JP5254154B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、センサ素子を備え、被測定ガス成分中の所定ガス成分を測定するガスセンサに関し、特に、センサ素子を取り囲むように配置された保護カバーを有するガスセンサに関する。
従来より、被測定ガス中の所望ガス成分の濃度を知るために、各種の測定装置が用いられている。例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNOx濃度を測定する装置として、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質層上にPt電極およびRh電極を形成することにより構成した電気化学的ポンプセルを有するガスセンサが公知である。
このようなガスセンサは、例えば、自動車の排出ガスに含まれる所望のガス成分の測定に用いられる。自動車の排気管に取り付けられるガスセンサには、エンジンの始動時に発生する水のセンサ素子への付着を防止すること、および水のセンサ素子内への侵入を防止することを主目的として、センサ素子を保護する保護カバーが設けられている。
このような保護カバーとしては種々のものがすでに公知である。例えば、内部での被測定ガスの流れを一定方向の旋回流とするようにした保護カバーが公知である(例えば、特許文献1参照)。また、水の付着によるセンサ素子のクラックの発生や、被測定ガスの温度の低下によるセンサ素子の温度低下を抑制するようにした保護カバーも公知である(例えば、特許文献2参照)。
さらには、3重構造(内側保護カバー、中間保護カバーおよび外側保護カバー)を採用して水の付着を有効に防止するようにした保護カバーも公知である(例えば、特許文献3および特許文献4参照)。
特開平1−296159号公報 特開平10−318980号公報 特開2000−304719号公報 特開2004−301579号公報
ガスセンサを高精度化するには、応答性をより高めること、すなわち、被測定ガス中の所定ガス成分の濃度変化により迅速に追従した濃度測定を可能にすることと、エンジン始動時に発生する水のセンサ素子への付着を低減することとが必要である。
保護カバーが設けられたガスセンサの場合、応答性の確保のためには、保護カバー内の雰囲気が、より迅速に保護カバー外に存在する被測定ガスと置換される必要がある。
しかしながら、保護カバー内の被測定ガスの置換性を高めることと、センサ素子への水の付着を低減することとは背反する関係にあり、これらの効果を同時に満足することは困難であった。
特許文献1および特許文献2に開示されている保護カバーは、水の付着およびセンサ素子内への侵入を低減することを重視した構造となっているため、応答性は十分なものではなかった。
また、特許文献3および特許文献4に開示されている三重構造を採用した保護カバーは、水の付着を有効に防止しつつ、高い応答性を得ることを目的としているが、中間保護カバーを備えることで、製造工程が複雑になり、製造コストが高くなるという問題があった。
そこで本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、製造コストを抑えつつ、かつ、高い応答性を有するとともに、センサ素子への水の付着およびセンサ素子内への水の侵入を効果的に低減することが可能なガスセンサを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質を主成分として構成されるセンサ素子と、前記センサ素子を取り囲むように配置された保護カバーとを備え、被測定ガス中の所定ガス成分を検出するガスセンサであって、前記保護カバーは、底部が閉じた有底筒状に形成され、筒状部が前記センサ素子の長手方向に沿って一様な形状を有するとともにその側面に略円形である複数の内側ガス流通孔を有し、前記センサ素子の一先端部を取り囲む内側保護カバーと、有底筒状に形成され、その側面に略円形である複数の外側ガス流通孔を1段にのみ有し、前記内側保護カバーを取り囲む外側保護カバーと、を備え、前記複数の内側ガス流通孔は、前記内側保護カバーの側面に前記センサ素子の長手方向に2段に形成された、複数の第1の内側ガス流通孔と、複数の第2の内側ガス流通孔と、を備え、前記複数の第1の内側ガス流通孔は、前記内側保護カバーの側面において、前記センサ素子の一先端部に対向する位置よりも前記内側保護カバーの底部側の位置に形成されており、前記複数の第2の内側ガス流通孔は、前記内側保護カバーの側面において、前記センサ素子の一先端部に対向する位置よりも前記センサ素子の他の先端部側の位置に形成されており、前記複数の外側ガス流通孔は、前記外側保護カバーの側面において、前記複数の第1の内側ガス流通孔と対向する位置と前記複数の第2の内側ガス流通孔と対向する位置との間の位置に形成されており、前記複数の第1の内側ガス流通孔の合計開口面積をS1、前記複数の第2の内側ガス流通孔の合計開口面積をS2としたとき、S1/S2≦0.44を満たす。
請求項の発明は、請求項1に記載のガスセンサにおいて、前記複数の第1の内側ガス流通孔および前記複数の第2の内側ガス流通孔は、それぞれ前記内側保護カバーの側周にほぼ等ピッチで形成される。
請求項の発明は、請求項に記載のガスセンサにおいて、前記複数の外側ガス流通孔は、前記外側保護カバーの側周にほぼ等ピッチで形成される。
