JP2004141404A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Toshihiro Uchigashima
内ヶ島 敏博
Takahiro Uchigashima
内ヶ島 隆寛
Masaki Mori
森 正樹
Shigemitsu Ando
安藤 繁光
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Takao Co Ltd
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Abstract

【課題】入球口内に格納された可動入球口部材が飛び出すことで、変化に富んだ弾球遊技機を提供する。
【解決手段】扉2が開放することによって入球可能となる大入賞装置1内に格納された可動入球口部材4aが飛び出し条件下で飛び出すことによって、特定入賞口4が扉2の前方までせり出し、入賞確率が変化する。このとき、開口部4eは、通常時も突出時も取り込み口4dが閉塞することがないように幅をとってあるので、常に取り込み口4dを有して球進入防止部材4kと共に入賞球を取り込み口4dに誘導することができる。取り込み口4dを流下した遊技球はVスイッチ5によって検出される。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入球口内に可動可能な可動入球口部材を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パチンコの主流であるCR機は、基本性能でみると各社とも均一化しており、メーカーの特色を出すために画像表示の技術の向上、可動体を用いた演出、音出力等遊技内容以外のところで競っている。以下、特許文献を説明する。
【特許文献1】特開平11−299982号公報
大入賞口内に特定入賞口とは別個に図柄変動時間や抽選確率を変更させる条件変動口を備え、大入賞口の開放動作中にその条件変動口に落入した遊技球数に応じて、その後の遊技状況における図柄表示装置の図柄変動時間や抽選確率が段階的に変更される構成が開示されている。効果として、「大当たり」が発生している場合においても、更に次の遊技を有利な条件で進める状況であるため、遊技の興趣を高めることが出来る。
【特許文献2】特開平11−9787号公報
大当り中に、所定間隔(ラウンド)を置いて、大入賞口内の特定入賞口に入賞することにより最大継続回数の再設定(乱数抽選)が行われる構成である。効果として、大当り中にラウンドの最大継続回数が変動していくので遊技の緊張感を持続することができる。また、大当たりの継続回数に幅を持たせることができる。
【特許文献3】特開2002−126220号公報
1ラウンドで所定の検出器が遊技球を検出することを条件として、2ラウンド以上で特典遊技を継続可能に構成し、特典遊技中に所要の条件を満たすと特定のラ
ウンドの終了を遅らせる(
【0007】参照)。効果として、特定のラウンドの終了を遅らせるので、入賞可能な数量が制限された中で賞球をより多く獲得する機会を与えることができる。
【特許文献4】特願2001−396538号公報
第1特別遊技当たり(大当たり)と第2特別遊技当たり(小当り)を有する遊技機で、小当り遊技にて移行条件を満たすと大当たりと同等の遊技を実行する構成である。効果として、小当りを大当たりに昇格させるチャンスを有することにより、小当りでも期待感を持ち遊技できる。
【特許文献5】特開平9−173548号公報
可動表示ユニットが前後に移動自在な構成(【発明の効果】に可動表示ユニットが飛び出したときに入賞口が現れ〜と記載がある)。効果として、可変表示ユニットが前後に移動自在に設けることにより、可変表示ユニットまでもが遊技の道具として活用することができる(表示ユニットが飛び出して入賞口が出現など)。
【特許文献6】特開2002−28348号公報
これは、通過型入賞口で、入賞禁止又は無効化する手段の一例として(【図4】参照)前後方向に移動可能に設けた構成がある。効果として、遊技状態により入賞口が有効、無効になるため、新規な遊技を提供可能である。
【特許文献7】特開平4−347184号公報
大型入賞口に入賞すると全ての小型入賞口が左右方向に飛び出す構成である。効果としては、目新しく変化に富んだ遊技性を実施可能である。
【特許文献8】特許第2909836号公報
遊技者に有利な第1状態と遊技者に不利な第2状態とに変換可能な入賞装置を有し、入賞装置の凹室内に設けた特定入賞検出器の検出により状態を変化させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大入賞口内に乱数抽選手段を設けた構成、特定入賞口への入賞確率が変化する構成の特許文献も数多い。しかし、大入賞口の作動としての見た目はあまり変化がなく、ただ機械的に処理されるものがほとんどである。
近年の流れとしては、液晶上の高次の演出だけでは他の遊技機との差異が感じられず、遊技球の流下態様の楽しさ、演出用の可動物など直接賞球の増減とは関わらないところも遊技する上では重要な選択基準になってきている。
ゆえに大入賞口においても遊技状態変化を好適に遊技者に対して報知できる遊技機が希求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の弾球遊技機は、遊技盤面上で遊技球により、遊技を行う遊技機において、遊技球が入球可能な入球口と、該入球口の内部に設けられ、遊技球の入球が可能であって可動可能な可動入球口部材と、前記入球口内から前記可動入球口部材飛び出させる飛び出し駆動源と、該飛び出し駆動源を駆動させる条件を判断し、条件が成立した場合には前記飛び出し駆動源を駆動させ、前記可動入球口部材を飛び出させる制御を行う飛び出し動作制御手段と、を備えたことを特徴とする。飛び出し条件は、特定入球口への入球に起因する構成、普通入球口への入球に起因する構成、特別図柄の特定停止図柄に起因する構成、大当たり確率が高確率のときに起因する構成、大当たり時の所定ラウンド(例えば途中ラウンドで飛び出す)に起因する構成、入球口への入球数に起因する構成、特別図柄始動保留数に起因する構成、大当たり中の始動口入賞に起因する構成、大入賞口の開放中の経過時間に起因する構成、等が考えられる。それらの1つ、又は1つ以上の任意又は適宜の組み合わせが可能である。なお、入球口への入球数に起因する構成には、特定入球口の入球数によって変化する場合、普通入球口への入球数のみで変化する場合等がある。
【0005】
入球口内に収まっているときの可動入球口部材は入球口として機能する構成が好ましい。可動入球口部材は飛び出しても入球口として機能する構成が好ましい。
あるいは、入球口内に収まっているときの可動入球口部材は、入球口として機能しない構成でも好ましい。例えば、可動入球口部材は、収納されているとき、蓋で閉鎖されて入球できず、可動入球口部材として機能していないが、飛び出し条件を満たし飛び出すことで可動入球口部材として機能する構成が好ましい。
【0006】
可動入球口部材の飛び出し程度は、入球口の内部での飛び出し、外部への飛び出しの態様が挙げられる。可動入球口部材の飛び出し方向は、前方、上方、下方、側方が挙げられる。飛び出してくる可動入球口部材は、特定入球口、普通入球口等に利用することができる。
【0007】
請求項1に記載の弾球遊技機によれば、入球口内部に収められた役物が、飛び出し条件で可動入球口部材となり飛び出してくる構成を有するため、入球確率に変化を与える効果がある。入球確率の変化に伴い遊技状態の変化を与える構成にすることも可能である。
また、特定入球口への入球に起因する構成においては、大入賞口内の特定入賞口への入賞を遊技者に報知する効果を有する。また、大入賞口内の特定入賞口への入賞率を変化させる効果を有する。逆に入賞により可動入球口を特定入球口内に収納する構成でも良い。
普通入球口への入球に起因する構成においては、大入賞口内の特定入賞口への入賞を遊技者に報知する効果を有する。また、大入賞口内の特定入賞口への入賞率を変化させる効果を有する。入賞率を変化させる効果においては、一般入賞口の入賞率を変化させることにより特定入賞口への入賞率が変化するため、特定入球口への入球に起因する構成と同様の効果が得られる。逆に入賞により可動入球口を特定入球口内に収納する構成でも良い。
特別図柄の特定停止図柄に起因する構成においては、大当りの特定図柄により、状態の異なる大当り遊技(例えばラウンド継続率の違い)を行わせることが可能となる効果を有する。
大当り確率が高確率のときに起因する構成においては、高確率状態であることを遊技者に報知する効果を有する。
大当り時の所定ラウンドに起因する構成においては、入賞率を変化させることにより大当り遊技状態を変化させたり、この状態変化を遊技者に報知する効果を有する。
入球口への入球数に起因する構成においては、ラウンド中での大当り遊技状態を変化させたり、この状態変化を遊技者に報知する効果を有する。
特別図柄始動保留数に起因する構成においては、大当り時の始動保留数により大当り遊技状態を変化させる効果がある。また大当り遊技中のみ可能保留数が増減する構成の遊技では、所定保留数に達すると大当り遊技状態が変化する効果を有する。
大当り中の始動口入賞に起因する構成においては、大当り遊技中に始動口へ入賞させることにより大当り遊技状態を変化させたり、始動口入賞を遊技者に報知する効果を有する。
