JP4321647B2 - 内燃機関異常時出力制限装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関駆動力出力システムの異常時に内燃機関出力を制限する内燃機関異常時出力制限装置に関する。
内燃機関駆動力出力システムの異常時に内燃機関出力を制限する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。具体的には異常時に燃料噴射量制限により内燃機関出力を低下して内燃機関を保護して退避走行を可能としている。
特開平10−159620号公報(第4−5頁、図2)
しかし内燃機関駆動力出力システムの異常時に、特許文献1のごとく退避走行が可能な内燃機関運転状態に移行させた場合には、急速に内燃機関の出力が低下することになる。したがって例えば車両に搭載した内燃機関の場合、追い越し加速中に異常が検出された場合には、ドライバーの加速操作とは逆に出力が大きく低下することで、ドライバーに大きな違和感を生じさせるおそれがある。
このため異常時においても出力が大きく低下しない程度の出力制限を与えることが考えられる。しかしこの場合には、退避走行中でのドライバーの運転操作によっては、異常状態の内燃機関にとって適切でない出力状態が長時間継続するおそれが生じる。このような適切でない出力状態が長時間継続すると異常が更に進行することがあり、このことにより、結局、内燃機関運転継続が不能となって退避走行が完遂できなくなるおそれがある。
本発明は、内燃機関駆動力出力システムの異常発生時におけるドライバーに対する違和感を防止すると共に、退避走行も完遂させることが可能な内燃機関異常時出力制限装置を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関異常時出力制限装置は、内燃機関駆動力出力システムの異常時に内燃機関出力を制限する装置であって、内燃機関駆動力出力システムの異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段にて内燃機関駆動力出力システムの異常が検出されると、内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限する初期制限手段と、前記初期制限手段によって内燃機関の出力許容範囲を前記第1制限領域に制限した後に、前記第1制限領域よりも上限が低く設定された第2制限領域へ、内燃機関の出力許容範囲を内燃機関の運転履歴に応じて移行させる二次制限手段とを備え、前記二次制限手段は、前記内燃機関の運転履歴として、前記初期制限手段によって内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限した後における前記第2制限領域を越えた分の内燃機関の総仕事量を用い、該総仕事量の増加に応じて、内燃機関の出力許容範囲を前記第1制限領域から前記第2制限領域へ移行させることを特徴とする。
初期制限手段は、内燃機関駆動力出力システムの異常が検出されると、内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限する。このように異常時には第1制限領域に内燃機関の出力状態を移行させることで、とりあえず異常直後に短期間に内燃機関が停止してしまうことを防止できる。更にその後、二次制限手段は、内燃機関の出力許容範囲を、第1制限領域から、第1制限領域よりも上限が低く設定された第2制限領域へ、内燃機関の運転履歴に応じて移行させる。
このように初期制限手段により、第1制限領域に内燃機関の出力許容範囲を制限することで、内燃機関の短時間での異常停止を避けた後に、二次制限手段が、第2制限領域へ内燃機関の出力許容範囲を移行させている。
第2制限領域は第1制限領域よりも上限が低く設定された領域であり、第1制限領域よりも退避走行に適した領域である。しかも第1制限領域から第2制限領域へは内燃機関の運転履歴に応じて移行させている。このため内燃機関出力の高い領域を極力利用しつつ、第2制限領域に円滑に移行することができる。
このように異常時に、内燃機関の出力許容範囲を、いきなり第2制限領域に移行させるのではなく、内燃機関の異常停止防止のために、まず、第2制限領域よりも上限が高い第1制限領域に移行させている。このため異常直後も或程度の内燃機関出力を確保でき、異常発生時におけるドライバーに対する違和感を防止することができる。
そして、内燃機関の出力許容範囲を内燃機関の運転履歴に応じて第2制限領域に移行させている。このため退避走行中でのドライバーの運転操作などによって出力制御が適切でない状態が生じても、適切でない状態が長時間継続することが防止され、車両による退避走行を完遂させることができる。
また、第1制限領域に制限した後において第2制限領域に至っていない期間は、内燃機関の高い出力状態が継続するほど、内燃機関に異常停止などの可能性が高まる。したがってここでは内燃機関の総仕事量の増加に応じて内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域から第2制限領域へ移行させるようにする。このことにより退避走行中でのドライバーの運転操作などによって出力制御が適切でない状態が正確に把握できる。
したがって第2制限領域より上の出力範囲を退避走行に積極的に生かして違和感のない退避走行を可能とすると共に、確実に内燃機関を保護して退避走行を完遂させることができる。
特に第2制限領域より高い内燃機関の出力状態が継続するほど、内燃機関の異常停止などの可能性が高まる。したがって第2制限領域を越えた分の総仕事量により、第1制限領域から第2制限領域への移行を制御することにより、より確実にエンジンを保護して退避走行を完遂させることができる。
請求項2に記載の内燃機関異常時出力制限装置では、請求項1において、前記第1制限領域は、内燃機関駆動力出力システムの異常時に内燃機関の運転が直ちに不能となることを回避できる領域であり、前記第2制限領域は、内燃機関駆動力出力システムの異常時でも長時間の退避走行が可能な領域であることを特徴とする。
