JP2878370B2 - 車両用自動変速機の操作装置 - Google Patents

車両用自動変速機の操作装置

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JP2878370B2
JP2878370B2 JP2019308A JP1930890A JP2878370B2 JP 2878370 B2 JP2878370 B2 JP 2878370B2 JP 2019308 A JP2019308 A JP 2019308A JP 1930890 A JP1930890 A JP 1930890A JP 2878370 B2 JP2878370 B2 JP 2878370B2
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    • B60K35/10
    • B60K2360/126
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/02Selector apparatus
    • F16H59/08Range selector apparatus
    • F16H2059/081Range selector apparatus using knops or discs for rotary range selection

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、自動変速機の走行レンジを切り換えるた
めの油圧バルブを駆動するアクチユエータと、このアク
チユエータを制御する制御手段と、この制御手段に変速
切り換え指令を出力する変速操作手段とを備えた車両用
自動変速機の操作装置に関する。
[従来の技術] 一般に車両用自動変速機の操作装置としては、自動変
速機の走行レンジを切り換えるための油圧バルブに直接
機械的に接続され、運転者の手により移動されるように
設定された所の、変速操作手段としてのセレクトレバー
を備えており、運転者はこのセレクトレバーを所望の走
行レンジ位置に移動させることにより、油圧バルブの弁
位置を切り換えて、所望の走行レンジを切り換えるよう
に設定されている。
このような手動式の操作装置においては、セレクトレ
バーと油圧バルブとが、アームやリンク等を介して機械
的に直接接続されているため、セレクトレバーを移動さ
せるために強い操作力が必要となり、軽い操作力で済む
操作装置が要望されていた。
この要望を満足させるべく、近年、例えば、特公昭63
-37729号公報に示されるように、トランスミツシヨン内
の油圧バルブに連結されたワイヤによつて油圧バルブを
制御して走行レンジの切り換えを行なう自動車の自動変
速機において、このワイヤを駆動モータにより駆動する
と共に、電気的スイツチの操作でこの駆動モータを作動
させるようにした電動式レンジ切換装置が提案されてい
る。このような電動式レンジ切換装置によれば、運転者
は単に、電気的スイツチを操作するのみで走行レンジを
駆動モータを介して切り換えることが出来ることとな
り、運転者はこの電気的スイツチを軽い操作力で操作し
て、走行レンジの切り換えを指示することが出来ること
になる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような従来の電動式レンジ切換装
置においては、駆動モータの動作を指示するための電気
式スイツチとして、押ボタン式のスイツチが採用されて
いる。このため、運転者は、例えば、シフトダウンすべ
く、走行レンジをドライブレンジから2速固定レンジに
切り換えようとする際に、間違えなく切り換えるため
に、押し込もうとする2速固定レンジスイツチを注目す
ることとなる。即ち、従来の手動式のセレクトレバーに
おいては、全ての走行レンジがP−R−N−D−2−1
のように一直線状に配置されているので、ドライブレン
ジから後退レンジに直接セレクトレバーが移動すること
は無いが、押ボタン式のスイツチにおいては、押し間違
えて後退レンジスイッチを押すと、車両の前進中におい
て、誤って、後退走行状態が設定され、駆動輪がロツク
してスリツプする事態が発生する虞がある。
このため、電気式スイツチとして設定する走行レンジ
が所定軌跡上に順次並設さられたストローク接点式の操
作スイッチを備え、上述したような押し間違えを確実に
防止することが考えられる。しかしながら、このような
ストローク接点式の操作スイツチでは、操作スイッチを
移動させて走行レンジを切り換える際において、操作ス
イッチを勢い余つて操作して、運転者が意図する走行レ
ンジとは異なる走行レンジが設定されてしまう虞があ
る。この様に操作スイッチがご操作されると、安全走行
上問題である。
この発明は上述した課題に鑑みなされたもので、この
発明の目的は、操作スイッチが誤操作されたとしても、
安全走行を確保することの出来る車両用自動変速機の操
作装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発
明に係わる車両用自動変速機の操作装置は以下の構成を
備える。即ち、 複数の走行レンジと非走行レンジとを含む複数のレン
ジを備える自動変速機に対して該複数のレンジを切り換
えるための油圧バルブを駆動するアクチュエータと、ド
ライバのレンジ切換操作に応じてレンジ切換指令を出力
する変速操作手段と、前記変速操作手段からのレンジ切
換指令に応じて前記アクチュエータを制御する制御手段
とを備えた車両用自動変速機の操作装置において、前記
変速操作手段は、設定されるレンジが所定軌跡上に順次
並設されたストローク接点式の操作スイッチを備え、前
記制御手段は、車両が走行中であるか否かを判定すると
共に、該車両の走行中に前記変速操作手段で1つの走行
レンジから非走行レンジへの切換指令が出力されたこと
を検出したときに前記操作スイッチが誤操作されたと判
定し、前記変速操作手段から他の走行レンジへの切換指
令が出力されたとして前記アクチュエータを制御する。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記車両の走行
中に前記変速操作手段で1つの走行レンジから非走行レ
ンジへの切換指令が出力されたことを検出したときに、
スロットル開度が全閉でない時に限り前記操作スイッチ
が誤操作されたと判定する。
また、この発明に係わる車両用自動変速機の操作装置
は以下の構成を備える。即ち、 複数の走行レンジとニュートラルレンジとを含む複数
のレンジを備える自動変速機に対して該複数のレンジを
切り換えるための油圧バルブを駆動するアクチュエータ
と、ドライバのレンジ切換操作に応じてレンジ切換指令
を出力する変速操作手段と、前記変速操作手段からのレ
ンジ切換指令に応じて前記アクチュエータを制御する制
御手段とを備えた車両用自動変速機の操作装置におい
て、前記変速操作手段は、設定されるレンジが所定軌跡
上にニュートラルレンジ、第1の走行レンジ、第2の走
行レンジの順で並設されたストローク接点式の操作スイ
ッチを備え、前記制御手段は、車両が走行中であるか否
かを判定すると共に、該車両の走行中に前記変速操作手
段から前記第2の走行レンジから前記ニュートラルレン
ジへの切換指令が出力されたことを検出したときに前記
操作スイッチが誤操作されたと判定し、前記第1の走行
レンジへの切換指令が出力されたとして前記アクチュエ
ーターを制御する。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記車両の走行
中に前記変速操作手段から前記第2の走行レンジから前
記ニュートラルレンジへの切換指令が出力されたことを
検出したときに、スロットル開度が全閉でない時に限り
前記操作スイッチが誤操作されたと判定する。
また、好ましくは、前記制御手段により前記操作スイ
ッチが誤操作されたと判定され、前記第1の走行レンジ
へのレンジ切換指令としてアクチュエータの制御が行わ
れていることをドライバに報知する警報手段を更に備え
る。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記操作スイッ
チが誤操作されたと判定し、前記第1の走行レンジへの
レンジ切換指令としてアクチュエータの制御を行なって
いる時に車速が略ゼロになったと判定したならば、該制
御を終了させる。
また、この発明に係わる車両用自動変速機の操作装置
は以下の構成を備える。即ち、 複数の走行レンジとニュートラルレンジとを含む複数
のレンジを備える自動変速機に対して該複数のレンジを
切り換えるための油圧バルブを駆動するアクチュエータ
と、ドライバのレンジ切換操作に応じてレンジ切換指令
を出力する変速操作手段と、前記変速操作手段からのレ
ンジ切換指令に応じて前記アクチュエータを制御する制
御手段とを備えた車両用自動変速機の操作装置におい
て、前記変速操作手段は、設定されるレンジが所定軌跡
上にニュートラルレンジ、第1の走行レンジ、第2の走
行レンジの順で並設されたストローク接点式の操作スイ
ッチを備え、前記制御手段は、車両が走行中であるか否
かを判定すると共に、該車両の走行中に前記変速操作手
段から前記第2の走行レンジから前記ニュートラルレン
ジへの切換指令が出力されたことを検出したときに前記
操作スイッチが誤操作されたと判定し、前記ニュートラ
ルレンジへのレンジ切換指令が出力される直前に前記操
作スイッチによって設定されていたレンジにより前記ア
クチュエータを制御する。
また、この発明に係わる車両用自動変速機の操作装置
は以下の構成を備える。即ち、 複数の走行レンジとニュートラルレンジとを含む複数
のレンジを備えた自動変速機の該複数のレンジを切り換
えるための油圧バルブを駆動するアクチュエータと、ド
ライバのレンジ切換操作に応じてレンジ切換指令を出力
する変速操作手段と、前記変速操作手段からのレンジ切
換指令に応じて前記アクチュエータを制御する制御手段
とを備えた車両用自動変速機の操作装置において、前記
変速操作手段は、ドライバ席の前方で且つ、車幅方向に
延びる回転軸回りに回動自在に配設され、設定されるレ
ンジが回動軌跡上にニュートラルレンジ、第1の走行レ
ンジ、第2の走行レンジの順に並設されたストローク接
点式の操作スイッチを備え、前記制御手段は、車両の減
速度が所定値以上か否かを判定すると共に、該車両の減
速度が所定値以上の時に前記変速操作手段から前記第2
の走行レンジから前記ニュートラルレンジへの切換指令
が出力されたことを検出したときに前記操作スイッチが
誤操作されたと判定し、前記ニュートラルレンジへのレ
ンジ切換指令によるレンジ切換を禁止する。
[作用] 以上のように、請求項1の発明によれば、レンジが所
定軌跡上に順次並設されたストローク接点式の操作スイ
ッチを備えたものにおいて、走行中に1つの走行レンジ
から非走行レンジに設定された時はドライバの誤操作と
判定し他の走行レンジとしてアクチュエータを制御する
ので、ドライバが操作スイッチを勢い余って操作して、
ドライバが意図するレンジとは異なるレンジが設定され
て、走行安定性が損なわれたり、ドライバが違和感を感
じることを防止できる。
また、請求項2の発明によれば、スロットル開度が全
閉でないときのみドライバの誤操作と判定するので、エ
ンジンのオーバーレブの可能性が大きいときのみ非走行
レンジへの切換指令によるアクチュエータの制御を禁止
でき、情性走行時でドライバが意図的にニュートラルレ
ンジにしたような時のドライバの意思と制御との干渉を
防止できる。
また、請求項3の発明によれば、レンジが所定軌跡上
にニュートラルレンジ、第1の走行レンジ、第2の走行
レンジの順に並設されたストローク接点式の操作スイッ
チを備えたものにおいて、走行中に第2の走行レンジか
らニュートラルレンジに設定された時はドライバの誤操
作と判定し、第1の走行レンジとしてアクチュエータを
制御するので、ドライバが操作スイッチを勢い余って操
作して、ドライバが意図するレンジとは異なるニュート
ラルレンジが設定されて、走行安定性が損なわれたり、
ドライバが違和感を感じることを防止できる。
また、請求項4の発明によれば、スロットル開度が全
閉でないときのみドライバの誤操作と判定するので、エ
ンジンのオーバーレブの可能性が大きいときのみ非走行
レンジへの切換指令によるアクチュエータの制御を禁止
でき、情性走行時でドライバが意図的にニュートラルレ
ンジにしたような時のドイラバの意思と制御との干渉を
防止できる。
また、請求項5の発明によれば、第1の走行レンジに
強制的に設定されていることをドライバが認識できる。
また、請求項6の発明によれば、第1の走行レンジに
強制的に設定する必要がない車速が略ゼロの状態では、
ドライバが設定しているレンジ切換指令に応じた制御を
行うので、ドライバが違和感を感じることがない。
また、請求項7の発明によれば、レンジが所定軌跡上
にニュートラルレンジ、第1の走行レンジ、第2の走行
レンジの順に並設されたストローク接点式の操作スイツ
チを備えたものにおいて、走行中に第2の走行レンジか
らニュートラルレンジに設定された時はドライバの誤操
作と判定し、ニュートラルレンジへのレンジ切換指令が
出力される直前に出力されていたレンジ切換指令により
アクチュエータを制御するので、ドライバが操作スイッ
チを勢い余って操作して、ドライバが意図するレンジと
は異なるニュートラルレンジが設定されて、走行安定性
が損なわれたり、ドライバが違和感を感じることを防止
できる。
また、請求項8の発明によれば、ドライバ席の前方で
且つ、車幅方向に延びる回転軸回りに回動自在に配設さ
れ、設定されるレンジが回動軌跡上にニュートラルレン
ジ、第1の走行レンジ、第2の走行レンジの順に並設さ
れたストローク接点式の操作スイッチを備えたものにお
いて、車両の減速度が所定値以上で第2の走行レンジか
らニュートラルレンジに設定された時はドライバの誤操
作と判定し、ニュートラルレンジへのレンジ切換指令が
出力される直前に出力されていたレンジ切換指令により
アクチュエータを制御するので、車両の急減速時に運転
者の体が前に変移して運転者の膝が立ち、この立った膝
で操作スイッチを強制的に操作して、ドライバが意図す
るレンジとは異なるニュートラルレンジが設定されて、
走行安定性が損なわれたり、ドライバが違和感を感じる
ことを防止できる。
[実施例] 以下に、この発明に係わる車両用自動変速機の操作装
置の一実施例の構成を添付図面を参照して、詳細に説明
する。
この一実施例の操作装置10は、第1図に示すように、
自動変速機12の走行レンジの切り換え操作を電動を利用
して軽い操作力で行なうことが出来るように構成されて
おり、また、この自動変速機12は、エンジン14の駆動力
を駆動輪、この一実施例においては前輪(図示せず)に
伝達するよう構成されている。ここで、この自動変速機
12は、走行レンジを切り換えるための油圧バルブ16を備
える通常使用されているタイプであつて、その構成は周
知であるため、ここでの説明を省略する。
そして、この一実施例の操作装置10は、この発明の特
徴をなす操作スイツチ(その詳細な構成及び取り付け態
様の説明は後述する。)18の操作に応じて、上述した油
圧バルブ16を電動により駆動して走行レンジを切り換え
るため電動式走行レンジ切換装置(以下、単に、レンジ
切換装置と呼ぶ。)20を備えている。このレンジ切換装
置16は、可逆転可能な駆動モータ22と、この駆動モータ
22の駆動軸24に固定され、所定半径を有する回転アーム
26と、この回転アーム26の先端と、油圧バルブ16とを連
結する連結ワイヤ28と、操作スイツチ18から出力された
レンジ切り換え指令に基づき、駆動モータ22の駆動状態
を制御する制御ユニツト30とを備えている。
ここで、上述した自動変速機12には、第2図に示すよ
うに、油圧バルブ16による走行レンジの切り換え状態に
応じて、切り換えられた走行レンジ状態を示すインヒビ
タスイツチ32が設けられている。即ち、このインヒビタ
スイツチ32は、バーキングレンジ「P」、後退レンジ
「R」、ニユートラルレンジ「N」、前進ドライブレン
ジ「D」、前進2速レンジ「2」、そして、前進1速レ
ンジ「1」に夫々対応した接点SP、SR、SN、SD、S
2、S1と、油圧バルブ16のレンジ切り換え状態に応じ
て、これら接点SP、SR、SN、SD、S2、S1に選択的
に接触するように回動する旋回レバー32aとを備えてい
る。そして、各接点SP、SR、SN、SD、S2、S1は、
各々制御ユニツト30に接続されており、このようにし
て、インヒビタスイツチ32は、旋回レバー32aが接触し
た接点SP、SR、SN、SD、S2、S1のみからインヒビ
タ信号を制御ユニツト30に出力するように構成されてい
る。
また、上述した駆動モータ22において、これのモータ
軸(図示せず)は、クラツツ機構34を介して駆動軸24に
連結されており、このクラツチ装置34は、上述した制御
ユニツト30により断続制御されるように接続されてい
る。即ち、この制御ユニツト30は、通常状態において、
クラツチ機構34を接続状態に維持して、自動変速機12が
駆動モータ22により電動駆動されるように設定され、後
述するように、制御ユニツト30における切換制御動作が
フエイルしていると判断された際に、フエイルセイフと
して、このクラツチ機構34を切断状態とし、自動変速機
12が駆動モータ22により駆動されないように設定されて
いる。
更に、この駆動モータ22にはロータリエンコーダ36が
接続されており、これの駆動量が常時検出されている。
このロータリエンコーダ36は、制御ユニツト30に接続さ
れ、検出結果を出力している。そして、この制御ユニツ
ト30は、このロータリエンコーダ36からの出力結果を受
けて、駆動モータ22の駆動量、換言すれば、回転アーム
26の回動位置を認識するように構成されている。
一方、上述したレンジ切換装置20には、例えば、制御
ユニツト30の故障時において、手動で自動変速機12を切
り換え駆動するための、手動駆動機構38が接続されてい
る。この手動駆動機構38は、第1図に示すように、上述
した駆動軸24と平行な回動軸線回りに回転可能な回動板
40と、この回動板40の外周に形成されたピニオンギヤ42
と、このピニオンギヤ42に噛合するラツク部材44と、こ
のラツク部材44と上述した回転アーム26の先端とを互い
に連結する第1の補助連結ワイヤ46とを備えている。
尚、この第1の補助連結ワイヤ46は、上述した連結ワイ
ヤ28と一直線状になるように延出するよう設定されてお
り、回動板40の回動により、油圧バルブ16が切り換え駆
動されるようになされている。
ここで、この回動板40の中心部には、摺動回動部材と
してのレンチ48が嵌合する嵌合穴40aが形成されてお
り、このレンチ48を介して、回動板40は任意の位置に手
動により回動することが出来ることになる。尚、このよ
うな回動板40の手動回動に際して、クラツチ機構34が接
続状態であると、駆動モータ22が負荷となり、回転し難
い状態となるので、このクラツチ機構34を機械的に切断
状態とするための切り換えレバー50が設けられ、この切
り換えレバー50は第2の補助ワイヤ52を介してクラツチ
機構34に接続されている。即ち、この切り換えレバー50
が制御位置にある状態において、クラツチ機構34は制御
ユニツト30により制御可能な状態に設定され、切断位置
にある状態において、クラツチ機構34は機械的に切断状
態に設定されることとなる。
尚、この手動駆動機構38は、第3図に示すように、車
室内とエンジンルームとを区切るカウルパネルロア54の
丁度、中央下部の内方に位置するように配設されてお
り、ここに取り付けられた蓋部材54aを取り外すことに
より、回動板40が露出するように設定されている。この
ようにして、制御ユニツト30の故障時において、運転者
は、この蓋部材54aを取り外すことにより、回動板40に
アクセスして、レンチ48を介してこの回動板40を回動駆
動することにより、自動変速機12を直接手動により切り
換え駆動することが出来ることになる。
以上のように構成されるレンジ切換装置20の制御ユニ
ツト30にレンジ切り換え指令を出力するための、この発
明の特徴をなす変速操作手段としての操作スイツチ18に
ついて、第3図以降を参照して、詳細に説明する。
この操作スイツチ18は、第3図に示すように、車室内
において、ステアリングホイール56が回動自在に取り付
けられたステアリングコラム58の左側面、換言すれば、
方向指示レバー60が設けられた側とは反対側であつて、
ワイパ操作レバー62が設けられた側とは同一側に配設さ
れている。この操作スイツチ18は、所謂ストローク接点
式のスイツチとして構成され、詳細には、車幅方向に沿
つて延出する回動軸線回りに回動可能に取り付けられた
ロータリ式スイツチから構成されている。
ここで、この操作スイツチ18のステアリングコラム58
の左側面における配設位置は、第4図に示すように、略
中立位置(即ち、回転角度が0°の位置)にあるステア
