JP7356803B2 - 液状滑剤を含む包装用構造体 - Google Patents
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Description
このような要求を満足するために、従来は、特許文献1等に記載されているように、容器内面を形成するオレフィン系樹脂層に、脂肪族アミド等の両親媒性化合物からなる常温で固体状の滑剤を配合するという手段が採用されていたのであるが、最近では、特許文献2,3等に開示されているように、流動パラフィンや食用油等による液膜を、内面を形成しているオレフィン系樹脂層の表面に形成するという手段が種々提案されている。
即ち、パウチなどの袋状容器は、フィルムをヒートシールに貼り付けて開口部を有する袋状体に成形し、この後、この袋状体に内容物を充填し、最後に袋状体の開口部を熱融着して閉じることにより製造される。この場合、この袋状容器の形成に用いるフィルムの表面に液膜が形成されていると、このフィルムをロールで巻き取る際に、表面の液膜が裏移りしてしまうという問題がある。このような問題は、カップを形成するために使用されるシートについても生じる。
また、チューブ容器では、内容物の充填に先立って、容器の外面に印刷を施すという工程が必要である。この印刷工程では、チューブ容器の内部に、チューブ容器の胴部壁を安定に保持するために、所定の治具が挿入され、この状態で印刷作業が行われることとなる。しかるに、このチューブ容器の内面に液膜が形成されていると、印刷のためにチューブ容器の内部に挿入された治具に液膜が転写されてしまうという問題がある。
しかしながら、このような手法を採用した場合においては、この多層構造体の保管中に液状滑剤が表面にブリーディングするため、長期の保管が困難であるという問題を生じ、包装材としての使用形態がかなり制限される。即ち、成形後に、できるだけ短時間で袋等の容器の作製、内容物の充填、外面印刷等を行わなければならない。
本発明の他の目的は、ボトル以外の容器、例えばチューブ、袋、カップ、トレイなどの容器、さらには、袋やカップの作製に用いるフィルムやシートとして使用される包装用構造体を提供することにある。
前記包装構造体は、フィルムもしくはシート、チューブ、カップ、トレイ、または袋の形態を有しているものであり、
液状滑剤移行性の熱可塑性樹脂からなる内面樹脂層が、前記滑剤供給用樹脂層に対して、前記包装される物質が存在する側に設けられており、
前記滑剤供給用樹脂層は、前記液状滑剤と共に、少なくともガラス転移点が30℃以上の高ガラス転移点樹脂を前記液状滑剤の封止材として含み、且つ、ガラス転移温度が30℃未満の低ガラス転移点オレフィン系樹脂を含んでおり、
前記滑剤供給用樹脂層には、前記高ガラス転移点樹脂を、樹脂成分当り50質量%以上の量で含んでいることを条件として、前記低ガラス転移点オレフィン系樹脂が、該高ガラス転移点樹脂100質量部当り10質量部以上の量で含まれており、
前記滑剤供給用樹脂層に含まれる前記液状滑剤の量は、前記内面樹脂層の25℃での液状滑剤飽和含有量よりも多量に設定されていることを特徴とする包装用構造体が提供される。
(1)前記滑剤供給用樹脂層は、前記高ガラス転移点樹脂をマトリックスとして形成されていること。
(2)前記高ガラス転移点樹脂が、ガスバリア性樹脂または環状オレフィン共重合体樹脂であること。
(3)前記内面樹脂層を形成している熱可塑性樹脂が、ガラス転移点が0℃以下のオレフィン系樹脂層であること。
(4)前記滑剤供給用樹脂層が、1~500μmの厚みを有しており、前記内面樹脂層が1~200μmの厚みを有していること。
(5)前記滑剤供給用樹脂層の外面側には、ガスバリア性樹脂から形成されたガスバリア層が設けられていること。
一方、この包装構造体を上記ガラス転移温度よりも高い状態に加熱すると、滑剤供給用樹脂層から液状滑剤が放出されるため、包装される物質(被包装物)が接触する面(構造体の内面)に分布するようになり、この結果、被包装物の構造体表面への付着残存を有効に防止し、この構造体から被包装物を速やかに取り出すことができる。
このように、本発明では、高ガラス転移点樹脂のガラス転移点より高い温度への加熱を適宜のタイミングに設定することにより、被包装物に対する滑り性が必要な場合に限定して液状滑剤を表面に分布させることができるため、その取扱いや保管、販売などに対する制限が大幅に緩和されており、工業的なメリットが極めて大きい。
尚、図1の例では、この包装用構造体10は、滑剤供給層1に加えて、内面樹脂層3及び外面側層5を含む多層構造を有しているが、かかる構造体10は、滑剤供給層1のみからなる単層構造とすることもできるし、滑剤供給層1と内面樹脂層3及び/または外面側層5とを有する多層構造とすることもできる。
(a)滑剤供給層1が、ガラス転移点が30℃以上の高ガラス転移点樹脂を含む層であること、
という構成が採用されており、内面樹脂層3を有する多層構造となっている場合には、さらに、次の構成を有するものとなっている。
(b)液状滑剤αの供給源となる滑剤供給層1の内面側は、内面樹脂層3により覆われているため、この構造体10が被包装物と接触する側の面(即ち、内面)には、滑剤供給層1の表面は露出していない。この場合、外面側層5が設けられているときには(滑剤供給層1が中間層として存在しているとき)、構造体10の外面にも、滑剤供給層1の表面は露出していないこととなる。
