JP6276662B2 - ガスセンサ - Google Patents

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    • G01N27/4077Means for protecting the electrolyte or the electrodes

Description

本発明は、被検出ガス中に晒され、この中の特定ガス成分を検出する検出素子を備えるガスセンサに関し、特に、検出素子を被水等から保護するプロテクタを備えるガスセンサに関する。
従来、自動車の排気管等に取り付けられて使用され、排気ガス中の特定ガス(例えばNOx(窒素酸化物)や酸素など)の濃度に応じて、大きさの異なる起電力が生じたり、抵抗値が変化したりする検出素子を備えるガスセンサが知られている。このようなガスセンサでは、検出素子が高温になっているときに、この検出素子に排気ガスに含まれる水滴が付着(被水)すると、熱衝撃によってこの検出素子にクラック等の破損が生ずるおそれがある。そこで、ガスセンサに検出素子を覆うプロテクタを装着して、検出素子を被水から保護している(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−112557号公報
特許文献1のガスセンサは、センサー素子(検出素子)と、センサー素子を覆うと共に外側から内側への被測定ガス(被検出ガス)の流れを許容する第1のガス導入孔を有する第1の保護カバー(内側プロテクタ)と、第1の保護カバーを覆うと共に外側から内側への被測定ガスの流れを許容する第2のガス導入孔を有する第2の保護カバー(外側プロテクタ)と、第2のガス導入孔から第1の保護カバーと第2の保護カバーとの間を経て第1のガス導入孔に至り、該第1のガス導入孔から第1の保護カバーの内側に入り、センサー素子の先端に達するガス流路とを備えている。
さらに、特許文献1のガスセンサは、第1の保護カバーと第2の保護カバーとの少なくとも一方が、ガス流路のうち第2のガス導入孔から第1のガス導入孔に至る流路の少なくとも一部の幅を狭めるように配置され、中身の詰まった中実形状又は内部に密閉空間を有する形状の内壁部材を備えている。
また、特許文献1のガスセンサでは、内側プロテクタの先端部の側面に、内側プロテクタの内側から外側へ被検出ガスを排出するための貫通孔(内側ガス排出孔)が形成されている。さらに、内側プロテクタの先端部を包囲する外側プロテクタの先端部の底部に、外側プロテクタの内側から外側へ被検出ガスを排出するための貫通孔(外側ガス排出孔)が形成されている。なお、外側ガス排出孔は、外側プロテクタの中心軸上に形成されている。また、外側プロテクタの先端部は、円筒形状の側壁と、円盤形状の底部とからなる。
上記形態の特許文献1のガスセンサでは、以下のような経路で、内部に取り込んだ被検出ガスを外部に排出する。具体的には、内側プロテクタの内部空間内に導入された被検出ガスは、内部空間から内側ガス排出孔を通じて側方(径方向外側)に排出されて、外側プロテクタの先端部の側壁と内側プロテクタの先端部の側壁との間の空間に進む。その後、被検出ガスは、上記空間内を軸線方向先端側に進んだ後、外側プロテクタの底部と内側プロテクタの底部との間隙内を、中心軸側に進む。その後、外側プロテクタの底部に形成されている外側ガス排出孔を通じて、プロテクタの外部に排出される。
しかしながら、上記のようなガス排出路では、内側プロテクタの内部空間内に被検出ガスを効率よく速やかに導入すること、及び内側プロテクタの内部空間内に導入された被検出ガスを外部に効率よく速やかに排出することが困難であり、その結果、ガスセンサの応答性が低下する虞があった。
特に、近年、内燃機関の排気エミッションに対する規制が強化されてきており、これに伴い、排気ガスの気筒差をモニタ可能なガスセンサが求められている。気筒差をモニタするには、気筒毎にガスセンサを設置すればよいが、コスト増となることから、多気筒エンジンの排気管集合部に単一のガスセンサを設置して、各気筒毎の空燃比をモニタする方法が知られている。このような方法を行う場合、各気筒毎に排出されるガスに対して、ガスセンサが迅速に応答することが求められている。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、ガス導入性や、ガス排出性を向上させることによりガスセンサの応答性を高めると共に、検出素子を被水から適切に保護することができるプロテクタを備えるガスセンサを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、軸線方向に延びる形態をなし、先端側に被検出ガス中の特定ガス成分を検出する検出部を有する検出素子と、自身の先端から上記検出部を突出させた状態で、上記検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、上記ハウジングに固定されると共に、上記検出部の周囲を取り囲むプロテクタと、を備え、上記プロテクタは、自身の内部空間内に上記検出部を収容する内側プロテクタと、上記内側プロテクタを収容する外側プロテクタと、を有するガスセンサにおいて、上記内側プロテクタは、筒状をなし、自身を貫通する第1内孔を有する第1内側壁と、上記第1内側壁よりも軸線方向先端側に位置し、上記第1内側壁よりも小径の筒状をなす第2内側壁であって、自身を貫通する第2内孔を有する第2内側壁と、上記第2内側壁の先端側を閉塞する内底壁と、を備え、上記外側プロテクタは、上記第1内側壁との間に筒状の第1空間を形成しつつ上記第1内側壁の周囲を取り囲む筒状の第1外側壁であって、自身を貫通する第1外孔を、上記第1内孔よりも上記軸線方向先端側に有する第1外側壁と、上記第1外側壁よりも上記軸線方向先端側に位置し、上記第1外側壁よりも小径で且つ上記第1内側壁よりも大径の筒状をなし、上記第2内側壁との間に筒状の第2空間を形成しつつ上記第2内側壁の周囲を取り囲む第2外側壁であって、自身の基端部が上記第1内側壁の先端部と前記径方向に重なりつつ、上記内底壁よりも上記軸線方向先端側にまで延びる第2外側壁と、上記第2外側壁よりも上記軸線方向先端側に位置し、第2外孔を有する外底壁と、を備え、前記第2外孔の総開口面積A、前記第2内孔の総開口面積B、前記第1内孔の総開口面積C、及び、前記第1外孔の総開口面積Dが、A≦B<C<D、かつ(0.6×B)≦Aの関係を満たすガスセンサである。
上述のガスセンサでは、以下のような経路で、被検出ガスがプロテクタ内を流れる。具体的には、外側プロテクタの第1外孔(外側ガス導入孔)を通じて、被検出ガスが、外部から第1空間内(第1外側壁と第1内側壁との間の空間)に導入される。そして、第1空間内を軸線方向基端側に流れ、内側プロテクタの第1内孔(内側ガス導入孔)を通じて、内側プロテクタの内部空間内に導入される。その後、被検出ガスは、内部空間内を軸線方向先端側に流れ、内側プロテクタの第2内孔(内側ガス排出孔)を通じて、内側プロテクタの外部に排出され、第2空間(第2外側壁と第2内側壁との間の空間)内に導入される。その後、外側プロテクタの外底壁と内側プロテクタの内底壁との間の空間に導かれた後、外側プロテクタの第2外孔(外側ガス排出孔)を通じてプロテクタの外部に排出される。
なお、内側プロテクタの第1内孔は、検出素子の検出部よりも軸線方向基端側に位置し、第2内孔は、検出素子の検出部よりも軸線方向先端側に位置している。このため、第1内孔を通じて内部空間内に導入された被検出ガスの一部は、内部空間内を軸線方向先端側に流れて第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出されるまでの間に、検出素子の検出部に導かれることになる。
