JP5343972B2 - 熱間充填包装体及びその包装体の製造方法 - Google Patents

熱間充填包装体及びその包装体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間充填包装体に関するものであり、より詳細には、非油性内容物が熱間充填された熱間充填包装体及びその包装体の製造方法に関するものである。
プラスチック容器は、成形が容易であり、安価に製造できることなどから、各種の用途に広く使用されており、例えば、容器壁の内面がポリエチレンなどのオレフィン系樹脂層で形成されている容器は、粘稠なスラリー状或いはペースト状の内容物を収容するための容器としても使用されている。
ところで、粘稠な内容物を収容するためのプラスチック容器では、容器内に充填されている粘稠な内容物を速やかに排出するため、或いは容器内に残存させることなくきれいに最後まで使いきるために、容器を倒立状態で保存しておかれる場合が多い。従って、容器を倒立させたときには、内容物が容器内壁面に付着残存せず、例えば粘稠な内容物が速やかに落下するという特性が望まれている。
内容物の容器内壁面への付着が抑制されたプラスチック容器については、種々の提案がなされており、例えば、特許文献1には、界面活性剤を主成分とするシャンプーや液体洗剤に使用される多層ポリエチレン製容器であって、内表面のポリエチレン層に4000ppm以上のエルカ酸アミド或いは1〜5重量%のシリコーンオイルを容器内面への付着防止剤として配合することが提案されている。
前記特許文献1による提案からも理解されるように、内容物が容器壁面に付着せず、内容物のほぼ全量を速やかに容器外に排出できるようにする検討は、多くは、シャンプーや液体洗剤などのように油分によるべたつき感のある内容物についてであり、例えば粘稠ではあるが油分によるべたつき感のないケチャップなどの非油性物質については、あまり検討されていないのが現状である。例えば、特許文献2には、ケチャップやマヨネーズなどの食品が充填されるオレフィン系樹脂ボトルについて、ポリオレフィンからなる樹脂層に二種以上の脂肪酸アミドを添加することが提案されているが、かかる提案は、容器の外表面層に二種の脂肪酸アミドを添加することにより、ボトルに滑り性を付与してボトルの耐ブロッキング性を向上させ、ボトル生産ラインでのボトル同士の接触やボトルと他の部材との接触による不都合を防止するというものであって、内容物の容器内壁面の付着を防止するというものではない。
特開平6−99481号公報 特許第2627127号
ところで、本出願人は、先に、脂肪族アミド、特にオレイン酸アミド等の不飽和脂肪族アミドが添加されたポリエチレン樹脂層が容器内面に形成されたポリエチレン製容器について特許出願し、この特許出願は既に特許されている(特許第4218729号)。このポリエチレン製容器は、ケチャップ等の非油性の粘稠な内容物に対して内容物の倒立落下性に優れているというものであるが、脂肪族アミドの添加のみでは、内容物が熱間充填された場合に内容物の倒立落下性が低下するため、有機過酸化物を併せて添加することにより、内容物が熱間充填された場合にも内容物の倒立落下性を高いレベルに維持するというものである。
しかしながら、有機過酸化物のような不安定な化合物の使用は、取り扱いが難しいばかりか、コストの増大をもたらすため、できれば使用を避けることが望まれる。
また、内容物の倒立落下性を向上させるための手段として、容器内面のオレフィン系樹脂層に滑剤を配合することは、通常、考えられる手段であるが、本発明者等の研究によると、単なる滑剤の配合では、内容物が室温で容器内に充填された場合には内容物の倒立落下性をある程度向上させることはできたとしても、内容物が熱間充填された場合には、この倒立落下性を十分に向上させることができないことが判った。
従って、本発明の目的は、内容物が熱間充填されているにかかわらず、内容物の倒立落下性が著しく向上した熱間充填包装体及びその包装体の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、滑剤成分を含有しているオレフィン系樹脂層を容器内面に有しているポリオレフィン容器について多くの実験を行って検討を重ねた結果、両親媒性分子からなる滑剤成分を含有するポリオレフィン容器に内容物が熱間充填されている包装体において、熱間充填された内容物を取り出した状態で、容器内面に対し反射法によるX線回折測定を行ったときに、得られるX線プロファイルには、容器内面上に形成された滑剤多分子層構造に由来するピークが発現している場合には、滑剤による滑り性を安定に