JP5707740B2 - 非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル - Google Patents
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Description
この多層構造ボトルは、特にマヨネーズのような油脂分を含有する油性内容物を収容するために使用されるものであり、最内層が油性内容物に対する濡れ性に優れており、この結果、ボトルを倒立させたり、或いは傾斜させたりすると、マヨネーズ等の油性内容物は、最内層表面に沿って広がりながら落下していき、ボトル内壁面(最内層表面)に付着残存することなく、綺麗に排出することができるというものである。
前記ボトルの胴部壁の下端が、該ボトルを正立保持したときの接地部を含む周状接地面となっており、
前記周状接地面で囲まれている底壁には、該周状接地面よりも高い上げ底部を少なくとも1つ有しており、
前記上げ底部から降下した傾斜壁の内面は、前記傾斜壁に垂直でかつ水平面に垂直な垂直断面における該傾斜壁接線の水平面に対する傾斜角が35度以上となる滑落領域を含んでおり、
前記底壁を、前記周状接地面を含む水平面に投影したとき、その投影面積の30%以上を前記滑落領域の投影面が占めており、
ボトル壁が、オレフィン系樹脂の最内層を含む多層構造を有しており、該最内層に有機滑剤が配合されていることを特徴とする非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトルが提供される。
(1)前記上げ底部は、少なくともダイレクトブロー成形に用いる割型に由来して前記底壁に現われるパーティングラインを含む位置に形成されていること、
(2)前記底壁の投影面積の60%以上を前記滑落領域の投影面が占めていること、
(3)前記上げ底部が2個以上形成されていること、
が好適である。
また、本発明によれば、少なくとも内表面がオレフィン系樹脂で形成されており且つダイレクトブロー成形で成形され、非油性内容物が充填されたオレフィン系樹脂ボトルにおいて、
前記ボトルの胴部壁の下端が、該ボトルを正立保持したときの接地部を含む周状接地面となっており、
前記周状接地面で囲まれている底壁には、該周状接地面よりも高い上げ底部を少なくとも1つ有しており、
前記上げ底部から降下した傾斜壁の内面は、前記傾斜壁に垂直でかつ水平面に垂直な垂直断面における該傾斜壁接線の水平面に対する傾斜角が35度以上となる滑落領域を含んでおり、
前記底壁を、前記周状接地面を含む水平面に投影したとき、その投影面積の30%以上を前記滑落領域の投影面が占めていることを特徴とするオレフィン系樹脂ボトルも提供される。
本発明の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトルは、ダイレクトブロー成形により成形されるものであるが、水平面に対する傾斜角度が35度以上の傾斜面を内面とする傾斜壁(滑落領域)が底部の一定割合以上を占めており、これにより、底部の内面に付着している内容物を速やかに滑落せしめ、底部内面への内容物の付着を防止することができるのであるが、この原理を、図1を参照して説明する。
E=mg・sinθ/2πr
式中、Eは付着エネルギー、
mは液滴3の質量、
gは重力加速度、
rは液滴3の半径、
θは滑落開始角度(滑落角度)である、
で表される。
この式から理解されるように、面1の傾斜角を、滑落角度θよりも大きくするほど、液滴3を面1から速やかに滑落させることができるわけである。
ケチャップ;
ケチャップの液滴重量(mg) 滑落角度θ(度)
15 35
50 35
70 35
即ち、本発明では、底部に滑落角よりも大きな傾斜角、具体的には35度以上の面を多く形成することにより、付着重量によらず、付着した内容物(ケチャップ等の非油性内容物)を速やかに滑落させることができ、これにより、底部内面への内容物の付着残存を効果的に防止することが可能となるわけである。
本発明のダイレクトブロー成形オレフィン系樹脂ボトルは、図2に示されているように、全体として10で示されており、螺条を備えた首部11、肩部13を介して首部11に連なる胴部壁15及び胴部壁15の下端を閉じている底壁17を有しており、このようなボトル10に粘稠な非油性内容物を充填した後、首部11の上端開口部にアルミ箔等の金属箔19をヒートシールにより施し、所定のキャップ20を装着することにより、包装ボトルとして使用に供される。かかる包装ボトルでは、キャップ20を開封し、シール材が塗布された金属箔19を引き剥がし、ボトル10を傾倒乃至倒立させることにより、内容物の取り出しが行われる。
尚、周状接地面30は、このボトル10を成立保持させたときに接地する部分を含む面であり、その全面が接地する必要は無く、少なくとも、この周状接地面30内の3点以上の部分で接地していればよい。
これに対して、本発明のボトル10では、この傾斜角が35度以上となっている滑落領域が底壁の一定割合以上を占めている。
