JP2020085733A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ素子の、大気に晒される電極を、水及び被毒物質から保護することができるガスセンサを提供する。【解決手段】ガスセンサ1は、検出対象ガスGに晒される検知部21及び大気Aが導入される大気導入部361を有するセンサ素子2と、センサ素子2に導入される大気Aが通気口461を介して取り込まれる大気カバー46とを備える。大気カバー46内における、通気口461と大気導入部361との間の大気経路460には、大気A中の水を撥水する機能を有する第1フィルタ部と、大気A中の被毒物質を吸着する機能を有する第2フィルタ部とによる二層大気フィルタ5が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、大気が内部に導入されるよう構成されたガスセンサに関する。
ガスセンサは、例えば、車両に搭載された内燃機関(エンジン)から排気される排ガスを検出対象ガスとして、検出対象ガスに含まれる酸素、NOx(窒素酸化物)等の検出、又は排ガスの空燃比の検出などに用いられる。また、ガスセンサにおいては、センサ素子を構成する固体電解質体に設けられた電極に、検出対象ガスを参照する基準となる大気が取り込まれる。
ガスセンサは、内燃機関の排気管等に取り付けられており、排気管等の周辺に存在する大気中には、車両のエンジンルーム等から発生する種々の物質が含まれることがある。この大気中の物質としては、例えば、ゴム、ホース、コーキング、シーリング、オイル、防錆剤、潤滑剤等から発生したSi(シリコン)、S(硫黄)等がある。
そして、Si等の物質が大気中に混ざって、ガスセンサ内に取り込まれたときには、この物質は、大気に晒される電極を劣化させる被毒物質となるおそれがある。電極が被毒物質によって劣化したときには、センサ素子の性能が十分に発揮されず、ガスセンサの検出精度、応答性等を低下させるおそれがある。
従来のガスセンサにおいては、ガスセンサ内に大気を導入する大気カバーの導入口に、大気を通過させる一方、水を通過させないフィルタが設けられている。また、特許文献1においては、常温常湿環境下において被毒ガスを吸着する第1フィルタ部と、高温高湿環境下において被毒ガスを吸着する第2フィルタ部とを有するガスセンサ用フィルタについて開示されている。
特開2015−135270号公報
従来のガスセンサの大気カバーにおいて用いられるフィルタは、被毒物質(被毒ガス)を透過させない性質は有していない。つまり、従来のガスセンサにおいては、大気中に含まれる被毒物質から、大気に晒される電極を保護する工夫はなされていない。
一方、特許文献1に記載されたガスセンサ用フィルタは、排ガス等の検出対象ガスが通過する経路に設けられる。つまり、このガスセンサ用フィルタは、検出対象ガスに晒される電極を、検出対象ガスに含まれる被毒物質から保護するものである。
そのため、大気に晒される電極を、水及び被毒物質から保護するためには、更なる工夫が必要とされる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、センサ素子の、大気に晒される電極を、水及び被毒物質から保護することができるガスセンサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、検出対象ガス(G)に晒される検知部(21)及び大気(A)が導入される大気導入部(361)を有するセンサ素子(2)と、
前記センサ素子に導入される大気が通気口(461)を介して取り込まれる大気カバー(46)と、を備え、
前記大気カバー内における、前記通気口と前記大気導入部との間の大気経路(460)には、大気中の水を撥水又は捕獲する機能を有する第1フィルタ部(51)と、大気中の被毒物質を吸着又は捕獲する機能を有する第2フィルタ部(52)とが、積層、分離又は混合して設けられている、ガスセンサ(1)にある。
前記一態様のガスセンサにおいては、大気カバー内における、通気口と大気導入部との間の大気経路に、2種類のフィルタ部が設けられている。この2種類のフィルタ部は、大気中の水を撥水又は捕獲する機能を有する第1フィルタ部と、大気中の被毒物質を吸着又は捕獲する機能を有する第2フィルタ部とによって構成されている。
そして、ガスセンサの周辺の大気に水が含まれる場合であっても、この水を第1フィルタ部によって撥水又は捕獲することができる。これにより、水がセンサ素子の大気導入部まで進入することを防止することができ、センサ素子の、大気に晒される電極を被水から保護することができる。
また、ガスセンサの周辺の大気に、センサ素子の電極(触媒)を被毒させるおそれがある、Si(ケイ素)、S(硫黄)、Si又はSの化合物等の被毒物質が含まれる場合であっても、この被毒物質を第2フィルタ部によって吸着又は捕獲することができる。これにより、被毒物質がセンサ素子の大気導入部まで進入することを防止することができ、センサ素子の、大気に晒される電極が被毒されることを防止することができる。
なお、第1フィルタ部及び第2フィルタ部は、いずれも酸素、窒素等の気体を透過させる性質を有する。Siがシリコーン(ケイ素含有樹脂)等を構成する場合には、これが気体である被毒物質として存在することもある。この場合には、第2フィルタ部は、大気中における被毒物質となり得る気体も吸着又は捕獲する機能を有することが好ましい。
また、第1フィルタ部及び第2フィルタ部は、互いに密着して積層された積層状態、互いに離れて配置された分離状態、又はいずれか一方が他方の内部に配置された、もしくは両方が混在する混合状態としての種々の形態を有することができる。
第1フィルタ部及び第2フィルタ部は、いずれが通気口に近い位置に配置されていてもよい。換言すれば、大気は、第1フィルタ部を通過した後に第2フィルタ部を通過することができ、第2フィルタ部を通過した後に第1フィルタ部を通過することもできる。ただし、被毒物質の大きさに比べて水滴等の大きさの方が大きく、第1フィルタ部を通過した後に第2フィルタ部を大気が通過するようにした方がよい。
以上のように、前記一態様のガスセンサによれば、センサ素子の、大気に晒される電極を、水及び被毒物質から保護することができる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