(c)内面樹脂層3は、液状滑剤移行性の熱可塑性樹脂により形成されている。
(d)滑剤供給層1に含まれる液状滑剤αの量が、内面樹脂層3の25℃での液状滑剤αの飽和含有量よりも多量に設定されている。
尚、単層構造の場合においても、液状滑剤αは、滑剤供給層1の内部に封入されているため、その内面及び外面の何れにも液状滑剤αによる液膜は存在していないこととなる。
尚、図1(b)では示されていないが、外面側層5の材質によっては、外面側層5内にも液状滑剤αが分布することとなる。
尚、構造体10が滑剤供給層1のみからなる単層構造を有する場合、滑剤供給層1の一方の面が露出している層構造の場合には、上記の加熱によって、直ちに、滑剤供給層1の露出面(被覆する層が形成されていない面)に液膜7が形成されることとなる。
従って、上記のような問題を考慮する必要がなくなったときに、上記ガラス転移点温度よりも高い温度に加熱し、液状滑剤αの内面樹脂層3内への放出及び液膜7の形成が行われることとなる。
勿論、滑剤供給層1の内面側の面が露出している構造では、短時間で液膜7を形成することができる。
さらに、構造体10が滑剤供給層1の内面側が露出している層構造を有している場合、或いは外面側層5が滑剤遮断性の層である場合には、上記のような飽和含有量による制限はない。
本発明において使用される液状滑剤αは、被包装物、例えば流れにくく、包装体の表面に付着し易い高粘性もしくはペースト状の被包装物質に対して滑り性を発揮するために使用される液状物質であり、少なくとも被包装物が包装されている状態(即ち、使用状態)で液状を有しているものでなければならない。具体的には、0℃以下の融点を有しており、少なくとも常温(25℃)で液状の物質であり、さらに、揮散するような物質ではなく、その沸点が200℃以上の高沸点液体である。
食用油の具体例としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油などを例示することができる。
また、外面側層5が滑剤移行性を示す樹脂で形成されている場合には、液状滑剤αは、外面側層5にも移行する。このため、被包装物に対して安定した滑り性を発揮させるように液膜7を形成するために、この液状滑剤αの量は、内面樹脂層3と外面側層5との25℃での液状滑剤飽和量の合計量よりも多いことが好ましい。
さらに、構造体10が滑剤供給層1の単層により形成されている場合には、上記のような液状滑剤飽和量についての制限はなく、液状滑剤αは表面に露出しないように滑剤供給層1内に封止されているが、前述した加熱により、滑剤供給層1の表面に液状滑剤αの液膜7が形成される程度の量で、液状滑剤αが滑剤供給層1中に存在していればよい。高ガラス転移点樹脂の種類やそのガラス転移点(Tg)及び液状滑剤αの種類によっても異なるが、一般的には、高ガラス転移点樹脂100質量部当り0.1~20質量部程度の量である。
上記の液状滑剤αが封入され、所定の温度以上に加熱されたときに液状滑剤αを放出する滑剤供給層1は、液状滑剤αを均一に分散させ且つ液状滑剤αをブリードし得るような液状滑剤移行性を示す熱可塑性樹脂により形成されるものであるが、特に、ガラス転移点が30℃以上、好ましくは50℃以上の高ガラス転移点樹脂を含有していることが必要である。かかる高ガラス転移点樹脂は、液状滑剤αの封止材として機能するものであり、このような高ガラス転移点樹脂を含んでいないと、液状滑剤αを滑剤供給層1内に閉じ込めることができず、例えば、この構造体10の保管時に液状滑剤αが内面樹脂層3内に放出され、内面樹脂層3の表面に液膜7が形成されてしまい、この結果、液膜の裏移り等の問題を生じてしまうからである。勿論、構造体10が滑剤供給層1の単層から形成されている場合には、その保管時に、滑剤供給層1の表面に液膜7が形成されてしまうことなる。
本発明において、このような高ガラス転移点樹脂としては、多くの熱可塑性樹脂を挙げることができるが、特に液状滑剤αを均一に分散させ、多量の液状滑剤αを配合し得るという観点から、ガラス転移点が上記範囲にある環状オレフィン共重合体(以下、COCと略すことがある)、ガスバリア性樹脂及び接着剤樹脂が好適に使用される。
この環状オレフィンは、下記式(1)で表される。
特に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、1-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、6-n-ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、6-イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、7-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン。
この環状オレフィンは、下記式(2)で表される。
特に、トリシクロ[4.3.0.12.5]-3-デセン、2-メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]-3-デセン5-メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]-3-デセン。
この環状オレフィンは、下記式(3)で表される。