即ち、上げ底部31の形状によっては、傾斜壁33の位置によって、垂直断面における水平面に対する傾斜角は異なったものとなるが、本発明のボトル10では、この傾斜角が35度以上となっている領域(滑落領域)が形成されており、このような滑落領域では、内面の傾斜角が内容物に対する滑落角度以上となっているため、底壁17の内面への内容物の付着残存を効果的に抑制することが可能となるのである。
特に、このように上げ底部31を複数設けるときには、これに伴い、下向きの凸部35が形成されるため、滑落領域での傾斜角を大きく設定した場合においても、ボトル10の内容積の低減を抑制できるという利点がある。
上述した底壁形状を有する本発明の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトルは、図5に示す成形プロセスでのダイレクトブロー成形により成形される。
次いで、図5(d)に示されているように、上型40a,40bの対を開き、同時に下型41a,41bの対を開き、成形されたボトル10を取り出すことによりダイレクトブロー成形が完了する。
本発明の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトルは、ボトル壁がオレフィン系樹脂の単層で形成されていてもよいが、通常、最内層(内容物と接触する層)及び最外層(外面に露出している層)をオレフィン系樹脂により形成し、これら最内層と最外層との間に適宜の機能を持たせた中間層を設けることが好ましく、さらに、最内層及び/または最外層には、内容物の種類やボトル内への充填条件に応じて、適宜の種類の滑剤を配合することが好ましい。
例えば、最外層には、ボトル外面に滑り性を付与し、ボトル搬送に際して、ボトル同士の粘着を防止してボトルの搬送を高めることが求められる。このために、滑剤を使用し、滑剤がボトル外面にブリーディングするような層構造とすることが好適である。このような滑剤としては、種々の公知のものを使用することができ、例えば、
(イ)流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワック
ス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、
(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、
(ハ)ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミ
ド等の脂肪族アミド系のもの、
(ニ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等
の脂肪酸エステル系のもの、
(ホ)セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ヘ)ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン、
(ト)ポリオルガノシロキサン、
などの有機滑剤を挙げることができ、これらは、1種単独或いは2種以上を混合して使用することもできる。
本発明では、特にブリーディング性が良好であるという点で、脂肪族アミドが好適であり、中でもオレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪族アミドが低融点であり、最もブリーディングし易く、本発明には最適である。
一方、非油性内容物を熱間充填する場合には、ボトル外面の滑り性を高めるために使用されるものとは異なり、飽和脂肪族アミド、特に融点が90℃よりも高いステアリン酸アミドやベヘン酸アミドなどが好適である。即ち、上述したオレイン酸アミド等の不飽和脂肪族アミドは低融点であるため、分子の熱運動性が高く、このため、最内層の表面に多分子構造のブリーディング層が形成されたとしても、熱間充填時での分子の熱運動により、ブリーディングした滑剤分子がばらばらになってしまい、この結果、熱間充填された非油性内容物に対する滑落性が乏しいものとなってしまう。これに対して、上記のような飽和脂肪族アミドは、不飽和脂肪族アミドに対して高融点であり、分子の熱運動性が低く、このため、熱間充填に際してもブリーディング層の多分子構造が有効に保持され、熱間充填された非油性内容物に対して安定した滑落性を維持することができるからである。
また、本発明においては、上述した説明から理解されるように、最外層(或いは最外層隣接層)或いは最内層に適宜の滑剤が適宜の量で配合されるが、最外層と最内層との間に設けられる中間層に、滑剤遮断機能を持たせることが望ましい。即ち、最外層或いは最外層隣接層に配合された有機滑剤が最内層の表面にブリーディングしてしまったり、或いは最内層に配合された有機滑剤が最外層表面にブリーディングしたりしてしまうと、非油性内容物に対する滑落性が損なわれてしまったり、或いは過剰の有機滑剤のブリーディングにより白化などを生じてしまうおそれがあるからである。