ところで、外側プロテクタの第2外側壁の基端部が、内側プロテクタの第1内側壁の先端部に対し、径方向に重なっていない場合は、第1外孔を通じて外部から第1空間内に導入された被検出ガスの一部が、第2外側壁と第1内側壁との間を通じて第2空間に流入し、その後、第2内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に流入する(あるいは流入しようとする)。このため、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に導入されたガスが、第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出される流れが妨げられ、その結果、ガス排出性が低下する虞がある。
これに対し、上述のガスセンサでは、外側プロテクタの第2外側壁の基端部(先端部とは反対側の部位)が、内側プロテクタの第1内側壁の先端部と、軸線周りの全周にわたって、径方向に重なっている。
このため、第1外孔を通じて外部から第1空間内に導入された被検出ガスは、第1空間から第2空間に直接流入しにくくなり、第1空間内を軸線方向基端側に流れ、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間(検出素子の検出部を収容する空間)内に導入させることができる。これにより、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に導入されたガスを、スムーズに、第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出することができる。
さらに、上述のガスセンサでは、前述のように、内側プロテクタの第1内孔を通じて、内側プロテクタの内部空間内に導入された被検出ガスは、内部空間内を軸線方向先端側に流れ、内側プロテクタの第2内孔を通じて、内側プロテクタの外部に排出された後、外側プロテクタの第2外孔を通じてプロテクタの外部に排出される。ところで、開口面積が小さい孔ほどガスが通過し難くなる。従って、第2外孔と第2内孔と第1内孔のうち、最も開口面積(総開口面積)が小さい孔によって、プロテクタ外部へのガスの排出量(排出能力)が決まることになる。
これに対し、上述のガスセンサでは、第2外孔の総開口面積A、第2内孔の総開口面積B、第1内孔の総開口面積C、及び、前記第1外孔の総開口面積Dが、A≦B<C<Dの関係を満たしている。このように、第2外孔と第2内孔と第1内孔と第1外孔の総開口面積のうち、第2外孔の総開口面積Aを最も小さく(又は第2内孔の総開口面積Bと同一)している。従って、上述のガスセンサは、第2内孔のガス排出能力、第1外孔のガス排出能力及び第1内孔のガス排出能力の影響を受けることなく、第2外孔によって、プロテクタ外部へのガスの排出量(排出能力)が調整されたガスセンサとなる。
さらに、上述のガスセンサでは、第1外孔、第1内孔、第2内孔、及び第2外孔の総開口面積のうち、第1外孔の総開口面積Dを最も大きくしているので、第1外孔を通じて外部からプロテクタ内にガスが導入されやすくなる。これにより、ガスセンサの応答性を高めることができる。又、第1内孔の総開口面積Cを第1外孔の総開口面積Dの次に大きくすることで、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に排気ガスが導入され易くなる。これによっても、ガスセンサの応答性を高めることができる。
さらに、上述のガスセンサでは、(0.6×B)≦Aの関係を満たしている。このように、第2外孔の総開口面積Aを、第2内孔の総開口面積B×0.6以上とすることで、第2外孔のガス排出能力が高くなり、被検出ガスがプロテクタ内を流れて検出素子に接触するガスの流速も早くなるので、ガスセンサの応答性をより一層高めることができる。
なお、第2外孔の「総開口面積」は、第2外孔が複数形成されている場合、それぞれの第2外孔の開口面積の合計になる。第1外孔、第2内孔及び第1内孔についても同様である。そして、第2外孔の総開口面積、第1内孔の総開口面積、第1外孔の総開口面積、及び第2内孔の総開口面積を上述の関係にするためには、第2外孔、第1内孔、第1外孔及び第2内孔のそれぞれの個数、又は1個の開口面積を適宜設定すればよい。
また、上述のガスセンサでは、第2内側壁の先端側を閉塞する内底壁を有している。すなわち、内側プロテクタの内底壁が、自身を貫通する貫通孔を有することなく形成されている。これにより、外底壁の第2外孔と内側プロテクタの内底壁とが、軸線方向に見たときに重なるように配置される。このため、外底壁の第2外孔を通じて、外部から水がプロテクタ内部に進入した場合でも、内側プロテクタの内底壁によって、内側プロテクタ内に直接水が進入するのを防止することができる。これにより、内側プロテクタ内に収容されている検出素子を、被水から適切に保護することができる。
さらに、上述のガスセンサでは、第1外孔を、第1外側壁の先端部に配置し、第1内孔を、第1内側壁の基端部に配置している。つまり第1外孔と第1内孔とを軸線方向に重ならないようにずらして配置している。これにより、第1内孔を、第1外孔から軸線方向基端側に大きく離間させることができる。これにより、第1外孔から水が進入した場合でも、その水が、第1内孔に到達し難くなり、第1内孔を通じて内側プロテクタ内に進入し難くなる。このため、より一層、検出素子が被水し難くなる。
又、本発明の第2の態様は、軸線方向に延びる形態をなし、先端側に被検出ガス中の特定ガス成分を検出する検出部を有する検出素子と、自身の先端から上記検出部を突出させた状態で、上記検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、上記ハウジングに固定されると共に、上記検出部の周囲を取り囲むプロテクタと、を備え、上記プロテクタは、自身の内部空間内に上記検出部を収容する内側プロテクタと、上記内側プロテクタを収容する外側プロテクタと、を有するガスセンサにおいて、上記内側プロテクタは、筒状をなし、自身を貫通する第1内孔を有する第1内側壁と、上記第1内側壁よりも軸線方向先端側に位置し、上記第1内側壁よりも小径の筒状をなす第2内側壁であって、自身を貫通する第2内孔を有する第2内側壁と、上記第2内側壁の先端側を閉塞する内底壁と、を備え、上記外側プロテクタは、上記第1内側壁との間に筒状の第1空間を形成しつつ上記第1内側壁の周囲を取り囲む筒状の第1外側壁であって、自身を貫通する第1外孔を、上記第1内孔よりも上記軸線方向先端側に有する第1外側壁と、上記第1外側壁よりも上記軸線方向先端側に位置し、上記第1外側壁よりも小径で且つ上記第1内側壁よりも大径の筒状をなし、上記第2内側壁との間に筒状の第2空間を形成しつつ上記第2内側壁の周囲を取り囲む第2外側壁であって、自身の基端部が上記第1内側壁の先端部と前記径方向に重なりつつ、上記内底壁よりも上記軸線方向先端側にまで延びる第2外側壁と、上記第2外側壁よりも上記軸線方向先端側に位置し、第2外孔を有する外底壁と、を備え、前記第2外孔の総開口面積A、前記第2内孔の総開口面積B、前記第1内孔の総開口面積C、及び、前記第1外孔の総開口面積Dが、A≦B<C<Dの関係を満たし、前記第2外孔と前記第2内孔との軸線方向における最短距離D1、前記第2内孔と前記第1内孔との軸線方向における最短距離D2、前記第1内孔と前記第1外孔との軸線方向における最短距離D3としたとき、D3がD1、D2よりも短いガスセンサである。
上述のガスセンサでは、第1の態様と同様な経路で、被検出ガスがプロテクタ内を流れる。このとき、内側プロテクタの第1内孔は、検出素子の検出部よりも軸線方向基端側に位置し、第2内孔は、検出素子の検出部よりも軸線方向先端側に位置している。このため、第1内孔を通じて内部空間内に導入された被検出ガスの一部は、内部空間内を軸線方向先端側に流れて第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出されるまでの間に、検出素子の検出部に導かれることになる。
