JP4565760B2 - 通気構造を有するセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ、又は温度センサなどのセンサの様に、通気構造を有するセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、混合ガス中から特定のガス成分の濃度を検出するガスセンサとして、HCセンサやNOxセンサ等、種々のものが知られており、この種のガスセンサの一つとして、例えば特開平9−54063号公報に示される様な外気導入型の酸素センサがある。
【0003】
前記酸素センサでは、外気を導入する通気孔を、ガスセンサの最上部に設けられたゴム製のシール部材の中央を軸方向に貫通するように形成するとともに、通気孔を硬質の撥水性フィルタ(水を通さずに通気を確保するフィルタ)で覆うことにより、通気性と防水性を保持している。
【0004】
しかし、この様な硬質フィルタを通気孔全体にわたって配置した構成では、フィルタ全体の体積が大きいことから、その通気性を十分に確保することが困難であった。
そこで、例えば特許公開2000−193632号公報では、図6に示す様に、シート状の撥水性フィルタ(通気フィルタ)P1を金属製の筒状部材(止め金具)P2にかぶせ、この状態で、通気フィルタP1及び止め金具P2をシール部材P3の通気孔P4に嵌挿することにより、通気性及び防水性を保持する技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した技術では、止め金具P2によって通気フィルタP1を保持する構成のために、例えば酸素センサが車体外などに露出している場合に、洗車時の高圧水や飛び石によって通気フィルタP1に大きな力が加わったときには、特に止め金具P2の開口端付近において、通気フィルタP1が破損するおそれがあった。
【0006】
また、酸素センサが高温の条件に晒されると、ゴム製のシール部材P3が膨張して、通気フィルタP1及び止め金具P2を押圧することによって、通気フィルタP1が外方向に過度に突出することがあり、その結果、通気フィルタP1が破損し易くなることがあった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、通気及び防水の可能なフィルタの破損を防止して、通気及び防水の優れた性能を確保できる通気構造を有するセンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、検出素子と、センサの内部と外部とを連通する連通部に内嵌される保持部材であって、検出素子から伸びる複数のリード線の本数に応じて設けられたリード線挿通孔及び通気を確保するための通気孔を形成した保持部材(例えばシール部材)と、を備えるとともに、通気孔に通気性及び防水性を有するフィルタ(例えば通気フィルタ)を配置したセンサ(例えば酸素センサ)に関するものである。
【0009】
特に本発明では、その通気構造として、通気孔の外側の開口端を覆うようにフィルタを配置するとともに、フィルタの外側に、フィルタを介する通気が可能で且つ少なくとも保持部材表面の一部を覆うカバー部材を配置し、更に、保持部材とフィルタとの間やフィルタとカバー部材との間において、通気孔の開口端の周囲に弾性体を配置している。
【0010】
従って、センサを例えば車両の排気管など取り付けた場合に、センサの露出部分(フィルタの近傍の部分等)に対して、例えば洗車時の高圧水がかかったり飛び石が当たって、瞬間的に大きな衝撃力が加わったときでも、弾性体がその応力を吸収するので、フィルタに過度の力が加わることがない。また、従来の様に、フィルタが止め金部分で直角に折れ曲がる構成ではないので、大きな力が加わっても、フィルタは破れ難い。これにより、フィルタの破損を防止できるので、フィルタの防水性が低下することがなく、よって、センサの耐久性が向上するという効果を奏する。
【0011】
また、通気性及び防水性を有するフィルタ(例えばPTFE製のフィルタ)は、一般的に価格が高いが、本発明では、通気孔の開口端及びその近傍をフィルタで覆えばよく、従来と比べてフィルタの使用量が少なくて済み、コスト的に有利である。
【0012】
更に、カバー部材は、通気が可能な様に、フィルタの一部(例えば外周)や保持部材表面の一部を、直接的又は(間に他の部材を介して)間接的に覆う様に設けられるので、カバー部材に覆われた箇所は、飛び石等が当たっても、破損し難いという利点がある。
【0013】
