JP2861058B2 - 可変リラクタンスモータの励磁制御装置 - Google Patents

可変リラクタンスモータの励磁制御装置

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JP2861058B2
JP2861058B2 JP1146046A JP14604689A JP2861058B2 JP 2861058 B2 JP2861058 B2 JP 2861058B2 JP 1146046 A JP1146046 A JP 1146046A JP 14604689 A JP14604689 A JP 14604689A JP 2861058 B2 JP2861058 B2 JP 2861058B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、可変リラクタンスモータの励磁巻線に最適
な励磁電流を通じることのできる可変リラクタンスモー
タの励磁制御装置に関する。
(従来の技術) 可変リラクタンスモータの励磁制御装置として、次の
ような技術が知られている。
公知のごとく可変リラクタンスモータは、回転子と励
磁巻線との相対的位置関係に応じて励磁巻線の実効イン
ダクタンスが大きく変化する。そして、実効インダクタ
ンスが増加する期間(以下、増加期間という)、すなわ
ち回転子と励磁巻線との磁気抵抗Rが減少する期間に励
磁巻線を励磁するならば、回転子に対して回転力を与え
ることができる。逆に、実効インダクタンスが減少する
期間(以下、減少期間という)、すなわち回転子と励磁
巻線との磁気抵抗Rが増加する期間に励磁巻線を励磁す
るならば、回転子から回転力を奪うことができる。
従って、一般的に可変リラクタンスモータの励磁状態
を制御するには、発生させたい駆動トルクまたは制動ト
ルクに応じて上記増加期間または減少期間に一致する期
間(以下、この期間を基準励磁期間という)にわたり、
現実の回転状態と目標とする回転状態との比較結果に基
づいた目標値電流を励磁巻線に通じ、所望の大きさの駆
動トルクあるいは制動トルクを得ている。
しかし、励磁巻線の実効インダクタンスは電流変化を
遅らせ、励磁電流の立ち上がり特性及び立ち下がり特性
を悪化させるように作用する。従って、上記増加期間あ
るいは減少期間の始期及び終期に同期して励磁巻線と電
圧源との接続を実行した場合に流れる励磁電流は、実際
には当該期間から遅れ、予定した大きさの駆動トルクあ
るいは制動トルクが発生しない。
そこで、特公昭62-15040号公報には、励磁巻線と電源
との断続タイミングを早め、励磁巻線の実効インダクタ
ンスが増加期間に入る以前の最小値を示すときに励磁電
流が最大値となるように電源と接続し、励磁電流が相当
に減少したタイミングで電源と遮断する(以下、この制
御を進み制御という)可変リラクタンスモータの励磁制
御装置が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記可変リラクタンスモータの励磁制御装置
に開示される進み制御は、単に励磁電流の通電タイミン
グを進めることで可変リラクタンスモータの制御特性を
向上させることが可能であることを開示するのみであ
り、励磁電流通電タイミングの具体的な制御に関する記
載は一切なされていない。
例えば、実効インダクタンスが最小の期間に通じられ
る励磁電流は、駆動トルクあるいは制動トルクとして何
ら作用することなく、単に励磁巻線中及び磁気回路中で
熱として消費されるのみである。従って、励磁電流の通
電タイミングを進める場合にも、その進み量を適宜調整
しない限り却って効率が低下することも考えられる。
しかも、既述のごとく可変リラクタンスモータの実効
インダクタンスにより励磁電流の立ち上がり及び立ち下
がりは緩慢となる。従って、励磁を開始した時点から目
標電流値に達すまでの所要時間及び励磁を中止した時点
から励磁電流が消滅するまでの所要時間は目標電流値の
大きさにより相違することになり、最適と思われる励磁
電流の通電タイミングも励磁電流の大きさの関数となっ
て常に変化する。
このため、従来の可変リラクタンスモータの励磁制御
装置は、可変リラクタンスモータの運転状態を平均した
とき効率が向上するだろう程度に励磁電流の通電タイミ
ングを進めているのが実際であり、可変リラクタンスモ
ータの効率を大きく改善することはできず、不要期間の
