JP5276149B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
一方、外側プロテクタ先端の錐台頂面に外側ガス排出孔を開口すると、特許文献1のような陥没部を設けることが困難である。
そこで、このようなガスセンサでは、内側プロテクタの底壁に、カバー部で軸線方向後端側が覆われた底壁開口を形成することで、外側ガス排出孔から軸線方向に沿って底壁開口内に水滴等が飛来しても、カバー部によって遮られてガスセンサ素子には直接到達し難く、ガスセンサ素子を被水から保護することができる。
このようなガスセンサでは、底壁開口(カバー部)と外側ガス排出孔とが少なくとも一部で重なっているため、底壁開口と外側ガス排出孔とがより近接することで、内側プロテクタから外部に軸線方向に沿って被測定ガスを通過させることができ、ガスセンサの応答性をさらに向上させることができる。
このようなガスセンサでは、内側プロテクタの側部開口と外側ガス排出孔とが少なくとも一部で重なっているため、側部開口と外側ガス排出孔とを近接させることができる。これにより、底壁開口と外側ガス排出孔を重ねる構成よりも、さらに内側プロテクタから外部に軸線方向に沿って被測定ガスを通過させることができ、ガスセンサの応答性をさらに向上させることができる。
このようなガスセンサによれば、内側プロテクタの側壁に水抜き孔が設けられることで、外側プロテクタのガス導入孔から水滴が侵入したとしても、水抜き孔を通過させて内側プロテクタ内部に導入させることができ、内側ガス導入孔に水滴が侵入することを防止できる。その上、水抜き孔と側部開口とを近接させているので、水抜き孔から内側プロテクタ内に侵入した水滴が直ちに側部開口から外部(外側ガス排出孔側)へ抜け易くなる。一方、水抜き孔は外側ガス導入孔と重なっていないため、外側ガス導入孔を通過したガス成分が水抜き孔を直接通過することを抑制でき、内側ガス導入孔から内側プロテクタ内に導入される被測定ガス量を維持し、ガスセンサの応答性を維持している。
このようなガスセンサによれば、内側プロテクタ内から側部開口を通過した排気ガスが外側ガス排出孔で規制されて外側プロテクタ内で滞留することなく外部に排出することができ、ガスセンサの応答性の低下を抑制することができる。
このようなガスセンサによれば、外側ガス導入孔から水分を含む被測定ガスが導入された場合に、比重の軽いガス成分が上昇して内側ガス導入孔から内側プロテクタ内に導入される一方、水分は内側プロテクタの段部(先端向き面)に衝突して落下するので、内側プロテクタ内に水分が侵入することが回避される。
なお、以下の説明では、ガスセンサ1の軸線O方向を上下方向として図示し、内部に保持するガスセンサ素子10の検出部11側をガスセンサ1の先端側、後端部12側をガスセンサ1の後端側(基端側)として説明する。
また、内側プロテクタ120の側壁122の先端側には、水抜き孔150が外周面の周方向の複数箇所(本実施の形態では4箇所)に設けられている。この水抜き孔150は、ガス分離室119内に導入される排気ガスに含まれる水分(水滴)等を、ガス検出室129を介し外部に排出するための導路として設けられたものであり、内側ガス導入孔130の形成位置よりも先端側に配設されている。
このようにして、カバー部127の一部が底壁124から軸線O方向に浮いた状態(特許請求の範囲の「カバー部と底壁とは一部が軸線方向に離間し」た状態)で、カバー部127が底壁124に支持されている。そして、軸線O方向に視認したときに、カバー部127と重なる底壁124には、底壁開口160が開口している。さらに、カバー部127と底壁124とが軸線O方向に離間した部分(スリット127a部分)には、底壁開口160に連通し、軸線O方向と角度を持って開口する側部開口162が形成されている。底壁開口160は、側部開口162を介し、ガス検出室129内に導入された排気ガスや水滴を外部に排出する。
具体的には、評価方法として、空燃比(空気/ガソリン)の理論空燃比14.7倍をλ=1としたときに、強制的にリッチ(λ=0.97)・リーン(λ=1.03)を切り替える制御をした。そして、リッチからリーンへの切り替え時からガスセンサ1の出力値がλ=1に対応した値に変化するまでの時間を測定した。なお、この評価では、排気量2000ccの4サイクルエンジンの排気管にガスセンサ1を取り付け、エンジンを回転数2000rpmにて駆動させて実施された。なお、ガスセンサ1を排気管に取り付ける位置は、エンジン排気温が約450℃となる位置とした。
評価試料として、ガスセンサ1における側部開口162の最大軸線O方向長さを0.9mm、1.2mm、1.6mmとしたものを準備し、上記評価方法にて評価を行った。
その結果、それぞれの時間が620sec(最大軸線O方向長さを0.9mm)、585sec(最大軸線O方向長さを1.2mm)、560sec(最大軸線O方向長さを1.6mm)となった。なお、560secであれば、実使用時のガスセンサ1の応答性が十分に得られることとなる。
