以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る景品取得ゲーム機1を図1および図2に示している。この景品取得ゲーム機1は、ゲーム機本体2と、ゲーム機本体2の上に配設されて内部に多種の景品GFが載置された景品室3とを主体に構成される。
景品室3は、前方および左右を透明板3aで囲まれており、前方および左右から景品室3内の景品GFを認識できるようになっている。なお、景品室3の後方は板部材3bで覆われている。図1に示すように、景品室3の内部には、景品GFが載置される複数の景品載置部4と、景品載置部4を前方へ引き出す引き出し手段5と、引き出し手段5を景品室3内で所望位置に移動させる移動装置6と、景品室3の底部前方に開口した景品落下口(図示せず)とが設けられている。
図1および図2に示すように、景品載置部4は景品室3内において略鉛直な平面内に複数配設されている。これにより、景品載置部4が傾斜して景品GFが前方へ落下する際に、落下する景品GFが他の景品載置部4に接触することを防止することができる。また、図2に示すように、景品室3の内部に景品載置部4として大きさの異なるものが種々配設されており、大きさの異なる景品を景品室3内に配置することができるようになっている。さらに、図3に示すように、同じ大きさの景品載置部104を景品室3の内部に複数配設することもでき、景品の大きさ(種類)によって景品載置部の大きさおよび配置を変更することができるようになっている。
ゲーム機本体2の前面部分には、ゲーム機本体2の内部で景品落下口(図示せず)と連通する景品取出口7と、引き出し手段5(移動装置6)を操作するための上下操作スイッチ8aおよび左右操作スイッチ8bと、コイン投入口9とが設けられている。図1に示すように、引き出し手段5、景品取出口7、各操作スイッチ8a,8bおよびコイン投入口9は、景品取得ゲーム機1の左右にそれぞれ設けられており、2人同時にゲームを行うことができるようになっている。なお、1人用の景品取得ゲーム機でもよく、3人(複数人)用の景品取得ゲーム機でもよい。
景品載置部4は、図4および図5に示すように、景品GFが載置されるトレイ141と、トレイ141の側部中央に取り付けられた左右の前輪42aと、トレイ141の側部後方に取り付けられた左右の後輪42bとを主体に構成され、景品室3に配設されたトレイ収容部31に前後方向へスライド移動可能に収容される。トレイ収容部31は、樹脂材料や金属材料を用いて、前方に開口した方形箱状に形成され、内部に景品載置部4が収容されるようになっている。そして、景品室3内で複数のトレイ収容部31を左右に並べ上方へ積み重ねて結合することにより、複数の景品載置部4が景品室3内において略鉛直な平面内に配設される。
トレイ収容部31の内側下部には、景品載置部4を支持する左右一対のガイドレール部材35が互いに対向して配設されている。ガイドレール部材35は、図4および図6に示すように、樹脂材料を用いて断面視コの字形に前後方向へ延びて形成され、景品載置部4を前後方向へスライド移動可能に支持するように構成される。
ガイドレール部材35の下部にはレール部36が形成されており、このレール部36の上を景品載置部4の前輪42aおよび後輪42bが転がるようになっている。ガイドレール部材35の上部には、レール部36と対向してガイド部37が形成されており、前輪42aおよび後輪42bの上方への移動、すなわち景品載置部4の上方への移動を規制するようになっている。なお、レール部36とガイド部37との間隔は、前輪42aおよび後輪42bの直径より若干大きくなっている。
ガイド部37の中央には逃げ部38が形成されており、図6の二点鎖線で示すように、景品載置部4が所定引き出し位置に達して前方へ揺動する際に、後輪42bが通過するようになっている。ガイドレール部材35の前端部にはストッパー部39が形成されており、景品載置部4が所定引き出し位置に達すると前輪42aが当接し、景品載置部4の前方への移動が規制されるようになっている。
さて、景品載置部4のトレイ141は、図4および図5に示すように、樹脂材料や金属材料を用いて、上方に開口した浅い箱状に形成され、景品GFが載置されるようになっている。トレイ141の底部には、トレイ141(景品載置部4)を傾斜可能な傾斜手段43が設けられている。傾斜手段43は、トレイ141の底部中央に枢結された板部材44と、トレイ141を板部材44に対して傾斜する方向へ付勢するねじりコイルバネ45とを備えて構成される。
板部材44は、樹脂材料や金属材料を用いて、一端が円弧状に曲げられた板状に形成され、他端側がトレイ141の底部中央に枢結されて、トレイ141が板部材44に対して揺動するようになっている。ねじりコイルバネ45は、トレイ141と板部材44との枢結部分に配設され、トレイ141を板部材44に対して前方へ傾斜する方向へ付勢するように構成される。そして、景品載置部4は、板部材44の一端がトレイ収容部31の底部に当接して、ねじりコイルバネ45の付勢力を受けた状態でトレイ収容部31内に収容され、景品載置部4が所定引き出し位置に達すると、図6に示すように、景品載置部4の後輪42bがガイドレール部材35の逃げ部38を通過して、景品載置部4が前方へ揺動するようになっている。
景品載置部4に構成されるトレイ141の前端部には、図4〜図6に示すように、可撓性を有するロッド部46と、ロッド部46の前端に吊り下げられた紐状部材47と、紐状部材47の下端部に設けられた目標部材48とが設けられている。なお、図5において、紐状部材47および目標部材48の記載は省略されている。ロッド部46は、板バネ等の金属材料や樹脂材料を用いて可撓性を有する円弧状に形成され、景品載置部4(トレイ141)と紐状部材47との間に跨って配設される。これにより、ロッド部46の長さや弾性率等(すなわち、撓みやすさ)を変更することにより、景品取得ゲーム機1における景品払出率の調整をより容易に行うことができる。
紐状部材47は、繊維材料(例えば、糸や布等)や皮革材料、樹脂材料(例えば、ナイロン)および金属材料(例えば、鎖状部材やキーチェーン)等を用いて紐状に形成され、ロッド部46の前端に吊り下げられる。目標部材48は、金属材料や樹脂材料を用いて左右方向へ延びる円柱状に形成され、(目標部材48が)略水平状態となるように目標部材48の胴部中央が紐状部材47の下端部に連結される。