確保することができ、内容物が熱間充填されているにもかかわらず、内容物の倒立落下性が大きく向上するという極めて興味深い新規知見を得、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、両親媒性分子からなる滑剤成分を含有するオレフィン系樹脂層が内面に形成されているポリオレフィン容器に内容物が熱間充填されている包装体であって、両親媒性分子からなる滑剤成分を含有するオレフィン系樹脂層が内面に形成されているポリオレフィン容器に内容物が熱間充填されている包装体において、熱間充填された内容物を取り出した状態で、容器内面に対し反射法によるX線回折測定を行ったときに、得られるX線プロファイルには、容器内面上に形成された滑剤多分子層構造に由来するピークが発現していることを特徴とする熱間充填ポリオレフィン包装体が提供される。
本発明の熱間充填包装体は、特に、
(1)前記X線プロファイルには、容器内面上に形成された滑剤多分子層構造に由来する1次ピークと、該多分子層構造に由来する2次ピークとが発現していること、
(2)前記X線プロファイルに発現している1次ピークと2次ピークとは、0.12以上のピーク強度比(2次ピーク/1次ピーク)を有していること、
(3)前記容器の内面に形成されているオレフィン系樹脂層には、オレフィン系樹脂100重量部に対し、0.05乃至0.5重量部の量で前記滑剤成分が含まれていること、
(4)前記オレフィン系樹脂層は、滑剤成分として、融点が85℃以上の脂肪酸アミドを含有していること、
(5)前記脂肪酸アミドが飽和脂肪酸アミドであること、
(6)前記オレフィン系樹脂がポリエチレン樹脂であること、
(7)前記ポリオレフィン容器が、前記オレフィン系樹脂を最内層とした多層構造を有していること、
(8)熱間充填される内容物が非油性物質であること、
が好適である。
本発明によれば、また、両親媒性分子からなる滑剤成分を含有するオレフィン系樹脂層が内面に形成されているポリオレフィン容器に内容物が熱間充填されている包装体の製造方法であって、容器成形後に、少なくとも容器内面に対して非接触加熱による熱処理を行い、次いで、内容物を熱間充填することを特徴とする熱間充填包装体の製造方法が提供される。
尚、非接触加熱とは、加熱すべき容器内面に圧力を加えずに加熱することを意味し、例えば、非加圧下で加熱雰囲気中に容器を保持することにより加熱を行うオーブン加熱、或いは誘導加熱などを意味する。例えば、内容物を熱間充填するときに容器内面は加熱されることとなるが、このような加熱は、内容物による圧力が容器内面に加えられるため、非接触加熱には含まれない。
本発明の製造方法においては、特に、
(1)前記熱処理を、70乃至110℃で1/6乃至10分間行うこと、
(2)前記熱処理の温度をT℃、熱処理の時間をt分としたとき、下記式:
45 ≦T・t≦ 1100
の条件を満足するように熱処理を行うこと、
(3)前記熱間充填を、60℃以上の温度で行うこと、
が好適である。
本発明の熱間充填包装体は、熱間充填された内容物を取り出した状態で、容器内面に対し反射法によるX線回折測定を行ったときに、得られるX線プロファイルは、容器内面上に形成された滑剤多分子層構造に由来するピークが発現している。このX線プロファイルにおける一次ピークは、前記滑剤多分子層構造の1層分の面間隔からの回折に由来する。
この結果、内容物が容器内面に沿って落下した場合において、上層の一部の滑剤分子が脱落したとしても、その下には規則正しく配列した層が存在しているため、引き続き、優れた倒立落下性を示す。
また、前記ピークは、1次ピークと、該多分子層構造の1層分の面間隔の高次回折に由来する2次ピークとが発現していることが好適であり、このような2本のピークの存在は、前記多層構造が安定に形成されていることを示す。
さらに、前記X線プロファイルに発現している1次ピークと2次ピークとは、0.12以上のピーク強度比(2次ピーク/1次ピーク)を有していることが最も好適であり、前記強度比は、容器内面において多量の滑剤分子が規則正しく配列して存在していることを示し、より一層優れた倒立落下性が発現する。
本発明の熱間充填包装体の製造方法によれば、ポリオレフィン容器の内面を、熱間充填前の非接触加熱による熱処理によって、容器の内面に規則正しく配列した滑剤の多分子層が形成されため、前記滑剤による滑り性付与効果が安定的に発揮され、熱間充填されているケッチャプ等の内容物に対しての倒立落下性が著しく向上し、該包装体を倒立保持したときに、該内容物が容器内面に付着残存せず、速やかに落下する熱間充填包装体を製造することができる。