又、上述のガスセンサでは、外側プロテクタの第2外側壁の基端部(先端部とは反対側の部位)が、内側プロテクタの第1内側壁の先端部と、軸線周りの全周にわたって、径方向に重なっている。このため、第1外孔を通じて外部から第1空間内に導入された被検出ガスは、第1空間から第2空間に直接流入しにくくなり、第1空間内を軸線方向基端側に流れ、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間(検出素子の検出部を収容する空間)内に導入させることができる。これにより、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に導入されたガスを、スムーズに、第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出することができる。
又、上述のガスセンサでは、第2外孔の総開口面積A、第2内孔の総開口面積B、第1内孔の総開口面積C、及び、第1外孔の総開口面積Dが、A≦B<C<Dの関係を満たしている。このように、第2外孔と第2内孔と第1内孔と第1外孔の総開口面積のうち、第2外孔の総開口面積Aを最も小さく(又は第2内孔の総開口面積Bと同一)している。従って、上述のガスセンサは、第2内孔のガス排出能力、第1外孔のガス排出能力及び第1内孔のガス排出能力の影響を受けることなく、第2外孔によって、プロテクタ外部へのガスの排出量(排出能力)が調整されたガスセンサとなる。
又、上述のガスセンサでは、第1外孔、第1内孔、第2内孔、及び第2外孔の総開口面積のうち、第1外孔の総開口面積Dを最も大きくしているので、第1外孔を通じて外部からプロテクタ内にガスが導入されやすくなる。これにより、ガスセンサの応答性を高めることができる。又、第1内孔の総開口面積Cを第1外孔の総開口面積Dの次に大きくすることで、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に排気ガスが導入され易くなる。これによっても、ガスセンサの応答性を高めることができる。
さらに、上述のガスセンサでは、第1内孔と第1外孔との軸線方向における最短距離D3を、D1及びD2に比べて短くしている。プロテクタ内に導入されるガスは、最初に第1外孔と第1内孔との間を通過するから、上記距離D3を最も短くすることにより、外部からプロテクタ内にガスが導入されやすくなる。これにより、ガスセンサの応答性を高めることができる。
なお、「軸線方向における最短距離」とは、各孔同士の軸線方向の最短の直線距離であり、例えば最短距離D3は、第1外孔と第1内孔とを軸線方向に垂直な径方向に沿って見たときに、第1外孔の基端側の周縁と、第1内孔の先端側の周縁とを結ぶ軸線方向の最短の直線距離である。又、以下のように第1外孔が軸線方向に複数個並ぶ場合、最短距離D3は、複数の第1外孔のうち、最も基端側の第1外孔における基端側の周縁と、第1内孔の先端側の周縁との軸線方向の最短距離である。
また、上述のガスセンサでは、第2内側壁の先端側を閉塞する内底壁を有している。すなわち、内側プロテクタの内底壁が、自身を貫通する貫通孔を有することなく形成されている。これにより、外底壁の第2外孔と内側プロテクタの内底壁とが、軸線方向に見たときに重なるように配置される。このため、外底壁の第2外孔を通じて、外部から水がプロテクタ内部に進入した場合でも、内側プロテクタの内底壁によって、内側プロテクタ内に直接水が進入するのを防止することができる。これにより、内側プロテクタ内に収容されている検出素子を、被水から適切に保護することができる。
さらに、上述のガスセンサでは、第1外孔を、第1外側壁の先端部に配置し、第1内孔を、第1内側壁の基端部に配置している。つまり第1外孔と第1内孔とを軸線方向に重ならないようにずらして配置している。これにより、第1内孔を、第1外孔から軸線方向基端側に大きく離間させることができる。これにより、第1外孔から水が進入した場合でも、その水が、第1内孔に到達し難くなり、第1内孔を通じて内側プロテクタ内に進入し難くなる。このため、より一層、検出素子が被水し難くなる。
さらに、上記いずれかのガスセンサであって、前記第2外側壁の基端部と、前記第1内側壁の先端部とは、気密に結合してなると良い。
外側プロテクタの第2外側壁の基端部が、内側プロテクタの第1内側壁の先端部に対し、気密に(ガス流通不能に)結合していない場合は、第1外孔を通じて外部から第1空間内に導入された被検出ガスの一部が、第2外側壁と第1内側壁との間を通じて第2空間に流入し、その後、第2内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に流入する(あるいは流入しようとする)ことを、ほぼ完全に防ぐことが難しい。このため、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に導入されたガスが、第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出される流れが妨げられ、その結果、ガス排出性が低下する場合がある。
これに対し、上述のガスセンサでは、外側プロテクタの第2外側壁の基端部が、内側プロテクタの第1内側壁の先端部と、軸線周りの全周にわたって、気密に(ガス流通不能に)結合している。
このため、第1外孔を通じて外部から第1空間内に導入された被検出ガスは、第1空間から第2空間に直接流入することがなく、確実に、第1空間内を軸線方向基端側に流れ、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間(検出素子の検出部を収容する空間)内に導入される。これにより、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に導入されたガスを、スムーズに、第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出することができる。
なお、第2外側壁の基端部と第1内側壁の先端部との結合態様としては、例えば、加締めによる結合、嵌合による結合、溶接による結合などが挙げられる。
さらに、上記いずれかのガスセンサであって、前記第1外孔が前記軸線方向に複数個並ぶと良い。
上述のように、最短距離D3を最も短くする、つまり軸線方向に第1外孔を第1内孔に近付けるほど、ガスセンサの応答性を高めることができる。しかしながら、第1外孔が第1内孔に近付くと、第1外孔と第1内孔とが軸線方向に重なり、外部から水が第1外孔に進入すると、第1内孔(内側プロテクタ内)に直接水が進入し易くなる。そこで、第1外孔を軸線方向に複数個並べて設けることにより、第1外孔から内部に進入した水が外部に抜けやすくなって内側プロテクタ内への進入が抑制され、内側プロテクタ内に収容されている検出素子を、被水から適切に保護することができる。
さらに、上記いずれかのガスセンサであって、前記外底壁は、前記軸線方向の先端側に向かって狭まるテーパ状になっていると良い。
図4に示すように、排気ガスGは、外底壁に沿って排気管の上流側(左側)から下流側(右側)へ流れるが、このときに外底壁をテーパ状にすると、ベンチュリ効果によって外底壁の先端側の第2外孔近傍に負圧が生じ、プロテクタ内の被検出ガスが第2外孔から排出され易くなる。従って、上述のガスセンサでは、ガス排出性がより一層良好となる。
さらに、上記いずれかのガスセンサであって、前記検出素子には、前記検出部に前記被検出ガスを導入するためのガス導入部が設けられており、前記第1内孔は、前記ガス導入部よりも前記軸線方向の基端側に配置されていると良い。
上述のガスセンサでは、第1内孔を通じて内部空間内に導入された被検出ガスの一部は、内部空間内を軸線方向先端側に流れて第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出される。この間に検出素子のガス導入部が設けられているので、確実に被検出ガスを検出部に導入することができる。