大入賞口の開放中の経過時間に起因する構成においては、所定時間が経過しても特定入賞口への入賞がないと、大当り遊技状態を変化(入賞率を向上させる)させたり、特定入賞口への入賞が未検出であることを遊技者に報知する効果を有する。
【0008】
また、入球口から可動入球口部材が飛び出す動きに遊技者が注目し、遊技状態の変化として遊技者に見た目で分かりやすく視覚演出効果も望める。
【0009】
請求項2の弾球遊技機は、請求項1に記載の弾球遊技機において、前記可動入球口部材が前記入球口から飛び出す動作に複数の段階を設け、該入球口から飛び出す動作の段階に応じて入球率を変化させることを特徴とする。例えば、可動入球口部材が入球口に完全に収納された状態を第1段階、可動入球口部材が入球口の蓋の部分まで飛び出した状態を第2段階、可動入球口部材が入球口の蓋を越えた部分まで飛び出した状態を第3段階というように、可動入球口部材の状態によって区別される構成等が挙げられる。
【0010】
請求項2に記載の弾球遊技機によると、可動入球口部材の状態が変化することによって、一つの入球口に複数の入球率、入球状態を与えることができるため、単独の入球装置でありながら、複数の入球口を備えるのと同様の効果を有する。
【0011】
請求項3に記載の弾球遊技機は、請求項1又は2に記載の弾球遊技機において、複数段階に飛び出す可動入球口部材の各段階によって、可動入球口部材の特典内容が異なる構成を有することが好ましい。このとき、特典内容とは賞球数又はラウンド数等で、可動入球口部材の飛び出す段階に応じて入賞率と共に、特典内容も変化することによって、単独の入球装置で、遊技者により深い遊技性を与える効果を有する。
【0012】
請求項4に記載の弾球遊技機は、請求項1に記載の弾球遊技機において、前記入球口から出てくる可動入球口部材が、該入球口の領域の外まで飛び出す構成を有し、可動入球口部材が、可動入球口部材を収納している入球口の範囲外まで飛び出すことによって、遊技球の流下経路に新たな可動入球口部材が表出することになる。
【0013】
請求項4に記載の弾球遊技機によると、可動入球口部材が入球口の範囲を越えて飛び出る(例えば、遊技盤面表面の上方、前方、側方、下方等へ)ことで、遊技盤面上での遊技球流下経路の変化及び入賞率の変化を与えることができる効果を有する。このとき飛び出てくる入球口を特定入球口とすれば、入球が狙いやすくなる。また、視覚的にも遊技者へのアピール効果が大きく、遊技の興趣を向上することができる。可動入球口部材が入球口の範囲を越えて横に飛び出すようにすれば、入球口の横幅が広がるという効果がある。
【0014】
請求項5に記載の弾球遊技機は、請求項1乃至4に記載の弾球遊技機において、可動入球口部材が前記入球口内に収納された通常位置と、前記入球口から飛び出した突出位置にあっても、前記入球口と可動入球口部材とが遊技球の取り込み口を共有できる構造を有し、入球口が移動しても1つの開口部で使用できる。このため、取り込み口が共有化でき、入球口から取り込まれた遊技球は共通の取り込み口から遊技盤の裏側に取り込まれることができる。従って、可動入球口に係るスペースを抑え、部品点数も抑える効果を発揮する。
【0015】
請求項6に記載の弾球遊技機は、請求項1乃至5に記載の弾球遊技機において、前記入球口に前記可動入球口部材を複数個設けた構成を有し、該入球口を複数個設けることにより更に見た目、遊技性を向上する効果を有する。
【0016】
請求項7に記載の弾球遊技機は、請求項6に記載の弾球遊技機において、前記複数個設けた前記可動入球口部材の賞球数が異なる構成を有し、どの可動入球口部材が飛び出してくるかによって、遊技者へ払い出される遊技球数を変化させることで、遊技の興趣を向上させる効果を有する。
【0017】
請求項8に記載の弾球遊技機は、請求項1乃至7に記載の弾球遊技機において、前記可動入球口部材が前記入球口から飛び出すときに、可動入球口部材の形状が変化する構成を有し、可動入球口部材が飛び出す過程で形状が変化することで入賞率が大きく変化するので、形状変化していないときを含め、遊技者により深い遊技性を与えることができる。
【0018】
請求項9に記載の弾球遊技機は、請求項1乃至8に記載の弾球遊技機において、前記入球口を大入賞口とし、前記可動入球口部材を大入賞口内に設け、大当りのときに、前記大入賞口が開口し、前記可動入球口部材が現れることで、大当りのときの賞球数、継続数に変化を与える効果を有する。
【0019】
請求項10に記載の弾球遊技機は、大入賞口の内部の特定入賞口に、入賞し難い第1状態と、入賞し易い第2状態に切り替え可能な切替手段を有した弾球遊技機において、大当りのとき、前記大入賞口の所定ラウンドまでの開放は、前記第1状態から開始し、遊技球が前記特定入賞口に入賞することにより、該入賞のとき以降のラウンドでは前記大入賞口の開放状態が前記第1の状態から該第2状態へ切り替わる構成を有する。そのため、所定ラウンドまでは特定入賞口への入賞が難しいが、所定ラウンドで入賞できれば、以後のラウンドの入賞が容易になる。例えば、初回ラウンドは特定入賞口への入賞が難しいが、初回ラウンドで入賞できれば、以後のラウンドの入賞が容易になる。従って、大当り時の継続率が低く、逆に大当り確率を高く設定することができ、なかなか大当りにならない(所謂はまり)期間を減らすことができる。また、一日あたりの大当り回数が増えるため、大当りへの過程(リーチ)の演出をそれだけ、たくさん見られるようになるため、遊技者が楽しむことができる効果を有する。
入賞し難い第1状態と、入賞し易い第2状態に切り替え可能な切替手段としては、特定入賞口が移動することによって入賞の難易を切り替える手段、特定入賞口が飛び出すことによって入賞の難易を切り替える手段、遮蔽物で覆ったり覆わなかったりすることで入賞の難易を切り替える手段等が挙げられる。
【0020】
請求項11に記載の弾球遊技機は、請求項10に記載の弾球遊技機において、大当り時の大入賞口の所定ラウンド(例えば、第1ラウンド等)の開放では前記第1状態から開始し、遊技球が特定入賞口に入賞することにより、2ラウンド以降では大入賞口開放が該第2状態へ切り替わる構成を有し、これは請求項9の弾球遊技機のラウンド数を限定したもので大当り時の1ラウンド目のみ可動入球口部材へ入球し難く、遊技球が特定入賞口に入賞することにより、2ラウンド目以降では大入賞口開放が入球しやすい前記第2状態に移行する構成となっている。
【0021】
前記特許文献との相違点は次の通りである。
特開平11−299982号公報では、「大当たり」中に遊技の興趣を高めるところは同一であるが、請求項記載の発明の場合、「大当たり」中は継続するか権利が途中消滅(パンク)するか、遊技の興趣を与えている。
特開平11−9787号公報との相違点は、大当たり中に、大入賞口内の特定入賞口に入賞することにより遊技状態に変化を与える処は同じ狙いであるが、付加内容が違う。
特開2002−126220号公報との相違点は、付加内容が異なり、又、第2種の大入賞口で最も効果を発揮し、第1種の大入賞口では特に必要がない。
特願2001−396538号公報との相違点は、小当りのときに条件を満たすと大当りに移行する。これと違い、請求項記載の発明は条件を満たすと、大当り中の特定入賞口への入賞率が、低い状態から高い状態へと移行する構成である。
特開平9−173548号公報との相違点は、公報記載発明は、あくまで可変表示ユニットとしてであり、請求項記載の発明とは異なる構成である。
特開2002−28348号公報との相違点は、他の入賞口と合わせて使えば、類似した効果を得られるが、入球口内から入球口が飛び出して移動してくる概念はない。
特開平4−347184号公報記載の発明は、入球口内の入球口が飛び出す構成ではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態1の大入賞装置1について図面を参照して説明する。この大入賞装置1は、第1種のパチンコ機10(図16参照)に適用されるものである。他の機種への適用例は後述する。図1(a)に示す通り、前面に図では開放状態で示され、回動可能にされた扉2と、扉の開放によって入賞可能となる一般入賞口3と、同じく扉2の開放によって入賞可能となる、特定入賞口4(特定領域に当する)とを備えている。大入賞装置1の閉口時には扉2は起立して大入賞装置1の開口を塞ぎ、開口時には図1(a)(b)に示すように前倒し状態で前方に傾いて大入賞装置1を開く。大入賞装置1の上方に位置する2つの普通入賞口3a,3bは、賞媒体払出の契機を発生させるものであり、一般入賞口3は、いわゆる外れ入賞口である。特定入賞口4は、賞球払出に加えて大入賞装置1を連続して開放状態に保持する作動契機を発生させるものである。この特定入賞口4は可動可能な可動入球口部材4a等を備えている。扉2が閉鎖しているときは、特定入賞口4は大入賞装置1の内部に退避していて、収容状態となっている。大当り遊技状態に移行することで扉2が開放されて、図1(a)で示すように入賞可能な状態となり、さらに飛び出し条件を満たすことによって、図1(b)に示すように特定入賞口4が扉2付近又はこれを越えて斜め上方に飛び出すことになるのである。
【0023】
扉2は図示が略されているが、大当り遊技状態に移行することで扉2が開放されて図2(a)で示すようにC−Cに位置する一般入賞口3に入賞可能な状態となり、A−Aに位置する特定入賞口4は下方奥に退避しているが入賞可能な状態である。また、所定の飛び出し条件を満たすことによって、図2(b)に示すようにB−Bに退避していた特定入賞口4が上方に飛び出すことで特定入賞口4の入球率が変化するようになっている。
