JP2984302B2 - 車両用自動変速機の操作装置 - Google Patents

車両用自動変速機の操作装置

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    • F16H59/02Selector apparatus
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    • F16H2059/081Range selector apparatus using knops or discs for rotary range selection

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、自動変速機の走行レンジを切り換えるた
めの油圧バルブを駆動するアクチユエータと、このアク
チユエータを制御する制御手段と、この制御手段に変速
切り換え指令を出力する変速操作手段とを備えた車両用
自動変速機の操作装置に関する。
[従来の技術] 一般に車両用自動変速機の操作装置としては、自動変
速機の走行レンジを切り換えるための油圧バルブに直接
機械的に接続され、運転者の手により移動されるように
設定された所の、変速操作手段としてのセレクトレバー
を備えており、運転者はこのセレクトレバーを所望の走
行レンジ位置に移動させることにより、油圧バルブの弁
位置を切り換えて、所望の走行レンジを切り換えるよう
に設定されている。
このような手動式の操作装置においては、セレクトレ
バーと油圧バルブとが、アームやリンク等を介して機械
的に直接接続されているため、セレクトレバーを移動さ
せるために強い操作力が必要となり、軽い操作力で済む
操作装置が要望されていた。
この要望を満足させるべく、近年、例えば、特公昭63
−37729号公報に示されるように、トランスミツシヨン
内の油圧バルブに連結されたワイヤによつて油圧バルブ
を制御して走行レンジの切り換えを行なう自動車の自動
変速機において、このワイヤを駆動モータにより駆動す
ると共に、電気的スイツチの操作でこの駆動モータを作
動させるようにした電動式レンジ切換装置が提案されて
いる。このような電動式レンジ切換装置によれば、運転
者は単に、電気的スイツチを操作するのみで走行レンジ
を駆動モータを介して切り換えることが出来ることとな
り、運転者はこの電気的スイツチを軽い操作力で操作し
て、走行レンジの切り換えを指示することが出来ること
になる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような従来の電動式レンジ切換装
置においては、電気的スイツチにより指示された走行レ
ンジに、自動変速機における走行レンジを正確に一致し
た状態で設定する様に制御している。このため、この制
御を司る制御ユニツトにおいて故障が発生したり、制御
手順が暴走したりするシステムフエイルが発生した場合
でも、車両を安全に走行させる事のできるフエイルセイ
フが確実に作動する事が要求されている。
この発明は上述した課題に鑑みなされたもので、この
発明の目的は、制御ユニツトにおいてシステムフエイル
が発生しても、車両を安全に走行させる事のできる車両
用自動変速機の操作装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発
明に係わる車両用自動変速機の操作装置は、自動変速機
の走行レンジを切り換えるための油圧バルブを駆動する
アクチュエータと、これらアクチュエータを制御する制
御手段と、この制御手段に現在設定された走行レンジを
示すレンジ信号を出力する変速操作手段とを備えた車両
用自動変速機の操作装置において、前記変速操作手段
は、前記走行レンジを設定操作するための操作レバーを
備え、前記制御手段は、少なくとも2つの制御ユニット
を備え、一方の制御ユニットは、他方の制御ユニットが
フェイルしていない状態で、前記操作レバーの操作に応
じて、パーキングレンジ、後退レンジ、ニュートラルレ
ンジ、前進ドライブレンジ、前進2速レンジ、前進1速
レンジの6種類の中で走行レンジを切り換え制御し、一
方の制御ユニットがフェイルした場合には、他方の制御
ユニットにより後退レンジ、ニュートラルレンジ、前進
ドライブレンジの3種類の中でのみ走行レンジを切り換
え制御するように前記操作レバーで設定操作可能な走行
レンジの種類を限定する。
また、好ましくは、前記他方の制御ユニットは、前記
操作レバーで設定操作されたパーキングレンジをニュー
トラルレンジと擬制し、前進2速レンジ、前進1速レン
ジを前進ドライブレンジと擬制する。
[作用] 以上のように発明に係わる車両用自動変速機の操作装
置は構成されているので、少なくとも2つ設けられた制
御ユニツトの中で、一方の制御ユニツトがシステムフエ
イルしたと判断された場合には、他方の制御ユニツトに
より前記アクチユエータを制御する事になる。この様に
して、システムフエイルに対するフエイルセイフが確実
に達成される事になる。また、このフエイルセイフ動作
において、縮退制御が実行されるので、一方の制御ユニ
ツトがフエイルした状態における車両の安全走行状態が
確保される事になる。
[実施例] 以下に、この発明に係わる車両用自動変速機の操作装
置の一実施例の構成を添付図面を参照して、詳細に説明
する。
この一実施例の操作装置10は、第1図に示すように、
自動変速機12の走行レンジの切り換え操作を電動を利用
して軽い操作力で行なうことが出来るように構成されて
おり、また、この自動変速機12は、エンジン14の駆動力
を駆動輪、この一実施例においては前輪(図示せず)に
伝達するよう構成されている。ここで、この自動変速機
12は、走行レンジを切り換えるための油圧バルブ16を備
える通常使用されているタイプであつて、その構成は周
知であるため、ここでの説明を省略する。
そして、この一実施例の操作装置10は、この発明の特
徴をなす操作スイツチ(その詳細な構成及び取り付け態
様の説明は後述する。)18の操作に応じて、上述した油
圧バルブ16を電動により駆動して走行レンジを切り換え
るため電動式走行レンジ切換装置(以下、単に、レンジ
切換装置と呼ぶ。)20を備えている。このレンジ切換装
置16は、2台の可逆転可能なDCモータからなる駆動モー
タ22A,22Bと、両駆動モータ22A,22Bにより同時に、ま
た、各駆動モータ22A,22Bにより個別に駆動力が入力さ
れる遊星歯車機構23(この構成は後に詳細に説明す
る。)と、この遊星歯車機構23の出力軸24に固定され、
所定半径を有する回転アーム26と、この回転アーム26の
先端と油圧バルブ16の切り換えロツド16aの先端とを互
いに連結する連結ロツド28と、操作スイツチ18から出力
されたレンジ切り換え指令に基づき、駆動モータ22A,22
Bの駆動状態を制御する制御ユニツト30とを備えてい
る。尚、上述した連結ロツド28は、詳細には、油圧バル
ブ16に回動自在に軸支され、これの回動位置に応じて、
走行レンジを切り換え駆動する切り換えロツド16aの先
端に接続されている。
また、上述した制御ユニツト30は、図示する様に、第
1乃至第3の3台のCPU30A,30B,30Cを備えている。即
ち、この制御ユニツト30は、所謂3重の制御系を有して
いる。これらCPU30A,30B,30Cの各々の制御手順は、後に
詳細に説明するが、第1のCPU30Aは第1の駆動モータ22
Aを駆動制御するために設けられ、また、第2のCPU30B
は第2の駆動モータ22Bを駆動制御するために設けら
れ、そして、第3のCPU30Cは、第1及び第2のCPU30A,3
0Bにおける制御動作の相互関係を規定すると共に、第1
のCPU30AをメインCPUとして、また、第2のCPU30Bをサ
ブCPUとして位置付け、メインの第1のCPU30Aの制御動
作が暴走等してフェイルした場合に、これによる第1の
駆動モータ22Aの駆動を停止させ、サブの第2のCPU30B
による制御動作に切り換え実行して、フエイルセイフ動
作を達成する様に構成されている。
ここで、上述した自動変速機12には、第2A図に示すよ
うに、遊星歯車機構23の出力軸24から出力される駆動力
により切り換え駆動される切り換えスイツチ32が設けら
れている。この切り換えスイツチ32は、油圧バルブ16に
よる走行レンジの切り換え状態に応じて、切り換えられ
た走行レンジ状態を示す表示用インヒビタスイツチ32a
と、対応する駆動モータ22A,22Bの駆動停止時期を指示
するための制御用インヒビタスイツチ32bとから構成さ
れている。
換言すれば、この切り換えスイツチ32は、スイツチ本
体32dと、上述した油圧バルブ16の切り換えロツド16aと
一体回転する様に取りつけられた扇形状に形成された切
り換え部材32eとを備え、このスイツチ本体32dの表面上
には、上述した表示用インヒビタスイツチ32aにおける
各走行レンジに各々対応した接点HP、HR、HN、HD、H2
H1と、制御用インヒビタスイツチ32bにおける各走行レ
ンジに各々対応した接点SP、SR、SN、SD、S2、S1とが配
設されている。
ここで、遊星歯車機構23からの出力に応じて切り換え
駆動された切り換え部材32eの回動により、これは、表
示用インヒビタスイツチ32a,制御用インヒビタスイツチ
32bにおいては、対応する走行レンジに応じた接点と選
択的に接触する様に構成されている。
次に、この自動変速機12における切り換えスイツチ32
の構成を第2B図乃至第2D図を参照して説明する。
この切り換えスイツチ32には、第2B図に示す様に、自
動変速機12での各駆動モータ22A,22Bによる停止位置を
対応する走行レンジ位置において正確に機械的に規定す
るために、デイテント機構33が設けられている。このデ
イテント機構33は、扇状の切り換え部材32eの円弧状の
端面に連続した状態で形成された6つの凹部33a,33b,33
c,33d,33e,33fを備えている。これら凹部33a,33b,33c,3
3d,33e,33fは、円弧面に沿って等間隔に形成され、夫
々、6つの走行レンジ、即ち、パーキングレンジ
「P」、後退レンジ「R」、ニユートラルレンジ
「N」、前進ドライブレンジ「D」、前進2速レンジ
「2」、前進1速レンジ「1」に対応する様に設定され
ている。尚、これら凹部33a,33b,33c,33d,33e,33fの配
設間隔を規定する離間角度は、図示していないが、油圧
バルブ16において規定される6つの走行レンジ位置の配
設間隔を規定する離間角度と同様に設定されている。
一方、上述したスイツチ本体32dの上面には、切り換
え部材32eの円弧状の端面に対向した状態で、肉厚部33g
が一体的に形成されている。この肉厚部33gの、上述し
た6つの凹部33a,33b,33c,33d,33e,33fの何れかに対向
し得る位置に、切り換え部材32eの回転中心を通る軸線
に沿つて、透孔33hが形成されている。この透孔33h内に
は、これに対向する位置に回動されてきた凹部33a,33b,
33c,33d,33e,33fの、一つ嵌入する様に設定されたボー
ル33iと、このボール33iを外方に突出する様に付勢する
コイルスプリング33jと、上述したボール33iが配設され
た側とは反対側の透孔33hの端部を閉塞するためのプラ
グ33kが配設されている。
この様にデイテント機構33は構成されているので、こ
の切り換え部材32e、及び、これに同軸に取りつけられ
た油圧バルブ16の切り換えロツド16aとは、各走行レン
ジ位置において、機械的に拘束された状態で、停止する
事になる。換言すれば、このようにデイテント機構33を
備える事により、この切り換え部材32e、及び、これに
同軸に取りつけられた油圧バルブ16の切り換えロツド16
aとは、各走行レンジを規定する位置の前後に、所定範
囲のすい込み範囲Eを備える事になる。即ち、第2C図の
(e)に示す様に、各走行レンジ位置においては、対応
する凹部33a,33b,33c,33d,33e,33fの最も凹んだ部分を
中心として、回動方向に沿う前後に、上述したすい込み
範囲Eが形成される事になる。
一方、上述した切り換えスイツチ32においては、第2C
図の(b),(c)に夫々示す様に、切り換え部材32e
の裏面に、スイツチ本体32dの表面に形成された2種類
のスイツチ、即ち、表示用インヒビタスイツチ32aと制
御用インヒビタスイツチ32bとの夫々の接点に接触可能
な状態で、2本の摺動ブラシ32f,32gが取りつけられて
いる。ここで、各走行レンジ位置は、第2C図の(a)に
符号Fで示す様に、対応する凹部を規定するところの、
互いに隣接する山部(突起部分)の間の範囲として規定
される事になる。
そして、これら表示用インヒビタスイツチ32aと制御
用インヒビタスイツチ32bとにおける夫々の接点は、切
り換え部材32eの回動方向に沿つて所定範囲で延出する
様に形成され、この中心位置は、対応する走行レンジ位
置の中心点CPと一致する様に設定されている。ここで、
表示用インヒビタスイツチ32aの各接点HP、HR、HN
HD、H2、H1は、概略、符号Eで示される各走行レジの全
範囲に渡り形成されている。また、制御用インヒビタス
イツチ32aの各接点SP、SR、SN、SD、S2、S1は、最も狭
い範囲で形成されている。
ここで、第2C図に制御用インヒビタスイツチ2の接点
の下方に示す様に、油圧バルブ16においては、上述した
表示用インヒビタスイツチ23aの各接点HP、HR、HN
HD、H2、H1及び制御用インヒビタスイツチ32aの各接点S
P、SR、SN、SD、S2、S1に夫々対応した状態で、油圧発
生領域YP、YR、YN、YD、Y2、Y1が規定されている。これ
ら油圧発生領域YP、YR、YN、YD、Y2、Y1は、制御用イン
ヒビタスイツチ32bの接点の配設範囲よりは大きく、ま
た、表示用インヒビタスイツチ32aの接点配設範囲より
も小さい範囲で形成されている。
尚、この最も狭い配設範囲を有する制御用インヒビタ
スイツチ32aの各接点の大きさは、第2C図の(e)から
明らかな様に、上述したすい込み範囲Eよりも大きく形
成されている。換言すれば、このすい込み範囲Eにボー
ル33iが嵌入する状態において、対応する走行レンジが
機械的に拘束された状態で確実に規定される事となり、
そして、この様に機械的に走行レンジが拘束された状態
で規定されている場合には、走行用インヒビタスイツチ
32aからは、必ず、表示用インヒビタ信号が出力され、
制御用インヒビタスイツチ32bからは制御用インヒビタ
信号が出力され、また、油圧バルブ16において所定の油
圧が発生される状態となる。この様にして、制御ユニツ
ト30には、この切り換えスイツチ32から確実に所定の信
号が出力される事になる。
また、第1図に示す様に、上述した遊星歯車機構23に
おいて、これの出力軸24には、クラツチ機構34が介設に
連結されており、このクラツチ装置34は、上述した制御
ユニツト30により断続接続されるように接続されてい
る。即ち、この制御ユニツト30は、通常状態において、
クラツチ機構34を接続状態に維持して、自動変速機12が
駆動モータ22A,22Bにより電動駆動されるように設定さ
れ、後述するように、制御ユニツト30における切替制御
動作がフエイルしていると判断された際に、フエイルセ
イフとして、このクラツチ機構34を切断状態とし、自動
変速機12が両駆動モータ22A,22Bにより駆動されないよ
うに設定されている。
更に、両駆動モータ22A.22Bには、第2A図に示す様
に、ロータリエンコーダ36A,36Bが夫々接続されてお
り、対応するモータ22A,22Bの駆動量が常時検出されて
いる。これらロータリエンコーダ36A,36Bは、制御ユニ
ツト30の第1及び第2のCPU30A,30Bに夫々接続され、検
出結果を出力している。そして、各制御ユニツト30A,30
Bは、対応するロータリエンコーダ36A,36Bからの出力結
果を受けて、対応する駆動モータ22A,22Bの駆動量、換
言すれば、遊星歯車機構23を介しての回転アーム26の回
動位置を認識するように構成されている。
一方、第1図に示す様に、上述したレンジ切替装置20
には、例えば、制御ユニツト30における第1及び第2の
CPU30A,30Bが共にシステムフエイルした場合や、バツテ
リが上がつて、制御動作の実行不能状態が発生した場合
において、手動で自動変速機12を切り換え駆動するため
の、手動駆動機構38が接続されている。この手動駆動機
構38は、第1図に示すように、上述した出力軸24と平行
な回動軸線回りに回転可能な回動板40と、この回動板40
の外周に形成されたピニオンギヤ42と、このピニオンギ
ヤ42に噛合するラツク部材44と、このラツク部材44と上
述した回転アーム26の先端とを互いに連結する第1の補
助連結ワイヤ46とを備えている。尚、この第1の補助連
結ワイヤ46は、上述した連結ワイヤ28と一直線状になる
ように延出するよう設定されており、回動板40の回動に
より、油圧バルブ16が切り換え駆動されるようになされ
ている。
ここで、この回動板40の中心部には、摺動回動部材と
してのレンチ48が嵌合する嵌合穴40aが形成されてお
り、このレンチ48を介して、回動板40は任意の位置に手
動により回動することが出来ることになる。尚、このよ
うな回動板40の手動回動に際して、クラツチ機構34が接
続状態であると、後述する様に遊星歯車機構23に両駆動
モータ22A,22Bがウオームギヤを介して接続されている
の、出力軸24がロツクして回転不能状態となる。このた
め、このクラツチ機構34を機械的に切断状態とするため
の切り換えレバー50が設けられ、この切り換えレバー50
は第2の補助ワイヤ52を介してクラツチ機構34に接続さ
れている。即ち、この切り換えレバー50が制御位置にあ
る状態において、クラツチ機構34は制御ユニツト30によ
り制御可能な状態に設定され、切断位置にある状態にお
いて、クラツチ機構34な機械的に切断状態に設定される
こととなる。
尚、この手動駆動機構38は、第3図に示すように、車
室内とエンジンルームとを区切るカウルパネルロア54の
丁度、中央下部の内方に位置するように配設されてお
り、ここに取り付けられた蓋部材54aを取り外すことに
より、回動板40が露出するように設定されている。
このようにして、制御ユニツト30のシステムフエイル
時やバツテリ上がり時において、運転者は、この蓋部材
54aを取り外すことにより、手動駆動機構38にアクセス
して、切り換えレバー50を切換位置に切り換えた後、レ
ンチ48を介してこの回動板40を回動駆動することによ
り、自動変速機12を直接手動により切り換え駆動するこ
とが出来ることになる。
次に、第2E図及び第2F図を参照して、上述した遊星歯
車機構23の構成を説明する。
この遊星歯車機構23は、第2E図に示す様に、一端外周
面に外歯が形成された太陽歯車23aと、この太陽歯車23a
の外周に、これと同軸回りに回転自在に支持され、内周
面に内歯が形成された内歯車23bと、これら太陽歯車23a
と内歯車23bと同軸上で回転する様に、ベアリング23c
(第2F図に示す。)を介して太陽歯車23aの中間部分の
外周に回転自在に支持されたドーナツツ状の遊星キヤリ
ヤ23dと、この遊星キヤリヤ23dに回転自在に支持され、
太陽歯車23aと内歯車23bとに同時に噛合する3つの遊星
歯車23eとを備えている。
ここで、第2F図に示す様に、遊星キヤリヤ23dには、
これと同軸に第1のウオームホイール23fが固定され、
この第1のウオームホイール23fには、第1の駆動モー
タ22Aの駆動軸に固着された第1のウオームギヤ23gが互
いの回転軸線を直交させた状態で噛合している。一方、
太陽歯車23aには、これと同軸に第2のウオームホイー
ル23hが固定され、この第2のウオームホイール23hに
は、第2の駆動モータ22尾の駆動軸に固着された第2の
ウオームギヤ23iが互いの回転軸線を直交させた状態で
噛合している。また、内歯車23bには、これと同軸に、
上述した出力軸24が接合されている。
このように遊星歯車機構23は構成されているので、遊
星キヤリヤ23dと太陽歯車23aとが2つの駆動力入力要素
として機能し、内歯車23bが1つの駆動力出力要素とし
て機能する事になる。
即ち、第1の駆動モータ22Aが駆動状態に、また、第
2の駆動モータ22Aが停止状態に夫々設定された状態に
おいて、太陽歯車23aは、第2のウオームホイール23hと
第2のウオームギヤ23iとの噛合を介して固定状態を維
持され、このようにして、第1の駆動モータ22Aからの
駆動力は、遊星歯車23e、内歯車23bを順次介して、出力
軸24に伝達される事になる。一方、第1の駆動モータ22
Aが停止状態に、また、第2の駆動モータ22Aが駆動状態
に夫々設定された状態において、遊星キヤリヤ23dは、
第1のウオームホイール23fと第1のウオームギヤ23gと
の噛合を介して固定状態を維持され、このようにして、
第2の駆動モータ22Bからの駆動力は、太陽歯車23a、遊
星歯車23e、内歯車23bを順次介して、出力軸24に伝達さ
れる事になる。
また、第1及び第2の両駆動モータ22A,22Bが共に駆
動状態に設定された場合には、上述した説明から明らか
な様に、出力軸24は、一方の駆動モータ22A,22Bにより
単独に駆動される場合と比較して、約2倍の回転速度で
回転駆動される事になる。尚、この場合、第1及び第2
の駆動モータ22A,22Bの回転方向は、互いに反対方向と
なる様に設定されている。
このようにして、この遊星歯車機構23を用いる事によ
り、1本の出力軸24は、第1または第2の駆動モータ22
A,22Bにより単独に回転駆動され得る事になるし、ま
た、両駆動モータ22A,22Bにより同時に回転駆動され得
る事になる。
以上のように構成されるレンジ切換装置20の制御ユニ
ット30にレンジ切り換え指令を出力するための、この発
明の特徴をなす変速操作手段としての操作スイツチ18に
ついて、第3図以降を参照して、詳細に説明する。
この操作スイツチ18は、第3図に示すように、車室内
において、ステアリングホイール56が回動自在に取り付
けられたステアリングコラム58の左側面、換言すれば、
方向指示レバー60が設けられた側とは反対側であつて、
ワイパ操作レバー62が設けられた側とは同一側に配設さ
れている。この操作スイツチ18は、所謂ストローク接点
式のスイツチとして構成され、詳細には、車幅方向に沿
つて延出する回動軸線回りに回動可能に取り付けられた
ロータリ式スイツチから構成されている。
ここで、この操作スイツチ18のステアリングコラム58
の左側面における配設位置は、第4図に示すように、略
中立位置(即ち、回転角度が0゜の位置)にあるステア
リングホイール56の所謂8時20分に位置する両脇部分を
両手で把持した状態において、運転席に着座した運転者
が正面を見た場合に、丁度、ステアリングホイール56の
空間部分を通して、操作スイツチ18を視認することが出
来るように設定されており、また、ステアリングホイー
ル56も、この視認性が確保されるように3本スポークタ
イプ、詳細には、3時、6時、9時方向に沿つて夫々延
出するように設定された3本のスポーク56a,56b,56cを
備えるように構成されている。
また、この操作スイツチ18の配設位置は、ワイパ操作
レバー62との関係においては、第5図に示すように、ワ
イパ操作レバー62がステアリングコラム58の左側面の手
前側上方に設定されているのに対して、この操作スイツ
チ18はステアリングコラム58の左側面の手前側下方に設
定されている。換言すれば、ワイパ操作レバー62と操作
スイツチ18とは、ステアリングコラム58の高さ方向中心
線Cを境に、上下に夫々離間された状態で配設されてい
る。
一方、この操作スイツチ18は、第6図に示すように、
ステアリングコラム58の左側面に一体的に固定される円
環状の取付リング64と、この取付リング64に車幅方向に
沿つて延出する軸線回りに回転自在に軸支されると共
に、軸方向に沿つて押し込み自在に支持されたスイツチ
本体66と、このスイツチ本体66の外周から半径方向外方
に突出すると共に軸方向に沿つて延出するように一体的
に形成された指操作部68と、この指操作部68のステアリ
ングコラム58側の端部に起立した状態(即ち、円周方向
に沿つて延出する状態)で一体的に形成された押込み部
70とを備えている。
ここで、第6図から明らかなように、指操作部68の正
面端面の図中右端には、ホールドボタン72が、また、押
込み部70の側面の最奥部には、自動変速機12における走
行レンジの切り換えモードを切り換えるためのモード切
り換えボタン74とが夫々配設されている。
尚、ホールドボタン72は、これを押し込まない状態
で、通常のシフト変更状態が規定され、これを押し込む
ことにより、前進ドライブレンジにおいては3速に、前
進2速レンジにおいては2速に、夫々固定されるように
設定されている。また、モード切り換えボタン74は、こ
れが押し込まれない状態で、自動変速機12における走行
レンジの切り換え態様を、ねばり強い走行感を重視した
パワーモード(山道走行に好適する)に規定し、押し込
まれた状態で、経済性を重視したエコノミモード(市内
走行に最適する)にする)に規定するように設定されて
いる。
一方、上述した取付リング64の外周面には、時計方向
に沿つて、パーキングレンジを示す「P」、後退レンジ
を示す「R」、ニユートラルレンジを示す「N」、前進
ドライブレンジを示す「D」、前進2速レンジを示す
「2」、そして、前進1速レンジを示す「1」の英数字
が、順次描かれている。そして、この操作スイツチ18に
おいては、スイツチ本体66が回動することにより、その
回動位置に応じて設定された走行レンジを規定するため
のレンジ切り換え指令を出力するように構成されてお
り、詳細には、丁度、指操作部68の丁度ま横に位置する
英数字で表される走行レンジを達成するように、レンジ
切り換え指令を出力するよう構成されている。即ち、こ
の指操作部68は、現在設定されている走行レンジを指し
示す指標としても機能するものである。
ここで、図示するように、英数字「N」,「D」,
「2」,「1」は、狭い間隔d1で等間隔に順次直列状態
