JP5598098B2 - 非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル - Google Patents
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Description
この多層構造ボトルは、特にマヨネーズのような油脂分を含有する油性内容物を収容するために使用されるものであり、最内層が油性内容物に対する濡れ性に優れており、この結果、ボトルを倒立させたり、或いは傾斜させたりすると、マヨネーズ等の油性内容物は、最内層表面に沿って広がりながら落下していき、ボトル内壁面(最内層表面)に付着残存することなく、綺麗に排出することができるというものである。
前記ボトルの胴部壁の下端が、該ボトルを正立保持したときの接地部を含む周状接地面となっており、
前記周状接地面で囲まれている底壁には、ダイレクトブロー成形に用いる割型に由来して該底壁に現われるパーティングラインを含む位置に、該周状接地面よりも高い上げ底部が形成されており、
前記周状接地面と該上げ底部との間に形成される傾斜壁は、該周状接地面に対して底壁中心を含む垂直断面でみて、水平面に対する該傾斜壁接線の傾斜角の最大角度が30度以上に傾斜した内面を有しており、
前記底壁を周状接地面を含む水平面に投影したとき、該上げ底部の投影面が底壁全体の投影面積の45%以下に抑制されていると共に、
前記最内層には、滑剤成分として、脂肪族アミドが配合されており、
該最内層は、その表面を水平面に対する傾斜角85度となるように傾斜した状態で、粘度が1000乃至2000mPa・s(23℃)の非油性内容物70mgを、23℃において滑落させたときの滑落速度が5mm/min以上となる表面特性を有していることを特徴とする非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトルが提供される。
(1)前記パーティングラインに対して垂直方向で且つ底壁中心を含む垂直断面でみて、周状接地面間の間隔をD、前記上げ底部の下面と該周状接地面とを含む水平面との間隔をHとしたとき、D/Hが2〜10の範囲にあること、
(2)前記最内層には、前記脂肪族アミドが0.05重量%以上、0.4重量%未満の量で配合されていること、
が好ましく、さらに、
(3)前記脂肪族アミドが不飽和脂肪族アミドであり、非油性内容物の常温充填に適用されること、
或いは、
(4)前記脂肪族アミドが飽和脂肪族アミドであり、非油性内容物の熱間充填に適用されること、
が好適である。
尚、脂肪族アミドの配合により実現される非油性内容物に対する滑落性は、例えば、その表面を水平面に対する傾斜角85度となるように傾斜した状態で、粘度が1000乃至2000mPa・s(23℃)の非油性内容物70mgを、23℃において滑落させたときの滑落速度で評価することができ、かかる滑落速度が5mm/min以上となるように、脂肪族アミドが最内面層に配合される。
また、上げ底部が占める面積割合が45%以下と小さくなるように底壁形状を設定すると同時に最内層のオレフィン系樹脂層に充分な量のオレイン酸アミドを配合し、その滑落性を高めた実験例1のボトルでは(滑落速度=17.4mm/min)、胴壁内面内に付着残存したケチャップ量は0.2gであり、底壁内面に付着残存した量は0.3gであり、上記の実験例2,3に比して、胴壁内面及び底壁内面に付着残存したケチャップ量は何れも大幅に少なくなっており、内容物滑落性向上効果と底壁の形状効果とが相乗的に採用して、非油性内容物のボトル内(特に底壁内面)への付着残存を最も効果的に防止できることが判る。
この場合において、ボトル壁を単層構造とした場合には、滑落性向上のために配合された脂肪族アミドが、ボトル内面側にブリーディングすると同時に、ボトルの外面側にもブリーディングしてしまうため、ボトル壁内面への脂肪族アミドのブリーディング量にバラツキを生じ易く、この結果、非油性内容物に対する滑落性が不安定となってしまう。従って、本発明のボトルでは、多層構造を採用することが必要である。
1.最内層用の有機滑剤;
