JP4315582B2 - Co−Ni基耐熱合金およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Co−Ni基耐熱合金およびその製造方法、詳細にはエンジン排気系、ガスタービン周辺などの高温に曝される部位で使用されるばね、ボルトなどに使用されるCo−Ni基耐熱合金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジン排気系、ガスタービン周辺などの高温にさらされる部位で使用される耐熱部品は、インコネル X−750(Ni:73.0%、Cr:15.0%、Al:0.8%、Ti:2.5%、Fe:6.8%、Mn:0.70%、Si:0.25%、C:0.04、Nb+Ta:0.9%)、インコネル 718(Ni:53.0%、Cr:18.6%、Mo:3.1%、Al:0.4%、Ti:0.9%、Fe:18.5%、Mn:0.20%、Si:0.18%、C:0.04、Nb+Ta:5.0%)などのNi基超耐熱合金を用いて製造されていた。
【0003】
これらのNi基超耐熱合金は、γ′( Ni3(Al,Ti,Nb) およびγ′′(Ni3Nb) を析出させることによって強化するものである。しかし、600℃以上の高温で長時間使用すると、過時効によりγ′およびγ′′が粗大化して強度が低下するという欠点があった。また、ばね、ボルトなどの常に応力がかかっている部品では応力緩和が大きく、本来の部品に要求される性能が保持できなくなってしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記Ni基超耐熱合金より高強度であるとともに、高温で長時間使用しても強度の低下が小さい耐熱合金およびその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは、Ni基超耐熱合金より高強度であり、高温で長時間使用しても強度の低下が小さい耐熱合金について種々調査、研究をしていたところ、耐熱合金としてCo−Ni−Cr系合金があること、このCo−Ni−Cr系合金は、積層欠陥エネルギーが非常に低いため冷間または温間加工を施すことにより、Mo,Fe,Nbなどの溶質元素が拡張転位の積層欠陥に偏析して転位運動を妨げるため、高い加工硬化能が発現すること、冷間または温間加工に続いて加工ひずみを残留させたまま時効するとなお一層強化することができるとの知見を得た。
【0006】
また、上記のような強化機構をもつ合金として特開平10─140279号公報に記載されている合金などがあるが、高温強度がまだ十分でないので、この合金のMo,Fe,Nbなどの溶質元素を増量して強化を図るとσ相が析出してしまい加工性および靱性が低下してしまうこと、その対策としてCrを750℃以下の耐熱環境で使用するのに必要な最低限レベルにすれば、Mo,Fe,Nbなどの溶質元素を増量してもσ相の析出を抑制することができること、Wを添加することで、さらに高強度化が可能であることなどの知見を得た。
本発明は、これらの知見に基づいて発明をされたものである。
【0007】
すなわち、本発明のCo−Ni基耐熱合金においては、C:0.02%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Ni:27〜45%、Cr:14.5〜18未満%、MoとWの1種または2種でMo+1/2 W:9〜20%、Ti:0.1〜3.0%、Nb:0.1〜5.0%およびFe:0.1〜5.0%を含有し、残部がCoおよび不可避的不純物からなるものとすることである。
【0008】
さらに、本発明のCo−Ni基耐熱合金においては、C:0.02%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Ni:27〜45%、Cr:14.5〜18未満%、MoとWの1種または2種でMo+1/2 W:9〜20%、Ti:0.1〜3.0%、Nb:0.1〜5.0%およびFe:0.1〜5.0%を含有し、更にREM(Y,Ce、ミッシュメタルなどの希土類元素の1種または2種以上):0.007〜0.10%を含有し、必要に応じてB:0.001〜0.010%、Mg:0.0007〜0.010%およびZr:0.001〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がCoおよび不可避的不純物からなるものとすることである。
【0009】