引き出し手段5は、図7に示すように、装置本体部51と、装置本体部51に伸縮自在に設けられたアーム部52と、アーム部52の先端に設けられた係止部53と、アーム部52を伸縮させるアーム伸縮装置55とを主体に構成される。装置本体部51は、移動装置6に構成されるガイドレール61に取り付けられており、内部にアーム伸縮装置55が配設されている。アーム部52は、いわゆる入れ子式の構造であり、基端部が装置本体部51に結合されて前後方向へ伸縮自在に構成される。係止部53は、図8に示すように、目標部材48に係止可能な2本の爪を有する鋤状に形成され、アーム部52(先端アーム52a)の先端に結合される。これにより、係止部53の構造を簡潔にすることができる。
アーム伸縮装置55は、アーム部52の先端アーム52aに連結された押出部材56と、押出部材56が巻き取られたリール57と、リール57を回転駆動(正逆転駆動)するリールモータ(図示せず)とを備えて構成される。押出部材56は、詳細図示しないが、金属線材を用いて長尺コイルバネ形に形成されており、先端がアーム部52の先端アーム52aに連結されてリール57に巻き取られた状態で使用に供される。
そして、リールモータを正転(図7における反時計回りに)駆動させ、リール57から押出部材56を繰り出して(押出部材56と連結された)アーム部52の先端アーム52aを押し出すことにより、アーム部52を伸長させることができるようになっている。さらに、リールモータを反転(図7における時計回りに)駆動させ、リール57へ押出部材56を巻き取って(押出部材56と連結された)アーム部52の先端アーム52aを引っ張ることにより、アーム部52を縮小させることができるようになっている。このようにして、アーム伸縮装置55を用いてアーム部52を伸縮させることができる。
移動装置6は、図1に示すように、引き出し手段5が上下移動自在に取り付けられるガイドレール61と、ガイドレール61を左右へ移動させる左右移動装置62と、引き出し手段5を上下方向へ移動させる上下移動装置63(図7を参照)とを備えて構成される。ガイドレール61は、図1に示すように、景品室3の内側前部に上下方向へ延びて配設されており、景品室3内において左右方向へ移動自在に構成される。左右移動装置62は、図1に示すように、景品室3の内側前下部に配設されており、詳細図示しないが、左右に延びて巻き掛けられたベルト(図示せず)と、ベルトの一部とガイドレール61とを連結する連結部材(図示せず)と、ベルトを回転駆動するモータ(図示せず)とを主体に構成され、モータ駆動によるベルトの回転に伴って、ガイドレール61および引き出し手段5が左右へ移動するようになっている。
上下移動装置63は、図7に示すように、ガイドレール61の内側に配設されており、詳細図示しないが、上下に延びて巻き掛けられたベルト(図示せず)と、ベルトの一部と引き出し手段5の装置本体部51とを連結する連結部材(図示せず)と、ベルトを回転駆動するモータ(図示せず)とを主体に構成され、モータ駆動によるベルトの回転に伴って、引き出し手段5がガイドレール61に沿って上下方向へ移動するようになっている。そして、移動装置6に構成される左右移動装置62および上下移動装置63を組み合わせて作動させることにより、引き出し手段5を景品室3の前部内側において上下および左右方向へ移動させることができる。
このように構成される景品取得ゲーム機1において、遊技者がコイン投入口9に所定金額のコインを投入するとゲームが開始される。そこで、図1に示す左側の引き出し手段5を用いてゲームを行う場合について説明する。まず、引き出し手段5が移動装置6により景品室3内の左下部に設定された所定待機位置(図示せず)から上方へ移動し、引き出し手段5が上下方向における所望位置に達したときに上下操作スイッチ8aが操作される。そうすると、引き出し手段5が一旦停止したのち停止位置から右方へ移動し、引き出し手段5が左右方向における所望位置に達したときに左右操作スイッチ8bが操作される。このとき、引き出し手段5が左右方向(および上下方向)における所望位置で停止し、図9(a)に示すように、引き出し手段5に構成されるアーム部52が後方へ伸長する。
このようにして、引き出し手段5が左右方向および上下方向における所望位置まで移動すると、そこで引き出し手段5に構成されるアーム部52がアーム伸縮装置55の伸長作動により後方へ伸長する。そして、アーム部52が所定の長さまで伸長すると、アーム伸縮装置55の縮小作動によりアーム部52が元の長さまで(すなわち、前方へ)縮小する。このとき、アーム部52が所定の長さまで伸長した際に、アーム部52の先端に設けられた係止部53がうまく目標部材48に係止していた場合には、引き出し手段5に構成されるアーム部52が元の長さまで(すなわち、前方へ)縮小することにより、係止部53が目標部材48に係止した状態で、目標部材48および紐状部材47並びにロッド部46とともに景品載置部4(トレイ141)が前方へ引き出される。
さらに、図9(b)に示すように、景品載置部4を所定引き出し位置まで引き出すことができた場合には、景品載置部4の前輪42aがガイドレール部材35のストッパー部39に当接し、傾斜手段43に構成されるねじりコイルバネ45の付勢力を受けて、図9(c)に示すように、景品載置部4の後輪42bがガイドレール部材35の逃げ部38を通過して、景品載置部4(トレイ141)が傾斜手段43の板部材44に対し相対的に揺動することで前方へ傾斜し、景品載置部4に載置された景品GFは前方へ落下する。そうすると、景品GFは図示しない景品落下口に落下して景品取出口7から出てくることになり、遊技者は景品GFを獲得することができる。
これにより、引き出し手段5により景品載置部4を引き出しやすくしたり、あるいは引き出しにくくすることで、機構の介入を感じさせない簡易かつ自然な構造で、景品取得ゲーム機1における景品払出率の調整を容易に行うことができる。また、引き出し手段5を用いて景品載置部4を引き出すため、形態に囚われずに景品GFを使用することができる。さらに、紐状部材47の長さを調節したり、係止部53の形状や弾性率等を変更することにより、係止部53が目標部材48に係止する際の難易度を調整することができ、景品取得ゲーム機1における景品払出率の調整をより容易に行うことができる。
そして、引き出し手段5のアーム部52が元の長さまで縮小すると、係止部53は目標部材48から充分に離れて目標部材48に対する係止状態が確実に解除され、引き出し手段5が移動装置6により景品室3内の所定待機位置(図示せず)まで移動してゲームが終了する。また、景品載置部4が所定引き出し位置まで達する前に目標部材48が係止部53から外れた(係止状態が解除された)場合には、景品載置部4は目標部材48が係止部53から外れた所でとどまり、同様に、引き出し手段5のアーム部52が元の長さまで縮小すると、引き出し手段5が移動装置6により景品室3内の所定待機位置(図示せず)まで移動してゲームが終了する。さらに、係止部53がうまく目標部材48に係止しなかった場合には、景品載置部4はそのまま動かず、同様にしてゲームが終了する。
