JP3683472B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、パチンコ機、およびそのパチンコ機を機能させるためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体に関し、たとえば遊技盤に設けられた図柄表示装置によって変動表示された図柄が所定の図柄で停止した場合に大当りを発生し、大入賞口に入賞した遊技球が特別領域を通過することを条件に大入賞口の連続開放が可能なパチンコ機、およびそのパチンコ機を機能させるためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパチンコ機として、たとえば図13に示すパチンコ機が知られている。図13は従来のパチンコ機を正面から見た概略説明図である。
従来のパチンコ機800は、遊技盤802と、この遊技盤802の遊技領域へ遊技球を発射する発射装置804とを備える。また、遊技盤802には、特別図柄表示装置824と、第1種始動口816と、大入賞口826とが備えられている。
そして、発射装置804から発射された遊技球が、第1種始動口816に入賞すると、特別図柄表示装置824が3箇所に図柄を変動表示し、停止した3つの図柄が所定の図柄(たとえば777)に揃った場合に大当りが発生し、大入賞口826を所定時間開放する。そして、大入賞口826の開放時間が所定時間に達するか、大入賞口826への入賞数が所定数に達すると大入賞口826が閉口する。このとき、大入賞口826に入賞した入賞球が、大入賞口826の内部に設けられた特定領域828を通過すると、連続して大入賞口826が開放する。このように、大入賞口826の開放から閉口までを1ラウンドとして、遊技球が特定領域828を通過することを条件に、所定回数のラウンド(たとえば16ラウンド)を遊技できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のパチンコ機では、どの方向から大入賞口826に入賞した場合であっても、遊技球が特定領域828を通過する確率が同じであるため、遊技が単調になってしまうという問題がある。
【0004】
そこでこの発明は、遊技球が入賞する方向によって、その入賞した遊技球が特定領域を通過する確率を異ならせることにより、遊技の単調さを解消することができるパチンコ機を実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、図柄を変動表示する図柄表示手段により大当り図柄が停止表示されたときに大入賞口を所定時間開口する入賞装置と、この入賞装置に入賞した遊技球の流下方向に設けられた特定領域とを有しており、前記大入賞口の開口時間が所定時間に達するか、前記大入賞口への入賞数が所定数に達すると前記大入賞口が閉口し、前記大入賞口の開口から閉口までを1ラウンドとして前記大入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過することを条件に次のラウンドに進むパチンコ機において、前記入賞装置は、第1のハウジングと、この第1のハウジングの右端に設けられた軸部材を回動軸として上下方向に回動することにより前記大入賞口を開閉する右羽根部材と、前記第1のハウジングの左端に設けられた軸部材を回動軸として前記右羽根部材とリンクして上下方向に回動することにより前記大入賞口を開閉する左羽根部材と、前記第1のハウジングの後部に形成された第2のハウジングと、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとの間に形成された後ろ下がりの斜面と、前記第2のハウジングに上下方向に貫通形成された前記特定領域と、この特定領域の両側に形成された一般領域と、前記第1のハウジングの上面の開口部から突出して動作可能に設けられた変更部材と、遊技球が開放動作した前記左羽根部材から入賞し、前記変更部材に衝突して前記斜面を流下する流下経路Aと、遊技球が開放動作した前記右羽根部材から入賞し、前記変更部材に衝突して前記斜面を流下する流下経路Bとを備えており、開放動作した前記左羽根部材から入賞した遊技球が前記流下経路Aに沿って流下して前記特定領域を通過する確率と、開放動作した前記右羽根部材から入賞した遊技球が前記流下経路Bに沿って流下して前記特定領域を通過する確率とは、前記変更部材の動作後の形態によって、一方の流下経路の方が高く、他方の流下経路の方が低くなるように構成されており、前記大当り図柄の種類により、前記変更部材の動作を制御する制御手段を備えたという技術的手段を用いる。
【0006】
つまり、入賞装置は、遊技球が入賞する方向によって、その入賞した遊技球が特定領域を通過する確率が異なるように動作するため、遊技の単調さを解消することができる。
