JP4358393B2 - ガスセンサ - Google Patents

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JP4358393B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、排気ガス等の被測定ガスが流れる流路を形成する管に取り付けられると共に、基準ガスとしての大気を外部から導入して機能するガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、混合ガス中から特定のガス成分の濃度を検出するガスセンサとしては、HCセンサやNOxセンサ等様々な種類のものが知られている。その内の一つとして、例えば図12に示す様に、酸素イオン伝導性の固体電解質体からなる検出素子502を備えた酸素センサ501が知られている。
【0003】
この検出素子502は、固体電解質体により一端が閉塞し他端が開口した有底筒状体に形成された素子本体の内外表面に内側電極503および外側電極504が夫々形成されたものである。この内側電極503と外側電極504との間には、筒状体に形成された検出素子502の内部空間と外側との酸素濃度差に応じた起電力が発生する。例えば被測定ガスの流路において、筒状の主体金具505を介して、検出素子502の閉塞端を流路を形成する管内側に突出させて外側電極504に被測定ガスを触れさせると共に、内側電極503には大気を触れさせれば、内側電極503と外側電極504との間に発生する起電力を検出することにより、被測定ガス中の酸素濃度を検出することができる。
【0004】
酸素センサ内部への大気の導入は、リード線507の捩り芯線の隙間を介して行うことができるが、大量の大気を導入できるよう筒状カバー506側面に通気孔509を設けると共に、水等の侵入を防ぐべく、例えばフッ素樹脂製の通気性を有する撥水性フィルタ508でその通気孔509を塞ぐ技術が従来より用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした酸素センサが、例えば高温の排気ガス中の酸素濃度等の検出に使用される場合には、撥水性フィルタ508は高温下に置かれることになり、長期間の使用により、熱の影響でフィルタの通気性が低下する可能性がある。
【0006】
この問題を解決するためには、例えば特開平9−54063号公報に記載の技術のように、被測定ガスの流路を形成する管の外部方向に向けられる、筒状カバーの開口端に設けられたシール部材に通気孔を形成し、その通気孔内に棒状のフィルタを挿入することが考えられる。シール部材は流路から遠く、流路を形成する管からの熱が伝わりにくいため、シール部材内にフィルタを配置させれば、フィルタが高温に晒される可能性を少なくすることができるのである。しかし、この様な棒状に形成したフィルタでは、気体が通過する際の抵抗が大きく、大気の導入が十分に行われない可能性がある。
【0007】
なお、こうした問題は、酸素センサだけでなく、大気の導入を必要とするNOxセンサやHCセンサ等のガスセンサにおいても生じている。
本発明はこうした問題に鑑みてなされたものであり、大気を外部から導入して機能するガスセンサにおいて、高温下で使用されても、大気の導入性能を維持できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた本発明のガスセンサは、酸素イオン伝導性固体電解質体の第1および第2の面に電極が形成された検出素子と、被測定ガスが流れる流路を形成する管の壁面に設けられた取付孔に装着する装着部を有し、さらに該取付孔を介して該装着部よりも該管内側に前記第1の面が配置されるように前記検出素子を保持する主体金具と、一端が該主体金具の前記装着部よりも前記管外側に接続され、他端に前記第2の面に大気を導入する通気孔および前記検出素子の両電極に接続されたリード線を通過させる挿通孔を有する柱状のシール部材を有する筒状カバーと、前記通気孔を塞ぐ、通気性の撥水性フィルタと、を備えたガスセンサであって、前記撥水性フィルタをシート状に形成し、前記通気孔に嵌挿可能な筒状挿入部材によって、該通気孔に設けたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、この様に構成された本発明のガスセンサにおいては、シール部材に形成された通気孔を塞ぐ撥水性フィルタは、シート状に形成され、通気孔に嵌挿可能な筒状挿入部材を介して、通気孔に設けられる。
したがって、本発明のガスセンサによれば、撥水性フィルタがシート状に形成されていることから良好な通気性を確保することができると共に、当該ガスセンサが流路から熱を受ける場合でも、撥水性フィルタはシール部材に設けられており熱の影響を受け難いことから、その通気性を維持することができる。
【0010】
さらに、請求項1に記載のガスセンサでは、撥水性フィルタを、筒状挿入部材の開口端部を閉塞するよう、筒状挿入部材の外周面と前記通気孔の内周面との間にて挟持することによって通気孔に設けられている
【0011】
この様に構成された請求項1に記載のガスセンサによれば、撥水性フィルタを筒状挿入部材の外周面と通気孔の内周面との間にて挟持することから、後述する様に、撥水性フィルタを筒状挿入部材で通気孔内に押し込むようにすれば、容易に撥水性フィルタを通気孔に設けることができる。また、筒状挿入部材の開口を覆うよう撥水性フィルタを予め張っておき、その筒状挿入部材を通気孔に挿入しても良く、その場合であっても、撥水性フィルタを筒状挿入部材の外周面と通気孔の内周面との間にて挟持すれば、より確実な撥水性フィルタの固定を図ることができる。
【0012】
請求項1の構成では、通気孔の内周面と筒状挿入部材の外周面とが、撥水性フィルタを間に挟んだ状態で密着し(或いは部分的には直接的に密着して)、その間でのシール性(密封性)が確保される。そしてまた、筒状挿入部材の少なくとも一方の開口端部は撥水性フィルタにより閉塞されるので、筒状挿入部材の内部を水滴等が通過するのを防止することができることとなり、この結果、シール部材の通気孔における防水が図られる。
【0013】
以上の様に、筒状挿入部材の外周面と通気孔の内周面との間にて、撥水性フィルタを挟持するようにすると、上記の効果が得られるので好ましいが、高温環境下における撥水性フィルタ自体の収縮や、冷熱サイクルによるシール部材の膨張・収縮などによって、撥水性フィルタが位置ずれを起こす可能性がある。その結果、通気孔における防水性が良好には確保することができなくなってしまうことも考えられる。
【0014】
そこで、請求項2に記載の様に、筒状挿入部材の外周面のうち撥水性フィルタと接触する部位に、通気孔の内周面との間に撥水性フィルタを挟んだ際にその撥水性フィルタを係止する係止部を設けるようにすると良い。
この様に構成された請求項2記載のガスセンサにおいては、撥水性フィルタは、筒状挿入部材の外周面と通気孔の内周面との間に挟まれた際に、係止部の部分において確実に保持され、位置ずれを起こしにくくなる。従って、請求項2記載のガスセンサによれば、防水性の確実性を増すことができる。
【0015】
なお、係止部としては、様々な態様が考えられるが、筒状挿入部材の側面を貫通する穴部として構成しても良いし、また、筒状挿入部材の外周面が凹んだ形状の穴部として構成しても良い。シール部材は弾性を有するものであり、通気孔の内周面と筒状挿入部材の外周面との間にて撥水性フィルタを挟むと、撥水性フィルタが通気孔の内周面に押されて穴部に食い込み、これにより、撥水性フィルタが係止される。
【0016】
また、係止部としては、筒状挿入部材の外周面から外側方向に突出した突部として構成しても良い。通気孔の内周面と筒状挿入部材の外周面との間にて撥水性フィルタを挟むと、筒状挿入部材の突部が撥水性フィルタおよび通気孔の内周面に食い込み、これにより、撥水性フィルタが係止される。
