JP4263628B2 - シート収納装置 - Google Patents
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Description
このシート収納装置によれば、フロア下段部に収納された格納状態では車室内空間を広く利用できると共に、チップアップロック機構により格納状態への姿勢変更に際してシートバックとシートクッションとがロックされるため収納作業が行い易く使い勝手がよいものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、チップアップ姿勢でシートクッションとシートバックがロックできないと、シートクッションを支えなければならず乗員に負担がかかるという問題がある。
このように構成することで、ダイブダウン姿勢で格納状態にあるシートは、チップアップ姿勢においてチップアップロック機構によりロックされていたシートバックとシートクッションとのロックがロック解除機構によりロック不能状態とされているため、シートバックを背面側に回動させても、シートクッションは取り残されるため、シートバックが使用位置まで回動することで、シートクッションを水平状態にすれば着座が可能となる。
このように構成することにより、シートをチップアップ姿勢にするために必要な動作に連動してカム部材を作動させ、係止部材を係合部材にロック可能状態としてシートクッションを跳ね上げるようにすることができる。
このように構成することで、シートがダイブダウン姿勢にある場合には、他のカム部材を介して係止部材が係合部材にロック不能状態となっているため、シートバックの背面側への回動にシートクッションは取り残され、シートバックが使用位置まで回動することで、シートクッションを水平状態にすれば着座が可能となる。
図1〜図4において1は車両用シートを示し、このシート1は車両の後席に用いられる折り畳みシートである。フロア2は前側のフロア下段部3から後側のフロア上段部4にかけて有段成形されており、フロア上段部4に支持された前記シート1がフロア下段部3側に折り畳み可能に構成されている。折り畳まれた状態のシート1はシートバック5とシートクッション6が重ね合わされてフロア下段部3に載置され、フロア上段部4の面と略面一になり平坦な荷室を形成するようになっている。
シートバック5の上部背面の車幅方向の片側には、ラッチ11が取り付けられ、このラッチ11に対応して車体のサイドパネル12にはストライカ13が取り付けられている。このストライカ13がラッチ11に係止することで、シートバック5を使用状態で車体に固定するようになっている。
また、図1に示す使用状態にあるシート1において、前記ラッチ11からストライカ13を外し、図3に示すように、シートバック5をシートクッション6側に回動してフロア下段部3に格納すれば図4に示すようにダイブダウン姿勢とすることができる。そして、ダイブダウン姿勢となって格納状態にあるシート1を使用状態にするためには、シートバック5を背面側に引き上げるように回動して前記ラッチ11とストライカ13とを係止した後、シートバック5に追従しないで取り残されたシートクッション6のスタンド脚部15を前側に回動して前記脚部ロック装置19に係止すればよい。
湾曲アーム14はベースプレート21がカバー22で覆われたもので、このベースプレート21の上部には、バックフレーム7に一体に固定されたブラケット23の下端部が回動可能に取り付けられている。このブラケット23の下端部はヒンジセンタ24を中心にして円形状に形成されこの下端部前側には切欠部25が形成されている。
前記ロックプレート26には、後述するカムプレート29の上部フック33が遊びをもって係止する開口部30が形成されている。
上部フック33は前記ロックプレート26の開口部30にロックプレート26の下側から挿入されて係止し、第1フック34には前記ベースプレート21に取り付けられたピン36との間に前記コイルスプリング32が張設され、第2フック35には後述するロックワイヤ37が取り付けられている。前記チップアップロック機構20は、主としてブラケット23、ロックプレート26、カムプレート29、ロックワイヤ37及び後述するロック解除機構41で構成されている。
前記上部フック33は前記ロックワイヤ37により第2フック35に引張力が作用した場合にロックプレート26の反時計回りの回動を阻止するために前記ロックプレート26の開口部30の下部に係止するものであり、前記ロックワイヤ37が緩むとコイルスプリング32によりカムプレート29が時計回りに回動して、前記上部フック33がロックプレート26の開口部30への係止を解除するため、前記ラバーにより付勢されたロックプレート26の反時計回りの回動を許容して(図7参照)ロックプレート26とブラケット23とを係止可能とするものである。
そして、図5に示すように、ロックワイヤ37はクッションフレーム8に沿いクッションフレーム8の前側端部で下方に向かって湾曲しワイヤエンドをシートバック5側に向けるようにして配索され、このロックワイヤ37のアウタチューブ37aはクッションフレーム8に取り付けられた前側ブラケット45に固定され、ワイヤエンドは前記スタンド脚部15の両側の端部16の近傍、具体的には支持ブラケット17の軸部18の上方位置に固定されている。したがって、スタンド脚部15をシートバック5側に折り畳むと、ロックワイヤ37が固定ブラケット42の固定部43から繰り出され、その結果、前述したようにロックプレート26のブラケット23に対する係止を許容し、チップアップ姿勢でシートクッション6とシートバック6とがロックされる。
