JP4364455B2 - モータ - Google Patents

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JP4364455B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/50Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive with the coupling parts connected by one or more intermediate members
    • F16D3/64Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive with the coupling parts connected by one or more intermediate members comprising elastic elements arranged between substantially-radial walls of both coupling parts
    • F16D3/68Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive with the coupling parts connected by one or more intermediate members comprising elastic elements arranged between substantially-radial walls of both coupling parts the elements being made of rubber or similar material

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータに係り、詳しくはウォーム及びウォームホイールを備えたモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パワーウインド装置やサンルーフ装置等に用いられるモータは、モータ本体と減速部とを備えている。そして、このようなモータとしては、モータ本体の回転駆動される回転軸の先端部にウォーム(ウォーム軸)を形成し、そのウォームを減速部のギヤハウジング内に収容してウォームホイールに噛合させたものがある。そして、このようなモータでは、回転軸を基端部、先端部、及び中間部の3箇所で軸受にて支持している。又、このようなモータでは、回転軸の駆動中に出力側で過負荷が加わった場合等、ウォームがウォームホイールとの噛み合い反力により軸直交方向(径方向)に急激に大きな力を受けるため、回転軸の中間部と軸受との間に該軸の逃がし用のクリアランスを設け、該軸の撓みを許容して該衝撃を吸収している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにクリアランスを設けると、該クリアランス分、ウォームとウォームホイールとの噛み合い量の低下を招くことになり、ひいてはモータ効率の低下を招くことになる。又、回転軸が撓むことから軸受の偏磨耗が発生し易いという問題がある。尚、このことは、異音の発生等の原因となる。
【0004】
又、ウォームホイールの内側にゴムクッション等を配設し、該ゴムクッションを介して出力側である出力軸を回転させることで、前記のような衝撃をゴムクッションにて吸収するものがある。しかし、この場合、減速後の衝撃吸収であるため、ゴムクッションの体積が大きくなり、ウォームホイールの小型化や薄型化が困難になるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ウォーム及びウォームホイールを備えたモータにおいて、モータ効率の向上、軸受の偏磨耗の低減、及び小型化を図ることができるモータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータケースと、前記モータケースに支持され、回転駆動される回転軸と、前記モータケースに固定されるギヤハウジングと、前記回転軸と同軸上に前記ギヤハウジングに支持されるウォーム軸と、前記ウォーム軸に噛合されるとともに出力側に連結されるウォームホイールと、前記回転軸と前記ウォーム軸とを略一体回転可能に連結し、該回転軸と該ウォーム軸間の衝撃を吸収する緩衝連結部材とを備えたモータを要旨とする。