本発明の第1の態様の実施形態にかかるガスセンサの半断面図である。 同ガスセンサの内側プロテクタの断面図である。 同ガスセンサの外側プロテクタの断面図である。 同ガスセンサにおける被検出ガスの流れを説明する図である。 本発明の第2の態様の実施形態にかかるガスセンサのプロテクタ近傍の半断面図である。 第2外孔の外径と、ガスセンサの応答性(センサ信号の振幅)との関係を示す図である。 最短距離D3と、ガスセンサの応答性(センサ信号の振幅)との関係を示す図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の態様に係る実施形態のガスセンサ100の半断面図である。図2は、ガスセンサ100の内側プロテクタ161の断面図である。図3は、ガスセンサ100の外側プロテクタ171の断面図である。図4は、ガスセンサ100を図示しない自動車の排気管に取り付けた状態において、排気管内のガスセンサ100の先端部を拡大した図であり、排気ガス(被検出ガス)Gの流れを説明する図である。
なお、図1〜図4において、下側が軸線方向先端側(以下、単に先端側ともいう)であり、上側が軸線方向基端側(以下、単に基端側ともいう)である。また、図4において、左側が、排気ガスGが流れる排気管の上流側(エンジン側)であり、右側が下流側である。
ガスセンサ100は、図示しない自動車の排気管に取り付けられ、内部に保持する検出素子120の検出部121が排気管内を流通する排気ガス(被検出ガス)中に晒されて、その排気ガス中の酸素(特定ガス成分)の濃度から排気ガスの空燃比を検出する、いわゆる全領域空燃比センサである。
このガスセンサ100は、図1に示すように、軸線方向(軸線AXに沿う方向、図1において上下方向)に延びる筒状の主体金具(ハウジング)110、この主体金具110の内側に保持された板状の検出素子120、主体金具110の基端側に固設された外筒151、主体金具110の先端側に固設され、内側プロテクタ161と外側プロテクタ171とからなる二重構造のプロテクタ160等から構成されている。
このうち、検出素子120は、軸線方向に延びる板状(短冊状)をなし、自身の先端部が、排気ガス中の酸素ガス成分を検出する検出部121とされている。この検出素子120は、公知の構造を有し、酸素濃度の検出を行う板状のガス検出体と、このガス検出体を早期活性化させるために加熱を行う板状のヒータ体とを、互いに貼り合わせて一体化したものである。このうち、ガス検出体は、ジルコニアを主体とする固体電解質体と、白金を主体とする一対の電極(検出電極、基準電極)等とから構成され、その一対の電極は、検出部121に配置されている。
更に、この検出部121には、排気ガスを素子内部に導入するガス導入部123が設けられている。このガス導入部123は、多孔質体からなり、平面視矩形状をなしている。また、検出部121には、検出電極を排気ガスによる被毒から保護するため、その外表面を覆うようにして保護層125が設けられている。また、この検出素子120の基端部129には、ガス検出体やヒータ体から電極を取り出すための5個の電極パッド128,128,…(図1ではそのうちの1つを図示している。)が形成されている。
この検出素子120の胴部127の中央よりやや先端側には、有底筒状をなす金属製の金属カップ131が、自身の内側に検出素子120を挿通し、その検出部121を筒底の開口131cから突出させた状態で配置されている。この金属カップ131は、主体金具110内に検出素子120を保持するための部材であり、その先端周縁部132は、先端側に向かうにしたがって径が小さくなるテーパ状に形成されている。
この金属カップ131内には、アルミナ製のセラミックリング133と、滑石粉末を圧縮した第1滑石リング135とが、検出素子120を挿通した状態で収容されている。第1滑石リング135は、金属カップ131内で押し潰されて細部にまで充填されており、これにより、検出素子120が、金属カップ131内で位置決めされて保持されている。
金属カップ131と一体となった検出素子120は、その径方向周囲を筒状の主体金具110に取り囲まれて保持されている。この主体金具110は、ガスセンサ100を自動車の排気管に取り付け固定するためのものであり、SUS430の低炭素鋼からなる。この主体金具110の外周先端側には、排気管への取り付け用の雄ねじ部111が形成されている。また、この雄ねじ部111よりも先端側には、後述するプロテクタ160が固定される円環状の先端固定部113が突出形成されている。
また、主体金具110の外周中央には、取り付け用の工具が係合する工具係合部117が形成されている。また、主体金具110には、この工具係合部117と雄ねじ部111との間に、排気管に取り付けた際のガス抜けを防止するためのガスケット119が嵌挿されている。更に、工具係合部117の基端側には、後述する外筒151が固定される基端固定部116が形成されている。また、更にその基端側には、主体金具110内に検出素子120を加締め保持するための加締め部118が形成されている。
また、主体金具110の内周先端側には、先端側ほど小径となるテーパ状をなす段部115が形成されている。この段部115には、検出素子120を保持する金属カップ131のテーパ状をなす先端周縁部132が係止されている。
更に、主体金具110の内側のうち、金属カップ131の基端側には、第2滑石リング137が、検出素子120を挿通した状態で配置されている。そして、この第2滑石リング137を基端側から押さえるようにして、筒状のスリーブ141が主体金具110内に嵌め込まれている。このスリーブ141には、段状をなす肩部142が形成されている。この肩部142には、円環状の加締めパッキン143が配置されている。そして、主体金具110の加締め部118が、この加締めパッキン143を介してスリーブ141の肩部142を先端側に押圧するようにして、加締められている。
スリーブ141に押圧された第2滑石リング137は、主体金具110内で押し潰されて細部にわたって充填され、この第2滑石リング137と、金属カップ131内に予め装填された第1滑石リング135とによって、金属カップ131及び検出素子120が、主体金具110内で位置決めされて保持されている。主体金具110内の気密は、加締め部118とスリーブ141の肩部142との間に介在される加締めパッキン143によって維持され、燃焼ガスの流出が防止される。
検出素子120は、その基端部129が、主体金具110の基端部である加締め部118よりも基端側に突出しており、その基端部129には、絶縁性セラミックスからなる筒状のセパレータ145が被せられている。セパレータ145は、検出素子120の基端部129に形成された5個の電極パッド128,128,…とそれぞれ電気的に接続する5個の接続端子147,147,…(図1ではそのうちの1つを図示している。)を内部に保持している。また、セパレータ145は、これらの接続端子147,147,…と、ガスセンサ100の外部に引き出される5本のリード線149,149,…(図1ではそのうちの3本を図示している。)との各接続部分を互いに絶縁しつつ収容している。
そして、セパレータ145の周囲を囲うようにして、筒状の外筒151が配設されている。この外筒151は、ステンレス(本実施形態ではSUS304)製であり、その先端開口部152が、主体金具110の基端固定部116の径方向外側に配置されている。この先端開口部152は、外側から加締められ、更に外周を一周してレーザ溶接が施されて、基端固定部116に接合されている。
また、外筒151とセパレータ145との間隙には、金属製で筒状をなす保持金具153が配設されている。この保持金具153は、自身の基端を内側に折り曲げて構成した支持部154を有し、自身の内部に挿通されるセパレータ145の基端側外周に鍔状に設けられた鍔部146をこの支持部154に係止させて、セパレータ145を支持している。この状態で、保持金具153が配置された部分の外筒151が外側から加締められ、セパレータ145を支持した保持金具153が外筒151に固定されている。
また、外筒151の基端側開口には、フッ素系ゴム製のグロメット155が嵌合されている。このグロメット155は、5つの挿通孔156,156,…(図1ではそのうちの1つを図示している。)を有し、各挿通孔156,156,…に、セパレータ145から延出した5本のリード線149,149,…が気密に挿通されている。この状態でグロメット155は、セパレータ145を先端側に押圧しつつ、外筒151の外側から加締められて、外筒151に固定されている。