その上、カバー部材によって、例えばフィルタを直接に押圧することにより、又は、例えば弾性体を介して間接的にフィルタを押圧することにより、フィルタを確実に固定することができる。
尚、弾性体は、保持部材とフィルタとの間やフィルタとカバー部材との間に配置できるが、その両方に配置してもよいし、どちらか一方に配置してもよい。特に、保持部材に溝を設けて弾性体を配置するようにすれば、弾性体の位置ずれを防止でき、しかもシール性も高いので好適である。
【0014】
(2)請求項2の発明では、弾性体は(例えばフッ素ゴム製の)Oリングである。
つまり、通気孔の開口端の周囲にOリングを配置することにより、フィルタ以外から通気孔に到る経路を十分にシールすることができる。また、Oリングは、コスト的に有利である。
【0015】
(3)請求項3の発明では、保持部材は(例えばステンレス等の)金属製である。
本発明では、保持部材は金属製であるので、従来のゴム製品に比べて、高温下での膨張が少ない。また、シール性向上のために補助的に使用するゴム材料も少なくて済む。よって、ゴムの膨張により押し出されてフィルタが外方向に飛び出すことがないので、それによるフィルタの破損を防止できる。しかも、ゴム製品が膨張すると、自身に亀裂が入ってシール性が低下するおそれがあるが、その様な心配もない。
【0016】
また、保持部材は、例えばセンサの容器(例えば外筒)内に固定されるが、本発明では、保持部材は金属製であるので、外筒が大きな外力を受けた場合でも、保持部材が硬い芯となって作用し外筒等が変形しにくい。そのため、シール性が低下しにくいという効果がある。
【0017】
更に、従来は、保持部材として、フッ素ゴム製のシール部材が使用されていたが、このフッ素ゴムは、250℃以上の高温になると、HFが発生し、端子金具などの金属製品を腐食することがあるが、本発明では、保持部材が金属製であるので、高温になってもHFが発生し難く、仮に発生しても、従来品よりもフッ素ゴムのボリュームが少ないので、HFの発生は少量に抑えられる。よって、耐腐食性の点でも好適である。
【0018】
(4)請求項4の発明では、カバー部材は金属製である。
従って、例えばセンサの露出部分(保持部材の表面等)に飛び石などが当たっても、金属製のカバー部材により保護されているので、保持部材やフィルタなどが破損しにくいという効果がある。特に、保持部材がゴム製品である場合には、飛び石等により切れが生じ、そこが起点となって破損が広がってシール性が低下するおそれがあるので、このカバー部材による効果は顕著である。
【0019】
また、カバー部材を金属製とすることにより、カバー部材の厚さを少なくすることができる。それにより、カバー部材により囲まれて形成されフィルタの外側面が露出する凹部の深さを低減できるので、その凹部にゴミ等が溜まりにくく、よって、フィルタの通気性を長く確保することができる。
【0020】
(5)請求項5の発明では、保持部材及びカバー部材が金属製であるので、保持部材にカバー部材を溶接して接合する。
つまり、保持部材にカバー部材を溶接して接合することにより、両部材を強固に一体化することができる。これにより、両部材に挟まれたフィルタ及び弾性体をしっかりと固定できるので、フィルタを小さくした場合でも、フィルタの位置ずれや脱落を防止できる。
【0021】
(6)請求項6の発明では、保持部材が取り付けられるセンサ本体側の筒状部材(例えば外筒)が、金属製の部材である。
本発明は、保持部材が固定されるセンサ本体側の部材を例示している。このセンサ本体側の筒状部材が金属製である場合には、センサの強度が向上する。特に、保持部材が金属製である場合には、保持部材と筒状部材とを溶接により接合することができ、一層の強度向上が図れる。
【0022】
(7)請求項7の発明では、保持部材はカシメや溶接により、センサ本体側の筒状部材に取り付けられている。
例えば保持部材がゴム製で筒状部材が金属製である場合には、カシメにより、気密性及水密性を保って、保持部材を筒状部材と一体に固定することができる。
また、例えば保持部材及び筒状部材が金属製である場合には、溶接により、気密性及水密性を保って、保持部材を筒状部材と一体に固定することができる。
【0023】
つまり、保持部材及び筒状部材の材質により、カシメ又は溶接を選択して、保持部材を筒状部材に一体に固定することができる。
(8)請求項8の発明では、センサはガスセンサである。
本発明は、センサの種類を例示したものであり、ここでは、ガスの種類を検出したり、ガスの濃度を検出するガスセンサが挙げられる。
【0024】