このように第1制限領域と第2制限領域とを設定することにより、請求項1の作用・効果が、より確実なものとなる。
請求項3に記載の内燃機関異常時出力制限装置では、請求項1又は2において、内燃機関駆動力出力システムの異常時に内燃機関出力をアクセル開度にて制限すると共に、前記第2制限領域は、予め設定した等出力線以下の出力領域を含む領域として設けられていることを特徴とする。
このようにアクセル開度を制限する場合には、等出力線以下の出力領域を含む領域として第2制限領域を設けても良く、このことによって車両に適用した場合に登坂などにおいても内燃機関の出力が不足するようなことがなく、退避走行を完遂させることが容易になる。
請求項に記載の内燃機関異常時出力制限装置では、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、前記初期制限手段によって内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限した後における内燃機関の総仕事量が、予め設定された基準総仕事量に到達した時点で、内燃機関の出力許容範囲が前記第1制限領域から前記第2制限領域への移行が完了することを特徴とする。
このように第1制限領域から第2制限領域への移行を決定する基準総仕事量を設定しても良い。この基準総仕事量により移行時の内燃機関運転状態を限定することができ、より確実に内燃機関の保護が可能となる。
請求項に記載の内燃機関異常時出力制限装置では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記総仕事量に相当する物理量として前記初期制限手段によって内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限した後における内燃機関にて燃焼用に供給された総燃料量を用いることを特徴とする。
このように総仕事量の代わりに、燃焼用に供給された総燃料量を用いて、第1制限領域から第2制限領域への移行を制御しても良い。
[実施の形態1]
図1は上述した発明が適用された内燃機関駆動力出力システムの概略構成を表すブロック図である。ディーゼルエンジン(以下、エンジンと略す)2は車両駆動用内燃機関である。エンジン2の各気筒4には、吸気弁6、排気弁8及び燃焼室へ直接燃料を噴射する燃料噴射弁10が配置されている。燃料噴射弁10は燃料を所定圧まで蓄圧するコモンレール12と連通し、コモンレール12は燃料供給管14を介して、エンジン2により回転駆動される燃料ポンプ16に連通している。
各気筒4の燃焼室に対して吸気ポートを介して連通しているインテークマニホールド18は吸気管20に接続され、この吸気管20は上流側でエアクリーナ22に接続されている。吸気管20の途中には、ターボチャージャ24のコンプレッサ24aが配置されている。コンプレッサ24aより下流の吸気管20には、コンプレッサ24aにて圧縮されて高温となった吸気を冷却するためのインタークーラ26が配置され、このインタークーラ26より下流の吸気管20には、吸気量を絞る吸気絞り弁28が取り付けられて電動アクチュエータ30により開度調節がなされている。
排気ポートを介して各気筒4の燃焼室に連通しているエキゾーストマニホールド32はターボチャージャ24のタービン24bを介して排気管34に接続されている。この排気管34の途中には排気浄化装置36が配置されている。排気浄化装置36内には酸化触媒(DOC)及びパティキュレート・フィルタ(DPF)が配置され、DOCとDPFとの間には触媒床温センサ38が配置されて排気浄化装置36内の温度を検出している。尚、排気浄化装置36の上流側にも排気温センサ40が配置されて、排気浄化装置36に流れ込む排気の温度を検出している。更に排気浄化装置36のDPFにおける上流側と下流側との排気圧力を導入する排気差圧センサ41が設けられてDPFの上流側と下流側との排気圧力差ΔPexを検出している。排気浄化装置36より下流の排気管34には、排気流量を調節する排気絞り弁42が設けられて開閉動作がアクチュエータ44により行われている。
インテークマニホールド18は、エキゾーストマニホールド32内を流れる排気の一部を、排気再循環通路(EGR通路)46を介して導入している。このEGR通路46の途中には、EGR通路46内を流れるEGRガスの流量を調節するEGR弁48が設けられている。EGR弁48より上流の部位にはEGRガスを冷却するEGRクーラ50が設けられている。
このようなエンジン2に対してエンジン運転状態を制御するための電子制御ユニット(ECU)52が設けられている。このECU52は、エンジン運転状態やドライバーの要求に応じてエンジンを制御する制御回路であり、CPU、ROM、RAM、及びバックアップRAM等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。
ECU52には、前述した触媒床温センサ38、排気温センサ40及び排気差圧センサ41が接続されている。更にエンジン2のクランクシャフト回転(エンジン回転数NE)を検出するクランクポジションセンサ54、エンジン冷却水温度を検出する冷却水温センサ56、アクセルペダル57の操作量(アクセル開度accpt)を検出するアクセル開度センサ58が接続されている。更にコモンレール12の燃料圧力を検出する燃料圧力センサ60、吸入空気量GAを検出する吸気量センサ62、その他のセンサ・スイッチ類が接続されている。このことにより各種センサ・スイッチ類の出力信号がECU52に入力される。
ECU52は、燃料噴射弁10、EGR弁48、吸気絞り弁28用のアクチュエータ30、排気絞り弁42用のアクチュエータ44が電気的に接続されることで、ECU52は出力信号にて各機構の駆動制御を実行している。
