JP2023122871A - ガスセンサ - Google Patents

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Takashi Hasegawa
豪 宮川
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Abstract

【課題】センサ素子における固体電解質体に変形が生じにくくすることができるガスセンサを提供する。【解決手段】ガスセンサ1のセンサ素子2は、固体電解質体31と、固体電解質体31の表面に設けられた排気電極311及び大気電極312と、大気電極312の表面に設けられた多孔質の大気側保護層313と、固体電解質体31の両表面に積層された絶縁性の第1緩衝層331A,331B及び第2緩衝層332と、第1緩衝層331A,331Bに積層された絶縁性の第1絶縁体33Aと、第2緩衝層332に接着層335を介して積層された絶縁性の第2絶縁体33Bとを有する。第2緩衝層332は、大気電極312及び大気側保護層313を側方から囲む形状を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、ガスセンサに関する。
ガスセンサは、例えば、自動車の排気管に配置され、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスとして、検出対象ガスに含まれる種々のガスを検出するために用いられる。ガスセンサは、ガスを検出するためのセンサ素子の他に、センサ素子を排気管等に取り付けるハウジング等を備える。
センサ素子は、検出対象ガスに晒される電極が設けられた固体電解質体、固体電解質体に積層された絶縁体、絶縁体に埋設されたヒータ等を有する。電極の表面には、電極を検出対象ガス又は大気に含まれる被毒物質から保護するための多孔質の保護層が設けられることがある。例えば、特許文献1のガスセンサは、大気が導入される大気導入経路を有するセンサ素子を備えており、大気導入経路には、センサ素子の被毒物質を捕獲するためのトラップ層が設けられている。
特開2020-165663号公報
発明者らのガスセンサの研究開発において、固体電解質体における電極の表面に多孔質の保護層が設けられる場合には、センサ素子の製造時に、固体電解質体に変形が生じることがあることが判明した。具体的には、センサ素子の製造時には、固体電解質体と一部の絶縁体とが積層された中間体の状態において、中間体に圧力を加えて中間体を圧着し、中間体の積層状態が崩れないようにしている。このとき、センサ素子の積層方向の断面において、固体電解質体における、電極及び多孔質層が設けられた部位が圧縮されるように変形することが判明した。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、センサ素子における固体電解質体に変形が生じにくくすることができるガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
センサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)であって、
前記センサ素子は、
イオン伝導性を有する固体電解質体(31,31A,31B)と、
前記固体電解質体の表面に設けられた電極(311,312,311A,312A,311B,312B)と、
前記電極の表面に設けられた、多孔質の保護層(313)と、
前記電極及び前記保護層を側方から囲む形状を有し、前記固体電解質体に積層された、絶縁性の緩衝層(332,333)と、
前記緩衝層に接着層(335)を介して積層され、前記固体電解質体との間に気体を導入する気体導入路を形成する、絶縁性の絶縁体(33B)と、を有する、ガスセンサにある。
前記一態様のガスセンサのセンサ素子においては、電極及び保護層を側方から囲む形状を有する緩衝層が、固体電解質体に積層されており、固体電解質体との間に気体を導入する気体導入路を形成する絶縁体が、接着層を介して緩衝層に積層されている。この構成により、センサ素子の製造時に、電極及び保護層が設けられた固体電解質体と緩衝層とが積層された中間体に圧力を加えて中間体を圧着したときには、緩衝層があることにより、固体電解質体における、電極及び保護層が設けられた部位の変形を抑制することができる。
