JP3487179B2 - トランクスルー装置 - Google Patents
トランクスルー装置Info
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- B60N2/24—Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles for particular purposes or particular vehicles
- B60N2/30—Non-dismountable or dismountable seats storable in a non-use position, e.g. foldable spare seats
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- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60N—SEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B60N2/00—Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
- B60N2/02—Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles the seat or part thereof being movable, e.g. adjustable
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- B60R5/00—Compartments within vehicle body primarily intended or sufficiently spacious for trunks, suit-cases, or the like
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両後部座席に設
けられたトランクスルー装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】セダン系の乗用車には、車両後部座席の
シートバックの一部に前倒可能部分を設け、この前倒可
能部分を起立状態から前倒れすることで車室側とトラン
クルーム側を挿通可能とし、車室からトランクルームへ
の荷物の出し入れを可能としたトランクスルー装置を備
えたものが増えてきている。 【０００３】このようなトランクスルー装置では、シー
トバックに対して前倒可能部分を前方に前倒れ可能とす
ると共に、起立状態でロック装置によりロック可能とし
ており、車室側、あるいはトランクルーム側からこのロ
ック装置を解除して前倒可能部分を前方に倒し、車室側
とトランクルーム側とを挿通可能としている。ところ
が、一般に、車室側、あるいはトランクルーム側の一方
からのみロック装置を解除可能となっており、このよう
な構造では、使い勝手がよくないため、車室側とトラン
クルーム側の両方からロック装置を解除可能とすること
が望まれている。 【０００４】このようなトランクスルー装置としては、
例えば、実開昭６４−３７７４０号公報や実開平１−１
０２０３３号公報などに開示されたものがある。 【０００５】この実開昭６４−３７７４０号公報に開示
された「座席」は、背凭れを前倒可能とすると共に起立
状態で保持可能とし、この背凭れの基部の側部に前後に
挿通する凹部を設け、この凹部に前後から操作可能な前
倒操作レバーを設けたものである。 【０００６】また、実開平１−１０２０３３号公報に開
示された「トランクスルーシートのロック装置」は、ロ
ック装置によりシートバック側の係合部材が車体側の係
合部材に係合してシートバックの前倒しをロック可能と
し、シートバック側の係合部材を反係合方向に変位させ
て前倒しを可能とする操作機構を設けると共に、この操
作機構と相互に係合してその変位を禁止するストッパ機
構を設け、トランクルーム内からの操作によりストッパ
機構と操作機構との係合及び解除を行うと共に解除状態
でシートバック側の係合部材と車体側の係合部材との係
合を解除する方向へ操作機構を変位させるリリース機構
を設けたものである。 【０００７】 【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭６４−
３７７４０号公報に開示された「座席」にあっては、前
倒可能な背凭れの基部の側部に前後に挿通する凹部を設
け、この凹部に前倒操作レバーを設けることで、車室側
及びトランクルーム側からこの前倒操作レバーを操作し
て背凭れを前倒可能としている。ところが、この場合、
前倒操作レバーを背凭れに形成した凹部に設けるため、