容器内面にブリーディングした滑剤(両親媒性分子)の存在形態を説明するための説明図。 実施例6で製造された包装体についてのX線プロファイルを示す図。 比較例2で製造された包装体についてのX線プロファイルを示す図。
<熱間充填包装体>
本発明の熱間充填包装体は、容器の内面にブリーディングした滑剤成分が高秩序で規則正しく配列した多分子多層構造が形成されているため、特異的なX線プロファイルを示す。
即ち、滑剤成分が配合されていない容器の内面について、反射法によるX線回折測定を行ったときには、そのX線プロファイルにはピークは発現せず、このことから、本発明の包装体における特異的なX線プロファイルに発現しているピークは、容器内面にブリーディングしている滑剤多分子層によるものと考えられる。また、高強度の1次ピークは、最も多量に存在する多分子層構造1層分の面間隔からの回折に由来し、2次ピークは、多分子層構造1層分の面間隔の高次回折に由来するものと考えられ、図1(a)のような高秩序多分子多層構造が形成されているものと推定される。
後述する実施例の実験結果からも理解されるように、この熱間充填包装体から内容物を取り出し、容器内面を水で洗浄した後、容器内面に対し反射法によるX線回折測定を行ったときに得られるX線プロファイルには、容器内面上に形成された滑剤多分子層構造に由来するピークが発現している(例えば、図2参照)。
即ち、このピークは、約2.6°付近に発現した大きなピーク(1次ピーク)である。ブラグの式(nλ=2dsinθ)から、このピークは、容器内面の垂直方向に対し、約3.4nmの構造が存在することを示している。ここで、ステアリン酸アミド1分子のサイズがおよそ2.2nmであることを考えると、ステアリン酸アミドは隣接アミド分子と2分子膜状の構造を形成していると言える。すなわち、このピークは容器内面上に形成された滑剤多分子層構造1層分の面間隔からの回折に由来するものである。このような1次ピークの存在は、容器内表面に滑剤の多分子層が存在していることを示している。
前記のX線プロファイルには、約7.6°の付近に小さな2次ピークが発現している。このピークはd=1.1nmに相当しており、1次ピークであるd=3.4nmの整数倍(ここでは3倍)の高次回折に由来するものと言える。この2次ピークは、後述する熱処理を十分に行うことにより発現するものであり、図1(a)に示すように前記の容器内表面上に形成された2分子膜状の構造が容器内面に広く分布し、且つ内面と垂直方向に多数積層された多分子層構造、すなわち、規則正しく配列した多分子層が多く形成されていることを示しており、このように1次ピークと2次ピークを発現していることが好適である。
本発明においては、特に、1次ピークと2次ピークとは、0.10以上、最も好ましくは、0.12以上のピーク強度比(2次ピーク/1次ピーク)を有していることが好ましい。即ち、このピーク強度比が大きな値を示すほど、規則正しく配列した多層構造が容器内面に多く形成されていることを示すからである。
前記のようなX線プロファイルは、本発明の熱間充填包装体に特有のものであり、市販の包装体のX線プロファイルでは、前記のような2次ピークは勿論のこと、1次ピークも発現していない。即ち、本発明の熱間充填包装体は、このようなX線プロファイルを示していることから、例えば図1(a)に示すような高秩序で規則正しく配列した滑剤の多分子多層構造が安定に形成されており、この結果、優れた倒立落下性を示すものとなっている。
このような本発明の熱間充填包装体は、ボトル形状の包装容器として、内容物の倒立落下性が要求される粘稠な非油性内容物用の用途に好適であるが、カップ形状とした場合においても、容器内容物を容器内面に付着残存せずに取り出すことができるという利点を有しており、ボトル以外の形態に本発明を適用することもできる。
また、非油性内容物が熱間充填された包装体では、容器の内層がオレフィン系樹脂で形成されているため、非油性内容物中に含まれる水分が放出されないように長期間にわたって安定に保持させ、非油性内容物の品質低下を防止することが可能となるばかりか、水分による膨潤等による容器の性能低下も有効に回避することができ、しかもコストの点でも有利となる。
1.ポリオレフィン容器
本発明の熱間充填包装体における容器内面を形成するオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等であってもよい。また、このようなオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR,JIS K−6728)は、一般に0.1乃至3g/10min程度の範囲にある。
