JP4317537B2 - 画像安定化のためのサスペンション - Google Patents

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Description

本発明は、包括的には写真撮影術に関し、より具体的には画像安定化に関する。
(関連出願に対する相互参照)
本件出願は以下の出願に関連する。
画像安定化のための磁性流体サスペンション(Ferrofluid suspension for image stabilization)(米国出願第10/896,566号)、
センサを放熱する装置および方法(Apparatus and method for heat sinking a sensor)(米国出願第10/896,565号)、
温度が制御システムに及ぼす影響を補償する方法(Method of compensating for an effect of temperature on a control system)(米国出願第10/896,568号)、
および
画像安定化のための磁石構成(Magnet configuration for image stabilization)(米国出願第10/896,526号)
カメラのブレに起因する像ブレは写真撮影における一般的な問題である。この問題は、比較的焦点距離の長いレンズを使用する場合に、カメラの動き(揺れ)の影響がレンズの焦点距離に比例して大きくなるため、特に深刻となる。多くのカメラは、一般の「ポイントアンドシュート式(狙って撮るだけ)」の撮影者のために設計されたモデルを含めて、かなり長い焦点距離を提供するズームレンズを備える。特に、焦点距離の長い設定では、カメラのブレは、補正措置を行わない限り、撮影者がブレのない画像を撮影する能力を制限する要因となる可能性がある。
カメラの揺れから生じるブレを低減するいくつかの単純な手法として、カメラを三脚に取り付けること、および速いシャッタースピードを用いることがある。しかし、三脚は、特定の撮影状況では容易に利用できないか、あるいは不都合である場合がある。速いシャッタースピードの使用は、特に照明が薄暗い状況では常に実行可能であるとは限らない。大きなレンズ口径を使用する場合はシャッタースピードを上げることができるが、口径の大きいレンズはかさばり高価であるとともに、常に利用できるとは限らない。また、撮影者は、(暗い状況においても)「深い被写界深度」のような他の撮影効果を達成するために小さなレンズ口径を使用したいと思うかもしれない。
カメラのブレによる像ブレの問題に対処するのに役立つ様々な装置および技法が提案されている。例えば、Murakoshi(米国特許第4,448,510号)は、加速度計を用いてカメラの揺れを検出し、加速度が閾値レベルを越えた場合にはカメラのユーザに指示を行う。その場合、撮影者は適切な調整を行うことができる。
Satoh(米国特許第6,101,332号)もまたカメラの揺れを検知し、揺れ情報を他のカメラパラメータと組み合わせて、結果的に生じる像ブレ量を推定する。一組の発光ダイオードが推定値を撮影者に伝え、その場合、撮影者は調整を行うことができる。
別の手法は、カメラ操作を自動化し、ブレを最小化する設定をカメラに選択させることであった。例えば、Bolle他(米国特許第6,301,440号)は、写真のいくつかの側面を改善しようと様々な画像解析技法を適用する。
カメラまたはレンズによっては、カメラの動きを検知し、カメラの揺れを補償するようなやり方で光学要素を動かす画像安定化機構を備えるものもある。例えば、Otani他(米国特許第5,774,266号)およびHamada他(米国特許第5,943,512号)を参照のこと。
デジタルカメラにおいて、感光要素は、カメラのレンズによってシーン像が投射される電子アレイ光センサである。最近のデジタルカメラには、カメラの動きに応答して露光中にセンサを動かし、投射されるシーン像をセンサが実質的に追い、ブレを低減するようにすることによってカメラのブレを補償するものもある。
本発明は、検出された揺れに応じて電子アレイ光センサをシフトさせることによりブレを低減可能なデジタルカメラにおいて、電子アレイ光センサが撮影光学系の光軸回りの回転を伴うことなくシフト動作可能にすることを目的とする。
画像安定化を実現するセンサ取付システムは、略平坦な回路キャリア部分と、回路キャリア部分上の回路を他の回路に接続する可撓性のサービスループ(余長ループ)とを備える。
図1は、デジタルカメラの簡略ブロック図である。レンズ101がシーンから発生する光を集め、シーンの像が電子アレイ光センサ103上に投射されるように光102の方向を変える。電子アレイ光センサ103は、一般に「CCDアレイ」、「CCDセンサ」、あるいは単に「CCD」と呼ばれる電荷結合素子アレイとすることができる。別法として、電子アレイ光センサ103は、相補型金属酸化膜半導体技術を用いて構築された能動画素アレイとすることができる。こうしたセンサは、「能動画素アレイセンサ」、「CMOSセンサ」、あるいは別の同様の名称で呼ばれる場合がある。他のセンサ技術も可能である。電子アレイ光センサ103上の感光要素は通常、規則正しい矩形アレイ状に配置され、各要素すなわち「画素」がシーン中における1つの位置に対応するようになっている。
画像データ信号104がロジック110に渡される。ロジック110は、画像データ信号104を解釈し、それらを「デジタル画像」と呼ばれる数値表現に変換する。ロジック110は、他の機能も行う場合があり、例えば、カメラによって撮影されたデジタル画像の、適正な露光のための解析、カメラ設定の調整、デジタル画像に対するデジタル操作の実行、デジタル画像の記憶、取り出し、および表示の管理、カメラのユーザからの入力の受け入れ、および他の機能がある。ロジック110はまた、制御信号105により電子アレイ光センサ(光センサアレイ)103の制御も行う。ロジック110は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、専用ロジック、あるいはこれらの組み合わせを含み得る。
記憶装置111は、カメラが撮影したデジタル画像、ならびにカメラ設定情報、ロジック110用のプログラム命令、および他の項目を記憶するメモリを含む。ユーザ操作部112は、カメラのユーザがカメラを構成および操作することを可能にするものであり、ボタン、ダイヤル、スイッチ、または他の操作装置を含み得る。カメラが撮影したデジタル画像を表示するため、ならびに、カメラのユーザインタフェースにおいてユーザ操作部112と併用するために、ディスプレイ109が設けられてもよい。フラッシュまたはストロボライト106が、ストロボ電子回路108の制御下でシーンに補助光107を提供してもよく、ストロボ電子回路108はロジック110によって制御される。ロジック110はまた、レンズ101を制御するために制御信号113を供給してもよい。例えば、ロジック110は、レンズ101のフォーカスを調整してもよく、また、レンズ101がズームレンズである場合、レンズ101のズーム位置を制御してもよい。
図2は、デジタルカメラ200の斜視図であり、カメラ200の動きを説明するのに都合の良い座標系を示す。回転方向ΘXおよびΘYによって示される、X軸およびY軸を中心とする回転(それぞれピッチおよびヨーと呼ばれることが多い)は、カメラのブレによる像ブレの主な原因である。Z軸を中心とする回転およびいずれかの軸方向における平行移動は通常小さく、こうした影響は、写真が通常大きな縮小率(inverse magnifications)で撮影されるため、カメラレンズの作用によって軽減される。
図3は、カメラ200の概略上面図であり、カメラの回転がどのように像ブレを生じ得るかを示す。図3において、カメラ200は、実線で示される初期位置と、破線で示される、カメラ200がY軸を中心に回転された位置とで示される。回転した位置におけるカメラおよび他の部品の参照番号は「プライム」値(符号[’]を付したもの)として示され、参照項目が位置のずれた同一項目であることを示す。図3において、特定のシーン位置から発生する光線300は、レンズ201を通過し、センサ203の特定の位置204に当たる。カメラが回転されると、シーン位置からカメラまでの光線の光路は影響を受けない。(レンズ201’にぶつかってからのカメラ内での光線の光路は、カメラの回転点に応じてわずかに影響を受ける可能性がある。図3では、カメラがレンズの節点を中心に回転されたかのように、光線は影響を受けていないものとして示されるが、例えカメラが異なる点を中心に回転され、光線300のずれが生じたとしても、このずれは通常、画像安定化システムが無視できる、すなわち補正が不要なほど十分に小さい。)しかし、センサ203は、センサ203’によって示される新たな位置へ移動する。この場合、位置204が位置204’へ移動したため、同一シーン位置から発生する光線は、センサ203に当たっていた位置とは異なるセンサ位置でセンサ203’に当たる。写真の撮影中に回転が生じた場合、光線が当たっていたセンサ位置はそれぞれ、同一シーン位置からの光を収集しているであろう。よって、回転中に撮影された写真はブレてしまう。