実施形態1にかかる、ガスセンサの断面を示す説明図。 実施形態1にかかる、ガスセンサの一部の断面を拡大して示す説明図。 実施形態1にかかる、センサ素子の断面を示す説明図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図3のIV−IV断面図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図3のV−V断面図。 実施形態2にかかる、ガスセンサの断面を示す説明図。 実施形態2にかかる、ガスセンサの断面の一部を拡大して示す説明図。 実施形態3にかかる、ガスセンサの一部の断面を拡大して示す説明図。 実施形態3にかかる、他のガスセンサの一部の断面を拡大して示す説明図。 実施形態3にかかる、第1フィルタ部及び第2フィルタ部の断面を示す説明図。 実施形態3にかかる、他の第1フィルタ部及び第2フィルタ部の断面を示す説明図。 実施形態4にかかる、センサ素子の断面を示す説明図。 実施形態4にかかる、センサ素子を示す、図12のXIII−XIII断面図。
前述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、図1及び図2に示すように、検出対象ガスGに晒される検知部21及び大気Aが導入される大気導入部361を有するセンサ素子2と、センサ素子2に導入される大気Aが通気口461を介して取り込まれる大気カバー46とを備える。大気カバー46内における、通気口461と大気導入部361との間の大気経路460には、大気A中の水を撥水する機能を有する第1フィルタ部51と、大気A中の被毒物質を吸着する機能を有する第2フィルタ部52とが設けられている。本形態の第1フィルタ部51と第2フィルタ部52とは、互いに積層されて、一体型の二層大気フィルタ5として形成されている。
本形態のセンサ素子2は、図3〜図5に示すように、板状の固体電解質体31と、固体電解質体31の第1主面301に設けられた、検出対象ガスGに晒される検出電極311と、固体電解質体31の第2主面302に設けられた、大気Aに晒される大気電極312と、検出電極311を収容する状態で固体電解質体31の第1主面301に隣接して形成された、拡散抵抗部32を介して検出対象ガスGが導入されるガス室35と、大気電極312を収容する状態で固体電解質体31の第2主面302に隣接して形成された大気ダクト36とを有する。大気導入部361は、大気ダクト36の後端開口部によって構成されている。
以下に、本形態のガスセンサ1について詳説する。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管7の取付口71に配置され、排気管7を流れる排ガスを検出対象ガスGとして、検出対象ガスGにおける酸素濃度等を検出するために用いられる。ガスセンサ1は、排ガスにおける酸素濃度、未燃ガス濃度等に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサ(A/Fセンサ)として用いることができる。また、ガスセンサ1は、空燃比センサ以外にも、酸素濃度を求める種々の用途として用いることができる。
排気管7には、排ガス中の有害物質を浄化するための触媒が配置されており、ガスセンサ1は、排気管7における排ガスの流れ方向において、触媒の上流側又は下流側のいずれに配置することもできる。また、ガスセンサ1は、排ガスを利用して内燃機関が吸入する空気の密度を高める過給機の吸入側の配管に配置することもできる。また、ガスセンサ1を配置する配管は、内燃機関から排気管7に排気される排ガスの一部を、内燃機関の吸気管に再循環させる排気再循環機構における配管とすることもできる。
空燃比センサは、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が多い燃料リッチの状態から、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が少ない燃料リーンの状態まで定量的に連続して空燃比を検出することができるものである。空燃比センサにおいては、拡散抵抗部(拡散律速部)32によって、ガス室35へ導かれる検出対象ガスGの拡散速度が絞られる際に、検出電極311と大気電極312との間に、酸素イオン(O2-)の移動量に応じた電流が出力される限界電流特性を示すための所定の電圧が印加される。
空燃比センサにおいて、燃料リーン側の空燃比を検出する際には、検出対象ガスGに含まれる酸素が、イオンとなって検出電極311から固体電解質体31を介して大気電極312へ移動する際に生じる電流を検出する。また、空燃比センサにおいて、燃料リッチ側の空燃比を検出する際には、検出対象ガスGに含まれる未燃ガス(炭化水素、一酸化炭素、水素等)を反応させるために、大気電極312から固体電解質体31を介して検出電極311へイオンとなった酸素が移動し、未燃ガスと酸素とが反応する際に生じる電流を検出する。
空燃比センサにおいて検出する空燃比が、例えば、A/F10(空気質量/燃料質量が10である場合)以下等の、より燃料リッチ側の空燃比になるときには、大量の未燃ガスを燃焼させるために、大気電極312から固体電解質体31を介して検出電極311へ、十分な量の酸素を移動させることが必要になる。この場合に、大気電極312に被毒物質が付着すること又は大気電極312が水によって酸化することによって、大気電極312が劣化した状態にあると、大気電極312における酸素分子を分解しイオン化する触媒性能が低下し、大気電極312から固体電解質体31を介して検出電極311へ十分な酸素イオンを送り込むことが難しくなる。これにより、大気電極312の活性低下によって、燃料リッチ側の空燃比の検出性能が低下する。
また、大気カバー46の通気口461から大気カバー46内に気体状の被毒物質が侵入すると、被毒物質が侵入した分、センサ素子2の大気導入部361に導入される大気Aの酸素分圧が低下することになる。また、被毒物質は、大気カバー46内において気体状の酸化物となって、大気導入部361に導入される大気Aの酸素分圧を低下させることも想定される。大気カバー46内の酸素分圧の低下が生じると、大気電極312へ十分な酸素を供給できなくなるおそれがある。そのため、大気カバー46内における気体状の被毒物質又は気体状の被毒物質の酸化物の存在によって、燃料リッチ側の空燃比の検出性能が低下する。
