JP3676224B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に係り、例えば、パチンコ機やスロットマシンなどに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パチンコ機(遊技機)においては、入賞口の入口を開き又は拡大して遊技球を入賞し易くするための電動役物が設けられている。この電動役物には、例えば、翼片を備えたタイプや扉形式のタイプなどが使用されている。
翼片を備えた電動役物では、左右対称の可動翼片(一般に、「チューリップ」と呼ばれる)が入賞口の左右両側に設けられ、通常は直立状態にあるか又は閉じられている両可動翼片がそれぞれの支軸を中心として左右に回転して開くことにより、入賞口の入口が開き又は拡大されるようになっている。
また、扉形式の電動役物では、扉状の閉鎖部材が入賞口の前面に配置され、通常は入賞口の前面を塞ぐ閉鎖部材がその下部を支軸として前方に回転して傾斜することにより、入賞口の入口が開き又は拡大されるようになっている。
尚、これらの電動役物における可動部材(前記可動翼片や閉鎖部材など)は、遊技盤面を流下する遊技球を受けても簡単には変形しないように、硬質な合成樹脂材料を用いて形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、従来の電動役物は遊技者に飽きられつつあり、遊技の興趣を高めるために、従来にはない新しい動きを見せる電動役物が要求されている。
また、従来の電動役物では、前記可動部材が硬質な合成樹脂材料を用いて形成されているため、入賞口と可動部材との間に遊技球が挟まれると、その遊技球を自動的に取り除くことが困難であり、当該遊技球を遊技機の管理者が取り除かなければならないため、遊技が中断されて興趣がそがれるという問題がある。そこで、電動役物の可動部材と入賞口との間に挟まれた遊技球を、遊技を中断させることなく自動的に取り除くことが要求されている。
本発明は上記要求を満足させるためになされたものであって、その目的は、遊技の興趣を高めることが可能な電動役物を備えた遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段・作用および発明の効果】
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、遊技球が流下する遊技盤と、その遊技盤に設けられた入賞口と、前記遊技盤に設けられた可動部材を有し、その可動部材によって前記入賞口への遊技球の入賞を可能または不能にする電動役物とを備えた遊技機において、前記可動部材自体を変形させることによって前記電動役物を駆動する電動役物駆動手段を備え、当該電動役物駆動手段は、前記可動部材自体を変形させることにより、遊技盤を流下してきた遊技球が前記入賞口に入賞不能となるように前記可動部材にて前記入賞口を囲う第1状態と、遊技盤を流下してきた遊技球が前記入賞口に入賞可能となるように前記可動部材による前記入賞口の囲いを解除する第2状態とを切り替え、前記可動部材は柔軟性を有する帯状長尺物から成り、前記可動部材自体を変形させるには、前記電動役物駆動手段により前記可動部材を緊張させるか又は弛緩させて張り渡すことをその要旨とする。
従って、請求項1に記載の発明によれば、従来の電動役物(翼片を備えたタイプや扉形式のタイプなど)を見飽きた遊技者の目には、柔軟性を有する帯状長尺物から成る可動部材を緊張させるか又は弛緩させて張り渡すことにより可動部材自体を変形させ、その可動部材自体の変形によって入賞口を囲ったり入賞口の囲いを解除する電動役物は、その構造や変化に富んだ動きが目新しく映るため、遊技者は遊技に新たな興趣を覚えることができる。
【0005】
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の遊技機において、前記可動部材は第1端部および第2端部を有し、前記可動部材の第1端部は固定され、前記可動部材の第2端部は前記電動役物駆動手段に取り付けられ、前記電動役物駆動手段によって前記可動部材の第2端部側を巻き取ることにより前記可動部材を緊張させて張り渡し、前記電動役物駆動手段によって前記可動部材の第2端部側を巻き戻すことにより前記可動部材を弛緩させて張り渡すことをその要旨とする。
このようにすれば、可動部材を確実に動作させることができる。
【0006】
ところで、請求項3に記載の発明のように、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記入賞口には特定領域が設定され、前記電動役物駆動手段は、前記可動部材自体を変形させることにより、前記第1状態と第2状態の切り替えに加えて、前記入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過不能となるように前記可動部材にて前記入賞口を囲う第3状態の切り替えを行い、前記第2状態のときに、前記入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過すると、前記電動役物駆動手段によって前記可動部材を前記第3状態に切り替えることをその要旨とする。
このようにすれば、可動部材自体を変形させることで特定領域を遊技球が通過不能にさせることにより、遊技状態が変化に富んだものになるため、遊技の興趣をより高めることができる。
【0007】
次に、請求項4に記載の発明は、遊技球が流下する遊技盤と、その遊技盤に設けられた入賞口と、前記遊技盤に設けられた可動部材を有し、その可動部材によって前記入賞口への遊技球の入賞を可能または不能にする電動役物とを備えた遊技機において、前記可動部材自体を変形させることによって前記電動役物を駆動する電動役物駆動手段を備え、当該電動役物駆動手段は、前記可動部材自体を変形させることにより、遊技盤を流下してきた遊技球が前記入賞口に入賞不能となるように前記可動部材にて前記入賞口を囲う第1状態と、遊技盤を流下してきた遊技球が前記入賞口に入賞可能となるように前記可動部材による前記入賞口の囲いを解除する第2状態とを切り替え、前記可動部材は可撓性を有する帯状物から成り、前記可動部材自体を変形させるには、前記電動役物駆動手段により前記可動部材を撓ませることをその要旨とする。
従って、請求項4に記載の発明によれば、従来の電動役物(翼片を備えたタイプや扉形式のタイプなど)を見飽きた遊技者の目には、可撓性を有する帯状物から成る可動部材を撓ませることより可動部材自体を変形させ、その可動部材自体の変形によって入賞口を囲ったり入賞口の囲いを解除する電動役物は、その構造や変化に富んだ動きが目新しく映るため、遊技者は遊技に新たな興趣を覚えることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載の遊技機において、前記可動部材は第1端部および第2端部を有し、前記可動部材の第1端部は前記電動役物駆動手段に取り付けられ、前記電動役物駆動手段によって前記可動部材の第1端部側を第2端部側に向けて移動させるとき、前記可動部材の第2端部が固定されて前記可動部材が撓むようにしてもよい。
このようにすれば、可動部材を確実に動作させることができる。
【0008】
次に、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技機において、前記入賞口と前記可動部材との間に遊技球が挟まれた場合には、前記電動役物駆動手段によって前記可動部材を前記第1状態から前記第2状態に切り替えた後に前記第1状態に速やかに切り替え、それでも挟まれた遊技球を取り除くことができない場合には、遊技球の発射を停止すると共に、挟まれた遊技球を取り除くことができないため遊技球の発射を停止した旨を遊技機の管理者へ報知することをその要旨とする。
従って、請求項6に記載の発明によれば、可動部材自体を変形させることにより、前記挟まれた遊技球を遊技を中断させることなく自動的に取り除くことができる。そのため、挟まれた遊技球を遊技機の管理者が取り除く必要がなくなり、遊技が中断されて興趣がそがれるのを防止することができる。
また、挟まれた遊技球を取り除くことができない場合には、遊技球の発射を停止するため、遊技球が無駄に発射されることがなくなり、遊技者が不利益を被るのを防止することができる。
そして、挟まれた遊技球を取り除くことができない場合には、挟まれた遊技球を取り除くことができないため遊技球の発射を停止した旨を遊技機の管理者へ報知するため、管理者は当該状況を速やかに認知することが可能になり、当該状況に対して素早い対応をとることができる。
【0009】
尚、上述した[特許請求の範囲]および[課題を解決するための手段および発明の効果]に記載した構成要素と、後述する[発明の実施の形態]に記載した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
「入賞口」は、大入賞口41,401に該当する。
「可動部材」は、第1実施形態では各ベルト部材48a,48bに該当し、第2実施形態では開閉部材404に該当する。
「電動役物」は、第1種特別電動役物44,402に該当する。
「電動役物駆動手段」は、第1実施形態では第1種特別電動役物駆動モータ44a、平歯車45a,45b、軸部材46a,46b,47a,47bから構成され、第2実施形態では開閉部材404、第1種特別電動役物ソレノイド405、プランジャ405a、腕部材405b、ハウジング406から構成される。
「第1状態」は、第1実施形態では第1動作状態(図3(A)および図4)に該当し、第2実施形態では開閉部材404が撓められた状態(図14(A)および図15(A))に該当する。
「第2状態」は、第1実施形態では第2動作状態(図3(B)および図5)に該当し、第2実施形態では開閉部材404が平板状になった定常状態(図14(B)および図15(B))に該当する。
「第3状態」は、第1実施形態の第3動作状態(図3(C)および図6)に該当する。
「可動部材の第1端部」は、第1実施形態では各ベルト部材48a,48bの下端部に該当し、第2実施形態では開閉部材404の右端部に該当する。
