JP7138055B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、板形状のセンサ素子を備えるガスセンサに関する。
ガスセンサは、例えば、内燃機関の排気管に配置され、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスとして、検出対象ガスにおける酸素濃度等の特定ガス成分の濃度を検出するために用いられる。ガスセンサのセンサ素子は、酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体と、固体電解質体の両表面における対向位置に設けられた検出電極及び基準電極とを有する。また、固体電解質体に積層された絶縁体には、通電によって発熱する発熱体が埋設されている。発熱体における発熱部は、電極に対向する位置に配置されており、発熱部から発生する熱によって、検出電極、基準電極、及び各電極間に挟まれた固体電解質体の部分を活性温度に加熱している。
例えば、特許文献1の酸素センサ素子においては、セラミック固体電解質からなる板状の基体における両面の対向位置に検出電極及び基準電極が設けられ、基体の内部には、基準電極を収容するとともに大気が導入される大気導入孔が形成されることが記載されている。そして、大気導入孔には、多孔質セラミックスが充填されることが記載されている。
特開2003-344350号公報
空燃比等を検出するガスセンサのセンサ素子には、固体電解質体に設けられた検出電極が収容され、検出電極へ排ガス等の検出対象ガスを供給するためのガス室が設けられる。また、センサ素子には、固体電解質体に設けられた基準電極が収容され、基準電極へ大気等の基準ガスを供給するための基準ガスダクトが設けられることがある。
ガス室、基準ガスダクト等のガス空間は、センサ素子における空洞部として形成される。そのため、このガス空間は、発熱体の発熱部から固体電解質体及び各電極への伝熱を抑制する部分となる。従って、センサ素子の早期活性化を図るためには、ガス空間における伝熱を促進する工夫が必要となる。
特許文献1の酸素センサ素子においては、大気導入孔に多孔質セラミックスが充填されていることによって、発熱部から固体電解質体及び各電極への伝熱性が改善されるとも考えられる。しかし、多孔質セラミックスは、大気導入孔の全体に充填されており、大気を透過させることを前提とするものである。そのため、大気導入孔における伝熱性を十分に促進することはできない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、センサ素子の伝熱性を高めて、センサ素子の早期活性化を図ることができるガスセンサを提供しようとして得られたものである。
本発明の第1態様は、
板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体の表面に設けられた一対の電極(311,312)と、
前記固体電解質体に積層された絶縁体(33A,33B)と、
前記固体電解質体に隣接する位置において前記絶縁体に囲まれて形成されるとともに、一対の前記電極の一方が収容され、検出対象ガス(G)又は基準ガス(A)が導入されるガス空間(35,36)と、
前記固体電解質体と前記絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が一対の前記電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記ガス空間を形成する前記絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス空間の一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体及び一対の前記電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え
前記電極には、前記電極を前記積層方向に貫通する貫通孔(315)又は切欠きが形成されており、
前記伝熱部材は、前記貫通孔又は前記切欠きを介して前記固体電解質体に接触しているとともに、前記電極における、前記貫通孔又は前記切欠きの縁部に接触している、ガスセンサにある。
本発明の第2態様は、
板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体の表面に設けられた一対の電極(311,312)と、
前記固体電解質体に積層された絶縁体(33A,33B)と、
前記固体電解質体に隣接する位置において前記絶縁体に囲まれて形成されるとともに、一対の前記電極の一方が収容され、検出対象ガス(G)又は基準ガス(A)が導入されるガス空間(35,36)と、
前記固体電解質体と前記絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が一対の前記電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記ガス空間を形成する前記絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス空間の一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体及び一対の前記電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え、
前記ガス空間は、前記検出対象ガスが拡散抵抗部(32)を介して所定の拡散速度で導入され、一対の前記電極のうちの前記検出対象ガスに晒される検出電極(311)が配置されたガス室(35)として形成されており、
前記発熱体は、前記検出電極に対向して、前記ガス室を形成する前記絶縁体内に埋設されており、
前記伝熱部材は、前記ガス室の一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記検出電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記検出電極及び前記固体電解質体との間に挟持されており、
前記検出電極には、前記検出電極を前記積層方向に貫通する貫通孔(315)又は切欠きが形成されており、
前記伝熱部材は、前記貫通孔又は前記切欠きを介して前記固体電解質体に接触しているとともに、前記検出電極における、前記貫通孔又は前記切欠きの縁部に接触している、ガスセンサにある。
本発明の第3態様は、
板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体の表面に設けられた一対の電極(311,312)と、
前記固体電解質体に積層された絶縁体(33A,33B)と、
前記固体電解質体に隣接する位置において前記絶縁体に囲まれて形成されるとともに、一対の前記電極の一方が収容され、検出対象ガス(G)又は基準ガス(A)が導入されるガス空間(35,36)と、
前記固体電解質体と前記絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が一対の前記電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記ガス空間を形成する前記絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス空間の一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体及び一対の前記電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え、
前記ガス空間は、前記基準ガスが導入され、一対の前記電極のうちの前記基準ガスに晒される基準電極(312)が配置された基準ガスダクト(36)として形成されており、
前記発熱体は、前記基準電極に対向して、前記基準ガスダクトを形成する前記絶縁体内に埋設されており、
前記伝熱部材は、前記基準ガスダクトの一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記基準電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記基準電極及び前記固体電解質体との間に挟持されており、
前記基準電極には、前記基準電極を前記積層方向に貫通する貫通孔(315)又は切欠きが形成されており、
前記伝熱部材は、前記貫通孔又は前記切欠きを介して前記固体電解質体に接触しているとともに、前記基準電極における、前記貫通孔又は前記切欠きの縁部に接触している、ガスセンサにある。
本発明の第4態様は、
長尺板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体における、検出対象ガス(G)に晒される第1主面(301)であって前記センサ素子の長尺方向(L)の先端側位置に設けられた検出電極(311)と、
前記固体電解質体における、基準ガス(A)に晒される第2主面(302)であって前記長尺方向の先端側位置に設けられた基準電極(312)と、
前記固体電解質体の前記第1主面に積層された第1絶縁体(33A)と、
前記固体電解質体と前記第1絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が前記検出電極及び前記基準電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部の、前記長尺方向の後端側に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記第1絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
前記第1絶縁体における、前記固体電解質体の前記第1主面に隣接する位置であって、前記検出電極を収容する位置に形成されたガス室(35)と、
前記ガス室に連通して前記第1絶縁体に設けられ、前記ガス室へ前記検出対象ガスを所定の拡散速度で導入するための拡散抵抗部(32)と、
前記固体電解質体の前記第2主面に積層された第2絶縁体(33B)と、
前記第2絶縁体における、前記固体電解質体の前記第2主面に隣接する位置であって、前記長尺方向の後端開口部(360)から前記基準電極を収容する位置まで形成され、かつ前記後端開口部から前記基準ガスが導入される基準ガスダクト(36)と、
前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス室の一部において、前記第1絶縁体と前記検出電極との間、又は前記第1絶縁体と前記検出電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体、前記検出電極及び前記基準電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え
前記拡散抵抗部は、前記第1絶縁体における前記長尺方向の先端側部位に設けられており、
