JP3137426B2 - 高温ボルト材 - Google Patents

高温ボルト材

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JP3137426B2 JP04128588A JP12858892A JP3137426B2 JP 3137426 B2 JP3137426 B2 JP 3137426B2 JP 04128588 A JP04128588 A JP 04128588A JP 12858892 A JP12858892 A JP 12858892A JP 3137426 B2 JP3137426 B2 JP 3137426B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温ボルト材に関し、特
に火力発電用蒸気タービン用の高温ボルト材に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用蒸気タービンプラントに用い
られるボルト材としては、主に低温域(500℃以下)
で用いられる12Cr鋼や高温域で用いられる超合金の
リフラクトアロイ26(37Ni−20Co−18Cr
系)、もしくはニッケル基超合金ナイモニック80Aが
あげられる。このうち、低温用の12Cr鋼は500℃
以上の温度での使用は困難であり、500℃を越える高
温で用いられるボルト材としては、ここに示す超合金の
リフラクトアロイ26もしくはナイモニック80Aに限
定される。
【0003】このうち、リフラクトアロイ26は高温強
度に優れ、また高温延性も良好であることからこれまで
高温ボルト材として広く用いられていた。しかし、この
材料の熱膨張係数は大きく、蒸気タービンを構成する車
室材(車室とはタービンの回転系の回りを包む容器であ
って、高温ボルトによって締めつけられているものであ
る)との熱膨張差によって車室の締め付け力が低下し、
蒸気漏れの原因となっている。また、コバルトを多量に
含むため(20%程度)コストが高い材料である。一
方、ナイモニック80Aはニッケル基の超合金であり高
温強度も良好であり、また,熱膨張係数もリフラクトア
ロイ26程大きくなく、車室材との熱膨張係数の差も少
なくなく、さらにコバルトを含まないことからコスト的
にもリフラクトアロイ26より安い。しかし、この材料
の高温の延性は低く、使用中にクリープ破断により主に
結晶粒界に亀裂が発生しやすいとの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はフェ
ライト系(CrMo系、12Cr系などのフェライト
系、マルテンサイト系の材料)の車室材との熱膨張係数
の差が少なく、高温強度、高温延性の優れた500℃以
上の高温で使用できる高温用ボルト材を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明者らは
鋭意研究を重ねた結果、以下に示す優れた高温用ボルト
材を発明した。すなわち、本発明は (1)重量比で炭素:0.04〜0.1%、シリコン:
1%以下、マンガン:1%以下、クロム:18〜21
%、アルミニウム:1〜2%、チタン:1〜2%、ボロ
ン:0.001〜0.01%、鉄:1.5%以下及び不
可避的不純物及びニッケルからなることを特徴とする高
温ボルト材。
【0006】(2)重量比で炭素:0.04〜0.1
%、シリコン:1%以下、マンガン:1%以下、クロ
ム:18〜21%、アルミニウム:1〜2%、チタン:
1〜2%、ボロン:0.001〜0.01%、鉄:1.
5%以下及び不可避的不純物及びニッケルからなり、溶
解後熱間鍛造を行ったのち、1000〜1120℃での
溶体化処理、820〜880℃での第1段時効処理、7
00〜750℃での第2段時効処理、600〜650℃
での第3段時効処理を行ってなることを特徴とする高温
ボルト材。である。
【0007】
【作用】本発明はナイモニック80Aを基本成分とする
がチタンの成分範囲を異なるものとし、かつその他の成
分範囲を限定すると共にボロンを添加し、さらに熱処理
を限定することにより、優れた特性を有する高温用ボル
ト材としたものである。以下に本発明ボルト材における
成分限定理由を述べる。 C:Cは炭化物を形成し高温強度の向上に寄与する。し
かし、0.04%未満では十分な効果は得られず、また
0.1%を越えると過剰な炭化物を形成し靱性を低下さ
せるため0.04〜0.1%とする。 Si:Siは脱酸材として必要な元素である。しかし、
Siを必要以上に加えるとクリープ脆性などを引き起こ
すため1%以下とした。 Mn:Mnも脱酸材として有用な元素である。この元素
も必要以上に加えると靱性を低下させるため1%以下と
した。 Cr:Crは炭化物を形成し高温強度の改善に寄与する
とともに、マトリックス中に溶け込んで耐酸化性を改善
する。18%未満ではその効果は十分ではなく、また2
1%を越えると脆化をもたらすので18〜21%とす
る。 Al:AlはマトリックスのNiやTiとともに金属間
化合物であるγ′〔Ni3 (Al,Ti)〕相となり高
温強度の向上に寄与する。1%未満ではその効果は十分
ではなく、また2%を越えるとクリープ破断における延
性が低下し、切欠弱化を示すようになるため1〜2%と
する。 Ti:TiはAlやNiとともにγ′〔Ni3 (Al,
Ti)〕相を形成する。Tiの含有量は高温強度、延性
に大きく影響を与える。すなわち、Ti含有量が増すと
それに比例して常温〜高温までの強度は向上する。しか
し、延性はTi含有量の増加とともに低下する。1%未
満であると十分な強度が得られず、また2%を越える量
を添加するとクリープ延性が低下する。従って、1〜2
%とする。 B:Bは結晶粒界の強度向上に大きく寄与