センサ203がカメラ内で、センサ位置204を光線300の光路に保つのにちょうど十分な量だけ移動(センサ位置204が光線300の光路に対して動かないように)できるようにした場合、センサ位置に対するシーン位置の像を固定した状態で保つことができ、カメラが回転していても鮮明な写真を撮影することができる。図3に示す回転は、説明を明快にするために誇張されている。実際の応用では、センサがわずかに回転されたという事実は無視することができ、カメラのX方向に沿うセンサの平行移動は、Y軸を中心としたカメラの回転(の影響)を実質的に打ち消すのに十分である。同様に、Y方向に沿うセンサの平行移動は、X軸を中心としたカメラの回転(の影響)を実質的に打ち消すのに十分である。
図4は、本発明の例示的な一実施形態によるセンサ取付システムを備えるカメラ400の一部を切り取った簡略斜視図である。例示的なカメラ400のレンズ要素、ならびに内部支持構造および電子回路のほとんどは、図4が明瞭に見えるように図4から省かれている。カメラ400はサスペンションアセンブリ402を備え、このサスペンションアセンブリ402にはさらに、電子アレイ光センサ401が取り付けられている。電子アレイ光センサ401は通常矩形であり、カメラレンズに対向する上面と、上面の反対側にある底面と、4つの側部とを有する。サスペンションアセンブリ402は、センサ401がカメラのX軸およびY軸に沿って動くことを可能にする。適切な制御システム(図示せず)が、カメラのブレを補償するために、Y軸およびX軸を中心とするカメラの回転に応答してセンサ401を駆動する。センサ401は例えば、ソニー製のICX282AK CCDセンサ、または別の同種のセンサとすることができる。
図5は、サスペンションアセンブリ402の分解部分の斜視図である。第1のプレート501は実質的に剛性であり、鋼、アルミニウムまたは別の適切な材料で作られ得る。プレート501には磁石502が取り付けられる。磁石502は対で配置され、各対は極性が反対となるように配置された磁石を含む。例えば、磁石502の各対は、N極がプレート501と逆側に面している磁石と、S極がプレート501と逆側に面している磁石とを1つずつ含む。磁石対は、別個の磁性体片から作製されても、1片の磁性体上の反対方向に磁化した領域であってもよい。
第2のプレート503もまた、プレート501に対向する面に磁石対を備える。(プレート503上の磁石は図5では見ることが難しい。)プレート503上の磁石は、プレート501上の対応する磁石と相補的な極性を有する。すなわち、S極がプレート503に面している各磁石502に対向して、N極がプレート501に面しているプレート503上の磁石がある。こうして、磁石502とそれに対応するプレート503上の磁石が、2つのプレート間に磁界を作る。プレート501上の磁石と、これに相補的なプレート503上の磁石とが、一組の相補的な磁石を構成する。
アセンブリ402が組み立てられると、プレート501および503は互いに固定した関係となるとともに、カメラ400の本体に対して固定した関係となる。プレート501および503は、スペーサスタッド504または他の適切な機械的手段によって相対的な位置に保持されてもよい。カメラ400の本体に対するプレート対の取り付けは、任意の適切な機械的手段によって行うことができ、このような手段は多くが当該技術分野において知られている。
プレート501および503間には、略平坦な回路キャリア・センサ取付部505がある。回路キャリア・センサ取付部505は、半剛性または実質的に剛性であり、一般的なプリント回路基板であってもよい。別法として、回路キャリア・センサ取付部505は「フレックス回路」であってもよい。フレックス回路はプリント回路基板に似ているが、ポリイミド、ポリエステル、または別の適当な材料といった可撓性材料を基板として有する。フレックス回路は、電子構成部品を電気的に相互接続する一方で、それらの物理的関係を利用可能な空間に合わせて構成することを可能にするために用いることができる。センサ取付部505はまた、複数の導電層を有するフレックス回路であってもよく、補強部材が取り付けられてもよい。
センサ取付部505には、電子アレイ光センサ401およびコイル506〜509が取り付けられる。センサ取付部505は、バイパスコンデンサ、電子アレイ光センサ401によって生成されるアナログ画像信号を調整するバッファ増幅器、あるいは他の回路といった回路も保持することができる。コイル506〜509は、従来のマグネットワイヤから巻回されてセンサ取付部505に取り付けられても、センサ取付部505に組み込まれた回路トレースによって形成されても、あるいは他の手段によって形成されてもよい。回路キャリア・センサ取付部505が複数の層を有する場合、各コイルは、2つ以上の層の回路トレースから構成されてもよい。各コイルは、アセンブリ402が組み立てられると、各コイルがプレート501および503上の相補的な永久磁石対間の実質的に中央に位置決めされるように位置付けられる。コイル506〜509のいずれかに電流を流すと、コイルに働く力が生成される。力の大きさは通常、コイルがその内部に存在する磁界の強さ、電流の大きさ、およびコイルの導線の数に比例する。力の方向は、電流が流れる方向と磁界の両方に対して垂直である。したがって、コイル506および508を流れる電流は、コイルに作用し、ひいては回路キャリア・センサ取付部505およびセンサ401にも作用する、Y軸に平行な力を生成する。この力は、コイルを流れる電流の方向に応じて、正のY方向であっても負のY方向であってもよい。同様に、コイル507および509を流れる電流は、X軸に平行な力を生成する。コイル対は直列または並列で配線されても、あるいは個別に制御されてもよい。
したがって、各コイル506〜509とそれに関連する一組の相補的な磁石は、可動コイル型リニアモータを形成し、ここでは磁石がリニアモータのステータとなり、コイルがリニアモータの可動部材の一部となる。コイル506および508を含むリニアモータは協働して、センサ取付部505をY軸に平行な方向に動かし、コイル507および509を含むモータは協働して、回路キャリア・センサ取付部505をX軸に平行な方向に動かす。4つのリニアモータが全て協働するとき、センサ取付部505のX−Y方向に沿う全般の動き(generalized X-Y motion)を達成することができる。可動コイル型リニアモータは回路キャリア・センサ取付部505の中心を中心として対称に配置されるため、生成される力はセンサ取付部505に対して、Z軸に平行な軸を中心にセンサ401を回転させようとするような大きなトルクを一切生じない。すなわち、各モータ、あるいは同一軸で動作するモータ対の作用線は、可動アセンブリの質量中心のできるだけ近くを通る。
代替的な構成では、コイルがプレート501および503上に配置され、永久磁石がセンサ取付部505上に配置されて、コイルと磁石の各組が可動磁石型リニアモータを形成するようにしてもよい。本開示の目的で、リニアモータという用語は、図5に示すようなモータおよび可動磁石型リニアモータ、ならびにリニアボイスコイルアクチュエータを包含する。
図6は、組み立てた状態のアセンブリ402の側面図である。プレート501および503は、十分に離間されているため、プレート501および503に取り付けられた磁石間で回路キャリア・センサ取付部505およびコイル506〜509が自由に動くことができる。回路キャリアがX方向およびY方向に十分に動くことを可能にするのに十分な移動が行われるため、ほとんどの一般的なカメラのブレ信号を補償することができる。好ましいセンサの移動量は各軸において+/−1〜2ミリメートルである。回路キャリア・センサ取付部505と磁石502との間、およびコイル506〜509とプレート503上の磁石との間で、可動部品の両側に隙間が設けられる。好ましくは、この隙間の厚みは0.1〜0.5ミリメートルである。
