JP7263880B2 - 易引裂きフィルム及び包装袋並びに熱収縮フィルム - Google Patents

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Description

本発明は易引裂きフィルム及び当該フィルムを用いた包装袋、並びに熱収縮フィルムに関するものである。特に好ましくは、熱形状回復性と易引裂き性を兼ね備えた熱形状回復性易引裂きフィルムである。
食品包装袋及び集積用フィルムには、ポリオレフィン系樹脂からなる熱収縮フィルムが多く用いられている。近年、少子高齢化に対する包装袋のバリアフリー化や、環境負荷低減に対する省資源化への要求が強くなってきている。
熱収縮フィルムは、常温下引き延ばして、例えば複数の商品を集積して包んだ後、熱処理して収縮させる集積包装に用いられる。そのため、強い結束力(収縮率)と強度を必要とするが、一方で、使用時に簡単に開封(引裂き)しにくいという問題がある。
上記のような包装袋のバリアフリー化の方法として、ポリオレフィン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を用いることにより包装袋に易引裂き性を付与する方法が挙げられている。例えば特許文献1においては、引き裂く起点となるタブが形成された熱収縮フィルムであって、ポリエチレン系樹脂100重量部及びエチレン-環状オレフィン共重合体5~40重量部を含有し、前記ポリエチレン系樹脂は、低密度ポリエチレンを30重量%以上含み、密度が0.930g/cm以上且つメルトフローレートが0.1~2.0g/10分であることを特徴とする熱収縮フィルムが記載されているが、低密度ポリエチレンを必須成分として含むために、フィルムの強度が低下し易い。また、タブを形成しない場合には、開封性が劣ることが示されている(特許文献1の比較例2)。
また、一般的な低密度ポリエチレンの融点は110℃近傍であるため、実用上の熱収縮温度帯は110℃以上の高温領域となる場合が多く、高速収縮性や内容物保護の観点からは、より低温で熱収縮できることがより望ましい。
したがって、易開封性フィルム、特に好ましくは熱形状回復性と高い熱収縮率を有し、低温での熱収縮が可能で、簡単に開封可能な熱収縮性フィルムや、包装袋が求められている。
特開2015-199797
本発明の目的は、易引裂き性に優れるだけでなく、好ましくは熱収縮性、塑性変形後の熱形状回復性に優れ、低温下での熱収縮性や、形状回復後の易引裂き性にも優れる易引裂きフィルム、特に好ましくは熱形状回復性易引裂きフィルムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、特定の原料構成におけるフィルムを作製すると、上記課題を解決できるフィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本願第1の発明は、下記成分(a-1)、(a-2)、(a-3)を含有してなる熱可逆架橋性樹脂(a)と、環状オレフィン系樹脂(b)を少なくとも含んでなることを特徴とする易引裂きフィルムである。
成分(a-1):エチレンとラジカル重合性酸無水物とを構成モノマーとして含む共重合体であるエチレン系共重合体
成分(a-2):分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコール化合物
成分(a-3):反応促進剤
第2の発明は、前記熱可逆架橋性樹脂(a)において、前記成分(a-1)中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位に対し、前記成分(a-2)である多価アルコール化合物中の水酸基単位のモル比が0.01~10の範囲であり、且つ前記成分(a-3)である反応促進剤が、前記成分(a-1)であるエチレン系共重合体100重量部に対して0.001~20重量部の範囲で含まれていることを特徴とする第1の発明の易引裂きフィルムである。
第3の発明は、前記成分(a-1)であるエチレン系共重合体が、エチレン、ラジカル重合性酸無水物及びその他のラジカル重合性コモノマーからなる共重合体であり、その共重合体中のラジカル重合性酸無水物基の成分濃度が0.1~20重量%であり、その他のラジカル重合性コモノマー基の成分濃度が3~40重量%であることを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載の易引裂きフィルムである。
第4の発明は、前記成分(a-2)の多価アルコール化合物が、ポリオキシアルキレン化合物及び/又はポリグリセリンエステル化合物である第1~3のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムである。
第5の発明は、前記成分(a-3)の反応促進剤がカルボキシル基を含む重合体の金属塩又は有機カルボン酸の金属塩である第1~4のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムである。
第6の発明は、前記熱可逆架橋性樹脂(a)を主成分とする樹脂層(I)、環状オレフィン系樹脂(b)とポリエチレン系樹脂(c)を少なくとも含む樹脂層(II)から構成される2層以上の多層フィルムであって、樹脂層(II)中における環状オレフィン系樹脂(b)の濃度が20~80重量%であり、且つフィルム全体としての環状オレフィン系樹脂(b)の濃度が2~50重量%であることを特徴とする第1~5のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムである。
第7の発明は、前記環状オレフィン系樹脂(b)は、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする第1~6のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムである。
第8の発明は、前記エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることを特徴とする第1~7のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムである。
第9の発明は、エルメンドルフ引裂強度によって測定されるMD及びTDの引裂強度が30N/mm以下であることを特徴とする第1~8のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムである。
