JPH09304337A - 酸素濃度検出器 - Google Patents

酸素濃度検出器

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JPH09304337A
JPH09304337A JP9023290A JP2329097A JPH09304337A JP H09304337 A JPH09304337 A JP H09304337A JP 9023290 A JP9023290 A JP 9023290A JP 2329097 A JP2329097 A JP 2329097A JP H09304337 A JPH09304337 A JP H09304337A
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heater
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insulating layer
concentration detector
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章夫 田中
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直人 三輪
Hiromi Sano
博美 佐野
Toshitaka Saito
利孝 斎藤
Katsuhiro Ishikawa
勝博 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体電解質のヒータ層への印加電圧による劣
化や,漏れ電流による検出不良が生じることがなく,か
つ速熱性に優れた酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検
出器を提供すること。 【解決手段】 固体電解質10と,該固体電解質10の
外側面に設けた外側電極15と,その内側面に設けた内
側電極とよりなる酸素濃度検出素子1と,該酸素濃度検
出素子1を保持するハウジングとからなる。上記外側電
極15の表面には第一絶縁層11を設けてなり,更に,
該第一絶縁層11の外方には第二絶縁層12を設けてな
り,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との間に
はヒータ層13を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,自動車内燃機関等の吸気及び排
気系に設置する酸素濃度検出器に関する。
【0002】
【従来技術】従来,自動車内燃機関等の吸気及び排気系
には,空燃比を検知することができるガス検出器が設置
されている。上記ガス検出器において検知された空燃比
を元に,上記自動車内燃機関は,その燃焼状態が制御さ
れている。これにより,上記内燃機関等より排出される
排気ガスの浄化効率や燃料消費効率を高めることができ
る。そして,上記ガス検出器としては,ZrO2 固体電
解質を有する酸素濃度検出素子と,該酸素濃度検出素子
を保持するハウジングとよりなる酸素濃度検出器が使用
されている。なお,上記酸素濃度検出素子としては,限
界電流式,または酸素濃淡起電力式のものがある。
【0003】ところで,上記酸素濃度検出素子におい
て,特に有底円筒形の固体電解質を有する酸素濃度検出
素子としては,例えば,図28,図29に示すものが挙
げられる。上記酸素濃度検出素子9は,有底円筒形の固
体電解質90と,該固体電解質90の外側面に設けた外
側電極95と,その内側面に設けた内側電極96とより
なり,かつ上記外側電極95の表面には絶縁層91が設
けてある。
【0004】また,上記酸素濃度検出素子9の内部には
基準ガスが導入される内室92が設けてあり,該内室9
2には棒状のヒータ99が挿入配置されている。なお,
上記絶縁層91は,外側電極95の保護層としての役割
も有しており,セラミックコーティング層より形成され
ている。または,上記絶縁層91はセラミックコーティ
ング層の上に例えばγ−Al2 3 層を形成した複合層
より形成されることもある。
【0005】
【解決しようとする課題】ところで,年々厳しくなる排
気ガス規制への対応として,上記自動車内燃機関におい
ては,より一層精密な空燃比による燃焼制御を行うこと
が求められ,よって,精度の高い酸素濃度検出素子の開
発が要求されている。上記精度の高い酸素濃度検出素子
としては,例えば,自動車内燃機関の始動後,短時間で
酸素濃度の検出が可能となる,即ち速熱性に優れた酸素
濃度検出素子が挙げられる。
【0006】これは,上記酸素濃度検出素子が,素子活
性温度以上に加熱されないと正確な酸素濃度検出ができ
ないという性質を有するためである。従って,上記内燃
機関の始動直後,排気系とその周辺の温度があまり高く
ない状態においては,上記内室に挿入したヒータにより
上記酸素濃度検出素子を加熱し,これを速やかに素子活
性温度となす必要がある。
【0007】ところで,上記酸素濃度検出素子の加熱に
あたり,熱効率の面を考慮すると,酸素濃度検出素子に
対し,別体のヒータを設けるよりは,一体化したヒータ
を設けたほうが好ましい。このような酸素濃度検出素子
としては,例えば,特開昭58−76757号に示され
る,固体電解質の表面(ただし,外側電極を形成した部
分は除く。)に通電により発熱するヒータ層を設けた酸
素濃度検出素子が挙げられる。
【0008】しかしながら,上記酸素濃度検出素子にお
いては,ヒータ層が固体電解質の表面に直接設けてあ
る。よって,固体電解質の温度が高く,固体電解質の電
気抵抗が低い場合に,上記ヒータ層への印加電圧が高く
なった場合,上記固体電解質を構成するZrO2 等が,
電位と熱により還元分解するという問題が発生する。こ
のような場合には,固体電解質が劣化するのみならず,
ヒータ層からの漏れ電流が酸素濃度検出回路に流れ込む
ため酸素濃度検出に支障をきたす。
【0009】なお,上記酸素濃度検出回路とは,酸素濃
度検出素子において得られた出力(電圧又は電流)に基
づいて,被測定ガス中の酸素濃度を判定するための電気
回路である。上記酸素濃度検出素子における外側電極,
内側電極,後述する外側電極リード部,内側電極リード
部,外側電極端子部,内側電極端子部は上記酸素濃度検
出回路の一部を構成する。
【0010】また,上記酸素濃度検出素子においても,
ヒータと外側電極及び内側電極との間の距離が,従来の
別体のヒータを有する酸素濃度検出素子と比較して,大
きく狭まったとはいえず,速熱性の面でもまだまだ不充
分である。
【0011】更に,ヒータが一体的に設けられた他の酸
素濃度検出素子としては,実公昭59−95257号に
示される,酸素濃度検出素子の表面外周に,コイル状に
構成したヒータを設ける酸素濃度検出素子が挙げられ
る。しかしながら,上記酸素濃度検出素子においては,
ヒータが表面外周に設けられているため,外部に多くの
熱量が放出されてしまう。この放出された熱量の分,酸
素濃度検出素子への伝熱量が少なくなってしまい,よっ
て,このものにおいても速熱性は不充分である。
【0012】本発明は,かかる問題点に鑑み,固体電解
質のヒータ層への電圧印加による劣化や,漏れ電流によ
る検出不良が生じることがなく,かつ速熱性に優れた酸
素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器を提供しようと
するものである。
【0013】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,一端が閉塞し他
端が開口した有底円筒形の固体電解質と,該固体電解質
の外側面に設けた被測定ガスに接触する外側電極と,該
固体電解質の内側面に,上記固体電解質を介して上記外
側電極と対向する位置に設けられた内側電極とよりなる
酸素濃度検出素子と,該酸素濃度検出素子を保持するハ
ウジングとからなる酸素濃度検出器において,上記外側
電極の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には,ガ
ス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有する第一
絶縁層を設けてなり,更に,該第一絶縁層の外方には,
電気的に絶縁性を有する第二絶縁層を設けてなり,か
つ,上記第一絶縁層と上記第二絶縁層との間にはヒータ
層を設けてなることを特徴とする酸素濃度検出器にあ
る。
【0014】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明の酸素濃度検出器を構成する酸素濃度検出素子にお
いては,第一絶縁層と第二絶縁層との間にヒータ層を設
けてある。上記ヒータ層と上記固体電解質との間の距離
は,たかだか数百μmである。このため,上記ヒータ層
において発生した熱の多くが,速やかに外側電極側に伝
導することができる。よって,速熱性に優れた酸素濃度
検出素子を有する酸素濃度検出器を得ることができる。
【0015】また,上記ヒータ層は酸素濃度検出素子の
表面に露出しておらず,上記第二絶縁層によって覆われ
ている。このため,上記ヒータ層にて生じた熱が外部に
放出されることを抑制することができる。
【0016】また,上記ヒータ層は固体電解質に対し
て,直接設けられていない。よって,固体電解質が還元
劣化されたり,ヒータ層を流れる電流が酸素濃度検出回
路に漏洩することを防止することができる。
【0017】従って,本発明によれば,固体電解質のヒ
ータ層への電圧印加による劣化や,漏れ電流による検出
不良が生じることがなく,かつ速熱性に優れた酸素濃度