前記伝熱部材の前記積層方向に直交する断面の断面積は、前記検出電極の前記積層方向に直交する断面の断面積よりも小さく、
前記検出電極の前記長尺方向の先端側部分は、前記伝熱部材が接触していないことによって、前記検出対象ガスに晒されている、ガスセンサにある。
本発明の第5態様は、
長尺板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体における、検出対象ガス(G)に晒される第1主面(301)であって前記センサ素子の長尺方向(L)の先端側位置に設けられた検出電極(311)と、
前記固体電解質体における、基準ガス(A)に晒される第2主面(302)であって前記長尺方向の先端側位置に設けられた基準電極(312)と、
前記固体電解質体の前記第1主面に積層された第1絶縁体(33A)と、
前記固体電解質体と前記第1絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が前記検出電極及び前記基準電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部の、前記長尺方向の後端側に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記第1絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
前記第1絶縁体における、前記固体電解質体の前記第1主面に隣接する位置であって、前記検出電極を収容する位置に形成されたガス室(35)と、
前記ガス室に連通して前記第1絶縁体に設けられ、前記ガス室へ前記検出対象ガスを所定の拡散速度で導入するための拡散抵抗部(32)と、
前記固体電解質体の前記第2主面に積層された第2絶縁体(33B)と、
前記第2絶縁体における、前記固体電解質体の前記第2主面に隣接する位置であって、前記長尺方向の後端開口部(360)から前記基準電極を収容する位置まで形成され、かつ前記後端開口部から前記基準ガスが導入される基準ガスダクト(36)と、
前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス室の一部において、前記第1絶縁体と前記検出電極との間、又は前記第1絶縁体と前記検出電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体、前記検出電極及び前記基準電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え、
前記検出電極には、前記検出電極を前記積層方向に貫通する貫通孔(315)又は切欠きが形成されており、
前記伝熱部材は、前記貫通孔又は前記切欠きを介して前記固体電解質体に接触しているとともに、前記検出電極における、前記貫通孔又は前記切欠きの縁部に接触している、ガスセンサにある。
本発明の参考態様は、長尺板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
酸素イオンの伝導性を有するとともに、前記センサ素子の長尺方向(L)の先端側位置における互い対向する位置に設けられた第1ポンプ電極(311A)及び第2ポンプ電極(311B)を有する第1固体電解質体(31A)と、
前記第1固体電解質体に対向して配置され、酸素イオンの伝導性を有するとともに、前記センサ素子の長尺方向(L)の先端側位置における互い対向する位置に設けられた検出電極(312A)及び基準電極(312B)を有する第2固体電解質体(31B)と、
前記第1固体電解質体の前記第1ポンプ電極が設けられた主面に積層された第1絶縁体(33C)と、
前記第1固体電解質体の前記第2ポンプ電極が設けられた主面と前記第2固体電解質体の前記検出電極が設けられた主面との間に挟まれた第2絶縁体(33D)と、
前記第2固体電解質体の前記基準電極が設けられた主面に積層された第3絶縁体(33E)と、
前記各固体電解質体と前記各絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が前記各電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部の、前記長尺方向の後端側に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記第3絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
前記第1固体電解質体、前記第2固体電解質体及び前記第2絶縁体によって囲まれて形成され、前記第2ポンプ電極及び前記検出電極を収容する位置に形成されたガス室(35)と、
前記ガス室に連通して前記第2絶縁体に設けられ、前記ガス室へ検出対象ガスを所定の拡散速度で導入するための拡散抵抗部(32)と、
前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス室の一部において、前記第2ポンプ電極と前記検出電極との間、又は前記第2ポンプ電極及び前記第1固体電解質体と前記検出電極及び前記第2固体電解質体との間に挟持され、前記発熱部から前記第1固体電解質体、前記第1ポンプ電極及び前記第2ポンプ電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備える、ガスセンサにある。
第1~第3態様のガスセンサ)
前記第1~第3態様のガスセンサにおいては、ガス空間を形成する絶縁体内に発熱体が埋設されており、ガス空間の一部における、発熱体が埋設された絶縁体と電極との間、又は発熱体が埋設された絶縁体と電極及び固体電解質体との間には、伝熱部材が挟持されている。この伝熱部材は、検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されており、発熱体の発熱部から固体電解質体及び各電極への伝熱を促進する。
そして、固体電解質体及び各電極が発熱部の発熱によって加熱されるときには、発熱部における熱は、絶縁体を介して固体電解質体及び各電極に伝わるとともに、伝熱部材を介しても固体電解質体及び各電極に伝わる。このとき、発熱部から絶縁体を介して固体電解質体及び各電極へは、ガス空間を迂回するように伝熱が行われる一方、発熱部から伝熱部材を介して固体電解質体及び各電極へは、直進的に伝熱が行われる。
これにより、発熱部から固体電解質体及び各電極への伝熱性、換言すれば、センサ素子の伝熱性を高めることができる。また、ガスセンサの始動時等においては、発熱部の発熱によってセンサ素子を酸素イオンの伝導性を活性化させる温度に加熱するための時間を短縮することができる。
それ故、前記第1~第3態様のガスセンサによれば、センサ素子の伝熱性を高めて、センサ素子の早期活性化を図ることができる。
また、伝熱部材が、発熱体が埋設された絶縁体と電極及び固体電解質体との間に挟持されている場合には、伝熱部材によって電極を覆う面積が減少することにより、センサ素子によってガス検出を行う際の電気抵抗の増加を抑制することができる。また、この場合には、伝熱部材の一部が固体電解質体に接合され、センサ素子における接合強度を高めることができる。また、この場合にも、伝熱部材によって、センサ素子の伝熱性を高めることもできる。なお、第4、第5態様のガスセンサ及び参考態様のガスセンサにおいても、同様である。
第4、第5態様のガスセンサ)
前記第4、第5態様のガスセンサにおいては、センサ素子がガス室及び基準ガスダクトを有する場合に、ガス室を形成する第1絶縁体に発熱体を配置し、伝熱部材をガス室の一部に配置している。発熱体が第1絶縁体に配置されることにより、発熱体の発熱部を、固体電解質体及び各電極のより近くに配置することができる。また、伝熱部材がガス室の一部に配置されることにより、発熱部の熱をガス室内の伝熱部材を介して固体電解質体及び各電極へ伝えることができる。これにより、センサ素子がガス室及び基準ガスダクトを有する場合に、発熱体の発熱部の熱を、伝熱部材を介して固体電解質体及び各電極へ伝えやすくすることができる。
また、伝熱部材が、第1絶縁体と検出電極及び固体電解質体との間に挟持されている場合には、第1~第3態様のガスセンサと同様に、電気抵抗の増加の抑制及びセンサ素子の接合強度の向上の作用効果が得られる。
参考態様のガスセンサ)
前記参考態様のガスセンサにおいては、センサ素子が複数の固体電解質体及びガス室を有する場合に、固体電解質体同士の間に位置するガス室の一部に伝熱部材を配置している。そして、発熱体から、2つの固体電解質体のうちの、発熱体が埋設された第3絶縁体から遠い方に位置する第1固体電解質体、第1ポンプ電極及び第2ポンプ電極への伝熱性を改善することができる。
また、伝熱部材が、第2ポンプ電極及び第1固体電解質体と検出電極及び第2固体電解質体との間に挟持されている場合には、第1~第3態様のガスセンサと同様に、電気抵抗の増加の抑制及びセンサ素子の接合強度の向上の作用効果が得られる。
なお、本発明の各態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
実施形態1にかかる、ガスセンサを示す断面図。 実施形態1にかかる、積層前のセンサ素子を示す斜視図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す断面図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図3のIV-IV断面図。 実施形態1にかかる、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の配置関係を示す説明図。 実施形態1にかかる、他のセンサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の配置関係を示す説明図。 実施形態1にかかる、他のセンサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の配置関係を示す説明図。 実施形態2にかかる、センサ素子を示す断面図。 実施形態2にかかる、センサ素子を示す、図8のIX-IX断面図。 