一方、本形態のガスセンサ1においては、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52によって、大気カバー46内、特に大気導入部361への被毒物質及び水の侵入が防止される。これにより、大気電極312に、被毒物質の付着又は水による酸化がほとんど発生せず、大気電極312における触媒性能が低下しにくくすることができる。また、第2フィルタ部52により、大気カバー46内、特に大気導入部361における酸素分圧の低下が生じにくくすることができる。そのため、燃料リッチ側の空燃比の検出性能の低下を抑制することができる。
(他のガスセンサ1)
ガスセンサ1は、空燃比センサとする以外にも、検出対象ガスGの組成から求められるエンジンの空燃比が、理論空燃比に対して燃料リッチ側にあるのか燃料リーン側にあるのかをON−OFFで判別する酸素センサとしてもよい。酸素センサにおいては、大気Aと検出対象ガスGとの酸素濃度の差によって、大気電極312と検出電極311との間に生じる起電力が検出され、この起電力が所定の閾値を超えているか否かのセンサ出力が出力される。ガスセンサ1を酸素センサとして用いる場合には、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52を用いることにより、酸素濃度の検出性能の低下を抑制することができる。
また、ガスセンサ1は、NOx(窒素酸化物)等の特定ガス成分の濃度を検出するセンサとしてもよい。NOxセンサにおいては、検出電極311に接触する検出対象ガスGの流れの上流側に、電圧の印加によって検出電極311から大気電極312へ酸素をポンピングするポンプ電極が配置される。大気電極312はポンプ電極に対して固体電解質体31を介して対向する位置にも形成される。ガスセンサ1をNOxセンサとして用いる場合には、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52を用いることにより、NOx濃度の検出性能の低下を抑制することができる。
(センサ素子2)
図3〜図5に示すように、本形態のセンサ素子2は、長尺の長方形状に形成されており、固体電解質体31、一対の電極としての検出電極311及び大気電極312、第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、ガス室35、大気ダクト36及び発熱体34を備える。センサ素子2は、固体電解質体31に、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された積層タイプのものである。
本形態において、センサ素子2の長尺方向Lとは、センサ素子2が長尺形状に延びる方向のことをいう。また、長尺方向Lに直交し、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとが積層された方向、換言すれば、固体電解質体31、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された方向を、積層方向Dという。また、長尺方向Lと積層方向Dとに直交する方向を、幅方向Wという。また、センサ素子2の長尺方向Lにおいて、検知部21が形成された側を先端側L1といい、先端側L1の反対側を後端側L2という。
(固体電解質体31、検出電極311及び大気電極312)
図3及び図4に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。検出電極311は、固体電解質体31における、検出対象ガスGが接触する第1主面301に設けられており、大気電極312は、固体電解質体31における、大気Aが接触する第2主面302に設けられている。検出電極311と大気電極312とは、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位において、固体電解質体31を介して互いに対向している。センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位には、検出電極311及び大気電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによる検知部21が形成されている。第1絶縁体33Aは、固体電解質体31の第1主面301に積層されており、第2絶縁体33Bは、固体電解質体31の第2主面302に積層されている。
固体電解質体31は、ジルコニア系酸化物からなり、ジルコニアを主成分とし(50質量%以上含有し)、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる。固体電解質体31を構成するジルコニアの一部は、イットリア、スカンジア又はカルシアによって置換することができる。
検出電極311及び大気電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのジルコニア系酸化物を含有している。共材は、固体電解質体31にペースト状の電極材料を印刷(塗布)して両者を焼結する際に、電極材料によって形成される検出電極311及び大気電極312と固体電解質体31との結合強度を維持するためのものである。
図3に示すように、検出電極311及び大気電極312には、これらの電極311,312をガスセンサ1の外部と電気接続するための電極リード部313が接続されており、この電極リード部313は、長尺方向Lの後端側L2の部位まで引き出されている。
(ガス室35)
図3及び図4に示すように、固体電解質体31の第1主面301には、第1絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aにおける、検出電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。排気管7内を流れる排ガスである検出対象ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
(拡散抵抗部32)
本形態の拡散抵抗部32は、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して形成されている。拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおいて、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して開口された導入口内に配置されている。拡散抵抗部32は、アルミナ等の多孔質の金属酸化物によって形成されている。ガス室35に導入される検出対象ガスGの拡散速度(流量)は、検出対象ガスGが拡散抵抗部32における気孔を透過する速度が制限されることによって決定される。