検出素子を有する酸素濃度検出器を得ることができる。
【0018】次に,上記ヒータ層は,上記外側電極の面
積の0.1〜0.8倍を被覆するよう設けてあることが
好ましい。上記ヒータ層は,上記外側電極の上に設けて
あることが,速熱性の点からは好ましい。ただし,上記
ヒータ層の真下にある外側電極については,該ヒータ層
が酸素の通過を阻害するため,酸素濃度検出の機能を果
たし難い状態にある。
【0019】よって,上記ヒータ層が上記外側電極の面
積の0.1倍未満を被覆している場合には,ヒータ層と
外側電極との距離が遠くなり,酸素濃度検出素子の速熱
性が悪化するおそれがある。一方,上記ヒータ層が上記
外側電極の面積の0.8倍より広い部分を被覆している
場合には,該ヒータ層により酸素の移動が阻害され,酸
素濃度検出の精度が悪化する。なお,上記外側電極の面
積とは,外側電極において特に酸素濃度検出に寄与する
部分の面積を示している。具体的には,例えば,後述の
図4に示すごとく,被測定ガス室と対面した部分を示
す。
【0020】ところで,上記酸素濃度検出素子におい
て,上記ヒータ層より発生した熱は,酸素濃度検出素子
の閉塞端側から胴部,そして開口端側へと伝導する。こ
のため,より閉塞端側の温度が高くなり,胴部の温度が
低くなるという温度分布が酸素濃度検出素子に生じてし
まう。
【0021】そこで,上記ヒータ層は,その幅が,酸素
濃度検出素子の胴部へ向かう程細くなるよう形成するこ
とが好ましい。または,上記ヒータ層は,その厚みが上
記胴部へ向かう程薄くなるよう形成することが好まし
い。更には,上記ヒータ層のパターンを胴部側へ集中化
させて,胴部側がより高温度となるよう形成することが
好ましい。以上の構成により,より胴部側に設けたヒー
タ層の発熱量が増大するため,上述の温度分布を解消す
ることができる。
【0022】また,上記ヒータ層の周囲には空間層を形
成することが好ましい。上記第二絶縁層と上記ヒータ層
の熱膨張差が大きい場合には,上記ヒータ層の発熱時に
熱応力が発生し,上記第二絶縁層に割れが生じることが
ある。上記空間層を設けることにより,該空間層におい
て,熱応力を緩和することができる。なお,上記空間層
は,例えば,上記ヒータ層の周囲に形成された中空部分
である(図9参照)。
【0023】また,本発明にかかる酸素濃度検出器は,
酸素濃度検出素子と該酸素濃度検出素子を保持するハウ
ジングとよりなる。上記酸素濃度検出器の構成として
は,種々の構成が考えられるが,例えば,後述の図4に
示すごとく,酸素濃度検出素子を保持するハウジングと
該ハウジングの下端に設けられ,上記酸素濃度検出素子
の下部を保護する素子保護カバーと,上記ハウジングの
上端に設けられた大気側カバーとよりなる構成が挙げら
れる。
【0024】また,上記酸素濃度検出素子は,例えば,
ハウジングに対し直接当接することにより保持されてい
る。または,例えば,ハウジングに対しワッシャ等を介
して当接することにより保持されている。また,上記酸
素濃度検出素子とハウジングとの間には,例えばタル
ク,絶縁碍子等を設置することができる。これにより,
酸素濃度検出素子とハウジングとの間を気密封止,絶縁
封止することができる。また,本発明にかかる酸素濃度
検出器の構成は以上の構成に限定されるものではない。
【0025】次に,請求項2の発明のように,上記第二
絶縁層はガス透過性の多孔質であることが好ましい。こ
れにより,第二絶縁層を被測定ガスが速やかに通過し,
外側電極に到達することができる。このため応答性に優
れた酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器を得るこ
とができる。
【0026】次に,請求項3の発明のように,上記第二
絶縁層はガス不透過性であることが好ましい。これによ
り,上記第二絶縁層を経由して,被測定ガスがヒータ層
に直接接触することを防止することができる。仮に,上
記被測定ガスが上記ヒータ層に接触した場合には,上記
被測定ガス中に含まれる酸素がヒータ層に吸着され,外
側電極への酸素の到達が遅れ,酸素濃度検出素子の応答
性が低下するおそれがある。
【0027】次に,請求項3の発明のように,上記第一
絶縁層の厚みは10〜900μm,気孔率は1〜50%
であることが好ましい。これにより,絶縁不良の防止を
図り,優れた応答性を有する酸素濃度検出素子を得るこ
とができる。
【0028】上記第一絶縁層の厚みが10μm未満であ
る場合には,ヒータ層と固体電解質との距離が狭まり,
外側電極とヒータ層との間で絶縁不良が生じ,酸素濃度
検出に支障をきたすおそれがある。一方,第一絶縁層の
厚みが900μmより厚い場合には,ヒータ層と外側電
極との距離が遠くなるため,速熱性が悪化するおそれが
ある。
【0029】上記気孔率が1%未満である場合には,上
記第一絶縁層におけるガス拡散性が悪化するおそれがあ
る。一方,50%より大きい場合には,上記第一絶縁層
の強度低下を招き,振動,衝撃等により亀裂が発生した
り,該第一絶縁層が剥離するおそれがある。
【0030】また,上記第一絶縁層及び第二絶縁層は,
例えばアルミナ,スピネル等の耐熱性金属酸化物の粉末
をプラズマ溶射することにより形成することができる。
更に,上記第一絶縁層の耐熱性金属酸化物としては,高
熱伝導材料を使用し,一方,上記第二絶縁層の耐熱性金
属酸化物としては,低熱伝導材料を使用することが好ま
しい。これにより,ヒータ層より発生した熱が酸素濃度
検出素子の表面に放出されることを抑制することができ
る。なお,上記高熱伝導材料としては,例えば,Mg
O,BeO等を,上記低熱伝導材料としては,例えば,
コーディエライト,ムライト等を用いることができる。
【0031】次に,請求項4の発明のように,上記ヒー
タ層は,導電材料とガラス質とよりなることが好まし
い。上記導電材料が通電により発熱する働きを有し,上
記ガラス質が上記導電材料を第一絶縁層の表面に付着さ
せる働きを有することから,第一絶縁層に対して強い付
着力を有するヒータ層を得ることができる。なお,上記
ガラス質としては,ホウケイ酸ガラス及び鉛ガラス等を
使用することができる。
【0032】また,上記ヒータ層の形成に当たっては,
例えば,上記導電材料とガラス質を有機溶媒を用いて混
合し,導電性塗布液となし,これを印刷等の手段により
所定のパターンにて第一絶縁層の表面に形成後,焼き付
けて設けることが好ましい。これにより,所望の形状を
有するヒータ層を容易に得ることができる。
【0033】また,上記導電性塗布液の調整に当たって
は,上記導電材料50〜90重量%と,上記ガラス質を
1〜20重量%を混合し,この混合物に,上記有機溶媒
及び,必要に応じ有機バインダを添加し100重量%と
することが好ましい。これにより,均一な厚みを有し,
かつ上記第一絶縁層に対して強い付着力を有するヒータ
層を得ることができる。上記導電材料が50重量%未満
である場合,焼付時の収縮が大きくなりヒータ層に亀裂
が発生する恐れがあり,安定した層を得ることができな
い。一方,90重量%よりも多い場合には,上記導電性
塗布液の粘度が高くなり,印刷等による第一絶縁層の表
面への塗布の際に,カスレやムラが生じる恐れがある。
【0034】また,上記ガラス質が1重量%未満である
場合には,熱処理後に,ヒータ層の付着力が低下するお
それがある。一方,20重量%よりも多い場合には,ヒ
ータ層の抵抗値が高くなりすぎるおそれがある。
【0035】また,上記導電材料は粒径が0.1〜5μ
mである粉末であることが好ましい。これにより,優れ
たヒータ層を得ることができる。上記粒径が0.1μm
未満である場合には,熱処理後に導電材料の粒子が凝集
するおそれがある。一方,上記粒径が5μmより大きい
場合には,熱処理後にヒータの抵抗が高くなりすぎるお
それがある。
【0036】また,上記ヒータ層を形成する際の印刷方
法としては,例えば,スクリーン印刷,パッド印刷,ロ
ール転写等の手法を挙げることができる。また,上記導
電性塗布液の層と該層に積層形成した粘着層とを有する
転写紙を準備し,該転写紙を粘着層を下にして,上記第
一絶縁層に対し張り付け,ヒータ層を形成することもで
きる。このような転写紙を利用する方法を採用した場合
には,厚みにばらつきのないヒータ層を得ることができ
る。仮にヒータ層の厚みにばらつきが生じた場合には,
ヒータの初期抵抗値にばらつきが生じやすい。更に,ヒ
ータ層の耐久性が悪化するおそれがある。上記方法は以
上の問題点を解消することができる。
【0037】次に,請求項6の発明のように,上記ヒー
タ層は,導電材料よりなり,該導電材料は貴金属粉末,
ペロブスカイト型酸化物粉末の一方または双方よりなる
ことが好ましい。これにより,耐久性に優れたヒータを
得ることができる。また,上述するごとく,ペロブスカ
イト型酸化物粉末を用いることにより,ヒータ層の材料
コストを削減することができる
【0038】なお,上記貴金属粉末としては,Pt,R
h,Pd等を使用することができる。上記ペロブスカイ
ト型酸化物粉末としては,LaCrO3 ,La0.5 Sr
0.5CoO3 等を使用することができる。
【0039】次に,請求項7の発明のように,上記ヒー
タ層は,金属線または金属箔よりなることが好ましい。
これにより,ヒータ層の材料コストを削減することがで
きる。更に,抵抗バラツキを低減することができる。ま
た,上記金属線を用いる際には,該金属線を予めコイル
状に巻き,コイル状の金属線に対し,第一絶縁層を設け
た固体電解質を挿入,焼成することにより上記ヒータ層
を形成することができる。なお,上記金属線としては,
カンタル等を使用することができる。
