JP2933956B2 - 車両用自動変速機の操作装置 - Google Patents

車両用自動変速機の操作装置

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JP2933956B2
JP2933956B2 JP1294789A JP29478989A JP2933956B2 JP 2933956 B2 JP2933956 B2 JP 2933956B2 JP 1294789 A JP1294789 A JP 1294789A JP 29478989 A JP29478989 A JP 29478989A JP 2933956 B2 JP2933956 B2 JP 2933956B2
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    • B60K35/10
    • B60K2360/126
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/02Selector apparatus
    • F16H59/08Range selector apparatus
    • F16H2059/081Range selector apparatus using knops or discs for rotary range selection

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、自動変速機の走行レンジを切り換えるた
めの油圧バルブを駆動するアクチュエータと、このアク
チュエータを制御する制御手段と、この制御手段にレン
ジ切り換え指令を出力する変速操作手段とを備えた車両
用自動変速機の操作装置に関する。
[従来の技術] 従来より、車両用自動変速機の操作装置においては、
自動変速機の走行レンジを切り換えるための油圧バルブ
に直接機械的に接続され、運転者の手により移動される
ように設定された所の、変速操作手段としてのセレクト
レバーを備えており、運転者はこのセレクトレバーを所
望の走行レンジ位置に移動させることにより、油圧バル
ブの弁位置を切り換えて、所望の走行レンジを切り換え
るように設定されている。
このような手動式の操作装置においては、セレクトレ
バーは運転席と助手席との間に配設されたフロアタイプ
や、ステアリングコラムに配設されたコラムタイプがあ
る。
[発明が解決しようとする課題] ここで、このような従来の自動変速機の操作装置にお
いては、走行レンジを切り換える際においては、運転者
は、ハンドルから手を離し、セレクトレバーを握り直し
て、これを移動させるよう動作することになる。一方、
手動変速機のシフト位置の切り換えに際しても、同様
に、運転者はハンドルから手を離して、シフトレバーを
握り直す必要が発生する。
このように、自動変速機であろうが、手動変速機であ
ろうが、従来の変速機においては、その変速操作(自動
変速機における走行レンジの切り換え操作、及び、手動
変速機におけるシフト位置の切り換え操作)を行なうた
めには、必ず、一方の手をハンドルから離してセレクト
レバーなりシフトレバーなりを握り直さねばならず、そ
の間は、片手でハンドルを握る状態、即ち、片手運転の
状態となり、安全性の観点から好ましく無いものであ
る。
この発明は上述した課題を鑑みなされたもので、この
発明の目的は、変速操作を行なうに際して、安全に車両
を走行させることの出来る車両用自動変速機の操作装置
を強することである。
[課題を解決するための手段] 上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発
明に係わる車両用自動変速機の操作装置は、自動変速機
の走行レンジを切り換えるための油圧バルブを駆動する
アクチュエータと、このアクチュエータを制御する制御
手段と、この制御手段にレンジ切り換え指令を出力する
変速操作手段とを備えた車両用自動変速機の操作装置に
おいて、前記変速操作手段は、ステアリングコラムの側
面に車幅方向に沿って延出する回動軸線まわりに回動可
能に取り付けられたストローク接点式のスイッチを備
え、このスイッチは、ステアリングホイールの側縁部に
手を掛けたままの状態で、このステアリングホイールに
掛けられた手の指により、前記走行レンジを切り換え可
能な状態で、ステアリングコラムに配設されていると共
に、前記指による走行レンジの切り換え操作時に該指と
当接し、該スイッチの上下方向の動きを前記回動軸線ま
わりの動きに変換する指当接部を備える。
また、好ましくは、前記スイッチは、パーキングレン
ジ、後退レンジ、ニュートラルレンジ、前進ドライブレ
ンジが順次規定された移動経路をストローク移動可能な
スイッチ本体と、前記指当接部として、このスイッチ本
体から突出し、前記指に係合可能な指係合部とを備えて
いる。
また、好ましくは、前記スイッチにおいて、パーキン
グレンジ及び後退レンジは、ステアリングホイールに掛
けられた手の指の操作可能範囲から外れた位置に前記指
操作部が移動することにより設定される。
また、好ましくは、前記スイッチにおいて、ニュート
ラルレンジは、ステアリングホイールに掛けた手の指の
操作可能範囲内に前記指操作部が位置する状態で設定さ
れている。
また、好ましくは、前記スイッチは、前記ステアリン
グコラムにおいて、方向指示レバーが配設された側とは
反対側の側面に配設されている。
また、この発明に係わる車両用自動変速機の操作装置
は、自動変速機の走行レンジを切り換えるための油圧バ
ルブを駆動するアクチュエータと、このアクチュエータ
を制御する制御手段と、この制御手段にレンジ切り換え
指令を出力する変速操作手段とを備えた車両用自動変速
機の操作装置において、前記変速操作手段は、ステアリ
ングコラムの側面に車体前後方向に沿ってスライド可能
に取り付けられたスライドスイッチを備え、このスイッ
チは、ステアリングホイールの側縁部に手を掛けたまま
の状態で、このステアリングホイールに掛けられた手の
指により、前記走行レンジを切り換え可能な状態で、ス
テアリングコラムに配設されていると共に、このスライ
ド式スイッチの移動軸線は、車体前後方向に沿って延設
され、その前端が後端に比べてステアリングホイールか
ら遠い位置になるよう上方に偏倚させた状態で斜めに設
定され、パーキングレンジ及び後退レンジが前進ドライ
ブレンジより車体前後方向に対して前方で、且つステア
リングホイールに掛けられた手の指では届かない範囲に
配置されている。
また、好ましくは、前記スイッチは、前記ステアリン
グコラムにおいて、方向指示レバーが配設された側とは
反対側の側面に配設されている。
[作用] 以上のように、この発明に係わる車両用自動変速機の
操作装置は構成されているので、運手者はスイッチによ
る走行レンジの切り換え操作時に、指当接部に指を当接
させてスイッチの上下方向の動きを回動軸線まわりの動
きに変換することで、両手をステアリングホイールに掛
けた状態で、このステアリングホイールに掛けられた手
の指による走行レンジの切り換え操作が軽くなり、操作
性が良くなると共に、精度良く走行レンジの切り換え操
作を行なうことができる。
また、ステアリングコラムに配設されたスライド式ス
イッチの移動軸線が、車体前後方向に沿って延設され、
その前端が後端に比べてステアリングホイールから遠い
位置になるよう上方に偏倚させた状態で斜めに設定され
ているので、ステアリングホイールの側縁部に手を掛け
たままの状態で、このステアリングホイールに掛けられ
た手の指による走行レンジの切り換え操作が容易となる
と共に、精度良く走行レンジの切り換え操作を行なうこ
とができる。
また、パーキングレンジ及び後退レンジが前進走行レ
ンジより車体前後方向に対して前方で、且つステアリン
グホイールに掛けられた手の指では届かない範囲に配置
されているので、前記走行レンジからパーキングレンジ
及び後退レンジヘの誤ったレンジ切り換え操作を防止す
ることができる。
[実施例] 以下に、この発明に係わる車両用自動変速機の操作装
置の一実施例の構成を添付図面を参照して、詳細に説明
する。
この一実施例の操作装置10は、第1図に示すように、
自動変速機12の走行レンジの切り換え操作を電動を利用
して軽い操作力で行なうことが出来るように構成されて
おり、また、この自動変速機12は、エンジン14の駆動力
を駆動輪、この一実施例においては前輪(図示せず)に
伝達するよう構成されている。ここで、この自動変速機
12は、走行レンジを切り換えるための油圧バルブ16を備
える通常使用されているタイプであつて、この構成は周
知であるため、ここでの説明を省略する。
そして、この一実施例の操作装置10は、この発明の特
徴をなす操作スイツチ(その詳細な構成及び取り付け態
様の説明は後述する。)18の操作に応じて、上述した油
圧バルブ16を電動により駆動して走行レンジを切り換え
るため電動式走行レンジ切換装置(以下、単に、レンジ
切換装置と呼ぶ。)20を備えている。このレンジ切換装
置16は、可逆転可能な駆動モータ22と、この駆動モータ
22の駆動軸24に固定され、所定半径を有する回転アーム
26と、この回転アーム26の先端と、油圧バルブ16とを連
結する連結ワイヤ28と、操作スイツチ18から出力された
レンジ切り換え指令に基づき、駆動モータ22の駆動状態
を制御する制御ユニツト30とを備えている。
ここで、上述した自動変速機12には、第2図に示すよ
うに、油圧バルブ16による走行レンジの切り換え状態に
応じて、切り換えられた走行レンジ状態を示すインヒビ
タスイツチ32が設けられている。即ち、このインヒビタ
スイツチ32は、パーキングレンジ「P」、後退レンジ
「R」、ニユートラルレンジ「N」、前進ドライブレン
ジ「D」、前進2速レンジ「2」、そして、前進1速レ
ンジ「1」に夫々対応した接点SP、SR、SN、SD、S2、S1
と、油圧バルブ16のレンジ切り換え状態に応じて、これ
ら接点SP、SR、SN、SD、S2、S1に選択的に接触するよう
に回動する旋回レバー32aとを備えている。そして、各
接点SP、SR、SN、SD、S2、S1は、各々制御ユニツト30に
接続されており、このようにして、インヒビタスイツチ
32は、旋回レバー32aが接触した接点SP、SR、SN、SD、S
2、S1のみからインヒビタ信号を制御ユニツト30に出力
するように構成されている。
また、上述した駆動モータ22において、これのモータ
軸(図示せず)は、クラツチ機構34を介して駆動軸24に
連結されており、このクラツチ装置34は、上述した制御
ユニツト30により断続制御されるように接続されてい
る。即ち、この制御ユニツト30は、通常状態において、
クラツチ機構34を接続状態に維持して、自動変速機12が
駆動モータ22により電動駆動されるように設定され、後
述するように、制御ユニツト30における切換制御動作が
フエイルしていると判断された際に、フエイルセイフと
して、このクラツチ機構34を切換状態とし、自動変速機
12が駆動モータ22により駆動されないように設定されて
いる。
更に、この駆動モータ22にはロータリエンコーダ36が
接続されており、これの駆動量が常時検出されている。
このロータリエンコーダ36は、制御ユニツト30に接続さ
れ、検出結果を出力している。そして、この制御ユニツ
ト30は、このロータリエンコーダ36からの出力結果を受
けて、駆動モータ22の駆動量、換言すれば、回転アーム
26の回動位置を認識するように構成されている。
一方、上述したレンジ切換装置20には、例えば、制御
ユニツト30の故障時において、手動で自動変速機12を切
り換え駆動するための、手動駆動機構38が接続されてい
る。この手動駆動機構38は、第1図に示すように、上述
した駆動軸24と平行な回動軸線回りに回転可能な回動板
40と、この回動板40の外周に形成されたピニオンギヤ42
と、このピニオンギヤ42に噛合するラツク部材44と、こ
のラツク部材44と上述した回転アーム26の先端とを互い
に連結する第1の補助連結ワイヤ46とを備えている。
尚、この第1の補助連結ワイヤ46は、上述した連結ワイ
ヤ28と一直線状になるように延出するよう設定されてお
り、回動板40の回動により、油圧バルブ16が切り換え駆
動されるようになされている。
ここで、この回動板40の中心部には、摺動回動部材と
してのレンチ48が嵌合する嵌合穴40aが形成されてお
り、このレンチ48を介して、回動板40は任意の位置に手
動による回動することが出来ることになる。尚、このよ
うな回動板40の手動回動に際して、クラツチ機構34が接
続状態であると、駆動モータ22が負荷となり、回転し難
い状態となるので、このクラツチ機構34を機械的に切断
状態とするための切り換えレバー50が設けられ、この切
り換えレバー50は第2の補助ワイヤ52を介してクラツチ
機構34に接続されている。即ち、この切り換えレバー50
が制御位置にある状態において、クラツチ機構34は制御
ユニツト30により制御可能な状態に設定され、切換位置
にある状態において、クラツチ機構34は機械的に切断状
態に設定されることとなる。
尚、この手動駆動機構38は、第3図に示すように、車
室内とエンジンルームとを区切るカウルパネルロア54の
丁度、中央下部の内方に位置するように配設されてお
り、ここに取り付けられた蓋部材54aを取り外すことに
より、回動板40が露出するように設定されている。この
ようにして、制御ユニツト30の故障時において、運転者
は、この蓋部材54aを取り外すことにより、回動板40に
アクセスして、レンチ48を介してこの回動板40を回動駆
動することにより、自動変速機12を直接手動により切り
換え駆動することが出来ることになる。
以上のように構成されるレンジ切換装置20の制御ユニ
ツト30にレンジ切り換え指令を出力するための、この発
明の特徴をなす変速操作手段としての操作スイツチ18に
ついて、第3図以降を参照して、詳細に説明する。
この操作スイツチ18は、第3図に示すように、車室内
において、ステアリングホイール56が回動自在に取り付
けられたステアリングコラム58の左側面、換言すれば、
方向指示レバー60が設けられた側とは反対側であつて、
ワイパ操作レバー62が設けられた側とは同一側に配設さ
れている。この操作スイツチ18は、所謂ストローク接点
式のスイツチとして構成され、詳細には、車幅方向に沿
つて延出する回動軸線回りに回動可能に取り付けられた
ロータリ式スイツチから構成されている。
ここで、この操作スイツチ18のステアリングコラム58
の左側面における配設位置は、第4図に示すように、略
中立位置(即ち、回転角度が0゜の位置)にあるステア
リングホイール56の所謂8時20分に位置する両脇部分を
両手で把持した状態において、運転席に着座した運転者
が正面を見た場合に、丁度、ステアリングホイール56の
空間部分を通して、操作スイツチ18を視認することが出
来るように設定されており、また、ステアリングホイー
ル56も、この視認性が確保されるように3本スポークタ
イプ、詳細には、3時、6時、9時方向に沿つて夫々延
出するように設定された3本のスポーク56a,56b,56cを
備えるように構成されている。
また、この操作スイツチ18の配設位置は、ワイパ操作
レバー62との関係においては、第5図に示すように、ワ
イパ操作レバー62がステアリングコラム58の左側面の手
前側上方に設定されているのに対して、この操作スイツ
チ18はステアリングコラム58の左側面の手前側下方に設
定されている。換言すれば、ワイパ操作レバー62と操作
スイツチ18とは、ステアリングコラム58の高さ方向中心
線Cを境に、上下に夫々離間された状態で配設されてい
る。
一方、この操作スイツチ18は、第6図に示すように、
ステアリングコラム58の左側面に一体的に固定される円
環状の取付リング64と、この取付リング64に車幅方向に
沿つて延出する軸線回りに回転自在に軸支されると共
に、軸方向に沿つて押し込み自在に支持されたスイツチ
本体66と、このスイツチ本体66の外周から半径方向外方
に突出すると共に軸方向に沿つて延出するように一体的
に形成された指操作部68と、この指操作部68のステアリ
ングコラム58側の端部に起立した状態(即ち、円周方向
に沿つて延出する状態)で一体的に形成された押込み部
70とを備えている。
ここで、第6図から明らかなように、指操作部68の正
面端面の図中右端には、ホールドボタン72が、また、押
込み部70の側面の最奥部には、自動変速機12における走
行レンジの切り換えモードを切り換えるためのモード切
り換えボタン74とが夫々配設されている。
尚、ホールドボタン72は、これを押し込まない状態
で、通常のシフト変更状態が規定され、これを押し込む
ことにより、前進ドライブレンジにおいては3速に、前
進2速レンジにおいては2速に、夫々固定されるように
設定されている。また、モード切り換えボタン74は、こ
れが押し込まれない状態で、自動変速機12における走行
レンジの切り換え態様を、ねばり強い走行感を重視した
パワーモード(山道走行に好適する)に規定し、押し込
まれた状態で、経済性を重視したエコノミモード(市内
走行に最適する)にする)に規定するように設定されて
いる。
一方、上述した取付リング64の外周面には、時計方向
に沿つて、パーキングレンジを示す「P」、後退レンジ
を示す「R」、ニユートラルレンジを示す「N」、前進
ドライブレンジを示す「D」、前進2速レンジを示す
「2」、そして、前進1速レンジを示す「1」の英数字
が、順次描かれている。そして、この操作スイツチ18に
おいては、スイツチ本体66が回動することにより、その
回動位置に応じて設定された走行レンジを規定するため
のレンジ切り換え指令を出力するように構成されてお
り、詳細には、丁度、指操作部68の丁度ま横に位置する
英数字で表される走行レンジを達成するように、レンジ
切り換え指令を出力するように構成されている。即ち、
この指操作部68は、現在設定されている走行レンジを指
し示す指標としても機能するものである。
