JP6747407B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
屈曲する線材によって構成された複数のバネ端子(3)と、
前記センサ素子の前記基端部が挿入された挿入穴(41)、及び前記挿入穴に連通された複数の保持溝(42)を有するインシュレータ(4)と、を備えるガスセンサ(1)において、
前記バネ端子は、前記保持溝内に保持される保持部(31)と、前記保持部から延設され、前記保持部に対して撓んで前記端子接触部に接触するアーム部(32)とを有しており、
前記挿入穴への前記センサ素子の挿入方向(D)から見たときに、複数の前記バネ端子のうちの少なくとも1つである傾斜バネ端子(3A)における、前記保持部に対する前記アーム部の撓み方向(F)は、前記端子接触部の外面に対して傾斜しており、
前記端子接触部は、前記挿入方向に直交する幅方向(W)に複数並んで設けられており、
前記傾斜バネ端子は、前記幅方向に並んで配置されており、
前記傾斜バネ端子の前記アーム部は、前記保持部よりも前記センサ素子の幅方向の中心側に位置しており、
前記傾斜バネ端子の前記アーム部は、前記端子接触部の外面に垂直な垂線(M)に対する、前記撓み方向に沿った中心軸線(O)の傾斜角度(θ)を大きくする状態で撓み、かつ、前記保持溝の前記幅方向における中心側の側面(421)に接触して、前記端子接触部の外面に対する位置が固定されている、ガスセンサにある。
本発明の他の態様は、端子接触部(28A,28B,28C,28D)が基端部(204)の外面(201,202)に複数設けられ、ガス検出を行うためのセンサ素子(2)と、
屈曲する線材によって構成された複数のバネ端子(3)と、
前記センサ素子の前記基端部が挿入された挿入穴(41)、及び前記挿入穴に連通された複数の保持溝(42)を有するインシュレータ(4)と、を備えるガスセンサ(1)において、
前記バネ端子は、前記保持溝内に保持される保持部(31)と、前記保持部から延設され、前記保持部に対して撓んで前記端子接触部に接触するアーム部(32)とを有しており、
前記挿入穴への前記センサ素子の挿入方向(D)から見たときに、複数の前記バネ端子のうちの少なくとも1つである傾斜バネ端子(3A)における、前記保持部に対する前記アーム部の撓み方向(F)は、前記端子接触部の外面に対して傾斜しており、
複数の前記バネ端子は、円形状の断面を有する、線径がφ0.4〜0.7mmの範囲内にある丸線材によって構成されている、ガスセンサにある。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、図1及び図2に示すように、センサ素子2、複数のバネ端子3及びバネ用インシュレータ4を備える。センサ素子2は、ガス検出を行うためのものであり、センサ素子2の基端部204の外面201,202には、複数の端子接触部28A,28Bが設けられている。複数のバネ端子3は、屈曲する線材によって構成されている。バネ用インシュレータ4は、センサ素子2の基端部204が挿入された挿入穴41と、挿入穴41に連通された複数の保持溝42とを有する。
(内燃機関)
図1に示すように、本形態のガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気系統の配管8に配置されて、配管8内を流れる排ガスG中の酸素又は特定ガス成分を検出するものである。ガスセンサ1は、配管8における、触媒の配置箇所よりも上流側に配置することができ、配管8における、触媒の配置箇所よりも下流側に配置することもできる。また、ガスセンサ1を配置する配管8は、排ガスGを利用して内燃機関が吸入する空気の圧力を高める過給機の吸入側の配管とすることもできる。また、ガスセンサ1を配置する配管8は、内燃機関から排気通路に排気される排ガスGの一部を、内燃機関の吸気通路に再循環させる排気再循環機構における配管とすることもできる。
図4及び図5に示すように、センサ素子2は、一対の電極22A,22Bが設けられた板状の固体電解質体21と、固体電解質体21に積層されたヒータ23とを有する。固体電解質体21の第1主面211には、排ガスGに晒される検出電極22Aが設けられており、固体電解質体21の第2主面212には、大気Aに晒される基準電極22Bが設けられている。固体電解質体21の第1主面211には、第1主面211に積層された絶縁層24Aによって、排ガスGが導入されるガス室26が隣接して形成されている。検出電極22Aは、ガス室26内に配置されている。固体電解質体21の第2主面212には、第2主面212に積層されたヒータ23の絶縁層24Bによって、大気Aが導入される大気ダクト27が隣接して形成されている。基準電極22Bは、大気ダクト27内に配置されている。
図1に示すように、ガスセンサ1には、センサ素子2を挿通させて保持するための素子用インシュレータ5と、複数のバネ端子3を保持するためのバネ用インシュレータ4とが配置されている。素子用インシュレータ5は、絶縁碍子ともいい、アルミナ等の絶縁性のセラミックスによって形成されている。素子用インシュレータ5は、セラミックスの粉体を圧縮して成形されている。素子用インシュレータ5には、センサ素子2を配置するために、挿入方向Dに向けて貫通する配置穴51が形成されている。配置穴51には、センサ素子2の長尺方向の中間位置が挿通されている。センサ素子2は、配置穴51の基端側に形成された凹部52内に充填されるガラス材53等によって素子用インシュレータ5に固定されている。