【0040】次に,請求項8の発明のように,上記有底
円筒形の固体電解質は,上記ヒータ層に接続したヒータ
リード部を,また上記外側電極に接続した外側電極リー
ド部を,更に,上記内側電極に接続した内側電極リード
部をそれぞれ有していることが好ましい。これにより,
必要な部分にのみヒータ層,内側電極,外側電極を形成
することができ,性能,コストに優れ,また,外部への
出力取出,及びヒータ層への電力供給を容易に行うこと
ができる。
【0041】次に,請求項9の発明のように,上記有底
円筒形の固体電解質には,その閉塞端側に上記ヒータ層
が設けてあり,またその開口部側の胴部にはヒータリー
ド部を介して上記ヒータ層と接続したヒータ端子部を設
けてあり,かつ上記第一絶縁層は上記ヒータ端子部を設
けた位置まで形成されていることが好ましい。
【0042】ところで,本発明にかかる酸素濃度検出器
を,自動車内燃機関における排気系,特に高温の排気ガ
ス等に曝される自動車内燃機関の燃焼室の近傍に設置し
た場合には,該酸素濃度検出器に設けられた酸素濃度検
出素子の酸素濃度検知部分,即ち外側電極が設けられた
固体電解質の閉塞端側が排気ガスの熱や自己のヒータ層
への通電による発熱により特に加熱され高温となるが,
該閉塞端側の熱が胴部へと伝導し,胴部もまた加熱され
高温となる。
【0043】以上により,上記ヒータ層への通電のため
の電圧が印加される上記ヒータ端子部まで上記第一絶縁
層を延長形成することにより,胴部における固体電解質
がかなりの高温状態となる様な場合でも,該固体電解質
に還元劣化が発生すること,また,上記固体電解質とヒ
ータ層との間に絶縁不良が発生することを防止すること
ができる。
【0044】なお,上記延長形成され,胴部に形成され
た第一絶縁層は,閉塞端側に形成された第一絶縁層と必
ずしも同一のものとする必要はない。これは,閉塞端側
においては,固体電解質に対し被測定ガスを透過させる
必要があることから,上記第一絶縁層においても被測定
ガスを透過する機能を必要とするが,胴部においては,
被測定ガスを透過させる必要はないためである。従っ
て,胴部に設けた第一絶縁層を,閉塞端側に設けた第一
絶縁層よりも緻密なものとすることもできる。
【0045】次に,請求項10の発明によれば,上記酸
素濃度検出素子は,上記ハウジングに対して当接した状
態で保持されていることが好ましい。これにより,酸素
濃度検出素子の組付け姿勢を傾くことなくまっすぐに安
定させることが容易となり,酸素濃度検出素子の表面に
組付けられる複数の出力を取出すための部材や,ヒータ
層に対して通電するための部材(図4参照)が,酸素濃
度検出器における各種カバー等(図4参照)と接触する
様な不具合発生を防止することができる。
【0046】次に,請求項11の発明によれば,上記酸
素濃度検出素子を,上記ハウジングに対して金属製のワ
ッシャを介して当接した状態で保持することが好まし
い。これにより,組付時に固体電解質に直接大きな衝撃
が加えられることを防ぐことができる。
【0047】また,請求項12の発明によれば,上記酸
素濃度検出素子を,上記ハウジングに対して絶縁碍子を
介して当接した状態で保持することが好ましい。これに
より,外部からのノイズ信号が,検出器の酸素濃度検出
回路に侵入することを防ぐことができる。また,ハウジ
ングへのヒータ層の熱ひけを抑制することができる。
【0048】次に,請求項13の発明によれば,上記第
二絶縁層は,上記ハウジングに当接保持される酸素濃度
検出素子の保持当接面まで形成されていることが好まし
い。これにより,上記ヒータ層の熱が保持当接面を通じ
てハウジング側へ放出されることを抑制することができ
ると共に,ヒータ層とハウジングとの間の電気的絶縁を
とるための各種構成等が不要となり,部品点数を減らす
ことができ,酸素濃度検出器の構成を簡素化することが
できる。
【0049】次に,請求項14の発明によれば,上記第
一絶縁層の表面には平滑面を設けてなり,該平滑面に対
し上記ヒータ層を設けてなることが好ましい。
【0050】ところで,上記第一絶縁層はプラズマ溶射
等により設けることが多いが,このようにして設けた上
記第一絶縁層の表面は凹凸状態にある。このような第一
絶縁層にヒータ層を設けた場合には,該ヒータ層の厚み
が不均一となるおそれがあり,この場合,ヒータ層の厚
みの薄い部分,即ち抵抗の高い部分に発熱が集中する。
よって,上記ヒータ層の温度が部分的に高温となり,こ
の部分のヒータ層の劣化が加速される。
【0051】また,上記第一絶縁層の表面が凹凸状態で
あることから,上記ヒータ層と上記第一絶縁層との間に
気泡がはいることもある。気泡が入った場合には,上記
ヒータ層を第一絶縁層に対し焼付けた後,該ヒータ層に
浮きが生じる。この場合には,上記ヒータ層にて発生し
た熱がスムーズに固体電解質に伝熱せず,浮きを生じた
部分に溜まるおそれがある。このため,熱の溜まった部
分が異常な高温に曝されることとなり,この部分におい
てヒータ層が早々に劣化する。
【0052】従って,第一絶縁層の表面に平滑面を設け
ることにより,厚みが均一であり,第一絶縁層への密着
性の高いヒータ層を得ることができ,このことから耐久
性に優れたヒータ層を得ることができる。
【0053】また,上記平滑面を第一絶縁層の表面に設
けるには,例えば,第一絶縁層を形成後,砥石等を用い
てこの表面を研磨する,またはバイト等を用いてこの表
面を切削すること等の手法を挙げることができる。更
に,このようにして平滑面を得る場合には,平滑面とそ
うでない面との間に段差が生じるおそれがある。上記段
差が生じた場合には,第一絶縁層の表面に設けるヒータ
層,ヒータリード部等が,その段差の部分で断線し易く
なる。このため,平滑面とそうでない面との間にはテー
パ部を設け,段差をなくすように構成することが好まし
い(図15参照)。
【0054】次に,請求項15の発明のように,上記第
一絶縁層の平滑面は,その表面粗さが十点平均粗さ(J
IS B0601−1982)にて0〜30μmである
ことが好ましい。これにより,厚みが均一であり,第一
絶縁層への密着性の高いヒータ層を得ることができ,こ
のことから耐久性に優れたヒータ層を得ることができ
る。上記十点平均あらさが30μmを越えた場合には,
ヒータ層の耐久性が低くなるおそれがある。
【0055】次に,請求項16の発明のように,上記ヒ
ータ層は上記外側電極よりも酸素吸着力が弱いことが好
ましい。ところで,本発明にかかる酸素濃度検出素子に
おいて,被測定ガス中に含まれる酸素は第二絶縁層,次
いで第一絶縁層を経由して(ただし,第一絶縁層が直接
被測定ガスと接触する部分を有する場合には,この限り
ではない。)外側電極に到達する。
【0056】このため,被測定ガス中の酸素が上記ヒー
タ層の周囲を経由して,外側電極へと到達することもあ
る。仮にヒータ層の酸素吸着力が外側電極よりも大きい
場合には,被測定ガス中の酸素はヒータ層においてトラ
ップされてしまう。この場合には,被測定ガス中の酸素
の外側電極への到達時間が遅れることとなるため,酸素
濃度検出素子の応答性が低下してしまう。以上により,
上記ヒータ層の酸素吸着力を上記外側電極よりも弱くす
ることにより,被測定ガス中の酸素のヒータ層でのトラ
ップを防止でき,応答性に優れた酸素濃度検出素子を有
する酸素濃度検出器を得ることができる。
【0057】次に,請求項17のように,上記ヒータ層
は,白金と金とよりなる混合または合金材料よりなり,
かつ上記混合または合金材料における金の含有率は,
0.5〜50重量%であることが好ましい。これによ
り,上記ヒータ層の酸素吸着力を上記外側電極よりも弱
くすることができる。なお,上記外側電極は白金をはじ
めとする金以外の貴金属により構成されている。
【0058】上記金の含有率が0.5重量%未満である
場合には,ヒータ層の酸素吸着力を十分弱くすることが
できず,酸素濃度検出素子の応答性が低下するおそれが
ある。また,上記含有率が50重量%を越えた場合に
は,ヒータ層の融点が著しく低下し,ヒータ層の使用温
度とヒータ層の融点の差が小さくなるため,該ヒータ層
の耐久性が低下するおそれがある。
【0059】なお,上記ヒータ層を設けるに当たって
は,上述したごとく,例えば,上記導電材料とガラス質
に有機溶媒を添加し,また,必要に応じ,有機バインダ
を添加することにより,導電性塗布液となし,これを印
刷等の手段により第一絶縁層の表面に設けることが好ま
しい。この場合に用いる導電性塗布液の調整方法である
が,例えば以下に示す方法を挙げることができる。白金
及び金の粉末を所望の比で混合し,この混合粉末に対
し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有
機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
また,白金及び金を所望の成分比にて合金化し,該合金
よりなる粉末を作成する。その後,この粉末に対し,各
種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤
と共に混練法によりペースト化する方法がある。
【0060】白金粉末に対し,金を有機塩の形で混合
し,この混合物に対し,各種フリット成分よりなる粉末
を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト
化する方法がある。また,白金と金とをそれぞれ有機塩
の形で混合し,この混合物に対し,各種フリット成分よ
りなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によ