ここで、図示するように、英数字「N」,「D」,
「2」,「1」は、狭い間隔d1で等間隔に順次直列状態
に並べられているが、英字「R」は英字「N」に対し
て、間隔d1より大きく設定された広い間隔d2だけ離間し
た状態で並べられ、英字「P」は数字「R」に対して上
述した狭い間隔d1で離間した状態で並べられるように設
定されている。また、英数字「N」,「D」,「2」
は、第4図に示すように、運転席に着座した運転者が正
面を見た状態において、丁度、英字「D」を真ん中に置
いて直視することが出来る位置に配設されている。この
ようにして、ニユートラルレンジ「N」,前進ドライブ
レンジ「D」,前進2速レンジ「2」の間で走行レンジ
を切り換える動作を実行した場合には、現在何れの走行
レンジが設定されているかは、指操作部68が指し示す英
数字「N」,「D」,「2」を読み取ることにより瞬時
に認識することが出来ることとなり、運転者は安心して
走行レンジを切り換えることが出来ることになる。
一方、第4図から明らかなように、直視する状態にお
いて、英字「R」,「P」は見ることが出来ないことに
なる。この結果、詳細は後述するが、ニユートラルレン
ジ「N」から後退レンジ「R」へは、単にスイツチ本体
66を回動するのみでは移行することが出来ず、スイツチ
本体66を軸方向に押し込まなければ移行出来ないように
設定されているので、機構上、ニユートラルレンジ
「N」,ドライブレンジ「D」,前進2速レンジ「2」
の間で自由にレンジ切り換えを実行すべく、スイツチ本
体66を回動させる状態において、決して、後退レンジ
「R」が設定されないものであるが、この事は、運転者
が直視する状態において、英字「R」,「P」を見るこ
とが出来ないことにより、ニユートラルレンジ「N」か
ら後退レンジ「R」に入る心配の無いことが心理的にも
担保されることになり、運転者は心から安心して、ニユ
ートラルレンジ「N」,ドライブレンジ「D」,前進2
速レンジ「2」の間で自由に走行レンジの切り換えを実
行することが出来ることになる。
次に、この操作スイツチ18の内部構成について、第7
図乃至第10図を参照して詳細に説明する。
第7図に示すように、操作スイツチ18のスイツチ本体
66は、内方端部に、外方フランジ部66aが一体的に形成
され、車体の車幅方向に沿つて延出した軸部66bを備え
ている。この軸部66bは、自身の中心軸線回りに回転自
在に支持されると共に、軸方向に沿う移動を禁止された
状態で取り付けられている。また、この外方フランジ部
66aの内方の表面の外周部には、接触ロツジ66cが軸方向
に沿つて延出した状態で、即ち、ステアリングコラム58
の表面に向けて延出するように取り付けられている。
そして、この外方フランジ部66aが対向するステアリ
ングコラムの表面には、この接触ロツド66cの回転軌跡
に沿つて、上述したインヒビタスイツチ32と同様に、パ
ーキングレンジ「P」、後退レンジ「R」、ニユートラ
ルレンジ「N」、前進ドライブレンジ「D」、前進2速
レンジ「2」、そして、前進1速レンジ「1」に夫々対
応した接点XP、XR、XN、XD、X2、X1が、接触ロツド66c
に接触可能に取り付けられている。そして、これら接点
XP、XR、XN、XD、X2、X1は、取付リング64の外周に描か
れた走行レンジを夫々表示する英数字の表示位置に応じ
た位置に配設されている。
ここで、各接点XP、XR、XN、XD、X2、X1は、各々制御
ユニツト30に接続されており、このようにして、操作ス
イツチ18においては、接触ロツド66cが接触した接点
XP、XR、XN、XD、X2、X1から、対応するレンジ切り換え
指令が制御ユニツト30に出力されることになる。
一方、このスイツチ本体66は、軸部66bに対して軸方
向に沿つて移動自在に取り付けられた移動部66dを備え
ている。即ち、この移動部66dには、軸方向に沿つて透
孔66eが形成されており、この透孔66eを軸部66bが貫通
して外方に取り出されることにより、この移動部66d
は、軸部66bの延出方向に沿つて移動可能に支持される
ことになる。ここで、この移動部66dの外周面には、上
述した指操作部68が一体的に形成されている。また、こ
の移動部66dの内方端部は、外方端部に比較して径少に
設定され、上述したリング状の取付リング64内に収納さ
れるように設定されている。
そして、軸部66bの外方端部には、、移動部66dの外方
への取り出しを禁止するための係止ナツト66fが螺着さ
れている。一方、この移動部66dと外方フランジ部66aと
の間には、コイルスプリング66gが介設されており、移
動部66dは、このコイルスプリング66gの付勢力により、
常時、外方に向けて付勢され、これに外力が作用しない
限りにおいて、上述した係止ナツト66fに当接して、そ
の位置を弾性的に保持されている。このようにして、こ
のスイツチ本体66は、通常は外方に付勢されており、上
述した押込み部70を介して軸方向内方に押し込むことに
より、このスイツチ本体66はコイルスプリングの付勢力
に抗して、軸方向内方へ押し込まれ得ることとなる。
尚、移動部66dの外側面には、上述した係止ナツト66f
を収納するための凹部66hが形成されており、また、こ
凹部66hを閉塞して、係止ナツト66fを目隠しするための
目隠し板66iが取り付けられている。
ここで、その操作スイツチ18は、スイツチ本体66を回
動しての走行レンジの切り換えに際して、この回動駆動
を各走行レンジ位置において正確に係止するめのデイテ
イト機構76を備えると共に、ニユートラルレンジ「N」
から後退レンジ「R」への切り換え、及び、後退レンジ
「R」とパーキングレンジ「P」との間の切り換えに際
しては、単に、スイツチ本体66を回転するのみでは切り
換えられずに、このスイツチ本体66を軸方向に沿つて内
方に押し込まなければ切り換え動作を行なうことが出来
ないような規制機構78を備えている。
これらデイナイト機構76及び規制機構78のために、上
述した取付リング64の外方端は、移動部66dの径少部の
略中程まで延出している。このため、この外方端は、移
動部66dの径大部を規定する段部の端面との間に隙間G
が形成されることになるが、この隙間Gの軸方向長さ
は、後述する移動部66bの軸方向押し込み量よりも僅か
に長く設定されている。ここで、規制機構78は、この取
付リング64の内周面に形成されたガイド溝80と、このガ
イド溝80内に外方端部を嵌入されるてガイドされるよう
に、移動部66bに弾性的に進退自在に取り付けられた1
本のガイドピン82とを備えている。
このガイド溝80は、第8図に示すように、丁度、前進
1速レンジ「1」とパーキングレンジ「P」との間に渡
り形成されており、このガイド溝80とガイドピン82との
嵌合により、前進1速レンジ「1」及びパーキングレン
ジ「P」を越えて、スイツイ本体66が回動することが禁
止されている。ここで、上述したテイテント機構76は、
第7図に示すように、このガイド溝80の底面に、上述し
た配設関係に基づいて、パーキングレンジ「P」、後退
レンジ「R」、ニユートラルレンジ「N」、前進ドライ
ブレンジ「D」、前進2速レンジ「2」、そして、前進
1速レンジ「1」に夫々対応したデイテント穴76P,7
6R、76N,76D,762,761を備えており、これらのデイテン
ト穴76P,76R,76N,76D,762,761は、取付リング64の周方
向に沿う1本の軸線lO上に位置するように設定されてい
る。尚、各デイテント穴76P,76R、76N,76D,762,761の底
面は、第8図に示すように、取付リング64の内周面から
第1の深さh1だけ半径方向外方に入り込んだ位置に設定
されている。
また、このガイド溝80は、第7図の下部に、周方向形
状を平面上に展開した状態で示すように、前進2速レン
ジ「2」からニユートラルレンジ「N」との間に渡り周
方向lOに沿つて直線状に形成された直線溝部80aと、こ
の直線溝部80aの上端において、ニユートラルレンジ
「N」から軸方向内方に延出(即ち、直線溝部80aと直
交)した第1の横溝部80bと、この第1の横溝部80bの内
方端から後退レンジ「R」まで周方向lOに対して斜めに
延出する傾斜溝部80cと、後退レンジ「R」から軸方向
内方に延出した第2の横溝部80dと、パーキングレンジ
「P」から軸方向内方に延出した第3の横溝部80eと、
これら第2及び第3の横溝部80d,80eの互いに内方端同
士を連結するよう周方向lOに沿つて延出する第1の連結
溝部80fと、上述した直線溝部80aの下端において、前進
2速レンジ「2」から軸方向内方に延出した第4の横溝
部80gと、この第4の横溝部80gの内方端から周方向lO
沿つて前進1速レンジ「1」まで延出した第2の連結溝
部80hとから連続した状態で構成されている。
尚、第1乃至第3の横溝部80b,80d,80eの夫々の延出
長さが、上述したスイツチ本体66の軸方向押し込み量と
して規定されるものであり、これら延出長さは共に同一
長さに設定されている。このようにガイド溝80を構成す
ることにより、前進1速レンジ「1」からニユートラル
レンジ「N」に向けての走行レンジの切り換え、及び、
後退レンジ「R」から前進2速レンジ「2」に向けての
走行レンジの切り換え動作は、単に、スイツチ本体66を
回動させる1動作のみで実行することが出来ることにな
る。しかしながら、ニユートラルレンジ「N」からパー
キングレンジ「P」までの走行レンジの切り換え、パー
キングレンジ「P」と後退レンジ「R」との間の走行レ
ンジの切り換え、並びに、前進2速レンジ「1」から前
進1速レンジ「1」までの走行レンジの切り換え動作
は、各レンジを通過毎に、一旦、スイツチ本体66を軸方
向に沿つて押し込み動作しつつ、回動させると言う2動
作が必要となる。
この結果、上述したスイツチ本体66の回動動作のみで
は、ニユートラルレンジ「N」から後退レンジ「R」へ
の走行レンジの切り換え、及び、後退レンジ「R」とパ
ーキングレンジ「P」との間の走行レンジの切り換え動
作は不可能となり、不用意に、これら切り換え動作が行
なわれることが確実に防止されることとなり、安全走行
状態が確保されることとなる。
また、第8図に示すように、前進2速レンジ「2」と
ニユートラルレンジ「N」との間のガイド溝80の取付リ
ング64の内周面からの深さは、上述したデイテイト穴76
P,76R,76N,76D,762,761の取付リング64の内周面からの
深さを各々規定する第1の深さh1よりも僅かに浅く設定
された第2の深さh2を有するように設定され、一方、前
進2速レンジ「2」と前進1速レンジ「1」との間のガ
イド溝80及びニユートラルレンジ「N」とパーキングレ
ンジ「P」との間のガイド溝80の深さは、上述した第2
の深さh2より浅い第3の深さh3を有するように設定され
ている。
この結果、第8図から明らかなように、前進1速レン
ジ「1」、後退レンジ「R」、パーキングレンジ「P」
における夫々のデイテント穴761,76P,76Rの実質的な深
さ(=h1−h2)は、ニユートラルレンジ「N」,前進ド
ライブレンジ「D」、前進2速レンジ「2」における夫
々のデイテント穴76N,76D,762の実質的な深さ(=h1−h
2)より深くなる。
このようにして、この一実施例においては、各走行レ
ンジ設定位置おいて、ガイドピン82が対応するディテン
ト穴76に嵌入することにより、操作停止位置がデイテン
トされ、運転者は、自らが操作したスイツチ本体66の停
止状態をデイテント感に基づく感触により確認すること
が出来ることとなる。
また、この一実施例によれば、前進1速レンジ
「1」、後退レンジ「R」、パーキングレンジ「P」が
夫々設定された状態から、スイツチ本体66を回動し始め
るために必要な回転起動力は、ニユートラルレンジ
「N」、前進ドライブレンジ「D」、前進2速レンジ
「2」が夫々設定された状態から回転し始めるために必
要な回転起動力と比較して、大きな力が必要となるもの
である。換言すれば、運転者は、軽い回動起動力で、ニ
ユートラルレンジ「N」、前進ドライブレンジ「D」、
前進2速レンジ「2」との間で自由に走行レンジの切り
換え動作を行なうことが出来ることとなり、一方、前進
速レンジ「1」、後退レンジ「R」、パーキングレンジ
「P」の設定状態を他の走行レンジに切り換えさせる場
合には、対応する深いデイテント穴761,76N,76Pから抜
け出るために強い回動起動力が必要となり、本当は、こ
の切り換え動作を行なう必要が有るのかとの注意が喚起
されることになり、誤操作が未然に防止されることにな
る。
一方、このガイド溝80に嵌合するガイドピン82は、第
7図に示すように、突出端部の先端が丸められたピン本
体82aと、軸方向略中央部に外方フランジ部82bとから一
体的に形成されている。また、このガイドピン82は、移
動部66dの外周面に形成された凹所84に外方フランジ部8
2bより内方部分が挿入された状態で取り付けられてい
る。ここで、この凹所84は、開口部において、上述した
外方フランジ部82bよりも径大に設定された凹所本体84a
と、この凹所本体84aの開口部に形成され、外フランジ
部82bが丁度挿通されるように設定された径少な内方フ
ランジ部84bとから構成されている。即ち、この凹所84
は開口部が狭められた段付き穴から構成されている。
この凹所84内には、上述した段部(即ち、内方フラン
ジ部84bの内端面)に当接し、ピン本体82aの外方フラン
ジ部82bより内方部分が挿通される開口が中央に形成さ
れた係止リング86が収納されている。一方、この凹所84
内には、ガイドピン82の内端面に当接し、これを凹所84
から突出する方向に偏倚するように付勢する第1のコイ
ルスプリング88と、係止リング86の内表面に当接し、こ
れを内方フランジ部84bの段部に圧接するように付勢す
る第2のコイルスプリング90とが互いに独立した状態で
収納されている。
ここで、第9図の(A)に示すように、ガイドピン82
が各デイテント穴761,762,76D,76N,76R,76Pに入り込ん
でその位置を係止された状態において、換言すれば、ガ
イドピン82の先端が、取付リング64の内周面から深さh1
の面に当接する状態において、ガイドピン82の外方フラ
ンジ部82aは、段部に当接した係止リング86から(h1−h
2)の距離だけ離間するように設定されている。この結
果、第9図の(B)に示すように、前進2速レンジ
「2」とニユートラルレンジ「N」との間のガイド溝80
の底面にガイドピン82の先端が当接する状態において、
各デイテント穴761,762,76D,76N,76R,76Pに嵌入する状
態から、(h1−h2)の距離だけスイツチ本体66の半径方
向内方に押し込められることとなる。
この押し込み動作に際して、外方フランジ部82bは係
止リング86に当接するのみで、これを内方に押し込むこ
とがない。この結果、この押し込み動作に要する押し込
み力は、ガイドピン82にのみ係合する第1のコイルスプ
リング88の付勢力に抗する力であれば良い。
一方、第9図の(C)に示すように、ニユートラルレ
ンジ「N」とパーキングレンジ「P」との間、及び、前
進2速レンジ「2」と前進1速レンジ「1」との間のガ
イド溝80の底面にガイドピン82の先端が当接する状態
で、各デイテント穴761,762,76D,76N,76R,76Pに嵌入す
る状態から、(h1−h3)の距離だけスイツチ本体66の半
径方向内方に押し込められることとなる。ここで、上述
した説明から明らかなように、 (h1−h3)>(h1−h2) であるので、この押し込み動作に際して、外方フランジ
部82bは係止リング86に当接して、更にこれを内方に押
し込むことなる。
この結果、この押し込み動作に要する押し込み力は、
ガイドピン82に係合する第1のコイルスプリング88の付
勢力に抗する力と、係止リング86に係合する第2のコイ
ルスプリング90の付勢力との合計の付勢力に抗する力が
必要となるものである。
このようにして、この一実施例によれば、前進2速レ
ンジ「2」とニユートラルレンジ「N」との間で走行レ
ンジを切り換えるべくスイツチ本体66を回動させる(ガ
イドピン80をガイド溝82に沿つて摺動させる)際におい
て、ガイドピン80とガイド溝82との接触力(即ち、摩擦
係合力)は第1のコイルスプリング88に対抗する力のみ
で規定されることとなり、回動操作力は比較的弱くて済
むことになる。
しかしながら、ニユートラルレンジ「N」とパーキン
グレンジ「P」との間、及び、前進2速レンジ「2」と
前進1速レンジ「1」との間で走行レンジを切り換える
際において、ガイドピン80とガイド溝82との接触力は第
1及び第2のコイルスプリング88,90の付勢力に対向す
る力で規定されることとなり、回動操作力は大きなもの
が要求されることとなる。この結果、第10図に示すよう
に、回動操作力にも強弱が与えられ、上述したデイテン
ト穴76の深さの相違に基づくスイッチ本体66の停止位置
からの回動起動力の差と相まつて、本当に、この切り換
え動作を行なう必要が有るのかとの注意が喚起されるこ
とになり、誤操作が確実に防止されることになる。
以上のように構成された操作スイツチ18は、上述した
ように、ステアリングコラム58の左側面に取り付けられ
ているものであるが、詳細には、第5図に示す運転状
態、即ち、運転者が両肘を備え付けのアームレスト92
(右肘用のアームレストは図面の都合上図示されていな
い。)に夫々掛けて、リラツクスした姿勢で両手でステ
アリングホイール56の所謂8時20分の位置を握つて運転
する状態において、第11図に示すように、左手の中指を
伸ばして、これが届く位置に、前進1速走行レンジ
「1」からニユートラルレンジ「N」までの範囲に位置
する指操作部68がもたらされるように設定されている。
換言すれば、上述した状態(姿勢)において、左手中
指の回動半径をl1(例えば、130mm)とし、指操作部68
の回動半径をl2とすると、中指の先端の回動軌跡と、前
進1速走行レンジ「1」からニユートラルレンジ「N」
までの範囲に位置する指操作部68の先端の回動軌跡とが
