以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明をパチンコ遊技機に適用した場合について説明する。
先ず、図1及び図2により、パチンコ遊技機の概略構成について説明する。ここで、図1はそのパチンコ遊技機の遊技盤1の正面図を示し、図2はその遊技盤1の背面図を示している。
この遊技盤1の前面には、遊技盤1の下方に設けられた発射レール18の延長上にガイドレール2が環状に取付けられ、ガイドレール2の内側に遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その略中央部に図柄表示装置4が配置され、図柄表示装置4には、正面左側から左図柄5、中図柄6、右図柄7が表示されるようになっている。図柄表示装置4の周りには飾り体8が設けられ、飾り体8には、図柄表示装置4の各図柄5,6,7を視認可能なように矩形状の図柄表示領域透視部9が形成され、図柄表示領域透視部9の周りに複数(図示では4個)のランプ演出装置10a〜10dが配設され、正面左側上部には4個の保留ランプ11が設けられている。そして、飾り体8の下方の遊技領域3には、始動入賞口12及び大入賞口13等が配置され、始動入賞口12には始動入賞検出スイッチ14が取付けられ、大入賞口13には特定領域(Vゾーン)と一般領域とが区画形成され、その特定領域には特定領域通過検出スイッチ15が取付けられている。また、遊技盤1の後面には、ランプ演出装置10のLEDランプ基板16が設けられ、LEDランプ基板16はコネクタ17を介してランプ制御基板(図示せず)に接続されている。
次に、図1〜図7を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態に係る飾り体8について説明する。
飾り体8は、ベース部材21の周縁部に設けられた所要数の取付孔22を介して遊技盤1にネジ止めされるようになっており、正面左側のランプ演出装置10cの前方に鉛直方向に形成された球流路23と、図柄表示領域透視部9の下方に形成されたステージ部24とを備えている。球流路23の上部には、図柄表示領域透視部9の正面左側上部に隣接して球入口25が設けられ、球入口25には正面左側斜め上方から遊技球26が流入可能となっている。また、球流路23の下部には球出口27が設けられ、球出口27は図柄表示装置4を臨む正面左側下部側面28に開口されている。球出口27からは、ステージ部24の中央の球導入口29に掛けて導入路30が渡設され、導入路30は球導入口29に向かって下り勾配で傾斜している。導入路30は1本の針金状部材を平行なレール状に折返すことにより形成され、その折返し部31は環状を成し、導入路30のレール幅は遊技球26の直径より小さくなっている。この場合、導入路30は、図1によく示されているように、図柄表示領域透視部9の正面左側下部の前方に位置しており、図柄表示領域透視部9と一部重なるが、針金状部材により形成されているため、図柄表示装置4の図柄表示の視認を妨げるおそれはない。このように、飾り体8には、球流路23と導入路30によりステージ部導入路19が形成され、球入口25に入球した遊技球26がステージ部導入路19によってステージ部24に導かれるようになっている。なお、導入路30の構成は、上記した構成に限定されるものではなく、3本の針金状部材を使用し、V溝状に形成させる等、各種変更が可能である。
ステージ部24は、ステージ部導入路19により導かれた遊技球26を振分け手段33に導く振分け手段案内路32と、振分け手段案内路32により導かれた遊技球26を始動入賞口12に入賞し易い特定流路と該特定流路より始動入賞口12に入賞し難い一般流路とに振分け可能な振分け手段33とを備えている。
振分け手段案内路32は、中央部から両端部に向かって前後方向に幅広に形成され、左右対称形状を成しており、導入路30の終端に連結される球導入口29と、左右の振分け手段33に遊技球26を案内する振分け手段案内部20とを主体に構成されている。
球導入口29は、前後一対の球導入口基部34を有しており、前後の球導入口基部34は遊技球26の通過を許容し得る間隔を有して振分け手段案内路20の略中央部に立設されている。