これらの隙間は磁性流体601で実質的に満たされる。磁性流体は、流体に磁性体粒子を懸濁させたものであり、この流体に働く磁界に反応する。磁性流体は、FerroTec, USA corporation(ニューハンプシャー州ナシュア)から入手することができる。磁性流体601は磁石間の最大磁束領域に強く引き付けられる。この引力は、毛管作用とともに、磁性流体601を隙間内に留め、回路キャリア・センサ取付部505およびコイル506〜509を磁石間の平衡位置に比較的強く保持する。すなわち、コイル506〜509およびセンサ取付部505は磁石から離れた状態に保持され、回路キャリア・センサ取付部505およびコイル506〜509のZ軸に平行な方向における動きはほとんど生じない。しかし、X軸およびY軸(すなわち、X軸およびY軸に平行な方向)における動きは、基本的に静摩擦を受けず、磁性流体601の適度な粘性による動摩擦によって適度に妨げられるだけである。したがって、磁性流体601は流体ベアリングを形成し、センサ401がカメラのブレの補償に望ましい方向に自由に動くことを可能にするとともに、他の方向におけるセンサ401の動きを制約する。
図5および図6に示す例示的な実施形態は、電子アレイ光センサ401の各辺に1つずつ配置される4つのリニアモータを用いるが、他の実施形態は3つ以下のモータを含んでもよい。例えば、X−Y方向に沿う全般の動きは、電子アレイ光センサの隣接する2辺に近接して配置される2つのリニアモータのみを用いて達成されてもよい。1つの軸のみにおける振動が予期される用途では、単一のリニアモータを用いてその軸における動き補償を行ってもよい。
図7は、折り畳まれていない構成で示す回路キャリア702のより詳細な図である。サービスループ701は、回路キャリア702の主センサ取付部505を、接続部703および他のロジック取付部704に接続する。好ましくは、サービスループ701は、可撓性を最大にするために単一の回路層をそれぞれ有するフレックス回路領域である。他のロジック取付部704は、複数の回路層を含むことが好ましい場合があり、センサ401およびコイル506〜509と相互作用する回路を保持してもよい。このような回路は、センサ401用のタイミング発生器、コイル506〜509を流れる電流を制御する電力増幅器、バッファメモリ、モーションセンサ、または他の装置を含んでもよい。コネクタ705がさらに、回路キャリア702上の回路を、マイクロプロセッサシステム、不揮発性記憶装置、あるいは他の構成部品といった他のカメラサブシステムに接続する。コネクタ706が、接続部703の接続パッドを受け取るように構成される。別法として、接続パッドが他のロジック取付部704にはんだ付けされても、あるいは、別の種類の接続部を設けてもよい。
どの回路構成部品をどの回路キャリア部分に付けるかについては多くの他の変形が可能である。例えば、接続部703にロジックが取り付けられている場合のように、サービスループ701が、センサ取付部505を2つ以上の他のロジック取付部に接続してもよい。他のロジック取付部が互いに接続されても、あるいは別の回路基板に個別に接続されてもよい。
好ましくは、センサ401に関連する重要な制御信号およびデータ信号が、他のロジック取付部704に最も直接的に接続されたループ701を介してルーティングされ、そこでデジタル化、強化、または他の方法で処理されてもよい。このルーティングは、センサ401とインタフェース回路の間のトレース長を最小化し、よって、重要な信号に雑音が混入する機会を最小限にする。他のそれほど重要でない信号は、他のループを介して、接続部703を通って他のロジック取付部704へルーティングされてもよい。
サービスループ(余長ループ、弛み)701は、システムの可動アセンブリの質量中心(重心)のできるだけ近いところに、この質量中心を中心として対称に配置される。完全な回転対称性は要求されず、サービスループ701は、可動アセンブリの質量中心を通る直交軸を中心として実質的に鏡面対称であってもよい。(鏡面対称性を図7に示す。)回路キャリア702が図8の構成に折り畳まれると、サービスループ701がセンサ取付部505に作用する力はいずれも対称となり、よって、センサ取付部505のZ軸を中心とする大きな回転を生じない。他のロジック取付部704は動作中も固定されたままとなる一方で、サービスループ701は、X軸およびY軸におけるセンサ取付部505の平行移動を可能にし、よってセンサ401の平行移動も可能にする。図9Aは、1つのサービスループ701の公称位置(基準位置)における詳細図である。図9Bは、負のX方向にセンサ取付部505が動く際に、上述したのと同じサービスループが屈曲する様子を示し、図9Cは、センサ取付部505が負のY方向に動く際に、上述したのと同じサービスループが屈曲する様子を示す。
他のサービスループ構成も想定される。例えば、サービスループを2つだけ使用するシステムを用いてもよい。この2つのサービスループは、センサ取付部505の両側の縁部から出ていてもよい。
図10は、本発明の第2の例示的な実施形態によるセンサ取付システムの分解組立斜視図である。この例示的な実施形態では、略平坦なヒートシンク1001が回路キャリア・センサ取付部1002とセンサ1003の間に置かれる。ヒートシンク1001、回路キャリア・センサ取付部1002、およびセンサ1003は互いに取り付けられ、画像安定化中に1つのユニットとして動くようになっている。特に、ヒートシンク1001は、センサ1003の底面と密接しており、センサ1003からヒートシンク1001内への熱伝達が促進されようになっていることが好ましい。
図11は、図10の画像安定化機構の側面図である。プレート1004および1005は離間され、プレート1004に取り付けられた磁石1006と、プレート1005上の相補的な磁石との間で、ヒートシンク1001、回路キャリア・センサ取付部1002、およびセンサ1003を含むユニットが自由に動けるようになっている。好ましくは、ヒートシンク1001と磁石1006との間に0.1〜0.5ミリメートルの隙間を設けることができ、また、回路キャリア・センサ取付部1002と、プレート1004に取り付けられた磁石との間に同様の隙間を設けることができる。コイル1007〜1010は、回路キャリア・センサ取付部1002に取り付けられたワイヤコイルであっても、あるいはセンサ取付部1002の一部である回路トレースであってもよい。回路キャリア・センサ取付部1002は複数の回路層を含んでもよい。
各隙間に或る量の磁性流体が挿入される。この量は、磁石対と、ヒートシンク1001または回路キャリア・センサ取付部1002の近接表面との間の隙間を実質的に満たすのに十分な量である。磁性流体は、磁石間の最大磁束領域に自然に引き付けられ、その領域へ移動する際、ヒートシンク1001および回路キャリア・センサ取付部1002を含むユニットを磁石間の平衡Z位置へ押圧する。したがって、ヒートシンク1001およびセンサ取付部1002をZ軸において比較的強く保持する一方で、静止摩擦による妨げが実質的にないX軸およびY軸における動きを可能にする流体ベアリングが形成される。
磁性流体は、センサ1003から熱を除去するための改良された熱伝導経路も提供する。センサ1003の性能はその動作温度に依存する場合がある。例えば、センサ1003は、CCDセンサである場合、カメラが動作している時間のほとんどで熱を発生し、その暗騒音レベルはその動作温度と強く相関する。センサ1003から余剰熱を取り出して放散させることが望ましい。ヒートシンク1001は、熱伝導率の高い軽量の剛性または半剛性材料で作られることが好ましい。ヒートシンク1001の厚みは、画像安定化を行う制御システムの性能に及ぼす影響と、ヒートシンク1001の機械的剛性と、ヒートシンク1001の熱効率との間でバランスを取ることによって選択される。好ましくは、ヒートシンク1001は約0.5〜1.0ミリメートル厚であり、アルミニウムで作られる。
熱はセンサ1003の底面からヒートシンク1001内に伝達され、ヒートシンク1001によって低温エリアへ運ばれる。磁性流体1101は、プレート1004および1005に取り付けられた、通常はセンサ1003よりも低い温度で動作する磁石に熱伝導経路を提供する。プレート1004および1005が、既存の構成部品によって供給される熱質量に加えて、さらなる熱質量を提供してもよく、これに熱が流れ込み、最終的には、安定化機構を備えるカメラの本体を介して周囲環境へ放散される。熱質量という用語は、自身の温度は実質的に変わらずに比較的大量の熱エネルギーを吸収することができる材料を指す。