「可動部材の第2端部」は、第1実施形態では各ベルト部材48a,48bの上端部に該当し、第2実施形態では開閉部材404の左端部に該当する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の各実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下の各実施形態では、本発明に係る遊技機として、いわゆる第1種パチンコ機を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
[全体の主要構成]
図1は、本第1実施形態のパチンコ機の正面図である。
パチンコ機(遊技機)10には、前枠11が開閉可能に備えられており、その前枠11には、金枠12が開閉可能に取り付けられており、さらに金枠12には、ガラス枠13aが開閉可能に取り付けられている。ガラス枠13aには、パチンコ機10の前面ガラス板13が嵌め込まれている。ガラス枠13aおよび前面ガラス板13の内部には遊技盤14が設けられ、前面ガラス板13と遊技盤14とは平行に配置されている。
【0011】
前枠11の右下には発射ハンドル15aが回動可能に取り付けられている。発射ハンドル15aが操作されると、発射ハンドル15aに設けられた発射スイッチ(図示略)のON/OFFが切り替えられ、発射スイッチがONすると発射モータ(図示略)が駆動されて遊技球(遊技媒体)が遊技盤14へ発射され、発射スイッチがOFFすると発射モータが停止されて遊技球の発射も停止される。
遊技盤14の左方には、発射された遊技球を遊技領域へ案内するガイドレール16が設けられている。
前枠11の右側には、ガラス枠13aの開閉用の鍵を差し込む鍵穴15を備えた鍵穴飾り17が設けられており、前枠11の上方には、枠ランプ18aが設けられている。
【0012】
ガラス枠13aの下には、前面板19が設けられており、この前面板19の左側上部には、賞球(賞媒体)や貸球が供給される賞球・貸球供給口20aが形成されており、この賞球・貸球供給口20aの供給側には、その賞球・貸球供給口20aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上受け皿20が取り付けられている。
上受け皿20の下方には、上受け皿20の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー20bの操作により上受け皿20から排出された遊技球などを排出する排出口21aが形成されている。
排出口21aの排出側には、その排出口21aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿21が設けられている。
前枠11の左側には、プリペイドカードを挿入するスリット22aを有するプリペイドカードユニットなどの遊技機外装置部分22が設けられている。
【0013】
[遊技盤14の主要構成]
図2は、パチンコ機10から取り外した遊技盤14の正面図である。
遊技盤14の略中央上寄りには、センターケース30が備えられている。センターケース30には、3個のLEDからなる普通図柄表示装置34と、この普通図柄表示装置34の作動される回数を表示する4個のLEDからなる普通図柄記憶表示LED35と、液晶表示器に複数の図柄(例えば、「0」〜「9」の特別図柄)の組み合わせを変動表示する特別図柄表示装置32と、この特別図柄表示装置32の作動される回数を表示する4個のLEDからなる特別図柄記憶表示LED36とが備えられている。
【0014】
また、センターケース30には、天入賞口31、右入口91、左入口92、転動面(転動底面)93が備えられている。天入賞口31はセンターケース30の枠部材の上端部中央に開口され、右入口91はセンターケース30の枠部材の右端部に開口され、左入口92はセンターケース30の枠部材の左端部に開口されている。鉛直軸線周りに回転駆動される円盤からなる転動面93は、センターケース30の下部における特別図柄表示装置32の前側に設けられている。
右入口91または左入口92に入った遊技球は、センターケース30の枠部材内に入って転動面93上に送られ、転動面93からセンターケース30の下方へ流下(落下)する。このとき、その遊技球の流下経路は転動面93の回転に従って変化し、遊技球は転動面93の回転状態に応じて転動面93の真下だけでなく下方の広い範囲に流下される。
【0015】
センターケース30の左右には、普通図柄表示装置34を作動させるための普通図柄作動ゲート26,26が設けられている。センターケース30の下方には、特別図柄表示装置32を作動させる機能を備えた第1種始動口27が設けられている。第1種始動口27の下方には普通電動役物28が設けられている。
普通電動役物28は、第1種始動口27の下方左右両側に設けられた左右対称の可動翼片(一般に、「チューリップ」と呼ばれる)を備え、通常は直立状態にある両可動翼片がそれぞれの支軸を中心として左右に回転して開くようになっている。そして、普通電動役物28は、普通図柄表示装置34が当たりの停止図柄を表示した場合に両可動翼片を開き、開いた両可動翼片により第1種始動口27へ遊技球を案内して、第1種始動口27への多数の遊技球の入賞を可能にする。
尚、両可動翼片が開いた普通電動役物28は、第1種始動口27と同様に、特別図柄表示装置32を作動開始させる機能を備えている。
【0016】
普通電動役物28の下方には、特別図柄表示装置32が大当たり停止図柄(例えば、「777」)を表示した場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。変動入賞装置40の左右には下入賞口29,29が設けられている。
その他、遊技盤14には、風車23,23と、LEDが点灯する装飾風車25,25と、特別図柄表示装置32の左右下方に配置された袖入賞口24,24と、コーナー飾りランプ18b,18bと、サイド飾りランプ18cと、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口94とが設けられている。また、遊技盤14には、多くの釘95が打ち込まれており、遊技盤14に発射された遊技球は、釘95の間を乱舞しながら遊技盤14面を流下(落下)する。
【0017】
[変動入賞装置40の主要構成]
図3は、変動入賞装置40を遊技盤14の正面側から見た正面図である。図4〜図6は、変動入賞装置40の要部構造および動作を説明するための一部透視斜視図である。尚、図3〜図6において、図2に示す遊技盤14に設けられた変動入賞装置40の他の部材(普通電動役物28や変動入賞装置40の周囲の飾り模様など)については、図面を分かり易くするため図示を省略してある。
変動入賞装置40は、大入賞口41および第1種特別電動役物44を備えている。
【0018】
大入賞口41は、特定領域42および一般領域43a〜43cから構成されている。各領域42,43a〜43cは遊技盤14面に開口された円形の穴からなり、その穴は遊技球1個が入る程度の大きさに形成されている。
特定領域42の内部には、特定領域42を通過(入賞)した遊技球を検出するための特定領域スイッチ(図示略)が設けられている。また、各領域42,43a〜43cの内部には、各領域42,43a〜43cのいずれかを通過(入賞)した遊技球(大入賞口41に入賞した遊技球)を検出するための大入賞口スイッチ(図示略)が設けられている。
【0019】
第1種特別電動役物44は、第1種特別電動役物駆動モータ44a、平歯車45a,45b、軸部材46a,46b、軸部材47a,47b、ベルト部材48a,48b、ハウジング49a,49b、回転角度検出センサ96から構成されている。
駆動モータ44aはステッピングモータによって構成され、そのモータ軸は延出されて軸部材46aを形成し、軸部材46aには平歯車45aが差し込まれ、軸部材46aが平歯車45aの歯車軸となっている。また、軸部材46bには平歯車45bが差し込まれ、軸部材46bが平歯車45bの歯車軸となっている。そして、同一寸法形状の2つの平歯車45a,45bは互いの歯がかみ合わされて平行軸歯車の歯車対を構成し、駆動モータ44aにより回転駆動される平歯車45aが駆動歯車となり、平歯車45aにより回転させられる平歯車45bが被動歯車となる。
回転角度検出センサ96は、駆動モータ44aのモータ軸(軸部材46a)の回転角度を検出する。
【0020】
ハウジング49aは左右に横長の箱状を成し、ハウジング49aの右上端部には軸部材47aが回転可能に軸支され、ハウジング49aの左上端部には軸部材47bが回転可能に軸支されている。尚、ハウジング49aの前面部分には飾り模様が刻印されている。
各軸部材46a,46b,47a,47bは、遊技盤14面に対してそれぞれの軸方向が垂直になるように配置されている。そして、各軸部材46a,46bは水平方向に並べて近接配置され、軸部材47aは軸部材46aの斜め右下方に配置され、軸部材47bは軸部材46bの斜め左下方に配置され、各軸部材47a,47bは水平方向に配置されている。
【0021】
2枚のベルト部材48a,48bは、同一寸法形状で幅が一定の帯状長尺物であり、柔軟性を有している。各ベルト部材48a,48bの幅は、前面ガラス板13と遊技盤14との間隙の幅よりも若干狭く設定されている。そして、各ベルト部材48a,48bの表裏面は、前面ガラス板13および遊技盤14面に対して垂直になっている。
ベルト部材48aの上端部は軸部材46aにおける平歯車45aから前方に突出した部分に固定されて巻回され、ベルト部材48aの下端部は軸部材47aに固定されて巻回されている。また、ベルト部材48bの上端部は軸部材46bにおける平歯車45bから前方に突出した部分に固定されて巻回され、ベルト部材48bの下端部は軸部材47bに固定されて巻回されている。
【0022】
ハウジング49bは底部が開放された箱状を成し、各ベルト部材48a,48bの上端部が巻回された各軸部材46a,46bを覆設し、ハウジング49bの開放された底部から左右下方へ向けて各ベルト部材48b,48aが伸び出している。そして、ハウジング49aの前面部分には、各ベルト部材48a,48bから前方に突出する各軸部材46a,46bの先端部が回転可能に軸支されている。