次にECU52にて実行されるエンジン異常時出力制限処理について説明する。図2に内燃機関異常時出力制限処理のフローチャートを示す。本処理は一定時間周期で割り込み実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
エンジン異常時出力制限処理(図2)が開始されると、まず制限制御用燃料積算値SinjがECU52のメモリ内に設定されている作業領域に読み込まれる(S102)。この制限制御用燃料積算値Sinjは、図3に示す制限制御用燃料積算値Sinj算出処理により算出される。この制限制御用燃料積算値Sinj算出処理(図3)は燃料噴射弁10による燃料噴射毎に割り込み実行される。本実施の形態では4気筒であるので180°CA(クランク角)毎に割り込み実行される。
制限制御用燃料積算値Sinj算出処理(図3)について説明すると、まずアクセル開度制限値Aaccpが初期制限値INIaccp以下か否かが判定される(S152)。ここでアクセル開度制限値Aaccpは、アクセル開度センサ58が出力するアクセル開度accptを、実際の出力に対応する最終アクセル開度accpfに設定する際に、この設定値を制限するために設けられた制限値である。初期制限値INIaccpは、本実施の形態ではエンジン2自身の異常時に設定される制限値であり、特に後述する異常レベル3において設定され、他の異常レベル1,2ではクリアされている値である。初期制限値INIaccpの値は、エンジン2の異常時にエンジン2の運転が直ちに不能となることを回避できる第1制限領域の上限位置を示すものである。
したがって初期制限値INIaccpがクリアされている異常レベル1,2のいずれかである場合には、Aaccp>INIaccpであるので(S152でNO)、制限制御用燃料積算値Sinjをクリアして(S160)、本処理を出る。
異常レベル3である場合には、後述するごとく初期制限値INIaccpの設定がなされている。したがって現在設定されているアクセル開度制限値Aaccpとの比較により、Aaccp≦INIaccpであれば(S152でYES)、次にアクセル開度制限値Aaccpが最終制限値ENDaccpより大きいか否かが判定される(S154)。この最終制限値ENDaccpは、各異常レベルにおいて、退避走行継続のために最終的に収束すべき制限値を示しており、各異常レベル毎に後述するごとく設定される値である。すなわち、この最終制限値ENDaccpの値は、エンジン駆動力出力システムの異常時でも長時間の退避走行が可能な第2制限領域の上限位置を示すものである。
ここでAaccp>ENDaccpであれば(S154でYES)、式1に示すごとく、最終アクセル開度accpf、最終制限値ENDaccp及びエンジン回転数NEに基づいて最終制限超過燃料量Dinjを算出する(S156)。
[式1] Dinj ← Finj(accpf,ENDaccp,NE)
ここでFinj()は、エンジン回転数NEに応じて設定される最終アクセル開度accpfに対応する燃料噴射量M(mm3/st)と、エンジン回転数NEに応じて設定される最終制限値ENDaccpに対応する燃料噴射量N(mm3/st)とを算出し、これらの差(M−N)を算出する処理に相当する。すなわち、最終制限値ENDaccpによる燃料噴射量よりも最終アクセル開度accpfによる燃料噴射量が多い分の燃料噴射量を、最終制限超過燃料量Dinjとして算出する。
そして次に式2に示すごとく、制限制御用燃料積算値Sinjに積算される(S158)。
[式2] Sinj ← Sinj + Dinj
こうして一旦本処理を出る。
尚、異常レベル3であっても、Aaccp>INIaccpの場合(S152でNO)は、制限制御用燃料積算値Sinjをクリアして(S160)、本処理を出る。又、Aaccp≦INIaccpであっても(S152でYES)、Aaccp≦ENDaccpの場合は(S154でNO)は、このまま本処理を出る。
このようにして、INIaccp≧Aaccp>ENDaccpである場合に、制限制御用燃料積算値Sinjに最終制限超過燃料量Dinjが積算される処理が継続されることになる。
エンジン異常時出力制限処理(図2)の説明に戻り、制限制御用燃料積算値Sinjの読み込み(S102)の次に異常時か否かが判定される(S104)。この処理はECU52内に備えられている異常検出システムの処理結果により判定される。本実施の形態では、後述するごとく異常レベル1〜3までの異常が検出対象となっている。例えば、異常レベル1はコモンレール12などからの燃料漏れやECU52自身の異常などであり、最高のレベルに設定されている。異常レベル2は、ターボチャージャ24における過々給異常であり2番目に高いレベルに設定されている。異常レベル3はアクセル開度センサ58の異常であり3番目に高いレベルに設定されている。
これらの異常レベル1〜3のいずれかであれば(S104でYES)、次に異常時制御量設定処理(S106)が実行される。この異常時制御量設定処理の詳細を図4のフローチャートに示す。
異常時制御量設定処理(図4)が開始されると、まず異常レベル1か否かが判定される(S162)。異常レベル1であれば(S162でYES)、最終制限値ENDaccpにレベル1最終制限設定値endaccp1が設定される(S170)。ここでレベル1最終制限設定値endaccp1は、異常レベル1である場合に、エンジン2の出力許容範囲における上限をアクセル開度にて表す値である。
そして初期制限値INIaccpをクリア(=0%)して(S174)、一旦本処理を出る。
異常レベル1でなければ(S162でNO)。次に異常レベル2か否かが判定されて(S164)、異常レベル2であれば(S164でYES)、最終制限値ENDaccpにレベル2最終制限設定値endaccp2が設定される(S172)。ここでレベル2最終制限設定値endaccp2は、異常レベル2である場合に、エンジン2の出力許容範囲における上限をアクセル開度にて表す値である。そして初期制限値INIaccpをクリアして(S174)、一旦本処理を出る。