励磁により騒音が発生するなどの不具合が存在してい
る。
本発明はこの様な課題を完全に解決するためになされ
たもので、可変リラクタンスモータへの励磁電流の通電
タイミングを常に最適に制御し、可変リラクタンスモー
タに入力する電気エネルギーを高効率に機械エネルギー
に変換し、大きな駆動トルクあるいは制動トルクを発生
させる優れた可変リラクタンスモータの励磁制御装置を
提供することを目的としている。
発明の構成 (課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために本発明の構成した手段は第
1図の基本構成図に示すごとく、 可変リラクタンスモータVRの現実の回転速度(回転方
向を含む)と目標とする回転速度(回転方向を含む)と
の偏差を検出する偏差検出手段C1と、 現実の回転方向と目標とする回転方向とが同じで且つ
目標とする回転速度の絶対値が実際の回転速度の絶対値
よりも大きい、と前記偏差検出手段C1により検出された
場合には、基準励磁期間を、前記励磁巻線のインダクタ
ンスが増加する期間に設定し、一方、現実の回転方向と
目標とする回転方向とが異なる、と前記偏差検出手段C1
により検出された場合、若しくは現実の回転方向と目標
とする回転方向とが同じで且つ目標とする回転速度の絶
対値が実際の回転速度の絶対値よりも小さい、と前記偏
差検出手段C1により検出された場合、には基準励磁期間
を、前記励磁巻線のインダクタンスが減少する期間に設
定する基準励磁期間決定手段C2と、 前記偏差検出手段C1により検出された、目標の回転速
度に対する実際の回転速度の偏差、に基づき、前記基準
励磁期間に前記各励磁巻線に通じる電流値の目標値I*
決定する目標電流値決定手段C3と、 前記基準励磁期間(前記基準励磁期間決定手段C3によ
って設定されたもの)にわたり前記目標値I*に基づいて
励磁電流を前記各相励磁巻線に通じる励磁実行手段C4
と、を有する可変リラクタンスモータの励磁制御装置に
おいて、 前記各相励磁巻線の実効抵抗R、該各相励磁巻線の実
効インダクタンスLの最大値Lmax、最小値Lmin、瞬時の
回転子の角速度ω、可変リラクタンスモータVRに印加さ
れる直流電圧e、及び前記目標値I*に対し、 加速時には 減速時には にて定まるXだけ基準励磁期間の始期を早めるか、もし
くは 加速時には 減速時には にて定まるYだけ基準励磁期間の終期を早める励磁期
間修正手段C5を備えることを特徴とする可変リラクタン
スモータの励磁制御装置をその要旨とする。
(作用) 本発明の励磁期間修正手段C5は、目標電流値決定手段
C3の決定した励磁電流の目標値I*を初めとする以下に示
すパラメータに基づき、基準励磁期間決定手段C2の決定
した基準励磁期間を修正する。この様に、基準励磁期間
の修正情報として励磁電流の目標値I*の情報を必須の要
件としたのは、次の理由による。
可変リラクタンスモータVRの励磁巻線に電圧eを印加
したときの電流iに関する回路方程式は、以下の様にな
る。
ここでRは各相励磁巻線の実効抵抗、Lは励磁巻線の
実効インダクタンス、θは可変リラクタンスモータの瞬
時の回転子の回転角、ωはその角速度、iは励磁巻線に
流れる電流である。電流が立ち上がるときには実効イン
ダクタンスLがθに対して殆ど変化しないことから式
(*)を近似して解くと、 一方、電流が流れている状態からその電流を停止した
場合の回路方程式は、 これを同様の近似をして解くと、 但しt=0で立ち下がるものとする。また、インダク
タンスLは、電流が立ち上がるときか立ち下がるとき
か、可変リラクタンスモータが加速中か減速中か、に応
じ、その最大値Lmaxあるいは最小値Lminに置き換えるこ
とができる。
すなわち励磁電流iは時定数T(=L/R)で緩やかに
立ち上がり、かつ、緩やかに立ち下がるため、励磁電流
の目標値I*が大きいほどその目標値到達までに長い時間
を必要とし、その励磁を終了するために長時間を必要と
することになる。
そこで、励磁電流の目標値I*を初めとする前述のパラ
メータから立ち上がりの所要時間もしくは立ち下がりの
所要時間を算出し、それに応じて基準励磁期間を修正す
るのである。
上記関係を図示するならば第2図の様である。第2図
(A)及び(B)は、可変リラクタンスモータVRの励磁
巻線に、同一タイミングで電源との断続を実行した場合
に流れる励磁電流の変化を模式的に表したものである。
