JP4255215B2 - 包装用積層体 - Google Patents

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Description

技術の分野
本発明は、包装用積層体に関し、更に詳しくは、真空包装後の包装体余剰部分の透明性、光沢に優れセルフウェルド性を有する包装用積層体に関する。
背景技術
従来より、多層フィルムよりなる袋・パウチは、食品包装用途によく用いられている。多層フィルム、特に熱収縮性フィルムは内容物とのタイトフィットを目的として使用され、例えば、熱収縮性フィルムからなる袋・パウチの中に、内容物を充填し真空包装を行い、次いで真空包装された製品を熱水シャワー中に通すかあるいは熱水中に浸漬し、袋を熱収縮させる方法がよく用いられる。多層フィルムを収縮させた場合に、フィルムの透明性や光沢などの光学特性が特に収縮後に悪化する問題がある。この光学特性の悪化は、高い光学特性を求められる分野においては好ましくないものである。
魚肉、畜肉、例えば、生肉や加工肉に代表される不定形の食品を多層フィルムで包装する場合、袋・パウチの耳部(収縮後の袋の余剰部分を「耳部」と呼ぶ)の見栄えが悪いと消費者に好まれない。袋・パウチの耳部の内表面樹脂同士を熱収縮時の加熱によって融着させること(以下、セルフウェルドと称する)は、包装後の生肉や加工肉から発生する肉汁(ドリップ)を目立たせないという点から消費者から好まれている。セルフウェルド性に劣る場合、すなわち熱収縮後に耳部の融着がないか、ほとんど融着しない場合、包装後の保存中にドリップが耳部に溜まり、見栄えが悪くなることが問題となる。
また、魚肉又は畜肉の真空包装袋・パウチの分野では、その袋の開け易さ(開口性)が重要であり、開口性が悪い場合、内容物を袋・パウチに充填し難くなり、作業性に問題が生じる。袋・パウチに優れた開口性を付与する方法としては、フィルムの表面層にデンプン系微粒子などのパウダーを散布する方法がよく行われている。しかし、パウダーの散布には、フィルムの性能上や製造上での問題がある。具体的には、パウダーを大量に散布した後ロール状に巻き付けた場合は、パウダーによってフィルム表面層に凹凸ができ、透明性・光沢が低下する問題があり、また同一ロール内でも巻き芯部と表層部での透明性・光沢に差が生じるため、当該業者間ではパウダー量を少なくすることが熱望されている。
真空包装を行った際に、袋の内面(内表面層)の耳部にパウダーが多く存在すると、セルフウェルド性が低下し、耳部の透明性を悪化させる。また熱収縮により耳部の面積が小さくなった後は、単位面積あたりのパウダーの量が増加し、耳部の不透明さがより目立つことになり、望ましくない結果を招くことになる。袋にセルフウェルド性がないか、ほとんどない場合は、保存中にドリップが耳部に溜まるため、パウダーによる透明性の低下とは別にドリップのため見栄えが悪くなる。セルフウェルド性を有する場合でも、耳部に存在するパウダーのため耳部が不透明になり望ましくない。また、製造面においても、袋の内面にパウダーを散布するためには、製造工程を一工程追加することになり、生産性や経済性の低下を招くことになり、望ましくない。本発明の目的は、真空包装後の耳部の透明性、光沢に優れるとともにセルフウェルド性も有する包装用積層体を提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を克服するために鋭意研究した結果、内表面層、それに隣接する中間層、外表面層の少なくとも3層からなり、内表面層が無機系滑剤及び有機系滑剤、該中間層が有機系滑剤を有する積層体であって、内表面層同士がセルフウェルド性を有する積層体が、内表面層上にデンプン系微粒子などのパウダー処理を施さなくてもフィルムの開口性を維持し、収縮後の透明性や光沢を向上させ、ドリップの溜まりを防止し、フィルムの外観、見栄えをよくさせることを見い出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成された。