【0024】
図3に示す通り、この特定入賞口4の可動入球口部材4aは筒体であって、立方体の一端に斜めに切り込まれた入口4bを備え、アクチュエータ4iと接する底部4cを備え、側端部に特定入賞口4の取り込み口4d(図4参照)の位置に合わせ、可動入球口部材4aの通常時から突出時の移動距離にあたる部分に開口部4eを備えており、このため、1つの取り込み口4dを通常時、突出時共に使用することができるようになっている。
【0025】
図4、図5に示す通り、特定入賞口4は、大入賞装置1の基部1aの孔1bに接続され斜め下方に延び出す可動入球口部材4aを摺動案内する案内筒4fと、この案内筒4fの下面途中から下方に分岐して遊技球を遊技盤面裏側に誘導する、取り込み口4dを有する誘導通路4gと、を備えている。案内筒4fの下端に可動入球口部材4aの底部4cに接続し可動入球口部材4aを押し出す為のロッド4hを有するアクチュエータ4iが設けられている。可動入球口部材4aは案内筒4f内側を摺動するのである。可動入球口部材4aには、開口部4eが設けられており、可動入球口部材4aの通常時も飛び出したときも、可動入球口部材4aを流下する遊技球Bが、可動入球口部材4aの下方に位置する取り込み口4dに向かうように、誘導通路4gと一体的に設けられた球進入防止部材4kと共に遊技球を下方に誘導している。取り込み口4dから流下した遊技球Bは、取り込み口4d下方に設けられた役物連続作動スイッチ5(Vスイッチという)によって検出される。図5は図2(b)に示された大入賞装置1のB−B間断面の全体図であり、アクチュエータ4iがロッド4hを斜め上方へ押し出し、可動入球口部材4aの先端を扉2付近まで押出し、押し出された可動入球口部材4aに遊技球Bが入賞し、流下していることを示す。開口部4e上端と案内筒4fの上端前部4mとの間に隙間が生じないように、且つ、開口部4e下端と球侵入防止部材4kとが衝突しないように、設定されている。可動入球口部材4aはアクチュエータ4iに押出される移動距離に合わせた開口部4jを有しているのである。
【0026】
アクチュエータ4iによって押出された可動入球口部材4aは、退避位置に戻る場合は、可動入球口部材4aの自重で戻るようになっている。他の適宜の戻り手段でもよい。例えば、アクチュエータ4iによって元の位置まで退避するようにしてもよい。
【0027】
図6は大入賞装置1の断面全体図から、可動入球口部材4a及びアクチュエータ4iを取り除いたもので、取り込み口4dには球進入防止部材4kが一体的に設けられている。球進入防止部材4kが遊技球を取り込み口4dへと誘導しているため、可動入球口部材4a及びアクチュエータ4iを取り除いた状態でも普通入球口として機能できる。
【0028】
図7は図2(a)に示された大入賞装置1のC−C間断面の全体図であり、一般入賞口であるC−C間断面の構造は従来のものと差異はないので詳しい説明は略す。普通入賞を検出するカウントスイッチ6が設けられている。
【0029】
その他、大入賞装置1は、扉2を開閉する大入賞口ソレノイド7と、装飾、取付け部等を備えた本体部8等を備えている。なお、大入賞装置1のその他の構造は周知であるので、説明は省略する。尚、一般入賞口3と特定入賞口4とを逆にする構成にしてもよい。どちらを特定領域にするかの分岐点は飛び出ることにより入賞率が上がる構成なのか下がる構成なのかによって決してもよい。
【0030】
第1実施形態の大入賞装置1が1種パチンコ機に適用された場合の動作を説明する。遊技盤面に設けられた普通図柄作動ゲート38又は39(図18参照)を遊技球が通過すると普通図柄表示装置37が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した普通図柄を停止表示し、その停止表示した図柄が当たり図柄であると、普通電動役物36が作動して第1種始動口を所定時間開放する。そして、第1種始動口に遊技球が入賞すると特別図柄表示装置32が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した特別図柄を停止表示し、その停止表示した図柄が大当たり図柄であると、大入賞装置1を所定時間又は所定球数が入球するまで開口させる。
大当たり図柄のうちの特定の図柄が停止表示されたときは、大入賞口が開口されるとともに、所定時間が経過するかまたは大入賞口に概ね10個の遊技球が入賞するまでを1ラウンドとして、ラウンド中に特定入賞口4を遊技球が通過した場合に最高例えば16ラウンドまで大当たりが継続して、大入賞装置1の開口状態が続き、ラウンド中に特定入賞口4を遊技球が通過しなかった場合には、そのラウンドで大当たりが終了し、通常遊技状態に戻る。
【0031】
扉2が開き大入賞装置1が開口しても、当初、アクチュエータ4iが特定入賞口4を大入賞装置1内部に退避させ収容状態とし、大入賞装置1への入賞確率が低い状態である。しかし、特定入賞口4への入賞等、所定の飛び出し条件が成立すると、特定入賞口4は飛び出して、特定入賞口4への入賞率が高まる。
この時、大入賞装置1に入賞した遊技球は、一般入賞口3又は特定入賞口4へ入賞する。
【0032】
こうして遊技球が特定入賞口4を通過すると、Vスイッチ5により検出されると、次のラウンドが継続され、一般入賞口3を通過すると、カウントスイッチ6により検出され、賞球が払い出される。
【0033】
こうしたパチンコ機10において、遊技球が特定入賞口4を通過し、役物連続作動すると、そのラウンドが終了するまでは再度特定入賞口4を通過させる必要がなくなる。また、特定入賞口4を通過する遊技球の数は、全体の入賞数の数の概ね1/3を越えてはならないことが好ましい。そのため、こうしたパチンコ機10は、特定入賞口4を遊技球が通過すると、ソレノイド駆動の切換手段により特定入賞口4を塞いだり(図10参照)、入賞した遊技球が一般入賞口3に向かうように流路を変えたりするような構成となることが好ましい。
【0034】
このパチンコ機10は、遊技球が大入賞装置1へ流入(入賞)した時は、入賞球1個につき例えば15個の遊技球が獲得でき、それ以外の入賞口(第1種始動口を含む)に入賞した時は例えば5個の遊技球が獲得できる。
【0035】
以上の第1実施形態の大入賞装置1によれば、大入賞装置1の内部に収められた特定入賞口4が、飛び出し条件の成立により、その可動入球口部材4aが飛び出してくる構成を有するため、特定入賞口4への入球確率に変化を与える効果がある。大当りのときの賞球数、継続数に変化を与える効果を有する。入球確率の変化に伴い遊技状態の変化を与える構成にすることも可能である。また、可動入球口部材4aが飛び出す動きに遊技者が注目し、遊技状態の変化として遊技者に見た目で分かりやすく視覚演出効果も望める。
更に可動入球口部材4aの状態が変化することによって、一つの特定入球口4に複数の入球率、入球状態を与えることができるため、単独の特定入賞口4でありながら、複数の入球口を備えるのと同様の効果を有する。
可動入球口部材4aが案内筒4fに収納された通常位置と、案内筒4fから飛び出した突出位置にあっても、遊技球の取り込み口4dを共有できる構造を有し、可動入球口部材4aが移動しても1つの開口部で使用できる。このため、取り込み口4dが共有化でき、特定入賞口4から取り込まれた遊技球は共通の取り込み口から遊技盤22(図18参照)の裏側に取り込まれることができる。従って、可動入球口4aに係るスペースを抑え、部品点数も抑える効果を発揮する。
【0036】
図8を参照して実施形態2の大入賞装置201について説明する。図面の番号を200番台とし、共通する説明については実施形態1のものを援用する。実施形態2は特定入賞口204が飛び出す飛び出し条件を、入球口への入球とする構成である。図8(a)に示すように、大当り遊技状態になると大入賞口201の扉202が開いて、一般入賞口203及び特定入賞口204に入賞可能な状態となる。特定入賞口204の周囲には複数の障害物209が設けられており、特定入賞口204が飛び出さない状態(退避状態)において、特定入賞口204に入賞し難い構造になっている。
【0037】
特定入賞口204に遊技球Bが入賞すると、飛び出し条件を満たしたことになり、特定入賞口204が遊技球Bの入球し易い第2状態に移行する。
【0038】
前記飛び出し条件を満たし、パチンコ機10が第2状態に移行すると、図8(b)に示すように、大入賞装置201内に収納されていた可動入球口部材204aが飛び出して、遊技球Bの特定入賞口204への入賞率が高くなり、ラウンド(役物連続作動)も継続しやすくなる。
【0039】
実施形態1、2の逆の構成として、大当り時の初回ラウンド時は、一般入賞口203が図8(b)の特定入賞口204のように飛び出した状態から始まり、特定入賞口204に入賞することにより一般入賞口203が図8(a)の特定入賞口204のように引っ込み、次のラウンドから特定入賞口204の入賞率が向上し、ラウンドが継続しやすくなるものでもよい。
【0040】
実施形態2の大入賞装置201によれば、第1実施形態と同様の効果を有するほか、特定入賞口204に入球させることで特定入賞口204が飛び出すので、遊技者の入球意欲が高まり、ラウンドの継続率が高くなる。
【0041】