代替の例示的な一実施形態において、放熱機能は、回路キャリア・センサ取付部1002に含まれる伝導性材料の層によって提供される。例えば、センサ取付部1002が、複数の回路層を含むフレックス回路である場合、それらの層のうちの1つを、センサ1003からの熱伝導を促進する実質的に連続した銅シートの提供に充てることができる。別法として、センサ取付部1002上に熱伝導性のクラッド層を設けてもよい。さらに別の実施形態では、センサ取付部1002のいずれかの層または全ての層の回路トレース間の間隙エリアを回路トレース材料(通常は銅)で実質的に満たして、センサ取付部1002の熱伝導率を高めてもよい。充填材料は、能動回路トレースから電気的に絶縁されても、あるいは能動回路トレースを拡張することによって形成されてもよい。
図12は、図10の例示的なセンサ取付システムの、追加構成部品を示す図である。回路キャリア・センサ取付部1002の、電子アレイ光センサ1003とは反対の裏側にホール効果センサ1201および1202が取り付けられる。好ましくは、ホール効果センサ1201および1202は「アナログ」、あるいは「リニア」型センサである。アナログまたはリニアホール効果センサは、適切な駆動回路と接続されると、当該センサに作用する磁界の強度に比例した電圧を発生する。ホール効果センサは広く入手可能である。
検知(sense)磁石プレート1203が検知磁石対1204および1205を保持する。磁石プレート1203は鋼、または別の適切な磁性体から作られることが好ましい。磁石対1204および1205は、プレート1203に取り付けられ、プレート1203が組み立てられた位置にあり、回路キャリア・センサ取付部1002がその移動可能範囲の設計上の中心にある場合に、ホール効果センサ1201の検知要素が磁石対1204の中心の上に位置決めされ、ホール効果センサ1202の検知要素が磁石対1205の中心の上に位置決めされるように配置される。各ホール効果センサの検知要素はデバイスのパッケージよりも遥かに小さい。各磁石対は、N極が磁石プレート1203と逆側に面している永久磁石と、S極が磁石プレート1203と逆側に面している磁石とを1つずつ含む。
回路キャリア・センサ取付部1002がその移動可能範囲の中心にある場合に、各対のN磁石およびS磁石がそれに対応するホール効果センサに及ぼす影響は相殺される傾向があり、ホール効果センサが発生する電圧は基準値となる。磁石対1204およびホール効果センサ1201を例として用いると、回路キャリア・センサ取付部1002(ひいてはこのセンサ取付部1002に取り付けられたホール効果センサ1201)がX方向に動くにつれて、ホール効果センサ1201の検知要素は、磁石対1204の「S」磁石からの磁界により大きく影響されるようになり、その一方で「N」磁石の影響は小さくなる。ホール効果センサ1201が発生する電圧は、回路キャリア・センサ取付部1002が移動した距離に略比例して基準値から変化する。回路キャリア・センサ取付部1002が負のX方向に動くと、「N」磁石の支配力が大きくなり、ホール効果センサ1201が発生する電圧は、回路キャリア・センサ取付部1002の位置に略比例して逆方向に変化する。例えば、X方向への動きは電圧の上昇を生じることができ、その一方で負のX方向への動きは電圧の低下を生じることができる。
同様に、ホール効果センサ1202および磁石対1205は、回路キャリア・センサ取付部1002のY軸に沿う位置に関連する電圧を提供する。よって、ホール効果センサ1201および1202は、センサ取付部1002の位置を示すフィードバック信号を供給する。これらの位置フィードバック信号は、カメラの回転を測定し、カメラの回転を打ち消すように回路キャリア・センサ取付部1002(ひいてはセンサ1003)を駆動して画像安定化機能を提供する適切な制御システムによって用いられてもよい。
上述のように、回路キャリア・センサ取付部1002は、磁性流体ベアリングによってプレート1004および1005間で懸架される。画像安定化を行う制御システムの性能は、制御システムが動かすアセンブリの質量、リニアモータの特性、および磁性流体1101の粘性を含むいくつかの要因、ならびに他の要因に依存する。磁性流体1101の粘性はその温度に依存する。磁性流体1101の粘性は、比較的低温で高くなり、比較的高温で低くなる。したがって磁性流体1101は、温度が低いほど回路キャリア・センサ取付部1002の動きに対する抵抗が強くなり、より大きな制動を制御システムに提供する。
カメラは、広い温度範囲で動作する安定化システムを備え、その性能は、範囲内の全ての温度において略一定であることが望ましい。本発明の例示的な一実施形態によるカメラは、温度変動の影響をいくつかの方法のうちの1つで補償することができる。例えば、カメラは、制御システムの動的性能を特性化(characterize)し、この性能が公称性能から大きく逸脱すると、動作の一貫性を保つために、特性化に応答して少なくとも1つの制御システムパラメータを調整することができる。別法として、カメラは、その内部温度を測定し、温度がカメラの設計性能に及ぼす影響に関する以前の特性化に基づいて少なくとも1つの制御システムパラメータを変更してもよい。例えば、サーミスタのような温度検知要素をカメラの回路内に設計しても、あるいはカメラが、温度測定機能を内蔵した制御プロセッサを用いてもよい。最後に、カメラは、磁性流体を温め、よってその粘性を、ひいてはカメラの動的性能も基準条件に近づけることによって、温度の影響を補償することができる。
図13は、1つの運動軸において画像安定化を行う制御システムの簡略ブロック図である。例えば、図13の制御システムは、回路キャリア・センサ取付部1002をX軸に沿って動かし、Y軸を中心とするカメラの回転を補償することができる。対応する制御システム(図示せず)が、回路キャリア・センサ取付部1002をY軸に沿って動かすことによって、X軸を中心とするカメラの回転を補償する。ブロック1301において、カメラの回転を検知する。この検知は、加速度計、レートジャイロスコープ、または別の適切な装置を用いて達成することができる。変換ブロック1302において、検知装置の出力を、次の制御ループに適した単位および大きさに変換する。例えば、レートジャイロスコープを用いて回転を検知する場合、検知装置は、カメラの回転速度を示す信号を生成する。その場合、ブロック1302における変換は、信号を積分して、カメラの回転位置を示す信号を得ることを含むことになる。ブロック1302における変換はさらに、カメラレンズの焦点距離に基づいて位置信号をスケーリングし、次の制御ループの伝達利得特性およびダイナミックレンジに合わせて信号をスケーリングすることを含んでもよい。変換ブロック1302の出力は、測定されたカメラの回転を補償するために必要な、回路キャリア・センサ取付部1002の位置を指示する位置指令である。
差分器1303において、指令位置が、位置測定ブロック1304によって示されるような、回路キャリア・センサ取付部1002の実際の位置と比較される。位置測定ブロック1304は例えば、ホール効果センサ1201および磁石対1204を含んでもよい。差分器1303は、センサ取付部1002の位置に存在する誤差の大きさおよび方向を示す差信号1308を生成する。この差信号は、増幅器1305において増幅され、画像安定化装置(plant)1306に供給される。画像安定化装置1306は、画像安定化機構の動力学(dynamics)を表し、回路キャリア・センサ取付部1002を駆動するリニアモータ、センサ取付部1002の質量とそれに関連する回路、磁性流体1101によって生じる粘性摩擦、および他の項目を含む。画像安定化装置の出力はセンサ位置1307である。
差分器1303はデジタルで実施されることが好ましい。すなわち、好ましくは、変換ブロック1302および位置測定ブロック1304はアナログ/デジタル(A/D)変換器を備え、変換ブロック1302からの指令位置出力と、位置測定ブロック1304からの測定位置出力とは数値になっている。この場合、差分器1303の機能は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、あるいは同様のデジタルロジックにおいて実行されることが好ましい。増幅器1305も同様にデジタルで実施されてもよく、結果として得られる信号は、デジタル/アナログ(D/A)変換器を用いて、画像安定化装置1306を駆動するための信号に変換される。