なお、図1に示す右側の引き出し手段5を用いてゲームを行う場合についても、同様の操作でゲームを行うことができる。このとき、引き出し手段5の(所定)待機位置は景品室3内の右下部に設定されることが好ましい。
以上に説明した景品取得ゲーム機1によれば、引き出し手段5を用いて景品載置部4を所定引き出し位置まで引き出すことができたとき、景品GFを取得することができるように構成されるため、引き出し手段5により景品載置部4を引き出しやすくしたり、あるいは引き出しにくくすることで、機構の介入を感じさせない簡易かつ自然な構造で、景品取得ゲーム機1における景品払出率の調整を容易に行うことができる。また、引き出し手段5を用いて景品載置部4を引き出すため、形態に囚われずに景品GFを使用することができる。
また、引き出し手段5の先端に設けられた係止部53が目標部材48に係止した状態で、引き出し手段5により目標部材48および紐状部材47とともに景品載置部4が引き出されるようにすることで、紐状部材47の長さを調節したり、係止部53の形状や弾性率等を変更することにより、係止部53が目標部材48に係止する際の難易度を調整することができ、景品取得ゲーム機1における景品払出率の調整をより容易に行うことができる。
さらに、景品載置部4と紐状部材47との間に跨って、可撓性を有するロッド部46が設けられることで、ロッド部46の長さや弾性率等(すなわち、撓みやすさ)を変更することにより、景品取得ゲーム機1における景品払出率の調整をより容易に行うことができる。
また、係止部53が目標部材48に係止可能な2本の爪を有して構成されることで、係止部53の構造を簡潔にすることができる。
さらに、景品載置部4が略鉛直な平面内に複数配設されることで、景品載置部4が傾斜して景品GFが前方へ落下する際に、落下する景品GFが他の景品載置部4に接触することを防止することができる。
次に、景品取得ゲーム機の第二実施形態について図10から図18を参照しながら説明する。なお、第二実施形態の景品取得ゲーム機110は、上述した第一実施形態の景品取得ゲーム機1における景品載置部4、引き出し手段5、および移動装置6の装置構成のみ異なり、他の装置構成は同様であるため同一部位に同一番号を付して重複説明を省略する。
第二実施形態の景品取得ゲーム機110は、第一実施形態の景品取得ゲーム機1と同様、図10に示すように、ゲーム機本体2と、景品室3とを主体に構成される。景品室3の内部には、景品GFが載置される複数の景品載置部140と、景品載置部140を前方へ引き出す引き出し手段150と、引き出し手段150を景品室3内で所望位置に移動させる移動装置160と、景品室3の底部前方に開口した景品落下口(図示せず)とが設けられる。
景品載置部140は、第一実施形態の景品取得ゲーム機1と同様に、景品室3内において略鉛直な平面内に複数配設される。これにより、景品載置部140が傾斜して景品GFが前方へ落下する際に、落下する景品GFが他の景品載置部140に接触することを防止することができる。なお、景品室3の内部に景品載置部140として大きさの異なるものを種々配設して、大きさの異なる景品を景品室3内に配置することもできる。
ゲーム機本体2の前面部分には、景品取出口7と、上下操作スイッチ8aおよび左右操作スイッチ8bと、コイン投入口9とが設けられる。また、引き出し手段150、景品取出口7、各操作スイッチ8a,8bおよびコイン投入口9は、景品取得ゲーム機110の左右にそれぞれ設けられており、2人同時にゲームを行うことができるようになっている。なお、第一実施形態の景品取得ゲーム機1と同様に、1人用の景品取得ゲーム機でもよく、3人(複数人)用の景品取得ゲーム機でもよい。
景品載置部140は、図11および図12に示すように、景品GFが載置されるトレイ141と、トレイ141が固定保持された第1トレイベース142と、第1トレイベース142が揺動可能に枢結された第2トレイベース146とを主体に構成され、景品室3の内部に配設されたトレイ収容部132(図11を参照)に前後方向へスライド移動可能に収容される。トレイ収容部132は、金属板材を用いて、切断、折り曲げ、溶接等の加工手段により樋状に形成され、景品室3の内部に配設された棚部131(図11を参照)に左右へ並ぶようにそれぞれ固定される。
図11に示すように、トレイ収容部132の左右下部には、第1レール部133が前後方向へ延びるように形成されており、第2トレイベース146に設けられた前輪147および後輪148の上方への移動、すなわち第2トレイベース146の上方への移動が規制されるようになっている。
また、トレイ収容部132の左右上部には、第2レール部135が前後方向へ延びるように形成されており、第1トレイベース142に設けられた第3ガイドローラ144の上方への移動、すなわち第1トレイベース142の上方への移動が規制されるようになっている。第2レール部135の前方には、ガイド部136が上下に延びて形成されており、このガイド部136と第2レール部135の前端に形成された折り曲げ部135aとの間に、第1トレイベース142の第3ガイドローラ144が通過可能なローラ通過部137が形成されるようになっている。
そして、図12の二点鎖線で示すように、景品載置部140が所定引き出し位置に達して前方へ揺動する際に、第1トレイベース142の第3ガイドローラ144がローラ通過部137を通過するようになっている。なおこのとき、第1トレイベース142の第1ガイドローラ143は、ガイド部136と棚部131との間隙部を通過してガイド部136の上部前面側に当接するようになっている(図12の二点鎖線を参照)。
さて、景品載置部140のトレイ141は、図11および図12に示すように、樹脂材料を用いて上方に開口した箱状に形成され、景品GFが載置されるようになっている。トレイ141の底部は、ネジ等の固定手段を用いて第1トレイベース142に固定されている。トレイ141の前端部には、図11および図12に示すように、トレイ141に連結されたロッド部181と、ロッド部181の前端に吊り下げられた紐状部材182と、紐状部材182の下端部に設けられた目標部材183とが設けられている。なお、図3において、紐状部材182および目標部材183の記載は省略されている。
ロッド部181は、金属材料や樹脂材料を用いて小径管状に形成され、景品載置部140(トレイ141)と紐状部材182との間に跨って配設される。紐状部材182は、繊維材料(例えば、糸や布等)や皮革材料、樹脂材料(例えば、ナイロン)および金属材料(例えば、鎖状部材やキーチェーン)等を用いて紐状に形成され、ロッド部181の前端に吊り下げられる。目標部材183は、金属材料や樹脂材料を用いてリング状に形成され、(目標部材183が)景品取得ゲーム機110の前面側に対向するように目標部材183の上端が紐状部材182の下端部に連結される。