また、球導入口基部34の上部には、前後の球導入口基部34に亘って平面視逆C字状の球導入口案内部35が遊技球26の通過を許容し得る内径を有して導入路30の終端と連結するように形成され、さらに、球出口27と対向する位置の球導入口案内部35には導入路30より上方に突出するように球受け部36が形成されており、球導入口30から球導入口29に遊技球26を確実に落下案内できるようになっている。
球導入口29の外側には導入路支持部37がそれぞれ前後に突出して形成され、導入路支持部37上に導入路30の折返し部31が支持されるようになっている。また、球受け部35の外側には、導入路掛止部38が正面右側に突出して形成され、導入路掛止部38の下部に導入路30の折返し部31が掛止されるようになっている。すなわち、導入路30は、折返し部31が導入路支持部37に支持されると共に導入路掛止部38に掛止されることにより、球導入口29に取付けられるようになっている。
振分け手段案内部20には、球導入口29の中心に対応する位置に左右振り分け機構として半球形状の左右振分け突起部39が突設されていると共に、左右振分け突起部39を頂点として左右方向に僅かに下り勾配の傾斜路40が形成されている。このため、球導入路29から落下した球が左右振分け突起部39により左右の傾斜路40に略均等に案内されるようになっている。また、振分け手段案内部20には、傾斜路40の前端に、遊技球26の前方への落下を阻止する落下防止壁41が立設されており、球導入口29から流下した全ての遊技球26が傾斜路40により振分け手段33へ案内されるようになっている。傾斜路40は、球導入口29と対応する略中央部を最後方として湾曲して形成されており、左右の両端部が後述する回転流路48の外周に合致するように半円状に切欠き形成されている。そして、傾斜路40の端部背面(振分け手段案内路32の背面)にはそれぞれ位置決め突条部42が形成されており、位置決め突条部42は回転流路48の外周に嵌設するようになっている。
振分け手段33は、ステージ部24の両側においてそれぞれ回転可能に設けられた略円盤形状の左右一対の回転振分け部材43と、回転振分け部材43を回転させる回転振分け部材駆動手段44とを備えており、回転振分け部材43の下面中心部には回転支軸45が突設されている。回転振分け部材43には1個の球通過孔46と4個のポケット部47がそれぞれ放射状に配置され、球通過孔46及び各ポケット部47はそれぞれ、遊技球26を誘い込み易いようにU字状平面を成し、ポケット部47は溝状に形成されている。そして、球通過孔46は遊技球26を特定流路へ案内する特定流路案内部として機能し、ポケット部47は遊技球26を一般流路へ案内する一般流路案内部として機能するようになっている。
前記特定流路は、左右の回転振分け部材41の下方において碗状に形成された回転流路48と、各回転流路48の後方からそれぞれステージ部24の中央に向かって下り勾配で傾斜する左右の直線流路49と、左右の各直線流路49の間に形成された球落下孔50と、球落下孔50に連通し、前方に僅かに傾斜して形成された排出口51とから構成されており、排出口51は特定の入賞口である始動入賞口12の真上に位置するようになっている。回転流路48の中心部には円筒形状の回転支軸受け部52が突設され、回転子軸受け部52を回転振分け部材43の回転支軸45が挿通するようになっている。また、回転流路48は、直線流路49への出口部分53に向かって傾斜しており、回転支軸受け部52を挟んで出口部分53の反対側部分が最も高くなるように形成されている。さらに、直線流路49には前端部に沿って球落下防止壁54が形成され、球落下孔50と排出口51の内面にはそれぞれ遊技球26の流下方向に沿って2本のレール部55が平行に突設されている。
前記一般流路は、回転流路48の両側の外周に沿って耳状に凹設された排出路67から構成されている。排出路67はポケット部47と同一高さに形成されていると共に、前下り勾配で傾斜して形成されており、遊技球26がポケット部47から排出路67を経由して始動入賞口12に向かって落下可能なように形成されている。