常時露出することとなって見栄えがよくない。また、ト
ランクスルー装置には、一般に、車室側から前倒操作レ
バーを操作不能としてトランクルーム側からのみ操作可
能とする盗難防止ロック装置を設けているが、この公報
に記載された「座席」の構造では、この盗難防止ロック
装置を設けることができない。 【０００８】また、特開平１−１０２０３３号公報に開
示された「トランクスルーシートのロック装置」にあっ
ては、車室内からの操作機構の操作によりロック装置を
解除してシートバックを前倒し可能とする一方、トラン
クルーム内からのリリース機構の操作によりストッパ機
構の係合及び解除を行うと共に、解除状態で操作機構を
介してシートバックを前倒し可能としており、車室側及
びトランクルーム側から操作機構を操作してシートバッ
クを前倒可能とすると共に、前述した盗難防止ロック装
置としてのストッパ機構を設けている。ところが、盗難
防止ロック装置のために、操作機構とストッパ機構とリ
リース機構とが互いに連係する機構としなければなら
ず、構造が複雑化して部品コストが高くなってしまう。 【０００９】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、車室側及びトランクルーム側の両方から操作可
能として利便性の向上を図る一方で構造の簡素化及び安
全性の向上を図ったトランクスルー装置を提供すること
を目的とする。 【００１０】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明のトランクスルー装置では、少なくともシー
トバックの一部に前倒可能部を有して車室側とトランク
ルーム側を挿通可能な車両後部座席を設け、この前倒可
能部に第１フック部を設ける一方、車体側またはシート
バックに前倒可能部が起立位置にあるときに第１フック
部と係合可能な第２フック部を設けると共に、この第１
フック部と第２フック部とを互いに係合方向に付勢する
付勢手段を設け、車室側操作部により第１フック部ある
いは第２フック部のいずれか一方を回動して両者の係合
を解除可能とすると共に、トランクルーム側操作部によ
り第１フック部あるいは第２フック部のいずれか他方を
回動して両者の係合を解除可能とし、前倒可能部が起立
位置にあるときに車室側操作部により操作されるフック
部の回動を規制して両フック部の係合を車室側から解除
不能とするロック手段を設けている。 【００１１】従って、第１フック部と第２フック部の係
合状態では、前倒可能部が起立位置に保持されており、
この状態で車室側操作部あるいはトランクルーム側操作
部により、車室側からでもトランクルーム側からでも、
両フック部の係合を解除して前倒可能部を前方に倒すこ
とができ、利便性が向上する一方で構造の簡素化が図れ
る。また、前倒可能部が起立位置にあるとき、ロック手
段により車室側操作部により操作されるフック部の回動
を規制して両フック部の係合を車室側から解除不能とす
ることで、トランクルーム側からのみ前倒可能部の前倒
を可能として安全性を向上できる。 【００１２】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。 【００１３】図１に本発明の一実施形態に係るトランク
スルー装置の後部シートへの装着状態を表す概略、図２
に車室側からのトランクスルー装置の操作状態を表す要
部断面、図３にトランクルーム側からのトランクスルー
装置の操作状態を表す要部断面、図４に盗難防止ロック
の作動状態を表すトランクスルー装置の要部断面、図５
にトランクスルー装置が装着された後部シートの斜視を
示す。 【００１４】本実施形態のトランクスルー装置におい
て、図５(ａ)に示すように、車両後部座席１１はシート
バック１２とシートクッション１３とからなり、このシ
ートバック１２の一部には前倒可能部１４が設けられて
おり、図５(ｂ)に示すように、この前倒可能部１４を下
部を支点として前方へ倒すことで、車室側Ｒとトランク
ルーム側Ｔとが挿通可能となっている。そして、前倒可
能部１４の上部にはこの前倒可能部１４を起立位置に保
持するロック装置が設けられている。 【００１５】即ち、図１に示すように、前倒可能部１４
の上部後面には切欠部２１が形成され、この切欠部２１
には取付ブラケット２２が固定されており、この取付ブ
ラケット２２には支持軸２３によって第１フック２４が
回動自在に取付けられている。そして、この第１フック
２４は付勢手段としてのコイルばね２５により図１にて
時計回り方向に付勢され、図示しないストッパにより図
１に示す位置に保持されている。一方、シートバック１
２の上部後面には取付ブラケット２６が固定され、この
取付ブラケット２６には支持軸２７によって第２フック
２８が回動自在に取付けられている。そして、この第２
フック２８は付勢手段としてのコイルばね２９により図