りペースト化する方法がある。また,白金粉末に,白金
と金とを有機塩の形で混合し,この混合物に対し,各種
フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と
共に混練法によりペースト化する方法がある。
【0061】次に,請求項18の発明のように,上記ヒ
ータ層は白金と,Pd,Rh,Irより選ばれる少なく
とも一種よりなることが好ましい。これにより,上記ヒ
ータ層の酸素吸着力を上記外側電極よりも弱くすること
ができる。
【0062】次に,請求項19の発明のように,上記ヒ
ータリード部及び上記外側電極リード部は,上記外側電
極よりも被測定ガスの酸化,還元の触媒作用が小さいこ
とが好ましい。
【0063】ところで,本発明にかかる酸素濃度検出素
子においては,ヒータリード部,外側電極リード部の部
分まで被測定ガスが到達することがある。そして,上記
被測定ガス中に含まれるHC,CO,CO2 等は,上記
ヒータリード部及び外側電極リード部の温度がヒータ層
と比較して低いことから,ここにおいて酸化または還元
され,Cとなって析出し,ヒータリード部,外側電極リ
ード部を劣化,断線させることがあった。そこで,ヒー
タリード部および外側電極リード部の触媒作用を小さく
することにより,Cの析出が抑制され,ヒータリード
部,外側電極リード部の劣化,断線を防止することがで
きる。
【0064】次に,請求項20の発明のように,上記ヒ
ータリード部は,金または金とPt,Pd,Rh,Ir
より選ばれる少なくとも一種を混合した金合金よりなる
ことが好ましい。これにより,ヒータリード部および外
側電極リード部の触媒作用を小さくすることにより,C
の析出が抑制され,ヒータリード部,外側電極リード部
の劣化,断線を防止することができる。
【0065】更に,上記ヒータ層と比較して,上記ヒー
タリード部の電気抵抗を小さくすることができる。仮
に,上記ヒータ層と上記ヒータリード部が共に同材質で
ある場合には,その電気抵抗値も共に同程度となる。こ
の場合には,通電により,ヒータ層,ヒータリード部が
共に発熱するが,ヒータリード部における発熱は外側電
極の加熱に寄与しないため,通電した電力が無駄にな
る。上記ヒータリード部を上述の金または金合金にて構
成することにより,発熱はより電気抵抗の高いヒータ層
に集中する。このため,ヒータ層,ヒータリード部に供
給された電力を効率よく外側電極の加熱に消費すること
ができる。
【0066】なお,上記ヒータリード部を設けるに当た
っては,上述したごとく,例えば,上記導電材料とガラ
ス質に有機溶媒を添加し,必要に応じ,有機バインダを
添加することにより,導電性塗布液となし,これを印刷
等の手段により第一絶縁層の表面に設けることが好まし
い。この場合に用いる導電性塗布液の調整方法である
が,例えば以下に示す方法を挙げることができる。
【0067】金に,各種フリット成分よりなる粉末を有
機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化す
る方法がある。金及びPt,Pd,Rh,Irのいずれ
かを所望の成分比にて合金化し,該合金よりなる粉末を
作成する。その後,この粉末に対し,各種フリット成分
よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法に
よりペースト化する方法がある。
【0068】金の粉末に対し,上記Pt等を有機塩の形
で混合し,この混合物に対し,各種フリット成分よりな
る粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペ
ースト化する方法がある。また,金と上記Pt等をそれ
ぞれ有機塩の形で混合し,この混合物に対し,各種フリ
ット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に
混練法によりペースト化する方法がある。また,金粉末
に,金と上記Pt等を有機塩の形で混合し,この混合物
に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バイン
ダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法が
ある。
【0069】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる酸素濃度検出器につき,図
1〜図8を用いて説明する。図1〜図4に示すごとく,
本例の酸素濃度検出器2は,有底円筒形の固体電解質1
0と,該固体電解質10の外側面に設けた被測定ガスに
接触する外側電極15と,その内側面に上記固体電解質
10を介して上記外側電極15と対向する位置に設けた
内側電極16とよりなる酸素濃度検出素子1と,該酸素
濃度検出素子1を保持するハウジング20(図4参照)
とからなる。そして,上記外側電極15の少なくとも酸
素濃度検出に供される表面には,以下に示す絶縁層18
が設けてある。
【0070】図3に示すごとく,上記絶縁層18は,ガ
ス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有する第一
絶縁層11と,該第一絶縁層11の外方に設けた,電気
的に絶縁性を有する第二絶縁層12とよりなる。そし
て,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との間に
はヒータ層13を設けてなる。なお,上記第二絶縁層1
2はガス透過性の多孔質体である。
【0071】上記固体電解質10は,図1に示すごと
く,上記外側電極15を帯状に設けた閉塞端側101
と,該閉塞端側101より径の太い胴部102とよりな
る。また,上記胴部102の中央には,半径方向外向き
に突出形成された鍔部19が設けてある。また,上記固
体電解質10には,上記外側電極15より延設された外
側電極リード部150及び外側電極端子部151とが設
けてある。
【0072】上記ヒータ層13は,図3に示すごとく,
上記外側電極15の上に第一絶縁層11を介して設けて
ある。また,上記固体電解質10の胴部102にヒータ
リード部130を介して上記ヒータ層13と接続したヒ
ータ端子部131,132が設けてある。
【0073】図1,図2に示すごとく,上記ヒータリー
ド部130及びヒータ端子部131,132の幅は上記
ヒータ層13より広く形成されている。また,上記ヒー
タ端子部131と132は一本のヒータ層13を形成す
るそれぞれの末端部分であり,一方のヒータ端子部13
1には正,他方のヒータ端子部132には負の電位が印
加される。なお,上記第一絶縁層11及び第二絶縁層1
2は,固体電解質10における鍔部19の下方にのみ設
けてある。これは,図5に示すような,酸素濃度検出素
子1とハウジング20との間に絶縁碍子216及びワッ
シャパッキン217を介し構成されたものの場合に適す
る。
【0074】次に,酸素濃度検出器2につき説明する。
図4に示すごとく,上記酸素濃度検出器2は,酸素濃度
検出素子1を保持固定するためのハウジング20と該ハ
ウジング20の下端に設けられ,上記酸素濃度検出素子
1の下部を保護する二重の素子保護カバー231,23
2と,上記ハウジング20の上端に設けられた大気側カ
バー241,242,243とを有する。
【0075】上記素子保護カバー231,232によ
り,上記酸素濃度検出素子1の周囲に被測定ガス室23
9が形成され,またその側面には複数の被測定ガス導入
口230,233が設けてある。上記大気側カバー24
1は上記ハウジング20に対し金属リング215を介し
てかしめ固定されている。また,上記大気側カバー24
2は大気側カバー241に対しかしめ固定され,上記大
気側カバー243は大気側カバー242に対しかしめ固
定されている。
【0076】また,上記酸素濃度検出素子1は鍔部19
において,ハウジング20の内部に設けられたテーパ部
にワッシャ211を介して保持されている。そして,上
記鍔部19の上面と上記ハウジング20との間は,タル
ク212,パッド213,絶縁碍子214が設置され,
気密封止されている。なお,上記大気側カバー241の
下端は上記絶縁碍子214と当接している。
【0077】上記酸素濃度検出素子1の出力取出経路に
つき説明する。図1に示すごとく,上記固体電解質10
において,上記外側電極15には,外側電極リード部1
50を介して外側電極端子部151が設けてある。上記
酸素濃度検出素子1の出力は,外側電極端子部151に
取付けた出力取出部263によって外部に取出されてい
る。なお,上記出力取出部263は外側電極端子部15
1と直接接触する接触片と,該接触片に対し導通形成さ
れた端子片とよりなる。
【0078】一方,固体電解質10において,上記内側
電極16にも,内側電極リード部160を介して内側電
極端子部161が設けてある。上記内側電極リード部1
60及び内側電極端子部161は固体電解質10の内側
面に対し形成されている(後述の図11,図12,図1
3参照)。そして,上記内側電極端子部161は外側電
極15の外側電極端子部151とは別体として設けてあ
り,該内側電極端子部161に接触するよう出力取出部
264が酸素濃度検出素子1に対し取付けてある。上記
出力取出部264は,外側電極15の外側電極端子部1
51に対し接触するよう取付けた出力取出部263とは
別体の部品である。
【0079】次に,上記ヒータ層13に対する通電経路
につき説明する。図1に示すごとく,上記固体電解質1
0において,ヒータ層13には,ヒータリード部130
を介して接続されたヒータ端子部131,132が設け