そして、前記バックヒンジ9はヒンジピン47を介してフロア上段部4に固定したフロアヒンジ10に回動可能に支持され、このフロアヒンジ10の折り曲げ片48にワイヤエンドが固定されている。したがって、シートバック5を前側に折り畳みダイブダウン姿勢になると、前記フロアヒンジ10の折り曲げ片48とバックヒンジ9の固定部46との間のロック解除ワイヤ40の長さが増加し(つまり、ロック解除ワイヤ40がアウタチューブ40aに対して引き出され)、これにより解除カム38が反時計回りに回動してロックプレート26の回動を規制し、ロックプレート26の爪部28が前記ブラケット23の切欠部25に対応する位置に至っても、ロックプレート26の爪部28が前記ブラケット23の切欠部25に係止することができないようにし、シートクッション6とシートバック5とのロックを不能とする。
したがって、このダイブダウン姿勢となって格納状態にあるシート1を使用状態にするために、図3に示す位置までシートバック5を背面側に引き上げるように回動すると、シートクッション6はシートバック5に追従しないで、取り残されるため、前記ラッチ11とストライカ13を係止した後、シートクッション6のスタンド脚部15を前側に回動して前記脚部ロック装置19に係止すれば、シート1は図1に示す使用状態となる。
つまり、シートバック5の背面側への回動にシートクッション6は取り残され、シートバック5が使用位置まで回動することで、シートクッション6を水平状態にすれば着座が可能となるため、チップアップ姿勢を可能としたまま乗降性能を悪化させることなく、チップアップ姿勢を経ないで格納状態から使用状態へ簡単にシート1を姿勢変更できるのである。
この実施形態においては、前記第1実施形態の解除カム38を廃止すると共に、ロックプレート26の爪部28の時計回り方向側に隣接して解除片50を形成したものである、この解除片50には前述したロック解除ワイヤ40のワイヤエンドが固定され、シート1がダイブダウン姿勢になりロック解除ワイヤ40が引張されると、ロックプレート26が軸部27を中心にして時計回りに回動して、ロックプレート26の爪部28とブラケット23の切欠部25との係止が不能となる。
したがって、この実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、ロックプレート26を直接的に解除方向に回動させることができ動作が確実となると共に、解除カムを廃止することができるので、部品点数を削減でき車体軽量化に寄与することができる。
したがって、この実施形態によれば、シート1をダイブダウン状態にするためにシートバック5をシートクッション6側に回動すると、解除カム38がロックプレート26に係止するため、ロックプレート26がロック作動することができなくなり、このようにロック動作ができない状態でダイブダウン状態になるのである。よって、ダイブダウン状態からシートバック5を引き起こしても、シートクッション6は取り残されるため、ワンアクションでシート1を使用状態にできる。その結果、シートバック5のストライカ13とラッチ11を有効利用してダイブダウン状態、正確にはシートバック5が使用状態にあるか(図12参照)、ダイブダウン状態を含む使用状態以外(図11参照)にあるかを検出することができるため、他の部分に前記検出のための構造を設ける必要がない点でコストダウンを図ることができる。
4 フロア上段部
5 シートバック
6 シートクッション
20 チップアップロック機構
23 ブラケット(係合部材)
26 ロックプレート(係止部材)
29 カムプレート(カム部材)
38 解除カム(他のカム部材)
41 ロック解除機構
Claims (3)
- フロア上段部に回動可能に支持されるシートバックに、シートクッションを跳ね上げ方向に回動可能に支持し、シートクッションをシートバック側に跳ね上げるチップアップ姿勢とシートバックをシートクッション側へ回動しフロア下段部に格納するダイブダウン姿勢に姿勢変化可能なシート収納装置において、前記チップアップ姿勢でシートクッションをシートバックにロックするチップアップロック機構を設け、このチップアップロック機構に、前記ダイブダウン姿勢になるとチップアップロック機構によるシートクッションとシートバックとのロックを不能とするロック解除機構を設けたことを特徴とするシート収納装置。
- 前記チップアップロック機構は、シートバック側に設けた係合部材と、この係合部材に係止するシートクッション側に設けた係止部材と、この係止部材を係合部材に対してロック不能状態とロック可能状態にするカム部材とを有し、カム部材はシートをチップアップ姿勢にするために必要な動作に連動して係止部材をロック可能状態にすることを特徴とする請求項1に記載のシート収納装置。
- 前記ロック解除機構は、シートがダイブダウン姿勢になると係止部材の係合部材に対するロック動作を他のカム部材を介して阻止することを特徴とする請求項2に記載のシート収納装置。
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