リングホイール56の所謂8時20分に位置する両脇部分を
両手で把持した状態において、運転席に着座した運転者
が正面を見た場合に、丁度、ステアリングホイール56の
空間部分を通して、操作スイツチ18を視認することが出
来るように設定されており、また、ステアリングホイー
ル56も、この視認性が確保されるように3本スポークタ
イプ、詳細には、3時、6時、9時方向に沿つて夫々延
出するように設定された3本のスポーク56a,56b,56cを
備えるように構成されている。
また、この操作スイツチ18の配設位置は、ワイパ操作
レバー62との関係においては、第5図に示すように、ワ
イパ操作レバー62がステアリングコラム58の左側面の手
前側上方に設定されているのに対して、この操作スイツ
チ18はステアリングコラム58の左側面の手前側下方に設
定されている。換言すれば、ワイパ操作レバー62と操作
スイツチ18とは、ステアリングコラム58の高さ方向中心
線Cを境に、上下に夫々離間された状態で配設されてい
る。
一方、この操作スイツチ18は、第6図に示すように、
ステアリングコラム58の左側面に一体的に固定される円
環状の取付リング64と、この取付リング64に車幅方向に
沿つて延出する軸線回りに回転自在に軸支されると共
に、軸方向に沿つて押し込み自在に指示されたスイツチ
本体66と、このスイツチ本体66の外周から半径方向外方
に突出すると共に軸方向に沿つて延出するように一体的
に形成された指操作部68と、この指操作部68のステアリ
ングコラム58側の端部に起立した状態(即ち、円周方向
に沿って延出する状態)で一体的に形成された押込み部
70とを備えている。
ここで、第6図から明かなように、指操作部68の正面
端面の図中右端には、ホールドボタン72が、また、押込
み部70の側面の最奥部には、自動変速機12における走行
レンジの切り換えモードを切り換えるためのモード切り
換えボタン74とが夫々配設されている。
尚、ホールドボタン72は、これを押し込まない状態
で、通常のシフト変更状態が規定され、これを押し込む
ことにより、前進ドライブレンジにおいては3速に、前
進2速レンジにおいては2速に、夫々固定されるように
設定されている。また、モード切り換えボタン74は、こ
れが押し込まれない状態で、自動変速機12における走行
レンジの切り換え態様を、ねばり強い走行感を重視した
パワーモード(山道走行に好適する)に規定し、押し込
まれた状態で、経済性を重視したエコノミモード(市内
走行に最適する)にする)に規定するように設定されて
いる。
一方、上述した取付リング64の外周面には、時計方向
に沿つて、パーキングレンジを示す「P」、後退レンジ
を示す「R」、ニユートラルレンジを示す「N」、前進
ドライブレンジを示す「D」、前進2速レンジを示す
「2」、そして、前進1速レンジを示す「1」の英数字
が、順次描かれている。そして、この操作スイツチ18に
おいては、スイツチ本体66が回動することにより、その
回動位置に応じて設定された走行レンジを規定するため
のレンジ切り換え指令を出力するように構成されてお
り、詳細には、丁度、指操作部68の丁度ま横に位置する
英数字で表される走行レンジを達成するように、レンジ
切り換え指令を出力するよう構成されている。即ち、こ
の指操作部68は、現在設定されている走行レンジを指し
示す指標としても機能するものである。
ここで、図示するように、英数字「N」,「D」,
「2」,「1」は、狭い間隔d1で等間隔に順次直列状
態に並べられているが、英字「R」は英字「N」に対し
て、間隔d1より大きく設定された広い間隔d2だけ離間
した状態で並べられ、英字「P」は英字「R」に対して
上述した狭い間隔d1で離間した状態で並べられるよう
に設定されている。また、英数字「N」,「D」,
「2」は、第4図に示すように、運転席に着座した運転
者が正面を見た状態において、丁度、英字「D」を真ん
中に置いて直視することが出来る位置に配設されてい
る。このようにして、ニユートラルレンジ「N」,前進
ドライブレンジ「D」,前進2速レンジ「2」の間で走
行レンジを切り換える動作を実行した場合には、現在何
れの走行レンジが設定されているかは、指操作部68が指
し示す英数字「N」,「D」,「2」を読み取ることに
より瞬時に認識することが出来ることとなり、運転者は
安心して走行レンジを切り換えることが出来ることにな
る。
一方、第4図から明かなように、直視する状態におい
て、英字「R」,「P」は見ることが出来ないことにな
る。この結果、詳細は後述するが、ニユートラルレンジ
「N」から後退レンジ「R」へは、単にスイツチ本体66
を回動するのみでは移行することが出来ず、スイツチ本
体66を軸方向に押し込まなければ移行出来ないように設
定されているのでは、機構上、ニユートラルレンジ
「N」,ドライブレンジ「D」,前進2速レンジ「2」
の間で自由にレンジ切り換えを実行すべく、スイツチ本
体66を回動させる状態において、決して、後退レンジ
「R」が設定されないものであるが、この事は、運転者
が直視する状態において、英字「R」,「P」は見るこ
とが出来ないことにより、ニユートラルレンジ「N」か
ら後退レンジ「R」に入る心配の無いことが心理的にも
担保されることになり、運転者は心から安心して、ニユ
ートラルレンジ「N」,ドライブレンジ「D」,前進2
速レンジ「2」の間で自由に走行レンジの切り換えを実
行することが出来ることになる。
次に、この操作スイツチ18の内部構成について、第7
図乃至第10図を参照して詳細に説明する。
第7図に示すように、操作スイツチ18のスイツチ本体
66は、内方端部に、外方フランジ部66aが一体的に形成
され、車体の車幅方向に沿つて延出した軸部66bを備え
ている。この軸部66bは、自身の中心軸線回りに回転自
在に支持されると共に、軸方向に沿う移動を禁止された
状態で取り付けられている。また、この外方フランジ部
66aの内方の表面の外周部には、接触ロツド66cが軸方向
に沿つて延出した状態で、即ち、ステアリングコラム58
の表面に向けて延出するように取り付けられている。
そして、この外方フランジ部66aが対向するステアリ
ングコラムの表面には、この接触ロツド66cの回転軌跡
に沿つて、上述したインヒビタスイツチ32と同様に、パ
ーキングレンジ「P」、後退レンジ「R」、ニユートラ
ルレンジ「N」、前進ドライブレンジ「D」、前進2速
レンジ「2」、そして、前進1速レンジ「1」に夫々対
応した接点XP、XR、XN、XD、X2、X1が、接触ロツ
ド66cに接触可能に取り付けられている。そして、これ
ら接点XP、XR、XN、XD、X2、X1は、取付リング64
の外周に描かれた走行レンジを夫々表示する英数字の表
示位置に応じた位置に配設されている。
ここで、各接点XP、XR、XN、XD、X2、X1は、各
々制御ユニツト30に接続されており、このようにして、
操作スイツチ18においては、接触ロツド66cが接触した
接点XP、XR、XN、XD、X2、X1から、対応するレン
ジ切り換え指令が制御ユニツト30に出力されることにな
る。
一方、このスイツチ本体66は、軸部66bに対して軸方
向に沿つて移動自在に取り付けられた移動部66dを備え
ている。即ち、この移動部66dには、軸方向に沿つて透
孔66eが形成されており、この透孔66eを軸部66bが貫通
して外方に取り出されることにより、この移動部66d
は、軸部66bの延出方向に沿つて移動可能に支持される
ことになる。ここで、この移動部66dの外周面には、上
述した指操作部68が一体的に形成されている。また、こ
の移動部66dの内方端部は、外方端部に比較して径少に
設定され、上述したリング状の取付リング64内に収納さ
れるよう設定されている。
そして、軸部66bの外方端部には、移動部66dの外方へ
の取り出しを禁止するための係止ナツト66fが螺着され
ている。一方、この移動部66dと外方フランジ部66aとの
間には、コイルスプリング66gが介設されており、移動
部66dは、このコイルスプリング66gの付勢力により、常
時、外方に向けて付勢され、これに外力が作用しない限
りにおいて、上述した係止ナツト66fに当接して、その
位置を弾性的に保持されている。このようにして、この
スイツチ本体66は、通常は外方に付勢されており、上述
した押込み部70を介して軸方向内方に押し込むことによ
り、このスイツチ本体66はコイルスプリングの付勢力に
抗して、軸方向内方へ押し込まれ得ることとなる。
尚、移動部66dの外側面には、上述した係止ナツト66f
を収納するための凹部66hが形成されており、また、こ
の凹部66hを閉塞して、係止ナツト66fを目隠しするため
の目隠し板66iが取り付けられている。
ここで、この操作スイツチ18は、スイツチ本体66を回
動しての走行レンジの切り換えに際して、この回動駆動
を各走行レンジ位置において正確に係止するためのデイ
テント機構76を備えると共に、ニユートラルレンジ
「N」から後退レンジ「R」への切り換え、及び、後退
レンジ「R」とパーキングレンジ「P」との間の切り換
えに際しては、単に、スイツチ本体66を回転するのみで
は切り換えられず、このスイツチ本体66を軸方向に沿つ
て内方に押し込まなければ切り換え動作を行なうことが
出来ないような規制機構78を備えている。
これらデイテント機構76及び規制機構78のために、上
述した取付リング64の外方端は、移動部66dの径少部の
略中程まで延出している。このため、この外方端は、移
動部66dの径大部を規定する段部の端面との間に隙間G
が形成されることになるが、この隙間Gの軸方向長さ
は、後述する移動部66bの軸方向押し込み量よりも僅か
に長く設定されている。ここで、規制機構78は、この取
付リング64の内周面に形成されたガイド溝80と、このガ
イド溝80内に外方端部を嵌入されるてガイドされるよう
に、移動部66bに弾性的に進退自在に取り付けられた1
本のガイドピン82とを備えている。
このガイド溝80は、第8図に示すように、丁度、前進
1速レンジ「1」とパーキングレンジ「P」との間に渡
り形成されており、このガイド溝80とガイドピン82との
嵌合により、前進1速レンジ「1」及びパーキングレン
ジ「P」を越えて、スイツチ本体66が回動することが禁
止されている。ここで、上述したデイテント機構76は、
第7図に示すように、このガイド溝80の底面に、上述し
た配設関係に基づいて、パーキングレンジ「P」、後退
レンジ「R」、ニユートラルレンジ「N」、前進ドライ
ブレンジ「D」、前進2速レンジ「2」、そして、前進
1速レンジ「1」に夫々対応したデイテント穴76P,76R,
76N,76D,762,761を備えており、これらデイテント穴7
6P,76R,76N,76D,762,761は、取付リング64の周方向に沿
う1本の軸線l0上に位置するように設定されている。
尚、各デイテント穴76P,76R,76N,76D,762,761の底面
は、第8図に示すように、取付リング64の内周面から第
1の深さh1だけ半径方向外方に入り込んだ位置に設定
されている。
また、このガイド溝80は、第7図の下部に、周方向形
状を平面上に展開した状態で示すように、前進2速レン
ジ「2」からニユートラルレンジ「N」との間に渡り周
方向l0に沿つて直線状に形成された直線溝部80aと、こ
の直線溝部80aの上端において、ニユートラルレンジ
「N」から軸方向内方に延出(即ち、直線溝部80aと直
交)した第1の横溝部80bと、この第1の横溝部80bの内
方端から後退レンジ「R」まで周方向l0に対して斜め
に延出する傾斜溝部80cと、後退レンジ「R」から軸方
向内方に延出した第2の横溝部80と、パーキングレンジ
「P」から軸方向内方に延出した第3の横溝部80eと、
これら第2及び第3の横溝部80d,80eの互いの内方端同
士を連結するよう周方向l0に沿つて延出する第1の連
結溝部80fと、上述した直線溝部80aの下端において、前
進2速レンジ「2」から軸方向内方に延出した第4の横
溝部80gと、この第4の横溝部80gの内方端から周方向l
0に沿つて前進1速レンジ「1」まで延出した第2の連
結溝部80hとから連続した状態で構成されている。
尚、第1乃至第3の横溝部80b,80d,80eの夫々の延出
長さが、上述したスイツチ本体66の軸方向押し込み量と
して規定されるものであり、これら延出長さは共に同一
長さに設定されている。このようにガイド溝80を構成す
ることにより、前進1速レンジ「1」からニユートラル
レンジ「N」に向けての走行レンジの切り換え、及び、
後退レンジ「R」から前進2速レンジ「2」に向けての
走行レンジの切り換え動作は、単に、スイツチ本体66を
回動させる1動作のみで実行することが出来ることにな
る。しかしながら、ニユートラルレンジ「N」からパー
キングレンジ「P」までの走行レンジの切り換え、パー
キングレンジ「P」と後退レンジ「R」との間の走行レ
ンジの切り換え、並びに、前進2速レンジ「1」から前
進1速レンジ「1」までの走行レンジの切り換え動作
は、各レンジを通過毎に、一旦、スイツチ本体66を軸方
向に沿つて押し込み動作しつつ、回動させると言う2動
作が必要となる。
この結果、上述したスイツチ本体66の回動動作のみで
は、ニユートラルレンジ「N」から後退レンジ「R」へ
の走行レンジの切り換え、及び、後退レンジ「R」とパ
ーキングレンジ「P」との間の走行レンジの切り換え動
作は不可能となり、不用意に、これら切り換え動作が行
なわれることが確実に防止されることとなり、安全走行
状態が確保されることとなる。
また、第8図に示すように、前進2速レンジ「2」と
ニユートラルレンジ「N」との間のガイド溝80の取付リ
ング64の内周面からの深さは、上述してデイテント穴76
P,76R,76N,76D,762,761の取付リング64の内周面からの
深さを各々規定する第1の深さh1よりも僅かに浅く設
定された第2の深さh2を有するように設定され、一
方、前進2速レンジ「2」と前進1速レンジ「1」との
間のガイド溝80及びニユートラルレンジ「N」とパーキ
ングレンジ「P」との間のガイド溝80の深さは、上述し
た第2の深さh2よりも浅い第3の深さh3を有するよう
に設定されている。
この結果、第8図から明かなように、前進1速レンジ
「1」、後退レンジ「R」、パーキングレンジ「P」に
おける夫々のデイテント穴761,76P,76Rの実質的な深さ
(=h1−h3)は、ニユートラルレンジ「N」、前進ド
ライブレンジ「D」、前進2速レンジ「2」における夫
々のデイテント穴76N,76D,762の実質的な深さ(=h1
2)より深くなる。
このようにして、この一実施例においては、各走行レ
ンジ設定位置において、ガイドピン82が対応するデイテ
ント穴76に嵌入することにより、操作停止位置がデイテ
ントされ、運転者は、自らが操作したスイツチ本体66の
停止状態をデイテント感に基づく感触により確認するこ
とが出来ることとなる。
また、この一実施例によれば、前進1速レンジ
「1」、後退レンジ「R」、パーキングレンジ「P」が
夫々設定された状態から、スイツチ本体66を回動し始め
るために必要な回転起動力は、ニユートラルレンジ
「N」、前進ドライブレンジ「D」、前進2速レンジ
「2」が夫々設定された状態から回転し始めるために必
要な回転起動力と比較して、大きな力が必要となるもの
である。換言すれば、運転者は、軽い回動起動力で、ニ
ユートラルレンジ「N」、前進ドライブレンジ「D」、
前進2速レンジ「2」との間で自由に走行レンジの切り
換え動作を行なうことが出来ることとなり、一方、前進
1速レンジ「1」、後退レンジ「R」、パーキングレン
ジ「P」の設定状態を他の走行レンジに切り換えさせる
場合には、対応する深いデイテント穴761,76N,76Pから
抜け出るために強い回動起動力が必要となり、本当に、
この切り換え動作を行なう必要が有るのかとの注意に喚
起されることになり、誤操作が未然に防止されることに
なる。
一方、このガイド溝80に嵌合するガイドピン82は、第
7図に示すように、突出端部の先端が丸められたピン本
体82aと、軸方向略中央部に外方フランジ部82bとから一
体的に形成されている。また、このガイドピン82は、移
動部66dの外周面に形成された凹所84に外方フランジ部8
2bより内方部分が挿入された状態で取り付けられてい
る。ここで、この凹所84は、開口部において、上述した
外方フランジ部82bよりも径大に設定された凹所本体84a
と、この凹所本体84aの開口部に形成され、外方フラン
ジ部82bが丁度挿通されるように設定された径少な内方
フランジ部84bとから構成されている。即ち、この凹所8
4は開口部が狭められた段付き穴から構成されている。
この凹所84内には、上述した段部(即ち、内方フラン
ジ部84bの内端面)に当接し、ピン本体82aの外方フラン
ジ部82bより内方部分が挿通される開口が中央に形成さ
れた係止リング86が収納されている。一方、この凹所84
内には、ガイドピン82の内端面に当接し、これを凹所84
から突出する方向に偏倚するように付勢する第1のコイ
ルスプリング88と、係止リング86の内表面に当接し、こ
れを内方フランジ部84bの段部に圧接するように付勢す
る第2のコイルスプリング90とが互いに独立した状態で
収納されている。
ここで、第9図の(A)に示すように、ガイドピン82
が各デイテント穴761,762,76D,76N,76R,76Pに入り込ん
でその位置を係止された状態において、換言すれば、ガ
イドピン82の先端が、取付リング64の内周面から深さh
1の面に当接する状態において、ガイドピン82の外方フ
ランジ部82aは、段部に当接した係止リング86から(h1
−h2)の距離だけ離間するように設定されている。こ
の結果、第9図の(B)に示すように、前進2速レンジ
「2」とニユートラルレンジ「N」との間のガイド溝80
の底面にガイドピン82の先端が当接する状態において、
各デイテント穴761,762,76D,76N,76R,76Pに嵌入する状
態から、(h1−h2)の距離だけスイツチ本体66の半径
方向内方に押し込められることとなる。
この押し込み動作に際して、外方フランジ部82bは係
止リング86に当接するのみで、これを内方に押し込むこ
とがない。この結果、この押し込み動作に要する押し込
み力は、ガイドピン82にのみ係合する第1のコイルスプ
リング88の付勢力に抗する力であれば良い。
一方、第9図の(C)に示すように、ニユートラルレ
ンジ「N」とパーキングレンジ「P」との間、及び、前
進2速レンジ「2」と前進1速レンジ「1」との間のガ
イド溝80の底面にガイドピン82の先端が当接する状態
で、各デイテント穴761,762,76D,76N,76R,76Pに嵌入す
る状態から、(h1−h3)の距離だけスイツチ本体66の
半径方向内方に押し込められることとなる。ここで、上
述した説明から明かなように、 (h1−h3)>(h1−h2) であるので、この押し込み動作に際して、外方フランジ
部82bは係止リング86に当接して、更にこれを内方に押
し込むこととなる。
この結果、この押し込み動作に要する押し込み力は、
ガイドピン82に係合する第1のコイルスプリング88の付
勢力に抗する力と、係止リング86に係合する第2のコイ
ルスプリング90の付勢力との合計の付勢力に抗する力が
必要となるものである。
このようにして、この一実施例によれば、前進2速レ
ンジ「2」とニユートラルレンジ「N」との間で走行レ
ンジを切り換えるべくスイツチ本体66を回動させる(ガ
イドピン80をガイド溝82に沿つて摺動させる)際におい
て、ガイドピン80とガイド溝82との接触力(即ち、摩擦
係合力)は第1のコイルスプリング88に対抗する力のみ
で規定されることとなり、回動操作力は比較的弱くて済
むことになる。
しかしながら、ニユートラルレンジ「N」とパーキン
グレンジ「P」との間、及び、前進2速レンジ「2」と
前進1速レンジ「1」との間で走行レンジを切り換える
際において、ガイドピン80とガイド溝82との接触力は第
1及び第2のコイルスプリング88,90の付勢力に対抗す
る力で規定されることとなり、回動操作力は大きなもの
が要求されることとなる。この結果、第10図に示すよう
に、回動操作力にも強弱が与えられ、上述したデイテン
ト穴76の深さの相違に基づくスイツチ本体66の停止位置
からの回動起動力の差と相まつて、本当に、この切り換
え動作を行なう必要が有るのかとの注意が喚起されるこ
とになり、誤操作が確実に防止されることになる。
以上のように構成された操作スイツチ18は、上述した
ように、ステアリングコラム58の左側面に取り付けられ
ているものであるが、詳細には、第5図に示す運転状
態、即ち、運転者が両肘を備え付けのアームレスト92
(右肘用のアームレストは図面の都合上図示されていな
い。)に夫々掛けて、リラツクスした姿勢で両手でステ
アリングホイール56の所謂8時20分の位置を握つて運転
する状態において、第11図に示すように、左手の中指を
伸ばして、これが届く位置に、前進1速走行レンジ