てある。上記ヒータ層13への通電は,上記ヒータ端子
部131,132に対し,正負の通電端子261,26
2を取付けることにより行なわれている。なお,上記通
電端子は261,262は,上記ヒータ端子部131,
132に接触する接触片と,該接触片に対し導通形成さ
れたリード部266,267とよりなる。
【0080】そして,上記出力取出部263,264及
び通電端子261,262にはそれぞれリード線271
〜274が接続されている。そして,それぞれのリード
線271〜274は酸素濃度検出器2の大気側カバー2
41〜243の内部を経由して,外部に設けられたコネ
クタ29に対し接続されている。なお,上記酸素濃度検
出器2はハウジング20に設けられたネジ201によ
り,自動車内燃機関における排気系に取り付けられてい
る。
【0081】次に,上記酸素濃度検出素子1の製造方法
につき説明する。まず,ZrO2 等の原料粉末を加圧成
形した後,温度1400〜1600℃にて焼成し,有底
円筒形の固体電解質10を得る。上記固体電解質10の
内側面及び外側面に対し,Pt等の貴金属のスパッタも
しくはメッキ等により,内側電極16及び外側電極1
5,外側電極リード部150,外側電極端子部151を
形成する。その後,上記固体電解質10の鍔部19より
下方の外側面及び外側電極15の表面に対し,耐熱性金
属酸化物の粉末をプラズマ溶射することにより,第一絶
縁層11を形成する。
【0082】次いで,上記固体電解質10の鍔部19よ
り上方の外側面及び第一絶縁層11の表面に,図1及び
図2に示すごとく,導電性塗布液を印刷,温度900℃
〜1100℃にて熱処理し,ヒータ層13,ヒータリー
ド部130,ヒータ端子部131,132となす。次い
で,上記ヒータ層13及び第一絶縁層11の表面に,上
記耐熱性金属酸化物の粉末をプラズマ溶射することによ
り,第二絶縁層12を形成する。以上により,酸素濃度
検出素子1を得る。
【0083】本例の作用効果につき,以下に説明する。
本例の酸素濃度検出器2が有する酸素濃度検出素子1
は,第一絶縁層11と第二絶縁層12との間にヒータ層
13を設けてある。上記ヒータ層13と固体電解質10
との間の距離は,たかだか数百μmである。このため,
ヒータ層13より発生した熱の多くが,速やかに固体電
解質10に伝導することができる。
【0084】また,上記ヒータ層13は固体電解質10
に直接設けられていない。よって,上記ヒータ層13か
らの漏れ電流による固体電解質10の還元劣化を防止で
きる。従って,本例によれば,外側電極15及び内側電
極16とヒータ層13の間にて絶縁不良が生じることが
なく,かつ速熱性に優れた酸素濃度検出素子1を有する
酸素濃度検出器2を得ることができる。このため,上記
酸素濃度検出素子1を用いた本例の酸素濃度検出器2
は,自動車内燃機関の始動直後より,正確な空燃比を検
知することができる。
【0085】また,図6に,本例にかかる酸素濃度検出
素子1(後述の表1における試料1−2)及び従来の棒
状のヒータ99が挿入された酸素濃度検出素子9(後述
の表1における試料1−9)において,限界電流と空燃
比との間に成立する関係を示した。同図によれば,本例
と従来例との間には特性上の差異が殆ど存在しないこと
が分かった。
【0086】次に,本例にかかる酸素濃度検出素子1の
性能評価につき,表1を用いて,以下に説明する。ま
ず,表1における試料1−1〜試料1−8の酸素濃度検
出素子は,本例にかかる酸素濃度検出素子である。ただ
し,上記各酸素濃度検出素子はそれぞれ,第一絶縁層の
厚み及びH/Dの値が異なる。なお上記Hとは,外側電
極を覆うヒータ層の面積である。上記Dとは,酸素濃度
検出にかかる外側電極の面積を示している。
【0087】また,試料1−9は,図28,図29に示
す,固体電解質90と,該固体電解質90の外側面に設
けた外側電極95と,その内側面に設けた内側電極96
とよりなり,かつ上記外側電極95の表面には絶縁層9
1が設けてある酸素濃度検出素子9である。また,上記
酸素濃度検出素子9は,その内部に基準ガスが導入され
る内室92が設けてあり,該内室92には棒状のヒータ
99が挿入配置されている。なお,上記ヒータ99は窒
化珪素に発熱体を埋設することよりなる。
【0088】次に,上記性能評価の詳細につき説明す
る。上記性能評価は,『絶縁性』『応答性』『速熱性』
の三点より行った。上記『絶縁性』の評価においては,
ヒータ層及び外側電極(試料1−9においてはヒータと
内側電極)との間の常温(20プラスマイナス1℃)に
おける抵抗値を測定し,1MΩ以上であるものを○,1
MΩ未満であるものを×とした。
【0089】上記『応答性』の評価においては,試料1
〜9にかかる酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器
(図4参照)を取りつけた排気系を有する2000cc
の6気筒エンジンにて,1100rpmにおけるインジ
ェクタの燃料噴射時間を変えて,A/Fを14から15
へ,または15から14へと切り換えた。この時の上記
酸素濃度検出器の応答時間を測定し,200ms以下で
あるものを○,200msより大きいものを×とした。
【0090】なお,上記応答時間とは,上記酸素濃度検
出器(限界電流式)の出力電流値において,その値が変
化した幅を100とした場合の,上記変化の幅100に
対して,その63%の変化に,上記A/Fを切り換えて
から要した時間である。
【0091】上記『速熱性』の評価は,以下に示すごと
く行った。まず,試料1−1〜1−9における酸素濃度
検出素子のヒータ層の常温抵抗を1Ωとなし,これを取
りつけた酸素濃度検出器を排気系に取り付けたエンジン
を準備する。このエンジンの始動と同時に,上記酸素濃
度検出素子に14Vの電圧を印加した。この時の酸素濃
度検出素子の内部抵抗を,内側電極と外側電極との間に
0.1Vを印加することにより測定した。この値が15
0Ω以下であるものを○,150Ωより大きいものを×
とした。
【0092】また,上記同様に内部抵抗を測定し,この
値が150Ωに到達した時間を測定した。この値が10
秒未満の場合には,『速熱性』にすぐれているといえ
る。以上の結果を表1に記した。
【0093】同表より,試料1−1〜試料1−5につい
ては,『絶縁性』,『応答性』,『速熱性』のいずれに
おいても○が記され,優れた酸素濃度検出素子であるこ
とが分かった。試料1−6については,H/Dの値が大
きすぎるため『応答性』に劣っていた。試料1−7につ
いては,第一絶縁層の厚みが薄すぎるため『絶縁性』に
劣っていた。試料1−8については,第一絶縁層の厚み
が厚すぎるため『速熱性』に劣っていた。試料1−9に
ついては,酸素濃度検出素子とは別体の,棒状のヒータ
を使用しているため,『速熱性』に劣っていた。
【0094】以上により,第一絶縁層の厚みが10〜9
00μmの範囲内にあり,かつH/Dの値が0.1〜
0.8の範囲内ある場合に,特に優れた酸素濃度検出素
子を得ることができることが分かった。
【0095】なお,上述した本例の酸素濃度検出素子は
限界電流式の酸素濃度検出素子である。図7に示すごと
き,理論空燃比を境目にして階段状に変化する特性を有
する酸素濃淡起電力式の酸素濃度検出素子においても,
本例のごときヒータ層を設けることができる。また,こ
の酸素濃度検出素子も,上述と同様の作用効果を有す
る。
【0096】また,上述した本例の酸素濃度検出素子1
においては,外側電極15が固体電解質10の側面に帯
状に設けられていた。しかし,図8に示すごとく,固体
電解質10の下方から底部にかけた全体を被覆するよう
に外側電極15を設けることもできる。このような酸素
濃度検出素子においても,上述と同様の作用効果を有す
る。
【0097】
【表1】
【0098】実施形態例2 本例は,図1に示す形状の酸素濃度検出素子の実施形態
例1とは異なる製造方法につき説明する。まず,ZrO
2 等の原料粉末を加圧成形した後,温度1200℃にて
仮焼し,有底円筒形の固体電解質を得る。
【0099】次いで,粒子径が0.1〜5μmである白
金粉末50〜90重量%と,ガラス粉末1〜20重量%
を混合し,得られた混合物に,有機バインダ3〜10重
量%及び,有機溶媒を添加し,100重量%とした導電
性塗布液を準備する。次いで,上記固体電解質の内側面
及び外側面に対し,上記導電性塗布液を印刷,乾燥し,
内側電極及び外側電極,電極リード部,電極端子部を形
成する。
【0100】その後,上記固体電解質の鍔部より下方の
外側面及び外側電極の表面に対し(図1参照),耐熱性
金属酸化物の粉末をスラリー化したものをディップ,乾
燥することにより,第一絶縁層を形成する。なお,上記
耐熱性金属酸化物としては,アルミナ,スピネルが挙げ
られる。
【0101】次いで,上記電解質の鍔部より上方の外側
面及び第一絶縁層の表面に(図1参照),上記電極形成
に使用したものと同様の導電性塗布液を印刷,乾燥し,
ヒータ層,ヒータリード部,ヒータ端子部となす。次い
で,上記ヒータ層及び第一絶縁層の表面に,第一絶縁層
と同様にして,第二絶縁層を形成する。最後に,この固
体電解質を温度1400℃〜1600℃にて焼成し,酸
素濃度検出素子となす。その他は実施形態例1と同様で
ある。また,本例の方法により得られた酸素濃度検出素
子も,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0102】実施形態例3 本例は,図9に示すごとく,ヒータ層の周囲に空間層を
設けた酸素濃度検出素子である。上記酸素濃度検出素子
における絶縁層18は,外側電極15の表面に設けた第
一絶縁層11と,該第一絶縁層11の外方に設けた第二