拡散抵抗部32は、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して形成してもよい。この場合には、拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおいて、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して開口された導入口内に配置される。なお、拡散抵抗部32は、多孔質体を用いて形成する以外にも、ガス室35に連通された小さな貫通穴であるピンホールを用いて形成することもできる。
(大気ダクト36)
図3〜図5に示すように、固体電解質体31の第2主面302には、第2絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれた大気ダクト36が隣接して形成されている。大気ダクト36は、第2絶縁体33Bにおける、大気電極312を収容する位置からセンサ素子2の後端位置まで形成されている。センサ素子2の長尺方向Lの後端位置には、大気ダクト36の大気導入部361としての後端開口部が形成されている。大気ダクト36は、後端開口部から固体電解質体31を介してガス室35と対向する位置まで形成されている。大気ダクト36には、後端開口部から大気Aが導入される。
大気ダクト36における、長尺方向Lに直交する断面の断面積は、ガス室35における、長尺方向Lに直交する断面の断面積よりも大きい。また、大気ダクト36の積層方向Dの厚み(幅)は、ガス室35の積層方向Dの厚み(幅)よりも大きい。大気ダクト36の断面積、厚み、体積等が、ガス室35の断面積、厚み、体積等よりも大きいことにより、検出電極311における未燃ガスを反応させるための、大気A中の酸素を、大気ダクト36から検出電極311へ十分に供給することができる。
(発熱体34)
図3〜図5に示すように、発熱体34は、大気ダクト36を形成する第2絶縁体33B内に埋設されており、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341に繋がる発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が検出電極311及び大気電極312に重なる位置に配置されている。
また、発熱体34は、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、長尺方向Lの後端側L1に繋がる一対の発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、直線部分及び曲線部分によって蛇行する線状の導体部によって形成されている。本形態の発熱部341の直線部分は、長尺方向Lに平行に形成されている。発熱体リード部342は、直線状の導体部によって形成されている。発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも大きい。発熱体リード部342は、長尺方向Lの後端側L2の部位まで引き出されている。発熱体34は、導電性を有する金属材料を含有している。
本形態の発熱部341は、発熱体34における長尺方向Lの先端側L1の位置において、長尺方向Lに蛇行する形状に形成されている。なお、発熱部341は、幅方向Wに蛇行して形成されていてもよい。発熱部341は、長尺方向Lに直交する積層方向Dにおいて、検出電極311及び大気電極312に対向する位置に配置されている。発熱体リード部342からの通電によって発熱部341が発熱することにより、検出電極311、大気電極312、及び固体電解質体31における、各電極311,312の間に挟まれた部分が目標とする温度に加熱される。
発熱部341の断面積は、発熱体リード部342の断面積よりも小さく、発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも高い。この断面積とは、発熱部341及び発熱体リード部342が延びる方向に直交する面の断面積のことをいう。そして、一対の発熱体リード部342に電圧が印加されると、発熱部341がジュール熱によって発熱し、この発熱によって、検知部21の周辺が加熱される。
(絶縁体33A,33B)
図3及び図4に示すように、第1絶縁体33Aは、ガス室35を形成するものであり、第2絶縁体33Bは、大気ダクト36を形成するとともに発熱体34を埋設するものである。第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bは、アルミナ(酸化アルミニウム)等の金属酸化物によって形成されている。各絶縁体33A,33Bは、検出対象ガスG又は大気Aが透過することができない緻密体として形成されており、各絶縁体33A,33Bには、気体が通過することができる気孔がほとんど形成されていない。
(多孔質層37)
図1に示すように、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位の全周には、検出電極311に対する被毒物質、排気管7内に生じる凝縮水等を捕獲するための多孔質層37が設けられている。多孔質層37は、アルミナ等の多孔質のセラミックス(金属酸化物)によって形成されている。多孔質層37の気孔率は、拡散抵抗部32の気孔率よりも大きく、多孔質層37を透過することができる検出対象ガスGの流量は、拡散抵抗部32を透過することができる検出対象ガスGの流量よりも多い。
(ガスセンサ1の他の構成)
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子2の他に、センサ素子2を保持する第1インシュレータ42、第1インシュレータ42を保持するハウジング41、第1インシュレータ42に連結された第2インシュレータ43、第2インシュレータ43に保持されてセンサ素子2に接触する接点端子44を備える。また、ガスセンサ1は、ハウジング41の先端側L1の部分に装着されてセンサ素子2の先端側部分を覆う素子カバー45、ハウジング41の後端側L2の部分に装着されて第2インシュレータ43、接点端子44等を覆う大気カバー46、接点端子44に繋がるリード線48を大気カバー46に保持するためのブッシュ47等を備える。