「1」からニユートラルレンジ「N」までの範囲に位置
する指操作部68がもたらされるように設定されている。
換言すれば、上述した状態(姿勢)において、左手中
指の回動半径をl1(例えば、130mm)とし、指操作部68
の回動半径をl2とすると、中指の先端の回動軌跡と、
前進1速走行レンジ「1」からニユートラルレンジ
「N」までの範囲に位置する指操作部68の先端の回動軌
跡とが交わるように、操作スイツチ18の回動中心とステ
アリングホイール56の左手の握り位置との間の距離l3
が規定されている。即ち、以下の不等式(1)が満足さ
れる範囲に、l3は規定されている。
3<l1+l2 …(1) このように式(1)を規定することにより、この一実
施例においては、第12図に示すように、前進ドライブレ
ンジ「D」にある指操作部58の先端とステアリングホイ
ール56との間の距離l6は、110mmに設定されている。
また、この第12図に示すように、後退レンジ「R」に
ある指操作部68の先端とステアリングホイール56との間
の距離をl4とすると、この距離l4は以下の不等式
(2)が満足される範囲に規定されており、この一実施
例においては、130mmに設定されている。
4≧l1 …(2) ここで、上述した所の、ニユートラルレンジ「N」と
後退レンジ「R」との間を隔てる間隔d2は、上述した
不等式(2)をも満足するように規定されている。
このように、この一実施例においては、操作スイツチ
18の配設位置は規定されているので、運転者は、両手で
ステアリングホイール56を握つたままの状態で、左手の
中指を伸ばして、操作スイツチ18の指操作部68を上か
ら、または、下から叩くように操作することにより、ス
イツチ本体66を前進1速レンジ「1」とニユートラルレ
ンジ「N」との間で、自由にしかも瞬時に切り換えるこ
とが出来ることになる。この結果、走行中における走行
レンジの切り換えは、両手でステアリングホイール56を
握つたままの状態で行なうことが出来ることとなり、安
全走行状態が確実に達成されることとなる。
また、この一実施例においては、左手がステアリング
ホイール56を握つた状態において、例え中指を伸ばした
としても、後退レンジ「R」が指操作部68の操作可能範
囲外にあるので、ニユートラルレンジ「N」から後退レ
ンジ「R」に切り換え操作することが不可能となる。こ
の結果、前進走行中において、指操作部68を中指で叩く
ことにより自由に走行レンジを前進1速レンジからニユ
ートラルレンジ「N」の間で切り換え操作している間に
おいて、間違って、後退レンジ「R」が設定される事態
が確実に回避されることとなり、走行レンジの切り換え
動作における安全性が、上述した2動作の要求と相まつ
て確実に担保されることになる。
また、後退レンジ「R」またはパーキングレンジ
「P」に切り換えるためには、必ず、左手をステアリン
グホイール56から離さなければならないことになるた
め、後退レンジ「R」またはパーキングレンジ「P」へ
の切り換え動作が、心理的に抑制され、後退レンジ
「R」またはパーキングレンジ「P」への切り換え動作
に際して誤操作が未然に防止されることになり、安全走
行がこの観点からも担保されることとなる。
ここで、第11図に示すように、ワイパ操作レバー62
は、操作スイツチ18の上方であつて、これよりも距離l
5だけ後方に位置するように配設されている。従つて、
ワイパ操作レバー62を操作する場合には、左手のステア
リングホイール56における握り位置を、所謂8時方向位
置(図中、符合Aで示す。)から所謂10時方向位置(図
中、符合Bで示す。)に握り換える必要が生じる。即
ち、操作スイツチ18の回動半径l1での操作回動範囲
と、ワイパ操作レバー62の回動半径l7での操作回動範
囲とは、互いに異なることとなる。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
の指操作部68を下方から叩き上げて、例えば、前進2速
レンジ「2」から前進ドライブレンジ「D」にレンジ切
り換えを行なう場合において、勢い余つて、中指が上方
に振り上げられたとしても、ワイパ操作レバー62を操作
することが無く、操作の確実性が担保されることとな
る。また、ワイパ操作レバー62を上方から押し下げて、
例えば、間欠ワイパモードを設定する場合においても、
この押し下げ動作が勢い余つて、指が下方まで振り下さ
れたとしても、操作スイツチ18の指操作部68に触れる虞
がないので、運転者は安心して、ワイパ操作レバー62を
操作することが出来るものである。
更に、この一実施例においては、操作スイツチ18にお
いて、第13図に示すように、後退レンジ「R」は、スイ
ツチ本体66の外周面であつて、ステアリングホイール56
側で接する垂直線Vよりも距離l8だけ前方に位置する
指操作部68により規定されるように設定されている。換
言すれば、この後退レンジ「R」は、操作スイツチ18と
ステアリングホイール56との間に立つた状態(鋭角に曲
げられた状態)で入り込んだ膝が絶対に届かない位置に
指操作部68を介してスイツチ本体66が回動することによ
り規定されるように設定されている。換言すれば、この
後退レンジ「R」は、上述した不等式(2)で示された
条件の他に、ここで説明したような膝の届かない位置に
設定される条件が加えられた位置に配設されている。
即ち、通常の運転姿勢においては、第14図に実線で示
すように、左足の膝は、決して、操作スイツチ18に届か
ないものであるが、正面衝突時や急ブレーキ作動時にお
いて、運転者がシートベルトを付けていない場合には、
自身に作用する急加速度に基づき、体が全体的に前方に
押し出されることにより、第14図に一点鎖線で示すよう
に、運転者の左足の膝が操作スイツチ18とステアリング
ホイール56との間で立つ姿勢が強制的に達成される虞が
ある。このような膝が立つた姿勢においては、この膝に
より、操作スイツチ18の指操作部68が上方に押し込めら
れ、スイツチ本体66が例えば前進ドライブレンジ「D」
から後退レンジ「R」に向けて強制的に回動されること
となる事態が発生することになる。
この場合、上述したように、前進ドライブレンジ
「D」からニユートラルレンジ「N」へは、単に、スイ
ツチ本体66の回動動作のみで切り換えられることになる
が、ニユートラルレンジ「N」から後退レンジ「R」へ
は、単にスイツチ本体66を回動操作するのみでは切り換
え動作は行なわられず、一旦、スイツチ本体66を軸方向
に沿つて内方に押し込んだ状態で、回動させなければな
らない2動作が要求されている。このため、通常の膝立
ち状態では、ガイドピン82がガイド溝82の第1の横溝部
80bを規定する端壁に当接するのみで、スイツチ本体66
はニユートラルレンジ「N」を規定する位置に保持さ
れ、後退レンジ「R」へは切り換えられ得ない事とな
る。
しかしながら、上述したような正面衝突時や急ブレー
キ時においては、上述した膝立ち状態は、強い力で達成
されることになるので、場合により、ガイドピン82は上
述した端壁を強い力で乗り越えて、後退レンジ「R」が
不本意にも設定されるようにスイツチ本体66が回動して
しまう虞がある。
この結果、例えば急ブレーキが掛けられた時に、立つ
た膝により操作スイツチ18がニユートラルレンジ「N」
から回動して、後退レンジ「R」に回動動作のみで強制
的に切り換えられたとすると、車両はブレーキにより一
旦停止した後、後退レンジ「R」の設定に基づき、引き
続き後退動作を開始することになり、危険である。
しかしながら、この一実施例においては、上述したよ
うに、後退レンジ「R」は、立つた膝が届かない位置に
設定されているので、例え、急加速度が運転者に作用し
て、膝が立つたとしても、最悪の場合でも、ニユートラ
ルレンジ「N」が設定されるのみで、決して後退レンジ
が設定されることなく、安全走行状態が確保されること
となる。
尚、第15図に示すように、運転者における最適なステ
アリングホイール把持姿勢を取ることが出来るようにす
るために、このステアリングホイール56には、二点鎖線
で示すように軸方向に沿つてスライド可能な所謂テレス
コピツク機構や、一点鎖線で示すように上下に移動可能
な所謂チルト機構が、詳細は図示していないが設けられ
ている。ここで、この一実施例においては、例えば、テ
レスコピツク機構が作動した場合において、ステアリン
グホイール56のみがステアリングコラム58から軸方向に
沿つて進退したり、チルト機構が作動した場合におい
て、ステアリングホイール56のみがステアリングコラム
58から上下動するのではなく、ステアリングコラム58も
ステアリングホイール56と一体的に移動するように設定
されている。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
とステアリングホイール56との相対位置関係は常に一定
に保持され、例え、ステアリングホイール56がテレスコ
ピツクされようが、チルトされようが、上述したような
両手でステアリングホイール56を握つた状態での走行レ
ンジの切り換え動作が確実に実行されることとなる。
ここで、再び第2図に示すように、速度計や回転計が
設けられたインスツルメントパネル84の一部には、操作
スイツチ18により設定された走行レンジに基づき、現在
設定された走行レンジを表示するための走行レンジイン
ジケータ96が設けられている。この走行レンジインジケ
ータ96においては、現在設定されている走行レンジに相
当する英数字が点灯するように設定されている。また、
この走行レンジインジケータ96の近傍には、制御ユニツ
ト30において、例えば、操作スイツチ18において指示さ
れた走行レンジと、インヒビタスイツチ32が設定された
走行レンジとが異なる場合に、フエイルであると判断し
て、フエイル発生状態を運転者に認識させるためのA/T
ワーニングランプ98が設けられている。
以上のように構成される操作装置10において、以下
に、運転者による操作スイツチ18を操作しての走行レン
ジ切り換え動作を説明する。
先ず、操作スイツチ18においてパーキングレンジ
「P」が設定されて、車両が停止している状態におい
て、運転者が図示しないドアを空けて車室内に入り込
み、第5図に示すように、運転席にゆつくりと着座し
て、図示しないブレーキペダルを踏み込んだ状態で、右
手で図示しないイグニツシヨンスイツチを回して、エン
ジン14を起動させる。この後、左手でステアリングホイ
ール56を握らずに、操作スイツチ18のスイツチ本体66を
握り込んで、これをコイルスプリング66gの付勢力に抗
して軸方向内方に押し込むことにより、パーキングレン
ジ「P」に対応するデイテント穴76Pからガイドピン82
は抜け出て、第3の横溝部80e内を摺動し、連結溝部80f
の内端部に到達して押し込み動作が停止する。この後
に、スイツチ本体66を下方に回動することにより、ガイ
ドピン82は第1の連結溝部80f内を摺動して、第2の横
溝部82dの内端部に到達して回動動作が停止する。
この後、スイツチ本体66の押し込み力を解除すること
により、コイルスプリング66gの付勢力により、スイツ
チ本体66は全体として軸方向外方に偏倚され、ガイドピ
ン82は第2の横溝部80d内を摺動して、後退レンジ
「R」に対応するデイテント穴76R内に嵌入して停止す
る。このようにして、後退レンジ「R」が切り換え設定
される。
ここで、車両を後退させる場合には、この後退レンジ
「R」が設定された状態でブレーキペダルから足を離
し、アクセルペダルを踏み込むことにより、車両は後退
することとなる。一方、車両を前進させる場合には、再
び、スイツチ本体66を左手で握り込んで下方に回動する
ことにより、ガイドピン82は、傾斜溝部80c内を摺動し
て、第1の横溝部80bの内端部に到達して停止し、引き
続き、コイルスプリング66gの付勢力により、スイツチ
本体66は軸方向外方に偏倚され、ガイドピン82は第1の
横溝部80b内を摺動して、ニユートラルレンジ「N」に
対応するデイテント穴76N内に嵌入して停止する。この
ようにして、ニユートラルレンジ「N」が切り換え設定
される。
このようにニユートラルレンジ「N」が設定された状
態において、運転者は両手の肘をアームレスト92に夫々
掛けて、ステアリングホイール56の所謂8時20分方向位
置を握り、運転姿勢を取ることになる。そして、上述し
たように、このニユートラルレンジ「N」と前進2速レ
ンジ「2」との間の走行レンジの切り換え動作は、単
に、指操作部68を叩いて、スイツチ本体66を回動駆動す
れば良いものである。従つて、運転者は両手でステアリ
ングホイール56を握つた状態を維持しつつ、左手の中指
を伸ばして、ニユートラルレンジ「N」の設定位置か
ら、更に、指操作部68を下方に叩くことになる。この叩
き下げ操作により、ガイドピン82はニユートラルレンジ
「N」に対応するデイテント穴76N内から軽く抜け出
て、直線溝部80a内を摺動して、前進ドライブレンジ
「D」に対応するデイテント穴76D内に嵌入して停止す
る。このようにして、前進ドライブレンジ「D」が切り
換え設定されることとなる。
このように前進ドライブレンジ「D」が設定された状
態で、運転者はブレーキペダルから足を離し、アクセル
ペダルを踏み込むことにより、車両は自動変速された状
態で前進駆動されることとなる。
この後、交差点等で車両を停止させた状態で、ニユー
トラルレンジに切り換え設定する場合には、運転者は両
手でステアリングホイール56を握つた状態で、左手の中
指を伸ばし、操作スイツチ18の指操作部68を下方から叩
き上げることにより、ガイドピン82はドライブレンジ
「D」に対応するデイテント穴76D内から軽く抜け出
て、直線溝部80a内を摺動して、ニユートラルレンジ
「N」に対応するデイテント穴76N内に嵌入して停止す
る。このようにして、ニユートラルレンジ「N」が切り
換え設定されることとなる。
一方、前進走行中において、例えば長い下り坂にかか
り、エンジンブレーキを必要とする場合には、運転者は
両手でステアリングホイール56を握つた状態で、左手の
中指を伸ばし、操作スイツチ18の指操作部68を上方から
叩き下げることにより、ガイドピン82はドライブレンジ
「D」に対応するデイテント穴76D内から軽く抜け出
て、直線溝部80a内を摺動して、前進2速レンジ「2」
に対応するデイテント穴762内に嵌入して停止する。こ
のようにして、前進2速レンジ「2」が切り換え設定さ
れることとなる。
また、前進走行中において、例えば急な下り坂にかか
り、強いエンジンブレーキを必要とする場合には、運転
者は両手でステアリングホイール56を握つた状態で、左
手の中指を伸ばし、操作スイツチ18の押込み部70をコイ
ルスプリング66gの付勢力に抗して軸方向内方に押し込
むことにより、前進2速レンジ「2」に対応するデイテ
ント穴762からガイドピン82は抜け出て、第4の横溝部8
0g内を摺動し、第2の連結溝部80fの上端部に到達して
押し込み動作が停止する。この後に、押込み部70を押し
込んでいた中指で指操作部68を下方に回動する(即ち、
上方から叩き下げる)ことにより、ガイドピン82は第2
の連結溝部80h内を摺動して、前進1速レンジ「1」を
規定するデイテント穴761内に嵌入して停止する。この
ようにして、前進1速レンジ「1」が切り換え設定され
ることになる。
このように、前進1速レンジ「1」を設定することに
より強力なエンジンブレーキは達成されることになる
が、このような強力なエンジンブレーキが高速走行中に
おいて誤操作により設定されると、安定走行性が損なわ
れる虞がある。このため、この一実施例では、既に説明
したように、前進2速レンジ「2」から前進1速レンジ
「1」に切り換える場合には、左手はステアリングホイ
ール56を握つたままの状態ではあるが、押し込みと回動
という2動作が要求されることとなり、単に、指操作部
68を回動するのみでは、前進1速レンジ「1」が設定さ
れないように構成されている。
この結果、前進2速レンジ「2」とニユートラルレン
ジ「N」との間で、軽い操作力で走行レンジの切り換え
操作を実行している状態で、安易に、前進1速レンジ
「1」が切り換え設定されることが阻止されると共に、
前進2速レンジ「2」から前進1速レンジ「1」を切り
換え設定するために、特別の注意力が要求され、誤つて
前進1速レンジが切り換え設定されることが効果的に防
止されることになる。
即ち、この一実施例においては、車両を前進走行させ
ている間においては、運転者は両手でステアリングホイ
ール56を握つた状態を維持させつつ、走行レンジを前進
2速レンジ「2」とニユートラルレンジ「N」の間で変
更させる場合において、単に、左手の中指を伸ばして操
作スイツチ18の指操作部68を上方または下方から軽く叩
くようにしてスイツチ本体66を回動させることにより、
左手をステアリングホイール56から離すことなく、即
ち、両手でステアリングホイール56を握つた状態で、こ
のような前進走行における走行レンジの切り換え動作を
行なうことが出来ることとなり、ステアリングホイール
56の操作における安全性は高い程度で達成されることと
なる。
また、前進2速レンジ「2」から前進1速レンジ
「1」を切り換え設定する場合には、左手の中指を伸ば
して操作スイツチ18の押込み部70を一旦軸方向に沿つて
押し込んだ後、指操作部68を上方強く叩くようにしてス
イツチ本体66を回動させることにより、左手をステアリ
ングホイール56から離すことなく、即ち、両手でステア
リングホイール56を握つた状態で、このような強力なエ
ンジンブレーキを掛けるための走行レンジの切り換え動
作を行なうことが出来ることとなり、ステアリングホイ
ール56の操作における安全性は、同様に、高い程度で達
成されることとなる。
一方、前進走行から後退させる場合には、上述した動
作により一旦ニユートラルレンジ「N」を設定した後に
おいて、左手をステアリングホイール56から離し、この
離した左手の中指で押込み部70をコイルスプリング66g
の付勢力に抗して軸方向内方に押し込み動作する。この
押し込み動作により、ニユートラルレンジ「N」に対応
するデイテント穴76Nからガイドピン82は抜け出て、第
1の横溝部80b内を摺動し、傾斜溝部80cの下端部に到達
して押し込み動作が停止した後に、指操作部68を上方に
叩くことにより、ガイドピン82は傾斜溝部80c内を摺動
して、これの上端部に到達し、後退レンジ「R」に対応
するデイテント穴76R内に嵌入して停止する。このよう
にして、後退レンジ「R」が切り換え設定されることに
なる。
また、後退レンジ「R」からパーキングレンジ「P」
に切り換える場合には、上述したパーキングレンジ
「P」から後退レンジ「R」に切り換える動作の全く逆
の動作を実行することにより、達成されることになる。
即ち、従来の車両において、変速機が手動変速式であ
ろうと、自動変速式であろうと、また、コラムシフトレ
バーを備えるタイプであろうと、フロアシフトレバーを
備えるタイプと、手動変速における変速動作または自動
変速における走行レンジ切り換え動作を行なう場合に
は、必ず、左手をステアリングホイール56から離して動
作せざるを得ず、所謂片手運転の状態が発生して、安全
性の観点から好ましくなかつたが、この一実施例におい
ては、この問題が一挙に解決され、走行レンジの切り換
え動作に際して、左手をステアリングホイール56から離
すことなく、換言すれば、両手でステアリングホイール
56を握り締めたままの状態でこの切り換え動作を行なう
ことが出来、安全面の上で飛躍的に改良された新規な運
手動作が達成されることとなる。
また、この一実施例によれば、変速レンジを切り換え
るための操作スイツチ18は、ステアリングコラム58の左
側面に取り付けられるよう設定されていると共に、前輪
駆動方式が採用されている。この結果、運転席と助手席
との間のフロアは、略平坦に形成され得ることとなり、
運転席回りの空間が「すつきり」と整理された状態とな
る。このようにして、あたかも、この運転席が応接室の
床上に載置された様な豪華な状況が達成され、車室内の
環境が、両腕の肘を夫々アームレスト92に掛けた状態で
リラツクスした運転姿勢を取ることが出来ることと相ま
つて、非常に「ゆつくり」とした雰囲気を醸し出すこと
となり、余裕のある安全な運転状況が自然と達成される
こととなる。
次に、第16図乃至第27図を参照して、上述した構成の
操作スイツチ18を介しての走行レンジの切り換え動作に
基づき、自動変速機12を電動駆動制御するための制御系
について説明する。
この制御系は、主として、上述した操作スイツチ18に
備えられた信号発生機構100と、この信号発生機構100か
ら出力された走行レンジ切り換え信号及びレンジ設定信
号に基づき、電動式走行レンジ切換装置20の駆動モータ
22を駆動して、操作スイツチ18において新に設定された
走行レンジに自動変速機12が即座に設定されるように制
御する制御ユニツト30とから構成されている。先ず、操
作スイツチ18の信号発生機構100に関して詳細に説明す