駆動モータ44aおよび各平歯車45a,45bは遊技盤14の裏面側に設けられ、駆動モータ44aは遊技盤14の裏面に取付固定されている。そして、各軸部材46a,46bにおける各平歯車45a,45bと各ベルト部材48a,48bとの間の部分は、遊技盤14に形成された孔(図示略)に挿通されて回転可能に軸支されている。
このように構成された変動入賞装置40は、右側に設けられた各部材(平歯車45a、軸部材46a,47a、ベルト部材48a)と左側に設けられた各部材(平歯車45b、軸部材46b,47b、ベルト部材48b)とが、鉛直な中心線Lに対して線対称に配置されている。
【0023】
[変動入賞装置40の動作]
次に、変動入賞装置40の動作について説明する。
変動入賞装置40は、3つの動作状態(第1動作状態、第2動作状態、第3動作状態)をとる。
[第1動作状態]
図3(A)および図4に示すように、変動入賞装置40の第1動作状態では、軸部材46aがベルト部材48aを巻き取る方向(図4に示す矢印F1方向)に回転するように、駆動モータ44aが所定回転角度α1(図示略)だけ回転駆動され、ベルト部材48aが各軸部材46a,47a間に緊張した状態で張り渡される。
このとき、各平歯車45a,45bは平行軸歯車の歯車対を構成しているため、平歯車45aの回転方向(図4に示す矢印F1方向)に対して逆方向(図4に示す矢印F2方向)に平歯車45bが回転される。ここで、各平歯車45a,45bは同一寸法形状であるため、各平歯車45a,45bの回転角度は同じ(=所定回転角度α1)になる。
そして、平歯車45bの回転に伴い、軸部材46bがベルト部材48bを巻き取り、ベルト部材48bが各軸部材46b,47b間に緊張した状態で張られる。
【0024】
このように、各ベルト部材48a,48bが緊張した状態で張り渡されている場合、大入賞口41を構成する各領域42,43a〜43cは、各ベルト部材48a,48bと前面ガラス板13と遊技盤14面とに囲まれる。そのため、各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが不能になる。
つまり、変動入賞装置40の第1動作状態では、大入賞口41を構成する全領域42,43a〜43cが第1種特別電動役物44を構成する各ベルト部材48a,48bによって閉鎖され、各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが不能になる。
【0025】
[第2動作状態]
図3(B)および図5に示すように、変動入賞装置40が第1動作状態から第2動作状態に切り替えられると、軸部材46aがベルト部材48aを巻き戻す方向(図5に示す矢印F2方向)に回転するように、駆動モータ44aが所定回転角度α1(図示略)だけ第1動作状態とは逆方向に回転駆動され、ベルト部材48aが各軸部材46a,47a間に完全に弛緩した状態で張り渡される。
そして、平歯車45aの回転方向(図5に示す矢印F2方向)に対して逆方向(図5に示す矢印F1方向)に平歯車45bが回転され、その平歯車45bの回転に伴い、軸部材46bがベルト部材48bを巻き戻し、ベルト部材48bが各軸部材46b,47b間に完全に弛緩した状態で張り渡される。
【0026】
このように、各ベルト部材48a,48bが完全に弛緩した状態で張り渡されている場合、各ベルト部材48a,48bはその自重によって完全に垂れ下がり、大入賞口41を構成する各領域42,43a〜43cは開放される。そのため、各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが可能になる。
つまり、変動入賞装置40の第2動作状態では、大入賞口41を構成する全領域42,43a〜43cが第1種特別電動役物44を構成する各ベルト部材48a,48bによって開かれ、各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが可能になるため、大入賞口41への多数の遊技球の入賞が可能になり、大当たり状態が発生する。
【0027】
[第3動作状態]
図3(C)および図6に示すように、変動入賞装置40が第2動作状態から第3動作状態に切り替えられると、軸部材46aがベルト部材48aを巻き取る方向(図6に示す矢印F1方向)に回転するように、駆動モータ44aが所定回転角度α2(図示略)だけ第1動作状態と同一方向に回転駆動され、ベルト部材48aが各軸部材46a,47a間にある程度弛緩した状態で張り渡される。
ここで、所定回転角度α2は前記所定回転角度α1より小さい回転角度に設定されている(α2<α1)。
そして、平歯車45aの回転方向(図6に示す矢印F1方向)に対して逆方向(図6に示す矢印F2方向)に平歯車45bが回転され、その平歯車45bの回転に伴い、軸部材46bがベルト部材48bを巻き取り、ベルト部材48bが各軸部材46b,47b間にある程度弛緩した状態で張り渡される。
【0028】
このように、各ベルト部材48a,48bがある程度弛緩した状態で張り渡されている場合、各ベルト部材48a,48bはその自重によってある程度まで垂れ下がる。その結果、特定領域42と一般領域43bは、各ベルト部材48a,48bと前面ガラス板13と遊技盤14とに囲まれるため、特定領域42と一般領域43bには遊技球が入賞することが不能になる。また、各一般領域43a,43cは開放されるため、各一般領域43a,43cには遊技球が入賞することが可能になる。
つまり、変動入賞装置40の第3動作状態では、特定領域42と一般領域43bとが第1種特別電動役物44を構成する各ベルト部材48a,48bによって閉鎖され、特定領域42と一般領域43bには遊技球が入賞することが不能になり、それと同時に、各一般領域43a,43cが各ベルト部材48a,48bによって開かれ、各一般領域43a,43cには遊技球が入賞することが可能になる。
尚、各ベルト部材48a,48bは、上記の3つの動作状態(第1動作状態、第2動作状態、第3動作状態)において必要とされる形状に変形するのに十分な柔軟性を有していれば、どのような材質(例えば、布、天然ゴム、合成ゴムや合成樹脂などの各種高分子材料、各種金属(バネ鋼、燐青銅、チタン合金など)、または、これらの材料の膜を複数層積層したもの、など)を用いて形成してもよい。
【0029】
[パチンコ機10の電気的構成]
図7は、本第1実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図である。
パチンコ機10には、主基板(電子制御装置)100が設けられており、この主基板100には、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)110が搭載されている。マイクロコンピュータ110には、遊技の制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM114と、メインCPU112が各種制御プログラムを実行する際にROM114から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する当たりに関するデータなどの各種データを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。また、RAM116は、停電などの電源遮断時における遊技状態を電源復帰後に再現するために、電源遮断時においてメインCPU112が処理したデータや各装置および各基板へ送り出したコマンドなどをバックアップする。
【0030】
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。電源基板80、賞球(賞媒体)の払い出しなどを制御する払出制御基板200、特別図柄表示装置32、遊技盤14に設けられたランプ類を制御するランプ制御装置75、遊技中の効果音などを再生する音声再生装置(図示略)を制御する音声制御装置79、第1種始動口27への遊技球の入賞を検出するための第1種始動口スイッチ27a(尚、図7ではスイッチを「SW」と表記する)、遊技盤情報(入賞、当たり、遊技停止など)をパチンコホール(遊技店)の管理室などに設けられたコンピュータ(以下、ホールコンピュータと称する。図示略)へ送り出すための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0031】
払出制御基板200には、主基板100から送り出される制御コマンドを入力して動作するマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)210が搭載されており、マイクロコンピュータ210には、賞球の払い出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払い出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する賞球数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52、払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0032】
発射モータ駆動基板15cには、発射モータ15eおよび発射スイッチ15dが電気的に接続されている。
発射ハンドル15aが操作されて発射スイッチ15dがONされると、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出され、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動信号が出力され、発射モータ15eはその駆動信号に従って遊技球を発射する。
また、発射ハンドル15aが操作されて発射スイッチ15dがOFFされると、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出され、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
【0033】
遊技枠中継基板53には、下受け皿21が賞球で満杯になったことを検出するための満杯検出スイッチ21bおよびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。
センサ中継基板54には、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55が電気的に接続されている。