(A)は可変リラクタンスモータVRが高負荷運転をして
いる場合を、(B)は軽負荷運転をしている場合を示し
ている。
(A)に示す場合には、増加期間に負荷に対応する大
きな電流を通じなければならない。すなわち、漸次立ち
上がりあるいは立ち下がる励磁電流を制御して増加期間
内だけ目標電流値とするためには、励磁開始タイミング
を基準励磁期間の始期より回転角度θ1だけ進め、か
つ、励磁終了タイミングをその終期より回転角度θ2だ
け進めることで、不要な励磁期間(領域A)を極小値と
し、駆動トルクに有効に作用する励磁期間(領域B)を
極力大きくとり、制動トルクが発生する励磁期間(領域
C)が可能な限り発生しないように制御することができ
る。
しかし、この様な励磁タイミングの進み制御を可変リ
ラクタンスモータVRの総ての運転状態に適用するなら
ば、(B)に示すごとき運転状態では大きな効率の低下
を招来する。すなわち、(B)に示すように励磁電流の
目標値が小さい場合には進み制御により不要な励磁期間
(領域A)がきわめて大きくなり、実際に駆動トルクを
発生させる励磁期間(領域B)は侵食され、駆動トルク
が得られる励磁期間(領域D)を残したまま励磁が完了
することになる。
この様に、可変リラクタンスモータVRの励磁電流値は
励磁タイミングに大きな影響を及ぼす要因であるため、
励磁期間修正手段C5は目標値I*、各相励磁巻線の実効抵
抗R、該各相励磁巻線の実効インダクタンスLの最大値
Lmax、最小値Lmin、瞬時の回転子の角速度ω、可変リラ
クタンスモータVRに印加される直流電圧eにて定まる前
述の進み量Xだけ基準励磁期間決定手段C2の決定した基
準励磁期間の始期を早める(つまりθ1=Xとする)
か、もしくは同じパラメータにて定まる進み量Yだけ基
準励磁期間に終期を早める(θ2=Yとする)のであ
る。
なお、以上の説明から明らかなように、進み量Xだけ
始期を早めることによる効果(駆動トルクに有効な励磁
期間が極力大きく取れる)と、進み量Yだけ終期を早め
ることによる効果(不要な制動トルクが可能な限り発生
しないようにできる)とは、互いに独立している。この
ため、始期を進み量X進め、且つ終期を進み量Y進める
ことは当然可能である。以下に示す実施例では、これを
実現した態様を説明する。言い換えれば、双方を実施し
た態様から、始期を進み量X進めただけの態様や、終期
を進み量Y進めただけの態様を導き出すことも、これら
による作用・効果が互いに独立していることから当然可
能である。
(実施例) 第3図は、本発明の一実施例である可変リラクタンス
モータの励磁制御装置10の構成ブロック図である。な
お、第3図では構成ブロックの重複した説明を避けるた
め、4相の可変リラクタンスモータ20のうち任意の1相
の励磁巻線を励磁する構成のみを示している。
図示する励磁制御装置10は、マイクロコンピュータを
中心とする論理演算回路12を利用して構成されるもので
あり、外部NC機30から入力される目標回転角度θ,回
転速度V*,回転加速度α等に追随させるべく可変リラ
クタンスモータ20への励磁を実行する。公知のごとく論
理演算回路12とは、論理演算を実行するCPU12a、その論
理演算の手順を定める各種のプログラム等が不揮発的に
記憶されるROM12b、論理演算の実行を補助するため必要
な情報の一時的な読み書きが行われるRAM12c、そして、
後述するカウンタ12d及び入出力インターフェイス12eか
ら構成される。
カウンタ12dは、可変リラクタンスモータ20の回転子2
0aの回転状況を検出する回転検出器40から出力される回
転角度情報及び回転方向情報を共に入力し、内部カウン
タを回転方向に応じてカウント・アップあるいはカウン
ト・ダウンする。従って、そのカウンタ値は回転子20a
の励磁巻線に対する回転角度を高精度に表し、この値を
入出力インターフェイス12e及びCPU12aの求めに応じて
バス12fに出力する。
入出力インターフェイス12eは、外部機器との情報の
授受を担当するインテリジェントな構成ブロックであ
り、次の機能を有する。第一はバッファ的機能であり、
外部NC機30から入力される各種目標値に情報を一時的に
格納し、これをCPU12aからの求めに応じて出力すること
で情報の授受のタイミングを調整する。第二は励磁信号
の出力タイミングを司る機能であり、カウンタ12dから
入力されるカウンタ値を監視しつつCPU12aより設定され
