JP2009153329A - モータの軸受け保持具 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの鉄芯を容易に固定できるようにすると共に、当該鉄芯とモータの回転軸を保持する軸受け部との同芯度を向上できるようにする。
【解決手段】ステータコア3を支持する筒形状の円筒部20aは、円筒部本体20fの所定位置に3個だけ設けられた緩衝用の穴部20bと、この穴部20bに該当する部分が円筒部本体20fの外周面より突出してステータコア3に当接する突出部20cとを有するものである。この円筒部本体20fに圧入されたステータコア3から突出部20cを介して受ける応力伝達を、当該円筒部本体20fの穴部20bにより緩和する。このようにして、円筒部本体20fの内側に取り付けられるモータ1Aの回転軸を保持する軸受けメタル5の寸法精度が悪化することを軽減する。
【選択図】図3
【解決手段】ステータコア3を支持する筒形状の円筒部20aは、円筒部本体20fの所定位置に3個だけ設けられた緩衝用の穴部20bと、この穴部20bに該当する部分が円筒部本体20fの外周面より突出してステータコア3に当接する突出部20cとを有するものである。この円筒部本体20fに圧入されたステータコア3から突出部20cを介して受ける応力伝達を、当該円筒部本体20fの穴部20bにより緩和する。このようにして、円筒部本体20fの内側に取り付けられるモータ1Aの回転軸を保持する軸受けメタル5の寸法精度が悪化することを軽減する。
【選択図】図3
Description
本発明は、電機子用の鉄芯を有したアウターロータ型のモータの軸受けハウジングに適用可能な軸受け保持具に関するものである。詳しくは、電機子用の鉄芯を支持する筒形状の支持部が、支持部本体の所定位置に少なくとも2個以上設けられた緩衝用の穴部と、この穴部に該当する部分が支持部本体の外周面より突出した突出部とを有することで、圧入された鉄芯から受ける応力伝達を緩和できるようにすると共に、当該鉄芯とモータの回転軸を保持する軸受け部との同芯度を向上できるようにしたものである。
従来のモータには、DVD(Digital Versatile Disc)の再生機などで使用される、アウターロータ型のモータがある。このモータは、ロータがステータコアの外側に設けられている。例えば、図10A及びBは、従来例に係るモータ1Cの軸受けハウジング22の構成例を示す説明図である。図10Aに示すモータ1Cは、軸受けハウジング22、ステータコア3及び軸受けメタル5を備え、この軸受けハウジング22にステータコア3及び軸受けメタル5が固定された状態を上面から見た図である。
図10Aに示すステータコア3は、その開口部3aが軸受けハウジング22の円筒部22aに圧入されて固定されている。軸受けメタル5は、軸受けハウジング22の円筒部22aの内側に圧入されて固定されている。
図10Bは、図10Aに示した軸受けハウジング22の構成例を示すX5−X5矢視断面図である。図10Bに示すモータ1Cには、二点鎖線でロータカップ10、マグネット11及び回転軸12が示されている。ロータカップ10の内側には、ステータコア3に対峙した位置にマグネット11が取り付けられている。ロータカップ10の中央部には、回転軸12が固定されている。この回転軸12は、軸受けメタル5に回転自在に係合されている。
この例で、ステータコア3に巻装されたコイル4に電圧を印加して当該ステータコア3を磁化することにより、マグネット11が取り付けられたロータカップ10を回転させると共にその回転軸12を回転させる。
このような従来例に関連して、特許文献1には、ベアリングを支持する支持体を有したハウジングが開示されている。このハウジングの支持体によれば、その断面が「S」字形状に屈曲されて形成されている。この「S」字形状の支持体により、ベアリングからの振動および熱応力を減少できるようになる。
また、特許文献2には、電動機の回転軸を支持する軸受け枠が開示されている。この軸受け枠によれば、その中央部に設けられた軸受けハウジングの周囲に、回転軸芯を中心とした波紋状でかつ断面が波板状の凹凸部が形成されている。この波板状の凹凸部により、回転軸からの振動を吸収できるようになる。
ところで、従来例に係る軸受けハウジング22によれば、この軸受けハウジング22とステータコア3との締結は一般的に接着または圧入で行うことが多い。この場合の軸受けハウジング22の材質については金属系や樹脂系で構成される場合が多い。特に樹脂で形成されている場合、圧入での締結の場合に軸受けハウジング22の円筒部22aの内側に挿入された軸受けメタル5にその応力が加わる。このため、軸受けメタル5の精度が悪化するおそれがある。これにより、軸受けメタル5とステータコア3との同芯度が低下する問題がある。