【0017】
また、請求項1や請求項2の様な構成とした場合は、請求項3に記載の様に、撥水性フィルタの縁部を目視できるようにするとよい。
即ち、請求項1や請求項2の様な構成においては、撥水性フィルタの一部分の領域が筒状挿入部材の開口端部を塞ぎ、その領域の周囲の部分が、筒状挿入部材の外周面と前記通気孔の内周面との間に挟まれることとなる。その場合、請求項4の様に、撥水性フィルタの縁部を目視できるようにすれば、筒状挿入部材の外周面と通気孔の内周面との間において、撥水性フィルタが確実に狭持されているかどうか、を検査することが可能となる。
【0018】
次に、請求項4に記載のガスセンサでは、以下の様にして、通気孔内部に嵌挿可能な筒状挿入部材により撥水性フィルタを通気孔に固定している。
即ち、撥水性フィルタが筒状挿入部材の開口端部を閉塞するよう、撥水性フィルタを、筒状挿入部材の外周に外嵌可能な外嵌部材の内周面と筒状挿入部材の外周面との間にて挟持する。これにより、撥水性フィルタを筒状挿入部材に固定するのである。
【0019】
請求項4の構成では、通気孔の内周面と筒状挿入部材の外周面とが、直接的に密着し(或いは部分的には外嵌部材や撥水性フィルタを挟んだ状態で間接的に密着し)、その間での防水が図られる。そしてまた、筒状挿入部材の少なくとも一方の開口端部は撥水性フィルタにより閉塞されるので、筒状挿入部材の内部を水滴等が通過することが防止され、この結果、シール部材の通気孔における防水が図られる。
【0020】
この様に構成される請求項4に記載のガスセンサにおいては、例えば、撥水性フィルタを予め筒状挿入部材に(筒状挿入部材の開口端部を閉塞した状態で)固定した後に、その筒状挿入部材をシール部材の通気孔に挿入するという手順により、通気孔への撥水性フィルタの配設を行うことができる。つまり、筒状挿入部材と撥水性フィルタとを1つのユニットとして取り扱うことが可能となるのである。このため、例えば、撥水性フィルタで筒状挿入部材の開口端部を確実に塞げた状態となっているかを、筒状挿入部材と撥水性フィルタとを1ユニットとした段階で確認することができることとなる。この結果、組立の早い段階で、防水性の不具合を発見することが可能となり、延いては製造コストの抑制を図ることができる。
【0021】
さて、請求項4に記載のガスセンサにおいては、更に次の様にすると好ましい。即ち、請求項5に記載のように、撥水性フィルタを、当該撥水性フィルタにより閉塞される筒状挿入部材の開口端部の外周面と、外嵌部材の内周面との間にて挟持するのである。
【0022】
即ち、請求項4のガスセンサでは、撥水性フィルタの一部の領域が筒状挿入部材の開口端部を塞ぎ、その領域の周囲の部分が、筒状挿入部材の外周面と外嵌部材の内周面との間に狭持されることとなるが、請求項5記載の構成では特に、その「閉塞されることになる開口端部の外周面」の部分で撥水性フィルタを挟み込むようにするのである。その結果、筒状挿入部材の開口端部(延いてはシール部材の通気孔)を閉塞するために必要な撥水性フィルタの面積を少なくすることができ、撥水性フィルタにかかるコストを抑制することができるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項6に記載のように、筒状挿入部材の外周面には、外嵌部材が、筒状挿入部材の軸方向に沿って移動するのを規制する規制部を設けるとよい。この様に構成されたガスセンサによれば、外嵌部材が、筒状挿入部材の軸方向に沿って移動することを規制することができる。このため、筒状挿入部材の外周面上における外嵌部材の位置決めが容易となり、組立が簡単となる。また、外嵌部材の位置ずれを抑制できるので、延いては撥水性フィルタのずれをも抑制できる。
【0024】
なお、規制部は、例えば、筒状挿入部材の外周面から外部方向に突出した突出部(例えば鍔形状など)として構成しても良いし、筒状挿入部材の太さが軸方向に変化するような段部として構成しても良い。
外嵌部材は、規制部に直接接触しても良いし、また撥水性フィルタを介して間接的に接触するものであっても良いが、請求項7に記載のように、外嵌部材と筒状挿入部材(規制部に限らない)とがその一部において互いに直接接触するよう構成した方が好ましい。
【0025】
即ち、筒状カバーの端部(開口端部)に設けられる柱状のシール部材は、筒状カバーの開口端部において、筒状カバーの外側から内側に向けて加締められることにより、そのシール性(筒状カバーとシール部材との間、シール部材とリード線との間、およびシール部材と筒状挿入部材との間におけるシール性)が強化される。しかし、加締めの際、内側方向に圧縮されたシール部材が外嵌部材に接触して、外嵌部材が筒状挿入部材から抜けるように作用する可能性がある。
【0026】
そこで、外嵌部材と筒状挿入部材とがその一部において互いに直接接触するよう、両者を構成するのである。両部材が直接接触する(つまり撥水性フィルタが介在しない)部分においては、互いに嵌合可能な凹凸を設けたり、加締めたりすることによって、撥水性フィルタを傷つけることなく両部材の結合を図ることができる。従って、請求項7記載のガスセンサによれば、外嵌部材を筒状挿入部材に確実に固定することが可能となる。
【0027】
なお、請求項4〜7のガスセンサにおいては、請求項8に記載の様に、撥水性フィルタは、縁部を目視できるよう、筒状挿入部材に固定するとよい。
即ち、上記の構成においては、撥水性フィルタの一部分の領域が筒状挿入部材の開口端部を塞ぎ、その領域の周囲の部分が、筒状挿入部材の外周面と外嵌部材の内周面との間に挟まれることとなる。その場合、請求項8の様に、撥水性フィルタの縁部を目視できるようにすれば、筒状挿入部材の外周面と外嵌部材の内周面との間において、撥水性フィルタが確実に狭持されているかどうか、を検査することが可能となる。
【0028】
以上の様に、通気孔若しくは外嵌部材の内周面と筒状挿入部材の外周面との間に撥水性フィルタを挟み込むものとする場合には、請求項9に記載のように、筒状挿入部材の外周面のうち、撥水性フィルタと接触する部位を粗面化するとよい。この様にすれば、撥水性フィルタをより確実に筒状挿入部材の外周面に保持することができる。その結果、撥水性フィルタによる筒状挿入部材の開口端部の閉塞をより確実なものとすることができる。
【0029】
また、請求項10に記載の様に、筒状挿入部材の外周面のうち、撥水性フィルタと接触する部位には次の様なテーパ部を設けると良い。即ち、撥水性フィルタにて閉塞される開口端部側から離れるほど外径が小さくなるテーパ部である。この様な構成においては、撥水性フィルタは、通気孔若しくは外嵌部材の内周面と筒状挿入部材の外周面との間に挟まれると、閉塞される開口端部から離れる方向に引っ張られることとなる。その結果、撥水性フィルタによる筒状挿入部材の開口端部の閉塞がより確実なものとなるのである。
【0030】
次に、撥水性フィルタは気体は通すものであるが、撥水性フィルタの周囲の物(例えばシール部材やリード線など)との位置関係によっては、通気孔の当該ガスセンサ外部に面する開口端部付近に水や油などの液体が溜まり、撥水性フィルタを覆い、その通気性が損なわれてしまう可能性がある。
【0031】
そこで、請求項11に記載の様に、筒状挿入部材の、撥水性フィルタにより閉塞された開口端部が、通気孔の当該ガスセンサ外部に面する開口端部から突出するよう構成すると良い。こうすれば、通気孔の当該ガスセンサ外部に面する開口端部付近に水や油などの液体が溜まっても、筒状挿入部材の開口端部を塞いでいる撥水性フィルタまでもが液体に覆われるのを抑制することができる。
【0032】