異常レベル2でなければ(S164でNO)。次に異常レベル3か否かが判定されて(S166)、異常レベル3であれば(S166でYES)、最終制限値ENDaccpにレベル3最終制限設定値endaccp3が設定される(S176)。ここでレベル3最終制限設定値endaccp3は、異常レベル3である場合に、エンジン2の出力許容範囲における上限をアクセル開度にて表す値である。
この異常レベル3の場合は、更に初期制限値INIaccpにレベル3初期制限設定値iniaccp3が設定される(S178)。ここでレベル3初期制限設定値iniaccp3は、異常レベル3である場合に、異常時の初期においてエンジン2の出力許容範囲における上限をアクセル開度にて表す値である。そして、一旦本処理を出る。
異常レベル3でなければ(S166でNO)、最終制限値ENDaccpに初期値としての値である100(%)を設定し(S180)、初期制限値INIaccpをクリア(=0%)して(S182)、一旦本処理を出る。このことにより異常レベル1〜3のいずれにも該当しない状態では、制限を行わないように最終制限値ENDaccpと初期制限値INIaccpとに初期値を設定することになる。
エンジン異常時出力制限処理(図2)の説明に戻り、異常時制御量設定処理(S106:図4)の次に、現在のアクセル開度制限値Aaccpが初期制限値INIaccp以下か否かが判定される(S108)。
異常の直前状態では、アクセル開度制限値Aaccpは正常時の状態であり、初期設定として100%が設定されている。したがって初期制限値INIaccp(<100%、例えば70%〜80%)が設定されている異常レベル3については、異常となった当初は、Aaccp>INIaccpである(S108でNO)。更に異常レベル1,2については、常にINIaccp=0であるので、やはりAaccp>INIaccpである(S108でNO)。
したがって次に異常レベル3か否かが判定される(S110)。ここで今回、異常レベル1又は2であるとすると(S110でNO)、次に異常時の出力制限を実行するために、式3によって異常時における新たなアクセル開度制限値Aaccpが算出される(S112)。
[式3] Aaccp ← MAX(ENDaccp,Aaccp−daccp)
ここでMAX()は()内の数値の大きい方を、同一の場合はいずれかの値を抽出する演算子である。徐減値daccpはアクセル開度制限値Aaccpを、本処理(図2)の制御周期(一定時間周期)にて連続的に減少させるための値である。
このように構成された前記式3は、アクセル開度制限値Aaccpを徐減値daccp分減少させた値が、最終制限値ENDaccp(例えば10〜25%)よりも大きければ、式4と同じ処理であり、アクセル開度制限値Aaccpを時間周期で連続的に減少させる処理となる。
[式4] Aaccp ← Aaccp − daccp
そして、この徐減処理を繰り返した後に、アクセル開度制限値Aaccpを徐減値daccp分減少させた値が、最終制限値ENDaccpより小さくなれば、前記式3の右辺は最終制限値ENDaccpそのものとなる。このため、以後、前記式3の処理ではアクセル開度制限値Aaccpには最終制限値ENDaccpの値が設定され続けることになる。
ステップS112にてアクセル開度制限値Aaccpが設定されると、次に式5に示すごとく、最終アクセル開度accpfが設定される(S126)。
[式5] accpf ← MIN(accpt,Aaccp)
ここでMIN()は()内の数値の小さい方を、同一の場合はいずれかの値を抽出する演算子である。このことによりアクセル開度制限値Aaccpを上限として、ドライバーが操作するアクセル開度accptに基づいて、実際の出力に反映させる最終アクセル開度accpfを算出できる。すなわちアクセル開度制限値Aaccpにて最終アクセル開度accpfの値を制限できる。
したがって異常レベル1,2の場合には、図5のタイミングチャートに示すごとく、異常が生じると(t0)、アクセル開度制限値Aaccpは、100%から10%(=最終制限値ENDaccp)へ時間経過と共に低下する(t0〜)。そしてAaccp=10%となると一定となる(t4〜)。このようにアクセル開度制限値Aaccpが設定されることにより、アクセル開度accptがドライバーに操作されても、アクセル開度accptがアクセル開度制限値Aaccpを越える部分は(t1〜t2,t3〜t5,t6〜t7)、破線のごとくアクセル開度制限値Aaccpが上限となって制限される。
異常レベル3の場合には、ステップS110にてYESと判定されるので、次に異常時の制限に対応するために式6によって異常時における新たなアクセル開度制限値Aaccpが算出される(S114)。
[式6] Aaccp ← MAX(INIaccp,Aaccp−daccp)
ここでMAX()及び徐減値daccpはステップS112で説明したごとくであるが、徐減値daccpの値は異常レベル1,2の場合とは異なる値が設定されている。このように構成された前記式6は、用いているパラメータは異なるが、前記式3と同様な処理を実行することになる。すなわちアクセル開度制限値Aaccpを徐減値daccp分減少させた値が、初期制限値INIaccpよりも大きければ、前記式4と同じ処理であり、アクセル開度制限値Aaccpを時間周期で連続的に減少させる処理となる。
そして、この徐減処理を繰り返した後に、アクセル開度制限値Aaccpを徐減値daccp分減少させた値が、初期制限値INIaccpより小さくなれば、前記式6の右辺は初期制限値INIaccpそのものとなる。すなわちAaccp=INIaccpとなる。
ステップS114にてアクセル開度制限値Aaccpが設定されると、前記式5に示すごとく、最終アクセル開度accpfが設定されて(S126)、一旦本処理を出る。