る。
この信号発生機構100は、第7図を参照してに既に概
略示したように、ステアリングコラム58の左側面に規定
された絶縁部分上には、各走行レンジ「P」,「R」,
「N」,「D」,「2」,「1」に各々対応した状態で
形成された接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1と、スイツチ本体
66の外方フランジ部66aに固定され、スイツチ本体66の
回動動作に応じて、接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1に順次接
触する接触ロツド66cとから構成されている。
詳細には、接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1は、第16図に示
すように、スイツチ本体66の回動方向に沿つて円弧状に
延出し、全ての接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1に渡り連続し
た状態で形成された給電端子φ0と、この給電端子φ0
側方に、スイツチ本体66の回動方向に沿つて一列状に順
次配列され、各接点XP,XR,XN,XD,X2,X1毎に独立した状
態で形成された第1の接触端子φ1と、対応する第1の
接触端子φ1の側方に、スイツチ本体66の回動方向に沿
つて一列状に順次配列され、各接点群XP,XR,XN,XD,X2,
X1毎に固有に形成され第2の接触端子φ2P,φ2R
φ2N,φ2D,φ22,φ21とから構成されている。
ここで、給電端子φ0は、図示しない抵抗を介して、
図示しないバツテリに接続されている。また、各第1の
接触端子φ1は、図示するように、スイツチ本体66の回
動方向に沿つて延出し、一定の中心角度θ1を有する扇
状(図示する状態においては、図面の都合上、矩形状に
して表している。)に形成され、互いに隣接する同士が
所定中心角度θ2等間隔で離間するように設定されてい
る。そして、各第1の接触端子φ1は、接触ロツド66cの
摺動方向とは直交する方向に沿つて各々の端縁から一旦
側方に向けて延出する分岐接続ライン102aと、これら分
岐接続ライン102aを共通に連結し、接触ロツド66cの摺
動方向に沿つて延出する主接続ライン102bとから構成さ
れる第1の接続ライン102により、電気的に共通に接続
されており、この第1の接続ライン102の端部が第1の
出力端子104として規定されている。
一方、各第2の接触端子φ2P,φ2R,φ2N,φ2D,φ
22,φ21は、接触ロツド66cの摺動方向に沿つて延出
し、上述した中心角度θ1を有する扇状に形成されると
共に、操作スイツチ18の正の操作方向(ここで、この正
の操作方向をパーキングレンジ「P」から前進1速レン
ジ「1」に向けての操作方向として規定し、逆の操作方
向を前進1速レンジ「1」からパーキングレンジ「P」
に向けての操作方向として規定する。)に沿つて所定中
心角度θ3だけ全体的にオフセツトするように設定され
ている。
ここで、このオフセツト量(角度)θ3は、第1の接
触端子φ1の離間角度θ2よりも小さい値に設定されてい
る。従つて、所定の走行レンジの第2の接触端子φ
2と、隣接する走行レンジの第1の接触端子φ1とは、
(θ2−θ3)の中心角度だけ完全に離間し、また、所定
の走行レンジの第1の接触端子φ1と、隣接する走行レ
ンジの第2の接触端子φ2とは、同様に(θ2−θ3)の
中心角度だけ完全に離間することとなる。即ち、この完
全離間角度(θ2−θ3)だけ、互いに隣接する走行レン
ジの接点XP,XR,XN,XD,X2,X1間は完全に離間することに
なる。
尚、第16図においては、理解を容易にするため、各第
2の接触端子φ2P,φ2R,φ2N,φ2D,φ22,φ21は、
接触ロツド66の摺動方向に関して、重ならないように配
設されるよう描かれているが、実際には、第17図に示す
ように、接触ロツド66cの走行方向に沿つて一列状に、
互いに独立した状態で配列されている。また、各第2の
接触端子φ2P,φ2R,φ2N,φ2D,φ22,φ21は、接触
ロツド66cの摺動方向とは直交する方向に沿つて各々の
端縁から一旦側方に向けて延出した後、接触ロツド66c
の摺動方向に沿つて延出する接続ライン106a〜106fによ
り各々外方に取り出されており、これら第2の接続ライ
ン106a〜106fの各々の端部が第2の出力端子108a〜108f
として規定されている。
一方、上述した接触ロツド66cは、スイツチ本体66が
回動された状態で、常時、給電端子φ0と接触する第1
の摺動ブラシ66c1と、第1の接触端子φ1に選択的に接
触する第2の摺動ブラシ66c2と、第2の接触端子φ2P
φ2R,φ2N,φ2D,φ22,φ21に選択的に接触する第3
の摺動ブラシ66c3とを備えており、これら第1乃至第3
の摺動ブラシ66c1,66c2,66c3は、スイツチ本体66の回動
に応じて一体的に移動すると共に、接触ロツド66cの移
動方向に直交する方向に沿つて一列状に配列されてい
る。
ここで、第2及び第3の摺動ブラシ66c2,66c3は、上
述した完全離間量(θ2−θ3)よりも小さく設定された
直径を有する円形状に形成された接触端面(摺動面)を
備えるように夫々構成されている。また、第1の摺動ブ
ラシ66c1及び第2の摺動ブラシ66c2と、第1の摺動ブラ
シ66c1と第3の摺動ブラシ66c3とは、夫々互いに電気的
に接続されている。
この結果、操作スイツチ18の操作、即ち、スイツチ本
体66の回動に伴ない、第1の出力端子104及び第2の出
力端子108a〜108fからは、第16図のタイミングチヤート
部分に示す波形の信号が出力されることになる。詳細に
は、第1の出力端子104からは、第2の接触ブラシ66c2
が絶縁部分に接触している間は「L」レベル信号が出力
され、第1の接触端子φ1に接触している間は、「H」
レベル信号が出力されている。また、各第2の出力端子
108a〜108fからは、第3の接触ブラシ66c3が絶縁部分に
接触している間は「L」レベル信号が出力され、対応す
る第2の接触端子φ2P,φ2R,φ2N,φ2D,φ22,φ21
に各々接触している間は「H」レベル信号が出力されて
いる。
そして、この一実施例においては、第1の出力端子10
4からの「H」レベル信号と、第2の出力端子108a〜108
fの何れかからの「H」レベル信号とにより、操作スイ
ツチ18により現在設定される走行レンジを示すレンジ設
定信号が規定され、一方、第1の出力端子104からの
「L」レベル信号と、第2の出力端子108a〜108fからの
「L」レベル信号とにより、操作スイツチ18により走行
レンジの切り換え動作が開始された事を示す走行レンジ
切り換え信号が規定されている。
ここで、スイツチ本体66の回動により、次の走行レン
ジが設定される場合には、第1の出力端子104及び第2
の出力端子108a〜108fからは、以下に述べるような順序
で信号が出力されることになる。
即ち、現在、例えば、ニユートラルレンジ「N」が設
定された状態から、スイツチ本体66が正方向に回動され
た場合、第18A図に示すように、第1の出力端子104及び
第2の出力端子108cから「H」レベル信号が共に出力さ
れた状態から、先ず、ニユートラルレンジ「N」の第1
の接触端子φ1から第2の摺動ブラシ66c2が外れて、第
1の出力端子104の出力が「H」レベルから「L」レベ
ルに立ち下がり、引き続き、第3の摺動ブラシ66c3がニ
ユートラルレンジ「N」の第2の接触端子φ2Nから外れ
て、第2の出力端子108cの出力が「H」レベルから
「L」レベルに立ち下がる。このようにして、第1及び
第2の出力端子104,108a〜108fの何れからも「L」レベ
ル信号、即ち、走行レンジ切り換え信号が出力されるこ
とになる。
この後、正方向に隣接する前進ドライブレンジ「D」
の第1の接触端子φ1に第2の摺動ブラシ66c2が接触
し、第1の出力端子104の出力が「L」レベルから
「H」レベルに立ち上がり、引き続き、所定時間遅れた
状態で、前進ドライブレンジ「D」の第2の接触端子φ
2Dに第3の摺動ブラシ66c3が接触し、第2の出力端子10
8eの出力が「L」レベルから「H」レベルに立ち上がる
こととなる。即ち、前進ドライブレンジを示すレンジ設
定信号が出力されることになる。
一方、現在、例えば、前進ドライブレンジ「D」が設
定された状態から、スイツチ本体66が逆方向に回動され
た場合、第18B図に示すように、第1の出力端子104及び
第2の出力端子108dから「H」レベル信号が共に出力さ
れた状態から、先ず、前進ドライブレンジ「D」の第2
の接触端子φ2から第3の摺動ブラシ66c3が外れて、第
2の出力端子108dの出力が「H」レベルから「L」レベ
ルに立ち下がり、引き続き、第2の摺動ブラシ66c2が前
進ドライブレンジ「D」の第2の接触端子φ1から外れ
て、第1の出力端子104の出力が「H」レベルから
「L」レベルに立ち下がる。このようにして、第1及び
第2の出力端子104,108a〜108fから何れも「L」レベル
信号、即ち、走行レンジ切り換え信号が出力されること
になる。
この後、逆方向に隣接するニユートラルレンジ「N」
の第2の接触端子φ2Nに第3の摺動ブラシ66c3が接触
し、第2の出力端子108cの出力が、「L」レベルから
「H」レベルに立ち上がり、引き続き、所定時間遅れた
状態で、ニユートラルレンジ「N」の第1の接触端子φ
1に第2の摺動ブラシ66c2が接触し、第1の出力端子104
の出力が、「L」レベルから「H」レベルに立ち上がる
こととなる。即ち、ニユートラルレンジを示すレンジ設
定信号が出力されることになる。
この結果、詳細は後述するが、制御ユニツト30は、第
1及び第2の出力端子104,108a〜108fからの出力レベル
の立ち上がる順序を監視し、第1の出力端子104からの
出力が先に立ち上がり、引き続き第2の出力端子108a〜
108fの何れかからの出力を立ち上がることを検出するこ
とにより、操作スイツチ18が正方向に操作されたことを
判別し、一方、第2の出力端子108a〜108fの何れかから
の出力が先に立ち上がり、引き続き第1の出力端子104
からの出力が立ち上がることを検出することにより、操
作スイツチ18が逆方向に操作されたことを判別するよう
に構成されている。このようにして、操作スイツチ18の
操作に際して、制御ユニツト30は、その行き先(即ち、
停止目標位置)は当初不明ではあるが、少なくとも、操
作スイツチ18の操作方向が正方向であるか逆方向である
かの認識することが出来ることになる。
また、この一実施例においては、第1の出力端子104
からの出力の立ち上がりと、第2の出力端子108a〜108f
の何れかからの出力の立ち上がりという2つの立ち上が
り信号に基づいて、操作スイツチ18の操作方向の正・逆
何れかの判断を行なうように構成されている。この結
果、単一の立ち上がり信号に基づき回転方向を判断する
場合と比較して、ノイズによる誤動作が発生に難くなる
効果が得られることになる。即ち、信号発生機構100か
らの信号は、この一実施例においては、接触端子と接触
ロツド66cとの接触・非接触動作に基づき変化する出力
により構成されるものであるが、このような接触状態の
変化に基づき信号が規定される場合には、ノイズが発生
する虞が多大にある。このようなノイズが立ち上がり信
号として認識されると、単一の立ち上がり信号に基づき
回転方向を判断する場合には、このノイズにより回転方
向が誤認識され、未だ操作スイツチ18が確定操作されて
いないにも拘らず自動変速機12において走行レンジの切
り換え動作が開始されてしまうことになる。しかしなが
ら、この一実施例においては、上述したように2つの立
ち上がり信号に基づき回転方向を認識しているので、ノ
イズによる誤動作の可能性が極めて軽減され、信頼性の
高い回転方向判別が行なわれることになる。
尚、第16図に示す符合aは、各々の走行レンジにおけ
る第1の接触端子φ1と第2の接触端子φ2との共通延出
部分の範囲を示しており、その長さは、a=θ1−2×
θ3で表されることになる。ここで、この範囲aで示す
領域に対応する接触ロツド66cが至る状態において、上
述したデイテント機構により、操作スイツチ18において
は、機械的に、走行レンジ設定位置が機械的に規定さ
れ、停止されるように設定されている。
次に、第17図を参照して、この操作スイツチ18と制御
ユニツト30との接続状態を説明する。
即ち、第1の接触端子φ1用の出力端子104は、第1の
パルス発生回路110を介して第1のオアゲート回路112の
一方の入力端に接続されている。また、第2の接触端子
群φ2P〜φ21用の夫々の出力端子108a〜108fは、第2の
オアゲート回路114の入力端に夫々接続されており、こ
の第2のオアゲート回路114の出力端子は、第2のパル
ス発生回路116を介して上述した第1のオアゲート回路1
12の他方の入力端に接続されている。ここで、第1及び
第2のパルス発生回路110,116は、入力信号の立ち下が
りに応じて、ワンパルスを出力するように夫々構成され
ている。また、第1のオアゲート回路112の出力端は、
制御ユニツト30における制御手順を実行するCPUの第1
のインタラプト端子INT1に接続されている。
一方、第1の接触端子φ1用の出力端子104は、第3の
パルス発生回路118を介して第3のオアゲート回路120の
一方の入力端に接続されている。また、第2のオアゲー
ト回路114の出力端は、第4のパルス発生回路122を介し
て上述した第3のオアゲート回路120の他方の入力端に
接続されている。ここで、第3及び第4のパルス発生回
路118,122は、入力信号の立ち上がりに応じて、ワンパ
ルスを出力するように夫々構成されている。また、第3
のオアゲート回路120の出力端は、制御ユニツト30にお
ける制御手順を実行するCPUの第2のインタラプト端子I
NT2に接続されている。
また、各第2の出力端子108a〜108fは、8×2のマル
チプレクサ回路124の一方の入力端子群に接続され、ま
た、第1の出力端子104と第2のオアゲート回路114の出
力端とは、このマルチプレクサ回路124の他方の入力群
端子に接続されている。ここで、このマルチプレクサ回
路124は、これの制御端子に「L」レベル信号が入力さ
れている場合には、一方の入力端子群に入力されている
信号をCPUの入力ポートに出力し、また、これの制御端
子に「H」レベル信号が入力されている場合には、他方
の入力端子群に入力されている信号をCPUの入力ポート
に出力するように構成されている。
ここで、このCPUには、リアルタイムカウンタRTCが接
続されている。このリアルタイムカウンタRTCは、5チ
ヤンネルに構成され、夫々のチヤンネルにおいて、対応
するタイマが起動されると、予め設定された時間がタイ
ムアツプすることにより、CPUに対してタイムアツプ信
号が出力されるように設定されている。そして、このCP
Uは4チヤンネルの何れかのタイマからタイムアツプ信
号が入力されることにより、フエイル状態と判定して、
所定のフエイルセイフ動作を実行するように設定されて
いる。尚、各チヤンネルにおけるタイマは、タイマリセ
ツト信号の入力により、カウントアツプ動作を停止し、
初期状態に復帰して待機するように構成されている。
また、このCPU22は、サーボアンプ126を介して駆動モ
ータ22に接続されており、このサーボアンプ126は、駆
動モータ22の回転方向を規定するデイレクシヨンラツチ
回路DIRと、駆動モータ22の駆動力を規定するエナーブ
ルラツチ回路ENAと、これらデイレクシヨンラツチ回路D
IRとエナーブルラツチ回路ENAの出力を増幅して駆動モ
ータ22に伝達する増幅器AMPとを備えている。このデイ
レクシヨンラツチ回路DIRは、ここに、「1」信号が入
力されることにより、駆動モータ22を正転駆動する正転
信号を出力し、「0」信号が入力されることにより、駆
動モータ22を逆転駆動する逆転信号を出力するように構
成されている。また、エナーブルラツチ回路ENAは、こ
こに、「1」信号が入力されることにより、所定電圧で
駆動モータ22を駆動する駆動信号を出力し、「0」信号
が入力されることにより、駆動モータ22に電圧を印加し
ないように設定されている。
尚、CPUは、後述する回転方向判別ルーチンにおい
て、操作スイツチ18の回転方向が判別され、この判別さ
れた回転方向に基づいて、駆動モータ22が回転駆動され
た後、操作スイツチ18において新に設定された走行レン
ジと、自動変速機12のインヒビタスイツチ32におけるイ
ンヒビタ信号が一致した時点で、駆動モータ22の回転駆
動を停止するように制御するルーチンをメインルーチン
として備えており、一方でCPUの第1または第2のイン
タラプト端子INT1,INT2にパルス信号が入力された時点
において、メインルーチンがインタラプトされ、第1及
び第2の割り込みルーチンを夫々別途割り込み実行する
ように構成されている。
次に、第19A図乃至第27図を参照して、このCPUにおけ
る制御手順を説明する。
先ず、第19A図を参照して、このCPUにおけるメインル
ーチンを説明する。
このメインルーチンにおいては、先ず、ステツプS11
において、インヒビタスイツチ32からのインヒビタ信号
(INH)に基づき、現在、自動変速機12において設定さ
れた走行レンジ(SR1)を読み込み動作する。そして、
ステツプS13において、マルチプレクサ回路MUXの制御端
子に「L」レベル信号を出力し、CPUの入力端子には、
これの一方の入力端子に接続された信号、即ち、第2の
出力端子108a〜108fから出力された信号が入力されるこ
とになる。この後、ステツプS15において、第2の出力
端子108a〜108fからの信号に基づいて、現在、操作スイ
ツチ18において設定されている走行レンジ(SRS)を読
み込み動作する。
そして、ステツプS17において、図示しないスロツト
ルボデイにおけるスロツトル開度TVOを読み込み、ステ
ツプS19において、車両の走行速度Vを読み込む。この
後、ステツプS21において、後述する特別制御が実行さ
れている事を示すフラグF(特)が「1」であるか否か
が判別される。このフラグF(特)は、一旦、特別制御
が実行されない限り「0」が設定されている。ここで、
このステツプS21においてNOが判断される場合、即ち、
いまだ特別制御が実行されていないと判断される場合に
は、ステツプS23乃至ステツプS29において、特別制御を
実行するための4つの開始条件が成立したか否かが判断
される。そして、4つの開始条件がすべて成立した場合
にのみ、ステツプS31において特別制御の実行が開始さ
れ、4つの開始条件の中で少なくとも1つの条件が成立
しない場合には、ステツプS33において通常制御が実行
される事になる。
尚、この一実施例においては、通常制御とは、操作ス
イツチ18において設定された走行レンジは、自動変速機
12における走行レンジが一致する様に、駆動モータ22を
駆動制御する制御手順であり、特別制御とは、上述した
通常制御を実行すると、誤操作による安全性が担保され
ずに、問題が生じる場合に実行される所の、例外的な制
御手順として夫々規定されている。これら通常制御と特
別制御の詳細は、夫々、第19B図及び第19C図を参照し
て、後に、詳細に説明する。
ここで、ステツプS33において通常制御が実行される
と、制御手順は、上述したステツプS11に復帰し、この
ステツプS11以降の制御手順を実行し、一方、ステツプS
31において特別制御が実行されると、ステツプS35にお
いてフラグF(特)を「1」にセツトして、制御手順は
上述したステツプS11に復帰して、このステツプS11以降
の制御手順を実行する。
ここで、上述した4つの開始条件とは、 (1)現在、自動変速機12において設定された走行レン
ジ(SR1)が、前進1速レンジ「1」または、前進2速
レンジ「2」である事、 (2)車両が少なくとも走行中であるとみなされる速度
で走行している事、即ち、走行速度Vが0km/h近傍にな
く、具体的には、走行速度Vが10km/h以上である事、 (3)操作スイツチ18が操作され、これにより新たに設
定される走行レンジ(SRS)が、ニユートラルレンジ
「N」である事、そして、 (4)アクセルペダルが踏み込まれて、スロツトル弁が
開かれて、スロツトル開度TVOが所定の値を有する事で
ある。
これら4つの開始条件の成立状態を判別するため、こ
の一実施例においては、まず、ステツプS23において、
上述した第1の開始条件(1)の成立を判別するため、
現在、自動変速機12において設定された走行レンジ(SR
I)が、前進1速レンジ「1」であるか、または、前進
2速レンジ「2」であるかが判別される。このステツプ
S23においてNOと判別された場合、即ち、自動変速機12
において設定された走行レンジ(SRI)が、前進1速レ
ンジ「1」及び前進2速レンジ「2」以外の走行レンジ
であると判断された場合には、ステツプS33に飛んで、