温度変化が磁性流体1101の粘性に与える影響と、その結果として生じる制御システムの性能の変化とを補償するために有用な第1の技法において、制御システムを実施するロジックは、位置制御ループが標準化信号に依存するものとし、結果として得られるセンサ位置を監視することによって、システムの特性化(特性の検出、較正)をする。
図14は、自己特性化(self-characterization)を行うように構成された図13の制御システムを示す。図14において、ロジック1401は較正指令信号1402を生成する。較正指令信号は、ステップ指令であっても、あるいは正弦波や方形波のような周期信号であってもよい。好ましくは、この信号はデジタル形式である。ロジック1401は、位置測定ブロック1304の出力である実際の位置信号1403も受け取る。好ましくは、位置信号1403もまたデジタル形式である。位置信号1403を監視することによって、ロジック1401は、較正指令信号1402に対する位置制御ループの応答を測定することができる。
例えば、図15は、いくつかの異なる温度の例におけるステップ入力に対するシステムの応答の例を示す。トレース1501は、1変位単位の移動を指令するようにステップが正規化されたステップ入力を表す。曲線1502、1503、および1504はそれぞれ、常温、低温、および高温におけるシステムの応答の例を表す。磁性流体の粘性は低温で高くなるため、システムの応答は低温でよりゆっくりとなる。定時において、例えば図15の例では指令の0.2秒後にシステムが移動した量の、ステップ入力指令に対する割合を測定することによって、システムの応答性を判定することができる。別法として、ロジック1401は、ステップ応答をいくつかの時刻においてサンプリングし、システムの応答をより完全に特性化できるようにすることができる。
ステップ入力位置指令を用いるのに代えて、ロジック1401は、システムに周期的な較正指令信号1402を供給し、システムの周波数応答を測定することによってシステムの性能を特性化してもよい。例えば、正弦波較正指令信号1402は、概して正弦波の位置信号1403を結果として生じるが、位置信号1403は較正指令信号1402に対して位相シフトされ、制御システムの動力学(動的特性)と、正弦波較正指令信号1402の周波数との関数である振幅を持つ。図16は、異なる温度におけるシステムの周波数応答の例を示すボード線図である。曲線1601、1602、および1603はそれぞれ、常温、低温、および高温におけるシステムの周波数応答を表す。低温における磁性流体の粘性の増加は、位置信号1403の振幅を減衰させる傾向がある。システムに既知の周波数、例えば5ヘルツの正弦波入力を供給し、位置信号1403の対応する振幅に注目することによって、システムの応答性を特性化することができる。別法として、ロジック1401は、位置信号1403の振幅をいくつかの周波数においてサンプリングし、システムをより完全に特性化するようにするとともに、正弦波以外の周期的な較正指令信号を用いてもよい。例えば、較正指令信号1402は方形波であってもよい。
温度変化が磁性流体1101の粘性に及ぼす影響を補償するために有用な第2の技法において、制御システムは、システム性能を温度範囲にわたって比較的より一貫したものとするために、システムを特性化した結果に基づいて調整されてもよい。例えば、特性化が、低温でシステムが鈍くなったことを示す場合、制御システムを実施するロジックが増幅器1305の利得を増加させてもよい。高温では、磁性流体1101の粘性が低下し、制御システムの応答性が非常に高くなるため、「リンギング」と呼ばれることもある望ましくない振動が導入される。その場合、制御システムを実施するロジックは、増幅器1305の利得を低下させてもよい。
増幅器1305がデジタルで実施される場合、増減は、単純な数値の乗算により達成することができる。図17は、利得の増加が低温システムのシステム周波数応答に及ぼす影響を示す。曲線1701は、常温におけるシステムの周波数応答の例である。曲線1702は、低温における周波数応答(温度補償なし)の例である。曲線1703は、システムの利得を増加させることによって、低温システムのシステム周波数応答を調整し、常温での挙動に近づけることができることを示す。温度変動を補償するための例示的な方法において、ロジック1401は、事前に選択された周期的な較正指令信号1402に応答して位置信号1403の振幅を測定する。位置信号1403の振幅が通常の動作温度で予期される振幅と異なる場合、ロジック1401は、増幅器1305の利得を増減し、位置信号1403の振幅を再び測定し、この手順を、位置信号1403の振幅が常温動作で動作するシステムの振幅に近づくか、あるいは他の満足できるものとなるか、またはシステムの動作限界に達するまで必要に応じて繰り返すことができる。別法として、システムは、以前の実験から求められた事前選択の利得調整を適用してもよく、この利得調整は、特定の周波数応答測定値を補償するように選択される。
温度変化が磁性流体1101の粘性に及ぼす影響を補償するために有用な第3の技法において、制御システムは、システム性能を改善するために磁性流体1101の実際の温度を調整してもよい。例えば、図10および図11のセンサ取付システムにおいて、コイル1007〜1010は、磁性流体1101の層間に位置付けられ、磁性流体1101とは、ヒートシンク1001および回路キャリア・センサ取付部1002によってのみ離される。画像安定化を行う制御システムは、画像安定化プロセスの一部として、コイル1007〜1010を介して電流を供給するように構成される。コイル1007〜1010は、電流の流れに抵抗する銅または適切な銅合金から作られることが好ましい。結果として、いずれかのコイルを流れる電流はコイルに、エネルギーを熱の形で放散させる。この発熱効果を用いて、磁性流体1101の粘性を低下させ、画像安定化システムの性能を高めるために磁性流体1101を温めることができる。
例えば、システム性能が鈍いことが検出された場合、ロジック1401は、システム性能の特性化に基づいて推定される時間期間にわたってコイル1007〜1010に電流を流して、システム性能を常温で動作しているシステムと同様のレベルにするのに十分なだけ磁性流体を温める。別法として、システムは、事前に選択された時間にわたってコイル1007〜1010に電流を流し、システム性能を再特性化し、このプロセスを、システム性能が満足できるものになるまで、あるいは磁性流体の加熱に割り当てられるエネルギー量を使いきるまで繰り返してもよい。
コイルに流す電流は直流であっても交流であってもよい。直流は、回路キャリア・センサ取付部1002をその移動停止装置(移動制限部)に逆らって駆動することになる。制御システムの共振周波数未満の、または共振周波数に近い周波数の交流は、センサ取付部1002の振動を生じることになる。例えば、共振周波数の半分から共振周波数の2倍までの間の周波数は、共振周波数に近いと考えることができる。振動は、磁性流体1101に付加的な摩擦熱を生じる可能性があり、コイル1007〜1010からの熱を磁性流体1101により均一に分散させる役割を果たすことができるという点で利点を有する場合がある。より高い周波数の交流は、回路キャリア・センサ取付部1002の検出可能な動きをわずかに生じるか、あるいは生じない可能性がある。
図18は、本発明の別の例示的な実施形態によるセンサ取付システムの分解部分の斜視図である。図18の例示的な取付システムは特に小型である。磁石プレート1801が、1802の駆動磁石対を保持し、各対は、N極がプレート1801と逆側に面している磁石と、S極がプレート1801と逆側に面している磁石とを1つずつ含む。駆動磁石1802の複数対は、プレート1801の略矩形のエリア1803を取り囲む。エリア1803内には、検知磁石対1804および1805が取り付けられる。回路キャリア・センサ取付部1806はコイル1807〜1810を備える。これらのコイル1807〜1810は、回路キャリア・センサ取付部1806に含まれる回路トレースから形成されるため、センサ取付部1806に大きな厚みを加えない。