本発明において、特に好適に使用されるオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリエチレンが最適であり、特に容器にスクイズ性を付与し、容器内容物を絞り出しにより容器から取り出すようにするには、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いるのがよい。
また、本発明においては、前記のような滑剤成分が配合されたオレフィン系樹脂層が容器内面に形成されている限り、該オレフィン系樹脂層を単層として容器器壁が形成されていてもよいし、該オレフィン系樹脂層を内面層とし、これに他の樹脂層が積層された多層構造により容器器壁を形成してもよい。特に、多層構造とした場合には、オレフィン系樹脂層に配合された滑剤成分が容器の外表面にブリーディングせず、容器の内表面に選択的にブリーディングするため、少量の滑剤成分の配合により、容器の内面に十分な倒立落下性を示すに十分な多分子多層構造を形成できるという利点がある。
前記のような多層構造の例としては、
内面層(オレフィン系樹脂層)/接着剤層/酸素バリア層/接着剤層/外表面層
の5層構造が代表的である。
このような層構造において、接着剤層は、例えば酸変性オレフィン系樹脂などの接着剤樹脂から形成されるものであり、酸素バリア層は、エチレンビニルアルコール共重合体などの酸素バリア性樹脂から形成される。また、鉄粉等の酸素吸収剤をオレフィン系樹脂や酸素バリア性樹脂に分散した樹脂層を酸素バリア層とすることもできるし、不飽和二重結合を有するポリブタジエンなどの酸化性樹脂成分を遷移金属触媒などとともに酸素バリア性樹脂に配合して酸素バリア層とすることもできる。外表面層は、内面層と同じオレフィン系樹脂で形成することが一般的であるが、他の熱可塑性樹脂層、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂で形成することもできる。
尚、このような多層構造において、滑剤成分は、内面層にのみ設ければよく、基本的に他の層に設ける必要は無い。倒立落下性の向上に寄与するのは内面層に配合された滑剤成分のみであり、他の層に配合されたものは倒立落下性の向上に寄与せず、コストの増大をもたらすに過ぎないからである。
また、多層構造は、前記の5層構造に限定されるものではなく、例えば、酸素バリア層及び接着剤層を用いて、外表面層をさらに多層構造とすることもできる。さらに、内層に隣接して滑剤成分が配合されていないオレフィン系樹脂層を設け、この層に、接着剤層を介して酸素バリア層が形成された多層構造とすることもできる。さらに、酸素バリア層を設けず、内面層を低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンなどから形成し、外面側に印刷適正の高い高密度ポリエチレンの層を設けた2層構造とすることもできる。
本発明において、容器内面を形成するオレフィン系樹脂層の厚みは、特に制限されないが、通常は、少なくとも50μm以上の厚みとするのがよい。この厚みがあまり薄いと、多分子多層構造を形成するに十分な量の滑剤成分がブリーディングせず、この結果、倒立落下性が不満足なものとなってしまうおそれがあるからである。また、多層構造とする場合において、かかる内面層に積層される各種の層は、その機能に応じた厚みとすればよく、例えば、接着剤層は、十分な接着力が確保できる程度の厚みとすればよく、酸素バリア層は、良好な酸素バリア性を示し、酸素透過による内容物の劣化が有効に防止できる程度の厚みとすればよい。
前記のようなポリオレフィン系容器は、その容器壁の層構造に応じて、各層を構成する樹脂(或いは樹脂組成物)を使用し、例えば、押出成形或いは共押出成形により、ダイヘッドから溶融パリソンを押出し、公知のダイレクトブロー成形を行うことにより製造することもできるし、また、射出成形或いは共射出成形により試験管状の容器形成用プリフォームを作成し、このプリフォームを、それ自体公知のブロー成形に付することにより製造される。さらには、シート状のプリフォームを成形し、これをプラグアシスト成形などの二次成形に賦することによりカップ状の容器とすることもできるし、フィルムをヒートシールすることによりパウチ状の容器とすることもできる。
2.滑剤成分