に並べられているが、英字「R」は、英字「N」に対し
て、間隔d1より大きく設定された広い間隔d2だけ離間し
た状態で並べられ、英字「P」は英字「R」に対して上
述した狭い間隔d1で離間した状態で並べれられるように
設定されている。また、英数字「N」,「D」,「2」
は、第4図に示すように、運転席に着座した運転者が正
面を見た状態において、丁度、英字「D」を真ん中に置
いて直視することが出来る位置に配設されている。この
ようにして、ニユートラルレンジ「N」,前進ドライブ
レンジ「D」,前進2速レンジ「2」の間で走行レンジ
を切り換える動作を実行した場合には、現在何れの走行
レンジが設定されているかは、指操作部68が指し示す英
数字「N」,「D」,「2」を読み取ることにより瞬時
に認識することが出来ることとなり、運転者は安心して
走行レンジを切り換えることが出来ることになる。
一方、第4図から明らかなように、直視する状態にお
いて、英字「R」,「P」は見ることが出来ないことに
なる。この結果、詳細は後述するが、ニユートラルレン
ジ「N」から後退レンジ「R」へは、単にスイツチ本体
66を回動するのみでは移行することが出来ず、スイツチ
本体66を軸方向に押し込まなければ走行出来ないように
設定されているので、機構上、ニユートラルレンジ
「N」,ドライブレンジ「D」,前進2速レンジ「2」
の間で自由にレンジ切り換えを実行すべく、スイツチ本
体66を回動させる状態において、決して、後退レンジ
「R」が設定されないものであるが、この事は、運転者
が直視する状態において、英字「R」,「P」は見るこ
とが出来ないことにより、ニユートラルレンジ「N」か
ら後退レンジ「R」に入る心配の無いことが心理的にも
担保されることになり、運転者は心から安心して、ニユ
ートラルレンジ「N」,ドライブレンジ「D」,前進2
速レンジ「2」の間で自由に走行レンジの切り換えを実
行することが出来ることになる。
次に、この操作スイツチ18の内部構成について、第7
図乃至第10図を参照して詳細に説明する。
第7図に示すように、操作スイツチ18のスイツチ本体
66は、内方端部に、外方フランジ部66aが一体的に形成
され、車体の車幅方向に沿つて延出した軸部66bを備え
ている。この軸部66bは、自身の中心軸線回りに回転自
在に支持されると共に、軸方向に沿う移動を禁止された
状態で取り付けられている。また、この外方フランジ部
66aの内方の表面の外周部には、接触ロツド66cが軸方向
に沿つて延出した状態で、即ち、ステアリングコラム58
の表面に向けて延出するように取り付けられている。
そして、この外方フランジ部66aが対向するステアリ
ングコラムの表面には、この接触ロツド66cの回転軌跡
に沿つて、上述したインヒビタスイツチ32と同様に、パ
ーキングレンジ「P」、後退レンジ「R」、ニユートラ
ルレンジ「N」、前進ドライブレンジ「D」、前進2速
レンジ「2」、そして、前進1速レンジ「1」に夫々対
応した接点XP、XR、XN、XD、X2、X1が、接触ロツド66c
に接触可能に取り付けられている。そして、これら接点
XP、XR、XN、XD、X2、X1は、取付リング64の外周に描か
れた走行レンジを夫々表示する英数字の表示位置に応じ
た位置に配設されている。
ここで、各接点XP、XR、XN、XD、X2、X1は、各々制御
ユニツト30に接続されており、このようにして、操作ス
イツチ18においては、接続ロツド66cが接触した接点
XP、XR、XN、XD、X2、X1から、対応するレンジ切り換え
指令が制御ユニツト30に出力されることになる。
一方、このスイツチ本体66は、軸部66bに対して軸方
向に沿つて移動自在に取り付けられた移動部66dを備え
ている。即ち、この移動部66dには、軸方向に沿つて透
孔66eが形成されており、この透孔66eを軸部66bが貫通
して外方に取り出されることにより、この移動部66d
は、軸部66bの延出方向に沿つて移動可能に支持される
ことになる。ここで、この移動部66dの外周面には、上
述した指操作部68が一体的に形成されている。また、こ
の移動部66dの内方端部は、外方端部に比較して径少に
設定され、上述したリング状の取付リング64内に収納さ
れるよう設定されている。
そして、軸部66bの外方端部には、移動部66dの外方へ
の取り出しを禁止するための係止ナツト66fが螺着され
ている。一方、この移動部66dと外方フランジ部66aとの
間には、コイルスプリング66gが介設されており、移動
部66dは、このコイルスプリング66gの付勢力により、常
時、外方に向けて付勢され、これに外力が作用しない限
りにおいて、上述した係止ナツト66fに当接して、その
位置を弾性的に保持されている。このようにして、この
スイツチ本体66は、通常は外方に付勢されており、上述
した押込み部70を介して軸方向内方に押し込むことによ
り、このスイツチ本体66はコイルスプリングの付勢力に
抗して、軸方向内方へ押し込まれ得ることとなる。
尚、移動部66dの外側面には、上述した係止ナツト66f
を収納するための凹部66hが形成されており、また、こ
凹部66hを閉塞して、係止ナツト66fを目隠しするための
目隠し板66iが取り付けられている。
ここで、この操作スイツチ18は、スイツチ本体66を回
動しての走行レンジの切り換えに際して、この回動駆動
を各走行レンジ位置において正確に係止するためのデイ
テント機構76を備えると共に、ニユートラルレンジ
「N」から後退レンジ「R」への切り換え、及び、後退
レンジ「R」とパーキングレンジ「P」との間の切り換
えに際しては、単に、スイツチ本体66を回転するのみで
は切り換えられずに、このスイツチ本体66を軸方向に沿
つて内方に押し込まなければ切り換え動作を行なうこと
が出来ないような規制機構78を備えている。
これらデイテント機構76及び規制機構78のために、上
述した取付リング64の外方端は、移動部66dの径少部の
略中程まで延出している。このため、この外方端は、移
動部66dの径大部を規定する段部の端面との間に隙間G
が形成されることになるが、この隙間Gの軸方向長さ
は、後述する移動部66bの軸方向押し込み量よりも僅か
に長く設定されている。ここで、規制機構78は、この取
付リング64の内周面に形成されたガイド溝80と、このガ
イド溝80内に外方端部を嵌入されるてガイドされるよう
に、移動部66bに弾性的に進退自在に取り付けられた1
本のガイドピン82とを備えている。
このガイド溝80は、第8図に示すように、丁度、前進
1速レンジ「1」とパーキングレンジ「P」との間に渡
り形成されており、このガイド溝80とガイドピン82との
嵌合により、前進1速レンジ「1」及びパーキングレン
ジ「P」を越えて、スイツチ本体66が回動することが禁
止されている。ここで、上述したデイテント機構76は、
第7図に示すように、このガイド溝80の底面に、上述し
た配設関係に基づいて、パーキングレンジ「P」、後退
レンジ「R」、ニユートラルレンジ「N」、前進ドライ
ブレンジ「D」、前進2速レンジ「2」、そして、前進
1速レンジ「1」に夫々対応したデイテント穴76P,76R,
76N,76D,762,761を備えており、これらデイテント穴7
6P,76R,76N,76D,762,761は、取付リング64の周方向に沿
う1本の軸線l0上に位置するように設定されている。
尚、各デイテント穴76P,76R,76N,76D,762,761の底面
は、第8図に示すように、取付リング64の内周面から第
1の深さh1だけ半径方向外方に入り込んだ位置に設定さ
れている。
また、このガイド溝80は、第7図の下部に、周方向形
状を平面上に展開した状態で示すように、前進2速レン
ジ「2」からニユートラルレンジ「N」との間に渡り周
方向l0に沿つて直線状に形成された直線溝部80aと、こ
の直線溝部80aの上端において、ニユートラルレンジ
「N」から軸方向内方向に延出(即ち、直線溝部80aと
直交)した第1の横溝部80bと、この第1の横溝部80bの
内方端から後退レンジ「R」まで周方向l0に対して斜め
に延出する傾斜溝部80cと、後退レンジ「R」から軸方
向内方に延出した第2の横溝部80dと、パーキングレン
ジ「P」から軸方向内方に延出した第3の横溝部80e
と、これら第2及び第3の横溝部80d,80eの互いの内方
端同士を連結するように周方向l0に沿つて延出する第1
の連結溝部80fと、上述した直線溝部80aの下端におい
て、前進2速レンジ「2」から軸方向内方に延出した第
4の横溝部80gと、この第4の横溝部80gの内方端から周
方向l0に沿つて前進1速レンジ「1」まで延出した第2
の連結溝部80hとから連続した状態で構成されている。
尚、第1乃至第3の横溝部80b,80d,80eの夫々の延出
長さが、上述したスイツチ本体66の軸方向押し込み量と
して規定されるものであり、これら延出長さは共に同一
長さに設定されている。このようにガイド溝80を構成す
ることにより、前進1速レンジ「1」からニユートラル
レンジ「N」に向けての走行レンジの切り換え、及び、
後退レンジ「R」から前進2速レンジ「2」に向けての
走行レンジの切り換え動作は、単に、スイツチ本体66を
回動させる1動作のみで実行することが出来ることにな
る。しかしながら、ニユートラルレンジ「N」からパー
キングレンジ「P」までの走行レンジの切り換え、パー
キングレンジ「P」と後退レンジ「R」との間の走行レ
ンジの切り換え、並びに、前進2速レンジ「1」から前
進1速レンジ「1」までの走行レンジの切り換え動作
は、各レンジを通過毎に、一旦、スイツチ本体66を軸方
向に沿つて押し込み動作しつつ、回動させると謂う2動
作が必要となる。
この結果、上述したスイツチ本体66の回動動作のみで
は、ニユートラルレンジ「N」から後退レンジ「R」へ
の走行レンジの切り換え、及び、後退レンジ「R」とパ
ーキングレンジ「P」との間の走行レンジの切り換え動
作は不可能となり、不用意に、これら切り換え動作が行
なわれることが確実に防止されることとなり、安全走行
状態が確保されることとなる。
また、第8図に示すように、前進2速レンジ「2」と
ニユートラルレンジ「N」との間のガイド溝80の取付リ
ング64の内周面からの深さは、上述したデイテント穴76
P,76R,76N,76D,762,761の取付リング64の内周面からの
深さを各々規定する第1の深さh1よりも僅かに浅く設定
された第2の深さh2を有するように設定され、一方、前
進2速レンジ「2」と前進1速レンジ「1」との間のガ
イド溝80及びニユートラルレンジ「N」とパーキングレ
ンジ「P」との間のガイド溝80の深さは、上述した第2
の深さh2よりも浅い第3の深さh3を有するように設定さ
れている。
この結果、第8図から明らかなように、前進1速レン
ジ「1」、後退レンジ「R」、パーキングレンジ「P」
における夫々のデイテント穴761,76P,76Rの実質的な深
さ(=h1−h3)は、ニユートラルレンジ「N」、前進ド
ライブレンジ「D」、前進2速レンジ「2」における夫
々のデイテント穴76N,76D,762の実質的な深さ(=h1−h
2)より深くなる。
このようにして、この一実施例においては、各走行レ
ンジ設定位置において、ガイドピン82が対応するデイテ
ント穴76に嵌入することにより、操作停止位置がデイテ
ントされ、運転者は、自らが操作したスイツチ本体66の
停止状態をデイテント感に基づく感触により確認するこ
とが出来ることとなる。
また、この一実施例によれば、前進1速レンジ
「1」、後退レンジ「R」、パーキングレンジ「P」が
夫々設定された状態から、スイツチ本体66を回動し始め
るために必要な回動起動力は、ニユートラルレンジ
「N」、前進ドライブレンジ「D」、前進2速レンジ
「2」が夫々設定された状態から回転し始めるために必
要な回転起動力と比較して、大きな力が必要となるもの
である。換言すれば、運転者は、軽い回動起動力で、ニ
ユートラルレンジ「N」、前進ドライブレンジ「D」、
前進2速レンジ「2」との間で自由に走行レンジの切り
換え動作を行なうことが出来ることとなり、一方、前進
1速レンジ「1」、後退レンジ「R」、パーキングレン
ジ「P」の設定状態を他の走行レンジに切り換えさせる
場合には、対応する深いデイテント穴761,76N,76Pから
抜け出るために強い回動起動力が必要となり、本当に、
この切り換え動作を行なう必要が有るのかとの注意が喚
起されることになり、誤操作が未然に防止されることに
なる。
一方、このガイド溝80に嵌合するガイドピン82は、第
7図に示すように、突出端部の先端が丸められたピン本
体82aと、軸方向略中央部に外方フランジ部82bとから一
体的に形成されている。また、このガイドピン82は、移
動部66dの外周面に形成された凹所84に外方フランジ部8
2bより内方部分が挿入された状態で取り付けられてい
る。ここで、この凹所84は、開口部において、上述した
外方フランジ部82bよりも径大に設定された凹所本体84a
と、この凹所本体84aの開口部に形成され、外方フラン
ジ部82bが丁度挿通されるように設定された径少な内方
フランジ部84bとから構成されている。即ち、この凹所8
4は開口部が狭められた段付き穴から構成されている。
この凹所84内には、上述した段部(即ち、内方フラン
ジ部84bの内端面)に当接し、ピン本体82aの外方フラン
ジ部82bより内方部分が挿通される開口が中央に形成さ
れた係止リング86が収納されている。一方、この凹所84
内には、ガイドピン82の内端面に当接し、これを凹所84
から突出する方向に偏倚するように付勢する第1のコイ
ルスプリング88と、係止リング86の内表面に当接し、こ
れを内方フランジ部84bの段部に圧接するように付勢す
る第2のコイルスプリング90とが互いに独立した状態で
収納されている。
ここで、第9図の(A)に示すように、ガイドピン82
が各デイテント穴761,762,76D,76N,76R,76Pに入り込ん
でその位置を係止された状態において、換言すれば、ガ
イドピン82の先端が、取付リング64の内周面から深さh1
の面に当接する状態において、ガイドピン82の外方フラ
ンジ部82aは、段部に当接した係止リング86から(h1−h
2)の距離だけ離間するように設定されている。この結
果、第9図の(B)に示すように、前進2速レンジ
「2」とニユートラルレンジ「N」との間のガイド溝80
の底面にガイドピン82の先端が当接する状態において、
各デイテント穴761,762,76D,76N,76R,76Pに嵌入する状
態から、(h1−h2)の距離だけスイツチ本体66の半径方
向内方に押し込められることとなる。
この押し込み動作に際して、外方フランジ部82bは係
止リング86に当接するのみで、これを内方に押し込むこ
とがない。この結果、この押し込み動作に要する押し込
み力は、ガイドピン82にのみ係合する第1のコイルスプ
リング88の付勢力に抗する力であれば良い。
一方、第9図の(C)に示すように、ニユートラルレ
ンジ「N」とパーキングレンジ「P」との間、及び、前
進2速レンジ「2」と前進1速レンジ「1」との間のガ
イド溝80の底面にガイドピン82の先端が当接する状態
で、各デイテント穴761,762,76D,76N,76N,76R,76Pに嵌
入する状態から、(h1−h3)の距離だけスイツチ本体66
の半径方向内方に押し込められることとなる。ここで、
上述した説明から明らかなように、 (h1−h3)>(h1−h2) であるので、この押し込み動作に際して、外方フランジ
部82bは係止リング86に当接して、更にこれを内方に押
し込むこととなる。
この結果、この押し込み動作に要する押し込み力は、
ガイドピン82に係合する第1のコイルスプリング88の付
勢力に抗する力と、係止リング86に係合する第2のコイ
ルスプリング90の付勢力との合計の付勢力に抗する力が
必要となるものである。
このようにして、この一実施例によれば、前進2速レ
ンジ「2」とニユートラルレンジ「N」との間で走行レ
ンジを切り換えるべくスイツチ本体66を回動させる(ガ
イドピン80をガイド溝82に沿つて摺動させる)際におい
て、ガイドピン80とガイド溝82との接触力(即ち、摩擦
係合力)は第1のコイルスプリング88に対抗する力のみ
で規定されることとなり、回動操作力は比較的弱くて済
むことになる。
しかしながら、ニユートラルレンジ「N」とパーキン
グレンジ「P」との間、及び、前進2速レンジ「2」と
前進1速レンジ「1」との間で走行レンジを切り換える
際において、ガイドピン80とガイド溝82との接触力は第
1及び第2のコイルスプリング88,90の付勢力に対抗す
る力で規定されることとなり、回動操作力は大きなもの
が要求されることとなる。この結果、第10図に示すよう
に、回動操作力にも強弱が与えられ、上述したデイテン
ト穴76の深さの相違に基づくスイツチ本体66の停止位置
からの回動起動力の差と相まつて、本当に、この切り換
え動作を行なう必要が有るのかとの注意が喚起されるこ
とになり、誤動作が確実に防止されることになる。
以上のように構成された操作スイツチ18は、上述した
ように、ステアリングコラム58の左側面に取り付けられ
ているものであるが、詳細には、第5図に示す運転状
態、即ち、運転者が両肘を備え付けのアームレスト92
(右肘用のアームレストは図面の都合上図示されていな
い。)に夫々掛けて、リラツクスした姿勢で両手でステ
アリングホイール56の所謂8時20分の位置を握つて運転
する状態において、第11図に示すように、左手の中指を
伸ばして、これが届く位置に、前進1速走行レンジ
「1」からニユートラルレンジ「N」までの範囲に位置
する指操作部68がもたらされるように設定されている。
換言すれば、上述した状態(姿勢)において、左手中
指の回動半径をl1(例えば、130mm)とし、指操作部68
の回動半径をl2とすると、中指の先端の回動軌跡と、前
進1速走行レンジ「1」からニユートラルレンジ「N」
までの範囲に位置する指操作部68の先端の回動軌跡とが
交わるように、操作スイツチ18の回動中心とステアリン
グホイール56の左手の握り位置との間の距離l3が規定さ
れている。即ち、以下の不等式(1)が満足される範囲
に、l3は規定されている。
l3<l1+l1 …(1) このように式(1)を規定することにより、この一実
施例においては、第12図に示すように、前進ドライブレ
ンジ「D」にある指操作部58の先端とステアリングホイ
ール56との間の距離l6は、110mmに設定されている。
また、この第12図に示すように、後退レンジ「R」に
ある指操作部68の先端とステアリングホイール56との間
の距離をl4とすると、この距離l4は以下の不等式(2)
が満足される範囲に規定されており、この一実施例にお
いては、130mmに設定されている。
l4≧l1 …(2) ここで、上述した所の、ニユートラルレンジ「N」と
後退レンジ「R」との間を隔てる間隔d2は、上述した不
等式(2)をも満足するように規定されている。
このように、この一実施例においては、操作スイツチ
18の配設位置は規定されているので、運転者は、両手で
ステアリングホイール56を握つたままの状態で、左手の
中指を伸ばして、操作スイツチ18の指操作部68を上か
ら、または、下から叩くように操作することにより、ス
イツチ本体66を前進1速レンジ「1」とニユートラルレ
ンジ「N」との間で、自由にしかも瞬時に切り換えるこ
とが出来ることになる。この結果、走行中における走行
レンジの切り換えは、両手でステアリングホイール56を
握つたままの状態で行なうことが出来ることとなり、安
全走行状態が確実に達成されることとなる。
また、この一実施例においては、左手がステアリング
ホイール56を握つた状態において、例え中指を伸ばした
としても、後退レンジ「R」が指操作部68の操作可能範
囲外にあるので、ニユートラルレンジ「N」から後退レ
ンジ「R」に切り換え操作することが不可能となる。こ
の結果、前進走行中において、指操作部68を中指で叩く
ことにより自由に走行レンジを前進1速レンジからニユ
ートラルレンジ「N」の間で切り換え操作している間に
おいて、間違つて、後退レンジ「R」が設定される事態
が確実に回避されることとなり、走行レンジの切り換え
動作における安全性が、上述した2動作の要求と相まつ
て確実に担保されることになる。
また、後退レンジ「R」またはパーキングレンジ
「P」に切り換えるためには、必ず、左手をステアリン
グホイール56から離さなければならないことになるた
め、後退レンジ「R」またはパーキングレンジ「P」へ
の切り換え動作が、心理的に抑制され、後退レンジ
「R」またはパーキングレンジ「P」への切り換え動作
に際して誤操作が未然に防止されることになり、安全走
行がこの観点からも担保されることとなる。
ここで、第11図に示すように、ワイパ操作レバー62
は、操作スイツチ18の上方であつて、これよりも距離l5
だけ後方に位置するように配設されている。従つて、ワ
イパ操作レバー62を操作する場合には、左手のステアリ
ングホイール56における握り位置を、所謂8時方向位置
(図示、符合Aで示す。)から所謂10時方向位置(図
中、符合Bで示す。)に握り換える必要が生じる。即
ち、操作スイツチ18の回動半径l1での操作回動範囲と、
ワイパ操作レバー62の回動半径l7での操作回動範囲と
は、互いに異なることとなる。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
の指操作部68を下方か叩き上げて、例えば、前進2速レ
ンジ「2」から前進ドライブレンジ「D」にレンジ切り
換えを行なう場合において、勢い余つて、中指が上方に
振り上げられたとしても、ワイパ操作レバー62を操作す
ることが無く、操作の確実性が担保されることとなる。
また、ワイパ操作レバー62を上方から押し下げて、例え
ば、間欠ワイパモードを設定する場合においても、この
押し下げ動作が勢い余つて、指が下方まで振り下された
としても、操作スイツチ18の指操作部68に触れる虞がな
いので、運転者は安心して、ワイパ操作レバー62を操作
することが出来るものである。
更に、この一実施例においては、操作スイツチ18にお
いて、第13図に示すように、後退レンジ「R」は、スイ
ツチ本体66の外周面であつて、ステアリングホイール56
側で接する垂直線Vより距離l8だけ前方に位置する指操
作部68により規定されるように設定されている。換言す
れば、この後退レンジ「R」は、操作スイツチ18とステ
アリングホイール56との間に立つた状態(鋭角に曲げら
れた状態)で入り込んだ膝が絶対に届かない位置に指操
作部68を介してスイツチ本体66が回動することにより規
定されるように設定されている。換言すれば、この後退
レンジ「R」は、上述した不等式(2)で示された条件
の他に、ここで説明したような膝の届かない位置に設定
される条件が加えられた位置に配設されている。
即ち、通常の運転姿勢においては、第14図に実線で示
すように、左足の膝は、決して、操作スイツチ18に届か
ないものであるが、正面衝突時や急ブレーキ作動時にお
いて、運転者がシートベルトを付けていない場合には、
自身に作用する急加速度に基づき、体が全体的に前方に
押し出されることにより、第14図に一点鎖線で示すよう
に、運転者の左足の膝が操作スイツチ18とステアリング
ホイール56との間で立つ姿勢が強制的に達成される虞が
ある。このような膝が立つた姿勢においては、この膝に
より、操作スイツチ18の指操作部68が上方に押し込めら
れ、スイツチ本体66が例えば前進ドライブレンジ「D」
から後退レンジ「R」に向けて強制的に回動されること
となる事態が発生することになる。
この場合、上述したように、前進ドライブレンジ
「D」からニユートラルレンジ「N」へは、単に、スイ
ツチ本体66の回動動作のみで切り換えられることになる
が、ニユートラルレンジ「N」から後退レンジ「R」へ
は、単にスイツチ本体66を回動操作するのみでは切り換
え動作は行なわられず、一旦、スイツチ本体66を軸方向
に沿つて内方に押し込んだ状態で、回動させなければな
らない2動作が要求されている。このため、通常の膝立
ち状態で、ガイドピン82がガイド溝82の第1の横溝部80
bを規定する端壁に当接するのみで、スイツチ本体66は
ニユートラルレンジ「N」を規定する位置に保持され、
後退レンジ「R」へは切り換えられ得ない事となる。
しかしながら、上述したような正面衝突時や急ブレー
キ時においては、上述した膝立ち状態は、強い力で達成
されることになるので、場合により、ガイドピン82は上
述した端壁を強い力で乗り越えて、後退レンジ「R」が
不本意にも設定されるようにスイツチ本体66が回動して
しまう虞がある。
この結果、例えば急ブレーキが掛けられた時に、立つ
た膝により操作スイツチ18がニユートラルレンジ「N」
から回動して、後退レンジ「R」に回動動作のみで強制
的に切り換えられたとすると、車両はブレーキにより一
旦停止した後、後退レンジ「R」の設定に基づき、引き
続き後退動作を開始することになり、危険である。
しかしながら、この一実施例においては、上述したよ
うに、後退レンジ「R」は、立つた膝が届かない位置に
設定されているので、例え、急加速度が運転者に作用し
て、膝が立つたとしても、最悪の場合でも、ニユートラ
ルレンジ「N」が設定されるのみで、決して後退レンジ
が設定されることなく、安全走行状態が確保されること
となる。
尚、第15図に示すように、運転者における最適なステ
アリングホイール把持姿勢を取ることが出来るようにす
るために、このステアリングホイール56には、二点鎖線
で示すように軸方向に沿つてスライド可能な所謂テレコ
ピツク機構や、一点鎖線で示すように上下に移動可能な
所謂チルト機構が、詳細は図示していないが設けられて
いる。ここで、この一実施例においては、例えば、テレ
スコピツク機構が作動した場合において、ステアリング
ホイール56のみがステアリングコラム58から軸方向に沿
つて進退したり、チルト機構が作動した場合において、
ステアリングホイール56のみがステアリングコラム58か
ら上下動するのではなく、ステアリングコラム58もステ
アリングホイール56と一体的に移動するように設定され