さて、撥水性フィルタとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる多孔質繊維構造体により構成することが考えられるが、その構造によっては、加熱により、ある一の方向に収縮し易いという性質を有する(即ち、加熱による収縮性に異方性を有する)場合がある。そうした場合には、通気孔或いは外嵌部材の内周面と筒状挿入部材の外周面との間に撥水性フィルタを挟み込むに当たり、ある方向では、これを狭持するために十分な撥水性フィルタの長さが確保されているにもかかわらず、他の方向では、撥水性フィルタが短くなってしまい確実な狭持が困難となる可能性がある。
【0033】
そこで、撥水性フィルタが、加熱による収縮度合に異方性を有する場合には、請求項12に記載の様に、撥水性フィルタの収縮し易い方向に、予め撥水性フィルタを長くしておくとよい。こうすれば、加熱による収縮が起こっても、通気孔或いは外嵌部材の内周面と筒状挿入部材との間に撥水性フィルタを確実に保持しておくことができる。
【0034】
ところで筒状カバーの端部(開口端部)に設けられる柱状のシール部材は、その開口端部から外部に引き出されるリード線に外嵌して、筒状カバー内部に水等が侵入するのを防止する。そして、開口端部にて径方向に加締められることにより、そのシール性(気密性)が強化される。すなわち、開口端部外周において径方向内側に加締められることによりその内部に応力が生じ、開口端部内周面との間におけるシール性、およびリード線外周面との間におけるシール性が確実なものとされる。しかし、シール部材の大きさや、加締め方によっては、シール部材内部における応力が不均一となってシール性が確保し難くなる可能性もあり、組立が容易でない。
【0035】
そこで、請求項13に記載のガスセンサでは、筒状挿入部材を、シール部材よりも硬質の材料で形成し、更に請求項14に記載のガスセンサでは、通気孔をシール部材に同軸に形成している。
この様に構成されたガスセンサによれば、通気孔は、シール部材に同軸(即ち、シール部材の中心軸上に)に形成され、シール部材よりも硬質の材料で形成された筒状挿入部材が挿入されることになる。そのため、加締めによりシール部材内部に発生する応力が不均一となるのを抑制することができ、シール部材によるシール性の向上を図ることができる。なお、筒状挿入部材の材質としては、外部からの力に耐えられるものであれば良く、例えばSUS304等の金属、PTFE等の樹脂を用いると良い。
【0036】
筒状挿入部材は単なる筒体であっても良いが、当該ガスセンサに振動が加わった場合には、シール部材の通気孔から脱落する可能性もある。
そこで、請求項15に記載の様に、筒状挿入部材の外周に、シール部材に係合する鍔部を設けると良い。
【0037】
この様に構成された請求項15に記載のガスセンサによれば、筒状挿入部材の外周に設けられた鍔部がシール部材に係合することから、筒状挿入部材が通気孔から脱落し難くなるので好ましい。
そして請求項15に記載のガスセンサにおいては、筒状挿入部材の鍔部はシール部材のどの部分に係合するものであっても良い。例えば通気孔の開口周囲の外表面に係合するよう鍔部を構成しても良いが、筒状挿入部材の一部が通気孔外部にはみ出すこととなり、周囲の空間を狭めて他の部品のレイアウトを制限することになる可能性もある。
【0038】
そこで、請求項16に記載の様に、鍔部を、通気孔内部に形成された係合部に係合させるようにすると良い。
この様に構成された請求項16に記載のガスセンサによれば、鍔部は通気孔内部に形成された係合部に係合するので、通気孔外部にはみ出さず、空間を有効に利用することができる。
【0039】
なお筒状挿入部材に鍔部を設けた場合には、請求項17に記載の様に、鍔部に切欠き部を設けるとよい。この様な構成とすれば、切欠き部に撥水性フィルタを引っ掛けることが可能となり、撥水性フィルタの位置ずれを抑制できる。また、鍔部により撥水性フィルタの縁部が隠れて目視できなくなってしまう可能性があるが、切欠き部を通した目視を可能とすることができる。
【0040】
さて、撥水性フィルタには、水滴ばかりでなく、油も掛かる可能性がある。そこでより好ましくは、請求項18に記載のように、撥水性フィルタとしては、更に撥油性を有するものを用いると良い。この様にすれば、撥水性フィルタに油が付着するのを抑制することができ、より確実に通気孔の通気性を確保することができる。
【0041】
また、水滴や油等の液体が通気孔を通過するのをより確実に防止するためには、請求項19に記載の様に、通気孔の軸方向に、撥水性フィルタを二重に設けるようにするとよい。
なお、上述の様に、筒状挿入部材の開口端部を塞いでいる撥水性フィルタに水や油などの液体が付着して通気孔の通気性を低下させるのを抑制するには、請求項20の様に、シール部材の当該ガスセンサ外部に面する外側表面を、凸面状に形成すると良い。シール部材の外側表面を凸起させれば、外側表面に液体が溜まるのを抑制することができ、延いては撥水性フィルタの筒状挿入部材の開口端部を覆っている部分を液体が覆うことを抑制できるからである。
【0042】
そして特に、請求項21に記載の様に、通気孔の当該ガスセンサ外部に面する開口端部にて、シール部材の外側表面が最も高く凸起するよう構成すれば、より効果的に、撥水性フィルタに液体が付着して通気性を低下させることを抑制することができる。
【0043】
また、撥水性フィルタは、上述のように通気孔の内面と筒状挿入部材の外周との間に挟み込むようにして固定しているが、請求項22に記載のように、撥水性フィルタの周辺を筒状挿入部材の開口端部に直接、接合して固定してもよい。この場合、撥水性フィルタの外周縁を筒状挿入部材の開口端部に接合するための面倒な接着作業を要するが、高価な撥水性フィルタの使用量を更に低減することができる利点がある。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施例を図面と共に説明する。図1は、第1実施例としての酸素センサの全体構成を示す破断面図である。
図1に示す様に、第1実施例の酸素センサ1は、ZrO2を主成分とする固体電解質体により先端が閉じた中空軸状に形成された検出素子2、検出素子2内に配置された軸状のセラミックヒータ3、検出素子2を収容するケーシング10等から構成されている。
【0045】
この検出素子2は、その軸方向における中央部付近の外周にて、絶縁性セラミックから形成されたセラミックホルダ6,7と、タルクから形成されたセラミック粉末8とを介して、電気的に絶縁された状態で金属製のケーシング10内に設けられている。検出素子2の内面及び外面には、そのほぼ全面を覆うように、Ptからなる一対の多孔質電極層(内側電極2a、外側電極2b)が設けられている。なお、検出素子2の外面および内面が、第1および第2の面に夫々相当する。
【0046】
ケーシング10は、酸素センサ1を排気管等の取付部に固定して、検出素子2の閉じた先端部を排気管等の内部に突出させる主体金具9と、主体金具9の、排気管等の外側に向いた開口に延設され、検出素子2の内面に大気を導入するための筒状カバー16とから構成されている。筒状カバー16は、主体金具9の一方の開口部に内側が連通するように結合された第1外筒14と、第1外筒14に対して、上方(即ち、当該酸素センサ1が取り付けられる排気管等の外部方向。)から外嵌する筒状の第2外筒15とから形成されている。なお、この第1外筒14および第2外筒15が、第1カバーおよび第2カバーに夫々相当する。
【0047】
主体金具9の下方(即ち、当該酸素センサ1が取り付けられる排気管等の内部方向。)には、検出素子2の先端側を一定の空間を隔てて覆うようにプロテクタ11が取り付けられ、プロテクタ11には排ガスを透過させる複数のガス透過口12が形成されている。
【0048】
主体金具9の上側の開口には、第1外筒14の下側の開口端部が、セラミックホルダ6との間にリング5を介した加締めにより固定され、第1外筒14は、主体金具9の上側の開口に延設されている。一方、第1外筒14上側の開口内には、セラミックで筒状に形成された絶縁性のセパレータ18が設けられている。セパレータ18の外周面には鍔部18aが設けられ、その鍔部18aが第1外筒14上側の開口縁部に係合することにより、セパレータ18は第1外筒14上側の開口内部に保持される。そして、セパレータ18の上方からは、更に第2外筒15が設けられ、第1外筒14に外嵌されている。