図9を用いて実施形態3の大入賞装置301について説明する。図面の番号を300番台とし、共通する説明については実施形態1のものを援用する。実施形態3の構成は、実施形態1と同じく特定入賞装置304の飛び出し条件を、入球口への入球とする構成であるが若干構成が異なる。図9(a)に示すように、パチンコ機10が大当り遊技状態になると大入賞装置301の扉302が開放して、一般入賞口303に入賞可能な状態となるが、特定入賞口304は蓋309によって閉塞され、入賞できない状態である。
【0042】
特定入賞口304は図9(b)に示すように、任意のタイミングで可動入球口部材304aが飛び出し、特定入賞口304に入賞できる状態と、図9(a)に示す、蓋309に閉ざされて入賞できない状態とを交互に繰り返しており、可動入球口部材304aが飛び出しているときにタイミングよく特定入賞口304に入賞させることによって、図9(b)に示すように、以後のラウンドからは特定入賞口304は飛び出した状態となり、特定入賞口304への入賞率が向上する。特定入賞装置304は動物(ここでは魚)を模したものであり、動物が口をあけて餌を求める動作をすることで遊技者に動きの面白さを与えることができるようになっている。
【0043】
実施形態3の大入賞装置301によれば、特定入賞口304は蓋309によって閉塞され、入賞できない状態と入賞できる状態が繰り返されるので、入賞できる状態により遊技者の入賞意欲が高くなる。
【0044】
図10を用いて、実施形態4の大入賞装置401について説明する。図面の番号を400番台とし、共通する説明については実施形態1のものを援用する。実施形態4は特定入賞口404が飛び出す飛び出し条件を、特定停止図柄に起因する構成で、図10(a)〜(c)に示すように、画像表示画面例えば特別図柄表示装置32(図18参照)に表示される大当り遊技状態に移行する特別図柄321が特定図柄(ここでは777)の場合、大入賞装置401の開放と同時に特定入賞口404も飛び出し、特定入賞口404への入賞率が高い特別遊技に移行する。
【0045】
特別図柄表示装置32に表示される大当り遊技状態に移行する特別図柄321が特定図柄でなかった場合(例えば444)、特定入賞口404への入賞率は特定図柄の場合よりも小さくなるような飛び出し動作が設定される。
【0046】
実施形態4の大入賞装置401によれば、特定図柄の種類によって、特定入賞口404の飛び出し状態が異なるので、入賞率、ラウンド継続率の差別化を計ることができる。
【0047】
図11〜図12を用いて実施形態5の大入賞装置501について説明する。図面の番号を500番台とし、共通する説明については実施形態1のものを援用する。実施形態5は特定入賞口504が大入賞装置501内部の範囲を越えて飛び出してくる構成で、遊技球Bが特定入賞口504に入賞すると、図11(a)に示すように特定入賞口504が大入賞口501内部の範囲を越えて飛び出して球流下経路の変化、特定入賞口504の入賞率の変化などを与える。
【0048】
また、図11(b)、図12(c)に示すように、大入賞口501の上方に誘導部材としてのゲート560および遊技釘561を設ける構成も考えられる。ゲート560を設けることにより、特別遊技中の大入賞口501への入賞率が向上し、図12(c)に示すように、特定入賞口504の可動入球口部材504aが飛び出したときは、ゲート560と特定入賞口504とが接して、更なる特定入賞口504への入賞率の向上を達成できる。
【0049】
図12(d)は、特定入賞口504の可動入球口部材504aが飛び出してくる構成において、それだけでは特定入賞口504への入賞率を高くできない場合の構成を示しており、図12(d)と同じく大入賞装置501の上方にゲート560を設けることで、特定入賞口504への入賞率を向上させている。
【0050】
本構成によると、新たな特徴として特定入賞口504に入賞し難い第1状態のときには目的を有していなかったゲート560が、可動入球口部材504aが飛び出してくる第2状態では、飛び出した特定入賞口504へ高確率に誘導する誘導部材としての機能を有するようになる。
【0051】
実施形態5の大入賞装置501によれば、可動入球口部材504aが、大入賞装置1の領域の外まで飛び出すことによって、遊技球の流下経路に新たな可動入球口部材504aが表出することになり、一層、演出効果が高まる。
【0052】
可動入球口部材504aが大入賞装置1の範囲を越えて飛び出る(例えば、遊技盤面表面の上方、前方、側方、下方等へ)ことで、遊技盤面上での遊技球流下経路の変化及び入賞率の変化を与えることができる効果を有する。より入球が狙いやすくなる。また、視覚的にも遊技者へのアピール効果が大きく、遊技の興趣を向上することができる。可動入球口部材が入球口の範囲を越えて横に飛び出すようにすれば、大入賞装置1の横幅が広がるという効果がある。
【0053】
図13を用いて実施形態6の大入賞装置601について説明する。図面の番号を600番台とし、共通する説明については実施形態1のものを援用する。実施形態6は特定入賞口604が飛び出す動作に複数の段階を設けた構成である。大入賞装置601の扉602が開放されると、図13(a)に示すように、特定入賞口604の、可動入球口部材604aの口の部分だけを孔601bから露出した、入賞率の最も低い第1段階から特別遊技が始まる。第1段階の特定入賞口604に入賞すると、図13(b)に示すように、魚の形状をした可動入球口部材604aが孔601bから魚の頭(全体の2/3)まで飛び出した第2段階へと移行し、特定入賞口604への入賞率も第1段階のときよりも向上する。
【0054】
第2段階の特定入賞口604に入賞すると、図13(c)に示すように、可動入球口部材604aが孔601bからさらに飛び出し、第3段階へ移行する。最も入賞率が高く、継続しやすい。
【0055】
実施形態6において特定入賞口604が飛び出すほど入賞率に変化を与えると共に、第1段階の賞球数は13個、第2段階の賞球数は14個、第3段階の賞球数は15個というように、飛び出した段階によって賞球数を変える(増大させる)という構成も考えられる。
【0056】
第6実施形態の大入賞装置601によれば、複数段階に飛び出す可動入球口部材604aの各段階によって、特定入賞口604への入賞に対する特典内容(賞球数又はラウンド数等)が異なる構成を有するので、可動入球口部材604aの飛び出す段階に応じて入賞率と共に、特典内容も変化することによって、単独の大入賞装置601で、遊技者により深い遊技性を与える効果を有する。
【0057】
図14を参照して実施形態7の大入賞装置701について説明する。図面の番号を700番台とし、共通する説明については実施形態6のものを援用する。実施形態7は複数の入球口を備えた構成である。図14(a)に示すように、一般入賞口703及び特定入賞口704は、動物(例えば魚)の形状を模した可動入球口部材703a及び704aを夫々備えて大入賞装置701内に設けられており、特別遊技状態になって大入賞口の扉702が開放されて入賞可能になると、一般入賞口703及び特定入賞口704が孔701b及び701cから夫々飛び出して一般入賞口703及び特定入賞口704への入賞率に変化を与える。このとき、一般入賞口703と特定入賞口704とが一緒に飛び出す構成でも良いし、交互に飛び出す構成でも良い。
【0058】
また、図14(c)に示すように一般入賞口703,703’を複数備えることもある。この場合、一般入賞口703,703’の賞球数が夫々違う構成も考えられる。また、特定入賞口704を複数備える構成もある。
【0059】
実施形態7の大入賞装置701によれば、複数個設けた可動入球口部材703a,704aの賞球数が異なる構成を有し、どの可動入球口部材が飛び出してくるかによって、遊技者へ払い出される遊技球数を変化させることで、遊技の興趣を向上させる効果を有する。また、飛び出し可能な入球口を複数個設けることにより更に見た目、遊技性を向上する効果を有する。
【0060】
図15を参照にして実施形態8の大入賞装置801について説明する。図面の番号を800番台とし、共通する説明については実施形態6のものを援用する。実施形態8は飛び出ることにより入賞口自体の形状が変化する構成である。図15(a)に示すように、他の実施形態と同じく飛び出し条件を満たすことへの入賞率が変化する。更に図15(b)に示すように、可動入球口部材804aの下顎804pが前方に飛び出すことによって、遊技球Bの誘導部材として機能し入賞率の向上を達成している。このとき、下顎804pが飛び出すタイミングは、可動入球口部材804aが飛び出すときと同時とする構成でも良いし、可動入球口部材804aが飛び出してから所定の飛び出し条件を満たすことによって下顎804pが飛び出す構成でも良い。
【0061】
実施形態8の大入賞装置801によれば、可動入球口部材804aが飛び出すときに、可動入球口部材804aの形状が変化する構成を有し、可動入球口部材804aが飛び出す過程で形状が変化することで入賞率が大きく変化することができるので、形状変化していないときを含め、遊技者により深い遊技性を与えることができる。
【0062】
図16に示すように、本実施形態の入賞装置1の適用例を示すパチンコ機10は、第1種パチンコ機であり、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のカードリーダ(以下、プリペイドカードユニットともいう。)13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。
