以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
ガスセンサ1は、管2の周壁に形成された取付穴2aに管外Poから差し込まれて取り付けられる。取付穴2aの内周面には雌ねじが形成されており、ガスセンサ1の長手方向略中間部に形成された雄ねじ部1aが、取付穴2aに螺合される。ガスセンサ1の本体部3の長手方向一方側(図1では下側)の端部3aは取付穴2aを貫通して管内Pi内に挿入される。端部3aに設けられるプロテクタ5には、ガス導入孔5aが形成されており、管内Piを流れる測定ガスがこのガス導入孔5aからプロテクタ5の内側に導入され、測定ガスの酸素濃度が検出部(図2参照)4で検出される。
図2に示すように、ガスセンサ1は、本体部3として、プロテクタ5、ホルダ6、碍子7、およびケーシング8を備えている。ホルダ6には、ガスセンサ1の軸方向(長手方向)中央位置を貫通する貫通孔6aが形成されており、略円柱棒状の検出素子9がこの貫通孔6aを貫通している。
検出素子9の軸方向一方側(図2では下側)の端部9aは、貫通孔6aから管内Piに突出する一方、他方側(図2では上側)の端部9bは、貫通孔6aから管外Po側に突出している。管内Pi側の端部9aには、測定電極や、基準電極、電熱ヒータ等(いずれも図示せず)からなる検出部4が形成され、この検出部4による電気信号が、検出素子9の管外Po側(図2では上側)の端部9bの表面に設けられた出力電極10から端子11および配線12を介して出力される。検出部4は、例えば安定化ジルコニアによる酸素濃淡電池の原理を利用して構成することができ、その場合、管内Piのガス(測定ガス)と管外Poのガス(参照ガス)との酸素濃度差によって生じる起電力が検出結果(検出電圧)として出力される。また、出力電極10、端子11、および配線12は、それぞれ四つずつ設けられており、このうち二つが検出素子9による出力信号を得るためのもので、残りの二つが検出部4を暖め電熱ヒータを通電するためのものとなっている。
検出部4の形成された端部9aを覆うプロテクタ5は、ホルダ6の管内側に溶接等することで固定されている。溶接部分は図2中に黒い三角形で示してある。
また、ホルダ6に形成された貫通孔6aは、管外Po側で拡径されて拡径部6bが形成されている。拡径部6bの奥側(図2の下側)にはセラミクス粉13が収容され、開口側(図2の上側)には押圧部材14が収容される。そして、拡径部6bの開口縁に形成したかしめ部6cの全周を径内側かつ拡径部6bの奥側に向けてかしめることで押圧部材14を圧縮し、その圧縮力でセラミクス粉13を拡径部6bの奥側に圧縮状態で充填して、これにより、貫通孔6aと検出素子9との間の環状隙間のシールを確保しながら、検出素子9をホルダ6に対して位置決めしている。なお、セラミクス粉13としては、例えば、未焼結のタルクやステアタイト等を用いることができ、押圧部材14としては、例えば、リング状の金属部材を用いることができる。
ホルダ6の管内Pi側の外周には雄ねじ部1aが形成され、管外Po側の外周には雄ねじ部1aを取付穴2aの雌ねじに螺合するときに工具等で挟持してホルダ6を回転させる被挟持部6dが形成されている。被挟持部6dは、雄ねじ部1aより拡径されており、被挟持部6dの管内Pi側の端面6eと管2の外周面2bとの間にリング状のガスケット15を挟み込むようになっている。このガスケット15によって取付穴2aを介して管内Piから管外Poへガスが漏れるのが抑制される。
ケーシング8は、全体的に略円筒状に形成されており、管内Pi側の開口部をホルダ6の管外Po側の端部に被せて溶接等することで、ホルダ6に固定されている。また、ケーシング8は、碍子7を収容する碍子収容部8aと、配線12の接続端子12aを収容する端子収容部8bとを有している。そして、碍子収容部8aを端子収容部8bに対して拡径して、碍子収容部8aと端子収容部8bとの境界部分に段差部8cを形成し、碍子7を、この段差部8cとホルダ6との間に、Cリング16を介して挟持している。
