づけさせる向きに移動させるように当該リフトアームを回動させることができる。
【0017】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の物品支持装置におけるリフトアームが、(1)ケースに対する蓋の回動組み付け側を屈曲内側とするように屈曲状に構成されていると共に、屈曲位置で蓋に回動可能に組み付けられており、(2)しかも、この屈曲位置と物品支持部材との回動組み付け位置との間のストロークが当該屈曲位置とスライダとの回動組み付け位置との間のストロークよりも長くなるように構成してあるものとした。
【0018】
かかる構成によれば、前記スライダの移動量が小さくても前記リフトアームの蓋に組み付けられた端部側を大きく移動させることができ、前記リンクアームによるスライダの移動量を最小限に留めながら効果的に前記物品支持部材を蓋から離れ出す向きで、かつ、前記ケースの開口前方に向けて移動させることができる。
【0019】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1または請求項2記載の物品支持装置における物品支持部材に、起立状態にある飲料容器の側部を保持する保持部が形成してあるものとした。
【0020】
かかる構成によれば、前記組み込み対象物の側方において前記蓋の内面部に底を載せおいて起立状態とされた当該飲料容器をかかる物品支持部材の保持部をもって当該起立状態を維持するように支持させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図9に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0022】
なお、ここで図1ないし図4は、物品支持装置の構成の概要をそれぞれ示しており、特に、図1はかかる物品支持装置の構成各部品を分離して斜視の状態として、また、図2は伏倒位置Dwに蓋2を開きだした当該物品支持装置を側方から見た状態として、また、図4は起立位置Upに蓋2を閉じさせた当該物品支持装置を側方から見た状態として、さらに、図3は前記伏倒位置Dwと起立位置Upとの間の回動位置に前記蓋2がある状態を前記物品支持装置を側方から見た状態として、それぞれ示している。
【0023】
また、図5ないし図9は、図1ないし図4に示される物品支持装置の具体的な適用例の一つをそれぞれ示しており、特に、図5は伏倒位置Dwに蓋2を開きだした当該適用例を要部を断面にして側方から見た状態として、また、図6は上方から見た状態として、また、図7は図5の右側から見た状態として、それぞれ示している。また、図8は起立位置Upに蓋2を閉じさせた当該適用例を側方から見て、また、図9は要部を断面にして側方から見た状態として、それぞれ示している。
【0024】
この実施の形態にかかる物品支持装置は、(1)組み込み対象物Kに開口10を縦向きに配するように組み込まれるケース1と、(2)このケース1の開口10を閉塞する起立位置Upから開放する伏倒位置Dwまで当該ケース1に回動可能に組み付けられた蓋2と、(3)かかる蓋2の内面側に配される物品支持部材3と、(4)かかる蓋2の伏倒位置Dwに向けた回動に伴って、当該物品支持部材3を当該蓋2の内面から離れ出させ、かつ、前記ケース1の開口10前方に移動させる連係機構4とを備える。
【0025】
そして、前記蓋2を伏倒位置Dwに回動させることにより、前記起立位置Upにおいて前記ケース1内に収納されている前記物品支持部材3を当該伏倒位置Dwにある蓋2の上側に位置させ、かかる物品支持部材3によって、各種物品を前記組み込み対象物Kの側方において支持するように用いられるものである。
【0026】
(ケース1)
前記ケース1は、この実施の形態にあっては、前記組み込み対象物Kに設けられた組み込み穴Kaより当該ケース1の開口10を縦向きに配するように当該組み込み対象物K内に組み込まれる構成のものとしてある。
【0027】
具体的には、かかるケース1は、縦向きに板面を配される奥板11と左右側板12、12、および、横向きに板面を配される天板13および底板14を有する。そして、奥板11に対向する側を前記開口10としている。そして、かかるケース1は、かかる開口10の開口10縁を含む仮想の面(いわば、開口10面)を、前記組み込み対象物Kの縦向きの壁面Kbとほぼ同面に配するように、前記組み込み穴Kaに組み込まれる構成としてある。