請求項1から請求項の発明によれば、内側保護カバーの側面に第1のガス流通孔と第2のガス流通孔とを備えることにより、応答性に優れ、かつ、センサ素子への配管内に存在する水の付着およびセンサ素子内部への水などの配管内に存在する水の侵入が効果的に防止されたガスセンサを実現することができる。
本発明の実施の形態に係るガスセンサの構成の一例を概略的に示した部分断面図である。 本発明の実施の形態に係るガスセンサのセンサ素子の構成の一例を概略的に示した模式図である。 ガスセンサの応答性のシミュレーションの結果を示した図である。 ガスセンサの応答性のシミュレーションの結果を示した図である。 ガスセンサの応答性のシミュレーションの結果を示した図である。 ガスセンサの応答性のシミュレーションの結果を示した図である。 ガスセンサの応答性のシミュレーションの結果を示した図である。 ガスセンサの応答性のシミュレーションの結果を示した図である。 ガスセンサの応答性の試験の結果を示した図である。 壊れ出し水量測定装置の構成を概略的に示した図である。 ガスセンサの耐被水性の試験の結果を示した図である。
<実施の形態>
<ガスセンサの概略構成>
はじめに、本発明の実施の形態に係るガスセンサの概略構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るガスセンサ100の構成の一例を概略的に示した部分断面図である。ガスセンサ100は、測定対象とするガス(被測定ガス)中の所定のガス成分(NOxやO2)を検出し、さらにはその濃度を測定するセンサ素子101と、該センサ素子101の先端部を取り囲むように設けられた保護カバー102とを主として備える。被測定ガス中の所定ガス成分の濃度測定は、ガスセンサ100外部から、保護カバー102を介してセンサ素子101内部に取り込まれた被測定ガスに対して行われる。
保護カバー102は、後述するように、センサ素子101への水の付着およびセンサ素子101内部への水の侵入を効果的に防止しつつも、ガスセンサ100に高い応答性を確保させるべく採用されたものである。
なお、本実施の形態においては、ガスセンサ100が窒素酸化物(NOx)を検出対象成分とするNOxセンサである場合を例として説明する。
<センサ素子の概略構成>
次に、センサ素子101の概略構成について説明する。
図2は、センサ素子101の構成の一例を概略的に示した断面模式図である。センサ素子101は、それぞれがジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質層からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6との6つの層が、図面視で下側からこの順に積層された構造を有する細長な長尺の板状体形状の素子である。また、これら6つの層を形成する固体電質は緻密な気密のものである。係るセンサ素子101は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工および回路パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し、さらに、焼成して一体化させることによって製造される。
センサ素子101の一先端部であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、ガス導入口10と、第1拡散律速部11と、緩衝空間12と、第2拡散律速部13と、第1内部空所20と、第3拡散律速部30と、第2内部空所40とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。
ガス導入口10と、緩衝空間12と、第1内部空所20と、第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画されたセンサ素子101内部の空間である。
第1拡散律速部11と、第2拡散律速部13と、第3拡散律速部30とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。なお、ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位をガス流通部とも称する。
また、ガス流通部よりも先端側から遠い位置には、第3基板層3の上面と、スペーサ層5の下面との間であって、側部を第1固体電解質層4の側面で区画される位置に基準ガス導入空間43が設けられている。基準ガス導入空間43には、NOx濃度の測定を行う際の基準ガスとして、例えば大気が導入される。
大気導入層48は、多孔質アルミナからなる層であって、大気導入層48には基準ガス導入空間43を通じて基準ガスが導入されるようになっている。また、大気導入層48は、基準電極42を被覆するように形成されている。
基準電極42は、第3基板層3の上面と第1固体電解質層4とに挟まれる態様にて形成される電極であり、上述のように、その周囲には、基準ガス導入空間43につながる大気導入層48が設けられている。また、後述するように、基準電極42を用いて第1内部空所20内や第2内部空所40内の酸素濃度(酸素分圧)を測定することが可能となっている。
ガス流通部において、ガス導入口10は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口10を通じて外部空間からセンサ素子101内に被測定ガスが取り込まれるようになっている。