端子11は、帯板状の金属部材を折り曲げ等することで形成されている。そして、その長手方向中間部には、略C字状断面を有する挿入部11aを形成し、この挿入部11aを碍子7に形成した収容孔7aに嵌め込むことで、端子11をホルダ6に固定している。端子11の管内Pi側の端部11bは、適宜形状に屈曲されてばね性が与えられ、検出素子9の端部9bの外周面上に形成された出力電極10に接触させてある。一方、管外Po側の端部11cは板状に形成されて碍子7の収容孔7aから管外Po側に突出させ、この端部11cを配線12の接続端子12aに溶接等することで接続している。溶接部分は図2中に*印で示してある。
配線12は、芯線12bとこの芯線12bを被覆する被覆部12cとから構成されている。芯線12bは銅の細線を集合または撚り合わせて形成されている。被覆部12cはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂等のフッ素樹脂で形成され、可撓性を与えてある。
そして、ケーシング8の管外Po側の開口部8dには、シール部材としてのシーリングラバー17が挿入されており、このシーリングラバー17によって開口部8dを塞いである。シーリングラバー17には、配線挿通孔17aが形成され、各配線12は、配線挿通孔17aを介して本体部3の内部から外部に引き出されている。
シーリングラバー17は、ケーシング8の周壁8eを径方向内側に向けてかしめることで、ケーシング8に固定されている。このかしめによって、ケーシング8の内周面とシーリングラバー17との隙間や配線挿通孔17aと配線12との隙間におけるシール性(液密性)が確保されている。なお、シーリングラバー17は比較的耐熱性の高い材料(例えばフッ素ゴム等)で形成されている。
そして、図3に示すように、本実施形態では、シーリングラバー17に、配線挿通孔17aとは別の貫通孔17bを形成し、この貫通孔17bに、フィルタアセンブリ18を装着している。
フィルタアセンブリ18は、連通路18aを有する略円筒状に形成されており、連通路18aを塞ぐように、防水性かつ通気性を有するフィルタ19が取り付けられている。かかる構成によれば、フィルタアセンブリ18の連通路18aとフィルタ19を介して本体部3内に管外Poから空気が導入されやすくなるため、参照ガス中の酸素濃度の低下を抑制することができる。
フィルタ19は、例えば、通気性かつ防水性を有するPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の薄膜として構成することができる。具体的には、図7,図8に示すように、略円形の薄膜として形成することができる。また、フィルタ19は、適宜に伸張した状態で使用することで、フィルタアセンブリ18の本体部20に対する密着度を確保するとともに、通気性を確保するのが好適である。
フィルタアセンブリ18は、貫通孔17bに差し込まれる差込部18bと、シーリングラバー17の外に露出する露出部18cと、を有している。このように、露出部18cをシーリングラバー17の外に露出させることで、燃焼ガス等に起因するガスセンサ1の本体部3の内部の熱をフィルタアセンブリ18の本体部20を介して露出部18cから放出することができるようになり、ガスセンサ1の内部の温度をより下げやすくなる。すなわち、かかる構成では、露出部18cが放熱部分として機能することになる。このため、フィルタアセンブリ18の本体部20は、金属材料(例えばステンレススチール)等で形成するのが好適である。さらに、本実施形態では、フィルタ19を露出部18c内に設けてある。よって、フィルタ19を差込部18b内に設けた場合に比べて、温度が低くなる分、フィルタ19に対する熱影響を軽減することができる。