【0028】
(蓋2)
前記蓋2は、この実施の形態にあっては、前記ケース1の開口10を閉塞する大きさを備えている。また、かかるケース1の開口10を閉塞する起立位置Upから当該開口10を開放する伏倒位置Dwまで、約90度回動操作できるように当該ケース1に組み付けられている。
【0029】
具体的には、かかる蓋2は、その内面部21であって前記起立位置Upにおける下辺部22両側にそれぞれ軸穴20aを備えた突部20を有している。そして、前記ケース1の底板14側にある左右側板12、12にそれぞれ設けた軸穴15と当該蓋2の突部に設けた軸穴20aとにシャフト20bを挿通、組み付けて、このシャフト20bを中心に当該蓋2の上辺部23を前記ケース1の天板13縁に接しさせる起立位置Upから前記伏倒位置Dwまで回動できるように当該ケース1に組み付けられている。
【0030】
また、この実施の形態にあっては、かかる蓋2の上辺部23のほぼ中央に設けたストライカ24に前記起立位置Upで掛合されるラッチ16を前記ケース1の天板13の内側部に設けて、かかる蓋2の当該起立位置Upでの起立状態の維持をなすようにしてある。
【0031】
なお、この実施の形態にあっては、前記起立位置Upにおいて、蓋2の下辺部22の先端がケース1の底板14の外面下方に若干突き出す大きさに蓋2が形成されており、かかる起立位置Upから伏倒位置Dwに向けた蓋2の回動に際し当該蓋2の下辺部22を組み込み対象物K内に逃がし入れる隙間17がケース1の底板14外面と組み込み穴Kaの下穴縁との間に形成されるようにしてある。また、かかる蓋2の上辺部23の外面側には、前記起立位置Upから伏倒位置Dwに向けた当該蓋2の回動操作を容易とする突起状の取っ手部25が形成してある。
【0032】
一方、この実施の形態にあっては、かかる蓋2の内面部21には、隆起部26が形成してあると共に、かかる蓋2の左右方向ほぼ中程の位置において、この隆起部26を左右にほぼ二分する溝状部27が形成してある。かかる溝状部27は、かかる蓋2の下辺部22側において開放されると共に、この下辺部22側から前記上辺部23側に向けて真っ直ぐに延びるように形成されている。
【0033】
そして、この実施の形態にあっては、この溝状部27を構成する一対の溝壁27a、27a間に、前記蓋2に前記物品支持部材3を当該蓋2の前記伏倒位置Dwへの回動に伴って当該蓋2の内面から離れ出させ、かつ、前記ケース1の開口10前方にせり出し状に移動させるように支持する後述するリフトアーム33が回動可能に組み付けられていると共に、このリフトアーム33をこのように機能させる後述する連係機構4を構成するスライダ40が組み込まれている。
【0034】
(物品支持部材3)
前記物品支持部材3は、この実施の形態にあっては、前記蓋2の内面側に配され、かつ、前記起立位置Upにおいて当該蓋2により開口10を閉塞される前記ケース1内に納まる構成のものとしてある。また、かかる物品支持部材3は、幅広の両面を備えた板状の主体部30を備えており、前記蓋2の起立位置Upから伏倒位置Dwへの回動の過程に亘って、かかる蓋2の内面部21の上方に常時当該蓋2と平行を保つように支持される構成としてある。
【0035】
この実施の形態にあっては、前記蓋2側と物品支持部材3との間に亘って設けられるリフトアーム33とサブアーム34とにより、かかる物品支持部材3を当該蓋2に前記のように支持・組み付けている。
【0036】
かかるリフトアーム33は、前記蓋2の内面部21に形成された溝状部27の延長方向ほぼ中程の位置において、当該溝状部27内に両端部間で回動可能に組み付けられている。また、かかるリフトアーム33は、その一端部(以下、リフトアーム33の上端部33aという。また、かかる上端部33aと反対のリフトアーム33の他端部をリフトアーム33の下端部33dという。)を物品支持部材3の裏面部31(つまり、かかる物品支持部材3における前記蓋2に向き合った側)に回動可能に組み付けている。具体的には、リフトアーム33は長い板状に構成されており、前記上下端部33a、33d間において当該リフトアーム33の両側端部から突き出される軸突起33gを前記溝状部27の溝壁27aに設けた軸穴27bにそれぞれ納め入れて当該溝状部27を構成する一対の溝壁27a、27a間に回動可能に組み付けられている。また、かかるリフトアーム33はその上端部33aに前記物品支持部材3の裏面部31から突き出された軸穴31bを備えた突部31aを納める凹所33bを備えており、この凹所33b内に設けられた軸突起33cをかかる物品支持部材3の突部31aの軸穴31bに納め入れて当該上端部33aを当該物品支持部材3に回動可能に組み付けている。