図1に示すように、ハウジング6には、挿入方向Dに向けて貫通するハウジング穴61が形成されている。素子用インシュレータ5は、ハウジング穴61内に配置されている。また、ハウジング6の外周の全周には、配管8に設けられた取付穴81に挿通されたガスセンサ1を、配管8に取り付けるための、ねじ部62及び六角形状のフランジ部63が形成されている。
図1に示すように、ハウジング6の基端側部分には、バネ用インシュレータ4を覆う配線用カバー7Aが装着されている。配線用カバー7Aは、内周側に位置する内周側カバー71と、内周側カバー71の外周側に重なる外周側カバー72とによって構成されている。外周側カバー72には、大気Aが導入される導入孔721が形成されている。内周側カバー71と外周側カバー72との間には、多孔質のシートによって形成されたフィルタ73が、導入孔721を覆う状態で配置されている。フィルタ73は、気体を通過させる一方、液体を通過させない性質を有する。
図1に示すように、バネ用インシュレータ4は、絶縁碍子ともいい、アルミナ等の絶縁性のセラミックスによって形成されている。バネ用インシュレータ4は、セラミックスの粉体を圧縮して成形されている。バネ用インシュレータ4は、素子用インシュレータ5の挿入方向Dの基端側に重なって配置されており、センサ素子2の基端部204を収容する。
図2、図3及び図9に示すように、バネ用インシュレータ4には、2つの第1端子接触部28A及び2つの第2端子接触部28Bのそれぞれに個別に接触する4つの傾斜バネ端子3Aが保持されている。傾斜バネ端子3Aのアーム部32は、保持部31から折り返されて保持部31と、撓み方向Fにおいて対向している。アーム部32が保持部31と対向して形成されることにより、アーム部32が保持部31に対して撓む(弾性変形する)、アーム部32のバネ特性を発現することが容易になる。また、本形態のアーム部32の撓み方向Fは、保持部31とアーム部32とが向き合う方向となる。
本形態のガスセンサ1においては、丸線材から構成されたバネ端子3を用いるために、センサ素子2の外面201,202における端子接触部28A,28Bに対するバネ端子3の接触状態を良好に保つための工夫をしている。具体的には、バネ端子3のアーム部32に作用させるバネ復元力を、端子接触部28A,28Bの外面に対して、厚み方向Tに傾斜する状態で作用させる。そして、アーム部32の接触部分323が、端子接触部28A,28Bの外面の幅方向Wの中心側にのみ位置ずれ可能な状態を形成する。
図9に示すように、バネ用インシュレータ4の挿入穴41にセンサ素子2の基端部204が挿入されていない素子挿入前の状態においては、各傾斜バネ端子3Aのアーム部32同士が、厚み方向Tに対して傾斜する方向へバネ復元力を作用させながら、厚み方向Tにおいて互いに接触している。このとき、各傾斜バネ端子3Aの互いに接触するアーム部32は、バネ復元力の作用により、いずれも幅方向Wの中心側へ位置ずれして位置が決まる。これにより、互いに接触するアーム部32が、幅方向Wの互いに異なる側へ位置ずれすることが防止され、互いに接触するアーム部32が幅方向Wにすれ違うことが防止される。そのため、図10に示すように、バネ用インシュレータ4の挿入穴41へセンサ素子2の基端部204を挿入するときにおいて、アーム部32を円滑に撓ませることができ、挿入穴41へのセンサ素子2の挿入性を良好に保つことができる。
図3に示すように、バネ用インシュレータ4の挿入穴41にセンサ素子2の基端部204が挿入された素子挿入後の状態においては、各傾斜バネ端子3Aのアーム部32の接触部分323は、端子接触部28A,28Bの外面に対して幅方向Wの中心側にのみ位置ずれしている。各アーム部32は、各アーム部32の中心軸線Oと垂線Mとの間の傾斜角度θが大きくなるように位置ずれしている。同図において、アーム部32の各接触部分323が位置ずれする方向を矢印Pによって示す。
本形態は、バネ用インシュレータ4におけるバネ端子3の保持数が6つである場合について示す。
図14に示すように、本形態のバネ用インシュレータ4には、4つの傾斜バネ端子3Aの他に、2つの垂直バネ端子3Bが保持される。垂直バネ端子3Bは、バネ用インシュレータ4に保持される複数のバネ端子3のうちの傾斜バネ端子3A以外のバネ端子3である。
また、図16に示すように、垂直バネ端子3Bは、センサ素子2の第1外面201においてのみ用い、ガスセンサ1においては、合計5つのバネ端子3を用いることができる。
本形態は、バネ用インシュレータ4における保持溝42の変形例について示す。
保持溝42は、図17に示すように、バネ用インシュレータ4の先端側の端面から基端側へ連続して形成するのではなく、バネ用インシュレータ4の先端側部分に形成された凹部44から基端側に向けて形成されていてもよい。
本形態は、バネ端子3の形状の変形例について示す。