絶縁層12とよりなり,かつ上記第一絶縁層11と第二
絶縁層12との間には,ヒータ層13が設けてある。
【0103】そして,上記ヒータ層13の周囲には,空
間層139が設けられている。この空間層139は以下
のように形成される。即ち,形成されたヒータ層13上
に,樹脂を塗布する。そしてこの樹脂の上より,第二絶
縁層12をプラズマ容射によって形成する。その後,焼
成されることによって,樹脂が飛ばされ,その結果,い
ままで樹脂が設けられたところが空間となり,ヒータ層
13の周囲に空間層139が形成されることになる。そ
の他は,実施形態例1と同様である。
【0104】本例の酸素濃度検出素子の第二絶縁層12
は,スピネル材料よりなり,一方上記ヒータ層13は導
電材料よりなる。このため両者の間の熱膨張差は大き
い。しかし,上記ヒータ層13の周囲には,上記空間層
139が設けてあるため,上記ヒータ層13に熱による
体積膨張が生じても,該体積膨張は上記空間層139に
て吸収されてしまう。以上により,上記第二絶縁層12
における,熱応力による割れ等の発生を防止することが
できる。その他は,実施形態例1と同様の作用効果を有
する。
【0105】実施形態例4 本例は,図10〜図13に示すごとく,第一絶縁層をヒ
ータ端子部を設けた位置まで形成した酸素濃度検出素子
である。図10〜図12に示すごとく,本例の酸素濃度
検出素子1は,有底円筒形の固体電解質10と,該固体
電解質10の外側面に設けた外側電極15,外側電極リ
ード部150及び外側電極取出部151と,その内側面
に設けた内側電極16,内側電極リード部160及び内
側電極取出部161とよりなる。そして,上記固体電解
質10の閉塞端側101から胴部102の上記外側電極
リード部151のすぐ真下までを被覆するように第一絶
縁層11が設けてある。
【0106】そして,上記第一絶縁層11の表面で固体
電解質10の閉塞端側101,かつ上記外側電極15の
第一絶縁層11を挟んだすぐ外方にはヒータ層13が設
けてあり,また該ヒータ層13にヒータリード部130
を介して接続されたヒータ端子部131が,上記固体電
解質10の胴部102に設けてある。そして,上記ヒー
タ層13を被覆するよう第一絶縁層11に対し第二絶縁
層12が設けてある。なお,上記第二絶縁層12は固体
電解質10の鍔部19より下方にのみ設けてある。その
他は実施形態例1と同様である。
【0107】本例の酸素濃度検出素子においては,上記
ヒータ端子部131まで上記第一絶縁層11を延長形成
してある。これにより,熱と電位とを原因とする胴部1
02における固体電解質10の還元劣化,絶縁不良の発
生を防止することができる。その他は実施形態例1と同
様の作用効果を有する。
【0108】なお,上記酸素濃度検出素子1を固定する
ハウジング(図4参照)は通常金属製である。本例にお
いては,上記ハウジングに対し,上記酸素濃度検出素子
1を直接接触させないために,該酸素濃度検出素子1の
ヒータ端子部131以外の部分に対して,厚さ50μm
程度のセラミック層を設けてある。
【0109】なお,本例における第二絶縁層12は,固
体電解質10の鍔部19の下方まで設けてあった。しか
し,図13に示す酸素濃度検出素子1は,上記第二絶縁
層12を鍔部19まで設けてある。これにより,上記ハ
ウジングに対しヒータリード部が直接接触することを防
止することができる。
【0110】実施形態例5 本例は,第二絶縁層がガス不透過性の層よりなる酸素濃
度検出素子である。図14に示すごとく,本例の酸素濃
度検出素子は,固体電解質10と,該固体電解質10の
外側面に設けた外側電極15と,その内側面に設けた内
側電極16とよりなり,上記外側電極11の少なくとも
酸素濃度検出に供される表面には,ガス透過性の多孔質
よりなり,電気的に絶縁性を有する第一絶縁層11が設
けてある。また,該第一絶縁層11の外方には,電気的
に絶縁性を有し,かつガス不透過性の第二絶縁層12が
設けてある。
【0111】そして,上記第一絶縁層11と上記第二絶
縁層12との間にはヒータ層13を設けてなり,上記第
二絶縁層12は,上記ヒータ層13と対面する場所にの
み部分的に設けてある。その他は実施形態例1と同様で
ある。
【0112】本例にかかる酸素濃度検出素子において,
上記第二絶縁層12は被測定ガスを透過させない。この
ため,上記第二絶縁層12が設けられていない部分,即
ち,図14の矢線aに示されるごとく,第一絶縁層11
が直接被測定ガスと接触している部分より上記被測定ガ
スは導入される。そして,上記第二絶縁層12はヒータ
層13と対面する部分にのみ設けられていることから,
上記被測定ガスは上記ヒータ層13に殆ど接触すること
なく,上記外側電極15に達することができる。以上に
より,上記ヒータ層13に対する被測定ガス中の酸素の
吸着を防止でき,よって応答性に優れた酸素濃度検出素
子を得ることができる。
【0113】実施形態例6 本例は,第一絶縁層の表面に平滑面を設け,該平滑面に
対しヒータ層を設けた酸素濃度検出素子である。図15
(a)〜(d)に示すごとく,本例にかかる酸素濃度検
出素子は,固体電解質10と,該固体電解質10の外側
面に設けた外側電極15と,その内側面に設けた内側電
極16とよりなる。そして,上記外側電極11の少なく
とも酸素濃度検出に供される表面には,第一絶縁層11
が,該第一絶縁層11の外方には第二絶縁層12が設け
てあり,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との
間にはヒータ層13が設けてある。
【0114】上記第一絶縁層11の表面には十点平均粗
さにて25μmである平滑面110が設けてある。そし
て,上記平滑面110と第一絶縁層11の非平滑面11
1との間にはテーパ部119が設けてある。
【0115】本例にかかる酸素濃度検出素子の製造方法
につき説明する。まず,実施形態例1と同様に,有底円
筒形の固体電解質10を作成する。上記固体電解質10
の内側面及び外側面に対し,内側電極16及び外側電極
15等を形成する。その後,上記固体電解質10の外側
面及び外側電極15の表面に対し,第一絶縁層11を形
成する。
【0116】次いで,図15(a)に示すごとく,上記
固体電解質10の下方における第一絶縁層11の表面を
ダイヤモンド砥石を用いて研削加工する。これにより,
図15(b)に示すごとく,上記第一絶縁層11の表面
部分118が除去され,平滑面110が形成される。な
お,上記研削加工の際には,平滑面110と非平滑面1
18との間に段差が生じないよう,テーパ部119を設
ける。その後,実施形態例1と同様に,図15(c)に
示すごとく,ヒータ層13等を形成する。その後,図1
5(d)に示すごとく,第二絶縁層12を設ける。その
他は,実施形態例1と同様である。
【0117】次に,本例にかかる平滑面110を有する
酸素濃度検出素子とヒータ層13の耐久性との関係につ
いて,試料a〜試料c,比較試料C−a,C−bと図1
6を用いて説明する。試料a〜試料cにかかる酸素濃度
検出素子は,本例に示す方法にて設けた十点平均粗さ2
5μmの平滑面110を有し,該平滑面110に対し,
ヒータ層13を設けてある。比較試料C−a,C−bは
第一絶縁層11の表面に対してなんの処理も行っていな
い酸素濃度検出素子である。そして,第一絶縁層11の
表面の十点平均粗さは45μmである。
【0118】上記各試料に対して,ヒータ層への通電耐
久試験をヒータ層の発熱部の温度900℃にて行った。
この試験において,ヒータ端子部間の抵抗変化率を室温
(20℃+1℃)中にてデジタルマルチメータを用いて
測定し,この測定結果につき図16に記した。
【0119】同図によれば,平滑面110を有する試料
a〜cは1000時間経過後も抵抗が殆ど変化しなかっ
たことから,耐久性に優れた酸素濃度検出素子であるこ
とがわかった。また,試料C−a,C−bは,50〜2
00時間経過後,抵抗変化率が大きくなったことから,
耐久性が低いことがわかった。以上により,第一絶縁層
の表面に平滑面を設け,該平滑面に対しヒータ層を設け
ることにより,耐久性に優れた酸素濃度検出素子を得ら
れることが分かった。
【0120】実施形態例7 本例も,第一絶縁層の表面に平滑面を設け,該平滑面に
対しヒータ層を設けた酸素濃度検出素子である。図17
に示すごとく,本例にかかる酸素濃度検出素子の第一絶
縁層11における平滑面110は,該第一絶縁層11に
設けた表面層115により構成されている。
【0121】上記酸素濃度検出素子の製造方法につき説
明する。実施形態例1と同様に,固体電解質10の表面
に上記外側電極15,内側電極16,第一絶縁層11を
設ける。次いで,上記第一絶縁層11の表面に平滑面1
10を設ける。
【0122】上記平滑面110を設けるに当たり,まず
上記第一絶縁層11を作成する際に使用したものと同じ
耐熱性金属酸化物を含有してなるペーストまたはスラリ
ーを準備する。上記ペーストまたはスラリーを第一絶縁
層11における所望の部分に印刷,吹き付けまたはディ
ッピングを利用して塗布する。その後,上記ペーストま
たはスラリーを焼成,表面層115となす。その後,実
施形態例1と同様にして,ヒータ層13等を設け,更に
その外方に第二絶縁層12を設け,酸素濃度検出素子と
なす。その他は実施形態例1と同様である。
【0123】本例によれば,実施形態例6と同様に,耐
久性に優れた酸素濃度検出素子を得られることが分かっ
た。その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0124】実施形態例8 本例は,ヒータ層が白金と金とよりなる酸素濃度検出素