前記一態様のガスセンサによれば、センサ素子における固体電解質体に変形が生じにくくすることができる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
図1は、実施形態1にかかる、ガスセンサを示す説明図である。 図2は、実施形態1にかかる、ガスセンサのセンサ素子の断面を示す説明図である。 図3は、実施形態1にかかる、図2のIII-III断面を示す説明図である。 図4は、実施形態1にかかる、センサ素子の中間体を圧着する状態を、図2のIII-III断面について示す説明図である。 図5は、実施形態2にかかる、図2のIII-III断面に相当する断面を示す説明図である。 図6は、実施形態2にかかる、センサ素子の中間体を圧着する状態を、図2のIII-III断面に相当する断面について示す説明図である。 図7は、実施形態3にかかる、図2のIII-III断面に相当する断面を示す説明図である。 図8は、実施形態3にかかる、センサ素子の中間体を形成する過程を、図2のIII-III断面に相当する断面について示す説明図である。 図9は、実施形態3にかかる、センサ素子の中間体を圧着する状態を、図2のIII-III断面に相当する断面について示す説明図である。
前述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、センサ素子2を備える。図2及び図3に示すように、センサ素子2は、イオン伝導性を有する固体電解質体31と、固体電解質体31の表面301,302に設けられた排気電極311及び大気電極312と、大気電極312の表面に設けられた多孔質の大気側保護層313と、固体電解質体31の両表面301,302に積層された絶縁性の第1緩衝層331A,331B及び第2緩衝層332と、第1緩衝層331A,331Bに積層された絶縁性の第1絶縁体33Aと、第2緩衝層332に接着層335を介して積層された絶縁性の第2絶縁体33Bとを有する。第2緩衝層332は、大気電極312及び大気側保護層313を側方から囲む形状を有する。第2絶縁体33Bは、固体電解質体31との間に気体としての大気Aが流入する気体導入路としての大気ダクト36を形成している。
以下に、本形態のガスセンサ1について詳説する。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管7の取付口71に配置され、排気管7を流れる排ガスGを検出対象ガスとして、検出対象ガスに含まれるガスとしての酸素、特定ガス等の濃度を検出するために用いられる。ガスセンサ1は、排ガスGにおける酸素、未燃ガス等の濃度に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサ(A/Fセンサ)として用いてもよい。
排気管7には、排ガスG中の有害物質を浄化するための触媒が配置されており、ガスセンサ1は、排気管7における排ガスGの流れ方向において、触媒の上流側又は下流側のいずれに配置してもよい。また、ガスセンサ1は、排ガスGを利用して内燃機関が吸入する空気の密度を高める過給機の吸入側の配管に配置してもよい。また、ガスセンサ1を配置する配管は、内燃機関から排気管7に排気される排ガスGの一部を、内燃機関の吸気管に再循環させる排気再循環機構における配管としてもよい。
(センサ素子2)
図2及び図3に示すように、本形態のセンサ素子2は、固体電解質体31と、固体電解質体31の第1表面301に積層された絶縁性の第1緩衝層331A,331Bと、第1緩衝層331A,331Bに積層された絶縁性の第1絶縁体33Aと、固体電解質体31の第2表面302に積層された絶縁性の第2緩衝層332と、第2緩衝層332に接着層335を介して積層された絶縁性の第2絶縁体33Bとを有する。第1絶縁体33A及び第1緩衝層331A,331Bは、気体としての排ガスGが導入される気体導入路としてのガス室35を形成している。第1緩衝層331A,331Bには、固体電解質体31に積層される内側緩衝層331Aと、内側緩衝層331Aよりも厚く、ガス室35を形成するための外側緩衝層331Bとがある。第2絶縁体33B及び第2緩衝層332は、気体としての大気Aが導入される気体導入路としての大気ダクト36を形成している。
固定電解質体の第1表面301には、排ガスGに晒される排気電極311が設けられている。固定電解質体の第2表面302には、大気Aに晒される大気電極312が設けられており、大気電極312の表面には、大気Aに含まれる被毒物質から大気電極312を保護するための多孔質の大気側保護層313が設けられている。