【0007】
また、該モータにおいて、前記緩衝連結部材は、前記回転軸と一体回転し、回転方向に係合可能な回転軸側係合部を有する回転軸側回転体と、前記ウォーム軸と一体回転し、回転方向に係合可能なウォーム軸側係合部を有するウォーム軸側回転体と、前記回転軸側係合部と前記ウォーム軸側係合部との間で回転方向に係合されて配設される緩衝部材とを備え、前記ウォーム軸側回転体は、前記ウォーム軸側係合部が設けられた円柱部を有し、該円柱部には、前記ウォーム軸側にそのウォーム軸の軸線方向に沿って延び、且つ内径が前記ウォーム軸の外径と同じである筒形状部が形成され、該筒形状部には前記ウォーム軸の回転を検出するための回転検出部材が固定された。
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記緩衝部材は、隣り合う前記回転軸側係合部と前記ウォーム軸側係合部間にそれぞれ設けられ、該各緩衝部材は緩衝部材連結部にて環状に連結された。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモータにおいて、前記回転軸側係合部及び前記ウォーム軸側係合部を、それぞれ回転方向に複数設けた。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のモータにおいて、前記回転軸側係合部及び前記ウォーム軸側係合部を、それぞれ等角度間隔に設けた。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記回転軸及び前記ウォーム軸は、前記モータケースと前記ギヤハウジングに対して、それぞれ少なくとも両端側の2個所で回転可能に支持される。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記緩衝部材は、ゴム材からなる。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、緩衝連結部材にて、回転軸とウォーム軸とが略一体回転可能に連結され、同緩衝連結部材にて、該回転軸と該ウォーム軸間の衝撃が吸収される。よって、例えば、回転軸の駆動中に出力側で過負荷が加わった場合等、出力側からの衝撃は緩衝連結部材にて吸収される。これにより、例えばウォーム軸とその軸受間に、ウォーム軸の径方向への逃がし用のクリアランスを設ける必要がなくなる。よって、クリアランス分のウォーム軸とウォームホイールとの噛み合い量の低下を抑止することができ、ひいてはモータの高効率化を図ることができる。又、衝撃が吸収されるため、ウォーム軸が撓み難くなり、その軸受の偏磨耗が低減される。さらに、ウォームホイールと出力側との間に緩衝部材を設ける場合に比べて、衝撃を吸収するための緩衝部材、例えばゴム材の体積を小さくすることができる。
【0015】
また、回転軸が回転駆動されると、回転軸側回転体が一体回転し、その回転軸側係合部から緩衝部材を介してウォーム軸側係合部に回転力が伝達され、ウォーム軸側回転体及びウォーム軸が略一体回転される。よって、緩衝部材にて回転軸とウォーム軸間の衝撃が吸収される。また、例えば、予め回転検出部材を緩衝連結部材のウォーム軸側回転体(円柱部の筒形状部)に固定しておくことにより、その部品管理が容易となる。
【0016】
請求項に記載の発明によれば、緩衝部材は、隣り合う前記回転軸側係合部と前記ウォーム軸側係合部との間にそれぞれ設けられ、該各緩衝部材は緩衝部材連結部にて環状に連結されるため、緩衝部材が一部品となり、部品点数の増大が抑制される。又、各緩衝部材は、緩衝部材連結部にて環状に連結されるため、隣り合う前記回転軸側係合部と前記ウォーム軸側係合部との間から径方向外側に飛び出してしまうことが防止される。よって、緩衝部材を径方向に保持するための構造が特に不要となり、各部材を簡単な形状や構成とすることができる。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、前記回転軸側係合部及び前記ウォーム軸側係合部は、それぞれ回転方向に複数設けられるため、隣り合う回転軸側係合部とウォーム軸側係合部との間にそれぞれ設けられる緩衝部材の数を4個以上とすることができ、各緩衝部材にかかる荷重を小さくすることができる。よって、回転軸とウォーム軸間の衝撃がバランス良く吸収されるとともに、耐久性が向上される。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、前記回転軸側係合部、及び前記ウォーム軸側係合部は、それぞれ等角度間隔に設けられるため、各部材を大幅に回動させなくても、その組み付け時の周方向の位置決めを行なうことができる。よって、その組み付け作業が容易となる。