た励磁期間にわたり同様にCPU12aより設定された励磁信
号を出力する。
なお、入出力インターフェイス12eから励磁期間にわ
たって出力される励磁信号とは、CPU12aにより後述のご
とく決定される矩形波信号である。入出力インターフェ
イス12eからこの矩形波の励磁信号が出力されると、カ
レント・コイル50により検出された現実の励磁電流波形
がフィードバックされ、その結果は比例・積分回路(PI
回路)14を介して応答性の改善がなされた後にPWM回路1
6に入力される。ここで励磁信号はPWM変調され、その信
号に基づき励磁回路18が駆動され、可変リラクタンスモ
ータ20の励磁巻線には前記励磁期間にわたり励磁信号の
大きさに応じた励磁電流が通じられることになる。
次に、以上のごとく構成される励磁制御装置10のROM1
2bに記憶されており、CPU12aによって適宜処理されるこ
とで前記励磁期間及び励磁信号を決定するプログラムに
ついて説明する。
まず、第4図は励磁信号及び基準励磁期間を決定する
ための「励磁信号・基準励磁期間決定プログラム」で、
励磁電流の大きさを定める励磁信号及びその励磁信号を
入出力インターフェイス12eから出力する励磁期間の基
準となる基準励磁期間を決定する。このプログラムはCP
U12aにより所定時間毎に繰り返し処理されるものであ
り、処理が開始されると外部NC機30から入力される各種
目標値を読み込み(ステップ100)、次いで、現在及び
過去のカウンタ12dのカウンタ値を処理することで現実
の可変リラクタンスモータ20の回転角度,回転速度,回
転加速度等を算出する(ステップ110)。
そして、上記2種の情報より基準励磁期間を決定する
(ステップ120)。ここで、基準励磁期間とは、励磁を
行う期間を増加期間あるいは減少期間いずれかに決定す
るものであり、前述のごとく可変リラクタンスモータ20
に発生させるトルクの正・負(駆動トルクあるいは制動
トルク)が決定される。すなわち、可変リラクタンスモ
ータ20に何れのトルクを発生させるならば、現実の回転
状態を目標の回転状況へ追随させることができるか、を
判定することにより処理される。
次に、各種目標値と現実の回転状態とを比較すること
で、可変リラクタンスモータ20の励磁巻線に通じるべき
励磁電流の大きさ、すなわち励磁信号を決定する(ステ
ップ130)。この処理により、可変リラクタンスモータ2
0に発生させるトルクの大きさが決定される。例えば、
現実の回転速度が目標の回転速度より低い場合には、そ
の速度差に比例する大きさの励磁信号とし、可変リラク
タンスモータ20に相応の駆動トルクを発生させる。
そして、この様に決定した基準励磁期間及び励磁信号
を入出力インターフェイス12eにセットし(ステップ14
0)、本プログラムを終了する。
第5図は、本実施例の励磁制御装置10に特有の「励磁
期間決定プログラム」のフローチャートで、上記「励磁
信号・基準励磁期間決定プログラム」により決定された
基準励磁期間を同プログラムにより決定された励磁信号
の情報により修正することで、実際に入出力インターフ
ェイス12eから励磁信号を出力するタイミング(励磁期
間)を決定する。このプログラムは、CPU12aが「励磁信
号・基準励磁期間決定プログラム」の処理を完了したの
に引続き処理され、新たな大きさの励磁信号に最適の励
磁期間を決定する。
このプログラムの処理に入ると、CPU12aは入出力イン
ターフェイス12eに設定された励磁信号を読み出し(ス
テップ200)、この情報に基づき前述のごとく決定され
た基準励磁期間を修正して励磁タイミングを進めた新た
な励磁期間を決定する(ステップ210)。
この励磁期間の決定処理(ステップ210)による最も
理想とする進め量の決定方法を、第6図を用いて説明す
る。
既述のごとく、基準励磁期間中に励磁巻線に流れる励
磁電流のみが、所望のトルクを可変リラクタンスモータ
20に発生させるために有効に作用する。従って、この基
準励磁期間の始期における励磁電流が、励磁信号による
目標電流値となるような始期の進み量Xが決定される。
すなわち、励磁信号による励磁電流の目標値が大きいほ
ど進み量Xは大きく設定される。
一方、基準励磁期間の終期の進み量Yは、次のように
決定される。任意の進み量Yで励磁電流の通電を終了し
た後、励磁巻線の実行インダクタンスに蓄えられた電磁
エネルギーのために励磁電流は緩やかに減少する。この