交わるように、操作スイツチ18の回動中心とステアリン
グホイール56の左手の握り位置との間の距離l3が規定さ
れてされている。即ち、以下の不等式(1)が満足され
る範囲に、l3は規定されている。
l3<l1+l2 …(1) このように式(1)を規定することにより、この一実
施例においては、第12図に示すように、前進ドライブレ
ンジ「D」にある指操作部58の先端とステアリングホイ
ール56との間の距離l6は、110mmに設定されている。
また、この第11図に示すように、後退レンジ「R」に
ある指操作部68の先端とステアリングホイール56との間
の距離をl4とすると、この距離l4は以下の不等式(2)
が満足される範囲に規定されており、この一実施例にお
いては、130mmに設定されている。
l4≧l1 …(2) ここで、上述した所の、ニユートラルレンジ「N」と
後退レンジ「R」との間を隔てる間隔d2は、上述した不
等式(2)をも満足するように規定されている。
このように、この一実施例においては、操作スイツチ
18の配設位置は規定されているので、運転者は、両手で
ステアリングホイール56を握つたままの状態で、左手の
中指を伸ばして、操作スイツチ18の指操作部68の上か
ら、または、下から叩くように操作することにより、ス
イツチ本体66を前進1速レンジ「1」とニユートラルレ
ンジ「N」との間で、自由にしかも瞬時に切り換えるこ
とが出来ることになる。この結果、走行中における走行
レンジの切り換えは、両手でステアリングホイール56を
握つたままの状態で行なうことが出来ることになり、安
全走行状態が確実に達成されることとなる。
また、この一実施例においては、左手がステアリング
ホイール56を握つた状態において、例え中指を伸ばした
としても、後退レンジ「R」が指操作部68の操作可能範
囲外にあるので、ニユートラルレンジ「N」から後退レ
ンジ「R」に切り換え操作することが不可能となる。こ
の結果、前進走行中においては、指操作部68を中指で叩
くことにより自由に走行レンジを前進1速レンジからニ
ユートラルレンジ「N」の間で切り換え操作している間
において、間違つて、後退レンジ「R」が設定される事
態が確実に回避されることとなり、走行レンジの切り換
え動作における安全性が、上述した2動作の要求と相ま
つて確実に担保されることになる。
また、後退レンジ「R」またはパーキングレンジ
「P」に切り換えるためには、必ず、左手をステアリン
グホイール56から離さなければならないことになるた
め、後退レンジ「R」またはパーキングレンジ「P」へ
の切り換え動作が、心理的に抑制され、後退レンジ
「R」またはパーキングレンジ「P」への切り換え動作
に際して誤動作が未然に防止されることになり、安全走
行がこの観点からも担保されることとなる。
ここで、第11図に示すように、ワイパ操作レバー62
で、操作スイツチ18の上方であつて、これよりも距離
l5′だけ後方に位置するように配設されている。従つ
て、ワイパ操作レバー62を操作する場合には、左手のス
テアリングホイール56における握り位置を、所謂8時方
向位置(図中、符号Aで示す。)から所謂10時方向位置
(図中、符合Bで示す。)に握り換える必要が生じる。
即ち、操作スイツチ18の回動半径l1での操作回動範囲
と、ワイパ操作レバー62の回動半径l7での操作回動範囲
とは、互いに異なることとなる。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
の指操作部68を下方から叩き上げて、例えば、前進2速
レンジ「2」から前進ドライブレンジ「D」にレンジい
切り換えを行なう場合において、勢い余つて、中指が上
方に振り上げられたとしても、ワイパ操作レバー62を操
作することが無く、操作の確実性が担保されることとな
る。また、ワイパ操作レバー62を上方から押し下げて、
例えば、間欠ワイパモードを設定する場合においても、
この押し下げ動作が勢い余つて、指が下方まで振り下さ
れたとしても、操作スイツチ18の指操作部68に触れる虞
がないので、運転者は安心して、ワイパ操作レバー62を
操作することが出来るものである。
更に、この一実施例においては、操作スイツチ18にお
いて、第13図に示すように、後退レンジ「R」は、スイ
ツチ本体66の外周面であつて、ステアリングホイール56
側で接する垂直線Vより距離l8だけ前方に位置する指操
作部68により規定されるように設定されている。換言す
れば、この後退レンジ「R」は、操作スイツチ18とステ
アリングホイール56との間に立つた状態(鋭角に曲げら
れた状態)で入り込んだ膝が絶対に届かない位置に指操
作部68を介してスイツチ本体66が回動することにより規
定されるように設定されている。換言すれば、この後退
レンジ「R」は、上述した不等式(2)で示された条件
の他に、ここで説明したような膝の届かない位置に設定
される条件が加えられた位置に配設されている。
即ち、通常の運転姿勢においては、第14図に実線で示
すように、左足の膝は、決して、操作スイツチ18に届か
ないものであるが、正面衝突時や急ブレーキ作動時にお
いて、運転者がシートベルトを付けていない場合には、
自身に作用する急加速度に基づき、体が全体的に前方に
押し出されることにより、第14図に一転鎖線で示すよう
に、運転者の左足の膝が操作スイツチ18とステアリング
ホイール56との間で立つ姿勢が強制的に達成される虞が
ある。このような膝が立つた姿勢においては、この膝に
より、操作スイツチ18の指操作部68が上方に押し込めら
れ、スイツチ本体66が例えば前進ドライブレンジ「D」
から後退レンジ「R」に向けて強制的に回動されること
となる事態が発生することになる。
この場合、上述したように、前進ドライブレンジ
「D」からニユートラルレンジ「N」へは、単に、スイ
ツチ本体66の回動動作のみで切り換えられることになる
が、ニユートラルレンジ「N」から後退レンジ「R」へ
は、単にスイツチ本体66を回動操作のみでは切り換え動
作は行なわられず、一旦、スイツチ本体66を軸方向に沿
つて内方に押し込んだ状態で、回動させなければならな
い2動作が要求されている。このため、通常の膝立ち状
態では、ガイドピン82がガイド溝82の第1の横溝部80b
を規定する端壁に当接するのみで、スイツチ本体66はニ
ユートラルレンジ「N」を規定する位置に保持され、後
退レンジ「R」へは切り換えられ得ない事となる。
しかしながら、上述したように正面衝突時や急ブレー
キ時においては、上述した膝立ち状態は、強い力で達成
されることになるので、場合により、ガイドピン82は上
述した端壁を強い力で乗り越えて、後退レンジ「R」が
不本意にも設定されるようにスイツチ本体66が回動して
しまう虞がある。
この結果、例えば急ブレーキが掛けられた時に、立つ
た膝により操作スイツチ18がニユートラルレンジ「N」
から回動して、後退レンジ「R」が回動動作のみで強制
的に切り換えられたとすると、車両はブレーキにより一
旦停止した後、後退レンジ「R」の設定に基づき、引き
続き後退動作を開始することになり、危険である。
しかしながら、この一実施例においては、上述したよ
うに、後退レンジ「R」は、立つた膝が届かない位置に
設定されているので、例え、急加速度が運転者に作用し
て、膝が立つたとしても、最悪の場合でも、ニユートラ
ルレンジ「N」が設定されるのみで、決して後退レンジ
が設定されることなく、安全走行状態が確保されること
となる。
尚、第15図に示すように、運転者における最悪なステ
アリングホイール把持姿勢を取ることが出来るようにす
るために、このステアリングホイール56には、二転鎖線
で示すように軸方向に沿つてスライド可能な所謂テレス
コピツク機構や、一点鎖線で示すように上下に移動可能
な所謂チルト機構が、詳細は図示していないが設けられ
ている。ここで、この一実施例においては、例えば、テ
レスコピツク機構が作動した場合において、ステアリン
グホイール56のみがステアリングコラム58から軸方向に
沿つて後退したり、チルト機構が作動した場合におい
て、ステアリングホイール56のみがステアリングコラム
58から上下動するのではなく、ステアリングコラム58も
ステアリングホイール56と一体的に移動するように設定
されている。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
とステアリングホイール56との相対位置関係は常に一定
に保持され、例え、ステアリングホイール56がテレスコ
ピツクされようが、チルトされようが、上述したような
両手でステアリングホイール56を握つた状態での走行レ
ンジの切り換え動作が確実に実行されることとなる。
ここで、再び第2図に示すように、速度計や回転計が
設けられたインスツルメントパネル94の一部には、操作
スイツチ18により設定された走行レンジに基づき、現在
設定された走行レンジを表示するための走行レンジイン
ジケータ96が設けられている。この走行レンジインジケ
ータ96においては、現在設定されている走行レンジに相
当する英数字が点灯するように設定されている。また、
この走行レンジインジケータ96の近傍には、制御ユニツ
ト30において、例えば、操作スイツチ18において指示さ
れた走行レンジと、インヒビタスイツチ32で設定された
走行レンジとが異なる場合に、フエイルであると判断し
て、フエイル発生状態を運転者に確認させるためのA/T
ワーニングランプ98が設けられている。
以上のように構成される操作装置10において、以下
に、運転者による操作スイツチ18を操作しての走行レン
ジ切り換え動作を説明する。
先ず、操作スイツチ18においてパーキングレンジ
「P」が設定されて、車両が停止している状態におい
て、運転者が図示しないドアを空けて車室内に入り込
み、第5図に示すように、運転席にゆつくりと着座し
て、図示しないブレーキペダルを踏み込んだ状態で、右
手で図示しないイグニツシヨンスイツチを回して、エン
ジン14を起動させる。この後、左手をステアリングホイ
ール56を握らずに、操作スイツチ18のスイツチ本体66を
握り込んで、これをコイルスプリング66gの付勢力に抗
して軸方向内方に押し込むことにより、パーキングレン
ジ「P」に対応するデイテント穴76Pからガイドピン82
は抜け出て、第3の横溝部80e内を摺動し、連結溝部80f
の内端部に到達して押し込み動作が停止する。この後
に、スイツチ本体66を下方に回動することにより、ガイ
ドピン82は第1の連結溝部80f内を摺動して、第2の横
溝部82dの内端部に到達して回動動作が停止する。
この後、スイツチ本体66の押し込み力を解除すること
により、コイルスプリング66gの付勢力により、スイツ
チ本体66は全体として軸方向外方に偏倚され、ガイドピ
ン82は第2の横溝部80d内を摺動して、後退レンジ
「R」に対応するデイテント穴76R内に嵌入して停止す
る。このようにして、後退レンジ「R」が切り換え設定
される。
ここで、車両を後退させる場合には、この後退レンジ
「R」が設定された状態でブレーキペダルから足を離
し、アクセルペダルを踏み込むことにより、車両は後退
することとなる。一方、車両を前進させる場合には、再
び、スイツチ本体66を左手で握り込んで下方に回動する
ことにより、ガイドピン82は、傾斜溝部80c内を摺動し
て、第1の横溝部80bの内端部に到達して停止し、引き
続き、コイルスプリング66gの付勢力により、スイツチ
本体66は軸方向外方に偏倚され、ガイドピン82は第1の
横溝部80b内を摺動して、ニユートラルレンジ「N」に
対応するデイテント穴76N内に嵌入して停止する。この
ようにして、ニユートラルレンジ「N」が切り換え設定
される。
このようにニユートラルレンジ「N」が設定された状
態において、運転者は両手の肘をアームレスト92に夫々
掛けて、ステアリングホイール56の所謂8時20分方向位
置を握り、運転姿勢を取ることになる。そして、上述し
たように、このニユートラルレンジ「N」と前進2速レ
ンジ「2」との間の走行レンジの切り換え動作は、単
に、指操作部68を叩いて、スイツチ本体66を回動駆動す
れば良いものである。従つて、運転者は両手でステアリ
ングホイール56を握つた状態を維持しつつ、左手の中指
を伸ばして、ニユートラルレンジ「N」の設定位置か
ら、更に、指操作部68を下方に叩くことになる。この叩
き下げ操作により、ガイトピン82はニユートラルレンジ
「N」に対応するデイテント穴76N内から軽く抜け出
て、直線溝部80a内を摺動して、前進ドライブレンジ
「D」に対応するデイテント穴76D内に嵌入して停止す
る。このようにして、前進ドライブレンジ「D」が切り
換え設定されることとなる。
このように前進ドライブレンジ「D」が設定された状
態で、運転者はブレーキペダルから足を離し、アクセル
ペダルを踏み込むことにより、車両は自動変速された状
態で前進駆動されることとなる。
この後、交差点等で車両を停止させた状態で、ニユー
トラルレンジに切り換え設定する場合には、運転者は両
手でステアリングホイール56を握つた状態で、左手の中
指を伸ばし、操作スイツチ18の指操作部68を下方から叩
き上げることにより、ガイドピン82はドライブレンジ
「D」に対応するデイテント穴76D内から軽く抜け出
て、直線溝部80a内を摺動して、ニユートラルレンジ
「N」に対応するデイテント穴76N内に嵌入して停止す
る。このようにして、ニユートラルレンジ「N」が切り
換え設定されることとなる。
一方、前進走行中において、例えば長い下り坂にかか
り、エンジンブレーキを必要とする場合には、運転者は
両手でステアリングホイール56を握つた状態で、左手の
中指を伸ばし、操作スイツチ18の指操作部68を上方から
叩き下げることにより、ガイドピン82はドライブレンジ
「D」に対応するデイテト穴76D内から軽く抜け出て、
直線溝部80a内を摺動して、前進2速レンジ「2」に対
応するデイテント穴762内に嵌入して停止する。このよ
うにして、前進2速レンジ「2」が切り換え設定される
こととなる。
また、前進走行中において、例えば急な下り坂にかか
り、強いエンジンブレーキを必要とする場合には、運転
者は両手でステアリングホイール56を握つた状態で、左
手の中指を伸ばし、操作スイツチ18の押込み部70をコイ
ルスプリング66gの付勢力に抗して軸方向内方に押し込
むことにより、前進2速レンジ「2」に対応するデイテ
ント穴762からガイドピン82は抜け出て、第4の横溝部8
0g内を摺動し、第2の連結溝部80fの上端部に到達して
押し込み動作が停止する。この後に、押込み部70を押し
込んでいた中指で指操作部68を下方に回動する(即ち、
上方から叩き下げる)ことにより、ガイドピン82は第2
の連結溝部80h内を摺動して、前進1速レンジ「1」を
規定するデイテント穴761内に嵌入して停止する。この
ようにして、前進1速レンジ「1」が切り換え設定され
ることになる。
このように、前進1速レンジ「1」を設定することに
より強力なエンジンブレーキは達成されることになる
が、このような強力なエンジンブレーキが高速走行中に
おいて誤操作により設定されると、安全走行性が損なわ
れる虞がある。このため、この一実施例では、既に説明
したように、前進2速レンジ「2」から前進1速レンジ
「1」に切り換える場合には、左手はステアリングホイ
ール56を握つたままの状態ではあるが、押し込みと回動
という2動作が要求されることとなり、単に、指操作部
68を回動するのみでは、前進1速レンジ「1」が設定さ
れないように構成されている。
この結果、前進2速レンジ「2」とニユートラルレン
ジ「N」との間で、軽い操作力で走行レンジの切り換え
操作を実行している状態で、安易に、前進1速レンジ
「1」から切り換え設定されることが阻止されると共
に、前進2速レンジ「2」から前進1速レンジ「1」を
切り換え設定するために、特別の注意力が要求され、誤
つて前進1速レンジが切り換え設定されることが効果的
に防止されることになる。
即ち、この一実施例においては、車両を前進走行させ
ている間においては、運転者は両手でステアリングホイ
ール56を握つた状態を維持させつつ、走行レンジを前進
2速レンジ「2」とニユートラルレンジ「N」の間で変
更させる場合において、単に、左手の中指を伸ばして操
作スイツチ18の指操作部68を上方または下方から軽く叩
くようにしてスイツチ本体66を回動させることにより、
左手をステアリングホイール56から離すことなく、即
ち、両手でステアリングホイール56を握つた状態で、こ
のような前進走行における走行レンジの切り換え動作を
行なうことが出来ることとなり、ステアリングホイール
56の操作における安全性は高い程度で達成されることと
なる。
また、前進2速レンジ「2」から前進1速レンジ
「1」を切り換え設定する場合には、左手の中指を伸ば
して操作スイツチ18の押込み部70を一旦軸方向に沿つて
押し込んだ後、指操作部68を上方強く叩くようにしてス
イツチ本体66を回動させることにより、左手をテアリン
グホイール56から離すことなく、即ち、両手でステアリ
ングホイール56を握つた状態で、このような強力なエン
ジンブレーキを掛けるための走行レンジの切り換え動作
を行なうことが出来ることとなり、ステアリングホイー
ル56の操作における安全性は、同様に、高い程度で達成
されることとなる。
一方、前進走行から後退させる場合には、上述した動
作により一旦ニユートラルレンジ「N」を設定した後に
おいて、左手をステアリングホイール56から離し、この
離した左手の中指で押込み部70をコイルスプリング66g
の付勢力に抗して軸方向内方に押し込み動作する。この
押し込み動作により、ニユートラルレンジ「N」に対応
するデイテント穴76Nからガイドピン82は抜け出て、第
1の横溝部80b内を摺動し、傾斜溝部80cの下端部に到達
して押し込み動作が停止した後に、指操作部68を上方に
叩くことにより、ガイドピン82は傾斜溝部80c内を摺動
して、これの上端部に到達し、後退レンジ「R」に対応
するデイテント穴76R内に嵌入して停止する。このよう