また、本実施形態では、配線12と露出部18cとがなるべく接触しないよう、配線挿通孔17aと貫通孔17bとが相互に離間して形成されている。具体的には、ガスセンサ1の軸方向(図3の上方向)からの視線で、露出部18cと配線挿通孔17aの縮径部17cとが重ならないようにしている。これにより、配線12が屈曲した場合にあっても、露出部18cから配線12に作用する外力によって配線12に生じる応力が大きくなるのを抑制することができる。また、配線12と露出部18cとが接触するのを可及的に回避することができるため、管2からの加振等によるガスセンサ1の振動によって露出部18cと配線12とが反復的に当接して配線12に繰り返し応力が生じるのを抑制することができる。
また、図3,図6等に示すように、本実施形態では、露出部18cの幅we(図6参照)を差込部18bの幅wi(図6参照)より広くして、露出部18cと差込部18bとの間に段差18eを形成してある。これにより、フィルタアセンブリ18を貫通孔17bに外から差し込んで段差18eで貫通孔17bの周縁部に突き当てることで、フィルタアセンブリ18をシーリングラバー17に対して比較的簡単に位置決めすることができる。
そして、図3に示すように、差込部18bに、差込方向(図3では左方向)とは逆向き(図3では右方向)に突出する爪18dを形成し、上述した段差18eを設けるとともにこの爪18dをシーリングラバー17に食い込ませることによって、フィルタアセンブリ18が貫通孔17bから抜け出すのを抑制してある。
また、上述したように、シーリングラバー17は、ケーシング8の開口部8d側の周壁8eを径内側にかしめることでケーシング8に固定してあるが、本実施形態では、そのかしめる位置を、差込部18bの側方(径外側)に設定してある。これにより、差込部18bの爪18dがシーリングラバー17(貫通孔17bの内周面)に食い込む状態がより確実に保持されてフィルタアセンブリ18が貫通孔17bからより一層抜けにくくなるとともに、差込部18bと貫通孔17bとの隙間のシール性(液密性)を確保しやすくなる。
また、本実施形態では、図6に示すように、フィルタアセンブリ18は、結合して一体化されて本体部20を成す二つの部材として、フィルタケース21とフィルタカバー22とを有しており、フィルタケース21の少なくとも突出端部21aの外周を筒状のフィルタカバー22で覆っている。なお、本実施形態では、フィルタカバー22をフィルタケース21の突出端部21a側からフィルタケース21に被せ、フィルタカバー22の先端部22bを径方向内側にかしめてフィルタケース21の張出部21eに密着させることで、フィルタカバー22とフィルタケース21とを一体化している。すなわち、図6のY方向が、フィルタケース21とフィルタカバー22との接離方向となっている。
そして、フィルタケース21の筒状部21cの外周面21bと、この外周面21bに対向するフィルタカバー22の内周面22aとの間に、フィルタ19を収容するフィルタ収容部としての隙間23を形成し、フィルタ19を、外周面21bと内周面22aとの間に挟み込むことで、フィルタケース21の本体部に取り付けている。
ここで、外周面21bおよび内周面22aは、フィルタケース21およびフィルタカバー22の接離方向(図6の上下方向)に対して傾斜している。したがって、フィルタ19に外力(例えばフィルタ19の両側の圧力差による力)が作用した場合にあっても、フィルタ19が隙間23から抜け出るのを抑制することができる。
筒状部21cは、連通路18aを筒内とし外周面21bを筒外としており、フィルタ19は、この筒状部21cの突出端部21aに形成された連通路18aの開口21dならびにその周縁部を外方(図6の上方)から覆うように装着されている。そして、外周面21bおよび内周面22aともに、突出端部21a側から差込部18b側に向かうにつれて径方向外側に向かうように傾斜させている。よって、フィルタカバー22をフィルタケース21に被せるときに、フィルタ19を引き伸ばすことができ、フィルタアセンブリ18の本体部20に対する密着度を高めることができる。なお、外周面21bおよび内周面22aともに、本実施形態とは逆向きに傾斜させてもよいが、その場合は、本体部を形成する分割体の形状が、本実施形態のフィルタケース21およびフィルタカバー22とは異なるものとなる。