【0037】
また、かかるサブアーム34は棒状に形成されており、前記溝状部27における前記リフトアーム33の回動組み付け位置よりも前記蓋2の上辺部23側に近付いた位置で一端部を当該溝状部27を構成する一対の溝壁27a、27a間に回動可能に組み付けていると共に、かかるリフトアーム33と物品支持部材3との回動組み付け位置よりも当該物品支持部材3における前記蓋2の上辺部23の直上に位置される端部(以下、物品支持部材3の前端部32という。)に近接した位置(この実施の形態においては当該物品支持部材3の前後方向ほぼ中程の位置)において当該物品支持部材3の裏面部31に他端部を回動可能に組み付けている。
【0038】
そして、前記蓋2に対するかかるリフトアーム33、サブアーム34の回動軸および前記物品支持部材3に対する当該リフトアーム33、サブアーム34の回動軸がいずれも、前記ケース1に対する当該蓋2の回動軸とほぼ平行となるようにしてある。
【0039】
また、前記リフトアーム33と蓋2との回動組み付け位置から当該リフトアーム33と物品支持部材3との回動組み付け位置までのストロークと、前記サブアーム34と蓋2との回動組み付け位置から当該サブアーム34と物品支持部材3との回動組み付け位置までのストロークとが、ほぼ等しくなるように構成してある。
【0040】
また、前記蓋2に前記物品支持部材3がもっとも近接された位置で(図4の位置)、前記リフトアーム33およびサブアーム34の双方ともに当該蓋2に対する回動組み付け位置よりも当該物品支持部材3に対する回動組み付け位置を、当該蓋2と前記ケース1との回動組み付け位置に近づける構成としてある。
【0041】
これにより、この実施の形態にあっては、第一に、前記蓋2の内面側に前記物品支持部材3を、当該物品支持部材3と蓋2とが常時ほぼ平行を保つように、近接離隔移動可能に支持・配するものとされる。また、第二に、かかる蓋2から離れ出す向きの物品支持部材3の移動に伴って、物品支持部材3を全体として蓋2とケース1との回動組み付け位置から離れる向き(つまり、当該蓋2の前記伏倒位置Dwへの回動に伴って前記ケース1の開口10前方に移動する向き)に規則的に移動させる。
【0042】
この結果、前記蓋2の前記起立位置Upから伏倒位置Dwへの回動に伴って前記リフトアーム33の前記下端部33dを当該蓋2とケース1との回動組み付け位置に近づける向きに引っ張るようにすれば、当該起立位置Upにおいて蓋2に近接された物品支持部材3を当該伏倒位置Dwに近付くに連れて次第に蓋2から離れ出させ、かつ、当該ケース1の開口10前方に移動させることができる。
【0043】
また、前記蓋2の前記伏倒位置Dwから起立位置Upへの回動に伴って前記リフトアーム33の前記下端部33dを当該蓋2とケース1との回動組み付け位置から遠ざける向きに押し込むようにすれば、当該伏倒位置Dwにおいて蓋2から離れ出された物品支持部材3を当該起立位置Upに近付くに連れて次第に蓋2に近づけさせ、かつ、当該ケース1の開口10側に向けて、さらには、前記伏倒位置Dwにおいて当該開口10前方に移動したかかる物品支持部材3の前端を前記ケース1内への当該物品支持部材3の収納の妨げとならないように当該ケース1の天板13の内側より下方に移動させることができる。
【0044】
(連係機構4)
前記連係機構4は、この実施の形態にあっては、前記蓋2の溝状部27内に当該溝状部27に沿ってスライド移動可能に納められたスライダ40と、前記蓋2の起立位置Upから伏倒位置Dwへの(また、かかる伏倒位置Dwから起立位置Upへの)回動操作に伴って当該スライダ40を移動させるように前記ケース1に回動可能に組み付けられると共に当該スライダ40に接合されたリンクアーム41とから構成されている。
