以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の一実施形態としてのパチンコ機10を示す。パチンコ機10において機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠14が開閉および着脱自在に組み付けられている。中枠14の前面側には、中枠14に対して着脱自在に組み付けられた遊技盤16を透視保護するためのガラス板が保持されたガラス枠18と、上皿20を備えた皿板22が、それぞれ、開閉可能な状態で組み付けられている。また、上皿20の下方には、下皿24が設けられており、かかる下皿24の右方には、発射ハンドル26が設けられている。
そして、遊技者が発射ハンドル26に対して回動操作可能に装着された発射レバー28を回動操作することにより、上皿20に貯留された遊技球が球送り機構(図示せず)を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技盤16に形成された遊技領域30に向けて発射されるようになっている。
遊技盤16は、表面に合成樹脂製のシートが被着された遊技板32を備えており、かかる遊技板32の表面側に固定されたガイドレール34で囲まれた略円形の遊技領域30の略中央には、特別図柄の変動表示や各種の演出表示を行なう図柄表示装置としての液晶表示器36が取り付けられている。
また、液晶表示器36の左右両側には、入賞口40a、40bが設けられている。これらの入賞口40a,40bは、何れも略同様の構造とされており、上方に開口するポケット形状とされている。そして、これらの入賞口40a,40bは遊技板32の裏面を通る球連絡路(図示せず)の一方の端部に接続されていると共に、球連絡路の他方の端部が、後述する入賞案内路108に接続されている。これにより、入賞口40a乃至は入賞口40bに入った遊技球は、遊技板32の裏側を通って入賞案内路108に案内されるようになっている。
また、液晶表示器36の下側には、変動入賞装置としての始動入賞装置42が設けられており、かかる始動入賞装置42の下方には、大入賞口43が設けられている。
大入賞口43には、扉45が開閉可能に配設されている。扉45は、通常の遊技状態では閉状態に維持されて遊技者に不利な状態とされる一方、大当たりが発生した場合には開閉動作せしめられて遊技者に有利な大当たり状態とされるようになっている。
一方、始動入賞装置42は、図2乃至図4に示すように、遊技板32の前面に配設される入賞口部材44と、遊技板32の裏面に配設される機構部材46とによって構成されており、入賞口部材44と機構部材46が遊技板32を挟んで前後から取り付けられるようになっている。なお、図2においては、遊技板32の前面に配設されて遊技者から視認可能とされた部位(入賞口部材44)のみを示すと共に、図3および図4においては、入賞口部材44と機構部材46との間に介在せしめられる遊技板32を省略して図示する。
入賞口部材44は、取付板48の前方に前飾り50が取り付けられた構造とされており、全体として上方に開口するポケット形状とされている。そして、前飾り50の下方における左右方向の略中央部分には、上方に開口して後方に延び出す導入部材52が取り付けられている。導入部材52は、全体に亘って一定の略U字状断面をもって延びる略半円筒形状の部材とされており、その上方の開口幅寸法は、遊技球の径寸法よりも僅かに大きく、遊技球を案内可能な寸法をもって形成されている。また、導入部材52は、後方に行くに連れて下方に傾斜する状態で、取付板48のさらに後方に大きく突出する長さ寸法をもって形成されている。そして、導入部材52が取付板48の前方に突出せしめられることによって、入球口としての上方に開口するポケット状の始動口54が形成されている。
また、始動口54の上方の左右両側には、開閉部材としての一対の羽根56,56が起立および傾動自在に配設されている。羽根56は、その下部におけるやや外側寄りに設けられた回動軸58によって取付板48と前飾り50の間で傾動可能に支持されていると共に、回動軸58からやや離れた内側寄りの部位には、後方に突出するロッド状の係合突起60が一体的に形成されている。
