JP4356353B2 - ポジション判断装置、ポジション判断方法及びプログラム - Google Patents

ポジション判断装置、ポジション判断方法及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジション判断装置、ポジション判断方法及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、変速機、例えば、有段自動変速機、無段自動変速機(CVT)等の自動変速機によって変速制御を行うようにした車両においては、シフトレバーによってレンジが設定されると、自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置(ECU)は、選択されたレンジにおける変速ロジックに従ってソレノイド等をオン・オフし、変速制御を行うようになっている。そのために、自動変速機はポジション判断装置を備え、該ポジション判断装置は、ポジションセンサのセンサ出力を出力信号として受け、該出力信号に基づいてシフト位置(ポジション位置)を判断し、選択されたレンジを判断する。
【0003】
前記接触型のポジションセンサとしては、シフトレバーを回動させて操作したときに、連動して回動させられるマニュアルシャフトに取り付けられ、マニュアルシャフトと共に回動させられる可動側端子、及びセンサケースに取り付けられ、回動側端子が接触し、回動に伴って慴(しゅう)動する複数の固定側端子を備えた接触型のポジションセンサが使用される。
【0004】
該接触型のポジションセンサにおいては、シフトレバーを操作してレンジを選択すると、マニュアルシャフトを介して可動側端子が、シフトレバーの回動角に応じて回動させられ、可動側端子と固定側端子との接触パターンが変化し、可動側端子及び固定側端子を含む電気回路の抵抗が変化する。そして、前記接触パターンの変化によって、ポジションセンサは、シフトレバーの回動角に対応したセンサ出力を電圧値又は電流値から成る出力値として発生させる。
【0005】
前記ポジション判断装置は、前記接触型のポジションセンサからの出力値を受けると、該出力値と各レンジの判断基準値となる閾(しきい)値とを比較し、シフト位置を判断し、選択されたレンジを判断する。なお、前記閾値は、前記出力値に対応させてあらかじめ電圧値又は電流値として設定される(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4914594号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の接触型及び非接触型のポジションセンサにおいては、ポジションセンサの出力値が決まると、一義的にシフトレバーのシフト位置が判断され、選択されたレンジが判断されてしまう。
【0008】
すなわち、ポジションセンサの出力値に対して、シフト位置を判断するための閾値の組合せが一つだけ設定されるようになっていて、レンジの判断が一つのシフトポジション判断パターンで行われてしまう。
【0009】
したがって、例えば、自動変速機制御装置において行われる制御の種類が異なっても、一つのレンジ情報を得ることができるだけであり、各制御ごとに最適なレンジ情報を得ることができない。
【0010】
本発明は、前記従来のポジション判断装置の問題点を解決して、各制御ごとに最適なレンジ情報を得ることができるポジション判断装置、ポジション判断方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のポジション判断装置においては、駆動レンジ及び非駆動レンジから成る複数のレンジを備えたパワートレインの前記各レンジを選択するためのシフト操作部材の操作に伴って、連続的な出力値を発生させるポジションセンサと、前記各レンジを判断するための判断基準値としての閾(しきい)値の組合せから成り、パワートレインについて行われる複数の制御に対して前記閾値が独立して設定されたポジション判断パターンが記録された記録装置と、前記出力値と前記ポジション判断パターンとを比較して、制御ごとの制御用のシフト位置を判断するポジション判断処理手段とを有する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、パワートレインとして、有段の自動変速機を搭載した車両について説明するが、本発明を無段の自動変速機、半自動変速機、駆動モータを駆動源とする電動駆動装置、駆動モータ、エンジン及び発電機を駆動源とする電動駆動装置等に適用することもできる。
【0035】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるポジション判断装置の機構部を示す図、図2は本発明の第1の実施の形態における各制御用のシフト位置及びポジションセンサの電圧値を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるシフト位置判断ロジックを説明するブロック図である。
【0036】
図に示されるように、11はポジション判断装置、12は自動変速機ケース、13は回動自在に配設されたマニュアルシャフトであり、前記ポジション判断装置11は、自動変速機ケース12の外側に配設された筐(きょう)体としての制御装置ケース16、該制御装置ケース16内においてマニュアルシャフト13に取り付けられたポジションセンサ14、制御装置ケース16内に配設され、コンピュータとして機能し、自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置15、制御装置ケース16外に取り付けられたコネクタ17等を備える。該コネクタ17は、自動変速機制御装置15による各制御の対象となる複数の被制御装置、例えば、自動変速機(リニアソレノイド、オン・オフソレノイド等のソレノイド)、エンジン、インジケータ、車両の制御要素等と接続するための複数の端子を備える。前記ポジションセンサ14と自動変速機制御装置15とは互いに電気的に接続され、ポジションセンサ14及び自動変速機制御装置15によってセンサ一体型の制御装置が構成される。
【0037】
なお、本実施の形態において、前記エンジンは、エンジン本体、エンジンの始動装置であるスタータモータ、エンジンの始動回路であるスタータ回路及びスタータリレー回路、エンジンの制御を行うエンジン制御装置としてのエンジンコントロールユニット等のうちの一つ以上をいう。
【0038】
前記マニュアルシャフト13は、自動変速機ケース12外においてアウタレバー18に接続され、該アウタレバー18及び接続ワイヤとしてのコントロールワイヤ19を介してシフト操作部材(変速操作部材)としてのシフトレバー21と連結され、自動変速機ケース12内においてディテント31及びマニュアルバルブ32のバルブスプール33と連結される。なお、前記シフトレバー21は、自動変速機のレンジを選択するために配設され、そのために、ガイド22に沿って回動(移動)させ、パーキングレンジ(Pレンジ)、リバースレンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)、ドライブレンジ(Dレンジ)、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジの各レンジを選択することができるようになっている。なお、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジについては、最高の変速段を4速、3速及び2速とする自動変速を行ったり、マニュアル変速で4速、3速及び2速に変速段を固定したりすることができる。
【0039】
ところで、前記ポジションセンサ14はマニュアルシャフト13と連結され、該マニュアルシャフト13と共に一体的に回動する回動部24を備える。そして、前記ポジションセンサ14は、前記シフトレバー21の操作量を表す前記回動部24の回動角、すなわち、ポジションセンサ角度θ(度の単位で表された回動角)を非接触で検出することによって、シフトレバー21の操作量に対応して変化する連続的な一つのアナログ信号、すなわち、シフトポジション検出信号を、出力値(センサ出力)、本実施の形態においては、電圧値(ボルトの単位で表されたセンサ電圧)として発生させ、出力する。
【0040】
その場合、図2に示されるように、ポジションセンサ14は、線形(リニア)の入出力特性を有し、運転者によるシフトレバー21の操作に基づいて、入力側のポジションセンサ角度θの変化(増減移動)に対応して線形に、かつ、連続して変化する電圧値を発生させる。本実施の形態においては、出力値を電圧値で発生させるようになっているが、出力値を他の電気的な変量、例えば、電流値で発生させることもできる。なお、この場合、バルブボディ内の油圧回路の状態が変更され、ライン圧油路とDレンジ圧油路、Rレンジ圧油路等と連通させられる。そして、油圧発生角は、設定されるレンジに対応するレンジ圧を発生させる油圧領域、又は発生させない油圧領域を表す。
【0041】
本実施の形態におけるポジション判断装置11が適用された自動変速機においては、前記シフトレバー21を操作することによって、前述されたように、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジの各レンジが設定され、各レンジに対応させてそれぞれ、ポジションセンサ14のポジションセンサ角度θ及び電圧値が設定され、各電圧値によって、シフトレバー21によるシフト位置を判断し、レンジを判断するための基準となる判断基準値としての閾値が表される。なお、前記シフト位置は、各制御を行うためのポジションを構成する。
【0042】
そして、シフトレバー21が操作され、ガイド22に沿って回動させられると、コントロールワイヤ19及びアウタレバー18を介してマニュアルシャフト13が回動させられる。該マニュアルシャフト13の回動によって、ディテント31がマニュアルシャフト13の回動と一体的に回動させられる。また、ディテント31と連結されたバルブスプール33が、マニュアルシャフト13の回動の変位に対応させて切り換えられ、2レンジ圧、3レンジ圧、4レンジ圧、Dレンジ圧及びRレンジ圧等のレンジ圧を発生させる。
【0043】
そして、シフトレバー21が、ガイド22に表示され、各レンジを表す文字P、R、N、D、4、3及び2の位置のいずれか一つの位置に選択的に置かれると、バルブスプール33が前記位置に対応させてあらかじめ設定されたバルブ位置に移動し、マニュアルバルブ32が選択的に設定された油圧発生位置に設定され、自動変速機が前記油圧発生位置に対応するレンジに設定される。そして、レンジが設定されると、マニュアルシャフト13の回動がディテント31によって阻止されて、シフトレバー21が前記シフト位置に保持される。
【0044】
また、マニュアルシャフト13の回動によって、ポジションセンサ14が回動し、ポジションセンサ角度θに対応した電圧値を発生させ、自動変速機制御装置15に対して出力する。自動変速機制御装置15は、ポジションセンサ14から電圧値を受けると、該電圧値を閾値と比較して、選択されたレンジを判断し、判断結果に基づいて制御装置ケース16外の関係する前記各被制御装置に対して制御信号をコネクタ17の対応する端子から出力する。
【0045】
これにより、自動変速機制御装置15の指示に基づいて、自動変速機制御、エンジン制御、インジケータ制御等の各種の制御、例えば、自動変速機のリニアソレノイド制御、自動変速機のオン・オフソレノイド制御、エンジンのスタートロック制御(エンジン駆動制御)、自動変速機のシフトロック制御、車両の制御要素であるイグニッションキーのキーロック制御、自動変速機のフェール検出制御、車両の制御要素であるリバースランプのリバース制御(リバースランプ制御)、自動変速機のリバース制御(リバースインヒビット制御)、インジケータのインジケータ表示(点灯)制御、エンジンのエンジンアイドル制御、エンジンの燃料噴射制御等の各制御を行う。そのために、前記自動変速機制御装置15に制御処理手段が配設され、該各制御処理手段は、制御処理を行い、前記各制御を実行する。
【0046】
そして、自動変速機のリニアソレノイド制御において、自動変速機制御装置15は、選択されたレンジにおいてあらかじめ設定された変速制御に基づいてリニアソレノイドバルブを制御し、マニュアルバルブ32から出力される油圧を調圧し、自動変速機のクラッチ、ブレーキ等の摩擦係合要素の油圧サーボ等に送る。
【0047】
また、自動変速機のオン・オフソレノイド制御において、自動変速機制御装置15は、選択されたレンジにおいてあらかじめ設定された変速制御に基づいてオン・オフソレノイドバルブを制御し、マニュアルバルブ32から出力される油圧をリニアソレノイドバルブに送ったり、リニアソレノイドバルブによって調圧された油圧を自動変速機の前記各油圧サーボ等に送ったりする。
【0048】
さらに、エンジンのスタートロック制御において、自動変速機制御装置15は、選択されたレンジ、例えば、パーキングレンジ及びニュートラルレンジにおいて、エンジンの始動を許可し、その他のレンジにおいて、エンジンの始動を禁止する。
【0049】
また、自動変速機のシフトロック制御において、自動変速機制御装置15は、選択されたレンジ、例えば、パーキングレンジ及びニュートラルレンジにおいて、シフトレバー21を、ソレノイドによってロックし、自動変速機のシフト操作を禁止し、他のレンジにおいて、ロックを解除し、自動変速機のシフト操作を許可する。