ている。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
とステアリングホイール56との相対位置関係は常に一定
に保持され、例え、ステアリングホイール56がテレスコ
ピツクされようが、チルトされようが、上述したような
両手でステアリングホイール56を握つた状態での走行レ
ンジの切り換え動作が確実に実行されることとなる。
ここで、再び第2図に示すように、速度計や回転計が
設けられたインスツルメントパネル94の一部には、操作
スイツチ18により設定された走行レンジに基づき、現在
設定された走行レンジを表示するための走行レンジイン
ジケータ96が設けられている。この走行レンジインジケ
ータ96においては、現在設定されている走行レンジに相
当する英数字が点灯するように設定されている。また、
この走行レンジインジケータ96の近傍には、制御ユニツ
ト30において、例えば、操作スイツチ18において指示さ
れた走行レンジと、インヒビタスイツチ32で設定された
走行レンジとが異なる場合に、フエイルであると判断し
て、フエイル発生状態を運転者に認識させるためのA/T
ワーニングランプ98が設けられている。
以上のように構成される操作装置10において、以下
に、運転者による操作スイツチ18を操作しての走行レン
ジ切り換え動作を説明する。
先ず、操作スイツチ18においてパーキングレンジ
「P」が設定されて、車両が停止している状態におい
て、運転者が図示しないドアを空けて車室内に入り込
み、第5図に示すように、運転席にゆつくりと着座し
て、図示しないブレーキペダルを踏み込んだ状態で、右
手で図示しないイグニツシヨンスイツチを回して、エン
ジン14を起動させる。この後、左手をステアリングホイ
ール56を握らずに、操作スイツチ18のスイツチ本体66を
握り込んで、これをコイルスプリング66gの付勢力に抗
して軸方向内方に押し込むことにより、パーキングレン
ジ「P」に対応するデイテント穴76Pからガイドピン82
は抜け出て、第3の横溝部80e内を摺動し、連結溝部80f
の内端部に到達して押し込み動作が停止する。この後
に、スイツチ本体66を下方に回動することにより、ガイ
ドピン82は第1の連結溝部80f内を摺動して、第2の横
溝部82dの内端部に到達して回動動作が停止する。
この後、スイツチ本体66の押し込み旅を解除すること
により、コイルスプリング66gの付勢力により、スイツ
チ本体66は全体として軸方向外方に偏倚され、ガイドピ
ン82は第2の横溝部80d内を摺動して、後退レンジ
「R」に対応するデイテント穴76R内に嵌入して停止す
る。このようにして、後退レンジ「R」が切り換え設定
される。
ここで、車両を後退させる場合には、この後退レンジ
「R」が設定された状態でブレーキペダルから足を離
し、アクセスペダルを踏み込むことにより、車両は後退
することとなる。一方、車両を前進させる場合には、再
び、スイツチ本体66を左手で振り込んで下方に回動する
ことにより、ガイドピン82は、傾斜溝部80c内を摺動し
て、第1の横溝部80bの内端部に到達して停止し、引き
続き、コイルスプリング66gの付勢力により、スイツチ
本体66は軸方向外方に偏倚され、ガイドピン82は第1の
横溝部80b内を摺動して、ニユートラルレンジ「N」に
対応するデイテント穴76N内に嵌入して停止する。この
ようにして、ニユートラルレンジ「N」が切り換え設定
される。
このようにニユートラルレンジ「N」が設定された状
態において、運転者は両手の肘をアームレスト92に夫々
掛けて、ステアリングホイール56の所謂8時20分方向位
置を握り、運転姿勢を取ることになる。そして、上述し
たように、このニユートラルレンジ「N」と前進2速レ
ンジ「2」との間の走行レンジの切り換え動作は、単
に、指操作部68を叩いて、スイツチ本体66を回動駆動す
れば良いものである。従つて、運転者は両手でステアリ
ングホイール56を握つた状態を維持しつつ、左手の中指
を伸ばして、ニユートラルレンジ「N」の設定位置か
ら、更に、指操作部68を下方に叩くことになる。
この叩き下げ操作により、ガイドピン82はニユートラ
ルレンジ「N」に対応するデイテント穴76N内から軽く
抜け出て、直線溝部80a内を摺動して、前進ドライブレ
ンジ「D」に対応するデイテント穴76D内に嵌入して停
止する。このようにして、前進ドライブレンジ「D」が
切り換え設定される。このように前進ドライブレンジ
「D」が設定された状態で、運転者はブレーキペダルか
ら足を離し、アクセルペダルを踏み込むことにより、車
両は自動変速された状態で前進駆動されることとなる。
この後、交差点等で車両を停止させた状態で、ニユー
トラルレンジに切り換え設定する場合には、運転者は両
手でステアリングホイール56を握つた状態で、左手の中
指を伸ばし、操作スイツチ18の指操作部68を下方から叩
き上げることにより、ガイドピン82はドライブレンジ
「D」に対応するデイテント穴76d内から軽く抜け出
て、直線溝部80a内を摺動して、ニユートラルレンジ
「N」に対応するデイテント穴76N内に嵌入して停止す
る。このようにして、ニユートラルレンジ「N」が切り
換え設定される。
一方、前進走行中において、例えば長い下り坂にかか
り、エンジンブレーキを必要とする場合には、運転者は
両者でステアリングホイール56を握つた状態で、左手の
中指を伸ばし、操作スイツチ18の指操作部68を上方から
叩き下げることにより、ガイドピン82はドライブレンジ
「D」に対応するデイテント穴76D内から軽く抜け出
て、直線溝部80a内を摺動して、前進2速レンジ「2」
に対応するデイテント穴上762内に嵌入して停止する。
このようにして、前進2速レンジ「2」が切り換え設定
されることとなる。
また、前進走行中において、例えば急な下り坂にかか
り、強いエンジンブレーキを必要とする場合には、運転
者は両手でステアリングホイール56を握つた状態で、左
手の中指を伸ばし、操作スイツチ18の押込み部70をコイ
ルスプリング66gの付勢力に抗して軸方向内方に押し込
むことにより、前進2速レンジ「2」に対応するデイテ
ント穴762からガイドピン82は抜け出て、第4の横溝部8
0g内を摺動し、第2の連結溝部80fの上端部に到達して
押し込み動作が停止する。この後に、押込み部70を押し
込んでいた中指で指操作部68を下方に回動する(即ち、
上方から叩き下げる)ことにより、ガイドピン82は第2
の連結溝部80h内を摺動して、前進1速レンジ「1」を
規定するデイテント穴761内に嵌入して停止する。この
ようにして、前進1速レンジ「1」が切り換え設定され
ることになる。
このように、前進1速レンジ「1」を設定することに
より強力なエンジンブレーキは達成されることになる
が、このような強力なエンジンブレーキが高速走行中に
おいて誤操作により設定されると、安定走行性が損なわ
れる虞れがある。このため、この一実施例では、既に説
明したように、前進2速レンジ「2」から前進1速レン
ジ「1」に切り換える場合には、左手はステアリングホ
イール56を握つたままの状態ではあるが、押し込みと回
動という2動作が要求されることとなり、単に、指操作
部68を回動するのみでは、前進1速レンジ「1」が設定
されないように構成されている。
この結果、前進2レンジ「2」とニユートラルレンジ
「N」との間で、軽い操作力で走行レンジの切り換え操
作を実行している状態で、安易に、前進1速レンジ
「1」が切り換え設定されることが阻止されると共に、
前進2速レンジ「2」から前進1速レンジ「1」を切り
換え設定するために、特別の注意力が要求され、誤つて
前進1速レンジが切り換え設定されることが効果的に防
止されることになる。
即ち、この一実施例においては、車両を前進走行させ
ている間においては、運転者は両手でステアリングホイ
ール56を握つた状態を維持させつつ、走行レンジを前進
2速レンジ「2」とニユートラルレンジ「N」の間で変
更させる場合において、単に、左手の中指を伸ばして操
作スイツチ18の指操作部68を上方または下方から軽く叩
くようにしてスイツチ本体66を回動させることにより、
左手をステアリングホイール56から離すことなく、即
ち、両手でステアリングホイール56を握つた状態で、こ
のよな前進走行における走行レンジの切り換え動作を行
なうことが出来ることとなり、ステアリングホイール56
の操作における安全性は高い程度で達成されることとな
る。
また、前進2速レンジ「2」から前進1速レンジ
「1」を切り換え設定する場合には、左手の中指を伸ば
して操作スイツチ18の押込み部70を一旦軸方向に沿つて
押し込んだ後、指操作部68を上方強く叩くようにしてス
イツチ本体66を回動させることにより、左手をステアリ
ングホイール56から離すことなく、即ち、両手でステア
リングホイール56を握つた状態で、このような強力なエ
ンジンブレーキを掛けるための走行レンジの切り換え動
作を行なうことが出来ることとなり、ステアリングホイ
ール56の操作における安全性は、同様に、高い程度で達
成されることとなる。
一方、前進走行から後退させる場合には、上述した動
作により一旦ニユートラルレンジ「N」を設定した後に
おいて、左手をステアリングホイール56から離し、この
離した左手の中指で押込み部70をコイルスプリング66g
の付勢力に抗して軸方向内方に押し込み動作する。この
押し込み動作により、ニユートラルレンジ「N」に対応
するデイテント穴76Nからガイドピン82は抜け出て、第
1の横溝部80b内を摺動し、傾斜溝部80cの下端部に到達
して押し込み動作が停止した後に、指操作部68を上方に
叩くことにより、ガイドピン82は傾斜溝部80c内を摺動
して、これの上端部に到達し、後退レンジ「R」に対応
するデイテント穴76R内に嵌入して停止する。このよう
にして、後退レンジ「R」が切り換え設定されることに
なる。
また、後退レンジ「R」からパーキングレンジ「P」
に切り換える場合には、上述したパーキングレンジ
「P」から後退レンジ「R」に切り換える動作の全く逆
の動作を実行することにより、達成されることになる。
即ち、従来の車両において、変速機が手動変速式であ
ろうと、自動変速式であろうと、また、コラムシフトレ
バーを備えるタイプであろうと、フロアシフトレバーを
備えるタイプであろうと、手動変速における変速動作お
よび自動変速における走行レンジ切り換え動作を行なう
場合には、必ず、左手をステアリングホイール56から離
して動作せざるを得ず、所謂片手運転の状態が発生し
て、安全性の観点から好ましくなかつたが、この一実施
例においては、この問題が一挙に解決され、走行レンジ
の切り換え動作に際して、左手をステアリングホイール
56から離すことなく、換言すれば、両手でステアリング
ホイール56を握り締めたままの状態でこの切り換え動作
を行なうことが出来、安全面の上で飛躍的に改良された
新規な運転動作が達成されることとなる。
また、この一実施例によれば、変速レンジを切り換え
るための操作スイツチ18は、ステアリングコラム58の左
側面に取り付けられるよう設定されていると共に、前輪
駆動方式が採用されている。この結果、運転席と助手席
との間のフロアは、略平坦に形成され得ることとなり、
運転席回りの空間が「すつきり」と整理された状態とな
る。このようにして、あたかも、この運転席が応接室の
床上に載置された様な豪華な状況が達成され、者室内の
環境が、両腕の肘を夫々アームレスト92に掛けた状態で
リラツクスした運転姿勢を取ることが出来ることと相ま
つて、非常に「ゆつたり」とした雰囲気を醸し出すこと
となり、余裕のある安全な運転状況が自然と達成される
こととなる。
次に、第16図乃至第27図を参照して、上述した構成の
操作スイツチ18を介しての走行レンジの切り換え動作に
基づき、自動変速機12を電動駆動制御するための制御系
について説明する。
この制御系は、主として、上述した操作スイツチ18に
備えられた信号発生機構100と、この信号発生機構100か
ら出力された走行レンジ切り換え信号及びレンジ設定信
号に基づき、電動式走行レンジ切換装置20の第1及び第
2の駆動モータ22A,22Bを同時または単独に駆動して、
操作スイツチ18において新に設定された走行レンジに自
動変速機12が即座に設定されるように制御する制御ユニ
ツト30とから構成されている。先ず、操作スイツチ18の
信号発生機構100に関して詳細に説明する。
この信号発生機構100は、第7図を参照してに既に概
略示したように、ステアリングコラム58の左側面に規定
された絶縁部分上には、各走行レンジ「P」,「R」,
「N」,「D」,「2」,「1」に各々対応した状態で
形成された接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1と、スイツチ本体6
6の外方フランジ部66aに固定され、スイツチ本体66の回
動動作に応じて、接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1に順次接触
する接触ロツド66cとから構成されている。
詳細には、、接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1は、第16図に
示すように、スイツチ本体66の回動方向に沿つて円弧状
に延出し、全ての接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1に渡り連続
した状態で形成された給電端子φと、この給電端子φ
の側方に、スイツチ本体66の回動方向に沿つて一列状
に順次配列され、各接点XP,XR,XN,XD,X2,X1毎に独立し
た状態で形成された第1の接触端子φと、対応する第
1の接触端子φの側方に、スイツチ本体66の回動方向
に沿つて一列状に順次配列され、各接点群XP,XR,XN,XD,
X2,X1毎に固有に形成され第2の接触端子φ2P2R
2N2D2221とから構成されている。
ここで、給電端子φは、図示しない抵抗を介して、
図示しないバツテリに接続されている。また、各第1の
接触端子φは、図示するように、スイツチ本体66の回
動方向に沿つて延出し、一定の中心角度θを有する扇
状(図示する状態においては、図面の都合上、矩形状に
して表している。)に形成され、互いに隣接する同士が
所定中心角度θ等間隔で離間するように設定されてい
る。そして、各第1の接触端子φは、接触ロツド66c
の摺動方向とは直交する方向に沿つて各々の端縁から一
旦側方に向けて延出する分岐接続ライン102aと、これら
分岐接続ライン102aを共通に連結し、接触ロツド66cの
摺動方向に沿つて延出する主接続ライン102bとから構成
される第1の接続ライン102により、電気的に共通に接
続されており、この第1の接続ライン102の端部が第1
の出力端子104として規定されている。
一方、各第2の接触端子φ2P2R2N2D22,
φ21は、接触ロツド66cの摺動方向に沿つて延出し、上
述した中心角度θを有する扇状に形成されると共に、
操作スイツチ18の正の操作方向(ここで、この正の操作
方向をパーキングレンジ「P」から前進1速レンジ
「1」に向けての操作方向として規定し、逆の操作方向
を前進1速レンジ「1」からパーキングレンジ「P」に
向けての操作方向として規定する。)に沿つて所定中心
角度θだけ全体的にオフセツトするように設定されて
いる。
ここで、このオフセツト量(角度)θは、第1の接
触端子φの離間角度θよりも小さい値に設定されて
いる。従つて、所定の走行レンジの第2の接触端子φ
と、隣接する走行レンジの第1の接触端子φとは、
(θ−θ)の中心角度だけ完全に離間し、また、所
定の走行レンジの第1の接触端子φと、隣接する走行
レンジの第2の接触端子φとは、同様に(θ
θ)の中心角度だけ完全に離間することとなる。即
ち、この完全離間角度(θ−θ)だけ、互いに隣接
する走行レンジの接点XP,XR,XN,XD,X2,X1間は完全に離
間することになる。
尚、第16図においては、理解を容易にするため、各第
2の接触端子φ2P2R2N2D2221は、接触
ロツド66の摺動方向に関して、重ならないように配設さ
れるよう描かれているが、実際には、第17A図に示すよ
うに、接触ロツド66cの走行方向に沿つて一列状に、互
いに独立した状態で配列されている。また、各第2の接
触端子φ2P2R2N2D2221は、接触ロツド6
6cの摺動方向とは直交する方向に沿つて各々の端縁から
一旦側方に向けて延出した後、接触ロツド66cの摺動方
向に沿つて延出する接続ライン106a〜106fにより各々外
方に取り出されており、これら第2の接続ライン106a〜
106fの各々の端部が第2の出力端子108a〜108fとして規
定されている。
ここで、各走行レンジにおける第1の接触端子φ
対応する第2の接触端子φ2P2R2N2D22
21との延出範囲と、第7図及び第8図を参照して既に説
明した所の、操作スイツチ18における各走行レンジを機
械的に拘束するためのデイテント機構76における対応す
るデイテント穴の形成範囲との関連性に関について、第
17B図を参照して説明する。
第17B図に示す様に、各走行レンジにおける第1の接
触端子φと対応する第2の接触端子φとのトタール
の延出範囲(即ち、第1の接触端子φの左端から、対
応する第2の接触端子φの右端までを通した範囲、換
言すれば、対応する走行レンジを示す電気信号が出力さ
れる範囲)をFとすると、この延出範囲Fの中心と、対
応する走行レンジにおけるデイテント穴76の中心とは、
互いに一致する様に設定されている。また、この延出範
囲Fは、対応するデイテント穴76の形成範囲よりも、広
く設定されている。即ち、延出範囲Fの両端は、図示す
る様に、対応するデイテント穴76の両側に位置する様に
形成された節度山SDの平坦な頂上部分に渡り形成される
様に設定されている。
この様に、この一実施例においては、各走行レンジに
おける接触端子の延出範囲Fと、対応するデイテント穴
76の形成範囲とを関連づけて形成する事により、運転者
の操作スイツチ18において、若干、勢い余って、運転者
が操作スイツチ18を操作したとして、設定しようとする
走行レンジにおけるデイテント穴76の中心位置を越え
て、操作スイツチ18を回動したとしても、この設定しよ
うとする走行レンジの節度範囲にある限りにおいて、デ
イテント力により、デイテント穴の略中心位置まで復帰
する事になり、また、節度範囲よりも、この走行レンジ
に電気的に示す接触端子の延出範囲の方が広く形成され
ているので、少なくとも、その走行レンジが機械的に設
定される範囲において、誤つた電気信号が出力される事
が確実に防止され、走行制御における安全性が担保され
る事になる。
一方、上述した接触ロツド66cは、スイツチ本体66が
回動された状態で、常時、給電端子φと接触する第1
の摺動ブラシ66c1と、第1の接触端子φに選択的に接
触する第2の摺動ブラシ66c2と、第2の接触端子φ2P,
φ2R2N2D2221に選択的に接触する第3の摺
動ブラシ66c3とを備えており、これら第1乃至第3の摺
動ブラシ66c1,66c2,66c3は、スイツチ本体66の回動に応
じて一体的に移動すると共に、接触ロツド66cの移動方
向に直交する方向に沿つて一列状に配列されている。
ここで、第2及び第3の摺動ブラシ66c2,66c3は、上
述した完全離間量(θ−θ)よりも小さく設定され
た直径を有する円形状に形成された接触端面(摺動面)
を備えるように夫々構成されている。また、第1及び第
2の摺動ブラシ66c1,66c2と、第1及び第3の摺動ブラ
シ66c1,66c3とは、夫々互いに電気的に接続されてい
る。
この結果、操作スイツチ18の操作、即ち、スイツチ本
体66の回動に伴ない、第1の出力端子104及び第2の出
力端子108a〜108fからは、第16図のタイミングチヤート
部分に示す波形の信号が出力されることになる。詳細に
は、第1の出力端子104からは、第2の接触ブラシ66c2
が絶縁部分に接触している間は「L」レベル信号が出力
され、第1の接触端子φに接触している間は、「H」
レベル信号が出力されている。また、各第2の出力端子
108a〜108fからは、第3の接触ブラシ66c3が絶縁部分に
接触してる間は「L」レベル信号が出力され、対応する
第2の接触端子φ2P2R2N2D2221に各々
接触してる間は「H」レベル信号が出力されている。
そして、この一実施例においては、第1の出力端子10
4からの「H」レベル信号と、第2の出力端子108a〜108
fの何れかからの「H」レベル信号とにより、操作スイ
ツチ18により現在設定される走行レンジを示すレンジ設
定信号が規定され、一方、第1の出力端子104からの
「L」レベル信号と、第2の出力端子108a〜108fからの
「L」レベル信号とにより、操作スイツチ18により走行
レンジの切り換え動作が開始された事を示す走行レンジ
切り換え信号が規定されている。
ここで、スイツチ本体66の回動により、次の走行レン
ジが設定される場合には、第1の出力端子104及び第2
の出力端子108a〜108fからは、以下に述べるような順序
で信号が出力されることになる。
即ち、現在、例えば、ニユートラルレンジ「N」が設
定された状態から、スイツチ本体66が正方向に回動され
た場合、第18A図に示すように、第1の出力端子104及び
第2の出力端子108cから「H」レベル信号が共に出力さ
れた状態から、先ず、ニユートラルレンジ「N」の第1
の接触端子φから第2の摺動ブラシ66c2が外れて、第
1の出力端子104の出力が「H」レベルから「L」レベ
ルに立ち下がり、引き続き、第3の摺動ブラシ66c3がニ
ユートラルレンジ「N」の第2の接触端子φ2Nから外れ
て、第2の出力端子108cの出力が「H」レベルから
「L」レベルに立ち下がる。このようにして、第1及び
第2の出力端子104,108a〜108fの何れからも「L」レベ
ル信号、即ち、走行レンジ切り換え信号が出力されるこ
とになる。
この後、正方向に隣接する前進ドライブレンジ「D」
の第1の接触端子φに第2の摺動ブラシ66c2が接触
し、第1の出力端子104の出力が「L」レベルから
「H」レベルに立ち上がり、引き続き、所定時間遅れた
状態で、前進ドライブレンジ「D」の第2の接触端子φ
2Dに第3の摺動ブラシ66c3が接触し、第2の出力端子10
8eの出力が「L」レベルから「H」レベルに立ち上がる
こととなる。即ち、前進ドライブレンジを示すレンジ設
定信号が出力されることになる。
一方、現在、例えば、前進ドライブレンジ「D」が設
定された状態から、スイツチ本体66が逆方向に回動され
た場合、第18B図に示すように、第1の出力端子104及び
第2の出力端子108dから「H」レベル信号が共に出力さ
れた状態から、先ず、前進ドライブレンジ「D」の第2
の接触端子φから第3の摺動ブラシ66c3が外れて、第
2の出力端子108dの出力が「H」レベルから「L」レベ
ルに立ち下がり、引き続き、第2の摺動ブラシ66c2が前
進ドライブレンジ「D」の第2の接触端子φから外れ
て、第1の出力端子104の出力が「H」レベルから
「L」レベルに立ち下がる。このようにして、第1及び
第2の出力端子104,108a〜108fから何れも「L」レベル
信号、即ち、走行レンジ切り換え信号が出力されること
になる。
この後、逆方向に隣接するニユートラルレンジ「N」
の第2の接触端子φ2Nに第3の摺動ブラシ66c3が接触
し、第2の出力端子108cの出力が、「L」レベルから
「H」レベルに立ち上がり、引き続き、所定時間遅れた
状態で、ニユートラルレンジ「N」の第1の接触端子φ
に第2の摺動ブラシ66c2が接触し、第1の出力端子10
4の出力が、「L」レベルから「H」レベルに立ち上が
ることとなる。即ち、ニユートラルレンジを示すレンジ
設定信号が出力されることになる。
この結果、詳細は詳述するが、制御ユニツト30は、第
1及び第2の出力端子104,108a〜108fからの出力レベル
の立ち上がる順序を監視し、第1の出力端子104からの
出力が先に立ち上がり、引き続き第2の出力端子108a〜
108fの何れかからの出力が立ち上がることを検出するこ
とにより、操作スイツチ18が正方向に操作されたことを
判別し、一方、第2の出力端子108a〜108fの何れかから
の出力が先に立ち上がり、引き続き第1の出力端子104
からの出力が立ち上がることを検出することにより、操
作スイツチ18が逆方向に操作されたことを判別するよう
構成されている。このようにして、操作スイツチ18の操
作に際して、制御ユニツト30は、その行き先(即ち、停
止目標位置)は当初不明ではあるが、少なくとも、操作
スイツチ18の操作方向が正方向であるか逆方向であるか
の認識することが出来ることになる。
また、この一実施例においては、第1の出力端子104
からの出力の立ち上がりと、第2の出力端子108a〜108f
の何れかからの出力の立ち上がりという2つの立ち上が
り信号に基づいて、操作スイツチ18の操作方向の正・逆
何れかの判断を行なうように構成されている。この結
果、単一の立ち上がり信号に基づき回転方向を判断する
場合と比較して、ノイズによる誤動作が発生に難くなる
効果が得られることになる。即ち、信号発生機構100か
らの信号は、この一実施例においては、接触端子と接触
ロツド66cとの接触・非接触動作に基づき変化する出力
により構成されるものであるが、このような接触状態の
変化に基づき信号が規定される場合には、ノイズが発生
する虞が多大にある。このようなノイズが立ち上がり信
号として認識されると、単一の立ち上がり信号に基づき
回転方向を判断する場合には、このノイズにより回転方
向が誤確認され、未だ操作スイツチ18が確定操作されて
いないにも拘らず自動変速機12において走行レンジの切
り換え動作が開始されてしまうことになる。しかしなが
ら、この一実施例においては、上述したように2つの立
ち上がり信号に基づき回転方向を認識しているので、ノ
イズによる誤動作の可能性が極めて軽減され、信頼性の
高い回転方向判別が行なわれることになる。
尚、第16図に示す符合aは、各々の走行レンジにおけ
る第1の接触端子φと第2の接触端子φとの共通延