にして、後退レンジ「R」が切り換え設定されることに
なる。
また、後退レンジ「R」からパーキングレンジ「P」
に切り換える場合には、上述したパーキングレンジ
「P」から後退レンジ「R」に切り換える動作の全く逆
の動作を実行することにより、達成されることになる。
即ち、従来の車両において、変速機が手動変速式であ
ろうと、自動変速式であろうと、また、コラムシフトレ
バーを備えるタイプであろうと、フロアシフトレバーを
備えるタイプであろうと、手動変速における変速動作ま
たは自動変速における走行レンジ切り換え動作を行なう
場合には、必ず、左手をステアリングホイール56から離
して動作せざるを得ず、所謂片手運転の状態が発生し
て、安全性の観点から好ましくなかつたが、この一実施
例においては、この問題が一挙に解決され、走行レンジ
の切り換え動作に際して、左手をステアリングホイール
56から離すことなく、換言すれば、両手でステアリング
ホイール56を握り締めたままの状態でこの切り換え動作
を行なうことが出来、安全面の上で飛躍的に改良された
新規な運転動作が達成されることとなる。
また、この一実施例によれば、変速レンジを切り換え
るための操作スイツチ18は、ステアリングコラム58の左
側面に取り付けられるよう設定されていると共に、前輪
駆動方式が採用されている。この結果、運転席と助手席
との間のフロアは、略平坦に形成され得ることとなり、
運転席回りの空間が「すつきり」と整理された状態とな
る。このようにして、あたかも、この運転席が応接室の
床上に載置された様な豪華な状況が達成され、車室内の
環境が、両腕の肘を夫々アームレスト92に掛けた状態で
リラツクスした運転姿勢を取ることが出来ることと相ま
つて、非常に「ゆつたり」とした雰囲気を醸し出すこと
となり、余裕のある安全運転状況が自然に達成されるこ
ととなる。
次に、第16図乃至第27図を参照して、上述した構成の
操作スイツチ18を介しての走行レンジの切り換え動作に
基づき、自動変速機12を電動駆動制御するための制御系
について説明する。
この制御系は、主として、上述した操作スイツチ18に
備えられた信号発生機構100と、この信号発生機構100か
ら出力された走行レンジ切り換え信号及びレンジ設定信
号に基づき、電動式走行レンジ切換装置20の駆動モータ
22を駆動して、操作スイツチ18において新に設定された
走行レンジに自動変速機12が即座に設定されるように制
御する制御ユニツト30とから構成されている。先ず、操
作スイツチ18の信号発生機構100に関して詳細に説明す
る。
この信号発生機構100は、第7図を参照してに既に概
略示したように、ステアリングコラム58の左側面に規定
された絶縁部分上には、各走行レンジ「P」,「R」,
「N」,「D」,「2」,「1」に各々対応した状態で
形成された接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1と,スイツチ本体6
6の外方フランジ部66aに固定され、スイツチ本体66の回
動動作に応じて、接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1に順次接触
する接触ロツド66cとから構成されている。
詳細には、接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1は、第16図に示
すように、スイツチ本体66の回動方向に沿つて円弧状に
延出し、全ての接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1に渡り連続し
た状態で形成された給電端子φと、この給電端子φ
の側方に、スイツチ本体66の回動方向に沿つて一列状に
順次配列され、各接点XP,XR,XN,XD,X2,X1毎に独立した
状態で形成された第1の接触端子φと、対応する第1
の接触端子φの側方に、スイツチ本体66の回動方向に
沿つて一列状に順次配列され、各接点群XP,XR,XN,XD,
X2,X1毎に固有に形成された第2の接触端子φ2P2R,
φ2N2D2221とから構成されている。
ここで、給電端子φは、図示しない抵抗を介して、
図示しないバツテリに接続されている。また、各第1の
接触端子φは、図示するように、スイツチ本体66の回
動方向に沿つて延出し、一定の中心角度θを有する扇
状(図示する状態においては、図面の都合上、矩形状に
して表している。)に形成され、互いに隣接する同士が
所定中心角度θ等間隔で離間するように設定されてい
る。そして、各第1の接触端子φは、接触ロツド66c
の摺動方向とは直交する方向に沿つて各々の端縁から一
旦側方に向けて延出する分岐接続ライン102aと、これら
分岐接続ライン102aを共通に連結し、接触ロツド66cの
摺動方向に沿つて延出する主接続ライン102bとから構成
される第1の接続ライン102により、電気的に共通に接
続されており、この第1の接続ライン102の端部が第1
の出力端子104として規定されている。
一方、各第2の接触端子φ2P2R2N2D22,
φ21は、接触ロツド66cの摺動方向に沿つて延出し、上
述した中心角度θを有する扇状に形成されると共に、
操作スイツチ18の正の操作方向(ここで、、この正の操
作方向をパーキングレンジ「P」から前進1速レンジ
「1」に向けての操作方向として規定し、逆の操作方向
を前進1速レンジ「1」からパーキングレンジ「P」に
向けての操作方向として規定する。)に沿つて所定中心
角度θだけ全体的にオフセツトするように設定されて
いる。
ここで、このオフセツト量(角度)θは、第1の接
触端子φの離間角度θよりも小さい値に設定されて
いる。従つて、所定の走行レンジの第2の接触端子φ
と、隣接する走行レンジの第1の接触端子φとは、
(θ−θ)の中心角度だけ完全に離間し、また、所
定の走行レンジの第1の接触端子θと、隣接する走行
レンジの第2の接触端子φとは、同様に(θ
θ)の中心角度だけ完全に離間することとなる。即
ち、この完全離間角度(θ−θ)だけ、互いに隣接
する走行レンジの接点XP,XR,XN,XD,X2,X1間に完全に離
間することになる。
尚、第16図においては、理解を容易にするため、各第
2の接触端子φ2P2R2N2D2221は、接触
ロツド66の摺動方向に関して、重ならないように配設さ
れるよう描かれているが、確実には、第17図に示すよう
に、接触ロツド66cの走行方向にそつて一列状に、互い
に独立した状態で配列されている。また、各第2の接触
端子φ2P2R2N2D2221は、接触ロツド66c
の摺動方向とは直交する方向に沿つて各々の端縁から一
旦側方に向けて延出した後、接触ロツド66cの摺動方向
に沿つて延出する接触ライン106a〜106fにより各々外方
に取り出されており、これら第2の接続ライン106a〜10
6fの各々の端部が第2の出力端子108a〜108fとして規定
されている。
一方、上述した接触ロツド66cは、スイツチ本体66が
回動された状態で、常時、給電端子φと接触する第1
の摺動ブラシ66c1と、第1の接触端子φに選択的に接
触する第2の摺動ブラシ66c2と、第2の接触端子φ2P,
φ2R2N2D2221に選択的に接触する第3の摺
動ブラシ66c3とを備えており、これら第1乃至第3の摺
動ブラシ66c1,66c2,66c3は、スイツチ本体66の回動に応
じて一体的に移動すると共に、接触ロツド66cの移動方
向に直交する方向に沿つて一列状に配列されている。
ここで、第2及び第3の摺動ブラシ66c2,66c3は、上
述した完全離間量(θ−θ)よりも小さく設定され
た直径を有する円形状に形成された接触端面(摺動面)
を備えるように夫々構成されている。また、第1の摺動
ブラシ66c1及び第2の摺動ブラシ66c2と、第1の摺動ブ
ラシ66c1と第3の摺動ブラシ66c3とは、夫々互いに電気
的に接続されている。
この結果、操作スイツチ18の操作、即ち、スイツチ本
体66の回動に伴ない、第1の出力端子104及び第2の出
力端子108a〜108fからは、第16図のタイミングチヤート
部分を示す波形の信号が出力されることになる。詳細に
は、第1の出力端子104からは、第2の接触ブラシ66c2
が絶縁部分に接触している間は「L」レベル信号が出力
され、第1の接触端子φに接触している間は、「H」
レベル信号が出力されている。また、各第2の出力端子
108a〜108fからは、第3の接触ブラシ66c3が絶縁部分に
接触している間は「L」レベル信号が出力され、対応す
る第2の接触端子φ2P2R2N2D2221に各
々接触している間は「H」レベル信号が出力されてい
る。
そして、この一実施例においては、第1の出力端子10
4からの「H」レベル信号と、第2の出力端子108a〜108
fの何れかからの「H」レベル信号とにより、操作スイ
ツチ18により現在設定される走行レンジを示すレンジ設
定信号が規定され、一方、第1の出力端子104からの
「L」レベル信号と、第2の出力端子108a〜108fからの
「L」レベル信号とにより、操作スイツチ18により走行
レンジの切り換え動作が開始された事を示す走行レンジ
切り換え信号が規定されている。
ここで、スイツチ本体66の回動により、次の走行レン
ジが設定される場合には、第1の出力端子104及び第2
の出力端子108a〜108fからは、以下に述べるような順序
で信号が出力されることになる。
即ち、現在、例えば、ニユートラルレンジ「N」が設
定された状態から、スイツチ本体66が正方向に回動され
た場合、第18A図に示すように、第1の出力端子104及び
第2の出力端子108cから「H」レベル信号が共に出力さ
れた状態から、先ず、ニユートラルレンジ「N」の第1
の接触端子φから第2の摺動ブラシ66c2が外れて、第
1の出力端子104の出力が「H」レベルから「L」レベ
ルに立ち下がり、引き続き、第3の摺動ブラシ66c3がニ
ユートラルレンジ「N」の第2の接触端子φ2Nから外れ
て、第2の出力端子108cの出力が「H」レベルから
「L」レベルに立ち下がる。このようにして、第1及び
第2の出力端子104,108a〜108fの何れからも「L」レベ
ル信号、即ち、走行レンジ切り換え信号が出力されるこ
とになる。
この後、正方向に隣接する前進ドライブレンジ「D」
の第1の接触端子φに第2の摺動ブラシ66c2が接触
し、第1の出力端子104の出力が「L」レベルから
「H」レベルに立ち上がり、引き続き、所定時間遅れた
状態で、前進ドライブレンジ「D」の第2の接触端子φ
2Dに第3の摺動ブラシ66c3が接触し、第2の出力端子10
8eの出力が「L」レベルから「H」レベルに立ち上がる
こととなる。即ち、前進ドライブレンジを示すレンジ設
定信号が出力されることになる。
一方、現在、例えば、前進ドライブレンジ「D」が設
定された状態から、スイツチ本体66が逆方向に回動され
た場合、第18B図に示すように、第1の出力端子104及び
第2の出力端子108dから「H」レベル信号が共に出力さ
れた状態から、先ず、前進ドライブレンジ「D」の第2
の接触端子φから第3の摺動ブラシ66c3が外れて、第
2の出力端子108dの出力が「H」レベルから「L」レベ
ルに立ち下がり、引き続き、第2の摺動ブラシ66c2が前
進ドライブレンジ「D」の第2の摺動端子φから外れ
て、第1の出力端子104の出力が「H」レベルから
「L」レベルに立ち下がる。このようにして、第1及び
第2の出力端子104,108a〜108fから何れも「L」レベル
信号、即ち、走行レンジ切り換え信号が出力されること
になる。
この後、逆方向に隣接するニユートラルレンジ「N」
の第2の接触端子φ2Nに第3の摺動ブラシ66c3が接触
し、第2の出力端子108cの出力が、「L」レベルから
「H」レベルに立ち上がり、引き続き、所定時間遅れた
状態で、ニユートラルレンジ「N」の第1の接触端子φ
に第2の摺動ブラシ66c2が接触し、第1の出力端子10
4の出力が、「L」レベルから「H」レベルに立ち上が
ることとなる。即ち、ニユートラルレンジを示すレンジ
設定信号が出力されることになる。
この結果、詳細は後述するが、制御ユニツト30は、第
1及び第2の出力端子104,108a〜108fからの出力レベル
の立ち上がる順序を監視し、第1の出力端子104からの
出力が先に立ち上がり、引き続き第2の出力端子108a〜
108fの何れかからの出力が立ち上がることを検出するこ
とにより、操作スイツチ18が正方向に操作されたことを
判別し、一方、第2の出力端子108a〜108fの何れかから
の出力が先に立ち上がり、引き続き第1の出力端子104
からの出力か立ち上がることを検出することにより、操
作スイツチ18が逆方向に操作されたことを判別するよう
構成されている。このようにして、操作スイツチ18の操
作に際して、制御ユニツト30は、その行き先(即ち、停
止目的位置)は当初不明ではあるが、少なくとも、操作
スイツチ18の操作方向が正方向であるか逆方向であるか
の認識することが出来ることになる。
また、この一実施例においては、第1の出力端子104
からの出力の立ち上がりと、第2の出力端子108a〜108f
の何れかからの出力の立ち上がりという2つの立ち上が
り信号に基づいて、操作スイツチ18の操作方向の正・逆
何れかの判断を行なうように構成されている。この結
果、単一の立ち上がり信号に基づき回転方向を判断する
場合と比較して、ノイズによる誤動作が発生に難くなる
効果が得られることになる。即ち、信号発生機構100か
らの信号は、この一実施例においては、接触端子と接触
ロツド66cとの接触・非接触動作に基づき変化する出力
により構成されるものであるが、このような接触状態の
変化に基づき信号が規定される場合には、ノイズが発生
する虞が多大にある。このようなノイズが立ち上がり信
号として認識されると、単一の立ち上がり信号に基づき
回転方向を判断する場合には、このノイズにより回転方
向が誤認識され、未だ操作スイツチ18が確定操作されて
いないにも拘らず自動変速機12において走行レンジの切
り換え動作が開始されてしまうことになる。しかしなが
ら、この一実施例においては、上述したように2つの立
ち上がり信号に基づき回転方向を認識しているので、ノ
イズによる誤動作の可能性が極めて軽減され、信頼性の
高い回転方向判別が行なわれることになる。
尚、第16図に示す符合aは、各々の走行レンジにおけ
る第1の接触端子φと第2の接触端子φとの共通延
出部分の範囲を示しており、その長さは、a=θ−2
×θで表されることになる。ここで、この範囲aで示
す領域に対応する接触ロツド66cが至る状態において、
上述したデイテント機構により、操作スイツチ18におい
ては、機械的に、走行レンジ設定位置が機械的に規定さ
れ、停止されるように設定されている。
次に、第17図を参照して、この操作スイツチ18と制御
ユニツ30との接触状態を説明する。
即ち、第1の接触端子φ用の出力端子104は、第1
のパルス発生回路110を介して第1のオアゲート回路112
の一方の入力端に接続されている。また、第2の接触端
子群φ2P〜φ21用の夫々の出力端子108a〜108fは、第2
のオアゲート回路114の入力端に夫々接続されており、
この第2のオアゲート回路114の出力端は、第2のパル
ス発生回路116を介して上述した第2のオアゲート回路1
12の他方の入力端に接続されている。ここで、第1及び
第2のパルス発生回路110,116は、入力信号の立ち下が
りに応じて、ワンパルスを出力するように夫々構成され
ている。また、第1のオアゲート回路112の出力端は、
制御ユニツト30における制御手段を実行するCPUの第1
のインタラプト端子INT1に接続されている。
一方、第1の接触端子φ用の出力端子104は、第3
のパルス発生回路118を介して第3のオアゲート回路120
の一方の入力端に接続されている。また、第2のオアゲ
ート回路114の出力端は、第4のパルス発生回路122を介
して上述した第3のオアゲート回路120の他方の入力端
に接続されている。ここで、第3及び第4のパルス発生
回路118,122は、入力信号の立ち上がりに応じて、ワン
パルスを出力するように夫々構成されている。また、第
3のオアゲート回路120の出力端は、制御ユニツト30に
おける制御手順を実行するCPUの第2のインタラプト端
子INT2に接続されている。
また、各第2の出力端子108a〜108fは、8×2のマル
チプレクサ回路124の一方の入力端子群に接続され、ま
た、第1の出力端子104と第2のオアゲート回路114の出
力端とは、このマルチプレクサ回路124の他方の入力群
端子に接続されている。ここで、このマルチプレクサ回
路124は、それの制御端子に「L」レベル信号が入力さ
れている場合には、一方の入力端子群に入力されている
信号をCPUの入力ポートに出力し、また、これの制御端
子に「H」レベル信号が入力されている場合には、他方
の入力端子群に入力されている信号をCPUの入力ポート
に出力するように構成されている。
ここで、このCPUには、リアルタイムカウンタRTCが接
続されている。このリアルタイムカウンタRTCは、4チ
ヤンネルに構成され、夫々のチヤンネルにおいて、対応
するタイマが起動されると、予め設定された時間がタイ
ムアツプすることにより、CPUに対してタイムアツプ信
号が出力されるように設定されている。そして、このCP
Uは4チヤンネルの何れかのタイマからタイムアツプ信
号が入力されることにより、フエイル状態と判定して、
所定のフエイルセイフ動作を実行するように設定されて
いる。尚、各チヤンネルにおけるタイマは、タイマリセ
ツト信号の入力により、カウントアツプ動作を停止し、
初期状態に復帰して待機するように構成されている。
また、このCPU22は、サーボアンプ126を介して駆動モ
ータ22に接続されており、このサーボアンプ126は、駆
動モータ22の回動方向を規定するデイレクシヨンラツチ
回路DIRと、駆動モータ22の駆動力を規定するエナーブ
ルラツチ回路ENAと、これらデイレクシヨンラツチ回路D
IRとエナーブルラツチ回路ENAの出力を増幅して駆動モ