第10の発明は、下記方法によって測定される形状回復率R(%)が70%以上であることを特徴とする請求項1~9のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムを用いた熱形状回復性易引裂きフィルムである。
・当該フィルムをMDに150mm、TDに20mmの短冊型試験片を作製
・上記短冊型試験片の中心部にMDに沿って50mm幅の標線を描く。
・幅50mmの標線が、100mmとなるようにMDに沿ってフィルムを延伸する。
・延伸したフィルムを98℃のお湯に10秒間浸漬させる。
・浸漬後のフィルムの標線間の長さR’を計測し、形状回復率R(%)=(100-R’)/50×100として形状回復率Rを算出する。
・上記の測定を3回実施し、3回の平均値を形状回復率R(%)とする。
第11の発明は、第1~10のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムを用いた包装袋である。
第12の発明は、第1~10のいずれかの発明に記載の易引裂きフィルムを用いた熱収縮フィルムである。
本発明によれば、易引裂き性を有するフィルム、特に好ましくは、熱収縮性、塑性変形後の熱形状回復性に優れ、低温下での熱収縮性や、形状回復後の易引裂き性にも優れる易引裂きフィルム、特に好ましくは熱形状回復性易引裂きフィルム、それを用いた包装袋や、熱収縮フィルムを得ることができる。
以下、本発明の易引裂きフィルム、特に好ましくは熱形状回復性を有する易引裂きフィルムについて、各項目ごとに詳細に説明する。
1.易引裂きフィルムを構成する樹脂
(1)熱可逆架橋性樹脂(a)
本発明で用いる熱可逆架橋性樹脂(a)とは、下記成分(a-1)、(a-2)、(a-3)を含有してなる熱可逆架橋性樹脂(a)である。
成分(a-1):エチレンとラジカル重合性酸無水物とを構成モノマーとして含む共重合体であるエチレン系共重合体
成分(a-2):分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコール化合物
成分(a-3):反応促進剤
以下にその成分及び製造方法について詳述するが、このような成分(a-1)(a-2)(a-3)を含有してなる熱可逆架橋性樹脂(a)としては、本出願人である日本ポリエチレン株式会社より、エチレン系特殊コポリマー「レクスパールTMRC」として製造販売されているものを用いることができる。また、その他具体的な製造方法については、特許3329458号に記載された方法を用いることができる。
(1-1)
成分(a-1)であるエチレン系共重合体は、エチレンとラジカル重合性酸無水物とからなる二元共重合体又はエチレン,ラジカル重合性酸無水物及び他のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体である。これらのエチレン系共重合体を構成するラジカル重合性酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸,無水イタコン酸,無水エンディック酸,無水シトラコン酸,1-ブテン-3,4-ジカルボン酸無水物,炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアルケニル無水コハク酸,炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアルカジエニル無水コハク酸などが挙げられる。これらは、単独で又は二種類以上同時に併用しても差し支えない。これらのうち、無水マレイン酸及び無水イタコン酸が好適である。
成分(a-1)であるエチレン系共重合体中のラジカル重合性酸無水物基の成分濃度は0.1~20重量%の範囲であることが好ましい。該酸無水物に由来する単位が0.1重量%未満であると、架橋密度が不充分となるため好ましくない。また、20重量%を超えると、エチレン系共重合体に期待する、ポリエチレン系樹脂が本来有する柔軟性,耐吸湿性などの性質を損ない、更にはコストの上昇によって商業的に製造することが困難となるため好ましくない。
一般的に、エチレン系共重合体(a-1)中のラジカル重合性酸無水物基の好ましい成分濃度は、0.1~20重量%、好ましくは1~10重量%の範囲である。ただし、好ましい成分濃度の範囲は、(a-2)成分として使用される多価アルコール化合物の種類によって変動することがある。例えば、(a-2)成分として、後述する(a-2)-(i),(a-2)-(ii)又は(a-2)-(iii)いずれかの化合物を使用する場合には、上記のエチレン系共重合体中のラジカル重合性酸無水物基の好ましい成分濃度は、0.1~10重量%の範囲であり、特に好ましいのは0.5~6重量%の範囲である。
前記ラジカル重合性酸無水物と併用することのできる他のラジカル重合性コモノマー(以下、第三モノマーと言う)としては、エチレン系不飽和エステル化合物,エチレン系不飽和アミド化合物,エチレン系不飽和酸化合物,エチレン系不飽和エーテル化合物,エチレン系不飽和炭化水素化合物などが挙げられる。 上記の第三モノマーは、必要に応じて二種類以上使用することもできる。第三モノマーを併用する場合、本発明に用いる成分(a-1)のエチレン系共重合体中の該第三モノマーの成分濃度は、3重量%以上、40重量%以下であることが好ましい。この濃度が40重量%を超えると、成形性が低下しやすい。 さらに、本発明に用いるエチレン系共重合体(a-1)のMFR(JIS-K7210の表1の条件4に従う)は、0.1~1000g/10分の範囲が好ましい。この範囲外では、本発明の目的に合致した組成物を得ることが困難である。
このようなエチレン系共重合体(a-1)は、塊状,溶液,懸濁又はエマルジョン等の重合法により製造されるが、基本的には通常の低密度ポリエチレンの製造設備及び技術を利用することができる。その他の製造方法については、特許3329458号等に記載された方法を用いることができる。
(1-2)