センサ素子2は、固体電解質体31、絶縁体33A,33B、緩衝層331A,331B,332、接着層335等が積層された積層タイプのものである。センサ素子2は、長尺の長方形状に形成されており、後述する素子保持材42によって保持された状態でハウジング41に保持されている。
(長手方向L,積層方向D,幅方向W)
本形態において、ガスセンサ1及びセンサ素子2の長手方向Lとは、センサ素子2が長尺形状に延びる方向のことをいう。また、長手方向Lに直交し、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとが積層された方向を、積層方向Dという。また、長手方向Lと積層方向Dとに直交する方向を、幅方向Wという。また、センサ素子2の長手方向Lにおいて、排ガスGに晒される側を先端側L1といい、先端側L1の反対側を基端側L2という。
(固体電解質体31、各電極311,電極312及び大気側保護層313)
図2及び図3に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。排気電極311と大気電極312とは、センサ素子2の長手方向Lの、排ガスGに晒される先端側L1の部位において、固体電解質体31を介して積層方向Dに重なる位置に配置されている。センサ素子2の長手方向Lの先端側L1の部位には、排気電極311及び大気電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによるセンサセルが形成されている。
固体電解質体31は、ジルコニア系酸化物からなり、ジルコニア(酸化ジルコニウム)を主成分とし(50質量%以上含有し)、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる。固体電解質体31を構成するジルコニアの一部は、イットリア、スカンジア又はカルシアによって置換される。
排気電極311及び大気電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのジルコニア系酸化物を含有している。排気電極311及び大気電極312には、これらの電極311,312をガスセンサ1の外部と電気接続するための電極リード部が接続されている。
大気側保護層313は、大気電極312の表面を覆うように設けられている。大気側保護層313は、アルミナ等の多孔質のセラミックス材料によって構成されており、大気Aに含まれる被毒物質を捕獲して、被毒物質が大気電極312に到達しないようにする。
なお、排気電極311の表面には、排ガスGに含まれる被毒物質から排気電極311を保護するための多孔質の排気側保護層が設けられていてもよい。この場合には、排気側保護層は、アルミナ等の多孔質のセラミックス材料によって構成し、排ガスGに含まれる被毒物質を捕獲して、被毒物質が排気電極311に到達しないようにする。
(ガス室35)
図2及び図3に示すように、固体電解質体31の第1表面301には、第1絶縁体33A、第1緩衝層331A,331B及び固体電解質体31によって囲まれ、排ガスGが導入されるガス室35が形成されている。ガス室35は、センサ素子2の長手方向Lの先端側L1の部位において、排気電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33A、第1緩衝層331A,331B、拡散抵抗部32及び固体電解質体31によって閉じられた空間部として形成されている。排気管7内を流れる排ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
(拡散抵抗部32)
図2及び図3に示すように、本形態の拡散抵抗部(ガス導入部)32は、ガス室35へ排ガスGを導入するために、ガス室35の長手方向Lの先端側L1の部位に設けられている。拡散抵抗部32は、第1緩衝層331A,331Bに形成された導入口内に、アルミナ(酸化アルミニウム)等の金属酸化物の多孔質体を配置することによって形成されている。ガス室35に導入される排ガスGの拡散速度(流量)は、排ガスGが拡散抵抗部32における多孔質体の気孔を通過する速度が制限されることによって決定される。なお、拡散抵抗部32は、ガス室35の幅方向Wの両側に設けられていてもよい。
(大気ダクト36)