そして、後述する揺動部材98によって係合突起60に上向きの駆動力が及ぼされることによって、羽根56に回動軸58回りの駆動力が及ぼされて、羽根56が外側へ回動せしめられるようになっている。ここにおいて、本実施形態においては、羽根56,56が起立せしめられることによって、遊技球が入り難い入賞困難状態が発現せしめられる一方、羽根56,56が傾動せしめられて開かれることによって、遊技球が入り易い入賞容易状態が発現せしめられるようになっている。なお、本実施形態においては、羽根56,56が起立せしめられた入賞困難状態においても、始動口54が完全に塞がれることは無く、羽根56,56の間には始動口54よりも僅かに大きな間隙が形成されて入球が可能とされている。
このような構造とされた入賞口部材44と遊技板32を挟んだ反対側には、機構部材46が取り付けられる。機構部材46は、上下方向に延びるカバー部材62の下側部分に、回転部材64が一軸回りで回転可能に支持された構造とされている。
回転部材64は、計数用回転体としての大径円板部66と、大径円板部66よりも径寸法の小さな開閉用回転体としての小径円板部68が同一中心軸上で一体的に形成されて、大径円板部66と小径円板部68が一体的に回転せしめられるようになっている。これら大径円板部66と小径円板部68は、何れも遊技球の径寸法よりもやや大きな軸方向寸法をもって形成されている。そして、小径円板部68には、開放用係合部としての径方向外方に延び出す一枚の小径側接触片70が形成されている。一方、大径円板部66には、計数用係合部としての径方向外方に延び出す大径側接触片72が周方向に適当な間隔を空けて複数(本実施形態においては4つ)形成されている。
ここにおいて、小径側接触片70および大径側接触片72は、回転部材64の軸方向での投影において、同一部位には何れか一方のみが形成されており、特に本実施形態においては、小径側接触片70および大径側接触片72が、周方向で等間隔となるように形成されている。
また、小径円板部68における軸方向の外側端縁部には、全周に亘って、小径側接触片70および大径側接触片72と等しい数の爪受74が形成されている。一方、かかる爪受74の上方には、爪部材76がカバー部材62によって揺動可能に支持されている。爪部材76は、揺動軸78と先端部との間に錘80を有しており、錘80によって先端が下がるようにされている。ここにおいて、爪受74は、小径側接触片70および大径側接触片72が後述する球受板110の切欠112,114に入る位置で爪部材76と係合する位置に形成されている。そして、かかる爪部材76が爪受74に係合せしめられることによって、回転部材64は一方向(図3中、反時計回り)のみの回動が許容されて反転が阻止されており、これら爪受74および爪部材76を含んで節度機構が構成されている。
さらに、大径円板部66の両側面における外周端縁部の周上の1箇所には、軸方向に突出する押圧突部82,82が形成されており、かかる押圧突部82、82がカバー部材62の内部において上下方向に延びて配設された当接部材84に当接可能とされている。
図5に、回転部材64および当接部材84を示す。当接部材84は、中央に貫通孔86をもって上下方向に延びる略枠体形状とされており、その上端部には、左右方向に突出する板状突部88,88が形成されている。なお、貫通孔86の幅寸法は、大径円板部66の軸方向厚さ寸法よりも僅かに大きくされており、大径円板部66が貫通孔86に入り込むようにされている。
このような形状とされた当接部材84は、カバー部材62に形成された上支持板90および下支持板92に取り付けられた支持ロッド94、94に対して、前後移動可能に組み付けられている。ここにおいて、支持ロッド94、94の先端部分には支持ロッド94,94の径寸法よりもやや大きな径寸法を有する係止部材95,95が取り付けられている。そして、係止部材95,95と当接部材84の間には、付勢手段としてのコイルスプリング96,96が支持ロッド94,94に外挿されて圧縮状態で配設されており、当接部材84に対して、回転部材64へ向かう方向(図3中、左方向)への付勢力が常時及ぼされている。
また、当接部材84における板状突部88、88の下方には、揺動部材98,98が一軸回りに回動可能な状態で配設されている。揺動部材98には、上方に開口する上方切欠100と、前方に開口する前方切欠102が形成されており、カバー部材62に設けられた回動軸104によって回動可能に支持されている。そして、上方切欠100に板状突部88が差し込まれると共に、前方切欠102に羽根56の係合突起60が差し込まれている。