また、振分け手段案内路32の下方で直線流路49の前方にはサブステージ56が形成されており、サブステージ56は両端部から中央部57に向かって下り勾配で傾斜している。また、サブステージ56の前端部には、中央部57を除いて、球落下防止壁58が立設され、サブステージ56の中央部57は僅かに前方に傾斜している、さらに、サブステージ56の中央部57の後方には球落下孔50に向かって傾斜する球落下孔案内部59が形成されている。
回転振分け手段駆動手段44は、金属板製のベース部材60を介してステージ部24の下面側にネジ止めされるようになっており、ベース部材60には、モータ61と、モータ61の回転軸64に嵌設する駆動ギア65及び互いに歯合する複数(図示では11個)のギア62a〜62kから成る駆動伝達機構63とが設けられている。モータ61はベース部材60の正面右側端部上に取付けられ、モータ61の回転軸64はベース部材60を下方に貫通し、駆動ギア65は駆動伝達機構63の正面右側のギア62kと歯合している。駆動伝達機構63のギア62c〜62kはベース部材60の駆動伝達機構収容部66に回転自在に軸着され、駆動伝達機構収容部66には金属板が対向して設けられているため、ギア62c〜62kが駆動伝達機構収容部66から脱落しないようになっている。駆動伝達機構63の前側の2個のギア62a,62bは、それぞれ左右の回転振分け部材43の下方に配置され、回転振分け部材43の回転支軸45に嵌設されており、回転振分け部材43と一体に回転可能となっている。この場合、回転振り分け部材43の下方に配置された2個のギア62a,62bの間には、偶数個(8個)のギア62c〜62jが介装されているため、左右の回転振分け部材43は互いに反対方向に回転するようになっている。また、左右の回転振分け部材43は、略同一回転速度で回転し、図4に示すように、一方の球通過孔46が遊技球26を受け入れ可能なように内側を向いている時には他方の球通過孔46は遊技球26を受け入れないように外側を向くように設定されている。したがって、遊技者は止め打ちにより球通過孔46を狙うことをできなくなり、遊技の偶発性を高めることができる。
次に、主に図1及び図8〜10を参照しつつ、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の動作について説明する。
遊技者により弾球された遊技球26が遊技領域3を落下する過程において、球入口25に入球すると、遊技球26は球流路23内を通過し、球出口27から導入路30を転動し、球導入口29内に入球する。
球導入口29内に入球した遊技球26は左右振分け突起部39に落下し、左右振分け突起部39により左右のいずれかの方向に振分けられる。この時、球導入口基部34の前後離間距離及び球導入口案内部35の内径がいずれも遊技球26の直径より大きいため、遊技球26は左右振分け突起部39に対して左右のいずれかに偏った位置で落下し、左右振分け突起部39に落下した遊技球26は左右いずれかの方向に確実に振分けられる。また、左右振分け突起部39は球導入口29の中心に配置され、半球状に形成されているため、遊技球26は左右に均等に振分けられる。
左右振分け突起部39によって左右に振分けられた遊技球26は、傾斜路40に沿って回転振り分け部材43に向かって転動し、例えば、図10(a)の左側に示されているように球通過孔46に入球し、回転流路48に落下する。この時、モータ61及び駆動ギア65の回転が駆動ギア65に順次歯合する複数のギア62c〜62jを介してギア62a及び62bに伝達されることにより、左右の各回転振分け部材43はそれぞれ略同一速度で、互いに反対方向に回転している。
また、回転流路48に落下した遊技球26は、図10(b)の左側に示されているように、回転流路48から直線流路49に転動し、球落下孔50に入球後、球落下孔50及び排出口51内のレール部55に沿って転動し、排出口51から遊技領域3に排出される。そして、排出口51から排出された遊技球26は、排出口51が始動入賞口12の真上に位置しているため、極めて高い確率で始動入賞口12に入賞する。このように、前記特定流路を通過した遊技球26は、極めて高い確率で始動入賞口12に入賞可能となる。