する。Bを含有すると結晶粒界の結合力が高まりクリー
プ破断に対する結晶粒界強度が向上するためクリープ破
断強度及びクリープ破断延性が向上する。このBの添加
によりAl,Tiの添加が若干多い場合でも良好なクリ
ープ破断延性が得られるため高温強度を向上させること
ができる。しかし、0.001%未満ではその効果が小
さく、また0.01%を越えると偏析を生じ結晶粒界の
靱性を低下させるため延性が低下する。従って、0.0
01〜0.01%とする。 Fe:FeはNiとともにマトリックスを形成する元素
であり、延性、靱性の向上に寄与する。しかし1.5%
を越えて添加すると、高温強度、特にクリープ破断強度
を低下させるため1.5%以下とする。
【0008】次に熱処理の限定理由について述べる。本
発明材料においてボルト材を製造する場合、熱処理方法
によってγ′相などの析出物の形態が変わり、機械的性
質やクリープ破断特性などに大きく影響を与える。そこ
で本発明者らは熱処理条件について鋭意検討を行った結
果、溶体化処理後3段時効処理を施し、析出物を十分に
安定化させることにより、高温強度を劣化させることな
く安定した延性を得ることができることを明らかにし
た。詳細については、実施例にて述べる。
【0009】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明を説明する。
本発明のボルト材は、ニッケル基超合金のナイモニック
80Aを基本としており、その成分を変更することによ
りクリープ延性の優れた高強度のボルト材の製造を可能
にしたものである。表1には試験に供した材料の化学成
分をまとめて示す。全ての材料は50kg真空高周波溶
解炉にて溶製し、次いで高温にて鍛造を行い各種試験に
供した。表2に各試験材の常温における機械的性質を示
す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】この結果から、本発明材は強度的には比較
材と差はないが、伸びや絞りなどの延性や衝撃値で示さ
れる靱性が比較材に比べて良好であることがわかる。た
だし、比較材の中で材料番号6及び7は延性靱性とも本
発明材並びに良好であるが、後述するクリープ破断特性
において本発明材と比べると若干クリープ破断延性が劣
る。
【0013】また、表3に本発明材及び比較材のクリー
プ破断試験結果の例を示すが、本発明材のクリープ破断
延性は比較材に比べて格段に優れていることがわかる。
【0014】
【表3】
【0015】さらに本発明材のクリープ破断試験結果を
図1、図2に示すが、本発明材は比較材と同等のクリー
プ破断強さを有すると同時に比較材に比べて遙に高い延
性を有することがわかる。ボロンを含まずかつ炭素、ア
ルミニウム、チタン等が適性範囲である材料に対しても
さらに優れたクリープ破断延性を有している。また、図
3には本発明材の時効処理条件の違いによるクリープ破
断延性への影響について示したものであるが、2段時効
材よりも3段時効処理材の方が高い延性を有することが
わかる。図1〜図3とも横軸はラルソン・ミラーパラメ
ータであり、温度と破断時間で決まる値である。
【0016】
【発明の効果】本発明のボルト材は優れた高温強度を有
し、延性、靱性の良好な材料であることから、500℃
を越える温度で使用できる信頼性の高い高温用ボルト材
である。本発明により、今後多数製造が予定されている
超高温蒸気タービンの製造に寄与することはもとより通
常の蒸気タービンのボルト材の高信頼性の確保の上から
も産業上有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】2段時効処理を施した本発明試験材のクリープ
破断強さを示す図表。
【図2】3段時効処理を施した本発明試験材のクリープ
破断強さを示す図表。
【図3】本発明材の2段時効処理材と3段時効処理材の
クリープ破断延性を比較した図表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 武志 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎造船所内 (56)参考文献 特開 昭59−211560(JP,A) 特開 昭62−93352(JP,A) 特開 昭52−85915(JP,A) 特開 昭62−218515(JP,A) 特開 昭62−77448(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01D 25/24 C22C 19/05 F01D 25/00 F01D 5/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で炭素:0.04〜0.1%、シ
    リコン:1%以下、マンガン:1%以下、クロム:18
    〜21%、アルミニウム:1〜2%、チタン:1〜2
    %、ボロン:0.001〜0.01%、鉄:1.5%以
    下及び不可避的不純物及びニッケルからなることを特徴
    とする高温ボルト材。
  2. 【請求項2】 重量比で炭素:0.04〜0.1%、シ
    リコン:1%以下、マンガン:1%以下、クロム:18
    〜21%、アルミニウム:1〜2%、チタン:1〜2
    %、ボロン:0.001〜0.01%、鉄:1.5%以
    下及び不可避的不純物及びニッケルからなり、溶解後熱
    間鍛造を行ったのち、1000〜1120℃での溶体化
    処理、820〜880℃での第1段時効処理、700〜
    750℃での第2段時効処理、600〜650℃での第
    3段時効処理を行ってなることを特徴とする高温ボルト
    材。
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