出部分の範囲を示しており、その長さは、a=θ−2
×θで表されることになる。ここで、この範囲aで示
す領域に対応する接触ロツド66cが至る状態において、
上述したデイテント機構により、操作スイツチ18におい
ては、機械的に、走行レンジ設定位置が機械的に規定さ
れ、停止されるように設定されている。
次に、第17C図を参照して、制御ユニツト30における
3つのCPU30A,30B,30Cの結線状態を概略的に説明する。
上述した様に、この制御ユニツト30においては、第1
のCPU30Aは、第1の駆動モータ22Aを駆動制御するため
の第1の制御系を構成し、第2のCPU30Bは、第2の駆動
モータ22Bを駆動制御するための第2の制御系を構成
し、第3のCPU30Cは、第1及び第2のCPU30A,30Bの相互
関係及びフエイル状態を検出してフエイルセイフ動作を
実行するための第3の制御系を構成しており、所謂3重
の制御系から構成されている。
尚、詳細な制御手順は後述するが、第1及び第2のCP
U30A,30Bは、完全に同一の制御手順を有する様に構成さ
れ、同一の入力情報に基づき、常に、同一の制御動作を
実行する様に設定されている。また、第3のCPU30Cは、
図示しないイグニツシヨンスイツチのオン動作にともな
い、第1及び第2のCPU30A,30Bに夫々起動信号を出力
し、夫々において制御動作を開始させると共に、通常状
態においては、換言すれば、メイン側の第1のCPU30Aに
おいてシステムフエイルが検出されていない場合におい
ては、以下に述べる例外状態を除いて、原則として、第
2のCPU30Bの制御動作に基づく第2の駆動モータ22Bの
駆動制御を禁止し、第1のCPU30Aのみの制御動作に基づ
き、第1の駆動モータ22Aを駆動制御して、自動変速機1
2における走行レンジの切り換え動作を実行する様に設
定されている。
ここで、例外状態とは、第1及び第2のCPU30A,30Bに
おいてシステムフエイルが発生していない場合におい
て、切り換えスイツチ32における制御用インヒビタスイ
ツチ32からの制御用インヒビタ信号の入力に基づき、切
り換えスイツチ32においてパーキングレンジ「P」が設
定されていると判断される状態であり、この例外状態に
おいては、第3のCPU30Cは、第2のCPU30Bにおける制御
動作に基づき、第2の駆動モータ22Bの駆動制御をも実
行させ、このようにして、第1及び第2の駆動モータ22
A,22Bを同時に駆動して、パーキングレンジ「P」か
ら、これに隣接する後退レンジ「R」への切り換え動作
を実行させる様に設定されている。
次に、第17A図を参照して、この操作スイツチ18と制
御ユニツト30との接続状態を具体的に説明する。
即ち、第1の接触端子φ用の出力端子104は、第1
のパルス発生回路110を介して第1のオアゲート回路112
の一方の入力端に接続されている。また、第2の接触端
子群φ2P〜φ21用の夫々の出力端子108a〜108fは、第2
のオアゲート回路114の入力端に夫々接続されており、
この第2のオアゲート回路114の出力端は、第2のパル
ス発生回路116を介して上述した第2のオアゲート回路1
12の他方の入力端に接続されている。ここで、第1及び
第2のパルス発生回路110,116は、入力信号の立ち下が
りに応じて、ワンパルスを出力するように夫々構成され
ている。また、第1のオアゲート回路112の出力端は、
制御ユニツト30の第1及び第2のCPU30A,30Bの夫々の第
1のインタラプト端子INT1に接続されている。
一方、第1の接触端子φ用の出力端子104は、第3
のパルス発生回路118を介して第3のオアゲート回路120
の一方の入力端に接続されている。また、第2のオアゲ
ート回路114の出力端は、第4のパルス発生回路122を介
して上述した第3のオアゲート回路120の他方の入力端
に接続されている。ここで、第3及び第4のパルス発生
回路118,122は、入力信号の立ち上がりに応じて、ワン
パルスを出力するように夫々構成されている。また、第
3のオアゲート回路120の出力端は、接続ユニツト30の
第1及び第2のCPU30A,30Bの夫々の第2のインタラプト
端子INT2に接続されている。
また、各第2の出力端子108a〜108fは、8×2のマル
チプレクサ回路124の一方の入力端子群に接続され、ま
た、第1の出力端子104と第2のオアゲート回路114の出
力端とは、このマルチプレクサ回路124の他方の入力群
端子に接続されている。ここで、このマルチプレクサ回
路124は、これの制御端子に「L」レベル信号が入力さ
れている場合には、一方の入力端子群に入力されている
信号を第1及び第2のCPU30A,30Bの夫々の入力ポートに
出力し、また、これの制御端子に「H」レベル信号が入
力されている場合には、他方の入力端子群に入力されて
いる信号を第1及び第2のCPU30A,30Bの夫々の入力ポー
トに出力するように構成されている。
ここで、第1及び第2のCPU30A,30Bには、リアルタイ
ムカウンタRTCが夫々接続されている。各リアルタイム
カウンタRTCは、4チヤンネルに構成され、第1乃至第
4のチヤンネルにおいて、対応するタイマが起動される
と、予め設定された時間がタイムアツプすることによ
り、CPUに対してタイムアツプ信号が出力されるように
設定されている。そして、第1及び第2のCPU30A,30B
は、第1乃至第4のチヤンネルの何れかのタイマからタ
イムアツプ信号が入力されることにより、フエイル状態
と判定して、所定のフエイルセイフ動作を実行するよう
に設定されている。尚、第2乃至第5のチヤンネルにお
けるタイマは、夫々、タイマリセツト信号の入力によ
り、カウントアツプ動作を停止し、初期状態に復帰して
待機するように構成されている。
また、第1のCPU30Aは、第1のモータドライバ126Aを
介して第1の駆動モータ22Aに接続されており、第2のC
PU30Bは、第2のモータドライバ126Bを介して第2の駆
動モータ22Bに接続されている。ここで、両モータドラ
イバ126A,126Bは、詳細は後述するが、対応する駆動モ
ータ22A,22Bの回転方向を規定するデイレクシヨンラツ
チ回路DIRと、対応する駆動モータ22A,22Bの駆動力を規
定するエナーブルラツチ回路ENAとを備え、同一に構成
されている。このデイレクシヨンラツチ回路DIRは、こ
こに、「0」信号が入力されることにより、出力軸24を
正転駆動する正転信号を出力し、「1」信号が入力され
ることにより、出力軸24を逆転駆動する逆転信号を出力
するように構成されている。
ここで、上述した様に、第1の駆動モータ22Aの回転
駆動方向と、出力軸24の回転方向とは一致しているが、
第2の駆動モータ22Bの回転駆動方向と出力軸24の回転
方向とは反対になる様設定されている。このため、出力
軸24を正転駆動する正転信号が入力する事により、第1
の駆動モータ22Aは、自身の駆動軸を正転方向に回動駆
動するが、第2の駆動モータ22Bは自身の駆動軸を逆転
方向に回転駆動する様に設定されている。
また、エナーブルラツチ回路ENAは、ここに、「1」
信号が入力されることにより、後述するDC/DCコンバー
タ128をオンして、所定電圧で駆動モータ22を駆動する
ための駆動信号を出力し、「0」信号が入力されること
により、DC/DC/コンバータ128をオフして、駆動モータ2
2に電圧を印加しないように設定されている。
尚、第1及び第2のCPU30A,30Bは、詳細な説明は後述
するが、回転方向判別ルーチンにおいて、操作スイツチ
18の回転方向が判別され、この判別された回転方向に基
づいて、駆動モータ22A,22Bを駆動制御した後、操作ス
イツチ18において新に設定された走行レンジと、自動変
速機12のインヒビタスイツチ32におけるインヒビタ信号
が一致した時点で、駆動モータ22A,22Bの回転駆動を停
止するように制御するルーチンをメインルーチンとして
各々備えており、また、第1または第2のインタラプト
端子INT1,INT2にパルス信号が入力された時点におい
て、メインルーチンがインタラプトされ、第1及び第2
の割り込みルーチンを夫々別途割り込み実行するように
設定されている。
また、第1及び第2のCPU30A,30Bは、第3のCPU30Cに
よるシステムフエイルの判定のために、各々の制御手順
の中に、フエイル判定信号発生ルーチンを備えており、
所定のインターバルで、所定幅のシステムフエイル判定
信号を第3のCPU30Cに夫々出力する様に設定されてい
る。一方、この第3のCPU30Cにおいては、第1及び第2
のCPU30A,30Bから出力されてくるフエイル判定信号が常
時監視して、システムフエイル判定信号が所定のインタ
ーバルで出力されなかつたり、または、出力され続けた
場合には、対応するCPUにおいて制御動作が暴走して、
システムフエイル状態が発生しているものと判断し、シ
ステムフエイルセイフ動作を実行する様に設定されてい
る。
一方、第3のCPU30Cも、第1及び第2のCPU30A,30Bに
よるシステムフエイルの判定のために、自身の制御手順
の中に、フエイル判定信号発生ルーチンを備えており、
所定のインターバルで、所定幅のシステムフエイル判定
信号を第1及び第2のCPU30A,30Bに夫々出力する様に設
定されている。一方、第1及び第2のCPU30A,30Bにおい
ては、第3のCPU30Cから出力されてくるフエイル判定信
号を常時監視して、システムフエイル判定信号が所定の
インターバルで出力されなかつたり、または、出力され
続けた場合には、第3のCPU30Cにおいて制御動作が暴走
して、システムフエイル状態が発生しているものと判断
し、第3のCPU30CとバツテリBAとの間に介設された制御
スイツチ129に電源カツト信号を出力する様に設定され
ている。
詳細には、この制御スイツチ129の制御端子には、オ
アゲート回路131を介して、第1及び第2のCPU30A,30B
が接続され、少なくとも一方のCPU30A,30Bから電源カツ
ト信号が出力される事により、後述する様にして、制御
スイツチ129は電源カツト状態にもたらされる事にな
る。
ここで、この制御スイツチ129は、リレースイツチか
ら構成され、通常閉成状態に付勢されており、この閉成
状態において、バツテリBAと第3のCPU30Cとが直接に接
続され、第3のCPU30の作動が許容される様に設定され
ている。また、この制御スイツチ129は、これに電源カ
ツト信号が入力する事により開成され、バツテリBAと第
3のCPU30Cとの間が遮断され、第3のCPU30Cに電源が供
給されない状態、即ち、第3のCPU30Cの作動が停止され
る状態にもたらされる様に構成されている。
即ち、このアンドゲート回路131により、第1及び第
2のCPU30A,30Bの一方がシステムフエイルして、後述す
る様に第3のCPU30CがそのシステムフエイルしたCPUの
電源を遮断する前の時点で、仮に電源カツト信号を出力
したとしても、一方のみの電源カツト信号だけでは、こ
の制御スイツチ129は開成せず、第3のCPU30Cには、電
源が供給され続け、従つて、この第3のCPU30Cは、正常
に制御動作を実行し続ける事になる。この結果、制御ス
イツチ129の制御端子への電源カツト信号は、第1及び
第2のCPU30A,30Bが共に、第3のCPU30Cがシステムフエ
イルしたと判断した場合にのみ入力され、このようにし
て、第1及び第2のCPU30A,30Bの一方がシステムフエイ
ルする事により、誤つて第3のCPU30Cがその制御動作を
停止させる事が確実に防止され、安全走行が確保される
事になる。
ここで、上述した第1及び第2のモータドライバ126
A,126Bの構成を、第17D図を参照して詳細に説明する。
ここで、両モータドライバ126A,126Bは、同一に構成さ
れており、全く同一な接続状態で対応するCPU30A,30Bに
接続されているので、以下の説明においては、第1のモ
ータドライバ126Aを代表して説明し、第2のモータドラ
イバ126Bの説明を省略する。尚、両モータドライバ126
A,126Bの対応する駆動モータ22A,22Bへの接続状態は、
上述した様に、両駆動モータ22A,22Bの回転方向を互い
に反対方向に設定しなければならないので、第2の駆動
モータ22Bにおける両端子22a,22bの取り付け位置は、第
1の駆動モータ22Aの取り付け位置と逆になる様に設定
されている。
このモータドライバ126Aは、上述したエナーブルラツ
チ回路ENAとデイレクシヨンラツチ回路DIRと電圧レギユ
レータとして機能するDC/DCコンバータ128との他に、第
1及び第2のP型FET130,132と、第1及び第2のN型FE
T134,136と、一対のコンバータ138,140とを備えてい
る。そして、第1のP型FET130のドレインと第1のN型
FET134のソースとが互いに連結された状態で、駆動モー
タ22の一方の入力端子22aに接続されている。また、第
2のP型FET132のドレインと第2のN型FET136のソース
とが互いに連結された状態で、第1の駆動モータ22Aの
他方の入力端子22bに接続されている。
そしてDC/DCコンバータ128の入力端子には、バッテリ
のプラス端子が接続され、これの出力端は、第1及び第
2のP型FET130,132の、夫々のソースに接続されてい
る。また、第1及び第2のN型FET134,136の夫々のドレ
インは、共にアースされている。ここで、デイレクシヨ
ンラツチ回路DIRは、2本の出力端子を備え、一方の出
力端子は、第1のP型FET130のゲートに直接に接続され
ると共に、上述したコンバータ138を介して第2のN型F
ET136のゲートに接続されている。また、デイレクシヨ
ンラツチ回路DIRの他方の出力端子は、第1のN型FET13
4のゲートに直接に接続されると共に、上述したコンバ
ータ140を介して第2のP型FET132のゲートに接続され
ている。
尚、デイレクシヨンラツチ回路DIRは、ここに対応す
る第1のCPU30Aから「0」信号が入力される事により、
両出力端子から「L」レベル信号を出力し、ここに
「1」信号が入力される事により、両出力端子から
「H」レベル信号を出力する様に構成されている。ここ
で、P型FET130,132においては、これのゲートに「L」
レベル信号が入力される事によりオンし、「H」レベル
信号が入力される事によりオフする様に、一方、N型FE
T134,136においては、これのゲートに「L」レベル信号
が入力される事によりオフし、「H」レベル信号が入力
される事によりオンする様に構成されている。
また、対応する第1の駆動モータ22Aにおいては、一
方の端子22aから他方の端子22bに向けて電流が流れる事
により、正方向に沿って回転、即ち、正転し、他方の端
子22bから一方の端子22aに向けて電流が流れる事によ
り、逆方向に沿って回転、即ち、逆転する様に設定され
ている。
即ち、この一実施例においては、対応する第1のCPU3
0Aからデイレクシヨンラツチ回路DIRに「0」信号が出
力される事により、これの2本の出力端子から共に
「L」レベル信号が出力され、この結果、第1のP型FE
T130と第2のN型FET136とが共にオンし、第2のP型FE
T132と第1のN型FET134とが共にオフする事になる。従
つて、このオン・オフ状態において、DC/DCコンバータ1
28から出力された電流は、対応する第1の駆動モータ22
Aにおいて、一方の端子22aから他方の端子22bに向けて
流れる事になり、この様にして、第1の駆動モータ22A
は正転する。
一方、対応する第1のCPU30Aからデイレクシヨンラツ
チ回路DIRに「1」信号が出力される事により、これの
2本の出力端子から共に「H」レベル信号が出力され、
この結果、第1のP型FET130と第2のN型FET136とが共
にオフし、第2のP型FET132と第1のN型FET134とが共
にオンする事になる。従つて、このオン・オフ状態にお
いて、DC/DCコンバータ128から出力された電流は、対応
する第1の駆動モータ22Aにおいて、他方の端子22bから
一方の端子22aに向けて流れる事となり、この様にし
て、第1の駆動モータ22Aは逆転する。
また、上述したDC/DCコンバータ128には、バツテリBA
から出力される電圧の電圧変動を検出し、DC/DCコンバ
ータ128において、所定電圧を一定に保持する様にする
ために、電圧変動検出回路142が接続されると共に、こ
の所定電圧が温度変化に拘わらず一定に保持する様にす
るために、温度変動検出回路144が接続されている。即
ち、この一実施例においては、電圧レギュレータとして
機能するDC/DCコンバータ128は、特に、電圧変動検出回
路142と温度変動検出回路144とが接続される事により、
バツテリBAの電圧変動及び温度変動に対して、その出力
電圧を変化させることなく、一定の所定電圧に保持する
ことができる事になる。
更に、この一実施例においては、バツテリBAとDC/DC
コンバータ128との間には、この第1のモータドライバ1
26Aを介して第1の駆動モータ22A及び第1のCPU30Aへの
電源の供給を断続するための制御スイツチ146が介設さ
れている。この制御スイツチ146の制御端子には第3のC
PU30Cが接続されており、この第3のCPU30Cは、制御ス
イツチ146に対して電源カツト信号を出力する様に構成
されている。
そして、この制御スイツチ146は、リレースイツチか
ら構成され、通常閉成状態に付勢されており、この閉成
状態において、バツテリBAとDC/DCコンバータ128とが直
接に接続され、第1の駆動モータ22Aの駆動が許容され
る様に設定されている。また、制御スイツチ146は、第
3のCPU30Cから電源カツト信号が出力される事により開
成され、バツテリBAとDC/DCコンバータ128との間が遮断
され、第1のCPU30A及び第1の駆動モータ22Aに電流が
供給されない状態、即ち、第1の駆動モータ22Aの駆動
が禁止される状態にもたらされる様に構成されている。
次に、第19図乃至第27図を参照して、この制御ユニツ
ト30における制御手順を説明する。
先ず、第19A図及び第19B図を参照して、全体制御を司
る第3のCPU30Cにおけるメインルーチンを説明する。
先ず、ステツプS10において図示しないイグニツシヨ
ンスイツチのオン動作を待ち、イグニツシヨンスイツチ
がオンされると、具体的な制御動作が以下の様にして開
始される。即ち、ステツS12において、全ての変数が初
期化される。尚、この初期化においては、後述するフラ
グF(F)に「1」をセツトすると共に、システムフエ
イル判定用とフエイル判定信号出力用のとタイマを夫々
リセツトする動作を含むものである。そして、ステツプ
S14において、第1及び第2のCPU30A,30Bに対して、夫
々起動信号を出力し、両CPU30A,30Bが実質的に同じタイ
ミングで起動される様にする。即ち、詳細は後述する
が、両CPU30A,30Bは、これら起動信号が夫々入力される
事により、制御手順を開始する様に構成されている。
尚、この起動信号は、一旦出力されると、イグニツシヨ
ンスイツチがOFFされない限り、相手先においてラツチ
され続けられる様に設定されている。
この後、ステツプS16に進み、ここで、切り換えスイ
ツチ32の制御用インヒビタスイツチ32bから出力されて
いる制御用インヒビタ信号、即ち、自動変速機12で現在
設定されている走行レンジ信号SRIを読み込む。
そして、ステツプS18において、読み込んだ走行レン
ジ信号SRIがパーキングレンジ「P」を示しているか否
かが判別される。このステツプS18においてNOと判断さ
れる場合、即ち、自動変速機12においてパーキングレン
ジ「P」以外の走行レンジが設定されていると判断され
る場合には、通常制御を実行すべくステツプS20に進
み、ここで、第2の制御系を構成する第2のモータドラ
イバ126Bにおける制御スイツチ146に電源カツト信号を
出力し、第2の駆動モータ22Bの駆動を禁止して、引き
続くステツプS22を実行する。
即ち、自動変速機12においてパーキングレンジ「P」
以外の走行レンジが設定されている場合には、第1のCP
U30Aと第2の制御系は同様に制御動作を実行しているも
のの、第2の駆動モータ22Bの駆動は禁止され、第1の
駆動モータ22Aのみが駆動される事になる。
一方、上述したステツプS18においてYESと判断される
場合、即ち、自動変速機12においてパーキングレンジ
「P」が設定されていると判断される場合には、例外制
御を実行すべく、ステツプS20をスキツプし、引き続く
ステツプS22を実行する。
即ち、自動変速機12においてパーキングレンジ「P」
が設定されている場合には、第1のCPU30Aと第2の制御
系は同様に制御動作を実行し、第2の駆動モータ22Bの
駆動は禁止されずに、第1及び第2の駆動モータ22A,22
Bが共に駆動される事になる。
尚、このようなステツプS20をスキップするような例
外制御は、ステツプS18においてNOと判断される事、具
体的には、切り換えスイツチ32の制御用切り換えスイツ
チ32bのパーキングレンジ「P」に相当する接点から、
パーキングレンジ「P」を示す制御用インヒビタ信号が
出力されなくなる事により終了し、この時点から、ステ
ツプS20を経てステツプS22が実行される通常制御が切り
換え実行される事になる。
このようにして、この一実施例においては、自動変速
機12においてパーキングレンジ「P」が設定されている
場合にのみ、両駆動モータ22A,22Bが共に駆動する様に
設定されており、両者が共同した状態で、パーキングレ
ンジ「P」から抜け出る動作を実行する事になる。この
結果、パーキングレンジ「P」以外の走行レンジから他
の走行レンジに切り換えられる場合と比較して、より大
きな切り換え駆動トルクを必要とするパーキングレンジ
「P」から他の走行レンジへの切り換え動作に際して、
第1及び第2の駆動モータ22A,22Bの駆動トルクが大旨
重ね合わされたれた状態で出力軸24から出力される事と
なり、自動変速機12において、パーキングレンジ「P」
から他の走行レンジに確実に走行レンジが切り換えられ
る事になる。
一方、パーキングレンジ「P」以外の走行レンジから
他の走行レンジに走行レンジを切り換えられる場合に
は、一方の駆動モータ22Aまたは22Bのみの駆動で済み、
この結果、各駆動モータ22A,22Bの最大駆動トルクは、
1台の駆動モータでパーキングレンジ「P」からの他の
走行レンジに切り換え駆動する場合と比較して、小さく
て済む効果が達成される事になる。また、パーキングレ
ンジ「P」以外の走行レンジから他の走行レンジに切り
換えられる場合における消費電力も小さくて済み、バツ
テリBAに対する負荷も小さくて済む効果も合わせて達成
される事になる。
特に、この一実施例においては、詳細は後述するが、
メイン側である第1のCPU30Aがシステムフエイルした場
合には、サブ側である第2のCPU30Bが替わりに駆動制御
系を司り、第2の駆動モータ2Bが自動変速機12の走行レ
ンジを切り換え駆動する事になるが、少なくとも、パー
キングレンジ「P」から他の走行レンジへ切り換えられ
る際においては、必ず、このシステムフエイルセイフ用
に設けられた第2の駆動モータ22Bが駆動される事にな
るので、この第2の駆動モータ22Bにおける駆動系が、
例えば錆び付いてロックしてしまう事が確実に防止さ
れ、また、パーキングレンジ「P」から他の走行レンジ
に切り換え動作が確実に実行される事により、第2の駆
動モータ22Bが確実に駆動されている事が確認され、仮
に第1のCPU30Aにおいてシステムフエイル状態が発生し
たとしても、確実にシステムフエイルセイフ動作が実行
される事が担保される事になる。
一方、上述したステツプS22においては、第1のCPU30
Aにおけるシステムフエイルの発生状態が判定される。
また、引き続くステツプS24において、第2のCPU30Bに
おけるシステムフエイルの発生状態が判定される。これ
ら両システムフエイル判定動作は、略同一に構成され、
サブルーチンとして第23図を参照して第1のCPU30Aにお
けるシステムフエイルの発生状態の判定動作を説明し、
第2のCPU30Bのシステムフエイルの発生状態の判定動作
の説明を省略する。ここで、第1のCPU30Aがシステムフ
エイルしたと判断した場合には、第1のCPU30Aがシステ
ムフエイルした事を示すフラグE(1F)に「1」をセツ
トし、また、第2のCPU30Bがシステムフエイルしたと判
断した場合には、第2のCPU30Bがシステムフエイルした
事を示すフラグF(2F)に「1」をセツトする様に構成
されている。
そして、ステツプS24において第2のCPU30Bに対する
システムフエイル判定ルーチンが実行された後、ステツ
プS26において、第1のCPU30Aがシステムフエイルして
いるか否かが判定される。このステツプS26において
は、フラグF(1F)に「1」がセツトされているか否か
により、第1のCPU30Aがシステムフエイルしているか否
かを判断する。このステツプS26においてNOと判断され
る場合、即ち、フラグF(1F)に「0」がセツトされて
おり、第1のCPU30Aにおいてシステムフエイルが発生し
ていないと判断される場合には、引き続くステツプS28
において、第2のCPU30Bがシステムフエイルしているか
否かが判定される。
このステツプS28においては、フラグF(2F)に
「1」がセツトされているか否かにより、第2のCPU30B
がシステムフエイルしているか否かを判断する。このス
テツプS28においてNOと判断される場合、即ち、フラグ
F(2F)に「0」がセツトされており、第2のCPU30Bに
おいてシステムフエイルが発生していないと判断される
場合には、第1及び第2のCPU30A,30Bの何れにおいても
システムフエイルしていない事になるので、ステツプS3
0において、自身の、即ち、第3のCPU30Bにおける暴走
等のシステムフエイル状態を示すシステムフエイル判定
信号を出力するフエイル判定信号出力動作を実行した
後、ステツプS16に戻り、これ以降の制御手順を繰り返
し実行する事になる。
尚、このシステムフエイル判定信号は、第1及び第2