図2及び図3に示すように、固体電解質体31の第2表面302には、第2絶縁体33B、第2緩衝層332及び固体電解質体31によって囲まれ、大気Aが導入される大気ダクト36が形成されている。大気ダクト36は、センサ素子2における、大気電極312を収容する長手方向Lの先端側L1の部位から、センサ素子2の長手方向Lの基端位置まで形成されている。
(各絶縁体33A,33B、各緩衝層331A,331B,332及び接着層335)
図2及び図3に示すように、第1絶縁体33A及び第1緩衝層331A,331Bは、ガス室35を形成するものであり、第2絶縁体33B及び第2緩衝層332は、大気ダクト36を形成するとともにヒータ34を埋設するものである。第1緩衝層331A,331Bは、固体電解質体31と第1絶縁体33Aとの間に挟まれており、ガス室35の積層方向Dに直交する平面の形状に沿った切欠きを有する。第2緩衝層332は、固体電解質体31と第2絶縁体33Bとの間に挟まれており、大気ダクト36の積層方向Dに直交する平面の形状に沿った切欠きを有する。第2緩衝層332は、大気電極312及び大気側保護層313を、長手方向Lの先端側L1及び幅方向Wの両側の三方から囲む形状を有する。
各絶縁体33A,33B及び各緩衝層331A,331B,332は、アルミナ(酸化アルミニウム)等の金属酸化物によって形成されている。各絶縁体33A,33B及び各緩衝層331A,331B,332は、排ガスG又は大気Aである気体が透過することができない緻密体として形成されている。
第2緩衝層332の積層方向Dの厚みは、固体電解質体31の積層方向Dの厚みよりも薄く、かつ大気電極312及び大気側保護層313の積層方向Dの合計厚みに対して±25%の範囲内にある。以下、厚みとは積層方向Dの厚みのことをいう。この構成により、センサ素子2の製造過程において、センサ素子2の中間体20に積層方向Dに圧力を加えて中間体20を圧着したときに、固体電解質体31が変形しにくくすることができる。
第2緩衝層332の厚みが大気電極312及び大気側保護層313の合計厚みに対して-25%よりも小さい場合には、第2緩衝層332による固体電解質体31の潰れによる変形を抑制する効果が得られないおそれがある。一方、第2緩衝層332の厚みが大気電極312及び大気側保護層313の合計厚みに対して+25%を超えて大きい場合には、中間体20の圧着時に固体電解質体31に加わる圧力が不均一になって、固体電解質体31の変形を抑制する効果が得られないおそれがある。
第2緩衝層332の厚みをt1、大気電極312及び大気側保護層313の合計厚みをt2としたとき、厚みの比率t1/t2×100[%]と固体電解質体31に生じる潰れ量との関係は、厚みの比率t1/t2が100[%]から増加する側又は減少する側に外れるほど、指数関数的に潰れ量が大きくなる関係にある。そして、固体電解質体31に生じる厚みのばらつきとして許容できる範囲が、厚みの比率t1/t2が75[%]~125[%]の範囲内であることが分かった。
第2緩衝層332の厚みと、大気電極312及び大気側保護層313の合計厚みとは、できるだけ近いことが好ましい。第2緩衝層332の厚みは、大気電極312及び大気側保護層313の合計厚みに対して±5%の範囲内にあることがより好ましい。
第1緩衝層331A,331Bと第1絶縁体33Aとは、同一のセラミックス材料としてのアルミナによって構成されている。この構成により、センサ素子2の中間体20を焼成してセンサ素子2を製造するときに、第1緩衝層331A,331Bと第1絶縁体33Aとが強固に密着される。また、第2緩衝層332と第2絶縁体33Bとは、同一のセラミックス材料としてのアルミナによって構成されている。この構成により、センサ素子2の中間体20を焼成してセンサ素子2を製造するときに、第2緩衝層332と第2絶縁体33Bとが強固に密着される。
接着層335は、第2緩衝層332及び第2絶縁体33Bと同種のセラミックス材料によって構成されている。接着層335は、センサ素子2の中間体20の第2緩衝層332と第2絶縁体33Bとを接着するときには、溶媒を含有している。そして、第1絶縁体33A、第1緩衝層331A,331B、固体電解質体31、第2緩衝層332、接着層335及び第2絶縁体33Bが積層されたセンサ素子2の積層体を焼成するときに、接着層335における溶媒が揮発して、センサ素子2の中間体20と第2絶縁体33Bとが接着層335によって強固に接着される。