【0050】
そして、車両のキーロック制御において、自動変速機制御装置15は、選択されたレンジ、例えば、パーキングレンジにおいて、キーを抜くことを許可し、他のレンジにおいて、キーを抜くことを禁止する。
【0051】
さらに、自動変速機のフェール検出制御において、自動変速機制御装置15は、自動変速機のフェールを検出し、例えば、ドライブレンジ、リバースレンジ等の車両を走行させるための駆動レンジにおいて、必要な油圧が確実に発生しているかどうかをチェックし、所望のギヤ比を得ることができるかどうかをチェックし、また、例えば、パーキングレンジ、ニュートラルレンジ等の車両を走行させない非駆動レンジにおいて、油圧が発生していないかどうかをチェックする。
【0052】
そして、自動変速機のリバース制御において、自動変速機制御装置15は、自動変速機がリバースレンジに設定されたときに、リバースランプを点灯し、所定の条件が成立する状態でリバースレンジが設定された場合、リバースインヒビットを行う(他のレンジにおいては、車両を後退させない。)。
【0053】
また、インジケータのインジケータ表示制御において、自動変速機制御装置15は、車両のインジケータパネルに設定されたレンジを表示する。
【0054】
さらに、エンジンのエンジンアイドル制御において、自動変速機制御装置15は、エンジンのアイドリング時にエンジン回転速度(回転数)を低くする。
【0055】
なお、本実施の形態において、自動変速機制御装置15が、エンジン制御、インジケータ制御等を行うようになっているが、エンジンコントロールユニット、インジケータコントロールユニット等に制御信号を送ることによって、エンジンコントロールユニットがエンジン制御を行い、インジケータコントロールユニットがインジケータ制御を行うようにすることもできる。
【0056】
ところで、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、図3に示されるように、自動変速機制御装置15において、ポジション判断処理手段を構成し、シフト位置を判断するためのシフト位置判断ロジックが図示されない記録装置に格納される。該シフト位置判断ロジックは、ポジション判断処理を行い、前述された閾値に基づいて、自動変速機制御、エンジン制御、インジケータ制御等における各制御用のシフト位置の判断、すなわち、リニアソレノイド制御用のシフト位置の判断(リニアソレノイド制御用位置判断)、オン・オフソレノイド制御用のシフト位置の判断(オン・オフソレノイド制御用位置判断)、スタートロック制御用のシフト位置の判断(スタートロック制御用位置判断)、シフトロック制御用のシフト位置の判断(シフトロック制御用位置判断)、キーロック制御用のシフト位置の判断(キーロック制御用位置判断)、フェール検出制御用のシフト位置の判断(フェール検出制御用位置判断)、リバース制御用のシフト位置の判断(リバース制御用位置判断)、インジケータ表示制御用のシフト位置の判断(インジケータ表示制御用位置判断)、エンジンアイドル制御用のシフト位置の判断(エンジンアイドル制御用位置判断)等を行うためのロジックである。この場合、回動部24によって一つのシフトポジション信号だけが発生させられるようになっているので、ポジションセンサ14の構造を簡素化することができる。
【0057】
また、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、シフト位置の判断に用いられる閾値が自動変速機制御装置15による自動変速機制御、エンジン制御、インジケータ制御等における各制御ごとに、任意に、又は個別に独立して設定される。すなわち、各制御ごとに、各レンジごとの閾値の組合せから成るポジション判断パターンが設定される。したがって、各制御ごとに、前記電圧値と前記ポジション判断パターンとを比較し、電圧値と各閾値とを比較することによって、シフト位置を判断し、レンジを判断することができる。
【0058】
次に、図2に基づいて、各制御ごとの閾値について具体的に説明する。
【0059】
図2において、閾値Vi(i=1、2、…、30)は、値iが大きいほど大きく、値iが小さいほど小さい。また、各制御ごとの閾値Viは、一例であって、任意に設定することができる。なお、本実施の形態において、二つの閾値Vi、例えば、閾値Vm、Vm+1間の領域、すなわち、電圧値領域を便宜上、閾値Vm〜Vm+1で表すが、実際は、閾値Vm以上、閾値Vm+1未満であることを表す。
【0060】
本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、まず、リニアソレノイド制御用のシフト位置によって、従来の自動変速機における変速レンジと同様に、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジが設定される。リニアソレノイド制御用のシフト位置はそれぞれ次のように設定される。
【0061】
すなわち、閾値V1〜V11の電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V1、V11は、リニアソレノイド制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、自動変速機制御装置15の前記ポジション判断処理手段としての図示されないシフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、リニアソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V11間の電圧値領域にあるとき、リニアソレノイド制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をリニアソレノイド制御におけるパーキングレンジに設定する。
【0062】
また、閾値V10〜V13の電圧値領域がリバースレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V10、V13は、リニアソレノイド制御においてリバースレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、リニアソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V10〜V13の電圧値領域にあるとき、リニアソレノイド制御においてリバースレンジが選択されたと判断し、自動変速機をリニアソレノイド制御におけるリバースレンジに設定する。なお、パーキングレンジとリバースレンジとの境界に重複領域(編み目領域)が設定される。
【0063】
また、閾値V12〜V26の電圧値領域がニュートラルレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V12、V26は、リニアソレノイド制御においてニュートラルレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、リニアソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V12〜V26の電圧値領域にあるとき、リニアソレノイド制御においてニュートラルレンジが選択されたと判断し、自動変速機をリニアソレノイド制御におけるニュートラルレンジに設定する。なお、リバースレンジとニュートラルレンジとの境界に重複領域が設定される。
【0064】
また、閾値V24〜V27の電圧値領域がドライブレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V24、V27は、リニアソレノイド制御においてドライブレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、リニアソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V24〜V27の電圧値領域にあるとき、リニアソレノイド制御においてドライブレンジが選択されたと判断し、自動変速機をリニアソレノイド制御におけるドライブレンジに設定する。
【0065】
また、閾値V27〜V28の電圧値領域が4速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V27、V28は、リニアソレノイド制御において4速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、リニアソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V27〜V28の電圧値領域にあるとき、リニアソレノイド制御において4速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をリニアソレノイド制御における4速レンジに設定する。
【0066】
また、閾値V28〜V29の電圧値領域が3速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V28、V29は、リニアソレノイド制御において3速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、リニアソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V28〜V29の電圧値領域にあるとき、リニアソレノイド制御において3速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をリニアソレノイド制御における3速レンジに設定する。
【0067】
また、閾値V29〜V30の電圧値領域が2速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V29、V30は、リニアソレノイド制御において2速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、リニアソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V29〜V30の電圧値領域にあるとき、リニアソレノイド制御において2速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をリニアソレノイド制御における2速レンジに設定する。
【0068】
なお、互いに隣接するレンジ間の閾値が重複又は共通となっているが、互いに隣接するレンジの間にシフト位置を判断しない電圧値領域を設けることもできる。このようにすると、シフト位置の判断を一層正確に行うことができる。
【0069】
また、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、オン・オフソレノイド制御用のシフト位置によって、前述されたリニアソレノイド制御用のシフト位置と同様に、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジがそれぞれ設定される。オン・オフソレノイド制御用のシフト位置はそれぞれ次のように設定される。
【0070】
すなわち、閾値V1〜V7電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V1、V7は、オン・オフソレノイド制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、オン・オフソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V7間の電圧値領域にあるとき、オン・オフソレノイド制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をオン・オフソレノイド制御におけるパーキングレンジに設定する。
【0071】
また、閾値V6〜V16の電圧値領域がリバースレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V6、V16は、オン・オフソレノイド制御においてリバースレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、オン・オフソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V6〜V16の電圧値領域にあるとき、オン・オフソレノイド制御においてリバースレンジが選択されたと判断し、自動変速機をオン・オフソレノイド制御におけるリバースレンジに設定する。なお、パーキングレンジとリバースレンジとの境界に重複領域が設定される。
【0072】
また、閾値V15〜V22の電圧値領域がニュートラルレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V15、V22は、オン・オフソレノイド制御においてニュートラルレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、オン・オフソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V15〜V22の電圧値領域にあるとき、オン・オフソレノイド制御においてニュートラルレンジが選択されたと判断し、自動変速機をオン・オフソレノイド制御におけるニュートラルレンジに設定する。なお、リバースレンジとニュートラルレンジとの境界に重複領域が設定される。
