JP7024696B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
第1大気カバー(46A)と、
前記第1大気カバーの外周に重なって前記第1大気カバーに加締められ、前記センサ素子に大気を導入する通気口(461)が形成された第2大気カバー(46B)と、を備え、
前記第1大気カバーと前記第2大気カバーとの間であって、前記通気口と前記大気導入部との間の大気経路(460)には、前記通気口を覆う状態で、二層大気フィルタ(5)が挟持されており、
前記二層大気フィルタは、大気中の水を撥水又は捕獲する機能を有するシート状の第1フィルタ部(51)と、大気中の被毒物質を吸着又は捕獲する機能を有するシート状の第2フィルタ部(52)とが一体的に積層されて形成されている、ガスセンサ(1)にある。
本発明の他の態様は、検出対象ガス(G)に晒される検知部(21)及び大気(A)が導入される大気導入部(361)を有するセンサ素子(2)と、
第1大気カバー(46A)と、
前記第1大気カバーの外周に重なって前記第1大気カバーに加締められ、前記センサ素子に大気を導入する通気口(461)が形成された第2大気カバー(46B)と、を備え、
前記第1大気カバーと前記第2大気カバーとの間であって、前記通気口と前記大気導入部との間の大気経路(460)には、前記通気口を覆う状態で、二層大気フィルタ(5)が挟持されており、
前記二層大気フィルタは、
大気中の水を撥水又は捕獲する機能を有するシート状の第1フィルタ部(51)と、
前記第1フィルタ部内に分散して配置され、大気中の被毒物質を吸着又は捕獲する機能を有するシート状の第2フィルタ部(52)と、によって形成されている、ガスセンサ(1)にある。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、図1及び図2に示すように、検出対象ガスGに晒される検知部21及び大気Aが導入される大気導入部361を有するセンサ素子2と、センサ素子2に導入される大気Aが通気口461を介して取り込まれる大気カバー46とを備える。大気カバー46内における、通気口461と大気導入部361との間の大気経路460には、大気A中の水を撥水する機能を有する第1フィルタ部51と、大気A中の被毒物質を吸着する機能を有する第2フィルタ部52とが設けられている。本形態の第1フィルタ部51と第2フィルタ部52とは、互いに積層されて、一体型の二層大気フィルタ5として形成されている。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管7の取付口71に配置され、排気管7を流れる排ガスを検出対象ガスGとして、検出対象ガスGにおける酸素濃度等を検出するために用いられる。ガスセンサ1は、排ガスにおける酸素濃度、未燃ガス濃度等に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサ(A/Fセンサ)として用いることができる。また、ガスセンサ1は、空燃比センサ以外にも、酸素濃度を求める種々の用途として用いることができる。
ガスセンサ1は、空燃比センサとする以外にも、検出対象ガスGの組成から求められるエンジンの空燃比が、理論空燃比に対して燃料リッチ側にあるのか燃料リーン側にあるのかをON-OFFで判別する酸素センサとしてもよい。酸素センサにおいては、大気Aと検出対象ガスGとの酸素濃度の差によって、大気電極312と検出電極311との間に生じる起電力が検出され、この起電力が所定の閾値を超えているか否かのセンサ出力が出力される。ガスセンサ1を酸素センサとして用いる場合には、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52を用いることにより、酸素濃度の検出性能の低下を抑制することができる。
図3~図5に示すように、本形態のセンサ素子2は、長尺の長方形状に形成されており、固体電解質体31、一対の電極としての検出電極311及び大気電極312、第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、ガス室35、大気ダクト36及び発熱体34を備える。センサ素子2は、固体電解質体31に、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された積層タイプのものである。
図3及び図4に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。検出電極311は、固体電解質体31における、検出対象ガスGが接触する第1主面301に設けられており、大気電極312は、固体電解質体31における、大気Aが接触する第2主面302に設けられている。検出電極311と大気電極312とは、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位において、固体電解質体31を介して互いに対向している。センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位には、検出電極311及び大気電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによる検知部21が形成されている。第1絶縁体33Aは、固体電解質体31の第1主面301に積層されており、第2絶縁体33Bは、固体電解質体31の第2主面302に積層されている。