【0045】
かかるスライダ40は、前記リフトアーム33における前記物品支持部材3に組み付けられた上端部33aと反対の下端部33dに当該蓋2の先端側(つまり、蓋2の上辺部23側)に向けられた前端40aを回動可能に組み付けると共に、当該蓋2の上辺部23側から前記ケース1との回動組み付け側に向けて(また、かかる蓋2の回動組み付け側から当該蓋2の上辺部23側に向けて)移動可能に当該蓋2に備えられている。具体的には、かかるスライダ40は、前記溝状部27における前記蓋2の下辺部22側にある開放された溝端から一端側を突き出させた状態で、その移動方向にある両側部にそれぞれ当該移動方向に沿って設けられたリブ40bを、前記溝状部27を構成する一対の溝壁27a、27aにそれぞれ形成したリブ27cの下側にそれぞれ入り込ませて、当該溝状部27内に移動可能に納め入れられている。また、かかるスライダ40は、前記前端40a側の両側に軸突起40cをそれぞれ備えていると共に、前記リフトアーム33の下端部33dには当該スライダ40の前端40aを納める凹所33eが形成されており、また、かかる凹所33eを構成する両側部には当該軸突起40cを納める軸穴33fが形成してある。そして、この実施の形態にあっては、かかるリフトアーム33の下端部33dに設けられた軸穴33fに前記スライダ40の前端40aに設けた軸突起40cを納め入れて当該リフトアーム33の下端部33dにスライダ40が回動可能に組み付けられている。
【0046】
一方、前記リンクアーム41は、一端側をケース1に、かつ、他端側を前記スライダ40の後端40dに回動可能に組み付けられて、前記蓋2の伏倒位置Dwに向けた回動に伴って、前記スライダ40を当該蓋2の先端側(つまり蓋2の上辺部23側)から離れる向きに移動させ、また、かかる蓋2の伏倒位置Dwから起立位置Upに向けた回動に伴って、かかるスライダ40を当該蓋2の先端側に近づける向きに移動させる構成としてある。具体的には、かかるリンクアーム41は、前記ケース1の底板14内面に形成された軸穴18aを備えた一対の突片18、18間に、一端側に設けられた軸突起41aを当該軸穴18aに納めた状態で入れ込んで、当該ケース1に回動可能に組み付けられている。また、かかるリンクアーム41は、他端側に前記スライダ40の後端40dを納める凹所41bを備えていると共に、この凹所41bを構成する両側部にそれぞれ設けられた軸穴41cに当該スライダ40の後端40dの両側にそれぞれ設けた軸突起40eをそれぞれ納め入れて、当該スライダ40に回動可能に組み付けられている。また、かかるリンクアーム41とケース1との回動組み付け位置は、かかるケース1と蓋2との回動組み付け位置の上方に位置されるようにしてある。
【0047】
また、かかるリンクアーム41とケース1との回動組み付け部分の回動軸、かかるリンクアーム41とスライダ40との回動組み付け部分の回動軸、および、かかるスライダ40とリフトアーム33との回動組み付け部分の回動軸は、いずれもケース1に対する蓋2の回動軸とほぼ平行をなすようにしてある。
【0048】
これにより、この実施の形態にあっては、前記蓋2を前記起立位置Upから伏倒位置Dwに向けて回動させることにより、前記ケース1との回動組み付け位置を中心に前記スライダ40との回動組み付け位置を下方に移動させる前記リンクアーム41によって、当該スライダ40を当該蓋2の回動組み付け位置に近づける向きにスライド移動させることができ、このスライダ40の移動により前記リフトアーム33の下端部33dを引っ張って前記蓋2から物品支持部材3を離れ出させる向きに移動させるように当該リフトアーム33を回動させることができる。(図4から図3、さらに、図3から図2)
【0049】
また、前記伏倒位置Dwにある蓋2を前記起立位置Upに向けて回動させることにより、前記ケース1との回動組み付け位置を中心に前記スライダ40との回動組み付け位置を上方に移動させる前記リンクアーム41によって、当該スライダ40を当該蓋2の回動組み付け位置から離れ出させる向きにスライド移動させることができ、このスライダ40の移動により前記リフトアーム33の下端部33dを押し込んで前記蓋2に物品支持部材3を近づけさせる向きに移動させるように当該リフトアーム33を回動させることができる。(図2から図3、さらに、図3から図4)