子である。本例の酸素濃度検出素子は,実施形態例1と
同様,前述の図1〜図3に示すごとく,固体電解質10
と,該固体電解質10の外側面に設けた外側電極15
と,その内側面に設けた内側電極16とよりなり,上記
外側電極11の少なくとも酸素濃度検出に供される表面
には,ガス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有
する第一絶縁層11が,該第一絶縁層11の外方には,
電気的に絶縁性を有する第二絶縁層12が設けてある。
そして,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との
間にはヒータ層13が設けてある。
【0125】そして,上記ヒータ層13は白金と金との
合金よりなる。なお,上記合金の合計重量に対し,ガラ
ス質0.5〜20重量%,金属酸化物(Al2 3 等の
耐熱性絶縁酸化物,LaSrMnO3 ,LaSrCrO
3 等の酸化物導電体材料)0.5〜20重量%添加する
こともできる。上記ガラス質を添加することにより,第
一絶縁層11に対するヒータ層13の密着性を高めるこ
とができる。また,上記金属酸化物を添加することによ
り,ヒータ層13の耐熱性を高めることができる。その
他は実施形態例1と同様である。
【0126】次に,上記ヒータ層の材質と酸素濃度検出
素子の応答性との関係につき,表2を用いて説明する。
同表において,各試料はそれぞれ白金と金との重量比と
の異なる合金にてヒータ層13を作成した酸素濃度検出
素子である。なお,試料2−5は比較のためにヒータ層
13を第一絶縁層11と第二絶縁層12との間に設けな
かった酸素濃度検出素子である。そして,各試料の応答
性については実施形態例1と同様に測定し,その結果を
表2に記した。
【0127】同表に示すごとく,試料2−3,試料2−
4にかかる酸素濃度検出素子は,応答性がヒータ層13
を設けていない試料2−5と同程度に優れていることが
分かった。しかし,試料2−1,試料2−2は応答性に
劣っていることが分かった。以上により,ヒータ層を白
金と金とを所定の重量比で混合した合金にて作成するこ
とにより,応答性に優れた酸素濃度検出素子を得られる
ことが分かった。
【0128】実施形態例9 本例はヒータ層を多層構造とした酸素濃度検出素子であ
る。図18に示すごとく,本例にかかる酸素濃度検出素
子は,固体電解質と外側電極と内側電極とよりなり,上
記外側電極の少なくとも酸素濃度検出に供される表面に
は第一絶縁層11が,該第一絶縁層11の外方には第二
絶縁層12が設けてある。そして,上記第一絶縁層11
と上記第二絶縁層12との間にはヒータ層13が設けて
ある。
【0129】そして,上記ヒータ層13は第一絶縁層1
1側に設けられた厚みが5μm程度の第一ヒータ層31
と,その上に積層された厚さが10〜60μm程度の第
二ヒータ層32とよりなる。上記第一ヒータ層31及び
第二ヒータ層32は共に白金と金との合金よりなり,該
合金の重量に対し,第一ヒータ層31はガラス質が10
重量%程度添加され,第二ヒータ層32はガラス質が5
重量%程度添加された材料よりなる。その他は実施形態
例1と同様である。
【0130】本例にかかる酸素濃度検出素子において,
第一絶縁層11と接触する第一ヒータ層31はガラス質
の添加量が多く,また,第一絶縁層11と非接触である
第二ヒータ層32はガラス質の添加量が少ない。元来ガ
ラス質はヒータ層13の第一絶縁層11に対する密着性
を高めるために添加しているが,該ガラス質は導電物質
でないことから,ヒータ層13の発熱性を低下させる原
因となる。
【0131】このため,密着性の要求される第一ヒータ
層31に対し,ガラス質を多く添加し,密着性のさほど
要求されない第二ヒータ層32に対し,ガラス質の添加
量を減ずることにより,発熱性と第一絶縁層11に対す
る密着性の双方に優れた酸素濃度検出素子を得ることが
できる。その他は実施形態例1と同様の作用効果を有す
る。
【0132】なお,上述した酸素濃度検出素子のヒータ
層13は,第一ヒータ層31の上に第二ヒータ層32を
積層した二層構造を有していたが,図19に示すごと
く,第一ヒータ層31の上に第二ヒータ層32を積層
し,更にその上に再度第一ヒータ層31を設けた三層構
造のヒータ層13とすることもできる。
【0133】更に,図20に示すごとく,第二ヒータ層
32の全外周を第一ヒータ層31にて被覆した構造のヒ
ータ層13とすることもできる。双方共に上述の図18
にかかる酸素濃度検出素子と同様の作用効果を得ること
ができる。また,本例にかかるような多層構造をヒータ
層13のみならず,ヒータリード部に対し施してもよ
い。
【0134】実施形態例10 本例は,ヒータリード部が金よりなる酸素濃度検出素子
である。本例の酸素濃度検出素子は,実施形態例1と同
様,前述の図1〜図3に示すごとく,固体電解質10
と,該固体電解質10の外側面に設けた外側電極15
と,その内側面に設けた内側電極16とよりなり,上記
外側電極11の少なくとも酸素濃度検出に供される表面
には,ガス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有
する第一絶縁層11が,該第一絶縁層11の外方には,
電気的に絶縁性を有する第二絶縁層12が設けてある。
そして,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との
間にはヒータ層13が設けてある。
【0135】また,上記固体電解質10には,その閉塞
端側101に上記ヒータ層13が設けてあり,またその
胴部102にはヒータリード部130を介して上記ヒー
タ層13と接続したヒータ端子部131,132を設け
てある。そして,上記ヒータ層13は金と白金との合金
よりなり,上記ヒータリード部130及びヒータ端子部
131,132は金よりなる。
【0136】なお,上記ヒータリード部130を構成す
る金に対し,ガラス質0.5〜20重量%,金属酸化物
(Al2 3 等の耐熱性絶縁酸化物,LaSrMn
3 ,LaSrCrO3 等の酸化物導電体材料)0.5
〜20重量%添加することもできる。上記ガラス質を添
加することにより,第一絶縁層とヒータ層との密着性を
高めることができる。また,上記金属酸化物を添加する
ことにより,ヒータ層の耐熱性を高めることができる。
その他は実施形態例1と同様である。
【0137】本例の酸素濃度検出素子は,ヒータリード
部130が金により構成されているため,ヒータリード
部130における触媒作用が小さくなる。このため,ヒ
ータリード部130におけるCの析出を原因とするヒー
タリード部130の劣化,断線を防止できる。また,本
例の素子においては,ヒータリード部130が金,ヒー
タ層が白金と金との合金よりなる。このため,発熱はよ
り電気抵抗の高いヒータ層13に集中する。このため,
ヒータ層13,ヒータリード部130に供給された電力
を効率よく外側電極15の加熱に消費することができ
る。その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0138】実施形態例11 本例は様々な形状を有するヒータ層,ヒータリード部,
ヒータ端子部について説明するものである。図21〜図
27に示すごとく,本発明の酸素濃度検出素子として
は,さまざまな形状のヒータ層を有することができる。
なお,すべての図面は円筒形の固体電解質の側面に形成
したヒータ層13等を平面展開した状態について示した
ものである。すべての図において,符号13はヒータ
層,符号130はヒータリード部,符号131,132
はヒータ端子部である。
【0139】図21〜23にかかるヒータ層13は,該
ヒータ層13の幅を細くして,該ヒータ層13を櫛歯状
に適宜並べて形成した例である。図24はヒータ層13
を面状としたもの,図25〜図27は,図24に示した
面状のヒータ層13に対し複数のスリット138を設け
た例を示したものである。その他は実施形態例1と同様
である。
【0140】以下に本例の各ヒータ層につき作用効果に
つき説明する。図21〜図23に示すごとく,上記ヒー
タ層13が櫛歯状である場合には,ヒータ層13間に間
隙が形成されるため,該間隙より被測定ガスを導入する
ことができる。このため,被測定ガスの第二の絶縁層か
ら,ヒータ層の隙間,第一の絶縁層を経て外側電極まで
の拡散導入すること,また逆に,外側電極近傍の被測定
ガスを上記と逆方向に外部への拡散導出することを速や
かに行うことができ,応答性に優れたガス検出素子を得
ることができる。
【0141】また,図24にかかるヒータ層13におい
ては,これが面状に形成されていることから,外側電極
を均一に加熱することができる。このため,絶縁層内部
の応力を低減することができ,よって該応力を原因とす
る絶縁層の亀裂発生を防止することができ,酸素濃度検
出素子の信頼性を高めることができる。
【0142】また,図25〜図27にかかるヒータ層1
3においては,スリット138が設けてなるため,該ス
リット138より被測定ガスを導入することができる。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。な
お,上記ヒータ層の形状及び大きさは,本例のみに限定
されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,酸素濃度検出素子の
(a)右側面図,(b)左側面図。
【図2】実施形態例1における,ヒータ層の形状を示す
展開説明図。
【図3】実施形態例1における,酸素濃度検出素子の要
部断面図。
【図4】実施形態例1における,酸素濃度検出器の断面