本発明の熱可逆架橋性樹脂(a)における成分(a-2)、即ち、分子内に水酸基を少なくとも二つ有する多価アルコール化合物とは、二以上の水酸基を有する各種の化合物をいい、いわゆる架橋剤としての作用を有するものである。そのような多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール,グリセリン,1,4-ブタンジオール,1,6-ヘキサンジオール,1,8-オクタンジオール,1,10-デカンジオール,トリメチロールメタン,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトールなどのアルコール化合物;ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,テトラエチレングリコールなどのポリエチレングリコール;ジグリセリン,トリグリセリン,テトラグリセリンなどのポリグリセリン;アルビトール,ソルビトール,キシロース,アラビノース,グルコース,ガラクトース,ソルボース,フルクトース,パラチノース,マルトトリオース,マレジトースなどの糖類;これらの糖類の脱水縮合物;上記の各種化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;上記の各種化合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;上記のポリオキシアルキレン化合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;上記の部分的にエステル化した化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;エチレン-酢酸ビニル共重合体の鹸化物,ポリビニルアルコール;水酸基を二以上有するポリオレフィン系オリゴマー,エチレン-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体などの分子内に水酸基を二以上有する重合体などを挙げることができる。
多価アルコール化合物の融点は300℃以下であることが好ましい。また、これらの多価アルコール化合物は、2種以上を併用しても差し支えない。
成分(a-2)として特に好ましいのは、以下に示す(a-2)-(i),(a-2)-(ii)及び(a-2)-(iii)の中から選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの化合物は、いわゆる架橋剤としての作用を有することに加えて、熱可逆架橋性樹脂(a)に熱安定性を与え、比較的高温で成形する場合において、成形体にゲル,ブツなどが発生するのを防止する作用を有する。
(a-2)-(i)の化合物として挙げられるのは、下記一般式(I)
(R1)aC(CH2OH)b (I)
〔式中、R1は水素,炭素原子数1~12個の鎖状あるいは環状アルキル基又はアラルキル基を表し、aは0~2の整数を表し、bは2~4の整数を表し、かつa+b=4を満足するように選択される。〕で示されるポリメチロール、又は下記一般式(II)
Figure 0007263880000001
〔式中、mは0~10の整数である。〕
で示されるポリグリセリンに、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレン化合物である。
上記のポリオキシアルキレン化合物は、一般式(I)で示されるポリメチロール、又は(II)で示されるポリグリセリンに、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを常法で付加反応させることによって容易に得られる。ここで、一般式(I)で示されるポリメチロールとしては、例えば、1,3-ジヒドロキシプロパン;2,2-ジメチル-1,3-ジヒドロキシプロパン;トリメチロールエタン;1,1,1-トリメチロールプロパン;1,1,1-トリメチロールヘキサン;1,1,1-トリメチロールドデカン;2-シクロヘキシル-2-メチロール-1,3-ジヒドロキシプロパン;2-(p-メチルフェニル)-2-メチロール-1,3-ジヒドロキシプロパン;ペンタエリスリトールなどが挙げられる。また、一般式(II)で示されるポリグリセリンとしては、例えば、グリセリン,ジグリセリン,ヘキサグリセリン,オクタグリセリン,デカグリセリンなどが挙げられる。これらの化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加反応させて得られるポリオキシアルキレン化合物は、通常、単一の化合物として得ることは極めて困難であり、一般に複数の異なる構造の化合物の混合物として得られるが、本発明の目的には全く問題なく用いることができる。さらに、一般式(I)及び/又は(II)で示される化合物を二種類以上用いて同時にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加反応させたポリオキシアルキレン化合物を用いても差し支えない。
一般式(I)又は(II)で示される化合物へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加量は、用いる上記の化合物に含まれる水酸基の数に左右されるため、一概には規定することはできないが、少なくとも上記の化合物1モルに対してエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを2モル以上付加させることが好ましい。
(a-2)-(ii)の化合物として挙げられるのは、下記一般式(III)
R2-COOH (III)
〔式中、R2は炭素原子数2~25個の鎖状アルキル基,環状アルキル基,アラルキル基又はアルケニル基を表す。〕
で示される有機カルボン酸化合物と、下記一般式(IV)
Figure 0007263880000002
〔式中、nは0~20の整数である。〕
で示されるポリグリセリンとを脱水縮合させた構造を有し、分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリンエステル化合物である。
上記の(a-2)-(ii)化合物は、一般式(III)で示される有機カルボン酸又はその等価体(例えば、アルカリ金属塩,酸ハロゲン化物など)と一般式(IV)で示されるポリグリセリンとを、一般に知られている方法で脱水縮合させることによって容易に製造することができる。ここで、一般式(III)の有機カルボン酸としては、例えば、酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,ヘキサン酸,カプリル酸,カプリン酸,ステアリン酸,オレイン酸,ラウリン酸,フェニル酢酸,フェニルプロピオン酸,フェニル酪酸などが挙げられる。(a-2)-(ii)として使用されるポリグリセリンエステル化合物は、分子内に2個以上の水酸基を有することが必要である。したがって、一般式(IV)のポリグリセンをエステル化する際の有機カルボン酸の使用量は、ポリグリセリンに含まれる水酸基の個数を考慮して決定する必要がある。