【0050】
なお、この実施の形態にあっては、前記リンクアーム41の回動により前記スライダ40が直線運動をするのに対し、このスライダ40に下端部33dを回動可能に組み付けられたリフトアーム33が前記蓋2との回動組み付け位置を中心に回転運動をすることから、リフトアーム33の下端部33dに設けたスライダ40の軸突起40cを納める軸穴33fを当該リフトアーム33の長さ方向に沿って長い長穴状に構成して、かかるスライダ40の直線運動を当該リフトアーム33の回転運動に円滑に変換できるようにしてある。
【0051】
この実施の形態に物品支持装置は、以上の構成を備えることから、前記蓋2を前記起立位置Upから伏倒位置Dwに向けて回動させることに伴って前記連係機構4を通じて回動されるリフトアーム33により、前記物品支持部材3を当該蓋2から離れ出させ、かつ、前記ケース1の開口10前方にせり出し状に移動させることができる。
【0052】
この結果、第一に、前記ケース1の組み込まれる組み込み対象物Kから前記物品支持部材3を離隔させた状態で当該物品支持部材3を前記蓋2の上方に位置づけ、支持することができ、この物品支持部材3上に支持される物品あるいは当該物品支持部材3に側部を支持されて前記蓋2上に載せられる物品と組み込み対象物Kとの間の間隔を広げさせた状態での当該物品の支持をなすことができる。
【0053】
また、第二に、前記蓋2と物品支持部材3との間の間隔を広げさせた状態での前記物品の支持をなすことができる。
【0054】
また、第三に、前記蓋2の起立状態においては、前記蓋2との間の間隔を狭めて前記ケース1内に最小の収納スペース(当該ケース1の主として奥行きスペース)をもって前記物品支持部材3が納められるようにすることができる。
【0055】
また、第四に、前記物品支持部材3を前記リフトアーム33をもって当該物品支持部材3の裏面部31で前記蓋2の上方に支持することができ、当該物品支持部材3の上方の支持空間に物品の支持などの妨げとなる部分を配することがない。
【0056】
かかる物品支持部材3をトレイ状に構成しておけば、前記蓋2を伏倒位置Dwに回動することにより、前記組み込み対象物Kの側方においてかかる物品支持部材3上に各種物品を載せおき、支持させることができる。
【0057】
また、かかる物品支持部材3に、起立状態にある飲料容器J(例えば、ジュース缶、PETボトル、コップなど)の側部を保持する保持部35(当該物品支持部材3の肉厚方向に透設された穴など)を設けた構成としておけば、前記蓋2を伏倒位置Dwに回動することにより、前記組み込み対象物Kの側方において当該蓋2の内面部21に底Jaを載せおいて起立状態とされた当該飲料容器Jをかかる物品支持部材3の保持部35をもって当該起立状態を維持するように支持させることができる。この場合、前記リフトアーム33と連係機構4の作用により、蓋2と物品支持部材3との間の間隔を広げさせることができるので、飲料容器Jの上部開口10に近い位置での当該飲料容器Jの支持がし易く、背の高い飲料容器Jの支持も安定的になすことができる。
【0058】
この実施の形態にあっては、前記物品支持部材3の左右両側に当該物品支持部材3の肉厚方向に透設された飲料容器Jの保持穴35aを設けると共に、この保持穴35aの直下にある蓋2の内面部21にそれぞれ当該飲料容器Jの底Jaが安定的に載せおかれる底載せ面28を形成させており、蓋2の伏倒位置Dwにおいてかかる保持穴35aと底載せ面28とにより二つの飲料容器J、Jを保持できるようにしてある。また、かかる保持穴35aは物品支持部材3の前後方向にある側部において外方に開放された半円状の凹み35bとして構成されているが、この保持穴35aの内方側を湾曲内側とするように当該開放部の入り口コーナの一方に一端を回動可能に組み付けられた湾曲片35cと当該保持穴35aとによりほぼ円形の保持空間が形成されるようにしてある。
【0059】