前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。カードリーダ13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重にはめ込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。
上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24の外周には、図示しない回動リングが擁され、時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。
上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
【0063】
図17はパチンコ機10の裏面図である。図示するように、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
また、各々後に詳述するが、機構盤26には主制御装置30及び賞球制御装置31が脱着可能に、遊技盤22には特別図柄表示装置32が、前面枠左下部には発射制御装置33が各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
【0064】
次に図18を用いて遊技盤22について説明する。
図18に示すように遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置32を構成するLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)32a、その下部に第1種始動口としての普通電動役物36、LCD32a上部の普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられるLCD32aの左右の普通図柄作動ゲート38及び39、普通電動役物36下部の大入賞装置1、盤面最下部のアウト口41、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。
この構成により、前述した発射ハンドル24を回動すれば発射制御装置33により駆動される発射モータ33aが駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれる。
【0065】
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図19のブロック図を用いて説明する。
パチンコ機10の電気回路は、図示するように、主制御装置30、賞球制御装置31、特別図柄表示装置32、発射制御装置33、ランプ制御装置34、音制御装置35、前述したプリペイドカードユニット13及びCR精算表示装置42等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うための所謂中継装置及び電源回路等は記載していない。
【0066】
主制御装置30は、遊技制御プログラムを記憶したROM及び演算等の作業領域として働くRAMを内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他、各装置又は各種スイッチ類及び各種アクチェータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。
主制御装置30の入力側には、第1種始動口スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、Vスイッチ5、カウントスイッチ6、賞球払出しスイッチ29a、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a等が接続されている。
また、主制御装置30の出力側には、大入賞口ソレノイド7、アクチュエータ4i及び普通役物ソレノイド36b等が接続されている。
【0067】
第1種始動口スイッチ36aは前述した遊技盤22上の普通電動役物36内、普通図柄作動スイッチ38a及び39aは各々普通図柄作動ゲート38及び39内、Vスイッチ5は大入賞装置1内の特定入賞口4内、同じくカウントスイッチ6は大入賞装置1内、賞球払出しスイッチ29aは払出し装置29内の球切りモータ29bの下方、満タンスイッチ43は下皿23内、補給スイッチ44は球タンク27内、に各々取り付けられている。ここで、Vスイッチ5は大入賞装置1内に入賞した遊技球が特定入賞口4(特別領域)を通過したことを、カウントスイッチ6は大入賞装置1内の一般入賞口3に入賞する遊技球を、賞球払出しスイッチ29aは球切りモータ29bにより上皿15に排出される遊技球を、満タンスイッチ43は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、補給スイッチ44は球タンク27内に遊技球が存在することを、タッチスイッチ24aは発射ハンドル24に内蔵され遊技者が発射ハンドル24に触れていることを、各々検出するためのものである。
また、出力側に接続された大入賞口ソレノイド7は大入賞装置1の開閉、アクチュエータ4iは特定入賞口4の飛び出しと退避、普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36の開閉に使用されるものである。
【0068】
特別図柄表示装置32は、前述したLCD32aと、このLCD32aを駆動制御する図柄表示装置制御装置(以下、単に「図柄制御装置」という。)32b及びバックライト及びインバータ基板等の付属ユニット32cから構成されている。図柄制御装置32bは、前述した主制御装置30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
2cから構成されている。図柄制御装置32bは、前述した主制御装置30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。第1種始動口スイッチ36aは前述した遊技盤22上の普通電動役物36内、普通図柄作動スイッチ38a及び39aは各々普通図柄作動ゲート38及び39内、Vスイッチ5は大入賞装置1内の特定入賞口4内、同じくカウントスイッチ6は大入賞装置1内、賞球払出しスイッチ29aは払出し装置29内の球切りモータ29bの下方、満タンスイッチ43は下皿23内、補給スイッチ44は球タンク27内、に各々取り付けられている。ここで、Vスイッチ5は大入賞装置1内に入賞した遊技球が特定入賞口4(特別領域)を通過したことを、カウントスイッチ6は大入賞装置1内の一般入賞口3に入賞する遊技球を、入球検出スイッチ6a,6bは普通入賞口3a,3bに入球する遊技球を、賞球払出しスイッチ29aは球切りモータ29bにより上皿15に排出される遊技球を、満タンスイッチ43は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、補給スイッチ44は球タンク27内に遊技球が存在することを、タッチスイッチ24aは発射ハンドル24に内蔵され遊技者が発射ハンドル24に触れていることを、各々検出するためのものである。
また、出力側に接続された大入賞口ソレノイド7は大入賞装置1の開閉、アクチュエータ4iは特定入賞口4の飛び出しと退避、普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36の開閉に使用されるものである。
【0069】
賞球制御装置31の出力側は球切モータ29bと接続され、また、プリペイドカードユニット13、CR精算表示装置42と双方向通信可能に接続されている。主制御装置30からの指令コマンドに従って球切りモータ29bを駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出すものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。この賞球制御装置31は主制御装置30からの指令に従って遊技球を払い出すだけであり、入賞に対応した遊技球が払い出されているか否かの検知は主制御装置30で行われる。
【0070】
発射制御装置33の入力側は発射ハンドル24、発射停止スイッチ24b、出力側は、発射モータ33a、タッチランプ45と接続されている。発射制御装置33は、遊技者が操作する発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ24bを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル24に内蔵されたタッチスイッチ24aがオン状態のときタッチランプ45を点灯させるためのものである。
【0071】
ランプ制御装置34は主としてトランジスタ等の駆動素子から構成されており、主制御装置30からの指令を受けてを普通図柄保留記憶用LEDと普通図柄用LEDとを有する普通図柄表示装置37、大当たりランプやエラーランプ等の各種ランプ35a及び各種LED35b等を点灯表示させるためのものである。
【0072】
音制御装置35は音源IC及びアンプ等から構成されており、主制御装置30の指令を受けてスピーカ46を駆動制御するためのものである。
【0073】
前述した特別図柄表示装置32、賞球制御装置31、発射制御装置33、ランプ制御装置34及び音制御装置35への送信は、主制御装置30からのみ送信することができるよう一方向通信の回路として構成されているが、双方向通信も可能であるように適宜構成できる。
【0074】