主体金具110に保持された検出素子120は、その検出部121が、主体金具110の先端部である先端固定部113よりも先端側に突出している。そして、この先端固定部113には、検出素子110の検出部121を、排気ガス中のデポジット(燃料灰分やオイル成分など被毒性の付着物質)による汚損や被水などによる折損等から保護するためのプロテクタ160が嵌められ、レーザ溶接によって固定されている。このプロテクタ160は、有底筒状の内側プロテクタ161と、この内側プロテクタ161を収容する外側プロテクタ171とを有する(図1〜図4参照)。
内側プロテクタ161は、図4に示すように、自身の内部空間S3内に検出素子120の検出部121を配置した状態で、主体金具110に固定されている。この内側プロテクタ161は、図1、図2、及び図4に示すように、基端部163と、これよりも軸線方向先端側(図1、図2、図4において下側)に位置する第1内側壁164と、第1内側壁164よりも軸線方向先端側に位置する第2内側壁165と、第2内側壁165の先端側を閉塞する円盤状の内底壁162とを有している。
第1内側壁164は、円筒状をなし、自身を貫通する第1内孔167を有している。なお、本実施形態では、周方向に等間隔で、同一形状(同一寸法)の8個の第1内孔167が形成されている。8個の第1内孔167は、いずれも、検出素子120の検出部121よりも軸線方向基端側(図1及び図4において上側)に位置している。
第2内側壁165は、第1内側壁164よりも小径の円筒状をなし、自身を貫通する第2内孔166を有している。なお、本実施形態では、周方向に等間隔で、4個の第2内孔166が形成されている。4個の第2内孔166は、いずれも、検出素子120の検出部121よりも軸線方向先端側(図1及び図4において下側)に位置している。
なお、第1内側壁164及び第2内側壁165は、これらの内径が主体金具110の先端固定部113の外径よりも小さく形成されているが、基端部163は、先端固定部113の外側に位置するように拡径されている。
外側プロテクタ171は、自身の内部に内側プロテクタ161を収容した状態で、主体金具110に固定されている。この外側プロテクタ171は、第1外側壁174と、第1外側壁174よりも軸線方向先端側に位置する第2外側壁175と、第2外側壁175よりも軸線方向先端側に位置するテーパ壁172(特許請求の範囲における「外底壁」に相当)とを有している(図1、図3、及び図4参照)。
第1外側壁174は、円筒状をなし、内側プロテクタ161の第1内側壁164との間に筒状の第1空間S1を形成しつつ、第1内側壁164の周囲を取り囲んでいる。さらに、第1外側壁174は、自身を貫通する第1外孔177を、内側プロテクタ161の第1内孔167よりも軸線方向先端側に有している(図1及び図4参照)。なお、本実施形態では、周方向に等間隔で、同一形状(同一寸法)の8個の第1外孔177が形成されている。8個の第1外孔177は、いずれも、内側プロテクタ161の第1内孔167よりも軸線方向先端側に位置している。
第2外側壁175は、円筒状をなし、その内径は、第1外側壁174の内径よりも小径で且つ第1内側壁164の外径よりも大径である。さらに、第2外側壁175は、第2内側壁165との間に筒状の第2空間S2を形成しつつ、第2内側壁165の周囲を取り囲んでいる。この第2外側壁175は、内側プロテクタ161の内底壁162よりも軸線方向先端側にまで延びている。
特に、本実施形態では、第2外側壁175は、その基端部175bで、第1内側壁164の先端部164cと気密に(ガス流通不能に)結合している。詳細には、第1内側壁164の先端部164cが、第2外側壁175の基端部175b内に圧入された形態で、第2外側壁175の基端部175bと第1内側壁164の先端部164cとが、軸線AX周りの全周にわたって、気密に結合(嵌合)している。
テーパ壁172は、軸線方向先端側ほど小径となるテーパ筒状(円錐台筒状)をなしている。このテーパ壁172は、外側プロテクタ171の先端開口である第2外孔176を有している。特に、本実施形態では、テーパ壁172の全体を、内側プロテクタ161の内底壁162よりも軸線方向先端側に配置している。
この外側プロテクタ171は、第1外側壁174の基端部174bが、内側プロテクタ161の基端部163の外側に配置されている。そして、外側プロテクタ171の基端部174bを内側プロテクタ161の基端部163と共に、主体金具110の先端固定部113に固定(溶接)するように、レーザ溶接が、外側プロテクタ171の基端部174bの外周を一周して行われている。
本実施形態のガスセンサ100では、以下のような経路で、排気管内の排気ガス(被検出ガス)Gが、プロテクタ160(内側プロテクタ161及び外側プロテクタ171)の内部を流れる。
具体的には、図4に示すように、ガスセンサ100に向かって排気管内を上流側(図4において左側)から流れてきた排気ガスGは、外側プロテクタ171の第1外孔177(外側ガス導入孔)を通じて、プロテクタ160内の第1空間S1(第1外側壁174と第1内側壁164との間の空間)に導入される。
そして、第1空間S1内を軸線方向基端側(図4において上側)に流れ、内側プロテクタ161の第1内孔167(内側ガス導入孔)を通じて、内側プロテクタ161の内部空間S3内に導入される。その後、排気ガスGは、内部空間S3内を軸線方向先端側(図4において下側)に流れ、内側プロテクタ161の第2内孔166(内側ガス排出孔)を通じて、内側プロテクタ161の外部に排出され、第2空間S2(第2外側壁175と第2内側壁165との間の空間)内に導入される。その後、外側プロテクタ171のテーパ壁172によって囲まれたテーパ内空間S4に導かれた後、外側プロテクタ171の第2外孔176(外側ガス排出孔)を通じてプロテクタ160の外部に排出される。
なお、内側プロテクタ161の第1内孔167は、検出素子120の検出部121よりも軸線方向基端側に位置し、第2内孔166は、検出部121よりも軸線方向先端側に位置している。このため、第1内孔167を通じて内部空間S3内に導入された排気ガスGの一部は、内部空間S3内を軸線方向先端側に流れて第2内孔166を通じて内側プロテクタ161の外部に排出されるまでの間に、検出部121のガス導入部123に導かれることになる。
ところで、外側プロテクタの第2外側壁の基端部が、内側プロテクタの第1内側壁の先端部に対し、気密に(ガス流通不能に)結合していない場合は、第1外孔を通じて外部から第1空間内に導入された被検出ガスの一部が、第2外側壁と第1内側壁との間を通じて第2空間に流入し、その後、第2内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に流入する(あるいは流入しようとする)。このため、第1内孔を通じて内側プロテクタの内部空間内に導入されたガスが、第2内孔を通じて内側プロテクタの外部に排出される流れが妨げられ、その結果、ガス排出性が低下する虞がある。
これに対し、本実施形態のガスセンサ100では、外側プロテクタ171の第2外側壁175の基端部175bが、内側プロテクタ161の第1内側壁164の先端部164cと、軸線周りの全周にわたって、径方向に重なる、更には気密に(ガス流通不能に)結合(嵌合)している。
このため、第1外孔177を通じて外部から第1空間S1内に導入された排気ガスGは、第1空間S1から第2空間S2に直接流入することがなく、確実に、第1空間S1内を軸線方向基端側に流れ、第1内孔167を通じて内側プロテクタ161の内部空間S3(検出素子120の検出部120を収容する空間)内に導入される(図4参照)。これにより、第1内孔167を通じて内側プロテクタ161の内部空間S3内に導入された排気ガスGを、スムーズに、第2内孔166を通じて内側プロテクタ161の外部に排出することができる。