そして、図6に示すように、隙間23における外周面21bと内周面22aとの距離を、開口21dから離間するにつれて大きくしてある。かかる構成により、フィルタ19を開口21dの周縁部でより確実に挟持することができるとともに、フィルタ19の伸張端部19a側で隙間23を広げることで、フィルタ19がフィルタケース21とフィルタカバー22との間に挟まれて損傷するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、隙間23の開口21dからの離間長をフィルタ19の伸張量よりも長くしておくことで、隙間23の、フィルタ19の伸張端部19aより先側となる部分に、空間部23aが形成されるようにしてある。これにより、フィルタ19がフィルタケース21とフィルタカバー22との間に不本意な状態で挟まれることでフィルタケース21に対するフィルタカバー22の位置決め精度が低下するのを抑制することができる。 さらに、フィルタケース21とフィルタカバー22との間にフィルタ19が噛み込まれるのが抑制されるので、フィルタケース21とフィルタカバー22とのかしめ強度が低下するのを抑制することができる。
また、フィルタカバー22には、開口21dの周縁に沿って連通路18a外側に向けて突出する周壁部22cを形成した。したがって、この周壁部22cによって、フィルタアセンブリ18を組み立てる際や、フィルタアセンブリ18をシーリングラバー17に組み付ける際に、フィルタ19に工具や手指等が接触するのを抑制することができるとともに、組み付け後にフィルタ19に配線12や外部から到来した物体等と接触するのを抑制して、フィルタ19の保護性を高めることができる。
また、図5に示すように、周壁部22cには切欠22dを形成することができる。この場合、周壁部22c内のフィルタ19上に水(水滴等)が付着した場合にあっても、その水を切欠22dを介して排出することが可能となるため、水が長期間付着してフィルタ19を透過するのを抑制することができる。
また、図6に示すように、フィルタ19が覆っている開口21dの断面積を連通路18aの断面積より大きくした。このため、フィルタ19の有効面積を比較的大きく確保して、フィルタ19の通気抵抗が大きくなるのを抑制することができる。
また、フィルタアセンブリ18は、図9に示す手順によって得ることができる。まずは、図9の(a)に示すように、治具24に形成した保持部24aに、先端部22bを突出させた状態でフィルタカバー22を保持し、その先端部22b上にフィルタ19を載置する。アセンブリする前の状態では、先端部22bは、軸方向に対して平行にほぼ直立した状態に形成されている。
そして、図9の(b)に示すように、フィルタカバー22の先端部22b側からフィルタケース21を近接させて、フィルタカバー22の筒内に挿入し、フィルタ19を引き伸ばして装着する。
そして、直ちに図9の(b)および(c)に示すように、治具25をフィルタケース21側から治具24に近付けて移動させ、フィルタカバー22の先端部22bを径内側にかしめてフィルタケース21にフィルタカバー22を一体化させる。治具25には、フィルタケース21の差込部18bを挿入する貫通孔25aが形成されるとともに、貫通孔25aの口元には、当該口元部分を面取りするように傾斜面25bが形成されており、傾斜面25bをフィルタカバー22の先端部22bに押し当てることで、当該先端部22bが傾斜面25bに沿って径方向内側に向けて倒れ、これにより、先端部22bがかしめられるようになっている。
以上、説明したように、本実施形態では、連通路18aが形成されるとともに当該連通路18aを塞ぐように防水性かつ通気性を有するフィルタ19を取り付けたフィルタアセンブリ18を、シール部材としてのシーリングラバー17に形成された貫通孔17bに装着し、連通路18aおよびフィルタ19を介して本体部3の内部と管外Poとの間で空気が流通できるようにした。