なお、図10(a)では、説明の便宜上、左側の球通過孔46が遊技球26を受け入れ可能なように内側を向いている時に右側の球通過孔46が内側斜め前方を向くように描かれているが、実際には、図4に示すように、左側の球通過孔46が遊技球26を受け入れ可能なように内側を向いている時には右側の球通過孔46は外側を向くように設定されている。
一方、図10(a)の右側に示されているように、ポケット部47に入球した遊技球26は、ポケット部47に保持された状態で回転振り分け部材43と共に回転し、ポケット部47が排出路67と接すると、ポケット部47内の遊技球26は排出路67に放出される。そして、その遊技球27は、排出路67から始動入賞口12に向かって遊技領域3に排出される。このように、前記一般流路を通過した遊技球26は、前記特定領域を通過した場合よりは低い確率で始動入賞口12に入賞するようになる。
以上のように、遊技球26がステージ部24に導かれた場合、球導入口29には球出口27に対向するように球受け部36が形成されているため、導入路30を転動してきた遊技球26が球受け部36を飛び越えるおそれはなく、球導入口29内に確実に入球し、また、振分け手段案内路32には球落下防止壁41が形成されているため、遊技球26は回転振分け部材43の球通過孔46又はポケット部47のいずれかに確実に入球する。そのため、ステージ部24に流入した全ての遊技球26は、回転振分け部材43に形成された球通過孔46とポケット部47の設置比率に応じて前記特定流路と一般流路のいずれかに確実に振分けられる。さらに、直線流路49の前端部には球落下防止壁54が形成されているため、前記特定流路に進入した遊技球26は、前記特定流路から外れることなく、排出口51から確実に排出される。したがって、パチンコ遊技機の遊技島への設置角度がばらついたとしても、前記特定流路と一般流路への入球割合が変化することはなく、釘の調整がし易く、出球率の調整が容易となる。また、ステージ部24に流入した全ての遊技球26が左右振り分け突起部39により均等に左右に振分けられるようになっているため、ステージ部24の左右両側のスペースを有効に利用することができる。
また、本実施の形態においては、ステージ部24に1個の遊技球26が流入した場合は始動入賞口12への入賞率が変化することはないが、連続して遊技球26の流入があった場合は先にステージ部24に流入した遊技球26がポケット部47に貯留されているため、2個目以降の遊技球26の始動入賞口12への入賞率は変化する。これにより、遊技者は止め打ちにより球通過孔46を狙うことをできなくなり、遊技の偶発性を高めることができる。なお、このように入賞口が変化することを嫌う場合には、ポケット部47に流入した遊技球26を直ぐに一般流路に案内するような構成にしてもよい。
また、図10(a)に良く示されているように、振分け手段案内路32の中央部が後退しているため、弾球された遊技球26が、直接、サブステージ56に落下する場合もある。そして、サブステージ56に落下した遊技球26は、サブステージ56の中央部57から前方に落下したり、或いは、球落下孔案内部59を介して球落下孔50に落下後、排出口51から排出されたりする。この場合には、サブステージ56の中央部57及び排出口51がいずれも始動入賞口12の真上に位置しているため、遊技球26は高い確率で始動入賞口12に入賞可能となる。
このように、遊技球26が、球入口25に入球後に前記特定流路又は前記一般流路を通って、或いは、球入口25に入賞することなくサブステージ56を介して、或いは、直接、始動入賞口12に入賞した場合、始動入賞検出スイッチ14が遊技球26の始動入賞口12への入賞を検出し、その検出信号が図示しない制御装置に送られる。この検出信号に基づいて、前記制御装置は図柄始動信号を送信し、この図柄始動信号により、図柄表示装置4において図柄の変動表示が開始される。この時、遊技球26の始動入賞口12への入賞を始動入賞検出スイッチ14が検出する度に、図柄の変動・停止がそれぞれ1回ずつ行われるが、図柄の変動表示中に遊技球26の始動入賞口12への入賞を始動入賞検出スイッチ15が検出した場合、保留ランプ11が点灯し、遊技者にそのことを報知する。そして、図柄変動表示中に始動入賞検出スイッチ15で検出された遊技球26の数は最大4個まで記憶され、その図柄の変動・停止動作が終り次第、保留ランプの数に相当する回数分の図柄の変動・停止が順次行われる。