【0073】
また、閾値V21〜V27の電圧値領域がドライブレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V21、V27は、オン・オフソレノイド制御においてドライブレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、オン・オフソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V21〜V27の電圧値領域にあるとき、オン・オフソレノイド制御においてドライブレンジが選択されたと判断し、自動変速機をオン・オフソレノイド制御におけるドライブレンジに設定する。
【0074】
また、閾値V27〜V28の電圧値領域が4速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V27、V28は、オン・オフソレノイド制御において4速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、オン・オフソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V27〜V28の電圧値領域にあるとき、オン・オフソレノイド制御において4速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をオン・オフソレノイド制御における4速レンジに設定する。
【0075】
また、閾値V28〜V29の電圧値領域が3速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V28、V29は、オン・オフソレノイド制御において3速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、オン・オフソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V28〜V29の電圧値領域にあるとき、オン・オフソレノイド制御において3速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をオン・オフソレノイド制御における3速レンジに設定する。
【0076】
また、閾値V29〜V30の電圧値領域が2速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V29、V30は、オン・オフソレノイド制御において2速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、オン・オフソレノイド制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V29〜V30の電圧値領域にあるとき、オン・オフソレノイド制御において2速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をオン・オフソレノイド制御における2速レンジに設定する。
【0077】
また、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、スタートロック制御がエンジンの始動を許可するものであることから、スタートロック制御用のシフト位置によって、非駆動レンジであるパーキングレンジ及びニュートラルレンジだけが設定される。スタートロック制御用のシフト位置はそれぞれ次のように設定される。
【0078】
すなわち、閾値V1〜V3の電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V1、V3は、スタートロック制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、スタートロック制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V3間の電圧値領域にあるとき、スタートロック制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をスタートロック制御におけるパーキングレンジに設定する。また、前記自動変速機制御装置15の図示されないスタートロック制御処理手段は、スタートロック制御処理を行い、エンジンを始動するためのスタータモータを作動可能な状態にする信号をエンジンコントロールユニット又はスタータモータのリレー回路に対して出力する。なお、前記閾値V3はガレージ制御用のシフト位置を判断するための閾値となる閾値V11より小さく設定される。
【0079】
前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V3間の電圧値領域にないとき、スタートロック制御においてパーキングレンジでないと判断し、前記スタートロック制御処理手段は、エンジンを始動するためのスタータモータを作動可能な状態にする信号をエンジンコントロールユニット又はスタータモータのリレー回路に対して出力しない。
【0080】
また、閾値V18〜V19の電圧値領域がニュートラルレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V18、V19は、スタートロック制御においてニュートラルレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、スタートロック制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V18〜V19間の電圧値領域にあるとき、スタートロック制御においてニュートラルレンジが選択されたと判断し、自動変速機をスタートロック制御におけるニュートラルレンジに設定する。また、前記スタートロック制御処理手段は、エンジンを始動するためのスタータモータを作動可能な状態にする信号をエンジンコントロールユニット又はスタータモータのリレー回路に対して出力する。なお、前記閾値V18、V19は、それぞれリニアソレノイド制御用のシフト位置を判断するための閾値となる閾値V12より大きく、かつ、閾値V26より小さく、また、オン・オフソレノイド制御用のシフト位置を判断するための閾値となる閾値V15より大きく、かつ、閾値V22より小さく設定される。
【0081】
また、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V18〜V19間の電圧値領域にないとき、スタートロック制御においてニュートラルレンジでないと判断し、前記スタートロック制御処理手段は、エンジンを始動するためのスタータモータを作動可能な状態にする信号をエンジンコントロールユニット又はスタータモータのリレー回路に対して出力しない。
【0082】
そして、スタートロック制御用のパーキングレンジ又はスタートロック制御用のニュートラルレンジという判断ではなく、閾値V1、V3、V18、V19を、単にエンジンを始動するためのスタータモータを駆動しない状態にする信号を出力する領域としたり、パーキングレンジとニュートラルレンジとの区別を行わない領域としたりすることができる。さらに、他の制御においても、パーキングレンジとニュートラルレンジとで同じ制御を行う(例えば、シフトロックP及びN)場合には、パーキングレンジとニュートラルレンジとの区別を行う必要はない。
【0083】
なお、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、スタートロック制御用のパーキングレンジの閾値V1とリニアソレノイド制御用及びオン・オフソレノイド制御用の各パーキングレンジの閾値V1とが等しいが、互いに異ならせて設定することもできる。
【0084】
また、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、シフトロック制御用のシフト位置によって、スタートロック制御用のシフト位置と同様に、非駆動レンジであるパーキングレンジ及びニュートラルレンジだけが設定される。また、シフトロック制御用のシフト位置を判断するための閾値となる各電圧値は、スタートロック制御用のシフト位置を判断するための閾値となる各閾値V1、V3、V18、V19と等しく設定される。前記シフトロック制御用のシフト位置はそれぞれ次のように設定される。
【0085】
すなわち、閾値V1〜V3の電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V1、V3は、シフトロック制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、シフトロック制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V3間の電圧値領域にあるとき、シフトロック制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をシフトロック制御におけるパーキングレンジに設定する。また、前記自動変速機制御装置15の図示されないシフトロック制御処理手段は、シフトロック制御処理を行い、シフトロックソレノイドをオフにしてシフトレバー21の移動を禁止するとともに、変速を禁止する。
【0086】
前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V3間の電圧値領域にないとき、シフトロック制御においてパーキングレンジでないと判断し、前記シフトロック制御処理手段は、シフトロックソレノイドをオンにしてシフトレバー21の移動を許可し、変速の禁止を解除する。
【0087】
また、閾値V18〜V19の電圧値領域がニュートラルレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V18、V19は、シフトロック制御においてニュートラルレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、シフトロック制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V18〜V19間の電圧値領域にあるとき、シフトロック制御においてニュートラルレンジが選択されたと判断し、自動変速機をシフトロック制御におけるニュートラルレンジに設定する。また、前記シフトロック制御処理手段は、シフトロックソレノイドをオフにしてシフトレバー21の移動を禁止する。
【0088】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V18〜V19間の電圧値領域にないとき、シフトロック制御においてニュートラルレンジでないと判断し、前記シフトロック制御処理手段は、シフトロックソレノイドをオンにしてシフトレバー21の移動を許可する。
【0089】
なお、シフトロック制御用のパーキングレンジ及びニュートラルレンジの閾値V1、V3、V18、V19は、それぞれスタートロック制御用のパーキングレンジ及びニュートラルレンジの閾値V1、V3、V18、V19と異ならせて設定することもできる。
【0090】
また、本実施の形態におけるポジション判断装置11において、キーロックは車両の非使用時に行われるものであるので、キーロック制御用のシフト位置によってはパーキングレンジだけが設定される。前記キーロック制御用のパーキングレンジのシフト位置は次のように設定される。
【0091】
すなわち、閾値V1〜V2の電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V1、V2は、キーロック制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、キーロック制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V2間の電圧値領域にあるとき、キーロック制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をキーロック制御におけるパーキングレンジに設定する。また、前記自動変速機制御装置15の図示されないキーロック制御処理手段は、キーロック制御処理を行い、キーロック制御信号をキーロックコントロールユニットに対して出力する。そして、該キーロックコントロールユニットは、キーロックを解除し、キーが抜けるのを許容する。
【0092】
なお、前記閾値V2はスタートロック制御用のシフト位置を判断するための閾値となる閾値V3より小さく設定される。
【0093】
また、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V2間の電圧値領域にないとき、キーロック制御においてパーキングレンジでないと判断し、前記キーロック制御処理手段は、キーロック制御信号をキーロックコントロールユニットに対して出力しない。そして、該キーロックコントロールユニットは、キーロックを設定し、キーが抜けるのを禁止する。なお、本実施の形態においては、キーロック制御信号をキーロックコントロールユニットに対して出力するようになっているが、キーロックコントロールユニットに代えてキーロック制御信号をキーロックソレノイドに対して出力することもできる。
【0094】
