JP2001215210A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JP2001215210A
JP2001215210A JP2000023963A JP2000023963A JP2001215210A JP 2001215210 A JP2001215210 A JP 2001215210A JP 2000023963 A JP2000023963 A JP 2000023963A JP 2000023963 A JP2000023963 A JP 2000023963A JP 2001215210 A JP2001215210 A JP 2001215210A
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seal member
filter
ventilation
gas sensor
outer cylinder
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JP2000023963A
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English (en)
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Satoshi Ishikawa
聡 石川
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気を外部から導入して機能するガスセンサ
において、通気性、耐熱性等に優れたガスセンサを提供
する。 【解決手段】 酸素センサ1は、外筒13を通気孔41
の位置で加締めることにより、通気孔41を撥水性フィ
ルタ50に対して密着させ、さらに、シール部材の弾性
力により撥水性フィルタ50を内側から外筒13に押し
付ける態様をとる。このため、撥水性フィルタ50の外
筒13への密着性を確保することができ、そのシール性
を十分に保持することができる。また、第1シール部材
16の外周面に設けられた複数の通気溝により、外気の
通気経路が複数形成されるため、多くの通気量を確保す
ることができ、しかも、仮にその一つが塵埃や油分等の
付着物により詰まることがあっても、他の複数の通気経
路で通気を補うことができる。このため、通気に対する
信頼性を保証することができ、その結果、ガスセンサの
精度を良好に保つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス等の被測
定ガスが流れる流路を形成する管に取り付けられ、基準
ガスとしての大気を外部から導入して機能するガスセン
サに関する。
【0002】
【従来技術】従来より、混合ガス中から特定のガス成分
の濃度を検出するガスセンサとして、HCセンサやNO
xセンサ等種々のものが知られている。この種のガスセ
ンサの一つとして、例えば特開平11−248671号
公報に示される外気導入型の酸素センサがある。この酸
素センサは二つの電極が形成された検出素子の一方の電
極に基準ガスを、他方の電極に測定ガスを接触させ、そ
して当該酸素センサでは、外気を導入する通気孔を、ガ
スセンサの最上部に設けられたシール部材の側面から導
入し、その中心に設けた貫通孔から基準ガス室に導くよ
うにしている。そして、シール部材の側面の通気導入口
とその周囲の外筒に設けた通気孔の間には通気性の撥水
性フィルタを設けて、外部から水等の侵入が無い様にし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガスセンサにおいては、フィルタを固定する為に、外筒
の通気孔の上下の位置で外筒を外方からシール部材に向
かって加締めていたので、外筒の通気孔とフィルタの間
にはどうしても小さな空間が形成されてしまい、そこに
塵や油などが溜まってしまうことが有った。その場合に
は、溜まった塵や油が高温で熱せられることによって、
炭化水素などの蒸気がフィルタから基準ガス室内に侵入
して、センサの挙動に悪影響を与えることが有った。こ
の問題を解決する為に、特開平11−72465のよう
に、通気フィルタの外側を通気孔に密着するように通気
孔上下の加締め間隔を狭くして加締めるという方法も考
えられるが、この方法でも通気フィルタと外筒の間に形
成される空間を完全に無くすことは出来なかった。
【0004】本発明はこうした問題に鑑みてなされたも
のであり、大気を外部から導入して機能するガスセンサ