【0008】
また、遊技球が、入賞装置の右羽根部材から入賞した場合と、左羽根部材から入賞した場合とで、その入賞した遊技球が斜面を流下して特定領域を通過する確率が異なるため、遊技者は、遊技球が入賞装置の左右のどちらから入賞するか、その行方を期待を込めて見守りながら遊技することとなるので、遊技の単調さを効果的に解消することができる。
【0010】
さらに、右羽根部材または左羽根部材によって案内された遊技球は、変更部材によって特定領域を通過する確率の高い流下経路または低い流下経路に変更される。
したがって、変更部材を動作させることにより、特定領域を通過する確率の高い流下経路が一定の方向に特定されてしまうことがない。
【0014】
さらに、図柄表示手段により停止表示された大当り図柄の種類により、流下経路を、特定領域を通過する確率の高い流下経路または低い流下経路となるように変更部材の動作を制御するため、遊技者は、大当り図柄の種類と変更部材の動作との対応関係を知ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るパチンコ機の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下の各実施形態では、この発明に係るパチンコ機として、いわゆる第1種パチンコ機を例に挙げて説明する。
[全体の主要構成]
まず、この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図1を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機の外観の概略を示す斜視説明図である。
パチンコ機1には、前枠2がヒンジ8によって開閉可能に設けられており、その前枠2には、ガラス枠4が開閉可能に取付けられている。前枠2の右側には、ガラス枠4開閉用の鍵を差し込む鍵穴3が設けられている。ガラス枠4の内部には、遊技盤5が設けられており、前枠2の右下には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射モータ(図7に符号15eで示す)を駆動したり停止したりするための発射ハンドル15が回動可能に取付けられている。
【0022】
ガラス枠4の下部には、上受け皿パネル6が設けられており、その上受け皿パネル6には、賞球や貸球が供給される賞球・貸球供給口6aが形成されている。その賞球・貸球供給口6aの供給側には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や貸球を貯留しておくための上受け皿6cが形成されている。上受け皿6cの下方には、上受け皿6cの収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6cから排出された遊技球を排出する排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿7が設けられている。また、前枠2の正面上端には、枠ランプ9が設けられている。
【0023】
[遊技盤5の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成についてそれを示す図2を参照して説明する。
遊技盤5の略中央(遊技盤5を左右に2等分する2等分線L上)には、センターケース30が備えられている。センターケース30には、天入賞口31と、3個のLEDからなる普通図柄表示装置34と、この普通図柄表示装置34の作動される回数の記憶数を表示する4個のLEDからなる普通図柄記憶表示LED34aと、液晶表示で複数の図柄、たとえば0〜9の特別図柄を液晶表示器32aに変動表示する特別図柄表示装置32と、この特別図柄表示装置32が図柄を変動可能な回数の記憶数を表示する4個のLEDからなる特別図柄記憶表示LED36aとが備えられている。
【0024】
センターケース30の左右には、遊技球の通過を検出し、普通図柄表示装置34を作動させるための左ゲート14,右ゲート13が設けられている。右ゲート13の下方には右袖入賞口15が、左ゲート14の下方には左袖入賞口16がそれぞれ設けられている。センターケース30の下方には、特別図柄表示装置32を作動させる機能を有する第1種始動口18が設けられており、この第1種始動口18の下方には普通図柄表示装置34の停止図柄が当たり図柄となった場合に両翼を開放する普通電動役物41が設けられている。開放された普通電動役物41は、第1種始動口18と同様に特別図柄表示装置32を作動させる機能を備えている。普通電動役物41の下方には、特別図柄表示装置32に表示された3つの停止図柄が大当り図柄(たとえば777)となった場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。変動入賞装置40の右側には右下入賞口20が、左側には左下入賞口21がそれぞれ設けられている。