図3及び図4に示すように、固体電解質体31の第1主面301には、第1絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aにおける、検出電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。排気管7内を流れる排ガスである検出対象ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
本形態の拡散抵抗部32は、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して形成されている。拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおいて、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して開口された導入口内に配置されている。拡散抵抗部32は、アルミナ等の多孔質の金属酸化物によって形成されている。ガス室35に導入される検出対象ガスGの拡散速度(流量)は、検出対象ガスGが拡散抵抗部32における気孔を透過する速度が制限されることによって決定される。
図3~図5に示すように、固体電解質体31の第2主面302には、第2絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれた大気ダクト36が隣接して形成されている。大気ダクト36は、第2絶縁体33Bにおける、大気電極312を収容する位置からセンサ素子2の後端位置まで形成されている。センサ素子2の長尺方向Lの後端位置には、大気ダクト36の大気導入部361としての後端開口部が形成されている。大気ダクト36は、後端開口部から固体電解質体31を介してガス室35と対向する位置まで形成されている。大気ダクト36には、後端開口部から大気Aが導入される。
図3~図5に示すように、発熱体34は、大気ダクト36を形成する第2絶縁体33B内に埋設されており、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341に繋がる発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が検出電極311及び大気電極312に重なる位置に配置されている。
図3及び図4に示すように、第1絶縁体33Aは、ガス室35を形成するものであり、第2絶縁体33Bは、大気ダクト36を形成するとともに発熱体34を埋設するものである。第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bは、アルミナ(酸化アルミニウム)等の金属酸化物によって形成されている。各絶縁体33A,33Bは、検出対象ガスG又は大気Aが透過することができない緻密体として形成されており、各絶縁体33A,33Bには、気体が通過することができる気孔がほとんど形成されていない。
図1に示すように、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位の全周には、検出電極311に対する被毒物質、排気管7内に生じる凝縮水等を捕獲するための多孔質層37が設けられている。多孔質層37は、アルミナ等の多孔質のセラミックス(金属酸化物)によって形成されている。多孔質層37の気孔率は、拡散抵抗部32の気孔率よりも大きく、多孔質層37を透過することができる検出対象ガスGの流量は、拡散抵抗部32を透過することができる検出対象ガスGの流量よりも多い。
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子2の他に、センサ素子2を保持する第1インシュレータ42、第1インシュレータ42を保持するハウジング41、第1インシュレータ42に連結された第2インシュレータ43、第2インシュレータ43に保持されてセンサ素子2に接触する接点端子44を備える。また、ガスセンサ1は、ハウジング41の先端側L1の部分に装着されてセンサ素子2の先端側部分を覆う素子カバー45、ハウジング41の後端側L2の部分に装着されて第2インシュレータ43、接点端子44等を覆う大気カバー46、接点端子44に繋がるリード線48を大気カバー46に保持するためのブッシュ47等を備える。
図1及び図2に示すように、大気カバー46は、内燃機関の排気管7の外部に配置される。本形態のガスセンサ1は、車載用のものであり、排気管7が配置された車両ボディは、内燃機関(エンジン)が配置されたエンジンルームに繋がっている。そして、大気カバー46の周辺には、エンジンルームにおける種々のゴム、樹脂、潤滑剤等から発生したガスが、大気Aに混合されて流れる。