その他該化合物の具体例や製造方法については、特許3329458号公報等に記載された方法を用いることができる。
成分(a-2)の多価アルコール化合物の使用量は、成分(a-1)のエチレン系共重合体中に含まれるラジカル重合性酸無水物に由来する単位に対して、多価アルコール化合物に含まれる水酸基の単位のモル比が0.01~10の範囲となることが必要であり、0.05~5の範囲となることが好ましい。このモル比が0.01未満であると、組成物に架橋構造を効果的な量で導入するには不充分となる。一方、このモル比が10を超えると、架橋構造を効果的に導入する点において無意味であるだけでなく、コスト的にも高くなるために好ましくない。
また、エチレン系共重合体中に含まれるラジカル重合性酸無水物に由来する単位が0.1~1重量%の範囲である場合には、多価アルコール化合物に含まれる水酸基の単位のモル比は0.1~5の範囲であることがより好ましい。
(1-3)
成分(a-3)の反応促進剤とは、エチレン系共重合体中に含まれるラジカル重合性酸無水物に由来する単位に含まれるカルボニル基を活性化し、水酸基と酸無水物基との反応を促進させる化合物である。このような反応促進剤としては、様々なものがあるが、その一例を挙げれば、有機カルボン酸の金属塩がある。有機カルボン酸の金属塩としては、炭素原子数1~30個の脂肪酸の金属塩、例えば、酢酸,プロピオン酸,酪酸,オクタン酸,デカン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,ベヘン酸などと周期表の1族,2族,12族,13族の金属(例えば、Li,Na,K,Mg,Ca,Zn,Al等)との塩が挙げられる。さらに具体例を示せば、酢酸リチウム,酢酸ナトリウム,酢酸マグネシウム,酢酸アルミニウム,酪酸カリウム,酪酸カルシウム,酪酸亜鉛,オクタン酸ナトリウム,オクタン酸カルシウム,デカン酸カリウム,デカン酸マグネシウム,デカン酸亜鉛,ラウリン酸リチウム,ラウリン酸ナトリウム,ラウリン酸カルシウム,ラウリン酸アルミニウム,ミリスチン酸カリウム,ミリスチン酸ナトリウム,ミリスチン酸アルミニウム,パルミチン酸ナトリウム,パルミチン酸亜鉛,パルミチン酸マグネシウム,ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸ナトリウム,ベヘン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのうち、ラウリン酸リチウム,ラウリン酸ナトリウム,ラウリン酸カルシウム,ラウリン酸アルミニウム,ミリスチン酸カリウム,ミリスチン酸ナトリウム,ミリスチン酸アルミニウム,パルミチン酸ナトリウム,パルミチン酸亜鉛,パルミチン酸マグネシウム,ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸ナトリウムなどが好適である。
有機カルボン酸の金属塩の他の例としては、カルボン酸の金属塩構造を有する重合体がある。このような重合体としては、エチレンとラジカル重合性不飽和カルボン酸の1族,2族,12族,13族の金属(例えばLi,Na,K,Mg,Ca,Zn,Al等)塩とを共重合した構造を有するもの、あるいはエチレンとラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体とを多元共重合した構造を有するものが挙げられる。
さらに、ポリエチレン,ポリプロピレン,遊離エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系重合体にラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離の不飽和カルボン酸を重合し、その後に中和してもよい)をグラフト重合させた構造を有するもの、ポリオレフィン系重合体にラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を同時に共グラフト重合した構造を有するものが挙げられる。その他の反応促進剤の例としては、特許3329458号公報等に記載されている。
以上に例示した反応促進剤のうち、カルボキシル基を含む重合体の金属塩及び有機カルボン酸の金属塩が好適に用いられる。また、上記の各種の反応促進剤を必要に応じて2種類以上併用することもできる。
これらの反応促進剤の使用量は、成分(a-1)のエチレン系共重合体100重量部に対して0.001~20重量部の範囲となることが必要であり、0.01~15重量部の範囲となることが好ましい。この量が0.001重量部未満であると、反応が遅くなりすぎて組成物中に架橋構造を効果的に導入することが困難となり、20重量部を超えると、反応速度を向上させる点で無意味であるばかりでなく、経済的にも好ましくない。
(2)環状オレフィン系樹脂(b)
本発明で用いる環状オレフィン系樹脂(b)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα-オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。