【0025】
その他、遊技盤5には、発射された遊技球を遊技盤5に案内する案内レール17、LEDが点灯する装飾風車12,12、風車23,23、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口19、コーナー飾りLED10,10、サイド飾りLED11,11などが設けられている。また、遊技盤5には多くの釘(図示せず)が打ち込まれており、遊技盤5に発射された遊技球は、釘と釘の間を乱舞しながら落下し、各ゲートを通過したり、または各入賞口に入賞したり、あるいは通過および入賞をしないでアウト口19から回収されたりする。
【0026】
[変動入賞装置40の構成]
次に、変動入賞装置40の構成について図3ないし図5を参照して説明する。図3は、変動入賞装置40の外観構成の概略を示す斜視説明図である。図4(A),(B)は、図3に示す変動入賞装置40に遊技球Pが入賞する様子を上方から見た説明図である。図5(A)は、図4(A)を正面から見た場合の縦断面説明図であり、図5(B)は、図4(B)を正面から見た場合の縦断面説明図である。
図3に示すように、変動入賞装置40は、左右に横長の箱形状のハウジング40aを備えており、そのハウジング40aの右端には、右羽根部材42が軸部材42a(図5)を回動軸として上下方向(図5において矢印F3、F4で示す方向)に回動可能に取付けられている。また、ハウジング40aの左端には、左羽根部材43が軸部材43a(図5)を回動軸にして上下方向(図5において矢印F3、F4で示す方向)に回動可能に取付けられている。図5は、右羽根部材42および左羽根部材43が開放した状態であり、閉口時は、矢印F3で示す方向へ回動する。右羽根部材42および左羽根部材43は、図示しないリンク機構によって相互にリンクしており、そのリンク機構に接続された大入賞口ソレノイド(図7において符号48で示す)のON・OFFによって開閉動作する。
【0027】
図3に示すように、ハウジング40aの上面中央には、遊技球Pの流下経路を変更する変更部材45が取付けられている。図5に示すように、変更部材45は、ハウジング40aの上面の開口部40fから突出しており、開口側が斜め上方を向いた湾曲面45aを備えており、その湾曲面45aの裏面45bの中央部に支持部材45dの一端が取付けられており、その支持部材45dの他端には、軸部材45cが挿通されている。その軸部材45cは、図示しない伝達機構(たとえば歯車機構、カム機構、歯車およびカムを組み合わせた機構)を介してソレノイド(図7において符号45eで示す)のプランジャに連結されている。
そして、変更部材45は、ソレノイド45eがONし、プランジャが矢印F1で示す方向に伸張動作すると、図5(A)に示すように左側に移動し、湾曲面45aは右側、つまりハウジング40aの右側上面40bの方を向き(以下、単に右側に向くという)、逆に、ソレノイド45eがOFFし、プランジャが矢印F2で示す方向に退縮動作すると、図5(B)に示すように右側に移動し、湾曲面45aは左側、つまり左側上面40cの方を向く(以下、単に左側を向くという)。
【0028】
また、ハウジング40aの後部には、箱形状のハウジング40dが形成されており、ハウジング40aとハウジング40dとの間には、後ろ下がりの斜面40eが形成されている。ハウジング40dは、上下方向に3つの空間が貫通形成されており、その中央の空間は、特定領域46を形成しており、その特定領域46の右側には、一般領域47が形成されており、左側には一般領域48が形成されている。
さらに、ハウジング40aの前面には、表示装置44が設けられており、表示装置44は、右羽根部材42の側に設けられた右LED44bと、左羽根部材43の側に設けられた左LED44aとを備える。そして、変更部材45の湾曲面45aが右側を向いた場合に右LED44bが点灯または点滅し、湾曲面45a左側を向いた場合に左LED44aが点灯または点滅する。
なお、特定領域46を通過した遊技球は、特定領域46の内部に設けられた特定領域スイッチ(図7に符号46aで示す)によって検出され、変動入賞装置40に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(図7に符号49で示す)によって検出される。
【0029】
[変動入賞装置40の動作]
次に、変動入賞装置40の動作について説明する。
大当りが発生すると、図3ないし図5に示すように、右羽根部材42および左羽根部材43は、開放動作し、変更部材45の湾曲面45aは、左右のいずれかに向く。変更部材の動作制御については後述する。