そして、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、自動変速機のフェールを検出するためのフェール検出制御用のシフト位置によって、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジがそれぞれ設定される。フェール検出制御用のシフト位置はそれぞれ次のように設定される。
【0095】
すなわち、閾値V1〜V7の電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V1、V7は、フェール検出制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、フェール検出制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V7間の電圧値領域にあるとき、フェール検出制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をフェール検出制御におけるパーキングレンジに設定する。また、前記自動変速機制御装置15の図示されないフェール検出制御処理手段は、フェール検出制御処理を行い、自動変速機を、フェールを検出する状態に設定する。
【0096】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V7間の電圧値領域にないとき、フェール検出制御においてパーキングレンジでないと判断し、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出しない状態に設定する。
【0097】
また、閾値V10〜V13の電圧値領域がリバースレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V10、V13は、フェール検出制御においてリバースレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、フェール検出制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V10〜V13の電圧値領域にあるとき、フェール検出制御においてリバースレンジが選択されたと判断し、自動変速機をフェール検出制御におけるリバースレンジに設定する。また、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出する状態に設定する。
【0098】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V10〜V13間の電圧値領域にないとき、フェール検出制御においてリバースレンジでないと判断し、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出しない状態に設定する。
【0099】
また、閾値V15〜V22の電圧値領域がニュートラルレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V15、V22は、フェール検出制御においてニュートラルレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、フェール検出制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V15〜V22の電圧値領域にあるとき、フェール検出制御においてニュートラルレンジが選択されたと判断し、自動変速機をフェール検出制御におけるニュートラルレンジに設定する。また、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出する状態に設定する。
【0100】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V15〜V22間の電圧値領域にないとき、フェール検出制御においてニュートラルレンジでないと判断し、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出しない状態に設定する。
【0101】
また、閾値V24〜V27の電圧値領域がドライブレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V24、V27は、フェール検出制御においてドライブレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、フェール検出制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V24〜V27の電圧値領域にあるとき、フェール検出制御においてドライブレンジが選択されたと判断し、自動変速機をフェール検出制御におけるドライブレンジに設定する。また、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出する状態に設定する。
【0102】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V24〜V27間の電圧値領域にないとき、フェール検出制御においてドラブレンジでないと判断し、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出しない状態に設定する。
【0103】
また、閾値V27〜V28の電圧値領域が4速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V27、V28は、フェール検出制御において4速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、フェール検出制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V27〜V28の電圧値領域にあるとき、フェール検出制御において4速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をフェール検出制御における4速レンジに設定する。また、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出する状態に設定する。
【0104】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V27〜V28間の電圧値領域にないとき、フェール検出制御において4速レンジでないと判断し、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出しない状態に設定する。
【0105】
また、閾値V28〜V29の電圧値領域が3速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V28、V29は、フェール検出制御において3速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、フェール検出制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V28〜V29の電圧値領域にあるとき、フェール検出制御において3速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をフェール検出制御における3速レンジに設定する。また、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出する状態に設定する。
【0106】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V28〜V29間の電圧値領域にないとき、フェール検出制御において3速レンジでないと判断し、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出しない状態に設定する。
【0107】
また、閾値V29〜V30の電圧値領域が2速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V29、V30は、フェール検出制御において2速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、フェール検出制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V29〜V30の電圧値領域にあるとき、フェール検出制御において2速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をフェール検出制御における2速レンジに設定する。また、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出する状態に設定する。
【0108】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V29〜V30間の電圧値領域にないとき、フェール検出制御において2速レンジでないと判断し、前記フェール検出制御処理手段は、自動変速機を、フェールを検出しない状態に設定する。
【0109】
また、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、リバース制御用のシフト位置によって、リバースレンジだけが設定される。前記リバース制御用のリバースレンジのシフト位置は次のように設定される。
【0110】
すなわち、閾値V6〜V16の電圧値領域がリバースレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V6、V16は、リバース制御においてリバースレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、リバース制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V6〜V16の電圧値領域にあるとき、リバース制御においてリバースレンジが選択されたと判断し、自動変速機をリバース制御におけるリバースレンジに設定する。また、前記自動変速機制御装置15の図示されないリバース制御処理手段は、リバース制御処理を行い、自動変速機を、リバースランプを点灯するためのリバースランプ点灯制御を行う状態に設定する。さらに、前記自動変速機制御装置15の図示されないリバースインヒビット制御処理手段は、リバースインヒビット制御処理を行い、自動変速機を、リバースインヒビットを行う状態に設定する。
【0111】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V6〜V16間の電圧値領域にないとき、リバース制御においてリバースレンジでないと判断し、前記リバース制御処理手段は、自動変速機を、リバースランプを点灯するためのリバースランプ点灯制御を行わない状態に設定する。さらに、前記リバースインヒビット制御処理手段は、自動変速機を、リバースインヒビットを行わない状態に設定する。
【0112】
また、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、自動変速機のインジケータ表示制御用のシフト位置によって、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジがそれぞれ設定される。インジケータ表示制御用のシフト位置はそれぞれ次のように設定される。
【0113】
すなわち、閾値V1〜V5の電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V1、V5は、インジケータ表示制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、インジケータ表示制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V5間の電圧値領域にあるとき、インジケータ表示制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をインジケータ表示制御におけるパーキングレンジに設定する。
【0114】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V5間の電圧値領域にないとき、インジケータ表示制御においてパーキングレンジでないと判断する。
【0115】
また、閾値V4〜V9の電圧値領域が、シフト位置を判断しない第1の中間位置の領域に設定され、各閾値V4、V9は、インジケータ表示制御において第1の中間位置であることを判断するための閾値となる。そして、パーキングレンジと第1の中間位置の領域との境界に重複領域が設定される。
【0116】
また、閾値V8〜V14の電圧値領域がリバースレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V8、V14は、インジケータ表示制御においてリバースレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、インジケータ表示制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V8〜V14間の電圧値領域にあるとき、インジケータ表示制御においてリバースレンジが選択されたと判断し、自動変速機をインジケータ表示制御におけるリバースレンジに設定する。