【0020】
請求項に記載の発明によれば、前記回転軸及び前記ウォーム軸は、前記モータケースと前記ギヤハウジングに対して、それぞれ少なくとも両端側の2個所で回転可能に支持される。そして、回転軸とウォーム軸間の衝撃が吸収されることから、回転軸及びウォーム軸を常に同軸上に保持(径方向に逃げ難く、撓み難く、がたつき難く)することができる。よって、特にウォーム軸とウォームホイールとの噛み合い量の低下を抑止することができ、ひいてはモータの高効率化を図ることができる。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、前記緩衝部材は、ゴム材よりなるため、容易に成形及び配置することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について図1〜図8を参照して説明する。図1は、本実施の形態におけるモータ1の要部断面図を示す。モータ1は、モータ本体2と減速部3とを備えている。
【0024】
図1に示すように、上記モータ本体2は、モータケースとしてのヨークハウジング(以下、単にヨークという)4、1対のマグネット5、回転軸6、コア鉄心7、コンミテータ(整流子)8、樹脂製のブラシホルダ9、給電用のブラシ10、本体側第1及び第2軸受11,12を備えている。
【0025】
ヨーク4は、略有底扁平円筒状に形成されている。そして、ヨーク4の軸直交方向断面の長手方向両端の内周面には、1対のマグネット5が対向して固着されている。また、ヨーク4の底部には、本体側第1軸受11が固定され、該軸受11にて回転軸6の基端部が回転可能に支持されている。この回転軸6の先端部には、図2に示すように、円柱形状から平行に面取りした2面巾凸部6a(図2及び図3参照)が形成されている。
【0026】
上記マグネット5の位置に対応する上記回転軸6の中間部には、前記コア鉄心7が固定されている。また、上記回転軸6の上記コア鉄心7よりも先端側には、コンミテータ8が固定されている。
【0027】
上記ヨーク4の開口部には、該ヨーク4の軸直交方向断面の長手方向の外側に延びるフランジ部4aが形成されている。
ヨーク4の開口部には、ブラシホルダ9が嵌合固定されている。このブラシホルダ9は、ヨーク4の開口部と対応し、同開口部を略覆っている。ブラシホルダ9のヨーク4内部側には図示しない配線で外部の図示しない制御装置(外部電源)に接続される一対のブラシ10が配設されている。又、ブラシホルダ9の略中央には本体側第2軸受12が設けられ、該軸受12にて上記回転軸6の先端側が回転可能に支持されている。
【0028】
ここで、上記ブラシ10は、上記コンミテータ8に対応した位置に配置されて同コンミテータ8と接触している。よって、制御装置(外部電源)からブラシ10及びコンミテータ8を介してコア鉄心7に巻装したコイル導線に電流が供給されると、同コア鉄心7及び回転軸6が回転駆動される。
【0029】
減速部3は、ギヤハウジング21と、減速部側第1及び第2軸受22a,22bと、ウォーム軸23と、ウォームホイール24と、出力軸25とを備える。
ギヤハウジング21は、樹脂製であって、そのモータ本体2に固定される側(図1中、上側)端部(以下、上側端部という)には、ブラシホルダ9が嵌合される嵌合凹部21aが形成されている。そして、ギヤハウジング21は、嵌合凹部21aにブラシホルダ9が嵌合された状態で、上側端部外縁側がヨーク4のフランジ部4aにネジ26にてネジ止めされている。
【0030】
ギヤハウジング21には、前記嵌合凹部21aの中央から凹設された円形の収容凹部21b、及び、該収容凹部21bの底部中央から回転軸6の軸線方向に沿って延びるように凹設したウォーム軸収容部21cが形成されている。又、ギヤハウジング21には、ウォーム軸収容部21cの中間部の軸線直交方向(図1中、左方向)に該ウォーム軸収容部21cと連通するホイール収容部21dが形成されている。
【0031】
そして、ギヤハウジング21のウォーム軸収容部21cの開口部には、減速部側第1軸受22aが固定されている。又、ウォーム軸収容部21cの底部には、減速部側第2軸受22bが固定されている。尚、本実施の形態の減速部側第1及び第2軸受22a,22bは、金属製で略円筒形状のすべり軸受(メタル軸受)である。