上記の説明から理解されるように、本発明のオレフィン系樹脂ボトルでは、内容物の滑落速度を向上させるために、最内層に配合される有機滑剤成分として、脂肪族アミドが使用される。即ち、脂肪族アミドは両親媒性化合物であり、その分子は、親水性の極性基(アミド基)と疎水性の非極性基(炭化水素基)とを有しており、特にアミド基中の酸素原子と水素原子との間で水素結合が形成可能となっている。従って、図1の模式図に示されているように、最内層の表面にブリーディングした脂肪族アミド分子は、水素結合による極性基間の引力と、ファンデルワールス力による引力とにより多分子層を形成するものと思われる。このため、ケチャップ等の粘稠な非油性内容物は、脂肪族アミドの多分子層上を滑落していくこととなる。充分な量の脂肪族アミドを最内層に配合し、ブリーディングにより形成されたこの脂肪族アミドの多分子層における内容物側の表面は、緻密な炭化水素基で覆われており、非油性内容物と表面との相互作用が低減されていると思われる。また、この表面の緻密な炭化水素基は短いタイムスケールで分子運動をしていると思われる。したがって、表面と非油性内容物との相互作用の低減、および、炭化水素基の短いタイムスケールの分子運動により、内容物との非付着性が発現すると考えられる。この結果として、ボトルを倒立保持したとき、非油性内容物は速い速度で滑落していき、優れた滑落性を示すものと信じられる。例えば、有機滑剤として公知のステアリン酸などの脂肪酸やパラフィンワックスなどは、このような多分子層を形成しないため、ボトルを倒立保持したときの滑落速度は遅く、非油性内容物の滑落性を向上させる機能はほとんど示さない。
これらの内、不飽和脂肪族アミドとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトンアミド、イソクロトンアミド、ウンデシレンアミド、セトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、オレイルパルミトアミド、ステアリルエルカミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキドン酸アミドを例示することができる。また、緻密な炭化水素基で覆われ、かつ分子運動性の高い多分子層を形成し得るという点で、適度な鎖長を有しているものが好適であり、特に炭素数が14〜24の範囲にある不飽和脂肪族アミド、例えばセトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキドン酸アミドが好ましく、オレイン酸アミドが最も好ましい。
また、飽和脂肪族アミドとしては、ブチルアミド、ヘキシルアミド、デシルアミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドを例示することができる。また、このような飽和脂肪族アミドとしても、緻密な炭化水素基で覆われやすい多分子層を形成し得るという点で、適度な鎖長を有しているものが好適であり、特に炭素数が8〜24の範囲にある飽和脂肪族アミド、特にステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドが最適である。
本発明のオレフィン系樹脂ボトルでは、最内層のオレフィン系樹脂層に有機滑剤として脂肪族アミドが配合され、このような脂肪族アミドの配合により非油性内容物に対する滑落性を向上させることが可能となるのであるが、このような目的以外にも有機滑剤を使用することができる。
例えば、最外層には、ボトル外面に滑り性を付与し、ボトル搬送に際して、ボトル同士の粘着を防止してボトルの搬送を高めることが求められる。このために、有機滑剤を使用し、有機滑剤がボトル外面にブリーディングするような層構造とすることが好適である。このような有機滑剤としては、種々の公知のものを使用することができ、例えば、前述した脂肪族アミド以外に、
(イ)流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワック
ス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、
(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、
(ハ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等
の脂肪酸エステル系のもの、
(ニ)セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ホ)ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン、
(ヘ)ポリオルガノシロキサン、
などの有機滑剤を挙げることができ、これらは、1種単独或いは2種以上を混合して使用することもでき、特にブリーディング性が良好であるという点で、脂肪族アミドが好適であり、中でもオレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪族アミドが低融点であり、最もブリーディングし易く、本発明には最適である。