１にて時計回り方向に付勢され、ストッパ３０により図
１に示す位置に保持されている。この第１フック２４と
第２フック２８は前倒可能部１４が起立位置にあるとき
に互いに係合することで、前倒可能部１４をシートバッ
ク１２に係止して起立状態に保持することができる。 【００１６】この第１フック２４には車室側操作部とし
ての車室側ストラップ３１の基端部が連結され、先端部
は車室Ｒ側に露出している。従って、この車室Ｒ側から
この車室側ストラップ３１を引くと、第１フック２４が
コイルばね２５の付勢力に抗して図１にて反時計回り方
向に回動し、第２フック２８との係合を解除して前倒可
能部１４を前方に倒すことができる。また、第２フック
２８にはトランクルーム側操作部としてのトランクルー
ム側ストラップ３２の基端部が連結され、先端部はトラ
ンクルームＴ側に露出している。従って、このトランク
ルームＴ側からこのトランクルーム側ストラップ３２を
引くと、第２フック２８がコイルばね２９の付勢力に抗
して図１にて反時計回り方向に回動し、第１フック２４
との係合を解除して前倒可能部１４を前方に倒すことが
できる。 【００１７】また、取付ブラケット２２の下部にはロッ
ク手段としてのロック片３３が回動自在に取付けられ、
トランクルームＴ側に露出した操作部材３４により回動
自在となっている。このロック片３３は操作部材３４に
よって回動することで、先端部がこの取付ブラケット２
２の貫通孔３５から上方に突出し、第１フック２４に係
止することで、この第１フック２４の回動を阻止可能と
なっている。従って、前倒可能部１４が起立位置にある
ときに、操作部材３４によってロック片３３を回動し、
先端部を第１フック２４に係止することで、この第１フ
ック２４の図１にて反時計回り方向の回動を阻止し、第
２フック２８との係合を車室Ｒ側から解除不能とするこ
とができる。 【００１８】このように構成された本実施形態のトラン
クスルー装置において、図１に示す前倒可能部１４の起
立状態では、第１フック２４と第２フック２８とが互い
に係合してこの前倒可能部１４をシートバック１２に係
止した起立状態に保持している。この前倒可能部１４の
起立状態にて、車室Ｒ側から車室側ストラップ３１を引
くと、図２に示すように、第１フック２４がコイルばね
２５の付勢力に抗して回動して第２フック２８との係合
が解除され、前倒可能部１４を前方に倒して車室Ｒ側と
トランクルームＴ側を挿通状態とし、車室Ｒからトラン
クルームＴへの荷物の出し入れを行うことができる。 【００１９】また、前倒可能部１４の起立状態にて、ト
ランクルームＴ側からトランクルーム側ストラップ３２
を引くと、図３に示すように、第２フック２８がコイル
ばね２９の付勢力に回動し、第１フック２４との係合が
解除され、前倒可能部１４を前方に倒して車室Ｒ側とト
ランクルームＴ側を挿通状態とし、車室Ｒからトランク
ルームＴへの荷物の出し入れを行うことができる。 【００２０】一方、第１フック２４と第２フック２８と
が係合して前倒可能部１４が起立位置に保持された状態
で、図４に示すように、操作部材３４によりロック片３
３を回動して先端部を第１フック２４に係止すると、第
１フック２４はこのロック片３３により第２フック２８
との係合を解除する方向への回動が阻止される。そのた
め、前倒可能部１４の起立状態にて、車室Ｒ側から車室
側ストラップ３１を引いても、第１フック２４は回動せ
ずに第２フック２８との係合解除が不能となり、車室Ｒ
側からの前倒可能部１４の前倒による車室Ｒからトラン
クルームＴへの荷物の出し入れを不能とすることができ
る。 【００２１】また、ロック片３３を回動する操作部材３
４が前倒可能部１４に設けられたことで、前倒可能部１
４の前倒状態で、操作部材３４によりロック片３３を回
動して先端部を第１フック２４に係止してから、前倒可
能部１４を起立位置に起こすと、第２フック２８の回動
により第１フック２４が第２フック２８と係合し、前倒
可能部１４を起立位置に保持できると共に、車室Ｒ側か
らの車室側ストラップ３１による前倒可能部１４の前倒
を不能とすることができ、従来のように、トランクルー
ムＴ側に行って操作部材３４を操作するような不便さが
なくなる。 【００２２】なお、上述の実施形態では、第１フック２
４と第２フック２８とを係合方向に付勢する付勢手段と
して２つのコイルばね２５，２９を設けたが、１つのば
ねで共用するようにしてもよい。また、車室側操作部及
びトランクルーム側操作部をそれぞれ車室側ストラップ
３１及びトランクルーム側ストラップ３２としたが、第
１フック２４及び第２フック２８に連結された操作レバ
ーであってもよい。 【００２３】 【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように本発明のトランクスルー装置によれば、シートバ