本発明の熱間充填ポリオレフィン包装体におけるポリオレフィン容器は、少なくとも容器内面にオレフィン系樹脂層を有するものであり、容器内面の該オレフィン系樹脂層には、滑剤成分が配合されている。このような滑剤成分としては、特に図1(a)に示すような多分子多層構造を形成し得ることから、両親媒性分子からなるもの、例えば、ベヘニン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、カプリン酸アミド、カプロン酸アミド、酪酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビススアロアミド、メチレンビススアロアミド、エチレンビスオレイン酸アミド等の脂肪酸アミド;ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール等の脂肪族アルコール、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケンなどが使用される。
即ち、両親媒性分子は、炭化水素基等の非極性基と、アミド基やカルボキシル基などの極性基とを有するものであり、水素結合の形成などにより、極性基同士間での親和性が高く、このため、容器内面にブリーディングした滑剤分子は、極性基間の引力と非極性基間に作用するファンデルワールス力による引力とにより、図1(a)に示されているような多分子層を形成し易い。このため、容器を倒立保持させたとき、このような多分子層上を転落していくこととなり、例えば粘稠な内容物に対しても優れた倒立落下性が発現するようになる。
本発明においては、前記のような両親媒性分子の中では、前記のような多分子多層構造を形成し易いという観点から、脂肪酸アミドが最も好適である。
また、脂肪酸アミドの中でも、特に融点が85℃以上の脂肪酸アミドが好適であり、さらには飽和脂肪酸アミドが好ましい。即ち、低融点の脂肪酸アミドや不飽和脂肪酸アミドは、後述する熱処理に際しての分子の熱運動性が高く、このため、安定した多分子多層構造を形成するためには、低い温度で長時間の熱処理が必要となってしまうが、融点が高い飽和脂肪酸アミドは、熱運動性が低く、このため、高温で短時間での熱処理により、安定した多分子多層構造を形成することが可能となるものである。従って、本発明において、最も好適に使用されるのは、上述した融点を有する飽和脂肪酸アミドであり、特に炭素減数が8乃至24の範囲にあるもの、例えばステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドが最適である。特に、このような飽和脂肪族アミドは、1種単独で使用することもできるが、短時間での熱処理により規則正しく配列した多分子多層構造が形成される限り、他の滑剤成分(例えば、オレイン酸等の不飽和脂肪酸アミド等)と併用することもでき、例えば、滑剤成分中、少なくとも20重量%以上の飽和脂肪酸アミドを含むことを条件として、他の滑剤が使用されていてもよい。
本発明において、上述した両親媒性分子からなる滑剤成分は、容器内面を形成しているオレフィン系樹脂層中に、500乃至5000ppm、特に700乃至5000ppmの量で配合されているのがよい。この量が少ないと、十分な量の滑剤成分が容器内表面にブリーディングせず、この結果、規則正しく配列した高秩序多分子層を十分な量で形成することが困難となり、内容物の倒立落下性を十分に高めることができず、また、前記範囲よりも過剰に滑剤成分を配合したとしても、内容物の倒立落下性はそれ以上向上せず、むしろ経済的に不利となってしまうからである。
<熱間充填包装体の製造>
本発明の熱間充填包装体の製造方法においては、予め成形された滑剤成分を含有しているポリオレフィン容器を加熱処理し、この加熱処理後に内容物を熱間充填することにより、目的とする熱間充填包装体を得ることができる。
1.熱処理
本発明においては、前記のようなポリオレフィン容器に内容物を熱間充填するに先立って、熱処理することが重要である。即ち、このような熱処理によって、ボトル内層にブリーディングした滑剤分子が規則的な多分子多層構造を形成し、滑剤による滑り性付与効果が安定的に発揮され、後述する実施例に示されているように、熱間充填されているケチャップ等の内容物に対して倒立落下性が著しく向上し、包装体を倒立保持したときに、内容物が容器内面に付着残存せず、速やかに落下する。
また、上記のような熱処理がなされた後に内容物が熱間充填されている本発明の包装体においては、容器内面に対し反射法によるX線回折測定を行ったときに、得られるX線プロファイルには、容器内面上に形成された滑剤多分子層構造に由来するピークが発現しており、市販されている包装体(例えば、ケッチャプが熱間充填されている包装体)などには、このようなピークを示さない。