すなわち本発明は、充填物に接する内表面層、それに隣接する中間層、及び外表面層の少なくとも3層からなり、内表面層が無機系滑剤及び有機系滑剤を有し、該中間層が有機系滑剤を有する積層体であって、熱処理によりセルフウェルド性を有する包装用積層体及び魚肉又は畜肉用である前記包装用積層体を提供する。また、前記発明において、内表面層の動摩擦係数が0.1〜0.5である包装用積層体及び内表面層がシール層である包装用積層体並びに熱収縮性である包装用積層体を提供する。更に、本発明は、内表面層に無機系滑剤が添加されており、内表面層あるいは内表面層に隣接する中間層に有機系滑剤が添加されている前記発明の包装用積層体及び外表面に隣接する中間層に有機系滑剤が添加されている前記発明の包装用積層体を提供する。前記発明において、外表面層に無機系滑剤が添加されていない包装用積層体及び外表面層を構成する樹脂がポリエステル系樹脂またはナイロン系樹脂であり、且つ、無機系滑剤が添加されている包装用積層体、並びに内表面層と外表面層の少なくともいずれかがシングルサイト触媒系ポリエチレンである前記発明の包装用積層体を提供する。本発明は、前記発明において中間層が少なくとも一つのガスバリヤ層を有する包装用積層体及び内表面層に遊離したデンプン系微粒子による処理が施されていないことを特徴とする包装用積層体を提供する。
発明を実施するための最良の形態
以下本発明に関し詳しく説明する。
本発明によれば、内表面層が無機系滑剤及び有機系滑剤を有し、それに隣接する中間層が有機系滑剤を有することでフィルムの開口性を維持し、内表面層上のフィルム摩擦を調整し、熱処理中に内表面層同士をセルフウェルドさせることにより、透明性、光沢に優れた魚肉又は畜肉の包装用積層体が提供される。
一般に、多層フィルムは熱処理されると透明性や光沢が悪化する。フィルム開口性を得るにはフィルム表面層上にパウダー処理を施さねばならず、透明性や光沢を更に悪化させる。また、製袋性などフィルム滑り性や開口性のために無機系滑剤又は有機系滑剤を樹脂中に添加することがよく知られているが、やはり透明性や光沢が悪化する。このように、多層フィルム/シートからなる包装用積層体は、開口性を維持し、透明性や光沢をより一層向上させる手段がなかった。
本発明は、包装用積層体を構成するフィルムの内表面層に無機系滑剤や有機系滑剤を(好ましくは、特定の摩擦係数の範囲になるように)添加し、積層体を熱処理して、セルフウェルドさせることにより、魚肉又は畜肉などの包装用積層体のフィルム開口性の維持とともに透明性や光沢を向上させた。
本発明において、「ある層が滑剤を有する」とは、当該層に当初、滑剤が添加されていなくとも、他の層から滑剤が移行し、当該層に存在していることも含んだ意味で用いられる。隣接する中間層に有機系滑剤を添加すると、その移行により内表面層や外表面層の有機系滑剤の添加量を少なくでき、或いは添加しなくともよい。内表面層や外表面層への添加量が少ない程、押出加工時の目ヤニ(一種の樹脂の熱分解物)の発生を抑え、成形加工収率やフィルム外観を悪くさせない。市場への出荷が急がれる時、フィルム滑り性を早く得るために内表面層や外表面層の他に、それに隣接する中間層に添加して調整できる。一つの層に多くの有機系滑剤を添加し過ぎると押出加工ができなくなる。滑剤の移行はポリオレフィン系樹脂が隣接層にある場合に生じ易い。また、「熱処理によりセルフウェルド性を有する」の「熱処理」とは、熱収縮、熱殺菌、クッキングなどの熱処理を指して云う。
更に、本発明で云う「セルフウェルド性」とは、多層フィルムの内表面層に使用される樹脂の結晶融解エンタルピーの比率、即ち、特定温度(所望の熱処理の温度)以下のエンタルピー値/全体のエンタルピー値(百分率%)の計算式において、15%以上、好ましくは25%以上、更に好ましくは30%以上になる特定温度で熱処理してセルフウェルド性を得る。内容物によりセルフウェルド性の平均強度は変わるが、例えば焼豚を充填する場合は、30g/15mm以上であることが好ましい。
本発明で用いる滑剤は、プラスチックの成形品にとって非常に重要な添加剤の一つである。実際に、フィルムと対象物との境界摩擦を小さくするために用いられる。内表面層、即ち、シール層に用いる無機系滑剤としては、フィルム同士の固着を抑制させる目的で樹脂中に添加される公知の無機系の充填剤、例えば、タルク、珪藻土、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、アルミノシリケートなどを用いることができる。充填剤の形状は球状であることが好ましい。又、シール層樹脂との屈折率の違いに留意することが望ましく、シール層樹脂との屈折率が大きく異なる場合にはシール層の透明性が劣化する。例えばシリカ、アルミノシリケート、ゼオライトなどが屈折率や分散性の面から好ましく用いられる。また、無機系滑剤のコールタカウンター法による測定で得た平均粒径は好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは1〜7μmである。また、最も好ましい態様としては、前記平均粒径を有する無機系滑剤の粒径10μmを越える部分をカットしたものである。平均粒径が大きい場合には、シール層の透明性を劣化させたり、強度が低下するおそれがある。平均粒径が小さすぎる場合には、滑り性向上に対する効果が小さかったり、分散性に問題が生じたりする。