ックの前倒可能部に第１フック部を設けると共に、車体
側またはシートバックに第１フック部と係合可能な第２
フック部を設け、この第１フック部と第２フック部とを
互いに係合方向に付勢する付勢手段を設け、車室側操作
部あるいはトランクルーム側操作部により第１フック部
あるいは第２フック部のいずれか一方を回動して両者の
係合を解除可能とし、前倒可能部が起立位置にあるとき
に車室側操作部により操作されるフック部の回動を規制
して両フック部の係合を車室側から解除不能とするロッ
ク手段を設けたので、各フック部が係合して前倒可能部
が起立位置に保持された状態で、車室側操作部あるいは
トランクルーム側操作部により、車室側からでもトラン
クルーム側からでも、両フック部の係合を解除して前倒
可能部を前方に倒すことができ、利便性を向上すること
ができる一方で構造の簡素化を図ることができ、また、
前倒可能部が起立位置にあるとき、ロック手段により車
室側操作部による前倒可能部の前倒を不能とすること
で、トランクルーム側からのみ前倒可能部の前倒を可能
として安全性を向上することができる。
けられたトランクスルー装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】セダン系の乗用車には、車両後部座席の
シートバックの一部に前倒可能部分を設け、この前倒可
能部分を起立状態から前倒れすることで車室側とトラン
クルーム側を挿通可能とし、車室からトランクルームへ
の荷物の出し入れを可能としたトランクスルー装置を備
えたものが増えてきている。 【０００３】このようなトランクスルー装置では、シー
トバックに対して前倒可能部分を前方に前倒れ可能とす
ると共に、起立状態でロック装置によりロック可能とし
ており、車室側、あるいはトランクルーム側からこのロ
ック装置を解除して前倒可能部分を前方に倒し、車室側
とトランクルーム側とを挿通可能としている。ところ
が、一般に、車室側、あるいはトランクルーム側の一方
からのみロック装置を解除可能となっており、このよう
な構造では、使い勝手がよくないため、車室側とトラン
クルーム側の両方からロック装置を解除可能とすること
が望まれている。 【０００４】このようなトランクスルー装置としては、
例えば、実開昭６４−３７７４０号公報や実開平１−１
０２０３３号公報などに開示されたものがある。 【０００５】この実開昭６４−３７７４０号公報に開示
された「座席」は、背凭れを前倒可能とすると共に起立
状態で保持可能とし、この背凭れの基部の側部に前後に
挿通する凹部を設け、この凹部に前後から操作可能な前
倒操作レバーを設けたものである。 【０００６】また、実開平１−１０２０３３号公報に開
示された「トランクスルーシートのロック装置」は、ロ
ック装置によりシートバック側の係合部材が車体側の係
合部材に係合してシートバックの前倒しをロック可能と
し、シートバック側の係合部材を反係合方向に変位させ
て前倒しを可能とする操作機構を設けると共に、この操
作機構と相互に係合してその変位を禁止するストッパ機
構を設け、トランクルーム内からの操作によりストッパ
機構と操作機構との係合及び解除を行うと共に解除状態
でシートバック側の係合部材と車体側の係合部材との係
合を解除する方向へ操作機構を変位させるリリース機構
を設けたものである。 【０００７】 【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭６４−
３７７４０号公報に開示された「座席」にあっては、前
倒可能な背凭れの基部の側部に前後に挿通する凹部を設
け、この凹部に前倒操作レバーを設けることで、車室側
及びトランクルーム側からこの前倒操作レバーを操作し
て背凭れを前倒可能としている。ところが、この場合、
前倒操作レバーを背凭れに形成した凹部に設けるため、
常時露出することとなって見栄えがよくない。また、ト
ランクスルー装置には、一般に、車室側から前倒操作レ
バーを操作不能としてトランクルーム側からのみ操作可
能とする盗難防止ロック装置を設けているが、この公報
に記載された「座席」の構造では、この盗難防止ロック
装置を設けることができない。 【０００８】また、特開平１−１０２０３３号公報に開
示された「トランクスルーシートのロック装置」にあっ
ては、車室内からの操作機構の操作によりロック装置を
解除してシートバックを前倒し可能とする一方、トラン
クルーム内からのリリース機構の操作によりストッパ機
構の係合及び解除を行うと共に、解除状態で操作機構を
介してシートバックを前倒し可能としており、車室側及
びトランクルーム側から操作機構を操作してシートバッ
クを前倒可能とすると共に、前述した盗難防止ロック装
置としてのストッパ機構を設けている。ところが、盗難
防止ロック装置のために、操作機構とストッパ機構とリ
リース機構とが互いに連係する機構としなければなら