トレイ141が固定保持される第1トレイベース142は、金属板材を用いて、切断、折り曲げ等の加工手段により、左右が下方へ折り曲げられた板状に形成される。第1トレイベース142の側部下方には、左右の第1ガイドローラ143が設けられており、トレイ収容部132の底部と第2レール部135との間を通過可能に構成されている。第1トレイベース142の側部後方には、左右の第3ガイドローラ144が設けられており、同様に、トレイ収容部132の底部と第2レール部135との間を通過可能に構成されている。また、図13に示すように、第1トレイベース142の中央部には、第1枢結部145が下方へ延びるように形成されており、枢結軸171を介して第2トレイベース146が枢結されるようになっている。
第2トレイベース146は、金属板材を用いて、切断、折り曲げ等の加工手段により、左右が下方へ折り曲げられた板状に形成され、第1トレイベース142の下面側にほぼ重なるように構成される。第2トレイベース146の側部下方には、左右の前輪147および後輪148が設けられており、トレイ収容部132の底部を転がり移動可能に構成されている。これにより、景品載置部140がトレイ収容部132内で前後方向へスライド移動可能となる。また、図13に示すように、第2トレイベース146の側部前方に延びて、第1トレイベース142の第1枢結部145と枢結される第2枢結部149が形成されている。
また、枢結軸171には、トレイ141(景品載置部140)を傾斜可能な傾斜手段172が設けられている。傾斜手段172は、第1枢結部145に枢結された揺動部材172aと、揺動部材172aの後端部に連結された摺接部材172bと、トレイ141および第1トレイベース142を揺動部材172aに対し傾斜する方向へ付勢する傾斜付勢バネ173とを有して構成される。
揺動部材172aは、金属板材を用いて左右前部が上方へ折り曲げられた板状に形成され、前端部が枢結軸171を介して第1枢結部145に枢結されて、トレイ141および第1トレイベース142が揺動部材172aに対して揺動するようになっている。摺接部材172bは、金属板材を用いて後部が下方へ折れ曲がり傾斜した薄板状に形成され、後端部がトレイ収容部132に設けられた摺接プレート177に摺接するようになっている。傾斜付勢バネ173は、枢結軸171に取り付けられたねじりコイルバネであり、トレイ141および第1トレイベース142を揺動部材172aに対して前方へ傾斜する方向へ付勢するように構成される。
景品載置部140は、摺接部材172bの後端がトレイ収容部132の底部に設けられた摺接プレート177に摺接して、トレイ141および第1トレイベース142が傾斜付勢バネ173の付勢力を受けた状態でトレイ収容部132内に収容される。そして、景品載置部140が所定引き出し位置に達すると、第1トレイベース142の第3ガイドローラ144がトレイ収容部132のローラ通過部137を通過するとともに、第1トレイベース142の第1ガイドローラ143がトレイ収容部132のガイド部136と棚部131との間隙部を通過して、トレイ141および第1トレイベース142、すなわち景品載置部140が前方へ揺動するようになっている。
ところで、トレイ収容部132の底部中央には、図13に示すように、前述した摺接プレート177と、摺接プレート177を支持するベースプレート175とが設けられている。ベースプレート175は、金属板材を用いて前後方向へ延びる板状に形成される。ベースプレート175には、複数の鋼球保持穴175a(図14を参照)が所定間隔をおいて形成されており、この鋼球保持穴175aの内部に鋼球176がそれぞれ配設されている。
摺接プレート177は、金属板材を用いてベースプレート175の形状に合わせた前後方向へ延びる薄板状に形成される。そして、ベースプレート175および摺接プレート177は、図13に示すように、この順に重ねられた状態でトレイ収容部132に形成されたプレート保持部178に固定保持され、摺接プレート177の上に摺接部材172bの後端部が摺接するようになっている。摺接プレート177には、図14に示すように、複数の通過穴177aが鋼球保持穴175aと位置整合するように形成されている。通過穴177aの径は、鋼球176の径より若干小さくなっており、ベースプレート175の上に摺接プレート177が重ねられた状態で、鋼球176が鋼球保持穴175aの内部で保持されるとともに、鋼球176の上部がこの通過穴177aを通過して摺接プレート177の上部に突出する突起部を形成するようになっている。
これにより、摺接部材172bは後部が下方へ折れ曲がり傾斜した薄板状に形成されているため、景品載置部140が前方へスライド移動する場合、摺接部材172bは鋼球176の上部(突起部)を比較的滑らかに通過(摺動)できるが、景品載置部140が後方へスライド移動する場合、摺接部材172bが鋼球176の上部(突起部)を通過(摺動)する際に若干引っ掛かり、景品載置部140が後方へ移動するのに比較的大きな力を必要とする。すなわち、摺接部材172bの後方への摺動に対する摺動抵抗は、(摺接部材172bの)前方への摺動に対する摺動抵抗よりも大きくなる。そのため、引き出し手段150を用いて景品載置部140を引き出す際に、引き出し手段150の係止部152が景品載置部140のトレイ141等に当接してしまっても、景品載置部140が容易に後方へ移動してしまうことを防止することができる。
また、鋼球176により形成される突起部は、摺接プレート177の延設方向、すなわち景品載置部140の移動方向である前後方向に対して(若干)傾斜する方向に連続して設けられることが好ましい。このようにすれば、摺接部材172bの一部だけに鋼球176の上部(突起部)が摺接して、摺接部材172bの一部が早く摩耗してしまうのを防止することができる。
引き出し手段150は、図15および16に示すように、係止装置151と、係止装置151を前後方向へ移動させる伸縮アーム装置200とを主体に構成される。係止装置151は、図15に示すように、目標部材183に係止可能な係止部152と、係止部152が揺動自在に枢結される揺動連結部材154と、係止部152と揺動連結部材154とを枢結する揺動軸156と、揺動軸156に取り付けられた係止部付勢バネ157とを備えて構成される。