図4(A)および図5(A)に示すように、右羽根部材42および左羽根部材43が開放しており、変更部材45の湾曲面45aが右側を向いている場合は、右羽根部材42の方向(図中矢印F1で示す方向)から入賞した遊技球Pは、経路Bを通って変更部材45の湾曲面45aに衝突し、その後、経路B1または経路B2のいずれかの経路を通る。ここで、遊技球Pは、経路B1を通った場合は、特定領域46を通過し、経路B2を通った場合は、一般領域47を通過する。つまり、変更部材45の湾曲面45aが右側を向いている場合に右側から入賞すると、その入賞した遊技球は、高い確率(たとえば1/2)で特定領域46を通過する。
また、左羽根部材43の方向(図中矢印F2で示す方向)から入賞した遊技球Pは、経路Aを通って変更部材45の裏面45bに衝突し、その後、経路A3を通るが、上記衝突により、左側の一般領域48寄りの経路となる。このため、特定領域46を通過する確率は低く、左側の一般領域48を通過する確率が高くなる。
【0030】
次に、図4(B)および図5(B)に示すように、右羽根部材42および左羽根部材43が開放しており、変更部材45の湾曲面45aが左側を向いている場合は、左羽根部材43の方向(図中矢印F2で示す方向)から入賞した遊技球Pは、経路Aを通って変更部材45の湾曲面45aに衝突し、その後、経路A1または経路A2のいずれかの経路を通る。ここで、遊技球Pは、経路A1を通った場合は、特定領域46を通過し、経路A2を通った場合は、一般領域48を通過する。
つまり、変更部材45の湾曲面45aが左側を向いている場合に左側から入賞すると、その入賞した遊技球は、高い確率(たとえば1/2)で特定領域46を通過する。
また、右羽根部材42の方向(図中矢印F1で示す方向)から入賞した遊技球Pは、経路Bを通って変更部材45の裏面45bに衝突し、その後、経路B3を通るが、上記衝突により、右側の一般領域47寄りの経路となる。このため、特定領域46を通過する確率は低く、右側の一般領域47を通過する確率が高くなる。
以上のように、大当りが発生した場合に、変更部材45の湾曲面45aが左右のどちらを向いているかによって、変動入賞装置40の右側から入賞する場合と、左側から入賞する場合とで、入賞した遊技球が特定領域46を通過する確率が変化する。
【0031】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図7を参照して説明する。
パチンコ機1には、主基板100が設けられており、この主基板100には、マイクロプロセッサ110が搭載されている。マイクロプロセッサ110には、遊技の主な制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM114と、メインCPU112が各種制御プログラムを実行する際にROM114から読出された制御プログラムや遊技中に発生する大当りに関するデータなどの各種データを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。
【0032】
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。各種のLEDやランプを制御するランプ制御装置300、電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払出制御基盤200、特別図柄表示装置32、遊技中の効果音などを制御する音声制御装置79、遊技球の第1種始動口18の通過を検出する第1種始動口スイッチ18a、入賞や大当りなどに関する遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたコンピュータ(図示省略)へ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0033】
払出制御基盤200には、主基板100から送出される制御コマンドを入力して動作するマイクロプロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッサ210には、賞球の払出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基盤200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0034】
遊技枠中継基板53には、満杯検出スイッチ53aおよびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、次に記載するものが電気的に接続されている。遊技球が右ゲート13を通過したことを検出する右ゲートスイッチ13a、左ゲート14を通過したことを検出する左ゲートスイッチ14a、大入賞口スイッチ49、右袖入賞口スイッチ15a、左袖入賞口スイッチ16a、右下入賞口スイッチ20a、左下入賞口スイッチ21a、天入賞口スイッチ31a、普通電動役物41を開閉させる普通電動役物ソレノイド41a、普通図柄表示装置34および大入賞口中継基板50である。