ず、構造が複雑化して部品コストが高くなってしまう。 【０００９】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、車室側及びトランクルーム側の両方から操作可
能として利便性の向上を図る一方で構造の簡素化及び安
全性の向上を図ったトランクスルー装置を提供すること
を目的とする。 【００１０】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明のトランクスルー装置では、少なくともシー
トバックの一部に前倒可能部を有して車室側とトランク
ルーム側を挿通可能な車両後部座席を設け、この前倒可
能部に第１フック部を設ける一方、車体側またはシート
バックに前倒可能部が起立位置にあるときに第１フック
部と係合可能な第２フック部を設けると共に、この第１
フック部と第２フック部とを互いに係合方向に付勢する
付勢手段を設け、車室側操作部により第１フック部ある
いは第２フック部のいずれか一方を回動して両者の係合
を解除可能とすると共に、トランクルーム側操作部によ
り第１フック部あるいは第２フック部のいずれか他方を
回動して両者の係合を解除可能とし、前倒可能部が起立
位置にあるときに車室側操作部により操作されるフック
部の回動を規制して両フック部の係合を車室側から解除
不能とするロック手段を設けている。 【００１１】従って、第１フック部と第２フック部の係
合状態では、前倒可能部が起立位置に保持されており、
この状態で車室側操作部あるいはトランクルーム側操作
部により、車室側からでもトランクルーム側からでも、
両フック部の係合を解除して前倒可能部を前方に倒すこ
とができ、利便性が向上する一方で構造の簡素化が図れ
る。また、前倒可能部が起立位置にあるとき、ロック手
段により車室側操作部により操作されるフック部の回動
を規制して両フック部の係合を車室側から解除不能とす
ることで、トランクルーム側からのみ前倒可能部の前倒
を可能として安全性を向上できる。 【００１２】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。 【００１３】図１に本発明の一実施形態に係るトランク
スルー装置の後部シートへの装着状態を表す概略、図２
に車室側からのトランクスルー装置の操作状態を表す要
部断面、図３にトランクルーム側からのトランクスルー
装置の操作状態を表す要部断面、図４に盗難防止ロック
の作動状態を表すトランクスルー装置の要部断面、図５
にトランクスルー装置が装着された後部シートの斜視を
示す。 【００１４】本実施形態のトランクスルー装置におい
て、図５(ａ)に示すように、車両後部座席１１はシート
バック１２とシートクッション１３とからなり、このシ
ートバック１２の一部には前倒可能部１４が設けられて
おり、図５(ｂ)に示すように、この前倒可能部１４を下
部を支点として前方へ倒すことで、車室側Ｒとトランク
ルーム側Ｔとが挿通可能となっている。そして、前倒可
能部１４の上部にはこの前倒可能部１４を起立位置に保
持するロック装置が設けられている。 【００１５】即ち、図１に示すように、前倒可能部１４
の上部後面には切欠部２１が形成され、この切欠部２１
には取付ブラケット２２が固定されており、この取付ブ
ラケット２２には支持軸２３によって第１フック２４が
回動自在に取付けられている。そして、この第１フック
２４は付勢手段としてのコイルばね２５により図１にて
時計回り方向に付勢され、図示しないストッパにより図
１に示す位置に保持されている。一方、シートバック１
２の上部後面には取付ブラケット２６が固定され、この
取付ブラケット２６には支持軸２７によって第２フック
２８が回動自在に取付けられている。そして、この第２
フック２８は付勢手段としてのコイルばね２９により図
１にて時計回り方向に付勢され、ストッパ３０により図
１に示す位置に保持されている。この第１フック２４と
第２フック２８は前倒可能部１４が起立位置にあるとき
に互いに係合することで、前倒可能部１４をシートバッ
ク１２に係止して起立状態に保持することができる。 【００１６】この第１フック２４には車室側操作部とし
ての車室側ストラップ３１の基端部が連結され、先端部
は車室Ｒ側に露出している。従って、この車室Ｒ側から
この車室側ストラップ３１を引くと、第１フック２４が
コイルばね２５の付勢力に抗して図１にて反時計回り方
向に回動し、第２フック２８との係合を解除して前倒可
能部１４を前方に倒すことができる。また、第２フック
２８にはトランクルーム側操作部としてのトランクルー
ム側ストラップ３２の基端部が連結され、先端部はトラ
ンクルームＴ側に露出している。従って、このトランク
ルームＴ側からこのトランクルーム側ストラップ３２を
引くと、第２フック２８がコイルばね２９の付勢力に抗