さらに、本実施形態のガスセンサ100では、外側プロテクタ171の第1外孔177を通じて外部から外側プロテクタ171内に導入された排気ガスGは、内側プロテクタ161の第1内孔167を通過して内部空間S3内に流れた後、内部空間S3内を軸線方向先端側(図4において下方)に流れ、内側プロテクタ161の第2内孔166を通じて、内側プロテクタ161の外部に排出され、さらに、外側プロテクタ171の第2外孔176を通じてプロテクタ160の外部に排出される。
ところで、開口面積が小さい孔ほど排気ガスGは通過し難くなる。従って、第2外孔176と第2内孔166と第1内孔167のうち、最も開口面積(総開口面積)が小さい孔によって、プロテクタ160の外部への排気ガスGの排出量(排出能力)が決まることになる。
これに対し、実施形態のガスセンサ100では、第2外孔176の総開口面積A、第2内孔166の総開口面積B、第1内孔167の総開口面積C、及び、第1外孔177の総開口面積Dは、A≦B<C<Dの関係を満たしている。すなわち、第2外孔176と第2内孔166と第1内孔167と第1外孔177の総開口面積のうち、第2外孔176の総開口面積Aを最も小さくしている。従って、実施形態のガスセンサ100は、第2内孔166のガス排出能力、第1外孔177のガス排出能力及び第1内孔167のガス排出能力の影響を受けることなく、第2外孔176によって、プロテクタ160の外部へのガスの排出量(排出能力)が調整されたガスセンサとなる。
しかも、第1外孔177、第1内孔167、第2内孔166、及び第2外孔176の総開口面積のうち、第1外孔177の総開口面積Dを最も大きくすることで、第1外孔177を通じて外部からプロテクタ160内に排気ガスGが導入されやすくなる。これにより、ガスセンサの応答性を高めることができる。又、第1内孔167の総開口面積Cを第1外孔177の総開口面積Dの次に大きくすることで、第1内孔167を通じて内側プロテクタ161の内部空間S3内に排気ガスGが導入され易くなる。これによっても、ガスセンサの応答性を高めることができる。
なお、本実施形態では、第2内孔166は、複数個(4個)形成されている。従って、第2内孔166の「総開口面積」は、それぞれの第2内孔166の開口面積の合計になる。又、第1内孔167は、複数個(8個)形成されている。従って、第1内孔167の「総開口面積」は、それぞれの第2内孔166の開口面積の合計になる。又、第1外孔177は、複数個(8個)形成されている。従って、第1外孔177の「総開口面積」は、それぞれの第1外孔177の開口面積の合計になる。
さらに、本実施形態のガスセンサ100では、(0.6×B)≦Aの関係を満たしている。このように、第2外孔の総開口面積Aを、第2内孔の総開口面積B×0.6以上とすることで、後述するように、第2外孔のガス排出能力が高くなり、被検出ガスがプロテクタ内を流れて検出素子に接触するガスの流速も早くなるので、ガスセンサの応答性をより一層高めることができる。
なお、本実施形態では、主体金具110の先端固定部113が、特許請求の範囲に記載の「ハウジングの先端部」に相当する。
また、実施形態のガスセンサ100では、内側プロテクタ161の先端(第2内側壁175の先端)が、内底壁162によって閉塞されている。すなわち、内側プロテクタ161の内底壁162が、自身を貫通する貫通孔を有することなく形成されている。これにより、テーパ壁172の第2外孔176と内側プロテクタ161の内底壁162とが、軸線方向に見たときに重なるように配置される。このため、テーパ壁172の第2外孔176を通じて、外部から水がプロテクタ160内部に進入した場合でも、内側プロテクタ161の内底壁162によって、内側プロテクタ161内に直接水が進入するのを防止することができる。これにより、内側プロテクタ161内に収容されている検出素子120を、被水から適切に保護することができる。
さらに、実施形態のガスセンサ100では、第1外孔177を、第1外側壁174の先端部に配置し、第1内孔167を、第1内側壁164の基端部に配置している。これにより、第1内孔167を、第1外孔177から軸線方向基端側に大きく離間させることができる。これにより、第1外孔177から水が進入した場合でも、その水が、第1内孔167に到達し難くなり、第1内孔167を通じて内側プロテクタ161内に進入し難くなる。このため、より一層、検出素子120が被水し難くなる。
次に、図5を参照し、本発明の第2の態様に係る実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2の態様に係る実施形態のガスセンサ200のプロテクタ近傍の半断面図である。なお、ガスセンサ200は、プロテクタ260(特に外側プロテクタ271)が異なること以外はガスセンサ100と構成が同一であるので、プロテクタ260以外の説明は省略すると共に、プロテクタ260についても同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
外側プロテクタ271は、第1の態様と同様に、自身の内部に内側プロテクタ161を収容した状態で、主体金具110に固定されている。この外側プロテクタ271は、第1外側壁274と、第1外側壁274よりも軸線方向先端側に位置する第2外側壁275と、第2外側壁275よりも軸線方向先端側に位置するテーパ壁272(特許請求の範囲における「外底壁」に相当)とを有している(図5参照)。
第1外側壁274は、円筒状をなし、内側プロテクタ161の第1内側壁164との間に筒状の第1空間S1を形成しつつ、第1内側壁164の周囲を取り囲んでいる。さらに、第1外側壁274は、自身を貫通する第1外孔277を、内側プロテクタ161の第1内孔167よりも軸線方向先端側に有している(図5参照)。なお、本実施形態では、図5に示すように、第1外側壁274の先端側に、周方向に等間隔で、同一形状(同一寸法)の8個の第1外孔2771が形成されている。さらに、第1外孔2771より後端側にも周方向に等間隔で、同一形状(同一寸法)の8個の第1外孔2772が形成されている。従って、第1外孔2771、2772(これらをまとめて符号277で表記)は、軸線AX方向にも2個(2段)並んでいることになる。なお、各第1外孔2771、2772の形状及び寸法は、第1外孔177と同一であり、第1外孔277全体の個数が16個であるから、第1外孔277の総開口面積Dは、ガスセンサ100における第1外孔177の総開口面積Dの2倍となっている。
第2外側壁275は、円筒状をなし、その内径は、第1外側壁274の内径よりも小径で且つ第1内側壁164の外径よりも大径である。さらに、第2外側壁275は、第2内側壁165との間に筒状の第2空間S2を形成しつつ、第2内側壁165の周囲を取り囲んでいる。この第2外側壁275は、内側プロテクタ161の内底壁162よりも軸線方向先端側にまで延びている。
特に、本実施形態では、第2外側壁275は、その基端部275bで、第1内側壁164の先端部164cと気密に(ガス流通不能に)結合している。詳細には、第1内側壁164の先端部164cが、第2外側壁275の基端部275b内に圧入された形態で、第2外側壁275の基端部175bと第1内側壁164の先端部164cとが、軸線AX周りの全周にわたって、気密に結合(嵌合)している。
テーパ壁272は、軸線方向先端側ほど小径となるテーパ筒状(円錐台筒状)をなしている。このテーパ壁272は、外側プロテクタ271の先端開口である第2外孔276を有している。特に、本実施形態では、テーパ壁272の全体を、内側プロテクタ161の内底壁162よりも軸線方向先端側に配置している。
この外側プロテクタ271は、第1外側壁274の基端部274bが、内側プロテクタ161の基端部163の外側に配置されている。そして、外側プロテクタ271の基端部274bを内側プロテクタ161の基端部163と共に、主体金具110の先端固定部113に固定(溶接)するように、レーザ溶接が、外側プロテクタ271の基端部274bの外周を一周して行われている。