実施形態3にかかる、発熱部が長尺方向に蛇行して形成された場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図10の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図10の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図10の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図10の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、発熱部が幅方向に蛇行して形成された場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図15の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図15の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図15の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、発熱部が蛇行せずに形成された場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図19の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図19の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態3にかかる、図19の場合について、センサ素子における検出電極、発熱部及び伝熱部材の他の配置関係を示す説明図。 実施形態4にかかる、センサ素子を示す断面図。 実施形態4にかかる、センサ素子を示す、図23のXXIV-XXIV断面図。 実施形態5にかかる、センサ素子を示す、図3のIV-IV断面相当図。 実施形態5にかかる、検出電極と伝熱部材との配置関係を示す説明図。 実施形態5にかかる、オーバーラップ率と電気抵抗比との関係を示すグラフ。 実施形態6にかかる、センサ素子を示す、図3のIV-IV断面相当図。 実施形態7にかかる、検出電極と伝熱部材との配置関係を示す説明図。 実施形態7にかかる、検出電極の先端から基端側への距離と累積電流との関係を示すグラフ。 実施形態7にかかる、検出電極の先端から基端側への距離と応答時間との関係を示すグラフ。 実施形態7にかかる、他のセンサ素子の一部を示す断面図。
前述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、図1及び図3に示すように、ガス検出を行うための長尺板形状のセンサ素子2を備える。センサ素子2は、固体電解質体31、一対の電極としての検出電極311及び基準電極312、第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、ガス空間としてのガス室35及び基準ガスダクト36、発熱体34、伝熱部材38を備える。
図2~図4に示すように、固体電解質体31は、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。検出電極311及び基準電極312は、固体電解質体31の表面としての第1主面301及び第2主面302における互いに対向する位置に設けられている。第1絶縁体33Aは、固体電解質体31の第1主面301に積層されており、第2絶縁体33Bは、固体電解質体31の第2主面302に積層されている。
ガス室35は、固体電解質体31の第1主面301に隣接する位置において第1絶縁体33Aに囲まれて形成されるとともに、検出電極311が収容されて検出対象ガスGが導入される部分である。基準ガスダクト36は、固体電解質体31の第2主面302に隣接する位置において第2絶縁体33Bに囲まれて形成されるとともに、基準電極312が収容されて基準ガスAが導入される部分である。
図2~図5に示すように、発熱体34は、ガス室35を形成する第1絶縁体33A内に埋設されており、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341に繋がる発熱体リード部(リード部)342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が検出電極311及び基準電極312に重なる位置に配置されている。
伝熱部材38は、検出対象ガスGを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されている。伝熱部材38は、ガス室35の一部において、検出電極311と、発熱体34が埋設された第1絶縁体33Aとの間に挟持されている。伝熱部材38は、発熱部341から固体電解質体31、検出電極311及び基準電極312への伝熱を促進するためのものである。
以下に、本形態のガスセンサ1について詳説する。
(内燃機関)
ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管等に配置され、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスGとして、検出対象ガスGにおける酸素濃度等を検出するために用いられる。ガスセンサ1は、排ガスにおける酸素濃度、未燃ガス濃度等に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサとして用いることができる。また、ガスセンサ1は、空燃比センサ以外にも、酸素濃度を求める種々の用途として用いることができる。
排気管には、排ガス中の有害物質を浄化するための触媒が配置されており、ガスセンサ1は、排気管における排ガスの流れ方向において、触媒の上流側又は下流側のいずれに配置することもできる。また、ガスセンサ1は、排ガスを利用して内燃機関が吸入する空気の密度を高める過給機の吸入側の配管に配置することもできる。また、ガスセンサ1を配置する配管は、内燃機関から排気管に排気される排ガスの一部を、内燃機関の吸気管に再循環させる排気再循環機構における配管とすることもできる。
空燃比センサは、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が多い燃料リッチの状態から、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が少ない燃料リーンの状態まで定量的に連続して空燃比を検出することができるものである。空燃比センサにおいては、拡散抵抗部(拡散律速部)32によってガス室35へ導かれる検出対象ガスGの拡散速度が絞られる際に、検出電極311と基準電極312との間に、酸素イオンの移動量に応じた電流が出力される限界電流特性を示すための所定の電圧が印加される。
図3及び図4に示すように、空燃比センサにおいて、燃料リーン側の空燃比を検出する際には、検出対象ガスGに含まれる酸素が、イオンとなって検出電極311から固体電解質体31を介して基準電極312へ移動する際に生じる電流を検出する。また、空燃比センサにおいて、燃料リッチ側の空燃比を検出する際には、検出対象ガスGに含まれる未燃ガス(炭化水素、一酸化炭素、水素等)を反応させるために、基準電極312から固体電解質体31を介して検出電極311へイオンとなった酸素が移動し、未燃ガスと酸素とが反応する際に生じる電流を検出する。
(センサ素子2)
図3及び図4に示すように、センサ素子2は、固体電解質体31に、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された積層タイプのものである。固体電解質体31は、ジルコニア系酸化物からなり、ジルコニアを主成分とし(50質量%以上含有し)、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる。固体電解質体31を構成するジルコニアの一部は、イットリア、スカンジア又はカルシアによって置換することができる。
また、検出電極311及び基準電極312は、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位に設けられている。検出電極311は、固体電解質体31における、検出対象ガスGに晒される第1主面301に設けられており、基準電極312は、固体電解質体31における、基準ガスAに晒される第2主面302に設けられている。
検出電極311及び基準電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのジルコニア系酸化物を含有している。共材は、固体電解質体31にペースト状の電極材料を印刷(塗布)して両者を焼結する際に、電極材料によって形成される検出電極311及び基準電極312と固体電解質体31との結合強度を維持するためのものである。
固体電解質体31の第1主面301には、第1絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aにおける、検出電極311を収容する位置に形成されている。固体電解質体31の第2主面302には、第2絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれた基準ガスダクト36が隣接して形成されている。基準ガスダクト36は、第2絶縁体33Bにおける、基準電極312を収容する位置からセンサ素子2の後端位置まで形成されている。センサ素子2の後端位置には、基準ガスダクト36の後端開口部360が形成されている。また、第1絶縁体33Aには、ガス室35へ検出対象ガスGを所定の拡散速度で導入するための拡散抵抗部32が、ガス室35に連通する状態で設けられている。
図1及び図3示すように、センサ素子2は、長尺形状に形成されており、検出電極311、基準電極312、ガス室35、拡散抵抗部32及び発熱体34の発熱部341は、長尺方向Lの先端側L1の部位に配置されている。センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位には、検出電極311及び基準電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによる検知部21が形成されている。
センサ素子2の長尺方向Lとは、センサ素子2が長尺形状に形成された方向のことをいう。また、長尺方向Lに直交し、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとが積層された方向、換言すれば、固体電解質体31、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された方向を、積層方向Dという。また、長尺方向Lと積層方向Dとに直交する方向を、幅方向Wという。また、センサ素子2の長尺方向Lにおいて、検知部21が形成された側を先端側L1といい、先端側L1の反対側を後端側L2という。
図2に示すように、検出電極311及び基準電極312には、これらの電極311,312をガスセンサ1の外部と電気接続するための電極リード部313,314が接続されており、この電極リード部313,314は、長尺方向Lの後端側L2の部位まで引き出されている。なお、図2、図3等においては、分かりやすくするために、センサ素子2の長尺方向Lの長さを短くして示す。
また、図2及び図5に示すように、発熱体34は、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、長尺方向Lの後端側L1に繋がる一対の発熱体リード部342とを有する。