賞球ユニット62は、賞球払出センサ62a,62bおよび賞球払出モータ62cを備える。賞球の払出機構は、賞球の払い出しを効率良く行うために2カ所に設けられており、各払出機構は賞球払出モータ62cによって駆動される。また、賞球払出センサ62aは一方の払出機構に設けられており、賞球払出センサ62bは他方の払出機構に設けられている。各賞球払出センサ62a,62bの検出信号は、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して主基板100へ送り出され、その信号に基づいてメインCPU112は、払い出された賞球数をカウントする。
【0034】
払出中継基板55には、貸球がなくなったことを検出するための貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62c、貸球を供給する貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、次に記載するものが電気的に接続されている。転動面93を回転駆動する転動面駆動モータ93a(尚、図7では駆動モータを「DM」と表記する)、普通電動役物28の両可動翼片を開閉させる普通電動役物ソレノイド28a(尚、図7ではソレノイドを「SL」と表記する)、普通図柄表示装置34、左右いずれかの普通図柄作動ゲート26を遊技球が通過したことを検出するためのゲートスイッチ26a、大入賞口41への遊技球の入賞を検出するための大入賞口スイッチ41a、左右いずれかの袖入賞口24への遊技球の入賞を検出するための袖入賞口スイッチ24a、左右いずれかの下入賞口29への遊技球の入賞を検出するための下入賞口スイッチ29a、天入賞口31への遊技球の入賞を検出するための天入賞口スイッチ31a、大入賞口中継基板50である。
【0035】
大入賞口中継基板50には、第1種特別電動役物駆動モータ44a、特定領域42を通過(入賞)した遊技球を検出するための特定領域スイッチ42a、回転角度検出センサ96が電気的に接続されている。
CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読み取る装置などを備える遊技機外装置部分22が電気的に接続されている。
電源基板80は、主電源70から交流(AC)24V(50Hz/60Hz)の電源供給を受け、その交流電源をCR接続基板56へ供給すると共に、各種電圧の直流電源を生成し、その直流電源を各基板100,200および各装置32,75,79へ供給する。
そして、主基板100のメインCPU112には、第1種始動口スイッチ27aの検出信号(検出結果)が入力されると共に、盤面中継基板51を介して各スイッチ24a,26a,29a,31a,41aの検出信号が入力され、大入賞口中継基板50から盤面中継基板51を介して特定領域スイッチ42aおよび回転角度検出センサ96の検出信号が入力される。
【0036】
[メインCPU112が実行する主な処理]
図8は、本第1実施形態においてメインCPU112が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。尚、以下の説明においてメインCPU112が実行する処理は、ROM114にコンピュータプログラムとして記憶されている。
メインCPU112は、まず、主電源70の投入時か否かを判定し(ステップ(以下、「S」と記載する)10)、主電源70の投入時(S10:Yes)には第1種パチンコ機10の各装置および各基板の初期設定を行い(S12)、最初のルーチンを終了してS10の処理へ戻る。
【0037】
2回目以降のルーチンにおいては、主電源70の投入時ではないため(S10:No)、メインCPU112は、以下のS14〜S400の処理を順次実行した後に、再びS10の処理に戻り、S10〜S400の処理を繰り返し実行する。
普通図柄処理(S14)において、メインCPU112は普通図柄表示装置34を制御する。
普通電動役物処理(S16)において、メインCPU112は普通電動役物ソレノイド28aを制御する。
第1種始動口処理(S20),特別図柄処理(S40),ラウンド処理(S100)については後述する。
【0038】
入賞処理(S200)において、メインCPU112は、各スイッチ24a,26a,27a,29a,31a,41a,42aの検出信号(検出結果)に基づいて賞球払出コマンドを生成し、その賞球払出コマンドを払出制御基板200のサブCPU212へ送り出す。
すると、サブCPU212は、賞球払出コマンドに基づいて賞球払出命令を生成し、その賞球払出命令を払出中継基板55を介して賞球ユニット62へ送り出し、賞球ユニット62により所定数の賞球を払い出させる。
【0039】
音声処理(S300)において、メインCPU112は、S14〜S200の処理結果に基づいて音声制御コマンドを生成し、その音声制御コマンドを音声制御装置79へ送り出す。すると、音声制御装置79は、音声制御コマンドに基づいて音声再生装置を制御し、遊技中の効果音などを再生させる。
ランプ処理(S400)において、メインCPU112は、S14〜S200の処理結果に基づいてランプ制御コマンドを生成し、そのランプ制御コマンドをランプ制御装置75へ送り出す。すると、ランプ制御装置75は、ランプ制御コマンドに基づいて遊技盤14に設けられたランプ類(枠ランプ18a、コーナー飾りランプ18b、サイド飾りランプ18c、装飾風車25のLEDなど)の点灯を制御する。
【0040】
[第1種始動口処理]
図9は、第1種始動口処理(図8に示すS20)の流れを示すフローチャートである。
メインCPU112は、まず、ゲートスイッチ26aの検出信号に基づいてゲートスイッチ26aがONしているか否かを判定し(S22)、ゲートスイッチ26aがONしていると判定した場合は(S22:Yes)、RAM116に記憶されている特別図柄作動記憶数Uが「4」未満であるか否かを判定し(S24)、特別図柄作動記憶数Uが「4」未満であると判定した場合は(S24:Yes)、RAM116に記憶されている特別図柄作動記憶数Uに「1」を加算する(S26)。
【0041】
続いて、メインCPU112は、ROM114に記憶されている特別図柄大当たり乱数テーブルから特別図柄大当たり乱数値を1個選択し(S28)、その特別図柄大当たり乱数値をRAM116に格納し(S30)、その後に特別図柄処理(図8に示すS40)へ移行する。
また、メインCPU112は、ゲートスイッチ26aがONしていないと判定した場合(S22:No)または特別図柄作動記憶数Uが「4」であると判定した場合(S24:No)にも、特別図柄処理(図8に示すS40)へ移行する。
ところで、ROM114に記憶されている特別図柄大当たり乱数テーブルは、例えば、「0」〜「224」の計225コマの特別図柄大当たり乱数値から構成されている。
【0042】
また、特別図柄作動記憶数Uは以下のように設定されてRAM116に記憶されている。
つまり、特別図柄表示装置32が図柄の組み合わせを変動表示中または大当たり停止図柄を表示中あるいは普通電動役物28の両可動翼片が開いているときに、遊技球が第1種始動口27に入賞すると、その入賞した遊技球の最初の4個までがRAM116に記憶され、そのRAM116に記憶された遊技球の個数は特別図柄記憶表示LED36の点灯数によって表示される。このRAM116に記憶された遊技球の個数(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が、特別図柄作動記憶数Uである。
そして、特別図柄表示装置32の図柄の変動表示が確定して停止図柄が表示されたとき、特別図柄作動記憶数Uが「1」以上であれば、特別図柄表示装置32は再び図柄の変動表示を行うと共に、特別図柄記憶表示LED36の点灯数を1つ減らす。
例えば、特別図柄作動記憶数Uが「3」の場合には、特別図柄表示装置32の図柄の変動表示が3回繰り返され、その図柄の変動表示が繰り返される度に特別図柄記憶表示LED36の点灯数が1つずつ減らされ、図柄の変動表示が3回繰り返されると特別図柄記憶表示LED36は全て消灯される。
【0043】
[特別図柄処理]
図10は、特別図柄処理(図8に示すS40)の流れを示すフローチャートである。
メインCPU112は、まず、特別図柄表示装置32が図柄の組み合わせを変動表示中か否かを判定し(S42)、特別図柄表示装置32が図柄の組み合わせを変動表示中でないと判定した場合は(S42:No)、RAM116に記憶されている特別図柄作動記憶数Uが「1」以上であるか否かを判定し(S44)、特別図柄作動記憶数Uが「1」以上であると判定した場合は(S44:Yes)、RAM116に記憶されている特別図柄作動記憶数Uから「1」を減算する(S46)。
【0044】
次に、メインCPU112は、RAM116に格納した特別図柄大当たり乱数値(図9に示すS30参照)が、特別図柄表示装置32の表示する大当たり停止図柄に対応しているか否かを判定し(S48)、特別図柄大当たり乱数値が特別図柄表示装置32の表示する大当たり停止図柄に対応していると判定した場合、つまり、特別図柄大当たり乱数値が大当たりに対応している場合は(S48:YES)、特別図柄大当たりフラグを立てる(S50)。
続いて、メインCPU112は、特別図柄表示装置32に図柄の組み合わせを所定のパターンで変動表示させるための変動パターン指定コマンドを生成し、その変動パターン指定コマンドを特別図柄表示装置32へ送り出し(S52)、第1タイマによる時間計測をスタートし(S54)、その後にラウンド処理(図8に示すS100)へ移行する。
すると、特別図柄表示装置32は、変動パターン指定コマンドに基づいて図柄の組み合わせの変動表示を開始する。
【0045】
また、メインCPU112は、特別図柄表示装置32が図柄の組み合わせを変動表示中であると判定した場合は(S42:Yes)、S56〜S72の処理を順次実行する。
まず、メインCPU112は、第1タイマの計測時間が所定時間t1(例えば、約4秒)を経過したと判定すると(S56:Yes)、特別図柄表示装置32の液晶表示器上の左側に表示される左図柄を指定するための左図柄指定コマンドを生成し、その左図柄指定コマンドを特別図柄表示装置32へ送り出す(S58)。