また、接着での締結の場合は、応力による軸受けメタル5への悪影響は少ないものの、材質によっては接着性が悪く、硬化促進剤の前処理工程などの工程が必要になる場合がある。これに加え、接着での締結の場合は、セットタイムが必要になるなど、副資材や加工費が掛かるうえに信頼性の問題も拭いきれないのが現状である。また、組立て寸法精度の問題により、接着剤については、低粘度且つ速乾性が求められる為、その種類も限られている。
また、特許文献1の支持体及び特許文献2の軸受け枠によれば、回転軸などから受ける振動を吸収できるが、軸受けメタルとステータコアとの同芯度を向上させることは困難である。
そこで、本発明はこのような課題を解決したものであって、モータの鉄芯を容易に固定できるようにすると共に、当該鉄芯と軸受け部との同芯度を向上できるようにしたモータの軸受け保持具を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係るモータの軸受け保持具は、基台と、前記基台に設けられ、電機子用の鉄芯の開口部が挿入されて当該鉄芯を支持する筒形状の支持部とを備え、前記筒形状の支持部は、支持部本体と、前記支持部本体の所定位置に、少なくとも2個以上設けられた緩衝用の穴部と、前記穴部に該当する部分が前記支持部本体の外周面より突出して設けられた突出部とを有し、前記突出部は、前記鉄芯の開口部に当接することを特徴とするものである。
本発明に係るモータの軸受け保持具によれば、例えば製造工程において、筒形状の支持部は、鉄芯が圧入されて当該鉄芯を支持する。このときに、支持部本体に設けられた突出部が鉄芯に当接する。この突出部を介して穴部が押圧されて、当該穴部により鉄芯からの衝撃をやわらげる。これにより、支持部本体に圧入された鉄芯から突出部を介して受ける応力伝達を、当該支持部本体の穴部により緩和できる。従って、支持部本体の内側に取り付けられるモータの回転軸を保持する軸受け部の寸法精度が悪化することを軽減できる。
本発明に係るモータの軸受け保持具によれば、鉄芯を支持する筒形状の支持部は、支持部本体の所定位置に少なくとも2個以上設けられた緩衝用の穴部と、この穴部に該当する部分が支持部本体の外周面より突出して鉄芯に当接する突出部とを有するものである。
この構成によって、支持部本体に圧入された鉄芯から突出部を介して受ける応力伝達を、当該支持部本体の穴部により緩和できる。これにより、支持部本体の内側に取り付けられるモータの回転軸を保持する軸受け部の寸法精度が悪化することを軽減できる。従って、鉄心と軸受け部との同芯度を確保できる。
また、支持部本体の突出部により、当該支持部本体と鉄心との間に所定のクリアランスを有するので、当該クリアランスを有した間隙部を接着層又は接着溜りとして機能させることができる。これにより、接着剤の種類についても間隙部のクリアランスのサイズによって選定することができるので接着剤の選定の自由度が広がる。また、この間隙部や穴部といった断熱効果の高い空気層を設けることにより、鉄芯の発熱が軸受け部に及ぼす影響を低減できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るモータの軸受け保持具の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態としてのモータ1Aの軸受けハウジング20の構成例を示す斜視図である。図1に示す軸受けハウジング20は軸受け保持具の一例を構成し、円筒部20a及びベース部20e(基台の一例)を備えている。この円筒部20aは支持部の一例を構成し、円筒形状に成形され、その円筒部本体20f(支持部本体の一例)にダンパー用の穴部20bが等間隔に3個だけ設けられている。このダンパー用の穴部20bは、円筒部20aの円弧に倣った長孔状に形成されて所定の深さを有している。また、円筒部20aは、当該穴部20bに該当する部分が円筒部本体20fの外周面より円弧状に形成されて突出した突出部20cを有している。円筒部20aは、ベース部20eに一体形成又は別体形成され、樹脂素材や金属素材などから形成される。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態としてのモータ1Aの軸受けハウジング20の構成例を示す斜視図である。図1に示す軸受けハウジング20は軸受け保持具の一例を構成し、円筒部20a及びベース部20e(基台の一例)を備えている。この円筒部20aは支持部の一例を構成し、円筒形状に成形され、その円筒部本体20f(支持部本体の一例)にダンパー用の穴部20bが等間隔に3個だけ設けられている。このダンパー用の穴部20bは、円筒部20aの円弧に倣った長孔状に形成されて所定の深さを有している。また、円筒部20aは、当該穴部20bに該当する部分が円筒部本体20fの外周面より円弧状に形成されて突出した突出部20cを有している。円筒部20aは、ベース部20eに一体形成又は別体形成され、樹脂素材や金属素材などから形成される。