発熱部341は、直線部分及び曲線部分によって蛇行する線状の導体部によって形成されている。本形態の発熱部341の直線部分は、長尺方向Lに平行に形成されている。発熱体リード部342は、直線状の導体部によって形成されている。発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも大きい。発熱体リード部342は、長尺方向Lの後端側L2の部位まで引き出されている。発熱体34は、導電性を有する金属材料を含有している。
本形態の発熱部341は、発熱体34における長尺方向Lの先端側L1の位置において、長尺方向Lに蛇行する形状に形成されている。なお、発熱部341は、幅方向Wに蛇行して形成されていてもよい。発熱部341は、長尺方向Lに直交する積層方向Dにおいて、検出電極311及び基準電極312に対向する位置に配置されている。発熱体リード部342からの通電によって発熱部341が発熱することにより、検出電極311、基準電極312、及び固体電解質体31における、各電極311,312の間に挟まれた部分が目標とする温度に加熱される。
発熱部341の断面積は、発熱体リード部342の断面積よりも小さく、発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも高い。この断面積とは、発熱部341及び発熱体リード部342が延びる方向に直交する面の断面積のことをいう。そして、一対の発熱体リード部342に電圧が印加されると、発熱部341がジュール熱によって発熱し、この発熱によって、検知部21の周辺が加熱される。
第1絶縁体33Aは、ガス室35を形成するとともに発熱体34を埋設するものであり、第2絶縁体33Bは、基準ガスダクト36を形成するものである。第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bは、アルミナ(酸化アルミニウム)等の金属酸化物によって形成されている。各絶縁体33A,33Bは、検出対象ガスG又は基準ガスAが透過することができない緻密体として形成されており、各絶縁体33A,33Bには、気体が通過することができる気孔がほとんど形成されていない。
図2及び図3に示すように、第1絶縁体33Aは、ガス室35を形成するために積層方向Dに貫通された貫通穴332を有する絶縁スペーサ331と、絶縁スペーサ331に積層されて、発熱体34を埋設するための埋設プレート334A,334Bとによって形成されている。発熱体34は、埋設プレート334A,334Bの間に埋設されている。
ガス室35は、第1絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。排気管内を流れる排ガスである検出対象ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
本形態の拡散抵抗部32は、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して形成されている。拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aの絶縁スペーサ331において、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して開口された導入口333内に配置されている。拡散抵抗部32は、アルミナ等の多孔質の金属酸化物によって形成されている。ガス室35に導入される検出対象ガスGの拡散速度(流量)は、検出対象ガスGが拡散抵抗部32における気孔を透過する速度が制限されることによって決定される。
拡散抵抗部32は、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して形成してもよい。この場合には、拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aの絶縁スペーサ331において、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して開口された導入口333内に配置される。なお、拡散抵抗部32は、多孔質体を用いて形成する以外にも、ガス室35に連通された小さな貫通穴であるピンホールを用いて形成することもできる。
図2及び図3に示すように、第2絶縁体33Bは、基準ガスダクト36を構成する切欠き部336が形成された絶縁スペーサ335と、絶縁スペーサ335に積層された絶縁プレート337とによって形成されている。第1絶縁体33Aの絶縁スペーサ331及び第2絶縁体33Bの絶縁スペーサ335においては、成形、切削、ペーストの塗布等の種々の方法によって、貫通穴332又は切欠き部336を形成することができる。
基準ガスダクト36は、長尺方向Lの後端側L2が開口された、基準ガスAのダクトとして形成されている。基準ガスダクト36は、センサ素子2の長尺方向Lの後端位置から、固体電解質体31を介してガス室35と対向する位置まで形成されている。基準電極312は、基準ガスダクト36内における先端側L1の部位に収容されている。基準ガスダクト36には、基準ガスAとしての大気が、センサ素子2の後端に位置する後端開口部360から導入される。
基準ガスダクト36における、長尺方向Lに直交する断面の断面積は、ガス室35における、長尺方向Lに直交する断面の断面積よりも大きい。また、基準ガスダクト36の積層方向Dの厚み(幅)は、ガス室35の積層方向Dの厚み(幅)よりも大きい。基準ガスダクト36の断面積、厚み、体積等が、ガス室35の断面積、厚み、体積等よりも大きいことにより、検出電極311における未燃ガスを反応させるための、基準ガスA中の酸素を、基準ガスダクト36から検出電極311へ十分に供給することができる。
図1に示すように、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位の全周には、検出電極311に対する被毒物質、排気管内に生じる凝縮水等を捕獲するための多孔質層37が設けられている。多孔質層37は、アルミナ等の多孔質のセラミックス(金属酸化物)によって形成されている。多孔質層37の気孔率は、拡散抵抗部32の気孔率よりも大きく、多孔質層37を透過することができる検出対象ガスGの流量は、拡散抵抗部32を透過することができる検出対象ガスGの流量よりも多い。
(伝熱部材38)
図3及び図4に示すように、伝熱部材38は、検出電極311の一部に接触する状態で、検出電極311と第1絶縁体33Aとの間に掛け渡されている。センサ素子2の積層方向Dに直交する断面において、伝熱部材38の断面積は、検出電極311の断面積よりも小さい。本形態の伝熱部材38は、検出電極311の平面内(積層方向Dに直交する断面内)の中心部付近において、検出電極311の表面と第1絶縁体33Aの内壁面との間に柱状に配置されている。本形態の伝熱部材38は、丸形状の断面に形成されている。これ以外にも、伝熱部材38は、種々の断面形状に形成することができる。
伝熱部材38は、例えば、図6に示すように、検出電極311の中心部付近に矩形状に形成することができる。また、伝熱部材38は、図7に示すように、検出電極311と対向する位置だけでなく、検出電極311からはみ出して固体電解質体31の第1主面301と対向する位置にも配置することができる。また、伝熱部材38は、検出電極311の一方側端面から他方側端面まで連続して形成することもできる。矩形状の伝熱部材38は、長尺方向Lに長い形状にしてもよく、幅方向Wに長い形状にしてもよい。また、伝熱部材38は、長尺方向Lの延びる部分と幅方向Wに延びる部分とによって形成することもできる。また、伝熱部材38は、検出電極311と第1絶縁体33Aとの間の複数個所に配置することもできる。
伝熱部材38の積層方向Dに直交する断面積を大きくすることにより、伝熱部材38を介する伝熱性を高めることができる。ただし、伝熱部材38が検出電極311に接触している場合には、伝熱部材38が検出電極311に接触する面積が大きくなると検出電極311の表面積が小さくなる。そのため、発熱部341から固体電解質体31等への伝熱と、検出電極311における電気化学反応とのバランスを考慮して、伝熱部材38の断面積を決定することができる。
伝熱部材38は、ペースト状の金属酸化物を、第1絶縁体33A又は検出電極311に塗布し、その後、センサ素子2の全体を焼結することによって形成することができる。また、伝熱部材38を形成するための固形状のスペーサを第1絶縁体33Aと検出電極311との間に配置し、その後、センサ素子2の全体を焼結することによって伝熱部材38を形成することもできる。
伝熱部材38と検出電極311との界面においては、検出電極311を構成する貴金属の熱伝導率が、金属酸化物の熱伝導率よりも高いことにより、伝熱部材38の熱伝導性がよくなる。一方、伝熱部材38と第1絶縁体33Aとの界面においては、伝熱部材38の熱伝導性は下がるが、金属酸化物同士が強固に結合される。
伝熱部材38は、絶縁性のある金属酸化物であればよく、アルミナの他、ジルコニア、窒化アルミニウム、炭化ケイ素等から構成することができる。伝熱部材38は、緻密材として、気体をほとんど透過させない性質を有する。伝熱部材38においては、金属酸化物の粒子同士が互いに焼結されていることにより、粒子間にほとんど間隙が形成されておらず、検出対象ガスGとしての排ガスが透過することができなくなっている。そして、伝熱部材38にほとんど間隙が形成されていないことにより、伝熱部材38の伝熱性を高くすることができる。
(ガスセンサ1の他の構成)
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子2等の他に、センサ素子2を保持する第1インシュレータ42、第1インシュレータ42を保持するハウジング41、第1インシュレータ42に連結された第2インシュレータ43、第2インシュレータ43に保持されてセンサ素子2に接触する接点端子44を備える。また、ガスセンサ1は、ハウジング41の先端側L1の部分に装着された先端側カバー45、ハウジング41の後端側L2の部分に装着されて第2インシュレータ43、接点端子44等を覆う後端側カバー46、接点端子44に繋がるリード線48を後端側カバー46に保持するためのブッシュ47等を備える。
先端側カバー45は、内燃機関の排気管内に配置される。先端側カバー45には、検出対象ガスGとしての排ガスを通過させるためのガス通過孔451が形成されている。先端側カバー45は、二重構造のものとすることができ、一重構造のものとすることもできる。先端側カバー45のガス通過孔451から先端側カバー45内に流入する検出対象ガスGとしての排ガスは、センサ素子2の多孔質層37及び拡散抵抗部32を通過して検出電極311へと導かれる。
図1に示すように、後端側カバー46は、内燃機関の排気管の外部に配置される。後端側カバー46には、後端側カバー46内へ基準ガスAとしての大気を導入するための大気導入孔461が形成されている。大気導入孔461には、液体を通過させない一方、気体を通過させるフィルタ462が配置されている。大気導入孔461から後端側カバー46内に導入される基準ガスAは、後端側カバー46内の隙間及び基準ガスダクト36を通過して基準電極312へと導かれる。