【0035】
大入賞口中継基板50には、変更部材動作用ソレノイド45e、大入賞口ソレノイド48および特定領域スイッチ46aが電気的に接続されている。
電源基板80は、CR接続基板56と電気的に接続されており、CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読取る装置などを備えるパチンコ機外装置部分22と電気的に接続されている。電源基板80は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各基板へ必要電源を供給する。
【0036】
[メインCPU112が実行する主な処理]
次に、メインCPU112が実行する主な処理について、それを示す図8のフローチャートを参照して説明する。
メインCPU112は、主電源70(図7)により電源が投入されたことを検出すると(ステップ(以下、Sと略す)10:Yes)、RAM116のクリアなどの初期化を行う(S12)。続いてメインCPU112は、次に記載する処理を実行する。(1)普通図柄表示装置34を制御する普通図柄制御(S14)。(2)普通電動役物ソレノイド41aをON・OFF制御する普通電動役物制御(S16)。(3)第1種始動口スイッチ18aのONに基づいて大当り特別乱数値を選択する第1種始動口処理(S20)。(4)特別図柄表示装置32に画像制御コマンドを出力する特別図柄制御(S40)。(5)変更部材45の動作を制御することにより、遊技球の特定領域45に対する通過率を制御する通過率制御(S100)。(6)大当りによる遊技のおけるラウンドの進行内容を制御するラウンド制御(S200)。(7)各種入賞口スイッチからの信号に基づいて払出制御基板200のサブCPU212へ賞球払出コマンドを出力する入賞制御(S300)。(8)音声制御装置79へ音声制御コマンドを出力する音声制御(S400)。(9)ランプ制御装置300へランプ制御コマンドを出力するランプ制御(S500)。(10)貸球ユニット63を制御する貸球制御(S600)。
【0037】
[第1種始動口処理]
次に、メインCPU112が図8のS20において実行する第1種始動口処理の流れについて、それを示す図9のフローチャートを参照して説明する。
メインCPU112は、第1種始動口スイッチ18a(図7)からのスイッチング信号を取込んで、遊技球が第1種始動口18(図2)を通過したことを検出すると(S22:Yes)、RAM116に格納されている特別図柄始動記憶数U2が4未満であると判定した場合は(S24:Yes)、特別図柄始動記憶数U2に「1」を加算する(S26)。続いてメインCPU112は、大当り乱数値をカウントするカウンタから大当り乱数値を1つ抽出し(S28)、その抽出した大当り乱数値をRAM116に一時的に格納する(S30)。上記カウンタは、たとえば0〜224の計225コマの大当り乱数値をカウントする。
【0038】
[特別図柄制御]
次に、メインCPU112が図8のS40において実行する特別図柄制御の流れについて、それを示す図10のフローチャートを参照して説明する。
メインCPU112は、特別図柄が変動中ではないと判定し(S42:No)、特別図柄表示装置32の始動記憶数Uが「1」以上であると判定すると(S44:Yes)、始動記憶数Uから「1」を減算する(S46)。続いてメインCPU112は、第1種始動口処理(図9)のS30において格納した乱数値が、所定の乱数値(たとえば7)であるか否か、つまり大当りであるか否かを判定し(S48)、大当りである場合は(S48:Yes)、大当りフラグを立てる(S50)。続いてメインCPU112は、特別図柄を所定のパターンで変動させるための変動パターン指定コマンドを特別図柄表示装置32へ出力し(S52)、図柄指定コマンドを出力するタイミングを計測するタイマをスタートする(S54)。
【0039】
そしてメインCPU112は、特別図柄が変動中であると判定し(S42:Yes)、タイマの計測時間TがΔ1時間以上になったと判定すると(S56:Yes)、左図柄指定コマンドを特別図柄表示装置32へ出力する(S58)。これにより、特別図柄表示装置32は、左図柄の停止図柄をキャラクタROM(図示せず)から読出す準備をする。続いてメインCPU112は、タイマの計測時間TがΔ2時間以上になったと判定すると(S60:Yes)、中図柄指定コマンドを特別図柄表示装置32へ出力する(S62)。これにより、特別図柄表示装置32は、中図柄の停止図柄をキャラクタROMから読出す準備をする。