バネ端子3の保持部31は、撓み方向Fにおける位置がオフセットするように屈曲して形成する以外にも、図20に示すように、挿入方向Dに平行な直線状に形成することもできる。また、アーム部32は、保持部31から挿入方向Dに折り返して形成する以外にも、図21に示すように、保持部31の挿入方向Dの先端側の端部から、先端側へ延設する状態で形成することもできる。また、小型化には反することになるが、図22に示すように、アーム部32は、保持部31の挿入方向Dの先端側の端部から基端側へ折り返し、さらに先端側に折り返す形状に形成することもできる。
本形態のガスセンサ1におけるその他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
2 センサ素子
28A,28B,28C,28D 端子接触部
3A 傾斜バネ端子
31 保持部
32 アーム部
4 バネ用インシュレータ(インシュレータ)
41 挿入穴
42 保持溝
Claims (7)
- 端子接触部(28A,28B,28C,28D)が基端部(204)の外面(201,202)に複数設けられ、ガス検出を行うためのセンサ素子(2)と、
屈曲する線材によって構成された複数のバネ端子(3)と、
前記センサ素子の前記基端部が挿入された挿入穴(41)、及び前記挿入穴に連通された複数の保持溝(42)を有するインシュレータ(4)と、を備えるガスセンサ(1)において、
前記バネ端子は、前記保持溝内に保持される保持部(31)と、前記保持部から延設され、前記保持部に対して撓んで前記端子接触部に接触するアーム部(32)とを有しており、
前記挿入穴への前記センサ素子の挿入方向(D)から見たときに、複数の前記バネ端子のうちの少なくとも1つである傾斜バネ端子(3A)における、前記保持部に対する前記アーム部の撓み方向(F)は、前記端子接触部の外面に対して傾斜しており、
前記端子接触部は、前記挿入方向に直交する幅方向(W)に複数並んで設けられており、
前記傾斜バネ端子は、前記幅方向に並んで配置されており、
前記傾斜バネ端子の前記アーム部は、前記保持部よりも前記センサ素子の幅方向の中心側に位置しており、
前記傾斜バネ端子の前記アーム部は、前記端子接触部の外面に垂直な垂線(M)に対する、前記撓み方向に沿った中心軸線(O)の傾斜角度(θ)を大きくする状態で撓み、かつ、前記保持溝の前記幅方向における中心側の側面(421)に接触して、前記端子接触部の外面に対する位置が固定されている、ガスセンサ。 - 端子接触部(28A,28B,28C,28D)が基端部(204)の外面(201,202)に複数設けられ、ガス検出を行うためのセンサ素子(2)と、
屈曲する線材によって構成された複数のバネ端子(3)と、
前記センサ素子の前記基端部が挿入された挿入穴(41)、及び前記挿入穴に連通された複数の保持溝(42)を有するインシュレータ(4)と、を備えるガスセンサ(1)において、
前記バネ端子は、前記保持溝内に保持される保持部(31)と、前記保持部から延設され、前記保持部に対して撓んで前記端子接触部に接触するアーム部(32)とを有しており、
前記挿入穴への前記センサ素子の挿入方向(D)から見たときに、複数の前記バネ端子のうちの少なくとも1つである傾斜バネ端子(3A)における、前記保持部に対する前記アーム部の撓み方向(F)は、前記端子接触部の外面に対して傾斜しており、
複数の前記バネ端子は、円形状の断面を有する、線径がφ0.4〜0.7mmの範囲内にある丸線材によって構成されている、ガスセンサ。 - 前記端子接触部は、前記センサ素子の、前記挿入方向と前記挿入方向に直交する幅方向との双方に直交する厚み方向(T)の両側に設けられており、
前記傾斜バネ端子は、前記センサ素子を介して互いに向き合う位置に配置されている、請求項1又は2に記載のガスセンサ。 - 前記傾斜バネ端子は、前記センサ素子の、前記挿入方向と前記挿入方向に直交する幅方向との双方に直交する厚み方向の両側において、前記幅方向に並んで一対に配置されており、
複数の前記バネ端子のうちの前記傾斜バネ端子以外のバネ端子である垂直バネ端子(3B)は、前記幅方向に並ぶ一対の前記傾斜バネ端子の間において、前記アーム部の前記撓み方向が前記端子接触部の外面に対して垂直になる状態で配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。 - 前記センサ素子は、少なくとも一対の電極(22A,22B)が設けられた固体電解質体(21)と、前記固体電解質体に積層されたヒータ(23)とを有しており、
複数の前記端子接触部には、前記電極に繋がる第1端子接触部(28A)と、前記ヒータの発熱体(230)に繋がる第2端子接触部(28B)とが含まれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。 - 前記挿入方向から見たときに、前記傾斜バネ端子の前記撓み方向に沿った中心軸線(O)と、前記端子接触部の外面に対して垂直な垂線(M)との間の傾斜角度(θ)は、5〜45°の範囲内にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記アーム部は、前記保持部から折り返されて前記保持部と対向している、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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