において、通気性、耐熱性等に優れたガスセンサを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段及び発明の効果】上記課題に
鑑み、請求項1記載のガスセンサにおいては、ガスセン
サの基準ガス室と大気の間を隔離するシール部材の側面
に開口する通気経路が形成されている。そしてシール部
材の側面周囲に配置される外筒には通気孔が形成されて
いる。そして、シール部材と外筒の間に配設されたフィ
ルタは、外筒の通気孔の上から通気孔を含んだ領域全体
を加締めることで固定される。
【0006】この様にフィルタが外筒の通気孔を含んだ
領域全体で加締められることで、フィルタと通気孔の周
囲の外筒内面との間に形成される空間は完全に潰されて
無くなるので、フィルタの近傍には塵や油が溜まること
が無く、基準ガス室内を従来より清浄な状態に保つこと
が出来る。
【0007】また、シール部材の材質が弾性体である
為、加締め時において通気孔周りのフィルタはシール部
材の弾性反発力によって通気孔側に押され、通気孔の内
面側よりも若干フィルタは外側に突出すような形状にな
る。その為、一層フィルタ周りに塵や油等が溜まる空間
が無くなり、通気フィルタの周りを清浄な状態に保つこ
とが出来る。
【0008】シール部材に形成する通気経路としては、
請求項2の発明の様にシール部材を複数の部品に分け
て、それら複数のシール部材の間に形成した隙間を通気
経路とする事が望ましい。即ち、シール部材の側面から
空気を導入し、シール部材の下面から基準ガス室に対し
て空気を放出するように通気経路を形成することは加工
上難しいので、幾つかのシール部材を組み合せて通気経
路を形成する。また、シール部材を貫通するように通気
経路を設けるよりもシール部材の間に形成される間隙を
通気経路とすれば、更に加工が容易であり、通気経路の
通気断面積を広く形成できるので好ましい。
【0009】上記通気経路の実施態様としては、図2〜
図4に示すようなものが考えられる。これら実施態様で
は、円柱状の第1シール部材に円筒状の第2シール部材
をはめ合わせてシール部材を構成する。第1シール部材
の円柱側面にシール部材下端まで延びる溝部(第1凹
部)を形成して、第2シール部材との間で通気経路の一
部(第1通気経路)を構成する。この形状では溝深さを
深くすると比較的通気断面積を大きく取ることが出来る
し、成形も容易である。また、第1シール部材と第2シ
ール部材を簡単に組付けることが出来る。
【0010】そして、第1シール部材の側面に形成され
た径大部と第2シール部材の端部の間に間隙(第2凹
部)を形成して通気経路の一部(第2通気経路)を構成
する。その第2凹部と前記第1凹部を通じる様にして、
全体として通気経路が連絡する。この第2通気経路はシ
ール部材の側面に形成されて、外筒内面に対向する通気
経路の開口部となる。この実施態様では第1シール部材
と第2シール部材を組み合せるだけで、簡単に開口部を
形成できる。
【0011】フィルタは、前記第2凹部(開口部)を覆
うように設けられる。これによって第1シール部材と第
2シール部材の接合部で外表面に露出している部分は全
てフィルタに覆われるので、第1シール部材と第2シー
ル部材の隙間から水等が侵入することを防止できる。ま
た、フィルタを介して清浄な空気を基準ガス室内に導入
することが出来る。
【0012】フィルタは、外筒を外方からシール部材の
方向に加締めて固定されるが、加締めは外筒内面の前記
第2凹部(開口部)に対向する領域を少なくとも含む領
域が、前記フィルタに密着するように行われる。この様
に加締めることで、フィルタとシール部材及びフィルタ
と外筒内面が密着し良好な防水性を確保できる。しかも
シール部材によってフィルタは弾性的に保持されてお
り、加締め力が強すぎても切れたり穴が空いたりする様
なことが無い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例を
図面と共に説明する。本実施例は、本発明のガスセンサ
を酸素センサとして構成したものであり、図1は、当該
酸素センサの全体構成を示す断面図である。
【0014】同図に示すように、酸素センサ1は、Zr
2を主成分とする固体電解質体により先端が閉じた中
空軸状に形成された検出素子2、検出素子2内に配置さ
れた軸状のセラミックヒータ3、検出素子2を収容する
ケーシング10等から構成されている。
【0015】この検出素子2は、その軸方向における中
央部付近の外周にて、絶縁性セラミックから形成された
セラミックホルダ6,7と、タルクから形成されたセラ
ミック粉末8とを介して、電気的に絶縁された状態で金
属製のケーシング10内に設けられている。検出素子2