第1拡散律速部11は、ガス導入口10から取り込まれた被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
緩衝空間12は、第1拡散律速部11より導入された被測定ガスを第2拡散律速部13へと導くために設けられた空間である。
第2拡散律速部13は、緩衝空間12から第1内部空所20に導入される被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
被測定ガスが、センサ素子101外部から第1内部空所20内まで導入されるにあたって、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によってガス導入口10からセンサ素子101内部に急激に取り込まれた被測定ガスは、直接第1内部空所20へ導入されるのではなく、第1拡散律速部11、緩衝空間12、第2拡散律速部13を通じて被測定ガスの濃度変動が打ち消された後、第1内部空所20へ導入されるようになっている。これによって、第1内部空間へ導入される被測定ガスの濃度変動はほとんど無視できる程度のものとなる。
第1内部空所20は、第2拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられている。係る酸素分圧は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面のほぼ全面に設けられた天井電極部22aを有する内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の天井電極部22aと対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成されてなる電気化学的ポンプセルである。
内側ポンプ電極22は、第1内部空所20を区画する上下の固体電解質層(第2固体電解質層6および第1固体電解質層4)、および、側壁を与えるスペーサ層5にまたがって形成されている。具体的には、第1内部空所20の天井面を与える第2固体電解質層6の下面には天井電極部22aが形成され、また、底面を与える第1固体電解質層4の上面には底部電極部22bが形成され、そして、それら天井電極部22aと底部電極部22bとを接続するように、側部電極部(図示省略)が第1内部空所20の両側壁部を構成するスペーサ層5の側壁面(内面)に形成されて、該側部電極部の配設部位においてトンネル形態とされた構造において配設されている。
内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2とのサーメット電極)として形成される。なお、被測定ガスに接触する内側ポンプ電極22は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に所望のポンプ電圧Vp0を印加して、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip0を流すことにより、第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所20に汲み入れることが可能となっている。
また、第1内部空所20における雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を検出するために、内側ポンプ電極22と、第2固体電解質6と、スペーサ層5と、第1固体電解質4と、第3基板層3と、基準電極42によって、電気化学的なセンサセル、すなわち、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80が構成されている。
主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80における起電力V0を測定することで第1内部空所20内の酸素濃度(酸素分圧)がわかるようになっている。さらに、起電力V0が一定となるようにVp0をフィードバック制御することでポンプ電流Ip0が制御されている。これによって、第1内部空所内20内の酸素濃度は所定の一定値に保つことができる。
第3拡散律速部30は、第1内部空所20で主ポンプセル21の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該被測定ガスを第2内部空所40に導く部位である。
第2内部空所40は、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられている。NOx濃度の測定は、主として、補助ポンプセル50により酸素濃度が調整された第2内部空所40において、さらに、測定用ポンプセル41の動作によりNOx濃度が測定される。
第2内部空所40では、あらかじめ第1内部空所20において酸素濃度(酸素分圧)が調整された後、第3拡散律速部を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに補助ポンプセル50による酸素分圧の調整が行われるようになっている。これにより、第2内部空所40内の酸素濃度を高精度に一定に保つことができるため、係るガスセンサ100においては精度の高いNOx濃度測定が可能となる。