特に、トリシクロ[4.4.0.12.5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ[4.4.0.12.5]-3-ウンデセン。
この環状オレフィンは、下記式(4)で表される。
特に、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、5,10-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、2,10-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8,9-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-エチル-9-メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、11,12-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、2,7,9-トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、2,7-ジメチル-9-エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、9-イソブチル-2,7-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、9,11,12-トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、9-エチル-11,12-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、9-イソブチル-11,12-ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、5,8,9,10-テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-エチリデン-9-メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-エチリデン-9-エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-エチリデン-9-イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-エチリデン-9-ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-2R-ドデセン、8-n-プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデン-9-メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデン-9-エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデン-9-イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-n-プロピリデン-9-ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-イソプロピリデン-9-メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-イソプロピリデン-9-エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-イソプロピリデン-9-イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン、8-イソプロピリデン-9-ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン。
この環状オレフィンは、下記式(5)で表される。
特に、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]-4-ペンタデセン、1,3-ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]-4-ペンタデセン、1,6-ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]-4-ペンタデセン、14,15-ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]-4-ペンタデセン。
この環状オレフィンは、下記式(6)で表される。
特に、ペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]-3-ペンタデセン、メチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]-3-ペンタデセン。
この環状オレフィンは、下記式(7)で表される。
特に、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]-4,10-ペンタデカジエン。
この環状オレフィンは、下記式(8)で表される。