通常制御を実行する。一方、ステツプS23においてYESと
判断された場合、即ち、自動変速機12において設定され
た走行レンジ(SRI)が、前進1速レンジ「1」または
前進2速レンジ「2」であると判断される場合には、引
き続くステツプS25に進み、これを実行する。
このステツプS25においては、上述した第2の開始条
件(2)の成立を判別するため、走行速度Vが0km/h近
傍であるか否かが判別される。このステツプS25におい
てYESと判断される場合、即ち、現在の走行速度が0km/h
近傍にあり、車両が少なくとも走行中であるとみなされ
る速度で走行していないと判断される場合には、ステツ
プS33に飛んで、通常制御を実行する。一方、ステツプS
25においてNOと判断された場合、即ち、車両が少なくと
も走行中であるとみなされる速度で走行していると判断
される場合には、引き続くステツプS27に進み、これを
実行する。
このステツプS27においては、上述した第3の開始条
件(3)の成立を判断するため、操作スイツチ18が操作
されて、新たに設定された走行レンジ(SRS)が、ニユ
ートラルレンジ「N」であるか否かが判断される。この
ステツプS27において、NOと判断される場合、即ち、操
作スイツチ18が操作されて、新たに設定された走行レン
ジ(SRS)が、ニユートラルレンジ「N」以外の走行レ
ンジであると判断される場合には、ステツプS33に飛ん
で、通常制御を実行する。一方、ステツプS27においてY
ESと判断される場合、即ち、操作スイツチ18が操作され
て、新たに設定された走行レンジ(SRS)が、ニユート
ラルレンジ「N」であると判断される場合には、引き続
くステツプS29に進み、これを実行する。
このステツプS29においては、上述した第4の開始条
件(4)の成立を判断するため、スロツトル開度TVOが
零であるか否かが判断される。このステツプS29におい
てYESと判断される場合、即ち、スロツトル開度TVOが零
であると判断される場合には、ステツプS33に飛んで、
通常制御を実行する。一方、ステツプS29においてNOと
判断され得場合、即ち、スロツトル開度TVOが所定の値
を有すると判断される場合には、上述した4つの開始条
件が満足されたことになり、ステツプS31に進んで、特
別制御の実行を開始する事になる。
尚、上述したステツプS21でYESと判断された場合、即
ち、フラグF(特)に1が設定されており、既に特別制
御が実行されていると判断される場合には、この特別制
御の実行を停止する停止条件を判別するため、ステツプ
S37に飛ぶ。ここで、この特別制御の停止条件とは、以
下の2条件であり、両条件の何れかが満足された場合
に、特別制御を終了して通常制御に移る様に、また、両
条件が共に満足されない場合には、依然として特別制御
を継続する様に、設定されている。
ここで、2つの停止条件とは、 (A)操作スイツチ18が操作されて、操作スイツチ18に
より設定されていた走行レンジがニユートラルレンジ
「N」以外の走行レンジに変更される事、そして、 (B)走行速度Vが0km/h近傍にあり、車両が少なくと
も走行中であるとみなされる速度で走行していない事で
ある。
上述した様に、ステツプS21においてYESと判断される
と、ステツプS37においては、上述した第1の停止条件
(A)を判断するため、操作スイツチ18が操作されたか
否かが判断される。このステツプS37において、YESと判
断される場合、即ち、操作スイツチ18が操作された場合
には、第1の停止条件(A)が満足される事になるの
で、ステツプS39において、フラグF(特)を「0」に
セツトしたうえで、上述したステツプS33に飛び、通常
制御を切り換え実行する。また、ステツプS37においてN
Oと判断された場合、即ち、操作スイツチ18が操作され
ていないと判断された場合においては、ステツプS41に
進み、ここで、上述した第2の停止条件(B)を判断す
る。
このステツプS41においては、走行速度Vが0km/h近傍
にあるか否かが判断される。このステツプS41においてY
ESと判断される場合、即ち、走行速度Vが0km/h近傍に
あり、車両が実質的に停止状態にあると判断される場合
には、第2の停止条件(B)が満足される事になるの
で、上述したステツプS39に進み、フラグF(特)を
「0」にセツトしたうえで、上述したステツプS33に飛
び、通常制御を切り換え実行する。また、ステツプS41
において、NOと判断される場合、即ち、走行速度Vが0k
m/h近傍になく、車両が実質的に走行状態にあると判断
される場合には、上述した2つの停止条件(A),
(B)が共に満足されない状態であるので、ステツプS3
1に飛び、特別制御を引き続き実行する。
このようにして、ステツプS31またはステツプS33にお
いて、特別制御または通常制御を実行した後において、
制御手順はステツプS11に戻る様に設定されており、一
連のメインルーチンが構成されることになる。
ここで、車両が走行レンジを前進1速レンジ「1」ま
たは前進2速レンジ「2」に設定し、且つ、スロツトル
弁を開いた加速走行状態から、自動変速状態を設定すべ
く操作スイツチ18を叩き上げて前進ドライブレンジ
「D」を設定しようと運転者が操作スイツチ18を操作し
て前進ドライブレンジ「D」を設定しようとした場合に
おいて、操作スイツチ18を勢いよく叩き上げると、誤つ
て、ニユートラルレンジ「N」が設定される事態が発生
する事になる。この様な事態が発生すると、エンジン回
転数は極端に上昇して、所謂オーバレブする状態とな
り、危険な状態となる。
しかしながら、この一実施例におけるCPUのメインル
ーチンを構成しているので、上述した第1乃至第4の開
始条件(1)〜(4)が共に成立すること、即ち、上述
した走行状態において、ニユートラルレンジ「N」が設
定される事は、運転者は本当は前進ドライブレンジ
「D」を設定したいにも拘らず、誤つてニユートラルレ
ンジ「N」を設定してしまつたことを意味している。こ
の様にして、ステツプS31において、詳細は後述する
が、操作スイツチ18で設定されたニユートラルレンジ
「N」にう自動変速機12を切り換え駆動するのではな
く、前進ドライブレンジ「D」を強制的に設定する様な
特別制御を実行し、オーバレブのような危険な状態が発
生する事を未然に防止する様に設定されている。
換言すれば、この一実施例においては、上述した第1
乃至第4の開始条件(1)〜(4)が全て満足されない
状態においては、オーバレブの様な危険な状態は発生し
ない事になるので、操作スイツチ18において設定された
走行レンジに、自動変速機12における走行レンジが一致
する様に、駆動モータ22を駆動制御する通常制御の制御
手順がステツプS33において実行される様に構成されて
いる。
次に、第19B図を参照して、上述したステツプS33にお
ける通常制御における制御手順を詳細に説明する。
先ず、この通常制御が開始されると、ステツプS16に
おいて、ステツプS11で読み込んだ所の自動変速機12に
おいて設定された走行レンジ(SRI)と、ステツプS15で
読み込んだ所の操作スイツチ18において設定されている
走行レンジ(SRS)とが一致するか否かが判断される。
このステツプS16においてYESと判断される場合、即ち、
自動変速機12において設定された走行レンジ(SRI
と、操作スイツチ18において設定されている走行レンジ
(SRS)とが一致すると判断される場合には、駆動モー
タ22を駆動して自動変速機12の走行レンジを切り換える
必要が無いので、ステツプS18において、操作スイツチ1
8が正方向に操作された事を示すフラグF(正)をリセ
ツトし、また、ステツプS20において、操作スイツチ18
が逆方向に操作された事を示すフラグF(逆)をリセツ
トし、ステツプS22において、サーボアンプ126のエナー
ブルラツチ回路ENAに「0」信号を出力する。この結
果、駆動モータ22の駆動は停止されることになる。
この後、ステツプS24において、第1のフエイル判定
動作を実行し、最初のステツプS11に復帰して、再び、
ステツプS11以下の手順を実行する。尚、このステツプS
24における第1のフエイル判定動作は、後述する。
一方、上述したステツプS16において、NOと判断され
た場合、即ち、自動変速機12において設定された走行レ
ンジ(SRI)と、操作スイツチ18において設定されてい
る走行レンジ(SRS)とが一致しないと判断される場合
は、以下の状態で発生することになる。即ち、運転者が
走行レンジを切り換えるべく、操作スイツチ18を操作し
て、正方向または逆方向に隣接する次の走行レンジが新
に設定された場合、この新に設定された走行レンジは、
これの第1及び第2の出力端子104,108a〜108fの出力が
共に立ち上がつた時点で判断され、しかも、詳細は後述
するが、駆動モータ22の起動は、この両出力の立ち上が
りタイミングで規定されているので、必ず、SRIとSRS
は不一致状態となる。
このため、不一致状態が検出された後は、両者が1レ
ンジ分しか離れていない場合(即ち、操作スイツチ18が
隣りの走行レンジまでしか操作されなかつた場合)に
は、両者が一致するように駆動モータ22が駆動制御さ
れ、両者が1レンジ分以上離れた場合(即ち、操作スイ
ツチ18が隣りの走行レンジを越えて、更に遠くまで操作
された場合)には、操作スイツチ18により直前に設定さ
れた走行レンジに自動変速機12の走行レンジが設定され
るように駆動モータ22が制御されることになる。
即ち、ステツプS16でNOと判断された場合には、ステ
ツプS26において、監視範囲を規定するフラグF(監
視)が「1」であるか否かが判断される。ここで、監視
範囲とは、第18A図及び第18B図に示すように、互いに隣
接する走行レンジにおける最初の立ち下がり時点から、
最後の立ち上がり時点までで規定されている。そして、
このステツプS26においては、上述したように、操作ス
イツチ18が隣接する走行レンジ位置で停止している場合
には、既にステツプS16においてSRIとSRSとの不一致が
検出された後であるので、必ずNOが判断されることとな
り、一方、操作スイツチ18が隣接する走行レンジを越え
て更に操作された場合には、次の監視範囲に必ず突入し
ていることになるで、必然的に、YESが判断されること
となる。
ここで、このステツプS26においてNOと判断された場
合には、ステツプS28において、操作スイツチ18におけ
る正方向操作または逆方向操作が判別される。尚、この
操作スイツチ18における正・逆判別は、後述する第2の
割り込みルーチンにおいて第1及び第2の出力端子104,
108a〜108fの両方の出力が立ち上がつたタイミングで予
め実行された操作スイツチ18の操作方向判別ルーチンに
おいて判断された結果に基づいて行なわれている。
このステツプS28において、正方向と判断された場
合、即ち、フラグF(正)がセツトされていると判断さ
れる場合には、ステツプS30において、サーボアンプ126
のエナーブルラツチ回路ENAとデイレクシヨンラツチ回
路DIRとに共に「1」信号を出力する。この結果、駆動
モータ22は、正方向に駆動され、自動変速機12において
は、現在設定されている走行レンジから正方向に隣接す
る走行レンジへの切り換え動作が実行されることとな
る。
一方、ステツプS28において、逆方向と判断された場
合、即ち、フラグF(逆)がセツトされていると判断さ
れた場合には、ステツプS32において、サーボアンプ126
のエナーブルラツチ回路ENAに「1」信号を、また、デ
イレクシヨンラツチ回路DIRに「0」信号を出力する。
この結果、駆動モータ22は、逆方向に駆動され、自動変
速機12においては、現在設定されている走行レンジから
逆方向に隣接する走行レンジへの切り換え動作が実行さ
れることとなる。
そして、ステツプS30またはステツプS32が実行される
と、ステツプS34において、第2のフエイル判定動作を
実行し、最初のステツプS11に復帰して、再び、ステツ
プS11以下の手順を実行する。尚、このステツプS34にお
ける第2のフエイル判定動作は、後述する。
ここで、上述したステツプS11以下の手順を実行する
過程において、駆動モータ22の駆動に基づき、自動変速
機12で設定された走行レンジが、隣接する次の走行レン
ジに近づいてはいるが、未だ操作スイツチ18での設定走
行レンジ(SRS)とインヒビタスイツチ32に基づく走行
レンジ(SRI)とが一致しない場合には、ステツプS16に
おいてNOが判断され、ステツプS26、ステツプS28、ステ
ツプS30(または、ステツプS32)が継続して実行され、
引き続き駆動モータ22が駆動され続けることになる。
一方、自動変速機12での設定走行レンジが、隣接する
次の走行レンジに設定されると、操作スイツチ18での設
定走行レンジ(SRS)とインヒビタスイツチ32に基づく
走行レンジ(SRI)とが一致することとなり、この結
果、スイツチS16の判断がYESとなる。従つて、ステツプ
S18以下が実行され、駆動モータ22は、ステツプS22の実
行により停止されることとなる。
また、上述したステツプS26においてYESと判断された
場合、即ち、操作スイツチ18が隣接する走行レンジを飛
び越して、次の監視範囲に突入していると判断される場
合には、ステツプS36において、インヒビタスイツチ32
からのインヒビタ信号(INH)に基づき、現在、自動変
速機12において設定された走行レンジ(SRI)を読み込
み動作する。そして、ステツプS38において、操作スイ
ツチ18により直前に設定された走行レンジ(SRS-1)を
読み込む。即ち、この走行レンジ(SRS-1)は、走行ス
イツチ18が突入した監視範囲の操作方向に関して直後方
に位置する走行レンジにより規定されるものである。そ
して、この走行レンジ(SRS-1)は、現在、自動変速機1
2において設定されている走行レンジ(SRI)に隣接して
いるか否かは関係が無く、例えば、急速に操作スイツチ
18を操作した場合には、自動変速機12側の動作が相対的
に遅れて、2つの走行レンジ分以上離れてしまう場合も
発生することになる。
そして、ステツプS40において、ステツプS36で読み込
んだ所の、現在、自動変速機12において設定された走行
レンジ(SRI)と、ステツプS38で読み込んだ所の、操作
スイツチ18により直前に設定された走行レンジ(S
RS-1)との一致状態が判別される。このステツプS40に
おいてNOと判断される場合には、ステツプS28に飛び、
駆動モータ22が駆動され続け、YESと判断された場合、
即ち、現在、自動変速機12において設定された走行レン
ジ(SRI)と、操作スイツチ18により直前に設定された
走行レンジ(SRS-1)とが一致したと判断された場合に
は、ステツプS18に飛び、フラグF(正)とフラグF
(逆)を夫々リセツトした後、駆動モータ22の駆動を停
止する。
このようにして、操作スイツチ18が監視範囲内に位置
する限において、自動変速機12における走行レンジは、
操作スイツチ18が直前で設定した走行レンジ(SRS-1
に停止され、操作スイツチ18がこれから設定しようとす
る走行レンジに先走つて設定するような事態が確実に回
避されることになる。
即ち、この一実施例においては、後述するように、操
作スイツチ18の操作に素早く対応して自動変速機12の走
行レンジの切り換え動作を実行すべく、操作スイツチ18
における目標停止位置が定まらない状態において、操作
スイツチ18の操作方向のみを先に読み取り、この操作方
向に応じて駆動モータ22を起動させ、自動変速機12側に
おいて、切り換え動作を実行するように設定している。
この結果、上述した監視範囲においては駆動モータ22の
停止信号が出力されないので、仮に、この監視範囲で操
作スイツチ18が極めてゆつくりと操作された場合には、
駆動モータ22による走行レンジ切り換え速度の方が速く
なり、自動変速機12で設定される走行レンジが、操作ス
イツチで設定されている走行レンジよりも前方に追い越
した状態で設定され、制御不能状態に落入る可能性があ
る。
具体的には、例えば、操作スイツチ18がニユートラル
レンジ「N」を設定した状態から、前進ドライブレンジ
「D」を越えて、これと前進2速レンジ「2」との間に
位置する監視範囲まで素早く操作され、この監視範囲に
おいて、極めてゆつくりと操作された場合を想定する。
この場合には、前進ドライブレンジ「D」を通過した時
点で、CPUは駆動モータ22を正方向に回転されるよう駆
動信号を出力する。ここで、何等手段を講じないと、操
作スイツチ18が前進ドライブレンジ「D」と前進2速レ
ンジ「2」の間の監視範囲に留まつている間は停止条件
が成立しないので、この監視範囲に操作スイツチ18が位
置している間に、駆動モータ22は駆動を継続して、自動
変速機12において設定される走行レンジは、順次正方向
に切り換えられることとなる。
この結果、運転者が操作スイツチ18を前進2速レンジ
「2」で止めて、前進2速レンジ「2」に走行レンジを
切り換えることを意図したとしても、自動変速機12にお
いては、この前進2速レンジ「2」を通り越して、前進
1速レンジ「1」が設定されることになる。即ち、操作
スイツチ18において設定された走行レンジと、自動変速
機12で設定された走行レンジとが不一致となり、フエイ
ル状態が発生してしまうことになる。
しかしながら、上述したように、この一実施例におい
ては、操作スイツチ18が監視範囲内に位置する限におい
て、自動変速機12における走行レンジは、操作スイツチ
18が直前で設定した走行レンジに停止され、一時的にこ
の走行レンジに設定されることになるので、操作スイツ
チ18がこれから設定しようとする走行レンジに先走つた
状態で自動変速機12で走行レンジが設定されるような事
態が確実に回避されることになる。
そして、操作スイツチ18が監視範囲内を操作されてい
る間においては、ステツプS16でNOと判別され、また、
ステツプS26でYESと判別され、ステツプS36,ステツプS3
8を経て、ステツプS40でNOと判別され、ステツプS28,ス
テツプS30(または、ステツプS32),ステツプS34を経
てリターンする手順が実行されることになる。尚、後述
するが、操作スイツチ18がこの監視範囲内に長時間居続
けるよう操作スイツチ18を操作することは、極めて異常
な操作であるので、操作スイツチ18が監視範囲内に居続
ける時間が所定時間以上となった場合には、第4のフエ
イル状態が成立して、第4のフエイルセイフ動作が実行
されるよう設定されている。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、監視範囲を
外れて、次の走行レンジ設定位置に入り込むと、この時
点で、ステツプS16においてNOと判断され、上述したよ
うな操作スイツチ18が隣接する走行レンジに一つだけ切
り換え操作された場合と同様にして、ステツプS28,ステ
ツプS30(または、ステツプS32)が実行されて駆動モー
タ22が駆動されて、制御手順がリターンする。そして、
再び、ステツプS16が判断されることになる。ここで、
自動変速機12における走行レンジが追い着いた状態で操
作スイツチ18により設定された走行レンジにもたらされ
ることにより、このステツプS16においてYESが判断さ
れ、ステツプS18,ステツプS20,ステツプS22が実行され
ることにより、駆動モータ22は停止されることとなる。
以上詳述したように、この通常制御における制御手順
に示すように、操作スイツチ18が停止した位置で設定さ
れた走行レンジに、自動変速機12の走行レンジは確実に
一致する状態で設定されることになる。
次に、第19C図を参照して、上述したステツプS31にお
ける特別制御の制御手順について詳細に説明する。
上述した様に、この特別制御においては、走行レンジ
を前進1速レンジ「1」または前進2速レンジ「2」に
設定した加速走行状態から、ニユートラルレンジ「N」
が設定される事は、運転者は本当は前進ドライブレンジ
「D」を設定したいにも拘らず、誤つてニユートラルレ
ンジ「N」を設定してしまつたことを意味しているお
り、本来、運転者は前進ドライブレンジ「D」を設定す
るつもりであるはずであるから、このステツプS31にお
いて特別制御が開始されると、先ず、ステツプS43にお
いて、操作スイツチ18で設定された走行レンジを、実際
はステツプS27においてニユートラルレンジ「N」であ
ると判断されているものの、強制的に、前進ドライブレ
ンジ「D」と設定する。
そして、ステツプS45において、ステツプS11で読み込
んだ所の自動変速機12において設定された走行レンジ
(SRI)と、ステツプS43で設定された所の操作スイツチ
18において設定されている走行レンジ(SRS)、即ち、
前進ドライブレンジ「D」とが一致するか否かが判断さ
れる。このステツプS45においては、自動変速機12にお
いて前進1速レンジ「1」または前進2速レンジ「2」
が設定されていたので、当初、必ず、NOが判断される事