説明図。
【図5】実施形態例1における,絶縁碍子を有する酸素
濃度検出器の断面図。
【図6】実施形態例1における,本例及び従来例にかか
る酸素濃度検出素子の空燃比及び限界電流の関係を示す
線図。
【図7】実施形態例1における,酸素濃淡起電力式の酸
素濃度検出素子の空燃比及び起電力の関係を示す線図。
【図8】実施形態例1における,他の酸素濃度検出素子
の(a)要部右側面図,(b)要部左側面図。
【図9】実施形態例3における,空間層を有する酸素濃
度検出素子の要部断面図。
【図10】実施形態例4における,第一絶縁層を胴部ま
で延長形成させた酸素濃度検出素子の(a)右側面図,
(b)左側面図。
【図11】実施形態例4における,図10にかかる酸素
濃度検出素子の上面図。
【図12】実施形態例4における,図11のA−A矢視
断面図。
【図13】実施形態例4における,第二絶縁層を鍔部の
上方まで形成した酸素濃度検出素子の縦断面図。
【図14】実施形態例5における,第二絶縁層がガス不
透過性の多孔質よりなる酸素濃度検出素子の要部断面
図。
【図15】実施形態例6における,第一絶縁層に平滑面
を設け,該平滑面にヒータ層を設けるための説明図。
【図16】実施形態例6における,平滑面の有無と抵抗
変化率の時間変動との関係を示す線図。
【図17】実施形態例7における,第一絶縁層に表面層
を設け平滑面とした酸素濃度検出素子の要部断面説明
図。
【図18】実施形態例9における,二層構造を有するヒ
ータ層の要部断面説明図。
【図19】実施形態例9における,三層構造を有するヒ
ータ層の要部断面説明図。
【図20】実施形態例9における,第一ヒータ層にて被
覆された第二ヒータ層を有するヒータ層の要部断面説明
図。
【図21】実施形態例11における,ヒータ層の形状を
示す展開説明図。
【図22】実施形態例11における,他のヒータ層の形
状を示す展開説明図。
【図23】実施形態例11における,他のヒータ層の形
状を示す展開説明図。
【図24】実施形態例11における,他のヒータ層の形
状を示す展開説明図。
【図25】実施形態例11における,他のヒータ層の形
状を示す展開説明図。
【図26】実施形態例11における,他のヒータ層の形
状を示す展開説明図。
【図27】実施形態例11における,他のヒータ層の形
状を示す展開説明図。
【図28】従来例における,酸素濃度検出素子の側面
図。
【図29】従来例における,酸素濃度検出素子の要部断
面図。
【符号の説明】
1,9...酸素濃度検出素子, 10...固体電解質, 101...閉塞端側, 102...胴部, 11...第一絶縁層, 110...平滑面, 12...第二絶縁層, 13...ヒータ層, 130...ヒータリード部, 131...ヒータ端子部, 15...外側電極, 150...外側電極リード部, 16...内側電極, 160...内側電極リード部, 2...酸素濃度検出器, 20...ハウジング, 211...ワッシャ, 216...絶縁碍子,
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 利孝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 石川 勝博 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が閉塞し他端が開口した有底円筒形
    の固体電解質と,該固体電解質の外側面に設けた被測定
    ガスに接触する外側電極と,該固体電解質の内側面に,
    上記固体電解質を介して上記外側電極と対向する位置に
    設けられた内側電極とよりなる酸素濃度検出素子と,該
    酸素濃度検出素子を保持するハウジングとからなる酸素
    濃度検出器において,上記外側電極の少なくとも酸素濃
    度検出に供される表面には,ガス透過性の多孔質よりな
    る電気的に絶縁性を有する第一絶縁層を設けてなり,更
    に,該第一絶縁層の外方には,電気的に絶縁性を有する
    第二絶縁層を設けてなり,かつ,上記第一絶縁層と上記
    第二絶縁層との間にはヒータ層を設けてなることを特徴
    とする酸素濃度検出器。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記第二絶縁層はガ
    ス透過性の多孔質であることを特徴とする酸素濃度検出
    器。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記第二絶縁層はガ
    ス不透過性であることを特徴とする酸素濃度検出器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記第一絶縁層の厚みは10〜900μm,気孔率は1
    〜50%であることを特徴とする酸素濃度検出器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記ヒータ層は,導電材料とガラス質とよりなることを
    特徴とする酸素濃度検出器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記ヒータ層は,導電材料よりなり,該導電材料は貴金
    属粉末,ペロブスカイト型酸化物粉末の一方または双方
    の焼結体よりなることを特徴とする酸素濃度検出器。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記ヒータ層は,金属線または金属箔よりなることを特
    徴とする酸素濃度検出器。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項において,
    上記有底円筒形の固体電解質は,上記ヒータ層に接続し
    たヒータリード部を,また上記外側電極に接続した外側
    電極リード部を,更に上記内側電極に接続した内側電極
    リード部をそれぞれ有していることを特徴とする酸素濃
    度検出器。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項において,
    上記有底円筒形の固体電解質には,その閉塞端側に上記
    ヒータ層が設けてあり,またその胴部にはヒータリード
    部を介して上記ヒータ層と接続したヒータ端子部を設け
    てあり,かつ上記第一絶縁層は上記ヒータ端子部を設け
    た位置まで形成されていることを特徴とする酸素濃度検
    出器。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9において,上記酸素濃度
    検出素子は,上記ハウジングに対して当接した状態で保
    持されていることを特徴とする酸素濃度検出器。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9において,上記酸素濃度
    検出素子は,上記ハウジングに対して金属製のワッシャ
    を介して当接した状態で保持されていることを特徴とす
    る酸素濃度検出器。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9において,上記酸素濃度
    検出素子は,上記ハウジングに対して絶縁碍子を介して
    当接した状態で保持されていることを特徴とする酸素濃
    度検出器。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12において,上記第二絶
    縁層は,上記ハウジングに当接保持される酸素濃度検出
    素子の保持当接面まで形成されていることを特徴とする
    酸素濃度検出器。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13において,上記第一絶
    縁層の表面には平滑面を設けてなり,該平滑面に対し上
    記ヒータ層を設けてなることを特徴とする酸素濃度検出
    器。
  15. 【請求項15】 請求項14において,上記第一絶縁層
    の平滑面は,その表面粗さが十点平均粗さ(JIS B
    0601−1982)にて0〜30μmであることを特
    徴とする酸素濃度検出器。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15において,上記ヒータ
    層は上記外側電極よりも酸素吸着力が弱いことを特徴と
    する酸素濃度検出器。
  17. 【請求項17】 請求項16において,上記ヒータ層
    は,白金と金とよりなる混合または合金材料よりなり,
    かつ上記混合または合金材料における金の含有率は,
    0.5〜50重量%であることを特徴とする酸素濃度検
    出器。
  18. 【請求項18】 請求項16において,上記ヒータ層は
    白金と,Pd,Rh,Irより選ばれる少なくとも一種
    よりなることを特徴とする酸素濃度検出器。
  19. 【請求項19】 請求項8において,上記ヒータリード
    部及び上記外側電極リード部は,上記外側電極よりも被
    測定ガスの酸化,還元の触媒作用が小さいことを特徴と
    する酸素濃度検出器。
  20. 【請求項20】 請求項19において,上記ヒータリー
    ド部は,金または金とPt,Pd,Rh,Irより選ば
    れる少なくとも一種を混合した金合金よりなることを特
    徴とする酸素濃度検出器。
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