JP6331891B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、センサ素子の電極に電極バネが接触する構造を有するガスセンサに関する。
被測定ガス中の特定ガスの濃度を測定するガスセンサにおいては、固体電解質体に一対の電極を設けて構成されたセンサ素子の先端側部分が、被測定ガスが流れる配管内に配置されており、センサ素子の基端側部分から、電極に接続されたリード線が引き出されている。また、センサ素子の電極には、弾性力を利用して電極バネが接触しており、リード線は、電極バネを介して電極に接続されている。
例えば、特許文献1のガスセンサにおいては、センサ素子の基端側端部に設けられた端子電極に、絶縁碍子の端子収納穴に配設された複数の金属端子が接触する構造が開示されている。また、端子電極に接触する金属端子の部分は、絶縁碍子に接触する金属端子の部分から傾斜する状態で折り返されている。そして、端子電極に接触する金属端子の部分は、弾性力を利用して端子電極に接触している。
特開2001−188060号公報
しかしながら、特許文献1のガスセンサにおける金属端子は、端子電極に接触する金属端子の部分と絶縁碍子に接触する金属端子の部分との間の折返し部が、センサ素子の先端方向に向けられており、端子電極に接触する接触部がセンサ素子の基端方向に位置している。そして、センサ素子は、長尺方向の先端から接触部までの長さに形成する必要があり、センサ素子をそれ以上短くすることができない。また、特許文献1においては、金属端子のバネ特性を決定する折返し部が、ガスセンサにおいて高温側となる先端側に位置している。そのため、金属端子の耐熱にとって不利であり、金属端子の耐熱性が低くなる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、センサ素子の長尺方向の長さを短くすることができ、電極バネの耐熱性を向上させることができるガスセンサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、センサ素子と、
該センサ素子の長尺方向の基端側に設けられた複数の電極と、
該複数の電極にそれぞれ接触する複数の電極バネと、
該複数の電極バネを保持するインシュレータと、
上記複数の電極バネにそれぞれ接続されて上記長尺方向の基端側に引き出された複数のリード線と、を備え、
上記各電極バネは、上記インシュレータに保持された保持部と、該保持部に対して傾斜するとともに、該保持部と向かい合うよう該保持部から折返し状に屈曲して、上記電極に接触する接触部とを有しており、かつ、該接触部と上記保持部との間の折返し部が、該接触部の基端位置に配置されており、
上記折返し部のバネ特性を利用して上記接触部が上記電極に接触していることを特徴とするガスセンサにある。
上記ガスセンサにおいては、ガスセンサにおいて電極バネを配置する向きに工夫をしている。
具体的には、各電極バネは、折返し部が、接触部の基端位置に設けられ、長尺方向の基端側に向けられている。これにより、接触部における、電極に接触する部分が、折返し部に対する長尺方向の先端側に位置し、センサ素子の長尺方向の先端から、接触部における、電極に接触する部分までの長さを短くすることができる。そのため、センサ素子の長尺方向の長さを短くすることができる。
また、バネ特性を左右する折返し部が、ガスセンサにおいて低温側となる基端側に向けられていることにより、折返し部が高温に加熱されにくくなり、電極バネの耐熱性を向上させることができる。
それ故、上記ガスセンサによれば、センサ素子の長尺方向の長さを短くすることができ、電極バネの耐熱性を向上させることができる。
実施例にかかる、ガスセンサの一部を示す断面説明図。 実施例にかかる、ガスセンサを示す断面説明図。 実施例にかかる、センサ素子における各電極に各電極バネが接触する状態を、センサ素子の長尺方向に直交する断面で示す説明図。 実施例にかかる、電極バネを示す斜視図。
上述したガスセンサにおける好ましい実施の形態について説明する。
(実施例)
本例のガスセンサ1は、図1に示すように、センサ素子2、複数の電極バネ3、インシュレータ4、複数のリード線5を備えている。複数の電極21A,21Bは、センサ素子2の長尺方向Lの基端側に設けられている。各電極バネ3は、各電極21A,21Bにそれぞれ接触している。インシュレータ(支持部材)4は、絶縁性を有する部材によって構成されており、複数の電極バネ3を保持している。各リード線5は、各電極バネ3にそれぞれ接続されており、各電極バネ3から長尺方向Lの基端側に引き出されている。
各電極バネ3は、インシュレータ4に保持された保持部31と、保持部31から長尺方向Lの先端側に向けて傾斜形状に折り返され、弾性変形した状態で電極21A,21Bに接触する接触部32とを有している。各電極バネ3は、接触部32と保持部31との間の折返し部33が、接触部32の基端位置に配置され、長尺方向Lの基端側に向けられた状態で、ガスセンサ1に配置されている。
以下に、本例のガスセンサ1について、図1〜図4を参照して詳説する。