になる。
このステツプS45においてNOが判断されると、引き続
くステツプS47において、サーボアンプ126のエナーブル
ラツチ回路ENAに「1」信号を、また、ステツプS47にお
いて、デイレクシヨンラツチ回路DIRに「0」信号を出
力する。この結果、駆動モータ22は、逆方向に駆動さ
れ、自動変速機12においては、現在設定されている走行
レンジから逆方向に向けて走行レンジへの切り換え動作
が実行されることとなる。この後、制御手順はリターン
して、メインルーチンに戻る。
一方、ステツプS45においてYESと判断される場合、即
ち、自動変速機12において設定される走行レンジが前進
ドライブレンジ「D」と一致する場合には、サーボアン
プ126のエナーブルラツチ回路ENAに「0」信号を出力し
て、駆動モータ22の駆動を停止する。この様にして、自
動変速機12において前進ドライブレンジ「D」が強制的
に設定される事になる。この後、ステツプS53におい
て、インスツルエントパネル94に設けた警報装置128を
介して、警報動作を実行する。運転者は、この警報装置
128が動作する事により、前進ドライブレンジ「D」が
強制的に設定されている事を認識することができる事に
なる。この様に警報装置128を介しての警報動作を実行
した後、制御手順はリターンして、メインルーチンに復
帰する。この様にして、一連の特別制御の制御手順を終
了する。
この様に特別制御の制御手順は構成されているので、
この特別制御が実行され、前進ドライブレンジ「D」が
強制的に設定された状態において、運転者は警報装置12
8を介して、この前進ドライブレンジ「D」の強制設定
を認識する事、換言すれば、誤つて、操作スイツチ18に
おいてニユートラルレンジ「N」が設定されている事を
認識することができる事になる。この結果、運転者が操
作スイツチ18を操作して、ニユートラルレンジ「N」の
設定状態を変更するか、または、車両の走行速度をほと
んど停止させる程度に低下させる事により、特別制御動
作を実行して安全走行と担保する意味はなくなる事にな
る。即ち、上述した2つの解除条件(A),(B)の何
れかが成立する事により、特別制御は停止されて、通常
制御に切り換えられる事になる。
この様に、この一実施例におけるメインルーチンは構
成され、特別制御と通常制御とが切り換え設定されてい
るので、操作スイツチ18の誤操作による安全性が担保さ
れることになる。即ち、走行レンジを前進1速レンジ
「1」または前進2速レンジ「2」に設定した加速走行
状態から、自動変速状態を設定すべく操作スイツチ18を
叩き上げて前進ドライブレンジ「D」を設定しようとす
る場合において、誤つて、ニユートラルレンジ「N」が
設定されたとしても、実際にはニユートラルレンジ
「N」が設定されずに、前進ドライブレンジ「D」が強
制的に設定される事になり、オーバレブ等の危険な状態
が回避される。
特に、この一実施例においては、運転者による走行レ
ンジの切り換え指示は、上述した構成の操作スイツチ18
を回動駆動する事により行われるよう設定されている。
ここで、この操作スイツチ18における走行レンジを切り
換えるためのストローク量は、上述した説明から明らか
な様に、比較的短い値に設定されている。このため、例
えば、運転者が、前進1速レンジ「1」または前進2速
レンジ「2」から前進ドライブレンジ「D」を切り換え
動作するに際して、誤つてニユートラルレンジ「N」を
設定しない様にするために、短いストローク量を細心の
注意を払つて操作スイツチ18を操作しなければならない
といすると、運転者に余計な注意力を要求する事とな
り、運転者の負担が大きくなり、疲労を助長する事にな
る。
しかしながら、この一実施例においては、例え、操作
スイツチ18を誤操作して、誤つてニユートラルレンジ
「N」を切り換え設定したとしても、実際にはニユート
ラルレンジ「N」が設定されずに、前進ドライブレンジ
「D」が強制的に設定される事になり、運転者は安心し
て、操作スイツチ18を操作することができる事になり、
この操作スイツチ18の操作が運転者の負担にならない事
になる。
次に、第20図を参照して、上述した通常制御動作が実
行されている間における第1の割り込みルーチンを説明
する。この第1の割り込みルーチンは、第17図におい
て、第1のインタラプト端子INT1にパルス信号が入力さ
れる毎に割り込み実行されるように設定されている。
即ち、操作スイツチ18が操作されて、現在設定されて
いる走行レンジから外れる方向に移動すると、その操作
方向が正方向であろうと逆方向であろうと、第1の出力
端子104からの出力(以下、単に第1の出力と呼ぶ。)
Φ1または第2のオアゲート回路114からの出力(以下、
単に第2の出力と呼ぶ。)Φ2において、2回の立ち下
がり状態が発生することになる。即ち、各立ち下がり状
態が発生した時点で第1のオアゲート回路112から各々
パルス信号が出力されることとなり、操作スイツチ18が
現在設定された走行レンジから切り換えられる際には、
この第1の割り込みルーチンが合計2回起動されること
となる。
先ず1回目の第1の割り込みルーチンにおいては、ス
テツプS42において、マルチプレクサ回路MUXの制御端子
に「H」レベル信号を出力し、入力ポートに第1の出力
端子104からの出力及び第2のオアゲート回路114からの
出力が入力されるように設定する。そして、ステツプS4
4において、第1及び第2の出力Φ1,Φ2を読み込む。
この後、ステツプS46において、ステツプS44での読み
込み結果に基づいて、第1及び第2の出力Φ1,Φ2が共
に「L」レベルであるか否かが判別される。このステツ
プS46においては、第1のインタラプト端子INT1に最初
のパルス信号が入力された時点においては、第1及び第
2の出力Φ1,Φ2の一方は「L」レベルに立ち下がつて
はいるが、他方は依然として「H」レベルに維持されて
いるので、必ず、NOが判別されることになる。
そして、ステツプS48において、リアルタイムカウン
タRTCの第1のタイマT1を起動する。ここで、この第1
のタイマT1には、操作スイツチ18が操作された場合
に、第1及び第2の出力Φ1,Φ2の一方が「L」レベル
に立ち下がつた時点から両方が共に「L」レベルに至る
までの許容される時間t1が予め設定されている。尚、
この時間t1をタイムアツプした状態で、第1のタイマ
1は、CPUにタイムアツプ信号を出力し、CPUはこのタ
イムアツプ信号を受けて、後述するように、第3のフエ
イルセイフルーチンが割り込み実行されるよう設定され
ている。そして、ステツプS50において、操作スイツチ1
8が上述した監視範囲内にあることを示すフラグF(監
視)をセツトして、通常制御手順にリターンする。
このように1回目の第1の割り込みルーチンにおいて
は、監視範囲の始点が規定され、また、第3のフエイル
判定動作として、操作スイツチ18の一方の出力Φ1,Φ2
が「H」に留つている状態が維持されている時間のカウ
ントを第1のタイマT1で開始するように設定されてい
る。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、現在設定さ
れている走行レンジから完全に外れる方向に移動する
と、その操作方向が正方向であろうと逆方向であろう
と、第1の出力Φ1または第2の出力Φ2において、2回
目の立ち下がり状態が発生することとなり、この時点で
第1のオアゲート回路112から2回目のパルス信号が出
力されることとなり、この第1の割り込みルーチンが再
び起動、即ち、2回目の第1の割り込みルーチンが起動
されることとなる。
ここで、この2回目の第1の割り込みルーチンにおい
ては、先ず、1回目と同様にステツプS42において、マ
ルチプレクサ回路MUXの制御端子に「H」レベル信号を
出力し、ステツプS44において、第1の出力Φ1及び第2
の出力Φ2を読み込む。そして、ステツプS46において、
ステツプS44での読み込み結果に基づいて、第1及び第
2の出力Φ1,Φ2とが共に「L」レベルであるか否かが
判別される。このステツプS46においては、第1のイン
タラプト端子INT1に2回目のパルス信号が入力された時
点においては、第1及び第2の出力Φ1,Φ2は共に
「L」レベルに立ち下がつているので、必ず、YESが判
別されることになる。
そして、操作スイツチ18の一方の出力Φ1,Φ2
「H」の状態から,既に共に「L」の状態に抜け出てい
るので、第3のフエイル判定が行なわれないようにする
ため、ステツプS52において、リアルタイムカウンタRTC
の第1のタイマT1をリセツトする。即ち、このように
第1のタイマT1をリセツトすることにより、第1のタ
イマT1はタイムカウント動作を停止し、初期状態に復
帰することになる。
この後、ステツプS54において、リアルタイムカウン
タRTCの第2のタイマT2を起動する。ここで、この第2
のタイマT2には、操作スイツチ18が操作されている場
合において、第1及び第2の出力Φ1及びΦ2が共に
「L」レベル状態が維持されることが許容される時間t
2が予め設定されている。尚、この時間t2をタイムアツ
プした状態で、第2のタイマT2は、CPUにタイムアツプ
信号を出力し、CPUはこのタイムアツプ信号を受けて、
後述するように、第4のフエイルセイフルーチンが割り
込み実行されるよう設定されている。このようにステツ
プS54において第2のタイマT2を起動させた後に、通常
制御手順にリターンする。
即ち、この2回目の第1の割り込みルーチンにおいて
は、第1のタイマT1をリセツトして、操作スイツチ18
の一方の出力Φ1,Φ2が「H」に留つている状態が維持
されている時間のカウントを停止すると共に、第4のフ
エイル判定動作として、操作スイツチ18の両出力Φ1
Φ2が共に「L」である状態が維持されている時間のカ
ウントを第2のタイマT2で開始するように設定されて
いる。
次に、第21図を参照して、上述した通常制御動作が実
行されている間における第2の割り込みルーチンを説明
する。この第2の割り込みルーチンは、第17図におい
て、第2のインタラプト端子INT2にパルス信号が入力さ
れる毎に割り込み実行されるように設定されている。
即ち、操作スイツチ18が操作されて、現在設定されて
いる走行レンジから外れる方向に移動して、隣接する走
行レンジに入り込もうとする時、その操作方向が正方向
であろうと逆方向であろうと、第1の出力端子104から
の出力Φ1または第2のオアゲート回路114からの出力Φ
2において、2回の立ち上がり状態が発生するが、各立
ち上がり状態が発生した時点で、第3のオアゲート回路
120から各々パルス信号が出力されることとなる。即
ち、操作スイツチ18が現在設定されている走行レンジか
ら隣接する走行レンジに切り換えられる際に、この第2
の割り込みルーチンが合計2回起動されることとなる。
ここで、1回目の第2の割り込みルーチンにおいて
は、先ず、ステツプS56において、マルチプレクサ回路M
UXの制御端子に「H」レベル信号を出力し、入力ポート
に第1及び第2の出力Φ1,Φ2が入力されるように設定
する。そして、ステツプS56において、第1及び第2の
出力Φ1,Φ2を読み込む。
そして、引き続くステツプS60において、出力の変化
状態が判別される。ここで、この出力の変化状態は、第
1の出力Φ1が「H」,第2の出力Φ2が「L」になる第
1の変化態様と、第1の出力Φ1が「L」,第2の出力
Φ2が「H」になる第2の変化態様と、両出力Φ1,Φ2
が共に「H」になる第3の変化態様の3種類がある。し
かしながら、この第2の割り込みルーチンは、1回目で
あるので、論理的に、第1及び第2の変化態様しか発生
し得ないものである。そして、このステツプS60におい
て第1の変化態様と判定された場合には、2回目の割り
込みルーチンが起動された際において、操作スイツチ18
の操作方向が正方向であると判定されることを意味して
いるので、ステツプS62において、予備的に正方向を規
定するフラグF(T正)をセツトする。
この後、ステツプS64において、第2のタイマT2をリ
セツトする。即ち、この第2の割り込みルーチンが起動
されることは、少なくとも一方の出力Φ1,Φ2が「H」
レベルに立ち上がつたことを意味しているので、両出力
Φ1,Φ2が共に「L」である時間をカウントしている第
2のタイマT2をリセツトし、第4のフエイル判定動作
が行なわれないようにする。即ち、第2のタイマT
2は、リセツトされることよりタイマカウント動作を停
止し、初期状態に復帰することになる。そして、引き続
くステツプS66において、リアルタイムカウンタRTCの第
3のタイマT3を起動する。
ここで、この第3のタイマT3には、操作スイツチ18
が操作された場合に、Φ1及びΦ2の一方が「H」レベル
に立ち上がつた時点から両方が共に「H」レベルに至る
までに許容される時間t3が予め設定されている。尚、
この時間t3をタイムアツプした状態で、第3のタイマ
3は、CPUにタイムアツプ信号を出力し、CPUはこのタ
イムアツプ信号を受けて、後述するように、第5のフエ
イルセイフルーチンが割り込み実行されるよう設定され
ている。そして、このようにステツプS66で第3のタイ
マT3を起動した後、通常制御手順にリターンする。
一方、上述したステツプS60において第2の変化態様
と判定された場合には、2回目の割り込みルーチンが起
動された際において、操作スイツチ18の操作方向が逆方
向であると判定されることを意味しているので、ステツ
プS68において、予備的に逆方向を規定するフラグF
(T逆)をセツトし、上述したステツプS64に飛び、ス
テツプS64及びステツプS66を順次実行して通常制御手順
にリターンする。
このように1回目の第2の割り込みルーチンにおいて
は、第5のフエイル判定動作として、操作スイツチ18の
一方の出力Φ1,Φ2が「L」である状態が維持されてい
る時間のカウントを第3のタイマT3で開始するように
設定されている。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、次に設定さ
れる走行レンジに完全に入り込む方向に移動すると、そ
の操作方向が正方向であろうと逆方向であろうと、第1
の出力Φ1または第2の出力Φ2において、2回目の立ち
上がり状態が発生することとなり、この時点で第3のオ
アゲート回路120から2回目のパルス信号が出力される
こととなり、この第2の割り込みルーチンが再び起動、
即ち、2回目の第2の割り込みルーチンが起動されるこ
ととなる。
ここで、この2回目の第2の割り込みルーチンにおい
ては、先ず、1回目と同様にステツプS56及びステツプS
58が順次実行され、ステツプS60においては、第3の変
化態様、即ち、両出力Φ1,Φ2が共に「H」に立ち上が
つたことが判定される。この判定の成立は、操作スイツ
チ18が上述した監視範囲から抜け出したことを意味して
いるので、ステツプS70において監視範囲を規定するフ
ラグF(監視)をリセツトする。そして、引き続くステ
ツプS72において、操作スイツチ18の操作方向の正・逆
が判断される。
即ち、1回目の第2の割り込みルーチンで予備フラグ
F(T正)がセツトされている状態で、ステツプS60に
おいて第3の変化態様が判断された場合には、このステ
ツプS72において、操作スイツチ18の操作方向は正方向
であると判断され、ステツプS74において、操作スイツ
チ18の操作方向が正方向であることを示すフラグF
(正)をセツトし、ステツプS76において、逆方向であ
ることを示すフラグF(逆)をリセツトすると共に、ス
テツプS78において、予備フラグF(T正)をリセツト
する。
この後、上述したステツプS60において、両出力Φ1
Φ2が共に「H」に変化したことが認識されたのである
から、第5のフエイル判定が行なわれないようにするた
め、ステツプS80において、リアルタイムカウンタRTCの
第3のタイマT3をリセツトする。即ち、このように第
3のタイマT3をリセツトすることにより、第3のタイ
マT3はタイムカウント動作を停止し、初期状態に復帰
することになる。そして、このステツプS80において、
第3のタイマT3をリセツトした後、通常制御手順にリ
ターンする。
一方、1回目の第2の割り込みルーチンで予備フラグ
F(T逆)がセツトされている状態で、ステツプS60に
おいて第3の変化態様が判断された場合には、上述した
ステツプS72において、操作スイツチ18の操作方向は逆
方向であると判断され、ステツプS82において、操作ス
イツチ18の操作方向が逆方向であることを示すフラグF
(逆)をセツトし、ステツプS84において、正方向であ
ることを示すフラグF(正)をリセツトすると共に、ス
テツプS86において、予備フラグF(T逆)をリセツト
する。
この後、上述したステツプS80に飛んで、リアルタイ
ムカウンタRTCの第3のタイマT3をリセツトする。即
ち、このように第3のタイマT3をリセツトした後、通
常制御手順にリターンする。
このようにして、2回目の第2の割り込みルーチンに
おいては、第3のタイマT3をリセツトして操作スイツ
チ18の一方の出力Φ1,Φ2が「L」である状態が維持さ
れている時間のカウントを停止すると共に、操作スイツ
チ18の操作方向が正・逆何れであるかを規定している。
この結果、先にメインルーチンのステツプS28において
説明したように、操作スイツチ18の操作における最終目
的位置(走行レンジ)が判明していない状態であつて
も、少なくとも、この操作スイツチ18の操作方向が判明
したとして、目的の走行レンジが不明の状態で、先ず
は、操作スイツチ18の操作方向に応じて、駆動モータ22
を起動して、自動変速機12における走行レンジの切り換
え動作を開始する制御が実行されることになる。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
を急速に操作したとしても、この急速な操作に追従した
状態で、自動変速機12においても走行レンジの切り換え
動作が開始され、運転者の走行レンジの切り換え動作に
レスポンス良く反応した所の自動変速機12における実際
の走行レンジの切り換え動作が達成されることになる。
次に、上述した通常制御手順で説明したステツプS24
における第1のフエイル判定のサブルーチンを第22図を
参照して説明する。この第1のフエイル判定において
は、駆動モータ22の停止状態が理論的に達成された後に
おいて、その停止時における振動状態が収束するに要す
る時間や、許容し得るオーバシユートやアンダーシユー
トが、上述したデイテント機構により、機械的に補正さ
れるのに要する時間を充分に見込んだ時間t4を設定し
たとしても、その設定時間t4を越えて、駆動モータ22
が動作し続けいる場合には、異常状態が発生したとし
て、フエイル判定するように設定されている。
即ち、通常制御手順においてステツプS22が実行し終
えると、第22図に示すように、先ず、ステツプS24Aにお
いて、停止状態の発生を示すフラグF(停止)がセツト
されているか否かが判別される。このステツプS24Aが最
初に判別される状態においては、予めこのフラグFF(停
止)はセツトされていないので、必ずNOと判断される。
そして、ステツプS24Bにおいて、このフラグF(停止)
がセツトされ、ステツプS24Cにおいて、リアルタイムカ
ウンタRTCの第4のタイマT4を起動する。
ここで、この第4のタイマT4には、上述した所定時
間t4が予め設定されている。尚、この時間t4をタイム
アツプした状態で、第3のタイマT4は、CPUにタイムア
ツプ信号を出力し、CPUはこのタイムアツプ信号を受け
て、後述するように、第1のフエイルセイフルーチンが
割り込み実行されるよう設定されている。そして、この
ようにステツプS24Cで第4のタイマT4を起動した後、
通常制御手順にリターンする。
一方、この第1のフエイル判定サブルーチンが2回目
以降実行される際においては、最初のサブルーチンにお
けるステツプS24Bにおいて、フラグF(停止)がセツト
されているので、上述したステツプS24Aにおいて、NOが
判断されることになる。そして、このステツプS24Aにお
いてNOが判断されると、ステツプS24Dにおいて、駆動モ
ータ22が動作しているか否かが判断される。この判断
は、例えば、駆動モータ22に取り付けられたエンコーダ
36の出力を検出することにより行なわれることになる。
このステツプS24DにおいてYESと判断される場合、即
ち、駆動モータ22が動作し続けていると判断される場合
には、第4のタイマT4はリセツトされることなく、通
常制御手順にリターンする。一方、ステツプS24Dにおい
てNOと判断される場合、即ち、駆動モータ22の動作が停
止していると判断される場合には、第1のフエイル判定
を停止させるために、ステツプS24Eにおいて、第4のタ
イマT4をリセツトする。即ち、このように第4のタイ
マT4をリセツトすることにより、第4のタイマT4はタ
イムカウント動作を停止し、初期状態に復帰することに