続いてメインCPU112は、タイマの計測時間TがΔ3時間以上になったと判定すると(S64:Yes)、右図柄指定コマンドを特別図柄表示装置32へ出力する(S66)。これにより、特別図柄表示装置32は、右図柄の停止図柄をキャラクタROMから読出す準備をする。続いてメインCPU112は、タイマの計測時間TがΔ4時間以上になったと判定すると(S68:Yes)、全図柄停止コマンドを特別図柄表示装置32へ出力し(S70)、タイマをリセットする(S72)。これにより、特別図柄表示装置32は、左・中・右図柄の変動を停止し、それぞれに準備していた停止図柄を表示する。
【0040】
[通過率制御]
次に、メインCPU112が図8のS100において実行する通過率制御の流れについて、それを示す図11のフローチャートを参照して説明する。
メインCPU112は、図10のS50において大当りフラグが立てられたか否かを判定し(S102)、大当りフラグが立てられていると判定すると(S102:Yes)、S52において出力した変動パターン指定コマンドによって示される大当り図柄を参照し(S104)、その参照した大当り図柄が奇数であるか否かを判定する(S106)。続いてメインCPU112は、上記参照した大当り図柄が奇数であると判定すると(S106:Yes)、変更部材動作用ソレノイド45e(図7)をONする(S108)。
【0041】
たとえば、大当り図柄が「777」である場合は、変更部材動作用ソレノイド45eがONする。
これにより、変更部材45の湾曲面45aは、図4(A)および図5(A)に示すように右側を向くため、右羽根部材42の方向、つまり変動入賞装置40の右側から入賞した遊技球が特定領域46を通過する確率が高くなり、逆に、変動入賞装置40の左側から入賞した遊技球が特定領域46を通過する確率が低くなる。
そしてメインCPU112は、右LED点灯コマンドをランプ制御装置300へ出力し(S110)、左LED消灯コマンドをランプ制御装置300へ出力する(S112)。これにより、右LED44b(図3)が点灯し、左LED44aが消灯するため、遊技者は、変更部材45の湾曲面45aが右側を向いたことを知ることができる。
また、大当り図柄が偶数(たとえば「888」)である場合は、変更部材動作用ソレノイド45eはOFFのままであるため、変更部材45の湾曲面45aは左側を向いたままとなるので、変動入賞装置40の左側から入賞した遊技球が特定領域46を通過する確率が高くなり、逆に、変動入賞装置40の右側から入賞した遊技球が特定領域46を通過する確率が低くなる。
【0042】
[ラウンド制御]
次に、メインCPU112が図8のS200において実行するラウンド制御の流れについて、それを示す図12のフローチャートを参照して説明する。
メインCPU112は、特別図柄制御(図10)のS50において大当たりフラグが立てられていると判定すると(S202:Yes)、大当たりデモコマンドを特別図柄表示装置32へ出力する(S204)。これにより、特別図柄表示装置32は、「大当り」の文字や大当りを祝う動画などの大当たりデモを表示する。続いてメインCPU112は、RAM116に格納されたラウンド数Rに「1」を加算し(S206)、右羽根部材42および左羽根部材43を開放するための開放コマンドを大入賞口ソレノイド48へ出力し、大入賞口ソレノイド48をONして右羽根部材42および左羽根部材43を開放する(S208)。これにより、第1ラウンド(R=1)が開始する。
【0043】
続いてメインCPU112は、右羽根部材42および左羽根部材43が開放可能な最大時間である大入賞口開放時間T3(たとえば29.5秒)を計測する。続いてメインCPU112は、大入賞口開放時間T3が経過したと判定すると(S210:Yes)、右羽根部材42および左羽根部材43を閉口するための閉口コマンドを大入賞口ソレノイド48へ出力し、大入賞口ソレノイド48をOFFして右羽根部材42および左羽根部材43を閉口する(S214)。またメインCPU112は、大入賞口開放時間T3が経過するまでは(S210:No)、大入賞口スイッチ49(図7)からのスイッチング信号を取り込んで入賞数P1をカウントし、その入賞数P1が10以上になった場合は(S212:Yes)、大入賞口開放時間T3が経過する前でも右羽根部材42および左羽根部材43を閉口する(S214)。
【0044】