本発明においては、ケチャップに代表される粘稠な非油性内容物をボトル内に充填し、これを絞り出しにより排出するため、内外層にオレフィン系樹脂の層を形成するが、非油性内容物の滑落性を向上させるために最内層に脂肪族アミドを配合し、さらには、ボトル外面に滑り性を付与するために、最外層にも前述した有機滑剤が配合される。このため、最外層と最内層との間には、滑落性向上のための脂肪族アミドの最外層側へのブリーディングを防止するために、また、ボトル外面の滑り性を高めるための有機滑剤の最内層側へのブリーディングを防止するために滑剤遮断性を有する中間層を設けることが好ましく、また、最外層に隣接する位置(最外層と滑剤遮断性の中間層との間)には、ボトル外面の滑り性を高めるための有機滑剤が配合された滑剤含有の隣接層が適宜設けられる。
本発明において、ボトルの内面に位置し且つ非油性内容物と接触する位置に設けられる最内層及びボトルの外面に露出した最外層は、それ自体公知のオレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどにより形成される。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等であってもよい。また、前述した特許文献1(特開2007−284066号)に開示されている環状オレフィン共重合体により最外層及び最内層を形成することもできる。本発明において、特に好適に使用されるオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンであり、特にボトルにスクイズ性を付与し、ボトル内容物を絞り出しにより取り出すようにするには、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて最外層及び最内層を形成するのがよい。
本発明においては、最外層と最内層との間に設けられる中間層に、滑剤遮断機能を持たせることにより、最内層表面への脂肪族アミドのブリーディングと最外層表面への有機滑剤のブリーディングとを完全に機能分離し、内容物に対する安定した滑落性を確保することができる。即ち、最外層或いは最外層隣接層に配合された有機滑剤が最内層の表面にブリーディングしてしまったり、或いは最内層に配合された脂肪族アミドが最外層表面にブリーディングしたりしてしまうと、最内層表面にブリーディングした脂肪族アミドの多分子層が不安定となったり、或いはそのブリーディング量が低減してしまい、この結果、滑落性が損なわれてしまうおそれを生じる。
既に述べたように、本発明においては、ボトル外面に滑り性をするためには、最外層に隣接する位置(例えば前述した滑剤遮断性の中間層と最外層との間)に所定量で有機滑剤を配合することが好適である。即ち、このような最外層隣接層を形成する樹脂としては、デラミネーションを防止するために、一般に、最外層と同種のオレフィン系樹脂が使用される。このような隣接層を最外層と接着性の乏しい樹脂を用いて形成した場合には、接着剤樹脂層を介在させることが必要となってしまい、コスト等の点で不利となってしまうからである。
<常温充填>
最外層(含有機滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/最内層(不飽和脂肪族アミド)
最外層(含有機滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/隣接層(含有機滑剤)/最内層(不飽和脂肪族アミド)
最外層(有機滑剤フリー)/隣接層(含有機滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/最内層(不飽和脂肪族アミド)
<熱間充填>
最外層(含有機滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/最内層(飽和脂肪族アミド)
最外層(有機滑剤フリー)/隣接層(含有機滑剤)AD/滑剤遮断性中間層/AD/最内層(飽和脂肪族アミド)
最外層(含有機滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/隣接層(滑剤含有)/最内層(飽和脂肪族アミド)
本発明のダイレクトブロー成形オレフィン系樹脂ボトルは、図2に示されているように、全体として10で示されており、螺条を備えた首部11、肩部13を介して首部11に連なる胴部壁15及び胴部壁15の下端を閉じている底壁17を有しており、このようなボトル10に非油性の粘稠な内容物を充填した後、首部11の上端開口部にアルミ箔等の金属箔19をヒートシールにより施し、所定のキャップ20を装着することにより、包装ボトルとして使用に供される。かかる包装ボトルでは、キャップ20を開封し、シール材が塗布された金属箔19を引き剥がし、ボトル10を傾倒乃至倒立させることにより、内容物の取り出しが行われる。