係止部152は、図17に示すように、目標部材183に係止可能な2本の爪を有する鋤状に形成され、揺動軸156を用いて揺動連結部材154に揺動自在に枢結される。これにより、係止部152の構造を簡潔にすることができる。また、係止部152は、揺動連結部材154に対し、図15に示すように、係止部152が略鉛直方向に向く鉛直位置と、係止部152が前下方向に向く揺動位置との間で揺動自在に枢結されるようになっている。係止部152の先端部近傍には、突起用ネジ153が設けられており、係止部152が目標部材183に係止しやすいようになっている。
揺動連結部材154は、図15および図16に示すように、伸縮アーム装置200に構成される先端アーム250の先端に結合されており、これにより、係止部152が先端アーム250の先端に揺動自在に連結される。揺動連結部材154の下部には、センサ当接部155が下方へ延びて形成されており、伸縮アーム装置200のセンサ板280に当接可能に構成されている。係止部付勢バネ157は、揺動軸156に取り付けられたねじりコイルバネであり、係止部152に対して鉛直位置へ向かう付勢力を与えるように構成される。
伸縮アーム装置200は、図15に示すように、基端アーム210と、基端アーム210の内部に回転自在に嵌合された筒状部220と、筒状部220の内部に挿嵌された第1中間アーム230と、第1中間アーム230の内部に挿嵌された第2中間アーム240と、第2中間アーム240の内部に挿嵌された先端アーム250と、基端アーム210と先端アーム250とに連結された内部アーム260と、筒状部220を回転駆動する回転駆動部270とを備えて構成される。なお、各アーム210,230,240,250は、いわゆる入れ子式の構造であり、前後方向(すなわち、筒状部220の回転軸方向)へ伸縮自在に構成される。
基端アーム210は、金属材料を用いて筒状に形成され、回転駆動部270の筐体部274に取り付けられる。基端アーム210の側部には窓部211が形成されており、回転駆動部270の回転部材273が通過するようになっている。基端アーム210の基端部に有底筒状の第1保持部材212が取り付けられるとともに、基端アーム210の先端部に筒状の第2保持部材213が取り付けられており、第1および第2保持部材212,213を用いて、筒状部220が基端アーム210の内部に嵌合保持されるようになっている。また、各保持部材212,213と筒状部220との間には、複数の回転ボール214が設けられており、筒状部220が基端アーム210の内部で滑らかに回転できるようになっている。なお、有底筒状の第1保持部材212により、基端アーム210の基端部が塞がれている。
筒状部220は、金属材料を用いて筒状に形成され、上述したように、基端アーム210の内部に回転自在に嵌合保持される。筒状部220の外周部には、基端アーム210の窓部211の位置に合わせてV溝221が形成されており、回転部材273に設けられたOリング273aが当接するようになっている。筒状部220の内周部先端には、筒状の第1ネジ状部材225が圧入取付される。
第1ネジ状部材225は、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料を用いて筒状に形成され、内周部に第1中間アーム230の第1ネジ溝231と螺合可能な第1突起部226が形成される。第1突起部226は、第1ネジ溝231の形状に合わせて形成された雄ネジ状の突起(例えば、175度のネジ回転角度分だけ形成された雄ネジ状の突起)であり、第1ネジ状部材225の内周部4箇所(すなわち、筒状部220の内周部先端4箇所)に設けられる。
第1中間アーム230は、金属材料を用いて筒状に形成され、第1ネジ状部材225を用いて、筒状部220の内部に前後方向(筒状部220の回転軸方向)へ移動可能に且つ筒状部220の回転軸を中心に回転可能に嵌合保持される。第1中間アーム230の外周部全体にわたり、第1ネジ状部材225の第1突起部226と螺合可能な第1ネジ溝231(右ネジ)が形成されており、筒状部220(および第1ネジ状部材225)の回転に伴って、第1中間アーム230が前後方向(筒状部220の回転軸方向)へ移動するようになっている。第1中間アーム230の内周部先端には、筒状の第2ネジ状部材235が圧入取付される。
第2ネジ状部材235は、第1ネジ状部材225と同様に、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料を用いて筒状に形成され、内周部に第2中間アーム240の第2ネジ溝241と螺合可能な第2突起部236が形成される。第2突起部236は、第1突起部226と同様に、第2ネジ溝241の形状に合わせて形成された雄ネジ状の突起(例えば、175度のネジ回転角度分だけ形成された雄ネジ状の突起)であり、第2ネジ状部材235の内周部4箇所(すなわち、第1中間アーム230の内周部先端4箇所)に設けられる。
第2中間アーム240は、第1中間アーム230と同様に、金属材料を用いて筒状に形成され、第2ネジ状部材235を用いて、第1中間アーム230の内部に前後方向(筒状部220の回転軸方向)へ移動可能に且つ筒状部220(第1中間アーム230)の回転軸を中心に回転可能に嵌合保持される。第2中間アーム240の外周部全体にわたり、第2ネジ状部材235の第2突起部236と螺合可能な第2ネジ溝241(右ネジ)が形成されており、第1中間アーム230(および第2ネジ状部材235)の回転に伴って、第2中間アーム240が前後方向(筒状部220の回転軸方向)へ移動するようになっている。第2中間アーム240の内周部先端には、筒状の第3ネジ状部材245が圧入取付される。
第3ネジ状部材245は、第1ネジ状部材225と同様に、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料を用いて筒状に形成され、内周部に先端アーム250の第3ネジ溝251と螺合可能な第3突起部246が形成される。第3突起部246は、第1突起部226と同様に、第3ネジ溝251の形状に合わせて形成された雄ネジ状の突起(例えば、175度のネジ回転角度分だけ形成された雄ネジ状の突起)であり、第3ネジ状部材245の内周部4箇所(すなわち、第2中間アーム240の内周部先端4箇所)に設けられる。
先端アーム250は、金属材料を用いて筒状に形成され、第3ネジ状部材245を用いて、第2中間アーム240の内部に前後方向(筒状部220の回転軸方向)へ移動可能に嵌合保持される。先端アーム250の外周部全体にわたり、第3ネジ状部材245の第3突起部246と螺合可能な第3ネジ溝251(右ネジ)が形成されており、第2中間アーム240(および第3ネジ状部材245)の回転に伴って、先端アーム250が前後方向(筒状部220の回転軸方向)へ移動するようになっている。先端アーム250の先端内部には、円柱状の係止装置固定部材255が固設されており、この係止装置固定部材255に係止装置151の揺動連結部材154がネジ固定(結合)されるようになっている。