【0117】
また、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V8〜V14間の電圧値領域にないとき、インジケータ表示制御においてリバースレンジでないと判断する。なお、第1の中間位置とリバースレンジとの境界に重複領域が設定される。
【0118】
また、閾値V13〜V18の電圧値領域が、シフト位置を判断しない第2の中間位置の領域に設定され、各閾値V13、V18は、インジケータ表示制御において第2の中間位置であることを判断するための閾値となる。そして、リバースレンジと第2の中間位置の領域との境界に重複領域が設定される。
【0119】
また、閾値V17〜V20の電圧値領域がニュートラルレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V17、V20は、インジケータ表示制御においてニュートラルレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、インジケータ表示制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V17〜V20間の電圧値領域にあるとき、インジケータ表示制御においてニュートラルレンジが選択されたと判断し、自動変速機をインジケータ表示制御におけるニュートラルレンジに設定する。
【0120】
また、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V17〜V20間の電圧値領域にないとき、インジケータ表示制御においてニュートラルレンジでないと判断する。なお、第2の中間位置とニュートラルレンジとの境界に重複領域が設定される。
【0121】
また、閾値V19〜V24の電圧値領域が、シフト位置を判断しない第3の中間位置の領域に設定され、各閾値V19、V24は、インジケータ表示制御において第3の中間位置であることを判断するための閾値となる。そして、ニュートラルレンジと第3の中間位置の領域との境界に重複領域が設定される。
【0122】
また、閾値V23〜V27の電圧値領域がドライブレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V23、V27は、インジケータ表示制御においてドライブレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、インジケータ表示制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V23〜V27間の電圧値領域にあるとき、インジケータ表示制御においてドライブレンジが選択されたと判断し、自動変速機をインジケータ表示制御におけるドライブレンジに設定する。
【0123】
そして、前記シフト位置判断処理手段は、ポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V23〜V27間の電圧値領域にないとき、インジケータ表示制御においてドライブレンジでないと判断する。
【0124】
また、閾値V27〜V28の電圧値領域が4速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V27、V28は、インジケータ表示制御において4速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、インジケータ表示制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V27〜V28の電圧値領域にあるとき、インジケータ表示制御において4速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をインジケータ表示制御における4速レンジに設定する。
【0125】
また、閾値V28〜V29の電圧値領域が3速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V28、V29は、インジケータ表示制御において3速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、インジケータ表示制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V28〜V29の電圧値領域にあるとき、インジケータ表示制御において3速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をインジケータ表示制御における3速レンジに設定する。
【0126】
また、閾値V29〜V30の電圧値領域が2速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V29、V30は、インジケータ表示制御において2速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、インジケータ表示制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V29〜V30の電圧値領域にあるとき、インジケータ表示制御において2速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をインジケータ表示制御における2速レンジに設定する。
【0127】
また、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、エンジンアイドル制御用のシフト位置によって、前述されたオン・オフソレノイド制御用のシフト位置と同様に、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジがそれぞれ設定される。エンジンアイドル制御用のシフト位置はそれぞれ次のように設定される。
【0128】
すなわち、閾値V1〜V7の電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V1、V7は、エンジンアイドル制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、エンジンアイドル制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V1〜V7間の電圧値領域にあるとき、エンジンアイドル制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をエンジンアイドル制御におけるパーキングレンジに設定する。
【0129】
また、閾値V6〜V16の電圧値領域がリバースレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V6、V16は、エンジンアイドル制御においてリバースレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、エンジンアイドル制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V6〜V16の電圧値領域にあるとき、エンジンアイドル制御においてリバースレンジが選択されたと判断し、自動変速機をエンジンアイドル制御におけるリバースレンジに設定する。なお、パーキングレンジとリバースレンジとの境界に重複領域が設定される。
【0130】
また、閾値V15〜V22の電圧値領域がニュートラルレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V15、V22は、エンジンアイドル制御においてニュートラルレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、エンジンアイドル制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V15〜V22の電圧値領域にあるとき、エンジンアイドル制御においてニュートラルレンジが選択されたと判断し、自動変速機をエンジンアイドル制御におけるニュートラルレンジに設定する。なお、リバースレンジとニュートラルレンジとの境界に重複領域が設定される。
【0131】
また、閾値V21〜V27の電圧値領域がドライブレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V21、V27は、エンジンアイドル制御においてドライブレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、エンジンアイドル制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V21〜V27の電圧値領域にあるとき、エンジンアイドル制御においてドライブレンジが選択されたと判断し、自動変速機をエンジンアイドル制御におけるドライブレンジに設定する。
【0132】
また、閾値V27〜V28の電圧値領域が4速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V27、V28は、エンジンアイドル制御において4速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、エンジンアイドル制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V27〜V28の電圧値領域にあるとき、エンジンアイドル制御において4速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をエンジンアイドル制御における4速レンジに設定する。
【0133】
また、閾値V28〜V29の電圧値領域が3速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V28、V29は、エンジンアイドル制御において3速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、エンジンアイドル制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V28〜V29の電圧値領域にあるとき、エンジンアイドル制御において3速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をエンジンアイドル制御における3速レンジに設定する。
【0134】
また、閾値V29〜V30の電圧値領域が2速レンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V29、V30は、エンジンアイドル制御において2速レンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、エンジンアイドル制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V29〜V30の電圧値領域にあるとき、エンジンアイドル制御において2速レンジが選択されたと判断し、自動変速機をエンジンアイドル制御における2速レンジに設定する。
【0135】
なお、前記エンジンアイドル制御用の各閾値V1、V6、V7、V15、V16、V21、V22、V27、V28、V29、V30は、オン・オフソレノイド制御の各閾値V1、V6、V7、V15、V16、V21、V22、V27、V28、V29、V30と等しくされるが、異ならせて設定することもできる。
【0136】
このように、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、パーキングレンジにおけるシフト位置を判断するための電圧値は、リニアソレノイド制御、オン・オフソレノイド制御、スタートロック制御、シフトロック制御、キーロック制御、フェール検出制御、インジケータ表示制御、エンジンアイドル制御等の各制御ごとに、任意に、又は独立して設定される。すなわち、シフト位置を判断するためのポジション判断パターンは、各制御ごとに任意に、又は独立して形成される。
【0137】
また、リバースレンジにおけるシフト位置を判断するための電圧値は、リニアソレノイド制御、オン・オフソレノイド制御、フェール検出制御、リバース制御、インジケータ表示制御、エンジンアイドル制御等の各制御ごとに、任意に、又は独立して設定される。すなわち、シフト位置を判断するためのポジション判断パターンは、各制御ごとに任意に、又は独立して形成される。
【0138】
さらに、ニュートラルレンジにおけるシフト位置を判断するための電圧値は、リニアソレノイド制御、オン・オフソレノイド制御、スタートロック制御、シフトロック制御、フェール検出制御、インジケータ表示制御、エンジンアイドル制御等の各制御ごとに、任意に、又は独立して設定される。すなわち、シフト位置を判断するためのポジション判断パターンは、各制御ごとに任意に、又は独立して形成される。
【0139】
そして、ドライブレンジにおけるシフト位置を判断するための電圧値も、リニアソレノイド制御、オン・オフソレノイド制御、フェール検出制御、インジケータ表示制御、エンジンアイドル制御等の各制御ごとに、任意に、又は独立して設定される。すなわち、シフト位置を判断するためのポジション判断パターンは、各制御ごとに任意に、又は独立して形成される。
【0140】
本実施の形態においては、前述された各レンジにおける閾値は、それぞれ目的に応じて設定される。