【0032】
ウォーム軸23は、金属材料よりなり、その中間部にウォーム23aが形成されている。又、ウォーム軸23の基端部には、円柱形状から平行に面取りした2面巾凸部23b(図2及び図3参照)が形成されている。又、ウォーム軸23の基端部には、2面巾凸部23bから突出した円柱形状の当接凸部23c(図2及び図3参照)が形成されている。そして、ウォーム軸23は、その両端側で前記減速部側第1及び第2軸受22a,22bに回転可能に支持されてウォーム軸収容部21c内に収容されている。
【0033】
ウォームホイール24は、ウォーム23aと噛合され、ウォーム軸23と直交する方向(図1の紙面直交方向)の軸中心で回転可能にホイール収容部21d内に収容されている。そして、出力軸25は、ウォームホイール24の回転に応じて同軸で回転するように該ウォームホイール24に連結されている。尚、この出力軸は、図示しない外部の負荷、例えば車両のウインドガラスやサンルーフのルーフガラスに連結される。
【0034】
前記回転軸6は、緩衝連結部材30を介してウォーム軸23に連結されている。この緩衝連結部材30は、回転軸6とウォーム軸23を略一体回転可能に連結するとともに、該回転軸6とウォーム軸23間の衝撃を吸収する。詳しくは、緩衝連結部材30は、図2及び図3に示すように、回転軸側回転体31と、ウォーム軸側回転体32と、一体緩衝部材33と、ボール34とを備えている。
【0035】
回転軸側回転体31は、樹脂製であり、図2〜図5に示すように、略円盤形状の円盤部31aと、円盤部31aの軸中心から軸線方向(図2、図3及び図5中、下方向)に延出した筒部31bと、円盤部31aの外周縁の所定位置から軸線方向(図2、図3及び図5中、下方向)に突出した回転軸側係合部31cとから構成されている。本実施の形態の回転軸側係合部31cは、円盤部31aの外周縁の3個所から突出している。又、回転軸側係合部31cは、円盤部31aの外周縁に等角度間隔で設けられている。又、各回転軸側係合部31cは、円盤部31aの軸中心を中心とした略扇形状に形成されている。又、円盤部31a及び筒部31bの軸中心には、前記回転軸6の2面巾凸部6aが嵌挿可能な2面巾凹部31dが円盤部31a側から凹設されている。又、筒部31bの軸中心先端部には、その先端側から徐々に直径の小さくなるテーパ凹部31eが形成されている。このテーパ凹部31eは、2面巾凹部31dまで連通して形成されている。そして、回転軸側回転体31は、2面巾凹部31dに回転軸6の2面巾凸部6aが嵌挿されて該回転軸6と一体回転するように固定されている。
【0036】
ウォーム軸側回転体32は、樹脂製であり、図2、図3、図7及び図8に示すように、略円柱形状の円柱部32aと、円柱部32aの軸中心から軸線方向(図2、図3及び図8中、上方向)に延出した筒部32bと、円柱部32aの外周側の所定位置から軸線方向(図2、図3及び図8中、上方向)に突出したウォーム軸側係合部32cとから構成されている。本実施の形態のウォーム軸側係合部32cは、円柱部32aの外周側の3個所から突出している。又、ウォーム軸側係合部32cは、円柱部32aの外周側に等角度間隔で設けられている。又、各ウォーム軸側係合部32cは、円柱部32aの軸中心を中心とした略扇形状に形成されている。又、円柱部32aにおいて、前記筒部32bと反対方向の軸線方向(図2、図3及び図8中、下方向)には、内径が前記ウォーム軸23の外径と同じの筒形状に延びるセンサマグネット圧入部32gが形成されている。又、円柱部32aの軸中心には、前記ウォーム軸23の2面巾凸部23bが嵌挿可能な2面巾凹部32dが筒部32bの反対側から凹設されている。さらに、円柱部32a及び筒部32bの軸中心には、前記ウォーム軸23の当接凸部23cが嵌挿可能な円形凹部32eが2面巾凹部32dの底部から凹設されている。又、筒部32bの軸中心先端部には、その先端側から徐々に直径の小さくなるテーパ凹部32fが形成されている。このテーパ凹部32fは、円形凹部32eまで連通して形成されている。そして、ウォーム軸側回転体32は、2面巾凹部32dにウォーム軸23の2面巾凸部23bが嵌挿されるとともに、円形凹部32eに当接凸部23cが嵌挿されて該ウォーム軸23と一体回転するように固定されている。
【0037】