の内面及び外面には、そのほぼ全面を覆うように、Pt
からなる一対の多孔質電極層(内側電極2a、外側電極
2b)が設けられている。
【0016】ケーシング10は、酸素センサ1を排気管
等の取付部に固定すると共に、セラミックホルダ6,7
及びセラミック粉末8を内部に収容し、検出素子2の閉
じた先端部を排気管等の内部に突出させる主体金具9
と、主体金具9の上部に延設され、上方から検出素子2
の内面に大気を導入するための外筒13とから構成され
ている。
【0017】主体金具9の下端部は縮管しており、この
縮管部によりセラミックホルダ6,7及びセラミック粉
末8を下方から支持している。また、当該下端部には、
検出素子2の先端側を一定の空間を隔てて覆うようにプ
ロテクタ11が取り付けられ、プロテクタ11には排ガ
スを透過させる複数のガス透過口12が形成されてい
る。
【0018】また、主体金具9の上端部には、内側に延
出したフランジ部9aの先端縁により円形の上部開口部
が形成されており、このフランジ部9aがリング5を介
してセラミックホルダ6,7及びセラミック粉末8を上
方から固定している。そして、その上部開口部を覆う態
様で外筒13の下端開口端部が嵌合装着されている。
【0019】外筒13の上部開口近傍には、セラミック
で筒状に形成された絶縁性のセパレータ18が内挿され
ている。セパレータ18は、その上端部に鍔部18aが
設けられ、外筒13が外方から加締められることによ
り、鍔部18aの下端面が外筒13上部に係止される態
様で外筒13内に保持されている。
【0020】また、外筒13の上端開口部には、弾性体
としてのゴムで構成された円柱形状のシール部材15が
設けられており、このシール部材15およびセパレータ
18を貫通するように、検出素子2の電極に夫々接続さ
れるリード線20,21及びセラミックヒータ3に接続
される一対のリード線(図示せず)が配置されている。
【0021】検出素子2用の一方のリード線20は、コ
ネクタ部24、引出し線部25および内部電極接続部2
6で構成される端子金具23を介して、検出素子2の内
側電極2aと電気的に接続されている。他方のリード線
21は、コネクタ部34、引出し線部35および外部電
極接続部36で構成される端子金具33を介して、検出
素子2の外側電極2bと電気的に接続されている。
【0022】また、セラミックヒータ3に通電するため
の一対のヒータ端子部40が、セラミックヒータ3の上
端に固定され、このヒータ端子部40を介して、セラミ
ックヒータ3内に埋設された図示しない発熱用抵抗回路
に通電が行われる。そして、酸素センサ1における外筒
13の内部空間の換気は、外筒の上部開口部近傍に設け
られた複数の通気孔41と、外筒13の内周面とシール
部材15の外周面との間に介装された撥水性フィルタ5
0と、シール部材15に形成された複数の通気経路15
aとを介して行われる。すなわち、通気孔41、撥水性
フィルタ50、及び通気経路15aを介して内部空間に
導入された外気は、セパレータ18の上端面に設けられ
た溝に沿って左右に分流し、その各々がセパレータ18
に設けられた上記リード線20,21用の挿通孔を通っ
て下方に配置された検出素子2の内面(つまり、内側電
極2a)に送り込まれるのである。
【0023】以下、シール部材15の構造及び撥水性フ
ィルタ50の取付構造について、図2及び図3に基づい
て説明する。図2に示すように、シール部材15は、円
柱状の第1シール部材16と、これに部分的に外挿され
る円筒状の第2シール部材17とからなる。そして、こ
れら第1シール部材16と第2シール部材17との間に
円筒状の撥水性フィルタ50を外挿・挟持する態様で、
シールユニット14を構成している。
【0024】第1シール部材16は、図2(b)上段に
示すように、径大部16a、径大部16aの下方に連設
された径小部16b、及び、径大部16aの上端から外
方に延出したフランジ部16cから構成される。そし
て、上述したリード線20,21等を挿通するための4
つの挿通孔16dが、これら径大部16a及び径小部1
6bを軸方向に貫通するように、等間隔で形成されてい
る。
【0025】また、径小部16bの外周面には、軸方向
に延び下方に開放された半円断面形状の4つの溝16e
が、上記4つの挿通孔16dの内、互いに隣接する2つ
の挿通孔16dの間に相当する位置に配置される態様で
形成されている。第2シール部材17は、図2(b)下
段に示すように、上記第1シール部材16の径小部16
bの外径にほぼ等しい内径と、径大部16aの外径にほ
ぼ等しい外径を有する円筒部17aと、この円筒部17
aの下端から外方に延出し、上記第1シール部材16の