また、カバー部材62の後端部には、図4に示す上面視において大径円板部66と小径円板部68との間に位置して上下方向に延びる仕切板105が形成されている。これにより、仕切板105を挟んで、大径円板部66側には上下方向に延びて変動入賞案内路を構成する入球案内路106が形成される一方、小径円板部68側には上下方向に延びて入賞口案内路を構成する入賞案内路108が形成されている。
ここにおいて、入球案内路106内には、導入部材52の後方端縁部が開口せしめられている。これにより、始動口54に入った遊技球は、導入部材52を通って入球案内路106に案内されるようになっている。そして、入球案内路106を案内された遊技球は、仕切板105によって小径円板部68側への転動が防止されており、大径円板部66に形成された大径側接触片72にのみ接触可能とされている。
一方、入賞案内路108の上端開口部は、入賞口40a,40bに接続されてパチンコ機10の裏面に配設された図示しない球連絡路に接続されている。これにより、入賞口40a,40bに入った遊技球が入賞案内路108に案内されるようになっている。そして、入賞案内路108を案内された遊技球は、仕切板105によって大径円板部66側への転動が防止されており、小径円板部68に形成された小径側接触片70にのみ接触可能とされている。
また、仕切板105の下方には、球受板110が後方に行くに連れて下方に傾斜せしめられた状態で配設されている。球受板110は、図6に示すように、カバー部材62の左右方向の略全体に亘る幅寸法を有する略板形状とされており、大径側切欠112および小径側切欠114が形成されることによって、回転部材64の回転を阻害しない程度で回転部材64に接近せしめられている。これにより、入球案内路106および入賞案内路108を落下せしめられた遊技球が、球受板110によって係止されるようになっている。そして、入球案内路106を落下せしめられた遊技球は、カバー部材62の側面に開口せしめられた排出孔116から始動入賞装置42の外に排出されるようになっており、入賞案内路108を落下せしめられた遊技球は、仕切板105の下端縁部と球受板110の間に形成された間隙を通って、排出孔116から排出されるようになっている。
そして、カバー部材62の前方端縁部に形成されて左右方向外方に広がる取付板部118,118が遊技板32の裏面にビス止めなどされることによって、機構部材46が遊技板32の裏面に取り付けられるようになっている。
このような構造とされた始動入賞装置42は、図3にも示すように、羽根56,56が起立せしめられた状態においては、小径円板部68に設けられた小径側接触片70が入賞案内路108内に位置せしめられている。そして、入賞口40a,40bに遊技球が入ると、かかる遊技球が入賞案内路108内を落下せしめられて、小径側接触片70に接触せしめられる。その後、遊技球は小径側接触片70を押しながら、球受板110によって係止されるまで落下せしめられる。これにより、回転部材64が、小径側接触片70が小径側切欠114内に位置せしめられるまで(本実施形態においては、図3中、反時計回りで72度)回転せしめられる。
そして、回転部材64が回転せしめられることにより、押圧突部82による当接部材84への押圧力が解除されて、当接部材84がコイルスプリング96,96の付勢力によって支持板90、92側へ変位せしめられる。これにより、図7に示すように、板状突部88が揺動部材98を上方切欠100内で支持板90側へ押すこととなる。その結果、前方切欠102が上方へ変位せしめられて、羽根56の係合突起60に上方向への駆動力を及ぼすことによって、羽根56が、回動軸58を中心に回動せしめられて開放されるようになっている。このように、本実施形態においては、押圧突部82、当接部材84、コイルスプリング96、揺動部材98、羽根56の係合突起60、上支持板90、下支持板92、支持ロッド94、回動軸104を含んで、開作動機構が構成されている。