ガスセンサ1は、内燃機関の排気管内に配設されて、排気管内を流れる排気ガス中の特定ガスの濃度を測定するために用いられる。本例のセンサ素子2は、酸素イオン導電性を有する板状の固体電解質体と、固体電解質体に積層された絶縁体及びヒータとによって構成されている。固体電解質体の一方の表面と絶縁体との間には、被測定ガス(排気ガス)が導入される被測定ガス空間が形成されており、固体電解質体の他方の表面とヒータとの間には、基準ガスが導入される基準ガス空間が形成されている。なお、図1においては、電極21A,21Bを模式的に示す。
図1に示すように、インシュレータ4は、センサ素子2を保持する第1インシュレータ4Aと、第1インシュレータ4Aの基端側において、電極バネ3を保持する第2インシュレータ4Bとに分割されている。センサ素子2は、第1インシュレータ4Aの中心部に設けられた挿通穴41内に挿通されて、第1インシュレータ4Aに保持されている。センサ素子2の先端側部分は、第1インシュレータ4Aから突出して、被測定ガスに晒されるよう構成されている。電極バネ3の、後述する第1部材3Aの保持部31及び第2部材3Bは、第2インシュレータ4Bの中心部に設けられた配置穴42の内周面に保持されている。第1インシュレータ4Aと第2インシュレータ4Bとは、互いに接触して凹凸形状で嵌め合っている。
図2に示すように、第1インシュレータ4Aは、ハウジング61によって保持されており、ハウジング61には、カバー62が取り付けられている。カバー62は、第1インシュレータ4A及びハウジング61から突出するセンサ素子2の先端部を覆っている。
図3に示すように、センサ素子2における電極21A,21Bとしては、固体電解質体の表面から長尺方向Lの基端側に引き出された一対のセンサ用電極21A、及びヒータの内部に配置された発熱体から引き出された一対のヒータ用電極21Bがある。センサ用電極21Aは、固体電解質体の長尺方向Lの先端側位置に設けられて被測定ガス又は基準ガスが接触する電極測定部に繋がっている。ヒータ用電極21Bは、電極測定部に対向する位置に配置された、ヒータの発熱体に繋がっている。
一対のセンサ用電極21Aは、センサ素子2の一方側の面に、長尺方向Lに直交する方向に並んで配置されており、一対のヒータ用電極21Bは、センサ素子2の他方側の面に、長尺方向Lに直交する方向に並んで配置されている。
一対のセンサ電極21A及び一対のヒータ用電極21Bには、それぞれ電極バネ3及びリード線5が接続されている。一対のセンサ電極21Aは、酸素濃度の測定、A/F(空燃比)の測定、特定ガス濃度の測定等を行うための電極とすることができる。一対のセンサ電極21Aは、用途に合わせて2組以上設けられていてもよい。
図4に示すように、電極バネ3は、板素材が板面方向に折り返されて形成された板バネから構成されている。電極バネ3は、接触部32及び保持部31を構成する第1部材3Aと、第1部材3Aの保持部31を構成する部分に重なって配置された第2部材3Bとによって構成されている。第2部材3Bにおける長尺方向Lの基端部は、第1部材3Aの保持部31から基端側に突出しており、この基端部には、リード線5が接続される接続部36が形成されている。第1部材3Aの保持部31を構成する部分と第2部材3Bとは、互いに溶接されて一体化されている。第1部材3Aは、バネ材によって構成され、第2部材3Bは、第1部材3Aに溶接可能な鋼材によって構成される。
電極バネ3を1つの部材を折り曲げて形成しようとすると、保持部31を構成する部分の先端側端部には、折返し部分が形成されることになる。この折返し部分には、玉状の膨らみが形成される。そして、この折返し部分が、長尺方向L、及び接触部32と保持部31とが向き合う幅方向において余分なスペースを占め、電極バネ3を保持する第2インシュレータ4Bを大きくするおそれがある。この場合、ガスセンサ1の全体のサイズも大きくなる。
従って、電極バネ3を第1部材3Aと第2部材3Bとの2部材から構成し、これらの溶接を行って一体化することにより、上記問題点を改善することができる。
なお、電極バネ3は、棒素材が折り返されて形成された棒バネから構成することもできる。この場合にも、棒バネを2部材から構成することにより、上記問題点を改善することができる。また、電極バネ3を棒部材から構成する場合には、第2インシュレータ4Bが電極バネ3を保持する部分に必要な上記幅方向の寸法を小さくすることができ、ガスセンサ1の更なる小型化を図ることができる。
接触部32は、長尺方向Lの先端側に行くに連れて保持部31から離れるよう傾斜する形状に形成されている。接触部32と保持部31との間の折返し部33は、曲面状又は折れ曲がり形状の角部を形成するU字形状に形成されている。
接触部32の先端には、接触部32と電極21A,21Bとを接触させるときに、接触部32を電極21A,21Bに案内する案内部34が延設されている。案内部34は、長尺方向Lの先端側に行くに連れて保持部31に近づくよう傾斜する形状を有している。
図4に示すように、接触部32の先端部には、電極21A,21Bに接触する突出部35が突出して設けられている。突出部35は、接触部32の先端部を構成する板素材の一部を、接触部32の外側面(保持部31に対する接触部32の折返し形状の外側面)に隆起させて形成されている。