ため、可変リラクタンスモータ20に有効なトルクを発生
させる基準励磁期間が終了しても最大値ieの励磁電流が
残存し、これが徐々に減少する。しかし、この基準励磁
期間が終了した後の実行インダクタンスLの角度変化
(dL/dθ)が負の値となるならば、励磁巻線には次式に
より表される逆起電力Erが発生する。
すなわち、逆起電力Erにより、残存している励磁電流
ieを増加させる発電現象が観測される。この発電現象
が、励磁電流を減少させる循環回路等の時定数に比較し
て大きな値となるならば、残存励磁電流が流れ続けて可
変リラクタンスモータ20は制御不能となる。従って、終
期の進み量Yは、基準励磁期間の終了時点における励磁
電流の最大値ieが上記可変リラクタンスモータ20の制御
不能状態を招来する値よりも小さな値に減少させ、か
つ、基準励磁期間内の電流量が最大となる進み量に決定
される。すなわち、この終期の進み量Yも、励磁電流が
大であるほど大きく決定される。
以上の理論に基づき励磁期間の決定処理(ステップ21
0)では、基準励磁期間に対する進め量X及びYを決定
するが、上記説明からも明かなごとくその理論値は励磁
回路の回路方程式を解くことで算出することができる。
そこで、ステップ210では、可変リラクタンスモータ20
の固有の特性に基づいて予め作成された回路方程式に、
現在の励磁信号を代入し、これを解くことで現在の可変
リラクタンスモータ20に最適の進め量X及びYを算出し
て励磁期間を決定する。具体的には以下のようである。
すなわち、可変リラクタンスモータ20が加速している時
には 減速している時には である。
そして、この様に決定された励磁期間を入出力インタ
ーフェイス12eにセットし(ステップ220)、本プログラ
ムの処理を終了する。
上記した各プログラム(第4図,第5図)の処理によ
り、入出力インターフェイス12eに対する励磁信号及び
励磁期間のセットが完了する。そして、これらの指令の
セット完了後には、入出力インターフェイス12eはカウ
ンタ12dのカウンタ値がセットされた励磁期間に一致し
たとき同様にセットされた励磁信号を出力し、可変リラ
クタンスモータ20に通じられる励磁電流は高効率にトル
クの発生に寄与することとなる。
以上説明したごとく、本実施例の可変リラクタンスモ
ータの励磁制御装置10は、励磁電流を通じる励磁期間を
励磁信号に応じて基準励磁期間から適宜進め、励磁電流
が有効にトルクに変換される。従って、可変リラクタン
スモータ20に入力される電気エネルギーは、最高効率で
機械エネルギーであるトルクに変換され、経済性に優
れ、大きなトルクを発生させることができる。また、不
要な期間の励磁電流が小さく抑えられるため、電磁音等
の騒音が小さくなる。
なお、本発明の可変リラクタンスモータの励磁制御装
置は上記構成に何等限定されるものでなく、その要旨を
逸脱しない種々なる態様により具現化されるものであ
る。
例えば、「励磁期間決定プログラム」による励磁期間
の決定処理(ステップ210)は、上記実施例では励磁回
路の回路方程式を解くことでより厳密に進み量X,Yを決
定して、可変リラクタンスモータ20を最高効率で運転す
ることを目的としている。しかし、この様な構成に限ら
ず、CPU12aの演算に関する負担を軽減するため、予め励
磁信号の大小に応じた進み量X,YをROM12bにテーブルと
して用意し、処理の高速化、論理演算回路12の簡素化を
優先してもよい。
また、進み量X,Yは、励磁信号に応じて共に同一傾向
で増減する特性である。従って、その一方を算出して他
方はその算出値から推定することで、一層の処理の簡略
化を行う構成としてもよい。
更に、上記実施例では進み量X,Yを高精度に算出しそ
の算出結果を忠実に実行できる構成としてるが、ハード
構成を簡略化しまたはCPU12aの負担を軽減するために、
概算的に進み量X,Yを決定する構成としてもよい。例え
ば、ある励磁相の終期進み量Yと次の励磁相の始期進み
量Xとが時間的に重複する場合、入出力インターフェイ
ス12eには可変リラクタンスモータ20の相数に等しい励
磁信号出力系統が必要となり、高価かつ複雑なハード構
成となる。従って、進み量XあるいはYに上限値を設け
て連続する励磁相の進み量が重複しないようにし、構成
を簡略化してもよい。また、可変リラクタンスモータ20
の軽負荷運転のときには、励磁電流が小さな値となるめ
進み量X,Yの値も小さくなり、励磁期間と基準励磁期間