次に、メインCPU112は、第1タイマの計測時間が所定時間t2(例えば、約6秒)を経過したと判定すると(S60:Yes)、特別図柄表示装置32の液晶表示器上の中央に表示される中図柄を指定するための中図柄指定コマンドを生成し、その中図柄指定コマンドを特別図柄表示装置32へ送り出す(S62)。
【0046】
続いて、メインCPU112は、第1タイマの計測時間が所定時間t3(例えば、約8秒)を経過したと判定すると(S60:Yes)、特別図柄表示装置32の液晶表示器上の右側に表示される右図柄を指定するための右図柄指定コマンドを生成し、その右図柄指定コマンドを特別図柄表示装置32へ送り出す(S66)。
そして、メインCPU112は、第1タイマの計測時間が所定時間t4(例えば、約10秒)を経過したと判定すると(S68:Yes)、特別図柄表示装置32の液晶表示器に表示される3つの図柄全部(左図柄、中図柄、右図柄)を停止させるための全図柄停止コマンドを生成し、その全図柄停止コマンドを特別図柄表示装置32へ送り出し(S70)、第1タイマをリセットし(S72)、その後にラウンド処理(図8に示すS100)へ移行する。
【0047】
また、メインCPU112は、特別図柄作動記憶数Uが「0」であると判定した場合や(S44:No)、第1タイマの計測時間が各所定時間t1,t2,t3,t4を経過していないと判定した場合にも(S56,S60,S64,S68:No)、ラウンド処理へ移行する。
すると、特別図柄表示装置32は、左,中,右の各図柄指定コマンドに基づいて、特別図柄表示装置32内に備えられているキャラクタROM(図示略)から、左,中,右の各図柄の停止図柄を読み出す準備をする。そして、特別図柄表示装置32は、全図柄停止コマンドに基づいて、図柄の組み合わせの変動表示を停止し、キャラクタROMから読み出した左,中,右の各図柄の停止図柄を液晶表示器に表示する。
【0048】
[ラウンド処理]
図11および図12は、本第1実施形態におけるラウンド処理(図8に示すS100)の流れを示すフローチャートである。
メインCPU112は、まず、特別図柄大当たりフラグ(図10に示すS50参照)が立てられているか否かを判定し(S102)、特別図柄大当たりフラグが立てられていると判定した場合は(S102:Yes)、特別図柄大当たりデモ表示コマンドを生成し、その特別図柄大当たりデモ表示コマンドを特別図柄表示装置32へ送り出す(S104)。
すると、特別図柄表示装置32は、特別図柄大当たりデモ表示コマンドに基づいて、「大当たり」の文字や大当たりを祝う静止画または動画などを液晶表示器に表示する。
【0049】
続いて、メインCPU112は、RAM116に記憶されているラウンド数Rに「1」を加算する(S106)。
そして、メインCPU112は、変動入賞装置40が第2動作状態(図3(B)および図5参照)になるように、盤面中継基板51から大入賞口中継基板50を介して、第1種特別電動役物駆動モータ44aへ第2動作状態駆動信号を送り出し(出力し)(S108)、第2タイマによる時間計測をスタートする(S110)。これにより、最初にこのルーチンに入った場合には、大当たり状態の第1ラウンド(ラウンド数R=1)が開始される。
すると、第1種特別電動役物駆動モータ44aは、第2動作状態駆動信号に従い、前記したように、軸部材46aがベルト部材48aを巻き戻す方向(図5に示す矢印F2方向)に所定回転角度α1だけ回転する。その結果、各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが可能になるため、大入賞口41への多数の遊技球の入賞が可能になり、大当たり状態が発生する。
【0050】
続いて、メインCPU112は、特定領域スイッチ42aの検出信号に基づいて特定領域スイッチ42aがONしているか否かを判定し(S114)、特定領域スイッチ42aがONしていると判定した場合は(S114:Yes)、特定領域通過表示コマンドを生成し、その特定領域通過表示コマンドを特別図柄表示装置32へ送り出す(S116)。
すると、特別図柄表示装置32は、特定領域通過表示コマンドに基づいて、所定の文字または符合など(例えば、「V」という文字など)を液晶表示器に表示する。この液晶表示器の表示を見た遊技者は、次回のラウンドも連続して変動入賞装置40が第2動作状態になり、大入賞口41への多数の遊技球の入賞が可能になることを知ることができる。
【0051】
続いて、メインCPU112は、変動入賞装置40が第3動作状態(図3(C)および図6参照)になるように、第1種特別電動役物駆動モータ44aへ第3動作状態駆動信号を送り出す(S118)。
すると、第1種特別電動役物駆動モータ44aは、第3動作状態駆動信号に従い、前記したように、軸部材46aがベルト部材48aを巻き取る方向(図6に示す矢印F1方向)に所定回転角度α2だけ回転する。その結果、特定領域42と一般領域43bには遊技球が入賞することが不能になると共に、各一般領域43a,43cには遊技球が入賞することが可能になる。
【0052】
そして、メインCPU112は、第2タイマの計測時間が所定時間T1(例えば、約30秒)を経過するまで(S122:Yes)、大入賞口スイッチ41aの検出信号に基づいて大入賞口41(特定領域42、一般領域43a〜43c)に入賞した遊技球の数(入賞数)PをカウントしてRAM116に記憶させ、その入賞数Pが所定個数N(例えば、10個)以上になるまで(S124:Yes)、S114〜S122の処理を繰り返し実行する。
また、メインCPU112は、特定領域スイッチ42aがONしていないと判定した場合にも(S114:No)、S122の処理へ移行する。
【0053】
続いて、メインCPU112は、第2タイマの計測時間(変動入賞装置40が第2動作状態になってからの経過時間)が所定時間T1を経過したと判定した場合(S122:Yes)、または、大入賞口41の入賞数Pが所定個数N以上になったと判定した場合は(S124:Yes)、変動入賞装置40が第1動作状態(図3(A)および図4参照)になるように、第1種特別電動役物駆動モータ44aへ第1動作状態駆動信号を送り出し(S126)、第3タイマによる時間計測をスタートする(S128)。これにより、大当たり状態の1つのラウンド(最初にこのルーチンに入った場合には第1ラウンド)が終了される。
すると、第1種特別電動役物駆動モータ44aは、第1動作状態駆動信号に従い、前記したように、軸部材46aがベルト部材48aを巻き取る方向(図4に示す矢印F1方向)に所定回転角度α1だけ回転する。その結果、各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが不能になるため、大入賞口41へ遊技球が入賞することが不能になり、大当たり状態ではなくなる。
【0054】
続いて、メインCPU112は、後述する球詰まり処理を実行し(S130)、RAM116に記憶されているラウンド数Rが予め設定された最終ラウンド数n(例えば、16)であるか否かを判定し、ラウンド数Rが最終ラウンド数nではないと判定した場合は(S132:No)、第3タイマの計測時間(変動入賞装置40が第1動作状態になってからの経過時間)が所定時間T2(例えば、約2秒)を経過するまで待ち(S134)、第3タイマの計測時間が所定時間T2を経過したと判定すると(S134:Yes)、再び特定領域スイッチ42aがONしているか否かを判定し(S136)、特定領域スイッチ42aがONしていると判定した場合は(S136:Yes)、特定領域通過表示コマンドを特別図柄表示装置32へ送り出す(S138)。
【0055】
つまり、遊技球が特定領域42に入賞してから特定領域スイッチ42aによって検出されるまでにはある程度の時間を要するため、変動入賞装置40が第1動作状態になる直前に特定領域42に遊技球が入賞した場合のことを考慮し、前記ある程度の時間(所定時間T2)だけ待ってから、特定領域スイッチ42aがONしているか否かを判定する(S136)。
尚、S114の処理で既に特定領域スイッチ42aがONしていると判定した場合は(S114:Yes)、既にS116の処理が実行されているため、S138の処理を実行しないようにする。
【0056】
続いて、メインCPU112は、第3タイマの計測時間(変動入賞装置40が第1動作状態になってからの経過時間)が予め設定されたインターバル時間T3(例えば、約3秒)を経過するまで待ち(S140)、第3タイマの計測時間がインターバル時間T3を経過したと判定すると(S140:Yes)、S106の処理へ戻りS106〜S140の処理を繰り返し実行する。
そして、メインCPU112は、ラウンド数Rが最終ラウンド数nであると判定した場合(S132:Yes)、または、S136の処理にて特定領域スイッチ42aがONしていないと判定した場合は(S136:No)、RAM116に記憶されているラウンド数Rおよび入賞数Pを「0」にリセットし(S142)、特別図柄大当たりフラグをリセットし(S144)、第2タイマおよび第3タイマをリセットし(S146)、その後に入賞処理(図8に示すS200)へ移行する。
【0057】
また、メインCPU112は、特別図柄大当たりフラグ(図10に示すS50参照)が立てられていないと判定した場合も(S102:No)、入賞処理へ移行する。
このように、変動入賞装置40が第2動作状態(S108参照)になってから第1動作状態(S126参照)になるまでを1ラウンドとして、遊技球が特定領域42に入賞することを条件に、所定回数のラウンド(例えば、最終ラウンド数n=16ラウンド)分だけ遊技を行うことができる。
【0058】
[球詰まり処理]
図13は、球詰まり処理(図12に示すS130)の流れを示すフローチャートである。
メインCPU112は、まず、回転角度検出センサ96の検出信号に基づいて、第1種特別電動役物駆動モータ44aの回転角度θを検出し(S160)、その回転角度θが所定回転角度α1であるか否かを判定し(S162)、回転角度θが所定回転角度α1であると判定した場合は(S162:Yes)、図12に示すS132の処理へ移行する。
【0059】