センサ素子2の先端側部分及び素子カバー45は、内燃機関の排気管7内に配置される。素子カバー45には、検出対象ガスGとしての排ガスを通過させるためのガス通過孔451が形成されている。素子カバー45は、二重構造のものとすることができ、一重構造のものとすることもできる。素子カバー45のガス通過孔451から素子カバー45内に流入する検出対象ガスGとしての排ガスは、センサ素子2の多孔質層37及び拡散抵抗部32を通過して検出電極311へと導かれる。
接点端子44は、検出電極311及び大気電極312の各電極リード部313、発熱体34の発熱体リード部342のそれぞれに接続されるよう、第2インシュレータ43に複数配置されている。また、リード線48は、接点端子44のそれぞれに接続されている。
ガスセンサ1におけるリード線48は、ガスセンサ1におけるガス検出の制御を行うセンサ制御装置6に電気接続される。センサ制御装置6は、エンジンにおける燃焼運転を制御するエンジン制御装置と連携してガスセンサ1における電気制御を行うものである。センサ制御装置6には、検出電極311と大気電極312との間に流れる電流を測定する測定回路61、検出電極311と大気電極312との間に電圧を印加する印加回路62、発熱体34に通電を行うための通電回路等が形成されている。なお、センサ制御装置6は、エンジン制御装置内に構築してもよい。
(大気カバー46及び二層大気フィルタ5)
図1及び図2に示すように、大気カバー46は、内燃機関の排気管7の外部に配置される。本形態のガスセンサ1は、車載用のものであり、排気管7が配置された車両ボディは、内燃機関(エンジン)が配置されたエンジンルームに繋がっている。そして、大気カバー46の周辺には、エンジンルームにおける種々のゴム、樹脂、潤滑剤等から発生したガスが、大気Aに混合されて流れる。
エンジンルーム等において発生する被毒物質には、例えば、Si(ケイ素)、S(硫黄)等がある。Siは、SiO2(二酸化ケイ素)、シリケート(ケイ酸塩)等の形態で存在することもある。被毒物質とは、大気電極312に付着して、大気電極312の性能を劣化させる性質を有する物質のことをいう。また、排ガスには、検出電極311を被毒させるおそれがある物質が含まれることがある。この場合には、検出対象ガスGとしての排ガスに含まれる被毒物質は、例えば、センサ素子2の表面に設けられた多孔質層37によって捕獲される。
図2に示すように、本形態の大気カバー46は、ハウジング41に取り付けられた第1大気カバー46Aと、第1大気カバー46Aとの間に二層大気フィルタ5を挟持する第2大気カバー46Bとによって構成されている。第1大気カバー46A及び第2大気カバー46Bは、円筒状に形成されている。第2大気カバー46Bは、第1大気カバー46Aの外周に重なって第1大気カバー46Aに加締められている。大気カバー46内に大気Aを取り込むための通気口461は、第2大気カバー46Bの側面に、貫通する状態で形成されている。通気口461は、円筒状の第2大気カバー46Bの周方向の複数箇所に形成されている。
また、第1大気カバー46Aと第2大気カバー46Bの基端部との間には大気経路460が形成されている。本形態の二層大気フィルタ5は、第1大気カバー46Aと第2大気カバー46Bとの間に挟持されるとともに、第2大気カバー46Bとブッシュ47との間にも挟持されている。
二層大気フィルタ5は、シート状の第1フィルタ部51とシート状の第2フィルタ部52とが重なって一体化された、シート状フィルタとして形成されている。本形態の二層大気フィルタ5は、円筒状に丸められて第1大気カバー46Aと第2大気カバー46Bとの間に挟持されている。
二層大気フィルタ5は、第2大気カバー46Bの内周面(内側面)に、第2大気カバー46Bの内周側から通気口461を覆う状態で配置されている。センサ素子2における、大気ダクト36の大気導入部361としての後端開口部は、大気カバー46内の空間に開放されている。本形態の大気経路460は、大気カバー46内の空間の全体として形成されている。そして、第2大気カバー46Bにおける、通気口461の周囲の内周面に、二層大気フィルタ5が配置されることにより、大気経路460に流れる大気Aが必ず二層大気フィルタ5を通過する。
第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52は、シート状に形成する以外にも、種々の三次元形状に形成することができる。例えば、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52は、ブロック状に形成することもできる。また、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52は、第1大気カバー46Aと第2大気カバー46Bとの間の空間を充填する繊維状、粒子状等の形態を有していてもよい。
大気経路460は、大気カバー46内の一部として形成されていてもよい。また、大気経路460には、通気口461に対向する位置であれば、大気カバー46の外部も含むこととする。そして、二層大気フィルタ5は、大気カバー46の外側から通気口461に対向する位置に配置されていてもよい。また、二層大気フィルタ5は、大気経路460のいずれかの位置に配置されていればよい。ただし、二層大気フィルタ5を通気口461に近い位置に配置することにより、大気カバー46内への水及び被毒物質の侵入を効果的に防止することができる。
第1フィルタ部51は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂、ガラス繊維等によって構成することができる。第1フィルタ部51を樹脂によって形成する場合には、第1フィルタ部51には、空気が通過可能な多数の気孔が形成される。第1フィルタ部51を繊維によって形成する場合には、第1フィルタ部51には、空気が通過可能な隙間が形成される。また、第1フィルタ部51は、水を弾く撥水性を有し、大気A中に含まれる水滴は、第1フィルタ部51によって弾かれる。
第2フィルタ部52は、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、メソポーラスシリカ、イオン交換膜、カーボンナノチューブ等によって構成することができる。第2フィルタ部52には、空気が通過可能な多数の気孔が形成される。第2フィルタ部52における多数の気孔は、第2フィルタ部52が水滴よりも小さな被毒物質を吸着するために、第1フィルタ部51における多数の気孔よりも小さくすることができる。この第2フィルタ部52及び第1フィルタ部51における気孔の大きさは、平均値として表すことができる。そして、第2フィルタ部52における多数の気孔の大きさの平均値は、第1フィルタ部51における多数の気孔の大きさの平均値よりも小さくすることができる。