大気電極312に設けられた大気側保護層313の表面と第2絶縁体33Bとの間には、大気ダクト36に流入した大気Aに晒される隙間Sが形成されている。この構成により、大気Aが、隙間Sから大気側保護層313の表面に到達しやすく、大気側保護層313を経由して大気電極312へ到達しやすくすることができる。これにより、ガスセンサ1による空燃比、特定ガス等の検出精度が良好になる。
(ヒータ34)
図2及び図3に示すように、ヒータ34は、固体電解質体31、排気電極311及び大気電極312を加熱するための発熱体として構成されており、大気ダクト36を形成する第2絶縁体33B内に埋設されている。ヒータ34は、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、長手方向Lの基端側L2に繋がるヒータリード部とを有する。発熱部341の少なくとも一部は、排気電極311及び大気電極312に対して積層方向Dに重なる位置に配置されている。ヒータ34は、導電性を有する金属材料によって構成されている。なお、ヒータ34は、第1絶縁体33Aに埋設されていてもよい。
(外周保護層37)
図2及び図3に示すように、センサ素子2の長手方向Lにおける先端側L1の部位の外周には、センサ素子2を被水による割れ等から保護するための外周保護層37が設けられている。外周保護層37は、排ガスGが通過可能な気孔を有する、アルミナ(酸化アルミニウム)等のセラミックス材料によって構成されている。
(センサ素子2の製造方法)
図4に示すように、本形態のセンサ素子2は、排気電極311、大気電極312及び大気側保護層313が設けられた固体電解質体31と、第1絶縁体33Aと、第1緩衝層331A,331Bと、第2緩衝層332とが積層された中間体20を形成した後、中間体20における第2緩衝層332に接着層335を介して第2絶縁体33Bを積層することによって形成される。中間体20は、その構成要素の積層状態を適切に保つために、圧着部材8等によって積層方向Dに圧力が加えられて、圧着される。このとき、中間体20における固体電解質体31、第1絶縁体33A、第1緩衝層331A,331B、第2緩衝層332等は、積層方向Dに圧縮されて互いに密着する。
この中間体20を圧着するときに、第2緩衝層332を適切な厚みで形成した工夫により、固体電解質体31に変形が生じにくくする。また、圧着後の中間体20における第2緩衝層332の積層方向Dの表面、及び第2絶縁体33Bの積層方向Dの表面の少なくとも一方に接着層335を構成する接着剤を塗布し、接着剤によって中間体20と第2絶縁体33Bとを接着して、センサ素子2の積層体を形成する。このとき、中間体20の第2緩衝層332の積層方向Dの表面が平坦状になっていることにより、中間体20と第2絶縁体33Bとの接着を強固に行うことができる。その後、センサ素子2の積層体を焼成するときには、接着剤が接着層335となってセンサ素子2が製造される。
(ガスセンサ1の他の構成)
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子2を排気管7に配置するとともにセンサ制御装置5に電気配線するために、ハウジング41、素子保持材42、端子保持材43、接触部材431、接点端子44、先端側カバー45、基端側カバー46、ブッシュ47、リード線48等を有する。
ハウジング41は、ガスセンサ1を排気管7の取付口71に締め付けるために用いられる。ハウジング41は、素子保持材42等を介してセンサ素子2を保持する。センサ素子2は、ガラス421を介して素子保持材42に保持され、素子保持材42は、かしめ用材料422,423,424を介してハウジング41に保持されている。素子保持材42の長手方向Lの基端側L2には、接点端子44を保持する端子保持材43が連結されている。端子保持材43は、接触部材431によって基端側カバー46に支持されている。
接点端子44は、センサ素子2における、各電極311,312及びヒータ34をリード線48に電気的に接続するものである。接点端子44は、端子保持材43内に配置された状態で、接続金具441を介してリード線48に接続されている。
図1に示すように、先端側カバー45は、ハウジング41の長手方向Lの先端側L1に設けられており、センサ素子2の検出先端部21を覆う。先端側カバー45には、センサ素子2に接触する排ガスGが流通可能なガス流通孔451が形成されている。センサ素子2の検出先端部21及び先端側カバー45は、内燃機関の排気管7内に配置される。排気管7内を流れる排ガスGの一部は、先端側カバー45のガス流通孔451から先端側カバー45内に流入する。そして、先端側カバー45内の排ガスGは、センサ素子2の外周保護層37及び拡散抵抗部32を通過して排気電極311へと導かれる。