特に、ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]-3-ヘキサデセン、11-メチル-ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]-3-ヘキサデセン、11-エチル-ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]-3-ヘキサデセン、10,11-ジメチル-ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]-3-ヘキサデセン。
この環状オレフィンは、下記式(9)で表される。
特に、ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]-4-ヘキサデセン、1,3-ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]-4-ヘキサデセン、1,6-ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]-4-ヘキサデセン、15,16-ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]-4-ヘキサデセン。
この環状オレフィンは、下記式(10)で表される。
特に、ヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]-4-ヘプタデセン、12-メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]-4-ヘプタデセン、12-エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]-4-ヘプタデセン、12-イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]-4-ヘプタデセン、1,6,10-トリメチル-12-イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.10.13.02.7.09.14]-4-ヘプタデセン。
この環状オレフィンは、下記式(11)で表される。
特に、ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]-5-エイコセン。
この環状オレフィンは、下記式(12)で表される。
特に、ヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]-4-エイコセン、ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]-4-エイコセン。
この環状オレフィンは、下記式(13)で表される。
特に、ヘプタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.03.8.012.17]-5-ヘンエイコセン。
この環状オレフィンは、下記式(14)で表される。
特に、ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]-5-ヘンエイコセン、15-メチル-ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]-5-ヘンエイコセン、トリメチル置換ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]-5-ヘンエイコセン。
この環状オレフィンは、下記式(15)で表される。
特に、オクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]-5-ドコセン、15-メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]-5-ドコセン、15-エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.013.16.03.8.012.17]-5-ドコセン。
この環状オレフィンは、下記式(16)で表される。
特に、ノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]-5-ペンタコセン、ドリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]-5-ペンタコセン。
この環状オレフィンは、下記式(17)で表される。
特に、ノナシクロ[10.10.1.15.8.114.21.116.19.02.11.04.9.013.22.015.20]-6-ヘキサコセン。