主制御装置30には、その他、前述したプリペイドカードユニット13、CR精算表示装置42が接続されている。CR精算表示装置42は、前述した上皿15の貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18等から構成されている。
以上説明した回路構成を有するパチンコ機10が提供するゲーム内容を以下に説明する。
【0075】
図20〜図22は大入賞装置制御1ルーチンを表すフローチャートで、特定入賞口4が入球し難い第1状態から第2状態に移行する処理を示すものである。この移行条件は、V検出である。初回ラウンド時を表す図21、2ラウンド以降を表す図21、ラウンド間を表す図22から構成される。特定入賞口4の初期状態は退避状態であり、特定入賞口4は入球し難い第1状態である。
【0076】
図20の処理は、大当たり遊技状態の初回ラウンドにおいて実行され、ステップS100において大入賞装置1を開放し、続くステップS105において現在のラウンドが1ラウンド目であるか否かが判断される。現在のラウンドが1ラウンド目である場合(S105:yes)、ステップS110に流れる。現在のラウンドが1ラウンド目でない場合(S105:no)、処理は図21のステップS200に流れる。
【0077】
ステップS110においてVスイッチがオンであるか否かが判断される。V検出である場合(S110:yes)ステップS115に流れる。V検出でない場合(S110:no)、ステップS120に流れてカウントスイッチ6がオンであるか、つまり一般入賞口検出であるか否かが判断される。一般入賞口検出である場合(S120:yes)、ステップS135に流れて入球数を+1し、ステップS140に流れる。一般入賞口検出でない場合(S120:no)、ステップS140に流れる。
【0078】
ステップS115において継続フラグが1と等しいか否かが判断される。継続フラグが1と等しい場合(S115:yes)、ステップS135に流れて入球数を+1して、ステップS140に流れる。継続フラグが1と等しくない場合(S115:no)、ステップS125に流れて継続フラグに1を設定し、続くステップS130において特定入賞口可動処理、即ち、アクチュエータ4iを駆動して特定入賞口4を飛び出し状態等とし、入賞しやすい第2状態とし、ステップS135に流れて入球数を+1して、ステップS140に流れる。
【0079】
ステップS140において所定時間が経過しているか否かが判断される。所定時間が経過している場合(S140:yes)、ステップS150に流れて大入賞装置1を閉塞し、図22のステップS300に流れる。所定時間が経過していない場合(S140:no)、ステップS145に流れて入球数が10個と等しいか否かが判断される。入球数が10個と等しい場合(S145:yes)、ステップS150に流れて大入賞装置1を閉塞し(S150)、図22のS300に流れる。入球数が10個と等しくない場合(S145:no)、ステップS110に戻り、前述した処理を繰り返す。
【0080】
図21の処理を説明する。このルーチンは大当り遊技の2ラウンド目以降に実行され、ステップS200において特定入賞口可動処理を行って大入賞装置1内の可動入球口部材4aを駆動、突出させ、続くステップS205でVスイッチ5がオンであるか(V検出)であるか否かを判断される。V検出である場合(S205:yes)、ステップS215において継続フラグに1を設定、続くステップS220において入球数を+1し、ステップS225に流れる。V検出でない場合(S205:no)、ステップS210に流れてカウントスイッチ6の検出(一般入賞口検出)であるか否かが判断される。一般入賞口検出である場合(S210:yes)、ステップS220に流れて入球数を+1して、ステップS225に流れる。一般入賞口検出でない場合(S210:no)、ステップS225に流れる。
【0081】
ステップS225において所定時間が経過しているか否かが判断される。所定時間が経過している場合(S225:yes)、ステップS235において大入賞装置1を閉塞し、ステップS240に流れる。所定時間が経過していない場合(S225:no)、ステップS230に流れて入球数が10個と等しいか否かが判断される。10個と等しい場合(S230:yes)、ステップS235に流れて大入賞装置1を閉塞し(S235)、ステップS240に流れる。入球数が10個と等しくない場合(S230:no)、ステップS205に戻り、前述した処理を繰り返す。
【0082】
ステップS240において、現在のラウンドが最終ラウンドか否かが判断される。現在のラウンドが最終ラウンドである場合(S240:yes)、ステップS245に流れて大当り処理を終了し、リターンに流れて処理は終了する。現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(S240:no)、図22のS300に流れる。
【0083】
図22を参照してラウンド間の処理について説明する。このルーチンは大当り遊技中のラウンドとラウンドの間に実行され、図20、図21、図23、図25、図26、図27、図28、図29、図30の各フローチャートにおける、ラウンド間の処理として使われる。
ステップS300において、継続フラグが1と等しいか否かを判断し、継続フラグが1と等しければステップS310に流れ、ステップS310において継続フラグに0を設定してステップS320に流れる。継続フラグが1と等しくなければ(S300:no)、図21のステップS245に流れる。
【0084】
ステップS320において、所定時間が経過しているか否かを判断し、所定時間が経過していれば図20のステップS100に流れる。所定時間が経過していなければステップS320の処理を繰り返す。ここでいう所定時間とは、大入賞装置1が閉鎖してから次のラウンドの開放までの待機時間である。
【0085】
図20〜図22に示す処理により、1ラウンドを経過することで、第1状態から第2状態へ移行する飛び出し条件が成立するので、第2ラウンド以降は特定入賞口4に入賞しやすくなる。
【0086】
図23のフローチャートを用いて、第1状態から第2状態へ移行する飛び出し条件が大入賞口所定入球数の場合の処理について説明する。このルーチンは大当り遊技開始後に実行される。
ステップS400において大入賞装置1を開放し、続くステップS405において特定入賞口可動処理が済んでいるか否かを判断する。特定入賞口可動処理が済んでいる場合(S405:yes)、ステップS420に流れる。特定入賞口可動処理が済んでいない場合(S405:no)、ステップS410において大入賞装置1への入球数が所定数と等しいか否か判断する。入球数が所定数と等しい場合(S410:yes)、ステップS415に流れ、特定入賞口可動処理を行う。入球数が所定数と等しくない場合(S410:no)、ステップS420に流れる。
【0087】
ステップS420において、V検出か否かが判断される。V検出である場合(S420:yes)、ステップS430に流れ、ステップS430において継続フラグが1と等しいか否か判断される。継続フラグが1と等しい場合、(S430:yes)、ステップS440に流れて入球数を+1して、続くステップS445に流れる。継続フラグが1と等しくない場合(S430:no)、ステップS435に流れて継続フラグに1を設定し、続くステップS440で入球数を+1してステップS445に流れる。ステップS420において、V検出でなかった場合(S420:no)、ステップS425に流れて一般入賞口検出であるか否かが判断される。一般入賞口検出である場合(S425:yes)、ステップS440に流れて入球数を+1し、ステップS445に流れる。一般入賞口検出でない場合(S425:no)、ステップS445に流れる。
【0088】
ステップS445において、所定時間が経過しているか否かを判断する。所定時間が経過していれば(S445:yes)、ステップS455に流れて大入賞装置1を閉塞し、図22のステップS300に流れる。所定時間が経過していなければ(S445:no)、ステップS450に流れ、入球数が10個と等しいか否かが判断される。入球数が10個に等しい場合(S450:yes)、ステップS455に流れて大入賞装置1を閉塞し、図22のステップS300に流れる。入球数が10個に等しくない場合(S450:no)、ステップS405に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0089】
図23に示す処理により、大入賞装置1へ所定入球数があれば、第1状態から第2状態へ移行する飛び出し条件が成立するので、それ以降は特定入賞口4に入賞しやすくなる。
【0090】
図23のフローチャートにおけるステップS410の判断条件を、大入賞装置1の開放時間、特別図柄始動保留数等に変更することで、判断条件を変更した構成でのフローチャートとして援用することが可能である。
【0091】
図24のフローチャートを用いて、図柄表示画面例えば特別図柄表示装置32の画面に所定大当たり図柄が停止表示されることによって、可動入球口部材4aが複数段階に可動する処理について説明する。この処理は特別図柄表示装置32に所定図柄が停止表示されるごとに実行される。
所定大当たり図柄が特別図柄表示装置32に停止表示されることで、ステップS500に示す大当り遊技となり、続くステップS510において大当り図柄が奇数か否かが判断される。大当り図柄が奇数の場合は特定図柄であると判断し(S510:yes)、ステップS520に流れる。大当り図柄が奇数でない場合場合は非特定図柄であると判断して(S510:no)、ステップS530に流れる。