本形態の第1フィルタ部51は、第2フィルタ部52に対して、大気経路460における大気Aの流れの上流側に配置されている。そして、大気カバー46の外部から内部へは、第1フィルタ部51によって水が除かれるとともに第2フィルタ部52によって被毒物質が除かれた大気(空気)Aが取り込まれる。
第1フィルタ部51を、第2フィルタ部52に対して大気Aの流れの上流側に配置することにより、第2フィルタ部52に水が接触しないようにすることができる。これにより、大気カバー46内に取り込まれる大気Aにおける水及び被毒物質の除去を効果的に行うことができる。
被毒物質は、気体、液体、固体の各形態で大気A中に混在する場合が考えられる。そして、大気A中に混在する被毒物質の一部は、第1フィルタ部51に形成された気孔、隙間等によって捕獲されると考えられる。ただし、大気カバー46内に取り込まれる大気Aにおける被毒物質のほとんどを除去するためには、第2フィルタ部52が必要となる。そして、第2フィルタ部52による被毒物質の吸着性能又は捕獲性能が第1フィルタ部51による被毒物質の捕獲性能よりも高いためには、第2フィルタ部52の単位質量当たりの表面積である比表面積は、第1フィルタ部51の単位質量当たりの表面積である比表面積よりも大きいことが好ましい。
また、第2フィルタ部52の比表面積を第1フィルタ部51の比表面積よりも大きくするためには、第2フィルタ部52における多数の気孔の大きさを第1フィルタ部51における多数の気孔の大きさよりも小さくし、かつ第2フィルタ部52における気孔率を第1フィルタ部51における気孔率よりも大きくすることができる。気孔率は、第1フィルタ部51又は第2フィルタ部52における、単位体積当たりに占める気孔の体積の割合として表すことができる。
第1フィルタ部51の比表面積は、0.1〜50m2/gとすることができ、第2フィルタ部52の比表面積は、5〜4000m2/gとすることができる。第1フィルタ部51は、水を撥水する性質を有するために、比表面積が小さくてもよく、第2フィルタ部52は、被毒物質を吸着する性質を有するために、第1フィルタ部51よりも比表面積が大きいことが好ましい。第1フィルタ部51の比表面積は、1〜20m2/gとすることがより好ましく、第2フィルタ部52の比表面積は、10〜2500m2/gとすることがより好ましい。第1フィルタ部51の比表面積を0.1m2/g未満又は50m2/g超過にすることは製造上難しい。また、第2フィルタ部52の比表面積を5m2/g未満又は4000m2/g超過にすることは製造上難しい。
各フィルタ部51,52の比表面積は、例えば、BET吸着等温式法等のガス吸着法によって測定することができる。ガス吸着法においては、各フィルタ部51,52における隙間、気孔等の表面の全体に気体分子等が吸着される現象を利用し、この気体分子等の量を測定することによって比表面積を求めることができる。また、各フィルタ部51,52の比表面積は、透過法によって測定することもできる。透過法においては、各フィルタ部51,52における隙間、気孔等に流体を流し、流体の流れにくさに基づいて比表面積を求めることができる。
また、第2フィルタ部52の外部表面積は、第1フィルタ部51の外部表面積よりも大きい。外部表面積とは、各フィルタ部51,52の外表面として最も外側に現れた表面の表面積のことをいう。
第1フィルタ部51による撥水機能は、第1フィルタ部51の表面に吸着する水を粗大化させて、この水を第1フィルタ部51の表面に留め、この水が第1フィルタ部51内へ浸透することを防止する機能とすることができる。また、第1フィルタ部51による水の捕獲機能は、水を第1フィルタ部51内に捕獲することにより、この水が第1フィルタ部51を透過することを防止する機能とすることができる。
第1フィルタ部51は、大気A中の水を撥水する機能を有する代わりに、大気A中の水を捕獲する機能を有していてもよい。この場合には、大気A中の水は、第1フィルタ部51における気孔又は隙間に捕獲される。なお、第1フィルタ部51は、水の撥水機能及び捕獲機能の両方を有していてもよい。
第2フィルタ部52による被毒物質の吸着機能は、第2フィルタ部52における気孔、隙間等の表面に、被毒物質が原子レベル又は分子レベルで吸着するファンデルワールス力を利用した機能とすることができる。また、第2フィルタ部52による被毒物質の捕獲機能は、被毒物質を第2フィルタ部52内に捕獲することにより、この被毒物質が第2フィルタ部52を透過することを防止する機能とすることができる。
また、第2フィルタ部52が、大気A中の被毒物質を吸着する機能を有する場合には、第2フィルタ部52の気孔又は隙間を形成する表面に吸着される。また、第2フィルタ部52は、大気A中の被毒物質を吸着する機能を有する代わりに、大気A中の被毒物質を捕獲する機能を有していてもよい。この場合には、大気A中の被毒物質は、第2フィルタ部52における気孔又は隙間に捕獲される。なお、第2フィルタ部52は、被毒物質の吸着機能及び捕獲機能の両方を有していてもよい。
なお、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52は、いずれも酸素、窒素等の気体を透過させる性質を有する。Siがシリコーン(ケイ素含有樹脂)等を構成する場合には、これが気体である被毒物質として存在することもある。この場合には、第2フィルタ部52は、大気中における被毒物質となり得る気体も吸着又は捕獲する機能を有することが好ましい。
第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52の酸素ガス透過量は、内燃機関において最も燃料リッチ側にある空燃比で燃焼運転する際に(空燃比センサによって検出する空燃比が最もリッチ側の空燃比である場合に)、大気ダクト36内の大気電極312へ、検出電極311における最大リッチガス(未燃ガス)を分解するために必要な酸素イオンの量に相当する酸素ガス量よりも多いことが好ましい。これにより、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52を用いる場合であっても、ガスセンサ1によって最もリッチ側の空燃比を精度よく検出することができる。