図2A及びBは、軸受けハウジング20の構成例を示す説明図である。図2Aは、軸受けハウジング20の構成例を示す上面図である。図2Bは、図2Aに示すX1−X1矢視断面図である。この例で、図2Bに示す軸受けハウジング20の円筒部20aは、そのベース部20eに一体形成されている。この円筒部20aの穴部20bの深さは、図3Aに示すステータコア3を当該円筒部20aに圧入した際に、当該ステータコア3が穴部20bに対峙する深さに設定している。これにより、ステータコア3を円筒部20aに圧入した際に、当該円筒部20aの穴部20bがダンパーとして機能するので、当該円筒部20aの内部への応力伝達を緩和できる。この応力伝達を緩和により、図3Aに示す軸受けメタル5を円筒部20aの内部に取り付けた場合に、当該軸受けメタル5の寸法精度が悪化することを軽減できるようになる。
続いて、モータ1Aの軸受けハウジング20にステータコア3及び軸受けメタル5を取り付けた例を説明する。図3A及びBは、モータ1Aの軸受けハウジング20の構成例を示す上面図である。図3Aに示すモータ1Aは、軸受けハウジング20、ステータコア3及び軸受けメタル5を備え、この軸受けハウジング20にステータコア3及び軸受けメタル5が固定された状態を上面から見た図である。
図3Aに示すステータコア3は、中心に開口部3aを備え、当該開口部3aから放射状に6本の腕部3bを有する。各腕部3bにはコイル4が巻装されている。ステータコア3は、その開口部3aが軸受けハウジング20の円筒部20aの突出部20cに当接されて圧入されて固定されている。軸受けメタル5は、軸受けハウジング20の円筒部20aの内側に圧入されて固定されている。
図3Bは、図3Aに示す一点鎖線円内を拡大した要部拡大図である。図3Bに示すステータコア3を軸受けハウジング20に圧入する際、ステータコア3の開口部3aは、軸受けハウジング20の円筒部20aの突出部20cに当接されて圧入される。このとき、当該円筒部20aの突出部20cが矢印方向Q1に開口部3aにより押圧される。この開口部3aによる矢印方向Q1の押圧によって、突出部20cは、穴部20bの形状を変形させながら矢印方向Q1に若干撓む。この場合に、穴部20bはダンパーとして機能するので、円筒部20aの内径は変化しない。これにより、ステータコア3の圧入による軸受けメタル5への応力伝達を緩和できると共に、当該軸受けメタル5の寸法精度悪化を軽減できる。従って、ステータコア3と軸受けメタル5との同芯度を確保できる。
また、ステータコア3を軸受けハウジング20に圧入した際、軸受けハウジング20の円筒部20aの突出部20cにより、当該軸受けハウジング20の円筒部20aとステータコア3の開口部3aとの間にはクリアランスP1を有した間隙部20dが形成される。この例で、ステータコア3を軸受けハウジング20に接着する場合、クリアランスP1を有した間隙部20dを接着層又は接着溜りとして機能させることができる。これにより、接着剤の種類についても間隙部20dのクリアランスP1のサイズによって選定することができるので接着剤の選定の自由度が広がる。
また、穴部20bによる圧入と間隙部20dによる接着を併用することにより、軸受けメタル5の寸法精度や、ステータコア3と軸受けメタル5の同芯度といった寸法精度を崩すことなく、接着放置時間の短縮や信頼性の向上が図れる。
また、モータ1Aの構成要素の中で最も発熱の大きいステータコア3と、逆に温度による信頼性への影響の大きい軸受けメタル5の間に、穴部20b及び間隙部20dといった断熱効果の高い空気層を設けることにより、ステータコア3の発熱が軸受けメタル5に及ぼす影響を低減できる。更に、上記効果を部品点数や組立て工数の増加が殆ど無く得ることができる。また、軸受けハウジング20の穴部20bにより、当該軸受けハウジング20が、軸受けメタル5を介して回転軸12から受ける振動を吸収できる。
図4は、図3Aに示したモータ1Aの軸受けハウジング20の構成例を示すX2−X2矢視断面図である。図4に示すモータ1Aには、二点鎖線でロータカップ10、マグネット11及び回転軸12が示されている。ロータカップ10の内側には、ステータコア3に対峙した位置にマグネット11が取り付けられている。ロータカップ10の中央部には、回転軸12が固定されている。この回転軸12は、軸受けメタル5に回転自在に係合されている。
この例で、ステータコア3に巻装されたコイル4に電圧を印加して当該ステータコア3を磁化することにより、マグネット11が取り付けられたロータカップ10を回転させると共にその回転軸12を回転させる。