そして上述したごとく前記式6の処理(S114)が繰り返されることにより、Aaccp=INIaccpとなると、ステップS108ではYESと判定されることになる。したがって次にアクセル開度制限値Aaccpが最終制限値ENDaccpより大きいか否かを判定する(S116)。当初は、アクセル開度制限値Aaccpには最終制限値ENDaccpより大きい初期制限値INIaccpが設定されている。したがってAaccp>ENDaccpであるので(S116でYES)、次に式7により制限制御用燃料積算値Sinjに応じたアクセル開度制限値Aaccpの徐減処理が実行される(S118)。
[式7] Aaccp ← INIaccp − F(Sinj,Tinj)
ここでF(Sinj,Tinj)は、制限制御用燃料積算値Sinjの増加に伴って、アクセル開度制限値Aaccpを、初期制限値INIaccpの値から次第に減少する演算処理を表している。本実施の形態では、初期制限値INIaccpから減少を開始して、制限制御用燃料積算値Sinjが総燃料噴射量基準値Tinjに達した時に、アクセル開度制限値Aaccpを最終制限値ENDaccpに到達させる処理となっている。この総燃料噴射量基準値Tinjは、請求項における総仕事量に相当する物理量である総燃料量に対応するものであり、INIaccp≧Aaccp>ENDaccpにて、エンジン2で燃焼される燃料量の内で最終制限値ENDaccpより高いアクセル開度に対応する燃料量の総量で表されている。
F(Sinj,Tinj)は、例えば、式8のごとくの演算式を挙げることができる。
[式8] F(Sinj,Tinj) = (Sinj/Tinj) × (INIaccp - ENDaccp)
ステップS118にてアクセル開度制限値Aaccpが設定されると、前記式5に示したごとく、最終アクセル開度accpfが設定されて(S126)、一旦本処理を出る。
以後、前記式7の処理が繰り返されることで、制限制御用燃料積算値Sinjの増加に応じて、アクセル開度制限値Aaccpは次第に小さくなり最終制限値ENDaccpに近づく。そして制限制御用燃料積算値Sinjが総燃料噴射量基準値Tinjに到達した時に、前記式7にて算出されるアクセル開度制限値Aaccpは最終制限値ENDaccpに一致する。したがって以後はステップS116ではNOと判定するので、アクセル開度制限値Aaccpはこれ以上減少されることはなく、アクセル開度制限値Aaccp=ENDaccpの状態で一定となる。この一定状態により、ステップS126では最終アクセル開度accpfが最終制限値ENDaccpにて制限されることになる。
したがって異常レベル3の場合には、図6のタイミングチャートに示すごとく、異常が生じると(t10)、アクセル開度制限値Aaccpは100%から70%(=INIaccp)へ時間経過と共に低下して(t10〜)、一旦、Aaccp=70%となる(t15)。そして70%から20%(=ENDaccp)までは(t15〜t23)、制限制御用燃料積算値Sinjの増加に対応して、すなわち内燃機関の運転履歴に応じて、アクセル開度制限値Aaccpを減少することになる。制限制御用燃料積算値Sinjの増加は、ハッチング(t15〜t16,t17〜t20,t21〜t23)にて示したごとく最終アクセル開度accpfが最終制限値ENDaccpを越えている部分に相当する燃料噴射量(最終制限超過燃料量Dinj)を積算した結果である。
そしてアクセル開度制限値Aaccpが20%(=ENDaccp)に到達することにより(t23)、以後、アクセル開度制限値Aaccpは最終制限値ENDaccpの値(図6では20%)で一定状態となる(t23〜)。
これをエンジン回転数NEとエンジン出力トルクTeとの関係で見ると、図7に示すごとくとなる。尚、図7では初期制限値INIaccpは定トルクによるトルク制限も加味されている。ここで、異常レベル3が生じると、初期制限値INIaccp(70%)に対応した上限(一点鎖線)よりも下の領域(第1制限領域)にエンジン出力トルクTeが制限される。その後に、制限制御用燃料積算値Sinjの増加に応じて上限が低下して、Sinj=Tinjとなると、最終制限値ENDaccp(20%)に対応した上限(二点鎖線)よりも下の領域(第2制限領域)にエンジン出力トルクTeが制限される状態となる。
エンジン異常時出力制限処理(図2)の説明に戻り、異常時でない場合には(S104でNO)、異常時からの復帰ではないので(S120でNO)、ステップS126では最終アクセル開度accpfは、アクセル開度制限値Aaccpが初期設定時の100%のままで制限されることになる。すなわち実質的に制限がされず、ドライバーの操作量であるアクセル開度accptがそのまま最終アクセル開度accpfに反映される。
異常時からの復帰時であった場合には(S120でYES)、すなわちアクセル開度制限値Aaccp<100%である状態では、ドライバーの操作量であるアクセル開度accptがアクセル開度制限値Aaccp以上であるかが判定される(S122)。accpt≧Aaccpであれば(S122でYES)、式9に従ってアクセル開度制限値Aaccpの徐増がなされる(S124)。
[式9] Aaccp ← MIN(100,Aaccp+maccp)