内燃機関においては、最大リッチガスの空燃比としてA/F9で燃焼運転する場合が想定される。そして、第2フィルタ部52の酸素ガス透過量は、空燃比センサにおいて、A/F9の最もリッチ側の空燃比を検出する場合に、大気電極312に必要な酸素ガス量以上とすることができる。また、最大リッチガスの空燃比は、A/F9又はA/F8とすることができる。また、ガスセンサ1においては、最大リッチガスの空燃比を検出可能な空燃比とすることができる。
大気カバー46の通気口461の周辺に存在する大気Aは、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52を経由して、大気経路460としての大気カバー46内に取り込まれる。そして、各フィルタ部51,52を通過した大気Aは、センサ素子2の大気ダクト36の大気導入部361としての後端開口部から大気ダクト36内に流れ、大気ダクト36内の大気電極312へと導かれる。
(作用効果)
本形態のガスセンサ1においては、大気カバー46における、大気経路460の入口となる通気口461を覆う状態で、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52による二層大気フィルタ5が配置されている。二層大気フィルタ5は、大気A中の水を撥水する機能を有する第1フィルタ部51と、大気A中の被毒物質を吸着する機能を有する第2フィルタ部52とによって構成されている。
そして、ガスセンサ1の大気カバー46の周辺の大気Aに水が含まれる場合であっても、この水を第1フィルタ部51によって撥水することができる。これにより、水がセンサ素子2の大気ダクト36における後端開口部まで進入することを防止することができ、センサ素子2の、大気Aに晒される大気電極312を被水から保護することができる。
また、ガスセンサ1の大気カバー46の周辺の大気Aに、センサ素子2の大気電極312を被毒させるおそれがある、Si、S等の被毒物質が含まれる場合であっても、この被毒物質を第2フィルタ部52によって吸着することができる。これにより、被毒物質がセンサ素子2の後端開口部まで進入することを防止することができ、センサ素子2の、大気Aに晒される大気電極312が被毒されることを防止することができる。
また、本形態の二層大気フィルタ5は、互いに密着して積層された状態に形成されている。この二層大気フィルタ5を用いることにより、大気カバー46への二層大気フィルタ5の組み付けを容易にすることができる。
第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52は、いずれも酸素、窒素等の気体を透過させる性質を有する。そして、水及び被毒物質を除く、酸素、窒素等の気体は、二層大気フィルタ5を透過して、大気カバー46内の大気経路460及びセンサ素子2の大気ダクト36の大気導入部361へ導入される。また、第2フィルタ部52が酸素の透過を阻害することがほとんどなく、検出対象ガスGとしての排ガスの空燃比が、燃料リッチ側の空燃比にある場合であっても、大気電極312へ十分な量の酸素を供給することができる。
以上のように、本形態のガスセンサ1によれば、センサ素子2の大気電極312へ十分な量の酸素を供給することができるとともに、センサ素子2の大気電極312を、水及び被毒物質から保護することができる。
<実施形態2>
本形態は、主にセンサ素子2の形状が実施形態1の場合と異なるガスセンサ1について示す。本形態のセンサ素子2は、図6に示すように、コップ状の固体電解質体31と、固体電解質体31の外周面に設けられた、検出対象ガスGに晒される検出電極311と、固体電解質体31の内周面に設けられた、大気Aに晒される大気電極312と、大気電極312を収容する状態で固体電解質体31の内周側に形成された大気ダクト36とを有する。コップ状の固体電解質体31は、円筒部315と円筒部315の先端部を閉塞する閉塞部316とを有する。検出電極311は、円筒部315の外周面に設けられており、大気電極312は、円筒部315の内周面及び閉塞部316の内側面に連続して設けられている。
センサ素子2は、ハウジング41の内周側に保持されている。コップ状の固体電解質体31の内周側には、通電によって発熱するヒータ素子340が配置されている。ヒータ素子340は、セラミック基材と、セラミック基材に設けられた発熱体34とを有する。本形態の大気導入部361は、固体電解質体31の内周側に形成された大気ダクト36の後端開口部によって構成されている。
図7に示すように、本形態の大気カバー46も、実施形態1に示したものと同様にすることができる。ただし、本形態の第1大気カバー46Aと第2大気カバー46Bとの間は、二層大気フィルタ5が配置される空間として閉じられている。本形態の大気カバー46の通気口461は、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52の両方に形成されている。そして、第1大気カバー46Aの通気口461を通過した大気は、二層大気フィルタ5を通過した後、第2大気カバー46Bの通気口461を通過して、センサ素子2の大気導入部361に導入される。
本形態のガスセンサ1は、空燃比センサとして用いることができ、酸素センサとして用いることもできる。本形態のガスセンサ1における、その他の構成については、実施形態1の場合と同様である。本形態においても、二層大気フィルタ5によって、実施形態1の場合と同様の作用効果を得ることができる。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態3>
本形態においては、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52について、実施形態1の場合と異なる構成を示す。図8に示すように、第1フィルタ部51と第2フィルタ部52とは、互いに分離されて大気カバー46内に配置されていてもよい。この場合には、第1フィルタ部51を、第1大気カバー46Aの通気口461を覆う位置に配置し、第2フィルタ部52を、大気経路460の一部としての第2大気カバー46B内に配置することができる。また、第2フィルタ部52は、例えば、センサ素子2の大気ダクト36の大気導入部361としての後端開口部を覆う位置に配置することができる。
また、第1フィルタ部51と第2フィルタ部52とを互いに分離する場合には、図9に示すように、第2フィルタ部52は、例えば、第2インシュレータ43とリード線48との隙間に配置することもできる。
また、第2フィルタ部52を、大気カバー46内の大気経路460における大気Aの流れの上流側に配置し、第1フィルタ部51を、第2フィルタ部52よりも大気Aの流れの下流側に配置することもできる。また、図10に示すように、第1フィルタ部51と第2フィルタ部52とは、シート状に形成されたものを交互に複数回積層することもできる。