【0141】
図4は本発明の第1の実施の形態における閾値の設定方法を示す図である。
【0142】
図において、各帯の幅が変化し、三角形で示される領域は、ポジションセンサ14(図1)の検出精度、自動変速機及び車両の制御を行うに当たり関係する部材の精度、自動変速機及び車両の各部品の組付け精度等のばらつき、並びに油圧、自動変速機制御装置15等のばらつきを考慮して設定された領域である。例えば、前記ばらつきは、ポジションセンサ14のホールドICの温度特性、自動変速機制御装置15のソフトウェアの誤差、自動変速機制御装置15のハードウェアの誤差、ポジションセンサ14の取付けの傾き、マニュアルシャフト13の傾き等に起因するものであり、三角形で示される領域は、これらのばらつきを吸収するように設定される。また、各帯の幅が一定である領域は、前述された各ばらつきにかかわらず、各シフト位置が確実に設定される領域である。
【0143】
図に示されるように、本実施の形態における各閾値は、パーキングレンジにおけるパーキングロック角、パーキングレンジにおけるシフトロック角、及びトランスミッションの油圧発生角に基づいて決定される。前記パーキングロック角は、トランスミッションのパーキングギヤとパーキングポールとが機械的に噛(し)合する領域であり、該領域においては、タイヤがロックされ、車両の移動が阻止される。なお、前記パーキングポールはディテント31と機械的と連結されて連動する。また、シフトロック角は、シフトレバー21を機械的にロックする領域であり、前記シフトレバー21がロックされると、レンジ圧が発生しない。
【0144】
そして、スタートロック制御において、パーキングレンジのシフト位置の閾値は、ばらつきにかかわらずシフトロックが確実に行われるシフトロック角の領域内に設定される。これにより、自動変速機制御装置15がスタートロック制御において、パーキングレンジのシフト位置を判断したときに、エンジンを始動するためにスタータモータを駆動するのに伴って、車両が発進することがないようにしている。なお、スタートロック制御におけるパーキングレンジのシフト位置の閾値は、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧(レンジ圧)が確実に発生しない領域内に設定することもできる。その場合、パーキングレンジにおけるトランスミッションの油圧が確実に発生しない領域は、シフトロックが確実に行われる領域より広いので、閾値をシフトロック角で設定する場合より広く設定することができる。
【0145】
また、スタートロック制御におけるニュートラルレンジのシフト位置の閾値は、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧が確実に発生しない領域内に設定される。これにより、自動変速機制御装置15がスタートロック制御において、ニュートラルレンジのシフト位置を判断したときに、エンジンを始動するためにスタータモータを駆動する際に、車両が意に反して発進することがないようにしている。
【0146】
そして、シフトロック制御におけるパーキングレンジのシフト位置の閾値は、ばらつきにかかわらずシフトロック角が確実に設定される領域で、かつ、トランスミッションの油圧が確実に発生しない領域内に設定される。これにより、自動変速機制御装置15がシフトロック制御において、パーキングレンジのシフト位置を判断したときに、エンジンを始動するためにスタータモータを駆動する際に、車両が意に反して発進することがないようにしている。
【0147】
また、シフトロック制御におけるニュートラルレンジのシフト位置の閾値は、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧が確実に発生しない領域内に設定される。これにより、自動変速機制御装置15がシフトロック制御において、ニュートラルレンジのシフト位置を判断したときに、エンジンを始動するためにスタータモータを駆動する際に、車両が意に反して発進することがないようにしている。
【0148】
さらに、キーロック制御におけるパーキングレンジのシフト位置の閾値は、ばらつきにかかわらずパーキングロック角が確実に設定される領域内に設定される。これにより、パーキングギヤがロックされる領域がキーロック解除領域として設定され、該キーロック解除領域においてだけキーを抜くことが許可される。したがって、例えば、車両の駆動中にキーを抜くことができないようにしている。
【0149】
そして、リニアソレノイド制御においては、リバースレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジの各駆動レンジのシフト位置の各閾値は、いずれも、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧が確実に発生する領域のシフト位置として設定される。これにより、油圧が発生していないときのリニアソレノイドバルブによる調圧が行われない状態、すなわち、空調圧が行われるのを防止するとともに、パーキングレンジ及びニュートラルレンジの非駆動レンジから前記各駆動レンジに設定が移行したときに、遅れることなく確実に発進可能となるようにしている。なお、必要に応じて、ドライブレンジ及びリバースレンジの駆動レンジのシフト位置の各閾値を、ばらつきの領域を含めた油圧発生領域内に設定することもできる。
【0150】
また、リニアソレノイド制御におけるパーキングレンジ及びニュートラルレンジの非駆動レンジのシフト位置の各閾値は、いずれも、ばらつきを考慮して非駆動レンジから駆動レンジに連続して移行するように設定される。
【0151】
さらに、オン・オフソレノイド制御においては、リバースレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジの各駆動レンジのシフト位置の各閾値は、いずれも、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧が確実に発生しない領域のシフト位置として設定される。これにより、油圧が発生しているときにオン・オフソレノイドバルブが不意に開かれて油圧が急にリニアソレノイドバルブ、油圧サーボ等に送られることがなくなり、ショックが発生するのを防止することができる。
【0152】
また、オン・オフソレノイド制御におけるパーキングレンジ及びニュートラルレンジの非駆動レンジのシフト位置の各閾値は、いずれも、ばらつきを考慮して非駆動レンジから駆動レンジに連続して移行するように設定される。
【0153】
さらに、フェール検出制御においては、リバースレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジの各駆動レンジのシフト位置の各閾値は、いずれも、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧が確実に発生する領域のシフト位置として設定され、また、パーキングレンジ及びニュートラルレンジの非駆動レンジのシフト位置の各閾値は、いずれも、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧が確実に発生しない領域のシフト位置として設定される。これにより、自動変速機のエラー(自動変速機の機械的なエラー)の誤検出を防止することができる。
【0154】
そして、リバースランプ点灯制御においては、リバースレンジのシフト位置の閾値は、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧が発生する領域外に設定される。これにより、リバースレンジに設定される前から確実にリバースランプを点灯させ、車外に知らせるようにしている。
【0155】
また、本実施の形態においては、リバースインヒビット制御におけるリバースレンジのシフト位置の閾値は、リバースランプ点灯制御におけるリバースレンジのシフト位置の閾値と等しく設定される。前記リバースインヒビット制御においては、所定の車速以上で閾値がリバースレンジのシフト位置の電圧値領域になった場合、前記リバースインヒビット制御を行い、リバースギヤに入ることを禁止するようにしている。
【0156】
さらに、インジケータ表示制御におけるパーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジのシフト位置の閾値は、シフトレバー21のがたつき等を考慮して設定される。その場合、ディテント31の谷(ディテント31によるシフトレバー21の位置保持を確定する。)を中心として左右対称となるようにその範囲を設定する。
【0157】
そして、エンジンアイドル制御においては、パーキングレンジ及びニュートラルレンジの非駆動レンジにおけるシフト位置の閾値は、いずれも、ばらつきにかかわらずトランスミッションの油圧が確実に発生しない領域のシフト位置として設定される。これにより、パーキングレンジ及びニュートラルレンジにおけるアイドル回転速度を低くし、パーキングレンジ及びニュートラルレンジにおいて燃料噴射量を絞って燃費を向上させることができる。
【0158】
また、エンジンアイドル制御におけるリバースレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジの各駆動レンジのシフト位置の各閾値は、いずれも、ばらつきを考慮して非駆動レンジから駆動レンジに連続して移行させ、駆動レンジ側に広くなるように設定される。これにより、非駆動レンジから駆動レンジに設定を変更するときに駆動レンジになることを早めに知って、エンジン回転速度をより早く高くするようにしている。
【0159】
次に、各シフト位置の閾値を設定するための自動変速機制御装置15の図示されない閾値設定処理手段による閾値設定処理の動作について説明する。
【0160】
図5は本発明の第1の実施の形態における閾値設定処理の動作を示すフローチャートである。
【0161】
まず、前記閾値設定処理手段は、閾値設定処理を行い、現在のポジションセンサ14の電圧値を読み込み、該電圧値に基づいてポジションセンサ14が故障しているかどうかを判断する。ポジションセンサ14が故障していない場合、前記閾値設定処理手段は、各制御用のシフト位置について閾値を設定する。
【0162】
すなわち、リニアソレノイド制御用のシフト位置を設定する。該リニアソレノイド制御用のシフト位置においては、前述されたように、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、各レンジの閾値をそれぞれ設定し、自動変速機制御装置15の記録装置に記録する。
【0163】
次に、オン・オフソレノイド制御用のシフト位置を設定する。該オン・オフソレノイド制御用のシフト位置においても、前述されたように、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、各レンジの閾値をそれぞれ設定し、自動変速機制御装置15の記録装置に記録する。
【0164】
続いて、スタートロック制御用のシフト位置を設定する。該スタートロック制御用のシフト位置においては、前述されたように、パーキングレンジ及びニュートラルレンジが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、各レンジの閾値をそれぞれ設定し、自動変速機制御装置15の記録装置に記録する。
【0165】
次に、シフトロック制御用のシフト位置を設定する。該シフトロック制御用のシフト位置においては、前述されたように、パーキングレンジ及びニュートラルレンジが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、各レンジの閾値をそれぞれ設定し、自動変速機制御装置15の記録装置に記録する。
【0166】
そして、キーロック制御用のシフト位置を設定する。該キーロック制御用のシフト位置においては、前述されたように、パーキングレンジだけが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、パーキングレンジの閾値を設定し、自動変速機制御装置15の記録装置に記録する。
【0167】
次に、フェール検出制御用のシフト位置を設定する。該フェール検出制御用のシフト位置においては、前述されたように、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、各レンジの閾値をそれぞれ設定し、自動変速機制御装置15の記録装置に記録する。
【0168】
続いて、リバース制御用のシフト位置を設定する。該リバース制御用のシフト位置においては、前述されたように、リバースレンジだけが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、リバースレンジの閾値を設定し、前記記録装置に記録する。
【0169】
そして、インジケータ表示制御用のシフト位置を設定する。該インジケータ表示制御用のシフト位置においては、前述されたように、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、各レンジの閾値をそれぞれ設定し、自動変速機制御装置15の記録装置に記録する。
【0170】