この式9は、徐増値maccpによりアクセル開度制限値Aaccpが制御周期毎に増加され、最終的に100%に到達して一定となることを示している。Aaccp=100%となれば、復帰完了としてステップS120ではNOと判定されるようになる。尚、accpt<Aaccpでは(S122でNO)、上記式9の計算はなされない。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU52が異常検出手段、初期制限手段及び二次制限手段に相当する。ECU52内に備えられている異常検出システムの処理が異常検出手段としての処理に相当する。ステップS108,S110,S114,S126,S166,S178が初期制限手段としての処理に相当する。ステップS108,S116,S118,S126,S152〜S158,S166,S176が二次制限手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).異常レベル3の異常時初期においては(S108でNO、S110でYES)、時間経過に応じて速やかにアクセル開度制限値Aaccpを初期制限値INIaccpに収束させている(S114)。したがってエンジン2の出力許容範囲は、初期制限値INIaccpによって上限が設定される第1制限領域に制限されることになる。このように異常の初期には第1制限領域にエンジン2の出力状態を制限することで、異常発生直後に短期間にエンジン2が停止してしまうことを防止できる。
更にその後、エンジン2の運転履歴に応じてアクセル開度制限値Aaccpを初期制限値INIaccpから最終制限値ENDaccpへ移行させている。
このように異常時にてエンジン2の出力許容範囲をいきなり第2制限領域に移行させるのではなく、最初にエンジン2の異常停止防止のために第2制限領域よりも上限が高い第1制限領域に移行し、その後はエンジン出力の高い領域を極力利用しつつ、最終的に退避走行とって望ましい第2制限領域へ移行している。
このため異常時直後にも或程度のエンジン出力を確保でき、異常発生時におけるドライバーに対する違和感を防止することができ、更に退避走行を完遂させることができる。
(ロ).制限領域の移行に際しては、退避走行中でのドライバーの運転操作などによって第2制限領域よりも高いエンジン出力状態が継続するほど、エンジン2には異常停止などの可能性が高まる。このため前述したごとくエンジン2の運転履歴に応じて第2制限領域に移行させている。このことにより適切でない状態が長時間継続することが防止され、車両による退避走行を完遂させることができる。
特に運転履歴として、エンジン2の総仕事量(ただし第2制限領域を越えた分の総仕事量)に相当する物理量である制限制御用燃料積算値Sinjを用い、この増加に応じて、エンジン2の出力許容範囲を第1制限領域から第2制限領域へ移行させている。このため退避走行中でのドライバーの運転操作などによって出力制御が適切でない状態が正確に把握できる。
このことにより第2制限領域より高い出力状態にあるエンジン運転状態を退避走行に積極的に生かして円滑な退避走行を可能とすると共に、確実にエンジン2を保護して退避走行を完遂させることができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、前記エンジン異常時出力制限処理(図2)のステップS116の処理が異なり、他の構成は前記実施の形態1と同じである。
図8は前記エンジン異常時出力制限処理(図2)の一部を示し、前記ステップS116の処理に代わる内容をステップS117として表している。
ここでアクセル開度制限値Aaccpが初期制限値INIaccpに到達した後(S108でYES)に実行されるステップS117では式10による判定がなされる(S117)。
[式10] Aaccp > MAX(ENDaccp,PWEQaccp)
ここで等出力アクセル開度PWEQaccpは、退避走行のために予め設定した等出力を表す上限値であり、エンジン出力トルクTeとエンジン回転数NEとで表す二次元空間では、等出力アクセル開度PWEQaccpは図9に破線にて示すごとくの等出力線の位置に対応する。この等出力アクセル開度PWEQaccpの値は、或程度の勾配の登坂を十分に可能とする一定の出力(kW)が得られるように設けられている。
前記式10は、最終制限値ENDaccpと、前記一定の出力が得られる等出力アクセル開度PWEQaccpとの内で大きい方の値と比較して、アクセル開度制限値Aaccpの方が大きいか否かを判定するための式である。
図9ではエンジン回転数NEの高い側において、ENDaccp>PWEQaccpであるので、ステップS117は前記実施の形態1のステップS116と同じ判定条件(Aaccp>ENDaccpか?)となる。しかしエンジン回転数NEの低い側において、ENDaccp<PWEQaccpであるので、ステップS117は「Aaccp>PWEQaccpか?」を判定することになる。
このことによりアクセル開度制限値Aaccpが第2制限領域に最終的に収束した状態(S117でNO)でも、このアクセル開度制限値Aaccpにより制限された最終アクセル開度accpfが実現できるエンジン出力は、予定した勾配の登坂を可能とする出力レベル(kW)まで発生可能となる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU52が異常検出手段、初期制限手段及び二次制限手段に相当する。ECU52内に備えられている異常検出システムの処理が異常検出手段としての処理に相当する。ステップS108,S110,S114,S126,S166,S178が初期制限手段としての処理に相当する。ステップS108,S117,S118,S126,S152〜S158,S166,S176が二次制限手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の効果を生じる。
(ロ).等出力線以下の出力領域を含む領域として第2制限領域を設けていることから、上述したごとく登坂などにおいてもエンジン2の出力が不足するようなことがなく、退避走行を完遂させることが容易になる。
[その他の実施の形態]
(a).前記各実施の形態において異常時にアクセル開度センサ58の操作感度を低下させても良い。例えば、エンジン異常時出力制限処理(図2)のステップS126部分の処理を、図10に示すごとくの処理に置きかえても良い。
ステップS114,S112,S116でNO、S118,S120でNO,S122でNO,S124のいずれかの次に、まず異常時か否かを判定する(S125a)。異常時でなければ(S125aでNO)、前記実施の形態1にて述べたごとく前記式5によるステップS126の処理が実行される。