また、組み込み対象物Kが自動車のセンターコンソールであり、そのセンターコンソールにおける自動車の後部座席側の壁面に前記ケース1の開口10が縦向きに配される場合のように、物品支持部材3に支持される物品にコンソールリッドが開き出されると当該コンソールリッドが近接されるような組み込み対象物Kに用いられる状況下でも、前記リフトアーム33と連係機構4の作用により、前記蓋2の伏倒位置Dwにおいて、かかるケース1の開口10、つまり、組み込み対象物Kとの間隔を広げさせて物品支持部材3を位置づけるようにすることから、こうしたコンソールリッドなどが支持される物品にできる限り干渉しないようにすることができる。
【0060】
なお、この実施の形態にあっては、前記リフトアーム33が、ケース1に対する蓋2の回動組み付け側を屈曲内側とするように屈曲状に構成されていると共に、屈曲位置33hで蓋2(つまり、この蓋2に形成された前記溝状部2の溝壁27a)に回動可能に組み付けられている。
【0061】
また、この屈曲位置33hとこのリフトアーム33と物品支持部材3との回動組み付け位置(つまり、リフトアーム33の上端部33a)との間のストロークが、当該屈曲位置33hとこのリフトアーム33と前記スライダ40との回動組み付け位置(つまり、リフトアーム33の下端部33d)との間のストロークよりも長くなるように構成してある。
【0062】
この結果、この実施の形態にあっては、前記スライダ40の移動量が小さくても前記リフトアーム33の上端部33aを大きく移動させることができ、前記リンクアーム41によるスライダ40の移動量を最小限に留めながら効果的に前記物品支持部材3を蓋2から離れ出す向きで、かつ、前記ケース1の開口10前方に向けて移動させることができる。
【0063】
次いで、以上に説明した物品支持装置のより具体的な適用例を、図5ないし図9に基づいて説明する。
【0064】
この図5ないし図9は、前記物品支持装置をカップホルダーとした適用例である。すなわち、かかる適用例にあっては、前記物品支持部材3の左右両側に当該物品支持部材3の肉厚方向に透設された飲料容器Jの保持穴35aを設けると共に、この保持穴35aの直下にある蓋2の内面部21にそれぞれ当該飲料容器Jの底Jaが安定的に載せおかれる底載せ面28を形成させており、蓋2の伏倒位置Dwにおいてかかる保持穴35aと底載せ面28とにより二つの飲料容器J、Jを保持できるようにしてある。
【0065】
また、かかる保持穴35aは物品支持部材3の前後方向にある側部において外方に開放された半円状の凹み35bとして構成されているが、この保持穴35aの内方側を湾曲内側とするように当該開放部の入り口コーナの一方側に一端側を回動可能に組み付けられた湾曲片35cと当該保持穴35aとによりほぼ円形の保持空間が形成されるようにしてある。(図6)
【0066】
より具体的には、この適用例にあっては、前記湾曲片35cは、(1)湾曲部35dと、(2)この湾曲部35dの一端部に一端部を一体に連接されると共に、前記物品支持部材3内にあって前記物品支持部材3における蓋2の回動組み付け側において、当該物品支持部材3の肉厚方向に設けた回動軸35fによって回動可能に組み付けられた棒状基部35eと、(3)この棒状基部35eの他端部から前記物品支持部材3の前後方向にある側部から外方に突き出すように一体に形成された突片部35gとを備えている。
【0067】
そして、この適用例にあっては、前記蓋2の起立位置Upにおいて、前記湾曲片35cは前記湾曲部35dを前記保持穴35a内に納めて位置づけられるようにしてあると共に、前記棒状基部35eの回動軸35fを巻回部に納めたねじりコイルばね35hの付勢によって、前記蓋2の伏倒位置Dwに向けた回動に伴って当該回動軸を中心に回動され前記湾曲部35dを前記保持穴35aから前記物品支持部材3の側方に突き出させる向きに回動されるようにしてある。そして、かかる蓋2の伏倒位置Dwにおいて、前記保持穴35aと前記湾曲片35cとの間で前記保持空間を形成する構成としてある。また、かかる伏倒位置Dwにある蓋2を前記起立位置Upに向けて回動させることに伴って、前記突片部35gが前記ケース1の開口10縁部に突き当たるようにしてあり、この起立位置Upに向けた蓋2の回動に伴って前記ねじりコイルばね35hの付勢に抗して前記湾曲部35dが前記保持穴35a内に再び納められるように前記回動軸35fを中心に回動される構成としてある。