基端側カバー46は、ハウジング41の長手方向Lの基端側L2に設けられており、ガスセンサ1の長手方向Lの基端側L2に位置する配線部を覆って、この配線部を大気Aに含まれる水等から保護するためのものである。配線部は、センサ素子2に電気的に繋がる部分としての、接点端子44、接点端子44とリード線48との接続部分(接続金具441)等によって構成される。
基端側カバー46の長手方向Lの基端側L2の部分の内周側には、複数のリード線48を保持するブッシュ47が保持されている。基端側カバー46には、ガスセンサ1の外部から大気Aを導入するための大気導入孔461が形成されている。大気導入孔461は、撥水フィルタ462によって覆われている。センサ素子2における、大気ダクト36の基端位置は、基端側カバー46内の空間に開放されており、大気Aは、大気ダクト36内の大気電極312へ導かれる。
(センサ制御装置5)
図1に示すように、ガスセンサ1におけるリード線48は、ガスセンサ1におけるガス検出の制御を行うセンサ制御装置5に電気接続されている。センサ制御装置5は、エンジンにおける燃焼運転を制御するエンジン制御装置6と連携してガスセンサ1における電気制御を行うものである。センサ制御装置5は、各種制御回路、コンピュータ等を用いて構成されている。なお、センサ制御装置5は、エンジン制御装置6内に構築してもよい。センサ制御装置5は、排気電極311と大気電極312との間に直流電圧を印加する回路511、及び排気電極311と大気電極312との間に流れる電流を検出する回路512等を用いて構成されている。
(作用効果)
本形態のガスセンサ1のセンサ素子2においては、大気電極312及び大気側保護層313を側方から囲む形状を有する第2緩衝層332が、固体電解質体31に積層されており、固体電解質体31との間に大気Aを導入する大気ダクト36を形成する第2絶縁体33Bが、接着層335を介して第2緩衝層332に積層されている。この構成により、センサ素子2の製造時に、第1絶縁体33A、第1緩衝層331A,331B、固体電解質体31及び第2緩衝層332が積層された中間体20に圧力を加えて中間体20を圧着したときには、第2緩衝層332があることにより、固体電解質体31における、大気電極312及び大気側保護層313が設けられた部位の変形を抑制することができる。
また、中間体20の第2緩衝層332と第2絶縁体33Bとは接着層335によって強固に接着される。この構成により、大気電極312に大気側保護層313が設けられた固体電解質体31の変形が抑制された状態のセンサ素子2が形成される。また、大気側保護層313の変形も抑制され、センサ素子2内に残留応力が生じにくくすることができる。
本形態のガスセンサ1によれば、センサ素子2における固体電解質体31に変形が生じにくくすることができる。
また、固体電解質体31、排気電極311及び大気電極312によるセンサセルは、センサセルのインピーダンス値とセンサセルの温度との関係を利用して、ヒータ34によるセンサ素子2の温度制御を行うときの温度検出部として用いてもよい。この場合、固体電解質体31がほとんど変形していないことにより、温度の検出性及び制御性を良好に維持することができる。
<実施形態2>
本形態は、図5に示すように、積層方向Dに2枚の固体電解質体31A,31Bが積層されたセンサ素子2について示す。本形態においては、第1固体電解質体31Aの内側面と第2固体電解質体31Bの内側面との間にガス室35が形成され、第1固体電解質体31Aの外側面に第1大気ダクト36Aが形成され、第2固体電解質体31Bの外側面に第2大気ダクト36Bが形成されている。また、第1固体電解質体31Aには、ガス室35内に収容された第1排気電極311Aと、第1大気ダクト36Aに収容された第1大気電極312Aとが設けられ、第2固体電解質体31Bには、ガス室35内に収容された第2排気電極311Bと、第2大気ダクト36Bに収容された第2大気電極312Bとが設けられている。
第1固体電解質体31Aの一方側の表面には、第1大気ダクト36Aを形成する第1絶縁体33A及び第1緩衝層331A,331Bが配置され、第1固体電解質体31Aと第2固体電解質体31Bとの間には、ガス室35を形成する第2緩衝層332が配置され、第2固体電解質体31Bの他方側の表面には、第2大気ダクト36Bを形成する、第3緩衝層333及び第2絶縁体33Bが接着層335を介して配置されている。