また、メインCPU112は、回転角度θが所定回転角度α1でないと判定した場合は(S162:No)、S126の処理で第1動作状態(図3(A)および図4参照)になっている変動入賞装置40が、第2動作状態(図3(B)および図5参照)に一旦なった後に、第1動作状態に速やかに戻るように、第1種特別電動役物駆動モータ44aへ第2動作状態駆動信号と第1動作状態駆動信号とを切り替えて送り出す(S164)。
すると、第1種特別電動役物駆動モータ44aは、まず、第2動作状態駆動信号に従い、軸部材46aがベルト部材48aを巻き戻す方向(図5に示す矢印F2方向)に所定回転角度α1だけ回転した後に、第1動作状態駆動信号に従い、軸部材46aがベルト部材48aを巻き取る方向(図4に示す矢印F1方向)に所定回転角度α1だけ回転する。
【0060】
その結果、S126の処理で第1動作状態になっている各ベルト部材48a,48bは、第2動作状態(軸部材間に完全に弛緩して張り渡された状態)に一旦なった後に、第1動作状態(軸部材間に緊張して張り渡された状態)に速やかに戻る(第1動作状態→第2動作状態→第1動作状態)。
ここで、回転角度θが所定回転角度α1にならない原因には、以下の▲1▼▲2▼がある。
▲1▼パチンコ機10(変動入賞装置40、大入賞口中継基板50、盤面中継基板51、主基板100など)が故障した場合。
▲2▼ベルト部材48a,48bのいずれか一方または両方と大入賞口41を構成する各領域42,43a〜43cとの間に遊技球が挟まれ(大入賞口41に球詰まりが起こり)、その遊技球が挟まれたベルト部材48a,48bが動かなくなり、各軸部材46a,46bによる各ベルト部材48a,48bの巻き取りが阻害された場合。
【0061】
そこで、S164の処理において、各ベルト部材48a,48bを一旦弛緩させてから(第2動作状態)速やかに緊張させて張り直す(第1動作状態)ことにより、上記▲2▼の場合において、挟まれている遊技球を各ベルト部材48a,48bから弾き飛ばすようにするわけである。このS164の処理により、挟まれていた遊技球が弾き飛ばされれば、各軸部材46a,46bによる各ベルト部材48a,48bの巻き取りは正常に行われ(大入賞口41の球詰まりは解消され)、回転角度θは所定回転角度α1になる。
そして、メインCPU112は、再び回転角度θを検出し(S166)、その回転角度θが所定回転角度α1であるか否かを再び判定し(S168)、回転角度θが所定回転角度α1であると判定した場合は(S168:Yes)、図12に示すS132の処理へ移行する。
【0062】
また、メインCPU112は、回転角度θが所定回転角度α1でないと判定した場合は(S168:No)、発射停止コマンドを作成し、その発射停止コマンドを払出制御基板200のサブCPU212へ送り出し(S170)、大入賞口41に球詰まりが起こってパチンコ機10が遊技を停止した旨のメッセージを遊技枠情報端子基板52からホールコンピュータへ送り出し(S172)、処理を終了する。
すると、サブCPU212は発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eへ駆動停止信号を出力し、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。また、ホールコンピュータは、大入賞口41に球詰まりが起こってパチンコ機10が遊技を停止した旨のメッセージをパチンコ機10の管理者(ホール従業員)へ報知する。
【0063】
[第1実施形態の作用および効果]
以上詳述したように、本第1実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
[1]変動入賞装置40は、各ベルト部材48a,48bを設けた第1種特別電動役物44を備え、前記3つの動作状態(第1動作状態、第2動作状態、第3動作状態)において各ベルト部材48a,48bの形状を変化させる。
従って、従来の電動役物(翼片を備えたタイプや扉形式のタイプなど)を見飽きた遊技者の目には、本第1実施形態の変動入賞装置40の構造や第1種特別電動役物44の変化に富んだ動きが目新しく映るため、遊技者は遊技に新たな興趣を覚えることができる。
【0064】
[2]各ベルト部材48a,48bは柔軟性を有しているため、ベルト部材48a,48bのいずれか一方または両方と大入賞口41を構成する各領域42,43a〜43cとの間に遊技球が挟まれた場合には、前記球詰まり処理(図13参照)により、遊技球が挟まれたことを検出し(S160、S162参照)、その挟まれた遊技球を遊技を中断させることなく自動的に取り除くことができる(S164)。
そのため、挟まれた遊技球を遊技機の管理者が取り除く必要がなくなり、遊技が中断されて興趣がそがれるのを防止することができる。
【0065】
[3]前記球詰まり処理(図13参照)において、挟まれた遊技球を自動的に取り除くことができない場合には(S168:No)、遊技球の発射を停止すると共に(S170参照)、その旨のメッセージをホールコンピュータを介してパチンコ機10の管理者へ報知する(S172参照)。
そのため、大入賞口41の球詰まり時に遊技球が無駄に発射されることがなくなり、遊技者が不利益を被るのを防止することができる。また、パチンコ機10の管理者は、大入賞口41に球詰まりが起こって遊技が停止したことを速やかに認知することが可能になり、それに対して素早い対応をとることができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について説明する。
本第2実施形態では、図3〜図6に示した第1実施形態の変動入賞装置40に代えて、図14および図15に示す変動入賞装置400を用いている。
[変動入賞装置400の主要構成]
図14は、変動入賞装置400の要部構造および動作を説明するための外観斜視図である。図15は、変動入賞装置400から取り外した可動部分の要部構造および動作を説明するための要部斜視図である。
変動入賞装置400は、大入賞口401および第1種特別電動役物402を備えている。
大入賞口401は、遊技盤14面に形成された横長矩形の開口部からなり、大入賞口401の内部には特定領域403が設けられている。特定領域403の内部には、特定領域403を通過(入賞)した遊技球を検出するための特定領域スイッチ(図示略)が設けられている。また、大入賞口401の内部には、大入賞口401に入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ(図示略)が設けられている。
【0067】
第1種特別電動役物402は、開閉部材404、第1種特別電動役物ソレノイド405、ハウジング406、伸長量検出センサ407から構成されている。
開閉部材404は可撓性を有し、定常状態では平板状の帯状物である。開閉部材404の長手方向中央部の下面側には、後述するように開閉部材404が下向きに撓むのを防止するための不要変形防止リブ404aが立設されている。開閉部材404の右端部は、ソレノイド405のプランジャ405aから延出された腕部材405bに連結されている。ソレノイド405およびプランジャ405aは遊技盤14の裏面側に設けられ、ソレノイド405は遊技盤14の裏面に取付固定されている。
【0068】
ハウジング406は左右に横長の箱状を成し、大入賞口401の下方前側に配置されている。そして、ハウジング406の左上端部には開閉部材404の左端部(プランジャ405aに連結されている側の反対側の端部)が取付固定され、ハウジング406の上面における左右方向(大入賞口401の前面左右方向)に開閉部材404が差し渡されている。
伸長量検出センサ407は、後述するプランジャ405aの伸長量を検出する。
【0069】
[変動入賞装置400の動作]
次に、上記のように構成された変動入賞装置400の動作について説明する。
ソレノイド405がONするとプランジャ405aは矢印G1方向に伸長動作し(図15(A)参照)、ソレノイド405がOFFするとプランジャ405aは矢印G2方向に退縮動作する(図15(B)参照)。
ここで、開閉部材404の右端部は腕部材405bを介してプランジャ405aに連結されている。そのため、プランジャ405aが矢印G1方向に伸長動作すると、開閉部材404の右端部は、プランジャ405aにより腕部材405bを介して押圧され、矢印G1方向(開閉部材404の左端部側)に付勢されて移動する。
【0070】
一方、開閉部材404の左端部はハウジング406の左上端部に取付固定されているため、開閉部材404の右端部が矢印G1方向に移動すると、その移動量分だけ開閉部材404が撓むことになる。このとき、開閉部材404には下向きに撓むのを防止するための不要変形防止リブ404aが立設されているため、開閉部材404は上向きにアーチ状を成して撓み、その撓んだ開閉部材404により大入賞口401が閉鎖される(図14(A)参照)。
その結果、開閉部材404の上面側へ流下してきた遊技球408は、上向きにアーチ状を成して撓んだ開閉部材404に当たって跳ね返るか(図14(A)に示す矢印H1参照)、または、開閉部材404の上面沿って左右方向に流れ(図14(A)に示す矢印H2,H3参照)、大入賞口401に入賞することが不能になる。
【0071】
また、プランジャ405aが矢印G2方向に退縮動作すると、開閉部材404の右端部も矢印G2方向に移動し、開閉部材404が定常状態の平板状に戻るため、大入賞口401は開放されることになる(図14(B)参照)。
その結果、開閉部材404の上面側へ流下してきた遊技球408は、開閉部材404に当たってその進行方向が変えられ、大入賞口401に入賞することが可能になる(図14(B)に示す矢印H4参照)。
尚、開閉部材404は、可撓性を有してアーチ状に撓むことが可能であれば、どのような材質(例えば、各種高分子材料、各種金属(バネ鋼、燐青銅、チタン合金など)、または、これらの材料の膜を複数層積層したもの、など)を用いて形成してもよい。
【0072】
[パチンコ機10の電気的構成]
図16は、本第2実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図である。
図16において、図7に示した第1実施形態のパチンコ機10のブロック回路図と異なるのは、大入賞口中継基板50に、第1種特別電動役物ソレノイド(尚、図16ではソレノイドを「SL」と表記する)405、特定領域スイッチ42a、伸長量センサ407が電気的に接続されている点だけである。