COCとしては、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、ヘプテン-1、オクテン-1等のα-オレフィンなどの直鎖状モノマーとテトラシクロドデセン、ノルボルネンなどの環状モノマーとから得られた環状オレフィン共重合体が挙げられる。さらに具体的には上記直鎖状モノマーと炭素数が3~20のモノシクロアルケンやビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン(ノルボルネン)及びこの誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.1.2,5.17,10]-3-ドデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン及びこの誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5-エイコセン等およびこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エイコセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン及びこの誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセン及びこの誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセン及びこの誘導体等の環状オレフィンとの共重合体からなる環状オレフィン共重合体などが挙げられる。直鎖状モノマー及び環状モノマーは、それぞれ、単独でも、2種類以上を併用することもできる。また、このような環状オレフィン共重合体は単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、環状オレフィン系樹脂(b)に、前記COPとCOCを併用することもできる。その場合は、COPとCOCのそれぞれの異なった性能を付与することができる。
本発明においては、ポリエチレンに対する分散性の理由により、環状オレフィン系樹脂(b)はCOCであることが好ましい。また、COCとしては、直鎖状モノマーがエチレンである、エチレン・環状オレフィン共重合体であることが好ましい。さらには、環状モノマーは、ノルボルネン等であることが好ましい。
また、本発明においては、エチレン・環状オレフィン共重合体は、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15~40/85~60のものであることが好ましい。より好ましくは30~40/70~60のものである。エチレンが15重量%未満であると、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適正を悪化させるため好ましくない。一方、エチレンが40重量%以上であると、十分な易引裂性、剛性が得られないため好ましくない。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引裂性、加工安定性、衝撃強度が向上するため好ましい。
さらにまた、エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることが好ましい。より好ましくは70℃以上のものである。環状オレフィンの含有量が上記範囲を下回ると、ガラス転移点が前記範囲を下回るようになり、例えば、芳香成分のバリアー性が低下するようになる、十分な剛性が得られず、高速包装機械適正に劣る等の恐れがある。一方、環状オレフィンの含有量が上記範囲を上回ると、ガラス転移点が高くなりすぎ、共重合体の溶融成形性やオレフィン系樹脂との接着性が低下する恐れがあり好ましくない。
また、環状オレフィン系樹脂(b)の重量平均分子量は、5,000~500,000が好ましく、より好ましくは7,000~300,000である。
環状オレフィン系樹脂(b)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、ポリプラスチック社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。本発明においては、ノルボルネン系単量体の含有比率が、前述の範囲
にあること、加工性等の理由から、TOPASのグレード8007が好ましい。
(3)ポリエチレン系樹脂(c)
本発明のポリエチレン系樹脂(c)は、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたホモポリエチレン若しくはエチレン・α-オレフィン共重合体のいずれであってもよいが、形状回復性の観点から、エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂を主成分とすることが好ましい。
主成分とする該エチレン・α-オレフィン共重合体樹脂において、エチレンと共重合するα-オレフィンの種類としては、通常炭素数3~8のα-オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、ヘプテン-1、オクテン-1、4-メチルペンテン-1などが挙げられ、密度範囲は0.870g/cm~0.930g/cmであり、好ましくは0.870g/cm~0.920g/cmである。密度が0930g/cmより大きいと形状回復性が低下するため好ましくない。また、MFRは0.05~20g/10minが好ましく、更に好ましくは0.1~10g/10minであり、より好ましくは0.5~5g/10minである。MFRが20g/10minより大きいと製膜安定性が低下するため好ましくない。また、MFRが、0.05g/10minより小さいと成形時の樹脂圧力が高くなり樹脂発熱を生じたり、あるいは押出負荷が上昇する等、加工性が悪化する。
本発明のポリエチレン系樹脂(c)は上記の通り、エチレン・α―オレフィン共重合体樹脂を主成分としていれば良く、上述記載の条件を満たしていれば、主成分とするエチレン・α―オレフィン共重合体樹脂が1種であってもよいし、2種以上であっても良い。
2.易引裂きフィルム
本発明の易引裂きフィルム、好ましくは熱形状回復性易引裂きフィルムは、前述したように、少なくとも特定の熱可逆架橋性樹脂(a)と環状オレフィン系樹脂(b)から構成されるものであって、単層フィルムと多層フィルムのいずれであってもよい。多層フィルムの場合は、熱可逆架橋性樹脂(a)を主成分とする樹脂層(I)、環状オレフィン系樹脂(b)とポリエチレン系樹脂(c)を少なくとも含む樹脂層(II)から構成される2層以上の多層フィルムが挙げられ、例えば、樹脂層(I)/樹脂層(II)のような2層フィルムや、樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(I)のような3層フィルムや、樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(I)のような5層フィルムなどが例示できる。
特に好ましくは、熱可逆架橋性樹脂(a)を含む、好ましくは主成分とする樹脂層を、多層フィルムの外側の層(I)とし、環状オレフィン系樹脂(b)とポリエチレン系樹脂(c)を少なくとも含む樹脂層を、多層フィルムの中側の層(II)とした多層フィルム構成が好ましい。