第1大気電極312Aの表面及び第2大気電極312Bの表面には、大気側保護層313が設けられている。本形態においては、図6に示すように、第1固体電解質体31A、第2固体電解質体31B、第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、第1緩衝層331A,331B、第2緩衝層332及び第3緩衝層333が積層された中間体20を圧着部材8等によって圧着する。その後、中間体20の第3緩衝層333と第2絶縁体33Bとが接着層335を構成する接着剤によって接着される。そして、このセンサ素子2の積層体が焼成される。
図5に示すように、第3緩衝層333の厚みは、第1固体電解質体31A及び第2固体電解質体31Bのそれぞれの厚みよりも薄く、かつ第2大気電極312B、及び第2大気電極312Bに設けられた大気側保護層313の合計厚みに対して±25%の範囲内にある。この構成により、センサ素子2の製造過程において、センサ素子2の中間体20に積層方向Dに圧力を加えて中間体20を圧着したときに、第2固体電解質体31Bが変形しにくくすることができる。
第1大気電極312Aに設けられた大気側保護層313の表面と第1絶縁体33Aとの間、及び第2大気電極312Bに設けられた大気側保護層313の表面と第2絶縁体33Bとの間には、大気ダクト36に流入した大気Aに晒される隙間Sが形成されている。この構成により、大気Aが、隙間Sから大気側保護層313の表面に到達しやすく、大気側保護層313を経由して各大気電極312A,312Bへ到達しやすくすることができる。これにより、ガスセンサ1による空燃比、特定ガス等の検出精度が良好になる。
本形態のセンサ素子2における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の構成、作用効果等と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<実施形態3>
本形態は、第2緩衝層332と保護層との関係に更なる工夫をしたセンサ素子2について示す。本形態のセンサ素子2においては、図7に示すように、長手方向Lに直交する断面において、第2緩衝層332の、大気ダクト36の一部を形成する一対の内壁面332Xは、大気側保護層313の一対の側面313Xに重なっている。換言すれば、第2緩衝層332における、大気ダクト36の一部を形成する幅方向Wの一対の内壁面332Xに、大気側保護層313が接触する状態が形成されている。この構成により、図8に示すように、センサ素子2の中間体20を積層方向Dに圧着するときに、大気側保護層313が第2緩衝層332の一対の内壁面332Xに支持され、センサ素子2の中間体20に、圧着による圧力をより均一に作用させることができる。
また、本形態の第2緩衝層332の一対の内壁面332Xは、長手方向Lに直交する断面の積層方向Dにおいて、大気電極312から離れるに従って、換言すれば第2絶縁体33Bに近づくに従って、幅方向Wの間隔が狭くなるテーパ状に形成されている。そして、大気側保護層313は、第2緩衝層332の、幅方向Wにおけるテーパ状の一対の内壁面332Xに密着している。
図8においては、第2緩衝層332の切欠き内に、大気側保護層313を構成するペースト材料が配置された状態を示す。この状態において、ペースト材料は、テーパ状の一対の内壁面332Xによって受け止められることにより、重力による下方への垂れ下がりが防止される。
そして、図9に示すように、センサ素子2の中間体20を圧着部材8等によって積層方向Dに圧着するときには、大気側保護層313を構成するペースト材料が、テーパ状の一対の内壁面332Xによって受け止められていることによって、圧着部材8等と接触しにくくなる。そのため、第2緩衝層332における、積層方向Dの第2絶縁体33Bに重なる側の表面が、圧着部材8等に適切に接触し、平坦状に形成される。これにより、センサ素子2の中間体20の第2緩衝層332と第2絶縁体33Bとを接着層335を介して接着するときには、第2緩衝層332と第2絶縁体33Bとが適切に密着し、これらを強固に接着することができる。