本形態のガスセンサ1においては、大気カバー46における、大気経路460の入口となる通気口461を覆う状態で、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52による二層大気フィルタ5が配置されている。二層大気フィルタ5は、大気A中の水を撥水する機能を有する第1フィルタ部51と、大気A中の被毒物質を吸着する機能を有する第2フィルタ部52とによって構成されている。
本形態は、主にセンサ素子2の形状が実施形態1の場合と異なるガスセンサ1について示す。本形態のセンサ素子2は、図6に示すように、コップ状の固体電解質体31と、固体電解質体31の外周面に設けられた、検出対象ガスGに晒される検出電極311と、固体電解質体31の内周面に設けられた、大気Aに晒される大気電極312と、大気電極312を収容する状態で固体電解質体31の内周側に形成された大気ダクト36とを有する。コップ状の固体電解質体31は、円筒部315と円筒部315の先端部を閉塞する閉塞部316とを有する。検出電極311は、円筒部315の外周面に設けられており、大気電極312は、円筒部315の内周面及び閉塞部316の内側面に連続して設けられている。
本形態においては、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52について、実施形態1の場合と異なる構成を示す。図8に示すように、第1フィルタ部51と第2フィルタ部52とは、互いに分離されて大気カバー46内に配置されていてもよい。この場合には、第1フィルタ部51を、第1大気カバー46Aの通気口461を覆う位置に配置し、第2フィルタ部52を、大気経路460の一部としての第2大気カバー46B内に配置することができる。また、第2フィルタ部52は、例えば、センサ素子2の大気ダクト36の大気導入部361としての後端開口部を覆う位置に配置することができる。
本形態は、図12及び図13に示すように、センサ素子2が大気ダクト36を有しておらず、大気導入部361が、センサ素子2における固体電解質体31B、絶縁体33E等の隙間となるガスセンサ1について示す。本形態の固体電解質体31A,31Bは、長尺板形状の第1固体電解質体31Aと、長尺板形状の第2固体電解質体31Bとによって構成されている。ガス室35は、第1固体電解質体31Aと第2固体電解質体31Bとの間に形成されている。
2 センサ素子
21 検知部
36 大気ダクト
361 大気導入部
46 大気カバー
460 大気経路
461 通気口
51 第1フィルタ部
52 第2フィルタ部
Claims (6)
- 検出対象ガス(G)に晒される検知部(21)及び大気(A)が導入される大気導入部(361)を有するセンサ素子(2)と、
第1大気カバー(46A)と、
前記第1大気カバーの外周に重なって前記第1大気カバーに加締められ、前記センサ素子に大気を導入する通気口(461)が形成された第2大気カバー(46B)と、を備え、
前記第1大気カバーと前記第2大気カバーとの間であって、前記通気口と前記大気導入部との間の大気経路(460)には、前記通気口を覆う状態で、二層大気フィルタ(5)が挟持されており、
前記二層大気フィルタは、大気中の水を撥水又は捕獲する機能を有するシート状の第1フィルタ部(51)と、大気中の被毒物質を吸着又は捕獲する機能を有するシート状の第2フィルタ部(52)とが一体的に積層されて形成されている、ガスセンサ(1)。 - 前記第1フィルタ部と前記第2フィルタ部とは、交互に複数回積層されている、請求項1に記載のガスセンサ。
- 検出対象ガス(G)に晒される検知部(21)及び大気(A)が導入される大気導入部(361)を有するセンサ素子(2)と、
第1大気カバー(46A)と、
前記第1大気カバーの外周に重なって前記第1大気カバーに加締められ、前記センサ素子に大気を導入する通気口(461)が形成された第2大気カバー(46B)と、を備え、
前記第1大気カバーと前記第2大気カバーとの間であって、前記通気口と前記大気導入部との間の大気経路(460)には、前記通気口を覆う状態で、二層大気フィルタ(5)が挟持されており、
前記二層大気フィルタは、
大気中の水を撥水又は捕獲する機能を有するシート状の第1フィルタ部(51)と、
前記第1フィルタ部内に分散して配置され、大気中の被毒物質を吸着又は捕獲する機能を有するシート状の第2フィルタ部(52)と、によって形成されている、ガスセンサ(1)。 - 前記第2フィルタ部の単位質量当たりの表面積である比表面積は、前記第1フィルタ部の前記比表面積よりも大きい、請求項1~3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記第1フィルタ部の前記比表面積は、1~20m2/gであり、
前記第2フィルタ部の前記比表面積は、10~2500m2/gである、請求項4に記載のガスセンサ。 - 前記第1フィルタ部は、前記第2フィルタ部に対して、前記大気経路における大気の流れの上流側に配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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