一体緩衝部材33は、ゴム材からなり、図2、図3及び図6に示すように、環状の緩衝部材連結部としての緩衝部連結部33aと、緩衝部連結部33aの外周から放射状に突出する緩衝部材としての緩衝部33bとから構成されている。この一体緩衝部材33の緩衝部連結部33aの内径は、前記回転軸側回転体31及び前記ウォーム軸側回転体32の各筒部31b,32bの外径と略同じに設定されている。又、緩衝部連結部33aの外径は、前記各回転軸側係合部31c及び前記各ウォーム軸側係合部32cの内径(各係合部31c,32cの内側から該回転体31,32の軸中心までを半径とした径)と略同じに設定されている。又、緩衝部33bは、緩衝部連結部33aの周方向に6個設けられている。又、緩衝部33bは、等角度間隔に設けられている。又、緩衝部33bは、緩衝部連結部33aの軸中心を中心とした略扇形状に形成されている。
【0038】
そして、回転軸側回転体31、ウォーム軸側回転体32、及び一体緩衝部材33は、各緩衝部33bが周方向に隣り合う回転軸側係合部31cとウォーム軸側係合部32cとの間に配置されるように連結される。このとき、緩衝部連結部33aは、図3に示すように、各筒部31b,32bに外嵌されるとともに、各回転軸側係合部31c及び各ウォーム軸側係合部32cの内側に内嵌されるように配置される。又、このとき、対向する両テーパ凹部31e,32f間には、ボール34が略収容されて保持され、該ボール34は回転軸6(2面巾凸部6a)の先端及びウォーム軸23(当接凸部23c)の先端と当接される。又、このように連結された状態で、対向する両筒部31b,32bの端面間と、対向する回転軸側係合部31cと円柱部32aの端面間と、対向するウォーム軸側係合部32cと円盤部31aの端面間には、それぞれ若干の隙間が形成されるように各部材の寸法が設定されている。よって、少なくとも1つの前記端面が当接するまでの範囲で、回転軸側回転体31に対してウォーム軸側回転体32が傾動可能とされる。尚、この傾動時、前記緩衝部連結部33aは、圧縮されて弾性変形することになる。
【0039】
尚、本実施の形態では、ウォーム軸側回転体32が固定される前に、回転検出部材としてのセンサマグネット41がウォーム軸側回転体32のセンサマグネット圧入部32gに圧入されて固定されている。詳しくは、センサマグネット41は、図2に示すように、前記円柱部32aと同じ外径の略円盤形状に形成され、その軸中心部には、前記ウォーム軸側回転体32のセンサマグネット圧入部32gが圧入可能な円形孔41aが形成されている。そして、センサマグネット41は、その円形孔41aにセンサマグネット圧入部32gが圧入されて該ウォーム軸側回転体32に固定されている。又、本実施の形態のギヤハウジング21の前記センサマグネット41と対応した位置には、図示しない回転センサ(例えばホールIC)が配置され、該回転センサの検出信号によりフィードバック制御が可能とされている。
【0040】
上記のように構成されたモータ1は、以下のように動作する。
モータ本体2が駆動され、回転軸6が回転駆動されると、回転軸6と回転軸側回転体31が一体回転する。すると、回転軸側回転体31の回転軸側係合部31cから一体緩衝部材33の緩衝部33bを介してウォーム軸側回転体32のウォーム軸側係合部32cに回転力が伝達され、回転軸側回転体31と共にウォーム軸側回転体32及びウォーム軸23が略一体回転する。すると、ウォーム軸23の回転に応じてウォームホイール24が回転し、そのウォームホイール24の回転に応じて出力軸25が回転する。よって、出力軸25に連結される負荷、例えば車両のウインドガラスやサンルーフのルーフガラス等が駆動される。
【0041】
そして、上記したような駆動中に、例えば出力軸25側で過負荷が加わると、緩衝連結部材30、詳しくは一体緩衝部材33の緩衝部33bにて、回転軸6とウォーム軸23間の衝撃が吸収される。
【0042】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)緩衝連結部材30、詳しくは一体緩衝部材33の緩衝部33bにて、回転軸6とウォーム軸23間の衝撃が吸収されるため、ウォーム軸23と、減速部側第1及び第2軸受22a,22b間に、ウォーム軸23の径方向への逃がし用のクリアランスを設ける必要がなくなる。よって、クリアランス分のウォーム軸23とウォームホイール24との噛み合い量の低下を抑止することができ、ひいてはモータ1の高効率化を図ることができる。又、衝撃が吸収されるため、ウォーム軸23が撓み難くなり、減速部側第1及び第2軸受22a,22bの偏磨耗が低減される。さらに、ウォームホイール24と出力軸25との間に緩衝部材を設ける場合と異なり、モータ1の減速前段階で衝撃を吸収するため、緩衝部材(緩衝部33b)の体積を小さくすることができる。