本発明では、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、エステル系滑剤、金属石鹸類などを有機系滑剤と云う。具体的には、炭化水素系滑剤には流動パラフィン、天然パラフィン、ポリエチレンワックス、マイクロワックスなどが挙げられる。脂肪酸系滑剤としては、ステアリン酸、ラウリン酸などが挙げられる。脂肪酸アミド系滑剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、アラキジン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなどが挙げられる。エステル系滑剤としては、ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート、ステアリン酸モノグリセライドなどが挙げられる。金属石鹸としては、炭素数12〜30の脂肪酸から誘導されるものであり、ステアリン酸鉛に代表されるステアレートが挙げられる。これらの有機系滑剤の中では、脂肪酸アミド系滑剤、金属石鹸類がポリオレフィン樹脂との相溶性が優れるという点から好ましく用いられる。尚、本発明では滑剤には可塑剤、特に常温で液体の可塑剤を含めない。
本発明の包装用積層体に用いる樹脂としては、シングルサイト触媒(以下「SSC」と略記)を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン(以下「SSC−LLDPE」と略記)や、SSCを用いて重合された直鎖状超低密度ポリエチレン(以下「SSC−VLDPE」と略記)、従来のエチレン−α−オレフィン共重合体(LLDPE、VLDPE、ULDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・メタクリル酸・不飽和脂肪族カルボン酸共重合体、高密度ポリエチレン、LDPE、アイオノマー樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、変性ポリオレフィン(たとえば、オレフィン類の単独または共重合体などとマレイン酸やフマル酸などの不飽和カルボン酸や酸無水物やエステルもしくは金属塩などとの反応物など)、ポリプロピレン(PP)樹脂、共重合ポリエステル(Co−PET)、脂肪族ナイロン、芳香族ナイロン樹脂などから選ばれたもの、これらの混合物が透明性を阻害しない範囲で使用可能である。これらの中では、SSC−LLDPE、SSC−VLDPEなとのシングルサイト触媒系ポリエチレンが内表面層や外表面層によく用いられる。また、LLDPE、VLDPE、EVA、EMAA、エチレン・メタクリル酸・不飽和脂肪族カルボン酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂などが、シール層を含む表面層に用いられることが多い。
本発明の包装用積層体において用いられるガスバリヤ性樹脂は、酸素ガスバリヤ層として使用されるもので、公知のEVOH(エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物);ポリメタキシリレンアジパミド(以下「ナイロンMXD6」と略記)などの芳香族ジアミンを構成成分として有する芳香族ポリアミド;イソフタル酸、テレフタル酸およびヘキサメチレンジアミンの共重合体であるポリヘキサメチレンイソフタラミド/テレフタラミド(以下[ナイロン6I/6T」と略記)などの芳香族カルボン酸を構成成分として有する芳香族ポリアミド;PVDC(塩化ビニリデン共重合体);アクリロニトリル系共重合体などを例示することができる。これらのガスバリヤ性樹脂の中では、PVDCが酸素ガスバリヤ性の湿度依存性の少ない点で、またEVOHおよびナイロンMXD6が共押出し加工性の点で好適である。