異常時であれば(S125aでYES)、式11の処理にて、最終アクセル開度accpfを設定する(S125b)。
[式11] accpf ← MIN(MAPz(accpt),Aaccp)
この式11が前記式5と異なる点は、アクセル開度センサ58にて検出されるドライバー操作量としてのアクセル開度accpt自体を用いていない。このアクセル開度accptの代わりに、図11にて実線で示す操作感度低下マップMAPzによりアクセル開度accptの操作感度を低下させている点である。すなわち破線で示す正常時の出力値と比較して、アクセル開度accpt出力値に対して低減補正が実行されて、アクセル開度accptの値よりもMAPz(accpt)の値は低く抑制される。
このような操作感度低下処理が実行されることにより、図12のタイミングチャートに示すごとく、異常が生じると(t30)、操作感度低下マップMAPzにより最終アクセル開度accpfは直ちに低下補正されるようになる。このため最終アクセル開度accpfのラインは、図6に示した実施の形態1のラインよりも低い値で推移することになる。したがって制限制御用燃料積算値Sinjの積算についてはタイミングt31〜t32,t33〜t34であり、この期間にてアクセル開度制限値Aaccpが徐減されることになる。
このように構成することにより、前記実施の形態1又は2の効果と共に、操作感度が鈍くされることにより、異常時にドライバーには操作上での違和感が生じる。したがって大きな違和感は生じさせることなく異常を認識させることができる。このことにより異常ランプなどの点灯に気がつかなくても、早期に異常をドライバーに認識させることができ、早めに退避走行に移行させることができる。
(b).前記各実施の形態において異常時に一時的に出力を低下させても良い。出力低下としては、燃料カットが挙げられる。例えば、エンジン異常時出力制限処理(図2)のステップS106部分の処理を、エンジン異常時出力制限処理の一部を表す図13に示すごとくの処理に置きかえても良い。
図13では、異常時になると(S104でYES)、まず異常初期か否かが判定される(S105a)。異常初期であれば(S105aでYES)、燃料カット処理を実行する(S105b)。図14のタイミングチャートに示すごとく、最終アクセル開度accpfを「0」に設定する期間(t40〜t41)を設けることにより、一時的にエンジン2の燃焼を停止して、車両加速度感や燃焼音消失による一時的なショックを生じさせる。異常初期期間から脱すれば(S105aでNO)、前記実施の形態1にて説明したごとくの異常時制御量設定処理(S106:図4)を実行するようになる。
このように構成することにより、前記実施の形態1又は2の効果と共に、異常初期に生じるショックにより、ドライバーは一時的に違和感を抱く。このことにより異常ランプなどの点灯に気がつかなくても早期に異常をドライバーに認識させることができ、早めに退避走行に移行させることができる。
尚、燃料カットでなく、アクセル開度制限値Aaccpを、一時的にステップS114にて求められる制限値よりも低くすることにより、車両加速度感や燃焼音低下によるショックを生じさせても良い。
又、ディーゼルエンジンにおいては正常時にはドライバビリティの向上のために過渡時に、変化勾配制限、一次遅れ処理又は移動平均処理などにより、ドライバーの操作量に対する燃料噴射量の応答性低下処理を実行している。したがって燃料カットでなく、この応答性低下処理による応答性低下程度を弱めたり、応答性低下処理を止めたりすることにより、一時的に、あるいは異常期間の全期間においてドライバビリティを悪化しても良い。このことにより、ドライバーには或程度の違和感を生じるので、異常ランプなどの点灯に気がつかなくても、早期に異常をドライバーに認識させることができ、早めに退避走行に移行させることができる。
又、燃料噴射時期の進角やパイロット噴射を実行している場合には、燃料カットでなく、燃料噴射時期の進角やパイロット噴射を停止することにより、燃焼騒音増加を実行しても良い。この騒音増加によりドライバーには或程度の違和感を生じるので、異常ランプなどの点灯に気がつかなくても、早期に異常をドライバーに認識させることができ、早めに退避走行に移行させることができる。
(c).異常レベル3の場合、アクセル開度制限値Aaccpを初期制限値INIaccpへ移行する処理(S114)は時間経過に応じて行ったが、直ちに初期制限値INIaccpへ移行する処理としても良い。このことによりドライバーは或程度の違和感を生じるので、異常ランプなどの点灯に気がつかなくても、早期に異常をドライバーに認識させることができ、早めに退避走行に移行させることができる。
(d).異常レベル3の場合、アクセル開度制限値Aaccpを、初期制限値INIaccpから最終制限値ENDaccp側へ移行させる処理は(S116,S118、あるいはS117,S118)、制限制御用燃料積算値Sinjにより連続的に実行した。この代わりに或程度の制限制御用燃料積算値Sinjの増加毎に段階的に移行させても良い。
(e).異常レベル3の場合、アクセル開度制限値Aaccpを、初期制限値INIaccpから最終制限値ENDaccpに移行させる処理は、制限制御用燃料積算値Sinjが総燃料噴射量基準値Tinjに到達した時点で最終制限値ENDaccpに到達するように制御した。これ以外に、総燃料噴射量基準値Tinjを設けずに、単に制限制御用燃料積算値Sinjの増加に応じてアクセル開度制限値Aaccpを、初期制限値INIaccpから最終制限値ENDaccpへ徐々に移行させる処理でも良い。
又、制限制御用燃料積算値Sinjは、最終アクセル開度accpfの内で、最終制限値ENDaccpを越える分に対応する燃料噴射量が積算されたが、最終アクセル開度accpfそのものを積算して制限制御用燃料積算値Sinjとして、アクセル開度制限値Aaccpの移行を制御しても良い。