そして、羽根56,56が開放状態とされて、小径側接触片70が小径側切欠114内に位置せしめられると、大径側接触片72が、入球案内路106内に(図3中、小径側接触片70が位置せしめられていた位置に)位置せしめられる。このような状態で、遊技球が羽根56,56の間から始動口54に入ると、かかる遊技球は導入部材52によって入球案内路106に案内されて、入球案内路106内を落下せしめられる。その後、遊技球は大径側接触片72に接触せしめられて、大径側接触片72を押しながら、球受板110によって係止されるまで落下せしめられる。これにより、回転部材64が、大径側接触片72が大径側切欠112内に位置せしめられるまで回転せしめられる。
なお、この状態では、押圧突部82は当接部材84とは非接触とされて、当接部材84に対する押圧力が及ぼされていないことから、当接部材84はコイルスプリング96,96によって支持板90、92側への変位位置が維持されており、羽根56,56は開放状態が維持されている。
そして、遊技球が始動口54に入る度に、遊技球が大径側接触片72に接触せしめられることによって、回転部材64が所定角度ずつ回転(本実施形態においては、図3中、反時計回りで72度)せしめられるようになっており、羽根56,56が開放された後に、大径側接触片72と等しい数(本実施形態においては、4つ)の遊技球が始動口54に入ることによって、回転部材64が元の位置(図3の位置)に戻されるようになっている。
ここにおいて、特に本実施形態においては、小径円板部68に形成された爪受74,74に爪部材76が係合せしめられている。これにより、回転部材64の逆方向(図3中、時計回り方向)への回転が阻止されると共に、一回の遊技球の接触による回転量が小径側接触片70および大径側接触片72の周方向の離隔距離と等しくされて、回転部材64の過渡の回転が制限されている。
そして、回転部材64が元の位置(図3に示す、小径側接触片70が入賞案内路108内に位置せしめられる回転位置)に戻される際に、押圧突部82、82が、当接部材84に当接せしめられて、当接部材84に対してコイルスプリング96,96の付勢力に抗して係止部材95側への押圧力を及ぼすこととなる。これにより、当接部材84が係止部材95側に変位せしめられて、揺動部材98の前方切欠102が下方へ変位せしめられる。その結果、羽根56の係合突起60が下方へ変位せしめられて、羽根56が回動軸58回りで回動せしめられて起立せしめられることとなる。このように、本実施形態においては、押圧突部82、当接部材84、揺動部材98、羽根56の係合突起60、上支持板90、下支持板92、支持ロッド94、回動軸104を含んで、閉作動機構が構成されている。
ここにおいて、特に本実施形態においては、羽根56が起立せしめられた状態において、小径側接触片70が入賞案内路108内に位置せしめられると共に、大径側接触片72は、入球案内路106内に位置せしめられることのないようにされている。これにより、羽根56,56が閉じられた状態においては、遊技球が入賞案内路108を落下して小径側接触片70に接触せしめられる場合にのみ回転部材64が回転せしめられるようになっており、始動口54に遊技球が入った場合でも、かかる遊技球は大径側接触片72に接触することなく、即ち、回転部材64を回転せしめることなく始動入賞装置42の外部に排出されるようになっている。
一方、羽根56、56が開放せしめられた状態においては、小径側接触片70は入賞案内路108内に位置せしめられることはなく、大径側接触片72が入球案内路106内に位置せしめられるようになっている。これにより、羽根56,56が開放せしめられた状態においては、遊技球が始動口54に入った場合にのみ回転部材64が回転せしめられるようにされており、羽根56,56の開放中に入賞口40a,40bへ入球した場合でも、回転部材64は回転せしめられないようになっている。
このように、本実施形態における始動入賞装置42は、羽根56,56が閉じられている場合には、始動口54に入球したとしても羽根56,56が開放されることはなく、入賞口40a,40bに入球した場合にのみ羽根56,56が開放される一方、羽根56,56が開放された状態においては、入賞口40a,40bへの入球に関わらず、所定数の遊技球が始動口54に入った場合にのみ、羽根56,56が閉じられるようになっている。そして、本実施形態においては、このような作動を、電気的な制御等を行なうこと無しに、機械的に実現することが可能とされているのである。