このガスセンサとしては、酸素の濃度を測定する酸素センサ、NOXの濃度を測定するNOXセンサ、HCの濃度を測定するHCセンサ、COの濃度を測定するCOセンサなどが挙げられる。
尚、ガスセンサ以外に、上述した通気構造を有するセンサとしては、例えば温度センサなどが挙げられる。
【0025】
(9)請求項9の発明では、センサは、内燃機関の排気を浄化する触媒(例えば三元触媒)の下流側に配置される下流センサである。
つまり、いわゆる下流センサ(モニタセンサ)は、排気管の下流側に取り付けられて、車体の外部に露出しているので、上述した高圧水や飛び石の影響を受け易いが、本発明の下流センサでは、上述した通気構造を備えているので、フィルタが破損し難い等の効果を発揮でき、好適である。
【0026】
尚、下流センサだけでなく、触媒の上流側に取り付けられる上流センサ(制御センサ)に、上述した通気構造を設けることにより、同様な効果を奏する。
(10)請求項10の発明では、センサが、検出素子と、検出素子を保持する主体金具と、検出素子の保持部材側である後端側に大気から隔離された基準ガス空間を形成する筒状部材と、筒状部材とともに基準ガス空間を形成する保持部材とを備えている。
【0027】
本発明は、センサの構成を例示したものであり、このセンサとしては、例えば、ジルコニアを主成分とする固体電解質体からなり、酸素濃度を検出する検出素子を備えた酸素センサが挙げられる。
(11)請求項11の発明では、センサの後端側に連通部が設けられ、その連通部に内嵌されて取り付けられた保持部材のリード線挿通孔を介して、検出素子から伸びるリード線が外部に取り出される構成を備えている。
【0028】
本発明は、連通部に関する構成を例示したものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の通気構造を有するセンサの実施の形態の例(実施例)について説明する。
(実施例1)
本実施例の通気構造を有するセンサは、例えば自動車の排気系に取り付けられて、検出ガス(排気ガス)中の酸素濃度を測定する酸素センサ(ガスセンサ)である。
【0030】
具体的には、検出素子の大気側と測定ガス側の酸素濃度の違いに基づいて起電力を発生するタイプの酸素センサであり、そのため、検出素子の大気側(センサ内部)にセンサ外部より大気を導入するための通気構造を必要とするものである。
【0031】
a)まず、本実施例の酸素センサの構成について、図1に基づいて説明する。
尚、図1は、酸素センサの全体構成を示す断面図である。
図1に示す様に、酸素センサ1は、先端が閉じた中空軸状の検出素子3と、検出素子3内に配置された軸状のセラミックヒータ5と、検出素子3を収容するケーシング7等から構成されている。
【0032】
前記検出素子3は、ZrO2を主成分とする固体電解質体からなり、その内側及び外側の表面に電極(図示せず)が形成されている。
前記ケーシング7は、金属製(JIS:SUS430)の主体金具9と金属製(JIS:SUS304)の外筒11とを軸方向に接続した筒状の容器であり、その先端側(同図の下部)には、プロテクタ13が取り付けられ、その後端側(同図の上部)には、後に詳述する様に、保持部材14等を備えた通気構造15が形成されている。
【0033】
このうち、主体金具9は、その外周面に、酸素センサ1を排気管17に固定するためのネジ部19を備えるとともに、その内部に、セラミックホルダ21、23及びセラミック粉末25を収容し、検出素子3の先端側を主体金具9から突出させた状態で保持している。
【0034】
前記主体金具9の上部には、筒状部9aが形成され、その筒状部9aの内側に延出したフランジ部9bが、リング27を介して、セラミックホルダ21,23及びセラミック粉末25を上方から固定している。
前記主体金具9の筒状部aの外側には、前記外筒11が外嵌されており、この外筒11の内側に、セラミックス製のセパレータ29及び保持部材14等が収容されている。
【0035】
つまり、検出素子3やセラミックヒータ5からそれぞれ伸びる複数の端子金具31は、セパレータ29内部で各リード線33と接続され、各リード線33は、保持部材14を貫いて外部に伸びている。
b)次に、本実施例の要部である酸素センサ1の通気構造15について、図2及び図3に基づいて説明する。
【0036】
尚、図2は通気構造15の断面図、図3はその分解斜視図である。
図2及び図3に示す様に、外筒11の上端の開口部分(連通部)11aには、連通部11aの大部分を閉塞するように、円盤状の金属製(JIS:SUS304)の保持部材14が内嵌されており、この保持部材14は、外筒11の外側からレーザ溶接されることにより、(通気を行う部分以外は)気密性及び水密性を確保する様に外筒14と接合されて一体に固定されている。