図4に示す軸受けハウジング20において、その円筒部20aの突出部20cは、ステータコア3に当接している。このとき、円筒部20aの穴部20bは、その中央部が内側に若干撓んでダンパーとして機能している。これにより、ステータコア3の圧入による軸受けメタル5への応力伝達を緩和できる。この円筒部20aの穴部20bの深さは、ステータコア3を当該円筒部20aに圧入した際に、当該ステータコア3が穴部20bの底に到達しない深さに設定している。また、図4に示す間隙部20dでは、ステータコア3が軸受けハウジング20に当接していない。このように、ステータコア3と軸受けハウジング20とは、穴部20b及び間隙部20dにより空気層が介在して結合されている。この空気層により、ステータコア3の発熱が軸受けメタル5に及ぼす影響を低減できる。
図5A乃至Cは、モータ1Aの製造工程の一例を示す断面図である。図5Aは、図2Aに示したX1−X1矢視断面図である。先ず、図5Aに示すモータ1Aの軸受けハウジング20の開口部20gに、軸受けメタル5を圧入する。図5Bは、軸受けハウジング20の開口部20gに、軸受けメタル5を圧入した状態である。次に、この軸受けメタル5が圧入された軸受けハウジング20の円筒部20aにステータコア3を圧入する。このとき、当該円筒部20aの突出部20cがステータコア3により内側に押圧される。このステータコア3による押圧によって、突出部20cは、穴部20bの形状を変形させながら内側に若干撓む。これにより、円筒部20aの内径が変化しないので、ステータコア3の圧入による軸受けメタル5への応力伝達を緩和できると共に、当該軸受けメタル5の寸法精度悪化を軽減できる。
また、図5Bの状態で、接着剤を円筒部20aの外周面に塗布し、その後、図5Cに示す軸受けハウジング20の円筒部20aにステータコア3を圧入してもよい。このとき、ステータコア3と軸受けハウジング20との間に形成された間隙部20dを接着層又は接着溜りとして機能させることができるので、接着剤の種類について間隙部20dのクリアランスP1(図3B参照)のサイズによって自由に選定することができる。
このように、本発明に係る第1の実施形態としてのモータ1Aの軸受けハウジング20によれば、ステータコア3を支持する筒形状の円筒部20aは、円筒部本体20fの所定位置に3個だけ設けられた緩衝用の穴部20bと、この穴部20bに該当する部分が円筒部本体20fの外周面より突出してステータコア3に当接する突出部20cとを有するものである。
従って、円筒部本体20fに圧入されたステータコア3から突出部20cを介して受ける応力伝達を、当該円筒部本体20fの穴部20bにより緩和できる。これにより、円筒部本体20fの内側に取り付けられる軸受けメタル5の寸法精度が悪化することを軽減できる。従って、ステータコア3と軸受けメタル5との同芯度を確保できる。
また、円筒部本体20fの突出部20cにより、当該円筒部本体20fとステータコア3との間に所定のクリアランスP1を有するので、当該クリアランスP1を有した間隙部20dを接着層又は接着溜りとして機能させることができる。これにより、接着剤の種類についても、間隙部20dのクリアランスP1のサイズによって選定することができるので接着剤の選定の自由度が広がる。また、この間隙部20dや穴部20bといった断熱効果の高い空気層を設けることにより、ステータコア3の発熱が軸受けメタル5に及ぼす影響を低減できる。
なお、軸受けハウジング20の円筒部20aの穴部20b、突出部20c及び間隙部20dとを併用した例を示したが、これらを単独で用いる構成も考えられる。例えば、突出部20cを形成せずに円筒部20aの外径を円形に形成し、当該円筒部20aに穴部20bのみを形成して、間隙部20dを形成しないようにすることも考えられる。また、反対に、円筒部20aに突出部20c及び間隙部20dのみを形成して、穴部20bを形成しないようにすることも考えられる。
<第2の実施形態>
図6は、本発明に係る第2の実施形態としてのモータ1Bの軸受けハウジング21の構成例を示す斜視図である。以下に示す第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6は、本発明に係る第2の実施形態としてのモータ1Bの軸受けハウジング21の構成例を示す斜視図である。以下に示す第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6に示す軸受けハウジング21は、円筒部21a及びベース部20eを備えている。この円筒部21aは、円筒形状に成形され、その壁内部にダンパー用の穴部20bが等間隔に3個だけ設けられている。このダンパー用の穴部20bは、円筒部21aの円弧に倣った長孔状に形成されて所定の深さを有している。また、円筒部21aは、当該穴部20bに該当する部分が円筒部本体21fの外周面より凸状に突出した突出部21cを有している。この凸状の突出部21cは、円弧部21g及び凸部21hから構成されている。この凸部21hは、円弧部21gの略中央に一体形成されている。