上記したように、図柄表示装置4において図柄の変動表示が開始され、所定時間経過後、前記制御装置は、左図柄5と右図柄7の図柄が揃うと判断した場合、前記ランプ制御基板を介してランプ演出装置10を点滅等させ、遊技がリーチ状態にあることを報知し、遊技者に期待感を抱かせる。
その後、前記制御装置は、左図柄5、中図柄6、右図柄7のすべての図柄が揃うと判断した場合、前記ランプ制御基板を介してランプ演出装置10を点滅等させ、遊技が大当り状態にあることを報知し、通常遊技から特別遊技(大当り遊技)に移行する。
このように特別遊技に突入すると、大入賞口13が開放され、その大入賞口13に遊技球26が入賞した場合には15球の賞球が遊技者に払い出される。大入賞口13は、開放してから30秒経過するか、又は10球の入賞があるかのいずれかの事象が発生した場合に一旦閉鎖するが、大入賞口13が開放している間に、特定領域(Vゾーン)への入賞があった場合には、大入賞口13は再度開放される。そして、大入賞口13は、最大16回連続して開放することが可能となっており、大入賞口13が16回開放し終えるか、或いは大入賞口13の開放中に前記特定領域(Vゾーン)への入賞を特定領域通過検出スイッチ15が検出しなかった場合には、特別遊技は終了する。
次に、図11及び図12を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態に係る飾り体について説明する。なお、上記した第1の実施の形態に係る飾り体8と同様の構成については、説明の簡略化のため、図11及び図12中、図1〜図10と同一の符号を付し、その構成及び動作に関する詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る飾り体70では、上記した第1の実施の形態における左右振分け突起部39の代わりに、遊技球26の左右振り分け機構として、ステージ部24の傾斜路40の下面に左右一対の電磁石71,72が固定されている。左側電磁石71及び右側電磁石72は球導入口29の両側にそれぞれ配置され、遊技球26が直接接触しない非接触形態で設けられている。また、後側の球導入口基部34には中央部に検出孔73が穿設され、検出孔73の後方に検出センサ74が取り付けられている。そして、左右の電磁石71,72及び検出センサ74はそれぞれ図示しない制御装置に接続されている。なお、左右の電磁石71,72は、上記した固定方法に限定されるものではなく、ステージ部24の後壁面75等、他の部分から支持部材を介して固定してもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る飾り体70の動作について説明する。
遊技領域3に弾球された遊技球26は、導入路30を経て球導入口29内に入球し、検出センサ74の前方を通過すると、検出センサ74は球検出信号を前記制御装置に送信し、該制御装置は、左右いずれか一方の電磁石、例えば、左側電磁石71に電流を流すように制御する。通電された左側電磁石71は磁化され、振分け手段案内部20の中央部に落下した遊技球26は、図11において二点鎖線で示されているように、左側電磁石71によって左側に引き寄せられ、傾斜路40に沿って左側の回転振り分け部材43に向かって転動する。
そして、次の遊技球26が検出センサ74の前方を通過すると、今度は、前記制御装置は、他方の右側電磁石72に電流を流すように制御し、通電された右側電磁石71は磁化され、振分け手段案内部20の中央に落下した遊技球26は、図11において一点鎖線で示されているように、右側電磁石72によって右側に引き寄せられ、傾斜路40に沿って右側の回転振り分け部材43に向かって転動する。
このように、検出センサ74が遊技球26を検出する度に、左右の電磁石71,72が交互に磁化されるようになっているため、球導入口29内に入球した遊技球26は確実に1球ずつ交互に左右の傾斜路40に振り分けられるようになる。