回路キャリア・センサ取付部1806にはホール効果センサ1811および1812も取り付けられる。ホール効果センサ1811および1812は、センサ取付部1806が設計位置にある場合に、センサ1811および1812の検知要素の中心がそれぞれ検知磁石対1804および1805上にあるように位置が定められる。電子アレイ光センサ1813は回路キャリア・センサ取付部1806上に乗り、ホール効果センサ1811および1812にまたがる。
回路キャリア・センサ取付部1806は、磁石プレート1801と第2のプレート1814の間に懸架される。この2つのプレートは、スペーサ1815によって離して保持されて、回路キャリア1806と磁石1802の間、ならびに回路キャリア1806と第2のプレート1814の間に隙間を維持できるようにする。プレート1814には、磁石が取り付けられていないが、鋼のような透磁性材料で作られ、磁石対1802の部材との間で磁気回路を完成させる役割を果たすようにする。したがって、コイル1807〜1810は磁束エリアに位置付けられる。よって、磁石1802、プレート1814、およびコイル1807〜1810は、回路キャリア・センサ取付部1806、ひいてはセンサ1813をX軸およびY軸において動かすリニアモータに含まれる。
回路キャリア・センサ取付部1806と磁石1802の間、およびセンサ取付部1806とプレート1814の間の隙間は、磁性流体で実質的に満たされ、この磁性流体は、磁束エリアに強く引き付けられて、回路キャリア・センサ取付部1806を磁石1802とプレート1814の間の平衡Z位置に保つ役割を果たす。図19は、図18のセンサ取付システムを組み立てた状態で示す。図19ではモータの隙間内の磁性流体を要素1901として示す。磁性流体1901は、回路キャリア・センサ取付部1806をZ軸において制約するが、センサ取付部1806がX軸およびY軸において実質的に静止摩擦を受けずに動くことを可能にする流体ベアリングを形成する。
代替的な配置では、ホール効果センサおよび検知磁石の位置を入れ替えて、検知磁石が可動アセンブリに含まれ、ホール効果センサがカメラの残りの部分に対して固定されるようにしてもよい。いずれの配置においても、2つのホール効果センサおよび2対の検知磁石という全装備を必要としない用途を想定することができる。最小限では、用途によっては、少なくとも1つのホール効果センサおよび少なくとも1つの検知磁石で十分である場合もある。
図20および図21は、図18および図19のセンサ取付システム内のセンサ1813を放熱する技法を示す。センサ1813とセンサ取付部1806の間に熱伝導体2001が配置される。熱伝導体2001は、センサ1813と密接するほどセンサ取付部1806から十分に遠くまで延びる。熱伝導体2001は、熱伝導性材料、好ましくはアルミニウムで作られる。
図21に示すように、センサ取付部1806と検知磁石対1804および1805との間に或る量の磁性流体2101を入れる。(磁性流体2101をより見やすくするために、モータの隙間内の磁性流体1901は図21には示さない。)よって、センサ1813の動作により発生する熱に対して熱伝導経路が設けられる。熱は、熱伝導体2001を通り、センサ取付部1806を通り、磁性流体2101を通り、検知磁石対1804および1805を通って、プレート1801に流れ込むことができる。プレート1801は、蓄熱体としての役割を果たし、熱の放散を促す。検知磁石対1804および1805内の磁石と、センサ取付部1806との間には隙間が設けられる。磁性流体2101は、検知磁石対1804および1805が発生する磁束によって隙間に引き付けられ、画像安定化中にセンサ取付部1806の動きを実質的に妨げない。
なお、本発明は例として次の態様を含む。( )内の数字は添付図面の参照符号に対応する。
[1] 画像安定化を実現するセンサ取付システムであって、
略平坦な回路キャリア・センサ取付部(505)を備える回路キャリア(702)と、
前記回路キャリア・センサ取付部(505)上に取り付けられる電子アレイ光センサ(401)と、
前記略平坦な回路キャリア・センサ取付部(505)を前記回路キャリア・センサ取付部(505)の平面に略平行な方向に平行移動させる少なくとも1つのリニアモータと、
前記回路キャリア・センサ取付部(505)上の回路と他の回路の間で信号を伝達する少なくとも2つの可撓性サービスループ(701)であって、前記他の回路は、前記リニアモータのステータに対して固定された位置関係にある、サービスループ(701)と、
を備えることを特徴とする、画像安定化を実現するセンサ取付システム。
[2] 前記サービスループ(701)は、前記回路キャリア・センサ取付部(505)から、前記リニアモータが動かすアセンブリの質量中心を中心として略対称な場所から延伸することを特徴とする上記[1]に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
[3] 前記サービスループ(701)は、前記アセンブリが、前記回路キャリア・センサ取付部(505)の平面に直交する軸を中心として大きな回転を生じることなく、前記回路キャリア・センサ取付部(505)の平面に略平行な方向に沿って比較的自由に平行移動することが可能になるように構成されることを特徴とする上記[1]に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
[4] 前記サービスループ(701)のそれぞれは、フレックス回路の単一回路層部分であり、より大きなフレックス回路が前記回路キャリア・センサ取付部(505)および前記回路キャリア(702)を含むことを特徴とする上記[1]に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
[5] 前記回路キャリア・センサ取付部(505)は、他のロジック取付部(704)および接続部(703)も含むフレックス回路の一部であり、
前記サービスループ(701)の第1の組は、前記回路キャリア・センサ取付部(505)と前記他のロジック取付部(704)の間で信号を伝達し、
前記サービスループ(701)の第2の組は、前記回路キャリア・センサ取付部(505)と前記接続部(703)との間で信号を伝達するように構成されることを特徴とする上記[1]に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
[6] 前記他のロジック取付部(704)および前記接続部(703)は、互いに接続するように構成されることを特徴とする上記[5]に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
[7] 前記少なくとも1つのリニアモータは、前記リニアモータのステータと可動部材の間に隙間を含み、前記隙間は磁性流体(601)で実質的に満たされることを特徴とする上記[1]に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
[8] センサを取り付けるための可撓性回路であって、
略平坦なセンサ取付部(505)と、
前記センサ取付部(505)上に取り付けられた回路と他の回路の間で信号を伝達する少なくとも2つの可撓性サービスループ(701)であって、前記センサ取付部(505)の中心を中心として略対称な場所から延伸するサービスループ(701)と
を備え、
前記他の回路は固定的に保持され、前記サービスループ(701)は、前記センサ取付部(505)の平面に略直交する軸を中心として前記センサ取付部(505)が大きな回転を生じることなく、前記センサ取付部(505)の平面に略平行な方向に沿って前記センサ取付部(505)の平行移動が可能になるように構成されることを特徴とする、センサを取り付けるための可撓性回路。
[9] 前記サービスループ(701)はフレックス回路の単一回路層部分であることを特徴とする上記[8]に記載のセンサを取り付けるための可撓性回路。
[10] 他のロジック取付部(704)と、
接続部(703)と
をさらに備え、
前記サービスループ(701)の第1の組は、前記センサ取付部(505)と前記他のロジック取付部(704)の間で信号を伝達し、
前記サービスループ(701)の第2の組は、前記センサ取付部(505)と前記接続部(703)の間で信号を伝達するように構成されることを特徴とする上記[8]に記載のセンサを取り付けるための可撓性回路。
[11] 前記他のロジック取付部(704)および前記接続部(703)は、互いに接続するように構成されることを特徴とする上記[10]に記載のセンサを取り付けるための可撓性回路。