5-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-メチル-5-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-ベンジル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-トリル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-(エチルフェニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-(イソプロピルフェニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-(ビフェニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-(β-ナフチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-(α-ナフチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5-(アントラセニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
5,6-ジフェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン
シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物
1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン
1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセン
8-フェニル-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-メチル-8-フェニル-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-ベンジル-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-トリル-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-(エチルフェニル)-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-(イソプロピルフェニル)-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8,9-ジフェニル-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-(ビフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-(β-ナフチル)テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-(αナフチル)-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
8-(アントラセニル)-テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-ドデセン
(シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物)にシクロペンタジエンをさらに付加した化合物
11,12-ベンゾ-ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]-4-ペンタデセン
11,12-ベンゾ-ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]-4-ヘキサデセン
11-フェニル-ヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]-4-ヘプタデセン
14,15-ベンゾ-ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16-5-エイコセン]
好適な環状オレフィン系樹脂(COC)は、三井石油化学株式会社から、アペルの商品名で市販されている。
これらのガスバリア性樹脂の中でも、この多層構造体10に優れた酸素バリア性を付与することができ、酸素透過による被包装物の酸化劣化をも有効に抑制することができるという点で、エチレンビニルアルコール共重合体を用いることが最も好適である。
本発明において、上記の滑剤供給層1の内面側に隣接している内面樹脂層3は、この構造体10の被包装物と接触する内面を形成する層であり、この内面樹脂層3中に、滑剤供給層1中に分散されている液状滑剤αが移行し、図1(c)に示すように、表面に液状滑剤αの液膜7が形成される。従って、この内面樹脂層3は、液状滑剤αに対して移行性を示すことが必要であり、さらには、液膜7を安定に保持し得ることも要求される。
また、上記のアンチブロック剤として、通常、メッシュ粒径が20μm以下の微粒子が使用されるが、このような微粒子は、内面樹脂層1の滑剤移行性を低下させる性質がある。即ち、このような微粒子は、オレフィン系樹脂の分子の自由度の高い非晶部の間隙に充填され、これにより、このような非晶部を通る液状滑剤αの通過が制限されるからである。従って、このようなアンチブロッキング剤の配合量は、比較的少量であることが好ましく、例えば、内面樹脂層3を形成するオレフィン系樹脂100質量部当り、10質量部以下、特に0.1~1質量部程度の量とするのがよい。
尚、構造体10が、滑剤供給層1が表面に露出するような層構造を有している場合には、上記のアンチブロッキング剤を滑剤供給層1に配合することも可能である。