続いてメインCPU112は、RAM116を参照し、この大当りにおいて実行されたラウンド数Rが16であるか否か、つまり実行可能な最大のラウンドである最終ラウンドを実行したかを判定するが(S216)、ここでは、まだ第1ラウンドが終了したのみであるから、次のS218へ進み(S216:No)、大入賞口開放時間T3の経過後から役物連続作動有効時間T4(たとえば1.996秒)を計測し、その役物連続作動有効時間T4が経過したと判定すると(S218:Yes)、特定領域スイッチ46aがONしたか否かを判定する(S220)。つまり、遊技球が変動入賞装置40に入賞してから特定領域46(図4)を通過するに至るまでに所定時間要するため、右羽根部材42および左羽根部材43が閉口する直前に遊技球が変動入賞装置40に入賞した場合のことを考え、その所定時間内に特定領域46を通過した遊技球を有効として処理する。
【0045】
続いてメインCPU112は、特定領域スイッチ46aがONしたと判定すると(S220:Yes)、特定領域通過表示コマンドを特別図柄表示装置32へ出力する(S222)。これにより、特別図柄表示装置32は、「V」という文字を表示するため、遊技者は、次回も連続して右羽根部材42および左羽根部材43が開放することを知ることができる。続いてメインCPU112は、開放後インターバル時間T5(たとえば3秒)を計測し、その開放後インターバル時間T5が経過したと判定すると(S224:Yes)、S206〜S224を実行する。
そしてメインCPU112は、S216において最終ラウンド16を実行したと判定した場合(S216:Yes)およびS220において特定領域スイッチ46aがONしていないと判定した場合(S220:No)は、RAM116に格納されているラウンド数Rおよび入賞数P1を0リセットし(S226)、大当りフラグを0リセットする(S228)。
【0046】
[実施形態の効果]
以上のように、上記実施形態に係るパチンコ機1を使用すれば、大当り図柄が奇数であるか否かによって変更部材45の湾曲面45aの向きを制御し、変動入賞装置40の右側から入賞した場合と、左側から入賞した場合とで、その入賞した遊技球が特定領域46を通過する確率を変化させることができる。
したがって、従来のように、変動入賞装置の左右どちらから入賞した場合でも、その入賞した遊技球が特定領域を通過する確率が変化しないものよりも、変化に富んだ遊技を楽しむことができるため、遊技の単調さを解消することができる。
【0047】
[変動入賞装置の変更例]
図3ないし図5に示した変動入賞装置40に代えて図6に示す変動入賞装置を用いることもできる。
図6(A)および図6(B)は、変更例を示す変動入賞装置を正面から見た場合の縦断面説明図である。
変動入賞装置90は、縦断面が略十字形状の変更部材92を備える。変更部材92は、ハウジング40aの上面から上方に垂直に突出した垂直部材92cを備えており、その垂直部材92cの下端は、ソレノイド93のプランジャ91と連結されている。そして、ソレノイド93がONし、プランジャ91が矢印F1で示す方向へ伸張動作すると、垂直部材92は図6(B)に示すように左側に移動し、ソレノイド93がOFFし、プランジャ91が矢印F2で示す方向へ退縮動作すると、垂直部材92は図6(A)に示すように右側に移動する。
【0048】
図6(A)に示す状態では、変更部材92の垂直部材92cは、特定領域46と右側の一般領域47(図3、図4)との境界付近に存在しており、変動入賞装置90の左側から入賞した遊技球は、垂直部材92の左側面92bに衝突し、高い確率で特定領域46へ案内される。一方、右側から入賞した遊技球は、垂直部材92の右側面92aに衝突するため、特定領域46へ案内される確率は低い。また、図6(B)に示す状態では、変更部材92の垂直部材92cは、特定領域46と左側の一般領域48との境界付近に存在しており、変動入賞装置90の右側から入賞した遊技球は、垂直部材92の右側面92aに衝突し、高い確率で特定領域46へ案内される。一方、左側から入賞した遊技球は、垂直部材92の左側面92bに衝突するため、特定領域46へ案内される確率は低い。
【0049】
以上のように、変動入賞装置90を使用した場合でも、大当り図柄が奇数であるか否かによって変更部材92の位置を制御し、変動入賞装置90の右側から入賞した場合と、左側から入賞した場合とで、その入賞した遊技球が特定領域46を通過する確率を変化させることができる。
したがって、従来のように、変動入賞装置の左右どちらから入賞した場合でも、その入賞した遊技球が特定領域を通過する確率が変化しないものよりも、変化に富んだ遊技を楽しむことができるため、遊技の単調さを解消することができる。
【0050】
[他の実施形態]
(1)前記実施形態では、大当り図柄が奇数であるか否かによって変更部材45の動作を制御する場合を説明したが、大当り図柄が特定の図柄であるか否か(たとえば777であるか否かなど)によって変更部材45の動作を制御することもできる。