又、好ましくは、熱可逆架橋性樹脂(a)を含む、好ましくは主成分とする樹脂層を、多層フィルムの外側の層(I)とし、環状オレフィン系樹脂(b)とポリエチレン系樹脂(c)と熱可逆架橋性樹脂(a)を少なくとも含む樹脂層を、多層フィルムの中側の層(II)とした多層フィルム構成が好ましい。
樹脂層(II)中における環状オレフィン系樹脂(b)の濃度は20~80重量%であることが好ましく、より好ましくは30~60重量%である。環状オレフィン系樹脂(b)の濃度が20重量%を下回ると易引裂き性が悪化するため好ましくなく、また80重量%を超えるとフィルムの柔軟性が失われ、強度が低下するため好ましくない。さらに、フィルム全体に対する環状オレフィン系樹脂(b)の濃度は2~50重量%が好ましい。
多層フィルムを構成する場合の各層の比率については、上述のフィルム全体に対する環状オレフィン系樹脂(b)の濃度を満たしていれば、特に限定されるものではない。
フィルム全体の厚さとしては、使用用途に応じて設定可能であり、特に限定されないが、10~200μmが好ましい。フィルム全体の厚さが200μmを超えると、引裂荷重が大きくなり、易引裂性が悪化する可能性がある。
本発明の易引裂きフィルムの製造方法としては、特に限定されないが、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する方法が挙げられる。また、多層フィルムを製造する場合は例えば、樹脂層(I)、樹脂層(II)を構成する成分を、それぞれ別の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により、溶融状態で(I)/(II)/(I)の順で積層させた後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。
この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。また、本発明の熱形状回復性フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形が可能となる。
さらに、通常用いられる方法により、本発明の熱形状回復性易引裂きフィルムをシーラントフィルムとして用い、樹脂層(I)又は樹脂層(II)上に接着性樹脂や接着剤を介して基材をラミネートしてラミネートフィルムとすることもできる。
なお、本発明において、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため滑剤やアンチブロッキング剤を適宜添加することが好ましい。
また、本発明において、「主成分とする」とは層を構成する樹脂成分中の主要成分であることを意味し、具体的には層を構成する樹脂成分中70重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%含有することを意味する。したがって、本発明の目的を損なわない範囲で、有機過酸化物を反応開始剤として重合される高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等も上述の範囲内であれば含むことができる。
3.易引裂きフィルムの物性
本発明の易引裂きフィルムの物性は、以下のとおりである。
(1)易引裂き性
本発明の易引裂きフィルムは、JIS K7128-2を参考にして測定されるエルメンドルフ引裂試験において、フィルムの流れ方向(MD)及びその垂直方向(TD)における引裂強度が30N/mm以下であることが好ましい。より好ましくは、20N/mm以下である。引裂強度が30N/mmより大きくなると、易引裂性が悪化するため好ましくない。
(2)形状回復率
本発明の易引裂きフィルムの、好ましいひとつの特徴として、常温で延伸(塑性変形)させたのち、熱をかけると元に戻る(熱収縮)度合を示す形状回復率が高い、すなわち熱形状回復性を有することが挙げられる。
その形状回復率R(%)の物性計測の指標としては下記の方法が挙げられる。
好ましくは、下記方法によって測定される形状回復率R(%)が70%以上であるフィルムであることが挙げられ、更に好ましくは75%以上である。
・当該フィルムをMDに150mm、TDに20mmの短冊型試験片を作製
・上記短冊型試験片の中心部にMDに沿って50mm幅の標線を描く。
・幅50mmの標線が、100mmとなるようにMDに沿ってフィルムを延伸する。
・延伸したフィルムを98℃のお湯に10秒間浸漬させる。
・浸漬後のフィルムの標線間の長さR’を計測し、形状回復率R(%)=(100-R’)/50×100として形状回復率Rを算出する。
・上記の測定を3回実施し、3回の平均値を形状回復率R(%)とする。
(3)形状回復後の易引裂き性
本発明の易引裂きフィルムの、好ましいひとつの特徴として、熱履歴を受けて熱収縮した後又は形状回復後の易引裂き性が高いことが挙げられる。
該指標は、前記の形状回復率の試験において、お湯に浸漬後の短冊形試験片の標線間の一部にTDに沿って5mmの切り込みを入れて、切り込み部から手で引き裂いた際の引裂き性で評価される。
(4)熱形状回復性易引裂きフィルム
本願発明でいう、熱形状回復性とは、熱により形状を回復しようとする性質を意味し、例えば、常温下で延伸(塑性変形)されたフィルムに対し、熱をかけると元にもどろうとする(熱収縮)性質を有すること意味する。
完全に形状回復するものだけではなく、形状を回復しようとする性質を有するもの、好ましくは上記形状回復率が70%以上、特に好ましくは75%以上有するものを意味する。
特に、本願発明のフィルムの特徴の一つとして、加熱温度が110℃以下、好ましくは100℃以下(本願実施例及び上記回復率の基準では98℃を採用)、好ましくは90℃以上という、従来のポリエチレン系熱収縮フィルムにおける加熱温度(110℃以上)よりも、低温の加熱条件において、十分な熱収縮率(形状回復率)を有することが挙げられる。
熱水の温度である100℃において熱収縮が可能であるという点においては、特別な加熱手段を有しなくても、たとえば家庭においても利用可能であることを意味するため、熱収縮性フィルムの適用用途を格段に広げることが可能である。
(5)他特性
本発明の易引裂きフィルムは、今までにない新たな原料の組み合わせにより作成された、新規な構成のフィルムであり、上記の熱形状回復性能以外にも、従来の易引裂き性の樹脂フィルムには見られない、フィルムとしての風合い、手触り感、取扱い操作性、形状の変形性、形状の戻り具合等を有するものである。