尚、周状接地面30は、このボトル10を成立保持させたときに接地する部分を含む面であり、その全面が接地する必要は無く、少なくとも、この面30内の3点以上の部分で接地していればよい。
尚、このボトルは、絞り出しに非油性内容物を排出するため、図3(a)の底壁17の投影図から理解されるように、その水平断面は一般に楕円形状として絞り出しを行いやすい形状としており、長軸(A−A)と短軸(B−B)の交点Oが底壁17の中心となり、この中心Oを通るようにパーティングラインXが現われている。
これに対して、本発明のボトル10では、この傾斜壁33の内面の最大傾斜角を大きく設定すると同時に、上げ底部31が底壁17を占める面積割合が一定値以下と小さく設定されている。
このような本発明のボトルは、これを倒立保存しておくことにより、容易に粘稠な非油性内容物を口部側に落下せしめ、容易に排出することができ、しかも、ボトルの底壁への内容物の付着残存を効果的に抑制し、使用済みボトルに残存する内容物量を大幅に低減することができる。
尚、以下の実施例等で行った各種の特性、物性等の測定方法及びボトルの成形に用いた樹脂等は次の通りである。
ダイレクトブロー成形により作製した容量500gのボトル底壁の内面3次元形状をVIVID9i(コニカミノルタセンシング製)により計測した。得られた底壁の3次元形状をRapidForm(INUS Technology製)を用い、周状接地面を含む水平面に投影し、底壁の水平面投影図を得た。得られた投影図および、3次元形状から、上げ底部の投影図における面積率を算出した。また、図3におけるA−A断面およびB−B断面における水平面に対する傾斜壁の接線の最大角を最大傾斜角とした。
各層の形成に用いた樹脂のMFRは、ASTM D123(190℃)、密度はASTM D792によりそれぞれ測定し、さらにガラス転移点(Tg)は、0℃以上の場合にはDSC法により、0℃未満の場合には、動的粘弾性法により測定した。
ダイレクトブロー成形により作製した容量500gのボトルに温度45℃のトマトケチャップを充填した後、口部をシールし22℃で14日間保管した。保管後、ボトルから全量取り出し、容器内面を蒸留水で洗浄、常温下で乾燥した。このボトルの胴部から10mm×60mmの試験片を切り出した。23℃50%RHの条件下、固液界面解析システムDropMaster700(協和界面化学(株)製)を用い、試験片の内層が上になるように固定し、70mgのケチャップ(23℃における粘度=1500mPa・s)を試験片にのせ、85°の傾斜角における滑落挙動をカメラで測定するとともに、滑落挙動を解析し移動距離−時間のプロットから滑落速度を算出した。
ダイレクトブロー成形により作製した容量500gのボトルに温度45℃のトマトケチャップを充填した後、口部をシールし23℃で3日間保管した。保管後、ボトルから400g使用し、残存量100gとし1時間正立保管した。その後、20分間かけてスクイズして内容品を使用した後、底部から30mmの位置を底部/胴部の境界、キャップ天面から60mmの位置を首部/胴部の境界とし、ボトルを底部、胴部、首部に3分割させ、各々の重量(A)を測った。重量測定後、付着残存したケチャップを水道水で洗い流し、乾燥させた後、再度重量(B)を測り、(B)−(A)を残存量とした。
n=3(nは試験回数)について求めた内容物残存量の平均を表1に示した。
得られた内容物残存量(g)を次の基準で評点にし、○を許容レベルとした。
○:5.0g未満
×:5.0g以上
ボトル各層の形成のために、下記の樹脂を用いた。
<最外層、接着剤層、滑剤遮断中間層>
<最外層用樹脂>
樹脂A:
低密度ポリエチレン
MFR;0.4g/10min
密度;0.92g/cm3
(有機滑剤として、オレイン酸アミドを0.03重量%含有)
樹脂B:
低密度ポリエチレン
MFR;0.4g/10min
密度;0.92g/cm3
(有機滑剤として、オレイン酸アミドを0.3重量%含有)
<接着剤層>
無水マレイン酸変性ポリエチレン
<滑剤遮断層(中間層)>
エチレンビニルアルコール共重合体(密度1.19g/cm3、Tg69℃)
<最内層用樹脂>
樹脂A:
低密度ポリエチレン
MFR;0.4g/10min
密度;0.92g/cm3
(有機滑剤として、オレイン酸アミドを0.03重量%含有)
樹脂B:
低密度ポリエチレン
MFR;0.4g/10min
密度;0.92g/cm3