フランジ部16cの外径にほぼ等しい外径を有するフラ
ンジ部17bとから構成される。
【0026】撥水性フィルタ50は、図2(b)中段に
示すように、円筒形状に形成され、その内径が上記第1
シール部材16の径小部16b及び第2シール部材17
の円筒部17aの外径にほぼ等しく、その外径が上記第
1シール部材16のフランジ部16c及び第2シール部
材17のフランジ部17bの外径にほぼ等しくなるよう
に形成されている。また、撥水性フィルタ50の長さ
(高さ)は、第1シール部材16と第2シール部材17
とを、各々の下端面が同一平面上に配置されるように組
み付けた場合に、フランジ部16cの下面とフランジ部
17bの上面とにより丁度挟持される程度の長さに形成
されている。
【0027】この撥水性フィルタ50は、例えばポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)の未焼成成形体を、
PTFEの融点よりも低い加熱温度で1軸以上の方向に
延伸することにより得られる多孔質繊維構造体(例え
ば、商品名:ゴアテックス(ジャパンゴアテックス
(株)))により、水滴等の水を主体とする液体の透過
は阻止し、かつ気体(空気、水蒸気等)の透過は許容す
る撥水性フィルタとして構成されている。また、さらに
撥油コートした多孔質繊維構造体(商品名:オレオベン
トフィルタ(ジャパンゴアテックス(株))を用いるこ
ともできる。これを用いることにより、付着した油分が
気化して内部に侵入する危険性を低下させることができ
る。
【0028】そして、シールユニット14の組付けは、
図2(b)に示すように、まず第1シール部材16の下
方から撥水性フィルタ50を外挿する。このとき、撥水
性フィルタ50の内周面の上部が、第1シール部材16
の径大部16aの外周面に当接しつつ押し込まれ、その
上端がフランジ部16cの下面に当接した状態で係止さ
れる。そして、この状態から第2シール部材17を下方
から組み付ける。このとき、第2シール部材17の円筒
部17aが、その内周面を第1シール部材16の外周面
に当接し、その外周面を撥水性フィルタ50の内周面に
当接しつつ押し込まれ、フランジ部17bの上端面が撥
水性フィルタ50の下端に当接した状態で係止される。
このようにして組み付けられたシールユニット14は、
第1シール部材16、第2シール部材17及び撥水性フ
ィルタ50がそれぞれの接触面で一定の摩擦力をもって
係止される。このため、これらの係合はそれほど容易に
外れるものではなく、シールユニット14は、酸素セン
サ1の一つのまとまった構成部品として構成される。
【0029】図3にシールユニット14の部分断面図を
示す。図3(a)は図2(a)のA−A断面図(つま
り、シールユニット14の中心軸及びリード線20,2
1の挿通孔を通る断面図)、図3(b)は図2(a)の
B−B断面図(つまり、シールユニット14の中心軸及
び通気溝16eを通る断面図)、そして図3(c)は図
3(a)のC−C断面図である。
【0030】図3からも分かるように、第1シール部材
16、第2シール部材17、及び撥水性フィルタ50に
より囲まれた空間には、外筒13に形成された通気孔4
1及び撥水性フィルタ50を介して導入され外気を、シ
ールユニット14の下方(つまり、検出素子2の内面に
導くための複数の通気経路15aが形成されている。
【0031】すなわち、同図(b)に二点鎖線にて示す
ように、撥水性フィルタ50を通過し、第1シール部材
16の径小部16bの通気溝16eが形成された外周面
に導入された外気は、この通気溝16eと第2シール部
材17の内周面とにより形成された複数の通気経路15
aを通って、シールユニット14の下方に導かれる。一
方、同図(a)の位置、すなわち、通気溝16eが形成
されていない位置に導入された外気は、撥水性フィルタ
50の内周面と第1シール部材16の径小部16bの外
周面との間に形成される通気経路を通る態様で径小部1
6bの周りを周回し、上記通気溝16eと第2シール部
材17の内周面とにより形成された通気経路15aに導
かれ、同様にシールユニット14の下方に導かれるよう
になっている。
【0032】そして、このように形成されたシールユニ
ット14が外筒13の開口端部47の内側に配置され、
通気孔41を含む位置で、外筒13を介して径方向に加
締められ、それにより外筒13、撥水性フィルタ50、
及びシール部材15が密着し、そのシール性がより確実
なものとされる。
【0033】以上のように構成された酸素センサ1が、
主体金具9の外周に形成されたネジ部9bを介し、外筒