図7A及びBは、軸受けハウジング21の構成例を示す説明図である。図7Aは、軸受けハウジング21の構成例を示す上面図である。図7Bは、図7Aに示すX3−X3矢視断面図である。この例で、図7Bに示す軸受けハウジング21の円筒部21aは、そのベース部20eに一体形成されている。この円筒部21aの穴部20bの深さは、図3Aに示したステータコア3を当該円筒部21aに圧入した際に、当該ステータコア3が穴部20bに対峙する深さに設定している。これにより、ステータコア3を円筒部21aに圧入した際に、当該円筒部21aの穴部20bがダンパーとして機能するので、当該円筒部21aの内部への応力伝達を緩和できる。
続いて、モータ1Bの軸受けハウジング21にステータコア3及び軸受けメタル5を取り付けた例を説明する。図8A及びBは、モータ1Bの軸受けハウジング21の構成例を示す上面図である。図8Aに示すモータ1Bは、軸受けハウジング21、ステータコア3及び軸受けメタル5を備え、この軸受けハウジング21にステータコア3及び軸受けメタル5が固定された状態を上面から見た図である。
図8Aに示すステータコア3は、その開口部3aが円筒部21aの突出部21cに当接されて圧入されて固定されている。軸受けメタル5は、軸受けハウジング21の円筒部21aの内側に圧入されて固定されている。
図8Bは、図8Aに示す二点鎖線円内を拡大した要部拡大図である。図8Bに示すステータコア3を軸受けハウジング21に圧入する際、ステータコア3の開口部3aは、軸受けハウジング21の円筒部21aにおける突出部21cの凸部21hに当接されて圧入される。このとき、当該円筒部21aの突出部21cの凸部21hが矢印方向Q2に開口部3aにより押圧される。この開口部3aによる矢印方向Q2の押圧によって、突出部21cは、穴部20bの形状を変形させながら矢印方向Q2に若干撓む。この場合に、穴部20bはダンパーとして機能するので、円筒部21aの内径は変化しない。これにより、ステータコア3の圧入による軸受けメタル5への応力伝達を緩和できると共に、当該軸受けメタル5の寸法精度悪化を軽減できる。従って、ステータコア3と軸受けメタル5との同芯度を確保できる。また、図3Bに示した突出部20cと比較して、図8Bに示す突出部21cは、その凸部21hがステータコア3の開口部3aに当接するので、当接面積を少なくできる。これにより、製造工程において、ステータコア3を軸受けハウジング21に圧入する際に発生する摩擦力を軽減できる。
ステータコア3を軸受けハウジング21に圧入した際、軸受けハウジング21の円筒部21aの突出部21cにより、当該軸受けハウジング21の円筒部21aとステータコア3の開口部3aとの間にはクリアランスP2を有した間隙部21dが形成される。この例で、ステータコア3を軸受けハウジング21に接着する場合、クリアランスP2を有した間隙部21dを接着層又は接着溜りとして機能させることができる。これにより、接着剤の種類についても間隙部21dのクリアランスP2のサイズによって選定することができるので接着剤の選定の自由度が広がる。
また、穴部20bによる圧入と間隙部21dによる接着を併用することにより、軸受けメタル5の寸法精度や、ステータコア3と軸受けメタル5の同芯度といった寸法精度を崩すことなく、接着放置時間の短縮や信頼性の向上が図れる。
また、モータ1Bの構成要素の中で最も発熱の大きいステータコア3と、逆に温度による信頼性への影響の大きい軸受けメタル5の間に、穴部20b及び間隙部21dといった断熱効果の高い空気層を設けることにより、ステータコア3の発熱が軸受けメタル5に及ぼす影響を低減できる。
図9は、図8Aに示したモータ1Bの軸受けハウジング21の構成例を示すX4−X4矢視断面図である。図9に示すモータ1Bには、二点鎖線でロータカップ10、マグネット11及び回転軸12が示されている。ロータカップ10の内側には、ステータコア3に対峙した位置にマグネット11が取り付けられている。ロータカップ10の中央部には、回転軸12が固定されている。この回転軸12は、軸受けメタル5に回転自在に係合されている。
この例で、ステータコア3に巻装されたコイル4に電圧を印加して当該ステータコア3を磁化することにより、マグネット11が取り付けられたロータカップ10を回転させると共にその回転軸12を回転させる。
図9に示す軸受けハウジング21において、その円筒部21aの突出部21cの凸部21hは、ステータコア3に当接している。このとき、円筒部21aの穴部20bは、その中央部が内側に若干撓んでダンパーとして機能している。これにより、ステータコア3の圧入による軸受けメタル5への応力伝達を緩和できる。また、図9に示す間隙部21dでは、ステータコア3が軸受けハウジング21に当接していない。このように、ステータコア3と軸受けハウジング21とは、穴部20b及び間隙部21dにより空気層が介在して結合されている。この空気層により、ステータコア3の発熱が軸受けメタル5に及ぼす影響を低減できる。