【0049】
第2外筒15の上端側の開口内には、ゴムで構成された円柱形状のシール部材17が設けられており、このシール部材17およびセパレータ18を貫通するように、検出素子2の電極に夫々接続されるリード線20,21及びセラミックヒータ3に接続される一対のリード線(図示せず)が配置されている。
【0050】
検出素子2用の一方のリード線20は、コネクタ部24、引出し線部25および内部電極接続部26で構成される端子金具23を経て、検出素子2の内側電極2aと電気的に接続されている。他方のリード線21は、コネクタ部34、引出し線部35および外部電極接続部36で構成される端子金具33を経て、検出素子2の外側電極2bと電気的に接続されている。
【0051】
また、セラミックヒータ3に通電するための一対のヒータ端子部40が、セラミックヒータ3の上端に固定され、これらヒータ端子部40を経て、セラミックヒータ3内に埋設された図示しない発熱用抵抗回路に通電される。
次に図2に示す様に、第1実施例の酸素センサ1における第1外筒14および第2外筒15の内部空間の換気は、第2外筒15と第2外筒15に外嵌された保護外筒41との間に配置される第1撥水性フィルタ42、およびシール部材17内部に設けられた第2撥水性フィルタ62を介して行われる。なお、第2撥水性フィルタ62が、特許請求の範囲に記載の撥水性フィルタに相当する。
【0052】
以下、これら第1撥水性フィルタ42および第2撥水性フィルタ62の取付構造について説明する。
第2外筒15は、上述の様に、第1外筒14の上側(即ち、第1外筒14に対して主体金具9とは反対側)に連結され、その内部が第1外筒14の内部と連通する。第2外筒15は、下方(即ち主体金具9側)から、径方向への加締め(位置A1,A2)により第1外筒14に固定される円筒状の大径部43と、第1通気孔46を有し且つ第1撥水性フィルタ42が外嵌される円筒状の通気孔形成部44と、円柱状のシール部材17に外嵌される開口端部47とから構成されている。
【0053】
一方、保護外筒41は、第2外筒15の上部構造(即ち大径部43の上部、通気孔形成部44および開口端部47)に外嵌可能に形成されている。具体的には、保護外筒41は、下方から、第2外筒15の大径部43に外嵌して重なる大径部51と、第2外筒15の通気孔形成部44に外嵌された第1撥水性フィルタ42の外周を覆う円筒状のフィルタ保護部52と、第2外筒15の開口端部47に外嵌される小径部53とから構成されている。
【0054】
保護外筒41は、第2外筒15の大径部43に重なる大径部51にて、径方向に加締められる(位置A3)と共に、第2外筒15の開口端部47に重なる小径部53にて径方向に加締められて(位置A4)、第2外筒15に固定される。また、小径部53における加締め(位置A4)により、シール部材17は第2外筒15の開口端部47内周面に固定され、そして、第2外筒15内周面とシール部材17外周面との間のシール性が確保される。
【0055】
第1撥水性フィルタ42は、筒状に形成されたシート状のものであり、通気孔形成部44と保護外筒41のフィルタ保護部52との間に形成される空間に配置されている。この第1撥水性フィルタ42は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の未焼成成形体を、PTFEの融点よりも低い加熱温度で1軸以上の方向に延伸することにより得られる多孔質繊維構造体(例えば、商品名:ゴアテックス(ジャパンゴアテックス(株)))により、水滴等の水を主体とする液体の透過は阻止し、かつ気体(空気、水蒸気等)の透過は許容する撥水性フィルタとして構成されている。また、さらに撥油コートした多孔質繊維構造体(商品名:オレオベントフィルタ(ジャパンゴアテックス(株)))を用いても良い。これを用いることにより、付着した油分が気化して内部に侵入する危険性を低下させることができる。
【0056】
保護外筒41のフィルタ保護部52は、第2外筒15の第1通気孔46の上側(位置A5)および下側(位置A6)で径方向に加締められており、これにより、水等が通気孔形成部44と第1撥水性フィルタ42との間を介して酸素センサ1内部に侵入するのが防止される。そして、フィルタ保護部52において、上記両加締め位置A5,A6の間、即ち第1通気孔46に対応する位置には、第1撥水性フィルタ42に大気を導入するための透過孔56が設けられている。これにより、第1通気孔46、第1撥水性フィルタ42および透過孔56を介して、酸素センサ1の内部と外部との間の気体の流通が可能とされている。
【0057】
さて、第2外筒15の開口端部47内側に設けられるシール部材17は、図3に示す様に、酸素センサ1内部と外部との間で気体を通過させるための第2通気孔58と、当該酸素センサ1内部から引き出すべきリード線(即ち検出素子2用のリード線20,21及びセラミックヒータ3用のリード線)を夫々通過させる挿通孔60(第1実施例では、リード線の数に対応して4箇所)を備えている。
【0058】
第2通気孔58はシール部材17に同軸に形成され、その内部には、上記多孔質繊維構造体によりシート状に形成された第2撥水性フィルタ62が、筒状挿入部材64を介して挿入され固定される。この筒状挿入部材64は両端が開口し、第2通気孔58に嵌合可能な筒状に形成されている。第2撥水性フィルタ62は、筒状挿入部材64の一方の開口64aとその外周面とを覆うことができる程度に広げられ、筒状挿入部材64に被せられた状態で、筒状挿入部材64と共に第2通気孔58に挿入される。この様にして、第2撥水性フィルタ62は、筒状挿入部材64の外周面と第2通気孔58の内周面との間に挟まれ、第2通気孔58を塞いだ状態で固定される。
【0059】
なお、筒状挿入部材64の両開口端の内、第2通気孔58への挿入方向(図3では上方)に対して反対側(図3では下方)にある開口端外周部には、鍔部64bが形成されている。筒状挿入部材64が第2通気孔58の下方から挿入されると、鍔部64bは第2通気孔58下側の開口縁部にて係止され、その結果、第2通気孔58内における筒状挿入部材64および第2撥水性フィルタ62の位置決めがなされる。
【0060】
そして、シール部材17が第2外筒15の開口端部47内側に配置され、第2外筒15および保護外筒41を介して径方向に加締められる(位置A4)と、筒状挿入部材64とシール部材17との間のシール性はより確実なものとされる。
なお、撥水性フィルタは、上述のように一軸方向に延伸することにより製造されているが、加熱によって異方性を生じるものと生じないものがあり、ここでは異方性のあるものを第2撥水性フィルタ62として使用している。一つの第2撥水性フィルタは62は、それよりも広いシート状の多孔質繊維構造体から切り取って得られるのであるが、異方性のため収縮しやすい方向に、予め長く切り取られる。具体的には、短い方向と長い方向とでは、長さが約7:8の比とされている。そして、本実施例では、第2撥水性フィルタ62が収縮の結果としてほぼ円形状となるように、短径と長径との比が約7:8である楕円形となっている。
【0061】
以上の様に構成された酸素センサ1が、主体金具9の外周に形成されたネジ部9aを介し、筒状カバー16が略上向きとなるよう、被測定ガスの流路を形成する管の取付孔に取り付けられると、プロテクタ11にて保護された検出素子2の先端部が流路を形成する管内部に突出して、被測定ガスに晒される。一方、検出素子2の内部には、第1通気孔46および第2通気孔58を介した換気により、上記筒状カバー16を介して大気が導入される。第1通気孔46および第2通気孔58は、夫々シート状に形成された通気性の第1撥水性フィルタ42および第2撥水性フィルタ62にて塞がれていることから、筒状カバー16内部への大気の導入を十分行うことができると共に、水等の侵入を防止している。その結果、検出素子2の内側電極2aと外側電極2bとの間には、大気中の酸素濃度と被測定ガス中の酸素濃度との比に応じた電圧が発生し、リード線20、21により検出信号として外部に出力される。なおネジ部9aが、請求項の「装着部」に相当する。