そして、主基板100のメインCPU112には、第1種始動口スイッチ27aの検出信号(検出結果)が入力されると共に、盤面中継基板51を介して各スイッチ24a,26a,29a,31a,41aの検出信号が入力され、大入賞口中継基板50から盤面中継基板51を介して特定領域スイッチ42aおよび伸長量検出センサ407の検出信号が入力される。
【0073】
[メインCPU112が実行する主な処理]
本第2実施形態においてメインCPU112が実行する処理のうち、図8〜図10に示すフローチャートで説明される内容については第1実施形態と同じである。
[ラウンド処理]
図17は、本第2実施形態におけるラウンド処理(図8に示すS100)の流れを示すフローチャートである。
図17において、図11および図12に示した第1実施形態におけるラウンド処理のフローチャートと異なるのは以下の点である。
【0074】
(1)S108の処理において、メインCPU112は、第1種特別電動役物ソレノイド405がOFFするように、盤面中継基板51から大入賞口中継基板50を介して、第1種特別電動役物ソレノイド405へOFF駆動信号を送り出す。
すると、第1種特別電動役物ソレノイド405はOFF駆動信号に基づいてOFFし、プランジャ405aは矢印G2方向に退縮動作し(図15(B)参照)、開閉部材404は定常状態の平板状に戻り、大入賞口401は開放される(図14(B)参照)。
【0075】
(2)図11に示すS114〜S118の処理は、図17では省かれている。
(3)S126の処理において、メインCPU112は、第1種特別電動役物ソレノイド405がONするように、第1種特別電動役物ソレノイド405へON駆動信号を送り出す。
すると、第1種特別電動役物ソレノイド405はON駆動信号に基づいてONし、プランジャ405aは矢印G1方向に伸長動作し(図15(A)参照)、開閉部材404は上向きにアーチ状を成して撓み、大入賞口401は閉鎖される(図14(A)参照)。
【0076】
[球詰まり処理]
図18は、球詰まり処理(図17に示すS130)の流れを示すフローチャートである。
メインCPU112は、まず、伸長量検出センサ407の検出信号に基づいて、プランジャ405aの伸長量を検出し(S160)、その伸長量が最大値であるか否かを判定し(S162)、その伸長量が最大値であると判定した場合は(S162:Yes)、図17に示すS132の処理へ移行する。
【0077】
また、メインCPU112は、プランジャ405aの伸長量が最大値でないと判定した場合は(S162:No)、第1種特別電動役物ソレノイド405へOFF駆動信号とON駆動信号とを切り替えて送り出す(S164)。
すると、第1種特別電動役物ソレノイド405のプランジャ405aは、まず、OFF駆動信号に従って退縮動作した後に、ON駆動信号に従って伸長動作する。
【0078】
その結果、S126の処理で第1種特別電動役物ソレノイド405がON状態になってアーチ状に撓められた開閉部材404が、定常状態の平板状に一旦なった後に、撓められた状態に速やかに戻る。
ここで、プランジャ405aの伸長量が最大値にならない原因には、以下の▲1▼▲2▼がある。
▲1▼パチンコ機10(変動入賞装置400、大入賞口中継基板50、盤面中継基板51、主基板100など)が故障した場合。
▲2▼開閉部材404と大入賞口401との間に遊技球が挟まれ、開閉部材404が動かなくなり(大入賞口401に球詰まりが起こり)、プランジャ405aの伸長動作が阻害された場合。
【0079】
そこで、S164の処理において、プランジャ405aを一旦退縮させてから速やかに伸長させることにより、上記▲2▼の場合において、挟まれている遊技球を開閉部材404から弾き飛ばすようにするわけである。このS164の処理により、挟まれていた遊技球が弾き飛ばされれば、プランジャ405aの伸長動作は正常に行われ(大入賞口401の球詰まりは解消され)、伸長量は最大値になる。
そして、メインCPU112は、再びプランジャ405aの伸長量を検出し(S166)、その伸長量が最大値であるか否かを再び判定し(S168)、伸長量が最大値であると判定した場合は(S168:Yes)、図17に示すS132の処理へ移行する。
【0080】
また、メインCPU112は、プランジャ405aの伸長量が最大値でないと判定した場合は(S168:No)、発射停止コマンドを作成し、その発射停止コマンドを払出制御基板200のサブCPU212へ送り出し(S170)、大入賞口401に球詰まりが起こって遊技を停止した旨のメッセージを遊技枠情報端子基板52からホールコンピュータへ送り出し(S172)、処理を終了する。
【0081】
[第2実施形態の作用および効果]
以上詳述したように、本第2実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
(1)変動入賞装置400は、開閉部材404を設けた第1種特別電動役物402を備え、開閉部材404の形状を変化させる。
従って、従来の電動役物を見飽きた遊技者の目には、本第2実施形態の変動入賞装置400の構造や第1種特別電動役物402の動きが目新しく映るため、遊技者は遊技に新たな興趣を覚えることができる。
【0082】
(2)開閉部材404は可撓性を有しているため、開閉部材404と大入賞口401との間に遊技球が挟まれた場合には、前記球詰まり処理(図18参照)により、遊技球が挟まれたことを検出し(S160、S162参照)、その挟まれた遊技球を遊技を中断させることなく自動的に取り除くことができる(S164)。
そのため、第1実施形態の前記[2]と同じ効果を得ることができる。
【0083】
(3)前記球詰まり処理(図18参照)において、挟まれた遊技球を自動的に取り除くことができない場合には(S168:No)、遊技球の発射を停止すると共に(S170参照)、その旨のメッセージをホールコンピュータを介してパチンコ機10の管理者へ報知する(S172参照)。
そのため、第1実施形態の前記[3]と同じ効果を得ることができる。
【0084】
[別の実施形態]
ところで、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
(1)第1実施形態では、各平歯車45a,45bにより平行軸歯車の歯車対を構成し、駆動モータ44aにより回転駆動される平歯車45aを駆動歯車とし、平歯車45aにより回転させられる平歯車45bを被動歯車とした。
しかし、各平歯車45a,45bを省くと共に、軸部材46bをモータ軸とする駆動モータを設け、各軸部材46a,46bをそれぞれ別の駆動モータによって駆動するようにしてもよい。
【0085】
(2)第1実施形態では、特定領域42および一般領域43a〜43cから大入賞口41を構成し、各領域42,43a〜43cを遊技盤14面に開口した遊技球1個が入る程度の大きさの穴によって形成している。
しかし、各領域42,43a〜43cの大きさはこれに限るものではなく、任意の大きさに設定すればよい。また、2つの一般領域43b,43cをつなげて長円形の穴としてもよい。
【0086】
(3)第1実施形態では、第1種特別電動役物駆動モータ44aのモータ軸(軸部材46a)の回転角度を検出する回転角度検出センサ96を設けている。
しかし、回転角度検出センサ96を省き、駆動モータ44aのモータ軸の回転トルクを検出し、その回転トルクに基づいて駆動モータ44aの回転角度θが所定回転角度α1であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0087】
(4)第2実施形態では、第1種特別電動役物ソレノイド405のプランジャ405aの伸長量を検出する伸長量検出センサ407を設けている。
しかし、伸長量検出センサ407を省き、第1種特別電動役物ソレノイド405の伸長動作に伴うトルクを検出し、そのトルクに基づいてソレノイド405の伸長量が最大値であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0088】
(5)第1実施形態では、各ベルト部材48a,48bが緊張した状態で張り渡されている場合に各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが不能になり(第1動作状態)、各ベルト部材48a,48bが完全に弛緩した状態で張り渡されている場合に各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが可能になる(第2動作状態)。
しかし、各ベルト部材48a,48bが緊張した状態で張り渡されている場合に各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが可能になり、各ベルト部材48a,48bが完全に弛緩した状態で張り渡されている場合に各領域42,43a〜43cのいずれにも遊技球が入賞することが不能になるようにしてもよい。
【0089】
(6)第2実施形態では、開閉部材404が撓んだ場合に大入賞口401が閉鎖され、開閉部材404が定常状態に戻った場合に大入賞口401が開放される。
しかし、開閉部材404が撓んだ場合に大入賞口401が開放され、開閉部材404が定常状態に戻った場合に大入賞口401が閉鎖されるようにしてもよい。
【0090】
(7)第2実施形態において、開閉部材404の撓んだ状態を2段階(撓みが小さな第1段階の状態、撓みが大きな第2段階の状態)に設定し、第2段階の状態の場合にのみ特定領域403を遊技球が通過可能になるようにしてもよい。このようにすれば、開閉部材404の動きがさらに変化に富んだものになるため、遊技の興趣をより高めることができる。
【0091】
(8)上記各実施形態では、球詰まり処理(図13または図18参照)において挟まれた遊技球を取り除く処理(S164参照)を1回だけ行っているが、挟まれた遊技球を取り除くことができない場合には(S168:No)、S164の処理を複数回行うようにしてもよい。このようにすれば、挟まれた遊技球をより確実に取り除くことができる。
【0092】
(9)第2実施形態では、開閉部材404の左端部がハウジング406の左上端部に予め取付固定されている。