また、その後、左右いずれかの回転振り分け部材43に振り分けられた各遊技球26は、上記した第1の実施の形態の場合と同様に、特定流路又は一般流路を通って、遊技領域3に排出され、前記特定流路を通って遊技領域3に排出された遊技球26は、極めて高い確率で始動入賞口12に入賞し、前記一般流路を通って遊技領域3に排出された遊技球26は、前記特定領域を通過した場合よりは低い確率で始動入賞口12に入賞するようになる。
なお、上記した第2の実施の形態では、遊技球26を1球毎に左右に振り分けるように左右振り分け機構を制御しているが、2球以上毎、或いは、左右に振り分ける球数が毎回異なるようにランダムに左右に振り分けるように制御することもできる。
このように、上記した第2の実施の形態によれば、非接触形態で遊技球26を左右に振り分けることができるため、遊技球26が左右いずれの方向に振り分けられるのかの判断が付き難く、遊技者に止め打ち等によりタイミングを計られるおそれがなくなる。また、前記左右振り分け機構が非接触形態で構成されているため、駆動源である電磁石71,72への負荷を最小限に抑えることができ、ランニングコストの低減化が可能となる。
次に、図13を参照しつつ、本発明の第3の実施の形態に係る飾り体について説明する。なお、上記した第1の実施の形態に係る飾り体8と同様の構成については、説明の簡略化のため、図13中、図1〜図10と同一の符号を付し、その構成及び動作に関する詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る飾り体80では、上記した第1の実施の形態における左右振分け突起部39の代わりに、遊技球26の左右振り分け機構として、揺動可能に設けられた左右振分け部材83と、左右振分け部材83の駆動源である左右一対のソレノイド81,82とが、遊技球26と直に接触する接触形態で設けられている。各ソレノイド81,82はステージ部24の傾斜路40の下面に固定されており、左側ソレノイド81及び右側ソレノイド82は球導入口29の両側にそれぞれ配置されている。そして、左右のソレノイド81,82にはそれぞれ伸縮自在のプランジャー84,85が対向した向きで水平に設けられ、それぞれのプランジャー84,85は左右振分け部材83を挟持した状態で連結されている。
左右振分け部材83は縦長の直方体形状を成し、その上端部87は振分け手段案内部20の中央部を貫通すると共に前後の球導入口基部34に渡設された軸部88に枢支されており、上端部87の上面には遊技球26が落下可能な球受け部91が平面状に形成されている。なお、球受け部91は、左右に確実に振り分け可能な形状であれば、左右方向に沿ってU字溝状に形成される等、他の形状を成していてもよい。また、左右振分け部材83の下端部86は各プランジャー84,85に枢支されており、左右振分け部材83は軸部88を支点に揺動可能に設けられている。
後側の球導入口基部34には中央部に検出孔89が穿設され、検出孔89の後方に検出センサ90が取り付けられている。そして、左右のソレノイド81,82及び検出センサ90はそれぞれ図示しない制御装置に接続されている。なお、ソレノイドは、必ずしも左右一対で2個設けられている必要はなく、いずれか一方のソレノイドだけが設けられていてもよい。また、左右のソレノイド81,82はステージ部24の後壁面92等、他の部分から支持部材を介して固定されてもよい。さらに、左右振分け部材83の駆動源としては、上記したソレノイドの他、リニアモータ等を使用してもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る飾り体80の動作について説明する。
遊技領域3に弾球された遊技球26は、導入路30を経て球導入口29内に入球し、検出センサ90の前方を通過すると、検出センサ90から球検出信号が前記制御装置に送られる。そして、左右のソレノイド81,82は、図13(a)に示すように、通電されずに球受け部91が水平姿勢に保たれた平衡状態から、例えば、図13(b)に示されているように、左側ソレノイド81のプランジャー84が伸長し、右側ソレノイド82のプランジャー85が縮退するように通電制御される。そうすると、左右振分け部材83の下端部86は軸部88を支点に右方に回動し、左右振分け部材83の上面が左傾するため、左右振分け部材83に落下した遊技球26は左側の傾斜路40に落下し、その傾斜路40に沿って左側の回転振り分け部材43に向かって転動する。