さらに、ボトルの最外面に位置する最外層や最内面に位置する最内層を形成するポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等であってもよい。また、前述した特許文献1(特開2007−284066号)に開示されている環状オレフィン共重合体により最外層及び最内層を形成することもできる。本発明において、特に好適に使用されるオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリエチレンが最適であり、特にボトルにスクイズ性を付与し、ボトル内容物を絞り出しにより取り出すようにするには、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて最外層及び最内層を形成するのがよい。
尚、このような直鎖低密度ポリエチレンは、従来公知の低密度のポリエチレンの中でも特に低密度であり、例えば、メタロセン系触媒を用いて、エチレンと少量のα−オレフィン(炭素数が8以下であるエチレン以外のα−オレフィン)を共重合して得られる極めて特殊な低密度ポリエチレンである。
既に述べたように、本発明においては、ボトル外面に滑り性を付与するためには、最外層に隣接する位置(例えば前述した滑剤遮断性の中間層と最外層との間)に所定量で滑剤を配合することが好適である。即ち、このような最外層隣接層を形成する樹脂としては、デラミネーションを防止するために、一般に、最外層と同種のオレフィン系樹脂が使用される。このような隣接層を最外層と接着性の乏しい樹脂を用いて形成した場合には、接着剤樹脂層を介在させることが必要となってしまい、コスト等の点で不利となってしまうからである。
常温充填;
最外層(含滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/最内層(不飽和脂肪族アミド)
最外層(有機滑剤フリー)/隣接層(含有機滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/最内層(不飽和脂肪族アミド)
熱間充填;
最外層(含滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/最内層(飽和脂肪族アミド)
最外層(有機滑剤フリー)/隣接層(含有機滑剤)/AD/滑剤遮断性中間層/AD/最内層(飽和脂肪族アミド)
このような本発明のボトルは、これを倒立保存しておくことにより、容易に粘稠な内容物を口部側に落下せしめ、容易に排出することができ、しかも、ボトルの底壁への内容物の付着残存を効果的に抑制し、使用済みボトルに残存する内容物量を大幅に低減することができる。
尚、以下の実施例等で行った各種の特性、物性等の測定方法及びボトルの成形に用いた樹脂等は次の通りである。
実施例及び比較例のボトルの滑落角度を、次に述べる測定により評価した。
得られたボトルを、室温で7日保管したのち、容器側壁から30mm×30mmの平坦な試験片を切り出し、この試験片を内層が上になるようにして、滑落法キットDM−SAを装着した固液界面解析システムDropMaster700(協和界面科学(株)製)の試料台に固定し、液体試料としてケチャップを用い、所定の重量を内層表面上に滴下し、室温23℃、湿度50%RHの条件で、試験片角度をゼロ度から90度まで毎秒2度の速度で傾斜させた。液滴が試験片を滑落開始した角度を測定した。液滴重量は7〜50mgのいずれかで試験した。
ボトル底壁についての底面図から、滑落角度以上の面の面積率(%)を求め、表1に示した。底面図において、ボトル底壁の接地面内側面積全体を100%(底壁面積)とし、傾斜壁に垂直でかつ水平面に垂直な垂直断面における傾斜壁接線の水平面に対する傾斜角度が35度以上となる面領域を区分けし、底壁面積に占める割合を滑落面面積率として%で示した。
各層の形成に用いた樹脂のMFRは、ASTM D123(190℃)、密度はASTM D792によりそれぞれ測定し、さらにガラス転移点(Tg)は、0℃以上の場合にはDSC法により、0℃未満の場合には、動的粘弾性法により測定した。
成形されたボトルに、ケチャップを室温で充填し、プラスチックキャップで密封し、室温で1日間保管した後キャップを外して内容物を開口部から排出した。内容物を排出したボトルに空気を入れ、倒立状態(開口部が下の状態)で5℃に24時間放置した。その後、ボトルの中央部で底壁側と開口部側(口部側)に切断し、底壁側ボトルの重量を測定した。
次いで、底壁側のボトルを洗浄して付着内容物を除去したのち再度重量を測定してその差を付着内容物残量(g)とした。
n=5(nは試験回数)について求めた内容物残量の平均を表1に示した。
得られた内容物残量(g)を次の基準で評点にした。○と△を許容レベルとした。
○:9.0(g)未満
△:9.0(g)以上で、12.0(g)未満
×:12.0(g)以上
ボトル各層の形成のために、下記の樹脂を用いた。
<最外層、接着剤層、滑剤遮断層>
最外層形成用樹脂:
低密度ポリエチレン
MFR;1.1g/10min
密度;0.92g/cm3
(滑剤として、オレイン酸アミドを300ppm含有)
接着剤層:無水マレイン酸変性ポリエチレン
滑剤遮断層(中間層):
エチレンビニルアルコール共重合体(密度1.19g/cm3、Tg69℃)
<最内層用樹脂>
樹脂C:
低密度ポリエチレン
MFR;1.1g/10min
密度;0.92g/cm3
(滑剤として、オレイン酸アミド500ppm含有)
樹脂D:
低密度ポリエチレン
MFR;2.0g/10min
密度;0.90g/cm3
(滑剤として、ステアリン酸アミド3000ppm含有)
50mm押出機に、最外層形成用樹脂としてオレイン酸アミド(滑剤)を300ppm含有する低密度ポリエチレン、40mm副押出機Aに、接着剤層形成用樹脂として無水マレイン酸変性ポリエチレン、40mm副押出機Bに、滑剤遮断性中間層形成用樹脂としてエチレンビニルアルコール共重合体、40mm副押出機Cに、最内層形成用樹脂として樹脂C(滑剤としてオレイン酸アミドを500ppm含有の低密度ポリエチレン)の樹脂ペレットをそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、4分割金型を用いてのダイレクトブロー成形法により、ノズル径φ30mm、内容量500ml、重量19gのケチャップ用ボトルの4種5層多層容器を作製した。
最外層:200μm
接着剤層:5μm
滑剤遮断性中間層:25μm
接着剤層:5μm
最内層:115μm
また、このボトルの底壁形状は、図3に示す通りであり、上げ底部の平面形状が楕円形、図3における傾斜角αが60度、傾斜角βが40度であり、傾斜角が35度以上の滑落面の面積率は85%である。
さらに、このボトルの最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
このボトルについて、ケチャップを用いて、滑落角度測定と内容物残量測定を行い、ボトル底壁仕様(底壁形状)と共に、その結果を表1、表2に示した。
尚、滑落角度は、最内層樹脂Cの値として表2に示した。
最内層形成用樹脂として、樹脂D(滑剤としてステアリン酸アミドを3000ppm含有の低密度ポリエチレン)を用いた以外は、実施例1と同様にしてボトルを作成した。
このボトルの底壁形状は、実施例1と同じ形状であり、傾斜角が35度以上の滑落面の面積比率が85%である。また、ボトル最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
ボトル底壁の仕様及びケチャップを用いての滑落角度並びに内容物残量についての評価結果を表1、表2に示した。滑落角度は、最内層樹脂Dの値として表2に示した。
図3おける傾斜角αが60度、傾斜角βが40度と実施例2と同じであるが、上げ底部のB−B断面の幅を大きくして滑落角度が35度以上の滑落面の面積比率が30%となるように底壁の形状を変更して、実施例2と同様にしてボトルを作成した。このボトルの最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
ボトル底壁の仕様及びケチャップについての内容物残量についての評価結果を表1に示した。
滑落角度については、最内層樹脂として、実施例2と同様の樹脂Dが使用されているため、最内層樹脂Dの値として表2に示した。
図3おける傾斜角αを60度、傾斜角βを35度とし、上げ底部のB−B断面の幅を大きくして滑落角度が35度以上の滑落面の面積比率が30%となるように底壁の形状を変更して、実施例2と同様にしてボトルを作成した。このボトルの最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
ボトル底壁の仕様及びケチャップについての滑落角度並びに内容物残量についての評価結果を表1に示した。
滑落角度については、最内層樹脂として、実施例2と同様の樹脂Dが使用されているため、最内層樹脂Dの値として表2に示した。
図3おける傾斜角αが60度、傾斜角βが40度と実施例2と同じであるが、上げ底部のB−B断面の幅を大きくして滑落角度が35度以上の滑落面の面積比率が40%となるように底壁の形状を変更して、実施例2と同様にしてボトルを作成した。このボトルの最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
ボトル底壁の仕様及びケチャップについての滑落角度並びに内容物残量についての評価結果を表1に示した。
滑落角度については、最内層樹脂として、実施例2と同様の樹脂Dが使用されているため、最内層樹脂Dの値として表2に示した。
図3おける傾斜角αが60度、傾斜角βが40度と実施例2と同じであるが、上げ底部のB−B断面の幅を大きくして滑落角度が35度以上の滑落面の面積比率が60%となるように底壁の形状を変更して、実施例2と同様にしてボトルを作成した。このボトルの最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