(有機滑剤として、オレイン酸アミドを0.3重量%含有)
50mm押出機に最内層隣接層形成用樹脂として、オレイン酸アミドを0.03重量%含有する低密度ポリエチレン、40mm押出機に、最外層および最内層形成用樹脂として、オレイン酸アミド0.3重量%含有する低密度ポリエチレン、30mm押出機Aに接着剤層形成用樹脂として無水マレイン酸変性ポリエチレン、30mm押出機Bに滑剤遮断性中間層形成用樹脂としてエチレンビニルアルコール共重合体の樹脂ペレットをそれぞれ供給し、温度210度の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、公知のダイレクトブロー成形法により内容量500g、重量20gのケチャップ用4種6層の多層ボトルを作製した。
最外層:30μm
接着材層:6μm
滑剤遮断性中間層:20μm
接着材層:6μm
最内隣接層:200μm
最内層:100μm
このボトルについて、滑落速度測定および内容物残量評価を行い、結果を表1に示した。
最内層および最外層形成用樹脂を樹脂A(有機滑剤としてオレイン酸アミドを0.03重量%含有の低密度ポリエチレン)とし、図3における傾斜角αが60度、傾斜角βが30度、上げ底部の面積率が63%となるように底壁の形状を変更した以外は、実験例1と同様の条件でボトルを作製した。このボトルについて、滑落速度測定および内容物残存評価を行い、結果を表1に示した。
最内層および最外層形成用樹脂を樹脂A(有機滑剤としてオレイン酸アミドを0.03重量%含有の低密度ポリエチレン)とし、図3における傾斜角αが60度、傾斜角βが40度、上げ底部の面積率が30%となるように底壁の形状を変更した以外は、実験例1と同様の条件でボトルを作製した。このボトルについて、滑落速度測定および内容物残存評価を行い、結果を表1に示した。
また、ボトル全体の残存量においても、実験例1では、実験例2,3と比較し、残存量が最も低減されていることが判る。
30:周状接地面
31:上げ底部
33:傾斜壁
Claims (5)
- ダイレクトブローにより形成され且つオレフィン系樹脂の最内層を含む多層構造を有している非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトルにおいて、
前記ボトルの胴部壁の下端が、該ボトルを正立保持したときの接地部を含む周状接地面となっており、
前記周状接地面で囲まれている底壁には、ダイレクトブロー成形に用いる割型に由来して該底壁に現われるパーティングラインを含む位置に、該周状接地面よりも高い上げ底部が形成されており、
前記周状接地面と該上げ底部との間に形成される傾斜壁は、該周状接地面に対して底壁中心を含む垂直断面でみて、水平面に対する該傾斜壁接線の傾斜角の最大角度が30度以上に傾斜した内面を有しており、
前記底壁を周状接地面を含む水平面に投影したとき、該上げ底部の投影面が底壁全体の投影面積の45%以下に抑制されていると共に、
前記最内層には、滑剤成分として、脂肪族アミドが配合されており、
該最内層は、その表面を水平面に対する傾斜角85度となるように傾斜した状態で、粘度が1000乃至2000mPa・s(23℃)の非油性内容物70mgを、23℃において滑落させたときの滑落速度が5mm/min以上となる表面特性を有していることを特徴とする非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。 - 前記パーティングラインに対して垂直方向で且つ底壁中心を含む垂直断面でみて、周状接地面間の間隔をD、前記上げ底部の下面と該周状接地面とを含む水平面との間隔をHとしたとき、D/Hが2〜10の範囲にある請求項1に記載の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。
- 前記最内層には、前記脂肪族アミドが0.05重量%以上、0.4重量%未満の量で配合されている請求項1または2に記載の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。
- 前記脂肪族アミドが不飽和脂肪族アミドであり、非油性内容物の常温充填に適用される請求項3に記載の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。
- 前記脂肪族アミドが飽和脂肪族アミドであり、非油性内容物の熱間充填に適用される請求項3に記載の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。
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