して図１にて反時計回り方向に回動し、第１フック２４
との係合を解除して前倒可能部１４を前方に倒すことが
できる。 【００１７】また、取付ブラケット２２の下部にはロッ
ク手段としてのロック片３３が回動自在に取付けられ、
トランクルームＴ側に露出した操作部材３４により回動
自在となっている。このロック片３３は操作部材３４に
よって回動することで、先端部がこの取付ブラケット２
２の貫通孔３５から上方に突出し、第１フック２４に係
止することで、この第１フック２４の回動を阻止可能と
なっている。従って、前倒可能部１４が起立位置にある
ときに、操作部材３４によってロック片３３を回動し、
先端部を第１フック２４に係止することで、この第１フ
ック２４の図１にて反時計回り方向の回動を阻止し、第
２フック２８との係合を車室Ｒ側から解除不能とするこ
とができる。 【００１８】このように構成された本実施形態のトラン
クスルー装置において、図１に示す前倒可能部１４の起
立状態では、第１フック２４と第２フック２８とが互い
に係合してこの前倒可能部１４をシートバック１２に係
止した起立状態に保持している。この前倒可能部１４の
起立状態にて、車室Ｒ側から車室側ストラップ３１を引
くと、図２に示すように、第１フック２４がコイルばね
２５の付勢力に抗して回動して第２フック２８との係合
が解除され、前倒可能部１４を前方に倒して車室Ｒ側と
トランクルームＴ側を挿通状態とし、車室Ｒからトラン
クルームＴへの荷物の出し入れを行うことができる。 【００１９】また、前倒可能部１４の起立状態にて、ト
ランクルームＴ側からトランクルーム側ストラップ３２
を引くと、図３に示すように、第２フック２８がコイル
ばね２９の付勢力に回動し、第１フック２４との係合が
解除され、前倒可能部１４を前方に倒して車室Ｒ側とト
ランクルームＴ側を挿通状態とし、車室Ｒからトランク
ルームＴへの荷物の出し入れを行うことができる。 【００２０】一方、第１フック２４と第２フック２８と
が係合して前倒可能部１４が起立位置に保持された状態
で、図４に示すように、操作部材３４によりロック片３
３を回動して先端部を第１フック２４に係止すると、第
１フック２４はこのロック片３３により第２フック２８
との係合を解除する方向への回動が阻止される。そのた
め、前倒可能部１４の起立状態にて、車室Ｒ側から車室
側ストラップ３１を引いても、第１フック２４は回動せ
ずに第２フック２８との係合解除が不能となり、車室Ｒ
側からの前倒可能部１４の前倒による車室Ｒからトラン
クルームＴへの荷物の出し入れを不能とすることができ
る。 【００２１】また、ロック片３３を回動する操作部材３
４が前倒可能部１４に設けられたことで、前倒可能部１
４の前倒状態で、操作部材３４によりロック片３３を回
動して先端部を第１フック２４に係止してから、前倒可
能部１４を起立位置に起こすと、第２フック２８の回動
により第１フック２４が第２フック２８と係合し、前倒
可能部１４を起立位置に保持できると共に、車室Ｒ側か
らの車室側ストラップ３１による前倒可能部１４の前倒
を不能とすることができ、従来のように、トランクルー
ムＴ側に行って操作部材３４を操作するような不便さが
なくなる。 【００２２】なお、上述の実施形態では、第１フック２
４と第２フック２８とを係合方向に付勢する付勢手段と
して２つのコイルばね２５，２９を設けたが、１つのば
ねで共用するようにしてもよい。また、車室側操作部及
びトランクルーム側操作部をそれぞれ車室側ストラップ
３１及びトランクルーム側ストラップ３２としたが、第
１フック２４及び第２フック２８に連結された操作レバ
ーであってもよい。 【００２３】 【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように本発明のトランクスルー装置によれば、シートバ
ックの前倒可能部に第１フック部を設けると共に、車体
側またはシートバックに第１フック部と係合可能な第２
フック部を設け、この第１フック部と第２フック部とを
互いに係合方向に付勢する付勢手段を設け、車室側操作
部あるいはトランクルーム側操作部により第１フック部
あるいは第２フック部のいずれか一方を回動して両者の
係合を解除可能とし、前倒可能部が起立位置にあるとき
に車室側操作部により操作されるフック部の回動を規制
して両フック部の係合を車室側から解除不能とするロッ
ク手段を設けたので、各フック部が係合して前倒可能部
が起立位置に保持された状態で、車室側操作部あるいは
トランクルーム側操作部により、車室側からでもトラン
クルーム側からでも、両フック部の係合を解除して前倒
可能部を前方に倒すことができ、利便性を向上すること
ができる一方で構造の簡素化を図ることができ、また、
前倒可能部が起立位置にあるとき、ロック手段により車
室側操作部による前倒可能部の前倒を不能とすること
で、トランクルーム側からのみ前倒可能部の前倒を可能