【0037】
保持部材14の軸中心には、センサ内部と外部とを連通する通気孔35が形成され、通気孔35の周囲には、リード線33が通されるリード線挿通孔36が、リード線33の本数に合わせて4箇所に設けられている。
このリード線挿通孔36は、センサ内部の方が径が大きくなるテーパ状に形成されており、リード線33に外嵌されたフッ素ゴム製の略円錐形のシールリング38が、リード線挿通孔36内に押圧固定されている。つまり、シールリング38により、リード線33の周囲の気密性及び水密性を確保している。
【0038】
また、前記保持部材14の上面には、通気孔15の周囲を囲む様に環状溝37が形成されており、この環状溝37には、フッ素ゴム製の弾性体であるOリング39がはめ込まれている。
前記Oリング39の上方には、Oリング39全体を覆うように(従って、通気孔35の開口端35a全体を覆うように)、円形の撥水性フィルタ(通気フィルタ)41が配置されている。この通気フィルタ41は、通気性及び防水性を備えたシート状のフィルタであり、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のゴアテックス(商品名)により構成されている。
【0039】
また、保持部材14の上面には、通気フィルタ41の外周端及び保持部材14の表面の一部を覆う様に、金属製(JIS:SUS304)のカバー部材43が配置されている。
このカバー部材43は、薄肉(厚み0.3mm)の板状の部材であり、その中央には、通気孔35と対応する位置に、円形の貫通孔43aが形成され、貫通孔43aの周囲には、リード線33を取り出すことができる様に、等間隔に4箇所に切欠43bが形成されている。
【0040】
前記カバー部材43は、その(4箇所の突出する)外周端43cと保持部材14の上面とが溶接により接合され、Oロング39及び通気フィルタ41が、カバー部材43と保持部材14とに押圧された状態で挟まれている。
これにより、保持部材14の環状溝37とOリング39との間、Oリング39と通気フィルタ41との間、通気フィルタ41とカバー部材43との間が密着するので、その隙間からガスや水等が出入りすることはない。従って、通気フィルタ41を介してのみガスが出入りし、水等のセンサ内部への侵入は完全に防止できることになる。
【0041】
c)次に、上述した酸素センサ1の製造方法を説明する。
まず、図3に示す様に、保持部材14の環状溝37中にOリング39を配置し、Oリング39を覆う様に通気フィルタ41を配置する。
次に、通気フィルタ41の外周を覆うように、即ち、保持部材14の通気孔35とカバー部材43の貫通孔43aの軸中心を合わせる様にして、保持部材14上にカバー部材43を重ね合わせる。
【0042】
次に、抵抗溶接(又はレーザ溶接)により、カバー部材43の4箇所の外周端43c(図3のX部分)を保持部材14の上面に接合する。
これにより、保持部材14、Oリング39、通気フィルタ41、及びカバー部材43が一体になった通気ユニット57が構成される。
【0043】
次に、図2に示す様に、保持部材14のリード線挿通孔36に、各リード線33を挿通させる。各リード線33には、シールリング38が圧入されているので、このシールリング38をリード線挿通孔36に(径の大きな図の下方より)圧入することにより、気密性及び水密性を確保してリード線33を保持部材14に固定する。
【0044】
次に、リード線33を挿通した通気ユニット57を、外筒11の開口端11aに内嵌する。
次に、外筒11の外側よりレーザ溶接することにより、保持部材14と外筒11とを、気密性及び水密性を保って接合する。
【0045】
d)次に、本実施例の酸素センサ1の使用位置について、図4に基づいて説明する。
図4に示す様に、例えば自動車の内燃機関(エンジン)51には、燃焼したガス(排気)を外部に排出するために排気管17が接続されており、排気管17の途中には、排気を浄化するために三元触媒53が取り付けられている。
【0046】
本実施例の酸素センサ1は、三元触媒53の下流側に取り付けられる下流センサ(モニタセンサ)として使用されるものであり、三元触媒53から排出される排気中の酸素濃度を検出し、その信号を電子制御装置(ECU)55に出力する。
【0047】
従って、この酸素センサ1により検出された値が適切な範囲である場合には、三元触媒53にて好適に排気の浄化が行われていることが分かる。