(2)前記実施形態では、大当りが発生したことを条件に、変更部材45の動作を制御する場合を説明したが、大当り終了後に右ゲート13または左ゲート14を通過したこと、第1種始動口18を通過したこと、所定の入賞口に入賞したこと、特定領域46を通過したことなどを条件に変更部材45の動作を制御することもできる。また、それらの各条件を組み合わせ、その組み合わせた条件を満たしたときに変更部材45の動作を制御することもできる。
(3)前記実施形態では、発明に係るパチンコ機として第1種パチンコ機を例に挙げて説明したが、第2種パチンコ機、第3種パチンコ機、それら以外の種類のパチンコ機にもこの発明を適用できることは勿論である。
【0051】
[各請求項と実施形態との対応関係]
変動入賞装置40が請求項1の入賞装置に対応し、特別図柄表示装置32が図柄表示手段に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機の概略構成を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5の主要構成を示す説明図である。
【図3】変動入賞装置40の外観構成の概略を示す斜視説明図である。
【図4】図4(A),(B)は、図3に示す変動入賞装置40に遊技球Pが入賞する様子を上方から見た説明図である。
【図5】図5(A)は、図4(A)を正面から見た場合の縦断面説明図であり、図5(B)は、図4(B)を正面から見た場合の縦断面説明図である。
【図6】図6(A)および図6(B)は、変更例を示す変動入賞装置を正面から見た場合の縦断面説明図である。
【図7】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図8】メインCPU112が実行する主な処理を示すフローチャートである。
【図9】メインCPU112が図8のS20において実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】メインCPU112が図8のS40において実行する特別図柄制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】メインCPU112が図8のS100において実行する通過率制御の流れを示すフローチャートである。
【図12】メインCPU112が図8のS200において実行するラウンド制御の流れを示すフローチャートである。
【図13】従来のパチンコ機を正面から見た概略説明図である。
【符号の説明】
10 パチンコ機
40 変動入賞装置(入賞装置)
42 右羽根部材
43 左羽根部材
44 表示装置
45 変更部材
112 メインCPU
114 ROM
Claims (1)
- 図柄を変動表示する図柄表示手段により大当り図柄が停止表示されたときに大入賞口を所定時間開口する入賞装置と、この入賞装置に入賞した遊技球の流下方向に設けられた特定領域とを有しており、前記大入賞口の開口時間が所定時間に達するか、前記大入賞口への入賞数が所定数に達すると前記大入賞口が閉口し、前記大入賞口の開口から閉口までを1ラウンドとして前記大入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過することを条件に次のラウンドに進むパチンコ機において、
前記入賞装置は、
第1のハウジングと、
この第1のハウジングの右端に設けられた軸部材を回動軸として上下方向に回動することにより前記大入賞口を開閉する右羽根部材と、
前記第1のハウジングの左端に設けられた軸部材を回動軸として前記右羽根部材とリンクして上下方向に回動することにより前記大入賞口を開閉する左羽根部材と、
前記第1のハウジングの後部に形成された第2のハウジングと、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとの間に形成された後ろ下がりの斜面と、
前記第2のハウジングに上下方向に貫通形成された前記特定領域と、
この特定領域の両側に形成された一般領域と、
前記第1のハウジングの上面の開口部から突出して動作可能に設けられた変更部材と、
遊技球が開放動作した前記左羽根部材から入賞し、前記変更部材に衝突して前記斜面を流下する流下経路Aと、
遊技球が開放動作した前記右羽根部材から入賞し、前記変更部材に衝突して前記斜面を流下する流下経路Bとを備えており、
開放動作した前記左羽根部材から入賞した遊技球が前記流下経路Aに沿って流下して前記特定領域を通過する確率と、開放動作した前記右羽根部材から入賞した遊技球が前記流下経路Bに沿って流下して前記特定領域を通過する確率とは、前記変更部材の動作後の形態によって、一方の流下経路の方が高く、他方の流下経路の方が低くなるように構成されており、
前記大当り図柄の種類により、前記変更部材の動作を制御する制御手段を備えたことを特徴とするパチンコ機。
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