図1及び図2に示すように、接点端子44は、検出電極311の電極リード部313、基準電極312の電極リード部314、発熱体34の発熱体リード部342のそれぞれに接続されるよう、第2インシュレータ43に複数配置されている。また、リード線48は、接点端子44のそれぞれに接続されている。
図1及び図3に示すように、ガスセンサ1におけるリード線48は、ガスセンサ1におけるガス検出の制御を行うセンサ制御装置6に電気接続される。センサ制御装置6は、エンジンにおける燃焼運転を制御するエンジン制御装置と連携してガスセンサ1における電気制御を行うものである。センサ制御装置6には、検出電極311と基準電極312との間に流れる電流を測定する測定回路61、検出電極311と基準電極312との間に電圧を印加する印加回路62、発熱体34に通電を行うための通電回路等が形成されている。なお、センサ制御装置6は、エンジン制御装置内に構築してもよい。
(製造方法)
センサ素子2の製造においては、固体電解質体31、各絶縁体33A,33B、拡散抵抗部32、発熱体34等を積層して積層体とし、この積層体を加熱して焼結する。検出電極311及び基準電極312は、白金、固体電解質、溶媒等を含有するペースト材料を固体電解質体31に印刷(塗布)し、センサ素子2の積層体を焼結する際に、白金及び固体電解質が焼結されて形成される。
(作用効果)
本形態のガスセンサ1においては、ガス室35を形成する第1絶縁体33A内に発熱体34が埋設されており、ガス室35の一部における、検出電極311と、第1絶縁体33Aとの間には、伝熱部材38が挟持されている。この伝熱部材38は、検出対象ガスGとしての排ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されており、発熱体34の発熱部341から固体電解質体31及び各電極311,312への伝熱を促進する。
そして、ガスセンサ1の使用時において、固体電解質体31及び各電極311,312が発熱部341の発熱によって加熱されるときには、発熱部341における熱は、第1絶縁体33Aを介して固体電解質体31及び各電極311,312に伝わるとともに、伝熱部材38を介しても固体電解質体31及び各電極311,312に伝わる。このとき、発熱部341から第1絶縁体33Aを介して固体電解質体31及び各電極311,312へは、ガス室35を迂回するように伝熱が行われる一方、発熱部341から伝熱部材38を介して固体電解質体31及び各電極311,312へは、直進的に伝熱が行われる。
これにより、発熱部341から固体電解質体31及び各電極311,312への伝熱性、換言すれば、センサ素子2の伝熱性を高めることができる。また、ガスセンサ1の始動時等においては、発熱部341の発熱によってセンサ素子2を酸素イオンの伝導性を活性化させる温度に加熱するための時間を短縮することができる。
また、ガスセンサ1の使用時において、発熱部341による熱を効果的に固体電解質体31及び各電極311,312へ伝えることができる。そのため、発熱体34によってセンサ素子2を加熱する際の発熱体34の消費電力を低減させることができる。
また、本形態においては、発熱体34が、ガス室35を形成する第1絶縁体33Aの内部に埋設されていることにより、発熱体34と固体電解質体31との距離を近づけることができる。そして、発熱体34の発熱部341によって固体電解質体31及び各電極311,312を加熱する時間をより短縮することができる。
それ故、本形態のガスセンサ1によれば、センサ素子2の伝熱性を高めて、センサ素子2の早期活性化を図ることができる。
<実施形態2>
本形態においては、発熱体34を第2絶縁体33Bの内部に埋設したセンサ素子2について示す。
図8及び図9に示すように、第2絶縁体33Bには、基準ガスAが導入される基準ガスダクト36が形成されている。発熱体34は、第2絶縁体33Bにおいて、基準電極312に対向して配置されている。本形態の伝熱部材38は、基準ガスダクト36の一部において、基準電極312と、発熱体34が埋設された第2絶縁体33Bとの間に挟持されている。
第2絶縁体33Bは、基準ガスダクト36を形成するとともに、発熱体34を埋設する絶縁スペーサ335及び絶縁プレート337A,337Bを積層して形成することができる。第1絶縁体33Aは、ガス室35を形成するよう絶縁スペーサ331及び絶縁プレート334を積層して形成することができる。
本形態のセンサ素子2においても、発熱体34の発熱部341から発生する熱を、第2絶縁体33B及び伝熱部材38を介して固体電解質体31及び各電極311,312へ効果的に伝えることができる。そのため、本形態のガスセンサ1によれば、実施形態1の場合と同様に、センサ素子2の伝熱性を高めて、センサ素子2の早期活性化を図ることができる。
本形態のガスセンサ1におけるその他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態3>
本形態においては、発熱体34の発熱部341と伝熱部材38との種々の配置関係について示す。
本形態においては、図10に示すように、発熱部341の一部と伝熱部材38の一部とは、積層方向Dにおいて互いに重なる位置に配置されている。また、本形態においては、第1絶縁体33Aに発熱体34が埋設された場合について示す。発熱部341においては、発熱部341が設けられた、積層方向Dに直交する平面内(長尺方向L及び幅方向Wに平行な平面内)において最も高温になる発熱中心が形成される。
発熱中心は、第1絶縁体33Aにおける発熱部341の配置位置の長尺方向L及び幅方向Wの中心付近に形成される。発熱中心は、発熱体34への通電を開始して1秒が経過した後、集中的に発熱する領域としてのヒートスポットを形成する。ヒートスポットが形成される位置は、発熱部341の形成状態、伝熱部材38と発熱部341との積層方向Dにおける重なり具合等に応じて変化する。本形態においては、ヒートスポットが検出電極311の平面内の中心位置の近くに形成されるようにしている。
図10に示すように、本形態の発熱部341は、長尺方向Lに蛇行して形成されており、長尺方向Lに平行な複数の平行部分343A,343Bと、平行部分343A,343B同士を曲線状に連結する連結部分344とを有する。平行部分343A,343Bは、幅方向Wの内側位置に一対に形成された内側平行部分343Aと、内側平行部分343Aに対して幅方向Wの外側位置に一対に形成された一対の外側平行部分343Bとを有する。
一対の内側平行部分343A同士の幅方向Wの間隔は、互いに隣接する内側平行部分343Aと外側平行部分343Bとの間隔よりも狭い。伝熱部材38の一部は、一対の内側平行部分343Aの一部に対して積層方向Dに重なる位置に配置されている。一対の内側平行部分343A同士の間隔が、互いに隣接する内側平行部分343Aと外側平行部分343Bとの間隔よりも狭いことにより、伝熱部材38の一部が一対の内側平行部分343Aに積層方向Dにおいて対向しやすくすることができる。
伝熱部材38は、長尺方向L及び幅方向Wに平行な平面内において、長尺方向Lに平行に形成して、伝熱部材38の一部を、一対の内側平行部分343Aの一部に積層方向Dにおいて重なる位置に配置することができる。この場合、図11に示すように、伝熱部材38は、一方の内側平行部分343Aに対して積層方向Dに対向する位置に設けることができる。
また、図12に示すように、伝熱部材38は、長尺方向L及び幅方向Wに平行な平面内において、長尺方向Lに対して傾斜して形成し、伝熱部材38の一部を、一対の内側平行部分343Aの一部に積層方向Dにおいて対向させることができる。この場合、伝熱部材38は、一対の内側平行部分343Aに対して積層方向Dに部分的に対向する状態で形成することができる。
また、図13に示すように、伝熱部材38は、一対の内側平行部分343Aのそれぞれに対して積層方向Dにおいて対向するよう一対に形成することもできる。この場合、伝熱部材38は、内側平行部分343Aと平行に形成することができる。また、この場合、図14に示すように、伝熱部材38は、各内側平行部分343Aの長尺方向Lの複数個所に対して積層方向Dに対向する状態で形成することができる。
また、図15に示すように、発熱体34の発熱部341は、幅方向Wに蛇行する状態で形成することもできる。発熱部341は、一対の発熱体リード部342の長尺方向Lに繋がる一対の蛇行部分345によって形成することができる。蛇行部分345は、幅方向Wの内側位置において曲線状に形成された内側曲線部分346Aと、幅方向Wの外側位置において曲線状に形成された外側曲線部分346Bとが交互に連なって形成されている。
伝熱部材38は、一対の蛇行部分345における複数の内側曲線部分346Aに積層方向Dにおいて重なる位置に配置することができる。また、図16に示すように、伝熱部材38は、一方の蛇行部分345における内側曲線部分346Aに積層方向Dにおいて重なる位置に配置することもできる。これらの場合に、伝熱部材38は、センサ素子2の長尺方向Lに平行に形成することができる。
また、図17に示すように、伝熱部材38は、長尺方向L及び幅方向Wに平行な平面内において、長尺方向Lに対して傾斜して形成し、伝熱部材38の一部を、一対の蛇行部分345の一部に積層方向Dにおいて重なる位置に配置することができる。また、図18に示すように、伝熱部材38は、一対の蛇行部分345のそれぞれに対して積層方向Dにおいて対向するよう一対に形成することもできる。この場合、伝熱部材38は、一対の蛇行部分345の内側曲線部分346Aに積層方向Dにおいて重なる位置に形成することができ、一対の蛇行部分345の内側曲線部分346A及び外側曲線部分346Bに積層方向Dにおいて重なる位置に形成することもできる。
また、発熱体34の発熱部341は、発熱体リード部342に比べて比抵抗が大きい状態にあれば、必ずしも蛇行して形成する必要はない。図19に示すように、発熱部341は、一対の発熱体リード部342に繋がる、センサ素子2の長尺方向Lに平行な一対の平行部分と、一対の平行部分を連結する連結部分として形成することもできる。この場合、伝熱部材38は、一対の平行部分に積層方向Dに重なる位置に形成することができる。また、図20に示すように、伝熱部材38は、一方の平行部分に積層方向Dにおいて重なる位置に形成することもできる。
また、この場合には、図21に示すように、伝熱部材38は、一対の平行部分に積層方向Dにおいて重なるように、長尺方向Lに傾斜して形成することもできる。また、図22に示すように、伝熱部材38は、一対の平行部分のそれぞれに対して積層方向Dにおいて対向するよう一対に形成することもできる。
本形態においても、発熱体34は、第1絶縁体33Aに埋設する代わりに、第2絶縁体33Bに埋設することもできる。この場合にも、発熱部341と伝熱部材38とは、積層方向Dにおいて重なる種々の位置関係で配置することができる。