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面の略全体に設けられた天井電極部51aを有する補助ポンプ電極51と、外側ポンプ電極23(外側ポンプ電極23に限られるものではなく、センサ素子101と外側の適当な電極であれば足りる)と、第2固体電解質層6とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
係る補助ポンプ電極51は、先の第1内部空所20内に設けられた内側ポンプ電極22と同様なトンネル形態とされた構造において、第2内部空所40内に配設されている。つまり、第2内部空所40の天井面を与える第2固体電解質層6に対して天井電極部51aが形成され、また、第2内部空所40の底面を与える第1固体電解質層4には、底部電極部51bが形成され、そして、それらの天井電極部51aと底部電極部51bとを連結する側部電極部(図示省略)が、第2内部空所40の側壁を与えるスペーサ層5の両壁面にそれぞれ形成されたトンネル形態の構造となっている。
なお、補助ポンプ電極51についても、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極51と外側ポンプ電極23との間に所望の電圧Vp1を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間から第2内部空所40内に汲み入れることが可能となっている。
また、第2内部空所40内における雰囲気中の酸素分圧を制御するために、補助ポンプ電極51と、基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81が構成されている。
なお、この補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81にて検出される起電力V1に基づいて電圧制御される可変電源52にて、補助ポンプセル50がポンピングを行う。これにより第2内部空所40内の雰囲気中の酸素分圧は、NOxの測定に実質的に影響がない低い分圧にまで制御されるようになっている。
また、これとともに、そのポンプ電流Ip1が、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80の起電力の制御に用いられるようになっている。具体的には、ポンプ電流Ip1は、制御信号として主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80に入力され、その起電力V0が制御されることにより、第3拡散律速部30から第2内部空所40内に導入される被測定ガス中の酸素分圧の勾配が常に一定となるように制御されている。NOxセンサとして使用する際は、主ポンプセル21と補助ポンプセル50との働きによって、第2内部空所40内での酸素濃度は約0.001ppm程度の一定の値に保たれる。
測定用ポンプセル41は、第2内部空所40内において、被測定ガス中のNOx濃度の測定を行う。測定用ポンプセル41は、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面であって第3拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、外側ポンプ電極23と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。
測定電極44は、平面視ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極である。測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。さらに、測定電極44は、第4拡散律速部45によって被覆されてなる。
第4拡散律速部45は、アルミナ(Al23)を主成分とする多孔体にて構成される膜である。第4拡散律速部45は、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担うとともに、測定電極44の保護膜としても機能する。
測定用ポンプセル41においては、測定電極44の周囲の雰囲気中における窒素酸化物の分解によって生じた酸素を汲み出して、その発生量をポンプ電流Ip2として検出することができる。
また、測定電極44の周囲の酸素分圧を検出するために、第2固体電質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、測定電極44と、基準電極42とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82が構成されている。測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された起電力V2に基づいて可変電源46が制御される。
第2内部空所40内に導かれた被測定ガスは、酸素分圧が制御された状況下で第4拡散律速部45を通じて測定電極44に到達することとなる。測定電極44の周囲の被測定ガス中の窒素酸化物は還元されて(2NO→N2+O2)酸素を発生する。そして、この発生した酸素は測定用ポンプセル41によってポンピングされることとなるが、その際、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された制御電圧V2が一定となるように可変電源の電圧Vp2が制御される。測定電極44の周囲において発生する酸素の量は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に比例するものであるから、測定用ポンプセル41におけるポンプ電流Ip2を用いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度が算出されることとなる。