また、本発明のCo−Ni基耐熱合金においては、C:0.02%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Ni:27〜45%、Cr:14〜18未満%、MoとWの1種または2種でMo+1/2 W:9〜20%、Ti:0.1〜3.0%、Nb:0.1〜5.0%およびFe:0.1〜5.0%を含有し、更にB:0.001〜0.010%、Mg:0.0007〜0.010%およびZr:0.001〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がCoおよび不可避的不純物からなるものとすることである。
【0010】
また、本発明のCo−Ni基耐熱合金の製造方法においては、上記成分組成のCo−Ni基耐熱合金を1000〜1200℃で固溶化熱処理を施した後または上記温度での熱間加工を施した後、加工率40%以上の冷間または温間加工を施し、その後500〜800℃で0.1〜50時間の時効熱処理を施すことである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のCo−Ni基耐熱合金およびその製造方法において成分組成を上記のように限定した理由を説明する。
C:0.02%以下
Cは、NbやTiと結合して炭化物を形成し、固溶化熱処理時の結晶粒の粗大化を防止するとともに、粒界の強化に寄与するので、そのために含有する元素である。それらの効果を得るためには、好ましくは0.005%以上含有させる必要があるが、0.02%より多く含有させると靱性および耐食性を低下させるともに、転位を固着させる元素、例えばMoと炭化物を形成するので、結果として転位の固着効果を阻害することになるので、その含有量を0.02%以下とする。好ましい範囲は0.005〜0.02%である。
【0012】
Si:0.5%以下
Siは、脱酸剤として有効であるので、そのために含有させる元素であるが、0.5%、好ましくは0.3%を超えて含有させると靱性を低下させるので、その含有量を0.5%以下とする。好ましい含有量は0.3%以下である。
【0013】
Mn:1.0%以下
Mnは、脱酸剤として有効であり、また積層欠陥エネルギーを低下させて加工硬化能を向上させるので、それらのために含有させる元素である。それらの効果を得るには、好ましくは0.25%以上含有させる必要があるが、1.0%、好ましくは0.7%を超えて含有させると、耐食性を低下させるので、その含有範囲を1.0%以下とする。好ましい範囲は0.25〜0.7%である。
【0014】
Ni:27〜45%
Niは、マトリックスであるオーステナイトを安定化させる元素であり、合金の耐熱性および耐食性を向上させるので、それらのために含有させる元素である。それらの効果を得るには27%以上含有させる必要があるが、45%、好ましくは33%を超えると加工硬化能を低下させるので、その含有範囲を27〜45%とする。好ましい範囲は27〜33%である。
【0015】
Cr:14.5〜18未満%
Crは、耐熱性および耐食性を改善させるので、それらのために含有させる元素である。それらの効果を得るには14.5%以上含有させる必要があるが、18%以上、好ましくは17%を超えるとσ相を析出しやすくなるので、その含有範囲を14.5〜18未満%とする。好ましい範囲は14.5〜17%である。
【0016】
Mo+1/2W:9〜20%
MoおよびWは、マトリックスに固溶してこれを強化し、加工硬化能を向上させるので、そのために含有させる元素である。その効果を得るためには9%以上含有させる必要があるが、20%、好ましくは16%を超えるとσ相が析出するので、その含有範囲を9〜20%とする。好ましい範囲は9〜16%である。
【0017】
Ti:0.1〜3.0%
Tiは、強度を向上させるので、そのために含有させる元素である。その効果を得るためには0.1%、好ましくは0.5%以上含有させる必要があるが、3.0%、好ましくは1.8%を超えるとη相(Ni3 Ti)を析出して加工性および靱性を低下させるので、その含有範囲を0.1〜3.0%とする。好ましい範囲は0.5〜1.8%である。
【0018】
Nb:0.1〜5.0%