ここで、図4(a)に示すように、第1の実施形態において、テーパ壁117の先端縁117sと、外側ガス排出孔170の周縁とが一致しており、外側ガス排出孔170はテーパ壁117の錐台頂面(先端縁117sで囲まれる仮想面)の全面を軸線O方向に貫通する突切り孔となっている。従って、テーパ壁117の先端縁117sで形成される面積をSLとしたときに、外側ガス排出孔170の開口面積sがs=SLとなっている。但し、本発明においては、1/2×SL≦s≦SLの関係を満たせばよく、例えば図4(b)に示すように、外側ガス排出孔170の周縁がテーパ壁117の先端縁117sより内側に位置し、先端縁117sから外側ガス排出孔170の周縁に向かって外側底壁118が形成されていてもよい。
具体的には、評価試料として、ガスセンサ1のうち、外側プロテクタ110のみを主体金具50に固定したものを準備する。そして、外側プロテクタ110の外側ガス排出孔170の最小幅が0.1mm、0.15mm、0.2mmとしたものを準備した。
評価方法としては、主体金具50側から外側プロテクタ110内に水を滴下し、外側プロテクタ110の外側ガス排出孔170から水が排出されるか否かを確認する。そして、外側プロテクタ110の外側ガス排出孔170から水が排出された時の滴下量を測定した。
その結果、それぞれの滴下量が600μl(最小幅0.1mm)、600μl(最小幅0.15mm)、280μl(最小幅0.2mm)となった。これにより、外側プロテクタ110の外側ガス排出孔170の最小幅が0.2mm以上であれば、水滴が外側ガス排出孔170を通過して外部へ排出され易いことがわかる。
さらに、外側ガス排出孔170の最小幅を、側部開口162の最大軸線O方向長さよりも大きくすると、ガス検出室129内から側部開口162を通過した排気ガスが外側ガス排出孔170で規制されて外側プロテクタ110内で滞留することなく外部に排出することができ、ガスセンサ1の応答性の低下を抑制することができる。
そして、外側ガス排出孔170からの吸引効果が大きくなるため、ガスセンサ1の取付け対象体(排気管等)への取付け角度が変わっても外側ガス排出孔170から外側プロテクタ110内にガス流が逆流しにくく、応答性が変化せずに被測定ガスを安定して検出することができる。特に、例えばガスセンサ1が、自身の先端側をガス流の上流側に向け、自身の後端側をガス流の下流側に向けるような取付け角度で取付けられた場合に、水分やガス流のプロテクタ内への逆流を有効に抑制することができる。
図5から明らかなように、外側プロテクタ110の先端側に、軸線O方向先端側に向かって窄む錐台状のテーパ壁117を備えると共に、1/2×SL≦S≦SLの関係を満たすよう(図5においては、S=SL)、テーパ壁117の錐台頂面に外側ガス排出孔170が開口する場合、テーパ壁117先端付近のガス下流側に強い負圧が発生することがわかる(負圧領域P)。
一方、図6に示す従来のプロテクタの場合、図4(b)に相当する外側底壁118の面積がテーパ壁117と比較して相対的に大きく形成されており(S=1/20SL)、テーパ壁117先端付近のガス下流側の負圧領域Pが減少することがわかる。
図7に示すように、底壁開口160(カバー部127)と外側ガス排出孔170とが少なくとも一部(図7のハッチング領域)で重なっている。
さらに、図7に示すように、側部開口162の一部と外側ガス排出孔170とも重なっている。
このように、底壁開口160と外側ガス排出孔170とが少なくとも一部で重なっているため、底壁開口160と外側ガス排出孔170とが近接することで、内側プロテクタ120から外部に軸線O方向に沿って被測定ガスを通過させることができ、ガスセンサ1の応答性をさらに向上させることができる。
そのうえ、側部開口162と外側ガス排出孔170とが少なくとも一部で重なっているため、側部開口162と外側ガス排出孔170とが近接することで、底壁開口160と外側ガス排出孔170を重ねる構成よりも、さらに内側プロテクタ120から外部に軸線O方向に沿って被測定ガスを通過させることができ、ガスセンサ1の応答性をさらに向上させることができる。
1)の構成により、テーパ壁117先端付近の被測定ガスの下流側に強い負圧が発生するので、ガス検出室129内に導入された排気ガスを底壁開口160から外側ガス排出孔170へ吸引して外部に排出する効果が増大し、ガスセンサ1の応答性を向上させることができる。
このような構成によれば、水抜き孔150と側部開口162とが近接するので、水抜き孔150から内側プロテクタ120内に侵入した水分Wが直ちに側部開口162から外部(外側ガス排出孔170側)へ抜け易くなる。一方、水抜き孔150は外側ガス導入孔115と重なっていないため、外側ガス導入孔115を通過した被測定ガスが水抜き孔150を直接通過することを抑制でき、内側ガス導入孔130から内側プロテクタ120のガス検出室129内に導入される被測定ガス量を維持し、ガスセンサ1の応答性を維持している。
このような構成によれば、外側ガス導入孔115から水分を含む被測定ガスが導入された場合に、比重の軽いガス成分Gが上昇して内側ガス導入孔130から内側プロテクタ120内に導入される一方、水分Wは内側プロテクタ120の段部122D(先端向き面)に衝突して落下するので、内側プロテクタ120のガス検出室129内に水分が侵入することが回避される。