とはほぼ一致することになる。従って、所定値以下の軽
負荷運転状態を検出した場合には、第5図の「励磁期間
決定プログラム」の実行を中止して基準励磁期間に基づ
いた励磁を実行し、CPU12aの負担をより軽減させる構成
としてもよい。
発明の効果 以上実施例を挙げて詳述したごとく本発明の可変リラ
クタンスモータの駆動装置は、可変リラクタンスモータ
の励磁電流の目標値に基づき基準励磁期間を修正し、可
変リラクタンスモータの運転状態に応じた最適期間に励
磁を実行するものである。
従って、可変リラクタンスモータへの励磁電流の通電
タイミングは常に最適となり、可変リラクタンスモータ
に入力する電気エネルギーは高効率に機械エネルギーに
変換される。すなわち、僅かな電気エネルギーの入力に
より大きな駆動トルクあるいは制動トルクを発生させる
ことが可能となり、無用な発熱や騒音の発生を抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的な構成ブロック図、第2図は従
来の励磁制御装置が未解決である課題の説明図、第3図
は本発明の実施例である励磁制御装置の構成ブロック
図、第4図及び第5図は同実施例にて処理されるプログ
ラムのフローチャート、第6図は同実施例にて励磁巻線
に通じられる励磁電流波形の説明図、を示している。 10……励磁制御装置、12……論理演算回路 12a……CPU、12b……ROM 12c……RAM、12d……カウンタ 12e……入出力インターフェイス 14……PI回路 16……PWM回路、18……励磁回路 20……可変リラクタンスモータ 20a……回転子、30……外部NC機 40……回転検出器、50……カレント・コイル
フロントページの続き (72)発明者 古橋 雅彦 愛知県名古屋市瑞穂区堀田通9丁目35番 地 ブラザー工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−15289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02P 5/00 501 H02P 7/00 501

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変リラクタンスモータの現実の回転速度
    (回転方向を含む)と目標とする回転速度(回転方向を
    含む)との偏差を検出する偏差検出手段と、 現実の回転方向と目標とする回転方向とが同じで且つ目
    標とする回転速度の絶対値が実際の回転速度の絶対値よ
    りも大きい、と前記偏差検出手段により検出された場合
    には、基準励磁期間を、前記励磁巻線のインダクタンス
    が増加する期間に設定し、一方、現実の回転方向と目標
    とする回転方向とが異なる、と前記偏差検出手段により
    検出された場合、若しくは現実の回転方向と目標とする
    回転方向とが同じで且つ目標とする回転速度の絶対値が
    実際の回転速度の絶対値よりも小さい、と前記偏差検出
    手段により検出された場合、には基準励磁期間を、前記
    励磁巻線のインダクタンスが減少する期間に設定する基
    準励磁期間決定手段と、 前記偏差検出手段により検出された、目標の回転速度に
    対する実際の回転速度の偏差、に基づき、前記基準励磁
    期間に前記各相励磁巻線に通じる電流値の目標値I*を決
    定する目標電流値決定手段と、 前記基準励磁期間(前記基準励磁期間決定手段によって
    設定されたもの)にわたり前記目標値I*に基づいて励磁
    電流を前記各相励磁巻線に通じる励磁実行手段と、 を有する可変リラクタンスモータの励磁制御装置におい
    て、 前記各相励磁巻線の実効抵抗R、該各相励磁巻線の実効
    インダクタンスLの最大値Lmax、最小値Lmin、瞬時の回
    転子の角速度ω、可変リラクタンスモータに印加される
    直流電圧e、及び前記目標値I*に対し、 加速時には 減速時には にて定まるXだけ基準励磁期間の始期を早めるか、もし
    くは 加速時には 減速時には にて定まるYだけ基準励磁期間の終期を早める励磁期間
    修正手段 を備えることを特徴とする可変リラクタンスモータの励
    磁制御装置。
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