低温強度や耐熱性を要求される場合には、更に必要に応じて、その他の層として、低温強度や耐熱性に優れる材料を適宜、外表面層や中間層に配することができる。ポリアミド(PA)としては、ナイロン−6(ポリカプラミド)、ナイロン−66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ナイロン−610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ナイロン−12(ラウリルラクタムの開環重合体)、ナイロン−6/66(ε−カプロラクタムとヘキサメチレンアジパミドの共重合体)ナイロン−6/610(ε−カプロラクタムとヘキサメチレンセバカミドの共重合体)、ナイロン−6/12(ε−カプロラクタムとラウリルラクタムの共重合体)、ナイロン−6/66/610(ε−カプロラクタム、ヘキサメチレンアジパミドおよびヘキサメチレンセバカミドの共重合体)、ナイロン−6/66/12(ε−カプロラクタム、ヘキサメチレンアジパミドおよびラウリルラクタムの共重合体)などの脂肪族ポリアミドを例示することができる。これらの中では、ナイロン−6/66やナイロン−6/12が成形加工性の点で好ましい。上記PAは、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、これらの脂肪族ポリアミドを主体とし、芳香族ポリアミドのブレンド物がある。また、ポリエステル(以下、「PET」と略記する)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンイソフタレート共重合体などを用いることができる。
本発明の包装用積層体の各層間には、必要に応じて接着層を設けてもよく、その接着層の樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、酸変性エチレン・アクリル酸ポリマー(EAA)、酸変性VLDPE、酸変性LLDPE(これらのVLDPE、LLDPEはシングルサイト系触媒系により製造されたものも含む)、その他公知の酸変性ポリオレフィン等が使用可能である。酸変性とは、マレイン酸、イタコン酸またはこれらの無水物やアクリル酸、メタクリル酸等をグラフト重合反応したものを云う。これらは厚みを厚くして中間層として使用してもよい。本発明の包装用積層体の代表的な層構成としては、例えば以下のようなものを例示することができる。
但し、接着層は外表面層と中間層、中間層間、中間層と内表面層の間に必要に応じて配置されるもので、ここでは、接着層として使用される場合は記載を省略する。
(1)外表面層/中間層/内表面層 → LLDPE/PA/LLDPE、PA/酸変性LLDPE/LLDPE
(2)外表面層/中間層/中間層/内表面層 → EVA/EVOH/EVA/EMAA、EVA/PVDC/EVA/LLDPE、PET/PA/EVOH/VLDPE、PET/PA/EVOH/LLDPE
(3)外表面層/中間層/中間層/中間層/内表面層 → SSC−VLDPE/EVA/PVDC/EVA/IO、PA/EVA/PVDC/EVA/IO
これらの構成において、内表面層に、前記の無機系滑剤、または無機系滑剤と有機系滑剤を添加することができる。また有機系滑剤については、内表面層には添加せず内表面層に隣接する中間層に添加し、内表面層にブリードアウトさせ、袋・パウチの開口性を付与することができる。また、外表面層には、光沢を大きく阻害しない程度に無機系滑剤および有機系滑剤を添加することができる。また、外表面層へは有機系滑剤を添加せず、外表面層に隣接する中間層に滑剤を添加し、外表面層にブリードアウトさせ、滑り性を付与することもできる。外表面層の無機系滑剤の添加量は、0.5重量%以下とすることが透明性、光沢性の劣化を小さくするという点で好ましい。収縮前のフィルムの光沢は、グロス値で90%以上であることが好ましく、透明性はヘイズ値で20%以下であることが好ましい。また本発明は、外表面層に対しては熱水などに浸漬処理し収縮させる場合に、散布したパウダーがフィルム表面から無くなり、収縮後の包装体の外観に悪影響を及ぼし難いという理由から、その必要に応じてパウダーを散布してもよい。
本発明の包装用積層体において、そのフィルムまたはシートの厚さは5〜300μmの範囲、好ましくは10〜150μmの範囲、より好ましくは20〜120μmの範囲である。厚さが5μm未満では、充分な機械的特性が得られず、また、300μmを越えると透明性および延伸加工性が低下する。