【0092】
ステップS520において、停止表示した図柄が7であるか否かが判断される。変動停止図柄が7である場合(S520:yes)、ステップS550に流れて、図25に示す特定入賞口可動処理1へ流れ、第1ラウンドから特定入賞口4を全突出状態とする。変動停止図柄が7でない場合(S520:no)、ステップS540に流れて、図26、図27に示す特定入賞口可動処理2へ流れ、第1ラウンドから第7ラウンドまでは特定入賞口4を全突出状態、第8ラウンドから特定入賞口4を2/3突出状態とする。
【0093】
ステップS530において、停止表示した図柄が4であるか否かが判断される。変動停止図柄が4である場合(S530:yes)、ステップS560に流れて、図28に示す特定入賞口可動処理3へ流れ、特定入賞口4を第1ラウンドから1/3突出状態とする。変動停止図柄が4でない場合(S530:no)、ステップS570に流れて、図29、図30に示す特定入賞口可動処理4へ流れ、第1ラウンドから第7ラウンドまでは特定入賞口4を1/3突出状態、第8ラウンドから特定入賞口4を2/3突出状態とする。
【0094】
図25のフローチャートを用いて特定入賞口可動処理1について説明する。このルーチンは停止表示された図柄が7である場合に実行される。ステップS600において大入賞装置1が開放され、続くステップS605における特定入賞口可動処理で可動入球口部材4aを全突出させて、ステップS610に流れる。
【0095】
ステップS610においてV検出であるか否かが判断される。V検出である場合(S610:yes)、ステップS620に流れて継続フラグに1を設定し、続くステップS625において入球数を+1してステップS630に流れる。V検出でなかった場合(S610:no)、ステップS615に流れて一般入賞口検出であるか否かが判断される。一般入賞口検出である場合(S615:yes)、ステップS625に流れて入球数を+1してステップS630に流れる。一般入賞口検出でない場合(S615:no)、ステップS630に流れる。
【0096】
ステップS630において所定時間が経過しているか否かが判断される。所定時間が経過している場合(S630:yes)、ステップS640に流れて大入賞装置1を閉塞し、ステップS645に流れる。所定時間が経過していない場合(S630:no)、ステップS635に流れて入球数が10個と等しいか否かが判断される。入球数が10個と等しい場合(S635:yes)、ステップS640に流れて大入賞装置1を閉塞し、ステップS645に流れる。入球数が10個と等しくない場合(S635:no)、ステップS610に戻り前述の処理を繰り返す。
【0097】
ステップS645において現在のラウンドが最終ラウンドか否かが判断される。現在のラウンドが最終ラウンドである場合(S645:yes)、ステップS650に流れて大当り終了処理を行い、リターンに流れて処理を終了する。現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(S645:no)、図22のステップS300に流れる。
【0098】
図26、図27のフローチャートを参照して、特定入賞口可動処理2について説明する。このルーチンは停止表示図柄が7以外の奇数図柄である場合に実行され、図26で1ラウンドから7ラウンド間の処理を、図27で8ラウンド以降の処理を示している。
【0099】
図26のステップS700において大入賞装置1が開放され、続くS705で現在のラウンド数が1〜7ラウンドであるか否かが判断される。現在のラウンド数が1〜7ラウンドである場合(S705:yes)、ステップS710に流れて特定入賞口可動処理を実行し可動入球口部材4を全突出させて、ステップS715に流れる。現在のラウンド数が1〜7ラウンドでなかった場合(S705:no)、図27のS800に流れる。
【0100】
ステップS715においてV検出か否かが判断される。V検出である場合(S715:yes)、ステップS725に流れて継続フラグに1を設定し、続くS730において入球数を+1して、ステップS735に流れる。V検出でなかった場合(S715:no)、ステップS720に流れて一般入賞口検出であるか否かが判断される。一般入賞口検出である場合(S720:yes)、ステップS730に流れて入球数を+1して、ステップS735に流れる。一般入賞口検出でなかった場合(S720:no)、ステップS735に流れる。
【0101】
ステップS735において所定時間が経過しているか否かが判断される。所定時間が経過している場合(S735:yes)、ステップS745に流れて大入賞装置1を閉塞し、図22のbに流れる。所定時間が経過していない場合(S735:no)、ステップS740に流れて入球数が10個と等しいか否かが判断される。入球数が10個と等しい場合(S740:yes)、ステップS745に流れて大入賞装置1を閉塞し、図22のS300に流れる。入球数が10個と等しくない場合(S740:no)、ステップS715に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0102】
図27のステップS800における特定入賞口可動処理で可動入球口部材4aを2/3突出させ、続くステップS805においてV検出であるか否かが判断される。V検出である場合(S815:yes)、ステップS815に流れて継続フラグに1を設定し、続くステップS820で入球数を+1して、ステップS830に流れる。V検出ではなかった場合(ステップS805:no)、ステップS810に流れて一般入賞口検出であるか否かが判断される。一般入賞口検出である場合(S810:yes)、ステップS820に流れて入球数を+1して、ステップS830に流れる。一般入賞口検出でない場合(S810:no)、ステップS830に流れる。
【0103】
ステップS830において所定時間を経過しているか否かが判断される。所定時間が経過している場合(S830:yes)、ステップS840に流れて大入賞装置1を閉塞し、ステップS845に流れる。所定時間が経過していない場合(S830:no)、ステップS835に流れて入球数が10個と等しいか否かが判断される。入球数が10個と等しい場合(S835:yes)、ステップS840に流れて大入賞装置1を閉塞し、ステップS845に流れる。入球数が10個と等しくない場合(S835:no)、ステップS805に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0104】
ステップS845において現在のラウンドが最終ラウンドか否かが判断される。現在のラウンドが最終ラウンドである場合(S845:yes)、ステップS850に流れて大当たり終了処理を行い、リターンに流れて処理を終了する。現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(S845:no)、図22のステップS300に流れる。
【0105】
図28のフローチャートを用いて特定入賞口可動処理3について説明する。このルーチンは停止表示された図柄が4である場合に実行される。この処理の説明は、図25のフローチャートの処理とほぼ同様であり説明を援用するが、図25のステップS605の「全突出」を「1/3突出」に置き換えたものである。つまり、特定入賞口4がその1/3を突出させるのであり、継続確率が図25の場合よりも低いのである。
【0106】
図29、図30のフローチャートを参照にして、特定入賞口可動処理4について説明する。このルーチンは停止表示図柄が4以外の偶数図柄である場合に実行され、図29で1〜7ラウンド間の処理を、図30で8ラウンド以降の処理を示している。
【0107】
図29の処理は、図26の処理と概ね対応するので、図26に対応する説明を援用するが、図26のステップS710の「全突出」を「2/3突出」に読み替え、ステップ数を1000番台としたものである。つまり、特定入賞口4がその2/3を突出させるのであり、継続確率が図25の場合よりも低いのである。
図30の処理は、図27の処理と概ね対応するので、図27に対応する説明を援用するが、図27のステップS800の「2/3突出」を「1/3突出」に読み替え、ステップ数を1100番台としたものである。つまり、特定入賞口4がその1/3を突出させるのであり、継続確率が図27の場合よりも低いのである。
【0108】
以上の図24から図30の処理により、特別図柄が7で揃った場合、全ラウンドにおいて特定入賞口4を全突出として最もラウンドの継続率を高く設定し、その他の奇数で特別図柄が揃った場合、1〜7ラウンドは全突出、8ラウンド以降は2/3突出として2番目のラウンド継続率に設定し、特別図柄が4で揃った場合、全ラウンドで1/3突出としてラウンドの継続率を最も低く設定し、その他の偶数で特別図柄が揃った場合、1〜7ラウンドは2/3突出、8ラウンド以降は1/3突出として3番目のラウンド継続率に設定する。
従って、特別図柄表示装置32の停止図柄の種類によって第1状態から第2状態に切り替える切り換え手段の程度を変更しているので、図柄の種類によって特定入賞口4の飛び出しの程度が変化し、ラウンドの継続率に変化が生じ、大当たり遊技において画面のみならず、大入賞装置1の動作にも遊技者が惹き付けられるので、特別遊技の面白みが格段に向上する。