また、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、外側ポンプ電極23と、基準電極42とから電気化学的なセンサセル83が構成されており、このセンサセル83によって得られる起電力Vrefによりセンサ外部の被測定ガス中の酸素分圧を検出可能となっている。
このような構成を有するガスセンサ100においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。したがって、被測定ガス中のNOxの濃度に略比例して、NOxの還元によって発生する酸素が測定用ポンプセル41より汲み出されることによって流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
さらに、センサ素子101は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータ電極71a,71bと、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74、圧力放散孔75とを備えている。
ヒータ電極71a,71bは、第1基板層1の下面に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータ電極71a,71bを外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
ヒータ72は、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれた態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータ電極71と接続されており、該ヒータ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子101を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
また、ヒータ72は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子100全体を上記固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2基板層2とヒータ72との間の電気的絶縁性、および、第3基板層3とヒータ72との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
圧力放散孔75は、第3基板層3を貫通し、基準ガス導入空間43に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層74内の温度上昇に伴う内圧上昇を緩和する目的で形成されてなる。
<保護カバーの概略構成>
次に、図1を参照して、保護カバー102の概略構成について説明する。図1には、説明の便宜上、図面視左右方向をx軸方向、図面視上下方向をy軸方向、紙面に垂直な方向をz軸とするxyz直交座標系を付している。また、図1においては、センサ素子101の長手方向がy軸方向に一致するようにガスセンサ100を図示している。
保護カバー102は、センサ素子101の先端部101aを取り囲むように設けられた内側保護カバー110と、該内側保護カバー110を取り囲むように設けられた外側保護カバー120とを備える。すなわち、本実施の形態における保護カバー102には、内側保護カバー110と外側保護カバー120とからなる二重構造が採用されている。
内側保護カバー110および外側保護カバー120は、それぞれ、金属等によって構成される有底円筒状の部材である。加えて、内側保護カバー110は、そのy軸正方向側端部にフランジ部112を備える。フランジ部112は、y軸方向に延びた円筒部分からx軸方向に屈曲してなる第1屈曲部112aと、第1屈曲部112aからさらにy軸方向に屈曲してなる第2屈曲部112bとを備える。そして、第2屈曲部112bが外側保護カバー120に当接あるいは嵌合されることで、内側保護カバー110は外側保護カバー120に固定される。また、外側保護カバー120の開口部にはハウジング103がはめ込まれたうえで、スポット溶接等により、外側保護カバー120がハウジング103に固定されている。
内側保護カバー110および外側保護カバー120には、それぞれ内部への被測定ガスの導入および外部への被測定ガスの排出のため、略円形状の複数のガス流通孔が備わっている。ここで、ガス流通孔には、四角穴、スリットおよびフラップ構造等の形状を採用してもよく、このような形状を採用しても、略円形状の流通孔を採用した場合と同様の効果を得ることができる。