したがって、フィルタアセンブリ18の連通路18aとフィルタ19を介して本体部3内に管外Poから空気が導入されやすくなるため、参照ガス中の酸素濃度の変化を抑制することができる。また、本実施形態では、フィルタ19の性能をフィルタアセンブリ18の単体で検査することができるようになるため、ガスセンサに直接フィルタ単体を取り付ける構成に比べて、フィルタの性能を検査しやすいという利点がある。また、ガスセンサにフィルタ単体を直接取り付ける構成では、フィルタの性能が不良であった場合には、フィルタ交換のためガスセンサを解体することになって手間がかかる上、本実施形態のようにシール部材をかしめる構成にあっては、かしめる部分やかしめられる部分を再利用できなくなるおそれがあり、本来不良でない部品を再利用できなくなる分、無駄が生じてしまう。この点、本実施形態では、フィルタが不良であったとしても、ガスセンサにおけるかしめる部分やかしめられる部分を交換する必要がない分、有利であると言える。また、シール部材に形成した貫通孔にフィルタアセンブリを装着する部分のシールの保証ならびに取り付け(抜け止め)の保証は比較的簡単に行えるため、この点でも、ガスセンサにフィルタ単体を直接取り付ける構成に比べて有利となる。
また、本実施形態では、フィルタアセンブリ18は、貫通孔17bに差し込まれる差込部18bと、シーリングラバー17の外に露出する露出部18cと、を有するものとした。
すなわち、このように、露出部18cをシーリングラバー17の外に露出させることで、ガスセンサ1の本体部3の内部の熱をフィルタアセンブリ18の本体部20を介して露出部18cから放出することができるようになり、ガスセンサ1の内部の温度を下げやすくなるという利点がある。
そして、本実施形態では、露出部18cにフィルタ19を設けるようにした。これにより、フィルタ19に対する熱影響が軽減されて、フィルタ19の信頼性を向上することができる。
また、上述したように、本実施形態では、シーリングラバー17は、ケーシング8の周壁8eの差込部18bの側方となる位置を当該開口部8dの径内側にかしめることでケーシング8に固定されているため、差込部18bに、シーリングラバー17をケーシング8に固定するかしめ力が作用して、抜け止め性とシール性の向上が図られるのであるが、本実施形態では、フィルタ19については、その差込部18bではなくシーリングラバー17外に露出させた露出部18cに設けたため、上記かしめ力によってフィルタ19に応力が生じたり、フィルタケース21とフィルタカバー22とのずれや変形が生じたりフィルタ19が変形したりしてフィルタ19のフィルタアセンブリ18に対する取付不良(フィルタ19の弛み、伸び、損傷等)が生じたりするのを抑制することができる。
また、本実施形態では、露出部18cの幅weを差込部18bの幅wiより広くして段差18eを形成した。
したがって、フィルタアセンブリ18を貫通孔17bに外から差し込んで段差18eで貫通孔17bの周縁部に突き当てることで、フィルタアセンブリ18をシーリングラバー17に対して比較的簡単に位置決めすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。細部のスペック(形状、材質、大きさなど)については、上記実施形態には限定されない。
また、本発明は、以下のように構成することができ、それぞれ対応する下記の作用および効果を得ることができる。
(A)請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のガスセンサにあっては、前記シール部材は、前記本体部の前記他端側の開口部内に挿入され、前記本体部の周壁の前記差込部の側方となる位置を当該開口部の径内側にかしめることで前記本体部に固定されることができる。
こうすれば、差込部がシール部材により確実に保持されてフィルタアセンブリが貫通孔からより一層抜けにくくなるとともに、差込部と貫通孔との隙間のシール性(液密性)を確保しやすくなる。
(B)請求項1〜3および(A)のうちいずれか一つに記載のガスセンサにあっては、前記フィルタを前記露出部内に設けることができる。