13が略上向きとなるよう、被測定ガスの流路を形成す
る管の取付孔に取り付けられると、プロテクタ11にて
保護された検出素子2の先端部が流路を形成する管内部
に突出して、被測定ガスに晒される。一方、検出素子2
の内部には、通気孔41を介した換気により、上記外筒
13を介して大気が導入される。通気孔41は、シート
状に形成された通気性の撥水性フィルタ50にて塞がれ
ていることから、外筒13内部への大気の導入を十分行
うことができると共に、水等の侵入を防止している。そ
の結果、検出素子2の内側電極2aと外側電極2bとの
間には、大気中の酸素濃度と被測定ガス中の酸素濃度と
の比に応じた電圧が発生し、リード線20、21により
検出信号として外部に出力される。 また、上述の構成
では、外筒13をその通気孔41の位置で加締めること
により、当該通気孔41を撥水性フィルタ50に対して
密着させ、さらに、ゴムからなるシール部材の弾性力に
より撥水性フィルタ50を内側から外筒13に押し付け
る態様をとっている。このため、撥水性フィルタ50の
外筒13への密着性を確保することができ、その防水性
或いは防塵性等のシール性を十分に保持することができ
る。
【0034】また、上記構成では、第1シール部材16
の外周面に設けられた複数の通気溝16eにより、外気
の通気経路が複数形成されるため、従来のように軸心部
に一箇所の通気孔を設けるタイプよりも多くの通気量を
確保することができる。また、このように通気経路が複
数設けられているため、仮にその一つが塵埃や油分等の
付着物により詰まることがあっても、他の複数の通気経
路で通気を補うことができる。このため、通気に対する
信頼性を保証することができ、その結果、ガスセンサの
精度を良好に保つことができる。
【0035】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定され
ることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形
態をとり得ることはいうまでもない。例えば、上記実施
例では、第1シール部材16と第2シール部材17とを
組み付けた後、その軸方向の空間が全周にわたって形成
される(つまり、図3(a)に示す断面にも通気経路1
5aが形成される)。このため、加締め工程の際に、撥
水性フィルタ50がこの通気経路15aにめり込みやす
い構成となっている。この撥水性フィルタ50のめり込
みは、シール部材15との間のシール性を保証するため
にある程度は必要とも考えられるが、不必要なめり込み
は、通気性の低下、或いは撥水性フィルタ50の界面か
らの脱落等を引き起こす原因ともなる。そこで、このよ
うな問題を従前に回避するために、図4に示すような変
形例を採用することも可能である。
【0036】同図においては、第1シール部材216及
び第2シール部材217の形状が、上記実施例のものと
異なっている。具体的には、同図(a)上段に示す第1
シール部材16には、上記実施例に示す径大部16aに
相当する部分がなく、径小部16bに相当する円柱部2
16bが全長にわたって形成されている。そして、上記
と同様、その外周面の所定位置には4つの通気溝216
eが形成されているが、各々の通気溝216eの上端に
は、後述する第2シール部材217の嵌合溝217aと
嵌合する嵌合突部216aが形成されている。この嵌合
突部216aは、円柱部216bから外方に延出して形
成され、その最外面は上記径大部16aの外径に等しい
外径を有する円弧形状に形成されている。
【0037】一方、同図(a)下段に示す第2シール部
材217には、円筒部217aが、撥水性フィルタ25
0を組み付けたときに、双方の上端が一致する程度に長
く形成されている(同図(c)参照)。そして、上記嵌
合突部216aに嵌合可能な4つの嵌合溝217bが形
成されている。この嵌合溝217bの大きさは、第1シ
ール部材216と第2シール部材217とを組み付けた
ときに、嵌合突部216aとの間に所定の空間(通気
孔)が形成される程度の大きさに設定されている。
【0038】図4(b)、(c)には、それぞれ、同図
(a)に示すこれら両シール部材と撥水性フィルタ25
0とを組み付けたときのD−D断面図、E−E断面図が
示されている。これらの組み付けにより形成されたシー
ルユニットには、同図(b)に示すように、複数の通気
経路215aが形成されるため、上記実施例と同様の効
果が得られる。一方、同図(c)に示すように、第1シ
ール部材216において通気溝216eが形成されてい
ない円柱部216bは、第2シール部材217の円筒部
217aの壁面により覆われており、不要な空間は形成