本形態のガスセンサ1におけるその他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態4>
本形態においては、センサ素子2が複数の固体電解質体31A,31Bを有する場合について示す。
図23及び図24に示すように、本形態のセンサ素子2は、2枚の固体電解質体31A,31Bを有し、固体電解質体31A,31B同士の間に位置するガス室35の一部に伝熱部材38を有する。2枚の固体電解質体31A,31Bは、第1ポンプ電極311A及び第2ポンプ電極311Bを有する第1固体電解質体31Aと、検出電極312A及び基準電極312Bを有する第2固体電解質体31Bとからなる。
第1固体電解質体31Aは、酸素イオンの伝導性を有するものである。第1固体電解質体31Aは、2つの固体電解質体31A,31Bのうちの、発熱体34が埋設された第3絶縁体33Eから遠い方に位置するものである。第1ポンプ電極311A及び第2ポンプ電極311Bは、第1固体電解質体31Aの長尺方向Lの先端側L1の位置における互い対向する位置に設けられている。第2固体電解質体31Bは、第1固体電解質体31Aに対向して配置されており、酸素イオンの伝導性を有するものである。検出電極312A及び基準電極312Bは、第2固体電解質体31Bの長尺方向Lの先端側L1の位置における互い対向する位置に設けられている。
本形態のセンサ素子2は、第1絶縁体33Cと、ガス室35を形成するための第2絶縁体33Dと、発熱体34を埋設するための第3絶縁体33Eとを有する。第1絶縁体33Cは、第1固体電解質体31Aの第1ポンプ電極311Aが設けられた主面に積層されている。第1絶縁体33Cには、第1ポンプ電極311Aを保護するとともに、第1ポンプ電極311Aへ検出対象ガスGを導入するための多孔質体39が配置されている。
図23及び図24に示すように、第2絶縁体33Dは、第1固体電解質体31Aの第2ポンプ電極311Bが設けられた主面と第2固体電解質体31Bの検出電極312Aが設けられた主面との間に挟まれている。第2絶縁体33Dにおける幅方向Wの両側には、検出対象ガスGを透過させる拡散抵抗部32が配置されている。拡散抵抗部32は、第2絶縁体33Dにおける長尺方向Lの先端側L1の位置に配置することもできる。なお、第1固体電解質体31Aの第2ポンプ電極311Bが設けられた主面と、第2固体電解質体31Bの検出電極312Aが設けられた主面とは互いに向き合っている。
第3絶縁体33Eは、第2固体電解質体31Bの基準電極312Bが設けられた主面に積層されている。第3絶縁体33Eは、発熱体34を挟み込んで埋設する一対の絶縁プレート339によって形成されている。基準電極312は、第2固体電解質体31Bと第3絶縁体33Eとに挟まれて、第3絶縁体33E内に埋設されている。
第1ポンプ電極311Aと第2ポンプ電極311Bとは、第1固体電解質体31Aにおける互いに対向する位置に配置されている。検出電極312Aと基準電極312Bとは、第2固体電解質体31Bにおける互いに対向する位置に配置されている。また、第2ポンプ電極311Bと検出電極312Aとは、ガス室35内において互いに対向している。
発熱体34は、第3絶縁体33E内に埋設されており、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、長尺方向Lの後端側L2に繋がる発熱体リード部342とを有する。発熱部341の少なくとも一部は、各固体電解質体31A,31Bと各絶縁体33C,33D,33Eとの積層方向Dにおいて、各電極311A,311B,312A,312Bに重なる位置に配置されている。
ガス室35は、第1固体電解質体31A、第2固体電解質体31B及び第2絶縁体33Dによって囲まれて形成されるとともに、第2ポンプ電極311B及び検出電極312Aを収容する位置に形成されている。拡散抵抗部32は、ガス室35に連通して第2絶縁体33Dに設けられており、ガス室35へ検出対象ガスGを所定の拡散速度で導入するためのものである。
図23及び図24に示すように、伝熱部材38は、ガス室35の一部において、第2ポンプ電極311Bと検出電極312Aとの間に挟持されており、発熱部341から第1固体電解質体31A、第1ポンプ電極311A及び第2ポンプ電極311Bへの伝熱を促進するためのものである。伝熱部材38は、ガス室35における1個所に配置するだけでなく、ガス室35における複数個所に配置することもできる。本形態の伝熱部材38も、実施形態3において示したように、発熱部341に積層方向Dにおいて重なる位置に配置することができる。
本形態のセンサ素子2を用いたガスセンサ1においては、第1ポンプ電極311Aと第2ポンプ電極311Bとの間に電圧が印加され、ガス室35内に導入される検出対象ガスGの酸素濃度が調整される。また、検出電極312Aと基準電極312Bとの間にも、拡散抵抗部32を利用して限界電流特性が生じるための電圧が印加され、ガス室35内の酸素濃度に応じて、検出電極312Aと基準電極312Bとの間に流れるセンサ電流が検出される。ガスセンサ1のセンサ制御装置6は、このセンサ電流によって、検出対象ガスGから特定される、内燃機関の空燃比等を求めることができる。
本形態においては、発熱部341の熱は、第3絶縁体33E及び第2固体電解質体31Bを経由するとともに、ガス室35の周囲に位置する第2絶縁体33Dを経由して、第1固体電解質体31A及び第1、第2ポンプ電極311Bへ伝達される。また、伝熱部材38の存在により、発熱部341の熱は、第2固体電解質体31Bの検出電極312Aから伝熱部材38を経由して第1固体電解質体31Aの第2ポンプ電極311Bへと伝達される。そして、発熱部341の熱は、各電極311A,311B,312A,312Bの周囲において第2絶縁体33Dを経由して第1固体電解質体31Aに伝達されるだけでなく、各電極311A,311B,312A,312B及び伝熱部材38を経由して第1固体電解質体31Aに伝達される。
これにより、本形態においては、発熱部341から、第1固体電解質体31A、第1ポンプ電極311A及び第2ポンプ電極311Bへの伝熱性を改善することができる。そして、本形態のガスセンサ1によれば、実施形態1の場合と同様に、センサ素子2の伝熱性を高めて、センサ素子2の早期活性化を図ることができる。
本形態のガスセンサ1におけるその他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態5>
本形態は、実施形態1に示すセンサ素子2において、伝熱部材38が、第1絶縁体33Aと検出電極311及び固体電解質体31との間に挟持された場合について示す。
図25及び図26に示すように、伝熱部材38は、検出電極311と固体電解質体31とに跨る位置に設けられている。検出電極311には、検出電極311を積層方向Dに貫通する貫通孔315が形成されている。本形態の貫通孔315は、検出電極311の中心部分に形成されており、検出電極311の長尺方向Lに長い長方形状として形成されている。伝熱部材38は、検出電極311の一部と固体電解質体31の一部とに接触する状態で設けられている。
伝熱部材38は、貫通孔315を介して固体電解質体31に接触しているとともに、検出電極311における、貫通孔315の縁部に接触している。換言すれば、伝熱部材38は、固体電解質体31の表面から検出電極311の表面にオーバーラップして形成されている。本形態の伝熱部材38は、貫通孔315の長方形状に倣った形状に形成されている。
図27には、センサ素子2の長尺方向Lに直交する断面において、伝熱部材38と固体電解質体31及び検出電極311とが接触する幅方向Wの長さの範囲における、伝熱部材38と検出電極311とのオーバーラップ率αを示す。オーバーラップ率αは、伝熱部材38の幅方向Wの幅をd、伝熱部材38と検出電極311とが重なる両側の範囲をd1、d2としたとき、α=(d1+d2)/dの式によって表される。
同図においては、オーバーラップ率αが0~1の間で変化するときに、検出電極311の電気抵抗比がどれだけ変化するかを示す。検出電極311の電気抵抗比は、センサ素子2に伝熱部材38が設けられていない場合を基準としての1とする。オーバーラップ率αが1である場合は、伝熱部材38の全体が検出電極311に接触している場合を示す。オーバーラップ率αは、伝熱部材38の配置箇所に対応して、検出電極311に形成する貫通孔315の大きさを大きくすることによって小さくする。オーバーラップ率αが0である場合は、伝熱部材38の全体が、貫通孔315内に配置された状態で固体電解質体31に接触している場合を示す。オーバーラップ率αが小さくなると、検出電極311の面積が小さくなり、検出電極311の電気抵抗比は大きくなる。
検出電極311の電気抵抗とは、固体電解質体31を介して検出電極311と基準電極312との間に酸素イオンによる電流が流れる際の検出電極311の電気抵抗のことをいう。同図のグラフは、検出電極311が750℃である場合についての電気抵抗を求めたものである。オーバーラップ率が0.4よりも小さくなると、検出電極311の電気抵抗比の増加割合が大きくなることが分かる。そのため、オーバーラップ率は、0.4以上となるようにすることが好ましい。
本形態の伝熱部材38は、検出電極311及び固体電解質体31に跨って接触していることにより、検出電極311の有効表面積の減少を抑え、伝熱部材38の接合強度を高めることができる。より具体的には、伝熱部材38が固体電解質体31にも接触していることにより、伝熱部材38によって検出電極311を覆う面積が減少し、検出電極311の有効表面積が大きく保たれる。これにより、ガスセンサ1によってガス検出を行う際の電気抵抗の増加を抑制することができる。
また、伝熱部材38が、検出電極311だけではなく固体電解質体31に接合されていることにより、伝熱部材38と固体電解質体31とは金属酸化物同士の結合によって強固に結合される。これにより、センサ素子2における伝熱部材38の接合強度を高めることができる。また、本形態においても、伝熱部材38によって、センサ素子2の伝熱性を高めることができる。
なお、検出電極311には、貫通孔315を形成する代わりに、検出電極311の一部を切り欠く切欠きを形成してもよい。貫通孔315及び切欠きは、固体電解質体31の表面が露出するように、検出電極311の略四角形状の外形内において、検出電極311が形成されていない部分によって形成される。
本形態のガスセンサ1におけるその他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態6>
本形態は、図28に示すように、実施形態2に示すセンサ素子2において、伝熱部材38が、第2絶縁体33Bと基準電極312及び固体電解質体31との間に挟持された場合について示す。