尚、本実施例の酸素センサ1と同様な構成の酸素センサ2を、三元触媒53の上流側に取り付けて、いわゆる上流側センサ(制御センサ)として使用することもできる。この場合は、エンジン51から排出された排気中の酸素濃度を検出し、その信号をECU55にて判断して、燃料供給量や吸気量等を調節することにより、好適な空燃比制御などを行うことができる。
【0048】
e)この様に、本実施例の酸素センサ1では、その通気構造15として、保持部材14の通気孔35の周囲に弾性体であるOリング39を配置するとともに、Oリング39の上側に通気孔35の開口端35aを覆うように通気フィルタ41を配置し、更に通気フィルタ41の外周を覆う様にカバー部材43を配置している。
【0049】
従って、酸素センサ1を車両の排気管17に取り付けた場合、その通気構造15の近傍に洗車時の高圧水がかかったり飛び石が当たって、瞬間的に大きな衝撃力が加わったときでも、通気フィルタ41は破れ難いので、通気フィルタ41の(気体のみを通す)通気性及び防水性を長く維持することができる。
【0050】
また、通気孔35の開口端35a近傍のみを、従来より小さな通気フィルタ41で覆えばいいので、コスト的に有利である。
更に、保持部材14は金属製であるので、従来のゴム製品に比べて、高温下での膨張が少ない。よって、通気フィルタ41が外側に大きく張り出すことがないので、通気フィルタ41が破損し難いという利点がある。また、保持部材14は、従来のゴム製品の様に、熱による膨張により亀裂が発生することもないので、高いシール性を保持することができる。
【0051】
しかも、金属製の保持部材14が外筒11の内部に配置される構造であるので、外力を受けた場合でも変形が少なく、その点からも高いシール性を維持することができる。
その上、金属製の保持部材14は、フッ素ゴム製の部材の様に、高温にてHFが発生することがないので、HFによる金属部品の腐食を防止することができる。
【0052】
また、カバー部材43は金属製であるので、飛び石などが当たっても、従来のゴム製の部材の様に破損することが少なく、よって、その破損に起因するシール性の低下を防止できる。
更に、カバー部材43は金属製であるので、その厚さを少なくすることができる。そのため、通気フィルタ41の外側の凹部42(図2参照)の深さを低減できるので、その凹部42にゴミ等が溜まりにくく、よって、通気フィルタ41の通気性を長く確保することができる。
【0053】
その上、保持部材14にカバー部材43を溶接するので、通気フィルタ41及びOリング39をしっかりと保持することができる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な箇所の説明は省略する。
【0054】
本実施例は、通気構造に特徴があり、その他の構成は前記実施例1とほぼ同様である。
図6に通気構造を拡大して示す様に、本実施例の酸素センサでは、前記実施例と同様に、外筒61の開口部(連通部)63に、金属製の円盤板状の保持部材65が嵌め込まれ、レーザ溶接により接合されている。
【0055】
前記保持部材65は、その軸中心に円柱状の通気孔67が形成されており、この通気孔67の周囲は、保持部材65の上面側(同図の上方)に突出して環状の凸部69を形成している。
また、通気孔67の周囲には、リード線挿通孔71が4箇所(図では2箇所のみを示す)に形成されている。このリード線挿通孔71は、センサ内側の方が径大きなテーパ状になっており、その中に、リード線73が通されたシールリング75が嵌め込まれている。
【0056】
前記保持部材65の上面には、通気孔67の上方の開口端67aを覆うように円形の通気フィルタ77が配置されるとともに、通気孔67の回りには環状溝79が形成され、この環状溝79にOリング81が配置されている。
つまり、通気フィルタ77の外周端は、環状溝79の内周壁に沿って下方に折り曲げられており、この折り曲げられた通気フィルタ77の外周端をOリング81で中心側に押圧することにより、通気フィルタ77を固定している。
【0057】
更に、保持部材65の上面には、金属製の円盤状のカバー部材83が配置され、カバー部材83は、レーザ溶接により保持部材65に接合されている。このカバー部材83の中心には、前記通気孔67の凸部69よりやや径の大きな開口部85が形成され、この開口部85の周囲にはリード線挿通孔87が4箇所に設けられている。
【0058】
本実施例では、前記カバー部材83の開口部85の内周縁にてOリング85を下方に押圧するように構成されており、これにより、Oリング81の脱落、ひいては通気フィルタ77の脱落を防止している。