[12] 略平坦な回路キャリア・センサ取付部(505)を備える回路キャリア(702)と、
前記回路キャリア・センサ取付部(505)上に取り付けられる電子アレイ光センサ(401)と、
前記電子アレイ光センサ(401)上にシーン像を投影するレンズ(201)と、
前記回路キャリア・センサ取付部(505)上の回路と他の回路の間で信号を伝達する少なくとも2つの可撓性サービスループ(701)であって、前記他の回路は、前記レンズ(201)に対して固定された位置関係にある、サービスループ(701)と、
を備えることを特徴とするカメラ。
[13] 前記サービスループ(701)は、前記回路キャリア・センサ取付部(505)から、前記電子アレイ光センサ(401)を含むアセンブリの質量中心を中心として略対称な場所から延伸することを特徴とする上記[12]に記載のカメラ。
[14] 前記サービスループ(701)は、前記アセンブリが、前記回路キャリア・センサ取付部(505)の平面に直交する軸を中心とする前記アセンブリの大きな回転を生じることなく、前記回路キャリア・センサ取付部(505)の平面に略平行な方向に沿って比較的自由に平行移動することが可能に構成されることを特徴とする上記[13]に記載のカメラ。
[15] 前記サービスループ(701)のそれぞれは、フレックス回路の単一回路層部分であり、より大きなフレックス回路が前記回路キャリア・センサ取付部(505)および前記サービスループ(701)を含むことを特徴とする上記[12]に記載のカメラ。
[16] 前記回路キャリア・センサ取付部(505)は、他のロジック取付部(704)および接続部(703)も含むフレックス回路の一部であり、
前記サービスループ(701)の第1の対は、前記回路キャリア・センサ取付部(505)と前記他のロジック取付部(704)の間で信号を伝達し、
前記サービスループ(701)の第2の対は、前記回路キャリア・センサ取付部(505)と前記接続部(703)の間で信号を伝達するように構成されることを特徴とする上記[12]に記載のカメラ。
[17] カメラ内にセンサを取り付ける方法であって、
回路キャリア(702)の略平坦な回路キャリア・センサ取付部(505)上に電子アレイ光センサ(401)を取り付けることと、
前記回路キャリア(702)から少なくとも2つのサービスループ(701)を延伸させることであって、前記サービスループ(701)は前記回路キャリア・センサ取付部(505)から他の回路へ信号を伝達する、延伸させることと、
前記サービスループ(701)を屈曲させることであって、前記他の回路が固定して保持された状態で、前記サービスループ(701)は、回路キャリア取付部(505)に略直交する軸を中心とする前記回路キャリア・センサ取付部(505)の大きな回転を生じることなく、前記回路キャリア・センサ取付部(505)の平面に略平行な前記回路キャリア・センサ取付部(505)の相対的な妨げのない動きを可能にするようにする、屈曲させることと
を含むことを特徴とする、カメラ内にセンサを取り付ける方法。
[18] 前記サービスループ(701)は単一回路層フレックス回路であることを特徴とする上記[17]に記載のカメラ内にセンサを取り付ける方法。
[19] より大きなフレックス回路が前記回路キャリア・センサ取付部(505)および前記サービスループ(701)を含むことを特徴とする上記[17]に記載のカメラ内にセンサを取り付ける方法。
デジタルカメラの概略ブロック図である。 デジタルカメラの斜視図であり、カメラの動きを説明するのに都合の良い座標系を示す。 図2のカメラの概略上面図であり、カメラの回転がどのように像ブレを生じ得るかを示す。 本発明の例示的な一実施形態によるセンサ取付システムを備えるカメラの破断概略斜視図である。 本発明の例示的な一実施形態によるサスペンションアセンブリの部分的な分解組立斜視図である。 組み立てた状態の図5のサスペンションアセンブリの側面図である。 本発明の例示的な一実施形態による回路キャリアを折り畳まれていない構成で示す図である。 図7の回路キャリアを折り畳んだ構成で示す図である。 図7の回路キャリアのサービスループの基準位置における屈曲を示す図である。 図7の回路キャリアのサービスループの、回路キャリアの一部が基準位置から変位した際の屈曲を示す図である。 図7の回路キャリアのサービスループの、回路キャリアの一部が基準位置から変位した際の屈曲を示す図である。 本発明の第2の例示的な実施形態によるセンサ取付システムの部分的な分解組立斜視図である。 図10の画像安定化機構の側面図である。 図10の例示的なセンサ取付システムの、追加構成部品を示す図である。 1つの運動軸において画像安定化を行う制御システムの概略ブロック図である。 図13の制御システムが自己特性化を行うように構成される様子を示す図である。 いくつかの異なる温度の例におけるステップ入力に対する図13の制御システムの応答の例を示す図である。 異なる温度における図13の制御システムの周波数応答の例を示すボード線図である。 図13に示す制御システムの低温での周波数応答に対して利得増加が及ぼす影響を示す図である。 本発明の別の例示的な実施形態によるセンサ取付システムの部分的な分解組立斜視図である。 図18のセンサ取付システムを組み立てた状態で示す図である。 図18および図19のセンサ取付システムにおいてセンサを放熱する技法を示す図である。 図18および図19のセンサ取付システムにおいてセンサを放熱する技法を示す図である。
符号の説明
101 レンズ
103 光センサアレイ
200、400 カメラ
203 センサ
401 電子アレイ光センサ
402 サスペンション光アセンブリ
501、503 プレート
502、1006、1802 磁石
504 スペーサスタッド
505、1806 回路キャリア・センサ取付部
506〜509、1007〜1010、1807〜1810 コイル
601 磁性流体
701 サービスループ(余長ループ)
704 ロジック取付部
1001 ヒートシンク
1004、1005 プレート
1201、1202、1811、1812 ホール効果センサ
1203 検知磁石プレート
1204、1205、1804、1805 検知磁石対
1302 変換ブロック
1303 差分器
1304 位置測定
1305 増幅器
1306 画像安定化装置
1307 センサ位置
1401 ロジック
1402 較正指令信号

Claims (17)

  1. 画像安定化を実現するセンサ取付システムであって、
    略平坦な回路キャリア・センサ取付部を備える回路キャリアと、
    前記回路キャリア・センサ取付部上に取り付けられる電子アレイ光センサと、
    前記略平坦な回路キャリア・センサ取付部を前記回路キャリア・センサ取付部の平面に略平行な方向に平行移動させる少なくとも1つのリニアモータと、
    前記回路キャリア・センサ取付部上の回路と他の回路の間で信号を伝達する少なくとも2つの可撓性サービスループと、
    前記回路キャリア・センサ取付部の略同一平面上にあり、前記他の回路を有する略平坦なロジック取付部とを備え
    前記少なくとも2つの可撓性サービスループのうちの第1の可撓性サービスループと第2の可撓性サービスループとは、前記回路キャリア・センサ取付部から、前記リニアモータが動かすアセンブリの質量中心を中心として略対称な場所から延伸し、
    前記第1の可撓性サービスループは、前記ロジック取付部の第1の端部に接続し、
    前記ロジック取付部が前記電子アレイ光センサと近接する位置に折り畳まれる状態では、前記他の回路は、前記リニアモータのステータに対して固定された位置関係にあり、前記第2の可撓性サービスループが前記ロジック取付部の第2の端部に接続し、前記第1、2の可撓性サービスループがそれぞれ前記回路キャリア・センサ取付部及び前記ロジック取付部の外側で折り畳まれることを特徴とする、画像安定化を実現するセンサ取付システム。
  2. 前記第1、2の可撓性サービスループは、前記アセンブリが、前記回路キャリア・センサ取付部の平面に直交する軸を中心として大きな回転を生じることなく、前記回路キャリア・センサ取付部の平面に略平行な方向に沿って平行移動することが可能になるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