次に、エンジンアイドル制御用のシフト位置を設定する。該エンジンアイドル制御用のシフト位置においては、前述されたように、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジが設定されるので、前記閾値設定処理手段は、各レンジの閾値をそれぞれ設定し、自動変速機制御装置15の記録装置に記録する。
【0171】
さらに、その他の制御用のシフト位置(本実施の形態においては省略される。)が設定され、該その他の制御用のシフト位置において設定されるレンジの閾値が設定され、自動変速機制御装置15の記録装置に記録される。このようにして、各制御ごとの閾値が設定されると、処理が終了する。
【0172】
また、ポジションセンサ14が故障している場合、フェール検出時における各制御用のシフト位置を設定する。この場合、安全側の電圧値領域を表すように、各閾値が設定される。
【0173】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 現在のポジションセンサ14の電圧値を読み込む。
ステップS2 ポジションセンサ14が故障しているかどうかを判断する。ポジションセンサ14が故障している場合はステップS13に、故障していない場合はステップS3に進む。
ステップS3 リニアソレノイド制御用のシフト位置を設定する。
ステップS4 オン・オフソレノイド制御用のシフト位置を設定する。
ステップS5 スタートロック制御用のシフト位置を設定する。
ステップS6 シフトロック制御用のシフト位置を設定する。
ステップS7 キーロック制御用のシフト位置を設定する。
ステップS8 フェール検出制御用のシフト位置を設定する。
ステップS9 リバース制御用のシフト位置を設定する。
ステップS10 インジケータ表示制御用のシフト位置を設定する。
ステップS11 エンジンアイドル制御用のシフト位置を設定する。
ステップS12 その他の制御用のシフト位置を設定し、処理を終了する。
ステップS13 フェール検出時における各制御用のシフト位置を設定し、処理を終了する。
【0174】
このように、本実施の形態においては、ポジションセンサ14によって出力された電圧値と、各制御ごとに任意に設定されたポジション判断パターンとが比較され、前記シフトレバー21によるシフト位置が判断されるので、各制御ごとに最適なレンジ情報を得ることができる。したがって、最適なレンジ情報を用いることによって各制御を的確に行うことができる。
【0175】
また、前記各制御は、制御の対象となる複数の被制御装置について行われるので、各被制御装置について、各制御を的確に行うことができる。
【0176】
そして、前記ポジション判断パターンを、各制御ごとに個別、又は独立して設定することによって、各制御ごとにレンジを個別、又は独立して、かつ、きめ細かく判断することができる。したがって、各制御に対して最適なレンジ情報を得ることができる。その結果、最適なレンジ情報を用いることによって各制御を的確に行うことができる。
【0177】
また、前記ポジションセンサ14は、運転者によるシフトレバー21の操作に基づいて、線形の電圧値を発生させるので、シフト位置を一層容易に、かつ、正確に判断することができる。
【0178】
そして、前記ポジションセンサ14は、前記シフトレバー21の操作量を非接触で検出するので、ポジションセンサ14の摩耗が抑制され、経時劣化を防止することができ、安定した出力を長期間にわたって発生させることができる。
【0179】
また、前記ポジション判断パターンを、少なくとも一つの被制御装置に共通に設定することによって、各被制御装置について行われる各制御に対して共通のレンジ情報を得ることができる。その結果、共通なレンジ情報を用いることによって各制御を的確に行うことができる。
【0180】
例えば、自動変速機について行われる各制御に対して共通のレンジ情報を得たり、自動変速機について行われる各制御、エンジンについて行われるスタートロック制御、及び変速機について行われるリバース制御に対して共通のレンジ情報を得たりすることができる。
【0181】
図6は本発明の第2の実施の形態における閾値の設定方法を示す図である。
【0182】
この場合、主として自動変速機について行われる、フェール検出制御、リニアソレノイド制御、オン・オフソレノイド制御、インジケータ表示制御及びエンジンアイドル制御の各制御をトランスミッション制御とし、該トランスミッション制御に対して共通のポジション判断パターンが設定される。
【0183】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0184】
図7は本発明の第3の実施の形態におけるガレージ制御のシフト位置及びポジションセンサの電圧値を示す図である。
【0185】
図において、閾値Vi(i=31、32、…、38)は、値iが大きいほど大きく、値iが小さいほど小さい。また、各制御ごとの閾値Viは、一例であって、任意に設定することができる。なお、本実施の形態において、二つの閾値Vi、例えば、閾値Vm、Vm+1間の電圧値領域を便宜上、閾値Vm〜Vm+1で表すが、実際は、閾値Vm以上、閾値Vm+1未満であることを表す。
【0186】
図に示されるように、本実施の形態におけるポジション判断装置11(図1)においては、ガレージ制御におけるシフト位置として、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ及びドライブレンジが設定される。なお、本実施の形態においては、前記4速レンジ、3速レンジ及び2速レンジがそれぞれ省略されるが、これらのレンジを前述されたように設定することもできる。前記ガレージ制御用のシフト位置における各レンジのシフト位置は、それぞれ次のように設定される。
【0187】
すなわち、閾値V31〜V32の電圧値領域がパーキングレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V31、V32は、ガレージ制御においてパーキングレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。ポジション判断処理手段としてのシフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、ガレージ制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V31〜V32間の電圧値領域にあるとき、ガレージ制御においてパーキングレンジが選択されたと判断し、自動変速機をガレージ制御におけるパーキングレンジに設定する。
【0188】
また、閾値V33〜V34の電圧値領域がリバースレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V33、V34は、ガレージ制御においてリバースレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、ガレージ制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V33〜V34間の電圧値領域にあるとき、ガレージ制御においてリバースレンジが選択されたと判断し、自動変速機をガレージ制御におけるリバースレンジに設定する。
【0189】
また、閾値V35〜V36の電圧値領域がニュートラルレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V35、V36は、ガレージ制御においてニュートラルレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、ガレージ制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V35〜V36間の電圧値領域にあるとき、ガレージ制御においてニュートラルレンジが選択されたと判断し、自動変速機をガレージ制御におけるニュートラルレンジに設定する。
【0190】
また、閾値V37〜V38の電圧値領域がドライブレンジを表すシフト位置として設定され、各閾値V37、V38は、ガレージ制御においてドライブレンジが選択されたことを判断するための閾値となる。そして、前記シフト位置判断処理手段は、シフト位置判断処理を行い、ガレージ制御においてポジションセンサ14から出力される電圧値が閾値V37〜V38間の電圧値領域にあるとき、ガレージ制御においてドライブレンジが選択されたと判断し、自動変速機をガレージ制御におけるドライブレンジに設定する。
【0191】
また、本実施の形態においては、パーキングレンジとリバースレンジとの間、リバースレンジとニュートラルレンジとの間、ニュートラルレンジとドライブレンジとの間に、シフト位置判断処理手段によるシフト位置が判断されず、レンジが判断されない第1〜第3の中間位置の領域が設定される。各第1〜第3の中間位置の領域は、閾値V32〜V33、V34〜V35、V36〜V37の各電圧値領域に設定される。
【0192】
また、スタートロック制御用のシフト位置、フェール検出制御用のシフト位置、リバース制御用のシフト位置、シフトロック制御用のシフト位置、キーロック制御用のシフト位置、及びエンジアイドル制御のシフト位置においても、図2と同様のレンジが設定される。そして、シフト位置の判断に用いられる閾値は、各制御ごとに、任意に、又は独立して設定される。
【0193】
ところで、本実施の形態におけるポジション判断装置11においては、前述されたように、ガレージ制御用のシフト位置において設定される第1〜第3の中間位置の領域を利用して、自動変速機制御、エンジン制御及びインジケータ制御を行うようにしている。
【0194】
図8は本発明の第3の実施の形態における前出し制御処理を説明するブロック図である。
【0195】
図に示されるように、自動変速機制御装置15の記録装置にシフト位置を判断するためのシフト位置判断ロジック、シフト位置の移動を判断するためのシフト位置移動判断ロジック、及びガレージ油圧制御の前出し制御ロジックが格納される。
【0196】
そして、前記シフト位置判断ロジックは、前述されたように、閾値に基づいて、被制御装置における制御、例えば、自動変速機制御、エンジン制御等のシフト位置の判断、すなわち、ガレージ制御用のシフト位置の判断、スタートロック制御用のシフト位置の判断、シフトロック制御用のシフト位置の判断、キーロック制御用のシフト位置の判断、フェール検出制御用のシフト位置の判断、リバースインヒビット制御用のシフト位置の判断等を行うためのロジックであり、シフト位置移動判断ロジックは、ガレージ制御において第1〜第3の中間位置の領域において、シフト位置があるレンジから隣接する他の(次の)レンジに移動することを判断するためのロジックである。また、ガレージ油圧制御の前出し制御ロジックは、シフト操作部材としてのシフトレバー21(図1)が他のレンジにおいて行うはずの油圧制御を、シフトレバー21がそのシフト位置に移動して他のレンジが設定される前に先行して行うためのロジックである。
【0197】
そして、自動変速機制御装置15は、電圧値が第1〜第3の中間位置の領域にあることを判断すると、図示されないシフト位置移動判断処理手段は、シフト位置移動判断処理を行い、シフト位置移動判断ロジックによって、シフトレバー21がどのレンジからどのレンジに移動中であるかを判断し、シフト位置移動信号を発生させ、出力する。
【0198】
前記自動変速機制御装置15の図示されない前出し制御処理手段は、前出し制御処理を行い、前記自動変速機のガレージ制御において、前記シフト位置移動信号に基づいて、前記前出し制御ロジックによって前出し制御を行う。また、エンジン制御においては、シフト位置移動信号が自動変速機制御装置15からCAN等の通信ラインを介してエンジンコントロールユニット等に対して出力され、該エンジンコントロールユニット等のエンジン制御処理手段は、エンジン制御処理を行い、例えば、燃料噴射量を制御してアイドリングを行うエンジンアイドル制御等のエンジン制御を行う。
【0199】
さらに、シフト位置移動信号は、シフト位置移動信号が自動変速機制御装置15からCAN等の通信ラインを介してインジケータコントロールユニットに対して出力され、インジケータコントロールユニットの図示されない通知処理手段は、通知処理を行い、インジケータの点灯制御を行うことによってインジケータ点灯制御等のインジケータ制御を行い、シフトレバー21がレンジ間を移動中であることを運転者に知らせる。
【0200】
次に、自動変速機制御装置15の動作について説明する。
【0201】
図9は本発明の第3の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0202】
まず、自動変速機制御装置15(図1)は、現在のポジションセンサ14の電圧値を読み込み、該電圧値に基づいてポジションセンサ14が故障しているかどうかを判断する。ポジションセンサ14が故障していない場合、前記自動変速機制御装置15の図示されない電圧値判断処理手段は、電圧値判断処理を行い、電圧値があらかじめ設定された各シフト位置の閾値の範囲(領域)内にあるかどうかを判断する。
【0203】
一方、電圧値が前記閾値の範囲内にない場合、シフト位置移動判断処理手段は、シフト位置移動判断処理を行い、シフト位置が移動(ポジション移動)したと判断し、シフト位置の移動がガレージ制御用のシフト位置の移動であるかどうかを判断する。
【0204】