ータ22に伝達する増幅器AMPとを備えている。このデイ
レクシヨンラツチ回路DIRは、ここに、「1」信号が入
力されることにより、駆動モータ22を正転駆動する正展
信号を出力し、「0」信号が入力されることにより、駆
動モータ22を逆転駆動する逆転信号を出力するように構
成されている。また、エナーブルラツチ回路ENAは、こ
こに、「1」信号が入力されることにより、所定電圧で
駆動モータ22を駆動する駆動信号を出力し、「0」信号
が入力されることにより、駆動モータ22に電圧に印加し
ないように設定されている。
尚、CPUは、後述する回転方向判別ルーチンにおい
て、操作スイツチ18の回転方向が判別され、この判別さ
れた回転方向に基づいて、駆動モータ22が回転駆動され
た後、操作スイツチ18において新に設定された走行レン
ジと、自動変速機12のインヒビタスイツチ32におけるイ
ンヒビタ信号が一致した時点で、駆動モータ22の回転駆
動を停止するように制御するルーチンをメインルーチン
として備えており、一方でCPUの第1または第2のイン
タラプト端子INT1,INT2にパルス信号が入力された時点
において、メインルーチンがインタラプトされ、第1及
び第2の割り込みルーチンを夫々別途割り込み実行する
ように構成されている。
次に、第19図乃至第27図を参照して、このCPUにおけ
る制御手順を説明する。
先ず、第19図を参照して、このCPUにおけるメインル
ーチンを説明する。
このメインルーチンにおいては、先ず、ステツプS10
において、インヒビタスイツチ32からのインヒビタ信号
(INH)に基づき、現在、自動変速機12において設定さ
れた走行レンジ(SRI)を読み込み動作する。そして、
ステツプS12において、マルチプレクサ回路MUXの制御端
子に「L」レベル信号を出力し、CPUの入力端子には、
これらの一方の入力端子に接続された信号、即ち、第2
の出力端子108a〜108fから出力された信号が入力される
ことになる。この後、ステツプS14において、第2の出
力端子108a〜108fからの信号に基づいて、現在、操作ス
イツチ18において設定されている走行レンジ(SRS)を
読み込み動作する。
そして、ステツプS16において、ステツプS10で読み込
んだ所の自動変速機12において設定された走行レンジ
(SRI)と、ステツプS14で読み込んだ所の操作スイツチ
18において設定されている走行レンジ(SRS)とが一致
するか否かが判断される。このステツプS16においてYES
と判断される場合、即ち、自動変速機12において設定さ
れた走行レンジ(SRI)と、操作スイツチ18において設
定されている走行レンジ(SRS)とが一致すると判断さ
れる場合には、駆動モータ22を駆動して自動変速機12の
走行レンジを切り換える必要が無いので、ステツプS18
において、操作スイツチ18が正方向に操作された事を示
すフラグF(正)をリセツトし、また、ステツプS20に
おいて、操作スイツチ18が逆方向に操作された事を示す
フラグF(逆)をリセツトし、ステツプS22において、
サーボアンプ126のエナーブルラツチ回路ENAに「0」信
号を出力する。この結果、駆動モータ22の駆動は停止さ
れることになる。
この後、ステツプS24において、第1のフエイル判定
動作を実行し、最初のステツプS10に復帰して、再び、
ステツプS10以下の手順を実行する。尚、このステツプS
24における第1のフエイル判定動作は、サブルーチンと
して後述する。
一方、上述したステツプS16において、NOと判断され
た場合、即ち、自動変速機12において設定された走行レ
ンジ(SRI)と、操作スイツチ18において設定されてい
る走行レンジ(SRS)とが一致しないと判断される場合
は、以下の状態で発生することになる。即ち、運転者が
走行レンジを切り換えるべく、操作スイツチ18を操作し
て、正方向または逆方向に隣接する次の走行レンジが新
に設定された場合、この新に設定された走行レンジは、
これの第1及び第2の出力端子104,108a〜108fの出力が
共に立ち上がつた時点で判断され、しかも、詳細は後述
するが、駆動モータ22の起動は、この両出力の立ち上が
りタイミングで規定されているので、必ず、SRIとSRS
が不一致状態となる。
このため、不一致状態が検出された後は、両者が1レ
ンジ分しか離れていない場合(即ち、操作スイツチ18が
隣りの走行レンジまでしか操作されなかつた場合)に
は、両者が一致するように駆動モータ22が駆動制御さ
れ、両者が1レンジ分以上離れた場合(即ち、操作スイ
ツチ18が隣りの走行レンジを越えて、更に遠くまで操作
された場合)には、操作スイツチ18により直前に設定さ
れた走行レンジに自動変速機12の走行レンジが設定され
るように駆動モータ22が制御されることになる。
即ち、スイツチS16でNOと判断された場合には、ステ
ツプS26において、監視範囲を規定するフラグF(監
視)が「1」であるか否かが判別される。ここで、監視
範囲とは、第18A図及び第18B図に示すように、互いに隣
接する走行レンジにおける最初の立ち下がり時点から、
最後の立ち上がり時点までで規定されている。そして、
このステツプS26においては、上述したように、操作ス
イツチ18が隣接する走行レンジ位置で停止している場合
には、既にステツプS16においてSRIとSRSとの不一致が
検出された後であるので、必ずNOが判断されることとな
り、一方、操作スイツチ18が隣接する走行レンジを越え
て更に操作された場合には、次の監視範囲に必ず突入し
ていることになるので、必然的に、YESが判断されるこ
ととなる。
ここで、このステツプS26においてNOと判断された場
合には、ステツプS28において、操作スイツチ18におけ
る正方向操作または逆方向操作が判別される。尚、この
操作スイツチ18における正・逆判別は、後述する第2の
割り込みルーチンにおいて第1及び第2の出力端子104,
108a〜108fの両方の出力が立ち上がつたタイミングで予
め実行された操作スイツチ18の操作方向判別ルーチンに
おいて判断された結果に基づいて行なわれている。
このステツプS28において、正方向と判断された場
合、即ち、フラグF(正)がセツトされていると判断さ
れる場合には、ステツプS30において、サーボアンプ126
のエナーブルラツチ回路ENAとデイレクシヨンラツチ回
路DIRとに共に「1」信号を出力する。この結果、駆動
モータ22は、正方向に駆動され、自動変速機12において
は、現在設定されている走行レンジから正方向に隣接す
る走行レンジへ切り換え動作が実行されることとなる。
一方、ステツプS28において、逆方向と判断された場
合、即ち、フラグF(逆)がセツトされていると判断さ
れる場合には、ステツプS32において、サーボアンプ126
のエナーブルラツチ回路ENAに「1」信号を、また、デ
イレクシヨンラツチ回路DIR「0」信号を出力する。こ
の結果、駆動モータ22は、逆方向に駆動され、自動変速
機12においては、現在設定されている走行レンジから逆
方向に隣接する走行レンジへの切り換え動作が実行され
ることとなる。
そして、ステツプS30またはステツプS32が実行される
と、ステツプS34において、第2のフエイル判定動作を
実行し、最初のステツプS10に復帰して、再び、ステツ
プS10以下の手順を実行する。尚、このステツプS34にお
ける第2のフエイル判定動作は、サブルーチンとして後
述する。
ここで、上述したステツプS10以下の手順を実行する
過程において、駆動モータ22の駆動に基づき、自動変速
機12で設定された走行レンジが、隣接する次の走行レン
ジに近づいてはいるが、未だ操作スイツチ18での設定走
行レンジ(SRS)とインヒビタスイツチ32に基づく走行
レンジ(SRI)とが一致しない場合には、ステツプS16に
おいてNOが判断され、ステツプS26、ステツプS28、ステ
ツプS30(または、ステツプS32)が継続して実行され、
引き続き駆動モータ22が駆動され続けることになる。
一方、自動変速機12での設定走行レンジが、隣接する
次の走行レンジが設定されると、操作スイツチ18での設
定走行レンジ(SRS)とインヒビタスイツチ32に基づく
走行レンジ(SRI)とが一致することとなり、この結
果、ステツプS16の判断がYESとなる。従つて、ステツプ
S18以下が実行され、駆動モータ22は、ステツプS22の実
行により停止されることとなる。
また、上述したステツプS26においてYESと判断された
場合、即ち、操作スイツチ18が隣接する走行レンジを飛
び越して、次の監視範囲に突入していると判断される場
合には、ステツプS36において、インヒビタスイツチ32
からのインヒビタ信号(INH)に基づき、現在、自動変
速機12において設定された走行レンジ(SRI)を読み込
む動作する。そして、ステツプS38において、操作スイ
ツチ18により直前に設定された走行レンジ(SRS-1)に
読み込む。即ち、走行レンジ(SRS-1)は、走行スイツ
チ18が突入した監視範囲の操作方向に関して直後方に位
置する走行レンジにより規定されるものである。そし
て、この走行レンジ(SRS-1)は、現在、自動変速機12
において設定されている走行レンジ(SRI)に隣接して
いるか否かは関係が無く、例えば、急速に操作スイツチ
18を操作した場合には、自動変速機12側の動作が相対的
に遅れて、2つの走行レンジ分以上離れてしまう場合も
発生することになる。
そして、ステツプS40において、ステツプS36で読み込
んだ所の、現在、自動変速機12において設定された走行
レンジ(SRI)と、ステツプS38で読み込んだ所の、操作
スイツチ18により直前に設定された走行レンジ(S
RS-1)との一致状態が判別される。このステツプS40に
おいてNOと判断される場合には、ステツプS28に飛び、
駆動モータ22が駆動され続け、YESと判断された場合、
即ち、現在、自動変速機12において設定された走行レン
ジ(SRI)と、操作スイツチ18により直前に設定された
走行レンジ(SRS-1)とが一致したと判断された場合に
は、ステツプS18に飛び、フラグF(正)とフラグF
(逆)を夫々リセツトした後、駆動モータ22の駆動を停
止する。
このようにして、操作スイツチ18が監視範囲内に位置
する限において、自動変速機12における走行レンジは、
操作スイツチ18が直前に設定した走行レンジ(SRS-1
に停止され、操作スイツチ18がこれから設定しようとす
る走行レンジに先走つて設定するような事態が確実に回
避されることになる。
即ち、この一実施例においては、後述するように、操
作スイツチ18の操作に素早く対応して自動変速機12の走
行レンジの切り換え動作を実行すべく、操作スイツチ18
における目標停止位置が定まらない状態において、操作
スイツチ18の操作方向のみを先に読み取り、この操作方
向に応じて駆動モータ22を起動させ、自動変速機12側に
おいて、切り換え動作を実行するように設定している。
この結果、上述した監視範囲においては駆動モータ22の
停止信号が出力されないので、仮に、この監視範囲で操
作スイツチ18が極めてゆつくりと操作された場合には、
駆動モータ22による走行レンジ切り換え速度の方が速く
なり、自動変速機12で設定される走行レンジが、操作ス
イツチで設定されている走行レンジよりも前方に追い越
した状態で設定され、制御不能状態に落入る可能性があ
る。
具体的には、例えば、操作スイツチ18がニユートラル
レンジ「N」を設定した状態から、前進ドライブレンジ
「D」を越えて、これと前進2速レンジ「2」との間に
位置する監視範囲まで素早く操作され、この監視範囲に
おいて、極めてゆつくりと操作された場合を想定する。
この場合には、前進ドライブレンジ「D」を通過した時
点で、CPUは駆動モータ22を正方向に回転されるよう駆
動信号を出力する。ここで、何等手段を講じないと、操
作スイツチ18が前進ドライブレンジ「D」と前進2速レ
ンジ「2」の間の監視範囲に留まつている間は停止条件
が成立しないので、この監視範囲に操作スイツチ18が位
置している間に、駆動モータ22は駆動を継続して、自動
変速機12において設定される走行レンジは、順次正方向
に切り換えられることとなる。
この結果、運転者が操作スイツチ18を前進2速レンジ
「2」で止めて、前進2速レンジ「2」に走行レンジを
切り換えることを意図したとしても、自動変速機12にお
いては、この前進2速レンジ「2」を通り越して、前進
1速レンジ「1」が設定されることになる。即ち、操作
スイツチ18において設定された走行レンジと、自動変速
機12で設定された走行レンジとが不一致となり、フエイ
ル状態が発生してしまうことになる。
しかしながら、上述したように、この一実施例におい
ては、操作スイツチ18が監視範囲内に位置する限におい
て、自動変速機12における走行レンジは、操作スイツチ
18が直前で設定した走行レンジに停止され、一時的にこ
の走行レンジに設定されることになるので、操作スイツ
チ18がこれから設定しようとする走行レンジに先立つた
状態で自動変速機12で走行レンジが設定されるような事
態が確実に回避されることになる。
そして、操作スイツチ18が監視範囲内を操作されてい
る間においては、ステツプS10,ステツプS12,ステツプS1
4を経て、ステツプS16でNOと判別され、また、ステツプ
S26でYESと判別され、ステツプS36,ステツプS38を経
て、ステツプS40でNOと判別され、ステツプS28,ステツ
プS30(または、ステツプS32),ステツプS34を経て、
ステツプS10に戻るループが実行されることになる。
尚、後述するが、操作スイツチ18がこの監視範囲内に長
時間居続けるよう操作スイツチ18を操作することは、極
めて異常な操作であるので、操作スイツチ18が監視範囲
内に居続ける時間が所定時間以上となつた場合には、第
4のフエイル状態が成立して、第4のフエイルセイフ動
作が実行されるよう設定されている。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、監視範囲を
外れて、次の走行レンジ設定位置に入り込むと、この時
点で、ステツプS16においてNOと判断され、上述したよ
うな操作スイツチ18が隣接する走行レンジに一つだけ切
り換え操作された場合と同様にして、ステツプS28,ステ
ツプS30(または、ステツプS32)が実行されて駆動モー
タ22が駆動され、この後、ステツプS34,ステツプS10、
ステツプS12,ステツプS24が実行され、ステツプS16が判
断されることになる。そして、自動変速機12における走
行レンジが追い着いた状態で操作スイツチ18により設定
された走行レンジにもたらされることにより、このステ
ツプS16においてYESが判断され、ステツプS18,ステツプ
S20,ステツプS22が実行されることにより、駆動モータ2
2は停止されることとなる。
以上詳述したように、このメインルーチンに示すよう
に、操作スイツチ18が停止した位置で設定された走行レ
ンジに、自動変速機12の走行レンジは確実に一致する状
態で設定されることになる。
次に、第20図を参照して、上述したメインルーチンが
実行されている間における第1の割り込みルーチンを説
明する。この第1の割り込みルーチンは、第17図におい
て、第1のインタラプト端子INT1にパルス信号が入力さ
れる毎に割り込み実行されるように設定されている。
即ち、操作スイツチ18が操作されて、現在設定されて
いる走行レンジから外れる方向に移動すると、その操作
方向が正方向であろうと逆方向であろうと、第1の出力
端子104からの出力(以下、単に第1の出力と呼ぶ)。
Φまたは第2のオアゲート回路114からの出力(以
下、単に第2の出力と呼ぶ。)Φにおいて、2回の立
ち下がり状態が発生することになる。即ち、各立ち下が
り状態が発生した時点で第1のオアゲート回路112から
各々パルス信号が出力されることとなり、操作スイツチ
18が現在設定された走行レンジから切り換えられる際に
は、この第1の割り込みルーチンが合計2回起動される
こととなる。
先ず1回目の第1の割り込みルーチンにおいては、ス
テツプS42において、マルチプレクサ回路MUXの制御端子
に「H」レベル信号を出力し、入力ポートに第1の出力
端子104からの出力及び第2のオアゲート回路114からの
出力が入力されるように設定する。そして、ステツプS4
4において、第1及び第1の出力Φ1を読み込む。
この後、ステツプS46において、ステツプS44での読み
込み結果に基づいて、第1及び第2の出力Φ1が共
に「L」レベルであるか否かが判別される。このステツ
プS46においては、第1のインタラプト端子INT1に最初
のパルス信号が入力された時点においては、第1及び第
2の出力Φ1の一方は「L」レベルに立ち下がつて
はいるが、他方は依然として「H」レベルに維持されて
いるので、必ず、NOが判別されることになる。
そして、ステツプS48において、リアルタイムカウン
タRTCの第1のタイマT1を起動する。ここで、この第1
のタイマT1には、操作スイツチ18が操作された場合に、
第1及び第2の出力Φ1の一方が「L」レベルに立
ち下がつた時点から両方が共に「L」レベルに至るまで
の許容される時間t1が予め設定されている。尚、この時
間t1をタイムアツプした状態で、第1のタイマT1は、CP
Uにタイムアツプ信号を出力し、CPUはこのタイムアツプ
信号を受けて、後述するように、第3のフエイルセイフ
ルーチンが割り込み実行されるよう設定されている。そ
して、ステツプS50において、操作スイツチ18が上述し
た監視範囲内にあることを示すフラグF(監視)をセツ
トして、メインルーチンにリターンする。
このように1回目の第1の割り込みルーチンにおいて
は、監視範囲の始点が規定され、また、第3のフエイル
設定動作として、操作スイツチ18の一方の出力Φ1
が「H」に留つている状態が維持されている時間のカウ
ントを第1のタイマT1で開始するように設定されてい
る。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、現在設定さ