内部アーム260は、入れ子式に複数段設けられた多段式アームであり、前後方向(すなわち、筒状部220の回転軸方向)へ伸縮自在に構成される。そして、内部アーム260は、基端アーム210および筒状部220、そして第1中間アーム230および第2中間アーム240に内在した状態で、基端アーム210の基端部に取り付けられた第1保持部材212と先端アーム250基端部とに連結され、第1中間アーム230や第2中間アーム240の回転に拘わらず先端アーム250の基端アーム210に対する相対回転が規制されるようになっている。
回転駆動部270は、DCモータ271と、DCモータ271に回転駆動される回転部材273と、これらが収容される筐体部274とを主体に構成される。DCモータ271のモータ軸272は、連結軸275および連結軸275の基端部に設けられたトルクリミッタ277を介して回転部材273と連結されており、モータ軸272の回転に伴って回転部材273が回転するようになっている。また、連結軸275の先端部はワンウェイクラッチ276を介して回転部材273と連結される。
ワンウェイクラッチ276は、連結軸275が正転(例えば、伸縮アーム装置200の基端側から見て時計回りに回転)するときは、連結軸275の回転力が伝達されず、連結軸275が逆転(例えば、伸縮アーム装置200の基端側から見てから見て反時計回りに回転)するときに、連結軸275の回転力が伝達されるようになっている。これにより、モータ軸272が正転(例えば、伸縮アーム装置200の基端側から見て時計回りに回転)するときには、モータ軸272の回転力が連結軸275およびトルクリミッタ277を介して回転部材273に伝達され、モータ軸272が逆転(例えば、伸縮アーム装置200の基端側から見てから見て反時計回りに回転)するときには、モータ軸272の回転力が連結軸275およびワンウェイクラッチ276(もしくは、トルクリミッタ277)を介して回転部材273に伝達される。
回転部材273は、金属材料や樹脂材料を用いて円盤状に形成され、回転部材273の外周部にOリング273aが取り付けられる。このOリング273aは、ゴム材料を用いてリング状に形成されており、筒状部220のV溝221に当接するようになっている。これにより、Oリング273aとV溝221との摩擦力を利用して回転部材273の回転力を筒状部220に伝達することができ、回転部材273の回転に伴って筒状部220を回転させることができる。なお、回転部材273の先端には、スリットを有する回転円板278が設けられており、回転部材273の回転が回転円板278を介して回転検出センサ279に検出されるようになっている。
筐体部274は、金属板材を用いて上方に開口を有する矩形箱状に形成され、筐体部274の内部に回転駆動部270の構成部品(DCモータ271等)が収容されるとともに、筐体部274の開口部を覆うように基端アーム210が取り付けられるようになっている。また、筐体部274は、図示しない取付ステーを用いて移動装置160の上下移動装置163に取り付けられるようになっている。なお、筐体部274の先端下部には、センサ板280が前後方向へ揺動可能に取り付けられており、係止装置151のセンサ当接部155がセンサ板280に当接すると、センサ板280が筐体部274の内方(後方)へ揺動し、図示しない縮小検出センサに検出されるようになっている。
移動装置160は、図10に示すように、上下に延びるガイドレール161と、ガイドレール161を左右へ移動させる左右移動装置162と、引き出し手段150を上下方向へ移動させる上下移動装置163とを備えて構成される。ガイドレール161は、景品室3の内側前部に上下方向へ延びて配設されており、景品室3内において左右方向へ移動自在に構成される。左右移動装置162は、景品室3の内側前下部に配設されており、詳細図示しないが、左右に延びて巻き掛けられた円環状のワイヤー(図示せず)と、ワイヤーの一部とガイドレール161とを連結する連結部材(図示せず)と、ワイヤーを回転駆動するモータ(図示せず)とを主体に構成され、モータ駆動によるワイヤーの回転に伴って、ガイドレール161および引き出し手段150が左右へ移動するようになっている。
上下移動装置163は、ガイドレール161の内側に配設されており、詳細図示しないが、上下に延びて巻き掛けられた円環状のワイヤー(図示せず)と、ワイヤーの一部と引き出し手段150の筐体部274とを連結する連結部材(図示せず)と、ワイヤーを回転駆動するモータ(図示せず)とを主体に構成され、モータ駆動によるワイヤーの回転に伴って、引き出し手段150がガイドレール161に沿って上下方向へ移動するようになっている。そして、移動装置160に構成される左右移動装置162および上下移動装置163を組み合わせて作動させることにより、引き出し手段150を景品室3の前部内側において上下および左右方向へ移動させることができる。
このように構成される景品取得ゲーム機110において、第一実施形態の景品取得ゲーム機1と同様に、遊技者がコイン投入口9に所定金額のコインを投入するとゲームが開始される。図10に示す左側の引き出し手段150を用いて遊技者がゲームを行う場合、まず、引き出し手段150が移動装置160により景品室3内の左下部に設定された所定待機位置(図示せず)から上方へ移動し、引き出し手段150が上下方向における所望位置に達したときに上下操作スイッチ8aが操作される。そうすると、引き出し手段150が一旦停止したのち停止位置から右方へ移動し、引き出し手段150が左右方向における所望位置に達したときに左右操作スイッチ8bが操作される。このとき、引き出し手段150が左右方向(および上下方向)における所望位置で停止し、図18(a)に示すように、引き出し手段150に構成される伸縮アーム装置200が後方へ伸長する。
そして、伸縮アーム装置200が所定の長さまで伸長すると、そこから伸縮アーム装置200が元の長さまで(すなわち、前方へ)縮小する。このとき、伸縮アーム装置200が所定の長さまで伸長した際に、伸縮アーム装置200の先端に設けられた係止部152がうまく目標部材183に係止していた場合には、伸縮アーム装置200が元の長さまで(すなわち、前方へ)縮小することにより、係止部152が目標部材183に係止した状態で、図18(b)に示すように、目標部材183および紐状部材182並びにロッド部181とともに景品載置部140(トレイ141)が前方へ引き出される。