本発明において、上記のような熱処理により、熱間充填されている内容物に対しての倒立落下性が著しく向上する理由は、明確に解明されているわけではないが、本発明者等は、上述したX線プロファイルから、熱間充填前の熱処理によって、容器内面の滑剤成分のブリーディングが促進すると同時に、容器内面のブリーディングした滑剤分子(両親媒性分子)が規則正しく配列した滑剤の多分子層構造が形成されるためであると考えている。
即ち、両親媒性分子からなる滑剤を含有しているオレフィン系樹脂層が内面に形成されている容器では、その内面に滑剤がブリーディングしているが、ブリーディングした滑剤(両親媒性分子)の存在形態としては、図1に示されているように、高秩序で規則正しく滑剤分子が配列された高秩序多層構造(図1(a)参照)、滑剤分子が低秩序で配列された多層構造(図1(b)参照)、及び滑剤分子がランダムに存在しており、多層構造が形成されていない場合(図1(c)参照)などが考えられる。
そして、熱間充填に先立って熱処理を行うことにより、上述した多分子多層構造が容器内面に形成されるものと考えられ、上述した1次ピーク及び2次ピークが発現するように十分に熱処理を行った場合には、図1(a)のような高秩序多分子多層構造が形成されるものと推定されるのである。
このように、本発明においては、熱間充填前の熱処理によって容器の内面に規則正しく配列した滑剤の多分子層構造が形成され、このような規則正しく配列した滑剤多分子層が安定して高い滑り性を示し、この結果、熱間充填された内容物に対して優れた倒立落下性が付与された熱間充填包装体を得ることができる。
かかる熱処理は、少なくとも容器内面に対しての非接触加熱により行うことが重要である。この非接触加熱は、容器内面に圧力を加えるような加熱部材を接触して行うものではなく、少なくとも容器内面をフリーの状態に保持して加熱を行うものである。一般的には、オーブン加熱等により行われるが、誘導加熱等により熱処理を行うこともできるし、容器内面に圧力が加えられない限り、加熱部材を容器外面に接触させることにより熱処理を行うこともできる。即ち、容器内面に対しての非接触加熱により、容器内面にブリーディングした滑剤成分(両親媒性分子)に適度な運動エネルギーが加えられ、ブリーディングした滑剤分子が規則正しく配列し、安定な高秩序多分子構造を形成し得るのである。例えば、次の工程で内容物が熱間充填されたときにも、容器の内面には熱履歴が加えられるが、前もって熱処理を行わない場合には、滑剤成分のブリーディングは促進されるものの、内容物が容器内面に接触してしまうため、容器内容物の圧力により、表面にブリーディングした滑剤分子の秩序だった配列が阻害されてしまい、この結果、内容物の倒立落下性を向上させることが困難となってしまうからである。
本発明において、このような熱処理は、容器内面の温度が50乃至110℃、特に70乃至110℃の範囲に維持されるように行われる。即ち、熱処理温度が50℃未満では、規則正しく配列した多分子多層構造を形成することができず、従って、内容物の倒立落下性が不満足となってしまう。また、70℃未満では、70℃以上の場合と比較し長時間の処理が必要となり、生産性が劣りコストの増大を招くおそれがある。また、熱処理温度を110℃よりも高く設定した場合には、表面にブリーディングした滑剤分子の熱運動が激しくなってしまい、やはり規則正しく配列した多分子多層構造の形成が困難となる傾向があり、また、容器の熱変形などを生じてしまうおそれもある。
熱処理時間は、一般に、1/6乃至10分間の範囲が好適であるが、特に、熱処理の温度をT℃、熱処理の時間をt分としたとき、下記式:
45 ≦T・t≦ 1100
の条件を満足するように熱処理時間を設定することが好ましい。即ち、熱処理温度を高く設定した場合には、短時間での熱処理により、例えば図1(a)に示されているような高秩序の多分子多層構造が発現し、最も優れた倒立落下性を発現させることができる。また、熱処理時間が低く設定されている場合には、高秩序の多分子構造を得るためには、長時間を要することとなる。
また、本発明においては、特に前述した滑剤成分として融点が85℃以上の飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド)を用いた場合には、著しく短時間で図1(a)に示されているような高秩序の多分子多層構造を形成することが可能となる。具体的には、このような滑剤成分を用いた場合には、熱処理温度を80乃至110℃の範囲に設定することにより、2乃至10分の熱処理時間で、高秩序の多分子多層構造を形成することができ、最も優れた倒立落下性を発現させることが可能となる。
2.内容物の熱間充填;