れている走行レンジから完全に外れる方向に移動する
と、その操作方向が正方向であろうと逆方向であろう
と、第1の出力Φまたは第2の出力Φにおいて、2
回目の立ち下がり状態が発生することとなり、この時点
で第1のオアゲート回路112から2回目のパルス信号が
出力されることとなり、この第1の割り込みルーチンが
再び起動、即ち、2回目の第1の割り込みルーチンが起
動されることとなる。
ここで、この2回目の第1の割り込みルーチンにおい
ては、先ず、1回目と同様にステツプS42において、マ
ルチプレクサ回路MUXの制御端子に「H」レベル信号が
出力し、ステツプS44において、第1の出力Φ及び第
2の出力Φを読み込む。そして、ステツプS46におい
て、ステツプS44での読み込み結果に基づいて、第1及
び第2の出力Φ1とが共に「L」レベルであるか否
かが判断される。このステツプS46においては、第1の
インタラプト端子INT1に2回目のパルス信号が入力され
た時点においては、第1及び第2の出力Φ1は共に
「L」レベルに立ち下がつているので、必ず、YESが判
別されることになる。
そして、操作スイツチ18の一方の出力Φ1
「H」の状態から,既に共に「L」の状態が抜け出てい
るので、第3のフエイル判定が行なわれないようにする
ため、ステツプS52において、リアルタイムカウンタRTC
の第1のタイマT1をリセツトする。即ち、このように第
1のタイマT1をリセツトすることにより、第1のタイマ
T1はタイムカウント動作を停止し、初期状態に復帰する
ことになる。
この後、ステツプS54において、リアルタイムカウン
タRTCの第2のタイマT2を起動する。ここで、この第2
のタイマT2には、操作スイツチ18が操作されている場合
において、第1及び第2の出力Φ及びΦが共に
「L」レベル状態が維持されることが許容される時間t2
が予め設定されている。尚、この時間t2をタイムアツプ
した状態で、第2のタイマT2は、CPUにタイムアツプ信
号を出力し、CPUはこのタイムアツプ信号を受けて、後
述するように、第4のフエイルセイフルーチンが割り込
み実行されるよう設定されている。このようにステツプ
S54において第2のタイマT2を起動させた後に、メイン
ルーチンにリターンする。
即ち、この2回目の第1の割り込みルーチンにおいて
は、第1のタイマT1をリセツトして、操作スイツチ18の
一方の出力Φ1が「H」に留つている状態が維持さ
れている時間のカウントを停止すると共に、第4のフエ
イル判定動作として、操作スイツチ18の両出力Φ1
が共に「L」である状態が維持されている時間のカウン
トを第2のタイマT2で開始するように設定されている。
次に、第21図を参照して、上述したメインルーチンが
実行されている間における第2の割り込みルーチンを説
明する。この第2の割り込みルーチンは、第17図におい
て、第2のインタラプト端子INT2にパルス信号が入力さ
れる毎に割り込み実行されるように設定されている。
即ち、操作スイツチ18が操作されて、現在設定されて
いる走行レンジから外れる方向に移動して、隣接する走
行レンジに入り込もうとする時、その操作上方向が正方
向であろうと逆方向であろうと、第1の出力端子104か
らの出力Φまたは第2のオアゲート回路114からの出
力Φにおいて、2回の立ち上がり状態が発生するが、
各立ち上がり状態が発生した時点で、第3のオアゲート
回路120から各々パルス信号が出力されることとなる。
即ち、操作スイツチ18が現在設定されている走行レンジ
から隣接する走行レンジに切り換えられる際に、この第
2の割り込みルーチンが合計2回起動されることとな
る。
ここで、1回目の第2の割り込みルーチンにおいて
は、先ず、ステツプS56において、マルチプレクサ回路M
UXの制御端子に「H」レベル信号を出力し、入力ポート
に第1及び第2の出力Φ1が入力されるように設定
する。そして、ステツプS58において、第1及び第2の
出力Φ1を読み込む。
そして、引き続くステツプS60において、出力の変化
状態が判別される。ここで、この出力の変化状態は、第
1の出力Φが「H」,第2の出力Φが「L」となる
第1の変化態様と、第1の出力Φが「L」,第2の出
力Φが「H」になる第2の変化態様と、両出力Φ1
が共に「H」になる第3の壁換態様の3種類がある。
しかしながら、この第2の割り込みルーチンは、1回目
であるので、論理的に、第1及び第2の変化態様しか発
生し得ないものである。そして、このステツプS60にお
いて第1の変化態様と判定された場合には、2回目の割
り込みルーチンが起動された際において、操作スイツチ
18の操作方向が正方向であると判定されることを意味し
ているので、ステツプS62において、予備的に正方向を
規定するフラグF(T正)をセツトする。
この後、ステツプS64において、第2のタイマT2をリ
セツトする。即ち、この第2の割り込みルーチンが起動
されることは、少なくとも一方の出力Φ1が「H」
レベルに立ち上がつたことを意味しているので、両出力
Φ1が共に「L」である時間をカウントしている第
2のタイマT2をリセツトし、第4のフエイル判定動作が
行われないようにする。即ち、第2のタイマT2は、リセ
ツトされることによりタイムカウント動作を停止し、初
期状態に復帰することになる。そして、引き続くステツ
プS66において、リアルタイムカウンタRTCの第3のタイ
マT3を起動する。
ここで、この第3のタイマT3には、操作スイツチ18が
操作された場合に、Φ及びΦの一方が「H」レベル
に立ち上がつた時点から両方が共に「H」レベルに至る
までに許容される時間t3が予め設定されている。尚、こ
の時間t3をタイムアツプした状態で、第3のタイマT
3は、CPUにタイムアツプ信号を出力し、CPUはこのタイ
ムアツプ信号を受けて、後述するように、第5のフエイ
ルセイフルーチンが割り込み実行されるよう設定されて
いる。そして、このようにステツプS66で第3のタイマT
3を起動した後、メインルーチンにリターンする。
一方、上述したステツプS60において第2の変化態様
と判定された場合には、2回目の割り込みルーチンが起
動された際において、操作スイツチ18の操作方向が逆方
向であると判定されることを意味しているので、ステツ
プS68において、予備的に逆方向を規定するフラグF
(T逆)をセツトし、上述したステツプS64に飛び、ス
テツプS64及びステツプS66を順次実行してメインルーチ
ンにリターンする。
このように1回目の第2の割り込みルーチンにおいて
は、第5のフエイル判定動作として、操作スイツチ18の
一方の出力Φ1が「L」である状態が維持されてい
る時間のカウントを第3のタイマT3で開始するように設
定されている。
一方、操作スイツチ18が更に操作されて、次に設定さ
れる走行レンジに完全に入り込む方向に移動すると、そ
の操作方向が正方向であろうと逆方向であろうと、第1
の出力Φまたは第2の出力Φにおいて、2回目の立
ち上がり状態が発生することとなり、この時点で第3の
オアゲート回路120から2回目のパルス信号が出力され
ることとなり、この第2の割り込みルーチンが再び起
動、即ち、2回目の第2の割り込みルーチンが起動され
ることとなる。
ここで、この2回目の第2の割り込みルーチンにおい
ては、先ず、1回目と同様にステツプS56及びステツプS
58が順次実行され、ステツプS60においては、第3の変
化態様、即ち、両出力Φ1が共に「H」に立ち上が
つたことが判定される。この判定の成立は、操作スイツ
チ18が上述した監視範囲から抜け出したことを意味して
いるので、ステツプS70において監視範囲を規定するフ
ラグF(監視)をリセツトする。そして、引き続くステ
ツプS72において、操作スイツチ18の操作方向の正・逆
が判断される。
即ち、1回目の第2の割り込みルーチンで予備フラグ
F(T正)がセツトされている状態で、ステツプS60に
おいて第3の変化態様が判断された場合には、このステ
ツプS72において、操作スイツチ18の操作方向は正方向
であると判断され、ステツプS74において、操作スイツ
チ18の操作方向が正方向であることを示すフラグF
(正)をセツトし、ステツプS76において、逆方向であ
ることを示すフラグF(逆)をリセツトすると共に、ス
テツプS78において、予備フラグF(T正)をリセツト
する。
この後、上述したステツプS60において、両出力Φ1,
Φが共に「H」に変化したことが認識されたのである
から、第5のフエイル判定が行なわれないようにするた
め、ステツプS80において、リアルタイムカウンタRTCの
第3のタイマT3をリセツトする。即ち、このように第3
のタイマT3をリセツトすることにより、第3のタイマT3
はタイムカウント動作を停止し、初期状態に復帰するこ
とになる。そして、このステツプS80において、第3の
タイマT3をリセツトした後、メインルーチンにリターン
する。
一方、1回目の第2の割り込みルーチンで予備フラグ
F(T逆)がセツトされている状態で、ステツプS60に
おいて第3の変化態様が判断された場合には、上述した
ステツプS72において、操作スイツチ18の操作方向は逆
方向であると判断され、ステツプS82において、操作ス
イツチ18の操作方向が逆方向であることを示すフラグF
(逆)をセツトし、ステツプS84において、正方向であ
ることを示すフラグF(正)をリセツトすると共に、ス
テツプS86において、予備フラグF(T逆)にリセツト
する。
この後、上述したステツプS80に飛んで、リアルタイ
ムカウンタRTCの第3のタイマT3をリセツトする。即
ち、このように第3のタイマT3をリセツトした後、メイ
ンルーチンにリターンする。
このようにして、2回目の第2の割り込みルーチンに
おいては、第3のタイマT3をリセツトして操作スイツチ
18の一方の出力Φ1が「L」である状態が維持され
ている時間のカウントを停止すると共に、操作スイツチ
18の操作方向が正・逆何れであるかを規定している。こ
の結果、先にメインルーチンのステツプS28において説
明したように、操作スイツチ18の操作における最終目的
位置(走行レンジ)が判明していない状態であつても、
少なくとも、この操作スイツチ18の操作方向が判明した
として、目的の走行レンジが不明の状態で、先ず、操作
スイツチ18の操作方向に応じて、駆動モータ22を起動し
て、移動変速機12における走行レンジの切り換え動作を
開始する制御が実行されることになる。
この結果、この一実施例においては、操作スイツチ18
を急速に操作したとしても、この急速な操作に追従した
状態で、自動変速機12においても走行レンジの切り換え
動作が開始され、運転者の走行レンジの切り換え動作に
レスポンス良く反応した所の自動変速機12における実際
の走行レンジの切り換え動作が達成されることになる。
次に、上述したメインルーチンで説明したステツプS2
4における第1のフエイル判定のサブルーチンを第22図
を参照して説明する。この第1のフエイル判定において
は、駆動モータ22の停止状態が理論的に達成された後に
おいて、その停止時における振動状態が収束するに要す
る時間や、許容し得るオーバーシユートやアンダーシユ
ートが、上述したデイテント機構により、機械的に補正
されるのに要する時間を充分に見込んだ時間t4を設定し
たとしても、その制定時間t4を越えて、駆動モータ22が
動作し続けいる場合には、異常状態が発生したとして、
フエイル判定するように設定されている。
即ち、メインルーチンにおいてステツプS22が実行し
終えると、第22図に示すように、先ず、ステツプS24Aに
おいて、停止状態の発生を示すフラグF(停止)がセツ
トされているか否かが判別される。このステツプS24Aが
最初に判別される状態においては、予めこのフラグFF
(停止)はセツトされていないので、必ずNOと判断され
る。そして、ステツプS24Bにおいて、このフラグ(停
止)がセツトさえ、ステツプS24Cにおいて、リアルタイ
ムカウンタRTCの第4のタイマT4を起動する。
ここで、この第4のタイマT4には、上述した所定時間
t4が予め設定されている。尚、この時間t4をタイムアツ
プした状態で、第3のタイマT4は、CPUにタイムアツプ
信号を出力し、CPUはこのタイムアツプ信号を受けて、
後述するように、第1のフエイルセイフルーチンが割り
込み実行されるよう設定されている。そして、このよう
にステツプS24Cで第4のタイマT4を起動した後、メイン
ルーチンにリターンする。
一方、この第1のフエイル判定サブルーチンが2回目
以降実行される際においては、最初のサブルーチンにお
けるステツプS24Bにおいて、フラグF(停止)がセツト
されているので、上述したステツプS24Aにおいて、NOが
判断されることになる。そして、このステツプS24Aにお
いてNOが判断されると、ステツプS24Dにおいて、駆動モ
ータ22が動作しているか否かが判断される。この判断
は、例えば、駆動モータ22に取り付けられたエンコーダ
36の出力を検出することにより行なわれることになる。
このステツプS24DにおいてYESと判断される場合、即
ち、駆動モータ22が動作し続けていると判断される場合
には、第4のタイマT4はリセツトされることなく、メイ
ンルーチンにリターンする。一方、ステツプS24Dにおい
てNOと判断される場合、即ち、駆動モータ22の動作が停
止していると判断される場合には、第1のフエイル判定
を停止させるために、ステツプS24Eにおいて、第4のタ
イマT4をリセツトする。即ち、このように第4のタイマ
T4をリセツトすることにより、第4のタイマT4はタイム
カウント動作を停止し、初期状態を復帰することにな
る。そして、このステツプS24Eにおいて、第4のタイマ
T4をリセツトした後、メインルーチンにリターンする。
このように、第1のフエイル判定のサブルーチンを構
成しているので、上述した設定時間t4を越えて、駆動モ
ータ22が動作し続けている場合、即ち、ステツプS24Eが
実行されないと、第4のタイマT4からカウントアツプ信
号がCPUに出力され、CPUはフエイル判定することにな
る。
次に、上述したメインルーチンで説明したステツプS3
4における第2のフエイル判定のサブルーチンを第23図
を参照して説明する。この第2のフエイル判定において
は、上述した第2の割り込みルーチンにおける操作スイ
ツチ18の操作方向判別ルーチンにおいて判別された操作
スイツチ18の操作方向と、実際に駆動モータ22が駆動し
ている方向とが不一致である場合には、異常状態が発生
したとして、フエイル判定するように設定されている。
即ち、上述したメインルーチンにおいてステツプS30
またはステツプS32が実行されると、先ず、ステツプS34
Aにおいて、駆動モータ34のエンコーダ36の出力状態が
読み込まれ、ステツプS34Bにおいて、読み込まれたエン
コーダ36の出力に基づき、駆動モータ22の回転方向が判
別される。そして、ステツプS34Cにおいて、この駆動モ
ータ22の回転方向が正方向であると判断される場合に
は、ステツプS34Dにおいて、操作スイツチ18の操作方向
が正方向であることを示すフラグF(正)がセツトされ
ているか否かが判別される。
このステツプS34Dにおいて、YESと判断される場合、
即ち、駆動モータ22の回転方向も、操作スイツチ18の操
作方向も共に正方向であると判断される場合には、何等
問題がないので、メインルーチンにリターンする。一
方、ステツプS34Dにおいて、NOと判断される場合、即
ち、駆動モータ22の回転方向が正方向であるものの、操
作スイツチ18の操作方向が逆方向であり、両者が不一致
であると判断される場合には、異常状態が発生している
と判断され、ステツプS34Eにおいて、第2のフエイルセ
イフ動作を実行して、ステツプS34Fにおいて警報動作を
実行して、運転者にフエイル状態が発生し、このフエイ
ル状態に基づきフエイルセイフ動作が実行されているこ
とを報知し、メインルーチンにリターンする。
一方、上述したステツプS34Cにおいて、この駆動モー
タ22の回転方向が逆方向であると判断される場合には、
ステツプS34Fにおいて、操作スイツチ18の操作方向が逆
方向であることを示すフラグF(逆)がセツトされてい
るか否かが判別される。
このステツプS34Fにおいて、YESと判断される場合、
即ち、駆動モータ22の回転方向も、操作スイツチ18の操
作方向も共に逆方向であると判断される場合には、何等
問題がないので、メインルーチンにリターンする。一
方、ステツプS34Fにおいて、NOと判断される場合、即
ち、駆動モータ22の回転方向が逆方向であるものの、操
作スイツチ18の操作方向が正方向であり、両者が不一致
であると判断される場合には、異常状態が発生している
と判断され、上述したステツプS34Eに飛び、フエイルセ
イフ動作を実行して、メインルーチンにリターンする。
次に、第24図乃至第27図を参照して、第1及び第3乃
至第5のフエイルセイフ制御について説明する。
先ず、第20図を参照して第1の割り込みルーチンにお
いて説明したように、操作スイツチ18が操作され、現在
設定されている走行レンジが切り換えられる際には、必
ず、第1及び第2の出力Φ1が共に「H」である状
態から、一方が「L」である状態を通過することになる
が、この一方の出力Φ1が「L」になつてから第1
のタイマT1がリセツトされずに、所定時間t1が経過した
場合、即ち、操作スイツチ18が一方の出力Φ1から
「L」を出力するような不安定な位置に所定時間t1以上
保持されている場合には、異常な操作が行なわれてい
る。または、出力状態が異常であり、第3のフエイル状
態が発生したことを意味することになる。
従つて、所定時間t1が経過した時点で、第1のタイマ
T1はCPUに向けてタイムアツプ信号を出力し、CPUはこの
タイムアツプ信号を受けて、第1のタイマ割り込みルー
チンが起動される。この第1のタイマ割り込みルーチン
は、第124図に示すように、先ず、ステツプS88におい
て、フエイルセイフ動作を実行し、ステツプS90におい
て、警報動作を実行して、運転者にフエイル状態が発生