【0068】
また、この適用例にあっては、前記リフトアーム33の上端部33aと物品支持部材3の裏面部31との回動組み付け軸(つまり、軸突起33c)を巻回部の内側に納めるようにしたねじりコイルばね35iが、そのばね35iの一端をリフトアーム33側に押し当て、かつ、そのばね35iの他端を物品支持部材3の裏面部31側に押し当てて、前記蓋2の伏倒位置Dwにおいても当該物品支持部材3を上方に持ち上げる付勢力を作用させるように備えられており、この蓋2の伏倒位置Dwにおいて当該リフトアーム33により物品支持部材3をガタつきなく支持できるようにしてある。
【0069】
また、この適用例にあっては、前記リフトアーム33の下端部33dの先端の移動軌跡に倣った弧状の凹み29が蓋2の内面部21に形成してあり、当該リフトアーム33が当該蓋2の回動に伴って円滑に回動されるようにしてある。
【0070】
なお、この適用例において、図1ないし図4に示される物品支持装置と実質的に同一の構成を備えた部分については、この適用例を示す各図において図1ないし図4に用いた符号と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
【発明の効果】
この発明にかかる物品支持装置によれば、蓋の伏倒位置に向けた回動に伴って、この蓋の内側部に配した物品支持部材を、この蓋の内面部から離れ出させ、かつ、この蓋により開口を閉塞されるケースが組み込まれた組み込み対象物から離れ出させる向きに移動させることができ、当該物品支持部材による物品の支持を組み込み対象物から必要な分離れた位置で容易且つ適切になすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物品支持装置の分離斜視構成図
【図2】同側面構成図(蓋2伏倒位置Dw)
【図3】同側面構成図
【図4】同側面構成図(蓋2起立位置Up)
【図5】物品支持装置の適用例を示す要部破断側面図(蓋2伏倒位置Dw)
【図6】同要部破断平面図
【図7】図5と異なる向きから見た側面図
【図8】同側面図(蓋2起立位置Up)
【図9】同要部破断側面図
【符号の説明】
K 組み込み対象物
1 ケース
10 開口
2 蓋
3 物品支持部材
33 リフトアーム
4 連係機構
Up 起立位置
Dw 伏倒位置
Claims (3)
- 組み込み対象物内に開口を縦向きに配するように組み込まれるケースと、
このケースの開口を閉塞する起立位置から当該開口を開放する伏倒位置まで回動可能に当該ケースに組み付けられた蓋と、
この蓋の内面部に両端部間において回動可能に組み付けられたリフトアームの一端部が回動可能に組み付けられて当該蓋の内面側に配される物品支持部材と、
前記蓋の伏倒位置に向けた回動に伴って、前記物品支持部材を当該蓋の内面から離れ出させ、かつ、前記ケースの開口前方に移動させるように、前記リフトアームを回動させる連係機構とを備えており、
この連係機構が、リフトアームにおける物品支持部材に組み付けられた端部と反対の端部に当該蓋の先端側にある前端を回動可能に組み付けると共に、当該蓋の先端側から回動組み付け側に向けて移動可能に当該蓋に組み付けられたスライダと、
一端側をケースに、かつ、他端側を前記スライダの後端に回動可能に組み付けられて、前記蓋の伏倒位置に向けた回動に伴って、前記スライダを当該蓋の先端側から離れる向きに移動させるように回動されるリンクアームとから構成されていることを特徴とする物品支持装置。 - リフトアームが、ケースに対する蓋の回動組み付け側を屈曲内側とするように屈曲状に構成されていると共に、屈曲位置で蓋に回動可能に組み付けられており、しかも、この屈曲位置と物品支持部材との回動組み付け位置との間のストロークが当該屈曲位置とスライダとの回動組み付け位置との間のストロークよりも長くなるように構成してあることを特徴とする請求項1記載の物品支持装置。
- 物品支持部材に、起立状態にある飲料容器の側部を保持する保持部が形成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の物品支持装置。
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