従って、水抜き効果を向上させるには、先端角部120cをテーパ壁117内面と離間させるのが好ましい。
なお、第2の実施形態においては、複数(2個)の底壁開口260が開口しているので、底壁開口260の合計開口面積が大きくなり、その結果、内側プロテクタ120からの排気ガスの排出性や水滴の排水性をより高めることができる。
図11に示すように、底壁開口260と外側ガス排出孔170とが少なくとも一部(図11のハッチング領域)で重なっている。これにより、軸線O方向に垂直な方向において、底壁開口260と外側ガス排出孔170とが近接することで、内側プロテクタ120から外部に軸線O方向に沿って被測定ガスを通過させることができ、ガスセンサ2の応答性がさらに向上する。
また、上記各実施形態では、内側プロテクタの側壁の同一母線上に水抜き孔および内側ガス導入孔が設けられ、さらにその母線と径方向に同一となる外側プロテクタの母線上に外側ガス導入孔が形成されているが、各孔がそれぞれ異なる母線上に形成されていてもよいし、いずれかの孔が異なる母線上に形成されていてもよい。また、外側ガス導入孔、水抜き孔および内側ガス導入孔の形成数はそれぞれ4個、6個に限られるものではなく、その大きさや形状も任意に設定されてもよい。
又、ガスセンサとしては、酸素センサ、NOxセンサ、HCセンサ、温度センサ等に本発明を同様に適用することができる。
10 ガスセンサ素子
11 検出部
50 主体金具
100、200 プロテクタ
110 外側プロテクタ
112 外側プロテクタの側壁
115 外側ガス導入孔
117 テーパ壁
117s テーパ壁の先端縁
118 外側底壁
119 間隙
120 内側プロテクタ
122 内側プロテクタの側壁
122D 内側プロテクタの段部
124 内側プロテクタの底壁
127,227 カバー部
129 ガス検出室(内側プロテクタの内部空間)
130 内側ガス導入孔
150 水抜き孔
160,260 底壁開口
162,262 側部開口
170 外側ガス排出孔
O 軸線
SL テーパ壁の先端縁で形成される面積
S 外側ガス排出孔の開口面積
R 領域
Claims (7)
- 軸線方向に延び、先端側に被測定ガスを検出するための検出部を有するガスセンサ素子と、
該検出部を自身の先端から突出させて、前記検出素子を保持する筒状の主体金具と、
該主体金具の先端側に固定すると共に、前記検出部の周囲を取り囲むプロテクタと、
を備えるガスセンサにおいて、
前記プロテクタは、
ガスセンサ素子を自身の内部空間に収容する内側プロテクタであって、該内部空間に被測定ガスを導入するための内側ガス導入孔を有する筒状の側壁と、該側壁の先端側に設けられた底壁とを有する内側プロテクタと、
該内側プロテクタの側壁との間に間隙を有しつつ、前記内側プロテクタを収容する外側プロテクタであって、前記内側ガス導入孔よりも前記軸線方向先端側に設けられ、該間隙に被測定ガスを導入するための外側ガス導入孔を有する筒状の側壁を有する外側プロテクタと、
を備え、
前記外側プロテクタは、前記側壁の先端側に設けられて前記軸線方向先端側に向かって窄む錐台状のテーパ壁と、該テーパ壁の先端縁内に形成されて前記外側プロテクタ内外を連通する外側ガス排出孔とを備え、
該テーパ壁の先端縁で形成される面積をSLとしたときに、前記外側ガス排出孔の開口面積Sが1/2×SL≦S≦SLとなり、
前記内側プロテクタの底壁には底壁開口が設けられており、前記内側プロテクタは、該底壁開口の軸線方向後端側を覆いつつ、前記内側プロテクタの前記底壁より後端側に凹むカバー部を備え、前記カバー部と前記底壁とは一部が前記軸線方向に離間して側部開口を形成してなるガスセンサ。 - 前記軸線方向に沿って視認したときに、前記底壁開口と前記外側ガス排出孔とが重なる請求項1記載のガスセンサ。
- 前記内側プロテクタの側壁には水抜き孔が設けられ、前記軸線方向において前記水抜き孔は前記外側ガス導入孔と重ならず、かつ前記側部開口と重なる請求項1又は2に記載のガスセンサ。
- 前記外側ガス排出孔の最小幅は、前記側部開口の最大軸線方向長さよりも大きい請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
- 前記外側排出孔の最小幅は2mm以上である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガスセンサ。
- 前記側部開口の最大軸線方向長さは1.6mm以上である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガスセンサ。
- 前記内側プロテクタの側壁には、先端側から後端側に向かうにつれて径方向外側に広がりつつ先端向き面を有する段部が形成され、前記軸線方向において該段部は前記外側ガス導入孔と前記内側ガス導入孔との間の領域に位置する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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