ボトル底壁の仕様及びケチャップについての滑落角度並びに内容物残量についての評価結果を表1に示した。
滑落角度については、最内層樹脂として、実施例2と同様の樹脂Dが使用されているため、最内層樹脂Dの値として表2に示した。
底壁形状を、図4に示されているようにフラットな上げ底部を2つ有する形状とし、図4における傾斜角αを60度、傾斜角βを40度とし、且つ滑落角度が35度以上の滑落面の面積比率が75%となるように変更した以外は、実施例2と同様にしてボトルを作成した。このボトルの最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
ボトル底壁の仕様及びケチャップについての滑落角度並びに内容物残量についての評価結果を表1に示した。
滑落角度については、最内層樹脂として、実施例2と同様の樹脂Dが使用されているため、最内層樹脂Dの値として表2に示した。
上げ底部の平面形状を円形とし、図3おける傾斜角αが45度、傾斜角βが60度であり、滑落角度が35度以上の滑落面の面積比率が97%となるように変更した以外は、実施例2と同様にしてボトルを作成した。このボトルの最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
ボトル底壁の仕様及びケチャップについての滑落角度並びに内容物残量についての評価結果を表1に示した。
滑落角度については、最内層樹脂として、実施例2と同様の樹脂Dが使用されているため、最内層樹脂Dの値として表2に示した。
実施例2で作製したケチャップ用ボトルを用いて、ケチャップを85℃で充填した以外は実施例2と同様にして評価を行い、表1に示した。
図3おける傾斜角αを10度、傾斜角βを10度とし、上げ底部のB−B断面の幅を大きくして滑落角度が35度以上の滑落面の面積比率が0%となるように底壁の形状を変更して、実施例2と同様にしてボトルを作成した。このボトルの最内層の表面平均表面粗さRaは0.26μmであった。
ボトル底壁の仕様及びケチャップについての内容物残量についての評価結果を表1に示した。
滑落角度については、最内層樹脂として、実施例2と同様の樹脂Dが使用されているため、最内層樹脂Dの値として表2に示した。
30:周状接地面
31:上げ底部
33:傾斜壁
Claims (5)
- 少なくとも内表面がオレフィン系樹脂で形成されており且つダイレクトブロー成形で成形された非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトルにおいて、
前記ボトルの胴部壁の下端が、該ボトルを正立保持したときの接地部を含む周状接地面となっており、
前記周状接地面で囲まれている底壁には、該周状接地面よりも高い上げ底部を少なくとも1つ有しており、
前記上げ底部から降下した傾斜壁の内面は、前記傾斜壁に垂直でかつ水平面に垂直な垂直断面における該傾斜壁接線の水平面に対する傾斜角が35度以上となる滑落領域を含んでおり、
前記底壁を、前記周状接地面を含む水平面に投影したとき、その投影面積の30%以上を前記滑落領域の投影面が占めており、
ボトル壁が、オレフィン系樹脂の最内層を含む多層構造を有しており、該最内層に有機滑剤が配合されていることを特徴とする非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。 - 前記上げ底部は、少なくともダイレクトブロー成形に用いる割型に由来して前記底壁に現われるパーティングラインを含む位置に形成されている請求項1に記載の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。
- 前記底壁の投影面積の60%以上を前記滑落領域の投影面が占めている請求項1または2に記載の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。
- 前記上げ底部が2個以上形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の非油性内容物用オレフィン系樹脂ボトル。
- 少なくとも内表面がオレフィン系樹脂で形成されており且つダイレクトブロー成形で成形され、非油性内容物が充填されたオレフィン系樹脂ボトルにおいて、
前記ボトルの胴部壁の下端が、該ボトルを正立保持したときの接地部を含む周状接地面となっており、
前記周状接地面で囲まれている底壁には、該周状接地面よりも高い上げ底部を少なくとも1つ有しており、
前記上げ底部から降下した傾斜壁の内面は、前記傾斜壁に垂直でかつ水平面に垂直な垂直断面における該傾斜壁接線の水平面に対する傾斜角が35度以上となる滑落領域を含んでおり、
前記底壁を、前記周状接地面を含む水平面に投影したとき、その投影面積の30%以上を前記滑落領域の投影面が占めていることを特徴とするオレフィン系樹脂ボトル。
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