本発明においては、前記のような熱処理後に内容物の熱間充填が行われる。
熱間充填される内容物は、特に制限されるものではないが、この熱間充填は内容物や容器の殺菌を目的とするものであり、特に非油性の内容物が適用される。非油性の内容物ほど菌の繁殖などを生じ易く、加熱殺菌を必要とするためである。
また、本発明が最も好適に適用される内容物は、ケチャップであるが、これ以外にも、ソースや液状糊などを例示することができる。また、このような非油性内容物の中でも、特に粘稠なペースト乃至スラリー状のもの(例えば25℃での粘度が100cps以上)が好適である。このような粘稠な内容物は、特に容器壁に付着残存することなく、容器外に排出し得るような特性が望まれるからである。また、熱間充填されることから、ケチャップやソースなどの食品類が好適である。
熱間充填の温度は、通常、60℃以上であり、特に60乃至90℃の範囲である。あまり低温の場合には、熱間充填による殺菌が不十分となり、また、必要以上に高温とする場合には、内容物の変質(水分の揮散)を生じてしまうからである。
尚、内容物を熱間充填する際に容器内面に熱履歴が生じ、上述した内容物の熱間充填前の熱処理を行った場合と同様、規則正しく配列した滑剤多分子層が形成されることが考えられる。しかしながら、前記熱間充填では、規則正しく配列した滑剤多分子層構造、例えば図1(a)に示されるような層は形成されない。即ち、内容物の熱間充填による熱履歴においては、容器内面に内容物による圧力が加えられており、この結果、滑剤分子の熱運動が抑制され、規則正しい配列が阻害されてしまうからである。
これに対し本発明の内容物の熱間充填前の熱処理では、容器内面を非接触加熱により熱処理するため、熱処理に際しては滑剤分子の熱運動が抑制されず、滑剤分子が規則正しく配列された多層構造が形成され、しかも、このような多層構造は、滑剤分子が規則正しく配列されているため、内容物の熱間充填によって破壊されることはない。
本発明を次の実験例にて説明する。
尚、各実験で製造された包装体についての内容物滑落性及びX線回折測定は、以下の方法で行った。
1.内容物滑落試験
室温下にて、容器付属のキャップから50gの内容物を取り出し、その後倒立させて10分間放置し、容器内面の内容物の付着状態を確認した。その後、ボトルを5℃にて24〜72h条件下で正立保管後、内容物の入った容器を再度取り出し、前記の方法で内容物が無くなるまで滑落試験を繰り返し行った。倒立にて10分間放置後のそれぞれの容器内面の内容物の付着状態を目視にて確認し、滑落性が最も良好なものを◎、最も悪いものを×とし、最も良好なものから最も悪いものの順で、◎、○、△、×の4段階で内容物の滑落性の評価を行った。
2.X線回折測定
内容物滑落試験後、洗浄した容器胴部から25mmx20mmの試験片を切り出し、測定用セルに取り付け、容器内面側が測定面となるようにして試料台に装着し、ターゲットとしてCuを用い、加速電圧40KV、加速電流200mAの条件で、2θ=1.7〜10°の範囲を反射法にてX線回折測定(理学電機(株)社製)を行った。得られた測定データに対し、空気散乱補正を行い、これを試料データとした。
(実施例1〜11)
最内層が低密度ポリエチレン樹脂と各種脂肪酸アミドの混合樹脂層となるように、二軸押出機を用いて溶融混練し、他の樹脂と共に溶融押出してパリソンを形成し、得られたパリソンをブロー成形し、以下の層構成の多層容器(容量500mL)を作製した。尚、最外層樹脂としては低密度ポリエチレン樹脂を使用し、接着剤としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂を使用した。最内層について用いた各種脂肪酸の種類及び配合量は表1に示した。
最外層/接着層/バリア層(EVOH)/接着層/LDPE層/最内層)
容器胴部の各層の厚み
最外層厚み:25μm
接着層厚み:最外層側の接着層及び最内層側の接着層共に10μm
バリア層厚み:20μm
LDPE層厚み:180μm
最内層厚み:180μm
容器成形後、送風定温乾燥器(ウィンディオーブン WFO-450SD, 東京理化器械(株)社製)を用い、表1に示す処理条件で加熱処理を行った。
加熱処理後、容器を取り出し、22℃60%RH環境下にて一晩以上保管した。保管した容器にトマトケチャップ(カゴメ(株)社製)を約500g熱間充填(80〜85℃)し、シール材で口部を密封した後、容器を水中で冷却した。冷却後、22℃60%RHの環境下で1週間保管し、その後、シール材を剥がしキャップを装着した。得られた容器について、前述の内容物滑落試験及びX線回折測定を行った。その結果を表1に示す。また、実施例6のX線回折測定結果を図2に示す。