Nbは、Cと結合して炭化物を形成して固溶化熱処理時の結晶粒の粗大化を防止するとともに、粒界の強化に寄与し、またマトリックスに固溶してこれを強化させ、加工硬化能を向上させるので、それらのために含有させる元素である。それらの効果を得るには0.1%、好ましくは0.5%以上含有させる必要があるが、5.0%、好ましくは3.5%を超えるとδ相(Ni3 Nb)を析出して加工性および靱性を低下させるので、その含有範囲を0.1〜5.0%とする。好ましい範囲は0.5〜3.5%である。
【0019】
Fe:0.1〜5.0%
Feは、マトリックスに固溶してこれを強化するので、そのために含有させる元素である。その効果を得るためには0.1%、好ましくは0.5%以上含有させる必要があるが、5.0%、好ましくは3.3%を超えると耐酸化性を低下させるので、その含有範囲を0.1〜5.0%とする。好ましい範囲は0.5〜3.3%である。
なお、MoとNbとFeを複合して用いれば、MoとNb、MoとFeの複合で用いるよりマトリックスの固溶強化と加工硬化を著しく増大させ、室温および高温において得られる引張最大強度を著しく高め、また高温における引張強度の極大が現れる温度を高温に移行させる効果も大きい。
【0020】
REM:0.007〜0.10%
Y,Ce、ミッシュメタルなどの希土類元素の1種または2種以上であるREMは、熱間加工性および耐酸化性を向上させるので、それらのために含有させる元素である。それらの効果を得るには、0.007%、好ましくは0.01%以上必要であるが、0.10%、好ましくは0.04%を超えると逆に熱間加工性および耐酸化性を低下させるので、その含有範囲を0.007〜0.10%とする。好ましい範囲は0.01〜0.04%である。
【0021】
B:0.001〜0.010%、Mg:0.0007〜0.010%、Zr:0.001〜0.20%
B,MgおよびZrは、熱間加工性を向上させるとともに、粒界を強化するので、それらのために含有させる元素である。それらの効果を得るには、Bを0.001%、好ましくは0.002%、Mgを0.0007%、好ましくは0.001%、Zrを0.001%、好ましくは0.01%を含有させる必要があるが、Bを0.010%、好ましくは0.004%、Mgを0.010%、好ましくは0.003%、Zrを0.20%、好ましくは0.03%を超えて含有させると逆に熱間加工性および耐酸化性を低下させるので、その含有範囲を上記のとおりとする。好ましい範囲はBが0.002〜0.004%、Mgが0.001〜0.003%、Zrが0.01〜0.03%である。
【0022】
Co:残部
Coは、最密六方格子であるが、Niを含有させることにより面心立方格子、すなわちオーステナイトとなり、高い加工硬化能を示す。
【0023】
次に、本発明のCo−Ni基耐熱合金の製造方法ならびに熱処理および加工条件を上記のとおりに限定した理由を説明する。
本発明のCo−Ni基耐熱合金の製造方法は、上記成分組成のCo−Ni基耐熱合金を冷間または温間加工で導入した拡張転位間の積層欠陥にMoなどの溶質原子を偏析させて転位運動を妨げることで転位の回復を抑制することによって強化させるものである。そのため、本発明のCo−Ni基耐熱合金材の製造方法においては、上記Co−Ni基耐熱合金を1000〜1200℃で固溶化熱処理を施して組織を均質にし、もしくは1000℃以上の温度での熱間加工により結晶粒の微細化を図った後、加工率40%以上の冷間または温間加工を施して大量の転位を導入し加工硬化させる。また温間加工は固溶化熱処理または熱間加工後の冷却過程で行うことも可能である。その後500〜800℃で0.1〜50時間の時効熱処理をし、Mo、Feなどの溶質原子を拡張した転位の半転位間に形成された積層欠陥に偏析させて転位運動を妨げることで応力緩和、すなわち転位の回復を抑制する。
【0024】
上記Co−Ni基耐熱合金の製造方法において、固溶化熱処理または熱間加工を1000〜1200℃で行うのは、1000℃より低いと十分均質にならないばかりでなく、硬度も低くならず、加工が難しい。さらに転位の固着効果に寄与するMoなどの化合物の析出、それに起因する時効硬化性を低減させるおそれがある。また1200℃を超えると結晶粒が粗大化して靱性および強度が低下するからである。
【0025】
さらに、固溶化熱処理をした後または熱間加工をした後加工率40%以上の冷間または温間加工を施しているのは、表3および図1に示すように40%より低いとMo,Feなどの溶質元素が拡張転位の積層欠陥に偏析して転位運動を妨げることによる高い加工硬化能が発現しないし、またクリープ伸びが大きくなるからである。