【0043】
(2)緩衝部33bは、隣り合う回転軸側係合部31cとウォーム軸側係合部32cとの間にそれぞれ設けられ、該各緩衝部33bは緩衝部連結部33aにて環状に連結されるため、緩衝部材が一部品(一体緩衝部材30)となり、部品点数の増大が抑制される。これにより、組み付け作業工程数の増大は抑制される。又、各緩衝部33bは、緩衝部連結部33aにて環状に連結されるため、隣り合う回転軸側係合部31cとウォーム軸側係合部32cとの間から径方向外側に飛び出してしまうことが防止される。よって、緩衝部33bを径方向に保持するための構造が特に不要となり、各部材を簡単な形状や構成とすることができる。
【0044】
(3)緩衝部連結部33aは、各筒部31b,32bに外嵌されるとともに、各回転軸側係合部31c及び各ウォーム軸側係合部32cの内側に内嵌されるように配置される。言い換えると、緩衝部連結部33aは、回転軸側回転体31及びウォーム軸側回転体32の互いの芯ずれを許容するための隙間に介在される。そして、緩衝部連結部33aは、弾性を有するため、回転軸6及びウォーム軸23の芯ずれが許容されるとともに、回転軸側回転体31とウォーム軸側回転体32との衝突やそれにと伴う騒音や磨耗が低減される。尚、回転軸6及びウォーム軸23の芯ずれが許容されることは、各部材の高い寸法精度や高い組み付け精度を必要としなくなるため、ひいてはモータ1のコストの低減に寄与する。
【0045】
(4)回転軸側係合部31c及びウォーム軸側係合部32cは、それぞれ回転方向に3個ずつ設けられ、隣り合う回転軸側係合部31cとウォーム軸側係合部32cとの間にそれぞれ設けられる緩衝部33bの数は6個とされている。よって、各緩衝部33bにかかる荷重は小さくなる。よって、回転軸6とウォーム軸23間の衝撃がバランス良く吸収されるとともに、耐久性が向上される。
【0046】
(5)回転軸側係合部31c、ウォーム軸側係合部32c、及び緩衝部33bは、それぞれ等角度間隔に設けられるため、各部材31c,32c,33bを大幅に回動させなくても、その組み付け時の周方向の位置決めを行なうことができる。よって、その組み付け作業が容易となる。又、各部材31c,32c,33bは周方向に所定パターンを繰り返す形状となるため、各部材31c,32c,33bを容易に設計及び製造することができる。
【0047】
(6)回転軸6及びウォーム軸23は、ヨーク4とギヤハウジング21に対して、それぞれ両端側の2個所で回転可能に支持される。そして、回転軸6とウォーム軸23間の衝撃が吸収されることから、回転軸6及びウォーム軸23を常に同軸上に保持(径方向に逃げ難く、撓み難く、がたつき難く)することができる。よって、特にウォーム軸23とウォームホイール24との噛み合い量の低下を抑止することができ、ひいてはモータ1の高効率化を図ることができる。
【0048】
(7)一体緩衝部材33(緩衝部33b)は、ゴム材からなるため、容易に成形及び配置することができる。
(8)ウォーム軸側回転体32には、2面巾凹部32d及びセンサマグネット圧入部32gが形成され、センサマグネット41には、該センサマグネット圧入部32gが圧入される円形孔41aが形成され、2面巾凹部32dにウォーム軸23に形成された2面巾凸部23bが嵌挿されることで、各部材の回り止めがなされている。このようにすると、ウォーム軸23に回転方向に係合する2種類(ウォーム軸側回転体32用とセンサマグネット41用)の回り止め部を形成しなくてよいため、その加工が容易となり、製造コストを低減することができる。又、センサマグネット41は、樹脂製のウォーム軸側回転体32に固定されるため、その割れが低減される。
【0049】
(9)緩衝連結部材30の一部であるウォーム軸側回転体32に、センサマグネット41(回転検出部材)を固定するようにしたため、例えば、予めセンサマグネット41をウォーム軸側回転体32に固定しておくことにより、その部品管理が容易となる。
【0050】
上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、緩衝連結部材30は、回転軸側回転体31と、ウォーム軸側回転体32と、一体緩衝部材33と、ボール34とを備えるとしたが、回転軸6とウォーム軸23を略一体回転可能に連結するとともに、該回転軸6とウォーム軸23間の衝撃を吸収できれば、他の構成に変更してもよい。例えば、ボール34を省略した構成としてもよい。尚、この場合、他の部材の形状等を適宜変更する必要がある。このようにしても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