さらに、景品載置部140を所定引き出し位置まで引き出すことができた場合には、傾斜手段172に構成される傾斜付勢バネ173の付勢力を受けて、第1トレイベース142の第3ガイドローラ144がトレイ収容部132のローラ通過部137を通過するとともに、第1トレイベース142の第1ガイドローラ143がトレイ収容部132のガイド部136と棚部131との間隙部を通過して、図18(c)に示すように、景品載置部140(トレイ141および第1トレイベース142)が傾斜手段172の揺動部材172aに対し相対的に揺動することで前方へ傾斜し、景品載置部140に載置された景品GFは前方へ落下する。そうすると、景品GFは図示しない景品落下口に落下して景品取出口7から出てくることになり、遊技者は景品GFを獲得することができる。
これにより、引き出し手段150により景品載置部140を引き出しやすくしたり、あるいは引き出しにくくすることで、機構の介入を感じさせない簡易かつ自然な構造で、景品取得ゲーム機110における景品払出率の調整を容易に行うことができる。また、引き出し手段150を用いて景品載置部140を引き出すため、形態に囚われずに景品GFを使用することができる。さらに、紐状部材182の長さを調節したり、係止部152の形状や係止部付勢バネ157の弾性率等を変更することにより、係止部152が目標部材183に係止する際の難易度を調整することができ、景品取得ゲーム機110における景品払出率の調整をより容易に行うことができる。
そして、伸縮アーム装置200が元の長さまで縮小すると、係止部152は目標部材183から充分に離れて目標部材183に対する係止状態が確実に解除され、引き出し手段150が移動装置6により景品室3内の所定待機位置(図示せず)まで移動してゲームが終了する。また、景品載置部140が所定引き出し位置まで達する前に目標部材183が係止部152から外れた(係止状態が解除された)場合には、景品載置部140は目標部材183が係止部152から外れた所でとどまり、同様に、伸縮アーム装置200が元の長さまで縮小すると、引き出し手段150が移動装置160により景品室3内の所定待機位置(図示せず)まで移動してゲームが終了する。さらに、係止部152がうまく目標部材183に係止しなかった場合には、景品載置部140はそのまま動かず、同様にしてゲームが終了する。
なお、図10に示す右側の引き出し手段150を用いてゲームを行う場合についても、同様の操作でゲームを行うことができる。このとき、引き出し手段150の(所定)待機位置は景品室3内の右下部に設定されることが好ましい。
ここで、伸縮アーム装置200の伸縮作動について説明する。DCモータ271のモータ軸272が正転(例えば、伸縮アーム装置200の基端側から見て時計回りに回転)すると、モータ軸272の回転力が連結軸275およびトルクリミッタ277を介して回転部材273に伝達され、DCモータ271の回転駆動により回転部材273が時計回りに回転する。回転部材273が時計回りに正転すると、回転部材273の回転力がOリング273aを介して筒状部220に伝達され、筒状部220が反時計回りに回転する。
筒状部220が反時計回りに回転すると、第1中間アーム230は、第1ネジ溝231(右ネジ)が第1ネジ状部材225の第1突起部226と螺合しているため、(摩擦力により)筒状部220とともに若干回転しつつ、筒状部220に対して伸縮アーム装置200の先端側(すなわち、景品取得ゲーム機110の後方)へ相対移動する。なお、第1中間アーム230が先端側へ相対移動して第1中間アーム230の基端部に設けられたストッパ(図示せず)が第1ネジ状部材225に当接した場合には、第1中間アーム230は筒状部220とともに反時計回りに回転する。
第1中間アーム230が反時計回りに回転すると、第2中間アーム240は、第2ネジ溝241(右ネジ)が第2ネジ状部材235の第2突起部236と螺合しているため、(摩擦力により)第1中間アーム230とともに若干回転しつつ、第1中間アーム230に対して伸縮アーム装置200の先端側(すなわち、景品取得ゲーム機110の後方)へ相対移動する。なお、第2中間アーム240が先端側へ相対移動して第2中間アーム240の基端部に設けられたストッパ(図示せず)が第2ネジ状部材235に当接した場合には、第2中間アーム240は第1中間アーム230とともに反時計回りに回転する。
第2中間アーム240が反時計回りに回転すると、先端アーム250は、第3ネジ溝251(右ネジ)が第3ネジ状部材245の第2突起部146と螺合しているため、第2中間アーム240に対して伸縮アーム装置200の先端側(すなわち、景品取得ゲーム機110の後方)へ相対移動する。なお、先端アーム250は内部アーム260により基端アーム210に対する相対回転が規制されているため、第2中間アーム240が反時計回りに回転すると、先端アーム250は基端アーム210に対する相対回転が規制された状態で伸縮アーム装置200の先端側へ相対移動する。
上述のようにして、第1中間アーム230が筒状部220に対し所定(第1)伸長位置まで相対移動するとともに、第2中間アーム240が第1中間アーム230に対し所定(第2)伸長位置まで相対移動し、さらに先端アーム250が第2中間アーム240に対し所定(第3)伸長位置まで相対移動すると、図15に示すように、伸縮アーム装置200が伸長した状態になる。
この状態で、DCモータ271のモータ軸272が反転(例えば、伸縮アーム装置200の基端側から見て反時計回りに回転)すると、モータ軸272の回転力が連結軸275およびワンウェイクラッチ276を介して回転部材273に伝達され、DCモータ271の回転駆動により回転部材273が反時計回りに回転する。回転部材273が反時計回りに正転すると、回転部材273の回転力がOリング273aを介して筒状部220に伝達され、筒状部220が時計回りに回転する。
筒状部220が時計回りに回転すると、所定(第1および第2)伸長位置に位置する第1中間アーム230および第2中間アーム240は、(摩擦力により)筒状部220とともに時計回りに回転する。このとき、先端アーム250は内部アーム260により基端アーム210に対する相対回転が規制されているため、第2中間アーム240が時計回りに相対回転すると、先端アーム250は第2中間アーム240に対し伸縮アーム装置200の基端側(すなわち、景品取得ゲーム機110の前方)へ相対移動する。
先端アーム250が元の位置(縮小時の位置)まで相対移動して、先端アーム250の先端部に設けられたストッパ(図示せず)が第2中間アーム240に当接すると、(摩擦力により)第2中間アーム240の先端アーム250(基端アーム210)に対する相対回転が規制される。このとき、第1中間アーム230が時計回りに相対回転すると、第2中間アーム240は第1中間アーム230に対し伸縮アーム装置200の基端側(すなわち、景品取得ゲーム機110の前方)へ相対移動する。