し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作が実
行されていることを報知し、メインルーチンにリターン
する。
一方、第20図及び第21図を参照して第1及び第2の割
り込みルーチンに渡り説明したように、操作スイツチ18
が操作され、次に設定される走行レンジに切り換えられ
るまでに、必ず、第1及び第2の出力Φ1が共に
「L」である状態が発生するが、この両方の出力Φ1
が共に「L」になつてから第2のタイマT2がリセツト
されずに、所定時間t2が経過した場合、即ち、操作スイ
ツチ18が両方の出力Φ1から「L」を出力するよう
な不安定の位置に所定時間t1以上保持されている場合に
は、異常な操作が行なわれている、または、出力状態が
異常であり、第4のフェイル状態が発生したことを意味
することになる。
従つて、所定時間t2が経過した時点で、第2のタイマ
T2はCPUに向けてタイムアツプ信号を出力し、CPUはこの
タイムアツプ信号を受けて、第2のタイマ割り込みルー
チンが起動される。この第2のタイマ割り込みルーチン
は、第25図に示すように、先ず、ステツプS92におい
て、フエイルセイフ動作を実行し、ステツプS94におい
て、警報動作を実行して、運転者にフエイル状態が発生
し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作が実
行されていることを報知し、メインルーチンにリターン
する。
また、第21図を参照して第2の割り込みルーチンにお
いて説明したように、操作スイツチ18が操作され、現在
設定されている走行レンジから次の走行レンジが切り換
え設定される際には、必ず、第1及び第2の出力Φ1
が共に「L」である状態から、一方が「H」である状
態を通過することになるが、この一方の出力Φ1
「H」になつてから第3のタイマT3がリセツトされず
に、所定時間t3が経過した場合、即ち、操作スイツチ18
が一方の出力Φ1から「H」を出力するような不安
定な位置に所定時間t3以上保持されている場合には、異
常な操作が行なわれている、または、出力状態で異常で
あり、第5のフエイル状態が発生したことを意味するこ
とになる。
従つて、所定の時間t3が経過した時点で、第3のタイ
マT3はCPUに向けてタイムアツプ信号を出力し、CPUはこ
のタイムアツプ信号を受けて、第3のタイマ割り込みル
ーチンが起動される。この第3のタイマ割り込みルーチ
ンは、第26図に示すように、先ず、ステツプS96におい
て、フエイルセイフ動作を実行し、ステツプS98におい
て、警報動作を実行して、運転者にフエイル状態が発生
し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作が実
行されていることを報知し、メインルーチンにリターン
する。
尚、これあ第1乃至第3のタイマT1,T2,T3で夫々設定
された所定時間t1,t2,t3は、その合計した値が、操作ス
イツチ18が監視範囲を通過するに許容される最大時間と
して規定されることになる。即ち、操作スイツチ18が監
視範囲に留まる状態が長時間に渡ると、操作スイツチ18
で設定される目標走行レンジが不明である状態が長時間
に渡ることを意味することになり、この結果、上述した
ように、操作スイツチ18が直前に通過した走行レンジ
に、自動変速機12の走行レンジは一時的に設定されるこ
とになる。しかしながら、この自動変速機12で一時的に
設定された走行レンジは、運転者が設定しようとする走
行レンジでは決して無いので、このような運転者の意図
していない走行レンジへの設定状態は、例え一時的では
あるものの、極力避けなければならない。このような観
点から、所定時間t1,t2,t3の合計した値は所定の値に制
限されるように設定されている。
最後に、第22図を参照して上述したように、論理的に
駆動モータ22の停止条件が成立した後において、第4の
タイマT4がリセツトされずに、所定時間t4が経過した場
合、即ち、駆動モータ22が論理的に停止したはずなの
に、所定時間t4を越えて尚、実際に動作し続けている場
合には、第1のフエイル状態が発生したことを意味する
ことになる。
従つて、所定時間t4が経過した時点で、第4のタイマ
T4からCPUに向けてタイムアツプ信号を出力し、CPUはこ
のタイムアツプ信号を受けて、第4のタイマ割り込みル
ーチンが起動される。この第4のタイマ割り込みルーチ
ンは、第27図に示すように、先ず、ステツプS100におい
て、フエイルセイフ動作を実行し、ステツプS102におい
て、警報動作を実行し、運転者にフエイル状態が発生
し、このフエイル状態に基づきフエイルセイフ動作が実
行されていることを報知し、メインルーチンにリターン
する。
尚、この一実施例においては、上述した第1乃至第5
のフエイルセイフ動作は、共に、駆動モータ22への電源
供給カツトにより達成されるように設定されている。こ
こで、運転者は、このようにフエイルセイフ動作が実行
された後において、フエイルセイフ状態を解除して、再
び、自動車を走行させたい場合には、先ず、運転者は、
IGスイツチをオフし、その後、IBスイツチを再オン動作
することにより、CPUは初期状態に復帰するので、自動
的にフエイルセイフ状態も解消されることになる。
この復帰状態で自動車を走行させ、操作スイツチ18を
操作して走行レンジの切り換え動作を実行した場合に、
再度フエイルセイフ動作が実行された場合には、操作ス
イツチ18を介しての走行レンジの切り換え動作は不可能
となる。この場合には、カウルパネルロア54に配設した
蓋部材54Aを取り外し、手動駆動機構38を露出させ、切
り換えレバー50を制御位置から切断位置に回動して、ク
ラツチ機構34を切断状態とすると共に、レンチ48を回動
板40の嵌合穴40aに嵌合させ、このレンチ48を介して回
動板40を回動して、任意の走行レンジを設定することに
より、自動変速機12での走行レンジを手動により切り換
え動作することが出来ることになる。
ここで、上述したCPUにおけるメインルーチンにおい
て、現在切り換えられつつある自動変速機12における走
行レンジを、操作スイツチ18により設定された目標走行
レンジ位置に正確に位置決め停止されるために、この一
実施例においては、次のように構成されている。
即ち、先ず、操作スイツチ18における目標走行レンジ
の設定は、走行レンジ位置で停止した操作スイツチの停
止時間を監視し、この停止時間が所定時間以上となつた
時点で、この停止した位置の走行レンジが目標走行レン
ジであると判別する。そして、この判別された目標走行
レンジが、現在、自動変速機12において設定されている
走行レンジを2レンジ以上離れている場合には、目標走
行レンジよりも1レンジだけ手前側の走行レンジを示す
信号がインヒビタスイツチ32から出力された時点で、駆
動モータ22を所謂チヨツピング制御して、駆動モータ22
への通電時間をパルス的に短くすることにより実質的に
減速させ、上述したデイテント機構76の他、手動駆動機
構38におけるデイテント機構(図示せず)やインヒビタ
スイツチ32自身に備えられたデイテント機構(図示せ
ず)により、機械的に拘束された状態で、目標走行レン
ジに正確に停止して、保持されるよう設定されている。
このように駆動モータ22を制御して、自動変速機12に
おける走行レンジが操作スイツチ18により設定された走
行レンジに正確に一致するように設定されているが、種
々の条件により、駆動モータ22におけるオーバシユート
またはアンダーシユートが発生し、自動変速機12におけ
る走行レンジが正確に規定されない事態が発生する虞が
ある。
このような駆動モータ22におけるオーバシユートやア
ンダーシユートの発生は、駆動モータ22に接続されたポ
テンシヨメータの出力に基づき検出されており、また、
そのオーバシユート量及びアンダーシユート量も測定さ
れている。そして、このようなオーバシユートやアンダ
ーシユートの発生が検出された場合には、そのオーバシ
ユート量及びアンダーシユート量に比例して設定された
通電時間だけ、オーバシユートした場合には、今までの
回転方向とは反対側の方向に回転するように駆動モータ
22に通電され、一方、アンダーシユートした場合には、
今までの回転方向と同一方向に回転するように駆動モー
タ22に通電されるよう設定されている。
このようにして、この一実施例においては、仮に、オ
ーバーシユートやアンダーシユートが発生したとして
も、その位置偏倚は確実に治癒されることとなり、正確
に位置決め状態が達成されることになる。
尚、この治癒動作に時間が掛り過ぎたり、治癒出来る
範囲を越えてオーバシユート及びアンダーシユートが発
生した場合には、論理的に停止条件が成立した後におい
て、尚、駆動モータ22が駆動され続けることになるの
で、上述した第1のフェイル判定がなされることにな
る。
また、この一実施例においては、インヒビタスイツチ
32において、所定幅を有するインヒビタ接点をインヒビ
タ摺動端子が通過して、両者が接触している間、インヒ
ビタ信号を出力するように構成されている。ここで、こ
のインヒビタ摺動端子がインヒビタ接点に接触し始めた
時点における、ポテンシヨンメータの原点位置からの距
離をL1と規定し、インヒビタ摺動端子がインヒビタ接点
から外れる時点における、ポテンシヨンメータの原点位
置からの距離をL2と規定し、インヒビタスイツチ32にお
ける各走行レンジを規定する停止位置までのポテンシヨ
ンメータの原点位置からの距離をL0とすると、この距離
L0は、 となるように、各インヒビタ接点をインヒビタ摺動端子
が通過する毎に補正・設定している。
この結果、駆動モータ22とポテンシヨンメータとの間
に相対位置の変化が発生したとしても、常時、各走行レ
ンジを規定する停止位置は演算・更新されているので、
正確に位置決め動作が達成されることになる。
また、この一実施例のCPUにおいては、操作スイツチ1
8が操作され始め、この操作スイツチ18により設定され
た走行レンジが、自動変速機12における走行レンジ、即
ち、インヒビタスイツチ32からのインヒビタ信号に基づ
く走行レンジよりも1レンジ分以上離れた状態におい
て、操作スイツチ18が逆方向に操作された場合には、詳
細には、例えば、第1の出力Φが「L」から「H」に
立ち上がた後に、第2の出力Φが「L」から「H」に
立ち上がることが検出されることにより、操作スイツチ
18の正方向の操作が判別された状態において、次の立ち
上がり検出に際して、先ず、第2の出力Φが「L」か
ら「H」に立ち上がり、続いて、第1の出力Φ
「L」から「H」に立ち上がつた場合には、操作スイツ
チ18の逆転操作が判別されることになる。
このような操作スイツチ18の逆転操作が判別された場
合には、CPUは、この逆転検出を一旦無視し、駆動モー
タ22を逆転駆動させずに、現在の駆動方向を維持するよ
うに構成されている。
そして、このCPUは、操作スイツチ18により設定され
た走行レンジが、インヒビタスイツチ32から出力される
インヒビタ信号に基づき規定される走行レンジを越えた
場合、即ち、操作スイツチ18の操作位置が、自動変速機
速度12における操作位置と交わつて、反対側に抜け出た
場合において、初めて、上述した逆転指示に基づき、駆
動モータ22を逆転方向に駆動するように設定されてい
る。
このように構成することにより、操作スイツチ18によ
り設定された走行レンジ位置よりも自動変速機12におけ
る走行レンジ位置が先行した状態で設定されることが、
確実に防止され、良好な制御状態が維持されることにな
る。
この発明は、上述した一実施例の構成に限定されるこ
となく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可
能であることは言うまでもない。
例えば、上述した一実施例においては、操作スイツチ
18は、ロータリ式スイツチから構成されるように説明し
たが、この発明は、このような構成に限定されることな
く、第28図に第1の変形例として示すように、操作スイ
ツチ18′は、スライド式スイツチから構成され、このス
ライド式操作スイツチ18′は、傾斜した移動軸線Sに沿
つてスライド可能に取り付けられ、このスライド式操作
スイツチ18′の移動軸線は、図示するように上端を前方
に偏倚させた状態で斜めに設定され、パーキングレンジ
「P」及び後退レンジ「R」が上方前方に配置されてい
る。詳細には、ニユートラルレンジ「N」から前進1速
レンジ「1」までの走行レンジは、ステアリングホイー
ル56を握つた状態の左手の中指を伸ばして切り換え操作
することが出来るように、伸ばした中指の届く操作範囲
の内側に配設されるように設定され、一方、パーキング
レンジ「P」及び後退レンジ「R」は、上述した中指の
操作範囲の外側に配設されるように設定されている。
特に、この第1の変形例においても、ニユートラルレ
ンジ「N」と後退レンジ「R」との間の離間距離d2は、
ニユートラルレンジ「N」と前進ドライブレンジ「D」
との間を離間距離d1よりもかなり長く設定されている。
このようにして、上述した一実施例と同様に、左手がス
テアリングホイール56を握つた状態で、操作スイツチ18
においてパーキングレンジ「P」及び後退レンジ「R」
への切り換え動作が不可能となるように構成され、前進
走行中における後退動作やパーキング動作等、危険を伴
なうような誤動作が確実に防止されることとなる。
また、上述した一実施例においては、ステアリングフ
ラム58の左側面に配設された操作スイツチ18とワイパ操
作レバー62との相対位置関係は、第5図に示すように、
手前側下方に操作スイツチ18を、また、手前側上方にワ
イパ操作レバー62を夫々配設するように説明したが、、
この発明は、このような構成に限定されることなく、第
29図に第2の変形例として示すように、操作スイツチ18
はステアリングコラム58の左側面の手前側下方に配設す
ることは変らないが、ワイパ操作レバー62は向う側上方
に配設するように構成しても良い。このように第2の変
形例を構成することにより、少なくとも操作スイツチ18
を介して走行レンジの切り換え作業を実行している際
に、誤つてワイパ操作レバー62を操作してしまう虞が確
実に防止されることになる。
更に、上述した一実施例においては、ステアリングホ
イール56は、その略中立位置において、操作スイツチ18
の取付リング64の周面に描かれた走行レンジを示す英数
字である「N」,「D」,「2」を、運転席に着座した
運転者が正面を注視した状態において、見通すことが出
来るように、2時方向、6時方向、10時方向の3方向に
沿つて夫々延出するスポーク56a,56b,56cを備えるよう
に説明したが、この発明は、このような構成に限定され
ることなく、例えば、第30図に第3の変形例として示す
ように、このステアリングホイール56′は、3時方向及
び6時方向の2方向に沿つて夫々延出するスポーク56d,
56eを備えるように構成しても良い。このようにステア
リングホイール56′を構成することにより、このステア
リングホイール56′の空間部を通して、確実に操作スイ
ツチ18を見通すことが出来るようになる。
また、上述した一実施例においては、操作スイツチ18
において設定された走行レンジを示すための信号発生機
構100は、ステアリングコラム58の左側面に規定された
絶縁部分上に配設された接点群XP,XR,XN,XD,X2,X1と、
スイツチ本体66の外方フランジ部66aに固定され、スイ
ツチ本体66の回動動作に応じて、接点群XP,XR,XN,XD,
X2,X1に順次接触する接触ロツド66cとから構成されるよ
うに説明したが、この発明はこのような構成に限定れる
ことなく、第31図に第4の変形例として示すように構成
しても良い。
即ち、この第4の変形例としての信号発生機構100′
においては、第31図に示すように、外方フランジ部66a
がスリツト円板として薄板から形成されており、このス
リツト円板66aには、同心状に設定された4本の軌跡
ψ123が半径方向外方から内方に向けて順次
等間隔に規定されている。一方、各走行レンジに対応し
た半径上であつて、上述した4本の軌跡ψ123
との交点には、以下の表に示す態様で、スリツトが形
成されている。
尚、この表において、「0」で示される部分にはスリ
ツトが形成されておらず、また、「1」で示される部分
にはスリツトが形成されている。また、各走行レンジ
は、対応する第1乃至第3の軌跡ψ12における
「0」、「1」で表されるコードにより固有に規定され
るように設定されている。尚、この表から明らかなよう
に、このコードはグレイコードで表されている。
そして、この第4の変形例においては、各走行レンジ
において第1乃至第2の軌跡ψ12に形成された
スリツト列が、上述した一実施例における第2の接触端
子φ2P2R2N2D2221に各々対応するよう
に規定され、第4の軌跡ψにおけるスリツトが、上述
した一実施例における第1の接触端子φに対応するよ
うに規定されてる。即ち、第1乃至第3の軌跡ψ12,
ψに形成されたスリツト列を構成する各スリツトは、
第32図に示すように、読一中心角度を有する扇型に形成
され、且つ、各スリツトの前端及び後端は、各走行レン
ジ毎に、各々同一半径上に位置するように設定されてい
る。一方、第4の軌跡ψに形成された各スリツトは、
その中心角度を、第1乃至第3の軌跡ψ12が形
成されたスリツト列を構成する各スリツトの中心角度と
同一の扇型に形成されるものの、第1乃至第3の軌跡ψ
12に形成されたスリツト列を構成する各スリツ
トに対して、周方向に沿つて所定距離だけ同一方向(こ
の一実施例においては、反時計方向)にオフセツトする
ように設定されている。
また、第31図に示すように、スリツト円板66aに対向
したステアリングコラム58の左側面には、4つのフオト
カプラ128,130,132,134が、夫々第1乃至第4の軌跡
ψ123に対応した状態で、同一半径上を配設
されている。ここで、各フオトカプラ128,130,132,134
は、スリツト円板66aの対応する軌跡ψ123