・上記実施の形態では、各緩衝部33bを緩衝部連結部33aにて環状に連結したが、各緩衝部33bを独立した緩衝部材としてもよい。但し、この場合、その緩衝部材を隣り合う回転軸側係合部31cとウォーム軸側係合部32cとの間に保持する構造を必要とする。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)、(4)、(6)〜(8)と同様の効果を得ることができる。
【0052】
・上記実施の形態では、緩衝部連結部33aは、回転軸側回転体31及びウォーム軸側回転体32の互いの芯ずれを許容するための隙間に介在されるとしたが、芯ずれを許容するための隙間とは無関係の位置に配置するように変更してもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)、(2)、(4)〜(8)と同様の効果を得ることができる。
【0053】
・上記実施の形態では、回転軸側係合部31c及びウォーム軸側係合部32cの数をそれぞれ3個ずつとし、緩衝部33bの数を6個としたが、それらの個数を適宜変更してもよい。尚、回転軸側係合部及びウォーム軸側係合部の数をそれぞれ複数とすると、緩衝部の数を4個以上とすることができ、各緩衝部にかかる荷重を小さくすることができる。
【0054】
・上記実施の形態では、回転軸側係合部31c、ウォーム軸側係合部32c、及び緩衝部33bは、それぞれ等角度間隔に設けられるとしたが、少なくとも1つを不等角度間隔に設けてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(4)、(5)〜(8)と同様の効果を得ることができる。又、例えば、出力軸25側で過負荷が加わる方向が特定される場合等、該方向の過負荷に基づく衝撃を吸収する側(1つおきの郡)の緩衝部の周方向幅を長くしてもよい。このようにすると、緩衝部の無駄を低減しながら、回転軸6とウォーム軸23間の衝撃を吸収することができる。
【0055】
・上記実施の形態では、一体緩衝部材33(緩衝部33b)は、ゴム材からなるとしたが、他の材料に変更してもよい。例えば、緩衝部をコイルばねに変更して実施してもよい。このようにしても、コイルばねにて、回転軸6とウォーム軸23間の衝撃を吸収することができる。
【0056】
・上記実施の形態では、ウォーム軸23の2面巾凸部23bにてウォーム軸側回転体32及びセンサマグネット41の回り止めを行なったが、ウォーム軸側回転体32及びセンサマグネット41の回り止めを行なうための構造を別々に構成してもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(7)と同様の効果を得ることができる。
【0057】
・上記実施の形態では、センサマグネット41をウォーム軸側回転体32に固定したが、センサマグネット41等の回転を検出するための回転検出部材を、緩衝連結部材30の他の一部(例えば、回転軸側回転体31)に設けて(固定して)実施してもよい。このようにしても、例えば、予めセンサマグネット(回転検出部材)を回転軸側回転体31に固定しておくことにより、その部品管理が容易となる。
【0058】
・上記実施の形態では、センサマグネット41に円形孔41aを形成し、その円形孔41aにウォーム軸側回転体32のセンサマグネット圧入部32gを圧入して該センサマグネット41と該ウォーム軸側回転体32(ウォーム軸23)を固定したが、両者を接着剤により固定してもよい。このようにしても、例えば、予めセンサマグネットをウォーム軸側回転体に接着しておくことにより、その部品管理が容易となる。
【0059】
・上記実施の形態では、緩衝連結部材30は、回転軸側回転体31(回転軸6)とウォーム軸側回転体32(ウォーム軸23)の芯ずれを許容するとしたが、該芯ずれを許容しない構成に変更してもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)、(2)、(4)〜(8)と同様の効果を得ることができる。
【0060】