【0109】
上記の変更形態としては、所定球数の程度で特定入賞口4を複数段階で可動する構成でもよい。この場合、図24のステップS510、ステップS520、ステップS530に代えて、所定入球数に達したかどうかの判断ステップに変更すればよい。例えば、ステップS520の「図柄7?」にかえて「入球数6?」とすればよい。
異なる変更形態としては、大入賞装置1の開放時間の程度で特定入賞口4を複数段階で可動する構成でもよい。この場合、図24のステップS510、ステップS520、ステップS530に代えて、所定開放時間に達したかどうかの判断ステップに変更すればよい。例えば、ステップS520の「図柄7?」にかえて「14秒経過?」とすればよい。
【0110】
なお、遊技中においてランプ制御装置34及び音制御装置35が実行する制御も従来と同様な構成であり、その説明は割愛することにする。
【0111】
前記大入賞装置1が第1種パチンコ機に適用された場合を記載したが、第2種パチンコ機、第3種パチンコ機等の変動入賞装置等に適用できる。
第2種パチンコ機においては、中央装置内から特定領域が飛び出てくることにより、例えば、中央装置の左右下部に設けられている始動入賞口に入賞すると可動翼片が開放し、タイミングよく入球して特定領域に入賞すると当りとなる行程を省いて、中央装置から出てきた特定領域に入球すると当りとなる等の、今までとは違う経緯で大当り遊技状態への移行を示すことができ、新たな遊技性を持つことができる。
第3種パチンコ機においては、権利入賞装置に適用できる。第3種パチンコ機は、特別図柄が特定の並び(例えば777)になると権利入賞装置が所定時間開放し、第3種大入賞口内の特別装置作動領域に遊技球が入球することにより権利が発生する。権利入賞装置内には特別装置作動領域(V)と一般領域(ハズレ)が設けられている。従来の遊技機は貯留手段により複数遊技球が貯留されると特別装置作動領域へ入球し易くなる構成(貯留された遊技球で遊技球の経路を形成)のものや、所定球数の遊技球が検出されると遊技球案内部材が可動して特別装置作動領域が設けられたルートに遊技球が案内されるもの、回転体を用いてなど多様な構成のものがある。
しかし、視認性が良くないため権利が発生しなかった時に遊技者が理解できず、第3種で遊技をする上での不満、不安を与える要因となっていた。
その特別装置作動領域に飛び出し構造を使用する事により、入賞率を変化させると共に視認性を良好にすることが可能となり、遊技者の不満、不安を解消する効果を発揮する。
また、近年の第3種は中央装置を用いて回転体などの役物振分けと抽選乱数を併用した構成が主流になっており、その場合、中央装置に飛び出し構造を用いることも考えられる。これにより、権利中に有利な遊技状態を形成したり、権利発生のし難い小当り、権利発生のし易い大当りを有する遊技性の場合は小当り時に権利入賞装置を不利な状態としたり、大当たり時は権利入賞装置を有利な状態にする構成等の実施形態において適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】開放された特定入賞口4の外観斜視図である。
【図2】(a),(b)は扉2を除いた状態の大入賞装置の部分正面図である。(a)は特定入賞口4が退避した状態、(b)は特定入賞口4が飛び出した状態を示す。
【図3】可動入球口部材4aの外観斜視図である。
【図4】可動入球口部材4aを収納した状態の大入賞装置1の断面図(図2のA−A断面)である。
【図5】可動入球口部材4aが突出した状態の大入賞装置1の断面図(図2のB−B断面)である。
【図6】可動入球口部材4a及びアクチュエータ4iを取り外した状態の大入賞装置1の断面図である。
【図7】大入賞装置1内の一般入賞口77の断面図(図2のC−C断面)である。
【図8】実施形態2の(a),(b)について示した図である。
【図9】実施形態3の(a),(b)について示した図である。
【図10】実施形態4の(a),(b)(c)について示した図である。
【図11】実施形態5の(a),(b)について示した図である。
【図12】実施形態5の(c),(d)について示した図である。
【図13】実施形態6の(a),(b)について示した図である。
【図14】実施形態7の(a),(b),(c)について示した図である。
【図15】実施形態8の(a),(b)について示した図である。
【図16】本発明の実施形態のパチンコ機10を示す外観斜視図である。
【図17】パチンコ機10の裏面図である。
【図18】パチンコ機10の遊技盤22の構成を示す正面図である。
【図19】弾球遊技機の電気的構成を示したブロック図である。
【図20】特定入賞口第2状態移行ルーチンの初回ラウンド時の処理を示したフローチャートである。
【図21】特定入賞口第2状態移行ルーチンの2ラウンド以降の処理を示したフローチャートである。
【図22】特定入賞口第2状態移行ルーチンのラウンド間の処理を示したフローチャートである。
【図23】可動入球口部材が可動する飛び出し条件が特定入賞口への所定入球数である場合の処理を示したフローチャートである。
【図24】可動入球口部材が所定図柄により複数段階可動する場合の処理を示したフローチャートである。
【図25】大当たり図柄が7だった場合の特定入賞口可動処理を示したフローチャートである。
【図26】大当たり図柄がその他の奇数だった場合の特定入賞口可動処理の1〜7ラウンド間を示したフローチャートである。
【図27】大当たり図柄がその他の奇数だった場合の特定入賞口可動処理の8ラウンド以降を示したフローチャートである。
【図28】大当たり図柄が4だった場合の特定入賞口可動処理を示したフローチャートである。
【図29】大当たり図柄がその他の偶数だった場合の特定入賞口可動処理の1〜7ラウンド間を示したフローチャートである。
【図30】大当たり図柄がその他の偶数だった場合の特定入賞口可動処理の8ラウンド以降を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・大入賞装置、 2・・・扉、 3・・・一般入賞口
3a,3b・・・普通入賞口
4・・・特定入賞口、 4a・・・可動入球口部材
4b・・・入口、 4i・・・アクチュエータ
4c・・・底部、 4d・・・取り込み口
4e・・・開口部、 4f・・・案内筒
4g・・・誘導通路、 4h・・・ロッド
4i・・・アクチュエータ、 4j・・・開口部
4k・・・球進入防止部材、 5・・・Vスイッチ
6・・・カウントスイッチ、 7・・・大入賞口ソレノイド
8・・・本体部

Claims (11)

  1. 遊技盤面上で遊技球により、遊技を行う遊技機において、
    遊技球が入球可能な入球口と、
    該入球口の内部に設けられ、遊技球の入球が可能であって可動可能な可動入球口部材と、
    前記入球口内から前記可動入球口部材飛び出させる飛び出し駆動源と、該飛び出し駆動源を駆動させる条件を判断し、条件が成立した場合には前記飛び出し駆動源を駆動させ、前記可動入球口部材を飛び出させる制御を行う飛び出し動作制御手段と、
    を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 請求項1に記載の弾球遊技機において、前記可動入球口部材が前記入球口から飛び出す動作に複数の段階を設け、該入球口から飛び出す動作の段階に応じて入球率を変化させることを特徴とした弾球遊技機。
  3. 請求項1又は2に記載の弾球遊技機において、複数段階に飛び出す可動入球口部材の各段階によって、可動入球口部材の特典内容が異なる構成を有する弾球遊技機。
  4. 請求項1に記載の弾球遊技機において、前記入球口から出てくる可動入球口部材が、該入球口の領域の外まで飛び出す構成を有する弾球遊技機。
  5. 請求項1乃至4に記載の弾球遊技機において、可動入球口部材が前記入球口内に収納された通常位置と、前記入球口から飛び出した突出位置にあっても、前記入球口と可動入球口部材とが遊技球の取り込み口を共有する構造を有する弾球遊技機。
  6. 請求項1乃至5に記載の弾球遊技機において、前記入球口に前記可動入球口部材を複数個設けた構成を有する弾球遊技機。
  7. 請求項6に記載の弾球遊技機において、前記複数個設けた前記可動入球口部材の賞球数が異なる構成を有する弾球遊技機。
  8. 請求項1乃至7に記載の弾球遊技機において、前記可動入球口部材が前記入球口から飛び出すときに、前記可動入球口部材の形状が変化する構成を有する弾球遊技機。
  9. 請求項1乃至8に記載の弾球遊技機において、前記入球口を大入賞口とし、前記可動入球口部材を大入賞口内に設け、大当りのときに、前記大入賞口が開口し、前記可動入球口部材が現れる構成を有する弾球遊技機。
  10. 大入賞口内の特定入賞口に、入賞し難い第1状態と、入賞し易い第2状態に切り替え可能な切替手段を有した弾球遊技機において、大当り時の大入賞口の所定ラウンドまでの開放では該第1状態から開始し、遊技球が特定入賞口に入賞することにより、以降のラウンドでは大入賞口開放が該第2状態へ切り替わる構成を有する弾球遊技機。
  11. 請求項10に記載の弾球遊技機において、大当り時の大入賞口の所定ラウンドの開放では前記第1状態から開始し、遊技球が特定入賞口に入賞することにより、2ラウンド以降では大入賞口開放が該第2状態へ切り替わる構成を有する弾球遊技機。
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