さらに、特に本実施形態においては、羽根56,56が閉じられた状態下においては、押圧突部82が当接部材84に係合することによって、当接部材84が後退する(図3中、左方向へ変位する)ことを防ぐことが出来る。これにより、例えば、羽根56,56から押圧突部82に至る揺動部材98、回動軸104、当接部材84等の各部材に剛性の高い材料を用いることによって、羽根56,56が閉じられた状態で、直接に羽根56,56を開こうとした場合でも、押圧突部82で当接部材84の後退を強固に阻止して、羽根56,56を開放させなくすることも出来るのである。
また、本発明は、前述の如き一対の羽根56,56が開閉せしめられる構造に限らず、図1に示した大入賞口43のような扉45を備えた入賞装置に本発明を適用することも可能である。そのような大入賞口に本発明を適用する例として、図8に、第二の実施形態として、変動入賞装置としての大入賞装置130を示す。なお、以下に記載の実施形態において、前述の始動入賞装置42と実質的に同じ部材および部位については、前述の実施形態と同一の符号を付することによって、詳細な説明を省略する。
大入賞装置130は、開閉部材としての扉132を備えた入賞口部材134が遊技板32の前面から取り付けられると共に、遊技板32の裏面から前述の機構部材46と略同様の構造を有する機構部材136が取り付けられて構成されている。
入賞口部材134は、略箱体形状のケース138の前面に開口せしめられて形成された大入賞口139に、扉132が開閉可能に取り付けられた構造とされている。扉132は、左右方向に延びる略矩形板形状とされており、その下側部分に設けられた回動軸140を中心に回動可能にケース138に取り付けられている。ここにおいて、扉132の左右方向両端縁部には、前方に突出する係止突部142が形成されている。これにより、扉132の重心位置はやや前方に位置せしめられており、後述するロッド状部148による係止力が及ぼされていない状態では、扉132は自重によって前方に傾動せしめられるようにされている。そして、係止突部142がケース138に当接した状態で、傾動が制限されて開口状態が発現されるようになっており、かかる開口状態が、遊技球がケース138に容易に入ることの出来る入賞容易状態とされる。また、扉132には、起立状態で回動軸140から下方に突出する案内突部144が一体的に形成されている。案内突部144には、扉132の起立状態において、裏面に凹となる湾曲面145が形成されている。
なお、本態様における大入賞口139は、所定寸法をもって左右方向に延びる長手形状とされており、その下端部には、中央部に向けて下る傾斜部材146が設けられている。そして、前述の始動入賞装置42と同様に、大入賞口139の中央部分には、導入部材52が配設されている。これにより、大入賞口139に入った遊技球は、傾斜部材146によって導入部材52に案内されて大入賞装置130の内部に案内されるようになっている。
一方、機構部材136は、前述の機構部材46と略同様の構造とされている。そして、本態様においては、揺動部材98の形状が僅かに異ならされており、揺動部材98には、前方に突出するロッド状部148が形成されている。そして、ロッド状部148がケース138の内部に差し入れられて、その先端部分が扉132における案内突部144の湾曲面145に係合せしめられている。
なお、図面からは明かではないが、本態様においては、入賞口部材134が遊技板32の後方に突出せしめられていることから、かかる入賞口部材134の突出量を考慮して、機構部材136におけるカバー部材62の前方への突出量が、前記実施形態よりもやや大きくされている。
このような構造とされた大入賞装置130は、前述の始動入賞装置42と同様に、遊技球の入賞に基づいて揺動部材98が揺動せしめられる。即ち、入賞口40a,40bへの入球に基づいて、揺動部材98のロッド状部148が上方へ回動せしめられて、扉132が自重によって前方へ回動せしめられることによって、大入賞口139が開口状態とされる。これにより、遊技球が入り易い入賞容易状態が発現せしめられる。
そして、大入賞口139への入球が所定数に達するまで、ロッド状部148の変位位置は維持されており、扉132の開状態が維持される。続いて、大入賞口139への入球が所定数に達した場合には、揺動部材98が下方に回動せしめられて、ロッド状部148が扉132の案内突部144と係合しつつ下方へ変位せしめられる。ここにおいて、ロッド状部148と湾曲面145の案内作用によって、扉132が起立せしめられて、大入賞口139を閉じる。これにより、遊技球が入球困難な入賞困難状態が発現されることとなるのである。このように、本実施形態においては、揺動部材98のロッド状部148、案内突部144、湾曲面145を含んで、開作動機構および閉作動機構が構成されている。