本実施例においても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、組み立て時には、通気フィルタ77を一旦Oリング81で止めることができるので、組み立て作業が容易であるという利点がある。
【0059】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記実施例では、酸素センサを例に挙げたが、上述した通気構造を用いるものであれば、温度センサ等の各種のセンサに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の酸素センサを破断して示す説明図である。
【図2】 実施例1の酸素センサの通気構造を拡大して示す断面図である。
【図3】 実施例1の酸素センサの通気構造を示す分解斜視図である。
【図4】 実施例1の酸素センサの使用方法を示す説明図である。
【図5】 実施例2の酸素センサの通気構造を拡大して示す断面図である。
【図6】 従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1…酸素センサ
3…固体電解質体
11、61…外筒
11a、63…開口部(連通部)
14、65…保持部材
35、67…通気孔
35a、67a…開口端
39、81…Oリング
41、77…通気フィルタ
43、83…カバー部材

Claims (11)

  1. 検出素子と、
    センサの内部と外部とを連通する連通部に内嵌される保持部材であって、前記検出素子から伸びる複数のリード線の本数に応じて設けられたリード線挿通孔及び通気を確保するための通気孔を形成した保持部材と、
    を備えるとともに、前記通気孔に通気性及び防水性を有するフィルタを配置したセンサにおいて、
    前記通気孔の外側の開口端を覆うように前記フィルタを配置するとともに、前記フィルタの外側に、前記フィルタを介する通気が可能で且つ少なくとも前記保持部材表面の一部を覆うカバー部材を配置し、更に、前記保持部材と前記フィルタとの間、及び/又は、前記フィルタと前記カバー部材との間にて、前記通気孔の開口端の周囲に弾性体を配置したことを特徴とする通気構造を有するセンサ。
  2. 前記弾性体が、Oリングであることを特徴とする前記請求項1に記載の通気構造を有するセンサ。
  3. 前記保持部材が、金属製の部材であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の通気構造を有するセンサ。
  4. 前記カバー部材が、金属製の部材であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の通気構造を有するセンサ。
  5. 前記保持部材及び前記カバー部材が、金属製の部材であり、前記保持部材に前記カバー部材が、溶接により接合されていることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の通気構造を有するセンサ。
  6. 前記保持部材が取り付けられるセンサ本体側の筒状部材が、金属製の部材であることを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載の通気構造を有するセンサ。
  7. 前記保持部材が、カシメ及び/又は溶接により、センサ本体側の筒状部材に取り付けられていることを特徴とする前記請求項1〜6のいずれかに記載の通気構造を有するセンサ。
  8. 前記センサが、ガスセンサであることを特徴とする前記請求項1〜7のいずれかに記載の通気構造を有するセンサ。
  9. 前記センサが、内燃機関の排気を浄化する触媒の下流側に配置される下流センサであることを特徴とする前記請求項8に記載の通気構造を有するセンサ。
  10. 前記センサが、前記検出素子と、前記検出素子を保持する主体金具と、前記検出素子の前記保持部材側である後端側に大気から隔離された基準ガス空間を形成する前記筒状部材と、前記筒状部材とともに前記基準ガス空間を形成する前記保持部材と、を備えたことを特徴とする前記請求項8又は9に記載の通気構造を有するセンサ。
  11. 前記センサの後端側に前記連通部が設けられ、該連通部に内嵌されて取り付けられた前記保持部材の前記リード線挿通孔を介して、前記検出素子から伸びる前記リード線が外部に取り出される構成を備えたことを特徴とする前記請求項10に記載の通気構造を有するセンサ。
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