本発明の包装用構造体10は、通常、図1に示されているように、滑剤供給層1は中間層として存在しており、この滑剤供給層1が外面にも露出しないように設計される。即ち、滑剤供給層1は液状滑剤αに対する移行性を示している。即ち、滑剤供給層1が外面に露出していると、液状滑剤αによるベタツキなどを生じてしまい、例えば構造体10の外面への印刷、或いはラベル等の貼付等の作業が困難となってしまい、また、搬送時等において、搬送ベルトなどの治具の汚れなどを生じてしまう。かかる不都合を防止するためには、滑剤供給層1中の高ガラス転移点樹脂や液状滑剤αの配合量などを一定の範囲に設定することにより回避することができるのであるが、このような配合量を精度よく設定することが必要となり、また、保管温度も厳密に管理することが必要となってしまうし、さらには加熱と同時に一気に液膜7が形成されることもあるため、加熱を慎重に行うことも必要となる。このような負担を回避するために、本発明では、滑剤供給層1の内面側に内面樹脂層3を設けると同時に、外面側層5を設け、滑剤供給層1の表面露出が防止された層構造とすることが好ましい。
滑剤遮断性を有する外面側層5は、密度が1.00g/cm3以上且つガラス転移点(Tg)が35℃以上の樹脂により形成されるが、本発明では、特に、ガスバリア性樹脂を用いることが好ましい。
ガスバリア性樹脂としては、前述した滑剤供給層1の形成に使用される高ガラス転移点樹脂の例としても挙げられているが、特に、高ガラス転移点樹脂としても好適に使用されるエチレンビニルアルコール共重合体を用いることが最も好適である。即ち、このようなガスバリア性樹脂を用いることにより、より確実な滑剤遮断性と共に酸素バリア性を付与することができ、特にエチレンビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、酸素透過による被包装物の酸化劣化をも有効に抑制することができる。
ただし、このような無機材により外面側層5が形成されている場合、成形手段が制限されるため、多層構造体10の形態はフィルムもしくはシートに限定される。また、このような無機材からなる外面側層5は、ウレタン系接着剤等のドライラミネート接着剤を用いて滑剤供給層1の外面側に貼り付けることもできる。
本発明において、滑剤移行性の外面側層5としては、前述した内面樹脂層を形成するための熱可塑性樹脂と同様のものが使用され、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル製樹脂も好適に使用することができる。外面側層5が滑剤移行性を有する場合、前述した内面樹脂層3と同様、この外面側層5にも液状滑剤αが放出され、液状滑剤αの量が多い場合には、加熱後、一定時間経過後には、この外面側層5の表面(外面)にも液状滑剤の液膜が形成されることがある。従って、このような液膜によるべた付きを防止することが必要な場合には、外面側層5の間に、滑剤遮断性の層を中間層として設けることが好適である。
また、外面側層5が構造体10の最外面を形成するときには、前述した内面樹脂層3と同様、最外面となる層には、アンチブロッキング剤を配合しておくことが好ましい。
上述したように、本発明の包装用構造体10は、液状滑剤αが分散されている滑剤供給層1に高ガラス転移点樹脂を含む層であることを条件として、かかる滑剤供給層1からなる単層構造を有するものであってよいが、滑剤供給層1の内面側に内面樹脂層3が形成された多層構造を有していることが好ましく、滑剤供給層1が内面及び外面の何れにも露出しておらず、滑剤供給層1が中間層として設けられている多層構造、即ち、内面樹脂3及び外面側層5を有する多層構造を有していることが最も好適である。
以下に、このような最適な層構造の一例を示す。
尚、以下の例において、内面樹脂層3をIRL、滑剤供給層1をLuB-SLと略し、COCは環状オレフィン共重合体、POは低ガラス転移点樹脂に相当するポリオレフィン、BARはガスバリア性樹脂、ADは、接着剤樹脂、INORは無機材(例えば金属箔)を示し、LuB-SLの括弧内は、滑剤供給層1中の樹脂成分を示す。
(内) IRL/LuB-SL(COC+PO)/PO (外)
(内) IRL/LuB-SL(COC+PO)/AD/BAR (外)
(内) IRL/LuB-SL(COC+PO)/AD/BAR/AD/PO (外)
(内) IRL/AD/LuB-SL(BAR)/BAR (外)
(内) IRL/AD/LuB-SL(BAR)/BAR/AD/PO (外)
(内) IRL/AD/LuB-SL(BAR)/AD/BAR/AD/PO (外)
(内) IRL/LuB-SL(BAR+PO)/PO (外面)
(内) IRL/LuB-SL(BAR+PO)/BAR/AD/PO (外)
(内) IRL/LuB-SL(COC)/AD/INOR (外)
(内) IRL/LuB-SL(BAR+PO)/AD/INOR (外)
本発明の包装用構造体10は、各層を形成する樹脂もしくは樹脂組成物を用いて、それ自体公知の成形手段により、目的とする用途に応じた形態に成形されるが、滑剤供給層1を形成する樹脂中には、予め測定された内面樹脂層3(さらには外面側層5)の飽和含有量を基準として、液状滑剤αが所定量以上の量で配合され、このような樹脂組成物を用いて成形が行われる。