【0062】
以上の様に構成された第1実施例の酸素センサ1によれば、次の(1)〜(6)の効果を奏する。
(1)第2撥水性フィルタ62がシート状に形成されていることから良好な通気性を確保できると共に、流路から熱を受ける場合でも、第2撥水性フィルタ62はシール部材17内に固定されていることから熱の影響を受け難く、その通気性を維持できるので、筒状カバー16内への大気の導入を確実に行うことができる。
【0063】
(2)第2撥水性フィルタ62を筒状挿入部材64の外周面と第2通気孔58の内周面との間にて挟持して、容易に第2通気孔58内に固定することができるので、製造に手間がかからず好ましい。
(3)第2通気孔58はシール部材17に同軸に形成され、その内部に金属で固く形成された筒状挿入部材64が挿入されていることから、加締めによりシール部材17内部に発生する応力が不均一となるのを抑制することができ、シール部材17によるシール性の向上を図ることができる。
【0064】
(4)筒状挿入部材64の外周には鍔部64bが形成され、筒状挿入部材64が第2通気孔58に嵌挿されると、第2通気孔58の開口の周縁部にてシール部材17に係合することから、筒状挿入部材64が第2通気孔58から脱落し難いという効果を奏する。
【0065】
(5)第2撥水性フィルタ62の収縮し易い方向には、その長さが予め長くとられている。このため、収縮が起こっても、第2通気孔58の内周面と筒状挿入部材64の外周面との間に撥水性フィルタを確実に保持しておくことができる。
(6)なお、第2撥水性フィルタとして、撥油コートした多孔質繊維構造体を用いれば、付着した油分が気化して内部に侵入する危険性を低下させることができる。
【0066】
次に第2実施例について説明する。図4は、第2実施例の酸素センサにおけるシール部材117および筒状挿入部材164を示す説明図である。
シール部材117はゴムで形成され、酸素センサ1内部と外部との間で気体を通過させるための第2通気孔158と、当該酸素センサ1内部から引き出すべきリード線を夫々通過させる挿通孔160を備えている。シール部材117に形成された第2通気孔158は、金属製の筒状挿入部材164の鍔部164bをも挿入可能な開口を有しており、その内部には鍔部164bと係合する係合部158aが形成されている。第2撥水性フィルタ162が、筒状挿入部材164と共に第2通気孔158に挿入されると、鍔部164bが第2通気孔158内部の係合部158aにて係止され、その結果、第2通気孔158内における筒状挿入部材164および第2撥水性フィルタ162の位置決めがなされる。
【0067】
その他の構成については、第1実施例の酸素センサ1と同様であるので、説明を省略する。
以上の様に構成された第2実施例としての酸素センサにおいては、第1実施例の(1)〜(6)の効果に加えて、次の(7)の効果を奏する。
【0068】
(7)筒状挿入部材164の鍔部164bは第2通気孔158内部に形成された係合部158aに係合することから、第2通気孔158の外部にはみ出さず、酸素センサ1の内部空間を有効に利用できるという効果を奏する。
次に第3実施例について説明する。図5は、第3実施例の酸素センサにおけるシール部材17の通気孔58付近の構成を示すための説明図である。
【0069】
このシール部材17は、第1実施例のものと同様のものであり、第2通気孔58がシール部材17に同軸に形成されているが、その内部には、多孔質繊維構造体によりシート状に形成された第2撥水性フィルタ262が、図5(c)に示す様に筒状挿入部材264を介して挿入され固定される。
【0070】
図5(a)に示す様に、この筒状挿入部材264は両端が開口し、第2通気孔58に嵌合可能な筒状に形成されている。第2撥水性フィルタ262は、筒状挿入部材264の一方の開口端部264aの開口と外周面とを覆うことができる程度の広さを有し、筒状挿入部材264に被せられた状態で、筒状挿入部材264と共に外嵌部材266に挿入される。この結果、第2撥水性フィルタ262は、筒状挿入部材264の開口端部264aの外周面と外嵌部材266の内周面との間に挟まれ、筒状挿入部材264の開口端部264aを塞いだ状態で固定される。
【0071】
即ち、第2撥水性フィルタ262は、筒状挿入部材264(詳しくは、その開口端部264a)に外嵌可能な外嵌部材266により、筒状挿入部材264に固定されるのである。外嵌部材266は、金属にて筒形状に形成されている。
筒状挿入部材264の外周面には、上記開口端部264aから他方の開口端部に向けて筒状挿入部材264の径(即ち、太さ)が大きくなるような段部264cが形成されている。外嵌部材266は、筒状挿入部材264の開口端部264aに嵌め込まれると、筒状挿入部材264の軸方向に沿った動きが段部264cにて規制され、その結果、筒状挿入部材264の外周面上における位置が決まる。なお、この段部264cは、請求項の「規制部」として機能する。
【0072】
こうした構成の筒状挿入部材264と外嵌部材266により筒状挿入部材264に固定された第2撥水性フィルタ262は、図5(b)に示す様に、その縁部262aが目視できるようにされている。即ち、第2撥水性フィルタ262の縁部262aは、筒状挿入部材264と外嵌部材266との間に隠れてしまうのではなく、その間から覗いているのである。なお、この第2撥水性フィルタ262も、第1実施例と同様、収縮性に異方性を有しているので、縮み易い方向に予め長くなるよう形成されている。
【0073】
筒状挿入部材264は、その第2撥水性フィルタ262により閉塞される開口端部264aの側から、シール部材17の第2通気孔58に挿入される。第3実施例においても、上記実施例と同様に、第2通気孔58への挿入方向に対して反対側(図5では下方)にある開口端外周部には、鍔部264bが形成されている。即ち、第2撥水性フィルタ262により閉塞される開口端部264aと反対側の開口端部の外周部に鍔部264bが設けられているのである。
【0074】
筒状挿入部材264が第2通気孔58の下方から挿入されると、鍔部264bは第2通気孔58下側の開口縁部にて係止され、その結果、第2通気孔58内における筒状挿入部材264および第2撥水性フィルタ262の位置決めがなされる。
【0075】
第2通気孔58の上方の開口端部58aは、酸素センサ1の外部に面するものである。第2撥水性フィルタ262により閉塞された筒状挿入部材264の開口端部264aは、第2通気孔58内における筒状挿入部材264の位置決めがされると、第2通気孔58の上方の開口端部58aから突出した状態となる。
【0076】
この様にして、第2撥水性フィルタ262を第2通気孔58に設けると、第2通気孔58は、その第2撥水性フィルタ262によって塞がれることとなる。即ち、筒状挿入部材264の開口端部264aの外周面と開口端部264aを覆おう第2撥水性フィルタ262とが密着して、その結果、開口端部264aを介した液体の通過が防止される。そしてまた、第2通気孔58の内周面と筒状挿入部材264の外周面とが密着して、その間の液体の通過が防止されるのである。
【0077】
そして、シール部材17が第2外筒15の開口端部47内側に配置され、第2外筒15および保護外筒41を介して径方向に加締められる(位置A4)と、筒状挿入部材264とシール部材17との間のシール性はより確実なものとされる。
【0078】