上記実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)前記回転軸側係合部(31c)、前記ウォーム軸側係合部(32c)、及び前記緩衝部材(33b)を、それぞれ等角度間隔に複数設けた。このようにすると、前記回転軸側係合部、前記ウォーム軸側係合部、及び前記緩衝部材は、それぞれ等角度間隔に複数設けられるため、各部材を大幅に回動させなくても、その組み付け時の周方向の位置決めを行なうことができる。よって、その組み付け作業が容易となる。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ウォーム及びウォームホイールを備えたモータにおいて、モータ効率の向上、軸受の偏磨耗の低減、及び小型化を図ることができるモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のモータの要部断面図。
【図2】本実施の形態の緩衝連結部材の分解斜視図。
【図3】本実施の形態の緩衝連結部材の要部断面図。
【図4】本実施の形態の回転軸側回転体の底面図。
【図5】本実施の形態の回転軸側回転体の断面図。
【図6】本実施の形態の一体緩衝部材の平面図。
【図7】本実施の形態のウォーム軸側回転体の平面図。
【図8】本実施の形態のウォーム軸側回転体の断面図。
【符号の説明】
4…ヨーク(モータケース)、6…回転軸、21…ギヤハウジング、23…ウォーム軸、24…ウォームホイール、30…緩衝連結部材、31…回転軸側回転体、32…ウォーム軸側回転体、41…センサマグネット(回転検出部材)、31c…回転軸側係合部、32c…ウォーム軸側係合部、33a…緩衝部連結部(緩衝部材連結部)、33b…緩衝部(緩衝部材)。

Claims (6)

  1. モータケース(4)と、
    前記モータケース(4)に支持され、回転駆動される回転軸(6)と、
    前記モータケース(4)に固定されるギヤハウジング(21)と、
    前記回転軸(6)と同軸上に前記ギヤハウジング(21)に支持されるウォーム軸(23)と、
    前記ウォーム軸(23)に噛合されるとともに出力側に連結されるウォームホイール(24)と、
    前記回転軸(6)と前記ウォーム軸(23)とを略一体回転可能に連結し、該回転軸(6)と該ウォーム軸(23)間の衝撃を吸収する緩衝連結部材(30)とを備え、
    前記緩衝連結部材(30)は、
    前記回転軸(6)と一体回転し、回転方向に係合可能な回転軸側係合部(31c)を有する回転軸側回転体(31)と、
    前記ウォーム軸(23)と一体回転し、回転方向に係合可能なウォーム軸側係合部(32c)を有するウォーム軸側回転体(32)と、
    前記回転軸側係合部(31c)と前記ウォーム軸側係合部(32c)との間で回転方向に係合されて配設される緩衝部材(33b)とを備え、
    前記ウォーム軸側回転体(32)は、前記ウォーム軸側係合部(32c)が設けられた円柱部(32a)を有し、該円柱部(32a)には、前記ウォーム軸(23)側にそのウォーム軸(23)の軸線方向に沿って延び、且つ内径が前記ウォーム軸(23)の外径と同じである筒形状部(32g)が形成され、該筒形状部(32g)には前記ウォーム軸(23)の回転を検出するための回転検出部材(41)が固定されたことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記緩衝部材(33b)は、隣り合う前記回転軸側係合部(31c)と前記ウォーム軸側係合部(32c)間にそれぞれ設けられ、該各緩衝部材(33b)は緩衝部材連結部(33a)にて環状に連結されたことを特徴とするモータ。
  3. 請求項1又は2に記載のモータにおいて、
    前記回転軸側係合部(31c)及び前記ウォーム軸側係合部(32c)を、それぞれ回転方向に複数設けたことを特徴とするモータ。
  4. 請求項に記載のモータにおいて、
    前記回転軸側係合部(31c)及び前記ウォーム軸側係合部(32c)を、それぞれ等角度間隔に設けたことを特徴とするモータ。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記回転軸(6)及び前記ウォーム軸(23)は、前記モータケース(4)と前記ギヤハウジング(21)に対して、それぞれ少なくとも両端側の2個所で回転可能に支持されることを特徴とするモータ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記緩衝部材(33b)は、ゴム材からなることを特徴とするモータ。
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