に向けて光を放射する発光素子128a,130a,132a,134a
と、対応する128a,130a,132a,134aからの光であつて、
対応する軌跡ψ123上に形成されたスリツト
を透過してきた光のみを受光する受光素子128b,130b,13
2b,134bとから構成されている。
このように信号発生機構100′を第4の変形例に示す
ように光学式に構成することにより、上述した機械接触
式の信号発生機械100の場合と全く同様に動作すること
が出来ると共に、機械接触式の場合と比較して、接触開
始時期または接触終了時期におけるノイズの発生が無
く、信頼性の高い動作が達成されることになる。
また、上述した機械接触式の信号発生機構100におい
ても、各走行レンジを示す第2の接触端子φ2P2R
2N2D2221をグレイコード借した状態で構成す
ることも可能である。
また、上述した一実施例においては、フエイルセイフ
動作として、駆動モータ22への電源供給をカツトするよ
うに説明したが、この発明は、このような構成に限定さ
れることなく、例えば、自動変速機12の油圧バイブ16を
切り換えるための駆動モータとして、上述した駆動モー
タ22の他に、フエイルセイフ用の補助駆動モータを更に
備え、通常は、駆動モータ22により自動変速機12におけ
る走行レンジの切り換え動作を行なうように設定し、フ
エイル判断がなされた場合に、この駆動モータ22への電
源供給をカツトしつつ、補助駆動モータへ電源を供給し
た、自動変速機12をこの補助駆動モータにより駆動する
フエイルセイフ動作も考えられる。
このように2つの駆動モータを備える場合、セイフ判
断がなされた場合において、補助駆動モータは、操作ス
イツチ18における設定位置に拘らず、所定の走行レン
ジ、例えば、前進ドライブレンジ「D」に強制的に切り
換える動作を実行するようにハードウエアを備えるよう
にしても良いし、また、CPUをフエイルセイフ用に更に
備え(即ち、2CPU/2駆動モータタイプ)、メインのCPU
においてフエイル判断がなされた場合に、このフエイル
セイフ用のCPUにより、補助駆動モータを駆動制御する
ようなフエイルセイフ動作を実行するようにしても良
い。
また、上述した一実施例においては、フエイル判断
は、許容された所定時間t1,t2,t3,t4が夫々経過して
も、対応するタイマT1,T2,T3,T4がリセツトされなかつ
た場合及び、操作スイツチ18における操作方向と駆動モ
ータ22の回転方向が一致しなかつた場合に、夫々行なわ
れるように説明したが、この発明は、このようなフエイ
ル判断に限定されることなく、例えば、操作スイツチ18
において前進走行レンジ(即ち、前進ドライブレンジ
「D」、前進2速レンジ「2」、前進1速レンジ
「1」)が設定された状態において、自動変速機12のイ
ンヒビタスイツチ32から後退レンジ「R」を示す信号が
出力されている場合には、運転安全性の観点から極めて
好ましくない状態である。
具体的には、上述したように、この一実施例の制御に
おいては、操作スイツチ18が後退レンジ「R」とニユー
トラルレンジ「N」との間にある監視範囲内にある場合
には、操作スイツチ18が直前に通過した走行レンジであ
る後退レンジ「R」に、自動変速機12の走行レンジは一
時的に保持・設定されることになる。この後、操作スイ
ツチ18が急速に操作され、ニユートラルレンジ「N」を
越えて一気に前進ドライブレンジ「D」が設定された場
合に、例えば、駆動モータ22がロツクして自動変速機12
における走行レンジは後退レンジ「R」に固定されたま
まの状態が発生する虞がある。
このような状態において、フエイル判断がなされない
と、運転者は自身が前進走行レンジを設定しているの
で、自動変速機においても自身が設定した前進走行レン
ジが設定されているものと信じ、アクセルペダルを踏み
込むことになる。この結果、自動車は運転者の前進走行
の意志とは反して、後退動作を開始することになる。
このため、上述したように、操作スイツチ18において
前進走行レンジ(即ち、前進ドライブレンジ「D」、前
進2速レンジ「2」、前進1速レンジ「1」)が設定さ
れた状態において、自動変速機12のインヒビタスイツチ
32から後退レンジ「R」を示す信号が出力されている場
合には、フエイル判断がなされ、このフエイル判断に基
づくフエイルセイフ動作は、エンジンを切る動作を実行
させるように設定されている。このようにフエイルセイ
フ動作が実行されると、運転者は上述したように、手動
駆動機構38を介して、自動変速機12を手動により切り換
えて、エンジンを再始動した上で、自動車を走行させる
ことになる。
尚、このフエイルセイフ動作として、エンジンを切る
動作のみならず、自動変速機12における油圧系統から油
圧を全てダウンさせるような制御動作を実行するように
しても良い。この場合、通常、油圧がダウンすることに
より、油圧バルブ16は前進ドライブレンジ「D」が自動
的に(機械的に)設定・固定されるよう構成されてい
る。従つて、運転者はフエイルセイフ動作が実行された
後も、自動車を確実に走行させて、最寄の修理工場やサ
ービスステーシヨンに自動車を移動させることが出来る
ことになる。
また、上述した一実施例においては、操作スイツチ18
において設定された目標走行レンジに、自動変速機12の
走行レンジを正確に設定させるために、目標走行レンジ
の1つの手前の走行レンジを通過した時点から、駆動モ
ータ22をチヨツピング制御するように説明したが、この
発明は、このような構成に限定されることなく、例え
ば、目標走行レンジが確定した時点から、駆動モータ22
のチヨツピング制御を実行するようにしても良いし、ま
た、チヨツピング制御するのではなく、クラツチ機構34
を切断状態とし、駆動力が全く掛らない状態を達成する
ように達成しても良い。更に、操作スイツチ18で設定さ
れた走行レンジに自動変速機12における走行レンジが2
レンジ分だけ離れる状態まで追い着いた時点で、上述し
た駆動モータのチヨツピング制御を実行するように設定
しても良い。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば、運手者はスイ
ッチによる走行レンジの切り換え操作時に、指当接部に
指を当接させてスイッチの上下方向の動きを回動軸線ま
わりの動きに変換することで、両手をステアリングホイ
ールに掛けた状態で、このステアリングホイールに掛け
られた手の指による走行レンジの切り換え操作が軽くな
り、操作性が良くなると共に、精度良く走行レンジの切
り換え操作を行なうことができる。
また、ステアリングコラムに配設されたスライド式ス
イッチの移動軸線が、車体前後方向に沿って延設され、
その前端が後端に比べてステアリングホイールから遠い
位置になるよう上方に偏倚させた状態で斜めに設定され
ているので、ステアリングホイールの側縁部に手を掛け
たままの状態で、このステアリングホイールに掛けられ
た手の指による走行レンジの切り換え操作が容易となる
と共に、精度良く走行レンジの切り換え操作を行なうこ
とができる。
また、パーキングレンジ及び後退レンジが前進走行レ
ンジより車体前後方向に対して前方で、且つステアリン
グホイールに掛けられた手の指では届かない範囲に配置
されているので、前進走行レンジからパーキングレンジ
及び後退レンジへの誤ったレンジ切り換え操作を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係わる車両用自動変速機の操作装置
の一実施例が適用される電動式走行レンジ切換装置の構
成を概略的に示す構成図; 第2図は第1図に示す駆動モータを制御系の接続状態を
示す結線図; 第3図は車室内における操作スイツチ及び手動駆動機構
の配設位置を示す斜視図; 第4図は操作スイツチの配設状態を、運転席に着座した
運転者から見た状態で示す正面図; 第5図は操作スイツチの配設状態を左側方から見た状態
で示す側面図; 第6図は操作スイツチの外観構成を示す斜視図; 第7図は操作スイツチの内部構成を、ガイド溝の形成パ
ターンと共に示す断面図; 第8図は取付リングに形成されたガイド溝の深さ形状を
示す断面図; 第9図はガイドピンの押し込み状態を示す断面図; 第10図は走行レンジを切り換える際の、操作スイツチの
操作力の相違する状態を示す線図; 第11図及び第12図は、夫々、操作スイツチの配設状態を
示す斜視図及び側面図; 第13図は後退レンジの設定位置を説明する側面図; 第14図は運転者の左足の膝の立つた状態を説明する側面
図;そして、 第15図はテレスコピツク機構やチルト機構が作動した場
合におけるステアリングホイールと操作スイツチの位置
関係を示す側面図; 第16図は操作スイツチにおける信号発生機構の接点構造
を模式的に示す上面図; 第17図操作スイツチと制御ユニツトとの接続状態を具体
的に示す結線図; 第18A図は操作スイツチが正転した場合の第1及び第2
の出力端子からの出力レベルの変化順序を示すタイミン
グチヤート; 第18B図は操作スイツチが逆転した場合の第1及び第2
の出力端子からの出力レベルの変化順序を示すタイミン
グチヤート; 第19図はCPUにおけるメインルーチンの手順を示すフロ
ーチヤート; 第20図はCPUにおける第1の割り込みルーチンの手順を
示すフローチヤート; 第21図はCPUにおける第2の割り込みルーチンの手順を
示すフローチヤート; 第22図はCPUにおける第1のフエイル判定動作のサブル
ーチンの手順を示すフローチヤート; 第23図はCPUにおける第2のフエイル判定動作のサブル
ーチンの手順を示すフローチヤート; 第24図乃至第27図は、夫々、CPUにおける第1乃至第4
のタイマ割り込みルーチンの手順を示すフローチヤー
ト; 第28図はこの一実施例における操作スイツチの第1の変
形例の構成を示す斜視図; 第29図はこの一実施例における操作スイツチとワイパ操
作レバーとの相対配設位置の関する第2の変形例を示す
側面図; 第30図はこの一実施例におけるステアリングホイールの
第3の変形例を示す正面図; 第31図はこの一実施例における信号発生機構の第4の変
形例を示す斜視図;そして、 第32図は第31図に示すスリツト円板を取り出した状態で
示す正面図である。 図中、10……操作装置、12……自動変速機、14……エン
ジン、16……油圧バルブ、18;18′……操作スイツチ、2
0……電動式走行レンジ切換装置、22……駆動モータ、2
4……駆動軸、26……回転アーム、28……連結ワイヤ、3
0……制御ユニツト、32……インヒビタスイツチ、32a…
…旋回アーム、34……クラツチ機構、36……ロータリエ
ンコーダ、38……手動駆動機構、40……回動板、42……
ピニオンギヤ、44……ラツク部材、46……第1の補助連
結ワイヤ、48……レンチ、50……切り換えレバー、52…
…第2の補助ワイヤ、54……カウルパネルロア、54a…
…蓋部材、56;56′……ステアリングホイール、56a;56
b;56c:56d;56e……スポーク、58……ステアリングコラ
ム、60……方向指示レバー、62……ワイパ操作レバー、
64……取付リング、66……スイツチ本体、66a……外方
フランジ部、66b……軸部、66c……接触ロツド、66d…
…移動部、66e……透孔、66f……係止ナツト、66g……
コイルスプリング、66h……凹部、66i……目隠し板、68
……指操作部、70……押込み部、72……ホールドボタ
ン、74……モード切り換えボタン、76……デイテント機
構、761;762;76D;76N;76R;76P……デイテント穴、78…
…規制機構、80……ガイド溝、80a……直線溝部、80b…
…第1の横溝部、80c……斜線溝部、80d……第2の横溝
部、80e……第3の横溝部、80f……連結溝部、82……ガ
イドピン、82a……ピン本体、82b……外方フランジ部、
84……凹所、84a……第1の部分、84b……第2の部分、
86……係止リング、88……第1のコイルスプリング、90
……第2のコイルスプリング、92……アームレスト、94
……インスツルメントパネル、96……走行レンジインジ
ケータ、98……A/Tワーニングランプ、100……信号発生
機構、102……第1の接続ライン、102a……分岐接続ラ
イン、102b……主接続ライン、104……第1の出力端
子、106a〜106f……第2の接続ライン、108a〜108f……
第2の出力端子、110……第1のパルス発生回路、112…
…第1のオアゲート回路、114……第2のオアゲート回
路、116……第2のパルス発生回路、118……第3のパル
ス発生回路、120……第3のオアゲート回路、122……第
4のパルス発生回路、124……マルチプレクサ回路、126
……サーボアンプ、128;130;132;134…フオトカプラ、
「P」:「R」;「N」;「D」;「2」;「1」……
走行レンジ、A;B……握り位置、C……中心線、d1;d2
…離間距離、G……間隙、h1;h2;h3……深さ、l0……軸
線、l1;l2;l3;l4;l5……回動半径、SP;SR;Sn;SD;S2;S1
……インヒビタスイツチの接点、XP;XR;Xn;XD;X2;X1
…操作スイツチの接点、φ……給電端子、φ……第
1の接触端子、φPRnD2……第2の接
触端子、Φ……第1の出力、Φ……第2の出力、θ
12……中心角度である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 貴志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−101957(JP,A) 特開 昭58−136522(JP,A) 特開 昭59−40959(JP,A) 実開 昭62−63783(JP,U) 実開 昭61−29937(JP,U) 実開 昭64−35135(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 20/00 - 20/08 F16H 59/00 - 59/12 B60K 37/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動変速機の走行レンジを切り換えるため
    の油圧バルブを駆動するアクチュエータと、 このアクチュエータを制御する制御手段と、 この制御手段にレンジ切り換え指令を出力する変速操作
    手段とを備えた車両用自動変速機の操作装置において、 前記変速操作手段は、ステアリングコラムの側面に車幅
    方向に沿って延出する回動軸線まわりに回動可能に取り
    付けられたストローク接点式のスイッチを備え、 このスイッチは、ステアリングホイールの側縁部に手を
    掛けたままの状態で、このステアリングホイールに掛け
    られた手の指により、前記走行レンジを切り換え可能な
    状態で、ステアリングコラムに配設されていると共に、 前記指による走行レンジの切り換え操作時に該指と当接
    し、該スイッチの上下方向の動きを前記回動軸線まわり
    の動きに変換する指当接部を備えることを特徴とする車
    両用自動変速機の操作装置。
  2. 【請求項2】前記スイッチは、パーキングレンジ、後退
    レンジ、ニュートラルレンジ、前進ドライブレンジが順
    次規定された移動経路をストローク移動可能なスイッチ
    本体と、 前記指当接部として、このスイッチ本体から突出し、前
    記指に係合可能な指係合部とを備えてることを特徴とす
    る請求項1に記載の車両用自動変速機の操作装置。
  3. 【請求項3】前記スイッチにおいて、パーキングレンジ
    及び後退レンジは、ステアリングホイールに掛けられた
    手の指の操作可能範囲から外れた位置に前記指操作部が
    移動することにより設定されることを特徴とする請求項
    2に記載の車両用自動変速機の操作装置。
  4. 【請求項4】前記スイッチにおいて、ニュートラルレン
    ジは、ステアリングホイールに掛けた手の指の操作可能
    範囲内に前記指操作部が位置する状態で設定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用自動変速機の
    操作装置。
  5. 【請求項5】前記スイッチは、前記ステアリングコラム
    において、方向指示レバーが配設された側とは反対側の
    側面に配設されていることを特徴とする請求項1に記載
    の車両用自動変速機の操作装置。
  6. 【請求項6】自動変速機の走行レンジを切り換えるため
    の油圧バルブを駆動するアクチュエータと、 このアクチュエータを制御する制御手段と、 この制御手段にレンジ切り換え指令を出力する変速操作
    手段とを備えた車両用自動変速機の操作装置において、 前記変速操作手段は、ステアリングコラムの側面に車体
    前後方向に沿ってスライド可能に取り付けられたスライ
    ドスイッチを備え、 このスイッチは、ステアリングホイールの側縁部に手を
    掛けたままの状態で、このステアリングホイールに掛け
    られた手の指により、前記走行レンジを切り換え可能な
    状態で、ステアリングコラムに配設されていると共に、 このスライド式スイッチの移動軸線は、車体前後方向に
    沿って延設され、その前端が後端に比べてステアリング
    ホイールから遠い位置になるよう上方に偏倚させた状態
    で斜めに設定され、 パーキングレンジ及び後退レンジが前進ドライブレンジ
    より車体前後方向に対して前方で、且つステアリングホ
    イールに掛けられた手の指では届かない範囲に配置され
    ていることを特徴とする車両用自動変速機の操作装置。
  7. 【請求項7】前記スイッチは、前記ステアリングコラム
    において、方向指示レバーが配設された側とは反対側の
    側面に配設されていることを特徴とする請求項6に記載
    の車両用自動変速機の操作装置。
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