また、第1フィルタ部51と第2フィルタ部52とは、互いに混合されていてもよい。具体的には、図11に示すように、第2フィルタ部52は、第1フィルタ部51内に分散して配置することができる。第2フィルタ部52は、樹脂材料から構成される第1フィルタ部51を成形する際に、第1フィルタ部51内に分散する状態で練り込むことができる。
第1フィルタ部51と第2フィルタ部52とが互いに混合された状態には、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52のいずれか一方が他方の内部に配置された状態、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52のいずれか一方が他方の基材中に分散された状態、塊状に形成された第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52の断片が接合された状態等が含まれる。
本形態のガスセンサ1における、その他の構成については、実施形態1の場合と同様である。本形態においても、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52によって、実施形態1の場合と同様の作用効果を得ることができる。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態4>
本形態は、図12及び図13に示すように、センサ素子2が大気ダクト36を有しておらず、大気導入部361が、センサ素子2における固体電解質体31B、絶縁体33E等の隙間となるガスセンサ1について示す。本形態の固体電解質体31A,31Bは、長尺板形状の第1固体電解質体31Aと、長尺板形状の第2固体電解質体31Bとによって構成されている。ガス室35は、第1固体電解質体31Aと第2固体電解質体31Bとの間に形成されている。
本形態のガスセンサ1も、センサ素子2の周辺に配置された大気カバー46等の構成は、実施形態1の場合と同様である。そして、大気カバー46には、大気カバー46内に大気Aを取り込むための通気口461が形成されており、大気カバー46には、通気口461を覆う状態で第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52が配置されている。
第1固体電解質体31Aの、ガス室35内の検出対象ガスGに晒される第1主面と、多孔質体38を介して検出対象ガスGに晒される、第1主面と反対側の第2主面とには、ガス室35内の検出対象ガスGにおける酸素を汲み出すための電極311A,312Aが一対に配置されている。また、第2固体電解質体31Bの、ガス室35内の検出対象ガスGに晒される第3主面と、絶縁体33Eと対面する、第3主面と反対側の第4主面とには、ガス室35内の検出対象ガスGにおける空燃比を検出するための電極311,312が一対に配置されている。
本形態の大気導入部361は、センサ素子2における、第2固体電解質体31Bと絶縁体33Eとの隙間(界面)、電極312の電極リード部313と第2固体電解質体31Bとの隙間(界面)、電極312の電極リード部313と絶縁体33Eとの隙間(界面)等によって形成される。そして、第2固体電解質体31Bの第4主面における電極312には、隙間(界面)を介して、大気カバー46内に取り込まれた大気Aが供給される。
本形態においては、第2固体電解質体31Bの第4主面における電極312には、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52によって水及び被毒物質が除去された大気Aが供給される。これにより、センサ素子2における、大気Aが接触する電極を、水及び被毒物質から保護することができる。
本形態のガスセンサ1における、その他の構成については、実施形態1の場合と同様である。本形態においても、第1フィルタ部51及び第2フィルタ部52によって、実施形態1の場合と同様の作用効果を得ることができる。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 ガスセンサ
2 センサ素子
21 検知部
36 大気ダクト
361 大気導入部
46 大気カバー
460 大気経路
461 通気口
51 第1フィルタ部
52 第2フィルタ部

Claims (6)

  1. 検出対象ガス(G)に晒される検知部(21)及び大気(A)が導入される大気導入部(361)を有するセンサ素子(2)と、
    前記センサ素子に導入される大気が通気口(461)を介して取り込まれる大気カバー(46)と、を備え、
    前記大気カバー内における、前記通気口と前記大気導入部との間の大気経路(460)には、大気中の水を撥水又は捕獲する機能を有する第1フィルタ部(51)と、大気中の被毒物質を吸着又は捕獲する機能を有する第2フィルタ部(52)とが、積層、分離又は混合して設けられている、ガスセンサ(1)。
  2. 前記第2フィルタ部の単位質量当たりの表面積である比表面積は、前記第1フィルタ部の前記比表面積よりも大きい、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記第1フィルタ部の前記比表面積は、1〜20m2/gであり、
    前記第2フィルタ部の前記比表面積は、10〜2500m2/gである、請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記第1フィルタ部は、前記第2フィルタ部に対して、前記大気経路における大気の流れの上流側に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 前記第2フィルタ部は、前記第1フィルタ部内に分散して配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  6. 前記第1フィルタ部と前記第2フィルタ部とは、互いに積層又は混合されて一体化したシート状フィルタを構成しており、
    前記シート状フィルタは、前記通気口を覆う状態で前記大気カバーの内側面に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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