このように、本発明に係る第2の実施形態としてのモータ1Bの軸受けハウジング21によれば、ステータコア3を支持する筒形状の円筒部21aは、円筒部本体21fの所定位置に3個だけ設けられた緩衝用の穴部20bと、この穴部20bに該当する部分が円筒部本体21fの外周面より突出してステータコア3に当接する突出部21cとを有するものである。この例で、この突出部21cは、円弧部21g及び凸部21hから構成されている。
従って、円筒部本体21fに圧入されたステータコア3から突出部21cを介して受ける応力伝達を、当該円筒部本体21fの穴部20bにより緩和できる。これにより、円筒部本体21fの内側に取り付けられるモータ1Bの回転軸12を保持する軸受けメタル5の寸法精度が悪化することを軽減できる。従って、ステータコア3と軸受けメタル5との同芯度を確保できる。
本発明は、電機子用の鉄芯を有したアウターロータ型のモータの軸受けハウジングに適用して好適である。
1A、1B・・・モータ、3・・・ステータコア(鉄芯)、5・・・軸受けメタル、20、21・・・軸受けハウジング(軸受け保持具)、20a、21a・・・円筒部(支持部)、20b・・・穴部、20c、21c・・・突出部、20d、21d・・・間隙部、20e・・・ベース部(基台)、20f、21f・・・円筒部本体(支持部本体)、21g・・・円弧部、21h・・・凸部
Claims (5)
- 基台と、
前記基台に設けられ、電機子用の鉄芯の開口部が挿入されて当該鉄芯を支持する筒形状の支持部とを備え、
前記筒形状の支持部は、
支持部本体と、
前記支持部本体の所定位置に、少なくとも2個以上設けられた緩衝用の穴部と、
前記穴部に該当する部分が前記支持部本体の外周面より突出して設けられた突出部とを有し、
前記突出部は、前記鉄芯の開口部に当接することを特徴とするモータの軸受け保持具。 - 前記穴部は、
前記支持部本体の円弧に倣った長孔状に形成されて所定の深さを有していることを特徴とする請求項1に記載のモータの軸受け保持具。 - 前記突出部は、
円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータの軸受け保持具。 - 前記突出部は、
凸状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータの軸受け保持具。 - 前記支持部と前記鉄芯の開口部との間に所定のクリアランスを有した間隙部を有し、
前記間隙部を接着層又は接着溜りとして機能させることを特徴とする請求項1に記載のモータの軸受け保持具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007330714A JP2009153329A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | モータの軸受け保持具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007330714A JP2009153329A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | モータの軸受け保持具 |
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ID=40921766
Family Applications (1)
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009153329A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012145113A (ja) * | 2011-01-13 | 2012-08-02 | Visteon Global Technologies Inc | 電動コンプレッサの固定子用のリテーナ |
JP2013150484A (ja) * | 2012-01-20 | 2013-08-01 | Nippon Densan Corp | モータ |
JP2013150483A (ja) * | 2012-01-20 | 2013-08-01 | Nippon Densan Corp | モータ |
JP2017028872A (ja) * | 2015-07-23 | 2017-02-02 | ミネベア株式会社 | アウターロータ型モータ |
-
2007
- 2007-12-21 JP JP2007330714A patent/JP2009153329A/ja active Pending
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