なる。そして、このステツプS24Eにおいて、第4のタイ
マT4をリセツトした後、通常制御手順にリターンす
る。
このように、第1のフエイル判定のサブルーチンを構
成しているので、上述した設定時間t4を越えて、駆動
モータ22が動作し続けいる場合、即ち、ステツプS24Eが
実行されないと、第4のタイマT4からカウントアツプ
信号がCPUに出力され、CPUはフエイル判定することにな
る。
次に、上述した通常制御手順で説明したステツプS34
における第2のフエイル判定のサブルーチンを第23図を
参照して説明する。この第2のフエイル判定において
は、上述した第2の割り込みルーチンにおける操作スイ
ツチ18の操作方向判別ルーチンにおいて判別された操作
スイツチ18の操作方向と、実際に駆動モータ22が駆動し
ている方向とが不一致である場合には、異常状態が発生
したとして、フエイル判定するように設定されている。
即ち、上述した通常制御手順においてステツプS30ま
たはステツプS32が実行されると、先ず、ステツプS34A
において、駆動モータ34のエンコーダ36の出力状態が読
み込まれ、ステツプS34Bにおいて、読み込まれたエンコ
ーダ36の出力に基づき、駆動モータ22の回転方向が判別
される。そして、ステツプS34Cにおいて、この駆動モー
タ22の回転方向が正方向であると判断される場合には、
ステツプS34Dにおいて、操作スイツチ18の操作方向が正
方向であることを示すフラグF(正)がセツトされてい
るか否かが判別される。
このステツプS34Dにおいて、YESと判断される場合、
即ち、駆動モータ22の回転方向も、操作スイツチ18の操
作方向も共に正方向であると判断される場合には、何等
問題がないので、通常制御手順にリターンする。一方、
ステツプS34Dにおいて、NOと判断される場合、即ち、駆
動モータ22の回転方向が正方向であるものの、操作スイ
ツチ18の操作方向が逆方向であり、両者が不一致である
と判断される場合には、異常状態が発生していると判断
され、ステツプS34Eにおいて、第2のフエイルセイフ動
作を実行して、ステツプS34Fにおいて警報動作を実行し
て、運転者にフエイル状態が発生し、このフエイル状態
に基づきフエイルセイフ動作が実行されていることを報
知し、通常制御手順にリターンする。
一方、上述したステツプS34Cにおいて、この駆動モー
タ22の回転方向が逆方向であると判断される場合には、
ステツプS34Fにおいて、操作スイツチ18の操作方向が逆
方向であることを示すフラグF(逆)がセツトされてい
るか否かが判別される。
このステツプS34Fにおいて、YESと判断される場合、
即ち、駆動モータ22の回転方向も、操作スイツチ18の操
作方向も共に逆方向であると判断される場合には、何等
問題がないので、通常制御手順にリターンする。一方、
ステツプS34Fにおいて、NOと判断される場合、即ち、駆
動モータ22の回転方向が逆方向であるものの、操作スイ
ツチ18の操作方向が正方向であり、両者が不一致である
と判断される場合には、異常状態が発生していると判断
され、上述したステツプS34Eに飛び、フエイルセイフ動
作を実行して、通常制御手順にリターンする。
次に、第24図乃至第27図を参照して、第1及び第3乃
至第5のフエイルセイフ制御について説明する。
先ず、第20図を参照して第1の割り込みルーチンにお
いて説明したように、操作スイツチ18が操作され、現在
設定されている走行レンジが切り換えられる際には、必
ず、第1及び第2の出力Φ1,Φ2が共に「H」である状
態から、一方が「L」である状態を通過することになる
が、この一方の出力Φ1,Φ2が「L」になつてから第1
のタイマT1がリセツトされずに、所定時間t1が経過し
た場合、即ち、操作スイツチ18が一方の出力Φ1,Φ2
ら「L」を出力するような不安定な位置に所定時間t1
以上保持されている場合には、異常な操作が行なわれて
いる。または、出力状態が異常であり、第3のフエイル
状態が発生したことを意味することになる。
従つて、所定時間t1が経過した時点で、第1のタイ
マT1はCPUに向けてタイムアツプ信号を出力し、CPUは
このタイムアツプ信号を受けて、第1のタイマ割り込み
ルーチンが起動される。この第1のタイマ割り込みルー
チンは、第24図に示すように、先ず、ステツプS88にお
いて、フエイルセイフ動作を実行し、ステツプS90にお
いて、警報動作を実行して、運転者にフエイル状態が発
生し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作が
実行されていることを報知し、通常制御手順にリターン
する。
一方、第20図及び第21図を参照して第1及び第2の割
り込みルーチンに渡り説明したように、操作スイツチ18
が操作され、次に設定される走行レンジに切り換えられ
るまでに、必ず、第1及び第2の出力Φ1,Φ2が共に
「L」である状態が発生するが、この両方の出力Φ1
Φ2が共に「L」になつてから第2のタイマT2がリセツ
トされずに、所定時間t2が経過した場合、即ち、操作
スイツチ18が両方の出力Φ1,Φ2から「L」を出力する
ような不安定な位置に所定時間t1以上保持されている
場合には、異常な操作が行なわれている、または、出力
状態が異常であり、第4のフエイル状態が発生したこと
を意味することになる。
従つて、所定時間t2が経過した時点で、第2のタイ
マT2はCPUに向けてタイムアツプ信号を出力し、CPUは
このタイムアツプ信号を受けて、第2のタイマ割り込み
ルーチンが起動される。この第2のタイマ割り込みルー
チンは、第25図に示すように、先ず、ステツプS92にお
いて、フエイルセイフ動作を実行し、ステツプS94にお
いて、警報動作を実行して、運転者にフエイル状態が発
生し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作が
実行されていることを報知し、通常制御手順にリターン
する。
また、第21図を参照して第2の割り込みルーチンにお
いて説明したように、操作スイツチ18が操作され、現在
設定されている走行レンジから次の走行レンジが切り換
え設定される際には、必ず、第1及び第2の出力Φ1
Φ2が共に「L」である状態から、一方が「H」である
状態を通過することになるが、この一方の出力Φ1,Φ2
が「H」になつてから第3のタイマT3がリセツトされ
ずに、所定時間t3が経過した場合、即ち、操作スイツ
チ18が一方の出力Φ1,Φ2から「H」を出力するような
不安定な位置に所定時間t3以上保持されている場合に
は、異常な操作が行なわれている。または、出力状態が
異常であり、第5のフエイル状態が発生したことを意味
することになる。
従つて、所定時間t3が経過した時点で、第3のタイ
マT3はCPUに向けてタイムアツプ信号を出力し、CPUは
このタイムアツプ信号を受けて、第3のタイマ割り込み
ルーチンが起動される。この第3のタイマ割り込みルー
チンは、第26図に示すように、先ず、ステツプS96にお
いて、フエイルセイフ動作を実行し、ステツプS98にお
いて、警報動作を実行して、運転者にフエイル状態が発
生し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作が
実行されていることを報知し、通常制御手順にリターン
する。
尚、これら第1乃至第3のタイマT1,T2,T3で夫々設
定された所定時間t1,t2,t3は、その合計した値が、操
作スイツチ18が監視範囲を通過するに許容される最大時
間として規定されることになる。即ち、操作スイツチ18
が監視範囲に留まる状態が長時間に渡ると、操作スイツ
チ18で設定される目標走行レンジが不明である状態が長
時間に渡ることを意味することになり、この結果、上述
したように、操作スイツチ18が直前に通過した走行レン
ジに、自動変速機12の走行レンジは一時的に設定される
ことになる。しかしながら、この自動変速機12で一時的
に設定された走行レンジは、運転者が設定しようとする
走行レンジでは決して無いので、このような運転者の意
図していない走行レンジへの設定状態は、例え一時的で
はあるものの、極力避けなければならない。このような
観点から、所定時間t1,t2,t3の合計した値は所定の値
に制限されるように設定されている。
最後に、第22図を参照して上述したように、論理的に
駆動モータ22の停止条件が成立した後において、第4の
タイマT4がリセツトされずに、所定時間t4が経過した
場合、即ち、駆動モータ22が論理的に停止したはずなの
に、所定時間t4を越えて尚、実際に動作し続けている
場合には、第1のフエイル状態が発生したことを意味す
ることになる。
従つて、所定時間t4が経過した時点で、第4のタイ
マT4からCPUに向けてタイムアツプ信号を出力し、CPU
はこのタイプアツプ信号を受けて、第4のタイマ割り込
みルーチンが起動される。この第4のタイマ割り込みル
ーチンは、第27図に示すように、先ず、ステツプS100に
おいて、フエイルセイフ動作を実行し、ステツプS102に
おいて、警報動作を実行して、運転者にフエイル状態が
発生し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作
が実行されていることを報知し、通常制御手順にリター
ンする。
尚、この一実施例においては、上述した第1乃至第5
のフエイルセイフ動作は、共に、駆動モータ22への電源
供給カツトにより達成されるように設定されている。こ
こで、運転者は、このようにフエイルセイフ動作が実行
された後において、フエイルセイフ状態を解除して、再
び、自動車を走行させたい場合には、先ず、運転者は、
IGスイッチをオフし、その後、IBスイツチを再オン動作
することにより、CPUは初期状態に復帰するので、自動
的にフエイルセイフ状態も解消されることになる。
この復帰状態で自動車を走行させ、操作スイツチ18を
操作して走行レンジの切り換え動作を実行した場合に、
再度フエイルセイフ動作が実行された場合には、操作ス
イツチ18を介しての走行レンジの切り換え動作は不可能
となる。この場合には、カウルパネルロア54に配設した
蓋部材54aを取り外し、手動駆動機構38を露出させ、切
り換えレバー50を制御位置から切断位置に回動して、ク
ラツチ機構34を切断状態とすると共に、レンチ48を回動
板40の嵌合穴40aに嵌合させ、このレンチ48を介して回
動板40を回動して、任意の走行レンジを設定することに
より、自動変速機12での走行レンジを手動により切り換
え操作することが出来ることになる。
この発明は、上述した一実施例の構成に限定されるこ
となく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可
能であることは言うまでもない。
以下に、この一実施例における種々の変形例を説明す
る。尚、以下の説明において、上述した一実施例と同一
部分、または、同一ステツプについては、同一符号を付
して、その説明を省略する。
例えば、上述した一実施例においては、特別制御にの
制御手順において、自動変速機12の操作レンジが前進ド
ライブレンジ「D」に強制的に設定された場合には、ス
テツプS53に示す様に、警報装置128を介して警報動作を
実行し、また、特別制御の停止条件を(A),(B)の
2条件から構成される様に説明したが、この発明は、こ
のような構成に限定されることなく、第28A図及び第28B
図に第1の変形例として示す様に構成しても良い。
即ち、この第1の変形例においては、特別制御の停止
条件として、上述した(A),(B)の2条件の他に、
第3の停止条件(C)として、運転者がアクセルペダル
を踏み込む事を止めて、スロツトル開度TVOが零となる
事が加えられている。この第3の停止条件(C)を達成
する為、第28A図に示すメインルーチンにおいて、ステ
ツプS55として示す様に、スロツトル開度TVOが零である
か否かの判断が加えられている。このステツプS55にお
いてYESと判断される場合には、第3の停止条件(C)
が成立した事を意味しているので、ステツプS39に飛
び、NOと判断される場合には、第3の停止条件(C)が
成立していない事を意味しているので、ステツプS37に
進み、更に、第1及び第2の停止条件(A),(B)が
判断される様に構成されている。また、この第1の変形
例における特別制御の制御手順においては、第28B図に
示す様に、上述した一実施例におけるステツプS53にお
ける警報動作が実行されない様に構成されている。
この様に、第1の変形例を構成する事により、走行レ
ンジを前進1速レンジ「1」または前進2速レンジ
「2」に設定した加速走行状態から、自動変速状態を設
定すべく操作スイツチ18を叩き上げて前進ドライブレン
ジ「D」を設定しようとして、誤つてニユートラルレン
ジ「N」が設定された場合に、この槽合スイツチ18にお
いてニユートラルレンジ「N」が設定されているにも拘
らず、特別制御が実行されて、強制的に、前進ドライブ
レンジ「D」が自動変速機12において設定されている状
態が達成されている事が、警報等により運転者に報知さ
れないとしても、運転者自身は、前進ドライブレンジ
「D」を設定する意思を持つて、操作スイツチ18を操作
しているのであるから、当面は、何ら問題を発生しない
ものである。
しかも、この第1の変形例においては、上述した第1
及び第2の停止条件に基づき、操作スイツチ18が更に操
作されるか、車両が実質的に停止するかすれば、この特
別制御は解除されると共に、更に、加速状態を停止すべ
く、運転者がアクセルペダルから足を離し、これを踏み
込む事を止めた場合には、エンジン回転数がオーバレブ
するような危険な状態は発生し得ない事になるので、特
別制御を停止して、通常制御に移行しても、何ら差し支
えない事になる。この様にして、この第1の変形例にお
いては、スロツトル開度TVOが零となることを第3の停
止条件として設定して、問題を生じない範囲で、なるべ
く早い時期に、特別制御を停止して、通常制御に移る様
に構成されている。
また、上述した一実施例においては、走行レンジを前
進1速レンジ「1」または前進2速レンジ「2」に設定
した加速走行状態から、自動変速状態を設定すべく操作
スイツチ18を叩き上げて前進ドライブレンジ「D」を設
定しようとして、誤つてニユートラルレンジ「N」が設
定された場合の安全性を確保する為に、特別制御を実行
する様に説明したが、この発明は、この様な構成に限定
されることなく、第29A図及び第29B図に第2の変形例と
して示す様に構成しても良い。
即ち、この第2の変形例においては、第13図及び第14
図を参照して説明した様に、車体が急減速した場合に、
その加速度により運転者の体が前に変移して、運転者の
膝が立ち、この立つた膝により操作スイツチ18が強制的
に操作されて、誤つた操作レンジが設定されてしまう場
合に、特別制御が開始される様に構成されている。換言
すれば、この第2の変形例における特別制御の開始条件
は、 (i)ブレーキスイツチBRKがONしている事、且つ、 (ii)減速の加速度が所定値以上である事、 の2条件から構成され、両開始条件が共に満足された場
合にのみ、特別制御が開始される様に設定されている。
具体的には、第29A図に示す様に、上述した一実施例
と同様に、ステツプS11、ステツプS13、ステツプS15が
実行された後、ステツプS57において、ブレーキスイツ
チBRKのON・OFF状態が読み込まれる。そして、上述した
一実施例と同様に、ステツプS19において、車両の走行
速度Vが読み込まれ、ステツプS21において、フラグF
(特)に「1」がセツトされているか否かが判断され
る。このステツプS21において、NOと判断される場合、
即ち、フラグF(特)に「1」がセツトされておらず、
事前に特別制御が開始されていないと判断される場合に
は、特別制御の開始条件を判定すべく、ステツプS59に
おいて、ブレーキスイツチBRKがONされているか否か
が、また、ステツプS61において、減速の加速度(dV/d
t)が所定値以上の急減速状態であるか否かが判断され
る。
これらステツプS59またはS61においてNOと判断された
場合には、上述した解除条件が共に満足されない事にな
るので、ステツプS33に進み、通常制御が実行される様
になされている。また、これらステツプS59およびS61に
おいてYESと判断された場合には、上述した解除条件が
共に満足された事になるので、ステツプS31に進み、特
別制御が実行される様になされている。
一方、上述したステツプS21においてYESと判断される
場合、即ち、既に特別制御が開始されていると判断され
る場合には、ステツプS63に進み、このステツプS63にお
いて、ブレーキスイツチBRKがOFFしたか否かが判断され
る。このステツプS63は、特別制御の停止条件を規定す
るものであり、ここでNOと判断される場合、即ち、ブレ
ーキスイツチBRKがONしていると判断される場合には、
依然として急減速状態が維持されているので、特別制御
を継続すべく、ステツプS31に飛ぶ。一方、このステツ
プS63においてYESと判断される場合、即ち、ブレーキス
イツチBRKがOFFしていると判断される場合には、急減速
状態が解除され、危険な状態から解放された事を意味し
ているので、ステツプS39に進み、フラグF(特)に
「0」をセツトした上で、ステツプS33に進み、ここ
で、通常制御が切り換え実行される事になる。
ここで、この第2の変形例において、特別制御の制御
手順は、第29B図に示す様に、ステツプS65において、サ
ーボアンプ126のエナーブルラツチ回路ENAに「0」レベ
ル信号を出力し、この特別制御が実行されている限りに
おいて、例え、操作スイツチ18が切り換え操作されたと
しても、それは、車両の急減速に伴う誤操作であると擬
制して、その操作スイツチ18における操作を無視すべ
く、駆動モータ22が駆動されない様に設定されている。
そして、このステツプS65が実行された後に、制御手順
はリターンし、第29A図に示すメインルーチンに戻る。
このように第2の変形例は構成されているので、車両
が急減速して、操作スイツチ18が誤操作される可能性が
高い場合には、特別制御が開始され、操作スイツチ18の
操作に拘らず、現在設定されている走行レンジを保持す
べく、駆動モータ22を駆動しない様に設定されている。
この結果、この第2の変形例によれば、急減速時に、操
作スイツチ18が誤操作されたとしても、この誤操作によ
り走行レンジは切り換えられないので、危険状態は確実
に回避され、安全走行が担保される事になる。
また、上述した一実施例における通常制御において
は、操作スイツチ18において走行レンジの切り換え指令
が確定する前の段階で、操作スイツチ8の回転方向のみ
を事前に検出し、この検出した回転方向に応じて、駆動
モータ22を回転駆動して、レスポンス性を向上する様に
説明したが、この発明は、この様な所謂先走り制御に限
定され得ことなく、例えば、操作スイツチ18の停止時間
が所定時間になつたことに基づき、走行レンジの切り換
え指令が確定したものと判断し、その確定した走行レン
ジに向けて、自動変速機12における走行レンジを変更す
べく、駆動モータ22を駆動制御する様に構成しても良
い。
この場合、上述した一実施例においては、スロツトル
開度TVOが零でない事を、特別制御を開始する開始条件
の中の第4の開始条件(4)とし、2つの停止条件
(A),(B)の何れかが成立すれば、特別制御を停止
して、通常制御に移行する様に説明したが、この発明
は、このような構成に限定されることなく、第30A図及
び第30B図に第3の変形例として示す様に構成しても良
い。
即ち、この第3の変形例におけるメインルーチンにお
いては、第30A図に示す様に、上述した一実施例におけ
るスロツトル開度に関するステツプS17及びステツプS21
は省略され、ステツプS19が実行された後は、直接ステ
ツプS23が実行される様に設定されている。また、この
第3の変形例においては、停止条件はメインルーチンで
規定されるのではなく、第30B図に示す様に、特別制御
の制御手順の中で規定されている。また、この特別制御
の停止は、上述した一実施例の様に、第1及び第2の停
止条件(A),(B)の成立に基づくものではなく、特
別制御が実行されてから所定時間経過すると自動的に特
別制御を停止して、通常制御に移行する様に設定されて
いる。また、この第3の変形例においては、特別制御の
具体的内容として、上述した一実施例の様に、操作スイ
ツチ18の設定位置に拘らず、強制的に前進ドライブレン
ジ「D」を設定するのではなく、メインルーチンにおけ
る直前の制御手順において規定された所の、操作スイツ
チ18により設定された走行レンジに保留し続ける様に構
成されている。
ここで、この特別制御の制御手順としては、第30B図
に示す様に、ステツプS67において、サーボアンプ126の
エナーブルラツチ回路ENAに「0」レベル信号を出力
し、この特別制御が実行されている限りにおいて、例