本発明の包装用積層体のフィルム、シートは、複数の押出機を使用し、公知のサーキュラーダイ、Tダイを用いて製膜される。製膜されたフィルム、シートに公知のラミーネート法を用いて、他樹脂を外表面層の外側に貼り合わせてもよい。また、熱収縮性積層体は、複数の押出機を使用し、まず共押出未延伸フィルムを押し出し、テンター法やインフレーション法による公知の方法で2軸延伸し製膜される。例えば、未延伸積層体の場合は、無機系滑剤および有機系滑剤を添加した内表面層となる樹脂、または、無機系滑剤を添加した内表面層となる樹脂、有機系滑剤を添加した中間層(内表面層に隣接する)となる樹脂、および外表面層となる樹脂を別々の押出機で押出し、環状ダイに導入し共押出し、共押出された管状積層体を冷却し、管状積層体に捕捉された空気の周囲で管状積層体を円周方向及び垂直方向に延伸させて少なくとも3層の管状積層フィルムを生成させる。このとき管状積層フィルムの内表面層には遊離したデンプン系微粒子の散布処理を施さない。また、延伸積層体の場合は、前記の滑剤を配合した各樹脂を別々の押出機で押出し、環状ダイに導入し共押出し、共押出された管状積層体の外面を水で各層を構成する樹脂の融点以下の温度に冷却し、冷却された管状積層体を配向域に移送し、管状積層体の各層を構成する樹脂の融点以下の温度に再加熱し、管状積層体がその内部に沿って空気の流れを封鎖するための第1及び第2手段の間を通るときに管状積層体の内部に空気を入れながら冷却させ、管状積層体に捕捉された空気の周囲で管状体を円周方向及び垂直方向に延伸させて二軸延伸管状積層体を生成させる。このとき、管状積層フィルムの内表面層には遊離したデンプン系微粒子の散布処理を施さない。
また、延伸前あるいは後で、公知の方法により放射線照射されたものであってもよい。放射線照射により延伸性や耐熱性、機械的強度などが未照射のものに比べ、さらに改善されたものとなる。
放射線照射は、その適度な架橋効果により、延伸製膜性、耐熱性を優れたものにする効果がある。本発明では、α線、β線、電子線、γ線、X線など公知の放射線を使用することができるが、照射前後での架橋効果の観点から、電子線やγ線が好ましく、中でも電子線が、成形物を製造する上での作業性や生産能力の高さなどの点で好都合である。
前述の放射線の照射条件は、目的とする用途に応じて、適宜設定すればよく、一例を挙げるならば、電子線の場合は、加速電圧が150〜500キロボルトの範囲(以下「kV」と略記)、照射線量が10〜200キログレイ(以下「kGy」と略記)の範囲が好ましく、また、γ線の場合は、線量率が0.05〜3kGy/時間の範囲が好ましい。
内表面層に隣接する中間層または外表面層に隣接する中間層に添加する有機系滑剤の添加量は、中間層に用いる樹脂の種類や表面層との厚み比率によって異なるが、好ましくは、0.05〜5重量%、さらに好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。その添加量は、製袋機や自動包装機等の機械適性、透明性や光沢により自ずと決まる。少なくとも有機系滑剤が内表面層に存在することが望ましい。
本発明の包装用積層体フィルム/シートの内表面の動摩擦係数の範囲は、同一のフィルム表面同士で、好ましくは0.1〜0.5、さらに好ましくは0.1〜0.4、最も好ましくは0.13〜0.3であることが望まれる。動摩擦係数が下限より小さい場合は、滑りすぎによる機械適性不良やフィルムを実際に包装などの作業に用いる場合のハンドリング性が低下する恐れがある。上限より大きい場合は、開口性不良が発生する場合がある。内表面層への無機系滑剤、又は無機系滑剤及び有機系滑剤の混合物のそれぞれの添加量は、前記内表面層の動摩擦係数を目安にして決めることができる。
内表面層の無機系滑剤の添加量はおよそ0.3重量%以上2重量%以下が好ましい。また、内表面層への有機系滑剤の添加量は0.1重量%以上1重量%以下が好ましい。このように無機系滑剤や有機系滑剤の添加量を多くするとフィルム自体の透明性や光沢が悪化するけれども、熱処理によりセルフウェルドさせることにより、透明性や光沢が得られ、包装積層体としての商品価値を得ることができる。
本発明の包装用積層体よりなる袋・パウチは、魚肉又は畜肉の包装材料として使用することができ、特に、生肉、ハム、ソーセージあるいは魚肉などの食品の真空包装用に最適である。
実施例
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例で用いた樹脂材料および物性測定法は以下の通りである。
(樹脂材料)
(1)SSC−VLDPE
密度=0.902g/cm、MFR=3.0g/10分、融点=100℃、(以下「SSC−VLDPE」と略記)を使用した。
(2)接着層樹脂
日本ユニカー(株)製のEEA樹脂DPDJ−6182K(以下「EEA」と略記)および、三井化学社製のアドマーSF−730(以下「変成−VL」と略記)を用いた。
(3)PVDC
呉羽化学工業(株)製のPVDC樹脂TMクレハロンFB−7を使用した。
(4)EVA