内側保護カバー110の側面には、センサ素子101の長手方向に2段に形成された(y軸方向に離間させて形成された)複数の内側ガス流通孔111が備わっている。図1においては、内側ガス流通孔111は、6個の第1の内側ガス流通孔111aと6個の第2の内側ガス流通孔111bとからなる場合を例示している。第1の内側ガス流通孔111aは、内側保護カバー111の側面(円筒部分)において、センサ素子先端部101aよりもy軸負方向(センサ素子先端部101aに対向する位置よりも内側保護カバー110の底部側)の位置に形成されている。第2の内側ガス流通孔111bは、センサ素子先端部101aよりもy軸正方向(センサ素子先端部101aと対向する位置よりもセンサ素子101の他の先端部側)の位置に形成されている。
外側保護カバー120の側面には、複数の第1の外側ガス流通孔121が備わっている。図1においては、第1の外側ガス流通孔121が6個の場合を例示している。また、外側保護カバー120の底部には、1個の第2の外側ガス流通孔122が備わっている。
第1の外側ガス流通孔121は、外側保護カバー120の側面(y軸方向に延びた円筒部分)において、第1の内側ガス流通孔111aと対向する位置と第2の内側ガス流通孔111bと対向する位置との間に形成されている。
すなわち、第1の内側ガス流通孔111a,第2の内側ガス流通孔111bおよび第1の外側ガス流通孔121は、y軸正方向において、第1の内側ガス流通孔111a、第1の外側ガス流通孔121、第2の内側ガス流通孔111bの順に位置するように形成されている。
y軸正方向においてこのような配置関係を有することで、第1の外側ガス流通孔121から外側保護カバー120の内部へ入った水の大部分は、内側保護カバー110の側面に衝突もしくは付着する。これにより、水が内側保護カバー110の内部まで到達してセンサ素子101に付着したり、さらには水がセンサ素子101内に侵入したりすることが阻止される。
しかも、内側保護カバー110に衝突もしくは付着した水は、外側保護カバー120の内部に留まることなく、第2の外側ガス流通孔122を通じて外部に排出される。結果として、本実施の形態に係るガスセンサ100においては、実用上問題ない程度の耐被水性が確保されている。
また、本実施の形態に係るガスセンサ100は、上述のように、内側保護カバー110の側面に上下2段に内側ガス流通孔111を備えることにより、内側ガス流通孔を1段のみ備えるガスセンサに比べて、内側保護カバー内部への被測定ガスの導入および外部への被測定ガスの排出を行う流通経路を多く有している。これにより、保護カバー102内部における被測定ガスの置換性が向上したものとなっている。
しかも、センサ素子101の長手方向において、第1の内側ガス流通孔111aと第2の内側ガス流通孔111bとの間の位置にセンサ素子先端部101aが配置される構成となっているので、特にセンサ素子先端部101aの周辺における被測定ガスの置換性に優れている。
図3ないし図8は、上述したような保護カバー102内の被測定ガスの置換性を確認するために行った、被測定ガスを外部から保護カバー102内部に導入したときの、保護カバー102内部の被測定ガスの置換率の経時変化についてのシミュレーションの結果を示す図である。ここで、ガス置換率とは、内側保護カバー110内部のガス中に占める被測定ガスの割合のことをいう。シミュレーションは、表1に示す内側保護カバー110における内側ガス流通孔111の形成態様のみが異なった3つのガスセンサA、ガスセンサBおよびガスセンサCを対象に行っている。被測定ガスは、保護カバー102内部のガスとはNOx濃度が異なり、かつ、一定のNOx濃度を有するものとした。
表1に示すように、ガスセンサAおよびガスセンサBは、内側保護カバー110の側面に6個の第1の内側ガス流通孔111aと6個の第2の内側ガス流通孔111bとを上下2段に備える。ガスセンサAは、第1の内側ガス流通孔111aの径(1.0mm)と第2の内側ガス流通孔111bの径(1.0mm)とが同じ大きさである。ガスセンサBは、第1の内側ガス流通孔111aの径(1.0mm)よりも第2の内側ガス流通孔111bの径(0.5mm)の方が小さく、第1の内側ガス流通孔111aの合計開口面積/第2の内側ガス流通孔111bの合計開口面積(S-low/S-high)が4.0である。一方、ガスセンサCは、6個の内側ガス流通孔を内側保護カバーの側面に1段に備える。
図3から図7は、ガスセンサAおよびガスセンサCについてのシミュレーションにおける保護カバー102内のガス置換率の分布を示した図である。ここで、図面視上側(a)がガスセンサAを示した図であり、図面視下側(b)がガスセンサCを示した図である。図中に示した時間および置換率は、所定の時間経過後におけるシミュレーションにより求めたセンサ素子先端部101a周辺のガス置換率である。例えば、図3(a)において、センサ素子先端部101a周辺のガスは、20ms経過後に被測定ガスが65%を占めている。
図3から図7に示すように、ガスセンサAでは、被測定ガスが導入されにくい停滞領域がほとんど形成されることなく、時間経過とともに内側保護カバー内部のガスが被測定ガスに置換されていく。一方、ガスセンサCでは、センサ素子先端部101aよりもフランジ側に停滞領域が形成され、時間が経過しても内側保護カバー内部の被測定ガスへの置換が妨げられる領域がある。
すなわち、上下2段に内側ガス流通孔111を備えるガスセンサAの方が、1段のみ内側ガス流通孔を備えるガスセンサCと比べて、内側保護カバー110内部への被測定ガスの導入および外部への被測定ガスの排出を行う流通経路を多く有しており、内側保護カバー110内部への被測定ガスの置換性が優れる。