電極バネ3は、接触部32における突出部35を、センサ素子2の基端側端部に設けられた、電極21A,21Bに接触させるよう、第2インシュレータ4Bの配置穴42に保持されている。
本例のガスセンサ1における電極バネ3の配設構造においては、ガスセンサ1において電極バネ3を配置する向きに工夫をしている。
具体的には、各電極バネ3は、折返し部33が、接触部32の基端位置に設けられ、長尺方向Lの基端側に向けられた状態で、ガスセンサ1に配置されている。これにより、接触部32における突出部35が、折返し部33に対する長尺方向Lの先端側に位置し、センサ素子2の長尺方向Lの先端から突出部35までの長さを短くすることができる。そのため、センサ素子2の長尺方向Lの先端から基端201までの長さを短くすることができる。
また、電極バネ3における、バネ特性を左右する折返し部33は、ガスセンサ1の低温側となる基端側に向けられている。さらに、電極バネ3の接触部32の一部及び折返し部33は、センサ素子2の長尺方向Lの基端201よりもさらに基端側に突出している。これらの構成により、センサ素子2が高温に加熱される先端部から折返し部33の位置までの距離が遠くなり、折返し部33が高温に加熱されにくくなる。これにより、電極バネ3の耐熱性を向上させることができる。また、接触部32の一部及び折返し部33がセンサ素子2の長尺方向Lの基端201よりもさらに基端側に突出していることにより、センサ素子2の長尺方向Lの長さをさらに短くすることができる。
それ故、本例のガスセンサ1における電極バネ3の配設構造によれば、センサ素子2の長尺方向Lの長さを短くすることができ、電極バネ3の耐熱性を向上させることができる。
1 ガスセンサ
2 センサ素子
21A,21B 電極
3 電極バネ
31 保持部
32 接触部
4 インシュレータ
5 リード線

Claims (7)

  1. センサ素子(2)と、
    該センサ素子(2)の長尺方向(L)の基端側に設けられた複数の電極(21A,21B)と、
    該複数の電極(21A,21B)にそれぞれ接触する複数の電極バネ(3)と、
    該複数の電極バネ(3)を保持するインシュレータ(4)と、
    上記複数の電極バネ(3)にそれぞれ接続されて上記長尺方向(L)の基端側に引き出された複数のリード線(5)と、を備え、
    上記各電極バネ(3)は、上記インシュレータ(4)に保持された保持部(31)と、該保持部(31)に対して傾斜するとともに、該保持部(31)と向かい合うよう該保持部(31)から折返し状に屈曲して、上記電極(21A,21B)に接触する接触部(32)とを有しており、かつ、該接触部(32)と上記保持部(31)との間の折返し部(33)が、該接触部(32)の基端位置に配置されており、
    上記折返し部(33)のバネ特性を利用して上記接触部(32)が上記電極(21A,21B)に接触していることを特徴とするガスセンサ(1)。
  2. 上記接触部(32)の先端部には、上記電極(21A,21B)に接触する突出部(35)が突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ(1)。
  3. 上記接触部(32)は、上記長尺方向(L)の先端側に行くに連れて上記保持部(31)から離れるよう傾斜する形状に形成されており、
    上記接触部(32)の先端には、上記長尺方向(L)の先端側に行くに連れて上記保持部(31)に近づくよう傾斜する形状を有し、上記接触部(32)と上記電極(21A,21B)とを接触させるときに、該接触部(32)を該電極(21A,21B)に案内する案内部(34)が延設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ(1)。
  4. 上記折返し部(33)は、上記センサ素子(2)の上記長尺方向(L)の基端(201)よりもさらに基端側に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスセンサ(1)。
  5. 上記電極バネ(3)は、板素材が板面方向に折り返されて形成された板バネ、又は棒素材が折り返されて形成された棒バネからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスセンサ(1)。
  6. 上記電極バネ(3)は、上記接触部(32)及び上記保持部(31)を構成する第1部材(3A)と、該第1部材(3A)の上記保持部(31)を構成する部分に重なって配置された第2部材(3B)とによって構成されており、
    該第2部材(3B)は、上記リード線(5)が接続される接続部(36)を上記長尺方向(L)の基端部に有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスセンサ(1)。
  7. 上記第1部材(3A)の上記保持部(31)を構成する部分と上記第2部材(3B)とは、互いに溶接されていることを特徴とする請求項6に記載のガスセンサ(1)。
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