そして、シフト位置の移動がガレージ制御用のシフト位置の移動である場合、前記前出し制御処理手段は、前記自動変速機のガレージ制御において、前記シフト位置移動信号に基づいて前出し制御を行う。すなわち、シフトレバー21が次に設定されるシフト位置に移動し、レンジが設定される前に、そのレンジにおけるガレージ油圧制御が開始される。また、シフト位置の移動がガレージ制御以外の被制御装置の制御、例えば、エンジン制御用のシフト位置の移動である場合は、シフト位置移動信号がエンジンのコントロールユニットに出力され、エンジンの制御が行われるとともに、インジケータの制御におけるシフト位置の移動である場合は、シフト位置移動信号がインジケータのコントロールユニットに出力されてインジケータの点灯制御を行う。
【0205】
このように、本実施の形態においては、シフトレバー21のシフト位置の移動中に、次に設定されるレンジにおける制御を前出し制御で行うことができるので、例えば、ガレージ制御においては、制御遅れが発生するのを低減させて変速ショックが発生するのを効果的に抑制することができる。
【0206】
また、他の被制御装置の制御においても、制御遅れが発生するのを低減させて他の被制御装置の制御を最適に行うことができる。
【0207】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 現在のポジションセンサ14の電圧値を読み込む。
ステップS22 ポジションセンサ14が故障しているかどうかを判断する。ポジションセンサ14が故障している場合は処理を終了し、故障していない場合はステップS23に進む。
ステップS23 電圧値が閾値の範囲内にあるかどうかを判断する。電圧値が閾値の範囲内にある場合は処理を終了し、範囲内にない場合はステップS24に進む。
ステップS24 ガレージ制御用のシフト位置の移動であるかどうかを判断する。ガレージ制御用のシフト位置の移動である場合はステップS25に、ガレージ制御用以外のシフト位置の移動である場合はステップS26に進む。
ステップS25 油圧制御を開始し、処理を終了する。
ステップS26 シフト位置移動信号を出力し、処理を終了する。
【0208】
前記各実施の形態においては、ポジションセンサ14の電圧値が自動変速機制御装置15に送られ、自動変速機制御装置15が前記電圧値に基づいてシフト位置を判断するようになっているが、ポジションセンサ14にシフト位置の判断機能(ポジション判断機能)を持たせ、ポジションセンサ14自体がシフト位置を判断し、その判断結果(判断されたシフト位置及び判断されたレンジ)を自動変速機制御装置15に送り、自動変速機制御装置15から各被制御装置にレンジ情報を送ったり、又は判断されたシフト位置に基づく制御信号を送ったりすることができる。しかも、ポジションセンサ14にシフト位置の判断機能を持たせた場合は、判断結果を自動変速機制御装置15を介することなく、ポジションセンサ14から直接各被制御装置に送ることもできる。
【0209】
また、前記各実施の形態においては、自動変速機として有段の変速機について説明しているが、本発明を無段変速機等の他の変速機に適用することができる。
【0210】
さらに、各レンジの設定も前記実施の形態に限定されることなく、任意に設定することができ、レンジを判断するために基準とする閾値も前記実施の形態に限定されることなく、任意に設定することができる。
【0211】
そして、各実施の形態におけるシフト位置の判断は、運転者のシフトレバー21の操作によるものだけでなく、運転者がシフト操作部材として、プッシュボタンを操作することによって、所定のモータを駆動し、マニュアルバルブをモータによって操作することもできる。すなわち、シフト・バイ・ワイヤ等に適用することができる。
【0212】
本実施の形態においては、パワートレインとして有段の自動変速機を搭載した車両について説明したが、本発明を駆動モータを駆動源とする電動駆動装置、駆動モータ、エンジン及び発電機を駆動源とする電動駆動装置等に適用した場合、ニュートラルレンジにおいて、駆動モータをロックさせたり、スタータモータを駆動するのを許可したりする制御を行い、リバースレンジにおいて、駆動モータを逆方向に駆動したり、リバースランプを点灯したりする制御を行ううことができる。
【0213】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0214】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ポジション判断装置においては、駆動レンジ及び非駆動レンジから成る複数のレンジを備えたパワートレインの前記各レンジを選択するためのシフト操作部材の操作に伴って、連続的な出力値を発生させるポジションセンサと、前記各レンジを判断するための判断基準値としての閾値の組合せから成り、パワートレインについて行われる複数の制御に対して前記閾値が独立して設定されたポジション判断パターンが記録された記録装置と、前記出力値と前記ポジション判断パターンとを比較して、制御ごとの制御用のシフト位置を判断するポジション判断処理手段とを有する。
【0215】
この場合、ポジションセンサによって出力された出力値と、前記各レンジごとの判断基準値としての閾値の組合せから成るポジション判断パターンとが比較され、前記シフト操作部材のシフト位置が判断され、該シフト位置に対応するレンジが判断されるので、制御ごとに最適なレンジ情報を得ることができる。したがって、最適なレンジ情報を用いることによって各制御を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるポジション判断装置の機構部を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における各制御用のシフト位置及びポジションセンサの電圧値を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるシフト位置判断ロジックを説明するブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における閾値の設定方法を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における閾値設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態における閾値の設定方法を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるガレージ制御のシフト位置及びポジションセンサの電圧値を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における前出し制御処理を説明するブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 ポジション判断装置
14 ポジションセンサ
15 自動変速機制御装置
21 シフトレバー

Claims (23)

  1. 駆動レンジ及び非駆動レンジから成る複数のレンジを備えたパワートレインの前記各レンジを選択するためのシフト操作部材の操作に伴って、連続的な出力値を発生させるポジションセンサと、前記レンジを判断するための判断基準値としての閾値の組合せから成り、パワートレインについて行われる複数の制御に対して前記閾値が独立して設定されたポジション判断パターンが記録された記録装置と、前記出力値と前記ポジション判断パターンとを比較して、制御ごとの制御用のシフト位置を判断するポジション判断処理手段とを有することを特徴とするポジション判断装置。
  2. 前記ポジション判断処理手段は、一つのアナログ信号に基づいて前記シフト位置を判断する請求項1に記載のポジション判断装置。
  3. 制御の対象となる複数の被制御装置について前記各制御を行う制御処理手段を有する請求項1に記載のポジション判断装置。
  4. 前記ポジションセンサの現在の出力値を読み込み、該出力値に基づいてポジションセンサが故障しているかどうかを判断し、ポジションセンサが故障していない場合、各制御用のシフト位置について閾値を設定する閾値設定処理手段を有する請求項1に記載のポジション判断装置。
  5. 前記ポジションセンサの現在の出力値を読み込み、該出力値に基づいてポジションセンサが故障しているかどうかを判断し、ポジションセンサが故障している場合、フェール検出時における各制御用のシフト位置を設定し、安全側の出力値領域を表すように各閾値を設定する閾値設定処理手段を有する請求項1に記載のポジション判断装置。
  6. 前記ポジション判断パターンは、少なくとも一つの被制御装置に共通に設定される請求項2に記載のポジション判断装置。
  7. 前記ポジション判断パターンは、変速機について行われる制御に共通に設定される請求項に記載のポジション判断装置。
  8. 前記変速機について行われる制御に共通に設定されるポジション判断パターンは、レンジ圧に基づいて設定され、前記各制御は、フェール検出制御、リニアソレノイド制御、オン・オフソレノイド制御、インジケータ表示制御及びエンジンアイドル制御である請求項に記載のポジション判断装置。
  9. 前記ポジション判断パターンは、レンジ圧、パーキングロック角及びシフトロック角のばらつきに基づいて設定される請求項1に記載のポジション判断装置。
  10. 前記ポジションセンサは、運転者によるシフト操作部材の操作に基づいて、線形の出力値を発生させる請求項1〜のいずれか1項に記載のポジション判断装置。
  11. 前記ポジションセンサは、前記シフト操作部材の操作量を非接触で検出し、前記出力値を電圧値で発生させる請求項1〜10のいずれか1項に記載のポジション判断装置。
  12. 前記ポジション判断パターンは出力値で表された判断基準値の組合せから成る請求項1〜11のいずれか1項に記載のポジション判断装置。
  13. 前記変速機について行われるリニアソレノイド制御において、前記判断基準値は、シフト操作部材を操作することによって発生させられるレンジ圧に基づいて設定される請求項12に記載のポジション判断装置。
  14. 前記変速機について行われるオン・オフソレノイド制御において、前記判断基準値は、シフト操作部材を操作することによって発生させられるレンジ圧に基づいて設定される請求項12に記載のポジション判断装置。
  15. ンジンについて行われるスタートロック制御において、前記判断基準値は、シフト操作部材を操作することによって発生させられるレンジ圧又はシフトロック角に基づいて設定される請求項12に記載のポジション判断装置。
  16. 前記変速機について行われるシフトロック制御において、前記判断基準値は、シフト操作部材を操作することによって発生させられるレンジ圧に基づいて設定される請求項12に記載のポジション判断装置。
  17. 車両について行われるキーロック制御において、前記判断基準値は、パーキングロック角に基づいて設定される請求項12に記載のポジション判断装置。
  18. 前記変速機について行われるフェール検出制御において、前記判断基準値は、シフト操作部材を操作することによって発生させられるレンジ圧に基づいて設定される請求項12に記載のポジション判断装置。
  19. 前記変速機について行われるリバース制御において、前記判断基準値は、シフト操作部材を操作することによって発生させられるレンジ圧に基づいて設定される請求項12に記載のポジション判断装置。
  20. 前記変速機又はエンジンについて行われるエンジンアイドル制御において、前記判断基準値は、シフト操作部材を操作することによって発生させられるレンジ圧に基づいて設定される請求項12に記載のポジション判断装置。
  21. 前記ポジション判断パターンにおいて、複数のレンジについて判断基準値の領域が設定され、隣接する判断基準値の領域間に中間位置の領域が設定されるとともに、前出し制御処理手段は、前記中間位置の領域において、次に設定されるレンジで行われる制御を前出しして行う請求項12に記載のポジション判断装置。
  22. 駆動レンジ及び非駆動レンジから成る複数のレンジを備えたパワートレインの前記各レンジを選択するためのシフト操作部材の操作に伴って、連続的な出力値を発生させるポジションセンサ、並びに前記レンジを判断するための判断基準値としての閾値の組合せから成り、パワートレインについて行われる複数の制御に対して前記閾値が独立して設定されたポジション判断パターンが記録された記録装置を備えたポジション判断装置のポジション判断方法において、前記出力値と前記ポジション判断パターンとを比較して、制御ごとの制御用のシフト位置を判断することを特徴とするポジション判断方法。
  23. 駆動レンジ及び非駆動レンジから成る複数のレンジを備えたパワートレインの前記各レンジを選択するためのシフト操作部材の操作に伴って、連続的な出力値を発生させるポジションセンサ、並びに前記レンジを判断するための判断基準値としての閾値の組合せから成り、パワートレインについて行われる複数の制御に対して前記閾値が独立して設定されたポジション判断パターンが記録された記録装置を備えたポジション判断装置において、コンピュータを、前記出力値と前記ポジション判断パターンとを比較して、制御ごとの制御用のシフト位置を判断するポジション判断処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。
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