したがって、熱形状回復性を要しない用途における易引裂き性フィルムとしても、十分に利用価値がある。例えば、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等に用いられるあらゆる用途フィルムとして用いることが可能である。
4.包装袋
本発明の易引裂きフィルム、好ましくは熱形状回復性易引裂きフィルムからなる包装袋としては、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。
前記包装袋は、本発明の(熱形状回復性)易引裂きフィルムの内層又は外層同士を重ねてヒートシールすることにより形成した包装袋が挙げられる。2枚の当該(熱形状回復性)易引裂きフィルムを所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填した後、ヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらに、1枚の当該熱形状回復性易引裂きフィルムを用いて、横ピロー包装、縦ピロー包装、スキンパック包装の形態でも用いることができる。
本発明の(熱形状回復性)易引裂きフィルムを用いた包装材には、初期の引裂強度を弱め、開封性を向上するためにVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成すると好ましい。ノッチ等の形成部としては、シール部や包装材の上下端部、左右折り目部、ピロー包装の背張り部等が挙げられる。包装材の形態とノッチ形成部に応じて、ノッチ周囲にノッチを囲むようにして三日月状等の形状のシール部を設けることで、内部の密閉性を確保できる。
また、前記包装容器としては、本発明の(熱形状回復性)易引裂きフィルムを二次成形することにより得られる深絞り成形品(上部に開口部がある底材)が挙げられ、代表的なものとして食品用途の真空包装袋のボトム材やブリスターパックの底材などが挙げられる。
上記の二次成形方法としては、例えば、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等が挙げられる。これらの中でも、フィルムあるいはシートを包装機上にてインラインで成形し、内容物を充填できるため真空成形が好ましい。
なお、一般的に包装袋の流れ方向(MD)は、充填時や製袋時のライン方向に平行な軸であり、且つ原反フィルムの流れ方向(MD)に対応する。例えば、横ピロー包装材であれば、背張りの長尺方向が包装袋の流れ方向(MD)に対応し、且つフィルムの流れ方向(MD)に対応する。
5.熱収縮フィルム
本発明の易引裂きフィルムからなる熱収縮(シュリンク)フィルムは、フィルムが熱によって収縮する性質を利用した、熱収縮(シュリンク)包装方法に用いるフィルムであり、容器等の被包装物にフィルムを巻き付けた後に加熱することにより、フィルムが被包装物の形状に沿って収縮し、皺無く綺麗に包装することができる。また、熱収縮(シュリンク)包装により、被包装物の保護や、複数の被包装物の強固な結束が可能となり、さらに自動包装機を用いて効率良く包装することができるため、従来より、食品、家庭用品、書籍等の熱収縮包装袋、或いは、複数の缶、瓶、ペットボトル等の集積包装用フィルム等として、種々の商品の包装に利用されている。
熱収縮フィルムは、内容物の保護や集積包装の際には、優れた収縮性(結束力)及び強度を要するともに、使用時には、簡単に引き裂いて、内容物を取り出しやすくすることが必要である。本願発明の易引裂きフィルムは、易引裂き性だけではなく、延伸後熱収縮による形状回復性、そして熱収縮後の易引裂き性にも優れているため、このような、使用時の易開封性を必要とする包装袋、集積フィルムに特に好ましく用いることができる。
本願発明の熱収縮フィルムには、その他公知の熱収縮フィルムにおける添加剤、層構成、製造方法を用いることができる。例えば融着防止層、顔料添加による印刷層を用いることができる。
以下に、本発明の実施例を示す。
<使用原料>
(1-1)熱可逆架橋性樹脂(a)
・日本ポリエチレン株式会社製「レクスパールTMRC ES353Y」、MFR8.0g/10min、密度0.949g/cm
(1-2)環状オレフィン系樹脂(b)
・ポリプラスチックス株式会社製「TOPAS 8007F-600」、ガラス転移温度78℃
(1-3)ポリエチレン系樹脂(c)
・(c-1):日本ポリエチレン株式会社製「ハーモレックス NC566A」、MFR3.8g/10min、密度0.918g/cm
・(c-2):日本ポリエチレン株式会社製「ノバテックLD LF640H」、MFR7.0g/10min、密度0.924g/cm
・(c-3):日本ポリエチレン株式会社製「ノバテックLL UF641」、MFR2.1g/10min、密度0.927g/cm
(1-4)添加剤マスターバッチ
・日本ポリエチレン株式会社製「MF20KG」、アンチブロッキング剤20%マスターバッチ
<Tダイフィルム成形>
成形機:3種3層Tダイフィルム成形機
ダイス幅:550mm
ダイリップクリアランス:1mm
加工温度:C1=190℃、C2~FB=200~210℃、D1~D5=210℃
チルロール温度:40℃
層比:1/1/1
フィルム厚み:70μm
<物性評価方法>
(3-1)エルメンドルフ引裂強度
JIS K7128-2を参考にし、以下の装置を用いてエルメンドルフ引裂強度を評価した。なお、MDはフィルム流れ方向であり、TDはその垂直方向の値である。
装置:デジタルエルメンドルフ引裂試験機 型式SA(株式会社東洋精機製作所製)
測定環境:温度23℃、湿度50%
(3-2)形状回復率
下記の方法によって形状回復率を評価した。
・当該フィルムをMDに150mm、TDに20mmの短冊型試験片を作製
・上記短冊型試験片の中心部にMDに沿って50mm幅の標線を描く。
・幅50mmの標線が、100mmとなるようにMDに沿ってフィルムを延伸する。
・延伸したフィルムを98℃のお湯に10秒間浸漬させる。
・浸漬後のフィルムの標線間の長さR’(mm)を計測し、形状回復率R(%)=(100-R’)/50×100として形状回復率Rを算出する。
・上記の測定を3回実施し、3回の平均値を形状回復率R(%)とする。
(3-4)形状回復後の易引裂性