え、操作スイツチ18によりニユートラルレンジ「N」が
設定されたとしても、それは、操作スイツチ18を強く叩
き上げすぎた事による誤操作であると判断して、その操
作スイツチ18における操作を無視すべく、駆動モータ22
が駆動されない様に設定されている。
そして、このステツプS67が実行された後に、ステツ
プS53において、上述した一実施例と同様に、警報動作
を実行し、運転者の操作に反して、操作スイツチ18によ
り設定されるニユートラルレンジ「N」が自動変速機12
において設定されていない事を、運転者に報知する。こ
の後、ステツプS69において、フラグF(特)に「1」
がセツトされているか否かが判断される。このステツプ
S69においてNOと判断される場合、即ち、フラグF
(特)に「1」がセツトされておらず、事前に特別制御
が開始されていないと判断される場合には、ステツプS7
1において図示しないタイマをスタートする。このタイ
マには、例えば、運転者が自身の誤操作に気づき、操作
スイツチ18を操作して正しく前進ドライブレンジ「D」
を切り換え設定する様に操作するに十分な時間として、
約2秒間が規定されている。そして、このタイマはカウ
ントアツプする様に設定されている。
この様にステツプS71においてタイマをスタートさせ
た後に、ステツプS73において、フラグF(特)に
「1」をセツトして、上述したステツプS67に復帰し、
同様な手順を繰り返し実行する。
一方、上述したステツプS69においてYESと判断される
場合、即ち、フラグF(特)に「1」がセツトされてお
り、既に特別制御が開始されていると判断される場合に
は、ステツプS75に進み、タイマがタイムアツプしたか
否かが判別される。このステツプS75においていNOと判
断される場合、即ち、未だタイマはタイムアツプしてい
ないと判断される場合には、特別制御を継続すべく、上
述したステツプS67に戻り、これを実行する。また、こ
のステツプS75においてYESと判断される場合、即ち、タ
イマがタイムアツプしたと判断される場合には、この特
別制御と停止して、通常制御に移行すべく、ステツプS7
7において、フラグF(特)に「0」をセツトした上
で、メインルーチンのステツプS33に飛び、通常制御を
開始する事になる。
このようにして、この第3の変形例においては、運転
者は、インスツルメントパネル94に設けられた警報装置
128を見て、自身が操作した操作スイツチ18により、誤
つて、前進ドライブレンジ「D」ではなく、ニユートラ
ルレンジ「N」が設定された事に気付いく事を前提とし
て、誤操作を気付くに十分な時間の間は、駆動モータ22
の駆動を停止して、誤操作に基づく自動変速機12の走行
レンジの切り換えを禁止し、この設定された所定時間を
過ぎても尚、操作スイツチ18が切り換え操作されない場
合には、特段の事情により、運転者が積極的な意味を有
して、誤操作ではなく、ニユートラルレンジ「N」をあ
えて設定したものと認定して、通常制御に移行して、操
作スイツチ18において設定されたとおりのニユートラル
レンジ「N」に切り換え設定する様に構成されている。
この様に第3の変形例を構成する事により、上述した
一実施例と同様に、操作スイツチ18の誤操作による安全
性が担保される事になる。
[発明の効果] 以上詳述したように、請求項1の発明によれば、レン
ジが所定軌跡上に順次並設されたストローク接点式の操
作スイッチを備えたものにおいて、走行中に1つの走行
レンジから非走行レンジに設定された時はドライアの誤
操作と判定し他の走行レンジとしてアクチュエータを制
御するので、ドライバが操作スイッチを勢い余って操作
して、ドライバが意図するレンジとは異なるレンジが設
定されて、走行安定性が損なわれたり、ドライバが違和
感を感じることを防止できる。
また、請求項2の発明によれば、スロットル開度が全
閉でないときのみドライバの誤操作と判定するので、エ
ンジンのオーバーレブの可能性が大きいときのみ非走行
レンジへの切換指令によるアクチュエータの制御を禁止
でき、情性走行時でドライバが意図的にニュートラルレ
ンジにしたような時のドライバの意思と制御との干渉を
防止できる。
また、請求項3の発明によれば、レンジが所定軌跡上
にニュートラルレンジ、第1の走行レンジ、第2の走行
レンジの順に並設されたストローク接点式の操作スイッ
チを備えたものにおいて、走行中に第2の走行レンジか
らニュートラルレンジに設定された時はドライバの誤操
作と判定し、第1の走行レンジとしてアクチュエータを
制御するので、ドライバが操作スイッチを勢い余って操
作して、ドライバが意図するレンジとは異なるニュート
ラルレンジが設定されて、走行安定性が損なわれたり、
ドライバが違和感を感じることを防止できる。
また、請求項4の発明によれば、スロットル開度が全
閉でないときのみドライバの誤操作と判定するので、エ
ンジンのオーバーレブの可能性が大きいときのみ非走行
レンジへの切換指令によるアクチュエータの制御を禁止
でき、情性走行時でドライバが意図的にニュートラルレ
ンジにしたような時のドライバの意思と制御との干渉を
防止できる。
また、請求項5の発明によれば、第1の走行レンジに
強制的に設定されていることをドライバが認識できる。
また、請求項6の発明によれば、第1の走行レンジに
強制的に設定する必要がない車速が略ゼロの状態では、
ドライバが設定しているレンジ切換指令に応じた制御を
行うので、ドライバが違和感を感じることがない。
また、請求項7の発明によれば、レンジが所定軌跡上
にニュートラルレンジ、第1の走行レンジ、第2の走行
レンジの順に並設されたストローク接点式の操作スイッ
チを備えたものにおいて、走行中に第2の走行レンジか
らニュートラルレンジに設定された時はドライバの誤操
作と判定し、ニュートラルレンジへのレンジ切換指令が
出力される直前に出力されていたレンジ切換指令により
アクチュエータを制御するので、ドライバが操作スイッ
チを勢い余って操作して、ドライバが意図するレンジと
は異なるニュートラルレンジが設定されて、走行安全性
が損なわれたり、ドライバが違和感を感じることを防止
できる。
また、請求項8の発明によれば、ドライバ席の前方で
且つ、車幅方向に延びる回転軸回りに回動自在に配設さ
れ、設定されるレンジが回動軌跡上にニュートラルレン
ジ、第1の走行レンジ、第2の走行レンジの順に並設さ
れたストローク接点式の操作スイッチを備えたものにお
いて、車両の減速度が所定値以上で第2の走行レンジか
らニュートラルレンジに設定された時はドライバの誤操
作と判定し、ニュートラルレンジへのレンジ切換指令が
出力される直前に出力されていたレンジ切換指令により
アクチュエータを制御するので、車両の急減速時に運転
者の体が前に変移して運転者の膝が立ち、この立った膝
で操作スイッチを強制的に操作して、ドライバが意図す
るレンジとは異なるニュートラルレンジが設定されて、
走行安定性が損なわれたり、ドライバが違和感を感じる
ことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係わる車両用自動変速機の操作装置
の一実施例が適用される電動式走行レンジ切換装置の構
成を概略的に示す構成図; 第2図は第1図に示す駆動モータを制御系の接続状態を
示す結線図; 第3図は車室内における操作スイツチ及び手動駆動機構
の配設位置を示す斜視図; 第4図は操作スイツチの配設状態を、運転席に着座した
運転者から見た状態を示す正面図; 第5図は操作スイツチの配設状態を左側方から見た状態
で示す側面図; 第6図は操作スイツチの外観構成を示す斜視図; 第7図は操作スイツチの内部構成を、ガイド溝の形成パ
ターンと共に示す断面図; 第8図は取付リングに形成されたガイド溝の深さ形状を
示す断面図; 第9図はガイドピンの押し込み状態を示す断面図; 第10図は走行レンジを切り換える際の、操作スイッチの
操作力の相違する状態を示す線図; 第11図及び第12図は、夫々、操作スイツチの配設状態を
示す斜視図及び側面図; 第13図は後退レンジの設定位置を説明する側面図; 第14図は運転者の左足の膝の立つた状態を説明する側面
図;そして、 第15図はテレスコピツク機構やチルト機構が作動した場
合におけるステアリングホイールと操作スイツチの位置
関係を示す側面図; 第16図は操作スイツチにおける信号発生機構の接点構造
を模式的に示す上面図; 第17図は操作スイツチと制御ユニツトとの接続状態を具
体的に示す結線図; 第18A図は操作スイツチが正転した場合の第1及び第2
の出力端子からの出力レベルの変化順序を示すタイミン
グチヤート; 第18B図は操作スイツチが逆転した場合の第1及び第2
の出力端子からの出力レベルの変化順序を示すタイミン
グチヤート; 第19A図はCPUにおけるメインルーチンの手順を示すフロ
ーチャート; 第19B図はメインルーチンにおける通常制御動作の制御
手順を示すフローチヤート; 第19C図はメインルーチンにおける特別制御動作の制御
手順を示すフローチヤート; 第20図はCPUにおける第1の割り込みルーチンの手順を
示すフローチヤート; 第21図はCPUにおける第2の割り込みルーチンの手順を
示すフローチヤート; 第22図はCPUにおける第1のフエイル判定動作のサブル
ーチンの手順を示すフローチヤート; 第23図はCPUにおける第2のフエイル判定動作のサブル
ーチンの手順を示すフローチヤート; 第24図乃至第27図は、夫々、CPUにおける第1乃至第4
のタイマ割り込みルーチンの手順を示すフローチヤー
ト; 第28A図はこの一実施例におけるCPUのメインルーチンの
第1の変形例における手順を示すフローチヤート; 第28B図は第28A図に示すメインルーチンにおける特別制
御の第1の変形例における制御手順を示すフローチヤー
ト; 第29A図はこの一実施例におけるCPUのメインルーチンの
第2の変形例における手順を示すフローチヤート; 第29B図は第29A図に示すメインルーチンにおける特別制
御の第2の変形例における制御手順を示すフローチヤー
ト; 第30A図はこの一実施例におけるCPUのメインルーチンの
第3の変形例における手順を示すフローチヤート;そし
て、 第30B図は第30A図に示すメインルーチンにおける特別制
御の第3の変形例における制御手順を示すフローチヤー
トである。 図中、10……操作装置、12……自動変速機、14……エン
ジン、16……油圧バルブ、18……操作スイツチ、20……
電動式走行レンジ切換装置、22……駆動モータ、24……
駆動軸、26……回転アーム、28……連結ワイヤ、30……
制御ユニツト、32……インヒビタスイツチ、32a……旋
回アーム、34……クラツチ機構、36……ロータリエンコ
ーダ、38……手動駆動機構、40……回動板、42……ピニ
オンギヤ、44……ラツク部材、46……第1の補助連結ワ
イヤ、48……レンチ、50……切り換えレバー、52……第
2の補助ワイヤ、54……カウルパネルロア、54a……蓋
部材、56′……ステアリングホイール、56a;56b;56c;56
d,56e……スポーク、58……ステアリングコラム、60…
…方向指示レバー、62……ワイパ操作レバー、64……取
付リング、66……スイツチ本体、66a……外方フランジ
部、66b……軸部、66c……接触ロツド、66d……移動
部、66e……透孔、66f……係止ナツト、66g……コイル
スプリング、66h……凹部、66i……目隠し板、68……指
操作部、68a;68b……タツチスイツチ、70……押込み
部、72……ホールドボタン、74……モード切り換えボタ
ン、76……デイテント機構、761;762;76D;76N;76R;76P
……デイテント穴、78……規制機構、80……ガイド溝、
80a……直線溝部、80b……第1の横溝部、80c……傾斜
溝部、80d……第2の横溝部、80e……第3の横溝部、80
f……連結溝部、82……ガイドピン、82a……ピン本体、
82b……外方フランジ部、84……凹所、84a……第1の部
分、84b……第2の部分、86……係止リング、88……第
1のコイルスプリング、90……第2のコイルスプリン
グ、92……アームレスト、94……インスツルメントパネ
ル、96……走行レンジインジケータ、98……A/Tワーニ
ングランプ、100……信号発生機構、102……第1の接続
ライン、102a……分岐接続ライン、102b……主接続ライ
ン、104……第1の出力端子、106a〜106f……第2の接
続ライン、108a〜108f……第2の出力端子、110……第
1のパルス発生回路、112……第1のオアゲート回路、1
14……第2のオアゲート回路、116……第2のパルス発
生回路、118……第3のパルス発生回路、120……第3の
オアゲート回路、122……第4のパルス発生回路、124…
…マルチプレクサ回路、126……サーボアンプ、128……
警報装置、「P」;「R」;「N」;「D」;「2」;
「1」……走行レンジ、A;B……握り位置、C……中心
線、d1;d2……離間距離、G……間隙、h1;h2;h3……
深さ、l0……軸線、l1;l2;l3;l4;l5……回動半径、S
P;SR;Sn;SD;S2;S1……インヒビタスイツチの接点、XP;
XR;Xn;XD;X2;X1……操作スイツチの接点、φ0……給電
端子、φ1……第1の接触端子、φP;φR;φn;φD
φ2;φ1……第2の接触端子、Φ1……第1の出力、Φ2
……第2の出力、θ1;θ2;θ3……中心角度である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 清 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−8551(JP,A) 特開 昭64−87946(JP,A) 特開 平1−112064(JP,A) 特開 平1−250647(JP,A) 特開 昭60−122402(JP,A) 特開 昭62−101957(JP,A) 実開 昭63−188364(JP,U) 実開 昭61−148722(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 63/48 B60K 20/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の走行レンジと非走行レンジとを含む
    複数のレンジを備える自動変速機に対して該複数のレン
    ジを切り換えるための油圧バルブを駆動するアクチュエ
    ータと、 ドライバのレンジ切換操作に応じてレンジ切換指令を出
    力する変速操作手段と、 前記変速操作手段からのレンジ切換指令に応じて前記ア
    クチュエータを制御する制御手段とを備えた車両用自動
    変速機の操作装置において、 前記変速操作手段は、設定されるレンジが所定軌跡上に
    順次並設されたストローク接点式の操作スイッチを備
    え、 前記制御手段は、車両が走行中であるか否かを判定する
    と共に、該車両の走行中に前記変速操作手段で1つの走
    行レンジから非走行レンジへの切換指令が出力されたこ
    とを検出したときに前記操作スイッチが誤操作されたと
    判定し、前記変速操作手段から他の走行レンジへの切換
    指令が出力されたとして前記アクチュエータを制御する
    ことを特徴とする車両用自動変速機の操作装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記車両の走行中に前記
    変速操作手段で1つの走行レンジから非走行レンジへの
    切換指令が出力されたことを検出したときに、スロット
    ル開度が全閉でない時に限り前記操作スイッチが誤操作
    されたと判定することを特徴とする請求項1に記載の車
    両用自動変速機の操作装置。
  3. 【請求項3】複数の走行レンジとニュートラルレンジと
    を含む複数のレンジを備える自動変速機に対して該複数
    のレンジを切り換えるための油圧バルブを駆動するアク
    チュエータと、 ドライバのレンジ切換操作に応じてレンジ切換指令を出
    力する変速操作手段と、 前記変速操作手段からのレンジ切換指令に応じて前記ア
    クチュエータを制御する制御手段とを備えた車両用自動
    変速機の操作装置において、 前記変速操作手段は、設定されるレンジが所定軌跡上に
    ニュートラルレンジ、第1の走行レンジ、第2の走行レ
    ンジの順で並設されたストローク接点式の操作スイッチ
    を備え、 前記制御手段は、車両が走行中であるか否かを判定する
    と共に、該車両の走行中に前記変速操作手段から前記第
    2の走行レンジから前記ニュートラルレンジへの切換指
    令が出力されたことを検出したときに前記操作スイッチ
    が誤操作されたと判定し、前記第1の走行レンジへの切
    換指令が出力されたとして前記アクチュエーターを制御
    することを特徴とする車両用自動変速機の操作装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、前記車両の走行中に前記
    変速操作手段から前記第2の走行レンジから前記ニュー
    トラルレンジへの切換指令が出力されたことを検出した
    ときに、スロットル開度が全閉でない時に限り前記操作
    スイッチが誤操作されたと判定することを特徴とする請
    求項3に記載の車両用自動変速機の操作装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段により前記操作スイッチが誤
    操作されたと判定され、前記第1の走行レンジへのレン
    ジ切換指令としてアクチュエータの制御が行われている
    ことをドライバに報知する警報手段を更に備えることを
    特徴とする請求項3に記載の車両用自動変速機の操作装
    置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、前記操作スイッチが誤操
    作されたと判定し、前記第1の走行レンジへのレンジ切
    換指令としてアクチュエータの制御を行なっている時に
    車速が略ゼロになったと判定したならば、該制御を終了
    させることを特徴とする請求項3に記載の車両用自動変
    速機の操作装置。
  7. 【請求項7】複数の走行レンジとニュートラルレンジと
    を含む複数のレンジを備える自動変速機に対して該複数
    のレンジを切り換えるための油圧バルブを駆動するアク
    チュエータと、 ドライバのレンジ切換操作に応じてレンジ切換指令を出
    力する変速操作手段と、 前記変速操作手段からのレンジ切換指令に応じて前記ア
    クチュエータを制御する制御手段とを備えた車両用自動
    変速機の操作装置において、 前記変速操作手段は、設定されるレンジが所定軌跡上に
    ニュートラルレンジ、第1の走行レンジ、第2の走行レ
    ンジの順で並設されたストローク接点式の操作スイッチ
    を備え、 前記制御手段は、車両が走行中であるか否かを判定する
    と共に、該車両の走行中に前記変速操作手段から前記第
    2の走行レンジから前記ニュートラルレンジへの切換指
    令が出力されたことを検出したときに前記操作スイッチ
    が誤操作されたと判定し、前記ニュートラルレンジへの
    レンジ切換指令が出力される直前に前記操作スイッチに
    よって設定されていたレンジにより前記アクチュエータ
    を制御することを特徴とする車両用自動変速機の操作装
    置。
  8. 【請求項8】複数の走行レンジとニュートラルレンジと
    を含む複数のレンジを備えた自動変速機の該複数のレン
    ジを切り換えるための油圧バルブを駆動するアクチュエ
    ータと、 ドライバのレンジ切換操作に応じてレンジ切換指令を出
    力する変速操作手段と、 前記変速操作手段からのレンジ切換指令に応じて前記ア
    クチュエータを制御する制御手段とを備えた車両用自動
    変連機の操作装置において、 前記変速操作手段は、ドライバ席の前方で且つ、車幅方
    向に延びる回転軸回りに回動自在に配設され、設定され
    るレンジが回動軌跡上にニュートラルレンジ、第1の走
    行レンジ、第2の走行レンジの順に並設されたストロー
    ク接点式の操作スイッチを備え、 前記制御手段は、車両の減速度が所定値以上か否かを判
    定すると共に、該車両の減速度が所定値以上の時に前記
    変速操作手段から前記第2の走行レンジから前記ニュー
    トラルレンジへの切換指令が出力されたことを検出した
    ときに前記操作スイッチが誤操作されたと判定し、前記
    ニュートラルレンジへのレンジ切換指令によるレンジ切
    換を禁止することを特徴とする車両用自動変連機の操作
    装置。
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