こうすれば、フィルタを差込部内に設けた場合に比べて、温度が低くなる分、フィルタに対する熱影響を軽減することができる。
(C)請求項1〜3および(A),(B)のうちいずれか一つに記載のガスセンサにあっては、前記フィルタアセンブリは、結合して一体化された二つの部材を有し、前記二つの部材のうち一方の外周面と他方の内周面とを相互に対向させそれら外周面と内周面との間にフィルタを挟むことで当該フィルタが取り付けられたものであり、前記外周面および内周面を、前記二つの部材の接離方向に対して傾斜させることができる。
こうすれば、フィルタに外力(例えばフィルタの両側の圧力差による力)が作用した場合にあっても、外周面と内周面とが接離方向と平行である場合に比べて、フィルタが外周面と内周面との間から抜け出るのを抑制することができる。
(D)請求項1〜3および(A)〜(C)のうちいずれか一つに記載のガスセンサにあっては、前記フィルタアセンブリは、結合して一体化された二つの部材を有し、前記二つの部材のうち一方の外周面と他方の内周面とを相互に対向させそれら外周面と内周面との間にフィルタを挟むことで当該フィルタが取り付けられたものであり、前記外周面の形成された部材は、前記連通路を筒内とし前記外周面を筒外とする筒状部を有し、前記フィルタは、前記筒状部の端部に形成された前記連通路の開口を覆うように装着され、前記外周面と前記内周面との対向距離を、前記開口から離間するにつれて大きくすることができる。
こうすれば、フィルタを開口の周縁部でより確実に挟持することができるとともに、フィルタの伸張端部側で隙間を広げることで、フィルタが外周面と内周面との間に挟まれて損傷するのを抑制することができる。
(E)請求項1〜3および(A)〜(D)のうちいずれか一つに記載のガスセンサにあっては、前記フィルタアセンブリは、結合して一体化された二つの部材を有し、前記二つの部材のうち一方の外周面と他方の内周面とを相互に対向させそれら外周面と内周面との間にフィルタを挟むことで当該フィルタが取り付けられたものであり、前記外周面の形成された部材は、前記連通路を筒内とし前記外周面を筒外とする筒状部を有し、前記フィルタは、前記筒状部の端部に形成された前記連通路の開口を覆うように装着され、前記外周面と前記内周面との間となるフィルタ収容部に、前記フィルタの伸張端部よりも先側となる空間部を形成することができる。
こうすれば、フィルタが二つの部材間に不本意な状態で挟まれることで二つの部材の位置決め精度が低下するのを抑制することができる。
(F)請求項1〜3および(A)〜(E)のうちいずれか一つに記載のガスセンサにあっては、前記フィルタアセンブリは、結合して一体化された二つの部材を有し、前記二つの部材のうち一方の外周面と他方の内周面とを相互に対向させそれら外周面と内周面との間にフィルタを挟むことで当該フィルタが取り付けられたものであり、前記外周面の形成された部材は、前記連通路を筒内とし前記外周面を筒外とする筒状部を有し、前記フィルタは、前記筒状部の端部に形成された前記連通路の開口を覆うように装着され、前記内周面の形成された部材に、前記開口の周縁に沿って前記連通路の外側に向けて突出する周壁部を形成することができる。
こうすれば、周壁部によってフィルタを保護することができる。
(G)請求項1〜3および(A)〜(F)のうちいずれか一つに記載のガスセンサにあっては、前記フィルタアセンブリは、結合して一体化された二つの部材を有し、前記二つの部材のうち一方の外周面と他方の内周面とを相互に対向させそれら外周面と内周面との間にフィルタを挟むことで当該フィルタが取り付けられたものであり、前記外周面の形成された部材は、前記連通路を筒内とし前記外周面を筒外とする筒状部を有し、前記フィルタは、前記筒状部の端部に形成された前記連通路の開口を覆うように装着され、前記開口の断面積を前記連通路の断面積より大きくすることができる。
こうすれば、フィルタの有効面積を比較的大きく確保して、フィルタの通気抵抗が大きくなるのを抑制することができる。