なお、図6に示す様に、外嵌部材266と筒状挿入部材264とは、一部において、互いに直接接触するように構成するとよい。図6では、外嵌部材266の端部266aを、筒状挿入部材264の外周面に直接接触させた場合を示している。この場合、外嵌部材266の端部266aを単なる筒形状とすると、第2撥水性フィルタ262の縁部262aを目で確認することができなくなるので、これを目視できるようにするには、例えば、端部266aに切れ込みや貫通孔を設けるようにすればよい。
【0079】
その他の構成については、第1実施例の酸素センサ1と同様であるので、説明を省略する。
この様に構成された第3実施例のガスセンサにおいては、上記(1)、(3)〜(6)の効果に加え、以下の効果(8)〜(12)を奏する。
【0080】
(8)筒状挿入部材264と第2撥水性フィルタ262とを1つのユニットとして取り扱うことができる。このため、第2撥水性フィルタ262で筒状挿入部材264の開口端部264aを確実に塞げた状態となっているかを、筒状挿入部材264と第2撥水性フィルタ262とを1ユニットとした段階で確認することができることとなる。つまり、組立の早い段階で、防水性の不具合を発見することが可能となり、延いては製造コストの抑制を図ることができる。
【0081】
(9)第2撥水性フィルタ262を、当該第2撥水性フィルタ262により閉塞される開口端部264aの外周面と、外嵌部材266の内周面との間にて挟持することとしている。そのため、筒状挿入部材264の開口端部264a(延いてはシール部材17の第2通気孔58)を閉塞するために必要な第2撥水性フィルタ262の量を少なくすることができ、これにかかるコストを抑制することができる。
【0082】
(10)筒状挿入部材264の外周面には段部264cが設けられ、これにより、外嵌部材266が筒状挿入部材264の軸方向に沿って移動するのを規制できる。このため、筒状挿入部材264の外周面上における外嵌部材266の位置決めを容易なものとすることができる。また、外嵌部材266の位置ずれを抑制できるので、延いては第2撥水性フィルタ262のずれを抑制することもできる
(11)筒状挿入部材264の、第2撥水性フィルタ262により閉塞された開口端部264aは、通気孔58の酸素センサ1の外部に面する開口端部58aから突出するよう構成されている。そのため、通気孔58の開口端部58a付近に水や油などの液体が溜まっても、筒状挿入部材264の開口端部264aを塞いでいる第2撥水性フィルタ262までもが液体に覆われるのを抑制でき、通気性を確保できる。
【0083】
(12)外嵌部材266と筒状挿入部材264とがその一部において互いに直接接触するよう構成したので、第2撥水性フィルタ262を狭持しつつ、これ(第2撥水性フィルタ262)を傷つけることなく確実に両部材の結合を図ることができる。
【0084】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を取ることができる。
例えば、上記実施例では、ガスセンサとして酸素センサを例にとり説明したがこれに限られるのものではなく、例えば、NOx(窒素酸化物)センサや、CH(炭化水素)センサにも本発明を適用してもよい。
【0085】
また、上記実施例では、筒状挿入部材64,164,264を金属で形成したものとして説明したが、これに限られるものではない。すなわち、筒状挿入部材64,164,264はシール部材17,117内部に配置され、熱の影響を受けにくいため、必ずしも金属と同等の耐熱性を有する材料で形成する必要がない。例えば、筒状挿入部材64,164,264をセラミックや硬質の樹脂等で形成しても良いし、また、ゴム等の弾力性の高いもので形成しても良い。
【0086】
また上記実施例では、筒状挿入部材を円筒状のものとして説明したが、これに限られるものではない。
また、上記実施例では、シール部材の通気孔を塞ぐ撥水性フィルタを一重に設けるものとして説明したが、これに限られるものではなく、複数枚重ねて設けるようにしても良く、そうすれば、シール部材の通気孔における防水をより確実に図ることができる。
【0087】
これを実現するには、単に複数の撥水性フィルタを重ねるようにしても良いが、嵩張って、撥水性フィルタにしわが生じ、防水性の確保が困難となる可能性がある。そこで、例えば、図7に示すような構成が考えられる。即ち、筒状挿入部材として、シール部材301の通気孔303に挿入可能な筒形状の第1挿入部材305と、第1挿入部材305の筒内部に挿入可能な第2挿入部材307とを用意する。この第1挿入部材305の開口端部を撥水性フィルタ306で覆い、その覆った開口端部側から、第1挿入部材305を通気孔303に挿入する。これによって、通気孔303の内周面と第1挿入部材305の外周面との間で、撥水性フィルタ306を狭持する。
【0088】
一方、第2挿入部材307の開口端部は、他の撥水性フィルタ308で覆い、その覆った開口端部側から、第2挿入部材307を第1挿入部材305の内部に挿入する。これによって、第2挿入部材307の外周面と第1挿入部材305の内周面との間で、撥水性フィルタ308を狭持するのである。この様にすれば、シール部材の通気孔に複数の撥水性フィルタを設けることが可能となる。
【0089】
この場合、筒状挿入部材同士を組合せ易いよう、各筒状挿入部材(第1挿入部材305や第2挿入部材307など)にテーパを形成すると良い。また、これら第1および第2挿入部材305,307の開口端部を撥水性フィルタ306,308で塞ぐには、第3実施例のような外嵌部材を使用しても良い。また、筒状挿入部材の両開口端部に、外嵌部材によって撥水性フィルタを設けるようにしても良い。
【0090】
さて、シール部材の通気孔に設ける撥水性フィルタの縁部は、筒状挿入部材の外周面と通気孔の内周面との間に挟み込んで、シール部材の外部からは見えないようにしても良いが、例えば図8に示す様に、外部から目視できるようにすると良い。
【0091】
即ち、図8(a)に示す様に、撥水性フィルタ310は、筒状挿入部材312の開口端部312aを塞いだ状態となるよう、筒状挿入部材312の外周面とシール部材314の通気孔316の内周面との間に挟まれているが、筒状挿入部材312の外周面全体を覆っている。そして、撥水性フィルタ310の縁部310aは、当該撥水性フィルタ310により閉塞された開口端部312aとは反対側の(筒状挿入部材312の)開口端部312bにまで達している。反対側の開口端部312bは、鍔部として形成されているが、撥水性フィルタ310は、その開口端部(鍔部)312bをも覆い、その縁部310aを外部(シール部材314の下方)に覗かせている。なお、図8(b)は、下方からシール部材314を見た様子を示す図である。
【0092】
この様に、撥水性フィルタ310の縁部310aを目視できるようにしておけば、撥水性フィルタ310がシール部材314と筒状挿入部材312との間に確実に挟まれているかどうか、ずれたり外れたりするおそれがないかどうか等を検査することができるので好ましい。
【0093】
さて、上記第3実施例においては、筒状挿入部材264の第2撥水性フィルタ262に閉塞された開口端部264aを、通気孔58の開口端部58aから、酸素センサ1の外部方向に突出させるものとして説明した。この場合、シール部材は、外側表面(当該酸素センサ外部に面する表面)が略平面状のものであっても良いし、また図9(b)に示すシール部材314の様に、酸素センサ1の内部方向に凹んだ凹面状の外側表面314aを有するものであっても良い。何れにしても筒状挿入部材312の、撥水性フィルタ310により閉塞された開口端部312aを、通気孔316の開口端部316aから突出させておけば、上記のような効果(11)が得られる。
【0094】