また、図8は、シミュレーションを行って得た、ガスセンサA、ガスセンサBおよびガスセンサCのそれぞれについての保護カバー102内のセンサ素子先端部101a周辺のガス置換率の経時変化を示した図である。
図8に示すように、センサ素子先端部101aの周辺の被測定ガスの置換率が90%に達するのに要する時間は、ガスセンサAが約50msec、ガスセンサBが約80msec、ガスセンサCが約100msecである。
また、センサ素子先端部101aの周辺の被測定ガスの置換率が100%に達するのに要する時間は、ガスセンサAが約70msec、ガスセンサBが約150msecである。一方、ガスセンサCは、200msecを経過した時点でも、センサ素子先端部101aの周辺の被測定ガスの置換率が100%に達していない。
すなわち、上下2段に内側ガス流通孔111を備えるガスセンサAおよびガスセンサBの方が、1段のみ内側ガス流通孔を備えるガスセンサCと比べて、短い時間でセンサ素子先端101a周辺のガスが置換される。
以上のようなガス置換特性を有することで、本実施の形態におけるガスセンサ100は、優れた応答性を有するものとなっている。
次に、保護カバー102のより好ましい構成について説明する。
第1の内側ガス流通孔111aおよび第2の内側ガス流通孔111bは、それぞれ、内側保護カバー110の底部に平行な内側保護カバー110の所定の側周位置において等ピッチで形成されることが好ましい。
同様に、第1の外側ガス流通孔121は、外側保護カバー120の底部に平行な外側保護カバー120の所定の側周位置において等ピッチで形成されることが好ましい。
また、第1の内側ガス流通孔111aと第2の内側ガス流通孔111bとは同数であることが好ましい。そして、第1の内側ガス流通孔111aの中心位置と、対応する第2の内側ガス流通孔111bの中心位置とを結ぶ直線が、内側保護カバー111の軸方向(y軸方向)と平行になるように、第1の内側ガス流通孔111aおよび第2の内側ガス流通孔111bは形成されることが好ましい。
保護カバー102がこのような構成を有することにより、ガスセンサ100においては、いずれかのガス流通孔に集中的に被測定ガスが導入および排出されることが回避される。その結果、ガスセンサ100における保護カバー102内部の被測定ガスの置換性がより向上する。さらに、センサ素子101内での局部的な温度変動等が防止され、センサ素子への温度変動に伴うクラックの発生等が有効に防止される。
また、第1の内側ガス流通孔111aの合計開口面積/第2の内側ガス流通孔111bの合計開口面積(S-low/S-high)は、3.0以下であることが好ましい。S-low/S-highが3.0以下の場合、ガスセンサ100は、実用上問題ない程度の耐被水特性を有することができる。
特に、第1の内側ガス流通孔111aのS-low/S-highが0.44以下である場合には、内側ガス流通孔を内側保護カバーの側面に1段のみ有するガスセンサと同等の耐被水性を有するとともに、より高い応答性を有するガスセンサ100が実現される。
以上より、本実施の形態に係るガスセンサ100は、内側保護カバー110の側面に内側ガス流通孔111を上下2段に有することにより、応答性に優れ、かつ、センサ素子101への水の付着およびセンサ素子101内部への水の侵入を効果的に防止することができる。
また、本実施の形態に係るガスセンサ100は、二重構造の保護カバー102を用いることにより、三重構造の保護カバーを用いる場合に比べて、製造工程が簡易になり、製造コストが低減される。
<実施例>
次に、本実施の形態に係るガスセンサ100と従来から用いられているガスセンサに対して行った試験結果を示す。
実施例として、表2に示したガスセンサaからガスセンサeに対して、応答性の試験および耐被水性の試験を行った。ガスセンサaからガスセンサeは、それぞれ保護カバー102のみ異なった構造を有しており、その他は同じ構成である。
表2に示すように、ガスセンサaからガスセンサdは、6個の第1の内側ガス流通孔111aと、6個の第2の内側ガス流通孔111bとからなる上下2段の内側ガス流通孔111を内側保護カバー110の側面に備える。ガスセンサaからガスセンサdは、第1の内側ガス流通孔111aの径(1.0mm)は共通で、第2の内側ガス流通孔111bの径がそれぞれ、1.5mm、1.0mm、0.75mm、0.5mmと異なっている。これに応じて、S-low/S-highがそれぞれ、0.44、1.0、1.78、4.0となっている。一方、ガスセンサeは、6個の内側ガス流通孔を内側保護カバーの側面に1段に備える。
応答性の試験は、保護カバー102内部に導入する混合ガス中のNOx濃度を0%から100%まで変化させた場合において、NOx濃度が10%に相当するセンサ出力(Ip2)を検出した時点からNOx濃度が90%に相当するセンサ出力(Ip2)を検出した時点までの時間(応答時間)をそれぞれのガスセンサについて30回ずつ測定することで行った。なお、NOx濃度が70ppmのときを0%とし、500ppmのときを100%とした。また、温度が350℃、ガスの流速が10m/s、空燃比(被測定ガス中の酸素濃度)を制御してλ値(空気過剰率)が1.3の条件下で応答性の試験を行った。
応答性試験の結果を図9に示す。図9に示すように、ガスセンサeの応答時間を100%としたとき、ガスセンサaは約60%の応答時間、ガスセンサbは約70%の応答時間、ガスセンサcは約75%の応答時間、ガスセンサdは約90%の応答時間であった。