そして、次の遊技球26が検出センサ90の前方を通過すると、例えば、図13(c)に示されているように、右側ソレノイド82のプランジャー85が伸長し、左側ソレノイド81のプランジャー84が縮退するように左右のソレノイド81,82が通電制御される。そうすると、左右振分け部材83の下端部86は軸部88を支点に左方に回動し、左右振分け部材83の上面が右傾するため、左右振分け部材83に落下した遊技球26は右側の傾斜路40に落下し、その傾斜路40に沿って右側の回転振り分け部材43に向かって転動する。
このように、検出センサ90が遊技球26を検出する度に、左右振分け部材83が軸部88を支点に揺動し、左右振分け部材83の上面が左右に交互に傾動するようになっているため、球導入口29内に入球した遊技球26は確実に1球ずつ左右の傾斜路40に振り分けられるようになる。
また、その後、左右いずれかの回転振り分け部材43に振り分けられた各遊技球26は、上記した第1の実施の形態の場合と同様に、特定流路又は一般流路を通って、遊技領域3に排出され、前記特定流路を通って遊技領域3に排出された遊技球26は、極めて高い確率で始動入賞口12に入賞し、前記一般流路を通って遊技領域3に排出された遊技球26は、前記特定領域を通過した場合よりは低い確率で始動入賞口12に入賞するようになる。
なお、上記した第3の実施の形態では、遊技球26を1球毎に左右に振り分けるように左右振り分け機構を制御しているが、2球以上毎、或いは、左右に振り分ける球数が毎回異なるようにランダムに左右に振り分けるように制御することもできる。また、左右のソレノイド81,82が通電されない平衡状態の時に、図13(b)に示すように左右振分け部材83が左傾した状態となり、通電された時に図13(a)や(c)に示すような状態となるようにしたり、或いは、左右のソレノイド81,82が通電されない平衡状態の時に、図13(c)に示すように左右振分け部材83が右傾した状態となり、通電された時に図13(a)や(b)に示すような状態となるようにしてもよい。
また、上記した第1〜第3の各実施の形態では、回転振分け部材43に1個の球通過孔46と4個のポケット部47が形成されているが、これは単なる例示に過ぎず、球通過孔46とポケット部47の設置数及びその設置比率は各種変更が可能である。また、回転振分け部材43の設置数は、1個でも3個以上であってもよい。
さらに、駆動伝達機構63を構成するギアの数は上記した個数に限定されるものではなく、回転振り分け部材43の下方に配置された2個のギア62a,62bの間に、奇数個のギアが介装されてもよく、その場合には、左右の回転振分け部材43は互いに同一方向に回転するようになる。
さらに、駆動伝達機構63は、例えば、図4の駆動ギア65、ギア62a,62b,62d,62iの位置にそれぞれベルト車を配置し、各ベルト車をベルトで連結し、構成させてもよく、この場合には、左右の回転振分け部材43はそれぞれ同一方向に回転するようになる。さらにまた、駆動伝達機構63は、ローラチェーン等の他の伝達機構、或いは、歯車とベルト、又は歯車とローラチェーンを組合せて構成させる等、各種変更が可能であり、さらに、左右の回転振分け部材43の回転方向も自由自在に変更可能である。
また、左右の回転振分け部材43は、必ずしも図4に示すような配置に限定されるものではなく、一方の球通過孔46が遊技球26を受け入れ可能な状態にある時に他方の球通過孔46が遊技球26を受け入れ不能な状態となるように設定されていればよい。
さらに、上記実施の形態では、図柄表示装置4の周りに設けられた飾り体8,70,80について説明したが、飾り体は、遊技盤1の他の部分に設けられていてもよい。
さらにまた、本発明は、アレンジボール遊技機等、上記したパチンコ遊技機以外の弾球遊技機にも適用可能であることは言う迄もない。