前記(3-2)の浸漬後の短冊型試験片の標線間の一部にTDに沿って5mmの切り込みを入れ、切り込み部から手で引裂いた際の引裂性を評価した。
○:手で簡単に引裂ける
×:手で簡単に引裂けない
(実施例1)
上記原料を用いて、外層から樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(I)の順序で前記(2)に記載のTダイフィルム成形法によって積層させた3層Tダイフィルムを得た。樹脂層(II)における環状オレフィン系樹脂(b)の濃度は60重量%とした。
(実施例2)
上記原料を用いて、外層から樹脂層(I)/樹脂層(II)/樹脂層(I)の順序で前記(2)に記載のTダイフィルム成形法によって積層させた3層Tダイフィルムを得た。樹脂層(II)は熱可逆架橋性樹脂(a)を含み、環状オレフィン系樹脂(b)の濃度は30重量%とした。
(比較例1)
実施例1の樹脂層(I)にポリエチレン系樹脂(c)を用いた3層Tダイフィルムを得た。樹脂層(II)における環状オレフィン系樹脂(b)の濃度は60重量%とした。
(比較例2、3)
全層ポリエチレン系樹脂(c)を用いて前記(2)に記載のTダイフィルム成形法によって積層させた3層Tダイフィルムを得た。
Figure 0007263880000003
(評価)
表1から明らかなように、比較例2及び比較例3は環状オレフィン系樹脂(b)を用いていないためにMD及びTDの引裂強度が大きく、易引裂性が悪い。また、比較例1においては、環状オレフィン系樹脂(b)を用いているため、易引裂性には優れるが、熱可逆架橋性樹脂(a)を用いていないために、形状回復率が低い。
一方、本発明に基づく実施例1及び実施例2においては、熱可逆架橋性樹脂及び環状オレフィン系樹脂を組み合わせることにより、98℃という比較的低温においても熱収縮(形状回復)が可能であり、高い熱収縮率(形状回復率)を示すだけでなく、熱収縮(形状回復)後の易引裂性にも優れる。したがって、易開封性や高収縮性が要求されるフィルム及び包装袋、集積用フィルム等に用いられる熱収縮フィルムに好適である。

Claims (12)

  1. 下記成分(a-1)、(a-2)、(a-3)を含有してなる熱可逆架橋性樹脂(a)を含む層と、環状オレフィン系樹脂(b)を少なくとも含んでなる層とを有する
    ことを特徴とする易引裂きフィルム。
    成分(a-1):エチレンとラジカル重合性酸無水物とを構成モノマーとして含む共重合体であるエチレン系共重合体
    成分(a-2):分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコール化合物
    成分(a-3):反応促進剤
  2. 前記熱可逆架橋性樹脂(a)において、前記成分(a-1)中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位に対し、前記成分(a-2)である多価アルコール化合物中の水酸基単位のモル比が0.01~10の範囲であり、且つ前記成分(a-3)である反応促進剤が、前記成分(a-1)であるエチレン系共重合体100重量部に対して0.001~20重量部の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1記載の易引裂きフィルム。
  3. 前記成分(a-1)であるエチレン系共重合体が、エチレン、ラジカル重合性酸無水物及びその他のラジカル重合性コモノマーからなる共重合体であり、その共重合体中のラジカル重合性酸無水物基の成分濃度が0.1~20重量%であり、その他のラジカル重合性コモノマー基の成分濃度が3~40重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の易引裂きフィルム。
  4. 前記成分(a-2)の多価アルコール化合物が、ポリオキシアルキレン化合物及び/又はポリグリセリンエステル化合物である請求項1~3のいずれかの項に記載の易引裂きフィルム。
  5. 前記成分(a-3)の反応促進剤がカルボキシル基を含む重合体の金属塩又は有機カルボン酸の金属塩である請求項1~4のいずれかの項に記載の易引裂きフィルム。
  6. 前記熱可逆架橋性樹脂(a)を主成分とする樹脂層(I)、環状オレフィン系樹脂(b)とポリエチレン系樹脂(c)を少なくとも含む樹脂層(II)から構成される2層以上の多層フィルムであって、樹脂層(II)中における環状オレフィン系樹脂(b)の濃度が20~80重量%であり、且つフィルム全体としての環状オレフィン系樹脂(b)の濃度が2~50重量%であることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載の易引裂きフィルム。
  7. 前記環状オレフィン系樹脂(b)は、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1~6のいずれかの項に記載の易引裂きフィルム。
  8. 前記エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることを特徴とする請求項1~7のいずれかの項に記載の易引裂きフィルム。
  9. エルメンドルフ引裂強度によって測定されるMD及びTDの引裂強度が30N/mm以下であることを特徴とする請求項1~8のいずれかの項に記載の易引裂きフィルム。
  10. 下記方法によって測定される形状回復率R(%)が70%以上であることを特徴とする請求項1~9のいずれかの項に記載の易引裂きフィルムを用いた熱形状回復性易引裂きフィルム。
    ・当該フィルムをMDに150mm、TDに20mmの短冊型試験片を作製
    ・上記短冊型試験片の中心部にMDに沿って50mm幅の標線を描く。
    ・幅50mmの標線が、100mmとなるようにMDに沿ってフィルムを延伸する。
    ・延伸したフィルムを98℃のお湯に10秒間浸漬させる。
    ・浸漬後のフィルムの標線間の長さR’を計測し、形状回復率R(%)=(100-R’)/50×100として形状回復率Rを算出する。
    ・上記の測定を3回実施し、3回の平均値を形状回復率R(%)とする。
  11. 請求項1~10のいずれかの項に記載の易引裂きフィルムを用いた包装袋。
  12. 請求項1~10のいずれかの項に記載の易引裂きフィルムを用いた熱収縮フィルム。
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