そして、水滴などの液体が撥水性フィルタに付着するのを防止するには、図9(a)に示す様に、シール部材314の外側表面314aを凸面状に形成するとより好ましい。この様にすれば、外側表面314aに液体が付いても流れ落ちやすい。つまり、外側表面314aに液体が溜まり難くなり、延いては、撥水性フィルタ310を覆って通気性を低下させる可能性を抑制できる。そして、この効果を更に顕著なものとして得るには、図9(a)に示す様に、外側表面314aが、通気孔316の当該酸素センサ外部に面する開口端部316aにて、最も高く凸起する(盛り上がる)よう形成すると良い。
【0095】
なお、筒状挿入部材の外周面上において撥水性フィルタがずれるのを抑制するための工夫としては、例えば図10(a)〜(f)に示すようなものが考えられる。
図10(a)は、筒状挿入部材320の外周面に貫通孔320aを設けるものとした場合を示す図である。この様にすれば、通気孔の内周面と筒状挿入部材320の外周面との間にて撥水性フィルタを挟むと、撥水性フィルタが通気孔の内周面に押されて貫通孔320aに食い込み、撥水性フィルタを係止することが可能となる。この図10(a)に示す貫通孔320aは、例えば筒状挿入部材320の側面を打ち抜くことで形成できるが、それに限らず、図10(b)に示す様に、筒状挿入部材320の側面に切れ込み320bを設け、その部分を筒状挿入部材320の内側に折ることによっても形成することができる。なお、この貫通孔320aは請求項の「係止部」として機能する。
【0096】
また、筒状挿入部材320が鍔部320cを有する場合には、図10(c)に示す様に、この鍔部320cに切欠き部320dを設けることも考えられる。則ち、この鍔部320cに撥水性フィルタが掛かるようにすると、この切欠き部320dに撥水性フィルタが食い込むこととなる。これにより、撥水性フィルタのずれを抑制することができるのである。なお、鍔部320cに切欠き部320dを設けると、鍔部320cが有るにも関わらず、容易に撥水性フィルタの縁部を目で見て確認することができるという効果も奏する。
【0097】
また図10(d)に示す様に、筒状挿入部材320の軸方向に沿って延びる切れ込み320eを設けるようにしても良い。こうすれば、通気孔の内周面と筒状挿入部材320の外周面との間に撥水性フィルタを挟んだ際に、この切れ込み320eに撥水性フィルタが食い込むこととなり、これにより、撥水性フィルタの位置ずれが防止できる。
【0098】
また、図10(e)に示す様に、筒状挿入部材320の外周面のうち、撥水性フィルタと接触する部位に、テーパ部320fを設けると良い。この図10(e)では、筒状挿入部材320の外周面が、撥水性フィルタにより閉塞される開口端320g側から離れるほど外径が小さくなるようなテーパ部320fとして形成されているが、これに限らず、少なくとも撥水性フィルタが接触する部分にテーパ部が形成されていれば良い。この様な構成によれば、撥水性フィルタは、通気孔の内周面と筒状挿入部材320の外周面との間に挟まれると、当該撥水性フィルタに塞がれる筒状挿入部材320の開口端部320gとは反対の方向に、引っ張られることとなる。このため、撥水性フィルタの位置ずれが防止されると共に、筒状挿入部材320の開口端部320gにおける防水性が更に高められる。
【0099】
また、図10(f)に示す様に、筒状挿入部材320の外側面を、ローレット加工により粗面化することも考えられる。粗面化方法としては、ローレット加工の他にも、サンドブラスタ加工など様々考えられるが、何れの方法でも良い。また、図10(f)は、筒状挿入部材320の外側面の全体を粗面化するものとして図示したものであるが、これに限らず、一部分だけでも良い。
【0100】
更に、図11に示す様に、筒状挿入部材420の開口端部420gを閉塞するよう、この開口端部420gの外径寸法とほぼ同寸の円形状の撥水性フィルタ462を適当な接着剤や溶着等470によって、一体に接合し、その上で、シール部材17の挿入孔58に圧入してもよい。
【0101】
なお、上記各実施例、変形例において、シール部材17の上面には予め樹脂等の親水性処理を施しておくと好ましい。これによって、撥水性フィルタ表面全体を水が覆ってフィルタ機能を低下させる、といったことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例としての酸素センサを全体的に示す破断面図である。
【図2】 第1実施例において、筒状カバー付近の構成を示す説明図である。
【図3】 第1実施例において、シール部材および筒状挿入部材の構成を示す説明図である。
【図4】 (a)は、第2実施例としての酸素センサにおいて、シール部材および筒状挿入部材の構成を示す説明図であり、(b)は、シール部材の第2通気孔に筒状挿入部材を挿入した状態を示す断面図である。
【図5】 (a),(b)は、第3実施例としての酸素センサにおいて、筒状挿入部材付近の構成を示す説明図であり、(c)は、シール部材の第2通気孔に、この筒状挿入部材を挿入した状態を示す断面図である。
【図6】 第3実施例の外嵌部材の変形例を示した説明図である。
【図7】 通気孔付近の構成の変形例を示す説明図である。
【図8】 通気孔付近の構成の変形例を示す説明図である。
【図9】 シール部材の変形例を示す説明図である。
【図10】 筒状挿入部材の変形例を示す説明図である。
【図11】 通気孔付近の構成の変形例を示す説明図である。
【図12】 従来例としての酸素センサを示す説明図である。
【符号の説明】
1…酸素センサ、2…検出素子、2a…内側電極、2b…外側電極、9…主体金具、9a…ネジ部、16…筒状カバー、17,117,301,314…シール部材、20,21…リード線、58,158…第2通気孔(通気孔)、158a…係合部、60,160…挿通孔、62,162,262…第2撥水性フィルタ(撥水性フィルタ)、64,164,264,305,307,312,320…筒状挿入部材、64b,164b,264b,312b,320c…鍔部、262a,310a…縁部(撥水性フィルタの縁部)、264a,312a,320g…開口端部(筒状挿入部材の開口端部)、264c…段部、266…外嵌部材、266a…端部(外嵌部材の端部)、303,316…通気孔(シール部材の通気孔)、305…第1挿入部材(筒状挿入部材)、307…第2挿入部材(筒状挿入部材)、306,308,310…撥水性フィルタ、314a…外側表面(シール部材の外側表面)、316a…開口端部(通気孔の開口端部)、320a…貫通孔(筒状挿入部材の外周面の係合部)、320d…切欠き部(筒状挿入部材の鍔部の切欠き部)、320f…テーパ部(筒状挿入部材の外周面のテーパ部)。

Claims (22)

  1. 酸素イオン伝導性固体電解質体の第1および第2の面に電極が形成された検出素子と、
    被測定ガスが流れる流路を形成する管の壁面に設けられた取付孔に装着する装着部を有し、さらに該取付孔を介して該装着部よりも該管内側に前記第1の面が配置されるように前記検出素子を保持する主体金具と、
    一端が該主体金具の前記装着部よりも前記管外側に接続され、他端に前記第2の面に大気を導入する通気孔および前記検出素子の両電極に接続されたリード線を通過させる挿通孔を有する柱状のシール部材を有する筒状カバーと、
    前記通気孔を塞ぐ、通気性の撥水性フィルタと、
    を備えたガスセンサであって、
    前記撥水性フィルタをシート状に形成し、前記通気孔に嵌挿可能な筒状挿入部材によって、該通気孔に設け
    前記撥水性フィルタは、該筒状挿入部材の開口端部を閉塞するよう、前記筒状挿入部材の外周面と前記通気孔の内周面との間にて挟持されて設けられたことを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1記載のガスセンサにおいて、
    前記筒状挿入部材の外周面のうち、前記撥水性フィルタと接触する部位に、前記通気孔の内周面との間に該撥水性フィルタを挟んだ際に該撥水性フィルタを係止する係止部を設けたことを特徴とするガスセンサ。