密度=0.94g/cm、MFR=2.0g/10分、酢酸ビニル含有量=19重量%、エルカ酸アミド2000ppm及び帯電防止剤としてステアリン酸モノ及びジグリセライドホウ酸エステル2000ppm含有(以下「EVA−1」と略記)、密度=0.94g/cm、MFR=2.5g/10分、酢酸ビニル含有量=15重量%(以下「EVA−2」と略記)を使用した。
(5)アイオノマー
密度=0.94g/cm、MFR=3.1g/10分、融点=90℃、イオン化度=8%(以下「IO」と略記)を使用した。結晶融解エンタルピーの比率は、特定温度が80℃のとき、およそ39%であった。
(6)ポリエステル
鐘紡(株)製のポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンイソフタレート共重体TMベルペットIFG8L(以下「CO−PET」と略記)を用いた。
(7)ナイロン6/66共重合体
三菱エンジニアリングプラスチック(株)製のTMNOVAMID 2430A1(以下「Ny6/66」と略記)を使用した。
(8)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物
クラレ(株)製のTMエバールEPG−156B(以下「EVOH」と略記)を用いた。
(9)直鎖状超低密度ポリエチレン
密度=0.908g/cm、MFR=3.0g/10分(以下「VLDPE」と略記)を用いた。結晶融解エンタルピーの比率は、特定温度が95℃のとき、およそ41%であった。
(物性測定および評価方法)
1.摩擦係数
JIS K 7125に準じて試料の機械方向の動摩擦係数の測定を行った。測定装置は東洋製機製作所製 摩擦試験器(TR型)を用い、同一フィルムの内面同士の測定を行った。動摩擦係数の値は、数値が大きくなるほど滑り性が悪くなることを意味する。
2.光沢度(グロス)
JIS Z 8741に準じて、試料の光沢度(グロス;%)を測定した。測定装置は、日本電色工業社製の曇り度計NDH−Σ80を使用した。グロス値は、値が大きくなるほど、光沢が優れることを意味する。
3.透明性(ヘイズ)
JIS K 7105に準じて、試料の曇り度(ヘイズ;%)を測定した。光の入射角および反射角は60°に設定した。測定装置は、目本電色工業社製の曇り度計NDH−Σ80を使用した。ヘイズ値は、値が小さくなるほど、透明性が優れることを意味し、数値が大きくなるほど、透明性が悪くなること意味する。フィルムの透明性の評価は、得られた多層フィルム一枚を用いた透明性(ヘイズ)の測定により行い、耳部透明性の評価は、袋状に加工した二軸延伸フィルムに内容物を詰めて真空包装した後、その余剰部分(耳部、2枚のフィルムの内面同士が接触している部分)の透明性(ヘイズ)の測定を行った。
4.結晶融解エンタルピーの比率の測定
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DBSC−7を用いて、以下の条件で測定した。
(測定サンプルの調製)
サンプル5〜10mgを秤量し、アルミニウムパン内に封入し測定資料を作成した。
(測定温度)
20℃から昇温速度20℃/分で200℃まで加熱し1分間保持し、100℃/分の降温条件で20℃迄冷却し3分間保持する。再度、20℃/分の条件で200℃まで加熱し、2度目の加熱の際の吸熱曲線から、サンプルの結晶融解エンタルピーの値を求めた。全体の結晶融解エンタルピーは、融解開始温度から終了温度までを範囲とし、ピーク計算により求めた。特定温度以下の結晶融解エンタルピーは全体の結晶融解エンタルピーの計算結果をもとにし、その部分面積の計算により求めた。
5.袋の開口性
得られた多層フィルムを、呉羽化学(株)社製製袋機BM37型を用いて製袋を行った。得られた袋は、チューブ状の多層フィルムの一方の端をシールし、もう一方の端は開口した状態であり、該袋状多層フィルムの開口部の開け易さを、以下の基準で判定した。
○:袋を水平な面に置き、袋の開口部の上側を持ち上げたときに、袋の内面側全体が開いている。
△:袋を水平な面に置き、袋の開口部の上側を持ち上げたときに、袋の内面側で一部が密着している。
×:袋を水平な面に置き、袋の開口部の上側を持ち上げたときに、袋の内面側でほぼ全面が密着している。
6.セルフウェルド性
(試料の作成)
袋状に加工した多層フィルムに内容物を詰める。この時、耳部の長さ(真空包装後のシールラインから内容物の端までの距離)を次の測定が可能な充分な長さ、例えば200mm以上とし、耳部に皺が生じないように留意する。内容物を包装した包装体を、所定の温度(実施例1〜3、および比較例1〜3は80℃、実施例4、比較例4は95℃)の熱水中に10秒間浸漬した後、取り出し、直ちに常温の水中で冷却する。