すなわち、ガスセンサaからガスセンサdでは、ガスセンサeに比べて応答時間が短くなっていた。これにより、内側保護カバー110の側面に内側ガス流通孔111を上下2段に備えてガスの流通経路を増やすことが、応答性の向上に効果があることが確認された。特に、第1の内側ガス流通孔111aよりも第2の内側ガス流通孔111bの径が大きい方が、より応答性の向上に効果があることが確認された。
次に、耐被水性の試験は、壊れ出し水量測定装置400を用いて、センサ素子101が壊れ始めたときの水量を、それぞれのガスセンサについて30回ずつ測定することで行った。
図10は、壊れ出し水量測定装置400の構成を概略的に示した図である。壊れ出し水量測定装置400は、角度が150°となるように接続された直径40mmの2本のパイプ410,420と、パイプ410の接続部430とは反対側の端部に接続部430からの距離が1500mmの位置で接続されたエンジン440と、パイプ420の側面に接続部430からの距離が500mmの位置で形成されたセンサ取り付け部440と、を有している。
壊れ出し水量測定装置400を用いた試験は、センサ取り付け部にガスセンサを取り付け、パイプ410およびパイプ420内の接続部430に水が蓄えられた状態でエンジンを運転し、蓄えられた水の飛散によるガスセンサの出力の変動を検査することで行った。エンジンの運転は、ガスセンサのヒータへの通電を開始してから60秒後にエンジンをスタートし、スタートから15秒後の時点から3秒間の加速運転を続けて3回行い、アイドル状態の回転数が600rpm、加速状態のピーク時の回転数が5000rpmとした。そして、ガスセンサの出力に異常が見られるまで、蓄えられた水の量を10cm3ずつ増やして同様の試験を実施した。そして、センサ素子の出力に異常が見られた時点でエンジンの運転を停止し、このときに蓄えられた水の量を壊れ出し水量とした。
耐被水性の試験の結果を図11に示す。図11に示すように、ガスセンサeの壊れ出し水量は100cm3であり、ガスセンサaの壊れ出し水量は100cm3、ガスセンサbの壊れ出し水量は80cm3、ガスセンサcの壊れ出し水量は60cm3、ガスセンサdの壊れ出し水量は40cm3であった。
ここで、耐被水特性は、壊れ出し水量測定装置400を用いて同様の条件で耐被水性の試験を行った場合の壊れ出し水量が50cm3以上あれば実用上問題ない。すなわち、ガスセンサa、ガスセンサbおよびガスセンサcは、実用上問題ない耐被水性を有していることが確認された。特に、ガスセンサaは、ガスセンサeと同程度の耐被水性を有していた。これにより、S-low/S-highが0.44以下の内側ガス流通孔111を内側保護カバー110の側面に備えることで、耐被水性を維持しつつ、応答性の向上に効果があることが確認された。
100 ガスセンサ
101 センサ素子
102 保護カバー
110 内側保護カバー
111a 第1の内側ガス流通孔
111b 第2の内側ガス流通孔
120 外側保護カバー
121 第1の外側ガス流通孔
122 第2の外側ガス流通孔

Claims (3)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質を主成分として構成されるセンサ素子と、前記センサ素子を取り囲むように配置された保護カバーとを備え、被測定ガス中の所定ガス成分を検出するガスセンサであって、
    前記保護カバーは、
    底部が閉じた有底筒状に形成され、筒状部が前記センサ素子の長手方向に沿って一様な形状を有するとともにその側面に略円形である複数の内側ガス流通孔を有し、前記センサ素子の一先端部を取り囲む内側保護カバーと、
    有底筒状に形成され、その側面に略円形である複数の外側ガス流通孔を1段にのみ有し、前記内側保護カバーを取り囲む外側保護カバーと、
    を備え、
    前記複数の内側ガス流通孔は、前記内側保護カバーの側面に前記センサ素子の長手方向に2段に形成された、複数の第1の内側ガス流通孔と、複数の第2の内側ガス流通孔と、を備え、
    前記複数の第1の内側ガス流通孔は、前記内側保護カバーの側面において、前記センサ素子の一先端部に対向する位置よりも前記内側保護カバーの底部側の位置に形成されており、
    前記複数の第2の内側ガス流通孔は、前記内側保護カバーの側面において、前記センサ素子の一先端部に対向する位置よりも前記センサ素子の他の先端部側の位置に形成されており、
    前記複数の外側ガス流通孔は、前記外側保護カバーの側面において、前記複数の第1の内側ガス流通孔と対向する位置と前記複数の第2の内側ガス流通孔と対向する位置との間の位置に形成されており、
    前記複数の第1の内側ガス流通孔の合計開口面積をS1、前記複数の第2の内側ガス流通孔の合計開口面積をS2としたとき、
    S1/S2≦0.44
    を満たすガスセンサ。
  2. 前記複数の第1の内側ガス流通孔および前記複数の第2の内側ガス流通孔は、それぞれ前記内側保護カバーの側周にほぼ等ピッチで形成される、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記複数の外側ガス流通孔は、前記外側保護カバーの側周にほぼ等ピッチで形成される、請求項2に記載のガスセンサ。
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