として安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係るトランクスルー装置
の後部シートへの装着状態を表す概略図である。 【図２】車室側からのトランクスルー装置の操作状態を
表す要部断面図である。 【図３】トランクルーム側からのトランクスルー装置の
操作状態を表す要部断面図である。 【図４】盗難防止ロックの作動状態を表すトランクスル
ー装置の要部断面図である。 【図５】トランクスルー装置が装着された後部シートの
斜視図である。 【符号の説明】 １１ 後部座席 １２ シートバック １４ 前倒可能部 ２４ 第１フック ２５ コイルばね（付勢手段） ２８ 第１フック ２９ コイルばね（付勢手段） ３１ 車室側ストラップ（車室側操作部） ３２ トランクルーム側ストラップ（トランクルーム側
操作部） ３３ ロック片（ロック手段） ３４ 操作部材 Ｒ 車室 Ｔ トランクルーム
の後部シートへの装着状態を表す概略図である。 【図２】車室側からのトランクスルー装置の操作状態を
表す要部断面図である。 【図３】トランクルーム側からのトランクスルー装置の
操作状態を表す要部断面図である。 【図４】盗難防止ロックの作動状態を表すトランクスル
ー装置の要部断面図である。 【図５】トランクスルー装置が装着された後部シートの
斜視図である。 【符号の説明】 １１ 後部座席 １２ シートバック １４ 前倒可能部 ２４ 第１フック ２５ コイルばね（付勢手段） ２８ 第１フック ２９ コイルばね（付勢手段） ３１ 車室側ストラップ（車室側操作部） ３２ トランクルーム側ストラップ（トランクルーム側
操作部） ３３ ロック片（ロック手段） ３４ 操作部材 Ｒ 車室 Ｔ トランクルーム
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平８−58449（ＪＰ，Ａ)
特開 平９−323572（ＪＰ，Ａ)
実開 昭59−136339（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭60−92633（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B60N 2/22
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 少なくともシートバックの一部に前倒可
能部を有して車室側とトランクルーム側を挿通可能な車
両後部座席と、前記前倒可能部に回動可能に設けられた
第１フック部と、車体側または前記シートバックに回動
可能に設けられて前記前倒可能部が起立位置にあるとき
に前記第１フック部と係合可能な第２フック部と、前記
第１フック部と前記第２フック部とを互いに係合方向に
付勢する付勢手段と、車室側に設けられて前記第１フッ
ク部あるいは前記第２フック部のいずれか一方を前記付
勢手段の付勢力に抗して回動することで前記両フック部
の係合を解除する車室側操作部と、前記トランクルーム
側に設けられて前記第１フック部あるいは前記第２フッ
ク部のいずれか他方を前記付勢手段の付勢力に抗して回
動することで前記両フック部の係合を解除するトランク
ルーム側操作部と、前記前倒可能部が起立位置にあると
きに前記車室側操作部により操作される前記一方のフッ
ク部の回動を規制して前記第１フック部と前記前記第２
フック部との係合を車室側から解除不能とするロック手
段とを具えたことを特徴とするトランクスルー装置。
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| EP99111376A EP0965488B1 (en) | 1998-06-12 | 1999-06-10 | Apparatus for permitting pass-through between vehicle compartment and trunk room |
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-
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- 1999-06-10 DE DE69902849T patent/DE69902849T2/de not_active Expired - Lifetime
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- 1999-06-14 US US09/332,608 patent/US6302484B1/en not_active Expired - Lifetime
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