のCPU30A,30Bに夫々出力され、これら第1及び第2のCP
U30A,30Bにより常時第3のCPU30Cのシステムフエイル状
態が監視される様になされている。また、このステツプ
S30におけるフエイル判定信号出力動作は、サブルーチ
ンとして第22A図及び第22B図を参照して、後に詳細に説
明する。
一方、上述したステツプS26でYESと判断される場合、
即ち、フラグF(1F)に「1」がセツトされており、第
1のCPU30Aでシステムフエイルが発生したと判断される
場合には、以下において、第1のシステムフエイルセイ
フ動作が実行される事になる。即ち、この第1のシステ
ムフエイルセイフ動作においては、ステツプS32におい
て、システムフエイルした第1のCPU30Aにより駆動制御
される第1のモータドライバ126Aの駆動を停止させるべ
く、第1のモータドライバ126Aの制御スイツチ146に電
源カツト信号を出力する。このようにして、第1の駆動
モータ22Aは、例えシステムフエイルした第1のCPU30A
から誤つた制御信号が出力されようとも、その駆動を禁
止された状態になされており、第1のCPU30Aのシステム
フエイルに伴う危険は未然に防止される事になる。
この後、ステツプS34において、第2のCPU30Bにおい
てシステムフエイルが発生した事を示すフラグF(2F)
に「1」がセツトされているか否かを判別する。このス
テツプS34において、NOと判断される場合、即ち、第2
のCPU30Bで未だシステムフエイルが発生していないと判
断される場合には、この第2のCPU30Bの制御の下で、第
2の駆動モータ22Bにより自動変速機12の走行レンジの
切り換え動作を実行しても差し支えないので、ステツプ
S36において、第2のモータドライバ126Bの制御スイツ
チ146への電源カツト信号の出力を停止する。
このようにして、メイン側の第1のCPU30Aがシステム
フエイルする事により、サブ側の第2のCPU30Bにより、
第2の駆動モータ22Bが切り換え駆動制御され、引き続
き、自動変速機12は、この第2の駆動モータ22Bにより
走行レンジを切り換え駆動され得る状態となる。
ここで、この一実施例においては、3重の制御系が完
全に作動する事により、安全運転状態が確保される事を
前提としているので、このように、第1のCPU30Aがシス
テムフエイルした時点で、例え、第2のCPU30Bが完全に
機能していて通常走行状態を実行することができるもの
の、既に安全状態が損なわれたものとして、第2のCPU3
0Bにおいて、その走行レンジの切り換え範囲を限定さ
せ、より安全走行状態を確保する様に設定された縮退制
御を強制的に実行させるべく、ステツプS38において、
縮退制御を実行させるためのフラグF(縮退)を「1」
にセツトする。
この後、ステツプS40において、第1の警報動作を実
行して、運転者に第1及び第2のCPU30A,30Bの一方にシ
ステムフエイルが発生し、制御ユニツト30は縮退動作に
移行した事を報知する。尚、この第1の警報動作は、運
転者に対して、現時点において、通常走行に何ら支障は
ないが、安全走行が確保されていないので、即座に、最
寄りのサービス工場に行き、制御ユニツト30の修理を受
ける事を促す内容を含んでいる。
このように、ステツプS40において第1の警報動作を
実行した後、ステツプS26に戻り、これ以降の制御手
順、即ち、第1のシステムフエイルセイフ動作を繰り返
し実行する事になる。換言すれば、一旦、第1のCPU30A
のシステムフエイルが判定されると、自動変速機12にお
いて何れの走行レンジが設定されていようとも、その設
定状態に関わり無く、第1のシステムフエイルセイフ動
作が実行され続ける様に設定されている。
一方、上述したステツプS34においてYESと判断される
場合、即ち、既に第2のCPU30Bがシステムフエイルして
いると判断される場合には、上述したステツプS32に実
行により、第1及び第2のモータドライバ126A,126Bは
共に、その駆動を停止された状態になされ、操作スイツ
チ18による走行レンジの切り換え動作は不能になつた事
を意味している。このため、スイツチS42において、第
2の警報動作を実行する。この第2の警報動作は、運転
者に対して、第1及び第2のCPU30A,30Bが共にシステム
フエイルして、操作スイツチ18による走行レンジの切り
換え動作は不能となり、現在設定されている走行レンジ
に固定された状態となつている事を報知するものであ
る。ここで、この第2の警報動作は、必要であれば、手
動駆動機構38を介して、手動により、走行レンジを切り
換え動作する事が可能である事を含むものである。
尚、この操作スイツチ18による走行レンジの切り換え
不能状態は、一旦車両を停止させ、イグニツシヨンスイ
ツチをオフし、再びオンする事により、制御ユニツト30
は全体的にリセツトされることにより解除される事にな
る。
ここで、このようなリセツト動作を実行する事によ
り、一過性のシステムフエイル状態は解消され、通常の
走行状態が再開される事になるが、システムダウンによ
るシステムフエイルの場合には、再び、システムフエイ
ル状態が再発する事になる。
このように、ステツプS42において第2の警報動作を
実行した後、ステツプS26に戻り、これ以降の制御手順
を繰り返し実行する事になる。即ち、上述したリセツト
動作が実行されない限り、操作スイツチ18による走行レ
ンジの切り換え動作が禁止された状態が維持される事に
なる。
また、上述したステツプS28においてYESと判断された
場合、即ち、第1のCPU30Aは正常であるが、第2のCPU3
0Bがシステムフエイルしたと判断される場合には、以下
において、第2のシステムフエイルセイフ動作が実行さ
れる事になる。即ち、この第2のシステムフエイルセイ
フ動作においては、先ず、ステツプS44において、シス
テムフエイルした第2のCPU30Bにより駆動制御される第
2のモータドライバ126Bの駆動を停止させるべく、第2
のモータドライバ126Bの制御スイツチ146に電源カツト
信号を出力する。このようにして、第2の駆動モータ22
Bは、例えシステムフエイルした第2のCPU30Bから誤つ
た制御信号が出力されようとも、その駆動を禁止された
状態になされており、第2のCPU30Bのシステムフエイル
に伴う危険は未然に防止される事になる。
このようにして、サブ側の第2のCPU30Bがシステムフ
エイルしたとしても、依然としてメイン側の第1のCPU3
0Aにより、第1の駆動モータ22Aが駆動制御され続けて
いるので、自動変速機12は、この第1の駆動モータ22A
により、従前通り、走行レンジを切り換え駆動される事
になる。しかしながら、上述した様に、3重の制御系が
全て完全に作動する事により安全走行が確保される事を
前提としているので、ステツプS38に飛び、第1のCPU30
Aにおいて縮退制御動作を強制的に実行させるべく、フ
ラグF(縮退)に「1」をセツトして、ステツプS40に
おいて第1の警報動作を実行し、以降、第2のシステム
フエイルセイフ動作を繰り返し実行する。
次に、第20A図及び第20B図を参照して、第1のCPU30A
におけるメインルーチンを説明する。尚、第2のCPU30B
におけるメインルーチンは、この第1のCPU30Aにおける
メインルーチンと同一に設定されているので、その説明
を省略する。
このメインルーチンにおいては、先ず、ステツプS48
において、第3のCPU30Cからの起動信号が入力されるの
を待ち、起動信号の入力が検出されると、ステツプS50
において、全ての変数の初期化が実行される。この初期
化においては、全てのフラグFに「0」がセツトされる
と共に、システムフエイル検出用のチヤンネルのタイマ
とフエイル判定信号出力用のタイマとを夫々リセツトす
る動作を含むものである。
この後、ステツプS52において、切り換えスイツチ32
からのインヒビタ信号(INH)に基づき、現在、自動変
速機12において設定された走行レンジ(SRI)を読み込
み動作する。そして、ステツプS54において、マルチプ
レクサ回路MUXの制御端子に「L」レベル信号を出力
し、CPUの入力端子には、これの一方の入力端子に接続
された信号、即ち、第2の出力端子108a〜108fから出力
された信号が入力されることになる。この後、ステツプ
S56において、第2の出力端子108a〜108fからの信号に
基づいて、現在、操作スイツチ18において設定されてい
る走行レンジ(SRS)を読み込み動作する。
また、引き続き、ステツプS58において、縮退制御を
強制的に実行させるためのフラグF(縮退)に「1」が
セツトされているか否かが判定される。このステツプS5
8においてNOと判断される場合、即ち、フラグF(縮
退)が「0」がセツトされており、縮退制御が強制され
ていないと判断される場合には、ステツプS60が実行さ
れる。
このステツプS60においては、ステツプS52で読み込ん
だ所の自動変速機12において設定された走行レンジ(SR
I)と、ステツプS56で読み込んだ所の操作スイツチ18に
おいて設定されている走行レンジ(SRS)とが一致する
か否かが判断される。このステツプS60においてYESと判
断される場合、即ち、自動変速機12において設定された
走行レンジ(SRI)と、操作スイツチ18において設定さ
れている走行レンジ(SRS)とが一致すると判断される
場合には、第1の駆動モータ22Aを駆動して自動変速機1
2の走行レンジを切り換える必要が無いので、ステツプS
62において、停止制御を実行する。尚、このステツプS6
2における停止制御は、サブルチーンとして第24図を参
照して、後に詳細に説明する。
この後、ステツプS64においては、後に第25図を参照
して詳細に説明する学習制御を実行し、引き続き、ステ
ツプS66において、第1のフエイル判定動作を実行す
る。尚、このステツプS66における第1のフエイル判定
動作は、サブルーチンとして第26図を参照して後述す
る。そして、引き続くステツプS68において、第3のCPU
30Cから出力されてきたシステムフエイル判定信号を監
視することにより第3のCPU30Cにおけるシステムフエイ
ルの発生状態が判定される。
ここで、このステツプS68におけるシステムフエイル
判定動作は、上述したステツプS22における第1のCPU30
Aのシステムフエイル判断動作と略同一に構成されてい
るので、サブルーチンとして第23図を参照して第1のCP
U30Aにおけるシステムフエイルの発生状態の判定動作を
説明し、第3のCPU30Cのシステムフエイルの発生状態の
判定動作の説明を省略する。尚、第3のCPU30Cがシステ
ムフエイルしたと判断した場合には、第3のCPU30Cがシ
ステムフエイルした事を示すフラグF(3F)が「1」が
セツトされる。
この後、ステツプS70において、第3のCPU30Cがシス
テムフエイルしているか否かが判定される。このステツ
プS70においては、フラグF(3F)に「1」がセツトさ
れているか否かにより、第3のCPU30Cがシステムフエイ
ルしているか否かを判断する。このステツプS70におい
てNOと判断される場合、即ち、フラグF(3F)に「0」
がセツトされており、第3のCPU30Cにおいてシステムフ
エイルが発生していないと判断される場合には、ステツ
プS72に進む。
このステツプS72において、自身、即ち、第1のCPU30
Aにおける暴走等のシステムフエイル状態を示すシステ
ムフエイル信号を出力するフエイル判定信号出力動作を
実行した後、上述したステツプS52に復帰して、再び、
ステツプS52以下の手順を実行する。尚、ステツプS72に
おけるフエイル判定信号出力動作は、上述した第3のCP
U30CにおけるステツプS30でのフエイル判定信号出力動
作と同一であり、第22A図及び第22B図を同様に参照した
状態で、その説明を省略する。
一方、上述したステツプS70でYESと判断される場合、
即ち、フラグF(3F)に「1」がセツトされており、第
3のCPU30Cでシステムフエイルが発生したと判断される
場合には、以下において、第3のシステムフエイルセイ
フ動作が実行される事になる。即ち、この第3のシステ
ムフエイルセイフ動作においては、既に上述した様に、
この制御ユニツト30では、3重の制御系が全て正常に動
作する事を前提として安全走行が担保されているので、
このように第3のCPU30Cがシステムフエイルしたと判断
される事により、安全走行を確保することができないの
で、ステツプS74において、第1及び第2のCPU30A,30B
を縮退制御に強制移行すべく、フラグF(縮退)に
「1」をセツトする。
この後、システムフエイルした第3のCPU30Cの駆動を
停止させるべく、ステツプS76において、これに電源を
供給する制御スイツチ129に電源カツト信号を出力す
る。このようにしても、第3のCPU30Cの駆動は停止さ
れ、もはや、第3のCPU30Cからは第1及び第2のモータ
ドライバ126A,126Bに対して電源カツト信号が出力され
ない状態となる。しかしながら、上述した様に、第1及
び第2のモータドライバ126A,126Bにおける夫々の制御
スイツチ146はこれに電源カツト信号が入力しない限
り、閉成状態を維持し続ける事になるので、第1のCPU3
0Aの制御に基づき、第1の駆動モータ22Aは駆動制御さ
れる事になる。
そして、このステツプS76を実行した後、ステツプS78
において、第1の警報動作を実行する。ここで、この第
1の警報動作は、上述したステツプS40における第1の
警報動作と同一であるので、ここでの説明を省略する。
そして、このステツプS78を実行した後、上述したステ
ツプS72に進む事になる。即ち、第3のシステムフエイ
ルセイフ動作は、上述したステツプS74、ステツプS76、
そしてステツプS78により構成されるものである。
一方、上述したステツプS60において、NOと判断され
た場合、即ち、自動変速機12において設定された走行レ
ンジ(SRI)と、操作スイツチ18において設定されてい
る走行レンジ(SRS)が一致しないと判断される場合
は、以下の状態で発生することになる。
即ち、運転者が走行レンジを切り換えるべく、操作ス
イツチ18を操作して、正方向または逆方向に隣接する次
の走行レンジが新に設定された場合、この新に設定され
た走行レンジは、これの第1及び第2の出力端子104,10
8a〜108fの出力が共に立ち上がつた時点で判断され、し
かも、詳細は後述するが、駆動モータ22の起動は、この
両出力の立ち上がりタイミングで規定されているので、
必ず、SRIとSRSとは不一致状態となる。
このため、不一致状態が検出された後は、両者が1レ
ンジ分しか離れていない場合(即ち、操作スイツチ18が
隣りの走行レンジまでしか操作されなかつた場合)に
は、両者が一致するように駆動モータ22が駆動制御さ
れ、両者が1レンジ分以上離れた場合(即ち、操作スイ
ツチ18が隣りの走行レンジを越えて、更に遠くまで操作
された場合)には、操作スイツチ18により直前に設定さ
れた走行レンジに自動変速機12の走行レンジが設定され
るように駆動モータ22が制御されることになる。
即ち、ステツプS60でNOと判断された場合には、ステ
ツプS80において、監視範囲を規定するフラグF(監
視)が「1」であるか否かが判別される。ここで、監視
範囲とは、第18A図及び第18B図に示すように、互いに隣
接する走行レンジにおける最初の立ち下がり時点から、
最後の立ち上がり時点までで規定されている。そして、
このステツプS80においては、上述したように、操作ス
イツチ18が隣接する走行レンジ位置で停止している場合
には、既にステツプS60においてSRIとSRSとの不一致が
検出された後であるので、必ずNOが判断されることとな
り、一方、操作スイツチ18が隣接する走行レンジを越え
て更に操作された場合には、次の監視範囲に必ず突入し
ていることになるので、必然的に、YESが判断されるこ
ととなる。
ここで、このステツプS80においてNOと判断された場
合には、ステツプS82において、操作スイツチ18におけ
る正方向操作または逆方向操作が判別される。尚、この
操作スイツチ18における正・逆判別は、後述する第2の
割り込みルーチンにおいて第1及び第2の出力端子104,
108a〜108fの両方の出力が立ち上がつたタイミングで予
め実行された操作スイツチ18の操作方向判別ルーチンに
おいて判断された結果に基づいて行なわれている。
このステツプS82において、正方向と判断された場
合、即ち、フラグF(正)がセツトされていると判断さ
れる場合には、ステツプS84において、第1のモータド
ライバ126Aのエナーブルラツチ回路ENAが「1」信号
を、また、デイレクシヨンラツチ回路DIRに「0」信号
を出力する。この結果、第1の駆動モータ22Aは、正方
向に駆動され、自動変速機12においては、現在設定され
ている走行レンジから正方向に隣接する走行レンジへの
切り換え動作が実行されることとなる。
一方、ステツプS82において、逆方向と判断された場
合、即ち、フラグF(逆)がセツトされていると判断さ
れる場合には、ステツプS86において、第1のモータド
ライバ126Aのエナーブルラツチ回路ENAとデイレクシヨ
ンラツチ回路DIRとに共に「1」信号を出力する。この
結果、第1の駆動モータ22Aは、逆方向に駆動され、自
動変速機12においては、現在設定されている走行レンジ
から逆方向に隣接する走行レンジへの切り換え動作が実
行されることとなる。
そして、ステツプS84またはステツプS86が実行される
と、ステツプS88において、第2のフエイル判定動作を
実行し、上述したステツプS68に飛び、これ以降の制御
手順を実行した後、ステツプS52に復帰して、再び、ス
テツプS52以下の手順を実行する。尚、このステツプS88
における第2のフエイル判定動作は、サブルーチンとし
て第27図を参照して後述する。
ここで、上述したステツプS52以下の手順を繰り返し
実行する過程において、第1の駆動モータ22Aの駆動に
基づき、自動変速機12で設定された走行レンジが、隣接
する次の走行レンジに近づいてはいるが、未だ操作スイ
ツチ18での設定走行レンジ(SRS)と切り換えスイツチ3
2に基づく走行レンジ(SRI)とが一致しない場合には、
ステツプS60においてNOが判断され、ステツプS80、ステ
ツプS82、ステツプS84(または、ステツプS86)が継続
して実行され、引き続き第1の駆動モータ22Aが駆動さ
れ続けることになる。
一方、自動変速機12での設定走行レンジが、隣接する
次の走行レンジに設定されると、操作スイツチ18での設
定走行レンジ(SRS)と切り換えスイツチ32に基づく走
行レンジ(SRI)とが一致することとなり、この結果、
ステツプS60の判断がYESとなる。従つて、ステツプS62
以下が実行され、第1の駆動モータ22Aは、ステツプS62
の実行により停止されることとなる。
また、上述したステツプS80においてYESと判断された
場合、即ち、操作スイツチ18が隣接する走行レンジを飛
び越して、次の監視範囲に突入していると判断される場
合には、ステツプS90において、切り換えスイツチ32か
らのインヒビタ信号(INH)に基づき、現在、自動変速
機12において設定された走行レンジ(SRI)を読み込み
動作する。
そして、ステツプS92において、操作スイツチ18によ
り直前に設定された走行レンジ(SRS-1)を読み込む。
即ち、この走行レンジ(SRS-1)は、走行スイツチ18が
突入した監視範囲の操作方向に関して直後方に位置する
走行レンジにより規定されるものである。そして、この
走行レンジ(SRS-1)は、現在、自動変速機12において
設定されている走行レンジ(SRI)に隣接しているか否
かは関係が無く、例えば、急速に操作スイツチ18を操作
した場合には、自動変速機12側の動作が相対的に遅れ
て、2つの走行レンジ分以上離れてしまう場合も発生す
ることになる。
そして、ステツプS94において、ステツプS80で読み込
んだ所の、現在、自動変速機12において設定された走行
レンジ(SRI)と、ステツプS82で読み込んだ所の、操作
スイツチ18により直前に設定された走行レンジ(S
RS-1)との一致状態が判別される。このステツプS94に
おいてNOと判断される場合には、ステツプS82に飛び、
第1の駆動モータ22Aが駆動され続け、YESと判断された
場合、即ち、現在、自動変速機12において設定された走
行レンジ(SRI)と、操作スイツチ18により直前に設定
された走行レンジ(SRS-1)とが一致したと判断された
場合には、ステツプS62に飛び、停止制御を実行して、
第1の駆動モータ22Aの駆動を停止する。
このようにして、操作スイツチ18が監視範囲内に位置
する限において、自動変速機12における走行レンジは、
操作スイツチ18が直前で設定した走行レンジ(SRS-1
に停止され、操作スイツチ18がこれから設定しようとす
る走行レンジに先走つて設定するような事態が確実に回
避されることになる。
即ち、この一実施例においては、後述するように、操
作スイツチ18の操作が素早く対応して自動変速機12の走
行レンジの切り換え動作を実行すべく、操作スイツチ18
における目標停止位置が定まらない状態において、操作
スイツチ18の操作方向のみを先に読み取り、この操作方
向に応じて第1の駆動モータ22Aを起動させ、自動変速
機12側において、切り換え動作を実行するように設定し
ている。
この結果、上述した監視範囲においては第1の駆動モ
ータ22Aの停止信号が出力されないので、仮に、この監
視範囲で操作スイツチ18が極めてゆつくりと操作された
場合には、第1の駆動モータ22Aによる走行レンジ切り
換え速度の方が速くなり、自動変速機12で設定される走
行レンジが、操作スイツチで設定されている走行レンジ
よりも前方に追い越した状態で設定され、制御不能状態
に落入る可能性がある。
具体的には、例えば、操作スイツチ18がニユートラル
レンジ「N」を設定した状態から、前進ドライブレンジ
「D」を越えて、これと前進2速レンジ「2」との間に
位置する監視範囲まで素早く操作され、この監視範囲に
おいて、極めてゆつくりと操作された場合を想定する。
この場合には、前進ドライブレンジ「D」を通過した時
点で、第1のCPU30Aは第1の駆動モータ22Aを正方向に
回転されるよう駆動信号を出力する。ここで、何等手段
を講じないと、操作スイツチ18が前進ドライブレンジ
「D」と前進2速レンジ「2」の間の監視範囲に留まつ
ている間は停止条件が成立しないので、この監視範囲に
操作スイツチ18が位置している間に、第1の駆動モータ
22Aは駆動を継続して、自動変速機12において設定され
る走行レンジは、順次正方向に切り換えられることとな
る。
この結果、運転者が操作スイツチ18を前進2速レンジ
「2」で止めて、前進2速レンジ「2」に走行レンジを
切り換えることを意図したとしても、自動変速機12にお
いては、この前進2速レンジ「2」を通り越して、前進
1速レンジ「1」が設定されることになる。即ち、操作
スイツチ18において設定された走行レンジと、自動変速
機12で設定された走行レンジとが不一致となり、フエイ
ル状態が発生してしまうことになる。
しかしながら、上述したように、この一実施例におい
ては、操作スイツチ18が監視範囲内に位置する限におい
て、自動変速機12における走行レンジは、操作スイツチ
18が直前で設定した走行レンジに停止され、一時的にこ
の走行レンジに設定されることになるので、操作スイツ
チ18がこれから設定しようとする走行レンジに先走つた
状態で自動変速機12で走行レンジが設定されるような事
態が確実に回避されることになる。
そして、操作スイツチ18が監視範囲内を操作されてい
る間においては、ステツプS52〜ステツプS58を経て、ス
テツプS60でNOと判別され、また、ステツプS80でYESと
判別され、ステツプS90,ステツプS22を経て、ステツプS
94でNOと判別され、ステツプS82,ステツプS84(また
は、ステツプS86),ステツプS88、ステツプS68を経
て、ステツプS52に戻るループが実行されることにな
る。尚、後述するが、操作スイツチ18がこの監視範囲内
に長時間居続けるよう操作スイツチ18を操作すること
は、極めて異常な操作であるので、操作スイツチ18が監
視範囲内に居続ける時間が所定時間以上となつた場合に
は、第4のフエイル状態が成立して、第4のフエイルセ
イフ動作が実行されるよう設定されている。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、監視範囲を
外れて、次の走行レンジ設定位置に入り込むと、この時
点で、ステツプS60においてNOと判断され、上述したよ
うな操作スイツチ18が隣接する走行レンジに一つだけ切
り換え操作された場合と同様にして、ステツプS82,ステ
ツプS84(または、ステツプS86)が実行されて第1の駆
動モータ22Aが駆動され、この後、ステツプS88,ステツ
プS68、ステツプS70、ステツプS72、ステツプS52、ステ
ツプS54,ステツプS56が実行され、ステツプS60が判断さ
れることになる。そして、自動変速機12における走行レ
ンジが追い着いた状態で操作スイツチ18により設定され
た走行レンジにもたらされることにより、このステツプ
S60においてYESが判断され、ステツプS62,ステツプS64,
ステツプS66,ステツプS68…が実行されることにより、
第1の駆動モータ22Aは停止されることとなる。
一方、第3のCPU30Cがシステムフエイルして上述した
ステツプS74においてフラグF(縮退)に「1」がセツ
トされるか、または、第1または第2のCPU30A,30Bがシ
ステムフエイルした事を第3のCPU30Cにより検出され、
第3のCPU30CにおけるメインルーチンのステツプS38に
おいてフラグFF(縮退)に「1」がセツトされる事によ
り、縮退制御が起動される。そして、このようにフラグ
F(縮退)に「1」がセツトされると、ステツプS58に
おいて、YESと判定される事となり、ステツプS96に進
み、このステツプS96において、縮退制御を実行する事
になる。