されていない。このため、加締め工程において、撥水性
フィルタ250が外方から押圧されても、この部分によ
り一定の剛性が担保されるため、当該撥水性フィルタ2
50が通気孔215aに不必要にめり込む等の問題は生
じない。
【0039】尚、上記実施例及び変形例では、シール部
材の構成として第1シール部材と第2シール部材とから
なる二部材からなるものを使用したが、これらを一体的
に構成した一部材からなるものとして構成してもよいこ
とはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る酸素センサの全体構成
を示す断面図である。
【図2】 実施例の酸素センサを構成するシールユニッ
トの構成を示す説明図である。
【図3】 実施例のシールユニットの構成を示す部分断
面図である。
【図4】 変形例のシールユニットの構成を示す部分断
面図等である。
【符号の説明】
1・・・酸素センサ、 2・・・検出素子、 2a・・
・内側電極、2b・・・外側電極、 3・・・セラミッ
クヒータ、9・・・主体金具、 10・・・ケーシン
グ、13・・・外筒、 14・・・シールユニット、
15・・・シール部材、15a・・・通気経路、 1
6,216・・・第1シール部材、16e、216e・
・・通気溝、 17,217・・・第2シール部材、2
0,21・・・リード線、41・・・通気孔、 47・
・・開口端部、50,250・・・撥水性フィルタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出素子と、 上端及び下端に開口部を有する空間を中心に有し、前記
    空間内で前記検出素子を保持する主体金具と、 前記上端開口部を大気と隔離する外筒と、 前記外筒と共に前記上端開口部を大気と隔離する弾性体
    からなるシール部材と、 を有するガスセンサであっ
    て、 前記シール部材には少なくとも1つの通気経路が形成さ
    れ、 前記通気経路の一方の開口部を覆うようにフィルタが設
    けられており、 前記外筒には少なくとも一つの通気孔が形成され、 前記外筒の前記通気孔を含む外面領域が外方から加締め
    られている事によって前記シール部材と前記外筒の間に
    前記フィルタが狭持されている事、 を特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記シール部材は、少なくとも複数のシ
    ール部材より構成され、 前記通気経路は、前記複数のシール部材の間に形成され
    ている事、 を特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】 前記シール部材は、第1シール部材と、
    第2シール部材より構成され、 前記第1シール部材は円柱状であり、円柱の側面に第1
    凹部が形成され、前記第1凹部は円柱側面の始点から円
    柱の軸方向の一端面まで連通しており、 前記第2シール部材は円筒状であり、円筒内部には前記
    第1シール部材の一部が挿通されており、 前記通気経路の一部は、前記第1シール部材の第1凹部
    と前記第2シール部材の円筒内面との間の空間によって
    形成される事、 を特徴とする請求項2記載のガスセンサ
  4. 【請求項4】 前記第1シール部材は、軸方向所定長さ
    に亘りその外径が前記第2シール部材の円筒外径にほぼ
    等しい径大部と、 前記径大部の一方の端面から前記第1シール部材の端ま
    での範囲に亘り、外径が前記第2シール部材の円筒内径
    にほぼ等しい径小部とを有し、 前記第2シール部材は、前記径小部を挿通した状態で前
    記第1シール部材と組み合わされ、 前記第2シール部材端面と、前記径大部の端面との間に
    第2凹部が形成され、前記通気経路の一部は、前記第2
    凹部によって形成される事、 を特徴とする請求項3記載のガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記第2凹部を覆うように、前記フィル
    タが設けられている事を特徴とする請求項4記載のガス
    センサ。
  6. 【請求項6】 前記外筒内面の前記第2凹部に対向する
    領域を含む領域が外方から加締められて前記フィルタに
    密着している事によって、前記シール部材と前記外筒の
    間に前記フィルタが狭持されている事を特徴とする請求
    項4乃至5に記載のガスセンサ。
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