(実施例12)
最内層が低密度ポリエチレン樹脂と各種脂肪酸アミドのブレンド物(ここで、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミドの重量比は2:1:7)の混合樹脂層となるようにした以外は実施例1〜11と同様に多層容器を作製した。得られた容器について前述の内容物滑落試験及びX線回折測定を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1〜2)
最内層が低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対しオレイン酸アミドが0.03重量部(比較例1)或いは0.1重量部(比較例2)配合された混合樹脂層となるようにした以外は実施例1〜12と同様に多層容器を作製した。得られた容器について前述の内容物滑落試験及びX線回折測定を行った。その結果を表1に示す。また、比較例2のX線回折測定結果を図3に示す。
(比較例3〜7)
市販されている粘稠性食品容器に対し、前述の内容物滑落試験、及び、X線回折測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005343972
表1の実験結果から、容器内面からのX線回折測定で、滑剤多分子層構造に由来するピークを有する多層容器においては、滑落性が向上していることが分かる。
また、上記X線回折測定における1次ピークと2次ピークの比(2次ピーク/1次ピーク)の値が大きいほど、さらに滑落性が向上していることが分かる。また、脂肪酸アミドとして、飽和脂肪酸アミドであるステアリン酸アミド単独でなく、飽和脂肪酸アミドと不飽和脂肪酸アミドのブレンド物であっても、同様に加熱処理により滑落性が向上することが分かる。一方で、図3に示すようにX線回折測定においてピークが観測されないものは、滑落性は無く、容器内面には多分子層構造が形成されていないことが分かる。

Claims (13)

  1. 両親媒性分子からなる滑剤成分を含有するオレフィン系樹脂層が内面に形成されているポリオレフィン容器に内容物が熱間充填されている包装体において、熱間充填された内容物を取り出した状態で、容器内面に対し反射法によるX線回折測定を行ったときに、得られるX線プロファイルには、容器内面上に形成された滑剤多分子層構造に由来するピークが発現していることを特徴とする熱間充填包装体。
  2. 前記X線プロファイルには、容器内面上に形成された滑剤多分子層構造に由来する1次ピークと、該多分子構造に由来する2次ピークとが発現している請求項1に記載の熱間充填包装体。
  3. 前記X線プロファイルに発現している1次ピークと2次ピークとは、0.12以上のピーク強度比(2次ピーク/1次ピーク)を有している請求項2に記載の熱間充填包装体。
  4. 前記容器の内面に形成されているオレフィン系樹脂層には、オレフィン系樹脂100重量部に対し、0.05乃至0.5重量部の量で前記滑剤成分が含まれている請求項1に記載の熱間充填包装体。
  5. 前記オレフィン系樹脂層は、滑剤成分として、融点が85℃以上の脂肪酸アミドを含有している請求項1に記載の熱間充填包装体。
  6. 前記脂肪酸アミドが飽和脂肪酸アミドである請求項5に記載の熱間充填包装体。
  7. 前記オレフィン系樹脂がポリエチレン樹脂である請求項1に記載の熱間充填包装体。
  8. 前記ポリオレフィン容器が、前記オレフィン系樹脂を最内層とした多層構造を有している請求項1に記載の熱間充填包装体。
  9. 熱間充填される内容物が非油性物質である請求項1に記載の熱間充填包装体。
  10. 両親媒性分子からなる滑剤成分を含有するオレフィン系樹脂層が内面に形成されているポリオレフィン容器に内容物が熱間充填されている包装体の製造方法であって、容器成形後に、少なくとも容器内面に対して非接触加熱による熱処理を行い、次いで、内容物を熱間充填することを特徴とする熱間充填包装体の製造方法。
  11. 前記熱処理を、70乃至110℃で1/6乃至10分間行う請求項10に記載の熱間充填包装体の製造方法。
  12. 前記熱処理の温度をT℃、熱処理の時間をt分としたとき、下記式:
    45 ≦T・t≦ 1100
    の条件を満足するように熱処理を行う請求項11に記載の熱間充填包装体の製造方法。
  13. 前記熱間充填を、60℃以上の温度で行う請求項10に記載の熱間充填包装体の製造方法。
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