この縮退制御においては、第21図に示す様に、先ず、
ステツプS96Aにおいて、操作スイツチ18で設定される走
行レンジの中で、前進1速レンジ「1」及び前進2速レ
ンジ「2」を示す走行レンジ信号SR1,SR2は、共に、前
進ドライブレジ「D」を示す走行レンジ信号SRDと擬制
され、また、ステツプS96Bにおいて、パーキングレンジ
「P」を示す走行レンジ信号SRPは、ニユートラルレン
ジ「N」を示す走行レンジ信号SRNと擬制する共に、ス
テツプS96Cにおいて、エンジン出力の低下動作を実行す
る事になる。そして、このように縮退制御動作として擬
制動作を実行した後、ステツプS60に復帰する。
即ち、この縮退制御においては、操作スイツチ18によ
り切り換えられる走行レンジは、前進ドライブレンジ
「D」、ニユートラルレンジ「N」、後退レンジ「R」
の3種類のみに限定され、自動変速機12において、前進
1速レンジ「1」、前進2速レンジ「2」、パーキング
レンジ「P」を設定する事が不可能となると共に、仮
に、操作スイツチ18において前進1速レンジ「1」、前
進2速レンジ「2」が設定されたとしても、前進ドライ
ブレンジ「D」が強制的に自動変速機12において設定さ
れ、また、操作スイツチ18においてパーキングレンジ
「P」が設定されたとしても、ニユートラルレンジ
「N」が強制的に自動変速機12において設定される事に
なる。このように、自動変速機12における走行レンジの
切り換え動作を少なくする事により、安全走行を確保す
る様にしている。
また、エンジン出力の低下動作は、例えば、燃料噴射
システムを採用しているエンジンにおいては、燃料噴射
時期を強制的に長くするとか、燃料噴射量を強制的に少
なくする事により実行され、この結果、車両の最高速度
を例えば時速30km/h程度に抑える様にする。このように
縮退制御においてエンジン出力を強制的に低下させる事
により、例え、運転者が第1の警報動作に気付かず、車
両をそのまま運転し続け様としても、走行速度の低下に
より、確実に異常状態を認識することができ、運転者を
して、車両を修理工場へ運ぶ様に観念させると共に、更
にもう1つのCPUがシステムフエイルした場合にも、車
両を安全に停止させる事が可能となる。
このように、ステツプS96において縮退制御を実行す
る事により、車両の安全走行が確実に担保される事にな
る。
以上詳述したように、この第1のCPU30Aのメインルー
チンに示すように、操作スイツチ18が停止した位置で設
定された走行レンジに、自動変速機12の走行レンジは確
実に一致する状態で設定されることになる。
尚、既に説明した様に、第2のCPU30Bにおけるメイン
ルーチンの制御手順は、第1のCPU30Aにおけるメインル
ーチンの制御手順と同一であるため、その説明を省略す
る。
次に、第22A図及び第22B図を参照して、第19B図に示
したステツプS30におけるフエイル判定信号出力動作の
サブルーチンを説明する。
このサブルーチは、第3のCPU30Cが制御手順を正常に
繰り返し実行している限り、第22B図に示す様に、所定
幅(例えば100μs)のシステムフエイル判定信号を所
定の間隔(例えば10ms)毎に出力する様に構成されてい
る。換言すれば、この第3のCPU30Cが例えば暴走して正
常な制御手順を実行し得ない状態となると、上述したシ
ステムフエイル判定信号が出力され続けたり、全く出力
されない状態となる。従つて、第1または第2のCPU30
A,30Cは、第3のCPU30Cから出力されるシステムフエイ
ル判定信号を常時監視し、詳細には、システムフエイル
判定信号の幅、即ち、「H」レベルにある時間や、出力
間隔、即ち、「H」レベルに立ち上がつた時点から次の
「H」レベルへの立ち上がり時点までの時間を計時し
て、これらが許容される変動範囲を超えたと判断される
場合には、第3のCPU30Cがシステムフエイルしたと判断
し、第3のCPU30Cがシステムフエイルした事を示すフラ
グF(3F)に「1」をセツトする事になる。
以下に、第22A図を参照して、フエイル判定信号出力
動作の制御手順を説明する。
先ず、上述したステツプS12において初期化された状
態で、このシステムフエイル判定信号の出力状態は
「H」レベルに設定され、また、信号発生用の第1のタ
イマはリセツトされ、カウントアツプ動作を開始する様
に設定されている。このような状態において、ステツプ
S100では、システムフエイル判定信号の出力状態が
「L」レベルであるか否かが判定される。この制御手順
が開始された直後では、必ず、このステツプS100におい
ては、NOと判断され、引き続き、ステツプS102におい
て、第1のタイマがリセツトされてから100μsが経過
したか否かが判別される。このステツプS102において、
NOと判別される場合、即ち、第1のタイマがリセツトさ
れてから100μsが経過していないと判断された場合に
は、制御手順をリターンして、元のメインルーチンに復
帰する。
一方、このステツプS102においてYESと判断される場
合、即ち、第1のタイマがリセツトされてから100μs
が経過したと判断される場合には、ステツプS104に進
み、ここで、出力状態を「H」レベルから「L」レベル
に切り換えたうえで、制御動作をリターンし、元のメイ
ンルーチンに復帰する。
また、上述したステツプS100においてYESと判断され
る場合、即ち、出力状態が「L」レベルであると判断さ
れる場合には、ステツプS106に進み、第1のタイマがリ
セツトされてから10msから経過したか否かが判別され
る。このステツプS106において、NOと判別される場合、
即ち、第1のタイマがリセツトされてから10msが経過し
ていないと判断された場合には、制御手順をリターンし
て、元のメインルーチンに復帰する。
一方、このステツプS106においてYESと判断される場
合、即ち、第1のタイマがリセツトされてから10msが経
過したと判断される場合には、ステツプS108に進み、こ
こで、出力状態を「L」レベルから「H」レベルに切り
換え、引き続くステツプS110においてタイマをリセツト
したうえで、制御動作をリターンし、元のメインルーチ
ンに復帰する。
このようにして、ステツプS100からステツプS110を実
行する事により、第21B図に示す様に、所定のシステム
フエイル判定信号が出力される事になる。
尚、この第22A図に示すフエイル判定信号出力動作
は、第1のCPU30AのステツプS72におけるフエイル判定
信号出力動作と同一であり、従つて、第2のCPU30Bで実
行されるフエイル判定信号出力動作と同一であり、この
ため、第1及び第2のCPU30A,30Bにおけるフエイル判定
信号出力動作の説明は省略する。
次に、第19A図にステツプS22で示した第1のCP30Aの
システムフエイル判定動作を、第23図を参照して説明す
る。
このシステムフエイル判定動作においては、上述した
フエイル判定信号出力動作により第1のCPU30Aから出力
されたシステムフエイル判定信号を常時監視し、このシ
ステムフエイル判定信号が所定の許容範囲内で「H」レ
ベルと「L」レベルとの間で出力状態を変化させている
と判断される場合には、第1のCPU30Aはシステムフエイ
ルしておらず、正常な制御動作を実行していると判断す
る様に構成されている。
尚、この一実施例においては、上述した許容範囲を±
20%に設定しており、この結果、「H」レベルについて
は、タイマがリセツトしてから80μs乃至120μs以内
の範囲で「L」レベルに変化すれば(立ち下がれば)、
正常であり、また、「L」レベルについては、タイマが
リセツトしたから8ms乃至12ms以内の範囲で「H」レベ
ルに変化すれば(立ち上がれば)、正常であると判断す
る様に設定されている。
また、この判定動作において用いられるタイマは、第
3のCPU30Cが起動した時点で実行される初期化動作によ
りリセツトされ、タイムアツプカウント動作を実行する
様に設定されている。即ち、第1及び第2のCPU30A,30B
及び第1及び第3の30A,30Cにおいては、第17C図に示す
様に、、互いに相互的に、システムフエイル判定信号を
出力し、互いに相手のCPUがシステムフェイスしていな
いかを常時監視する様に構成されているが、これらシス
テムフエイル判定信号を出力するためのタイマと、シス
テムフエイルの発生を判定するためのタイマとは、夫々
のメインルーチンの起動に伴い、実質的に同時にリセツ
トされ、カウントアツプ動作を開始する様に設定されて
いる。
即ち、このシステムフエイル判定動作が起動される
と、先ず、ステツプS120において、現在の出力状態が
「L」レベルであるか否かが判別される。このステツプ
S120においてNOと判断された場合、即ち、現在の出力状
態が「H」レベルであると判断された場合、ステツプS1
22において、現時点がタイマリセツトされてから120μ
s経過したか否かが判別される。このステツプS122にお
いてNOと判断される場合、即ち、この判断時点で、未だ
タイマがリセツトされてから120μs経過していないと
判断される場合には、ステツプS124において、出力状態
が「H」レベルから「L」レベルに変化したか否かが判
断される。
このステツプS124においてNOと判断される場合、即
ち、タイマリセツトされてから120μs経過していない
状態において、未だ「H」レベルから「L」レベルに出
力が変化していないと判断される場合には、異常と判断
すべきではないので、そのまま、制御手順をリターンし
て、メインルーチンに復帰する。
一方、上述したステツプS122でYESと判断される場
合、即ち、タイマがリセツトされてから120μsが経過
した後においても、未だ、出力レベルが「H」レベルか
ら「L」レベルに変化しないと判断される場合には、第
1のCPU30Aが異常であると判断し、ステツプS126におい
て、第1のCPU30Aがシステムフエイルしている事を示す
フラグF(1F)に「1」をセツトして、制御手順をリタ
ーンし、メインルーチンに復帰する。
ここで、このステツプS126のみが、第1及び第2のCP
U30A,30Bにおけるシステムフエイル判定ルーチンと異な
る点であり、これらCPU30A,30BのステツプS126において
は、判定対象である第3のCPU30Cがシステムフエイルし
た事を示すフラグF(3F)に「1」をセツトする様に設
定されている。また、第3のCPU30CにおけるステツプS2
4においては、第2のCPU30Bのシステムフエイルが判定
される様に構成されているが、このステツプS24におい
ても、このステツプS126以外の制御手順は、第23図に示
すステツプS22の制御手順と同様であり、ステツプS24に
おけるステツプS126においては、判定対象である第2の
CPU30Bがシステムフエイルした事を示すフラグF(2F)
に「1」をセツトする様に設定されている。
また、上述したステツプS124においてYESと判断され
る場合、即ち、タイマがリセツトされてから120μsが
経過する前に出力レベルが「H」レベルから「L」レベ
ルに変化したと判断される場合には、ステツプS128に進
み、ここで、このレベル変化した時点が、タイマリセツ
トして80μs経過した後であるが否かが判別される。こ
のステツプS128においてYESと判断される場合、即ち、
タイマリセツトしてから80μs経過した後に、出力レベ
ルが「H」レベルから「L」レベルへ変化したと判断さ
れる場合には、この出力レベル変化が、タイマリセツト
後、80μs乃至120μsの範囲で発生した事を意味する
事になるので、この出力変化は正常であると判断して、
制御手順をリターンして、メインルーチンに復帰する。
一方、ステツプS128においてNOと判断される場合、即
ち、この出力レベルの変化がタイマがリセツトされてか
ら80μs経過する前に発生したと判断される場合には、
第1のCPU30Aが異常であると判断し、上述したステツプ
S126に進み、第1のCPU30Aがシステムフエイルしている
事を示すフラグF(1F)に「1」をセツトして、制御手
順をリターンし、メインルーチンに復帰する。
また、上述したステツプS120においてYESと判断され
る場合、即ち、現在の出力レベルが「L」レベルである
と判断される場合には、ステツプS130に進み、現時点が
タイマリセツトされてから12ms経過したか否かが判別さ
れる。このステツプS130においてNOと判断される場合、
即ち、この判断時点で、未だタイマがリセツトされてか
ら12ms経過していないと判断される場合には、ステツプ
S132において、出力状態が「L」レベルから「H」レベ
ルに変化したか否かが判断される。
このステツプS132においてNOと判断される場合、即
ち、タイマリセツトされてから12ms経過していない状態
において、未だ「L」レベルから「H」レベルに出力が
変化していないと判断される場合には、異常と判断すべ
きではないので、そのまま、制御手順をリターンして、
メインルーチンに復帰する。
一方、上述したステツプS130でYESと判断される場
合、即ち、タイマがリセツトされてから12msが経過した
後においても、未だ、出力レベルが「L」レベルから
「H」レベルに変化しないと判断される場合には、第1
のCPU30Aが異常であると判断し、上述したステツプS126
に進み、ここで、第1のCPU30Aがシステムフエイルして
いる事を示すフラグF(1F)に「1」をセツトして、制
御手順をリターンし、メインルーチンに復帰する。
また、上述したステツプS132においてYESと判断され
る場合、即ち、タイマがリセツトされてから12msが経過
する前に出力レベルが「L」レベルから「H」レベルに
変化したと判断される場合には、ステツプS134に進み、
ここで、このレベル変化した時点が、タイマリセツトし
て8ms経過した後であるが否かが判別される。このステ
ツプS134においてYESと判断される場合、即ち、タイマ
リセツトしてから8ms経過した後に、出力レベルが
「L」レベルから「H」レベルへ変化したと判断される
場合には、この出力レベル変化が、タイマリセツト後、
8ms乃至12msの範囲で発生した事を意味する事にので、
この出力変化は正常であると判断して、ステツプS136で
タイマをリセツトした後、制御手順をリターンして、メ
インルーチンに復帰する。
一方、ステツプS134においてNOと判断される場合、即
ち、この出力レベルの変化がタイマがリセツトされてか
ら8ms経過する前に発生したと判断される場合には、第
1のCPU30Aが異常であると判断し、上述したステツプS1
26に進み、第1のCPU30Aがシステムフエイルしている事
を示すフラグF(1F)に「1」をセツトして、制御手順
をリターンし、メインルーチンに復帰する。
このように、システムフエイル判定ルーチンは構成さ
れているので、この判定ルーチンで対象となる第1のCP
U30Aのシステムフエイルの発生状態は、確実に判定され
る事になる。
次に、第24A図及び第24B図を参照して、上述した第1
のCPU30AのメインルーチンにおけるステツプS62で示し
した停止制御のサブルーチンについて、詳細に説明す
る。
この停止制御においては、2つの停止態様に応じた手
順を実行している。即ち、第1の駆動モータ22Aが停止
し続けた状態において、操作スイツチ18で指示された走
行レンジと自動変速機12で設定された走行レジとが一致
した状態における一方の停止態様の場合には、従前から
一致した状態であるので、このまま、停止状態を維持す
る様に制御が行われる。
また、第1の駆動モータ22Aが駆動した結果、操作ス
イツチ18で指示された走行レンジに自動変速機12で設定
された走行レンジが一致するに至つた状態における他方
の停止態様の場合には、この自動変速機12で設定された
走行レンジ位置で第1の駆動モータ22Aを停止させる制
御が行われる。
即ち、第1のCPU30Aの上述したメインルーチンのステ
ツプS60でYESと判定されると、この停止制御が起動さ
れ、先ず、第24A図に示す様に、ステツプS62Aにおい
て、後述するタイマのセツト状態を示すフラグ(T)に
「1」がセツトされているか否定かが判別される。この
ステツプS62AにおいてNO、即ち、フラグ(T)に「1」
がセツトされておらず、タイマが計時動作を実行してい
ないと判断される場合には、ステツプS62Bに進み、エナ
ーブルラツチ回路ENAに「1」信号が出力されているか
否かが判別される。
このステツプS62BにおいてNOと判断される場合、即
ち、操作スイツチ18が操作されて第1の駆動モータ22A
が駆動された結果として、ステツプS60においてYESが判
断されたのではなく、予め操作スイツチ18で指示された
走行レンジと自動変速機12で設定されている走行レンジ
とが一致し続けていると判断される場合には、第1の駆
動モータ22Aを駆動する必要がないため、ステツプS62C
において操作スイツチ18が正方向に操作された事を示す
フラグF(正)をリセツトし、また、ステツプS62Dにお
いて、操作スイツチ18が逆方向に操作された事を示すフ
ラグF(逆)をリセツトし、ステツプS62Eにおいて、サ
ーボアンップ126Aのエナーブルラツチ回路ENAに「0」
信号を出力し、メインルーチンにリターンする。この結
果、第1の駆動モータ22Aの駆動は停止され続けること
になる。
一方、上述したステツプS62BにおいてYESと判断され
る場合、即ち、操作スイツチ18が操作され、第1の駆動
モータ22Aが駆動された結果として、ステツプS60におい
てYESが判断された場合には、この第1の駆動モータ22A
の駆動を停止して、操作スイツチ18において切り換え設
定された新たな走行レンジに、自動変速機12における走
行レンジを正確に一致させた状態で設定しなければなら
ない。このため、ステツプS62F以下において、第1の駆
動モータ22Aに、所定時間だけ、今までとは逆方向に電
流を流し、この逆電流により第1の駆動モータ22Aにブ
レーキを掛け、上述したステツプS60で一致と判断され
た走行レンジで駆動モータ22Aが確実に停止させるよう
制御する。
即ち、ステツプS62Fにおいて、デイレクシヨンラツチ
回路DIRに「0」信号が出力されているか否かが判別さ
れる。このステツプS62FにおいてYESと判断される場合
には、ステツプS62Gにおいて、反対に、デイレクシヨン
ラツチ回路DIRに「1」信号を出力し、また、このステ
ツプS62FにおいてNOと判断される場合、即ち、に、デイ
レクシヨンラツチ回路DIRに「1」信号が出力されてい
たと判断される場合には、ステツプS62Hにおいて、反対
に、に、デイレクシヨンラツチ回路DIRに「0」信号を
出力する。
この様に、第1の駆動モータ22Aを今までの回転方向
とは逆方向に回転する様に設定した後、ステツプS62Iに
おいて、タイマTをセツトする。ここで、このタイマT
がセツトされる事により、後述する所定時間tのカウン
トアツプ動作が開始される。そして、ステツプS62Jにお
いて、タイマTがセツトされた事を示すフラグ(T)に
「1」がセツトし、メインルーチンにリターンする。
一方、メインルーチンにおけるステツプS60におい
て、YESが判断され、且つ、この停止制御のサブルーチ
ンのステツプS62AにおいてYESが判断されると、換言す
れば、駆動中の第1の駆動モータ22Aを停止すべく、一
旦、逆方向に電流を流してブレーキをかける事が行われ
ると、その逆電流の通電時間を計時するため、ステツプ
S62Kにおいて、タイマTがタイムアツプしたか否かが判
別される。このステツプS62KにおいてNOと判断される場
合、即ち、未だタイマTがタイムアツプしていないと判
断される場合には、上述したメインルーチンにリターン
して、引き続き、第1の駆動モータ22Aに今までとは逆
方向に電流を流してブレーキをかけ続ける動作を継続す
る。
また、上述したステツプS62KにおいてYESと判断され
る場合、即ち、タイマTがタイムアツプして、逆電流の
通電期間が終了したと判断される場合には、引き続くス
テツプS62Lにおいて、フラグ(T)に「0」をセツト、
即ち、リセツトして、上述したステツプS62Cに進み、こ
のステツプS62C乃至ステツプS62Eを順次実行する事によ
り、第1の駆動モータ22Aの駆動を停止させる。そし
て、この様に第1の駆動モータ22Aを停止させた状態に
おいて、メインルーチンにリターンする。
上述したCPUにおける停止制御動作に基づき、現在切
り換えられつつある自動変速機12における走行レンジ
を、操作スイツチ18により設定された目標走行レンジ位
置に正確に位置決め停止させる具体的動作について、以
下に説明する。
即ち、先ず、操作スイツチ18における目標走行レンジ
の設定は、走行レンジ位置で停止した操作スイツチ18の
停止時間を監視し、この停止時間が所定時間以上となつ
た時点で、この停止した位置の走行レンジが目標走行レ
ンジであると判別する。そして、この判別された目標走
行レンジが、現在、自動変速機12において設定されてい
る走行レンジを2レンジ以上離れている場合には、目標
走行レンジの制御用インヒビタスイツチ32bから制御用
インヒビタ信号が出力された時点で、第1の駆動モータ
22Aを今までの回転方向とは逆方向に所定時間だけ回転
する様に通電する事により減速(ブレーキング)させ、
上述したデイテント機構76の他、手動駆動機構38におけ
るデイテント機構(図示せず)やインヒビタスイツチ32
自身に備えられたデイテント機構62Hにより、機械的に
拘束された状態で、目標走行レンジに正確に停止して、
保持されるよう設定されている。
即ち、第24B図に示す様に、このブレーキ時間を一定
に設定する事により、第1の駆動モータ22Aにおける減
速度は一定に保持される事になる。ここで、上述した様
に、第1の駆動モータ22Aに通電される電圧は、DC/DCコ
ンバータ128により、一定電圧に維持されており、この
結果、駆動トルクも一定となり、従つて、駆動速度も一
定となる事になる。即ち、この駆動速度一定と減速度一
定との条件から、一旦ブレーキが掛けられた時点から、
油圧バルブ16の切り換えロツド16aが停止するまでの移
動距離Lは、何れの走行レンジにおいても、また、何れ
の走行レンジを起点とする切り換え動作であろうとも、
一定のものとなる。
この結果、各走行レンジに対応するデイテント用凹部
33a〜33fの各々の中心CPから、両走行方向に関して距離
Lだけ延出した位置に、制御用インヒビタスイツチ32b
の接点SP,SR,SN,SD,S2,S1の両端が位置する様に形成す
る事により、自動変速機12において、操作スイツチ18に
より指示された目標走行レンジが正確に設定される事に
なる。
このように第1の駆動モータ22Aを制御して、自動変
速機12における走行レンジが操作スイツチ18により設定
された走行レンジに正確に一致するように設定されてい
るが、種々の条件(例えば、初期における部材のばらつ
き、初期における取り付け状態のばらつき、計時変化に
よるばらつき等)により、第1の駆動モータ22Aにおけ
るオーバシユートまたはアンダーシユートが発生し、自
動変速機12における走行レンジが正確に規定されない事
態が発生する虞がある。
このような第1の駆動モータ22Aにおけるオーバシユ
ートやアンダーシユートの発生は、第1の駆動モータ22
Aに接続されたポテンシヨメータの出力に基づき検出さ
れており、また、そのオーバシユート量及びアンダーシ
ユート量も測定されている。特に、エンジン始動後の最
初の停止制御動作においては、上述した諸条件によりト
ルク変動が生じ、オーバシュートやアンダーシュートが
発生しやすい状況である。このため、エンジン始動後の
最初の停止制御動作が実行された後においては、ステツ
プS64に示す様に、特別に、初期パラメータの変更のた
めの学習制御が実行されるよう設定されている。
ここで、この学習制御を説明する前に、第1の駆動モ
ータ22Aに対するデユーテイ制御について説明する。即
ち、この一実施例においては、上述した様に通電電圧を
一定に保持した状態において、駆動トルクの変動に対応
するために、初期設定値を例えば75%としたデユーテイ
比DUTYで、第1の駆動モータ22Aへの通電電流をデユー
テイ駆動する様に設定されている。ここで、このデユー
テイ比DUTYは、第25B図に示す様に、所定基準時間をt
とした場合における非通電時間をτと規定する状態で、 DUTY=(t−τ)/t と設定されている。即ち、この非通電時間τをより長く
設定し直す事により、実質的に駆動トルクとして機能す
る通電時間が短くなり、駆動速度は低下する。また、非
通電時間τをより短く設定し直す事により、実質的に駆
動トルクとして機能する通電時間が長くなり、駆動速度
は上昇する。
この様に第1の駆動モータをデユーテイ制御する状態
において、メインルーチンにおけるステツプS62で停止
制御が実行されると、この学習制御が起動され、第25A
図に示す様に、先ず、ステツプS64Aにおいて、直前のス
テツプS62で実行された停止制御がエンジン始動後の最
初の停止制御であるか否かが判別される。このステツプ
S64Aにおいて、NOと判断される場合、即ち、直前のステ
ツプS62で実行された停止制御がエンジン始動後の最初
の停止制御ではなく、少なくとも2回目以降の停止制御
であると判断される場合には、既に初期値の変更動作は
終了しているので、この学習制御をスキップすべく、即
座にメインルーチンにリターンする。
一方、このステツプS64Aにおいて、YESと判断される
場合、即ち、直前のステツプS62で実行された停止制御
がエンジン始動後の最初の停止制御であると判断される
場合には、次に、ステツプS64Bにおいて、第1の駆動モ
ータ22Aに接続されたエンコーダ36からの出力値に基づ
いて、目標となる走行レンジにおける停止位置を読み込
む。また、引き続くステツプS64Cにおいて、目標走行レ
ンジにおける中心位置CPを読み込む。そして、ステツプ
S64Dにおいて、ステツプS64BとステツプS64Cとで読み込
んだ位置情報を比較して、停止位置がオーバーシユート
しているか否かを判別する。
このステツプS64DでYESと判断される場合、即ち、停
止位置がオーバーシユートしていると判断される場合に