しかし、開閉部材404の左端部をハウジング406の左上端部に予め取付固定しておくのではなく、開閉部材404の右端部がプランジャ405aにより矢印G1方向に付勢されて移動するときに、開閉部材404の左端部がハウジング406の左上端部に突設された突起部406aに当接し、その当接した位置で開閉部材404の左端部が突起部406aと係合して固定されるようにしてもよい(図14(A)および図15(A)参照)。この場合にも、上記第2実施形態と同様に、開閉部材404の右端部が矢印G1方向に移動したとき、開閉部材404の左端部が固定されているため、開閉部材404の右端部の移動量分だけ開閉部材404が撓むことになる。
【0093】
(10)第1実施形態の各ベルト部材48a,48bを鎖状の部材(例えば、時計の金属ベルト様のもの、一箇所が切断されて帯状にされた無限軌道のようなもの、など)によって形成してもよい。尚、その鎖状の部材は、どのような材質(例えば、各種高分子材料、各種金属材料など)を用いて形成してもよい。但し、その鎖状の部材は、全体として、上記の3つの動作状態(第1動作状態、第2動作状態、第3動作状態)において必要とされる形状に変形するのに十分な柔軟性を有している必要がある。
(11)第2実施形態の開閉部材404を鎖状の部材(例えば、時計の金属ベルト様のもの、一箇所が切断されて帯状にされた無限軌道のようなもの、など)によって形成してもよい。尚、その鎖状の部材は、どのような材質(例えば、各種高分子材料、各種金属材料など)を用いて形成してもよい。但し、その鎖状の部材は、全体として、上記したアーチ状に撓むのに十分な可撓性を有している必要がある。
【0094】
(12)第1実施形態の各ベルト部材48a,48bおよび第2実施形態の開閉部材404を、流体(気体または液体)の出し入れで膨らんだり萎んだりする袋状部材に置き代えてもよい。この場合、前記袋状部材を膨らませたときにはその袋状部材により大入賞口41,401が閉鎖され、前記袋状部材を萎ませたときには大入賞口41,401が開放されるようにすればよい。また、前記袋状部材と大入賞口41,401との間に遊技球が挟まった場合には、前記袋状部材を萎ませた後に再び膨らませるようにすれば、挟まっている遊技球を取り除くことができる。
【0095】
(13)上記各実施形態は、大入賞口41,401の入口を開き又は拡大して遊技球を入賞し易くするための第1種特別電動役物44,402に適用したものであるが、その他の入賞口(例えば、袖入賞口24、下入賞口29、天入賞口31など)の入口を開き又は拡大して遊技球を入賞し易くするための電動役物に適用してもよい。
【0096】
(14)上記実施形態では、本発明に係る遊技機として第1種パチンコ機を例に挙げて説明したが、第2種パチンコ機、第3種パチンコ機、それら以外の種類のパチンコ機、あるいは、スロットマシンなどの他の遊技機にもこの発明を適用可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態のパチンコ機の正面図。
【図2】第1実施形態のパチンコ機から取り外した遊技盤の正面図。
【図3】第1実施形態の変動入賞装置を遊技盤の正面側から見た正面図。
【図4】第1実施形態の変動入賞装置の要部構造および動作(第1動作状態)を説明するための一部透視斜視図。
【図5】第1実施形態の変動入賞装置の要部構造および動作(第2動作状態)を説明するための一部透視斜視図。
【図6】第1実施形態の変動入賞装置の要部構造および動作(第3動作状態)を説明するための一部透視斜視図。
【図7】第1実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック回路図。
【図8】メインCPU112が実行する主な処理の流れを示すフローチャート。
【図9】メインCPU112が図8のS20において実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャート。
【図10】メインCPU112が図8のS40において実行する特別図柄処理の流れを示すフローチャート。
【図11】第1実施形態においてメインCPU112が図8のS100で実行するラウンド処理の流れを示すフローチャート。
【図12】第1実施形態においてメインCPU112が図8のS100で実行するラウンド処理の流れを示すフローチャート。
【図13】メインCPU112が図12のS130において実行する球詰まり処理の流れを示すフローチャート。
【図14】本発明を具体化した第2実施形態の変動入賞装置の要部構成および動作を説明するための外観斜視図。
【図15】第2実施形態の変動入賞装置から取り外した可動部分の要部構造および動作を説明するための要部斜視図。
【図16】第2実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック回路図。
【図17】第2実施形態においてメインCPU112が図8のS100で実行するラウンド処理の流れを示すフローチャート。
【図18】メインCPU112が図17のS130において実行する球詰まり処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
10 パチンコ機(遊技機)
14 遊技盤
40,400 変動入賞装置
41,401 大入賞口
41a 大入賞口スイッチ
44,402 第1種特別電動役物
42,403 特定領域
42a 特定領域スイッチ
43a,43b,43c 一般領域
44a 第1種特別電動役物駆動モータ
45a,45b 平歯車
46a,46b,47a,47b 軸部材
48a,48b ベルト部材
49a,49b ハウジング
50 大入賞口中継基板
51 盤面中継基板
96 回転角度検出センサ
100 主基板
112 メインCPU
114 ROM
116 RAM
404 開閉部材
405 第1種特別電動役物ソレノイド
406 ハウジング
407 伸長量検出センサ

Claims (6)

  1. 遊技球が流下する遊技盤と、
    その遊技盤に設けられた入賞口と、
    前記遊技盤に設けられた可動部材を有し、その可動部材によって前記入賞口への遊技球の入賞を可能または不能にする電動役物と
    を備えた遊技機において、
    前記可動部材自体を変形させることによって前記電動役物を駆動する電動役物駆動手段を備え、
    当該電動役物駆動手段は、前記可動部材自体を変形させることにより、遊技盤を流下してきた遊技球が前記入賞口に入賞不能となるように前記可動部材にて前記入賞口を囲う第1状態と、遊技盤を流下してきた遊技球が前記入賞口に入賞可能となるように前記可動部材による前記入賞口の囲いを解除する第2状態とを切り替え、
    前記可動部材は柔軟性を有する帯状長尺物から成り、
    前記可動部材自体を変形させるには、前記電動役物駆動手段により前記可動部材を緊張させるか又は弛緩させて張り渡すことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記可動部材は第1端部および第2端部を有し、
    前記可動部材の第1端部は固定され、前記可動部材の第2端部は前記電動役物駆動手段に取り付けられ、
    前記電動役物駆動手段によって前記可動部材の第2端部側を巻き取ることにより前記可動部材を緊張させて張り渡し、前記電動役物駆動手段によって前記可動部材の第2端部側を巻き戻すことにより前記可動部材を弛緩させて張り渡すことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の遊技機において、
    前記入賞口には特定領域が設定され、
    前記電動役物駆動手段は、前記可動部材自体を変形させることにより、前記第1状態と第2状態の切り替えに加えて、前記入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過不能となるように前記可動部材にて前記入賞口を囲う第3状態の切り替えを行い、
    前記第2状態のときに、前記入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過すると、前記電動役物駆動手段によって前記可動部材を前記第3状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
  4. 遊技球が流下する遊技盤と、
    その遊技盤に設けられた入賞口と、
    前記遊技盤に設けられた可動部材を有し、その可動部材によって前記入賞口への遊技球の入賞を可能または不能にする電動役物と
    を備えた遊技機において、
    前記可動部材自体を変形させることによって前記電動役物を駆動する電動役物駆動手段を備え、
    当該電動役物駆動手段は、前記可動部材自体を変形させることにより、遊技盤を流下してきた遊技球が前記入賞口に入賞不能となるように前記可動部材にて前記入賞口を囲う第1状態と、遊技盤を流下してきた遊技球が前記入賞口に入賞可能となるように前記可動部材による前記入賞口の囲いを解除する第2状態とを切り替え、
    前記可動部材は可撓性を有する帯状物から成り、
    前記可動部材自体を変形させるには、前記電動役物駆動手段により前記可動部材を撓ませることを特徴とする遊技機。
  5. 請求項4に記載の遊技機において、
    前記可動部材は第1端部および第2端部を有し、
    前記可動部材の第1端部は前記電動役物駆動手段に取り付けられ、
    前記電動役物駆動手段によって前記可動部材の第1端部側を第2端部側に向けて移動させるとき、前記可動部材の第2端部が固定されて前記可動部材が撓むことを特徴とする遊技機。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技機において、
    前記入賞口と前記可動部材との間に遊技球が挟まれた場合には、前記電動役物駆動手段によって前記可動部材を前記第1状態から前記第2状態に切り替えた後に前記第1状態に速やかに切り替え、それでも挟まれた遊技球を取り除くことができない場合には、遊技球の発射を停止すると共に、挟まれた遊技球を取り除くことができないため遊技球の発射を停止した旨を遊技機の管理者へ報知することを特徴とする遊技機。
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