第2中間アーム240が元の位置(縮小時の位置)まで相対移動して、第2中間アーム240の先端部に設けられたストッパ(図示せず)が第1中間アーム230に当接すると、(摩擦力により)第1中間アーム230の第2中間アーム240(基端アーム210)に対する相対回転が規制される。このとき、筒状部220が時計回りに相対回転すると、第1中間アーム230は第1中間アーム230に対し伸縮アーム装置200の基端側(すなわち、景品取得ゲーム機110の前方)へ相対移動する。
上述のようにして、第1中間アーム230および第2中間アーム240、そして先端アーム250が元の位置(縮小時の位置)まで相対移動すると、図16に示すように、伸縮アーム装置200が元の長さに縮小した状態になる。
なお、伸縮アーム装置200が所定の長さまで伸長すると、トルクリミッタ277の作用によりモータ軸272および連結軸275の回転に滑りが生じ、DCモータ271に出力される回転駆動信号と、回転検出センサ279に検出される回転検出信号との間にずれが生じて、DCモータ271の作動、すなわち伸縮アーム装置200の伸長作動が停止する。一方、伸縮アーム装置200が元の長さに縮小すると、係止装置151のセンサ当接部155がセンサ板280に当接するとともに、センサ板280が筐体部274の内方(後方)へ揺動して縮小検出センサ(図示せず)に検出され、DCモータ271の作動、すなわち伸縮アーム装置200の縮小作動が停止する。
このような伸縮アーム装置200により、筒状部220を回転させることで先端アーム250を筒状部220の回転軸方向へ移動させることができるため、より単純な構造で伸縮アーム装置200の伸縮作動を行うことが可能となり、伸縮アーム装置200を小型軽量化することができる。そして、景品取得ゲーム機110が上述のような伸縮アーム装置200を備えて構成されることで、伸縮アーム装置200が小型軽量化されるため、景品取得ゲーム機110の構造をより単純にすることができ、景品取得ゲーム機110の製造コストを低減させることが期待できる。
以上に説明した第二実施形態の景品取得ゲーム機110によれば、引き出し手段150を用いて景品載置部140を所定引き出し位置まで引き出すことができたとき、景品GFを取得することができるように構成されるため、引き出し手段150により景品載置部140を引き出しやすくしたり、あるいは引き出しにくくすることで、機構の介入を感じさせない簡易かつ自然な構造で、景品取得ゲーム機110における景品払出率の調整を容易に行うことができる。また、引き出し手段150を用いて景品載置部140を引き出すため、形態に囚われずに景品GFを使用することができる。
また、引き出し手段150の先端に設けられた係止部152が目標部材183に係止した状態で、引き出し手段150により目標部材183および紐状部材182とともに景品載置部140が引き出されるようにすることで、紐状部材182の長さを調節したり、係止部152の形状や係止部付勢バネ157の弾性率等を変更することにより、係止部152が目標部材183に係止する際の難易度を調整することができ、景品取得ゲーム機110における景品払出率の調整をより容易に行うことができる。
さらに、係止部152が目標部材183に係止可能な2本の爪を有して構成されることで、係止部152の構造を簡潔にすることができる。
さらに、景品載置部140が略鉛直な平面内に複数配設されることで、景品載置部140が傾斜して景品GFが前方へ落下する際に、落下する景品GFが他の景品載置部140に接触することを防止することができる。
さらに、トレイ収容部132における摺接部材172bと摺接可能な部分(すなわち、摺接プレート177)に、摺接部材172bの後方への摺動に対する摺動抵抗を(摺接部材172bの)前方への摺動に対する摺動抵抗よりも大きくする鋼球176が設けられることで、引き出し手段150を用いて景品載置部140を引き出す際に、引き出し手段150の係止部152が景品載置部140のトレイ141等に当接してしまっても、景品載置部140が容易に後方へ移動してしまうことを防止することができる。
なお、上述の各実施形態において、目標部材は円柱状やリング状に形成されているが、これに限られるものではなく、例えば、目標部材は枠状に形成されてもよく、係止部が係止可能な形状であればよい。また、目標部材の形状をゲームの難易度に応じて変更するようにしてもよい。このようにすれば、係止部が目標部材に係止する際の難易度を調整することができ、景品取得ゲーム機における景品払出率の調整をより容易に行うことができる。
また、上述の各実施形態において、各操作スイッチ8a,8bの操作により(移動装置6による)引き出し手段5の移動を停止させることで、引き出し手段5を所望位置に移動させているが(あるいは、各操作スイッチ8a,8bの操作により引き出し手段150の移動を停止させることで、引き出し手段150を所望位置に移動させているが)、これに限られるものではなく、各操作スイッチ8a,8bの押し操作を行うことで引き出し手段を(移動装置により)移動させるようにしてもよい。また、操作スイッチに限らず、操作レバーやハンドル等、引き出し手段を操作可能な操作手段であればよい。
さらに、上述の各実施形態において、係止部53(あるいは、係止部152)が目標部材48(あるいは、目標部材183)に係止可能な2本の爪を有して構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、多数の爪を有する鋤状に形成されてもよく、目標部材に係止可能な形状であればよい。
また、上述の各実施形態において、係止部53が目標部材48に係止した状態で、引き出し手段5により目標部材48および紐状部材47とともに景品載置部4が引き出されるように構成されているが(あるいは、係止部152が目標部材183に係止した状態で、引き出し手段150により目標部材183および紐状部材182とともに景品載置部140が引き出されるように構成されているが)、これに限られるものではなく、例えば、景品載置部(トレイ)に係止部が係止可能な取っ手部を設けるようにしてもよく、引き出し手段を用いて景品載置部を前方へ引き出すことができる構成であればよい。
さらに、上述の第二実施形態において、本発明に係る移動規制部として鋼球176が設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、ベースプレートおよび摺接プレートに、前側傾斜面の傾斜角が後側傾斜面の傾斜角より大きいV溝を形成するようにしてよく、摺接部材の後方への摺動に対する摺動抵抗を(摺接部材の)前方への摺動に対する摺動抵抗よりも大きくすることができる構成であればよい。