本形態の発熱体34は、基準ガスダクト36が形成された第2絶縁体33Bの内部に埋設されている。伝熱部材38は、基準電極312と固体電解質体31とに跨る位置に設けられている。基準電極312には、基準電極312を積層方向Dに貫通する貫通孔315が形成されている。本形態の貫通孔315は、基準電極312の中心部分に形成されている。伝熱部材38は、基準電極312の一部と固体電解質体31の一部とに接触する状態で設けられている。
伝熱部材38は、貫通孔315を介して固体電解質体31に接触しているとともに、基準電極312における、貫通孔315の縁部に接触している。換言すれば、伝熱部材38は、固体電解質体31の表面から基準電極312の表面にオーバーラップして形成されている。
本形態においても、基準電極312と固体電解質体31とに接触する伝熱部材38によって、実施形態5のセンサ素子2と同様の作用効果を得ることができる。本形態のガスセンサ1におけるその他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態7>
本形態においては、実施形態1に示したセンサ素子2について、検出電極311の表面に伝熱部材38を設ける位置を検討した。
発明者の研究の結果、伝熱部材38が検出電極311の表面に設けられる場合、伝熱部材38は、検出電極311における、拡散抵抗部32を通過した検出対象ガスGが始めに接触する部位には設けない方がよいことが分かった。
図29に示すように、センサ素子2において、拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおける長尺方向Lの先端側L1の部位に設けられており、ガス室35内には、拡散抵抗部32を介してセンサ素子2の長尺方向Lの先端側L1から検出対象ガスGが導入される。伝熱部材38は、検出電極311の表面の一部に接触して設けられる。伝熱部材38の積層方向Dに直交する断面の断面積は、検出電極311の積層方向Dに直交する断面の断面積よりも小さい。
伝熱部材38は、検出電極311における、拡散抵抗部32に近い長尺方向Lの先端側L1の部位を除く、検出電極311の一部に接触して設けられている。検出電極311の長尺方向Lの先端側L1の部分は、伝熱部材38が接触していないことによって、検出対象ガスGに晒されている。
図30には、検出電極311の長尺方向Lの先端316から基端側L2への位置と、検出電極311と基準電極312とにガス検出を行う際の電流が流れるときの検出電極311の累積電流との関係を示す。検出電極311においては、検出対象ガスGが始めに接触する長尺方向Lの先端側L1から順に電気化学反応が開始される。そして、検出電極311の長尺方向Lの基端側L2に行くに連れて、電気化学反応は弱くなる。
検出電極311における長尺方向Lの先端側部分の表面を伝熱部材38によって塞いでしまうと、この先端側部分において分解されて電流として検出されるべき酸素が拡散されてしまう。そのため、検出電極311における長尺方向Lの先端側部分の表面には、伝熱部材38が接触していないことが好ましい。
累積電流は、検出電極311の全体に流れる電流を100%とした場合に、検出電極311の長尺方向Lの先端316から基端側L2へ行くに連れて累積されて増加する電流を表す。累積電流は、検出電極311の長尺方向Lの先端316においては0%であるものの、検出電極311の先端316から基端側L2へ4mm移動した位置においては、ほぼ100%となる。
つまり、検出電極311の先端316から基端側L2へ4mm以上移動した位置においては、検出電極311に流れる電流は最大になる。最低限50%程度の累積電流が得られれば、検出電極311における電気化学反応が得られることより、伝熱部材38は、検出電極311の長尺方向Lの先端316から0.2mm以上離れた位置から基端側L2に向けて設けることができる。また、最低限70%程度の累積電流を得るためには、伝熱部材38は、検出電極311の長尺方向Lの先端316から0.5mm以上離れた位置から基端側L2に向けて設けることが好ましい。
また、図31には、検出電極311に対して伝熱部材38を設ける長尺方向Lの位置を変化させた種々の場合において、センサ素子2によって、検出対象ガスGの空燃比(A/F)が、A/F=15からA/F=14に変化したことを検出するための応答時間がどれだけになるかを求めたシミュレーション結果を示す。伝熱部材38の長尺方向Lの長さは4mmとし、伝熱部材38の幅方向Wの幅は1mmとし、検出電極311の幅方向Wの幅は2mmとした。そして、検出電極311の長尺方向Lの先端316から、伝熱部材38の長尺方向Lの先端381までの距離をLx[mm]とし、この距離Lxを0~4mmの範囲で変化させた。
同図において、応答時間は、距離Lxが4mmである場合を基準としての1とし、距離Lxが変化するに連れて応答時間が相対的にどれだけ変化するかを求めた。距離Lxが0mmの場合には、応答時間が1.8程度になり、距離Lxが0.2mmの場合には、応答時間が1.3程度になることが分かった。このことより、伝熱部材38における、検出電極311に接触する部位の長尺方向Lの先端381は、検出電極311の長尺方向Lの先端316から、0.2mm以上長尺方向Lの基端側L2へ離れていることが好ましい。また、伝熱部材38における、検出電極311に接触する位置の長尺方向Lの先端381は、検出電極311の長尺方向Lの先端316から、0.5mm以上長尺方向Lの基端側L2へ離れていることがさらに好ましい。
また、伝熱部材38は、固体電解質体31の積層方向Dに直交する平面方向における断面積が一定の直線状の柱形状に形成する以外にも、図32に示すように、固体電解質体31の平面方向における断面積が検出電極311に近づくに連れて小さくなる台形の柱形状に形成することもできる。特に、伝熱部材38の先端側L1の側面は、検出電極311に近づくに連れて基端側L2に位置するよう傾斜させることができる。この場合にも、伝熱部材38における、検出電極311に接触する位置の長尺方向Lの先端381は、検出電極311の長尺方向Lの先端316から、0.2mm以上長尺方向Lの基端側L2へ離れていることが好ましい。
本形態のガスセンサ1におけるその他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<確認試験>
本確認試験においては、発熱体34が第1絶縁体33C内に埋設されるとともに伝熱部材38が配置された実施形態1のセンサ素子2を、目標とする作動温度(活性温度)に加熱する際に要する時間を測定した。また、比較のために、発熱体34が第2絶縁体33B内に埋設されるとともに伝熱部材38が配置されていない従来のセンサ素子を、作動温度に加熱する際に要する時間を測定した。測定を行った結果、実施形態1のセンサ素子2を用いたガスセンサ1においては、加熱を開始してから作動温度に到達するまでの活性時間が、従来のガスセンサの活性時間を100%としたときに、従来のガスセンサの活性時間に比べて約30%程度に短縮されることが確認された。そして、実施形態1のセンサ素子2を用いたガスセンサ1においては、センサ素子2を常温(25℃)から作動温度(例えば650℃)にするまでの発熱体34への通電時間を1秒以下にできることが分かった。
また、本確認試験においては、実施形態1のセンサ素子2を用いたガスセンサ1において、センサ素子2を作動温度に維持するための定常時の消費電力を測定した。また、比較のために、従来のセンサ素子を用いたガスセンサにおいても、センサ素子を作動温度に維持するための定常時の消費電力を測定した。測定を行った結果、実施形態1のセンサ素子2を用いたガスセンサ1においては、従来のガスセンサの定常時の消費電力を100%としたときに、従来のガスセンサの消費電力に比べて、約50%程度に小さくなることが確認された。
また、本確認試験においては、伝熱部材38が発熱部341に積層方向Dにおいて重なる実施形態3のセンサ素子2を用いたガスセンサ1と、伝熱部材38が発熱部341に積層方向Dにおいて重ならない実施形態1のセンサ素子2を用いたガスセンサ1とについて、発熱体34に通電を開始してから目標とする作動温度になるまでの活性時間について測定した。測定を行った結果、実施形態3のセンサ素子2を用いたガスセンサ1の活性時間は、実施形態1のセンサ素子2を用いたガスセンサ1の活性時間に比べて、約30%程度に短縮されることが確認された。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
1 ガスセンサ
2 センサ素子
31,31A,31B 固体電解質体
311,312,311A,311B,312A,312B 電極
33A,33B,33C,33D,33E 絶縁体
34 発熱体
35 ガス室(ガス空間)
38 伝熱部材

Claims (7)

  1. 長尺板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
    前記センサ素子は、
    酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体における、検出対象ガス(G)に晒される第1主面(301)であって前記センサ素子の長尺方向(L)の先端側位置に設けられた検出電極(311)と、
    前記固体電解質体における、基準ガス(A)に晒される第2主面(302)であって前記長尺方向の先端側位置に設けられた基準電極(312)と、
    前記固体電解質体の前記第1主面に積層された第1絶縁体(33A)と、
    前記固体電解質体と前記第1絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が前記検出電極及び前記基準電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部の、前記長尺方向の後端側に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記第1絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
    前記第1絶縁体における、前記固体電解質体の前記第1主面に隣接する位置であって、前記検出電極を収容する位置に形成されたガス室(35)と、
    前記ガス室に連通して前記第1絶縁体に設けられ、前記ガス室へ前記検出対象ガスを所定の拡散速度で導入するための拡散抵抗部(32)と、
    前記固体電解質体の前記第2主面に積層された第2絶縁体(33B)と、
    前記第2絶縁体における、前記固体電解質体の前記第2主面に隣接する位置であって、前記長尺方向の後端開口部(360)から前記基準電極を収容する位置まで形成され、かつ前記後端開口部から前記基準ガスが導入される基準ガスダクト(36)と、
    前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス室の一部において、前記第1絶縁体と前記検出電極との間、又は前記第1絶縁体と前記検出電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体、前記検出電極及び前記基準電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え