(測定)
収縮させた包装体から内容物を取り除いた包装フィルムを23℃、50%相対湿度の恒温室中に24時間以上放置した後、耳部の内面同士が融着した部分の剥離力の測定をオリエンテック社製引張試験機テンシロンRTM−100を用いて、以下の測定条件で行った。測定値は平均強度(単位:g/15mm)で示した。
試料幅 :15mm
融着部の長さ :30mm
掴み具間距離 :20mm
掴み具速度 :200mm/分
測定雰囲気温度:23℃
測定雰囲気湿度:50%相対湿度
7.熱水収縮率
多層フィルムの機械方向とそれに対して垂直方向のそれぞれに10cmの距離で印を付けた試料を、所定の温度(実施例1〜3及び比較例1〜3は80℃、実施例4,比較例4は90℃)に調整した熱水中に10秒間浸漬した後、取り出し、直ちに常温の水で冷却する。その後、印間の距離を測定し、10cmからこの測定値を差し引いた値を求め、この10cmに対する百分率で表示した。5回試験を行って、平均値で熱水収縮率を表示した。
8.包装体耳部の目視判定
内容物を真空包装し、所定の温度(実施例1〜3、比較例1〜3は80℃、実施例4、比較例4は95℃)の熱水中に10秒間浸漬し収縮させた包装体の耳部の透明性を、以下の基準により目視で判定した。
○:耳部の透明性に優れており、且つ、均一な透明性を有しており、包装体の外観が綺麗である。
×:パウダーの存在により耳部の透明性が不均一であり、包装体の外観が綺麗でない。
9.包装後フィルムの光沢目視判定
内容物を真空包装し、所定の温度(実施例1〜3、比較例1〜3は80℃、実施例4、比較例4は95℃)の熱水中に10秒間浸漬し収縮させた包装体の内容物がフィルムと接触している部分の光沢の評価を以下の基準により目視で判定した。
○:包装体表面の光沢が優れており、包装体の外観が綺麗である。
×:包装体表面の光沢が乏しく、包装体の外観に問題がある。
(滑剤マスターバッチ)
本発明で用いた滑剤のマスターバッチを以下の表1に記す。
Figure 0004255215
(実施例1)
6種類の樹脂、即ち(PVDC)、(SSC−VLDPE)、予め有機系滑剤が添加されている(EVA−1)、滑剤が添加されていない(EVA−2)、(EEA)、及び滑剤マスターバッチMB−1、MB−2を混合しエルカ酸アミド0.38重量(wt)%、シリカ2重量%となるようにしたアイオノマー(IO)を6台の押出機で別々に押出し、溶融された各重合体を共押出環状ダイに導入し、ここで、外表面層より内表面層に(SSC−VLDPE−1)/(EVA−1)/(EEA)/(PVDC)/(EEA)/(EVA−2)/(IO)の順に溶融接合し、ダイ内で7層として共押出した。該溶融管状体は、次の延伸工程での開口剤として内面に大豆油を封入し、10〜20℃の冷水によって冷却し、扁平管状体とした。該扁平管状体を加速電圧300KeVの電子線照射装置中で管状体の外側から電子線照射して80キログレイの照射線量を与えた。次に82℃の熱水槽を通過させ、エアリングを用いて冷却しながらインフレーション法で縦方向に3.1倍、横方向に3.0倍に同時二軸延伸した。得られた二軸延伸フィルムの内表面へのデンプン整粒パウダーの散布は行わなかった。
(実施例2)
実施例1の(アイオノマー)に対するエルカ酸アミドの添加量を0.75重量%となるように滑剤マスターバッチを混合したこと以外は、実施例1と全く同様にして二軸延伸フィルムを製造した。
(実施例3)
実施例1の(アイオノマー)に対するシリカの添加量が1重量%となるように滑剤マスターバッチを混合したこと以外は、実施例1と全く同様にして二軸延伸フィルムを製造した。
(実施例4)
5種類の樹脂、即ち、シリカを0.1重量%混合した(CO−PET)、滑剤が添加されていない(Ny6/66)、(EVOH)、(Mod−VL)、及びエルカ酸アミド0.4重量%、ゼオライト1重量%となるように滑剤マスターバッチMB−3、MB−4を混合した(VLDPE)を5台の押出機で別々に押出し、溶融された各重合体を共押出環状ダイに導入し、ここで、外層より内層に(CO−PET)/(Mod−VL)/(Ny6/66)/(EVOH)/(Mod−VL)/(VLDPE)の順に溶融接合し、ダイ内で6層として共押出した。該溶融管状体は、次の延伸工程での開口剤として内面に大豆油を封入し、10〜20℃の冷水によって冷却し、扁平管状体とした。次に90℃の熱水槽を通過させ、エアリングを用いて冷却しながらインフレーション法で縦方向に3.0倍、横方向に3.1倍に同時二軸延伸した。次いで該二軸延伸フィルムを2mの筒長を有する熱処理等中に導き、バブル形状の管状体フィルムとし、スチームにより70℃に加熱し、縦、横方向に10%弛緩させながら2秒間熱処理した。得られた二軸延伸フィルムの内表面へのデンプン整粒パウダーの散布は行わなかった。