また、加工率40%以上の冷間または温間加工を施した後500〜800℃で0.1〜50時間の時効熱処理を施しているのは、表4および図2に示すように500℃より低く、また0.1時間より短いと十分強度が上昇せず、また800℃を超え、また50時間を超えると転位が回復して硬度および強度が低下し、クリープ伸びが大きくなるからである。
【0026】
本発明のCo−Ni基耐熱合金の製造方法の一例は、真空高周波誘導炉などを用いて通常の方法で溶製し、通常の鋳造方法で鋳造してインゴットを製造する。その後熱間加工をし、1000〜1200℃で固溶化熱処理を施した後、加工率40%以上の冷間または温間加工を施し、その後500〜800℃で0.1〜50時間の時効熱処理を施すことである。
また、本発明のCo−Ni基耐熱合金の用途は、エンジンの排気マニホールドなどの排気系部品、ガスタービン周辺機器、炉室材、耐熱ばね、耐熱ボルトなどのインコネルX750またはインコネルX718を用いていた用途およびこれら以上の高温度で用いる用途である。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1
下記表1に示した成分組成の本発明例、比較例および参考例の合金を真空高周波誘導炉を用いて通常の方法で溶製し、通常の鋳造方法で鋳造して30kgのインゴットを得た。これらのインゴットを熱間鍛造によりφ35mmの丸棒にした。その後比較例4を除く他のものを1100℃で固溶化熱処理をし、加工率85%の冷間加工を施してφ13.6mmの丸棒とし、その後720℃×4時間の時効処理を行った。また比較例4は、1050℃の固溶化熱処理後加工率30%、725℃×16hの時効処理を行った。これらの素材から平行部φ8mmの引張試験片を切り出し、室温で引張試験をして引張強度を測定した。また平行部φ6mmで評点間距離30mmのクリープ試験片を切り出し、700℃で330MPaの応力を付加して1000時間後の伸びを測定するクリープ試験を行った。これらの結果を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
実施例2
上記表1の本発明例 No.3の合金のφ35mmの丸棒を1100℃で固溶化熱処理をし、加工率35%、45%、60%の冷間加工を施した(比較例 No.5、本発明例 No.8、9)後、720℃×4時間の時効処理を行った。これらの素材から上記実施例1と同様の引張試験片およびクリープ試験片を切り出し、実施例1と同様な条件で引張試験およびクリープ試験をして引張強度およびクリープを測定した。その結果を下記表3および図1に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
実施例3
上記表1の本発明例 No.6の合金のφ35mmの丸棒を1100℃で固溶化熱処理をし、加工率85%の冷間加工を施した後、下記表4に示す条件の時効処理を行った(比較例 No.6、7、本発明例 No.10、11)。これらの素材から上記実施例1と同様の引張試験片およびクリープ試験片を切り出し、実施例1と同様な条件で引張試験およびクリープ試験をして引張強度およびクリープを測定した。その結果を下記表4および図2に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
表1および表2の結果によると、本発明例は、室温引張強度が219〜283kgf/mm2 であり、またクリープ伸びが0.7〜1.1%であった。
これに対して、Cr含有量が本発明より多い比較例 No.1は、室温引張強度が本発明例の93%以下の203kgf/mm2 であり、またクリープ伸びが本発明例の1.4倍以上であった。
さらに、Cr含有量が本発明より多く、Moが比較例1より多い比較例 No.2は、冷間加工で割れが発生し、室温引張強度およびクリープ伸びを測定することができなかった。
【0035】
また、Cr含有量が本発明より多く、Moの含有量が本発明より少ない比較例 No.3は、室温引張強度が本発明例の78%以下の171kgf/mm2 であり、またクリープ伸びが本発明例の1.7倍以上であった。
また、インコネルX750の比較例 No.4は、室温引張強度が本発明例の68%以下の148gf/mm2 であり、またクリープ伸びが本発明例の2倍以上であった。
【0036】
表3の結果によると、本発明の冷間加工率より低い冷間加工率が35%の比較例 No.5は、室温引張強度が本発明例 No.8、9、3より低く、162kgf/mm2 であり、またクリープ伸びが本発明例 No.8、9、3よりも大きく3.8%であった。これらの結果から冷間または温間加工の加工率は40%以上にする必要があることが分かった。