本実施形態のガスセンサ200では、以下のような経路で、排気管内の排気ガス(被検出ガス)Gが、プロテクタ260(内側プロテクタ161及び外側プロテクタ271)の内部を流れる。
具体的には、図5に示すように、ガスセンサ200に向かって排気管内を上流側(図5において左側)から流れてきた排気ガスGは、外側プロテクタ271の第1外孔2771、2772を通じて、プロテクタ160内の第1空間S1(第1外側壁274と第1内側壁164との間の空間)に導入される。
そして、第1空間S1内を軸線方向基端側(図5において上側)に流れ、内側プロテクタ161の第1内孔167(内側ガス導入孔)を通じて、内側プロテクタ161の内部空間S3内に導入される。その後、排気ガスGは、内部空間S3内を軸線方向先端側(図5において下側)に流れ、内側プロテクタ161の第2内孔166(内側ガス排出孔)を通じて、内側プロテクタ161の外部に排出され、第2空間S2(第2外側壁275と第2内側壁165との間の空間)内に導入される。その後、外側プロテクタ271のテーパ壁272によって囲まれたテーパ内空間S4に導かれた後、外側プロテクタ271の第2外孔276(外側ガス排出孔)を通じてプロテクタ260の外部に排出される。
又、本実施形態のガスセンサ200では、外側プロテクタ271の第2外側壁275の基端部275bが、内側プロテクタ161の第1内側壁164の先端部164cと、軸線周りの全周にわたって、気密に(ガス流通不能に)結合(嵌合)している。
このため、第1外孔2771、2772を通じて外部から第1空間S1内に導入された排気ガスGは、第1空間S1から第2空間S2に直接流入することがなく、確実に、第1空間S1内を軸線方向基端側に流れ、第1内孔167を通じて内側プロテクタ161の内部空間S3(検出素子120の検出部120を収容する空間)内に導入される(図5参照)。これにより、第1内孔167を通じて内側プロテクタ161の内部空間S3内に導入された排気ガスGを、スムーズに、第2内孔166を通じて内側プロテクタ161の外部に排出することができる。
又、実施形態のガスセンサ200では、第2外孔276の総開口面積A、第2内孔166の総開口面積B、第1内孔167の総開口面積C、及び、第1外孔2771、2772の総開口面積Dは、A≦B<C<Dの関係を満たしている。すなわち、第2外孔276と第2内孔166と第1内孔167と第1外孔2771、2772の総開口面積のうち、第2外孔276の総開口面積Aを最も小さくしている。従って、実施形態のガスセンサ200は、第2内孔166のガス排出能力、第1外孔2771、2772のガス排出能力及び第1内孔167のガス排出能力の影響を受けることなく、第2外孔276によって、プロテクタ260の外部へのガスの排出量(排出能力)が調整されたガスセンサとなる。
しかも、第1外孔2771、2772、第1内孔167、第2内孔166、及び第2外孔276の総開口面積のうち、第1外孔2771、2772の総開口面積Dを最も大きくすることで、第1外孔2771、2772を通じて外部からプロテクタ260内に排気ガスGが導入されやすくなる。これにより、ガスセンサの応答性を高めることができる。又、第1内孔167の総開口面積Cを第1外孔2771、2772の総開口面積Dの次に大きくすることで、第1内孔167を通じて内側プロテクタ161の内部空間S3内に排気ガスGが導入され易くなる。これによっても、ガスセンサの応答性を高めることができる。
そして、第2外孔276と第2内孔166との軸線AX方向における最短距離D1、第2内孔166と第1内孔167との軸線AX方向における最短距離D2、第1内孔167と第1外孔2772との軸線AX方向における最短距離D3としたとき、D3がD1、D2よりも短くなっている。
このように、最短距離D3を、D1及びD2に比べて短くしている。プロテクタ160内に導入されるガスは、最初に第1外孔2771、2772と第1内孔167との間を通過するから、上記距離D3を短くすることにより、外部からプロテクタ160内にガスが導入されやすくなる。これにより、ガスセンサ200の応答性を高めることができる。
なお、「軸線方向における最短距離」とは、各孔同士の軸線AX方向の最短の直線距離であり、例えば最短距離D3は、第1外孔2771、2772と第1内孔167とを軸線方向に垂直な径方向に沿って見たときに、2段の第1外孔2771、2772のうち、より第1内孔167に近い第1外孔2772の基端側の周縁と、第1内孔167の先端側の周縁とを結ぶ軸線方AX向の最短の直線距離である(図5参照)。換言すると、図5に示すように、紙面上にプロテクタを投影した際に、投影された各孔(第1外孔2771、2772、第1内孔167、第2内孔166、第2外孔276)のそれぞれにおける軸線AX方向の最短距離を示す。
なお、最短距離D3を、D1及びD2に比べて短くする、つまり軸線AX方向に第1外孔2772を第1内孔167に近付けるほど、ガスセンサ200の応答性を高めることができる。しかしながら、第1外孔2772が第1内孔167に近付くと、第1外孔2772と第1内孔167とが軸線方向に重なり、外部から水が第1外孔2772に進入すると、第1内孔167(内側プロテクタ161内)に直接水が進入し易くなる。そこで、第1外孔277を軸線方向に複数個(第1外孔2771、2772として)並べて設けることにより、第1外孔277から内部に進入した水が外部に抜けやすくなって内側プロテクタ161内への進入が抑制され、内側プロテクタ161内に収容されている検出素子120を、被水から適切に保護することができる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、ガスセンサ100、200として全領域空燃比センサを例示したが、本発明は、酸素センサ、NOxセンサ、HCセンサ等にも適用することができる。
また、本実施形態では、第1内側壁164の先端部164cが、第2外側壁175の基端部175b内に圧入された形態(嵌合)により、第2外側壁175の基端部175bと第1内側壁164の先端部164cとを気密に結合させた。しかしながら、第2外側壁の基端部と第1内側壁の先端部とを気密に結合させる形態は、このような嵌合形態に限定されない。例えば、第2外側壁の基端部と第1内側壁の先端部とを、加締めることにより、あるいは溶接(全周溶接)することで、両者を気密に結合するようにしても良い。
さらに、本実施形態では、第2外側壁175の基端部175bと、第1内側壁164の先端部164cとを気密に結合させていたが、これに限られず、基端部175bと先端部164cとが径方向に重なるものの、両者が離間していても良い。
さらに、第1の態様では、第1外孔177を8個、第1内孔167を8個、第2内孔166を4個形成した。又、第2の態様では、第1外孔277を16個、第1内孔167を8個、第2内孔166を4個形成した。しかしながら、第1外孔、第1内孔、及び第2内孔の個数は上述の総開口面積の関係に合わせて適宜設定すればよい。よって、第1外孔、第1内孔、第2内孔の個数は同数にしながら、それぞれの1個あたりの開口面積を適宜設定することで、上述の総開口面積の関係にすればよい。
さらに、第2の態様では、第1外孔2771、2772はいずれも周方向の同一位置に同一形状で同一個数形成されたが、第1外孔2771、2772を軸線AX方向に複数個並べる場合、必ずしも軸線AX方向に平行に各第1外孔が並んでいる必要はないし、軸線AX方向のそれぞれ異なる位置に並ぶ第1外孔の個数が一致しなくてもよい。例えば、第1外孔2771を4個とし、第1外孔2772を6個としてもよく、第1外孔2771、2772の各孔の大きさを変えてもよい。
図1〜図5に示すガスセンサ(酸素センサ)100を製造した。ガスセンサ100の内側プロテクタ161及び外側プロテクタ171に開口した各孔の寸法、個数を表1に示す。なお、各孔はいずれも円孔とした。また、外側プロテクタ171は、第1外側壁174の外径を9.3mm、第2外側壁175の外径を13.8mmとした。
Figure 0006276662