(比較例1)
実施例1の(アイオノマー)に対するエルカ酸アミドおよびシリカの添加量を0重量%とし、内表面へのデンプン整粒パウダーの添加量を90mg/mとしたこと以外は、実施例1と全く同様にして二軸延伸フィルムを製造した。
(比較例2)
実施例3の(アイオノマー)に対するエルカ酸アミドの添加量を0重量%としたこと以外は、実施例3と全く同様にして二軸延伸フィルムを製造した。
(比較例3)
実施例1の(アイオノマー)に対するエルカ酸アミドの添加量を0重量%としたこと以外は、実施例1と全く同様にして二軸延伸フィルムを製造した。
(比較例4)
実施例4の(VLDPE)に対するエルカ酸アミドおよびゼオライトの添加量を0重量%とし、内表面へのデンプン整粒パウダーの添加量を90mg/mとしたこと以外は、実施例4と全く同様にして二軸延伸フィルムを製造した。
各実施例、比較例について滑剤の添加状況、得られたフィルムの物性、耳部の透明性、袋の開口性および内表面のセルフウェルド性を評価した結果を表2及び3に示した。
Figure 0004255215
Figure 0004255215
産業上の利用可能性
本発明の多層フィルムは、優れた開口性を有するとともに、包装後の透明性およびセルフウェルド性に優れている。特に袋状に加工し、真空包装した際の耳部の透明性に優れており、美麗な外観を有する包装体が得られる。

Claims (13)

  1. 充填物に接する内表面層、それに隣接する中間層、及び外表面層の少なくとも3層からなり、内表面層が無機系滑剤及び有機系滑剤を有し、該中間層が有機系滑剤を有する積層体であって、内表面層がシングルサイト触媒系ポリエチレン、LLDPE、VLDPE、EVA、EMAA、エチレン・メタクリル酸・不飽和脂肪族カルボン酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、熱処理によりセルフウェルド性を有することを特徴とする包装用積層体。
  2. 魚肉又は畜肉用である請求項1記載の包装用積層体。
  3. 内表面層の動摩擦係数が0.1〜0.5である請求項1又は2記載の包装用積層体。
  4. 内表面層がシール層である請求項1〜3のいずれかに記載の包装用積層体。
  5. 熱収縮性であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装用積層体。
  6. 内表面層に無機系滑剤が添加されており、内表面層あるいは内表面層に隣接する中間層に有機系滑剤が添加されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の包装用積層体。
  7. 外表面に隣接する中間層に有機系滑剤が添加されていることを特徴とする請求項6記載の包装用積層体。
  8. 外表面層に無機系滑剤が添加されていないことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の包装用積層体。
  9. 外表面層を構成する樹脂がポリエステル系樹脂またはナイロン系樹脂であり、且つ、無機系滑剤が添加されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の包装用積層体。
  10. 内表面層と外表面層の少なくともいずれかが、シングルサイト触媒系ポリエチレンである請求項1〜9のいずれかに記載の包装用積層体。
  11. 中間層が少なくとも一つのガスバリヤ層を有する請求項1〜10のいずれかに記載の包装用積層体。
  12. 内表面層に遊離したデンプン系微粒子による処理が施されていないことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の包装用積層体。
  13. 充填物に接する内表面層、それに隣接する中間層、及び外表面層の少なくとも3層からなり、外表面層を構成する樹脂がポリエステル系樹脂またはナイロン系樹脂であり、且つ、外表面が無機系滑剤、内表面層が無機系滑剤及び有機系滑剤を有し、該中間層が有機系滑剤を有する積層体であって、熱処理によりセルフウェルド性を有することを特徴とする包装用積層体。
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