は、ステツプS64Eにおいて、両読み込み値の差から、オ
ーバーシユート量DOVERを演算する。そして、ステツプS
64Fにおいて、オーバーシユート量DOVERに基づき、上述
した非通電時間τを補正して、オーバーシユート量D
OVERを零とするための補正時間Δτを演算する。この様
に補正時間Δτを演算した後において、ステツプS64Gに
おいて、非通電時間τに補正時間Δτを加算して、実質
通電時間を短縮し、第1の駆動モータ22Aから出力され
るトルクを実質的に低下させる様にする。即ち、この様
にして、第1の駆動モータ22Aの出力力トルクを低下さ
せられる事により、次回の停止制御においては、停止位
置と目標走行レンジの中心位置とが正確に一致する事と
なる。この様に、ステツプS64Gにおいて、非通電時間τ
を補正した後に、メインルーチンにリターンする。
一方、ステツプS64DでNOと判断される場合、即ち、停
止位置がオーバーシユートしていないと判断される場合
には、ステツプS57を実行し、このステツプS64Hにおい
ては、ステツプS64BとステツプS64Cとで読み込んだ位置
情報を比較して、停止位置がアンダーシユートしている
か否かを判別する。このステツプS64HにおいてNOと判断
される場合には、停止位置は、オーバーシユートもアン
ダーシユートもしていないと判断される事になるので、
上述したデユーテイ比の初期設定値は正しい事になるの
で、これを補正することなく、制御動作を終了して、メ
インルーチンにリターンする。
ここで、上述したステツプS64Hにおいて、YESと判断
される場合には、ステツプS64Iにおいて、両読み込み値
の差から、アンダーシユート量DUNDERを演算する。そし
て、ステツプS64Jにおいて、アンダーシユート量DUNDER
に基づき、上述した非通電時間τを補正して、アンダー
シユート量DUNDERを零とするための補正時間Δτを演算
する。この様に補正時間Δτを演算した後において、ス
テツプS64Kにおいて、非通電時間τに補正時間Δτを減
算して、実質通電時間を増加し、第1の駆動モータ22A
から出力されるトルクを実質的に増大させる様にする。
即ち、この様にして、第1の駆動モータ22Aの出力力
トルクを増大させられる事により、次回の停止制御にお
いては、停止位置と目標走行レンジの中心位置とが正確
に一致する事となる。この様に、ステツプS64Kにおい
て、非通電時間τを補正した後に、メインルーチンにリ
ターンする。
一方、このような第1回目の停止制御において、オー
バーシユートやアンダーシユートが発生する他に、任意
の停止制御に基づき、種々の上権威より、オーバーシユ
ートやアンダーシユートが発生す場合がある。このよう
なオーバシユートやアンダーシユートの発生が検出され
た場合には、そのオーバシユート量及びアンダーシユー
ト量に比例して設定された通常時間だけ、オーバシユー
トした場合には、今までの回転方向とは反対側の方向に
回転するように第1の駆動モータ22Aに通電され、一
方、アンダーシユートした場合には、今までの回転方向
と同一方向に回転するよう第1のに駆動モータ22Aに通
電されるよう設定されている。
このようにして、この一実施例においては、仮に、オ
ーバシユートやアンダーシユートが発生したとしても、
その位置偏倚は確実に治癒されることとなり、正確な位
置決め状態が達成されることになる。
尚、この治癒動作に時間が掛り過ぎたり、治癒出来る
範囲を越えてオーバシユート及びアンダーシユートが発
生した場合には、論理的に停止条件が成立した後におい
て、尚、第1の駆動モータ22Aが駆動され続けることに
なるので、第1のフエイル判定がなされることになる。
また、この一実施例の切り換えスイツチ32では、表示
用インヒビタスイツチ32aにおいて、所定幅を有する表
示用インヒビタ設定を第1の摺動ブラシ32fが通過し
て、両者が接触している間、表示用インヒビタ信号が出
力され、これが出力されている間だけ、インジケータ96
において、自動変速機12において設定された走行レンジ
が表示される様に設定されている。また、制御用インヒ
ビタスイツチ32bにおいて、所定幅を有する制御用イン
ヒビタ接点を第2の摺動ブラシ32gが通過して、両者が
接触している間、制御用インヒビタ信号が出力され、こ
れが出力された時点で、上述した様にして、第1の駆動
モータ22Aの電流フイードバツクにおる一定速度制御を
停止し、逆電流による制動(ブレーキ)を開始し、第1
の駆動モータ22Aによる終速Vを制御する様に構成され
ている。
この結果、第2D図に示す様に、自動変速機12の切り換
えスイツチ32において、操作スイツチ18において設定さ
れた走行レンジに対応するデイテント用の凹部が、ボー
ル32iに近接して、この走行レンジを規定する所定範囲
Eの端部に、第1及び第2の摺動ブラシ32f,32gが接触
してから、先ず、第1の摺動ブラシ32fが表示用インヒ
ビタスイツチ32aの対応する端子に接触し、先ず、表示
用インヒビタ信号を出力し、設定されようとする走行レ
ンジをインジケータ96に表示させる事になる。この後、
油圧バルブ16の対応する油圧発生領域に入り込む事によ
り、所定の油圧を発生し、油圧バルブ16において、設定
された走行レンジに切り換えるに必要な油圧を発生させ
る事になる。そして、最後に、第2の摺動ブラシ32gが
制御用インヒビタスイツチ32bの対応する端子に接触
し、制御用インヒビタ信号を出力して、第1の駆動モー
タ22Aにおける制御動作を開始させる事になる。
ここで、この様に最後に制御用インヒビタ信号が出力
された時点において、尚、ボール32iは、デイテント用
の凹部におけるすい込み範囲に入り込んではいない。そ
して、上述した様に制御用インヒビタ信号の出力に応じ
て、第1の駆動モータの制動動作が開始され、このデイ
テント用の凹部が形成された切り換え部材32eの回動
は、丁度、このデイテント用の凹部にボール32iが嵌入
した時点で、停止される事になる。即ち、この一実施例
によれば、操作スイツチ18により最終的に設定された走
行レンジに、自動変速機12における走行レンジも正確に
切り換え設定される事になる。
この結果、この一実施例によれば、操作スイツチ18で
設定された走行レンジが自動変速機12において設定され
る際において、切り換えスイツチ32における切り換え部
材32eの最終停止位置を検出することなく、この最終停
止位置は、デイテント用の凹部により規定される様構成
されているので、その停止位置制御が容易に行われる様
になる。この様にして、この一実施例においては、例え
ば、ポテンシヨメータ等で切り換え部材32eの回動位置
を逐次検出して、制動開始位置や最終停止位置を正確に
認識する必要がなくなる。また、油圧発生領域が、制御
用インヒビタ信号の出力に先立って設定されるので、確
実に走行レンジの切り換え動作が実行される事となる。
また、切り換えスイツチ32においては、ボール32iが最
終設定された走行レンジに対応するデイテント用の凹部
の形成範囲にもたらされた時点で、先ず最初に出力さ
れ、インジケータにおいて、その最終設定された走行レ
ンジを走行する様にしている。この様にして、運転者が
操作スイツチ18を操作して新たな走行レンジを切り換え
設定した際において、この操作レンジがインジケータ98
において素早く表示される事となり、表示の適正化が果
たされる事になる。
ここで、このインヒビタ摺動端子がインヒビタ接点に
接触し始めた時点における、ポテンシヨンメータの原点
位置からの距離をL1と規定し、インヒビタ摺動端子がイ
ンヒビタ接点から外れる時点における、ポテンシヨンメ
ータの原点位置からの距離をL2と規定し、切り換えスイ
ツチ32における各走行レンジを規定する停止位置までの
ポテンシヨンメータの原点位置からの距離をL0とする
と、この距離L0は、 となるように、各インヒビタ接点をインヒビタ摺動端子
が通過する毎に補正・設定している。
この結果、第1の駆動モータ22Aとポテンシヨンメー
タとの間に相対位置の変化が発生したとしても、常時、
各走行レンジを規定する停止位置は演算・更新されてい
るので、正確な位置決め動作が達成されることになる。
また、この一実施例のCPUにおいては、操作スイツチ1
8が操作され始め、この操作スイツチ18により設定され
た走行レンジが、自動変速機12における走行レンジ、即
ち、切り換えスイツチ32からのインヒビタ信号に基づく
走行レンジよりも1レンジ分以上離れた状態において、
操作スイツチ18が逆方向に操作された場合には、詳細に
は、例えば、第1の出力Φが「L」から「H」に立ち
上がた後に、第2の出力Φが「L」から「H」に立ち
上がることが検出されることにより、操作スイツチ18の
正方向の操作が判別された状態において、次の立ち上が
り検出に際して、先ず、第2の出力Φが「L」から
「H」に立ち上がり、続いて、第1の出力Φが「L」
から「H」に立ち上がつた場合には、操作スイツチ18の
逆転操作が判別されることになる。
このような操作スイツチ18の逆転操作が判別された場
合には、CPUは、この逆転検出を一旦無視し、第1の駆
動モータ22Aを逆転駆動させずに、現在の駆動方向を維
持するように構成されている。そして、このCPUは、操
作スイツチ18により設定された走行レンジが、切り換え
スイツチ32から出力されるインヒビタ信号に基づき規定
される走行レンジを越えた場合、即ち、操作スイツチ18
の操作位置が、自動変速機12における操作位置と交わつ
て、反対側に抜け出た場合において、初めて、上述した
逆転指示に基づき、第1の駆動モータ22Aを逆転方向に
駆動するように設定されている。
このように構成することにより、操作スイツチ18によ
り設定された走行レンジ位置よりも自動変速機12におけ
る走行レンジ位置が先行した状態で設定されることが、
確実に防止され、良好な制御状態が維持されることにな
る。
次に、第26図を参照して、上述したメインルーチンが
実行されている間における第1の割り込みルーチンを説
明する。この第1の割り込みルーチンは、第17A図にお
いて、第1及び第2のCPU30A,30Bの夫々の第1のインタ
ラプト端子INT1にパルス信号が入力される毎に割り込み
実行されるように設定されている。
即ち、操作スイツチ18が操作されて、現在設定されて
いる走行レンジから外れる方向に移動すると、その操作
方向が正方向であろうと逆方向であろうと、第1の出力
端子104からの出力(以下、単に第1の出力と呼ぶ。)
Φまたは第2のオアゲート回路114からの出力(以
下、単に第2の出力と呼ぶ。)Φにおいて、2回の立
ち下がり状態が発生することになる。即ち、各立ち下が
り状態が発生した時点で第1のオアゲート回路112から
各々パルス信号が出力されることとなり、操作スイツチ
18が現在設定された走行レンジから切り換えられる際に
は、この第1の割り込みルーチンが合計2回起動される
こととなる。
先ず1回目の第1の割り込みルーチンにおいては、ス
テツプS140において、マルチプレクサ回路MUXの制御端
子に「H」レベル信号を出力し、入力ポートに第1の出
力端子104からの出力及び第2のオアゲート回路114から
の出力が入力されるように設定する。そして、ステツプ
S142において、第1及び第2の出力Φ1を読み込
む。
この後、ステツプS144において、ステツプS142での読
み込み結果に基づいて、第1及び第2の出力Φ1
共に「L」レベルであるか否かが判別される。このステ
ツプS144においては、第1のインタラプト端子INT1に最
初のパルス信号が入力された時点においては、第1及び
第2の出力Φ2の一方は「L」レベルに立ち下がつ
てはいるが、他方は依然として「H」レベルに維持され
ているので、必ず、NOが判別されることになる。
そして、ステツプS146において、リアルタイムカウン
タRTCの第1のタイマT1を起動する。ここで、この第1
のタイマT1には、操作スイツチ18が操作された場合に、
第1及び第2の出力Φ1の一方が「L」レベルに立
ち下がつた時点から両方が共に「L」レベルに至るまで
の許容される時間t1が予め設定されている。
尚、この時間t1をタイムアツプした状態で、第1のタ
イマT1は、CPUにタイムアツプ信号を出力し、CPUはこの
タイムアツプ信号を受けて、後述するように、第3のフ
エイルセイフルーチンが割り込み実行されるように設定
されている。そして、ステツプS148において、操作スイ
ツチ18が上述し監視範囲内にあることを示すフラグF
(監視)をセツトして、メインルーチンにリターンす
る。
このように1回目の第1の割り込みルーチンにおいて
は、監視範囲の始点が規定され、また、第3のフエイル
判定動作として、操作スイツチ18の一方の出力Φ1
が「H」に留つている状態が維持されている時間のカウ
ントを第1のタイマT1で開始するように設定されてい
る。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、現在設定さ
れている走行レンジから完全に外れる方向に移動する
と、その操作方向が正方向であろうと逆方向であろう
と、第1の出力Φまたは第2の出力Φにおいて、2
回目の立ち下がり状態が発生することとなり、この時点
で第1のオアゲート回路112から2回目のパルス信号が
出力されることとなり、この第1の割り込みルーチンが
再び起動、即ち、2回目の第1の割り込みルーチンが起
動されることとなる。
ここで、この2回目の第1の割り込みルーチンにおい
ては、先ず、1回目と同様にステツプS140において、マ
ルチプレクサ回路MUXの制御端子に「H」レベル信号を
出力し、ステツプS142において、第1の出力Φ及び第
2の出力Φを読み込む。そして、ステツプS144におい
て、ステツプS142での読み込み結果に基づいて、第1及
び第2の出力Φ1とが共に「L」レベルであるか否
かが判別される。このステツプS144においては、第1の
インタラプト端子INT1に2回目のパルス信号が入力され
た時点においては、第1及び第2の出力Φ1は共に
「L」レベルに立ち下がつているので、必ず、YESが判
別されることになる。
そして、操作スイツチ18の一方の出力Φ1
「H」の状態から,既に共に「L」の状態に抜け出てい
るので、第3のフエイル判定が行なわれないようにする
ため、ステツプS150において、リアルタイムカウンタRT
Cの第1のタイマT1をリセツトする。即ち、このように
第1のタイマT1をリセツトすることにより、第1のタイ
マT1はタイムカウント動作を停止し、初期状態に復帰す
ることになる。
この後、ステツプS152において、リアルタイムカウン
タRTCの第2のタイマT2を起動する。ここで、この第
のタイマT2には、操作スイツチ18が操作されている場合
において、第1及び第2の出力Φ及びΦが共に
「L」レベル状態が維持されることが許容される時間t2
が予め設定されている。尚、この時間t2をタイムアツプ
した状態で、第2のタイマT2は、CPUにタイムアツプ信
号を出力し、CPUはこのタイムアツプ信号を受けて、後
述するように、第4のフエイルセイフルーチンが割り込
み実行されるように設定されている。このようにステツ
プS152において第2のタイマT2を起動させた後に、メイ
ンルーチンにリターンする。
即ち、この2回目の第1の割り込みルーチンにおいて
は、第1のタイマT1をリセツトして、操作スイツチ18の
一方の出力Φ1が「H」に留つている状態が維持さ
れている時間のカウントを停止すると共に、第4のフエ
イル判定動作として、操作スイツチ18の両出力Φ1
が共に「L」である状態が維持されている時間のカウン
トを第2のタイマT2で開始するように設定されている。
次に、第27図を参照して、上述した第1のCPU30Aのメ
インルーチンが実行されている間における第2の割り込
みルーチンを説明する。この第2の割り込みルーチン
は、第17A図において、第2のインタラプト端子INT2
パルス信号が入力される毎に割り込み実行されるように
設定されている。
即ち、操作スイツチ18が操作されて、現在設定されて
いる走行レンジから外れる方向に移動して、隣接する走
行レンジに入り込もうとする時、その操作方向が正方向
であろうと逆方向であろうと、第1の出力端子104から
の出力Φまたは第2のオアゲート回路114からの出力
Φにおいて、2回の立ち上がり状態が発生するが、各
立ち上がり状態が発生した時点で、第3のオアゲート回
路120から各々パルス信号が出力されることとなる。即
ち、操作スイツチ18が現在設定されている走行レンジか
ら隣接する走行レンジに切り換えられる際に、この第2
の割り込みルーチンが合計2回起動されることとなる。
ここで、1回目の第2の割り込みルーチンにおいて
は、先ず、ステツプS160において、マルチプレクサ回路
MUXの制御端子に「H」レベル信号を出力し、入力ポー
トに第1及び第2の出力Φ1が入力されるように設
定する。そして、ステツプS162において、第1及び第2
の出力Φ1を読み込む。
そして、引き続くステツプS164において、出力の変化
状態が判別される。ここで、この出力の変化状態は、第
1の出力Φが「H」,第2の出力Φが「L」になる
第1の変化態様と、第1の出力Φが「L」,第2の出
力Φが「H」になる第2の変化態様と、両出力Φ1
が共に「H」になる第3の変化態様の3種類がある。
しかしながら、この第2の割り込みルーチンは、1回目
であるので、論理的に、第1及び第2の変化態様しか発
生し得ないものである。そして、このステツプS164にお
いて第1の変化態様と判定された場合には、2回目の割
り込みルーチンが起動された際において、操作スイツチ
18の操作方向が正方向であると判定されることを意味し
ているので、ステツプS166において、予備的に正方向を
規定するフラグF(T正)をセツトする。
この後、ステツプS168において、第2のタイマT2をリ
セツトする。即ち、この第2の割り込みルーチンが起動
されることは、少なくとも一方の出力Φ1が「H」
レベルに立ち上がつたことを意味しているので、両出力
Φ1が共に「L」である時間をカウントしている第
2のタイマT2をリセツトし、第4のフエイル判定動作が
行なわれないようにする。即ち、第2のタイマT2は、リ
セツトされることよりタイムカウント動作を停止し、初
期状態に復帰することになる。そして、引き続くステツ
プS170において、リアルタイムカウンタRTCの第3のタ
イマT3を起動する。
ここで、この第3のタイマT3には、操作スイツチ18が
操作された場合に、Φ及びΦの一方が「H」レベル
に立ち上がつた時点から両方が共に「H」レベルに至る
までに許容される時間t3が予め設定されている。尚、こ
の時間t3をタイムアツプした状態で、第3のタイマT
3は、CPUにタイムアツプ信号を出力し、CPUはこのタイ
ムアツプ信号を受けて、後述するように、第5のフエイ
ルセイフルーチンが割り込み実行されるよう設定されて
いる。そして、このようにステツプS170で第3のタイマ
T3を起動した後、メインルーチンにリターンする。
一方、上述したステツプS164において第2の変化態様
と判定された場合には、2回目の割り込みルーチンが起
動された際において、操作スイツチ18の操作方向が逆方
向であると判定されることを意味しているで、ステツプ
S172において、予備的に逆方向を規定するフラグF(T
逆)をセツトし、上述したステツプS168に飛び、ステツ
プS168及びステツプS170を順次実行してメインルーチン
にリターンする。
このように1回目の第2の割り込みルーチンにおいて
は、第5のフエイル判定動作として、操作スイツチ18の
一方の出力Φ1が「L」である状態が維持されてい
る時間のカウントを第3のタイマT3で開始するように設
定されている。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、次に設定さ
れる走行レンジに完全に入り込む方向に移動すると、そ
の操作方向が正方向であろうと逆方向であろうと、第1
の出力Φまたは第2の出力Φにおいて、2回目の立
ち上がり状態が発生することとなり、この時点で第3の
オアゲート回路120から2回目のパルス信号が出力され
ることとなり、この第2の割り込みルーチンが再び起
動、即ち、2回目の第2の割り込みルーチンが起動され
ることとなる。
ここで、この2回目の第2の割り込みルーチンにおい
ては、先ず、1回目と同様にステツプS160及びステツプ
S162が順次実行され、ステツプS164においては、第3の
変化態様、即ち、両出力Φ1が共に「H」に立ち上
がつたことが判定される。この判定の成立は、操作スイ
ツチ18が上述した監視範囲から抜け出したことを意味し
ているので、ステツプS174において監視範囲を規定する
フラグF(監視)をリセツトする。そして、引き続くス
テツプS176において、操作スイツチ18の操作方向の正・
逆が判断される。
即ち、1回目の第2の割り込みルーチンで予備フラグ
F(T正)がセツトされている状態で、ステツプS164に
おいて第3の変化態様が判断された場合には、このステ
ツプS176において、操作スイツチ18の操作方向は正方向
であると判断され、ステツプS178において、操作スイツ
チ18の操作方向が正方向であることを示すフラグF
(正)をセツトし、ステツプS180において、逆方向であ
ることを示すフラグF(逆)をリセツトする共に、ステ
ツプS182において、予備フラグF(正)をリセツトす
る。
この後、述したステツプS164において、両出力Φ1
が共に「H」に変化したことが認識されたのであるか
ら、第5のフエイル判定が行なわれないようにするた
め、ステツプS184において、リアルタイムカウンタRTC
の第3のタイマT3をリセツトする。即ち、このように第
3のタイマT3をリセツトすることにより、第3のタイマ
T3はタイムカウント動作を停止し、初期状態に復帰する
ことになる。そして、このステツプS184において、第3
のタイマT3をリセツトした後、メインルーチンにリター
ンする。
一方、1回目の第2の割り込みルーチンで予備フラグ
F(T逆)がセツトされている状態で、ステツプS164に
おいて第3の変化態様が判断された場合には、上述した
ステツプS176において、操作スイツチ18の操作方向は逆
方向であると判断され、ステツプS186において、操作ス
テツプ18の操作方向が逆方向であることを示すフラグF
(逆)をセツトし、ステツプS188において、正方向であ
ることを示すフラグF(正)をリセツトすると共に、ス
テツプS190において、予備フラグF(T逆)をリセツト
する。
この後、上述したステツプS184に飛んで、リアルタイ
ムカウンタRTCの第3のタイマT3をリセツトする。即
ち、このように第3のタイマT3をリセツトした後、メイ
ンルーチンにリターンする。
このようにして、2回目の第2の割り込みルーチンに
おいては、第3のタイマT3をリセツトして操作スイツチ
18の一方の出力Φ1が「L」である状態が維持され
ている時間のカウントを停止すると共に、操作スイツチ
18の操作方向が正・逆何れであるかを規定している。こ
の結果、先にメインルーチンのステツプS82において説
明したように、操作スイツチ18の操作における最終目的
位置(走行レンジ)が判明していない状態であつても、
少なくとも、この操作スイツチ18の操作方向が判明した
として、目的の走行レンジが不明の状態で、先ずは、操
作スイツチ18の操作方向に応じて、第1の駆動モータ22
Aを起動して、自動変速機12における走行レンジの切り
換え動作を開始する制御が実行されることになる。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
を急速に操作したとしても、この急速な操作に追従した
状態で、自動変速機12においても走行レンジの切り換え
動作が開始され、運転者の走行レンジの切り換え動作に
レスポンス良く反応した所の自動変速機12における実際
の走行レンジの切り換え動作が達成されることになる。
次に、上述した第1のCPU30Aのメインルーチンで説明
したステツプS66における第1のフエイル判定のサブル
ーチンを第22図を参照して説明する。
この第1のフエイル判定においては、第1の駆動モー
タ22Aの停止状態が論理的に達成された後において、そ
の停止時における振動状態が収束するに要する時間や、
許容し得るオーバシユートやアンダーシユートが、上述
したデイテント機構により、機械的に補正されるのに要
する時間を充分に見込んだ時間t4設定したとしても、そ
の設定時間t4を越えて、第1の駆動モータ22Aが動作し
続けいる場合には、異常状態が発生したとして、フエイ
ル判定するように設定されている。
即ち、メインルーチンにおいてステツプS64で学習制
御を実行し終えると、第28図に示すように、先ず、ステ
ツプS66Aにおいて、停止状態の発生を示すフラグF(停
止)がセツトされているか否かが判別される。このステ
ツプS66Aが最終に判別される状態においては、予めこの
フラグFF(停止)はセツトされていないので、必ずNOと
判断される。そして、ステツプS66Bにおいて、このフラ
グF(停止)がセツトされ、ステツプS66Cにおいて、リ
アルタイムカウンタRTCの第4のタイマT4を起動する。
ここで、この第4のタイマT4には、上述した所定時間
t4が予め設定されている。尚、この時間t4をタイムアツ
プした状態で、第3のタイマT4は、第1のCPU30Aにタイ
ムアツプ信号を出力し、第1のCPU30Aはこのタイムアツ
プ信号を受けて、後述するように、第1のフエイルセイ
フルーチンが割り込み実行されるよう設定されている。
そして、このようにステツプS66Cで第4のタイマT4を起
動した後、メインルーチンにリターンする。
一方、この第1のフエイル判定サブルーチンが2回目
以降実行される際においては、最初のサブルーチンにお
けるステツプS66Bにおいて、フラグF(停止)がセツト
されているので、上述したステツプS66Aにおいて、NOが
判断されることになる。そして、このステツプS66Aにお
いてNOが判断されると、ステツプS66Dにおいて、第1の
駆動モータ22Aが動作しているか否かが判断される。こ
の判断は、例えば、第1の駆動モータ22Aに取り付けら