次に、ガスセンサ100をエンジンの排気管に取り付け、さらにガスセンサ100近傍に温度センサを設置して排気ガス温度を測定できるようにした。以下の条件A,Bによりエンジンを運転し、ガスセンサ100の応答性を測定した。
条件A:エンジン回転数3000rpm、インテークマニホールドの負圧が−46kPa、ガスセンサ100近傍の排気ガス温度540℃
条件B:エンジン回転数5000rpm、インテークマニホールドの負圧が−62kPa、ガスセンサ100近傍の排気ガス温度710℃
なお、ガスセンサ100の応答性は、インバランス時のセンサ信号の振幅で評価した。センサ信号の振幅の値が大きいほど、振幅が大きく、応答性が高い。
<実験1>
第2外孔176の外径を、表1の値から表2に示すようにして、第2外孔176の外径を変化させたガスセンサ100をそれぞれ用意し、条件Bでエンジンを運転したときのガスセンサ100の応答性を測定した結果を表2に示す。なお、実験1では、最短距離D1を4.0mm、最短距離D2を13.1mm、最短距離D3を5.4mmとしている。
Figure 0006276662
図6から明らかなように、(0.6×B)≦Aである実施例1,2の場合、(0.6×B)>Aである比較例1〜3に比べ、応答性が顕著に向上した。
<実験2>
各孔166、167、176、177の位置を変え、表3に示すように最短距離D1〜D3を変化させたガスセンサ100をそれぞれ用意し、条件Aでエンジンを運転したときのガスセンサ100の応答性を測定した結果を表3に示す。なお、各孔166、167、176、177の寸法、個数は表1に示す値としている。
Figure 0006276662
図7から明らかなように、最短距離D3を、D1及びD2に比べて短くした実施例11、12の場合、最短距離D1が、D2及びD3に比べて短い比較例10、11に比べ、プロテクタ160内の検出素子120へのガスの到達時間が早くなり、応答性が顕著に向上した。
100、200 ガスセンサ
110 主体金具(ハウジング)
113 主体金具の先端固定部(ハウジングの先端部)
120 検出素子
121 検出部
123 ガス導入部
160 プロテクタ
161 内側プロテクタ
162 内底壁
164 第1内側壁
164c 第1内側壁の先端部
165 第2内側壁
166 第2内孔
167 第1内孔
171、271 外側プロテクタ
172、272 テーパ壁(外底壁)
174、274 第1外側壁
175、275 第2外側壁
175b、275b 第2外側壁の基端部
176、276 第2外孔
177、277、2771、2772 第1外孔
AX 軸線
G 排気ガス(被検出ガス)
D1 第1内孔の直径(第1内孔の内接円の直径)
D2 第1外孔の直径(第1外孔の内接円の直径)
S1 第1空間
S2 第2空間
S3 内部空間
S4 テーパ内空間

Claims (6)

  1. 軸線方向に延びる形態をなし、先端側に被検出ガス中の特定ガス成分を検出する検出部を有する検出素子と、
    自身の先端から上記検出部を突出させた状態で、上記検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、
    上記ハウジングに固定されると共に、上記検出部の周囲を取り囲むプロテクタと、を備え、
    上記プロテクタは、
    自身の内部空間内に上記検出部を収容する内側プロテクタと、
    上記内側プロテクタを収容する外側プロテクタと、を有する
    ガスセンサにおいて、
    上記内側プロテクタは、
    筒状をなし、自身を貫通する第1内孔を有する第1内側壁と、
    上記第1内側壁よりも軸線方向先端側に位置し、上記第1内側壁よりも小径の筒状をなす第2内側壁であって、自身を貫通する第2内孔を有する第2内側壁と、
    上記第2内側壁の先端側を閉塞する内底壁と、を備え、
    上記外側プロテクタは、
    上記第1内側壁との間に筒状の第1空間を形成しつつ上記第1内側壁の周囲を取り囲む筒状の第1外側壁であって、自身を貫通する第1外孔を、上記第1内孔よりも上記軸線方向先端側に有する第1外側壁と、
    上記第1外側壁よりも上記軸線方向先端側に位置し、上記第1外側壁よりも小径で且つ上記第1内側壁よりも大径の筒状をなし、上記第2内側壁との間に筒状の第2空間を形成しつつ上記第2内側壁の周囲を取り囲む第2外側壁であって、自身の基端部が上記第1内側壁の先端部と前記径方向に重なりつつ、上記内底壁よりも上記軸線方向先端側にまで延びる第2外側壁と、
    上記第2外側壁よりも上記軸線方向先端側に位置し、第2外孔を有する外底壁と、を備え、
    前記第2外孔の総開口面積A、前記第2内孔の総開口面積B、前記第1内孔の総開口面積C、及び、前記第1外孔の総開口面積Dが、A≦B<C<D、かつ(0.6×B)≦Aの関係を満たす
    ガスセンサ。
  2. 軸線方向に延びる形態をなし、先端側に被検出ガス中の特定ガス成分を検出する検出部を有する検出素子と、
    自身の先端から上記検出部を突出させた状態で、上記検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、
    上記ハウジングに固定されると共に、上記検出部の周囲を取り囲むプロテクタと、を備え、
    上記プロテクタは、
    自身の内部空間内に上記検出部を収容する内側プロテクタと、
    上記内側プロテクタを収容する外側プロテクタと、を有する
    ガスセンサにおいて、
    上記内側プロテクタは、
    筒状をなし、自身を貫通する第1内孔を有する第1内側壁と、
    上記第1内側壁よりも軸線方向先端側に位置し、上記第1内側壁よりも小径の筒状をなす第2内側壁であって、自身を貫通する第2内孔を有する第2内側壁と、
    上記第2内側壁の先端側を閉塞する内底壁と、を備え、
    上記外側プロテクタは、
    上記第1内側壁との間に筒状の第1空間を形成しつつ上記第1内側壁の周囲を取り囲む筒状の第1外側壁であって、自身を貫通する第1外孔を、上記第1内孔よりも上記軸線方向先端側に有する第1外側壁と、
    上記第1外側壁よりも上記軸線方向先端側に位置し、上記第1外側壁よりも小径で且つ上記第1内側壁よりも大径の筒状をなし、上記第2内側壁との間に筒状の第2空間を形成しつつ上記第2内側壁の周囲を取り囲む第2外側壁であって、自身の基端部が上記第1内側壁の先端部と前記径方向に重なりつつ、上記内底壁よりも上記軸線方向先端側にまで延びる第2外側壁と、
    上記第2外側壁よりも上記軸線方向先端側に位置し、第2外孔を有する外底壁と、を備え、
    前記第2外孔の総開口面積A、前記第2内孔の総開口面積B、前記第1内孔の総開口面積C、及び、前記第1外孔の総開口面積Dが、A≦B<C<Dの関係を満たし、
    前記第2外孔と前記第2内孔との軸線方向における最短距離D1、前記第2内孔と前記第1内孔との軸線方向における最短距離D2、前記第1内孔と前記第1外孔との軸線方向における最短距離D3としたとき、D3がD1、D2よりも短い
    ガスセンサ。
  3. 請求項1又は2に記載のガスセンサであって、
    前記第2外側壁の基端部と、前記第1内側壁の先端部とは、気密に結合してなる
    ガスセンサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    前記第1外孔が前記軸線方向に複数個並ぶ
    ガスセンサ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    前記外底壁は、前記軸線方向の先端側に向かって小径となるテーパ状になっている
    ガスセンサ。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    前記検出素子には、前記検出部に前記被検出ガスを導入するためのガス導入部が設けられており、
    前記第1内孔は、前記ガス導入部よりも前記軸線方向の基端側に配置されている
    ガスセンサ。
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