  3. 前記第1、2の可撓性サービスループのそれぞれは、フレックス回路の単一回路層部分であり、より大きなフレックス回路が前記回路キャリア・センサ取付部および前記回路キャリアを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
  4. 前記回路キャリア・センサ取付部は、前記ロジック取付部および前記ロジック取付部の前記第2の端部の接続部も含むフレックス回路の一部であり、
    前記第1の可撓性サービスループは、前記回路キャリア・センサ取付部と前記ロジック取付部の間で信号を伝達し、
    前記第2の可撓性サービスループは、前記回路キャリア・センサ取付部と前記接続部との間で信号を伝達するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
  5. 前記ロジック取付部および前記接続部は、互いに接続するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
  6. 前記少なくとも1つのリニアモータは、前記リニアモータのステータと可動部材の間に隙間を含み、前記隙間は磁性流体で実質的に満たされることを特徴とする請求項1に記載の画像安定化を実現するセンサ取付システム。
  7. センサを取り付けるための可撓性回路であって、
    略平坦なセンサ取付部と、
    前記センサ取付部を、前記センサ取付部の平面に略平行な方向に平行移動させる少なくとも1つのリニアモータと、
    前記センサ取付部上に取り付けられた回路と他の回路の間で信号を伝達する少なくとも2つの可撓性サービスループであって、前記センサ取付部から、前記センサ取付部の中心を中心として略対称な場所から延伸する前記少なくとも2つの可撓性サービスループと、
    前記センサ取付部の略同一平面上にあり、前記他の回路を有する略平坦なロジック取付部とを備え、
    前記少なくとも2つの可撓性サービスループのうちの第1の可撓性サービスループは、前記ロジック取付部の第1の端部に接続し、
    前記ロジック取付部が前記センサ取付部上の電子アレイ光センサと近接する位置に折り畳まれる状態では、前記他の回路は、前記リニアモータのステータに対して固定された位置関係にあり、前記少なくとも2つの可撓性サービスループのうちの第2の可撓性サービスループが前記センサ取付部と前記ロジック取付部の第2の端部とを接続し、前記第1及び2の可撓性サービスループがそれぞれ前記キャリア・センサ取付部及び前記ロジック取付部の外側で折り畳まれ、
    前記第1及び第2の可撓性サービスループによって、前記センサ取付部の平面に略直交する軸を中心として前記センサ取付部が大きな回転を生じることなく、前記センサ取付部の平面に略平行な方向に沿って前記センサ取付部の平行移動が可能になることを特徴とする、センサを取り付けるための可撓性回路。
  8. 前記第1、第2の可撓性サービスループはフレックス回路の単一回路層部分であることを特徴とする請求項7に記載のセンサを取り付けるための可撓性回路。
  9. 前記ロジック取付部の前記第2の端部の接続部をさらに備え、
    前記第1の可撓性サービスループは、前記センサ取付部と前記ロジック取付部の間で信号を伝達し、
    前記第2の可撓性サービスループは、前記センサ取付部と前記接続部の間で信号を伝達するように構成されることを特徴とする請求項7に記載のセンサを取り付けるための可撓性回路。
  10. 前記ロジック取付部および前記接続部は、互いに接続するように構成されることを特徴とする請求項9に記載のセンサを取り付けるための可撓性回路。
  11. 略平坦な回路キャリア・センサ取付部を備える回路キャリアと、
    前記回路キャリア・センサ取付部上に取り付けられる電子アレイ光センサと、
    前記略平坦な回路キャリア・センサ取付部を前記回路キャリア・センサ取付部の平面に略平行な方向に平行移動させる少なくとも1つのリニアモータと、
    前記電子アレイ光センサ上にシーン像を投影するレンズと、
    前記回路キャリア・センサ取付部上の回路と他の回路の間で信号を伝達する少なくとも2つの可撓性サービスループと、
    前記回路キャリア・センサ取付部の略同一平面上にあり、前記他の回路を有する略平坦なロジック取付部とを備え、
    前記少なくとも2つの可撓性サービスループのうちの第1の可撓性サービスループと第2の可撓性サービスループとは、前記回路キャリア・センサ取付部から、前記電子アレイ光センサを含むアセンブリの質量中心を中心として略対称な場所から延伸し、
    前記第1の可撓性サービスループは、前記ロジック取付部の第1の端部に接続し、
    前記ロジック取付部が前記電子アレイ光センサと近接する位置に折り畳まれる状態では、前記他の回路は、前記リニアモータのステータに対して固定された位置関係にあり、前記第2の可撓性サービスループが前記ロジック取付部の第2の端部に接続し、前記第1及び2の可撓性サービスループがそれぞれ前記キャリア・センサ取付部及び前記ロジック取付部の外側で折り畳まれることを特徴とするカメラ。
  12. 前記第1、2の可撓性サービスループは、前記アセンブリが、前記回路キャリア・センサ取付部の平面に直交する軸を中心とする前記アセンブリの大きな回転を生じることなく、前記回路キャリア・センサ取付部の平面に略平行な方向に沿って平行移動することが可能に構成されることを特徴とする請求項11に記載のカメラ。
  13. 前記第1、第2の可撓性サービスループのそれぞれは、フレックス回路の単一回路層部分であり、より大きなフレックス回路が前記回路キャリア・センサ取付部および前記サービスループを含むことを特徴とする請求項11に記載のカメラ。
  14. 前記回路キャリア・センサ取付部は、前記ロジック取付部および前記ロジック取付部前記第2の端部の接続部も含むフレックス回路の一部であり、
    前記第1の可撓性サービスループは、前記回路キャリア・センサ取付部と前記ロジック取付部の間で信号を伝達し、
    前記第2の可撓性サービスループは、前記回路キャリア・センサ取付部と前記接続部の間で信号を伝達するように構成されることを特徴とする請求項11に記載のカメラ。
  15. カメラ内にセンサを取り付ける方法であって、
    回路キャリアの略平坦な回路キャリア・センサ取付部上に電子アレイ光センサを取り付けることと、
    前記略平坦な回路キャリア・センサ取付部を前記回路キャリア・センサ取付部の平面に略平行な方向に平行移動させる少なくとも1つのリニアモータを設けることと、
    少なくとも2つの可撓性サービスループが前記回路キャリア・センサ取付部から他の回路へ信号を伝達するように、前記少なくとも2つの可撓性サービスループのうちの第1の可撓性サービスループと第2の可撓性サービスループとを、前記回路キャリア・センサ取付部から、前記リニアモータが動かすアセンブリの質量中心を中心として略対称な場所から延伸させることと、
    前記回路キャリア・センサ取付部の略同一平面上に、前記他の回路を有する略平坦なロジック取付部を設けることと、
    前記第1の可撓性サービスループを、前前記ロジック取付部の第1の端部に接続することとを含み、
    前記ロジック取付部が前記電子アレイ光センサと近接する位置に折り畳まれる状態では、前記他の回路は、前記リニアモータのステータに対して固定された位置関係にあり、前記第2の可撓性サービスループが前記ロジック取付部の第2の端部に接続し、前記第1及び2の可撓性サービスループがそれぞれ前記キャリア・センサ取付部及び前記ロジック取付部の外側で折り畳まれ、
    前記他の回路が固定して保持された状態で、前記第1、2の可撓性サービスループは、回路キャリア取付部に略直交する軸を中心とする前記回路キャリア・センサ取付部の大きな回転を生じることなく、前記回路キャリア・センサ取付部の平面に略平行な前記回路キャリア・センサ取付部の相対的な妨げのない動きを可能にすることを特徴とする、カメラ内にセンサを取り付ける方法。
  16. 前記第1、第2の可撓性のサービスループは単一回路層フレックス回路であることを特徴とする請求項15に記載のカメラ内にセンサを取り付ける方法。
  17. より大きなフレックス回路が前記回路キャリア・センサ取付部および前記第1、2の可撓性サービスループを含むことを特徴とする請求項15に記載のカメラ内にセンサを取り付ける方法。
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