【0037】
さらに、表4の結果によると、本発明の時効処理温度より低い時効処理温度が450℃の比較例 No.6は、室温引張強度が本発明例よりも低く、183kgf/mm2 であり、またクリープ伸びが本発明例より大きく2.1%であった。また本発明の時効処理温度より高い温度で処理した比較例 No.7は、室温引張強度が本発明例よりも低く134kgf/mm2 であり、またクリープ伸びが本発明例よりも大きく4.8%であった。
これらの結果から時効処理温度は、500〜800℃の範囲でする必要があることが分かった。
【0038】
【発明の効果】
本発明のCo−Ni基耐熱合金は、従来から用いられていたNi基超耐熱合金より室温における強度が高いとともに、高温で長時間使用しても強度の低下が小さいという優れた効果を奏する。また本発明の製造方法は、上記Ni基超耐熱合金より室温における強度が高いとともに、高温で長時間使用しても強度の低下が小さいCo−Ni基耐熱合金材を製造することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のCo−Ni基耐熱合金の冷間加工率と室温引張強度およびクリープ伸びとの関係を示すグラフである。
【図2】 本発明のCo−Ni基耐熱合金の時効熱処理温度と室温引張強度およびクリープ伸びとの関係を示すグラフである。
Claims (5)
- 質量%で(以下同じ)、C:0.02%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Ni:27〜45%、Cr:14.5〜18未満%、MoとWの1種または2種でMo+1/2 W:9〜20%、Ti:0.1〜3.0%、Nb:0.1〜5.0%およびFe:0.1〜5.0%を含有し、残部がCoおよび不可避的不純物からなることを特徴とするCo−Ni基耐熱合金。
- C:0.02%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Ni:27〜45%、Cr:14.5〜18未満%、MoとWの1種または2種でMo+1/2 W:9〜20%、Ti:0.1〜3.0%、Nb:0.1〜5.0%およびFe:0.1〜5.0%を含有し、更にREM:0.007〜0.10%を含有し、残部がCoおよび不可避的不純物からなることを特徴とするCo−Ni基耐熱合金。
- C:0.02%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Ni:27〜45%、Cr:14.5〜18未満%、MoとWの1種または2種でMo+1/2 W:9〜20%、Ti:0.1〜3.0%、Nb:0.1〜5.0%およびFe:0.1〜5.0%を含有し、更にB:0.001〜0.010%、Mg:0.0007〜0.010%およびZr:0.001〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がCoおよび不可避的不純物からなることを特徴とするCo−Ni基耐熱合金。
- C:0.02%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Ni:27〜45%、Cr:14.5〜18未満%、MoとWの1種または2種でMo+1/2 W:9〜20%、Ti:0.1〜3.0%、Nb:0.1〜5.0%およびFe:0.1〜5.0%を含有し、更にREM:0.007〜0.10%を含有し、またB:0.001〜0.010%、Mg:0.0007〜0.010%およびZr:0.001〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がCoおよび不可避的不純物からなることを特徴とするCo−Ni基耐熱合金。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のCo−Ni基耐熱合金を1000〜1200℃で固溶化熱処理を施した後または上記温度での熱間加工を施した後、加工率40%以上の冷間または温間加工を施し、その後500〜800℃で0.1〜50時間の時効熱処理を施すことを特徴とするCo−Ni基耐熱合金の製造方法。
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