フィルムは、袋状容器の作成に用いるものであり、各層に応じた数の押出機を用いての共押出成形により製造することができる。また、外面側層5が無機材料から成る滑剤遮断性の層である場合には、このような層が設けられたフィルム乃至シートを用い、ドライラミネート接着剤を用い、この無機材料層の表面を、成形後のフィルムに貼り付けることにより製造することができる。
かかるフィルムは、適宜、最外面層の表面に適宜印刷を施した後、適当な大きさに裁断し、ヒートシールにより製袋し、被包装物である内容物を充填した後、密封して販売される。
また、シートは、特にカップ状の容器を成形するために使用され、共押出によりシート成形した後、真空成形、プラグアシスト成形などによりカップの形態に賦形される。
さらに、チューブは、押出機を用いて筒状のプリフォームを溶融押出し、次いで圧縮成形によりネジ部などを含む頭部及び肩部を圧縮成形等により形成し、頭部にキャップを装着した状態で他方側の開口部から内容物を充填し、最後に開口部を融着して閉じることとなる。
さらに、加熱手段は、熱風の吹き付け、加熱ヒータ等によって行うことができるが、被包装物が加熱充填される場合には、内容物の熱間充填により上記の加熱を行うことも可能である。即ち、ケチャップ等の食品類などは、加熱殺菌を兼ねて80~100℃程度の温度で熱間充填されるため、この熱間充填を、液状滑剤αを放出するための加熱に利用することもできる。
かかる本発明の包装用構造体10は、被包装物として、特に粘稠な内容物、例えば、マヨネーズ、ケチャップ、水性糊、蜂蜜、各種ソース類、マスタード、ドレッシング、ジャム、チョコレートシロップ、カレー、とろみをつけたペースト状食品、乳液乃至化粧クレーム等の化粧品、ペースト状医薬品、液体洗剤、シャンプー、コンデショナー、リンス等が収容される用途に好適に使用される。
液状滑剤:
中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)
融点:-6℃以下
直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)
ガラス転移点:-100℃以下
密度:0.90g/cm3
MCTの飽和含有量:2.8wt%
環状オレフィンコポリマー(COC)
ガラス転移点:80℃
密度:1.02g/cm3
MCTの飽和含有量:0.01wt%
エチレンビニルアルコール共重合体A(EVOH)
ガラス転移点:63℃
密度:1.21g/cm3
MCTの飽和含有量:0.01wt%
エチレンビニルアルコール共重合体B(EVOH)
ガラス転移点:50℃
密度:1.12g/cm3
MCTの飽和含有量:0.01wt%
後述する実験例におけるフィルム作製は、以下の手法により行った。
ラボプラストミルを使用して、内面樹脂層(最内層)を形成する樹脂組成物を押出機Aに、滑剤供給層(中間層)を形成する樹脂組成物を押出機Bに、外面層(最外層)用の樹脂を押出機Cに供給し、温度210℃のTダイヘッドより押し出し、内面樹脂層、MCT含有の滑剤供給層(中間層)及び外面層(最外層)からなる三層フィルムを作製した。単層フィルムの場合はすべての押出機に滑剤供給層樹脂組成物を供給して作製した。
作製したフィルムをφ75mmの円形に切り出し、一枚ずつアルミホイルに挟み、80℃のオーブンにて24時間加熱した。取り出して室温にて18時間冷却後、後述するブリード量測定、滑落評価を行った。
各種ペレットを約20g量り取り(浸漬前の重量)、30gの中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)に浸漬し、80℃で6時間加熱し、室温(23℃)で約1時間放冷した。樹脂ペレットを取り出し、表面についたMCTをエタノールで洗い流した後、室温で3時間乾燥させた。重量を量り取り(浸漬後の重量)、浸漬前の重量との差分を出し、下記式より、前述した各樹脂の飽和含有量(飽和吸油量)を算出した。
φ75mmの円形に切り出した加熱未処理のフィルムと、上述の方法で加熱したフィルムを用い、フィルム表面を薬包紙で拭き取った。薬包紙の拭き取り前後の重量差分から、フィルム表面にブリードしたMCT重量を測定し、単位面積当たりのブリード量[g/m2]を算出した。成形から2週間後のフィルムを用い、加熱前と加熱後の結果を表1及び2に示す。
φ75mmの円形に切り出した加熱未処理のフィルム用い、フィルム表面にアルミホイルを強く押し当て、接触させたアルミホイル表面を観察した。液体が転写しているのが目視で確認できたものを×、液体の転写が目視で確認できないものを◎とした。
押出直後、1日後、および2週間後の結果を表1及び2に示す。
上述の方法で加熱したフィルムを用い、φ75mmの円形に切り出した各フィルムを板に貼り付けた。フィルム表面にソースを約1g滴化し、5分放置した後、板を80°傾け、ソースの滑落の様子を観察した。5分放置した後、滴化した箇所にソースが残存しているものを×、残存していないものを◎とした。また30分後に残存していないものを〇とした。加熱後の結果を表1及び2に示す。
最内層と最外層を直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなる層、中間層に中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)を10wt%含有させた環状オレフィンコポリマー(COC)からなる層とし、膜厚が最内層及び最外層30μm、中間層110μmの3層フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、加熱前後のブリード量測定、ベタつき評価、滑落評価を行った。結果を表1に示す。