    前記拡散抵抗部は、前記第1絶縁体における前記長尺方向の先端側部位に設けられており、
    前記伝熱部材の前記積層方向に直交する断面の断面積は、前記検出電極の前記積層方向に直交する断面の断面積よりも小さく、
    前記検出電極の前記長尺方向の先端側部分は、前記伝熱部材が接触していないことによって、前記検出対象ガスに晒されている、ガスセンサ。
  2. 前記拡散抵抗部は、前記第1絶縁体における、前記ガス室の前記長尺方向の先端側に隣接する先端側部位、前記第1絶縁体における、前記ガス室の、前記長尺方向及び前記積層方向の双方に直交する幅方向の両側に隣接する先端側部位、又は前記第1絶縁体における、前記ガス室の前記積層方向に隣接する先端側部位に設けられている、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記伝熱部材における、前記検出電極に接触する位置の前記長尺方向の先端は、前記検出電極の前記長尺方向の先端から、0.2mm以上前記長尺方向の基端側へ離れている、請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
    前記センサ素子は、
    酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体の表面に設けられた一対の電極(311,312)と、
    前記固体電解質体に積層された絶縁体(33A,33B)と、
    前記固体電解質体に隣接する位置において前記絶縁体に囲まれて形成されるとともに、一対の前記電極の一方が収容され、検出対象ガス(G)又は基準ガス(A)が導入されるガス空間(35,36)と、
    前記固体電解質体と前記絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が一対の前記電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記ガス空間を形成する前記絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
    前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス空間の一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体及び一対の前記電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え
    前記電極には、前記電極を前記積層方向に貫通する貫通孔(315)又は切欠きが形成されており、
    前記伝熱部材は、前記貫通孔又は前記切欠きを介して前記固体電解質体に接触しているとともに、前記電極における、前記貫通孔又は前記切欠きの縁部に接触している、ガスセンサ。
  5. 板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
    前記センサ素子は、
    酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体の表面に設けられた一対の電極(311,312)と、
    前記固体電解質体に積層された絶縁体(33A,33B)と、
    前記固体電解質体に隣接する位置において前記絶縁体に囲まれて形成されるとともに、一対の前記電極の一方が収容され、検出対象ガス(G)又は基準ガス(A)が導入されるガス空間(35,36)と、
    前記固体電解質体と前記絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が一対の前記電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記ガス空間を形成する前記絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
    前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス空間の一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体及び一対の前記電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え
    前記ガス空間は、前記検出対象ガスが拡散抵抗部(32)を介して所定の拡散速度で導入され、一対の前記電極のうちの前記検出対象ガスに晒される検出電極(311)が配置されたガス室(35)として形成されており、
    前記発熱体は、前記検出電極に対向して、前記ガス室を形成する前記絶縁体内に埋設されており、
    前記伝熱部材は、前記ガス室の一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記検出電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記検出電極及び前記固体電解質体との間に挟持されており、
    前記検出電極には、前記検出電極を前記積層方向に貫通する貫通孔(315)又は切欠きが形成されており、
    前記伝熱部材は、前記貫通孔又は前記切欠きを介して前記固体電解質体に接触しているとともに、前記検出電極における、前記貫通孔又は前記切欠きの縁部に接触している、ガスセンサ。
  6. 長尺板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
    前記センサ素子は、
    酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体における、検出対象ガス(G)に晒される第1主面(301)であって前記センサ素子の長尺方向(L)の先端側位置に設けられた検出電極(311)と、
    前記固体電解質体における、基準ガス(A)に晒される第2主面(302)であって前記長尺方向の先端側位置に設けられた基準電極(312)と、
    前記固体電解質体の前記第1主面に積層された第1絶縁体(33A)と、
    前記固体電解質体と前記第1絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が前記検出電極及び前記基準電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部の、前記長尺方向の後端側に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記第1絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
    前記第1絶縁体における、前記固体電解質体の前記第1主面に隣接する位置であって、前記検出電極を収容する位置に形成されたガス室(35)と、
    前記ガス室に連通して前記第1絶縁体に設けられ、前記ガス室へ前記検出対象ガスを所定の拡散速度で導入するための拡散抵抗部(32)と、
    前記固体電解質体の前記第2主面に積層された第2絶縁体(33B)と、
    前記第2絶縁体における、前記固体電解質体の前記第2主面に隣接する位置であって、前記長尺方向の後端開口部(360)から前記基準電極を収容する位置まで形成され、かつ前記後端開口部から前記基準ガスが導入される基準ガスダクト(36)と、
    前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス室の一部において、前記第1絶縁体と前記検出電極との間、又は前記第1絶縁体と前記検出電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体、前記検出電極及び前記基準電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え
    前記検出電極には、前記検出電極を前記積層方向に貫通する貫通孔(315)又は切欠きが形成されており、
    前記伝熱部材は、前記貫通孔又は前記切欠きを介して前記固体電解質体に接触しているとともに、前記検出電極における、前記貫通孔又は前記切欠きの縁部に接触している、ガスセンサ。
  7. 板形状のセンサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
    前記センサ素子は、
    酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体の表面に設けられた一対の電極(311,312)と、
    前記固体電解質体に積層された絶縁体(33A,33B)と、
    前記固体電解質体に隣接する位置において前記絶縁体に囲まれて形成されるとともに、一対の前記電極の一方が収容され、検出対象ガス(G)又は基準ガス(A)が導入されるガス空間(35,36)と、
    前記固体電解質体と前記絶縁体との積層方向(D)において少なくとも一部が一対の前記電極に重なる位置に配置された、通電によって発熱する発熱部(341)、及び前記発熱部に繋がる一対のリード部(342)を有し、かつ前記ガス空間を形成する前記絶縁体内に埋設された発熱体(34)と、
    前記検出対象ガスを透過させない、金属酸化物の緻密材によって形成されるとともに、前記ガス空間の一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記電極及び前記固体電解質体との間に挟持され、かつ前記発熱部から前記固体電解質体及び一対の前記電極への伝熱を促進するための伝熱部材(38)と、を備え
    前記ガス空間は、前記基準ガスが導入され、一対の前記電極のうちの前記基準ガスに晒される基準電極(312)が配置された基準ガスダクト(36)として形成されており、
    前記発熱体は、前記基準電極に対向して、前記基準ガスダクトを形成する前記絶縁体内に埋設されており、
    前記伝熱部材は、前記基準ガスダクトの一部において、前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記基準電極との間、又は前記発熱体が埋設された前記絶縁体と前記基準電極及び前記固体電解質体との間に挟持されており、
    前記基準電極には、前記基準電極を前記積層方向に貫通する貫通孔(315)又は切欠きが形成されており、
    前記伝熱部材は、前記貫通孔又は前記切欠きを介して前記固体電解質体に接触しているとともに、前記基準電極における、前記貫通孔又は前記切欠きの縁部に接触している、ガスセンサ。
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