以上のように、本実施形態によっても、扉132が開放された後には、入賞口40a,40bへの入球に関わらず、所定数の遊技球が扉132に入らない限り、扉132の開状態を維持することが出来る。そして、かかる作動を電気的な制御なしに、機械的な制御で実現することが可能とされることによって、制御態様の多様化、遊技球の転動態様の設計自由度の向上等を図ることが出来るのである。
さらに、本実施形態においても、前述の実施形態と同様に、揺動部材98のロッド状部148、当接部材84、扉132等に剛性の高い材料を用いることによって、当接部材84の後退を押圧突部82で係止して強固に阻止することが出来る。これにより、例えば、直接に扉132を開こうとした場合にも、扉132の閉状態を強固に維持して、扉132を開き難くすることも出来るのである。
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、入球案内路106や入賞案内路108の具体的な形状や配設位置等は、当業者の判断において適宜に変更可能である。更に、回転部材64に設ける小径側接触片70および大径側接触片72の枚数や配設間隔などについても、適宜に設定することが可能であって、必ずしも等間隔ではなく、不均一な間隔で配設する等しても良い。
さらに、前述の実施形態においては、支持ロッド94を上下に設けて、当接部材84の前後方向の移動を安定して行なうようにされていたが、例えば、上側の支持ロッド94のみによって当接部材84を支持せしめる等しても良い。
また、前述の実施形態においては、大径円板部66と小径円板部68が一体的に形成されることによって、計数用回転体および開閉用回転体を連動して回転せしめる連動機構が構成されていたが、計数用回転体および開閉用回転体は互いに連動して回転せしめられれば良いのであって、必ずしも一体的に構成されている必要は無い。従って、例えば、これら計数用回転体および開閉用回転体を別体として構成して、適当な歯車機構を介して連動回転せしめることによって、かかる歯車機構を連動機構とする等しても良い。加えて、計数用係合部および開放用係合部は、必ずしも遊技球が直接に接触せしめられる必要はなく、他の部材を介して間接的に接触せしめられても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
なお、上記実施形態から把握できる本発明の技術的思想について以下に記載する。
(1)往復移動可能に設けられた往復部材の一方の移動端位置において前記開閉部材を開状態にすると共に、他方の移動端位置において該開閉部材を閉状態とする連動開閉機構と、該往復部材に一方向の付勢力を及ぼすことによって該往復部材を該一方の移動端位置に位置せしめる付勢手段と、前記開閉用回転体に設けた押圧部を前記往復部材に当接せしめることによって該開閉用回転体の回転に基づいて該往復部材を該付勢手段の付勢力に抗して該他方の移動端位置に位置せしめる抗付勢手段とを、設けることによって、前記開作動機構および前記閉作動機構を構成した請求項1または2に記載のパチンコ機。
このようにすれば、開閉用回転体と往復部材を直接に当接せしめることによって、開閉用回転体の回転に基づく開閉部材の開閉作動を安定して行なうことが出来る。例えば、上記実施形態においては、当接部材84によって往復部材が構成されており、揺動部材98および揺動部材98に係合せしめられる羽根56の係合突起60を含んで連動開閉機構が構成されている。そして、コイルスプリング96によって付勢手段が構成されていると共に、回転部材64に設けられた押圧突部82が押圧部とされることによって、抗付勢手段が構成されている。
10:パチンコ機、32:遊技板、40a:入賞口、40b:入賞口、42:始動入賞装置、43:大入賞口、44:入賞口部材、46:機構部材、54:始動口、56:羽根、64:回転部材、66:大径円板部、68:小径円板部、70:小径側接触片、72:大径側接触片、74:爪受、76:爪部材、82:押圧突部、84:当接部材、96:コイルスプリング、106:入球案内路、108:入賞案内路、110:球受板、116:排出孔