(f).アクセル開度制限値Aaccpは、図7,9に示したごとくエンジン回転数NEとエンジン出力トルクTeとによる二次元空間における上限値に対応されており、このことにより第1制限領域及び第2制限領域を形成していた。この代わりに、エンジン回転数NEと、エンジン2にて燃焼用に供給される燃料量との二次元空間に適用しても良い。
(g).前記各実施の形態では、内燃機関としてディーゼルエンジンを挙げて説明したが、ガソリンエンジンにも適用でき、同様な効果を生じさせることができる。
(h).前記各実施の形態では、初期制限値INIaccpに示したごとく定トルク制限を含むアクセル開度による制限であったが、アクセル開度のみの制限でも良く、トルクのみによる制限でも良い。
実施の形態1の内燃機関駆動力出力システムの概略構成を表すブロック図。 実施の形態1のECUが実行するエンジン異常時出力制限処理のフローチャート。 同じく制限制御用燃料積算値Sinj算出処理のフローチャート。 同じく異常時制御量設定処理のフローチャート。 実施の形態1の処理の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態1の処理の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態1において、エンジン出力トルクTeとエンジン回転数NEとの二次元空間でアクセル開度制限値Aaccpにより区画される第1制限領域と第2制限領域の配置を示すグラフ。 実施の形態2のエンジン異常時出力制限処理の一部を示すフローチャート。 実施の形態2において、エンジン出力トルクTeとエンジン回転数NEとの二次元空間でアクセル開度制限値Aaccpと等出力アクセル開度PWEQaccpとにより区画される第1制限領域と第2制限領域の配置を示すグラフ。 他の実施の形態におけるエンジン異常時出力制限処理の一部を示すフローチャート。 他の実施の形態における操作感度低下マップMAPzの説明図。 他の実施の形態での処理の一例を示すタイミングチャート。 他の実施の形態におけるエンジン異常時出力制限処理の一部を示すフローチャート。 他の実施の形態での処理の一例を示すタイミングチャート。
符号の説明
2…エンジン、4…気筒、6…吸気弁、8…排気弁、10…燃料噴射弁、12…コモンレール、14…燃料供給管、16…燃料ポンプ、18…インテークマニホールド、20…吸気管、22…エアクリーナ、24…ターボチャージャ、24a…コンプレッサ、24b…タービン、26…インタークーラ、28…吸気絞り弁、30…電動アクチュエータ、32…エキゾーストマニホールド、34…排気管、36…排気浄化装置、38…触媒床温センサ、40…排気温センサ、41…排気差圧センサ、42…排気絞り弁、44…アクチュエータ、46…EGR通路、48…EGR弁、50…EGRクーラ、52…ECU、54…クランクポジションセンサ、56…冷却水温センサ、57…アクセルペダル、58…アクセル開度センサ、60…燃料圧力センサ、62…吸気量センサ。

Claims (5)

  1. 内燃機関駆動力出力システムの異常時に内燃機関出力を制限する装置であって、
    内燃機関駆動力出力システムの異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段にて内燃機関駆動力出力システムの異常が検出されると、内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限する初期制限手段と、
    前記初期制限手段によって内燃機関の出力許容範囲を前記第1制限領域に制限した後に、前記第1制限領域よりも上限が低く設定された第2制限領域へ、内燃機関の出力許容範囲を内燃機関の運転履歴に応じて移行させる二次制限手段と、
    を備え、前記二次制限手段は、前記内燃機関の運転履歴として、前記初期制限手段によって内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限した後における前記第2制限領域を越えた分の内燃機関の総仕事量を用い、該総仕事量の増加に応じて、内燃機関の出力許容範囲を前記第1制限領域から前記第2制限領域へ移行させることを特徴とする内燃機関異常時出力制限装置。
  2. 請求項1において、前記第1制限領域は、内燃機関駆動力出力システムの異常時に内燃機関の運転が直ちに不能となることを回避できる領域であり、前記第2制限領域は、内燃機関駆動力出力システムの異常時でも長時間の退避走行が可能な領域であることを特徴とする内燃機関異常時出力制限装置。
  3. 請求項1又は2において、内燃機関駆動力出力システムの異常時に内燃機関出力をアクセル開度にて制限すると共に、
    前記第2制限領域は、予め設定した等出力線以下の出力領域を含む領域として設けられていることを特徴とする内燃機関異常時出力制限装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記初期制限手段によって内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限した後における内燃機関の総仕事量が、予め設定された基準総仕事量に到達した時点で、内燃機関の出力許容範囲が前記第1制限領域から前記第2制限領域への移行が完了することを特徴とする内燃機関異常時出力制限装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記総仕事量に相当する物理量として前記初期制限手段によって内燃機関の出力許容範囲を第1制限領域に制限した後における内燃機関にて燃焼用に供給された総燃料量を用いることを特徴とする内燃機関異常時出力制限装置
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