  3. 請求項1又は2に記載のガスセンサにおいて、
    前記撥水性フィルタは、その縁部を目視できるよう、前記通気孔に設けられていることを特徴とするガスセンサ。
  4. 酸素イオン伝導性固体電解質体の第1および第2の面に電極が形成された検出素子と、
    被測定ガスが流れる流路を形成する管の壁面に設けられた取付孔に装着する装着部を有し、さらに該取付孔を介して該装着部よりも該管内側に前記第1の面が配置されるように前記検出素子を保持する主体金具と、
    一端が該主体金具の前記装着部よりも前記管外側に接続され、他端に前記第2の面に大気を導入する通気孔および前記検出素子の両電極に接続されたリード線を通過させる挿通孔を有する柱状のシール部材を有する筒状カバーと、
    前記通気孔を塞ぐ、通気性の撥水性フィルタと、
    を備えたガスセンサであって、
    前記撥水性フィルタをシート状に形成し、前記通気孔に嵌挿可能な筒状挿入部材によって、該通気孔に設け、
    前記筒状挿入部材の外周に外嵌可能に形成された外嵌部材を備え、
    前記撥水性フィルタは、前記外嵌部材の内周面と前記筒状挿入部材の外周面との間にて挟持されることにより、該筒状挿入部材の開口端部を閉塞するよう該筒状挿入部材に固定されたことを特徴とするガスセンサ。
  5. 請求項4に記載のガスセンサにおいて、
    前記撥水性フィルタは、当該撥水性フィルタにより閉塞される前記筒状挿入部材の開口端部の外周面と前記外嵌部材の内周面との間にて挟持されたことを特徴とするガスセンサ。
  6. 請求項4又は5に記載のガスセンサにおいて、
    前記筒状挿入部材の外周面に、前記外嵌部材が該筒状挿入部材の軸方向に移動するのを規制する規制部を設けたことを特徴とするガスセンサ。
  7. 請求項4〜6の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記外嵌部材と前記筒状挿入部材とは、互いに直接接触可能に構成されていることを特徴とするガスセンサ。
  8. 請求項4〜7の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記撥水性フィルタは、その縁部を目視できるよう、前記筒状挿入部材に固定されたことを特徴とするガスセンサ。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記筒状挿入部材の外周面のうち、前記撥水性フィルタと接触する部位は、粗面化されたことを特徴とするガスセンサ。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記筒状挿入部材の外周面のうち、前記撥水性フィルタと接触する部位に、該撥水性フィルタにて閉塞される開口端部側から離れるほど外径が小さくなるテーパ部を有することを特徴とするガスセンサ。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記筒状挿入部材の閉塞された開口端部は、前記通気孔の当該ガスセンサ外部に面する開口端部から突出していることを特徴とするガスセンサ。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記撥水性フィルタは、加熱による収縮度合に異方性を有しており、その収縮し易い方向に予め長く構成されたことを特徴とするガスセンサ。
  13. 酸素イオン伝導性固体電解質体の第1および第2の面に電極が形成された検出素子と、
    被測定ガスが流れる流路を形成する管の壁面に設けられた取付孔に装着する装着部を有し、さらに該取付孔を介して該装着部よりも該管内側に前記第1の面が配置されるように前記検出素子を保持する主体金具と、
    一端が該主体金具の前記装着部よりも前記管外側に接続され、他端に前記第2の面に大気を導入する通気孔および前記検出素子の両電極に接続されたリード線を通過させる挿通孔を有する柱状のシール部材を有する筒状カバーと、
    前記通気孔を塞ぐ、通気性の撥水性フィルタと、
    を備えたガスセンサであって、
    前記撥水性フィルタをシート状に形成し、前記通気孔に嵌挿可能な筒状挿入部材によって、該通気孔に設け、
    前記筒状挿入部材は、前記シール部材よりも硬質の材料で形成されたことを特徴とするガスセンサ。
  14. 請求項1〜13の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記通気孔は、前記シール部材に同軸に形成されたことを特徴とするガスセンサ。
  15. 請求項1〜14の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記筒状挿入部材は、その外周に、前記シール部材に係合する鍔部を有することを特徴とするガスセンサ。
  16. 請求項15に記載のガスセンサにおいて、
    前記鍔部は、前記通気孔内部に形成された係合部に係合することを特徴とするガスセンサ。
  17. 請求項15又は16に記載のガスセンサにおいて、
    前記鍔部に、切欠き部を設けたことを特徴とするガスセンサ。
  18. 請求項1〜17の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記撥水性フィルタは、撥油性を有することを特徴とするガスセンサ。
  19. 請求項1〜18の何れかに記載のガスセンサにおいて、
    前記撥水性フィルタは、前記通気孔の軸方向に複数枚重ねて設けられていることを特徴とするガスセンサ。
  20. 酸素イオン伝導性固体電解質体の第1および第2の面に電極が形成された検出素子と、
    被測定ガスが流れる流路を形成する管の壁面に設けられた取付孔に装着する装着部を有し、さらに該取付孔を介して該装着部よりも該管内側に前記第1の面が配置されるように前記検出素子を保持する主体金具と、
    一端が該主体金具の前記装着部よりも前記管外側に接続され、他端に前記第2の面に大気を導入する通気孔および前記検出素子の両電極に接続されたリード線を通過させる挿通孔を有する柱状のシール部材を有する筒状カバーと、
    前記通気孔を塞ぐ、通気性の撥水性フィルタと、
    を備えたガスセンサであって、
    前記撥水性フィルタをシート状に形成し、前記通気孔に嵌挿可能な筒状挿入部材によって、該通気孔に設け、
    前記シール部材の当該ガスセンサ外部に面する外側表面は、凸面状に形成されていることを特徴とするガスセンサ。
  21. 請求項20に記載のガスセンサにおいて、
    前記外側表面は、前記通気孔の当該ガスセンサ外部に面する開口端部にて、最も高く凸起していることを特徴とするガスセンサ。
  22. 酸素イオン伝導性固体電解質体の第1および第2の面に電極が形成された検出素子と、
    被測定ガスが流れる流路を形成する管の壁面に設けられた取付孔に装着する装着部を有し、さらに該取付孔を介して該装着部よりも該管内側に前記第1の面が配置されるように前記検出素子を保持する主体金具と、
    一端が該主体金具の前記装着部よりも前記管外側に接続され、他端に前記第2の面に大気を導入する通気孔および前記検出素子の両電極に接続されたリード線を通過させる挿通孔を有する柱状のシール部材を有する筒状カバーと、
    前記通気孔を塞ぐ、通気性の撥水性フィルタと、
    を備えたガスセンサであって、
    前記撥水性フィルタをシート状に形成し、前記通気孔に嵌挿可能な筒状挿入部材によって、該通気孔に設け、
    前記撥水性フィルタは、前記筒状挿入部材の開口端部を閉塞するように撥水性フィルタの外周縁を接合したことを特徴とするガスセンサ。
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