最内層および最外層の膜厚を45μmとした以外は実施例1と同様にして3層フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、加熱前後のブリード量測定、ベタつき評価、滑落評価を行った。結果を表1に示す。
最内層および最外層の膜厚を60μmとした以外は実施例1と同様にして3層フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、加熱前後のブリード量測定、ベタつき評価、滑落評価を行った。結果を表1に示す。
中間層をMCT10wt%含有させたエチレンビニルアルコール共重合体A(EVOH)とした以外は実施例2と同様にして3層フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、加熱前後のブリード量測定、ベタつき評価、滑落評価を行った。結果を表1に示す。
中間層をMCT10wt%含有させたエチレンビニルアルコール共重合体B(EVOH)とした以外は実施例2と同様にして3層フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、加熱前後のブリード量測定、ベタつき評価、滑落評価を行った。結果を表2に示す。
最内層と最外層を用いず、MCT5wt%含有させたエチレンビニルアルコール共重合体A(EVOH)の単層フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、加熱前後のブリード量測定、ベタつき評価、滑落評価を行った。結果を表2に示す。
最内層および最外層の膜厚を45μmとした以外は比較例1と同様にして3層フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、加熱前後のブリード量測定、ベタつき評価、滑落評価を行った。結果を表2に示す。
最内層および最外層の膜厚を60μmとした以外は比較例1と同様にして3層フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、加熱前後のブリード量測定、ベタつき評価、滑落評価を行った。結果を表2に示す。
さらには実験例1~6において、これらのサンプルを加熱するとブリード量が増加し、それに伴って滑落性も発現することがわかった。
以上のことから高ガラス転移点樹脂にMCTを含有させることでベタつきを抑制し、加熱によりブリード量を増加させ、滑落性を発現させることが可能であることが明らかとなった。
また中間層の高ガラス転移点樹脂にMCTを含有させた実験例1~5と、単層の高ガラス転移点樹脂にMCTを含有させた実験例6を比較すると、加熱前後でのブリード量の差が実験例1~5の方が大きく、滑落性能も高くなっている。すなわち液状滑剤移行性の内面樹脂層を有する方がより顕著に滑落性を発現することができる。
3:内面樹脂層
5:外面側層
7:液膜
10:包装用構造体
α:液状滑剤
Claims (7)
- 包装される物質に対しての滑り性を向上させるための液状滑剤が分散されている滑剤供給用樹脂層を有する包装用構造体において、
前記包装構造体は、フィルムもしくはシート、チューブ、カップ、トレイ、または袋の形態を有しているものであり、
液状滑剤移行性の熱可塑性樹脂からなる内面樹脂層が、前記滑剤供給用樹脂層に対して、前記包装される物質が存在する側に設けられており、
前記滑剤供給用樹脂層は、前記液状滑剤と共に、少なくともガラス転移点が30℃以上の高ガラス転移点樹脂を前記液状滑剤の封止材として含み、且つ、ガラス転移温度が30℃未満の低ガラス転移点オレフィン系樹脂を含んでおり、
前記滑剤供給用樹脂層には、前記高ガラス転移点樹脂を、樹脂成分当り50質量%以上の量で含んでいることを条件として、前記低ガラス転移点オレフィン系樹脂が、該高ガラス転移点樹脂100質量部当り10質量部以上の量で含まれており、
前記滑剤供給用樹脂層に含まれる前記液状滑剤の量は、前記内面樹脂層の25℃での液状滑剤飽和含有量よりも多量に設定されていることを特徴とする包装用構造体。 - 前記滑剤供給用樹脂層は、前記高ガラス転移点樹脂をマトリックスとして形成されている請求項1に記載の包装用構造体。
- 前記高ガラス転移点樹脂が、ガスバリア性樹脂または環状オレフィン共重合体樹脂である請求項1または2に記載の包装用構造体。
- 前記内面樹脂層を形成している熱可塑性樹脂が、ガラス転移点が0℃以下のオレフィン系樹脂層である請求項1~3の何れかに記載の包装用構造体。
- 前記滑剤供給用樹脂層が、1~500μmの厚みを有しており、前記内面樹脂層が1~200μmの厚みを有している請求項1~4の何れかに記載の包装用構造体。
- 前記滑剤供給用樹脂層の外面側には、ガスバリア性樹脂から形成されたガスバリア層が設けられている請求項1~5の何れかに記載の包装用構造体。
- 前記包装用構造体は、前記高ガラス転移点樹脂のガラス転移点以下の温度で保管され、該ガラス転移点よりも高い温度に加熱する熱履歴を介して使用に供される請求項1~6の何れかに記載の包装用構造体の使用方法。
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