れたエンコーダ36Aの出力を検出することにより行なわ
れることになる。
このステツプS66DにおいてYESと判断される場合、即
ち、第1の駆動モータ22Aが動作し続けていると判断さ
れる場合には、第4のタイマT4はリセツトされることな
く、メインルーチンにリターンする。一方、ステツプS6
6DにおいてNOと判断される場合、即ち、第1の駆動モー
タ22Aの動作が停止していると判断される場合には、第
1のフエイル判定を停止させるために、ステツプS66Eに
おいて、第4のタイマT4をリセツトする。即ち、このよ
うに第4のタイマT4をリセツトすることにより、第4の
タイマT4はタイムカウント動作を停止し、初期状態に復
帰することになる。そして、このステツプS66Eにおい
て、第4のタイマT4をリセツトした後、メインルーチン
にリターンする。
このように、第1のフエイル判定のサブルーチンを構
成しているので、上述した設定時間t4を越えて、第1の
駆動モータ22Aが動作し続けいる場合、即ち、ステツプS
66Eが実行されないと、第4のタイマT4からカウントア
ツプ信号が第1のCPU30Aに出力され、第1のCP30Aはフ
エイル判定することになる。
次に、上述したメインルーチンで説明したステツプS8
8における第2のフエイル判定のサブルーチンを第23図
を参照して説明する。
この第2のフエイル判定においては、上述した第2の
割り込みルーチンにおける操作スイツチ18の操作方向判
別ルーチンにおいて判別された操作スイツチ18の操作方
向と、実際に第1の駆動モータ22Aが駆動している方向
とが不一致である場合には、異常状態が発生したとし
て、フエイル判定するように設定されている。
即ち、上述したメインルーチンにおいてステツプS84
またはステツプS86が実行されると、先ず、ステツプS88
Aにおいて、第1の駆動モータ22Aのエンコーダ36Aの出
力状態が読み込まれ、ステツプS88Bにおいて、読み込ま
れたエンコーダ36Aの出力に基づき、第1の駆動モータ2
2Aの回転方向が判別される。そして、ステツプS88Cにお
いて、この第1の駆動モータ22Aの回転方向が正方向で
あると判断される場合には、ステツプS88Dにおいて、操
作スイツチ18の操作方向が正方向であることを示すフラ
グF(正)がセツトされているか否かが判別される。
このステツプS88Dにおいて、YESと判断される場合、
即ち、第1の駆動モータ22Aの回転方向も、操作スイツ
チ18の操作方向も共に正方向であると判断される場合に
は、何等問題がないので、メインルーチンにリターンす
る。一方、ステツプS88Dにおいて、NOと判断される場
合、即ち、第1の駆動モータ22Aの回転方向が正方向で
あるものの、操作スイツチ18の操作方向が逆方向であ
り、両者が不一致であると判断される場合には、異常状
態が発生していると判断され、ステツプS88Eにおいて、
第2のフエイルセイフ動作を実行して、ステツプS88Fに
おいて警報動作を実行して、運転者にフエイル状態が発
生し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作が
実行されていることを報知し、メインルーチンにリター
ンする。
一方、上述したステツプS88Cにおいて、この第1の駆
動モータ22Aの回転方向が逆方向であると判断される場
合には、ステツプS88Fにおいて、操作スイツチ18の操作
方向が逆方向であることを示すフラグF(逆)がセツト
されているか否かが判別される。
このステツプS88Fにおいて、YESと判断される場合、
即ち、第1の駆動モータ22Aの回転方向も、操作スイツ
チ18の操作方向も共に逆方向であると判断される場合に
は、何等問題がないので、メインルーチンにリターンす
る。一方、ステツプS88Fにおいて、NOと判断される場
合、即ち、第1の駆動モータ22Aの回転方向が逆方向で
あるものの、操作スイツチ18の操作方向が正方向であ
り、両者が不一致であると判断される場合には、異常状
態が発生していると判断され、上述したステツプS88Eに
飛び、フエイルセイフ動作を実行して、メインルーチン
にリターンする。
次に、第30図乃至第33図を参照して、第1及び第3乃
至第5のフエイルセイフ制御について説明する。
先ず、第26図を参照して第1の割り込みルーチンにお
いて説明したように、操作スイツチ18が操作され、現在
設定されている走行レンジが切り換えられる際には、必
ず、第1及び第2の出力Φ1が共に「H」である状
態から、一方が「L」である状態を通過することになる
が、この一方の出力Φ1が「L」になつてから第1
のタイマT1がリセツトされずに、所定時間t1が経過した
場合、即ち、操作スイツチ18が一方の出力Φ1から
「L」を出力するような不安定な位置に所定時間t1以上
保持されている場合には、異常な操作が行なわれてい
る、または、出力状態が異常であり、第3のフエイル状
態が発生したことを意味することになる。
従つて、所定時間t1が経過した時点で、第1のタイマ
T1は第1のCPU30Aに向けてタイムアツプ信号を出力し、
第1のCPU30Aはこのタイムアツプ信号を受けて、第1の
タイマ割り込みルーチンが起動される。この第1のタイ
マ割り込みルーチンは、第30図に示すように、先ず、ス
テツプS200において、フエイルセイフ動作を実行し、ス
テツプS202において、警報動作を実行して、運転者にフ
エイル状態が発生し、このフエイル状態に基づきフエイ
ルセイフ動作が実行されていることを報知し、メインル
ーチンにリターンする。
一方、第26図及び第27図を参照して第1及び第2の割
り込みルーチンについて説明したように、操作スイツチ
18が操作され、次に設定される走行レンジに切り換えら
れるまでに、必ず、第1及び第2の出力Φ1が共に
「L」である状態が発生するが、この両方の出力Φ1
が共に「L」になつてから第2のタイマT2がリセツト
されずに、所定時間t2が経過した場合、即ち、操作スイ
ツチ18が両方の出力Φ1から「L」を出力するよう
な不安定な位置に所定時間t1以上保持されている場合に
は、異常な操作が行なわれている、または、出力状態が
異常であり、第4のフエイル状態が発生したことを意味
することになる。
従つて、所定時間t2が経過した時点で、第2のタイマ
T2は第1のCPU30Aに向けてタイムアツプ信号を出力し、
第1のCPU30Aはこのタイムアツプ信号を受けて、第2の
タイマ割り込みルーチンが起動される。この第2のタイ
マ割り込みルーチンは、第31図に示すように、先ず、ス
テツプS210において、フエイルセイフ動作を実行し、ス
テツプS212において、警報動作を実行して、運転者にフ
エイル状態が発生し、このフエイル状態に基づきフエイ
ルセイフ動作が実行されていることを報知し、メインル
ーチンにリターンする。
また、第27図を参照して第2の割り込みルーチンにお
いて説明したように、操作スイツチ18が操作され、現在
設定されている走行レンジから次の走行レンジが切り換
え設定される際には、必ず、第1及び第2の出力Φ1
が共に「L」である状態から、一方が「H」である状
態を通過することになるが、この一方の出力Φ1
「H」になつてから第3のタイマT3がリセツトされず
に、所定時間t3が経過した場合、即ち、操作スイツチ18
が一方の出力Φ1から「H」を出力するような不安
定な位置に所定時間t3以上保持されている場合には、異
常な操作が行なわれている、または、出力状態が異常で
あり、第5のフエイル状態が発生したことを意味するこ
とになる。
従つて、所定時間t3が経過した時点で、第3のタイマ
T3は第1のCPU30Aに向けてタイムアツプ信号を出力し、
第1のCPU30Aはこのタイムアツプ信号を受けて、第3の
タイマ割り込みルーチンが起動される。この第3のタイ
マ割り込みルーチンは、第32図に示すように、先ず、ス
テツプS220において、フエイルセイフ動作を実行し、ス
テツプS222において、警報動作を実行して、運転者にフ
エイル状態が発生し、このフエイル状態に基づきフエイ
ルセイフ動作が実行されていることを報知し、メインル
ーチンにリターンする。
尚、これら第1乃至第3のタイマT1,T2,T3で夫々設定
された所定時間t1,t2,t3は、その合計した値が、操作ス
イツチ18が監視範囲を通過するに許容される最大時間と
して規定されることになる。即ち、操作スイツチ18が監
視範囲に留まる状態が長時間に渡ると、操作スイツチ18
で設定される目標走行レンジが不明である状態が長時間
に渡ることを意味することになり、この結果、上述した
ように、操作スイツチ18が直前に通過した走行レンジ
に、自動変速機12の走行レンジは一時的に設定されるこ
とになる。しかしながら、この自動変速機12で一時的に
設定された走行レンジは、運転者が設定しようとする走
行レンジでは決して無いので、このような運転者の意図
していない走行レンジへの設定状態は、例え一時的では
あるものの、極力避けなければならない。このような観
点から、所定時間t1,t2,t3の合計した値は所定の値に制
限されるように設定されている。
最後に、第28図を参照して上述したように、論理的に
第1の駆動モータ22Aの停止条件が成立した後におい
て、第4のタイマT4がリセツトされずに、所定時間t4
経過した場合、即ち、駆動モータ22が論理的に停止した
はずなのに、所定時間t4を越えて尚、実際に動作し続け
ている場合には、第1のフエイル状態が発生したことを
意味することになる。
従つて、所定時間t4が経過した時点で、第4のタイマ
T4から第1のCPU30Aに向けてタイムアツプ信号を出力
し、第1のCPU30Aはこのタイムアツプ信号を受けて、第
4のタイマ割り込みルーチンが起動される。この第4の
タイマ割り込みルーチンは、第33図に示すように、先
ず、ステツプS230において、フエイルセイフ動作を実行
し、ステツプS232において、警報動作を実行して、運転
者にフエイル状態が発生し、このフエイル状態に基づき
フエイルセイフ動作が実行されていることを報知し、メ
インルーチンにリターンする。
尚、この一実施例においては、上述した第1乃至第5
のフエイルセイフ動作は、共に、第1の駆動モータ22A
への電源供給カツトにより達成されるように設定されて
いる。ここで、運転者は、このようにフエイルセイフ動
作が実行された後において、フエイルセイフ状態を解除
して、再び、自動車を走行させたい場合には、先ず、運
転者は、IGスイツチをオフし、その後、IGスイツチを再
オン動作することにより、第1のCPU30Aは初期状態に復
帰するので、自動的にフエイルセイフ状態も解消される
ことになる。
この復帰状態で自動車を走行させ、操作スイツチ18を
操作して走行レンジの切り換え動作を実行した場合に、
再度フエイルセイフ動作が実行された場合には、操作ス
イツチ18を介しての走行レンジの切り換え動作は不可能
となる。この場合には、カウルパネルロア54に配設した
蓋部材54aを取り外し、手動駆動機構38を露出させ、切
り換えレバー50を制御位置から切断位置に回動して、ク
ラツチ機構34を切断状態とすると共に、レンチ48を回動
板40の嵌合穴40aに嵌合させ、このレンチ48を介して回
動板40を回動して、任意の走行レンジを設定することに
より、自動変速機12での走行レンジを手動により切り換
え操作することが出来ることになる。
この発明は、上述した一実施例の構成に限定されるこ
となく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可
能である事は言うまでもない。
例えば、上述した一実施例において、第20A図にステ
ツプS96で示す縮退制御の一環として、エンジン出力を
低下させる場合に、例えば、燃料噴射式のエンジンの場
合には、燃料噴射料を少なくしたり噴射時間を短くする
様に説明したが、この発明は、このような構成に限定さ
れることなく、例えば、スロツトルバルブを電気的に制
御するタイプのエンジンにおいては、アクセルペダルの
踏み込み量に対するスロツトルバルブの開度の感度を鈍
くしたり、上限値を最大値の例えば半分に制限する事等
により実行され得るものである。要は、このステツプS9
6においては、いかなるタイプのエンジンにおいてであ
ろうとも、エンジン出力を低下せしめ、車両の最大速度
を制限することができるものであれば、その実施態様は
何でも良い。
また、この縮退制御の一環として、このようなエンジ
ンの出力低下動作を含まなくても、その所期の効果を達
成する事が可能である。
また、この縮退制御の一環として、操作スイツチ18に
より設定され得る走行レンジを前進ドライブレンジ
「D」、ニユートラルレンジ「N」、後退レンジ「R」
の3種類に限定する様に説明したが、これに限定される
ことなく、例えば、強制的に前進1速レンジ「1」に固
定する様に制御しても良いものである。この場合、エン
ジンのオーバレブを防止するため、上述したエンジンの
出力低下動作は必須となる。
また、上述した一実施例においては、制御ユニツトが
備える3重の制御系として、第1の駆動モータ22Aを制
御する第1のCPU30Aと、第2の駆動モータ22Bを制御す
る第2のCPU30Bと、第1及び第2のCPU30A,30Bを管理す
る第3のCPU30Cとから構成される様に説明したが、この
発明は、このような構成に限定されることなく、全く同
様なCPUを3つ備え、これらCPUから出力された内容の一
つが他の2つと不一致である場合には、2つのCPUの一
致する内容で駆動モータを駆動制御する様に構成しても
良い。
また、上述した一実施例においては、制御ユニツト30
を3重の制御系から構成される様に説明したが、少なく
とも2重系であれば良く、要は、一方のCPUがシステム
フエイルした際に、そのフエイルセイフとして、他方の
CPUが駆動系を制御する事ができる構成であれば良い。
また、上述した一実施例においては、システムフエイ
ルを判定する制御手順として、相手側のCPUから出力さ
れたシステムフエイル判定用信号の信号波形を監視し、
この信号波形が、出力された波形の所定形状と許容範囲
異常に異なっている場合には、相手側のCPUにおいてシ
ステムフエイルが発生していると判断する様に説明した
が、この発明は、このような構成に限定されることな
く、例えば、相手側に所定論理のシステムフエイル判定
信号を出力し、相手側から出力した論理とは逆論理の信
号が送り返されてきた場合には、正常であると判断し、
それ以外の信号が送り返されてきた場合には、相手側が
システムフエイルしていると判断する様に構成しても良
い。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば、自動変速機の
走行レンジを切り換え制御する制御手段が、少なくとも
2つの制御ユニットを備え、一方の制御ユニットがフェ
イルした場合には、他方の制御ユニットにより後退レン
ジ、ニュートラルレンジ、前進ドライブレンジの3種類
の中でのみ走行レンジを切り換え制御するように操作レ
バーで設定操作可能な走行レンジの種類を限定すること
により、一方の制御ユニットにおいてシステムフェイル
が発生しても、後退レンジ、ニュートラルレンジ、前進
ドライブレンジという車両走行時に最低限必要な機能を
確保でき、車両を安全に走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係わる車両用自動変速機の操作装置
の一実施例が適用される電動式走行レンジ切換装置の構
成を概略的に示す構成図; 第2A図は第1図に示す操作スイツチとインヒビタスイツ
チと制御ユニツトとの接続状態を示す結線図; 第2B図は切り換えスイツチの構成を取り出して示す平面
図; 第2C図は切り換えスイツチにおける表示用インヒビタス
イツチ、制御用インヒビタスイツチ、油圧スイツチの夫
々の接点の形成範囲と、デイテント用凹部におけるすい
込み範囲とを示す図; 第2D図は切り換え部材の回動状態と、これに伴うボール
の対応するデイテント用凹部への嵌入状態を説明するた
めの図; 第2E図は遊星歯車機構の構成を第1及び第2のウオーム
ホイールを取り除いた状態で示す側面図; 第2F図は遊星歯車機構の構成を部分断面した状態で示す
正面図; 第3図は車室内における操作スイツチ及び手動駆動機構
の配設位置を示す斜視図; 第4図は操作スイツチの配設状態を、運転席に着座した
運転者から見た状態で示す正面図; 第5図は操作スイツチの配設状態を左側方から見た状態
で示す側面図; 第6図は操作スイツチの外観構成を示す斜視図; 第7図は操作スイツチの内部構成を、ガイド溝の形成パ
ターンと共に示す断面図; 第8図は取付リングに形成されたガイド溝の深さ形状を
示す断面図; 第9図はガイドピンの押し込み状態を示す断面図; 第10図は走行レンジを切り換える際の、操作スイツチの
操作力の相違する状態を示す線図; 第11図及び第12図は、夫々、操作スイツチの配設状態を
示す斜視図及び側面図; 第13図は後退レンジの設定位置を説明する側面図; 第14図は運転者の左足の膝の立つた状態を説明する側面
図;そして、 第15図はテレスコピツク機構やチルト機構が作動した場
合におけるステアリングホイールと操作スイツチの位置
関係を示す側面図; 第16図は操作スイツチにおける信号発生機構の構成を概
略的に示す図; 第17A図は操作スイツチと制御ユニツトとの接続状態を
具体的に示す結線図; 第17B図は操作スイツチにおけるデイテント穴の形成範
囲と走行レンジ位置を示す電気信号を出力する接点の形
成範囲との関係を示す図; 第17C図は制御ユニツトにおける第1乃至第3のCPUの互
いの接続状態を示す結線図; 第17D図はモータドライバの構成を取り出して示す回路
図; 第18A図は操作スイツチが正転した場合の第1及び第2
の出力端子からの出力レベルの変化順序を示すタイミン
グチヤート; 第18B図は操作スイツチが逆転した場合の第1及び第2
の出力端子からの出力レベルの変化順序を示すタイミン
グチヤート; 第19A図及び第19B図は第3のCPUにおけるメインルーチ
ンの制御手順を示すフローチヤート; 第20A図及び第20B図は第1のCPUにおけるメインルーチ
ンの制御手順を示すフローチヤート; 第21図は縮退制御サブルーチンの制御手順を示すフロチ
ヤート; 第22A図はフエイル判定信号出力動作サブルーチンの制
御手順を示すフローチヤート; 第22B図はシステムフエイル判定信号の信号波形を示す
タイミングチヤート; 第23図はシステムフエイル判定動作サブルーチンの制御
手順を示すフローチヤート; 第24A図は第1のCPUのメインルーチンにおける停止制御
サブルーチンの制御手順を示すフローチヤート; 第24B図は駆動モータの停止動作を説明するための図; 第25A図はメインルーチンにおける学習制御サブルーチ
ンの制御手順を示すフローチヤート; 第25B図は駆動モータのデユーテイ制御におけるデユー
テイ比の定義を説明するためのタイミングチヤート; 第26図はCPUにおける第1の割り込みルーチンの手順を
示すフローチヤート; 第27図はCPUにおける第2の割り込みルーチンの手順を
示すフローチヤート; 第28図はCPUにおける第1のフエイル判定動作のサブル
ーチンの手順を示すフローチヤート; 第29図はCPUにおける第2のフエイル判定動作のサブル
ーチンの手順を示すフローチヤート;そして、 第30図乃至第33図は、夫々、CPUにおける第1乃至第4
のタイマ割り込みルーチンの手順を示すフローチヤート
である。 図中、10……操作装置、12……自動変速機、14……エン
ジン、16……油圧バルブ、16a……切り換えロツド、18
……操作スイツチ、20……電動式走行レンジ切換装置、
22A;22B……駆動モータ、22a;22b……端子、23……遊星
歯車機構、23a……太陽歯車、23b……内歯車、23c……
ベアリング、23d……遊星キヤリヤ、23e……遊星歯車、
23f……第1のウオームホイール、23g……第1のウオー
ムギヤ、23h……第2のウオームホイール、23i……第2
のウオームギヤ、24……出力軸、26……回転アーム、28
……連結ロツド、30……制御ユニツト、30A……第1のC
PU、30B……第2のCPU、30C……第3のCPU、32……切り
換えスイツチ、32a……表示用インヒビタスイツチ、32b
……制御用インヒビタスイツチ、32d……スイツチ本
体、32e……切り換え部材、32f;32g……摺動ブラシ、33
……デイテント機構、33a〜33f……凹部、33g……肉厚
部、33h……透孔、33i……ボール、33j……コイルスプ
リング、33k……プラグ、34……クラツチ機構、36……
ロータリエンコーダ、38……手動駆動機構、40……回動
板、42……ピニオンギヤ、44……ラツク部材、46……第
1の補助連結ワイヤ、48……レンチ、50……切り換えレ
バー、52……第2の補助ワイヤ、54……カウルパネルロ
ア、54a……蓋部材、56……ステアリングホイール、56
a;56b;56c:56d;56e……スポーク、58……ステアリング
コラム、60……方向指示レバー、62……ワイパ操作レバ
ー、64……取付リング、66……スイツチ本体、66a……
外方フランジ部(スリツト円板)、66b……軸部、66c…
…接触ロツド、66d……移動部、66e……透孔、66f……
係止ナツト、66g……コイルスプリング、66h……凹部、
66i……目隠し板、68……指操作部、70……押込み部、7
2……ホールドボタン、74……モード切り換えボタン、7
6……デイテント機構、761;762;76D;76N;76R;76P……デ
イテント穴、78……規制機構、80……ガイド溝、80a…
…直線溝部、80b……第1の横溝部、80c……傾斜溝部、
80d……第2の横溝部、80e……第3の横溝部、80f……
連結溝部、82……ガイドピン、82a……ピン本体、82b…
…外方フランジ部、84……凹所、84a……第1の部分、8
4b……第2の部分、86……係止リング、88……第1のコ
イルスプリング、90……第2のコイルスプリング、92…
…アームレスト、94……インスツルメントパネル、96…
…走行レンジインジケータ、98……A/Tワーニングラン
プ、100……信号発生機構、102……第1の接続ライン、
102a……分岐接続ライン、102b……主接続ライン、104
……第1の出力端子、106a〜106f……第2の接続ライ
ン、108a〜108f……第2の出力端子、110……第1のパ
ルス発生回路、112……第1のオアゲート回路、114……
第2のオアゲート回路、116……第2のパルス発生回
路、118……第3のパルス発生回路、120……第3のオア
ゲート回路、122……第4のパルス発生回路、124……マ
ルチプレクサ回路、126A;126B……モータドライバ、128
……DC/DCコンバータ、129……制御スイツチ、131……
アンドゲート回路、130〜136……FET、138;140……コン
バータ、142……電圧変動検出回路、144……温度変動検
出回路、146……制御スイツチ、「P」:「R」;
「N」;「D」;「2」;「1」……走行レンジ、A;B
……握り位置、BA……バツテリ、C……中心線、d1;d2
……離間距離、E……すい込み範囲、F……走行レンジ
位置の設定範囲、g……間隙、HP;HR;Hn;HD;H2;H1……
制御用インヒビタスイツチの接点、h1;h2;h3……深さ、
l0……軸線、l1;l2;l3:l4;l5……回動半径、SP;SR;Sn;S
D;S2;S1……制御用インヒビタスイツチの接点、SD……
節度山、YP;YR;Yn;YD;Y2;Y1……油圧バルブにおける油
圧発生領域、XP;XR;Xn;XD;X2;X1……操作スイツチの接
点、φ……給電端子、φ……第1の接触端子、φP;
φRnD2……第2の接触端子、Φ……第
1の出力、Φ……第2の出力、θ12……中心
角度である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 耕樹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−8548(JP,A) 特開 昭61−49154(JP,A) 特開 昭56−118119(JP,A) 特開 昭62−101957(JP,A) 実開 昭62−63783(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 20/00 - 20/08 F16H 59/00 - 59/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動変速機の走行レンジを切り換えるため
    の油圧バルブを駆動するアクチュエータと、 これらアクチュエータを制御する制御手段と、 この制御手段に現在設定された走行レンジを示すレンジ
    信号を出力する変速操作手段とを備えた車両用自動変速
    機の操作装置において、 前記変速操作手段は、前記走行レンジを設定操作するた
    めの操作レバーを備え、 前記制御手段は、少なくとも2つの制御ユニットを備
    え、一方の制御ユニットは、他方の制御ユニットがフェ
    イルしていない状態で、前記操作レバーの操作に応じ
    て、パーキングレンジ、後退レンジ、ニュートラルレン
    ジ、前進ドライブレンジ、前進2速レンジ、前進1速レ
    ンジの6種類の中で走行レンジを切り換え制御し、 一方の制御ユニットがフェイルした場合には、他方の制
    御ユニットにより後退レンジ、ニュートラルレンジ、前
    進ドライブレンジの3種類の中でのみ走行レンジを切り
    換え制御するように前記操作レバーで設定操作可能な走
    行レンジの種類を限定することを特徴とする車両用自動
    変速機の操作装置。
  2. 【請求項2】前記他方の制御ユニットは、前記操作レバ
    ーで設定操作されたパーキングレンジをニュートラルレ
    ンジと擬制し、前進2速レンジ、前進1速レンジを前進
    ドライブレンジと擬制することを特徴とする請求項第1
    項に記載の車両用自動変速機の操作装置。
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