本形態においては、図7に示すように、大気側保護層313は、固体電解質体31の第2表面302と第2緩衝層332の一対の内壁面332Xとに接触している。また、センサ素子2の積層方向Dにおいて、大気側保護層313の表面の位置は、第2緩衝層332の表面の位置とほぼ同じ位置にある。また、大気側保護層313の積層方向Dの厚みをt3、第2緩衝層332の積層方向Dの厚みをt4としたとき、厚みの比率t3/t4×100[%]は、75[%]~100[%]の範囲内となるようにしてもよい。この場合には、センサ素子2の中間体20を圧着部材8等によって積層方向Dに圧着する際に、固体電解質体31に変形が生じにくくすることができる。
なお、この厚みの比率t3/t4×100[%]が75[%]~100[%]の範囲内にある構成は、実施形態1における、大気側保護層313と第2緩衝層332との関係、又は実施形態2における、大気側保護層313と第3緩衝層333との関係に適用してもよい。
本形態の第2緩衝層332及び大気側保護層313の構成は、実施形態2に示す、第3緩衝層333、及び第3緩衝層333に設けられた大気側保護層313に適用してもよい。
本形態のセンサ素子2における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の構成、作用効果等と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 ガスセンサ
2 センサ素子
31 固体電解質体
311 排気電極
312 大気電極
313 大気側保護層
33A,33B 絶縁体
331A,331B,332,333 緩衝層
335 接着層
36 大気ダクト

Claims (7)

  1. センサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)であって、
    前記センサ素子は、
    イオン伝導性を有する固体電解質体(31,31A,31B)と、
    前記固体電解質体の表面に設けられた電極(311,312,311A,312A,311B,312B)と、
    前記電極の表面に設けられた、多孔質の保護層(313)と、
    前記電極及び前記保護層を側方から囲む形状を有し、前記固体電解質体に積層された、絶縁性の緩衝層(332,333)と、
    前記緩衝層に接着層(335)を介して積層され、前記固体電解質体との間に気体を導入する気体導入路を形成する、絶縁性の絶縁体(33B)と、を有する、ガスセンサ。
  2. 前記電極には、前記固体電解質体の第1表面(301)に設けられ、排ガス(G)に晒される排気電極(311,311A,311B)と、前記固体電解質体の第2表面(302)に設けられ、前記気体としての大気(A)に晒される大気電極(312,312A,312B)と、があり、
    前記保護層は、前記大気電極の表面に設けられており、
    前記緩衝層は、前記固体電解質体の前記第2表面に積層されており、
    前記絶縁体及び前記緩衝層は、前記固体電解質体の前記第2表面との間に、前記大気を導入する、前記気体導入路としての大気ダクト(36,36A,36B)を形成している、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記緩衝層の厚みは、前記固体電解質体の厚みよりも薄く、かつ前記電極及び前記保護層の合計厚みに対して±25%の範囲内にある、請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記センサ素子の長手方向(L)に直交する断面において、前記緩衝層の、前記気体導入路の一部を形成する一対の内壁面(332X)は、前記保護層の一対の側面(313X)に重なっている、請求項1~3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 前記センサ素子の前記長手方向に直交する断面において、前記緩衝層の一対の前記内壁面は、前記電極から離れるに従って間隔が狭くなるテーパ状に形成されている、請求項4に記載のガスセンサ。
  6. 前記保護層の表面と前記絶縁体との間には、前記気体導入路に導入された前記気体に晒される隙間が形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  7. 前記緩衝層と前記絶縁体とは、同一のセラミックス材料によって構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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